呼び出し電話(上)

AI要約 (β)
この内容は、電話のやり取りを描写したもので、以下のように要約できます: ある人物が間違い電話を受け、相手が「菅原」という人を探しているが、話が混乱し、結局その人物は「菅原」を知らないと伝える。相手はしつこく説明を続けるが、最終的に電話を切る。電話のやり取りは混乱と苛立ちを引き起こし、最後にはお互いに嫌味を言い合う形で終わる。
pid
3577957
date
1942-07
note
商品番号 : 68048, デジタル変換後ノイズ除去 : ノイズ除去なし, 落語
year
1942
genre
落語
creators
二代目 三遊亭 圓歌
duration
187
persName
二代目 三遊亭 圓歌
publisher
キング
はい、はい、ああ、もしもし、もしもし、いいえ、間違えです。 大変なとこから電話がかかったわよ。 なんだ、どこだい? 農病院ですって、部屋は開いてるからどうっていうの。 あなたは入らない? 傑作だな、どうも。 うちから電話って来た時には呼び出してなければ間違いよ。 昨日なんだとってもひどいの。 大久保ですけど杉向のお蕎麦屋さんにカモナンパン二つと 天ぷら蕎麦一つ大支給届けてもらいたいとこ言うのよ。 どうしたよ。 あんまり心臓が強いでしょ、あたし断ろうと思ったのよ。 すると向こうで先来ちまったでしょ。 仕方がないから取り付いちゃった。 ついでに私も天ぷら食べた。 そりゃえらい入試はかかったね。 ああ、よしよし、僕は出る。 ああ、もしもし、もしもし、山本ですよな。 ああ、すみません。 え、菅原っていう人ちょっと呼んでもらいたいんですよな。 なに?湯河原?いやいや、菅原ですな。 あの道種の菅原ですよな。 道種呼ぶのかね。いや道種は呼べませんよ。 あのね、菅原って言うと、天神様は知ってますかね。 亀戸にありますね。ほら、藤の花は咲きましょう。 今は咲いてるかね。いや、今は咲きませんよ。 あのね、ほら、観光の菅原ですよ。 品の観光かい。いや、品の観光じゃありませんよ。 あのね、菅原。あ、やったね。 菅原って言うとね、菅原伝寺手習い鏡っていうの。 梅雄、松尾、桜丸っていう三つ子が出ますね。 三つ子は生まれたのかい。いや、うちに生まれたんじゃないですよ。 大変こんがらがってまいりましたな。 えっと、すみませんがね、あの、菅原って人ちょっと呼んでもらいたいんですよな。 僕のうちには菅原っていう人はいないよ。 いや、お宅にいるんじゃないですよ。 おうちのお迎えにパン屋がありましたね。 あれ呼ぶのかい。いや、あのパン屋からね、 その県前には、ほら、魚屋がありましたの。 それ呼ぶのかい。いや、その魚屋からですね、曲がりまして、 えーと、約一丁半ほど行くと漬物屋があるんですよね。 その漬物屋からですね、左へ行くと言うと郵便局。 その郵便局から曲がって四五軒目に下手上がりましてね、 それを右と、おいおいおい、いい加減にしろよ。 え?そんな遠いところは僕は嫌だよ。 聞いてるうちに変になるよ。こっちの頭が。 え?全体に、僕はね、菅原なんて人間は知らんよさ。 あんたは知らんって言うとね、向こうの名刺にあんたのところの電話番号がすってあるんですよ。 負けたねえ、こらどん。なんか驚いたなあ。 なおさら嫌だ。そういうね、心臓の強い、無常識のやつは、だんでもかん嫌だよ。 ようぜ、もう頼まない。 何を言ってやるんだい。ガリの者じゃべえ。 しびったれ野郎。何がしびったれだ。 そうじゃないか。ねえ、わずかぐらいの暇、惜しみやがって。 え?その代わり今に見ろ。毎晩貴様が寝ついた頃に、 なあ、じゃんじゃんじゃんじゃん、夜通し電話を受けて、 やるから貴様は睡眠不足になるな、バカ。 そんなことで驚くと思うが、そっちはな、夜中かけるのなら見ろし、 こっちは昼間、ぐっすりと寝とくわ。