演説:時局に處する国民の覚悟(三)
- AI summary (β)
- この文章は、歴史的な大事業を成し遂げるためには多くの困難が伴うことを述べています。国難が予想される中で、全ての国民が一丸となって国家の目標に向かって努力する必要があると強調しています。個々の役割は異なっても、全ての人が国家の一部として重要であり、全員が自覚を持って働くことで国家の力が増すとしています。日本の歴史は古く、国家の生活力は若々しく旺盛であるため、全員が協力すれば困難を乗り越え、新しい時代を築くことができると信じています。
- pid
- 3572341
- date
- 1937-10
- note
- 商品番号 : A1002, デジタル変換後ノイズ除去 : 無, 演説
- year
- 1937
- genre
- 講義、講演、演説
- creators
- 近衛 文麿
- duration
- 175
- persName
- 近衛 文麿
- publisher
- コロムビア(戦前)
核のごとき歴史的大事業が何らの困難なしにできると思うならば、これは思うほうが無理であろうと存じます。
今後、あるいはいろいろな方面から国難が起こってくることを覚悟しなければなりません。
我々に寛容がなることは、いかなる国難が起こってきても必ずこれに打ち勝ち、いかに長期に渡っても半途にしてくせる。
優秀の病なしとげずんば、斬事でやまぬという最前の筋ではありません。
もうすまでもなく、これは決して一政府、一軍隊の力によってできることではないのであります。
全国民の全勢力を総合蓄積して、国家の最高目的の前にこれを動員、これを傾倒して初めて可能であると信ずるのであります。
実に、重剣を取る者も、月、花、炉板を取る者も、同じく国家的戦闘の一単位、単にその持ち場が異なっているにすぎないのである。
もしここに自分が一人はなかったなら、国家の全勢力はそれだけ欠陥が生じてくる。もしまた自分が一時間だけ余計に働いたならば、国家の自給力はそれだけ増すことになる。
しかし、格の如き自覚を持って全国民が国家総動員の内に織り込まれてくるならば、我々に課せられましたる時代的使命を遂行し、発展的日本のために一新紀元を作ることは決して困難でないと信ずるのであります。
私は少なくとも二つの方面から深く信じて疑わぬ理由を持っておるのであります。
その一つは、我が日本の歴史は極めて古いが、国家の生活力は青年のように旺盛であるということであります。このことは、本日の日本を公平に観察する者の何が生きせる認識であると思います。