匠家故實録(題簽棟上釿始諸式禮格匠家故實録)
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- 松浦國祐訂
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- 2026-08-17T19:23:20.993Z
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- 2026-08-17T19:23:20.993Z
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- 場所: 江戸
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- CC0
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- 松浦國祐訂
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- 日本語
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- 須原屋茂兵衞等
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- 10010000000138
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- completed
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- ショウカコジツロク
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- 東北大学
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- 2025-11-13T06:46:27Z
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- 2026-08-28T18:53:25.651810+00:00
狩衣
第2
棟上釿始
匠家故實録上
諸式礼格
鷹峯瓦
日応
蔵
堺妙医寺
一同
『荒井泰宿印③副会ヲ
以テ購入セル竹蘭博士
狩野亭吉司書様書
匠家故實録書譜
十
舊記ニ曰伊弉諾伊弉册ノ二神其嶋ニ天降リ
八尋殿ヲ化立玉ヒ共ニ同宮二住玉フト云云
是御舎ヲ造ルノ初ニシテ又地神三代天津彦
々火瓊々杵尊日向ノ高千穂ノ峯二降臨所在
シ瑞殿ヲ建玉フ御時手置帆負命彦狹知命番
匠ノ基ヲ起シ玉フ所ニシテ又天目一箇命ハ
鍜治ノ道ヲ起シ玉ヒテ大峡小峡ノ材ヲ伐テ
宮柱太敷造レル道開始リシヨリ以來雜神ノ
一匠家収実録巻之上書普一
末流蒼生ノ彌廣コリテ宅舎ヲ並立ルノ道モ
又帆置彦狹知ノ二神ノ御末榮ヘマシテ造舎
ノ規ヲ普ク弘メ玉フ所ナリ此則吾國木匠ノ
道ノ本源タリ然而人王三十四代推古天皇十
一年冬十二月上宮皇太子始テ宦位十二階ヲ
置玉ヒ同十二年正月始テ宦位ヲ諸臣等ニ與
ヘ玉フ同年四月十七箇條ノ憲法ヲ制作シ玉
ヒ忠臣孝貞ノ道其掟ヲ立或六十六箇ノ國號
ヲ定橋ヲ掛諸邦ノ水理ヲ触シ及ヒ宮社佛閣
室殿宅屋ヲ建営ムノ法ヲ委クシ玉ヒ番匠ノ
器用其不足ヲ補ヒ玉フニ凡ナラサルノ妙慮
ヲ示シ玉ヒ其用具ヲ全ウセシメ其業ヲ縦横
セシメ玉フ於茲宮殿堂室室宅屋ヲ造立スルノ
法委ク調リテ其道後世ニ傳ル事ヲ得タル所
ナリ故ニ番匠家ニ於テ神代ノ祖神等ニ次テ
皇太子ヲ尊敬シ奉ルヿ宜ナル哉茲ニ依テ其
職ノ長タル人々皇太子ノ我寺ト唱シ玉ヘリ
シ和州法隆寺ノ地辺斑鳩ノ里ヲ舊里トシテ
匠家改贅録二巻之上書普一
住セシナリ然ニ後世他國ニ移リテ住スルモ
有之ナリ最依之工匠家地曳ヲ初トシ上棟ニ
至リ諸式禮皇太子ノ舊教ニ基ツキテ專ラ營
ミ勤メタル所ナルニ時移リ世変リテ其道其
法混雑シテ見エタル事諸國ニ多シ予幸ニ皇
太子ノ臣トシテ神祇ノ職ヲ勤メ又暦術家相
法等ノ職ヲ兼ルニ皇子ノ傳ヲ以ス於茲番匠
職ノ勤ヘキ故實作法皇子遺法ヲ基トシ式ヲ
正シウシテ一書ヲ著シ並ニ其略式ニ至ル迄
委クコレヲ書加ヘテ書肆ノ需ニ應シ制劑ニ
附スル者也
享和三癸亥年春正月日
斑鳩松浦長門様橘久信
十一日
十一日
一丑家故上書籍上書譜三
匠家故實録巻之上目次
発端
○地鎮祭之大意
○地曳之式礼
右本式中略式略々式調格作法
○龍伏之式礼
右本式中略式略々式調格作法并八神石
之事柱礎之次第
○初針之式礼
正定文文置巻之上目欠○一
○家故寛録十巻七上日次
右本式之次第并神供陽形餅陰形餅海
一広物狭物畠広物狭物興津藻菜辺津
一藻菜甘菜辛菜等種々供物之事
釿打之次第并満座祝酒之式
右中略式略々式調格作法
巻之中目次
○清飽之式礼
右本式中略式略々式調格作法并鉋削之
次第
○立柱之式礼
右本式並立柱之次第同中略式略々式調
格作法
○上棟之式礼
右本式之次第並神供九曜餅月形餅等
種々供物之事
玉女棚之設格
木綿綱木綿綱柱之事
破魔弓破魔矢之作格
一足文実録巻之上目欠○二
扇子車之事
棟槌之事
七十一
棟槌打之次第叮嚀之式略式等
右上棟中略式略式略々式調格作法
巻之下目次
○棟札之事
○家堅祭之大意
○諸式礼祭神勧請同神送之事
○廣前着座退座等之事
○盤座居敷之事
○御食棚造格並寺院造建之節之供物之事
○神供物祝詞
社頭寺院武館町家等造営祝詞之心得
○神璽幣同略幣五行幣青幣白幣各裁様
一秡木綿注連木綿陰陽形木綿各栽様
麻袋之事
切麻散米之事
○幣帛幣台高案移案等之事
匠家文宝像巻之上司欠○三
此家前一一
○諸式礼祭壇設格之心得並祭礼服之事
○工匠祖神並諸式礼祭神霊徳之大意
祖神並諸式礼祭神霊徳之大意
以上
匠家故實録目次畢
匠家故實録巻之上
浪華
地鎮祭之大意
松浦久信著述
同国祐校訂
凡神社佛閣の宮殿堂室及び館舎宅屋の菅造をなす
事先其發端に地鎮祭修行を斎き調ゆべき事最謹で
これを用ゆべきなり抑地は万物を載保ちて天中に居し
天地相共に萬物の體用を蒸護る所なるに地は則其母位に
して不動の鎮守なるを以て掛麻久毛畏幾神祇の守護
所座所なり故に一箇の敷地を設構ゆる時に臨んでは先此齋
祭を営みて大土祖神埴山彦神埴山媛神を初として
統而地鎮應護の神等を祭り奉るなり且又宅地の構四
方位の設を布備ふる事に就ては下上萬物を下建すの星
神を祭るべき訣あるに依て其地に清土を敷て黄赤白の
幣廿八本を立て廿八宿星神を祭り敷土を星下の土に准へ
て凶土を吉土に祭革るの式抔もあり尚又四方に五行縄
を張巡す事及び作法の神供物調格等種々舊例の
次第有レ之事にして尤厳重の祭格なりと雖記するに
暇あらざるなり勿論右地鎮祭の事は番匠家の職にあ
らざれども居住の地を布き設る事の最初に闕べから
ざるの祭礼なるに依て其大抵を茲に記する所なり其
職者に需て勤しむべきなり
地曳之式礼
地曳の作法式は地鎮祭終て而後に良辰を撰み其屋
敷地に於て建物造営の場の形に竹を立て細繩を張へ
建物何箇有之
扨地形中凡中央の場所に祭壇を設る
とも同断なり
なり其餘前後の飾付左に其叮嚀本式の例を圖する
伝足文宝像巻之上
所なり
祭神
大土祖神
猿田彦太神
思兼命
右の神三本立の幣を璽とす其前の五本立の幣は五
行幣なり
青帝龍神赤帝龍神白帝龍神
黒帝龍神黄帝龍神
右は祭壇の前に一所清土を盛て黃色の幣を立地形の東
西南北にも各一所宛清土を盛て東方には青色の幣南方
には赤色の幣西方には白色の幣北方には黒色の幣各可立
之是則中央四方の地の鎮守右五龍王の祭璽なり但し
右五箇所に土を盛の次第は中央を初とし東西南北と順に
盛行べき事則中央は勾陳に位し東左青龍西右白虎南
前朱雀北後玄武と中央四神の五位に表する所なり
神供物
三ツ重
○鏡餅一重或三重一
なり
小判形の熨計餅なり
○陰形餅五例
一なり
俗にくつ餅となづく
同同官文実様
十三
各六枚づゝ奉書紙に
○昆布榧搗栗○菓物
○金銀箔一
包みて水引をかくる
各三方にて献ずるなり○干魚○鯣各白木の平
箕に盛て臺にすゆるなり七升
台にて献ずるなり○白米
あるひは九升あるひは一斗二升
白木の手付
酒樽三面或五面
平樽を用ゆ
地曳式礼祭壇之図
盛土
席拝
御座案
後左右三方白幕注連
札幌同
一
一六六六
ノ入面地
ロ入面
神祭之礼式
匠家政実録
屋敷地面
五
同断
□□□□□□□□□□□□□
盛土
并
□□
妹母
幾里
**
同様
「第二十五日「
白米
本邦中を一
本邦中
四十一
盛土
札
船監
四反
同
紫紫
幾
一十一四十
}
下四十一
祭礼式の次第は先番匠の長身元当前の礼服を着し笏
末広或扇子等両手に正しく持て注連の外より神坐の
方に向ひ立ながら一揖して少左の方より広前に進み抜
紫の前なる盤座に着座して扇子を正うし眼八分に上
持て蟹目の方を胸に引当る意持にして頭を下座しな
がら一揖す扨扇子を右の膝の脇に置て拍手次に麻を取
て中臣祓二返唱之次に散米次に布地清浄神御座清浄
祭檀諸神器清浄御食物清浄内外清浄六根清浄吐
普加身依身多女波羅伊玉意喜餘目出玉希と唱ふる
番匠方
なり尤右中臣抜は左右の祓司を
八人或六人又ハ四
勤之也
一其余多少祭主の
人
各同音に唱ふるなり扨勧請式なり扨勧請式なり
意に任すべし
勧請式の事
右勧請相済て次に神供物を具ふるなり然
奥にしるす
所謂神供の
して拍手
或神供祝詞を唱ふべし次に地曳
拍手なり
祝詞可唱之
地曳祝詞
謹美謹美皇礼美皇礼美臣申寸掛麻久毛畏幾国常立尊波
國常立尊
天地登共仁際限無久国常之祭信仁護利在座寸土続幾手
金乎兼留乃徳乎護利在座寸面足尊惶根尊且諸乃事
業乃規乎初發仁慮利定武留事波思兼命乃智德乎蒙利
奉利平行左礼波歳得寸故神等乎祭刹敬比奉利手茲地仁
何々建物手造営武属仁地曳乎成寸事乃状乎演申志今前
志歳以後諸造営事成就乎祈祷奉利布地乃中央東南西
北孚鎮守麻須黄帝龍神青帝龍神赤帝龍神白帝龍
神黒帝龍神乎祭刹敬比奉利弖長久守護乎祈祷利奉留
此御神等乃御威德乎以布地永久安穩榮昌惠美幸比護刹
給倍止謹美謹美惶礼美惶礼美弖申付工匠何某謹白
次に再拝し次に盤座を退きて東方南方西方北方と
一茲にて匠長暫
順に盛土の元に行て何れも再拝すべきなり
時休息するも
可
り
問に但じ初の建物準繩を張置ずして茲に至て準繩を
ひか
引しむる事あり是全体本意の事なり併其時の都合に
より勝手宜きに随ひ用ゆべきなり
初の着座の
又匠長着座
拝次に柏手を打て一切成就抜七返
礼と同断
或十二返唱之欠に並長及び抜司各泊手三種後七返或廿
或十二返唱レ之次に匠長及び抜司各拍手三種祓七返或十
二返唱之是則満座の祓なり次に御食物を下し奉ると
唱へて柏手或神供下祝詞を唱ふべし祓司立て御供物
を下るなり此時匠長座しながら供物に向ひ一寸両手にて
正良文宝録
供物を下る如くにすべし扨各御神等の神號を稱へ奉
りて礼拝し奉る次に神送の式を為て退座するなり
同略式
地曳の略式の次第は是又地鎮祭修行の後に地面の中央
の所へ図の如く八
足按を置て略
幣を三本立て前
に榊立を置其前
に臺に荒薦を
地震曳地
同時間之
地震之図書之圖之圖
四方ユウ注連
第四章一冊
海軍艦
華井舟
鏡餅
一括
干魚
拝席
机舞
島土
同十一日
掛て居置て其上に神供物を饌ふるなり供物は鏡餅御酒
干魚等其餘多少前の本式と見合て調ふべきなり同前に五箇
一所に
所清土を盛て略幣五本可立之
其前に荒薦を敷く是
一木づゝ
工匠頭領の神拝の座なり○式礼の次第は先匠長着座
して扇子を持て再拝し次に柏手を打て中臣最要後二
是則神祇降
是則神祇降
返或三返三種抜七返或三返次に柏手間
再拝次
臨の拍手なり
に御食物納受群食世止敬如救此豆申すと唱へて拍手を打
に御食物納受聞食世止敬比敬此弖申すと唱へて柏手を打
拝し扨地曳及び以後の造管成就を祈念申すべし次に
拝し扨地曳及び以後の造営成就を祈念申すべし次に
脇役をして建物準縄を張しめ次に一切成就後三返唱
正良文貫録
一同与人吉兵衛
是供物を下す
次に又拍手を打て拝す
へて礼拝し拍手を打
の拍手なり
是神送の
拍手なり
扨退座するなり
同略々式
小建物造作の節地曳略々式の調様は其地面の中程に一
或幣を立る事をも略して盛
前に
所清土を盛て略幣五本を立て
土而已にて拝前とする事も有也
荒薦二枚を重ね敷て三方一面にて御酒干魚を献じ工
匠着座して拍手を打て三種抜を唱へて次に拍手を打神
拝をなし又御供物奉納の柏手を打て拝し扨準縄を張
べきなり次に御供を下るの拍手又神送の拍手して退座す
り右地曳の例本式或略式略々式等都て祭神
べきなり右地曳の例本式或略式略々式等都て祭神
の御座の数は勿論祈祷り申す事の心得は相違ふ事
無し造営主の分限に応じて唯祭格を略すると略せ
ざるとの違ひある而已なり尤神拝式満座の後は盛土
を曳平し置べきなり
同盛土取寄之方位
正月丁方丙方二月坤方甲方三月壬方丁方
四月辛方庚方五月乾方丙方六月甲方丙方
七月癸方壬方八月艮方庚方九月丙方辛方
医家故普飯巻
十月乙方甲方十一月巽方壬方十二月庚方乙方
右の月並吉方位の中にて清淨なる地の土を取寄べ
し尤右に記す所は我朝の真名曆書及び當時清朝
に用ゆる時憲書にも載る所の月家陰陽感通の位
両吉方位なり譬大将軍鬼門金神其餘諸の禁方
に兼当るとも其殺気を悉く伏倒して大に恵福繁
栄の貞兆を保つの土徳の方なり尤市中抔にては其方
位に當る土商人の方にて四十五日を歴たる土を需むべ
きなり
右地曳の式土取等○四季土用中は勿論○毎月十日廿日
卅日
地塞日
一領暦面地火日等を除て良辰を撰んでな
と唱す
すべきなり或又土公地に入の日数則庚午の日より八日○
甲申の日より十日◯庚子の日より八日○甲寅の日より
十日此日数中をも除る事好しきなり
追て云右地曳之式は匠家式礼の発端故に広前着
座等の事をも粗叮嚀に記すと雖以下は略して唯着
座再拝拍手抔と而巳記す尤着座退座等の事は
奥に至て別に其條下あり其所にて見べきなり
匠家故管金
龍伏之式礼
地礎の次第は先其月の生気の方より初て柱石を礎
夫より順に右旋りに礎行べし尤其生氣に當る方
の礎の元に祭壇を設又外に一所祭壇を設て両所に
御供物を具ふるなり
祭神
木曜星神火曜星神土曜星神
金曜星神水曜星神
右の神等は生氣の方の礎の元なる壇の神座按の上に五
本立の幣を置て璽とす
生然方神
右の神御座按の上前の方に一本立の幣を置て璽とす
青龍頭神青龍脇神青龍足神
朱雀神白虎頭神白虎脇神
白虎足神玄武神
右布地八神は八所なる八神石の元に各八足按を置て
略幣を一本宛立て璽とす尤柱礎の外にて東西南北乾
坤巽艮の八方に一箇宛石を居べし是所謂八神石なり
一定文受録参之上
画家故書叙巻之上
右八神石を居る事は鳳朝及び社頭造営或伽藍
右八神石を居る事は鳳闕及び社頭造営或伽藍
大堂建立等の節都て用レ之の旧例故実にして且
其八所の石の元に各拝前を補理ふて供物を具ふる事
古例なりと雖其八所の中の一所にて拝前を兼設て
一其所にて供物を具ふるも可なり尤拝前の設春は東
方夏は南方秋は西方冬は北方にて構ふべきなり
供物
三つ
○鏡餅一重或三重
○洗米○神酒○干魚鯣
重也
○昆布青海苔
□□□□
十二日
龍伏式礼祭壇之図
□□□□□□□□
35
幹導病
札拝殿
十五
幕幕
同断同
ないこと
建物形
□□□□
八足案
璽一本幣
八所各同
□□□□
●まゆ
四日
右の通生気の方の礎の元なる神壇と八神石の元なる
拝前の所と両所同様に具ふべし尤八神拝前の方
は供物案の足に注連を張て尚鏡餅を八重になする
不然は洗米を八器にて具ふべきなり
同式礼
或二人又は六人
左右へ着座各
匠長着座拝柏手抜司四人
其余人数見合
或三返
三種抜七返次に散米次に
拝柏手次に中臣秡五返
又は七返
勧請式次に供物を饌へて神供祝詞を申す扨再拝
して柱礎萬々歳布地安全長久栄昌守護を祈祷奉
るなり
右の式八神拜前の檀に於ても亦同様に勤むべきなり
次に生気の方の石より搗初て順に右へ石数三箇五箇
七箇各三つ宛搗しむべきなり
次に神前へ拝礼し奉りて匠長及び祓司一切成就祓
七返扨柏手を打て御供物を下拝して神送の式をなし
各退座すべし但二壇共同断なり
○同略式の次第は生氣の方の礎の元の神壇一所にて高
案に五本立の五星神の璽幣を置其後に八本立の八
神の璽幣を置前に一本立の幣を置て生氣方神の
璽とす御供物は鏡餅一重御酒干魚を饌へて最要祓
三種抜を読神拝して石を生気の方より搗初るの式
をなすべきなり○同略々式にては柱石を築初る日の
早朝其生氣の方の礎の傍に荒薦を二枚重ね敷て三
方にて御酒干魚洗米を饌へ拍手を打て三種秡を読
前に記す神等の御号を桶へ奉り柱礎永久安全と唱
へて石搗を初むべきなり
毎月生氣の所在
正月北方二月艮方三月南方四月東方
五月巽方六月西方七月南方八月坤方
九月北方十月西方十一月乾方十二月東方
釿初之式禮
釿初は所謂木造初なり是其造營木匠の發端なれば
殊に諸事叮嚀を尽して謹み行ふべきの佳例祭式な
り勿論匠長嚴重に別火潔齊して勤むべし凡神壇の
設格広前用木の飾付等は左に図するが如くなり
祭神
佐家収資録巻之上
天目一箇命手置帆員命
彦狭知命思兼命
天兒屋命太玉命
句々迺馳神
木の類の
祖神なり
右七神御座高案に七本立の幣を置て璽とす同前
に榊立を置榊數本に木綿幣を切掛て立べし同御座
按の前に五行幣を置なり又
聖徳皇太子
天神地祇
右拝し奉るべきなり
供物
三重にて
三がさ
○鏡餅九重一
○洗米三器○陰形餅九重二
中一箇黄色
ねにて
中一箇黄色但陰形餅は
形小判なりののし餅なり
甘酒を造りて
○濁酒
一献ずるも可なり
小瓶二器○榧搗
土器に
土器に
○荒苧十二把
栗長熨斗○五穀
盛りて
右三方にて饌ふるなり
白木の六角臺或
○白米
一大三方に盛るなり
是を和田の廣物
○鯛大一掛同小一掛
和田の狭物と称す
是を興津藻菜
貝類○昆布二把青海苔十二把
○瓜瓜
邉津藻菜といふ
無
き時は把干瓢
を以て代レ之
是を畠の廣物
是を甘
小菜二品
○大根蕪各葉付
畠の狭物といふ
菜辛菜
とい
ふ
○干魚○白木手付平樽雑舶
詰之
一匠家政実様
右は白木の足付平台にて饌ふるなり
但都て供物前日に調之置て當日に至り早朝に神供
棚へ並置べきなり又外に三方に土器三枚宛載て三面又
白臺に土器三枚載て一面長柄銚子提子是又同並べ置
案の足に注
案の足に注
べし又廣前の左脇の方に案一脚を置
連を張べし
其上に
工匠方七箇道具を飾るべきなり尤各左の圖中に見合すべし
同式礼
番匠の
式礼の次第は先匠長一
頭領者
着座の次弟地曳
広前に着座
一の礼式に替る事なし
或七返又は三返二返其
匠長及び祓司柏手同音に中臣抜五返
一余数抜意に任す
次に三種抜八返扨勧請式なり次に供物役者三人一
人は広前に在て請取饌ふべし一人は御供物棚に添
居て取て渡すべし一人は間に居て歩み運ぶべし悉
く饌へ終りて匠長座しながら神供にむかひて両手を
所謂神供の
掛て饌ふる如く爲すべし次に柏手
柏手なり
次に神
神供祝詞の文
次に左右左の奉幣次に
供祝詞を申べし
奥に見るべし
鍾初の祝詞なり
初新祝詞
謹美謹美惶則惶礼美臣宣寸掛麻久毛畏幾神代乃昔古
慶永文平従
匠家故實録巻上山
後左右三方白モメンヲ張
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
年
掛物供
初新式礼
南
科
柱
前往
草
祭壇之図
番道道道具
具
第二月
アラコモシク
四
祓司席
………
□
…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………
一〇十六
袖
御座地
林やらにしねや
鏡餅
尾
干漁湊
□□□□□□□□
脇司席
匠長席
米白苧
物畠
同
同
同同同
同
十二号
□
同
□□
按
楽舞台
材木
材木
木敷
天目一箇命鉄匠乃業乎初給此雑々乃刀斧及比織鐸
乎鍛造給布故匠家心用布請以調度乃初礼留事乃祖神
仁所在寸天児屋根命太玉命盤戸乃前仁張引給比嘉認
端出縄乃正直奈留守縁登志底規矩準縄乃道波起礼利
諸乃匠業乃広大奈留造栄業手初端仁慮利定備波恩
兼命乃神徳手蒙礼利匠工乃業乎勤留事刀濫觴波天
孫降臨麻世之御時日向高千穂乃峯仁於弖始弖瑞殿乎
造建麻壽刻仁手置帆屓命彦狭知命意乎合豆目一箇
神乃鍛比給邉留神斧乎以大峡小峡乃材乎伐弖宮柱
太敷立葦乎用足屋根乎覆比榊檜乎以四壁乎圍給
邉留事与利曽初利奴中古八耳皇子普久木匠乃規用乎全
字之教尓志給此太留与利今乃世乃業満具留番匠乃道波
成礼利故其御神等乎番匠家作乃祖神登敬比奉留今
此御神等乎敬比祭利奉利且天地登共イ常盤堅盤仁
御國乎護利在座寸國常立尊天照大神且當所氏地守
護乃御神乎敬此拝美奉利弖廣前仁種々乃御食満雙
邉且平氣久安義久聞食世止禍詞竟奉利祈祷利申寸波當
布地乃住主何姓何某此所仁住家或何々建物乎造建武
爲仁今年今月今日乃良辰乎撰且木造乃釿初乎營高
年留故木匠何某謹美謹美弖斎幾勤目申寸各御神等
乃御威德乎以今日乃木造初以後乃諸乃造作營建
安良加仁成就弖住人開運家門長久吉祥如意奈良年
事乎恵美福比護利給信止謹美謹美惶礼美惶礼美臣
工匠何某謹白
申寸年号月日
右稱へ竟りて再拝す次に初釿の式なり○先匠長
番匠頭領脇
用材を飾り有之前の盤座へ直る脇司二人
の者これを勤
むべ左右の盤座に着く匠長天神地祇を再拜す次に右
の脇司立て墨壺曲尺を取て匠長の前に直し又同
一具取て左の重脇司の前に直し自分の座に着く扨
匠長及び左右の脇司共に立て材木の元に行て匠
長は水の根の方に行き重脇司は木の末の方に行く今
一人の次脇司は匠長の右に傍居るべし扨匠長と重脇
司向ひ合て曲尺を立て材木の真を見合す次に匠長の
手元より墨壺の糸を繰出す次脇司右の手に緒の錐
を持左の手に糸を持添て重脇司の方に行てこれを
渡す重脇司これを請取て糸筋を正し匠長と共に
三度糸打す次脇司緒を取て次第に匠長に巻入しむ
次に重脇司より墨糸を操出し木の左筋を見合墨打
する事三度次に又匠長より糸を操出して木の右の
筋を見合墨打する事三度各初度の如くすべし尤左の
図と見合べきなり
同
十一
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
初度の墨糸
用木用
幅
三度目墨糸
一十一章一
木教方別
の廣
北城
三十一
次脇司
匠長の場
耳
右墨打相済て匠長墨壺曲尺を脇司に渡して盤座
に普く重脇司も亦墨壺曲尺を渡す次脇司各一組宛請
取て元の案へ直し次に釿を取て重脇司に渡す重脇
玉女の方上棟
司これを請取て玉女の方に向ひて
二度戴き
の部へ記す
材木の根本の方へ行て根端の所をそと一つ打是所謂腕
堅の釿なり次に釿打の次第
一ノ釘下三ツ中三ツ上三ツ
二ノ釘上三ツ下三ツ中三ツ
三ノ新中三ツ下三ツ上三ツ
一匠家文盲家
以上打納て神壇に向ふて釿を戴き次脇司に渡す悦を
神壇の正面へ釿の刃先を不レ向やう。
次脇司釿を請取て以前の棚
の心得にて始終打納むべきなり
へ直し自分の座に着なり
右一の釿下より打初る事陰陽循環の理に象り陰
初て陽を兆し陽は登るの順なり二の釿上より初て
下中と打こと天開て地定り天地人を生ずるの三才
の順なり三の釿中より起り下は左に上は右と打こ
と則水の文字の尽に表して打納るの故実なり
釿数九箇は九曜の数都合廿八は廿八宿に表すと
云り
右釿打の式終て匠長及び各神壇の前に着座拜柏
手一切成就後七返次に匠長礼拝次に謹で御食物を
下申すと唱へて拍手或神供下祝詞を申す扨盤座の
上より供物に向ひ両手を掛る如くする此時役者一人立
て真中なる供物を一器下て次の役者に渡す請取て
神供棚へ直すなり次に神送の式
右満座の後役者各席を改むべし匠長左の方に
壇を後になして座す脇司及び秡司各次第に連座
迄家文宝録
す次に役者一人神供の元に行て土器を載たる三方
を次第に取て渡す又一人の役者三方三面を次第に
木の上
木の下
木の中
木の汀七
右
と陶る又
左
請取て用木の上へ中
根の方
末の方
ほどなり
白木足付台に土器を載たるを持出て匠長の前に陶
る次に長柄銚子を持出て用木の上なる三方の土器
中左右と三献宛酒をつぐ其時に提子を持出て中
程の所に控へ居る長柄の酌取戻り来れば其所にて
提子より長柄へ酒を移し提子は持て入長柄の酌取
同中左右と酒をつぐ事三献宛又提子を持出て初の如
く中程の所にて酒を移す同長柄酌取中左右と酒を
つぐ事三献宛なり又提子を持出て酒を長柄へ移す
扨匠長の前なる土器へ三献つぐ匠長頂戴して次第
に次へ廻す脇司及び秡司各三献宛頂戴し長柄は持
て入次に白木台に結び熨斗を載たるを持出て匠長
より次第に次へ是を挟む各戴て懐中す扨用木の
上なる三方を右左中と三度に下て持て入次に末座の
白木臺を取入なり然して匠長より次第に退座するなり
同中略之式
同家政実家無之上
一同三才五銭一〆巻上
初釿略式の調格は神壇御座案に七本立の略幣を置
同前に木綿幣を掛たる榊を立る神供棚匠工道具飾の
案等略すとも可なり尤広前の設様左に図するが如し
供物
不洗白米な
○鏡餅一重○陰形餅三ツ○洗米或白米一
らば器に盛る
○御酒○干魚○昆布搗栗各三方或白木台
にて饌ふべし
同式
いひ
或最要
抜にて
匠長着座拜後司針役者各着座拍手中臣抜越
祓にて
略三種抜七
無論
初釿中略式
返散米次に
勧請式なり
或神祇降臨の
柏手にて勧請を
略す事
あり
次に柏
手神供祝詞
或柏手而已にて
同同
執祓
被仰付。給頼。伊将督者
一御座八足案
○押立
獄◎
札
神供安
海国
匠長席
祭壇之図
廣前より木元
まて荒薦を敷
続るなり
十五
略すも可なり
荒薦を敷所
三方白幕注連或注連斗にて畧す
次に初釿以
十一日半曲
又翼巽に撃と成れ
候に罹又鼻塞山県と成得を止
後造作成就を祈祷り奉りて再拝す次に釿打の式なり
一匠良女実録
匠家故豊鉢菴さし一
一月十二
釿打の次第本式に替る事なし尤墨打及び釿打等脇司と二人にて欠
勤るもあり武匠長一人而已にて勤るもあり時の意に任すべし
広前へ着座一切成就後三返礼拝次に拍手して供物を
廣前へ着座一切成就祓三返礼拝次に柏手して供物を
次に
或神送の拍
一器下る次に神送の式なり
扨退座なり
手にて略す
同略々式
初釿略々式の次第は其場所に荒薦を敷て上に八足
案を置
案の足に注連を張
て木綿幣を付る
供物を具ふ○御酒○干魚○
洗米○昆布搗栗等献之同前に莚を敷荒薦を重
洗米○昆布搗栗等献之同前に莚を敷荒薦を重
敷て拝席とす同式の次第は匠長着座拝拍手三種
神供奉納の
又拍手して前段の神等
抜三返次に拍手拝
拍手なり
の御號を稱へ奉りて當日の釿初以後造營成就を
祈り奉りて再拝す扨広前の正面の場へ用木を持出
釿の次第替
て釿を打初べし
る事なし
釿打竟りて神拝次に柏
手して供物を下又柏手して神送し奉りて退出すべし
◯極略式に於ては用木を積有レ之上へ荒薦を敷掛て御
酒干魚洗米を献じ柏手を打て御神等の御號を
釿の次第
唱へ拝し奉りて釿を打初る事もあり
同断なり
右
相済て又拍手を打て神を拝し奉り供物を下て
退出す或又右略式神拝を工匠の宅に於て勤て造
匠家改実録
一通、労働ノ報益一
作場所にては唯初釿而已を為す事もあり此等は略
々の仕業なりといへども無レ拠節は随ひ行ふべきなり
匠家故實録巻之上終
一
8024
狩猟
棟上釿始
匠家故實録中
諸式礼格
鷹師傘
日応蔵
四月一日
圓
匠家故實録巻之中
関之異
浪華
松浦久信著述
同國祐校訂
清鈍之式礼
清鈍の式は凡木造初より以來造工成し置る所の用木
を改て清め浄むるの式礼なれば宮殿及び神社佛閣
等造営の節は殊更に諸事を潔く調へ堅く不浄を
遠ざけて匠長は勿論役を勤る輩抔も謹で別火潔
齊して勤むべきなり又俗家造建の節といへども必漫
りに為べからざるの式礼なり尤其造營の用木の
作事棟及び柱まはり桁垂木等出来の上作事仮屋を
掃浄て荒薦を敷満其上に毛綿を敷先一番に梁木次
都て用木
に母家柱次に母家の左右の柱を並べ置なり
俗
七箇なり
家造建の時は梁木の次に大黒柱を置次に重柱五本を並
是又都合
べ置べし
其向ふ正面に神壇を設べきなり
用木七箇
祭神
○連佐須良比売○級長津彦命○級長津姫命
北三神御座按の上に三本立の幣を置て中の一本は少串を
長くして幣を大に作るべし是速佐須良比売の神量
なり次の二神左右の幣を神璽とす以上三神は風水の
祓の御神なり
供物
三つ宛一重なり各
鏡餅三重
中一ツ黄色にす
○洗米○御酒三箇○
あるいはみ
或三
塩鯛一掛
一○昆布青海苔焼塩○大根蕪小菜
掛
以上三方白木臺等にて饌ふるなり
式礼
番匠
匠長
蹴及び鈍役二人減一礼服を着して匠長は盤
頭領
一匠家故質鈔有之口
座へ着座す鉋役各同後の左右に着座す次に移司其
左右に着座するなり各柏手中臣祓次に三種秡数×
一或神祇降臨の柏
次に勧請式
次に役者供物を饌ふ饌終
一手而巳にて略す
る剣匠長盤座に有ながら立て供物に向ひ両手にて
一
柱
同
川
尾
同
一
棟受柱
同
事
四
第7件目
四五
女
一四七
}匠長
座ノ席
盤座西長
鼓
第九條
席
同
清飽之式祭壇之図
荒薦ヲ敷
〃〃〃〃四四
供物按
十四四四四四四
榊立
御座按
後左右三方白幕シメ
饌ふる如くにす次に柏手神供祝詞拜次に清飽祝詞
なり
清鈍祝詞
謹美惶礼美臣申寸神代乃古祖神乃神教志給此多留
木匠乃道乎世々仁傳邉天齋義造礼留揀柱諸乃依
木其初山林仁生多留乎斧出世利志与利以来乃荒握穢不
浄乎波畏幾御神乃御威乎以級戸乃風能吹掃布事乃
如久日向乃小戸乃橘乃檍原乃三乃瀬乃甚毛早幾潮以
濯義清武留事能如久後比給比清女給邉登申壽事乃
由乎御神等聞食登申寿
次に哥
はらひたつる爰も高間が原なれば
はらひすつるも荒磯のなみ
二度吟之
右桶へ終りて再拜次に梁木より初て清鉋をか
け次第に鈍すべきなり且都て一箇の材木下三
鉋中三鈍上三鈍と九鉋宛なり最一所三鉋宛中を
初に直に削り掛次に左次に右と當べく且左右の
鉋は各元末を外へ斜に水の字に象りて削り掛べき
尤台飽は不
右の式終て又廣
事左に図する如くなり
用柄鈍用レ之
前に着座して
第四章
長盛盛
一切成就の移七
三
一峰
左材木根元
返唱之扨柏手を鳴して御供物を下げ神送して満
座に及ぶべし
件清飽の役匠長自ら勤之事あり或梁木而巳匠長餘
は脇役に勤しむる事あり或匠長より鈍を取てこれを渡
して脇役に悉く清鈍せしむる事もあり其時の意に
任すべきなり
同略式
右清銘の作法略式の次第は当日に至り前段に記す如く
梁木を初として用木を次第に並べ其正面に新なる
床を一机居荒薦を敷て上に八足按を置三木立の畧
幣を置て前に供物
○鏡餅一重○御酒干魚○昆布洗米焼塩
右三方三面にて饌ふ同前に筵を敷又荒薦を重ね敷
て匠長の神拝の席とす次に略図あり
一匠家紋実承巻之中
祓意に
○式の次第は先匠長着座拝拍手最要後三種秡略
○式の次第は先匠長着座拜柏手最要秡三種秡略
数
是則神祗降
再拝次に
「次に前段の神號を唱へて柏手
任す
任す
臨の拍手なり
神供奉納
の柏手拝次
清鉋略式
祭壇之図
に清鉋の願
場所四方ニ注連ヲ張べキ事
神供
文を申て拝
扨清飽の式
なり鉋の次
第前の通な
同
板
一拜前席
同
筆紙を奉仕候
一一一
一莚荒薦ヲ一
床荒薦ヲ敷
重子敷
り悉く鈍を掛終て又神前に着座拜一切成就祓三返次
是神送の年
に礼拝次に柏手して供物を一器下る次に柏手
拍手なり手
退座
○同小建物造作略々式の節は右用木を積たる上に荒薦
を敷て三方にて御酒干魚洗米を具へ拍手を打て三種
祓を唱へ前段の神號を稱へ供物奉納の柏手を打て鉋削
りに懸る然して又柏手を打拝して供物を下るなり是
略々の勤格なり
立柱之式禮
近家牧實様
立柱の式は其造作建物を営立るの初なれば諸事忽かせ
にすべからず且四季に応じて柱を立初る次第の順あり春
季中は南方より初て北方東方西方と立るなり夏季中
は北方南方西方東方と立る秋季中は東方西方北方南方
と立る冬季中は西方東方南方北方と立るなり尤其前
程の良日に柱を立組置て當日に至り立初の柱の傍近
き場所にて天星玉女の方に向ふて拝するの勝手に神
壇を設て扨立柱の式の刻には右四季に応じて前後ある
の順に遵ひて立初の柱より次第に轄を打堅むべきなり
祭神
○天星玉女神○色星玉女神○多願玉女神
右三神御座案の上にて前の三本立の幣を璽とす
○貪狼星神○巨門星神○禄存星神
○文曲星神○廉貞星神○武曲星神
○破軍星神
右北斗七星神御座案の上にて後の方なる七本立の幣
を璽とす
供物
一匠家紋實録巻之中
是も大土
土器
大土器に竹皮を
○葉茶
○干棗
○扇子
○飴
にて
切敷て盛るなり
器に盛る
三本
□□□□□□□□
掛る
○鏡餅二重○洗米焼塩梅漬少し
各土器
にて
○昆
但し干魚は右の方
布青苔○御酒○干魚
へ寄てそ給ふべし
以上三方白木台等にて饌ふるなり
同式礼
匠長
番匠
脇司秡司各次第に廣前へ着座拝柏手中
頭領
祓の数意
臣抜三種抜
次に祭壇清浄御食物清浄内
に任す
工匠第子方
一供物
外清浄六根清浄と唱へて散米次に役者
供物
の者勤之
匠長御供一器に
匠長
再拜次に三玉女神の御
を饌ふ
神供祝詞
ちよと手を添べし
唱之
號を稱へ奉りて立柱及び諸乍事吉祥を祈り奉り
号を稱へ奉りて立柱及び諸作事吉祥を祈り奉り
北斗七星の御号を称へ奉りて立柱以後造営成就
永久保全安護を祈り奉りて再拝す次に脇司をし
て柱を立る次第の順と同く柱の仮轄を三ツ宛打しむる
なり
春季中ならば南方の柱より打切て北方
右仮轄を槌打する
東方西方と打行くなり餘も准じて知べし
刻匠長広前に有ながら
うごきなき下津盤根の宮ばしら
身をたつる世のためしなりけり
右の古歌を二度吟じて天神地祗を拝し奉ななり
立柱之式祭壇之図
同四番ニ此所ヲ立ル
南
シメ
正月ノ立柱
此所ヨリ立
一
秘技
机抜
席
下耳に与へ
同同一一一〇〇
初る
十月廿一日より
一一一一一一一一、、、、、、〇〇〇
同四四四四四四
同三番ニ此所ヲ立ル
同神壇に向ふて拝拍手一切成就教七返唱へて礼拝す
御食物を下る
匠長供物一器に
次に又柏手拝
役者供物を下る
の拍手なり
ちよと手を掛る也
武神上の柏
次に神送の式なり
次に広前を拝して退座す
手にて略す
るなり
同略式
立柱略式禮の次第は其當日に至り早朝に建物出來の
場所に於て春は南方夏は北方秋は東方冬は西方に
祭壇を構ふるなり尤玉女の方に向ふて拝する勝手に
玉女の方位上棟
設る歟或東向南向に設るなり
の部に見るべし
神壇の
一正定文量承
一〇九
設格は御座按の脚に注連を張て案上の後に七本立の
略幣を置是北斗七星神の璽なり同前に三本立の略
幣を立る是三玉女神の璽なり或八本立の幣臺にて
幣七本を七星神の璽とし一本の幣は紙を三枚重ね
略幣の事
て作り三玉女神合座の璽とする事もあるなり
下巻に見
るべ
略式之供物
三方二面にて一面の
○昆布飴洗米○鏡餅一重○御酒
方は御酒ばかり一面の
方には干魚
を添るなり
○青海苔
右三方或木具臺にて献ず尤供物を雙べ饌ふる臺に
注連を張るなり同前に筵と荒薦を重ね敷て神拝
の席とするなり
同式礼
後の数意
匠長着座拜拍手最要祓三種抜
次に前段
に任す
神祇降臨の
の神等の御号を桶へ奉りて柏手
拍手なり
次に棒
奉る御酒御食物納受なさせ給へと謹で申すと唱へて
柏手拝次に当日立柱以後造営成就吉祥應護を祈
り申て一切成就後三返次に禮拜次に拍手して供物
上の柏
を一器下る又拍手を打流
再拝して退座す右満
なり
座終りて祭壇を取納扨前に記す順に随ふて春なら
ば南北東西と柱を立るなり是略式の調格なり
○同小建物造作の節の立柱略々式の次第は其季節
に随ふて立初る柱場所の傍にて荒薦を二枚重ね
敷て其上より玉女の方に向へて御酒洗米飴を三方
木具等にて献じ柏手を打て三種稜を唱へ祭神の御號
を稱へ奉りて當日立柱及び造屋成就長久吉祥と唱
へて再拝し又柏手を打て礼拝し奉り然して前に記
す順に立柱を初る事あり是等は極略々式の次第
なりといへども時の趣に依て可レ用レ之なり
上棟之例式
凡上棟の式は造営成就の佳節にして是第一の大禮
式なり最諸事叮嚀を尽し厳密に調ゆべきなり
殊殿造神社佛閣或大家等の上棟の節は先吉辰を撰
んで棟を上るの造作を成し置續て吉辰を撰んで
上棟の神祭及び槌の式を行ふべし又小家造建の
節は当る吉辰の早朝に棟を上て同日に神祭槌の
式等を調る事あり全体是本意の事なり併其節
の勝手に任せ都合宜きに随ふべし勿論式礼の当日
而巳吉辰を撰み前日に吉辰凶辰を撰ずして棟を
上置事は不レ可なり尤両日とも吉辰続く日並ならば用
ゆべし右上棟の式祭礼本式作法中略式略式の調格
各場所の飾付等左の圖の通なり尤大藥叮嚀を
調ふるの節は屋上と柱根と両所にて祭壇を設る事
定例なりと雖略々式にては一所に於て兼祭るとも可
なり勿論其造営の大小主方の分限に随ふて相応の
式礼を用ゆべきなり
上棟祭神
○天御中主尊○大日霊貴○月弓尊
右三神屋上祭壇の中央に立る大幣三本を璽とす
○岡象女命○青帝龍王○赤帝龍王
○黄帝龍王○白帝龍王○黒帝龍王
右六神同左右六本の幣を璽とす以上九神屋上の
祭壇に於て祭るなり
○面足尊○惶根尊○手置帆屓命
一同等古賀第一同
○彦狭知命○天目一箇命○思兼命
○太玉命○天児屋命
○聖徳皇太子
右九神柱根に祭壇を設る所の九本立の幣を璽とし
て祭るなり又別に榊立に榊を一本立て木綿紙を
掛て是を璽とし所の産地神を祭るべし且又榊立
に榊を数本立て木綿紙を数多掛たるを置て天神
地祇を拝するなり
○天星玉女神○色星玉女神○多願玉女神
右三神は柱根神壇の前の左の方に一壇を構へ三本
立の幣に各鏡を掛て璽とし祭るなり又其前に
榊立に榊を一本立て木綿幣を掛たるを置て猿
田彦神を拝すべし是則方神の祭壇にて所謂玉
女棚なり又式に用ゆる槌七本或五本又は三本臺に立
て此壇の前に飾るべし但此壇は其月の玉女の方に
向ふて拝する勝手に設構ふべきなり且又此壇の後に
神供棚を構ふべきなり
天星玉女之所在
一匠家故通貨倉
十一
正月乙の方二月甲の方三月乙の方
四月丁の方五月甲の方六月甲の方
七月坤の方八月壬の方九月辛の方
十月坤の方十一月壬の方十二月庚の方
右は本式礼祭壇の設格なり
本式供物
一重三つ宛なり尤
一重三つ宛なり尤
小判形の熨斗餅なり
○鏡餅五重一
○陰形餅
各中の一つは黄色
尤三ツ一器に盛る
わたり六寸に厚さ五歩
丸餅九ツなり器中
○九曜餅
○月形餅
に輪に並ぶるなり
ばかりなる餅十二枚一重
なり或閏月ある歳なら
○洗米○榧○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
ば十三枚を一かさねとす
各土器
○五穀
に盛る
に盛る
山鳥或
○鰹節
十二本
あみて
雉子等
○鳥一番
雉子等
○抱綿
右は白木三方にて饌ふるなり
○生鯛大一掛同小一掛
或貝類
を添る
○昆布青海苔抱熨斗
○葉付大根同蕪小菜
右は白木の脚付平臺にて饌ふるなり
白木の手付
○清酒平樽五面は
平樽なり
一右は厚板にて作れる脚付臺に陶て饌ふるなり
以上供物屋上と柱根の両神壇同前に可レ饌之なり尤
叮嚀を尽す節は柱根の神壇の方鏡餅九重御酒樽
匠家胡麻餅巻や中
物椀
四
昆布
酒樽
一左右の盤坐抜司八人の席
廿四
第四十七四
同
机
〔序〕
洗米
同
月十一月廿九日
抱綿
大根
小菜
(同
匠長拝席
盤座
司礼教
九種
序
上棟之式柱根祭壇之図
事業
一柱
一後左右三方白幕注述
物
棚
供
ト
前
上白モメン天幕
一合笹を付る
同四十一丁
大津浪
海軍
三方幕注連
匠家故実鈔
□□□□□□□□
慶藤長氏
上棟之式
屋上祭壇
之図
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
九面可饌之又は屋上の神壇狭き時は供物の器數を略
し減じて二器分三器分を一器に盛り饌ふる事あり
或又右供物一通一壇の分を以て略し上下の両神壇へ
分ちて饌ふる事抔もあり時宜に随ふて調ふべきなり
勿論都て供物類前日に悉く調へ置て當日早朝に
神供棚へ並べ揃ゆべきなり
木綿綱之事
木綿綱は則白木綿なり上の端は屋上の神座の真中
の幣串の根本にて棟に結び付下の端は柱根神壇の
前の方に八角造の小柱を立て結び付るなり
破魔弓破魔矢之作格
弓矢の作様左の図の如し尤節数を陽数七箇所
に巻たる弓に流鏑矢をはめて屋上神壇の右にて
鉄を少下て丑寅隅へ向て立る節数を陰数八箇所に
巻たる弓には鴈股矢をはめて同左の方にて鏃を少し
上て未申隅へ向て立るなり
弓長サ一丈二尺八寸太サ一寸八歩節数一張ハ七箇一張は八箇に巻べシ
勝軍木或檜又ハ竹ニテモ作ル弦ハ左撚ノ苧ヲ用ユ
矢長サ六尺五寸
□□□□
羽長サ一尺八寸
IIIIIILLLLLLILILILILILILILILILILILILLLLLLLLLLLLLLLLLLLILILLLLLILLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLI
羽幅両片ニテ
五寸八分尤矢は
竹羽は奉書紙ニ
ILLLL
ノ作ル鏃ハ檜ニテ
1111111111111111111111111111111111111111
作る
十一丁
輪ヨリ天鋩マテ八寸八分
鏑幅六寸六分
幅八寸五分
股幅一尺二寸
扇子車作格
檜にて串を作り末に扇子三本を圓になして付る白
扇或朝日を画たる扇を用ゆ串に荒苧三すがひ宛を掛
る或五色の絹を掛る事も有るなり尤三本屋上の御
座案の後に立るなり或略々の節は一本用ゆるも可なり
串檜にて作る
荒苧
棟槌作格
槌の首木口幅三寸五分同長さ一尺五寸八角に造る七本
或五本玉女壇の前に飾る但し略々の節は三本を
用ゆ
同式禮
匠長獣羅玉女棚の前席へ着座一揖二拝秡司着座新潟
抜可或
六人の
内二人
以拝各柏手最要祓二返三種祓八返次に匠長土地清
着座
淨祭壇清淨御食物清浄六根清淨と唱へ散米す次
に勧請式再拜後司も各拝
右の式済で各柱根祭壇の前へ移る
柱根祭壇の前席へ匠長着座一揖二拝脇司一人或二人
祓司六人各左右に着座拜各柏手中臣抜二返三種抜
八返散米次に勧請式再拝次に役者二人供物を運び
祓司二人請取て饌ふ尤匠長拝席に有ながら立て両手
但し両壇とも供物を飲ふる
にて供物を饌ふる如く為すべし
趣同断なれば次は略記す准じ
べし
橘司大将を
て知る
脇司大幣を
次に柏手神供祝詞再拜次に
匠長奉幣
取て渡す
脇司又大幣を請
取て元へ直す
再拜脇司祓司各拝
但し茲にて匠長休息所に入
右の式済で各屋上の祭壇前へ移る
暫時息を休る事もあり
屋上の祭壇前へ匠長及び各着座抜及び神拜式都て
柱根広前の式礼と相変る事なし最此広前にて奉
幣の式相済たる刻普請主方の長者に三箇所の神壇
を遥拝爲しむべし且又都て役を勤る輩も三神壇を遥
尤玉女檀より住根の神坐屋上
「次に匠長祝詞を申す
拝すべきなり
の神坐と順に拝すべきなり
上棟祝詞
謹美謹美皇乳皇礼美臣申寸掛麻久毛畏幾神代乃昔古
工匠刀道乃祖神等造宮乃業刀規矩乎開発給反留
神業刀御教世々仁伝刹且中古匠家乃業事満具利
手与利蒼生乃末胤乃巳等賀如幾工匠者迄毛意刃儘
仁梁高久柱太志幾御屋乎營美造留事登爲礼留波國道
乃御寶是与利広大奈留業事被非謝御国乃人々普ク
此祖神乃御恵幸乎蒙利奉礼利故今度此地え何某
或何々乎
住家
營造留仁今日乃吉辰乎得底棟乎高
建物
宇爲武登寸留是仁依利天柱根乃所仁御座乎設底祖神
等乎祭利敬比奉利手造屋成就乎祈利申志且方神
乃御壇乎設底三玉女神乎敬比祭利奉利道開神乎拝
美奉拝天管造事吉祥乎祈利奉利屋上此御座仁波中
乃御座仁天御中主尊大日靈貴月弓尊左右乃御座仁
岡象女命五帝龍王神九波志良乃神等乎敬比祭利奉
利手当日上棟成就並以後乃作事吉祥家屋永久安穏
営昌乎祈祷奉留畏幾御神等乃霊威乎以万事乎
安護仁恵美福比守利給返止謹美謹美惶永皇礼美且申寸
于時何何年何月何日工匠何某謹白
右唱へ終て三箇の祭壇の御神等を念じ奉り再拝
一揖す脇司秡司各拝然して廣前を退き各屋上より
下り匠長は木綿網柱の本に至る脇司重槌役者は玉女
檀の前に至る四人の槌役の者
工匠第子
方勤之
同役に控ゆるなり
次に棟槌の式なり
先役者一人玉女檀の前なる槌を取て重槌役を初とし
て都合五人に渡之各請取て柄を右に持左の手を槌首
}
に添て戴き足場に登り図
一ツ半
或四
足場
十七
てとり
の如く並ぶ重槌役は匠長減
或四
手取
四
四
に眼を附て待べし余の四人は
第四軍に眼を附て待べし餘の四人は
足場
土間
土
干
重槌役の手元に眼
匠長
ユウヅナ
を附て待べし其刻
を附て待べし其効
男性
匠長立出て屋上の
紙を
四手取ならば
神座に向ひ一揖する
右の手に四
丸
手を持ながら拝をも
次に左右の手に
なし綱をも戴くべし
第之事
足場
講場所
て木綿綱を持て戴レ之次に綱
第四章
を持ながら
下ノ哥
古記ノ
儘ニ記
ス余モ
同ジ
千木すぐに鰹木すぐにうつ槌も
ともにことぶく常盤堅盤ぞ
右の古哥を二度吟じて扨四千或扇子を開きて
額に翳して千歳楽万歳楽と呼ふて重槌役の方へ
知せて四手或扇を挙る時槌役者各応答と呼ひて
槌を打べきなり納の一は土金と微音に唱へて棟と続
けて後張に声を張て呼ふべし槌役者應答と呼ひ
て槌を打ことは同断なり槌打する事の数左の如し
千歳楽万歳樂査と呼ひ応答と答へて六ツ打
一の槌七ッ
一納の一ツを土金登と呼ひ應答と答へて打
二の槌五ツ
千歳楽万歳楽登と呼ひ応答と答へて四ツ打
納の一ツを土金登と呼ひ応答と答へて打
三の槌三ツ
千歳楽万歳樂査と呼ひ応答と荅へて二ツ打
納の一つを土金金と呼ひ応答と答へて打
右の数に打納むべきなり尤匠長自ら凶手を取ときは勿
論或別に四手取役者をもつて勤しむるときは傍の盤
座にありて納の槌の土金を倶に微音に唱へて謹ん
で棟に上金徳を加持し止むる意あるべきなり三の槌を
打納て匠長屋上の神御座に向ひ謹で神等の御號
を称へ奉り再拝して退くべし槌役者は各槌を戴ひ
て元の役者に渡す役者請取て玉女檀の前へ直すべ
茲にて各暫時休
きなり
一息するとも可なり
串の太さ長さは
四
但四手は串を桧にて作り八角に削る
意に随すべし
手の垂幣は奉書紙か杉原紙にて三垂に栽る尤数
一多垂を串の頭の切目に挟みて其所を荒苧にて結
ぶべし
次に匠長玉女檀の前場に至て再拜し柱根祭檀の
広前に着座脇司及び抜司二人同着座残る四人の抜
司二人屋上の祭壇の広前に着座し二人は玉女壇の広
前に着座す三箇所各拝拍手一切成就後七返御礼
の再拝次に匠長謹成御食物乃御器并下志申寸と唱
へて柏手拝二箇所の広前にも共にこれを聞て柏手
拝三壇共に中程に陶たる供物一器宛下る次に匠長
北広前より三祭壇の御座を神送し奉る屋上の壇
玉女檀にても後司木綿幣榊を捧げ警蹕を唱ふべし
然して各二拝一揖して退座すべきなり尤満座祝酒
の式ある事木造初の節と同断なり
祝儀の餅結青銅等は前刻より屋上の拝前の傍に
陶置て式礼成就満座の後披露すべきなり
追て云上棟の槌打の事一の槌四手取千歳樂止と呼ひ
槌役応答と答へ呼ひて一ツ打二の槌同様に一ツ打三の
槌四手取萬歳楽止と呼ひ槌役應荅と答へ呼ひて一ツ
打都合槌数三ツにて打納むるの古風も有之なり今
諸社の上棟の時音頭を申て千歳棟万歳棟永々億
棟抔呼ふ事は凡千歳楽東萬歳樂束千歳東萬歳
東なるべし千歳東打て萬歳東打てと教ゆるを應
答荅へて打たるが古風なるを後に轉じ誤りて千
歳棟万歳棟と呼ふ事となりたるなるべし尤千歳
楽万歳楽は最古き祝言にて呼レ之事古風の例に
叶ふ所なり
上棟式礼中略之調格
同中略の式を用ゆるの節は是又屋上に祭壇を設て
御座に三本立の幣を置中の一本は天御中主尊大
日霊貴月弓尊閤座の璽とす右の一本は岡象女
命の璽とし左の一本は五帝龍王神合座の璽とす
同後に扇子車二本城一同左右に破魔弓各立之勢
破魔
弓作
□□□
供物供物
同酒樽
□□□□□□□
席
番通通通
串
御座楼
堀立
左右各
祓司ノ席
新越前
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
盤坐
坐匠長拜席
同同
同同同同同同同同
上棟中略之式
同
□□□□□□□□
供物
種
柱根祭壇之図
難渋津
一升
三方白幕注連
格凡本式と相
海中の幣串の下より木綿綱を掛べきなり
替る事なし
木綿綱も本式と
又柱根に祭壇を設て御座に三本立の
相替る事なし
幣を置中の一本は面足尊恨根尊の璽右の一本は思
兼命太玉命天兒屋命の璽左の一本は天目一箇命手
置帆負命彦狭知命の璽各合座なり同前に木綿
榊を二本立て皇太子と土地氏神の璽とす又廣前の
右か左に御座按一脚を居て三本立の略幣を置三玉
女神の璽とし同前に木綿榊を一本立て猿田彦神
の拜璽とす尤此高按は左右傍にて勝手宜なる場を
上棟中略式屋上祭壇之図
供物按
扇車
神璽幣
左右破魔弓
供物
同酒樽
同同
同同
同供物
□□□□□□□
廿
四
机
四
盤座
邦
席
訴議税
同時
考へ玉女の方に向ひ拝する様に構へて前に棟槌五
本或三本臺に陶て置べきなり
同中略式供物
三つ宛一重なり
小判形の熨斗餅
○鏡餅三重
○陰形餅
中の一つ黄色
三ツを一器とす
外に
十二本
にるひはろり
にるひはくりん
九曜餅月形餅等見合○洗米○鰹節汁一淋○抱
或六本
或塩鯛
小魚○昆布青海苔○抱
真綿○鯛大一掛
にても
熨斗○葉付大根小菜
右白木三方平臺等にて饌ふるなり
白木の手付
○御酒平樽三面或二面一面見合
樽を用ゆ
以上の供物屋上と柱根と両壇へ二具同様に調へ献す
或一具にて略し両壇へ分ちて献ずる事あり或又柱
根壇一所より献ずる事もあり時宜に随ふて調ふ
べきなり
同中略式礼
先匠長獣母柱根祭壇前席へ着座一揖二拝脇司一人
後司一人各着座拜各柏手中臣抜或最要移二返三種
後八返次に匠長天地清浄祭壇清浄御食物清浄内
稜八返次に匠長天地清浄祭壇清浄御食物清浄内
武中氏
同序元
外清浄六根清浄と唱へて散米次に勧請式縦
降臨の
拍手に
権。将に再拝玉女壇へも再拝次に脇司神供一器を持出
引再拜玉女壇へも再拜次に脇司神供一器を持出
て略す
余の供物は前刻に
て匠長に些手を附しめて饌ふ
次に
餅へ置も可なり
町或供物奉納の
柏手神供祝詞
次に奉幣再拝玉女檀へも
一柏手にて略す
再拝して退く脇司抜司も各拝して退くべし難にて
匠長及
び各休息所に入暫時息
を休むるとも可なり
右の式相済て各屋上祭壇へ移る着座秡勧請供物
奉納奉幣等の式都て右同断なり准じて知るべし
上揀祝詞の文本
尤奉幣濟て上棟祝詞を申なり北棟
あかひはのつ
或祝
式の部に記す
詞を略するに於ては両壇前共に奉幣の後謹で當
近京敬賢録
日上棟及び以後の造作成就長久吉祥安護を祈祷
此時普請
り奉り再拜すべきなり脇司後司も各拝此時華
主方の長
者に両壇を遥
次に匠長二拝一揖して退く左右の輩も
拝せしむるなり
各拝
右の式濟て各屋上より下り棟槌の式を勤むべきなり
いちしきおよそほんしきどうだん
本式の部に委
槌の式凡本式と同断なり
もつともつちやくさんにん
尤槌役三人にて
しく記せり
勤しむる節は棟の右の端の後を重槌役同前に槌役
一人棟の左の端の前に同一人然して一統に一の槌二の
槌を打左の端の前なる槌役後へ巡りて一統に三の
}一つ重
□□□□□□□□
土間
琉球一冊
ノ端
の端
右の端
所轄
槌役一人
足場
槌を打納むる事図するが
如くなり
或略々或略々式の節槌役二人にて
或略々式の節槌役二人にて
一勤しむる節は棟の右
匠長
うしろおもづちやくおなしくひざり
棟
の後に重槌役同左の
棟前
まへつちやくいちにんしかふ
端の前に槌役一人然
仲蔵兼金〇
〈
を回調整所レ種役一人隋子邊むべし或又極略々にて槌役
開い
足場
の槌を打
茲にて三
の槌を打
して一の槌二の槌を打各前
耳
***
茲にて一の槌二の槌
を打後へ逃る
と後へ巡りて三の槌を打納
一人の節は棟の右の後にて一の槌同前へ巡りて二の
槌又同左の端の後へ行て三の槌を打納むべきなり
勿論槌の式済て匠長木綿綱柱の元より屋上の
神座を礼拝し奉る事及び諸事本式の趣と相替
尤匠長並役者茲にて暫
る事なし准じて知るべきなり
時休息するとも可なり
次に匠長柱根の壇前に一揖着座再拝玉女神璽の
次に匠長柱根の壇前に一揖着座再拝玉女神璽の
方へ向ひて再拝脇司移司も着座拝各拍手一切成就
後七返職三次に匠長二壇の祭神の御號を謹で補へ
奉り礼拝し奉り又謹底御食物乃神器手下志申
但屋上に
但屋上にも
と唱へて柏手拝脇司立て供物を一器下る
供物を具へ
たる節ならば祓司立て屋上に御
一各匠長に些手を掛しめて持
至り供物一器を下し来るべし
入べきなり次に匠長此廣前より両壇の御座を神送
或神上の柏
奉る
同次に二拜一揖し玉女神の御座の按
手にて略す
の方へも拝しく退座脇司祓司も各拝して退座すべ
右玉女神璽の略幣を立る
きなり
按は所謂玉女増の略なり
或祝儀の餅結青銅等
披露するなり
同略々式
上棟式略々の節は屋上棟の中程の所に幣三本を立
或略
又柱根の所に八足桜を一脚
後に扇子車一本文之
す
居て上に三本立の略幣を立同前に木綿幣榊を三本
立前に床を一脚居て荒薦を掛供物台とす供物は○
徳利或小な
鏡餅一重陰形餅等見合○御酒
○干魚○
る瓶にて
土器に
右三方白木台等にて饌
昆布青海苔○洗米一
盛る
ふ同前に莚と荒薦を重ね敷て拝する席とす然して
或三種抜
先匠長着座拜柏手最要祓次に三種抜三返
而已にて
次に神御座清浄御食物清清浄六根清浄と唱へ謹
神号前段
神号前段
是神降
を桶へ奉り柏手に
で御神等の御號
に見るべし
臨の柏手
□□
り
棟の上の幣と柱根の幣を
再拝
此次に飢へある供物一器に此二
一拝する意にて次々の拝も同
是神供奉納
手を掛献ずる意をなして柏手甲
拝次に当
の柏手なり
日上棟成就並に
以後諸作事吉
祥安護と唱へ再
拝次に棟槌の式
なり
槌の次第前段
一本式中畧式の部
に委く
記す
同槌を打
納て又拜席へ
新聞
新聞
四方注連
神璽略幣
物供{
共酒御物供
供酒街
物供酒荷
上棟略々式
柱根壇之図
供
墨紙
一間川
札居敷
}下兵小
分期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期期
置之写
十三日
是供物を下
着座拜柏手一切成就後御礼拜次に柏手
る柏手なり
神上の柏
供物一器に些手を掛下る意をなす次に柏手
手なり
拝して退座○或小建物の上棟にて極略々の節は上下
の幣をも略して柱根に臺を構へ荒薦を掛て上に
洗米御酒干魚等を饌へ柏手して三種祓を読又柏
手して神等の御號を補へ奉りて再拝し又供物
奉納の柏手を打て拝し次に棟槌を打なり同打納
是神上の
て御礼拝次に柏手
供物を下る
柏手なり
又柏手再拜
然て
意なり
退くべきなり
右上陳の式禮は勿論上之巻地曳より爾来の諸式
右上棟の式礼は勿論上之巻地曳より爾来の諸式
礼都て匠長は叮嚀に別火潔斎して有官無宦
一身分相応の礼服を着して行事を勤むべし其余
諸役者と雖各沐浴浄服して勤むべし譬略式
一の節といへども謾に為すべからず扨又総て祝詞の類は
前に認置広前へ持参して読事宜なり
匠家故實録巻之中畢
正足文筆録左之口
一匠家胡骨金
匠家故学金巻上中
府内閣
棟上釿始
匠家故實録下
諸式礼格
鷹野隼
日進城
一
匠家故實録巻之下
堺妙図寺
松浦久信著述
貞之男
浪華
同國祐校訂
棟札之事
上棟札は上棟式礼の祭神鎮宅守護の斎札なり
又神廟佛堂造建の節檀越主家の名及び信仰の
旨功徳の事抔を札に書して棟に懸る事もあり或相
州建長寺虹梁銘は宋の隆蘭溪が作にて平時頼公
最明
寺殿
の書なりと云漢土に於ては上棟の文を懸る事唐
の世の末より始り凡宮殿を造建して棟を上る時室
を作る意を頌美して紙に書し棟の東西南北に置き
又は札に書して棟にこれを釘うつ等書々に見ゆ此等は
所謂上梁の銘文札なり尤我朝昔古より用之も少
からず然に今工匠家に用る所前に云齋札檜板にて頭
魯般
を駒形になし上下を星尺
を駒形になし上下を星尺櫓鏃の吉寸に値て作るべし
尺法
文字の書格左の如くなり且札の表の左右に岡象女神
五帝龍神手置帆屓神彦狹知神と御號を並べ書す
事もあり其意に任すべし中の御號大元尊神とは
岡象女神工匠何何某敬白
奉上棟大元尊神家門長久栄昌守護所
五帝龍神
則天御中主尊の御別號にして異朝の祀格に鎮宅靈
符を斎祭る所我国に於て此御神を尊信し奉ると
同じき霊徳に在座なり尤宮社造営の上棟札は中
の御号天御中主神と書し下文を宮営永久吉祥と
認べし余は皆大元尊神と書す事可なり寺院造建
近家文賢録巻之下
匠家故実飾巻之下
の節は下文寺門永久吉祥と書す右の圖は俗家の
上棟札書様なり且又略々の節は奉上棟祭神家
門栄久守護と書すなり
二
年号歳月日幹支吉祥
一
右札ノ裏ニハ其時ノ年号月日及ヒ日ノ幹支ヲ書シ其下ニ吉祥ト書スヘキナリ
札の裏に右の如く認べし上にすゆる所は水の畫なり
鎮火災を念じて書すべし勿論清浄至敬にして
大和錦にて包み
認之
一百三十五歳の上にて棟に懸納べきなり
封ずるも可なり
家堅祭之大意
家堅之祭式は工匠家の祭礼にあらず尤其祭格専ら
号法に憑る凡家作諸普請成就して既に入宅移従
を為すの前に至て其宅内の床頭に祭壇を設て方
矢殿清尾殿健端殿の神等土金守護の神を祭り
て神弓神矢を持て宅地の邪氣陰悪を射祓ひ射流
し家宅長久住者安全に射止め壽福圓滿に射盛
昔古より弓矢祈祷を用ひる事は
やすの祈祷旧例の式あり
やかためいかたむるといへる訓義による
左長紋賢録
一遊家故實蝕巻上丁
所なり
といへり
○然して土金守護を祈りて加持す尚宅主の生
年本命星元辰星應護を祷り或布地の氏神をも
拝す或又鬼門神茶鬱壘二神鎮護常方位除尅
害を兼修す事もあり是家作成就居住安護保全
の納祭礼なり
諸式礼神祇勧請神拝神送等之事
○神祇勧請神拝送納の式は相伝の免許無レ之ては
動行ふ事不能神祇職家に寄て相傳を授べし略拝
礼の節は木綿紙神を捧て再拝をなし神祇降臨の
此柏手小大
柏手をするなり
一時をするなり此拍手をするなり此拍手をする期も同様に木
神拝済たる期も同様に木
と打べし
綿紙榊を捧て再拝し神祇送納の拍手をする
此柏手大小
なり
と打べし
廣前着座退座之式
匠
○祭礼の節祭主一
廣前へ着座する事先祭壇の
長
長
外なる注連の際に至りて扇子或笏を正し立な
がら一揖し左足より進んで広前に入左手の方より
拜席に至り左の足より盤座に着て両段再拜す
べし
一立て笏を正して拝し又座して拝する事
同断に二度なり是を両段再拝といふなり
退座の
近家紋實縁志之下
時も右両段再拝して右足より盤座を出て壇前の
右手の方より注連を出て注連の外際にて一揖し
て退くべきなり
盤座居敷之事
○祭主の拝席に用ゆる敷物なり土場祭礼の節は
八角に切たる畳を用ゆ床頭祭礼には藺筵を二枚合
て八角に切たるを用ゆ尤巡りに白き布にて縁を附る
なり是を盤座といふ又白木綿を折重ねて三幅に並
べ縫合て四角に成してこれを敷事もありこれを居
敷といふ
御食棚造格
○御食棚は祭壇の幕の外の左右にて勝手宜き場
所に補理ふべし造様四所に柱を立て棚は二重或
下の棚人の立て腰より高
三重
左右後三方白木綿を張上
くなる程にすべきなり
にも白木綿を覆ひに張る其上四方木綿紙注連縄
を引巡らすべし扨又左右の柱に笹を結び附るなり
是を忌笹といふ或榊杉抔を結び附る事もあり其図
左の如し且御食物火を改めて清浄にこれを調へ祭
礼の当日早朝
に御食棚に並べし
置べきなり扨又
都而生魚の類
前日の天気に依
て不レ調事抔ある
節は塩魚干魚
を以て代て具ふ
べきなり
後左右白もして
西
白モメンテンマク
卅
卅一
四尺
同
西
利便利便利用
図
○寺院造建の節の式礼祭其境地に於て祭壇を設
る砌は供物中大小魚類の分畠物菓物を以て代へて具
ふべし或境地外工匠の宅地等に於て別に供物壇を
補理ひ其所より魚類の分の供物を具る事もあり
併強て魚類を具へざれば叶ざる事にはあらず魚類を
禁ずるの寺院ならば其義に随ひ精楚類の供物而
己を調進するも可なり
御供物祝詞
畏幾神等乃大廣前江宇豆乃幣串乎捧天清御
匠家収実録
酒御膳種々乃御食物乎満具返献底八平手柏
奉留諸乃神等平氣久安氣久納受聞食世止敬矣
敬美申須
右は広前へ供物を具へて唱ふるの祝詞なり尤右御
食物祝詞の前に至て御食棚より供物を運び具ふる
事定式なれども器数多くして前刻より具へ置事も
あり其時は一二器を残し置て右祝詞の期に至て其残
しある一二器を具ふべし匠長の手づから具ふる事
当然なれども脇司に具しむる事あり其時は必匠長
其器にそと手を附て具へしむべきなり
畏義神等乃大廣前仁満具返献利且納受聞食多留御
酒御膳種々乃御食物乃器乎敬美敬美弖下志申須
右は御食物を広前より下る時の祝詞なり尤拍手し
てこれを唱へて御食を下べし是又御酒御食の類を
悉く下る事當然なれども茲にて一二器を下るも可な
り尤匠長手を附べき事具ふる時と同断なり
○序に云前の七度の式祭毎に祝詞の文を記す事は
唯其一應を記す而已なり造営の主人官家武家
一玉足文子亀三疋
町家僧抔夫々に随ひ文面同からざる趣ある事尚造
営の次第も神社造殿造厨堂塔庶人の宅屋等其
造建の趣を書す事各其文の所は時の趣旨に随ふ
て認べし一々記すに暇あらず
幣紙切様
○幣の切様は奉書紙一枚を横に二つに折又堅に二つに
折其四折に成たるを又横に三つに折是幣の首紙なり鏡
紙とも云同一枚宛横に四折にして又堅に二つに折たるを
三枚重ねて四垂に切る是左右の垂紙なり左の圖の如し
一
鏡紙
□□
幣串の表上駒頭
キリノ
垂紙
同横
鏡紙を挟む所挽割置
右の幣串に鏡紙を挾み垂紙を附る事神璽幣は
鏡紙の後より附る五行幣青幣白幣等は鏡紙
一足迄壱朱
一匠家故管鎰若さ丁
の前より附る事左の如し
一
四十一日
神璽幣之表
幣帛之前
◯五行幣紙は奉書紙を染て用ゆべし尤五本立の
幣台に左の端より青赤黄白黒と順に立るなり
青幣抔も染奉書を用ゆる事同断且都て大幣
には尺長紙を用ゆべし
○略幣は鏡紙而巳を串に挟みたるをいふ又地曳祭
礼の節抔盛土に立る幣の類は青竹の串を用
ひて串の頭をひねり紙或苧抔にて結ぶべし
略幣
内家胡貫銀二九巻壱丁
一〇
竹串之幣
抜木綿紙注連木綿紙陰陽形栽様
○秡木綿紙は紙を十二枚重ねて三垂に細く裁べし
串は太さ經り三分にて八角長さ一尺二寸檜にて作る
本
串ノ頭八分挽割置垂ヲ狭ムナリ
○注連木綿紙は三垂と四垂とを用ゆ裁様左の如し
榊に附るは四垂の方なり
四垂注連木綿紙
三垂注連木綿紙
○陰陽形は美濃紙大直紙抔一枚を二つに栽て半枚宛
成候以上
にて裁なり先半枚の紙を横に二つに折て首に
なる所を拵へ置事図の如し
次に竪二つに折又横二つに折て左の如く栽るべし
陽形
此所タチオトス
北所外の四垂トナル
四垂
此所内ノ七垂
トナル是ハ
陽形ナリ
陰形は此取
ヲ八重ニ切ル
ベシ
○此所陽形ハ十カダカ陰形ハナカビクニスベシ
陰形之図略之
七垂
○廿一
右の如く外の垂は四垂にすべし内の垂陽形は七垂
陰形は八垂なり中の根元の所陽形は-如斯陰形
はし如斯にすべし
○麻袋は大和錦を用ゆ幅一寸二分或一寸八分深さ
一尺二寸に縫て中へ麻を入て口の所を折て紐にて
結び左右に小鈴を二つ附る事可なり
但シ是ハ抜麻ノ袋ナリ切麻ヲ入ル
赤地大和錦
○小鈴
○小鈴旅具ノ麻袋トハ同カラズ
○切麻紙は一枚紙を八刀にて四十八枚に切る散米は
黒米を用ゆ檜にて切麻筥を作りこれを入置て用
ゆべし
幣帛幣臺高按等之事
○幣串は鏡紙の上下の長さを三つ合の長さ程にて
宜きなり前に円あり上の三つ一分の間挽割置て鏡
紙を挟むなり幣台榊立幕串同簷臺も左の圖
の如く作るべし神座八足按最高く作るべし神供按
も人の腰より低くは作ざるなり二脚或四脚六脚に
○
幕串八角
御座候
神供
ワク台
抜
図之之
按之司
枝
医宿故盲鉄一
て二並三並等前程低く作る按の足八足立にても
或四足立にて貫木入の八足にも作るなり祓按は八足に
作る大小勝手に任すべし最都て神器類檜をもちゆ
祓按の内祓司の前に置一脚は
図の如く前足の上下に貫水を
二本入て駒形の板上下に拾枚
宛左右へ通ふ様に貫き置て
祓の数取に用ゆるなり余の抜
司の前に置按は何脚にても
皆数取は不レ作なり且幣串の
長は星尺の吉寸に合て作る
べし
榊立
幣串檜
輪台
檜
檜
一魯船尺法北斗尺俗に
◯序に記す工匠家に星尺
を用ひる
唐尺とも釼尺ともいふ
事此尺法を以て物の竪を量り又横をも量るは不
当なり星は天に在て下し建して萬物を護るの
理に依て星尺は竪を量るの法なり横を量るには八
卦尺を用ゆる事當然なり八卦尺法は坎より起りて
乾に至り四仲四孟の五行の氣連り布の順に則たる
ものなればなり右竪横尺法の事余が著述の家相大
全の後に委しく記し置り
諸式礼祭壇設様之事
○諸式礼の祭壇を設る所土場祭礼ならば最篤と其
場を掃清て尚聊にても清浄ならざる心持あらば清浄
の新土を取寄て蒔敷べし神壇の構南面を最上とす
東面も宜く西面も可なり北面も禁べき理は無けれども
世俗に不レ用は斟酌するも可なるべし其設様凡前の冊
地に打込て立
中に図する如く巡りに幕串四本七本八本
或隻台を作
りて立
るなり
るなり
後左右幕串の釘より幕串の釘まで細き青竹
を横に渡し此に白幕を張べし其上にて四方に注連を
引其内に畳を敷詰て荒薦を敷満るなり広前飾
附の次第は前の二巻に夫々の図を出す如くに設くべき
なり扨又未明より営み或夜に入るの神拝は尤燈明を
かゝぐといへども白昼の神拝には燈を不用なり
○神祭修行の礼服の事は有宦の漿束無官の服用其
相当を着用すべし不相当なる漿束を着すべからず又
略服すべからず且都て出役の輩不浄の節に着用せし
衣服を着せしむべからず唯清浄なるを用ゆべし大家
造建の節の式礼叮寧を調ゆるの時は祭主匠長脇司
等は其身柄相当の着用をなす事なれども諸役者には
襟袴を着せしむる事宜なり祝儀の襟袴の本色は
春は柳色に紋附大形の柳の摸様夏は水色に大形の松
の摸様秋は鵯鳥色冬は黑色なり普附は花色萌黄色
抔帷子は水浅黄等可なり又略祭の節は麻上下略々
の節は下袴を着せしむべし勿論羽織は礼服にあらざ
れば服用せしめざるなり
番匠諸式礼祭神之訣
匠工諸式礼の祭神其式礼毎に同からざる事前の
二巻に記すが如くなり抑地曳の節の祭神大土祖
神は地土の大祖神なり又猿田彦太神は道開の神
なり神道に曰道は則大日霊貴の道にして教は則
猿田彦神の教也といへり又思兼命は万事を遠く
思慮りて初に其行ふべきの法を量り定め給ふの神
徳に所在す故に此二神は万事を成行はんとするの発初
には必祭り奉るべきなり尤此神等を敬ひ祭りて地曳
以後の諸造作成就を祈祷り申なり○龍伏の節
は生氣方神を祭りて生氣吉方所在より地礎を営み
初る事の方徳の恵福を祈り又五曜星神を拝して
柱礎萬年保全を願ひ布地八神へも同布地安護を祈り
柱礎萬年保全を願ひ布地八神へも同布地安護を祈り
奉るなり○木造初に祭る所の神等先天目箇命は
神代の古へ刀斧鉄鐸の類諸の鉄器を作り初たまふ処
にして鉄工の祖神なり手置帆屓命彦狭知命は齋斧
を以て山に入大峡小峡の柿を伐出し給ひ初て瑞殿及び
殿門を造立玉ふ是所謂二神國中に御柱を立八尋殿
を作立玉ひし御神徳を感得し玉ひて工匠の業の基
元を聞き玉ふ所の番匠の祖神なり思兼命は万事
を近く思ひ遠く慮り察し玉ふ神德にましまし此神
の思慮に依て天照皇太神を盤戸より出し奉りし時天
児屋命太玉命復還幸ます事勿れとて端出繩を界以
し玉ふたる事の縄張の規矩を法縁として準縄の手業
を初たるなり又句々迺馳神は木の類の生出る事の初祖
神なり又聖徳皇太子は中古の御世まで未造屋木匠の
業全く具へ盡さゞる事ども多かりしを異朝よりも秦川
勝を召れ倶に計りて其器用を全ふし玉ひ道具の足
ざるを製作せしめ玉ひて飛騨の国には昔古より工匠者
多きが故に是を數人召れて普く其規を示し教へ玉
ひしなり右の如く神代の祖神等の基根を闢き玉ひ
たる家作木匠の道の御教を代々に伝へ又中古皇太子の
御聖功を経て今世の木匠家の業其縦横を得たる所なり
祖神等及び皇太子の御霊德仰尊ずんば有べからず故に
右の神等を敬ひ祭り奉りて廣前に於て木造釿初を
行ふなり○清飽の節に祭る速佐須良比売神は伊
弉諾尊日向の檍原に至り玉ひて汚穢を穢を祓ひ玉ふ時
生出ます神級長津彦命級長津姫命は伊弉諾伊弉諾
冊二神初て天降ます時朝霧薫り満るを厭ひ玉ひて
在家収実録
吹撥ひ玉ふ氣より生出ます神なり此神等は汚穢黑
を祓ひ除きて清浄明潔に護り玉ふ秡戸の神なり
○立柱の節に祭る三玉女神は歳々真名暦に巡方を
注さるゝ所の吉方神にて或頒暦にも此神の方徳恵福
を蒙る所の三玉宝珠形を初段の祝儀に画き有之事
都て昔古より万事を営み初る時に此神方に拝し
向しむる例多し譬へば諸礼指南の古書にも元服鉄漿
染等の節此神方に向ふ事を記せり立柱に於ても凡立
木營造の初なれば此神を祭る事同じき意なるべし又北
斗星は天中に居して廿四季に随ふて運轉をなし
柄星を十二辰の方に建すを以て一歳十二箇月を分
つの規とすこれを月建と唱するなり尤此七星の中人々
の生年の本命に当る星と其元辰に当る星は平生尊敬
すべき事勿論なり尤此星二六時中に一周萬物を建
し護るの星神なり立柱に此神を祭る事當然なり
○上棟の節に祭る所の神天御中主尊は天地初て発
し時高天原に於て化生玉ふ神にて國常立尊とも大
元尊神とも申奉るなり異朝の祀格に所謂鎮宅
霊符神も則此神徳を崇るなり又大日霊貴は伊弉諾
尊吾御寓を之べき珍子を生んと欲ふとのたまひて左の
手を以て白銅鏡を持玉ふ時化生ます神なり月号
尊は右の手を以て白銅鏡を持玉ふ時化生ます神なり
共に先華明彩にして六合の内を照徹ますを以て天上
に送り玉ふ是所レ謂日神月神なり又水神罔象女命
並八大龍神は鎮火災を祈祷りて祭るなり又面足尊
惶根尊は地土しまりて金を生じ金の氣復土をしむる
の土金徳の神に所在て家宅長久安全無災害を祈祷
り申す神なり手置帆屓命彦狭知命天目一箇命
恩兼命太王命天兒屋命聖德皇太子此神等も上棟
思兼命太玉命天兒屋命聖德皇太子此神等も上棟
は則造屋成就の佳節なるが故に神恩を仰ぎ祭りて
礼拝し奉る所なり凡地曳より上棟まで以上七度の
祭礼式工匠謹でこれを勤むべし最工匠家の祖神は
勿論都て前後の式礼毎に拝する神々平常これを
尊信して神恩を仰ぎ貴み奉るべき也
匠家故實録巻之下大尾
匠家収買家美足下
匠家故実録のしりへにいふ
此三巻の書はそとおのれらかもとに飛騨人ともの
あまた立込みくる事のあなるかちなみに家つく
り営むほとの折ふしに祭の礼つとむへきやうを
尋とふにつきてさとししめす毎にかいつけ置る
ものゝこゝらあなるを取あつめて了か足さる所々を
補ひしるしてさきの年おのれか東の国一見常
つとに彼地の書あき人須原屋ぬしのもとに与へ
たるなりさるをこたひそかもとよりとく梓にもの
すへけれはいま一たひみかうかへてよと乞ふことのいとも
急かはしけれは一とちつゝ考へておくりつされは
つはらならぬ所もあなるへけれと了は後に補ふ
へきなり
○およそ匠工の家なる人此書をよみ見て斎まつ
りの礼勤んとならはあるは釿はしめの略式抔
つとむるにも先釿はしめの本式の條を読かうかへ
て其祭の礼の趣のこゝろを大むね意得てさて
略式のくたりを見て思ふ程なる勤やうをとりもち
ひんこと宜なるへし初より略式のくたり而已みて
勤んとせは趣をこゝろえさるをもてついてやすらか
ならぬ事多かるへきなり
○すへて式礼つとめやうの條〻に着坐退坐勧請
抔とのみ記せるものは別に下之巻に其事をしるせる
所あれはなり又式礼ことに祝詞の文をしるす所は
其認やうを意得しむる而已なれは其営み建んも
のゝ同からぬたくひは一々記しかたしそは其時の趣
につきて認むへきなり尤前うしろの文の様はかはる
誓正文賢録
事なきなり
○棟あけの式礼より後に清鉋の式礼つとむる抔やう
の例もありてそは遣鉋もて建営み成調ひたる宮殿堂
室の柱ならに清かんなするまねひをなすなり又
棟あけの式のときに兼てついてに清鉋の式をも勤る
事なともありかゝるたくひも多かれと此書には唯其ふし
〳〵に正しう勤んやうのみを専にして記せるなり
泉隣居国祐しるす
匠家故実録跋
いにしへは穴に居野に居れりし
を後の世聖人これにかへて宝宝を
造りてやすく居らしむることを教へ
たると人の国の書には見ゆるかあか国
にはかけまくもかしこ支神の御代より
大宮つくり立ることは初りて今もなほ
神をしへ授つたはりたる飛騨人の宮つく
りする事ほとかしこき業はあらす
殊更其折にし毎に礼ある事ともには
古き代の余波あることも多かりしを世
くたりての飛騨人の中にはあやしう
よこひかみてよからぬあたしことを
とり更へあるは仏のをしへなるとなへ
ことをもて其折ふしに唱ふるやうなる
たくひさへあなるをくちをしと思へる
ひた人ともゝ多かるに松浦久信のおきな
や国裕ぬしのはやくより
八耳皇子の教へたまへりし人の住
ところの地家居のかまへのやうに
よきとあしきとのことはり有ことゝまた
一正良文文筆
もろこし私国の暦の書ともに向ひて
家をつくり或修理抔すれはさきはひ
を招くとわさはひを蒙むるとのたかひめ
あるよき方あしき方の撰をかうかへ
分つの道とを学ひあきらめたまへる
をとひよる因にひた人ともの彼礼たゝ
しう勤んやうさとしたまひねと乞ふ
ものゝ多かるを了かわつらはしけれはと
て竟に其ことをかいしるして三巻の
書となしたまへりこはかの
皇子の斑鳩の宮の古きのりともの余波
あるをもとゝしてしるしたまへるなり
おのれも又家居のかうかへ暦の事なと
をもえらひたしむをもて松浦氏を折々
とふらひ抔するにある日この書をたより
につけて書のいちくらに送りつかはし
たまふなる折からおのれかたへにありあ
ひて後にこれをしるし加ふる者は
栗林安正
文化五年戊辰春正月望
五日
文化五年戊辰晩秋彫工佐脇伊三郎
寺町松原下ル
京都
京都勝村治右衛門
発行所大坂
江戸
心斎橋通
大野木市兵衛
日本橋壹町目
須原屋茂兵衛
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