演劇:十六夜清心(一)
- AI要約 (β)
- 要約: ある人物が訪問を断り、自分が訪問することを提案します。久しぶりの再会を喜び、弟子を紹介します。弟子は「鬼あざみ」と呼ばれる坊主で、泥棒のような行為をしていることが明かされます。会話の中で、煙草を吸う場面もあり、昔を思い出すと語ります。全体的に、再会と過去の話、そして現在の状況が描かれています。
- pid
- 3571797
- date
- 1930-02
- note
- 商品番号 : 35082, デジタル変換後ノイズ除去 : 無, 演劇
- year
- 1930
- genre
- 演劇、演芸
- creators
- 尾上 梅幸, 中村 芝鶴, 松本 幸四郎, 尾上 幸藏, 市村 羽左衛門
- duration
- 209
- persName
- 尾上 梅幸, 中村 芝鶴, 松本 幸四郎, 尾上 幸藏, 市村 羽左衛門
- publisher
- コロムビア(戦前)
もういいよ、来るには及ばない。今、わしがそこへ行こうよ。
もう、これは旦那様、誠にご無沙汰を致しました。
いつもおかわりなく、おめでとうございます。
さあよ、来たか。久しぶりだったな。
そして、このお方は三織の塩か?
これはわたしの、あの、弟子でございます。
何、弟子だと?
そんなら、おさよは夫を持ちしか。
兄様の夫婦とよく言った、坊主の弟子に坊主の女婆があれ。
何しろ身が固まって、ああ、結構だの。
ご迷惑でも、旦那様、女婆の縁にわたくしを、どうか置いておくなさいまし。
それは品によったら、置いてあげまいものでもないが、そして、こなさんの名は何と?
ご親父様とこのおさよと、兄弟分の上から、旦那様とわたくしは、いわば兄弟、弟いえ、
罪隠さず申しますが、実はわっちのこの腕に、あざみの歌が掘ってあるんで、
鬼あざみと言いますりゃ、寝が精神といった坊主いえ、鬼坊主ともあだ名を呼ばれ、
精吉という坊主っけいさ。
おお、そんならおさよが色であった、精神というご出家が、今名の高い鬼あざみ、精吉殿であったのか。
さようでございます。
どうしてお前の商売は?
商売かい、寝が遊びに残ってございますから、これが家業というものもございませんが、
まずゆすり語りぶったぐり、俗に言わぬすったさ。
習おうよりなれろと言って、わっちに連れて今じゃおさよも、板のまぐれを働きます。
おかれさ、姉さんの前でそんなことをあんぎなさるからおいでないよ。
なんにしろいい妹をお持ちなすって、お幸せな子ってございますね。
そんなの彼は、泥棒か?
やかましい、ぬすった言わなくたってわかってない。
こんな大きな声をしやがって、もし人にでも惹かれてみろ、
俺の代わりにならんが彼は、てめえまで惹かれるだぞ。
そといって泥棒だもの。
やかましいって言ったか。
おれもこしけ、またしてもいらぬ口だし、おまえはだまっているがいい。
姉さん、一服貸してくださいな。
あ、きせる、きせるはここに。
何です、きせるがないんですか。
なきゃ仕方がありません。
旦那、一服貸してくださいな。
そんなら、これを飲むがいい。
毎晩飲んだ旦那のきせる、私は昔を思い出しますよ。
一服つけてあげましょう。
何だ、ていしの前ですいすけたばこ、ふざけたまねをしやがるね。
質量にもとってあげるから、だまっておいでよ。