精神教育資料 提督の最期(八)

AI summary (β)
要約: 山口司令官は、陛下に対して敵を完全に倒せなかったことを謝罪し、仇を討つように頼みました。その後、司令官と官卿は決意を持って行動し、潜入三胞や副長もそれに従いました。二隻の駆逐艦は近くを巡回し、司令官と官卿の姿を見守り続けました。最終的に、軍艦は大渦に巻き込まれ、司令官と官卿の姿は消えましたが、彼らの精神は海軍の一部として残り、全将兵はその崇高な姿を目撃しました。
pid
3573243
date
0000
note
商品番号 : 100745, デジタル変換後ノイズ除去 : なし, 記録
year
0
genre
文学作品以外の朗読、解説
creators
大本營海軍報道部課長 海軍大佐 平出 英夫
duration
205
persName
大本營海軍報道部課長 海軍大佐 平出 英夫
publisher
ニッチク
それは、急にその姿勢を正し、言葉もおぼそかに、陛下の見惚れを存じましたことは、まことに申し訳ありません。 しかし、やるだけのことはやりました。 ただ、敵の残る一家に最後のとどめをさす前に、かくなったことは残念に存じます。 どうかこの仇を打ちはらしてください。 長官の御運長久をお祈りいたします。 以上だ。頼むよ。 と言い終わるや、山口司令官は静かに官卿にその歩みを訴えました。 各官卿も、またやや足早に官卿に昇って行きました。 司令官、何ぞお固めをください。 潜入三胞は、追いすがるように両手を挙げて官卿を振り仰ぎました。 その手の上、山口司令官の戦闘棒がふわりと軽く投げられました。 副長は軍艦機をはだめに、潜入三胞は将棋と片身の戦闘棒を抱きまして、最後に二人ともついに船を去ったのだ。 軍艦の原則を離れました後も、二隻の駆逐艦は近くをさらず、 近隣、行くたびか巡り、行くたびか探偵を降ろし、あるいは官長の物声を合わせて呼び合い、手を挙げ棒を打ち振るなど、 ほとんど子が親を呼ぶにも勝る哀戚の絶叫と忠情を表し続けたのでありました。 だが司令官と官卿の豊かたる決意の姿には、いささかの揺るぎも見えず、 ただ彼方の官卿に立てる二つの影も、我に応えて手を振っておるのが見えるだけでありました。 刻々、その二つの影は、神かのごとき崇高さを敬遠しておりました。 一瞬、官卿者とも黒煙に覆われ去ったかと思えば、また次の一瞬、延々たる不能は、神の像のごとくその影をはえ照らしました。 なお、振り続けている手の線まで赤かと見えます。 やがて驚くべき海面の変化が予想されます。 広く大きい海の凍結が、突如として生ずるかのごとき大渦のもたらしきたった潮鳴りであります。 それが先か後か、呉然一大温泉とともに、彼方の軍艦は裂けておりました。 はちばち見るその砂原は、急傾斜して陽中にぼし、刹那に深く沈みゆく環境には、人なく炎なく煙もなく、 まさに終点一根の月落ちて、陽深へ神静まったかのようにしか思われません。 その渦潮を急に避けながらも二隻の駆逐艦上から、その有様を目撃しておりました全将兵の目に、 すでに常時の人間山口司令官各艦長の影はなく、 二人にして全く一つなる我が海軍だまし、その一線の神の光を明らかに目で見た心地だったのであります。