演説:時局に處する国民の覚悟(五)

AI要約 (β)
第72議会では、膨大な予算が全会一致で迅速に承認されました。このことは日本以外の国では珍しく、日本内部の分裂を期待していた中国にとっても意外な精神的打撃となりました。私は国民の協力と敬意に感謝し、日本の歴史的組織の尊厳を再認識しました。国家は単なる利益団体ではなく、文化的使命を持つ共同体であり、国民は自己利益を追求するだけでなく、民族国家を通じて人類に貢献する精神的存在です。この新しい要求は、日本の国家組織においては先天的に具現されており、国家総動員は強制を待たずして自然に行われるものです。
pid
3572321
date
1937-10
note
商品番号 : A1003, デジタル変換後ノイズ除去 : 無, 演説
year
1937
genre
講義、講演、演説
creators
近衛 文麿
duration
161
persName
近衛 文麿
publisher
コロムビア(戦前)
現にさるこのか終了いたしました第72議会におきまして、膨大なる予算が両院とも全会一致をもって、一瞬の間に共産されましたる一致をもってみましても、このことは歴然たる事実であった。 幕のごときは日本以外の国家におきましては容易に意外がたきところでありまして、特に日本内部の分裂を見越して対日共好の一理由としてきましたところの品政のごときに対しては意外なる精神的打撃を与えたことと思うのであります。 もとより私といたしましては、かる国民諸君の協力、敬意に対しましては感謝の念にされるものがあるのであります。 しかおして、幕のごとき協力のよってきたるところ、ついに我が日本国体の尊厳無慈なる歴史的組織に宣言することを思うときに、私は日本人民にたることの恩情を今更のごとく通節に自覚せざるを得ないのであります。 国家は雑然たる利益団体にあらすして一つの文化的使命を有するところの共同目的体であります。 国民は己の利益を追求する優異物的存在にあらすして、民族国家の組織を通じて人類に寄与せんとするところの精神的存在であります。 幕のごときは、西洋の優異物的文化にあったらざる人たちの間に褒美として最近沸き起こっているところの新しい要求であります。 しかるにこの要求は、万世一継の皇室を中心とする我が日本の国家組織におきましては、先天的に具現せられておるのであります。 我々が国家に対する自覚のつながるところ、そこに国家総動員は強制を待たずしておのずかなるのであります。