落語:からし医者(二)
- AI summary (β)
- 要約:二人の書生がそれぞれ面白い本を読んでいる。一人は地図記を持ち、もう一人は人種についての本を読んでいる。ある日、病人が医者の元を訪れるが、医者は不在で書生が対応する。病人は書生に対して色々と質問し、書生はその都度答えるが、会話はかみ合わない。最終的に書生は病人を医者に取り次ぐために待たせるが、病人は不満を漏らす。
- pid
- 3576017
- date
- 1930-12
- note
- 商品番号 : 26066, デジタル変換後ノイズ除去 : ノイズ除去なし, 落語
- year
- 1930
- genre
- 落語
- creators
- 桂 春團治
- duration
- 204
- persName
- 桂 春團治
- publisher
- コロムビア(戦前)
また片っぽの書生も面白い本を読みます。
やはり同じく前に本を置きよって、手には地図記を持ちよってね。
それ、それ、台湾、台湾省をかなうといえども、
地区沖は扇風機にならん。
何のそれが扇風機になりますもんか。面白い本を読み上がる。
またもう一つの書生も同じようにね。
それ、それ、小学特訓町の市、およそ地球上の人種は五つに分かれたり、
アジア人種、ヨーロッパ人種、アフリカ人種、
アサネボ人種、スケベイ人種、デレスケ人種これなり、
ドロボ人種はチョウエギ人種のうちなり、
なんじ芸技界を好むや、
芸技界を好むといえども及ばず除老界をすべし、
除老界をするといえども、さげ魚は捕らず、
何やってさげ魚を捕らざるや、
朝の環状が昇るのが恐るのが言えなり、
ああ、そりゃ無理もないと、
こんな本どこの書生が読まれはしまへん。
医者の書生だけで難しいわからん本読みやがる。
アホ目は医者の表へ立ちやがる。
ごめんを、ごめんを、はい、
どーり、おは、こーり、
これ面白い人やな。
おまえは?
まちまち?
何を言うねんこれ。
なんじゃな?
病人。
おり?
大きい太い声出す人やな。
たっしゃそうな病人じゃ。
ええ、あんたここの先生やか。
いや、わやここの書生じゃが。
ああ、そうやか。書生きっとんか。
これ書生きっとんかってなものやしな。
わやここの書生じゃ。
ああ、なるほどな。
なあ、書さん。
書さんとは?
なんじゃな?
先生、おたくにケツかるか?
だいぶほげたの立つじゃなくて、ケツかるかとは。
先生は在宿じゃ。
ああ、表示のあり。
どこの在宿?
在宿やれへん。在宿とは宿にいられる。
ああ、畑小屋に。
何を言うねん。奥にいられるが。
ああ、山の。
なんじゃな、これ。
奥で書面をしたためでござる。
ああ、吟病の加減やな。
何げ、書面をしたんでなある。
ああ、何を言うねん。
奥で手紙を書いてござる。
手紙書いてござる。
なまえきな。
なんのなまえきなことあるか。
おまえが来たということを先生におこい伝えたげましょうかい?
ええ、いい?
おまえが来たということを先生におこい伝えたげましょうかい?
ああ、そうでおりますかい?
おかしげなものやしな。
先生におこい伝える間しばらく待たんし。
で、早くしやんし。
いや、やかんし。
おこい伝えば奥から先生出と言うな。
手に煙草もん下げてお尻をそりかえ。
ここらへんの先生になったらなかなか席でも一丁に出まへん。
この席はみな下から上へ込みあがって行くより
5両で向こうの方で飛行機が通っているような声だしと言うな。
うーーーーーーーー…
何を言うね?
面白い人ひとり。
こんにちおいでになった異常人というのはおまえか?
医者に言ったらきれいにか?
おかしげなものやすんでやれへん。
ただ、見たてをすんのか?
どうだ見たてをな。
見たてをすんでやったら、とにかくこっちあがりゃんし。
いい?
見たてをすんでやったら、とにかくこっちあがりゃんし。
許しやんし。
おかしげなものやしたらどんな。