評議会 昭和十三年 其一 コマ31
- コマ
- 31
- 巻
- 評議会 昭和十三年 其一
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- 2518
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はなしと信ず。抑々帶國大學總長以下職員の任免補職は官吏の本質に
違つて憲法の條章に明記せらるる 天皇の大權に在しますものなり。
然るに教授會の選挙による多數決によりて動かすべからざる決定權と
爲すが如き慣行は第一文部大臣の帶國大學職員任免補職奏請上の輔弼
の責に櫓へ、第二思想的推移に徴し、第三之か爲め生じたるの弊にも
鑑み一日も速に之を是正し以て大權の尊嚴を確立し國體の根本を明微
にし大學の威信を立てその學風の清明を期せざるべからず、これ大學
の振興を期するに先ち先づ之が善處を要望すると共にその根本大義に
就て熟考を求めたる所以なり。
然れども帝國大學が國家樞要の學を研究し之を教授し國家有用の人材
を養成すべき最高學府たるを以て自らその特異の運用を伴ふべく從て
その職員の任免補職奏請等に就ては教育行政上特に適當の考慮を拂ふ
ト
は固よりなり、元來文部當局が如上の要望を爲したるは國家機關とし
ての大學の定義を明にしてその本旨の徹底を圖ると共に大學をして盆
々その本來の機能を發揮せしめんとするに他ならず。
故に大學はその根本大義を了しその實情に即して各適切なる方法を樹
立せん事を望むものなり、凡そ事本末あり、本立たずんば末治らず、
之れ飽くまでその本を立つるを第一義とするを明示せる所以なり。
大本茲に立たば總長以下各その職分に應じて十分に任務を遂行し、一
般の信頼と尊敬とを得て學風も振興し過去幾多繰り返されたる不祥事
件も根絶し現時我國に萠せる世界的權威ある學問の振興と人材の輩出
を期し得べし、斯くて建學の本義により大學の亨けつつある優渥なる
恩寵に答へ聖明に酬ひ奉る事を得べし、冬位の十分なる考察を望む所
なり。