演説:普通選挙について(一)
- 作詞・作曲・編曲・実演家
- 尾崎 行雄
- 製作者(レーベル)
- ニッポノホン
- 歴史的音源ジャンル
- 講義、講演、演説
- 出版年月日
- 1928-03
- カテゴリ(AI 付与)
- 政治
- キーワード(AI 付与)
- 衆議院, 解散, 政府, 議会, 選挙人
- 注記
- 商品番号 : 16813, デジタル変換後ノイズ除去 : 無, 演説
解散のお話をいたします。
元来衆議院の解散ということは、
政府党と反対派が議員において衝突をいたし、
政府が敗れたとき、
政府は議会では敗れたけれども、
これを国民、すなわち選挙人に訴えるときには、
選挙人の多数は自分に賛成しておるという確信のあったときになすべきものである。
いえに、英語では解散のことをアピール、すなわち控訴という言葉を使うと、
言い換えれば、議会という指針裁判所で争ってみたが負けた。
けれども自分は間違っておらんと。
信ずるときに、控訴員とも言うべき国民に訴える。
これがすなわち普通の場合の解散である。
しかるに我が国、この度の解散には、
まだその以前に政府と反対党が議会において衝突しておらん。
何らの問題をも疑しておらん。
しかるに突然これを解散した。
これは事件なしに原否両蔵が裁判所に駆け込んだと言うと同じ違法のことであり、
同時に基地外の処罪である。
裁判官であるならば、
左様なものは、
巡査に外に、
法廷に外に放逐させればそれでことが済むけれども、
この場合選挙人、すなわち国民は今度はそうするわけにいかない。
既に解散という働きがあった以上は、
いやでもおでも選挙をせなければならん。
しかし問題がないから、
いずれに軍配を上げてよろしいか、
投票を入れてよろしいか、
普通の人間には分からんはずや。
こういう分からん問題、無問題の解散をすればこそ、
人民はどちらに入れてよろしいか、
投票を許べき標準がないから、
ここで頼まれた方に入れるとか、
あるいはご馳走、その他不正行為をなす方に、
投票を入れるという働きが起こるのであって、
我が国選挙人が不愛しておるなどと言うけれども、
それは必ずしも選挙人のみの罪ではない。
裁判すべき問題は絶えずしで、
議会を解散したり、
選挙をさせるという間違ったる行為を、
政府も政党もするから、
従った選挙人のまた間違ったる行動ができるのであって、
その不都合は選挙人にもあるけれども、
むしろ政府及び政党にあると言わなければな。
それはとにかく問題なしに解散をされて、
選挙に臨まなければならんという時には、
選挙人はどうしたらよかろう。
これが今日現在の問題である。
ご視聴ありがとうございました。