落語:からし医者(四)

AI summary (β)
この文章は、ある人物が他の人に対して指示を出しながら、体調を確認し、薬を与えようとしている場面を描いています。指示を受ける人は、じっとしていることが難しく、様々な動作をしてしまいます。指示を出す人は、その様子を面白がりながらも、最終的に薬を渡そうとします。会話の中で、名前や薬の種類についても触れられていますが、全体的に混乱したやり取りが続いています。
pid
3577355
date
1936-01
note
商品番号 : 67487, デジタル変換後ノイズ除去 : ノイズ除去なし, 落語
year
1936
genre
落語
creators
桂 春団治
duration
210
persName
桂 春団治
publisher
リーガル
じっと寝ていらっしゃれ、じっと。そう、そう、そう、そう。それ以後に。さあ、これからお腹を見たげるでな。そのお腹、ぴょこぴょこ、いのがさえに。だいぶ、じ、じ、じっと、そう、そう。え? このあたりが進化と言うて、このあたりが最下と言う。ああ、最下?これ、相手にならない。だいぶおもろい人やね。じっとしてね。え?そう、そう、そう。お腹をこうやって押さえる。お腹がゴロゴロとなるがな。 あ、しんじ、かえっとんだ。あら、へーこいた。これ、医者にかまちゃったら出るか。でもおもしろい人やね。さあ、ちんとちんと座って。ちんと座って、舌を出してごらん。え? ちんと座って、舌を出してごらん。へー、舌を。へー、へー。ああ、もっと出んかな。もう、もう、もう、これ、けっちゃいけや。けっちゃうとは。 その人はぐるっとまわらんかい。え?この人はぐるっと。ああ、こわ。しんじ、これはまわらん。後ろはまわる。後ろはまわりまえで。うだ、うだって言うな。いや、そんで、膝へ手を置いてじっとしてなさい。薬をちょうごいしてあげるでな。ああ、へー。 膝へ手を置いて、じっとまってみますか。どうぞ、薬ひとつ。ああ、じっと、いま、しょせんにさしておいて。これ、これ、これ、その畳のいい見知らんように。へー、へー、へーやんないやがな。 なお、見知らんどうならん。ああ、あさやか。さやかって。膝へ手を。これ、その布団のとじいとをとらんように。ああ、これもいかん。どれかっていかん。きのう、おまえ、しかえたどこや、その布団は。ああ、それでや。 それで、見知りにくい。見知りにくいって言うな。むちゃで。膝へ手を置いてな。わるさするもんじゃ、あら。これ、これ、これ、その、どいんの口から水のんだら、ここらへり。 こっちに、いいえ、こぼかしてあげるで。もう、ざんないな、おまえのすることは。膝へじっと手を置いていられんやろ。これ、その猫のひげ見知らんように。ああ、こしゃこしゃいいなあ。こしゃこしゃいいなあって、おまえがすぐにゃこするさかや。 どこに猫のひげ見知ってみ。ねずみとらんやろ。たいぶんかわってるな、おまえは。ああ、かえらしい猫や。なんぼかえらしい猫。これ、もう、その、ちょこちょこ、もう、これ、そこらへんの引き出しあげなあんな。 なに、なにしてんの。そりゃ、風船やれへん。ルーテンサックや。これ、もう、その、おっけいふくらして、いいえ、これ、あ、そう、あった、あった。ろくなことしてんの、おまえは。ルーテンサックやってみたから。 ひとつぐらい、ひとつぐらいかって、ふたつぐらいかって、なってんの。もう、おまえ、はえんではんの、なんておってんの。これ、きゅうすけや。くすりがちょうごいできたら、こっちにもっていなされ。ああ、だいぶん、この人、おもしろいした。この人、いてた。ろくなことしてんの。くすり、こっち、こっち、こっちね。 おじさん、くすりがありげた。おまえ、なんちゅう名前。え、名前、なんちゅう名前。え、名前、げんすけ。げんすけと、おかしい。え、げんさん。え、げんさん。さんだけつけていいで。だいぶん、かわってんの、おまえ。おじさん、くすり、おもってんの。 せんじ、せんじぐすりにしとくなってんの。ああ、せんじぐすりなら、のんびりとおもってんの。いま、みずぐすりは、なんじゃちゅうけで、わたしのほうは、ちょっと、きゅうへいめいっているようになるけど、そのくすりが、はよきくていない。えへい、なんなかなって、ぜんじをうけてるとおもってんの。いげつないものやしな。なにをいんの。それ、もっていんなって。 あれはおっきい。とにかく、せんじもはれてん。どうせんじまね?せんじ。そうじゃ、いちごのみずを、にごにせんじあげてもらいたい。へへっ、いちごのみず、え、え、せんじ、どうしちゃった。 いちごのみずを、にごにせんじあげるのじゃ。いちご。いちごのみずを、にごに。せんじ本当にみずがふえるん。なんでいれまヤかん。わさびかからしくをどっさり入れる。くすりのなんかいわさびかなかな。あん、あん。わろ たら きかん。 わさびかなかな。