講演:虚子俳話(一):俳句とは・俳句を作るには
- AI要約 (β)
- 俳句は十七音の詩であり、季節の移り変わりに基づく「期待」を重視します。期待とは自然や人事の現象を指し、詳細は「祭辞記」に記されています。俳句を作る方法として「代営」「区会」「銀行」があり、代営は祭辞記の期待を取り出して十七音にまとめること、区会は大勢で行うこと、銀行は実際の景色から期待を選んで詠むことです。俳句作りは代営から始まり、区会、銀行へと進みますが、これらは手段に過ぎず、俳句の目的は感情を歌うことです。期待を通じて感情を表現し、期待と感情が互いに影響し合うことで俳句が生まれます。感情と期待が自然に融合する人は特に手段を必要としませんが、そうでない人は代営、区会、銀行を利用します。
- pid
- 3571316
- note
- 商品番号 : 33293, デジタル変換後ノイズ除去 : 無, 講演
- genre
- 講義、講演、演説
- creators
- 高濱 虚子
- duration
- 196
- persName
- 高濱 虚子
- publisher
- コロムビア(戦前)
俳句は十七時の詩でありまして 期待というものに重きを置きます
期待というものは春夏秋冬の移り変わりによって起こってくる
天然界人事界の種類の現象を言うのでありまして
これは祭辞記という書物がありまして それに詳しく載っております
俳句を作る手段として 代営 区会 銀行等がありますが
その代営というのは 前に申した祭辞記の中にたくさんの期待がある
その一つの期待を取り出して それを十七時に風営することであります
そうしてそれを一人でやらずに 大勢のものが一同に集まってやるのが区会であります
また別に期待を定めずに 実際の景色に出会って
その景色の中から期待となるものを勝手に選み出して
十七時を並べるのが銀行という句作の一方法であります
俳句を作ることは代営から出発しまして 区会となり銀行となるという順序でありますが
代営 区会 銀行が俳句の目的というのではありません
俳句も詩でありますから 我々の感情を歌うものでなければなりません
が 俳句には期待というものが必要でありますから
その期待を通して感情を歌わればなりません
俳句は期待を通して感情を歌え
また期待の刺激を受けて感情が躍動する
つまり期待と感情とが互いに相助け合って生まれるのであります
代営とか区会とか銀行とかいうものは
その期待と感情との融合を誘い導く手段に過ぎないのであります
常に感情が動いて期待を求め
期待が働きかけて感情を刺激しておるというような人は必要がないのであります
が そういうふうに行かない人は
他の刺激を借りる代営 区会 銀行等を最も便利な方法とするのであります