歌舞伎劇;番町皿屋敷(青山播磨宅の場)(上)

作詞・作曲・編曲・実演家
岡本 綺堂[作曲], 市川 左團次, 市川 松鳶, 市川 左升, 市川 荒次郎
製作者(レーベル)
ニッポノホン
歴史的音源ジャンル
歌舞伎
出版年月日
1924-06
カテゴリ(AI 付与)
人間関係
キーワード(AI 付与)
皿, 殿様, 心, 試す, 指示
注記
商品番号 : 15320, デジタル変換後ノイズ除去 : 不明, 歌舞伎劇
いや、そうとは言わせません。 おやすく、ユダユはあのように申しておるが、 よもやそうではあるまい。 はっきりと申し上げは致す。 実は、御用人様のおっしゃる通り。 自分の手でわざと打ち割ったと申す。 はい。 ありとは、気が狂ったようにも思われ。 これには何かしらいがあろう。 わしがじきじきに隠密。 ユダユはしばらく遠慮いたる。 いやいや、あきれたやつではあるまい。 これを聞く。 ああ、よいよ。 聞け、聞け。 おりゃ、聞け。 お礼まい。 何と思って大切な皿を打ち割ったか、 負罪を申す。 恐れ入りましてございます。 天国も申し通し、 けらいがあやまって打ち割るときは、 手打ちに大手もできないのじゃ。 それと知りつつ、 自分の手でわざと打ち割ったとは、 略か実際な能手はかなわず、 はっきりと言え、そうじゃ。 もう、この上は神を隠し戻しましょう。 よしなり、わたくしの疑いか。 疑いとは、どんな疑い? 殿様のお心を疑いまして。 この間も、 ちょっとお耳に入れましたとおり、 小石川のおばも様のお抱きをとって、 どこやらの親父から、 お父様がお越しになるかもしれず、 と言う噂。 あげてもくれて、 そればっかりが胸に深い。 恐れながら、 殿様のお心をためそうと。 それで、大方司祭は読めた。 蓮水福のハリマンが、 土地をただ一石の穴とながぐるか、 いつまでも見つけぬ心か、 その正念をためそうため、 わざと大切なる皿を打ち割って、 皿が大事か、土地が大事か、 ハリマンが正念を見届けようと 言い出したのではと、 それにそいない。 さぞ、さえおうか。