演説:普通選挙について(三)

Lyricist / composer / arranger / performer
尾崎 行雄
Label
コロムビア(戦前)
Genre
講義、講演、演説
Publication date
1928-03
Category (AI-assigned)
政治
Keywords (AI-assigned)
政府, 反対党, 政策, 増税, 不景気
Notes
商品番号 : 25289, デジタル変換後ノイズ除去 : ノイズ除去なし, 演説
こうして政府は 基礎・依上をもって 人民を吊ろうと考え 反対党はこれに反して 教育費・教員補給を 全部国庫に移すべしという説を唱えて やはり選挙にも吊ろうとしている しかも両党とも これがために要するとこの財源もどうするかということは 一言も言わない 財源なしでは この二つのことはできない 強いて行おうとすれば 一方において減らすと同時に それだけの金額を 他方において増やさなければならない 右に増やして左に減らすということは 国民にとっては少しも 増減のないと同じ働きになる 過去のごとき見えすぎたことより 他に彼らは何にも言えない そのといえば引き合わない鉄道をかけて 地方人民の関心を求めるというがごとき 事件問題より他に何にも掲げない 国家の精髄・象徴に関係すべき大問題については 少しも彼らは訴えない 訴えないからといって裁判官たる国民は 全くこれを捨てておくわけにはいかん 裁判所ならば却下することができるが 選挙人はそれができないから ここにおいて自ら事件を選ぶ すなわち前に述べた不景気ということを中心問題として この選挙に投票をしたらよかった しかも不景気を直すのには減税である これをひどくするのは増税である 両大政党は喧嘩はするけれども 共に増税党であって いずれもより減らそうすなわち不景気を直そうという実際の働きはせざるをのみならず かえってますます不景気を信頼にならせるべき働きをしとる 家に真に国家を憂いあるいは自分の生活を心配する者は この上不景気を深刻にすべき両大政党には 共に投票を許べき者ではなかろうとも しかしながら苦しんでが死したいという者は 税を増すという仲間に入れることが 首くくりの本望を達するのには一番近道であるから 首のくくりたい者は入れてもよかろうけれども 行きたい者はこの上増税に賛成することはできないはずだ 増税はいかなる種類の税を増しても みな今日の不景気をいよいよ深刻にする結果を生ずるけれども なかんずく少数者の利益を与えて多数者を苦しめるという税の増し方であれば なお不景気をひどくする 例えばこの度政府が開館税を増そうとしたが そのうちには鉄や材木等に税をかけようという案があると この材木 山を持って木を売る人には材木税が買い上がれば 1割前後の利益はあるであろう しかしながら全国の木を買う人はみな苦しむのだ おそらくは売る者は日本中に 山を持って売ろうとする者は1割もなかろう 木を買っておなければならん者は9割以上を占めとるであろう こういう税のかけ方は 9割の人を苦しめて1割の人の利益を増そうというやり方であって 過去の時増税は増税中でも最悪