嘘つき村(二)
- 作詞・作曲・編曲・実演家
- 柳亭 芝楽
- 製作者(レーベル)
- ビクター
- 歴史的音源ジャンル
- 落語
- 出版年月日
- 1933-02
- カテゴリ(AI 付与)
- フィクション
- キーワード(AI 付与)
- 嘘つき村, 主人公, 正直者, 会話, 嘘
- 注記
- 商品番号 : 52588, デジタル変換後ノイズ除去 : ノイズ除去なし, 落語
どうもありがとうございます。聞かないことは分からない。
一件二件三件目と九件。少女福原さん。
はい。
鉄砲屋だったのうちらこちらかね。
屋だったのうちなら五件先で。
大使か。どうもありがとうございます。
五件と九件。少女福原さん。
はい。
鉄砲屋だったのうちらこちらかね。
屋だったのうちなら五里先だよ。
大変遠くなってきたな。
そんなに遠い。
あ、嘘つき村。嘘つき村。
え、委員長さんがそう言ったよ。
みんな住んでる奴は残らず嘘つきだってか。
こいつは嘘つかれてるんだね。
もう一生聞いても分からないよ。
これは弱ったな。残念だね。
ここまで来て分からないって帰るな。
誰か正直者。あ、子供がいる。
子供って言われて正直なんだ。
坊や坊や。何だよおじさん。
ごめんに聞いたら分かるんだな。
嘘つき村ってのはここだな。
えっと、ここに。あ、そうだ。
鉄砲用紙という嘘つきの名人がいるそうだ。
うちはどこだか教えてくれ。
屋内ならおじさんはあたいのお父さんだよ。
あ、そうか。いい言葉。正直だな。
うちはどこだ。ここか。立派な家だ。
おじさんはな、東京から来た嘘つきの名人だよ。
うん。お父さんと問答しに来たんだが。
お父さんいるかい。
気の毒だけどおじさんお父さんいねえんだよ。
そりゃいけねえな。
どこ行ったい。
あのね、富士の山がひっくり返そうになったってね。
電話かかったもんだから、おせんこ三本持って使い棒に行ったよ。
何を言やがんだい。大変なガキだな。
子供は正直当てんならねえねえ。
お母さんどうした。
ならんだいぶさ、あの根巻が汚れたってね。
大海の小水洗いに行ったぜ。
何を言やがんだ。大きな嘘つきやがったな。
おめえ何してんだ。
巻十羽食べろってなかなか食べられないんだよ。
五羽食べたんだけど五羽残ってない。
おじさん食べるかい。
何を言やがるけ。
また来るぜ。
おじさんおい。そりゃ嘘だよ。おじさーん。
何だい。
あたゆに負けて逃げるくらいじゃ、
所詮お父さんに金はしないや。
ばかやーいとしょうがねえねえ。
大きな声ばっかり出してやって。
早く巻を物置きしまっちゃえ。
お父さん。
何だ。
東京から嘘つきの名人がねえ、
お父さんと問答しに来たよ。
けれどもいねえって断ってやった。
このやら正直だ。
てめえみたいな正直もんじゃ、
ろくなもんならねえぞ。
けれどもんねえこと言ったんだよ。
お父さんどうしたってからね、
あの藤の山はひっくる返そうになったから、
お線香三本持って、
つっかえぼんにいたすってやった。
お姉が言ったのか。
お姉が。
ふっふっふ。
大きな嘘つきやったな。
返し返し。
そうか。うん。
お母さん聞いたからね。
ならんだいおじさんの寝巻きが汚れたからね。
大海の骨で洗いにいたすってやったんだよ。
驚いてやったの。
あたえ何してんだってからね。
巻きじゅっぱあの食べろってんだと、
なかなか食べられないんだ。
おじさんご飯残ってるから食べろかって言ったら、
そんなもん食えないってね、
逃げ出したよ。
はっはっはっはっはっは。
おめえにおめえ負けて逃げるクレイジーや。
そのやらはもぐりの嘘つきだ。
そうか。
あんまり慌てて逃げたもんだね。
神色落としたん。
そのやらかよ。
うんうん。
あげたらお父さん十五円。
子供が大金持ってるとお前さんに惹かれるぜ。
いやこう、そのくせにお礼に出せ。
当たったらそりゃ嘘だい。