日本のアクセントと言葉調子(上)

AI要約 (β)
この文章では、日本語の音声表現について説明しています。具体的には、声の高さや強さ、速さを変えることで意味やニュアンスが異なることを述べています。例えば、「そうですか」という言葉は、声の高さを変えることで異なる意味を持ちます。また、「私は昨日帰りました」という文も、強調する部分や話す速さによって異なる印象を与えます。さらに、日本語には特定の言葉に対して決まったアクセントがあり、例えば「箸」と「橋」や「吹いて」と「拭いて」など、声の上げ下げで意味が変わる例を挙げています。最後に、日本語のアクセントについて簡単に触れ、説明を終えています。
pid
3571279
date
1929-09
note
商品番号 : 33000, デジタル変換後ノイズ除去 : 無, 日本語学習
year
1929
genre
教育・児童
creators
神保 格
duration
166
persName
神保 格
publisher
コロムビア(戦前)
私どもの言葉には色々な音を使いますが、 その他に声を高くしたり低くしたりして調子をつけることもあり、 強くしたり弱くしたりして抑揚をつけることもあり、 また音を長く弾いたり短く詰めたりして話の速さを変えることもあります。 そのうち例えば、同じそうですかという言葉も、 そうですかと終わりの方で上げたり、そうですかと下げたりするのは、 声の高さの違い、調子の違いでございます。 私は昨日帰りましたという言葉も、 私は昨日帰りましたとか、私は昨日帰りましたとかいうのは、 所々で声を強く言う違いでございます。 また、私は昨日帰りましたと言えば早口になり、 私は昨日帰りましたと言えばゆっくり言うことになります。 早いというのは音の短いこと、ゆっくりというのは音を長くすることでございます。 この調子や抑揚や速さは、話のいろいろな場合によって様々に変わるものでございますが、 ある言葉にはいつも同じような調子の決まっているものがあります。 例えば、東京ではご飯を食べるときに箸を使う、 川に箸がかかっている、などと言います。 箸のときは歯が高く歯が低い、箸というときには歯が低く歯が高いのでございます。 そのほか、笛を吹いておるというのは笛を鳴らしていること、 笛を吹いておるというのは汚いから布切れか何かでぬぐっていることでございます。 吹いては笛が高く、吹いてはだいたい平らに言うことになっております。 また、この本は厚い本だ、という厚いはだいたい平らに言いますが、 夏は厚い、の厚いはつを高く言います。 そのほか、何でもある言葉に声の上げ下げが定まっているのを日本語のアクセントと申します。 では、以上で終わりたいと思います。 ありがとうございました。