落語:小言幸兵衛(一)

AI summary (β)
この文章は、西米の水上町に住む神戸という人物の日常を描写しています。神戸は朝起きて長屋を一回りしないと寝つきが悪いという癖があり、周囲の人々に小言を言いながら過ごしています。彼は長屋の管理をしており、住人たちに対して厳しく接しています。ある日、博売仕立てを営む商人が訪れ、神戸に挨拶をし、商売の話をします。神戸はその商人に対しても小言を言いながら対応しますが、最終的には商人を受け入れることにします。全体を通して、神戸の厳格で小言好きな性格が強調されています。
pid
8269428
note
商品番号 : 2858, デジタル変換後ノイズ除去 : ノイズ除去なし, 落語
genre
落語
creators
(二代目)三遊亭 遊三
duration
204
persName
(二代目)三遊亭 遊三
publisher
オリエント
【西米の水上町】 人として一つの癖はあるものよ。 我には許せ、島の道。 なるほどうまいことが言ってございますので、 西米の水上町というところに、 社会ごと生みなさいまして、 名前を神戸。この人の癖でございましょうか。 朝起きまして、長屋一回り。 尊いって回らんとその晩寝つきが悪い。 妙な癖があったもので、人呼んでこうとこうぜ、 というあだ名がつくかい。 相変わらず表へ出るがいいなや。 おい、似てやの小僧さん、 朝っ端から見せつたぎで居眠りする奴があるかい。 父親が見たら怒るぜ。 気をつけない。憎つんなんなさるんだな、ほんとに。 ああ、車屋さん、 そこへ車置いてくれちゃいけないね。 通り道が邪魔になる。向こうのほうへ持っておいで。 おんばさん、おんばさん、 子供に尊便やるなら向こう向けておやり。 お巡りさんでも黒と叱られるよ。 あ、煙な、どうも。 どこだい、こんなに煙すのは。 芋屋の平田んとこだな。 芋へだな、どうも。 長屋が年々痛むんで、 大屋がだいぶ損する。 ゆっくりこのごろに小ごと… ああ、犬がつるんでるな、どうも。 ああ、どうも、小ごとがどう… うるせえ、こりゃ。 おばあさん、今戻ったよ。 長屋の奴らはどうして欲しいやがってね。 さんざわせは小ごと行って来たんだよ。 ほや、おじいさん、おかえりなさい。 お巡りさんのように、 小ごとばかりに生きてある。 どんなでも棚を借りに来るものがありませんよ。 俺の長屋で俺が貸すんだ。 黙って突っ込んでなさい。 なんで、そくそく、そくそく言いなって。 女探すって、豚は売りそくだよ。 お前のことは、おじいさん、やだよ。 女探しをして、牛を売りそくなうんだよ。 牛が売り切れたから、今度は豚になったんだよ。 ぐるぐる言わずに、車一発入れこい。 何をぐるぐる回ってるんだ、 分子の悪い猫みたいに。 俺、車落ち着いてしまった。 拭きな、拭きな。 手拭きで拭いちゃいけねえ。 手拭き中毒なある。 雑巾ですけ、雑巾で。 足で拭くやつがあるかなと思うでしょう。 バカだな、こいつはどうも。 こんな具合、朝から晩まで小ごとばかり生きております。 鳩口に参りましたのが年ならば、 五十の坂を越しますか、人生に安らず。 アキンド風の男と見えますけ。 ごめんください。 お釈迦湯の神戸様のお宅は、 こちら様でございましょうか。 釈迦湯の神戸は私でもだが、 何だい? お風呂を中綱いたしましたらば、 鬼犬と鬼犬般の間口が空いておりましたが、 あれはお菓子になるものでございましれば、 またお菓子にならんものでございましょうや。 この壇に百草家がいますので。 なるほど、うまい言い方は言えねえ。 この壇に百草家がお世話なことはちょっと言えないねえ。 ここだからこの壇だ。 普段言ったらば、そうこいじゃれ。 恐れ入りますので、 お菓子申したいが、 ご商売は何ですか。 博売仕立てを営んでおりますので。 なるほど、いい言い方がかんじねえ。 博売仕立てを営む。 作った手屋さんだから営むんだね。 これが共振屋さんならば張り直すようなもんです。 結構結構。 ぜひ住んでもらおう。 今年は追い潰します。 53人ありなりますので、 53人ばかりねえ。 どう見ても16室です。 と言われたことです。 ご家内さんはお案なさるか。 家はちょっとかなりもございますので、 ご親子と我が家がこのお家内と一緒になるときに、 泣くことがあって一緒になるのだったか、 それともまたお二人嫌いかい。 恐れ入りますので。