無筆の手紙(下)

AI要約 (β)
この文章は、僧侶と八公という人物が手紙のやり取りをしている場面を描いています。八公が僧侶に本銭を借りるよう頼んでおり、そのやり取りの中で言葉遣いや数量についてのやりとりが続きます。僧侶が「うんにんまい」という表現を使い、八公がその意味を理解しようとするが、なかなか理解できずに混乱します。最終的に「5人前」ということがわかり、さらに皿やお茶碗などの貸し借りについても話が進みますが、隣の店が警察や郵便局であるなどの誤解が続き、話がなかなか進まない様子が描かれています。
pid
8266630
date
1931-12
note
商品番号 : K139, デジタル変換後ノイズ除去 : ノイズ除去なし, 落語
year
1931
genre
落語
creators
林家 正蔵
duration
205
persName
林家 正蔵
publisher
キング
全文御容赦下されべく僧侶、さて八公也。 へ?返事をする奴あるか?手紙だ。 こないだおまいと日本橋のところで会ったっけねと。 あの時に頼んでおいた本銭を借りておくれよ。 少し言葉が存在になってきましたね。 いや、存在じゃない。これはなかなか丁寧な言葉だ。 昔はいいとこのおいらんが使ってたん。 ああしておくれよ、こうしておくれよ。 なあ、里言葉。なかなかおつなもんだ。 おまいのおじさんは帰りておいらんだったら。 冗談ちゃいけません。おじさんは男ですよ。 ああ、そうか。男のおいらんてならないな。 本銭は何人前としてあります? ん?本銭か?本銭の際。 うんにんまいにてござそうろうと。 こんな馬鹿に丁寧になっちゃいましたね。 ござそうろうはわかってんだけど、何人前です? 本銭の際。うんにんまいにてござそうろうだ。 何人前です? うんにんまいだよ。 わかりませんね。 わしの口の動くところをよく見ていなさい。なあ。 本銭の際。うんにんまいにてござそうろうだ。 ああ、5人前ですか。 そうだ。5人前だ。ちゃんとここに書いてある。 こないだ10人前貸してくるって言ってましたもん。 そういうことは早く言いなよ。 ことわりが気がしてあら。 10人前一度ではのじが入らないから、5人前ずつ二度に運んでおくれよと。 10人前一転だって入らねえ老人じゃねえんだございますがね。 まだいろんなものがあるでしょう。いろんなものがあるぞ。 お皿も貸しておくれよ。お茶碗も貸しておくれよ。どんぶりも貸しておくれよ。 とっくりも貸しておくれよと。 杉橋なんぞは洗って返すのは面倒だから、お隣の荒物屋で買うからいいよと。 おじさんとこの隣は警察ですよ。 そういうことは早く言いなよ。 あらかじめ静かなんか書いてこい、まぬけめ。 うーん、ことわりが気。 隣は警察ですと。 警察では杉橋は売らない。 当たり前ですよ、そりゃ。 左隣の荒物屋で買うからいいよと。 おかしいなあ。左隣は郵便局なんですがね。 うっ、あ、そうか。 ことわりが気。よくことわりが気があんねえ。 裏の荒物屋で買うからいいよと。 裏はずーっと倉庫なんですが。 早く言いなよ、そういうことはじれってなあ、ほんとに。 ことわりが気。またことわりが気か。 向こうの荒物屋で、向こうは空き家なんでございますが。 空き家か。 ことわりが気。よくことわりが気だねえ。 空き家いうちができて、そこに荒物屋が越してきたらばそこで買うからいいよ。 間に合わねえよ。 おチョコなんじゃありませんか。探してやる。 待て待て。チョコまかしてよいチョコ。 あったあった。皿という字が大きいので影に隠れて見えなかった。