演説:大命を拝して(一)
- AI summary (β)
- 今回、私は予期せず国政総理の任を引き受けることとなり、非常に恐れ多い気持ちでありますが、この機会に国民の皆様にご挨拶を申し上げたいと思います。最近の世界情勢は急速に変化し、旧来の世界秩序が崩壊しつつあります。私はこの重大な変局に対応するため、国内体制の一新が必要と考え、駿満院議長を排除しました。国内で意見が対立し争うことは、外部に対する力を弱め、重要な機会を失う原因となるからです。国民党には二つの弊害があります。一つは、自由主義や民主主義、社会主義などの立党の趣旨が我が国の国体と相容れない点であり、これを急速に改正する必要があります。
- pid
- 3572390
- date
- 1940-09
- note
- 商品番号 : A2004, デジタル変換後ノイズ除去 : 無, 演説
- year
- 1940
- genre
- 講義、講演、演説
- creators
- 近衛 文麿[総理大臣]
- duration
- 139
- persName
- 近衛 文麿
- publisher
- コロムビア(戦前)
今回、計らずも退命を拝しまして、国政総理の任を担うに至りましたことは、私の誠に恐怖に絶えざるところでありますが、
この機会に、諸会の一端を刺激いたしまして、広く国民各位に御挨拶を申し述べたいと思います。
御承知のごとくに、世界の情勢は最近において急転直下いたしまして、驚くべき変転を見たのであります。
旧来の世界秩序は、欧州からまず崩壊いたしまして、今や世界の他の地域にまで及ばんとしておるのであります。
私は、先に駿満院議長を排除いたしたのでありますが、これは世界のこの重大なる変局に対し、我が国におきましては必ず国内体制の一新を作らなければならないと考えまして、
御力をこれに致さんと欲しさるがためであります。
けだし、国内に主旨の意見が対立いたしまして、互いに相争うということでありましては、力を外にもっぱらにしややず、作法を弁して雄断の機会を失うからであります。
国民党に従来、政党の弊害は二つあります。
その一つは、立党の趣旨におきまして、自由主義を取り、民主主義を取り、あるいは社会主義を取りまして、その根本の世界観人生観がすでに我が国体と相入れないものがあるという点でありまして、
これは今日、急速に展開をいたし、抜本的に改正をしなければならないところであります。