きめんさん(下)

AI要約 (β)
要約:ある人が先生に相談しに来て、三味線か琴のどちらを習うべきかを尋ねます。先生はその人の運勢を占い、来月に良いことが起こるかもしれないと告げます。また、今夜12時過ぎに釜打ちをするように指示し、その中に三円五十銭が入っていると予言します。相談者はその結果に興味を持ち、面白がります。
pid
8266628
date
1931-12
note
商品番号 : K138, デジタル変換後ノイズ除去 : ノイズ除去なし, 落語
year
1931
genre
落語
creators
三升家 小勝
duration
192
persName
三升家 小勝
publisher
キング
すみませんけども先生、見てくださいな。 ああ、他のことでもございませんけれどもね。 私、ゆっくり見てもらいたいのよ。 いいえね。 願わくば、私、泊まりがけて見てもらいたいんだけども。 一晩ぐらい泊まったからだって、人の心はわからないもんだから、 五、六日泊まりたいと思う。 だって、誰も来ないかい? 冗談してえね。なんなの気やしないよ。そうでないよ。 ねえ、待てば噛んだ度ね、 向こうからきれいな女の子がこっちをやってきたよ。 ああ、なってきた。ごめんくださいます。 はい、おいで。 あの、先生、すみませんけどもどうぞ見ていただきたい。 いいえね。母の申しますに、 お前がもっと三味線を習ったらとかよ申すんですが、 私は、あの、ことが習いたいところがいますが、 どちらを習ってよろしいか先生に見ていただきたい。 ああ、なるほど。ああ、さようか。 おいくつだ、お前さんは。 ああ、十分か。なるほど。 いや、見たあげる。 重工立ちまった初回よい日やみなの。 なむけんげんこおりてえ、なむけんげんこ。 おい、早く開けねえな、おい。 これ、税中のケツがねばっちゃう。 少々お待ちください。 これ、よかったね、どん。 ええ、重工だな。ああ、よろしい。 え、ちゅうちゅうたこかいなと。 ん? ただ、また天気が定まらないから、 さんにはねばってるよ、これは、どん。 ああ、出たよ。 駅の表は風雷テクというのだ、これ。 風は風雷は来たるテクはテク雷のテクだ。 はなはだよろしくないな、これは。 ええ、しばらくお待ちなさい。 風雷テクを見てあげるから。 え、思うことかなわねばこそ浮世とはよく言うたこと、 あきらめることと。 はっ、長畑のメリアスだね、これは。 おい、ことはいかないよ、これは。 思うことてんだよ。 かなわねばこそ浮世とはよく言うたこと、あきらめることてんだ。 これはことあきらめもんだよ、これは。 ああ、ことよろしなさい。 おっと待ち、天眼鏡があるからついでにそう見てあげる。 さあ、こっちに顔を出し。 天眼鏡の脇に顔を出さなくちゃ、目になるよ。 なるほど、おまえのそうはいいそうだ。 これはおいとこそうだよ、これは。 いまおまえのニュースを見ると、 来月下陣に至ると、 たすみの方から円団を持ち込んでくるかもしれん。 これは取り決めてよろしい。 今宵十二時過ぎに歩くと、釜打ちを一つしろ。 中に三円五十銭入っている。 東洋十銭おいとおかえり、はいさようなら。 うまいね、若さんらどうも。 面白いじゃねえか。 来月下陣に至ると、 たすみの方から円団を持ち込んでくるかもしれん。 本がかんや。 たすみ作りは身を立てるかもしれん。 ねえ、たとえ嘘でもそういうことになると、 まかたにも面白いねえ。 第一、今宵十二時過ぎに歩いて、 釜打ちをしろ。 中に三円五十銭入っているのはわかりますか。 わかるくらいなら、おれがしろ。