歌舞伎劇;鳥辺山心中(四条河原の場)
- 作詞・作曲・編曲・実演家
- 岡本 綺堂[作詞], 市川 左團次, 市川 松鳶
- 製作者(レーベル)
- コロムビア(戦前)
- 歴史的音源ジャンル
- 歌舞伎
- 出版年月日
- 1924-07
- カテゴリ(AI 付与)
- 文学
- キーワード(AI 付与)
- 少尉, 秘密, 武士, 因果, 決意
- 注記
- 商品番号 : 25069, デジタル変換後ノイズ除去 : ノイズ除去なし, 歌舞伎劇
お、少尉、これを知っている者は私一人。
他には誰も見ているを幸い。
さ、早よお服を落ちて下さりませんが。
何を馬鹿の。
半黒はそのような卑怯な男ではない。
別に意思も無し。
義根も無し。
鴎馬一人を殺したからは、
潔く罪を引き送るが武士の道じゃ。
若松屋の納めの客は人殺しと、
明日は世上に噂され、
定めて片身が手間かろうが、
これも因果や了見。
何の何のもったいない。
明日かけ二月明けくれに
無不眠くわえて下された
母王は山ほどあるものを、
まだそればかり形際に
十代の刀を手放しても、
私を受け出して親元へ返してやろう。
そのおもしめし、
あんまり如我が恐ろしく、
心で拝んでおりました。
もし神様、
どこでも知らねばくまぬなら、
一人殺して下さっていいな。
これはまた無分別な
平ざる霧を立て過ごして、
このあん苦労に命まで狂うとか、
親の嘆きを思わぬ。
ただ、それを思わぬではなけれども、
お前というものに取りすがりは、
私は今日まで生きていた。
さっきあの日本の田やで、
もう別れと知ったときから、
心はどうに死んだもん、
どうに死んだもん。