演説:普通選挙について(四)
- 作詞・作曲・編曲・実演家
- 尾崎 行雄
- 製作者(レーベル)
- ニッポノホン
- 歴史的音源ジャンル
- 講義、講演、演説
- 出版年月日
- 1928-03
- カテゴリ(AI 付与)
- 政治
- キーワード(AI 付与)
- 両大政党, 財閥, 一般人民, 選挙, 政策
- 注記
- 商品番号 : 16814, デジタル変換後ノイズ除去 : 無, 演説
両大政党といえども、日本人民の組織したものである以上は、
格のごとく少数者を利益して多数者を苦しめ、
もって不景気をますます深刻ならしむるなおという働きは、
元来なすべきはずのものでないにもかかわらず、
それをなすのはどういうわけかということも、
選挙人たるものは考えてみなければな。
それは極めてわかりやすい道理である。
両大政党は、だいたい財閥から資料を見つがれて運動を火を取る。
実を言うと日本の衆議院の最大多数は、
財閥の手先であって一般人民の味方ではない。
一般人民は選挙に火を出さない。
財閥は出す。
家にいかなる場合においても彼らは、
選挙入費その他の費用を出すところの財閥の利益は図るけれども、
出さないのみなどややもすれば取りにかかるところの
一般人民、すなわち8割9割の利益も図らんということは、
むろん良くないけれども、そこにはそれだけの理由があるのであって、
図らることのできないように一般人民が持ちかけるから図らんのである。
もし財閥が出すだけの金を一般人民が出すならば、
彼らといえども必ず一般人民の肩をもって財閥の敵となるであろうが、
今はそうなっておらん。
いわゆる両大政党とも、いかなる場合においても、
始終財閥のために働く。
行政立法すべての働きが大体、
日本では財閥の利益を図って全国人民を苦しめるという働きになっている。
これはこの度の財務課税が一重しくらいであるが、
先年は赤金の輸入税をかけた。
赤金関係の金属を使う日本人、全国の人はみなこれがために苦しむけれども、
銅団を持っているところの産源か資源の財閥は毎年何百万円という利益を取る。
これで利益を少数の人に与えてやれば、
利益を受ける者が少数であればあるほど、
そのお礼を取ることが楽である。
いえに両大政党はいつでもお礼を取りやすい財閥の手先となって、
お礼を出さない人民を嫌ながら、
心ならずも苦しめなければならんという急境に立つのであって、
これらの心情もまた悪いながら哀れんべきものもある。
これを良くしようというならば、
一般人民が選挙に当たって格の如く財閥の利益を図って公衆を苦しめるところの者には、
投票の入れ方をすけなくさえすればそこで改まうのであるが、
これまでの経験によると、
全国人民を苦しめて少数の財閥に利益を与え、
しかしこうしてそのお礼を取ってその金を振りまけば振りまくほど、
全国人民はその仲間に多くの投票を入れるという事実があったから、
意気をやむを得ずこうなるのであって、
戦術があれば全国人民が己の首をくぐりのできるように、
選挙の後に投票を入れるというのが、
今日日本の不景気、その他の国家の苦痛を現実とした最大原因である。