評議会 昭和十三年 其一 コマ37
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- 37
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- 評議会 昭和十三年 其一
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東京帝大の違憲反國體思想
蓑田胸喜
一、河合榮治郎氏の國體變革思想
荒木文相今次の帝大改革着手は、 本來特に帝大經濟學部の全く無反省無改悛なる赤化容共の傳統的違憲反國體思想
學風に對する改革意志より發したるものたるべきは、着手後に發生したる事態の趨向、即ち東大法經學部が最初より
その評議會の文相案反對決議をリードしつゝ、 この兩學部が率先敎授會を擧行して他學部延いて東大全體を動かし更
に全國各地帝大をも之に合流せしめ來りつゝある事實の立證するところである
八月三日に行はれた東大法學部敎授會の申合せには
「現行制度の根本的精神を維持することは大學の使命の達成に必要であり且最も適當なる人材を挙げること
に依つて文部大臣としてその職責を全うせしめる所以である云々」
といひ、また同日行はれた東大經濟學部教授會の決議は
・「一般的な大學自治に對しては異論なく、たゞ大學の自治が國家目的の遂行に反したかどうかの解釋決定は
大學にある」
と各新聞同樣に報道せられたが、「都新聞」八月四日附にはこれと語法文體全く同じ意見が河合榮治郎氏の談話とし
て發表された。河合氏はこの論旨を氏が「改造」六月號に發表した「科學・哲學・大學」と題する論文中に
「大學の必要とする條件は多々あらう、だがその中で最も必要であり、殊に最近數年の吾が國の状態に於て
必要とされるのは大學の自由自治である。自由とは大學以外の勢力による強制なき状態を言ひ、自治とは大皇
の問題は大學自體の機關によつてのみ處理されることを意味する。」
と云つてゐる如く、官吏任免の大權を輔弼しまつる文部大臣の憲法上の權限を全く無視否認してゐるので、この河令
氏のいふ「大學の自由自治」を許容すれば、赤化國職マルキストであつても、帝大炊受である具り心部省の旨具官界
權も命令強制力も及ばぬといふ治外法權を大學に與へる結果となるといふことは、氏がそれは「殊に最近數年の吾が
國の状態に於いて必要とされる」といつてゐることによつて明白である。いふまでもなく赤化共産黨事件、美農部
「機關説」問題等が大學の内部から起つたのは最近十數年來のことである。
河合氏の思想意志が帝大の現状に照し如何に不逞凶逆であるかは、この一文によつて實に思ひ半ばに過ぐるのであ
るが、餘人ならぬ氏自身が本年四月その「社會政策」講座の開講の辭に於いて
『吾々は今こそアルキストと手を握り、共に人民戰線として右翼に砲彈を打ちこまねばならぬ。」
と忌憚なく放言したと傳へられるのであつて、昨年末陸軍當局に諒解を求め戰線視察にまで行つたものとして、この
事變下に於いてかゝる放言を敢てしたといふことは、氏が帝大教授の現職にある事實に照して、全く文字通り國蔵的
行爲であるといはなければならない。
河合氏のこの決然たる赤化客共思想意志は、 氏が從來發表した論文並に公刊著書のうちに明白に指摘せられ得る事
に依つて極めて明白であり、眞に驚くべきものである。即ち氏は日本評論社より昭和九年十二月十五日初版を發行せ
しめ、更に昨年即ち昭和十二年十月十五日に三版を重ねしめた「フアツシズム批判一中に
「世界に於ける少からざる國が國家主義に向ひつゝあるに拘らず、又日本に於て國家主義が牢固不拔である