地震の話 (二)
- 作詞・作曲・編曲・実演家
- 今村 明恒 (理学博士)
- 製作者(レーベル)
- ビクター
- 歴史的音源ジャンル
- 教育・児童
- 出版年月日
- 1930-06
- カテゴリ(AI 付与)
- 自然災害
- キーワード(AI 付与)
- 地震, 揺り戻し, 余震, 前揺れ, 本揺れ
- 注記
- 商品番号 : 51317, デジタル変換後ノイズ除去 : ノイズ除去なし, 学芸
昔の人は苗が揺るとすぐ後から恐ろしい揺り戻しが来るから、
用心しろと言ったものであります。
その揺り戻しを今の人は余信のことだと間違えて、
いつまでもいつまでも余信に怯えております。
普通の地震では最初にブルブルブルッと
幾秒間の小さな前揺れがあってその後に
初めてグラグラグラという大揺れ、
最初の十倍ぐらいの本揺れになるのです。
前揺れも本揺れも揺れ出しの元、
すなわち心弦から同時に出発し、
同じ道をたどってくるのですけれども、
速さが違うために火曜に時間の差ができるのです。
揺り戻しとはこの本揺れを指すのでありまして、
大地震の時はこのために家がつぶれ、橋が落ちるようにもなるのですから、
昔の人がこれを恐れたのももっともなことであります。
余信はどんなに強くとも最初の大地震の十分の一以下のものですから、
これを揺り戻しと誤って縮み上がるようなことをしては、
かえって昔の人に笑われる種となるのであります。
チパイが身動きをすると、
その動き方が隣から隣に伝わって上下四方に広がってまいります。
それはちょうど池の水に波が広がるのや、
空気中に音の波が広がるのと同様であります。
ただし、地震波の伝わる岩石は固くても幾分ゴムのような働きをいたしますから、
第一に音の波のような伸び縮みの波と、
第二に鉄棒の横ぶれに似た横波とができるのです。
このうち、伸び縮みの波は小さいけれども早いから第一着の小さな前揺れとなり、
横波は大きいけれどものろいから第二着の大きな本揺れとなるのであります。
この第一着と第二着との時間の差は、
震源の距離が遠ければ遠いほど長くなるのでありまして、
時間差10秒につき震源の距離80km、
すなわち1秒につき8kmという割合になります。
このことは、雷のはためくとき、
雷鳴を聞くまでの時間を測って距離の計算ができると同様に、
機械なしに震源の位置、少なくもその距離を測ることに役立ちますので、
かなり面白みのあることであります。