落語:手紙無筆(下)
- 作詞・作曲・編曲・実演家
- 三遊亭 金馬(3代)
- 製作者(レーベル)
- コロムビア(戦前)
- 歴史的音源ジャンル
- 落語
- 出版年月日
- 1935-10
- カテゴリ(AI 付与)
- コミュニケーション
- キーワード(AI 付与)
- 手紙, 理解, 冗談, 洋服, クリーニング
- 注記
- 商品番号 : 28567, デジタル変換後ノイズ除去 : 無, 落語
私はね、何でもかまわないんですがね、その書いてある通りに読んでくださいな。
じゃあ、手つかず一筆形状の口にしておこうかな。
何でもよます。
いよいよ読むから覚悟をしろ。
覚悟?脅かしちゃいけませんやね。
一筆形状つかまつりそろしかればうえたちここにちゅちゅたこかいなあか。
そんなこと書いたんですか?
いや、これはおまけだ。
おまけなんざよますよ。
一通り読んですっかりわかった。
わかりましたか?
わかった。
どうもありがとうございます。
手紙の趣は一切承知いたしましたと言って使いのものを返しな。
で、読むぎは?
わかったというに。
さっきからおまえ一人でわかったわかった。
私はちっともわからねえ。
あれ?これほど読んでもわからないてえな。
おまえもずいぶんわからずやだな。
じゃあまあ早い話がいいが、
使いというのはおまえのうちにいるんだろう?
ええ。
その人と一緒におじさんのうちへ行って、
さておじさん手紙の趣は何ですと聞いたら早いだろ。
冗談ちゃいけねえや。
それじゃ何にもなりゃしませんよ。
ねえ、読んで下さいよ使いが。
おい、さっきからその使い使いと言うが、
使いという人はどんな風邸だ?
風邸?
なんでもありゃ近所の人でしょ。
古式持ってますから。
古式?
おいおい、なぜそういうことを早く言わないんだ。
どうかするとこの古式なんてものが手がかりになるからな。
手がかり?
泥棒使われるようだね。
おまえ、おじさんに何か頼まれたことはないか?
ええ、あります。
こないだね、日本橋の交差点でね、
電車待ってるていとおじさんにぱったり会っちゃった。
なんだか青年団の総会があって洋服着て行きたいから、
どっかで借りられたら洋服貸してくれって頼まれた。
そういうことは早く言え、バカ。
それがちゃんと書いてある。
書いてありますか?
立派に書いてあるな。
へえ。
うーん。
いっぴーつけいじょうつかまつりそろしかればさてはちこうや。
へえ。
なぜ返事をするんだ、書いてあるんだ。
この間日本橋の交差点のとこで電車を待ってるとき、
ぱったり会ったっけなと。
ぱったりってなへんだな。
ええ、そのとき頼んでおいた洋服を借りておくれよか。
おくれよ?
お借りくださるたくとかないんすか?
あるある。
お借りくだされべくそろならば、
きょこうきんげんむべなるかな。
なんだかわからねえねえ。
洋服は何ですか?
フロックですか?
モーニングですか?
ええ、ただし洋服の着は、
モーニングとクリーニングも頼むよと。
クリーニング?
ほかにありませんか?
シャツなんぞ洗って返すのがめんどうだから着ないよとしてあるな。
シャツを着ないんすか?
じかに着んの?
ワイシャツはいりませんか?
ワイシャツはいりやせんか、ワイシャツはいりやせんか。
ワイシャツ売りに来たようだがねえ。
からのインチは何インチです?
からのインチは何インチですと。
いやあたしのほうで聞いてんすよ。
インチの着はウィンインチにてそうろう。
え?ウィンインチ?
ウィンインチじゃわからねえ。
はっきりやつらい。
はっきりいえば30インチ。
30インチ?
ウシが洋服着たようだねえ。
15インチぐらいじゃありませんか?
15インチ、15インチだけども、かけがえと二つ合わして30インチ。