演劇:十六夜清心(三)

AI summary (β)
この文章は、ある人物が「おめかちゃん」と呼ばれる女性に対して、彼女を可愛がるように頼んでいる場面を描いています。彼は、彼女が以前は可愛がられていたことを思い出させ、再び可愛がってもらうように説得しています。しかし、彼女の現在の姿(いがぐり頭)が問題となり、家に置いてもらうためにはその頭が人並みになる必要があると言われます。彼はそれに対して、そんなに待てないと反論し、最終的には旅に出るための「わらいせん」として百両を要求し、それを受け取ります。
pid
3571799
date
1930-02
note
商品番号 : 35083, デジタル変換後ノイズ除去 : 無, 演劇
year
1930
genre
演劇、演芸
creators
尾上 梅幸, 中村 芝鶴, 松本 幸四郎, 尾上 幸藏, 市村 羽左衛門
duration
207
persName
尾上 梅幸, 中村 芝鶴, 松本 幸四郎, 尾上 幸藏, 市村 羽左衛門
publisher
コロムビア(戦前)
本人、こんな頭にされたおめかちゃんには、可愛がってもらわなくちゃあやしない。 ねえ、旦那。そうじゃありませんか。 なんですねえ、そんな怖い顔して、これでもおめかでいた時には、可愛がってくれたじゃありませんか。 ねえ、こっち向いて、笑い顔でもお見せなさいよ。 あれ、まあ、あんなこと。 まあ、いい。いや、それは以前の恩により、二人ともこの家に置いてやるまいものでもないが、 お室残しの貸付所、見る通りの玄関構え。 どうれと言って取り次ぎに、いがぐり頭で出られもしない。 一旦約束したからは、いやとは言わぬが、その頭が人並になったなら、尋ねてござれ、置いてやろうわ。 おいおい、そんな気の長いことは言っちゃいけねえ。 明日が知れねえ二人の体、いくらこっちの家にいてえからって、このちょんちょんまげの伸びるまで、まごまごしてやられるもんか。 こういう未成の二人へ、家へ置くのが怖いのか、何にも怖がることはない。 まさかのときは口として、抱いて行こうと、連れて行こうと、それはこっちの料金次第。 気まずいことを言いなせら、いやでも一緒に抱き込むよ。 これこれ、一緒に連れて行くのを抱き込むのと、そんなことはな、今どきゃ流行りゃしねえや。 そうかね。 行きゃ隠居と立てられて、あつおの未明を食う株だが、逃れるだけは行きたくねえ。 旦那、これが地金でございやさ。 ねえ、どうかま、いやでもおい。 それとも、こんな頭で不礼なら、こうしましょう。 これから旅へ参りますから、どうかわらいせんをおかしなすっておくんなさやし。 それはその頭が伸びるまで、旅へ行くということなら、たんとのことはできないが、わらいせんぐらいなら、貸しと言うのも面倒だ。 のしをつけて祝いましょうよ。 それでこそ兄弟の良しみ、もし旦那、たんと祝ってくださいよ。 いやしかし、当たって砕けるが、ま、いくら欲しいと言いなさんのだね。 いや、これからどこへ行くか知れねえ二人でございますから、わらいせんもはしたじゃしようがねえ。 な、ああ、うん。 旦那、百両おかしなすっておくんなさやし。 うん。 それじゃ、たった百両でいいのか。 え。 うん。 安いことだ。 おいお父さん、その手箱を持ってきておくれ。 はい。 うざいよ。 うざいこととてもよいことの。 惜しいことしたねえ。 さ、望みどおり百両あるよ。 え。 どう。 これは、ありがとうございます。 うん。 うん。 よし、ご親族、どうか、あなたから旦那へ、よろしくお礼をおっしゃっておくんなさやし。 ご視聴ありがとうございました。