野島流海賊古法
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- 不明
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- 2026-08-28T18:53:25.651810+00:00
狩猟
野嶋流海賊古法
一二三四五
一二三四五金
野嶋流海賊古法巻
永田家傳書
野嶋流海賊古法一
往昔予州に海賊の家七島あり四島七ひて三島ありいはゆる野島
久留島因の島也○伝曰伐之予州の海賊也七島の海賊たり是は其内
の古法をのへたり野島は今村上といふ長門侯之臣海辺舟手の惣大将
也是古法の由来をいふ事なり
一当流は縁州野島久留島ゟ代々相伝ふ但異国には渡海多〳
船軍ありと云共本朝には船軍稀也四国九州にて左へありといへ共
数多からす敵船にあらは味方は陸に有て戦ふへし必船軍不可
好利すなきもの也
伝曰随分敵を船ゟあけぬ様にすへし舟は手廻し悪し依て最伝曰上
る所不上所を見分け上る所を討水源せる事祈要也上る所といふ事
は二町を三町も有之遠浅よりしてあかる也切岸の所にてあかる事
なるかたし
敵船ありは海にたゝよはせ上らん所をきひしく可討されとも他国の船
我領分を古召乗通り討にて不叶時は当流に侍る海賊の古法
を以敵船を乗破り乗取へし船にて互に遂対陣陸地の戦
ひの如く懸引自由ならさる物也佐之戦国の刻野島久留守
一海賊の利の正き所を侍るを也
出船は前に士卒の心を定る也何れも可成事を
何
出船前大将橋
用ひて全軍必勝の気を可作事
一船路に出向ひ敵を遮りて乗討と思ふ時は先諸物頭船奉行
全体の大将
艘の
一下如を聞て仕はるゝ
小船頭
船手大将也
下大将を
尤水手の長也
行船舶の大に大船頭大林の小船頭下野守
召出し此度船軍に取結ふ上は互に身命を不惜忠節を
織取を
可取候へは其働次第に帰船の刻急度其程とに随ひ可そかれ
一大将にも諸勢に対し先頃依怙贔屓名曽敷由堅く誓紙
を以申渡す事誓紙之案又口伝
所に口伝付り仕所と云は氏神の社か式は先祖
の廟の前にてする軽々散すへからす
一第一船は乗前天気あひ塩時の考へ大事也
先祖
其外海中の切所を考る也
伝曰大将諸勢に対して誓伺を書て見せる諸物頭は其支配人に
対して誓紙を書て見せる也案文に口伝あるにあらす誓紙の仕
此三ツの考へせねは被成事也我前の夜は海の戌深海中の岩なと
乗前の事は其所々の船頭功者なるもの也
汐時は差引を煮る天気あひは風雨の考也しれかたし危功の
船頭功者なるもの也其所の者を抱へ又金を与へ聞也
然るにより惣船頭相談を以船大将の聞届け諸手へ申渡す
旨違背行有申しき事面々の船中にて乗前の事は其船の船
頭庄図次第たまへし
丸は右を救はすゝ右は左を不救故遊軍をして諸所を敢はしむ軍艦
巡見第一の役也人事船に勝手次第に指引をす不構他船
船奉行へ達する迄は遅々する事有へし口伝
船落たれする内負に成故に聞合する事なく節口臨ては船
奉行へ達せすして軍をする也
一敵船へ乗懸可働時節本船に武者奉行へ下知有へし武者奉
行は諸手へ乗廻し諸船は下知有へし本船ゟ下出の上は少しも
指引違背ある事前事口伝
船は六丁立か八丁立にて諸船へ乗り廻し触る也〇本船より下所
有時此下地の通達て七好様にすへし
一一船〳〵頭々の下知於は違背もたとへ能働きありと云とも帰
陣の刻吟味をとけ其程の罪可行事けり
一船は一船の頭々の下如に付て働く様にする如斯せされは乱れて
しまらぬもの也
一此度弓鉄炮の者船頭水子の者也とも侍同前の働有之は
帰陣の刻其船々の大将の申品次第侍にも取立て其働き
に応し可は褒美但指両役義を捨るに於ては縦心はせ
有といふ共越度可申付事
船の頭の言上次第にする随分如此法令を定むへし
一一番手二番手三番手と段々に押出すへし
出船の法
斯のもし
先手ゟ敵船へ乗懸へしされ共風により後陣へ敵依より
るも可有何れの手へ成共手をき方先手となるへし其
刻に至り前後を不可論事口イ
先手ゟ先敵へくひ付也
然共何れの船也其敵間
近き方を先手とす先手を向ふゆに此方虚に成
故に何方成共敵船へ向ひ次第に先手と成なり
一汐時より惣船押出す事本船に太鼓のならしを打へし一番
一太鼓に惣船兵粮をつかひ用意すへし二番太皷に碇越可上
三番太皷にて定置法の通可押出太鼓は法を号し其時の
如斯本船ゟ出船の時節太鼓を以触る
品により数を定むる
一太皷の法其節定のす第也是は敵にしらせましき為なり
也押出す行儀を尋て押出すなり○
は敵にしらせましき為なり
太皷を打数時に依て定む
一潰入或は引退時は具を以相図をなす物見船湊に入諸
方を伺ひ相図を可出本船相図を請て貝を可立夫に
随ひ段々に可押入但難風の刻は前後の構なく早く可参
一入幷諸船諸具諸太皷心持ありたり
入か入られぬか敵船か有か無か先以物見船乗候て見定相図をすかし
相図の仕様貝を以する或は旗にて成共相図する夜は松明を以成共
物見船ハ小舟也武見
の見る所か湊へ大船か
相図をする本船此相図を聞定めて本船ゟ見越立ると諸舟諸貝
を立て段々は湊に押入る本船の相図の見太鼓を聞を諸船にて
請貝受け太鼓を打給ひせされは分らざる也○但難風の時は一二の
無差別先ゟ次第に湊へ乗込なり
一武者奉行は六八挺の小船に而四方を乗廻懸行すへし
此裏奉行の船は本船を放れ別に六丁立八丁立に而乗廻す也
去に依て鈴縄を付て用有時に引あふ也
水手の前には双方幕楯武者奉行は舳先候屏風の内に
一折敷立上り下出すへし
幕楯とは幕を三重に張を云武者奉行は屏風楯を用ゆ○
ふとん楯といふ物あり幕楠にてきかさる時フトン楯を用ゆロイ
船印は見切よきを可立夜は火を印とす并に本船ゟ鈴縄
を四筋付置色色々音を以可知事江イ
一鈴縄は重立たる頃の船と大将の船とに付置
用事ある時引あふなり
一船頭織取は乗前を第一心懸下知次第に船を前後左右へ
押立へき事并迷櫓を立る時節あり口イ
乗前を大事にする頃々の下地次第にとふ成給すり手前〳〵の役
を守るを肝要とする也○逆ろの事袖なり迷ろといふ詞口
なつまなるかよし順に味方の方へ来るをいふ也
一味方とこみあはぬ様にすへし
一本船軍船共に大船の分には色々の浮を付百間二百間
に細引を流し可置常に浮を見知用の節は双方ゟ
引合時は一入早く水主の手を休むる物也口イ
何れの船にも浮を付て置老頭々の浮を見知の様にする也依之自由足
る也○是は懸り船の時味方五に用事を足す為に此浮付て置也
流碇とは別也流碇は
駒瓜の節用ゆ
一大篝の事諸船浜の中に懸り船にて有之時ハ瀬戸口〆左
右の陸地に上り如常可焚敵の面に火気の見ゆる様に
可焚陸ゟ敵の寄来るへきと思ふ時は船に乗可焚篝番は
侍両人ツヽ可遣事口イ陸も海上も同様也大崩は長サ二間程横
一間半程草次第にして六段に切て一時
に一つゝのつもり也火の付様上より付る也湊の内に船を置て簡
は陸にて焚也敵方能見へ此方不見様にする土手を築く或は物陰
を片とりて焚なり○船にて篝を焚時は筒火別に有之是にて焚侍
両人をはす筒船にも相廻り船にも用ゆ是にて敵サトスル事不成也
一権筒は夜廻りの舟を用地方の船数に随ひ五艘も七艘も可出
焚様二間の古中の明松を船の左右の舳先に可焚柱廻り
見届へき品敵方ゟ忍ひ水練を入味方の船の碇縄もや
ひ切はなし船のみを入破る事は能可心付諸船へも合詞
をかけ通るへし浅瀬ある所は何にても印を残すへし口イ
権解は直に夜廻りを用ゆ本文之通り銘々心を付る也〇夜廻り五艘も七艘も
出す故江くる〳〵廻る故に偖響くはならさる也○瀬の印は大船を葉懸るを間敷有也
一本船軍船共江夜は舳先穂に一時暫り口侍二人ツヽ台不寝番を
置折々至なしの種か亀を可討
本船も軍船も如此惣勢も油断
なきゐに又は敵をゝひやかすぬ也
敵夜打夜合戦仕来ると物見船ゟ相図の火をあけは本船ゟ
夜打入時は太鼓を合て
大鞁を可討惣船太皷を合せ
諸船軍の用意をする也
手前〳〵
の用意をなし船先へ廻り船をいつれの船なり共先手となり
可乗敷口く
一本船の外に乗替の船二艘ツヽ本船の厄右に備ふへし常に大将
乗移時はあゆみの板にて乗給ふへし或は合戦の最中或は難
風の時は舟ゟ舟江縄を張渡し赤銅の大くたを二ツ入夫に取付
乗移るへし縄の下に幕を張渡したるもよしロイ
知らせたる時は敵ゟ丁間をつもりて大筒を打懸る也○本文之通也大将
の本船から乗替の船へ縄三筋張て此縄へ赤銅の大くたを通す是にても
危き故に下に幕を張る是は必竟大筒を除く用心也
一大将矢倉に上り諸方巡見の時幕を三重に張幕の物見
大筒を防く用心といふは本船を敵に知せすして置をいふ也本船を敵に
ゟ見給ふへし尤屏風桶をも引立へき事口て
本文の如し大船には穂江高矢倉といふもの
有て見医といふ方言也
一先手にて敵船一艘也共哥取勝利と見ゆる時は武者奉
行ゟ相図を写出其時本船ゟ鯨伐あけし太鼓を可相懸
船も一度に鯨波をあくへし桑取る度々同前也是味方を
実盛になし敵は虚口なるの利也ロイ
盛衰を助る為也味方を
きほはせ敵の勢をくしくゐ也
一不寄不退の軍の事惣して船軍は陸の軍と違ひ人数の懸引
地形の切易を以敵の盛衰を見る事不成故舟軍の浅間衰
ま方
を以て盛とし裏す
は連塩壁向塩壁向境勢風上楚風下襲を以て食す
然により風上より軍を可始時により俄に風替り風下に成
事もあり其時数寄来るもの也
一合戦を始むへし
味入風上に成時間を退かせす
寄すると見る時は諸船碇をおろし仕懸置大筒火矢を
打懸へし鉄炮弓船は敵船を押寄織前の力キタツを目当
とし打すくむへし同手ゟ近き能湊あらは湊へ押込湊口にて
戦
防きふ哉を利とすロイ
不寄不退は味方も不寄敵も不退相下ら
みに成たる事也分別を待也〇敵の聖
裏を見る事幾故敵も某も同し地形にして同し盛也○大名火矢を
打は味方風下に成時の事也のカキタツトは船の両方にこんかんのもく成
きあるをいふ此所に水手居て舟をこく也〇弓鉄炮船は何れ下舟故に押
寄らる也○浜を渡候両る時ハ敵後へ廻ル事不成成故に気遣候べし依之負候哉宿也
一惣船の鉄炮玉目大きなるよし舟にては人を打事なく船の楯を
小筒は勢ひ弱し舟そは桶
一討破を利とす小心内は利薄きもの也口イ小筒は勢ひ一
をくたくを肝要とする也
一弓船は敵味方の船五間七間也武者働の節矢つき早けれは用に
可立為也機取水主を第一口村へし髄の高矢倉より下りこふしに
射落すへし舟の桶に当りては益なきもの也口り高き所ゟ射
るに利あり方
なれば桶に当る又は矢勢触し◯愚問曰敵合矢次味方へも敵の矢とく
依之村懸られたる時如何師曰射られる合点也
一船軍には武者積りあり村手打手働く武者とて役を陸の如く
分る事ならされは敵船へ押付不働さきは弓鉄炮にても銘々の
大勢は役に不立舟
こそりて悪し◯敵前
近付内ハ双方助け合ふ様にする也○水衡ハ敵前也○人数を減少して
用ゆ時にしたかふへし
一鉄砲舟は敵前にては備様有味方風下になり寄らるゝ時は
廻り打成へし討払〳〵押退くへし
浅みを後に当て口分のすくとこ
迄も浅々迄くる〳〵と廻りて打て退く
廻り付図
敵舟
一
一番船打払押退く
ゑ田曰廻り打ハ一艘つゝか否也師曰一艘ツヽ也くり引に打事也
一鉄炮船は敵向五間六七間と見る時討懸へしに舟計り敵近く
乗寄る時は敵方ゟ大船を乗を乗破る者也此方ゟも大船
を小船の跡に後攻に可遣大船ゟは大筒を打へし敵の大船此
方の小船に乗懸る時は早く小船は押懸を勝利とす是も着て
法を可出若敵ゟ後攻の船を乗取へき体み元は此方の船二艘共
三拾二歩壱人東本郷
に一船懸りと成敵船を可乗破口に
鉄炮は敵合遠き所にて打費へ
也死気を詰て打也死気を詰
故大船を小船の跡に遣す也○四艘を一舟見そといふ二艘にても一船懸り
の道理也○兼々法を出すとは平日いひ合せて置もの也下々水手等可
調練也○此方ハ一船懸りと成る也味方の大船乗違へて穂へ付矢裏と
矢倉の軍を成て先の小船にて服せるさなに奥秘あり
一丁目
鉄炮船
味方大船
砲縄一方大船
るとは何程行て放すと敵にたると考て打を呑也〇弓船鉄砲船小船なり
難讐
一大将野島能登種改
野島流本船住吉丸二
武者積り舟具但六十挺二人掛り水子百二十人也惣大将舟也
櫓一丁口水子二人掛る墓の大船はヶ様に二人てなけれはをされぬ也
一大将野島能登種政久留島掃部助ケ村比三人の大将野口副
河野右衛門同断助ケの大将也若野島
村上主殿同断討死する時は代り小なる也
右四人は軍の下知をする舟奉行は舟の勢引を水子に下知する武士
十三人は働く也
定有
此外武者十三人船奉行壱人都合大将共に十八人之病
外
右之本は船頭舟の織取惣船役人如常
大将四人舟奉行一人武
者十三人之外といふ事也
一大旗一本一大馬印一本但持道具如法
一長柄十本但仏様口に侍田風の吹時伏り軍前にも伏るをいふ也
一長柄十本
一持弓二張一鉄砲玉目拾匁廿丁
一大筒二丁穂の矢倉に仕懸筒先を敵方へ向仕懸置し
一モハズシ十本但二間柄二ツ爪有熊手を云
一長下と大熊手十本両様にて十本ツゝ合廿本敵舟を引
一長トヒ大熊手十本の
よする為也
一カケヤ五本
一大綱切五本大女なるまさかりをいふ一カケヤ五本
一屏風桶幕楯但下積数の多き程よし
一大概灯十二但大将の紙付る
右本船軍前役割一船掛の積りを以すへし不残口に
一船懸の組積りは未にて出る也
右六十丁立の本船与あけ是にて出来る也
賊船一軍掛り又一艘なり
四十八丁立シ舟辞に六八挺の舸舟トソふ武者船也
一軍掛りトハ弓舟二艘
鉄舟二艘武者舟二艘
都合六艘ヲ一里ノ法トス
左ニ左ニ其舟組ノコトヲ糺ス
一六八挺之舸
倍臣
右之外武者積り武者八人
倍臣十ナ
二人連
武者八人是に倍臣一人に付二人連にして十六人割
一一相小旗一本此祠舟の道具を述す
一大心目二丁腹の矢器に仕懸火矢筒にも用ゆる
一小鉄砲二十丁玉目拾匁一モハヅレ十本但二間柄
敵舟をくへ寄たる時用柄長
きは邪十に成故に短きを用ゆ
一小ヒト小熊手二十本柄三尺二三寸ハ
一大縄切三本か五本一力ケヤ五ツ
一手すマル拾筋
一カケヤ五ツ
より敵船を引寄る也玉の先に碇の如く論を付る也
鎖の先に玉に小碇をしたる者也投て落着たる所
一鎖録十筋敵船と此方の船ともやしく
紋付様
一大挑灯十二
軍掛り相紋
軍掛りの一手の船は紋所同し様に付る也
一明松薬明松篭明松竹明松下積に入類
十マリにて作るホフロク火矢ノ事也
一抛物銘二十
箱に仕たる物火矢といふ
一力ス〆水子の面々腰に付る長六尺手手拭也用る時は末より
一足留メ鑚打所口イ
一足留メ鎖打所口イウ所は舟の腰の内方へ打也此価に鉄を付先
たりなり於ちても川上るによし腰に挟む也不落
一惣楯幕楯屏風楯図外にあり陸軍の楯を直に用
一兵糧干飯人数三日分
一網日覆
千飯はかこひの米也〇三日の餘計は難風
に逢時の為也舟には数日不被居
銅の網也常には舟に張て置軍の時には両人して持疵
て火矢を受て直に敵舟へはね返す也別に図やり
此ノ十八人ノ役人皆
水子ヨリ此ノ役
ヲ当ツ何ノ船モ同シ
諸舟道具は常之通但碇網等は舟に応し増一し
右水子ね割二割引にて上の六十丁年ゟ二割引也
一四人手スマル役如是定て置一三人鎖鯨役如是定て至
穂袖に居て
一六人火矢請手
一様は大ろを入置
一二人穂の矢倉ゟ玉火をあり
五八挺船
但臆胴舳に
一三人
立並ふ
この舟底に居て舟の傾く時に釣合を直す也釣合を直し
様は大石を入置彼方此方へ置直す也
玉火を打出す
右武者六人但倍臣二連
釣合を前一寸
敵舟へ届くを程に成て下心次第
船具は右同前
四十丁立の船也ゆ愚問小頭は
三人か師曰二人也と
二八挺小早二艘十六丁立の船也
玉但一艘に十人ツヽヽ離ル外は少頭壱人
右は鉄炮船鉄炮大将一人小頭二人足軽廿人是も十匁
右二艘之内一艘には小頭計一人乗にて足軽十人乗る一艘には
鉄炮大将一人小頭一人足軽十乗見
一舟具積本文の如くの舟興を積む
一モ八ツレ兵粮明松下積手スマル桃灯
一屏風桶華桶都合五艘也本舟に除て四艘是を一船
一屏風桶幕桶一屏風桶箒桶
懸りと云
二八挺小早二艘
右は弓船弓大将一人小頭二人
一足軽二十人組一艘に十人ツヽ
鉄炮舟の積り同前也
離る外に小頭一人
四艘の時は一船懸りといふ
六艘の時は一軍懸りといふ
軍前五間六間にて射放すへし敵船の舳先へ付左右一分四
鑿進入る口イ鑿を入るといふ事大和也
右六艘一軍とす
賊船一船掛り
大船は何れも水手二人懸り二人ふを時は
一櫓力推されぬもの也小船は水手一人懸りよきな也
小口十也
一六八挺船五八挺二八挺掛
但弓蜘
大船二艘小船二艘也小早二艘之内一艘鉄炮船一艘弓船也
右四艘人数積り武者数船具役割一軍懸り同前但鉄砲
十丁弓十張減す弓船右の取掛に付鑿を入る右四艘一
船掛りとす一軍一船合て十艘一手とす
一軍一船を合て十艘也是を一手とす陸の一備也低て船如斯
何十艘にても此割合也
一物見船
但六丁立
一物見船但六十三一艘剣之武者切之船頭
常の六丁立也随分功を入たる者を用ゆ○小船故に水主一人
懸り依て六人の水手也
一使番船但六十立一艘歩行侍弐人
歩行彼二人直に使をする
歩行待を直に使番といふ
右二艘共に一船一軍に組先立て水尾筋を見る相印を以す
歩待を乗す
通り悪き所にうけを流すか竹なと成指し印を
致し置てそこへは船を乗かけさる也
一惣武者出立甲頭巾胴宿衣
乗移り乗帰事こ成也
一具足をふ着也身重けれは歌船へ
一奇船一艘六十丁立武者八人か十人を用船具使
割一軍一船同前一軍一船之外を押す
離れもの也味方の邪魔に露様離れて眼を乗る也
一兵糧船荷船十五端帆水手術風前に可乗
台所船也〇六百石積之船也〇水主ハ二人懸り也大船成故也
十艘一手物見船使番船へ朝夕三度の兵糧を配る一人
一日同一升兵粮但上下火竹禁を用ゆ艀五艘嫌に引
付兵粮配る節は本船の相図を守る
本船ゟ差図の時艀五艘にて諸船へ兵粮を配る船にては田中にては田里にては酒ゆらし
呑せるへ○相図は螺を以する本船にて螺を立る諸貝を立りなり
船戦働武者心持
一陸地に違ひ敵の首を取一番鑓二番鑓組討鎗帆之働
といふ事なし敵船へ押付る前ゟ風道具を持大船は走り
櫓小船舟端折居敷敵船一二間と見る時長道具を持立
是迄本
文之通
上り働く敵を海中へ引落すへし是を専一之働とす
陸軍を舟
敵船によるとひとしく敵船に乗移り働くを一番
軍とは違ふ也
鎖かすかひにて敵船と味方
二番の手柄の善悪と定む
の船と一ツ口打付るをいふなり可
は櫓に残り諸方を可下切互に傍輩に言葉をかはし可働
頭分
相覚ふを
用ひる也
此軍事にても相図次第早く味方の船へ乗し
戻るへしたとひ利を捨る共引へし陸の戦ひとは心入違ふと
云は是也常々法を可置油断する時船鑿を入ともに可
死口イ
味方ゟ相図を聞と早速気に戻る事肝要也依之歟
に組しかれぬ様に兼て働くへき也医を入事奥紙なり
一当流は別に押備はなし一軍一船とゑて手組を定め献の軍
船を乗取也敵大船成時は一軍一船十艘一手と成り乗候へし
一本文之通たとへ味方の船何十艘有也一軍一船を段々幾段
も組あけ十艘一手〳〵に組也或は別或は組一軍一般の国
一軍掛り之図陽船之法也一船掛之図陰船之法也
同同
ら
弘治四日
敵船
〆
□□□□□□□□
武者船
武者船
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
敵船
与力一冊武者船
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
一男
右一軍一船之図。穂を表に掛但逆櫓を用ゆる事も有へし候
穂を表に至るといふは敵船に喰付事也空の旱に述す逆ろの事
奥秘也○無用の往還を禁す水を汲薪を取にも警固也見第一とす
〇船軍には備といふ事なし軍掛り一船掛りか陸の備へと同し○敵船を
見合にて一船掛りにも分ヶ討にもする也分ケ村といふは武者船一艘弓一艘
鉄砲一艘を云也已他流にてか先手二ノ手と陸の如く但当流にては一軍
掛り一船掛りと組也〇十艘一手とはいへとも一軍は一軍を一つ一船は一船と一ツ
にして互に邪魔にならぬ様にする所謂別手一手也組様は一軍掛りを
先に成共銘に成共前後の差別なく絵図のもく但立馬は
一号カリ之事ロイ
敵船二丁程迄は櫓の拍子を以て舟敵をうた笹る諸
勢たくに不成勢ひを取留也螺太鼓抔を用ゆ
一力スメを用る事ロイ
一力スメを用る事ロイ敵舟を寄て軍前をは水子に見せぬ者也申す
めにて目をふさく是をする役は梶取の唐
立たるを馳廻りて如斯する非子は下迄下至は臆する故に軍前を
見せぬなり
▢一敵を可討と思ふ時はたとへは湊瀬戸口泊々を考へ追討分討
或夜討色々方便を以可討互に戦陣をとけ勝負を決
する事海中にては不成者也大軍にて船数多く有といへとも
後攻加勢も馬上懸引も難成者也是により此方より一軍
成候一船成共敵船の位により早く乗懸敵舟二艘も三艘
もにく乗取時は同船もたゝよふ者也去により陰きは違ひ
印の色を違て置一船懸り一軍懸りと
第一先勝を本とする也
備る事も有之也○追討分討とハ一船懸り
を二つに分ざるをいふの敵を可付と思ふ時は敵はいつれの潰に酒有何れ
の瀬戸口に居と泊らを考ふ何時可付と思ふても順風通汐にあら
されは味方の船を押産事ならす然るに順風連なれは敵にけあし
此時に追付分討入事也海上は勢ひ同し事也右に敵に追討事不成
例之類十反帆なれは味方十二反にて追ふ○爰に帆風を水といふ
伝文あり相帆走をいふ也追討と
とり
欠兵
敵船
軍掛り
敵船
同断
本文の如く陸の自由不成二の手横鑓も不叶依之早〳〵先敵舟を一
艘成共乗取て味方をきほはせる也先へ来る舟をいつれにても乗取
をいふ同船もたらよふとは敵の内船也舟軍は元勝を肝要にするの威
勢をくたき味方をきほはせる也○一軍一手は前侍の如く十艘也此
十艘の間は黒なれは黒と一色にする是は何方へ敷ても寄る時に残
ぬ殿也右十艘の内六艘は六艘の黒の内に心印四艘は四艘の黒の内に
心印をして大分ケ黒を以分る也又幕にハ左は左一番と書右は右一
番と書付
差別するへ
▢一押通る敵を可付と乗出す時いつれ湊に成共備居へし本船ゟ
下知次第十艘一手ツゝ押出一軍懸り敵に乗付へし一船は
跡に備へ位を見るへし手図に敵舟来らは諸方に構はす是も
一敵舟に喰付へし銘々他方を不構手前切に勝負をすべし
後攻見合は本舟武者下知する如此也他方へ心をうつしうた
掛ル舟ハ外ヲ通リ
引舟ハ内ヲ通ル
かひ有時は峠薄く成負る者也口イ
手前を大切にする外の舟危さ時は本舟ゟ下知して救は亡る也○敵の通な
待て居て備へ居る此時本舟ゟ下切次第十艘一手ツゝ押出す也〇味方の軍
懸りとこみ合ま様にすへし敵の後攻の船あらは喰付軍すへし○
味方いか様に成とも赦すして我舟の軍を大切に守へし
一寄船は十艘一手に押並一町も左右脇を押備を離れ武者奉行
下知を破し下知次第何との手へ成共押懸助合すへし占イ
本文のとし越大舟にて味方の舟利を失ふ時に本船ゟ下知次第
出て打なり
一一軍掛り一船掛り成共味方先手の内軍利なき体見へは
遊軍太皷を打船端をたしき鯨波をあけ後攻の体を見
せへし弥味方別なしと見は武者奉行下知すへし其時はおるを
け先船に替るへし先船にも混乱なき様に押開くへし退散地
是は前断の
本交ノ如レ
奇船の働を述る
敵船
}
一
如此ノ心ニ廻ル
跡ゟ廻りて先の
舟の所へ入替
一石火矢火矢は十二三端十四五端の荷船に仕懸ケへし不
残走り矢倉に仕懸る也都合五丁三丁と見る時先献の
本船を見込可討水子共常ゟ可増鉄炮を打出す時は穂
袖碇を可入若敵乗懸り此方の船乗取へき体見へは小筒
を以打すくめ手先の舟の槌を切放ち上手に働敵船を
乗敷へし意武者鉄砲役人の外に武者を六七人も加へしモハ
一ツシ熊手其外の入用の道具は武者船同前ロイ
走り矢倉は穂の高矢倉をいふ也○本文の通歌本船目当鉄砲を打
出道時々舟はしさる故しさらぬ為に碇を入る也○小筒弓鉄炮にて打
すくめ見て不成時碇を切て開る也○同断時には碇を切て捨て敵
船を開てやか過し此方風上に成様にする〇モハツシめ手を持たり
又は碇を切時なと人数
入故余処口人をかふ也
一軍船の武者積り古法の通りたるへし乍去大将心持次第
前にいふ人数積り
二人も三人も加勢をすへし
をかへてよきなり
一敵船数多き時を分討へき事広き海中にては難成手立
也瀬戸口潰の内敵懸り舟にて有時わけへし分討の場は瀬
戸口浜口也風上ゟ火舟を可入事并つなき火ともいふ然
味方に火舟を懸
共風なき時は火船用ひかたき物也口に味方に火舟を懸
られたる時には随分
手早くよけねはならぬ也火船見様は物見を以見頃火船の目利は
火舟は焼草計りにて人数乗ぬ故に軽し依之舟足浮者也〇火
舟は馳せ易きにより鎖を以つなきてやる也火の付たる舟は早き物也
此方も敵にやかれぬ様にする也舟次鎖にて装束さて敵船を目当て流せす
一火船拵様の事小船に柴竹をつみ双方江幕を張風上
より段々に馳込へし浦々濱々の小船をうはひ凡すへき事仙
一諸所に有之小舟をうはひ取て火船に用る也○間数を積り合せそめへすける時
は敵船へ行届ぬ先に焼て仕廻ふ依之敵船へ届く時に焼
立浪につもり合火を
付事于要成り
一一軍一船の手組の鉄炮弓船は両船の先を不可離と下切
を常ら置へし口に
弓舟鉄砲舟共に武者舟の側を離れぬ様にする事をいふ〇一軍
は一軍の便一舟は一舟の側をふ可離と常く法を可定也
一惣船の鉄砲六匁ゟ上を用ゆ小筒は不立用者也仕るより
き用るなり
一敵味方相帆走りの合戦の事帆風を取乗番也互に順風
にて走り船の節五反も六反も帆かさの船にて敵船近く乗
かけ急度機を廻し乗かけ乗散也船頭より功者なら
年は難成方便也大事の勝負也口イ此所ハ伝也欲船を乗
一故に乗敷て不沈侍けり〇敵船を乗寄て味方不敗伝なり是真秘
此所は伝也敵船を乗
敷ても此者も共に沈む
奴伝あり是興神
也〇相触走りト云奥船あり帆マシの事略スシ当
一敵漢懸りの船柱落し勝負の事大船ゟ小船を乗取利
○口に大船は小船ゟ舟足多し秘伝曰大船ゟ少船へ帆柱を投込を桂落と
云の是は敵潰懸りにても又は此方ゟ討に行て成共柱落を用ゆる也
賊一軍一船分討
一一軍一船手組之内敵船小舟と見ぬ時は一軍成共一船懸り
成共引分け敵舟へ乗懸勝負すへし所鉄炮舟も一軍は二艘
一船ハ一艘引分前方に一艘つヽ可加ワイ
一軍をりの分討といふ事は弓舟一艘鉄炮船一艘武者舟一艘なり
一船懸りの分討は鉄砲船一艘武者船一艘をいふ也○献舟へ用る
懸候様は武者舟は敵舟の胴に付鉄砲舟は敵船の袖先に懸る也
分討ノ図
款形武者舟
□□□□□□□□□□□□□
□□□□
□□□□□□□□
あるに
又
野島流軍船物見四十三
一物見船は六八挺の小早口楯しとみを用也当流には物見舟
とて外に拵る事なし船数多く入時ハいつれの浦にても
猟船を奪とり物見舟に用へし拵用外にあり
拵様外に有とは猟船を奪取て楯を立て物見え行事を云つ平常
の六丁立八丁立也桶は進む時ハ袖先退く時ハ穏に付る也脇ゟ
も敵の弓鉄炮の来る時には脇にも楯を立る也楯は急て拵置なり
〇海上利を見越人数を見積り寄口善悪を見りマリ場を見漂を知る
一船にての物見は陸とは格前馬上の懸引の様に自由ならす然る
により敵間一町五十間迄近々と押寄ても苦しからす程を
く押寄せ能く泣を見るへき也一入船にては気うつるひとの
也真になり敵船の位を見るへし気不落者は諸事見分かたき
もの也口に敵船の位を見様は気を鎮めて舟を開ひて敵舟を角懸て見
もの也ロイ
馬也陸と同う心也
〆物見舟
如此也
一町五十間往説て見る如此しても不苦め何となれは此方の武見
船は小舟之逃りに逃け如し敵舟は大舟也大舟は小舟に追付事
たし依之近々と往詰事也
一物見の者は功者を撰用ゆへし其上老切の船頭を一人差
添遣すへし海中の義は第一日和之善悪汐時を教へ
浅々深々を知事を専にす功者の船頭も沢山になきもの
也野島海賊之節ハ浦々へ夜中に忍ひより陸に上り所々の功者
に縁をあたへ案内者に用ひし也只
敵の進退虚実を能見せり為に老功の士を用置功の士能見知
者也海中の様躰は功者の船頭に見せる依之右両人欠けてはなら
ぬ也〇本文のとく梅中の根躰所々にて違ふ依之所の者に逢
銀をあらへて所の者を頼む也○上り切を見る事炭深く足入ならす
汐満干すくなく見切所遠く覆
船なく左右広きよしとす
一船にその物見は一里二里も先へ乗出事もあり近き敵前へ
のり先時は二艘ツゝ乗出す遠方を伺ふ時ハ四五艘と出す
段々に間を五丁拾丁て置置し敵来ると見給ふ時は先
船ゟ相図の印を出すへし印次第あと船印紙請味方へ早く出
すへし是を継物見と云物見を出す時節は敵の為に順風汐
時よく或はなき日和懸り来ると思ふ節出すへし敵の為に難
物見船は本船ゟ二りも三郎も先へ出るなり
風の時は出す事無益也
遠近に依て物見舟数多少あり本文の
如し水上浮物口心を付へしつ相図の印小旗か螺なり過而約束する也
〇本文の如し敵の為に難風の時には寄来る事不叶依之無益なり
一物見の見及ふへき品々懸る敵退く敵又陸へ上る敵惣船
の人数積り軍船はいか程有へしと積るへし陸と違ひ物饌なさ
所は二り三りも見ゆる物也第一心をへき所は山かけ浜の中曲り
とを見届くへし遠方ゟ可押来と思敵は少し押出し陸に
あはりける山へ上り見及へし日和能時は五り先も見る物也
小舟は磯に付乗へし磯は汐ぬるきもの也わり物
也〇敵の人数
積りは敵務大小の船数何ほとそと見定め又口此方の船の大小のく数いり
ほと有を積り合せて見るへし○山かけ湊中曲りなとは敵伏兵を置
事有り○小船の磯辺を乗事は磯際は波荒くて潮ぬるし敵ゟ
急に追懸られても磯際は陸へ上る事成易し俄之磯際を通るなり
一懸る敵の見様先順風好速汐にて碇を起し帆柱を直し
物見の心得は是
捨指物を飾る躰見ゆる也味方近く成時は帆をおやし柱を
直し軍の用意する物也内の体はかこひにて見へさる物也ロイ
本文のもし軍を持
ゆへ如斯
せい楼なとを引上る躰も見ゆる物也
乗通す敵は一入帆を巻上け早く味方の前を乗通り
一乗り通す敵は軍を不残故に沖を乗也此時相帆走て
もの也
打なり○帆を巻上れは舟早く馳るものなり
一退く敵は是も敵の為に逆風汐むかへ味方へ寄難き時節
碇りをあけ帆柱を直す体見類物也其体見ゆる時は早
く味方へ知する事法也大将心持第一入事あり
物見より知そんり大将の如物押懸け打と打さるとの事あり押かけてあん
と思ふ時か相帆走りをいうつへし
一陸へ上るへきと思ふ敵は敵の船懸り程近とき潰場にす砂浜より
上るもの也其上敵国へ帰る手筋よれ潰近よる時は上るへきかと
心付へし馬印なとを先へ上り物也必大波日和悪き時御手よりよき
湊よりあから物也
を浅足入見切所近く申てり場多汐満干つよく左
右狭きを悪しとす○敵船より上る場は本文の如し又曰久敷
沖漂ひ居難き取上る也○馬越斎ゟ先おろし間備を立て人数夫ゟ段々上る物也〇
馬は水中の働にし砂浜へ上りては別而働にし歩兵は働不成也敵船も上る場を能
見定て伏勢を
置て討へし
一ソアイ湊口の浅之深々を知事岸高き所は深し何筋のすそ午浜
は浅し深々は色濃く網に見ゆる浅き所は木賊通に見ゆり底藻
有故也河筋は鼠色に見ゆる物也一里二里も長くならひの山のすそ
ハ多くいアイ有物也ロイ
了にも深きと浅きと有也○鼠色に見ゆるは
ソアイといふ事は左右ゟ浪打懸ケ中砂を上
て金をいふ〇岸高き所水たゝゆり故深し
底に砂有故也是は浅所也
一不知湊水尾われかたき物也物見船先へ乗越し陸地へ上り案内を
一頼へし款国ならは忍の者を少々あけ浦しの猟師を生捕曲にそ
へし所々の功者にてなけれは水尾筋不知船を乗破る物也夫故水
猟師を生捕ても金銀にもあたへよくなつけ
尾を第一とすへし口イ
て後水尾筋を問へき也
一敵人数積りは先敵船の数大形計り其上に船一船一艘武者いか程
有へきと積るへし味方の船数人数積りを以敵船を考へし少し
大軍也とても船数不多時は恐るへからす一船に多く人数乗たり
共陸の軍に違ひ面々思ふ程の働き処もの也右之積り余りはつれ
なき物也
程小船何程有と舟数の大数を数へて人数を数へて人数を数へて人数を数へて人数を数へて人数をつとり
合するなり
一敵船懸り船にて碇りを打居る時は陸へ恩をあけ山ゟ積り見
るへし小船は多くても足にならす軍船をよく積るへし荷物船に
荷船は跡にあり奇舟に用ひん
軍船あり是に心を付へし口イソ
為江荷船の如して置事あり
◯舟より見るより山り近くにあらは山へ忍ひを上て見るへき也山ゟ見れは
能見へる物也の軍船あほと小船何程と見積かへし小舟は左のみ害に
ならぬ物間敵計策に軍船を荷船口仕立て至事ありの荷舟と軍
船の見る様は軍船は荷脇ゟ軽き故江舟足あから荷船は重き故舟
足しつむ此心を
以て見積申
一もやのかゝりたる時は手近き所も見へさる物也其時は此方の船も
敵へ見へす其時節は海中につなき船を多く置はん間を待て
俄に懸り懸り或は退く敵ならは早く相図を出し味方へ知すべし
左様の節は一入磯近く懸り居都急に乗付る時は陸に上り
高山に上り相図を上へし急々云至へし或は船は船にて退く
時敵追懸る時ハ類船助合七敵船を乗懸へし若敵大船に
て順風にて追かくる時ハ早く押入るか又は陸地へあかるへし口イ
晴間を待とは霧は天気上るを直に晴る也又風吹と直に晴るなり
〇相図の知せは螺を吹立る也○敵急江乗付来らへ早く陸へ上て螺を
立る様にすへし敵の螺と紛れさる様下すへし兼て定の密々に遣へ
し懸引は大将の差図なれは味方小族を以すへし〇類船助合せ様
は分討にする事なく○追入せられて押退様は子細なし見合せて早く
退て貝を上て相図をする或は所によりて陸へ上るへきなり
一霞てる時つれ汐にて敵俄に懸り来る時ハ次貝を相図に早く
一押戻し段々口貝を合味方に早く知すへし外の相図は霞之口
まきれ見へさるものなり
一丁間を計る事小船二艘にて間縄を引はへ縄の間にて知るへ
し其外丁間の積り色々あり口イ
是を以つもる也舟縄
へ行てつもり見るなり
舟縄
丁間者の伝は別段也当流にては小
船艘にて間縄を互ひに引張
舟先の船を及て池の舟又先
一汐の差引強き潰は口狭く奥深く広き物也考へなく船を押入懸
る時は引汐に出難き物也物見前方可見聞者也
覆船の場見るへし守休の時を考へし凡貴ゐ主不貴為客○浜の
一広延を見積て潮満干の考をして大船を可乗込し
一船軍は陸へ上り用意有こといへとも利なき都地へ上るへからす味方
の人数の心持違ふ物也され共難風又は上らて叶はする時あり候様の
節は前に物見挙るへき地三地あり上中下を見分へう吹上ケの浜を
上とす真砂地を中とす大石原かと多き地を下とす
海中の軍故海中の用意計にて陸の用意はなき故に上りて利なき
もの也然共上らすして不叶時あり○吹上の浜も遠浅は用に立す近き
浅場よき也○真砂場寄兵働れす馬場よき也○大石原は人馬共に
働きにくき也○馬へは常々抱くして莚を張響くして置也○馬の有
高船ならは先へ馬をあけて馬備を立て蹴ゟ歩兵は上る也〇馬を舟ゟ
上るには内江土俵を坂るがやしに置舟の外にはあゆみの板を懸けて此あ
ゆみの板の左右を筵にて囲ひ馬に水を見見ぬ様に運ひ物あゆみの
板の上と土像の上にも筵をしき其上に土を置て随分無事なる馬
を一疋あけて餘の馬に見せる是を餘の馬見ると
つゝひてあかるなり
一敵味方の間を計る事味方ゟ寄出し中程と思ふ所に船を掛り置
味方ゟ葉出す町をはかり敵方の黒白旗摺物の働きの位を
なり口う
見合せ左右をはかり歩合せいか程とつもる時は大方違ひなきもの
なり口う初江五りか三りかと見定めて其積にて真中と思ふ所に船を定款
御方見積合せ今迄乗往し間の積を以敵合何程と積りン
一遠くて近く近くて遠き敵あり遠く有敵も順風伴汐に乗り
寄るに間なき物也近くにても汐に向ひ向風成時は遠きに同
し是は味方の勝利成へし其節は早〳〵注進すへし敵引払ふ
物也早く味方に出せ追打を急くへし口イ此時に追打分少相帆立うを以
打也此垣合を抜ひては勝利を失也
一海中にては伏カマリといふ事難成往来の荷船に心を付へし荷船を
我領内の船は格別也他国の船と見る時は
一昨の一船見に押せませ可被下候
荷船にてもとかく乗取なり
一敵近く迄物見に遣す時は四丁立五丁立の船を二艘是に武者
十人責具を入レ送り船に遣すへし若敵大船にて物見船を乗り
破るへしと押懸る時は物見船は左右へ押廻し退くへし其時送り舟
敵船押向戦ふ躰を見すへし大形は敵引退く物也とかく押近戦
ふ時ハ法の通りに戦ふへし其時ハ物見船押返し左右より助合達し仙
後詰の舟也武者十人乗也十丁立位の舟也陸の中武見の心也〇若戦
ふ時は法の如く分打にする此時り二艘の武見船は弓船鉄砲舟の
ふ時は法の如く分打にする此時は二艘の武見船は弓船鉄砲舟の
代に成りて助け合する如此する時は敵も不残もの也○如此の時は敵
の様子を大将へ言上に及す物見船弓舟弦砲船の伐りと成て助け合ふ也
一物見船は常に二艘ツゝ乗出し敵方近く成時ハ二艘押置双方へ押
廻し敵前より味方の方へ押戻す様に乗へし其内に敵の形を見る
もの也ロイ
物也陸にて大つゝラのたカたさるを乗心也左なけれは振合悪敷
一陸の物見の也逃日と見らるゝを嫌ふに依て如此乗る勿論如此
乗時ハ敵前も能見ゆる者也尤如此乗り逃と見へさる也
大つゝラ〳〵〳〵
せぬ
ノタメカタ〳〵
如かなり
聞武見舟
味方武見舟
)
如此気り別る也
追加
十七反帆当代限ル事
帆柱之事
海中捨物浮物之事
帆懸様之事
機の浮沈之事風強き時又浅瀬に依る
出舟入舟の事
をも機取掛の相図鉄縄の事
大船の側二丁程左右へ小船寄かたしといふ
馬船之事并馬を繋様の事
馬を船より上ヶ様の事
力元縄の事西国にてはへらといふ木出羽奥州にて可ツ身といふ
木此木の皮をむきて縄に仕たるをいふ強きものと云々船に当
れはすれて船損すると云〻
可セ之事風にも有地形にも有之といふ
野島流大船掛り四
一敵の本船を可乗取事敵船六十挺八十丁或は百丁の大船へる
へし然るにより城責同前に心得され却而味方負に成物也
常に定置一軍一軍一船十艘一手と成り左右ゟ二艘ツゝ押懸け
敵船の穂とアカマの通りに付へし弓鉄は味方の船の外ゟ防
く敵を上箭に打落し射落すへし頭々か下知第一也上箭
に射る時は味方へ射をし来さる者也此時の一軍一船の遊軍て
成脇に備へ位を見へし遊軍は大船なれは大船に用内ロイ
ア号とは仇柱の次明の間の事次をアカマと云也○敵船に付様は艫を表
に付也○弓船かに船成故敵の本船の大船へは上箭にてなけんは不申也
〇定りたり一軍一船は少さくて敵の大船にはかけあれ依之奇舟大
船なり故一軍一船とすかへる也
草鞋
十一丁廿丁目丁目丁目丁目丁目丁目丁目丁目丁目丁目丁目丁目
世蔵
十一丁目
十一日
十一
十一丁
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
如此開ひて北味方の邪魔に成ぬ様
にする也味方の後詰の舟也
大船掛り之図別伝
弓船
将
弓船一軍一船奇船
別伝難介撰
弓船一軍一船奇船
取通
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
一右の十艘一手敵の本船に乗懸る時敵の類舟も間を押へ
随つる者也其位を見此方ゟ奇船又類船を押へさへるへし
敵も手前をかせく物也其内に本船を乗返し願くは敵の類
船程隔わたる時時節を見合也押寄せへし互に助合する事
も不自由成もの也口イ
本文之通也敵の後諸の舟助け合する時は
味方の船を以此後詰の舟を打此為に奇船を至也
一船江勢楼を上る事帆柱に勢楼を仕懸帆上る如くに引上へし
一ツ計り引上る時は敵ゟ鉄炮にて打物也類船に二ツも三日も一度
に引上へし其内に一人入れへし前に二三度もすひきすへし口に
本文のとし二三度もから勢楼をあけ遠間を見合せ人を入て上て
見せり敵ゟ鉄炮にて打れぬゐ也
一汐時悪敷難風なとの帯フリカヽり有之時敵押出る事
有之へし其節は浅みを後に留て碇を入穂へ敵船廻させ
さるを第一とすワイ
此時ハ湊口か浅みを後にして居る是御歎船の
後へ廻さぬ用心也深けれは敵舟後へ廻る也
又敵をつ方口に引請る為也碇を入されは舟しさるもの也依て
硯を入事也
迄一汐時悪敷難風なとの節フリカヽリ有之時敵押寄る事有
しへし其節の浅みを後に当て碇を入腹一搦船廻させさる
を第一とす口イ
を第一とす口は此時は漢口か残みを後にして居る是は敵舟の後へ廻さぬ
用心也深けれは敵船後へ廻る也又敵を一方口に
引給る為也碇を入されか舟しさり
もの也依之碇を入る也
一時品にも可寄事なれ共懸り船の節敵ゟ直に塩風に利を
得右之通りの懸り船の時押懸来は碇を切放ち敵船をや
り過し押廻し旅を面へ懸り敵船を乗取へし其節は惣船
ゟ楯の板をたゝき太鼓を打鯨波をあくへし扨諸船ゟつる
へ放しに押来る敵船を目当にして打すくむへし大形は奇
通す物也口に本文之通也例の上手に働き腹を表に懸る也早く碇越せて
事肝要也日ブルへ放は矢玉の不絶様にするを云
一味方の本船と軍船と間遠き時成共敵船へ乗かけよさ時分と見及
に捨ては本船ゟ相図の印を上へし其時は印を合せ手近き備
より乗懸へし武者奉行差図有事なれ共船数入乱る時武者
奉行遅にする事も有へし諸船の穂先に相印を見届る役人
を一人つゝ定置し明らかならさる印を見されは塩合ぬける事有べし。イ
敵聞在に船備を立て居る時若敵舟の虚になる時には本舟より相図を
上て乗せる也相図の上様は何にても振て見せる也相図を見る役人
諸船に一人ツヽ袖先口置也此相図有時ハ前後を論せ頃敵間近き
方ゟ乗懸り
一軍の節は六挺立の小早を助船に定置へし舶に楯しとみ陸道
を押廻し舟ゟ落る人を熊手或ハ手スマルをなけ引上助くへし
大将方々心を付けは諸勢一致すへし口
是は味方の助け再之軍衆中に味方の舟の中を乗廻し海へ落
たる味方を引上さする舟なり
一水手立役之外役儀仕るし次第折敷立捨主へからす武者之外
不可騒動各々役を勤むへしと急々一置法日に
立役は立役儀たり衆立也役義を仕込と各教也武者も如此立時は
気浮て悪し舟も勤て悪き也
一大船口荷足を入る事一人持之石に縄網を懸故手を付下
一族にすへし兼而置役人舟屋にて釣合を直すによし
船の足は六分七分の足を用ゆり
縄網を付置は敵の小舟へ打込為也取
主を付るは引上る為也釣合を直す役
人は舟底に六人三人ツヽ分れて左右に居るなり舟足の定め様は川にて
たとへは六分なれは海にては二三分になる此心を考て可定なり
一炮縁火失消し様之事兼て定る役人軍前には立慈筵に水
をひたし置玉を打込む時莚を打懸ふて消すへし莚様トイ
筵の拵様は莚二枚を横に合せて事也火災矢給人は前にいふのゝ二人有之
也水ハシキマ用アナマウエウケノ事
一武者一人に幕一張つゝ可持事心持ありわり
舟にては別して幕に矢玉中
て損する故代りの為に持也
一惣船下積に一カと半の大木を筒切にして是も縄にて持所を
付五本十本ツゝ下積にすへしロイ前にいふ石と同然なり
一大将常に用る外之執灯に替りの紋を披玉へし口に
孝の定役の外の燃焼を立る時帯あり敵に本舟をしらせ間敷也有也
◯舟中無砲にては叶はぬ物也正曲の燈を用
一毎日相詞を定め本船ゟ諸船に夜の泊々にて札を書き類船
に廻すへし敵夜合戦に来り又は忍ひ入たる時も相伺代懸合け
隠し事也○本文の如し若夜軍の時相伺違ふと此方たり申討て捨る法也是敵
合の後若蛇中の沙汰者可有早恩隠府可応時海陸内断久敷時泥
む事似せ物
子有十し
一敵船にタウツキを懸る事塩合あり其船の大将の下所を可守え
味方の船にタウワキを兼て仕懸て当也タウツキの仕懸所は咽の間と垢
間の間也是にて敵船の横腹を突くたくひ也
一夜る潰口に番船を置事一町ツゝにつなき船を置さき船候敵来
と相図の火見ゆる時は段々に火を合せ太鼓を可打惣船土鼓
を打敵寄たと思ひ歎船も一度に太鼓を可合口に
懸り舟ゟ敵よせ来日の相図あれは
早速単の用意をするなり
一夜は本船の外下知なき内惣船挑灯をあくへからす口に
本船ゟ相図なき物にみたりに打燈をたてさる物也○龍槌な四時は妄に
成て大将の威権之義て諸年法を破る故如此の類迄正しくするなり
一夜軍の節籠明松二間柄にとほす事明り見せ様ありせし
一範松明を船元の氷の上に立る也如此すれは舟の内は敵よりふ也して舟
の外見て舟火事もも之也
一味方の船大筒にて打抜るゝ時繕ひ様有ロ
松ヤにを以繕ふれ共少しの内ならてこらへさる也松やにを兼て解
し船江入置也
一船の下積に松脂二俵ツヽ可入事ロイ大筒にて舟打ぬかるゝ時給ふ
つき用心に入置也
一惣船に船大工鍛冶を一入事
大工なけれは舟を繕ふ事ならん鍛冶なけ
れはかすかひ其外金物を拵事ならさる也
一流しシカラミ淡懸りの節ハ又敵順風にて一万時節潰口か或ハ
瀬戸口にすへし拵様口り
流しカラミハ流し碇とハ髪也◯是は別に秘
伝あり○小舟を大船の袖先に何艘にても
もやひて双へ置をいふ此小舟にて弓鉄を打進させて敵舟を防き其内に大
船引延く也か小舟邪魔に成て敵の大船むさと押来りかたし大舟は妙みへ来りかたし
小舟は
自由也
一敵寄る時節たとへは広き場にても俄にシカラミをかくる時はた
だよふ物也其位を見弓鉄にて打すくむへし味方の為に逆風
の時口イ敵の寄来る時節に又味方の逆風なる時此流しシカラミ
の時口イ
用なり
一海中にては伏尽り難成物也然共往来の荷物船に心を付油
断すへ空す不慮の方便に逢事あり落船と見時ハ一船懸
押懸海賊すへし但無用の物立取也セイ
荷形か或が廻船に伏兵の如き兵有之依之乗取也然共取て益なき無
用の物は不取か宜也
一夜の焼打流しレカラミの事跡先に小船を押させ敵舟に引
焼舟を以打事也風と汐時の考へ大事也是を
懸る火の写し様ロイ
死気を詰るといふ◯焼草ハ芝也舟ハ火か付と別而
早く走る此心を考へて書を可付也○初の小は大舟の跡に小舟を連て行き焼へ
と思ふ大船の舳先に並ふ也モヤイといふ事は小舟を何艘もくさりか網にて水底に
てつなきをくをいふもやはさる時には風口順て舟別々に成左すれは敵焼舟を開き
あはすもやうたる時には何レの舟にても当ると止る也
一軍前にては大将乗替の小船に乗て二ノ手に有十品にもよるへし口
本船は本船と列に備て置外の小船に大将乗り給ひて下知をする然共荒
手はあまりは如し過る也二手に大将居て宜し去なから又先手にて足時も有
其時の品によるへし先手は危き
一切也陸も此心有なり
□
一穂を面に懸る利ロイ
〽妹ないぬ
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
世職別伝
一種の秘伝也
一味方の於差物飾たる事懸り舟の時成十軍前には相印の外は
不可飾但風す時は少は大船には可飾ロイ
於差物は勢ひを付る為に用軍前には縦イ一本残して我は伏る也也
○行イといふは陸軍の大馬印とて心得なり
一陸一上る事はぬされ共難風の時又上りて利可有時は船にて身
支度をし先馬船を先へあけ其後十艘一手ツゝ上るへし上ると
三町ほと押出し備を立て跡の上る船を了専不残上りて御陸の
軍利に可応ロイ
上り済て後は陸の軍立の法に任するを云〇馬を最初先
へ上て扨人数を三分一あけて備を立つ後に黥の人数を上る也し
馬船拵様ノ事
一七端八反の船にても荷船たるへし舟端より二尺高き板長さ
弐間ツゝにして横口立て下の方蜂番にして上の横柱に懸置を
付てはつせは櫓床の上敷道に成様にして次第にしとむ也間の
仕切は横三尺弐尺八寸にも跡へ六尺ツヽにしてぬきを通し上
には高くといふ物を当てひしと結ふ也只にてもよし扨間を
立る内は腹懸をし伏する事なし広くして馬を立る時は十
日の内にスク此物也成程ツメテ吉二通りにして馬越置時は中を
三尺道とし左右に立る也海上を馬に見せさる様にすへし扨
馬を陸に下汐時は二通り立の馬屋ならは舳先の馬壱疋引
出し跡のシトミを道にして陸ゟ橋を懸橋の両揚をとまりてシ
トミおろす也扨壱疋を明馬屋に引廻しおろす也其次次第〳〵に
引出す也〽おかたはらの馬屋猶以直道也し馬屋の口に筵をを
て常にくら〳〵して可置口
此舟は二十五丁立位の舟也海上に馬は不入地共陸
一上る時の用心に舟に馬を入る去に依て馬は少
くても不苦也○馬江水を見せる時は恐れて上らす依之闇くして置上る時も水を
見せぬ様に思ふ也日とかく明たる方へ馬を引出す也
れて上らす依之闇くして置上る時も水を
一俄の馬船は常に有船をシトミクミカキを以船端を右の如く有
か縄にて帳番にしとみ間の仕切はタゝミ越立両方ゟ割前にて
狭み絹也下敷板は一尺四五寸も常のよりはさけて夕みか又
ハクミワラをしく也口イ板敷板に畳か菰をする事也
海賊古法五
一力云縄の事但潮に用口侍曰是を真物といふ川船に不用
潮に用る時二十日も日にほし執置出雲碇に可有本建にさ
上縄也船辞にてモノトいふ
す時は縄重により碇を引起しきかさる物也は
平常の舟には不付大名の御
元船に付る海辺の者池縄を移る也○縄堂により碇を引起す依之木縄にふ
老ん辺避も金姓ぬなと軽く成故縄に引きされるもの也○此力にス泥は異
国物也此縄最上たる故可亡トいふ此縄
一払底なる故小升の縄出来たるなり
籠縄共云
ツク縄之事但海川に用口伝に曰此縄しゆ路案額
一白口ノコト但潮に用是コカウゾ縄也潮に用又イチヒノ
カウゾハ楮の木の皮をへきて作る縄也イチヒトいふ木と桶
と別木なるよし也
一スクリ之事但海川に用是檜皮之事也
檜皮を以作りたる縄也
一一一一一
本文のとし
強き物也
本文の如し舟峠にシツラ
一シツラ之事但川船に用是蕨縄也小
本文の通り古畑を
一綱縄之事但瀬に用
一綱縄之事但瀬に用是は猟師の古潤にて絶也然
ほへして柄たる縄也
本文もし古きは切安し依而
しなとし古きは切めし依而
一卯年〇如年仕以て后は大事
是は母貞残寄を以打
には不用か奥州の弟布多布の類
にてする強重
物也
一菜縄之事但瀬に用一年も仕いて後大事には不用
一藤縄の事但海に用是は異国船に用
一髪縄の事但海川に用是は不朽流球物也是女の髪毛を以棒
一髪縄の事但海川に用是は不朽流球物也御
一クゝ縄の事但海に用是は道芝の事海懸召有物なり
共をたいて拵
る縄也
是は女の髪毛を以拵
たる物也強き物也
くといふ物にて打たる縄也道芝と
クこといふ物トハ別種なり
クサラさる時は
サリノ早打也
一アサゴ索ノ事法に用是茅のほを以打也
クサルト切
安きなり
一正木の縄之事薩州ゟ出る是は船端にすれの強きものなり
縄を用る節舟に当る所を和らか成ものにて包む也
一出木の皮を以拵る也水にかけて和事にして仕ふ也○今薩州の舟の縄也
出羽奥州の人荷物をからけついつける縄を用るなり
右不残ロイ
風異名の事
一子の方之事北吹舟辞に北吹といふ
一丑寅之方ナラヒといふ少寅夏の方へ廻り吹風はしケに成節は太別当と
一丑寅之方
一丑寅之方ふ是悪風なり大別雨を下縄とも子俄に落て焼は悪風也
一卯の方事東風少し廻りても
一辰の方事夕ヨセ
一己ノ方
一午ノ方之事可ゼ
一未申ノ方事
一午の方之事可ぜ一セの南ゟ南ゟ南ゟり未申へ廻りたる風なり此等ハ六ヶ前風
伊勢海にて木南といふ西国中国にてヨウズといふ此風
三浦ともに惣風也春夏の始ふ時に吹風なり
一百戌ノ方マゼ
中西をいふ此外団により替りたる成へし可尋此外之風の
一亥ノ方
異名其国々の船頭知ものなり
浪ノ名
一部はき之事
一部ハキ之事一スナシ之事
アハキハ下に岩なと有て其余りの流をいふ○スナシ根無と書く外に流大キに
のして其浪を吹切て打懸るをいふき根そ段の餘りにて水下に何もなく沈のさはき手へ
山の出崎廻したるをいふ此浪浅ては烈敷浪といふ
安足下りて居る故浪荒し此所は海白く見ゆる也是へ北舟をのりかけ
さるよ也
一根ナシノ事深ミにて大きなるを云
一ウ子リノ事大風の吹へき前大に浪の立をいふ
此灘にてユラ〳〵とする浪也沖より吹風にて此餘り来て山子ル是にてくて
酔ふなり○出船前に能見定むへし必大風の吹つき落し也
一十コリノ事此浪ハ日和よくなり小浪に少子り〳〵と来るをいふ
浪数かに山子ルを云大浪の
跡成故に名残といふ
一右縄風之寄名浪之名西国中国は有増右之通国により
売名替所有り
一枕火矢之事外に拵様少し
一焔消五匁一硫黄百斗一灰度一樟悩五分一松勝二分
両目は如此枕のことく根へ上を紙にて張火口を拵てつけて投る時此火口火を付ける
此を大筒の両目に用ゆ大筒打堪弥なるものなり
此礎薬の御組を枕の内に入て此上を紙にて此上を紙にて此上を紙にて此上を
焼薬之事口に此焼薬の法組を物の内に入て此上を紙にて張り
焼薬之事口イ
其上へ右の法組の薬を塗て干て用るなり
焔
一燃消二十匁一硫黄十度一灰度一桶脳五分一松脂一匁下
一引粉肴一蓮三匁一ハンヤ一匁塩屋入煎する
一右は炮鋸火矢の焼薬を以す当流にはけやき或は堅木を以
枕にさし火口を付右之通薬はサミ指火にて用
本文のじめ此にして敵船へ投やる也○伝曰此二種の法は上へ計り燃上もの也
下へ燃付かせる時は此二種の法組へ承の糞を入れはもへ付也
玉篭松明の事
一生腰二百目一焔消三十目一松引粉六目一松脂六目
一大蓼六目一蓮四目一挽茶六目一鼠糞四月
右調合して古酒歟焼酒にて堅目丸くしくナクボロ〳〵
如此して丸め能堅め上を紙にて鉄籠へ入棒の先に
とするをかたむは
付てとほす梶時は能燃見消し度時は制にて取は
消る也○塗薬なく共よき也然共塗薬を
ぬりたる程にはなさなり
前の玉篭松明の薬味をホロ〳〵トスルヲ堅メ其上
玉籠松明塗薬之事一
越此薬塗にて塗て其上を陰干にして用ゆ
一烟三十目一硫二十目一松脂一匁一麻灰二十目
右細末して食糊にてなるほと和にして酒にて解右の玉
の上へぬり其上を紙にて張り天日にて生脳の気ぬくるにより
陰干にせける籠の図外にあり
前を日し事也
麻灰は麻のからを
焼たる灰也
一両松明の事外にも一方有之事是文法といふをさして云
一塩一匁一生脳一匁一松引粉留五升一松脂一匁
一硫八分一鼠糞度
右細末して油にて煉竹の筒へ入堅其後竹を割薄紙にて
一包雨降時取分用之
法は本文の下竹の節をぬきてゆへ右のせ末
を入竹の上皮を成程よく剛り取て其上を
薄さ紙にて張也紙にて張は上皮を測る時は竹折るにより張るはても消
す時は則て取也
又法
一燭十匁一種十匁一硫十五匁一箱一反一匁一枚百
一牛糞一匁一蓮一匁一松引粉一匁五分一古き木綿五匁
一仕様は前に同し
わたにはあらす古き木綿布を
ツは十かして入事也
船楯古法
一長サ五尺横一尺六寸サン五所手形のクり八寸手形に付る縄
五尺六寸右楠厚サ二寸表に丁メメ皮を張り右之外勝
木杉杉柳厚サ八分或は一寸是弓桶也
手形くりは手を入て持所此桶には鏑り無之○縄は牛なとにからむ縄也のみなき
時はくたける故にさんを打て楠なき時は勝木松杉杉柳を用る也
一大筒繁く打時は下積のシゝ料に縄をかけ橋に用る当流御前
め記畳或苫を重ねまくを張楯とす布純桶も用物軽散
第一とする也ロシヽ料桶にも用ひ又歩みの板にも用ゆる也
第一とする也
一鉄炮楯の手の厚サ五匁なるほとよくきさひ長サ五そへして幅
九寸中にて憤番ひにしてつき合せ両に鎧貫あり是に木
を以テしめからけ用ゆ
杉刀
此楯櫛にても松平も
一右の錠貫手懸りになし上下三所に入れ
一鉄にても作つん○幅九寸
なんは片方四寸五分ツゝになる也の兼て楯をかたける木を船に拵へ置て
是にかゝけ付る錐畳を手懸りにする
一船竹手抱之寸法ヒシキ竹を如兼あみ厚サ四寸幅ハ見
せ建事也
合にたゝみ舟のかきを手に用からみ様口イ敵方ゆり磨
軍船にはかきをして柱を所々に立てぬきを通して至也〇から
井付様は外へなそへにからみ付る左なけれは内狭く成て通
し外へなそくにからみ付るゆへに船中追くならさる也竹杷の間に失
すまをほる又からみ様にて失さまふ切にあく事もある也〇外に竹把
をからみ付て内には幕を走らかず也第一の巻の條口見へたる如く幕
を三重江走らかす也の但布トン楯は矢玉とまる也又は千石の如ふ木共に
一寸斗に切て是をウスにてツキテ干てよくもみて候てを綿にませる此
ふとん桶は甚強き也着込にも甚よし
右軍法全書物見一巻添之而総五巻当流統伝
一巻也乙
文化元年三月廿日窪田勝栄
天保九年戌三月弐王横尾基武
永田賀典
天保十年亥十二月十日永田賛典
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