小粒(下)
- AI要約 (β)
- この文章は、二人の人物が会話をしている様子を描写しています。彼らはお互いに久しぶりだと感じているが、どちらも相手のところを訪れないために疎遠になっていると述べています。会話の中で、友達や観音様、仁王様、大男などの話題が飛び交い、大小の物事についての考え方や比喩が使われています。全体的に、大小の違いに関するユーモラスなやり取りが続いています。
- pid
- 8266590
- date
- 1931-10
- note
- 商品番号 : K107, デジタル変換後ノイズ除去 : ノイズ除去なし, 落語
- year
- 1931
- genre
- 落語
- creators
- 三升家 小勝
- duration
- 209
- persName
- 三升家 小勝
- publisher
- キング
いや、ご無沙汰はお互いのことだ。しかしお前がわしのとこへ行かないから、ご無沙汰だ。
わしもお前のところを訪れねえから、ご無沙汰だ。なかたはどうでもいい。
お?お前が見えねえじゃねえ。ひとりごと言ってるよ。どこにいる?
石鉢の向こうにおじげをしてる。
ああ、そうか。うわあ、いたいた。
やがないと。のびのをさがせようぜ。
それとや先生、友達はねえ、足のつらみなんて小さいの小さいの。
くさくてつらないから大きくなりてえと思って。
ああ、いけねえ。小さいものが大きくなれよ、どうりはねえだ。
しかし人だい。人間は口の主要人ってどうでもなる。
友達が小さいったらそう言ってやれ。なりが小さければどうする。
浅草の観音様を見ろ。わずか一寸八分でも十八軒しめんという大きな音を入れてやる。
仁王様はなりゃ大きくて思うんだ。
大公様は五百に足らないせいでも、加藤だろ、福島だろという立派な家来がある。
山椒は小粒でもしりりっとかれえったらどうだよ。
あっ、なるほどこいつは目はどう。
行ってくれ。わざわざ行かねえでもいいや。
そうでねえ、とっておくと忘れてしまう。
おうちにありがとうございます。
しょうべしょうべてうめえもんだ。
じゃあ来たぞ、こいつら。
ああ、またやっちゃう。
何しに来たい。
え?
何しに来たい。
何しに来たってのか。
そうだ。
それはお言葉が違いますよ。
どう違うんだ。
違ったっていつでも俺の顔見てから顔だろ。
あの方の口やってくれ。
あの方の口ってのは。ほら。
俺の顔見て小さいのは小さいのって言うだろ。
ああ、あれか。
あれ今言いたくねえ。
嫌にしゃがらんよな、こいつら。
言いたくなかろうけども、
こちらにはいろいろ仕込んだこともあるもんだから
ちょっとさせてくれねえか。
頼んだよ。
じゃあ小さいの。
おお、ありがとう。
俺言ってるわ。
何で。
小さいったって大きにお世話だよ。
おれ?
てめえが頼んだんじゃねえ。
そうちょいちょい口を出せないと人が狂うから。
よく言うんなこと言うな。
小さいったって大きにお世話だってから。
浅草の観音様だってんだ。
なあ。
観音様は一世八輪だってや。
安い。
安いったって売るもんけ。
なあ。
ねえ、観音様なりゃ小さいがお堂は大きいって来るぞ。
お堂は大きいが家賃は出ないと。
当たり前だよ。
観音様は家賃払って減るやつあるけ。
だってねえ。
女王様なりゃ大きいが門番だって来る。
大男そう見に知恵がまりかねてん。
自分の足に合わせた藁状作ってぶら下げてるから売れねえだろ。
あれ売ってるんじゃないよ。
売ってる。
そういったそこへ大男様が来るぞ。
ん?
そんなとこに大男様が来るよ。
逃げやがったから誰が来るか分からないよ。
なあ。
大男様は生が五百に足んないと。
させれば生体に出られない。
大男様生体に出しやつあるけ。
けれども作るんだ。
ねえ。
これにけれどもと。
けれどもその加藤座の福島という大きな家財があるとくら。
ほんとその。
三小ってんだこの。
三小はなかなか難しいぞ。
三小はよ。
三小は何でも身長五点です。
ああそうだよ。
三小はしりりと辛い。
何が言ってんね。
小粒が落ちたよ。
どこへ。
探しやがった。
みんなに小さいと言われるのはいかんともしんがい。
柴山の女王孫Sさん七十一日顔をかけるとご利益はありがたい。
本人を伏せておりませると枕元に女王孫もおーっと現れた。
何時新人のいとこによって今晩このところでその子のせいを三寸ほど伸ばしとらせる。
ゆめゆめ疑うことながら。
女王様いなくなったから全くせいが伸びたか知らんて。
ぐりっと足を伸ばすと言うと布団から足が三寸ばかり出た。
やれやれがたいとんで羽を蹴ると身の布団横に来てやがった。