講話:意義ある生活(上)
- 作詞・作曲・編曲・実演家
- 山室 軍平
- 製作者(レーベル)
- ニッポノホン
- 歴史的音源ジャンル
- 講義、講演、演説
- 出版年月日
- 1923-06
- カテゴリ(AI 付与)
- 社会
- キーワード(AI 付与)
- 個性, 平等, 発言権, 使命, 生活の不安
- 注記
- 商品番号 : 15061, デジタル変換後ノイズ除去 : 無, 講話
ドイツの科学者ヘッケルは、一枚の木の葉にも個性あることを認め、
いかなる大森林においても、二枚と同じ葉を発見することはできぬと言ったのであります。
まして我々人間は、いかがに貧しい者といえども、またいかなる不知の病にかかわれる者といえども、
おのおのその人に独特の個性を有し、その人にあらざれば果たすことあたわざる、
何らか独特の使命を担ってこの世に生まれ生きたったのであります。
ゆえに政府は、その属する階級のいずれたるを問わず、
各個人に対して、その生存の使命と信ずるところに決定するに必要なる、
均等の発言権を与え、この発言を通じてあらわれきたる各階級の特殊なる要求を、
国民生活の大理想によって創設し、かつ統一することを立法の大方針とすべきであります。
おおよそ人間は不完全である。
いかなる人も、自己の利害を察するごとく明敏に、他人の利害を察することはできません。
いつの階級が、他の階級に対する関係もまた同じであります。
果実ある貴族が、労働者の苦痛を体験するためであると称して、
真夏の炎天に日比谷公園で草刈りを試みたのでありますが、
労働者の最も苦痛とするところは、肉債のそれにあらずして、
両日の生活の保障を許せざる心の不安そのものであります。