竹林派射術集
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- 不明
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- チクリンハシャジュツシュウ
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- 東北大学
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荷物価
竹林派射術集合丹
村上家蔵助
竹林派射術大意初伝
足滔第一八文字を用己か肩の広さに跟の納る様に蹈開くへし扇を
五六間披多る心に踏へし大概的と左の爪先と右の爪先と見通す様に
可心得也
桐造胴は是中央なれは則四角とす十文字を以本とす二ツの足の志中へ
とわたらをすへて袴の腰板背中へ付ならに居左の腰をは折て
右の腰を引上ケて酌とむかふ心かり造るへし猶口伝
弓構両腕を張九義物を懐く六将也弓をは腐物へ押当て押手の
会
拳をは少しならし左の宿を下ケて右の肩を揚て構へへし
人会は店一十文字に当るからに掛る也人指の根と懸口とせくやうに掛る也人指の根と懸り
掛へし扨掛の心得し腕ゟ箭先迄直になるやうに矢の下へ大将を
一文字に当て上より二ツの指をむまふ事也
一裏三筋押も弱し又居付も弱し反も弱しまくれたるも汚し
只中助にて押様に強く握らす大坂の根へ中指の衆先身様へ心得也
一打起是重物を引上る心りして西の腕を張心持也
一引取筋骨を延やかに心を鎮め目当に随てか引所を能て分別して高く
も低も其恰合違ぬ様に可得也
右七道重々口伝
一離
歌
打渡す烏兎のかけはしすくなれと引渡すに反橋そよき
弓手父妻子髪り子は矢なり片おもひして子はたたつまし
午空の目付の中の目当をは手前の星に星を見当よ
的を人多すけに掛て見る時は中えんまてもはづれさりけり
打起し引に随ひ凡勢よ已に押れなおもへかうじやく
引矢束引ぬ矢采り只矢栗三ツの矢束を能口伝勢よ
上を押下を詰るも弱々那梨中筋張て已にしらすな
よく引てひ〳〵な絶よたもたつに雛を弓に知らせぬそよき
打起し引ぬ矢束を身に知らせ胸より譬へ延てはなれよ
弓を射よたゝ村る程の師はあらし習ぬ事を我と知るへし
強弱に矢栗のよりき封手ならは矢のはたゝきはよそあらはこそ
射ぬかんとおもふ心そうらめしき弱王にてと津よく離れり
津よからし稽古の程はよわくしてまさり心つよき身そうき身そうき身そよき身そうき身
弓手馬手ぬきをぬいたることくにて胴は柱に姿生来り
一師匠にもとわはやいかにおしへへし心をくる念比うとゑ
射手振て物知皃にひく多く常には弓に射られことすれは
露ほともうるへ心を拂捨下手にもならへ弓のもとすゑ
弓を射はけたかく射な鷺をはいかにもさせてひく〳〵といふ
少しても津よき弓にて射へからす一期の稽古無に成そかし
声はたゝ已によりけり物なれど切意もより掛うゑはそよし
矢束ほと引て味こゝろなく片かりひかれな腕のちからに
弓はたゝ植木のことく射をすへし直なるもすく曲れるとすく
いか程も強きをぬ押こゝろ引に心のありとおりへよ
百心うら陣をのみ差詰てかひなけるま哥はつむくらひそ
朝嵐身にも染けり松風の目にはみへねと音は厳し
一入は薄紅の身なれとも干入になれはむらさ身のつろ
朝風百々の風のみをくり詰さつとほとけるひにそ有
村雨は十筋の糸を上よりも同ともくらひは心にそ有
千万のその断も強弱を直に射させん為とおもへよ
朝夕に柴の庵にたり煙いづ紫のくととなめん
射学常々心得
一弱号にて可稽古事
羽高き弓を了好事
一ふとき弓にて可学事
手前を専にして酌を了射事
一稽古を晴とおもひ情を稽古と可心得事
一酒婬力の三了守中庸事
一手前を崩して船へ申るは大比興也と可存事
一強弓を引へき事
一中りを肝要に可嗜事
一矢業を専にかせき可申事
一三日三月三月三年といふ事を以稽古無油断可励事
同様
一朝毎素引の事
一毎日矢数弐拾宛の事
一一立矢数四本謄弐本都合六本の外無用事
一百手一手と成事
以上
右一巻者本末之雖為秘事依執心令相伝者也
一努之他見仕間敷者也仍而如件
宝暦十庚辰年九月日寺田仁兵衛長盛
中目録編述
中目録編述
当流の元祖は日置弾正忠正継より相伝
大和国住人日置弥左衛門尉範次応永
年中伊賀国安松重次授夫より弓削
盤次石堂竹林坊如成尾州長屋元重
星野茂則武陽渡辺寛寺田長盛
まて伝流次熊に左に露す所は竹林の
大意也初学より最上紅葉重の位に
至るまての射業の甚秘を書し一弦の
射者修練の本意也得心して則自覚
賢師の最初に可成事を記す者也
竹林派村形目録
足陥
第一八文字を己か肩の広さに跟の納家様に踏開く
へし扇子を五六間投たる心に踏へし大概的と左の
爪先と右の爪先と見通す様に可心得也
蜘蛛の曲尺
場の道を知る也三拾間と見出て射に其矢の越の下るに
付て三拾間に臨るか不足かを知る事なり蟹蛛の巣を作る
に風に吹付られと我おもふ所へ吹付られたる心持也
闇夜の曲尺
右の鬢蛛の出天とかえ味同事なり筆紙に尽し難し
胴造
胴は是中央なれは則四角とす十文字を以本とす二ツの足の山中
へことわたりをすへて袴の腰板に付中へ附様に居り左の腰を
は折て右の腰を引上て成に向ふ心に近へし猶御侍
日月身の口伝
是は唯一心を納慮外那り心と知へし
弓構
両滝をの丸物を懐く心に了は当物へ推当て押手をは
少爰にしたの肩を下は右の肩をは揚天構へし口伝
墨指の矩
是は足流の三ツの矩糸引もして直なるを墨指の矩と
云也
骨法に寄了立所口伝
其主〳〵の生れによつて能様に伝に伝と云心か也
会
会は弦へ十文字に当る様に掛るなり人指の根と懸口とせら様に
掛へし扨掛の一持は腕より矢先まて互になる様にして矢の
下へ大指を一文字に当て上より一ツの指を結ふ事なり
弦と
一恵休善刀一文字一
一文字
右人指ゆひをはしき長高指計にて徒を押いかへたゝ口伝
十文字
絃搦
此十文字は惣体にて御伝有之弦搦は人物に大高橋と諸の十文
字とも伝
浅深
浅は大指のふしに掛る事なり是は薄草にて酌抔射時に
一用漆は大指の節より元にて掛る事なり是は矢数抔多く
放し又強弓小可用掛也
法計
表
片に少しもさわらぬ掛也片と掛の刀と張あらぬ味也弦勢計
をそおてゝ離るゝ心な日ゆへは僥計と云いかにも和らか成釣合也
上筋椎も弱し又居付之弱し反も弱しまへ立たるも弱し
只中筋にて押損に強く握らす大指の根へ申指の爪先
附様に可心得也
五加
五加はくわゆると云心也いつれの手の表も我力を加て椀口にて押
掛たる心也此心なくては不叶儀なり
鵜首
鵜首は浮天のそんてしつむか如し鵜首過たるは弱し
鷹中
一鸞は驚也拳を直に指出し投部時太鳥に合たる時能放れ
ひん
三冊
とんよくしんいくちの三ツ也小指とく着り指々の二指をしめ大将の
脇にて押掛たる手の裏也
呼立
極る至りたる手の裏羽り乳子の守する人あゝ立たりと乳子に云て
立あからするに寄て是を呼立と云也
定恵善三指口伝
定は大将恵は人指差候中坊なり定はさたむ也恵はめくむ
なり善は能なり此心を能々分別すへし
打起
是は重物を引上る心にして両の臓を張心得也
弦道
一懐広過たからには腕首内へ入る也と伝ち小腕くひ押出す
へし
琵琶の射重々口伝
猿肱の射とは第一肩の豹身を嫌ひ勝楽一文字の切
信を将す操天抔に用口伝
引取
筋骨を延やかに心を鐚日当に随ふて可引取所を能々分別
して高くもひきくも其恰合の返わぬ様可止得也
烏菟の柿
柿は引渡す時柿のやうに高も〳〵よふ心也二度の反橋は
引渡時は反橋の形に引是を引渡そり端といふなり又川
納て後の出り金骨のゆき合様に前は胸頭高きなく
とす是二度反橋也
一不渡そ烏兎のかけはし直なれと
引渡すにはそり橋そよき
此類の心能々可心得同中に用口伝烏籠の柿と云は
烏は弓手拳掛挙を兎といふ毛をかけ橋といふ筈直なる
を掛合といふ左右直に釣合てたるみなき様に可心得也
石是迄を七道之云重々御伝
離
四部の裔
四部といふは水のたゝ男時は四方の端々まて間るに
水の至らすと云書なし心を水のたゝゆることくせよと云
儀也双方へ隔たるか一度にさつと切て離るゝ心を云也
惣部の齢
弓手勝手を十の物とたとへて弓手へ繕事六ツ馬手へ軽
き事四ッと云事なり重々口伝
切払別券
切とは切る離れ也当物の心に用也払とははあふこと也遠天に
用別とは指矢の心用に券とは強射手四ツの離れを加金
して離に能雑也
鳥島
是は懸の離也璃鵡に四の字の心を付て用也
骨相筋道
始中終の骨法射形に延て不復を骨相筋道と云也
引矢束引ぬ矢束に唯矢束
三ツの矢来を願口伝せよ
此哥の心は川兵束と云は未至矢采也初心の射手は信小
不付して我拵て川矢束也ひかぬ其束とは至ての矢束也
其身隔ていたれる矢来也可門所なし依てひかぬ兵束と
いふなり唯矢束とは耳の根より手一ていに延して中梢にて
取なる矢来也是を三ツの矢束と云へし
父母大三
父母は父は剛母は悪なり大三は左右引分る時骨の釣合也押と
引と両方の気味尤推大目引と三分一の事そ
比人髪
北は構より打起しまてを云人は引渡しの怪合を云双の引収
てち手左右の肩ともに一文字に曲尺小合たるを云
父母の収り
是は引取てのみなり押手父勝手母阿油和合して曳収る
を父母の収りとはいふなり
可有
弓手父妻手は母なり子は前なり
○片おもひして子はそたつまし
三心相引
弓を推に馬手弦を引に弓手といふ事そ
三つの強弱
抱おしむ一ツの強弱強搦一ツの強弱曲直曲尺一ツの強弱石
三ツの強弱といふ
左計
退目は指矢に用込目は的に用左計は剛弱の類なり御持
懸合の詰
矢束に用事なり又くさひと云体に愛の疋は詰るくさひなり
重々薄
竪臥の両儀
立の射形なり草の弓也操矢指矢をうふ也臥は真の弓
なり的縁は物の類をいふ其つよき事専ら
目付所
一向初公の時納拝に掛て必可射所は見へすしてよそ目を遣ふ
物也最初は其身の構一間程先を見る手の内を取臥し
後に可射所を可見然れとも要用にて目付味有之
雪の目付
是は万々の口伝なり遣し粒の内へも目当をする心そ一太平也
雪のふる内に一ツ我心覚をして見送れは目付らるゝ物なり
依之旨の目付と云なり
一分三界心
一界の字は明の事なり一分は誰もみを云なり其分と
一三所を外しては三界に外したるこゝろそとの事也身を明如に
カケル歟
はきる事一大事也
五重十文字
一に弓と矢と十文字二ツ手裏と弓と十文字三に掛の大根と
弦と十文字四に筒御首と十文字五に胸筋と矢と十文字右
五重十文字と云なり
五身
不進不退不及不屈中央の胴是を五身といふ
五部の詰
胸
陸爰にて詰るを腕力の話と云
九月七日爰にて諸省の話と云
一怪爰にて詰るを重の説又は云
一肩爰にて諸日を左肩の詰と云
陽
爰めて詰るを別の話と云
絹綾錦
此三段を稽古の始中終の三品之す絹は竪横は竪横共に直
成物也後は紋を織付美しき也錦は美しき年は
多かゝすしてひての信也修学も初は絹のことく竪横
直に對勢中頃に至て後の紋のことくはつれ〳〵はく
しきやうに射させ其美しき事を仕尽して後信に
至て錦のことく成事をいふなり
経の段
是は万に竪ぬきと云事有絹綾錦の三段は稽古
の者始中路の次第也各其内には元より竪貫のことく
成事備はれる也竪貫の直なる事は絹布の形の形の形に
と云とも竪畳を一合たる事は相成事限りもなくはつれ
にも竪ぬきの玉合といふ事なく射形も其如くと云たと
へを知らせん為也
八字灌頂
受
初字段也
一師ゟ受事
智
師ゟ受と
知る学也
学納る也
大根上手
修学
修学大概手
の信也
自師
村形惣体無残所学得て
弓師被成位也
賢覚
至極上手
の位也
抱離未来凡三世の口
抱は則小児をかゝへか妹さするとて又離れの心持は大中の
物を人より預りて返す時に何の心なきを云未来身は
離て行跡を言口踏より了構まてを過去と云抱所を理
と云也
十二字五位
是は射形始中路の位五段に分る也
父母
父母君臣
君臣
父母は左右也子は矢也上に同し国又主也直なれは
ひとしけれは子の成人急也困ゆたかなり
上に同し国又長也直なれは
国ゆたかなり
師弟
鉄石
酒は弓也弟は身也弓を師と
云心也相生すれは諸学者高
射形の強身にかけて云そ
相剋して火の出事急也
紅葉重山ふ儀也
老木晴嵐紅葉重のふ成也
六道
りんゑの弓は射形迷ひ放レ難事也難行
地獄
餓鬼
村形くりしみて安く
餓鬼とは弦骨を弱あり
討事不叶
かひ力のなきゆへかなしき弓を云
畜生
修四維
畜生とは矢束を無利に
修羅とは誠の強とにあらす無
引たかり上手の事を似たかるを云
理して強くりきむを云
人道
天道
人道とは緩ことのひかちに
計心得位付さかを言也額をいふ事なり
天道とは美しく花形斗を
草菅勝穀口伝重々
右の六道に迷ふ病は勝草菅穀あて有次へし田地に草安官
なとに入れは必真の穀はやせ草菅盛して穀痩日々に草管
を取捨れ共猶跡より生するなりされども日々におこたら
す草菅を言れは其内に穀きたつ也右のこしく六道の迷ひ
も日々小去レハ終には其芸そたつと云事也
二拾五有
○二拾五有は稽古の間を指て云り
一法度五会五
会五
法度五とは一に中二に矢早三に通恵休善力一文字十
矢四に走矢五に射形当流の始中路の
文字弦搦
然旨古也
十二字五位五
裏五
一鷹中鵜首三毒骨法呼立の
父母君臣師弟
鉄石老木晴嵐
五重十文字五
一に弓と矢二手の内三に城の大摺と弦四に角骨と
者と五に胸筋と矢と右五重十文字五ツ也
五緩左右肩左右腕胸
一ニ押手の臓口にて緩を剛緩と云也二に掛の腕にて緩を繋
の緩と云也二ニ押手の肩にて緩を左肩の緩と云也由に会の肩
にて綾を右肩の緩と云五に胸に緩を胸の縮と云也、
十脈冷熱浮中沈片身分
無性三病
此十脈を能々分到すへし木火土金水の五行に酸甘苦
辛鹹五味の味に射させて其主々の心に合迄して奥皮
に至て能射手と成也
三業三心身弓意方弦箭
三業三心は修学の功を以知る事也一大事の事は三
弦前の三ツに掛て云三心は身弓意也身弓意の三ッをは一心と
見るへし先而弦前の三ツの器相生相対を心得事肝要なり
臥とも立とも身と弓と心と相生して言へし臥へきなり
弓は身に従ひ身は心に従へし意は業に志所なり其心と云
根本は何そ心なり正正かゝされは各相生しかたし故に三ツの
相計を三身と云弓弦前の三ツは駒弓に重矢少弓に太弦余
力に細矢と云口上相剋也此三ツの相対相生をなへし是二業
と云修学功を以可知事也
牛角の療
一射形の修学を医師病を療治するにたとへてその痘と
みり牛角の療と云は牛角の戦をたらへに取敢痘青と
みなり
五倫雄
五倫砕も射形極位に至る迄の位也
一に土体黄色中四角心は足蹈をふみて大地のことに心得
てゆるがすと云心なり四角とは弓構胴造をひつみなき
一様に真四角にと云儀也
二に水体黒色北円形心は右の心を覚てら水の体に成て
ちの中也真丸にはり込て物の霞下棚との落るみく離るゝ
心持也
三に木体有色東国形心は右の心を覚てより春に至りて万
木の枝栄花の咲ことく小弓形形面持其外巻形を直次儀也
四に火体前迄南三角是も右の災しき事を覚て離れの味を
弦けむかの出て火の出如く剛に成離をいふ也
五に金体白色西半用此心は右の剛みを皆覚ていかにも
軽き離れの味也きたいたるに金折様にさへて強く離わ味
なり是紅葉重の位なり軽き所よりの種々筆紙に尽しさし
檜垣十文字
是はたとへは竪に長物はねらふ時弓を少しそむけて竪なる
目中と弓とをひりさの形に見る様に押当よと言儀也又横に
長き物も同心也是を拵て桧垣十文字と云へ
一町三尺十段百手
当流奥儀也是は初は六間宛にて舶を射也右六間宛十段
言ぬる時煮結間に成り是を一町と云的と三寸宛十位
其時は三尺壱寸の湖に成矢も又拾玉宛重時は百本也
是百手と云当流の射手上中下位を定る為に此十位
百手の内何も御分五分六分の間の中を中の射手と定る也寡
以上を上野と定る也
狭間寸法同防
一壱尺八寸横四寸大法也同疋は射出す方くてすると
三年也
右射様
茂村様
そむけて射よみの
草なと下ほこへつかへ候はゝ
事なり
矢をたの足へ敷射よとの
猪裏射様
ふも違て射よとの
事也
走る者射様
少し先を射よとの事也
事なり
馬上敵尉様
敵相にて射るには必長るく
出て戦物也馬上にて向者は
鞍の前輪のはつれをねらへ
歩行にて向敵をは腰のあたり
横に走り物は前足の股の間
上つかへたる所財様
是は臥せちにして射よとの事なり
縁の下射様
是は臥せこに推手の足敷事也
をねろふへしと云事也
以上五拾一ヶ條小目録七拾八ヶ條合百
弐拾九箇條
七箇條法度
夏からす放して跡の二ッ指
夏鳥
むすはぬをこそ悪しきとはいふ
下ケ羽下ケ羽とは切り下ケて又腕口の
折る事なは日置の嫌ひそ
餅喰引胸を摺口通にて放るゝそ
餅喰引と弦道をいふ
琵琶附
附下り手首かゝまは琵琶附よ
掛口知らぬ弓と知へし
鷺狭
鷹頭
弓構器をねらひてはさむ人
路鳥小たとへて是を給ふそ
高かりし勝手の腕を折詰て
つかひ手つき鷹頭なり
除引
目通を弦越時は顔そゝし
あかめかまゆるのそきとはいふ
たゝへ行水の行衛の心しれ
満残るには浪もたゝぬそ
千分の其ことけりと強弱を
直ふ村させん為と知へし
右条々本末之雖為秘事
依厚志令相伝者也堅
他見有間鋪者也仍
如件
竹林道流正伝
武陽渡邊寛門弟卯可
寺田仁兵衛長盛
宝暦十庚辰年
古書灌頂巻全
古書灌頂巻
一八字五位の潅頂は則射学始末の大語也故に其名有
受智修学自師賢覚
右八字五位に成すことは初字より辰の射者に至る所の次第是灌頂の末
意也弓術の至極書次事也尤可秘
介秘奇口伝之は約介と云伝是也的人体に掛てと云哥のこと也此文字
の形則右奇の伝也中学集の内一分三界等の伝に詳に記す爰に
不及記
以
〆九
的を人穢に掛て見る時は
あたらんまてもはつれさりけり
弓の威前の積り矢尻を嚙と云本記爰に露次此四字の意味は的を人襷に
掛ての奇伝に付てのてなり弓の威とは弓の強弱を能し積り勤ル者也箭積
りは則軽重又釣合是又能相考へき事也別伝無之弓の強弱は面々相応
矢の軽重は其弓に相応たるへし酌介の目当を能々修錬すると雖弓
矢の釣合悪しくしては必中を失ふこと有へし然る間助介の伝の次爰に露す
一兵尻を嚙と云事是も右の伝に付弓矢に至るまて工夫を成すへしと云事に
演たる事也矢尻ことは射方書に詳故書略す上古の建人皆此等の勘弁よ
繁成就すること銘々又々如斯たるへし別伝有敵より前条を好と雖必其
所は不可射也故有に奇此外の所を射へし右の矢扉を噛留たるも口中を
射させ矢を当るゝの心得有之故也分と諸事は中学集奥に落次此所不及記
分と謂は日当と心得へし世俗に云ねらひ則手の内に寄有然れを亡手又奉と計
心得たる愈したりハ離に有之由を尽又有に同し離ハ全林也中ソ離と
計は不可謂射者能々勘味すへし中学集見合すへし
一左をこの大将と云事は日番物へ心気の渡りを謂て也押当て不動呼は善己
の意に叶へし左右別々に成たらは中は不可叶也一同して調たるを不動とも取着
已着冑は前段の図を感待すへし引収て目葛を見たることに刻は其初たり
弓は己か矢来迄引収るに着已の責有収て後目当を見る着界なり如斯れり
一時は一同に此意味と未学おもふへし目当によりて格別なるへし後学の射能し
了了案也
一雨落利剛々の正直は此哥の能叶也
千万の其ことわりも強弱を直に射させん事と知るへし
射方書見合すへし大概は清流のことし雨中に斬の滴の邪なく直に落るり
を喩自然の位有是則樹形の味にて何方に片寄強所かく気躰一同して
不足たき事を云也利の字は此儀を後の輩大語すへしと云也剛々の意は漏
の中に存終には跡付事を謂和かにして邪なく至て強意味を可感と
一也和合して強かれと云こと也
延縮剛弱の心得て陰味有時は延る意有弱等有は縮也故に損益を知へし
策束引ンと心得身に過たるは延ると雖縮ること也不相応なるは纔に似て骨
筋共にくしけて駒を云也剛しの事に付て述る儀也
七道と謂は前に露す同七逵重は面々射者の生質に訓伝すへしける一つ
に一と言にはあらす五部の詰走射の大本也初中後骨相筋道のこと也射形に
延て不備と云は此事也真実花爰に参備して信に至るの初多く
引矢束ひかぬ矢束に唯矢来三ツの矢束を能口伝勢よ
口伝せに兵束と鞭と力革長を入絶短し成礼
継切と云ては骨に掛りて言也長は継と云は長く引へ第己か兵衛をいまた子
引時は骨を絶めて援せよと謂心也疑は切れては短く川へき人の引過は
かは骨を切縮て矢来を短引せよと謂をく足強弱の事也地縮に迫し
一剛弱と云は押手のことをと云相手の腕首に少しも過なる方有時は難に
つれて過たる所へころひて射方惣躰の弱身に成事也故に爰に心を付弟
一に心得四方へ不遇様に正直に強せよと也直成とて力の足らざれは已に押立る
れて又々惣体の翁身也吾加を可用是強身弱身の二つを知へき也射の真とも
云然る故俗弱の名有又抱惜のことは是則勝手の彫要也心を残して惜の気な
身は抱と云には非らす又曲尺は規矩の儀を云是足漏より祭初七道に有察あら
わす三ツのからしやくことは剛弱抱惜強弱
此三品を以能々感得すへし
引揚
三業三心八躬意弦右谷作字也甚秘攻見訳難第為
の作意也身弓心の三つは魚の相生を云三葉三心とも然共三業三心と知へし三葉と
相主を述む
し鰕は
豊外共に
は弓法箭の言也此三ツに掛て謂たる也三心と其身弓心の三ツを言先ち流死
の三歳の相生羽冠を心得射る時は身弓意を一出に能納て射形の相生じて
肌立ことを求る也臥も又如此相剋する事不可有之身を弓とは相生なれ共
意肖時は容る心と相慰也身と意の弓の三を相生を求る事は弓身
に随ひ身は心に随ふへし意は是業に忘す所也其外也其限元は則正に有へし一
心正信ならされは各相生は不可有故に卅二ツの相性を三心とは云也弓結箭の三ツは
弱らに重矢小弓抔に大き矢余刀に細矢是の片箭の相剋也能々三ツを相
生相剋を可知事也多年の稽古にも不心附則は愚なるへし故に弓法と
箭奥意秘し三業三出とは謂也右六ツを能々理を直し相怪相剋を弁
身弓兵和合して卅六ツの業を一心に備へて一心不動の時は思無船哉と云也詩
経三百余篇の眼目也尊上の大意也
一冷熱浮中沈片身分無性三病
此脈を能て窺知るへし遣る此書の大意に仍て諸人を教尋すへき大意也
る也凡人の数量は千万億那由多恒河砂と可謂也然共其怪別之也故
に木火上金水の五形に酸苔井辛鹹の五味に射させて其主かの心に合魚させ
ては其射者貞儀には至るへし後世の射め断の位又弁漸々七道五身父母の意味
掛の味強弱なと失束等の事を少し学て射を制伝する事は三病五後何
れへも片付す能々後学の射心得有へし
前條に云己を納てと云に付射散のことに説ゆへ爰に露す則身の説に云此
事諸書に至る立とも猶又甚しく諸時は今まて教所の惣体の姫に合
出入無し夜に正直にして同かとを展意にて心を臍下に納眼性を次第に見張
心優恐と有へし然る時は一軒の矩能詰るへし又要の玄鍋とは左右の足の小指し
両の脊久矩に合次へし或は身の矢束に滔事有何も制符の事なり能々可う
東也最初には能々恰合を定不有時は後違事多し至ては如何様に跡とも
縦に念し此一ヶ條詳に落すにて後討可戒得と又々の品数夕有へしと雖明
構へし仮令機を建絹を織に此一ツは機二ツの足を立る迄と云たるものに
作らす数々の機具を相構へ共次第を旅構つく品々に付重機に拵て千歳
の糸を取にも眉の能を集一物ことに念入諸事万々小心を砕織立る時は一疋
の緒は被成事何の子細はあかす若一筋違ふ事間違ふ事方殊に成物難有
へし射術又々如斯惣躰骨とふし〳〵継目等千筋の皮肉等一ヶ所も心
の至らさるは無しかめ一所も闕り所有時は必以熱すること甚難かへし故に
射法に花形引姿心学の三教所々同様なる事を書物と雖其下に寄て少し
宛の変有足毫の別巻なる也なり謂に一念の梨三十の応承生するかほし
一能瑕練の後は則一心に極るへし早速三千の威儀も至ては一に帰す如此間
に浜須前後の荘釈は此万条にて後射可大語是を一念三十の刻道すと
云甚染の秘事穴賢他言可慎也伝曰此所射術の本意を明りなし最
道寸の大意と可謂也
大極神心の矩と謂は疎学へは不可伝儀也一心得了を引収て其客左の挙と
一同二の腕と同者と又左の者と同腕と同掛の拳と正直にして矢を放て後も此
客の少しもゆるかす驚動無之様ら修学肝要也是初学者ゟ修練の横一
竪一の至りたる所也則射業巻重の奥議也可秘伝こと也
有心無心博奕の伝と云も一己の至尠をいふ落す所を以甚心意に原約すへ
し具に可謂に非らす
水を操する時は月則手の内に有と云
猶又奥意に図を以記次奇有
雲間より三日の月や時辺
此哥甚秘也
有とすれは空にかくれて
を
幸
伊豆守
不減
左
建達士
前に落須書面とい了有滅侍事新要也修便の御染又は依生賢遅達有可
然る故詳に顕すには不及也
如斯射者に至ることは他を求るには非らず能て自己を正直に可遂路行事を
只々訓たて也大極の難に至る射者は則有心無の狩魚を可得度故に
十三ヶ條と云
右潅頂巻日昼流竹林派伝流之証書也依連年修学全伝授
一畢最堅不可他見者也仍如件
竹林道流正伝渡辺寛門葉
未学射東武
宝暦十一載巳五月
寺田仁兵衛長盛
松田伝左衛門
竹林安介此仁山州淀之丞備中
着已著已著已著史
四十一
凡着已着史の伝は当流無双の甚秘成ゆへに諸書共起意を立択す
とはいへとも大概を露して樋口伝有之云云故に志学の人得心得恐るへかたし然る故
に其説も又種々異儀有之尤此本意には非らす因茲誅弟果右口決の荒増を
書し且又愚意を述るまし憚出しと言とも是同志の相学に対して独語
に等しけれは仮説の事を省して左に露次者なり寔に他の嘲をはつる
尤外見の可恐者也
竹林未弟村者
長盛
○灌頂巻曰
不
雲間より雲間より
三鬼唯一心
有かとすれは空にかくれて
○○○
減
○又凡林口伝聞書にいへ
平生と云
口
平星の日当の中の目当をそ
手前の星を星に見当之
真の星又錐もみと云
界と云
○桐伝本書灌頂巻編述曰
介三
文三人
侍
酌をへ袴に掛て見る時は
あたらぬまてもはつれさりけり
右何茂口伝有と云云彼草の人得かたき事なかへし是大概を委したるなり
一三界唯正といふ時は真の星は則心の星をいふ事なるへし又井星の日雨の中の目雨と
云は則前後の酌の事なるへし手前の星を云は是心の矩の事なるへし何を見義親
に異に図を以て治す着己首界は秘足なるゆへに如斯論たるべし承立人許に
掛て此哥又朗には非らす是又奥に書之
着已着界伝大意を述
右射尊為尋射形にと御伝有一分三男分智蛛の曲尺歌の目付是を三つの伝
と云初学の輩には此所に用業有凡財形を修行しては。矩の直なるを則絹の位と云也且
又執行に三段の位有絹綾錦をいふなり右後の位有時は射形至する累して強
身有之五位には自師の位とす是則火林屋南三角位之次剛父は一残当十の
大将に御伝有鉄壁をも能押抜の勢有掛母は綾なかにして押手と相守して子
の矢を能そたて爰に用る勝手に網引の強揚の味を以大石をも抱へ留る後之有事
を聞とす当家の修学に重延射力次骨法流等の伝有し其体水体円形と云
て水を流すと云御伝有改に左右己々が骨法に能相叶ひて強くかたき所より米の
出る事を別談石相応して火の出る事急なりとはいふ事なり火は是離の哉也
此所を片煙とも号して称美したることなり右の銘は修練して後には錦の位
に至れは刃金に変す是を鉄力しの声を削ると云又急成と云は殊の外次ると
にして早き心有をいふ左に射形露す自酒の位と云色は紅とす
誰弐
初
中
紅
曳掛母
火躰赤色南三角
至陽形昇上を専とす
一しほは薄紅に染なして
千しほになれは此原のいろ
界剛父
是則著己着界初学の形といふへし也又前に云射学の位巻五位と云事は
土躰黄色中四角
知水体黒色北図形
初学
修学木駄青色東団形―絹位
自師火体赤色南三形―綾位
賢覚金体白色西半月―錦位
又左浜る所の紅より葉に至る修学は則陰陽相合して紫色と感し故に五
色の外にして又最上の位とす此陰陽と云は右の自師賢覚の面図を陰陽と
定る事なり猶又図を以落す此所より紫色の位を執行す此八字五位并五形
の事は諸書にも出たるとは云とも一所に集め三段の位ともに見しきやり尓
露須なり紅色ゟ紫の位に鳥所の村学の修行図する所は左のことし
前の五位八字並五枚と引合て能し可有賢慮也此封形の位有は是を則已界
の修行とはいふへし
不生
界空
口伝
童の目当の中の目当をも
心の星に当て見当よ
四
火躰赤色南三角紅より金林白色西半月
右陰陽合体して紫に至る修学や是
不滅
忠空
伝
朝夕に柴の庵にたつ煙
今日草の雲となかめん
此界と云は則空を云事なり爰に甚空の意味有之譬は十五間手先に不臧
の的有又十五間跡にも心の対当する不生の気の助の有事を伝へす故に人
是を不知と見たり然る時は則中央に心躰有秘次へし
又或説に曰是を箭を以已に引付たるといふ又着已と云又は忠に入たる故に
着処といふよし何も其意を得かたし
如是謂て多人のまはひとは成へし是皆未熟の輩終学次へ義心の多に葉抔
に成べからす是尊上の位計述て至りかたく得かたるへし何も用ひかたし故に右
図する所を能し自得有へし又七情を去りて雨露利をなすへしと云は此所を
言なり俊然としたる有之へし志字の面々能く此所に於て心を用ひて図を
以工丈有之は当流無上錦の位此原色の位を落し最上の紫部に至り給
へし且又此放れと云は勝手の事にはならす射形の揃ひて金勢をいふ事に
て着色着忠は二ツにして一ツ又一ツにして三つとも知へき事にて候也
巳恵極意秘述
有心無心博奕伝此所にて顕へし最上の秘たるへし
不生
左石祥口伝
不滅
火躰赤色南三角
金体白色西半月
鉄石之紙身有
紅綾自師位
紫錦賢覚位
朝嵐紅葉重
一円に人礼を掛て見る時はあたらぬまてもこつれさり競
是則介の字の形をかりて射形の事に相用事也所詮は是左右の釣合恰好の
至極我事此内に有故たるへし界の字空と云心有と立とも何を甚秘の事故右介
の字を書加へて初学の多め此史に書し事なるへし円形の内に人を書しは則心と云
事のひなるへし円は是体形の事にといふ也右如の字は射形の陰陽を自然と
相備へた右の釣合まて能かなひたるもの故に用と見へたり既に西をと云を
円に直し左右のたけをは釣合又は前後の助とも可心得ては蒭の字の字の本意
成へし将又右に謂し火体亦色南三角金終白色雪目西菖菜備し錦の桧塗
覚射者は則紫の色を欲め嶋爰に尋時は屈曲推挽身休心の侭に全備して自
由自在成事を得へし是十二字五位八字灌頂の尊上の位たる時と云去に依て此所思無
邪といふ口伝有足則有心台博奕の伝と云甚秘へし他に詔事不可有事なり
面々各々自得に至るの詞有により博変には云事也則一気未分の大帖にして是
を求得せは心無に落入し本書に制邪の精灸は枝葉栄根浅き樹木と云云云
依之修学の人理之業の一回して其器に随て右に謁し有無の一つを能たり察し
可有之儀也又如或曰朝嵐村雨等の秘す何も風躰也と変然る時は初学の人々
無とも思みなり有には必定したる事顕然なり其政冬めぬにと云に火体の強くは
けしき勢ひに金体の御へてはしかくきたひにきたひける修練の刃金を胸中
の藁右に打合ぬれは相剋して其勢ひ火の出如し是離の卦にしく法費し
て一気の敷する所の風料所謂紅葉重朝嵐時雨等の祈まて無上の極意に
るへし其位尤得かたし又体形の教へにも有事なし仍々此道の志士能々鍛錬走有て当
我の奥意は自得し給ふべきもの也尤諸書にも口決等有と云へとも古代よりの尋
不分明の事抔も有へし猶其意味深長なる故末学の身には言語にも欲かたく筆
力に不及儀なり面々各之器量に可有し事也古語に手を揚する時は月閉手の
裏に有と云然る時は何続の人は必定して有に極りたる事成へし御分自得の工
夫行要生るへき事也右已曳の伝古来り三段有是初平後成へし成似し
愚意にも又三段に別つ者也
渡辺甚右衛門寛門弟印印可
寺田仁兵衛長盛
此本雪荷瓜竹林流師範
篠山藩我妻老之丞より借
用写之
村上
于時天保七丙申年村上
七月中旬
正智
中免伝書
日置流弓口伝書
一陰湯といふ事烏兎の二ツを以うらはすみそは
つにひやうすなり是以天道得さるを小くむとけふ
夫弓をとゝのへ矢を抜稽古すれともほろかに
射さるゆへつくむと言ふ烏とゝ云ふ事はうは日なり
からすは日の情陽のせいつよき物なる故日にかたと色
兎と言事うさきは陰のせいつゝき故月の情
をうけて生る故により月にかたとる也是を以て
月日とも陰陽とも烏兎とも言なり
弓の立ふすかうしやくの事強はふす駒はそか
駒はきろふ也何れとも弓のいか程もふし
たるを好た若し中りこみ申さはすにしてり
たるとくりしからす
一枕のこりての事とは弓の握ふしり一二
上下の内をかうしやくといふにきりをも外竹を弱内
竹を強と申て射手をも手の一ッのふしゟ二三寸の間
をかうしやくといふ一ツのふしとはうて首の事也今
ふしとはひちのうと也三の節とはかたねの事也四の
節とみ右のかたね五の節とは右のひちの事なり
竪五への節とはくひね腰いの気ひさ足首也人
間の竪五ツ横五ツ是を矢にひやらし木火土金の
空風火水地ともいふ
一物によりて弓に理す事とは的弓なと
にて其巻わらを射ぬ物也もしぬり木と駒をい
る時はぬり弦のかみ下に一寸程ツゝ紙を巻て
射る物也
一弓に長疑有事とは遠君の時は何時も弓の長
きに理有かゝのことく心得へし遠矢には長き弓
にて矢つゝへしされとも的矢にては遠矢つき不
申候口伝
一了にて間を打事弓杖いくすへなとゝ打て見るに
一張弓にて打事略義也はつしちにて打物也
弓矢細工言葉の事ひしをけつる小村をすると言
事言葉の様子也弓をけつるに村をぬくと言事
言葉の様に也矢をは細工と言なり
一弓をはる手の内の事弓のまん中をゆふ〳〵と取り
てみとはつせ畳に付腰をろくにすへて出筈を
引上へし少シ強き弓も張レ類也
一弓張顔ふとき細きといふ事とははりかほいかほと
もふときに理有はりかほ細きは弦ひけて矢はき
つく事なしはりかほふときは弓ひけ候て矢も
さよき物也縦は鹿狩なとにて矢二つもみつも中り
たる時はまとほふときを一の矢と定申ゆへ張候ほふ
ときを用申也
一弓強弱の事とは弓と手の内とかねにあい大指の根
をよししめ殊に小指をは猶しめ申事是をかう
しやくと云ふ
一弓に惣々事とはひたい木よりにきり上に何とそ
申分有事をもふ
一弓に谷の事とはひたい木よりにきり迄く勢なく
ろくなるをいふ也
一弓に骨肉皮の事とは弓の骨といふは石地の竹
木も石地之目おもし○竹木にて打たるを骨の
弓といふ又肉の弓といふは砂地の木竹おいて打たる
をいふ也又皮のちといふは土地し木竹を以てうち
たるをいふなりのうちしらとも是をいふ
一矢の強弱の事とは初めは矢をかねはつれをゆ
いてひかるゝ事も有又初心成をりひけぬ事
も有後上下かねにあいさる時は矢常よりつまる
物也
一矢筋見様之事とは弓と弦との内より見る物也
口伝
〇一細き矢射やうの事とはかゝる時に矢はつを上へ
あけて射也口伝
一矢に悪之事是はくつ是より五六寸上ゟ羽もと迄
つまきり見て箆むら節村はつもと細きをあくと
ことふすなり
一矢に谷の事是は角是より五六寸上より羽もと
まてつまきりむらなし春夏秋冬四段にかわる
也
一弦輪心持の事とは弦の輪をしめ候へは弓なり不
申候又弦切はやき物也猶有へし
一物によりて弦に理有事とは的なとにては弦の細
きを用さし矢遠矢なとにはいかほともつるふとき
を用るされとも其弓かつかうにも有へし又延さる
事もあらんかふり弓なとには弦ふときを用の口侍
多し
一さくりといふ事夜はさくりと言は露と言云
なからさたむとも又りんほうとも言なり
一弦三所に納る事是はうらはつと手の縁所の外
と本紺と三所に納る事を言なり
一鞨作づし事とは鞨のひほ常には三尺二寸軍
陣にては二尺の定也騎馬鞨たよりさす物也
かけに三四の様有事指に五ツの手をつかふと云事
はかけに三ツの指はかくる事二タの指は喧嘩なとの用
心のため其外戦場にてうち根を持ため也是を
五ツの手を遣ふと言也
勝手のくうての事とはかつに付もわろし付ぬ
もわろしひちへかけむつくりと放つものへ第一と
す御伝
一肩に付勝手の事とは肩につゝつめぬと言子細
ひちへひしとみつけ候て射るは第一きろふ也
こかへしひちの事とはひちをうしろへまわしを
につけすに放つる也口伝第一箇所也
ひちに心持之事とはみなん懸り付る物なり左
様にてはなし後日のかりかね骨の行合候様敦つ
事その村味也
一大つち小つちと有事は大つちは敗れいかにも強き
をえふ小つちと言は放れよわき事を言口伝
一わりくさひの事とは勝手のひちを折つけて前
へも先へもゆかぬ所をわり今ひと言
一かけにはなさるゝと言事はひちうつかりとして
ゆるゆるによりてなさるゝと言いかにも討に心を
附引廻すんに射る物也
〇一かけに放るゝといふは上人も前へと行す肩根にて引
廻す少ももとらぬ様につめ込放す物也それを放
類しと言
一ゆひ三段と言事は一は小指の事也小指より弓し
めていかに指しまりされは弓をかつき候やこは行の
指の事也是も小指と同前なり三はたる〳〵指ゝ
事也口伝
一うの首といふ事は人さし指の事なりけるは
一まきわしいやうと言は巻薬詰め二寸五分上を早
矢にて村色乙矢にては二寸下を射也是を三光
と言是は古代に用る当代は一手持出て立つゝ
同村日是を四天を表してなり其時○首尾が
んやかなり
一雨ふり村杉の事たふるに矢ぬれ候はゝ参羽をさか
さまに引みたしいる事也弓にはろうを少したしなと
持はひき候へ共しはらゝ村申には能物也
一射手の強弱の事と言は押手六分勝手四分是以
押手をつよくはなれをさに知らせす放つ事
こそ射手の強弱と言ふ
一かうしやく一性の事とは弓のかうしやく射手の端駒
矢のかり弱とをあつめて相名のかねを合すか時
弓の位をさして押手も勝ねもくせなゝかねの
合たるを三性と言口伝
一陽と言事是は何にてもねろふ物を湯とも又
分の物とも申義也
一ちやうしの事矢数の時ちやうし能つらを見て
いかほとも射させ申候位の見様さま〳〵口伝多し
さうの銅の事とは身を直にして勝手へ少の
き申候をさうの網と言なり是さし矢射抱なり
堂前なと一しほ是を用る口伝第一
一つよかけといふ事さくりに矢はつせきかけて
射る也
一五月雨と言ふ事是は手先人肩ののひかをさ
みたれと言口伝
一もろをとしと言ふ事者はなれと一度小身を
のふる也是をもろをとしと言遠矢に用にや
一五分のつめ四分の放れと言ふ事は四分のこしは
なつ時つむる事是を五分のつめ四分のはなれと
言さりなからかたち手にてのこしつむる事に
はあらす矢天は其身の引所まて心を八九
分にのこしはなれのときいつともなく十分に
みち自と放るゝを言伝多し
一火矢薬の事
一ゑん百目
一内五拾目
一灰拾匁
一松やに二ま
一鼠矢共壱匁
一右大路しやうあら〳〵とをろし申候
一口火矢の事
一ゑん九匁
一巾三匁
一はい二匁
一大なろし様なかほとこきかにおろし道火にする也
一火矢包様の事と言はなかほとせうのまき竹
をめ此けつり申候
紙を三ツにせり中の一ツの分を薬をむゝなくち
らし右之根先細き所へくる〳〵とまる上を薄
のりにて二返程とはり申候右伝多し
以上
夫弓者天地表也
天気下而地気也
地気上而天気也
十人指所十目見所
大橋長蔵
正綱在判
服部安兵衛尉
保願在判
服部九郎兵衛尉
保定在判
高山市大夫
重辰在判
渡辺源左衛門
長綱在判
安永四未年八月四日
大村半七郎
貢詔
小笠原門次郎殿
此一冊は外ゟ借用写置トイへとも当派には不有雪荷
浪之伝書相考
天保五甲午年六月十二日
村上
七道之巻一
陰陽之巻二
歌知射之巻三
目置流本書
真言
當願。衆生。百八。煩悩無量之、重罪。則時。
消滅我是誰未生以前本来面目一円
之中、父庭大図学仏師々以我カラン
則是寿養、信心アンゴ常在ノ於二其中教一ヲ
行善座臥平等證智
当願衆生トハ当テ願ウ人ノ思ヒデラ言也百八煩悩トハ
人ノ心百八之アリネン有ヲ吉無量ノ重罪トハハテナキ
ヲモキトカヲ吉也則時消滅トハ一念ホツキヲ言也我是
誰未生以前卜ハ過去ノ躰ヲ言也本来ノ面目トハ木レ生先
ヲ言也一関ノ中トハ大極ヲ言也アウンノ大国トハ不動
ニ王ヲサシテ言也学仏師々トハシヤカヲサシテ言也以
我カラントハ我カ一躰ヲ言也則是壽養トハ己ガ身体ヲ
カタリ納ルヲ言也信心アンゴトハツヽシミ守シヲ言也常左
トハ平生心ニハスレサルヲ言也其中教行トハ執行ツノル
ヲ言ナリ善座臥トハ心ノ納リヲ言也平等証智トハ平心ニ
納リキハメタル所ヲ言也
日置一流射形師第之起請秘記
三躰父母ヨリユツル剛也ト雖我カ
非ズ弱也ト雖我耻ニ非ス只強弱ヲ
不論修学水鉄之如シ
是ハ大学ノ
喩ハ水水ヲ
序文ニ言
是モ大学ノ内ニ十目
シツタリカンタリノ心也
流ス鉄刀凌ヲ削ル心ヲ知テ
強は強弱は弱己々ガ分々骨力ヲ宗
トシテ嗜量ヲ重ク師之思教ヲ信シテ
強ヲ不情弱ヲ不讒正直ヲ神トシテ
法度ニ仕シテ心底ニ治スル者ニハ可
相伝深姫之弟子也トモ異法ニ驚キ心
深ナリハ不レ可レ伝仍起請如レ件
七道
□□□□□□□□
足踏之事
八文字十文字ノ曲尺ヲ第一ニ用左ノ口侍ハ至テ後ノ伝也先ハ
八文字ハ八方ニ詰リ八ノ字ノ心肝要也亦十文字ハ十方也用法ニ用ル
目中ニ用レ口伝ハ蜘蛛之曲尺ト言心ハ
シテハ其ノ蜘之家ヲ造ラントテ追風ヲ請テ向
之木ニモ雲ニモ目付ヲシテ吹付ラ
口伝
日々儀也闇夜之曲又ト言モ同シ事
心ノ調イイキノコラザルヲ言汰流肝要也
子共ノツブラヲ打ヲ表ス
二弓構之事
円湯之体第一也大極の形を先とする是に十重の曲尺アリ紙袋
に石を入風に吹する口伝左の口伝書体の直りての後なり
目中ニ用ル墨指ト言心ハ矢ヲハメテ弓
ト矢挙ト三ツ中程ニ目アテヲスル
ナリ但シ遠近二智有主之骨法ニ依テ
是ハ弓之目付ニヨルヘシ比之位ヒ
弓之立所口伝有レ之
専用ナリ口伝
同月三月四月三月七月
目中ニ用ル日月身ト言心ハ我ハ大日如
来ト思談シ何之所ニ恐ル々者モ無
ヤウニ心ヲユルリト筋骨モ延ヤカニ
如何ニモ慮外ナル躰ニモ慮外ナル躰ニ成シ馬ニ乗
真之鞍之内ノ如ク身ナリヲケタカク
行ヤウニナシテヨシ立テモ居テモ
同シ心ゾ元ヨリ船中動キ働ク矢倉
三身相引
ニテモ用ルゾ口伝灌頂之巻有之ニ
此の字心にて打て起す心口伝亦白水をうつは物に入
四打起之事
アケル心ナリ
汰流ノ伝
目中ニ用ク弦道ト言心ハ時之手之裏ニ
何ニテモ相応之掛ニテ弦道ヲ造ル
ヘシ町之弓懐懸之弦道ト言ソ亦猿
臂之射トテ大事之重有レ之則日本記
此口伝形ヲ
直ニ有
明衛往来ニ露ス弓懐ニ口伝多シ
是ニ付テ弓懐弦道ニ様々口伝有之
廿九日照ト灌頂之巻に残ス子細ハ弓疎学
ナレハ不レ成事ヲ爰ニ云テハ疎第偽
ト思フ故也
五曳取之事
是字ノ心ヲ取口伝多シ喩ハコヒキノ木ヲヒク心ナリ
反橋と云も別になし同事なり
目中ニ用口伝烏兎之梯ト言心ハ烏ハ
カラス危ハウサキ也弓拳ヲ烏ト云
懸奉ヲ危ト云故ニ矢ヲ梯ト名付左
右直クナルヲ懸合ト云也筈之上下
是五重十文字ノ
口伝有之
事人ノ位ヒナリ
哥ニ曰
哥。打渡ス烏兎ノ柿シ直ナレヤ引渡ス
ニハ反橋ソヨキ
弓ニ載度之反橋ト云事有直ク之反
橋ハ是也矢ハシリニ用ルナリ
橋ハ是也
此字和合字ナリ不レ深不レ残大指ノ中程ニテ弦ヲ掛シテ人指ニテカム
六会之事
是モ梢ノ本ノフシニテ弦ヲセクヘシ中指ハボウシ顔ヲ押ル口伝
一心ハカキツハタノ花開ク
一一文字恵休善力大事口伝
二表ス強ミハ字ノ心
二十文字此十文字惣体ニ口伝有之
双ノ位紫部
旺試太流一
詰メ之十文字ト云也右之内三四
五ハ四巻目ニ出タリ
是ハマクレスソラズ上筋ハラス
七千裏之事
イツカズ中筋にテ押ナリ
心ハ五ケト云
五加共口伝
寛曰定恵善
▢ニ鶏之道浮タル也定恵善
懸ハ一文字
口伝駐城之離ニ相生
相主トハ釣合也
三指
一ケカノ鳥ヲ
トルニ命ノ
三ニ鸞中軽シ定ト神カニ口伝有レ之ヲ
寛ノ曰鷹ヲ
スユルニ兪フ
右五ヶ之内三四五ハ四巻目ニ出タリ
一五部之詰之事
一離之事
町ノ語トテ押手琴懸の詰れて勝子左有ノ誥右肩ノ詰物ノ
詰此五ヶ所を詰様にするを言他流は延るを本とす当流は詰を本トす
部雑石火難四ケノ雑妊鹹ノ雑客利離以上五ツノ離レナリ此ノ
伝色々ナリ
目中用ル四部之離ト云心ハ四ケ所ニ
有リ
│[州左肩
県右肩
左右の
一ヶ所ヲ
先条之五部之話
距ナリ
クサビト心得タリ四ケ所ヲ石火之出ル
如ク離ルヲ部之離ト云ゾ是ハ惣別之
離ゾ亦爰ニ切拂別券此四ニ口伝有
之皆是了簡之雖ソ鸚鵡ト云ハ懸之
離也此瑪鵡ニ四ツ之字之心ヲ付テ
用ル事種々様々之口伝有之此四ニ
米来身ト云事有之扨コソ父母之
現在をたもて未来を智ふ
未来ヲ智コトハ
収リ未来身
離テ後ニ有亦現在ハ離ノ前也双ノ位ノ
離之前ト雖
テ之後ト之骨法ヲ能々心ニ智ル事
肝要有之是七道トテ大事之重トス
此字ノ口伝喩ハ紙袋ニ右ヲ
入風ニ吹セルニ下ノ不ル働如シ
大形ハ是頂上共心得ヘシ
是ハ巳ロガ生レヲ見定テ無利ナキヤウニ
一骨相筋道之事
筋もゝ延る骨相紅葉重の大事に至るを云ふ
心ハ七道五部之詰亦ハ七道五部之詰亦ハ始中終之骨
法射形ニ延テ不レ縮ヲ骨相筋道ト云也
失束モ爰ニテ知事有之口伝
メ伝ニ己カタカバカリ
哥○引ク矢束引カヌ矢束ニタ々矢束三
ツノ矢束ヲ能クロ伝セヨ
引矢乗トハ自分ノ左右ノ手ノ中指マテ尺ヲ取テ二ツ折
テ此半ヲ云引メ矢来トハ右ノ尺ヨリ延メルヲ言唯矢来
トハ業ノ達シテ尺ノ長クモ短クモ引ヲ云ナリ
等口伝セヨ矢束ト鞭ト力草長キヲハ
継ケ
継ケミヂカキハホレ
鞭ト矢束ト力革ハ自分ノヱラアルモノナリ此ヱテニカ
ケテナヲセトノコトナリ
押手勝千ツリアヒテ
一剛弱付リ抱持之事
ヒキヲサムルヲ云也
惣射ニ雖レ用第一先挙ト脉之間ヲ専ニ
用推過テモ弱シ前ヘ過シテモ弱シ
上へ過テモ弱ル前条之吾加ヲ能々
心得テ四方へ弱ミ無様ニ可二修学至ケ
ハ呼立ニアタルゾ懸ヘ心ヲ不レゾ懸ヘ心ヲ不レ通離ヲ
用ソ強弱ソ口伝
是ハ懸手ノ裏ノ
殿ニ具ニ出タリ
一懸合之詰之事
紫部ノ離五部ノ詰
一三心相引沐流シ
是モ矢来ニ用ル儀也口伝大事亦ソ
サヒト言躰ニ定メ是ハツマルクサ
ビナリ離之クサビハ過テ四方へ破
テ散ル如シ矢束之クサビハ能程ニ
シサルソ三ツ之クサビトハ是也
一四方へ散トハ四ヶ所一度ニ詰ノ延ルヲ言離テ後ノ事也ハ
是ハ張能弓ニ箆張ハ
一弓成力矢之積ク之事
ヨキ矢ヲ言
射手ニ弓毛弦
心ハ弓ト矢ト之相剋相生智レト
事也弓ト矢相剋シテ不二掛合一時之目
中之遠近ニ用ゾ口伝矢ジリヲカム
ト言本説有レ之灌頂之巻ニ露秘事也
疎学之人ハ聞テモ耳ニ不レ入事也修
相応ヲ言ナリ
学智也
矢ヲツカヒテ
一弓脈之事
弓脉之事矢キツカヒテ矢ノ軽重ヲ引合アリノ剛弱キサンサヘ遠近テ
ツモリ心得ル
遠近之智心ハ長短之イキ見越シ之
曲尺ト云事目中之大事是モ疎第之候変之
人ハ合点有カタシ修学ニ至テハ覚
一事也踈学之人我ヲ不修シテ愚ナル
ヲハ忘テ師之教ヲ疑事多レ之奥儀ニ
神道ヲ修ス神道ト言ハ日本之初之
時神之約束也其證ハ神道ヲ受テ行
地獄之如クニヱ上ル湯ニ入テモ亦ハホ
ノホノモノモノモノ等ノ中ヘ入テモ不苦事也祢宜ミ
子ノ小女其外愚ナル者モ営ミヌレ
ハ行ヒヲ以智日神月神涌出シ給フ
約束モ同シ天地草木有性非性モ約
東之不レ違分ハ未世迄モ疑事ナケレ
トモ人間之能々ハ皆相違シテ廃リタ
ル故ニ心之不届人ハ次第々々ニ道ニ遠ク
成テ修学ヲ不レ遂シテ不レ到也若千人
ガ中ニ一人ニテモ稽古修学ヲ達シタ
ル者有ハ遠近之目中モ矢早モ通ニ矢
モ遠失モ心之マヽ可成漢白覚賢弐
百歩之真中川ヲ隔テ双方ヨリ矢ヲ
離テ真中川之中ニテ矢先ト矢先ト矢先ト矢先ト矢先ト矢先ト
射合テ後ニ漢白射タル矢先ヲ覚賢
喰トメテ其矢ニテ漢白ヲ射殺シテ
有ゾ其如ク揚由モ是ニ不レ劣其外此レ
○日本ニハ程之名近多カリツル日本ニハ弘法
大師奥州修行之時上総ノ国野中ニテ
虚空ヨリ声シテ弘法々ト呼タリケ
ル折節院在ノ離覚トテ已之上手通
リ合テ射テ落ス其外六十余州上手
手キヽ多シ是皆五道ヲ修シ終テ之
遠近は修学に知る所なれは右の喩也弓強弱矢の
事也不レ可レ疑可レ秘々
軽重ヲアンカヘルヲ弓脈ト言ナリ
一竪臥之二儀之事
竪は稽古の曲尺に合する所臥はハレコウ少シ
前掛リ也
竪ハ剛シ遊ビ了ニ用ユ臥ハ真之弓
ニ叶此二ツ之心ヲ能々心得テ稽古
可仕也紅紫之口伝在之事
医ハ遊ヒ弓トハアレトモ強ミヲ射ハ竪ニ有カメモノヲ貫
也遠クヘ射ニハ堅テイネハ業ナキモノナリ例ハ的前亦ハ
近キ物ヲ射時計用ルナリ
一雪之目付ト言事
己カ分ヲ積り何レニテモ子ライヲ付ル
一同二ツヽ
口伝コンシ
口伝コンシヤウノヤリラハラゴニ
国色此国ノ人ニ目シユ
シユ
アマリ少キユヘナリ
ト言事有是ハ蚊之目毛ニ
業ヲ掛テ世ヲ過ル少キ虫有此虫ハ
羅ゴ界之人身へ放テ見レハ余リ大
キサニ目シイテ不レ見蝸角
カタツフリノ
角ト云心ナリ
之民
鳳凰ニ目シユト言是モ同シユト言是モ同シ心ナリ
心ハケシノ粒成共其内ニ目中ヲスル
一矢束之事
心口伝也是中り之奥儀ゾ他流ニ申
挙ト是ヲ言カ猶自師口伝有之親
矢来ハ元己ガタカバカリ合スルカ本ナリ修学ニ
観ノ物見
是ナリ
ヨリ一寸計モ延テ引事有不苦
先条ニ三ツ之矢束トテ注シタル計也真
実ハ二ツナラテハナキゾ修学之位ニ
知ルゾ引メ矢束ハ長シ骨相筋道ニ
付ソ曳矢東ハ五部之詰ニ付ソ短シ
唯矢束ハ世間ゾ能々可二口伝一如レ此注
シテモ自師之位ゾ稽古之上ニテ能々
究テ吉
一皮肉骨之事一皮肉骨之事
一人に皮肉骨弓に皮肉骨矢に皮肉骨弦に皮肉骨あり
是をかにかへ相応を用る事也
万事ニ用ル事也人之骨トカト了ト云
皮之人ニハ皮之事肉之人ニハ肉之人ニハ肉之人ニハ肉之人ニハ肉之
事骨之人ニハ骨之事也能々可二口伝一
弓位ヲ収ル所モ同前就中皮肉骨之
皮ニ皮ノ弓矢肉ニ
一肉弓矢骨ニ骨ノ
九勘ト言事有之重之口伝也
一始中終法度之事
弓矢
一ニ中意趣ハ七道ニ在レ之
ニ矢早射ハ剛ヲ専ニス
三ニ通矢射ハ鉄之位
四ニ遠矢
曲尺せかるミ反橋ト言ナリ
口伝有之
五ニ花形直ニ美ク射事的前ナリ
還テ初心之部ニ帰ルソ能々口伝世間ニ
弓稽古之人師ヲ頼ミ教ト雖モ北之
法度ヲ立テ伝ル事稀也世間ニ的ヲ
射レハ手前花形不叶手前花形ヲ射
発火文文
トスレハ中ラストスレハ中ラスト見ヘタリ当流ニハ
幾千之足蹈ヨリ始テ目中ト発シテ
終テ紅葉重ニ至ル迄少シモ中ヲ除
事ナリ稽古シテ自師賢覚之位至ル
間的ヲ射共生物ヲ射共其外目中ニ
逢テコソ中モ花形モ同ク相調モノ
ナレ弓之情ト云ハ中也不レ中ラハ鉄壁
ヲナ重通シテモ用ニ不レ足遠ク射ヤリ
テモ不入弓之本地ト言ハ中リテ矢
早ヲ本トス当世ハ遊興迄ヲ稽古シテ
木真実之儀ハ薄シサアリトテモ相
構テ々法度ヲ破ツテハ不レ可レ伝ト也
一占懸合之事
是ハ弓ヲ引込テ弓ヲ窺ヒ弓ノ強ミニ祝懸ニ釣食ヲ吉
レハ明勝テハ負ル道利ヲ喩喩ヘハ人ノ心知ニハマケテ窺フ心ナリ
弓能射ル人弓ヲ師ト言詞ニテ可知二
是皮ヲ一雖レ覚可レ窺也万事ニ用ト言トモ
弓道ニ専一ニ候
此事四巻目に十二字の位に
細ニアリ
右本書第一巻終七道之巻
日置流本書第二巻
一万事ニ王ト言事ナリ可二心得一四方ヲ取
四方ト言ハ
テ中王ヲ加ヘテ五形ト言
東西南比也
五味
ト言也五ツ之味也
五分ノ詰ヲ
色モ五ツ之
ユ三口十リ
色有黄色是中王也矢之五形モ同様
是ニ大事有之可口伝大事有之トト云
弓ト矢ト弦是天地仁ノ三才也矢ハ己レトモ言ヘシ
一三業三心ト言ハ身意骨弓弦矢之事
ゾ右六之理ヲ能々可修学右之心ヲ
思無邪之三字ト名付之一諸法ニ出セリ
口伝有レ之
三業ハ弓弦矢ヲ言ナリ三心ハ身意骨ヲ言也思無邪ハ右ノ
三ニ難ナ時何心ナリ離ヲ言ナリ
一両部ト言事是は左右の手なり
日月也日月ト心得ヌレハ無レ果口伝
ゾ爰ニ言カタシ先両部トハ二ツ之
ミ子也胎金ト言心ナリ此之二ツ之
峯ヲ合セテ一ニスレハ人之心ニ依テシユ
ミセントナル如ッ山ニハ様々物之種
有善悪之二ツ爰ニテ可二修学是ヲ日
本之事ニ取テ冨士山ト言リ是歌知
射之中ニ見ヘタリ口伝無レ果事ゾ大
ヒ也就坤之口伝ハ
天地陰陽和合ノ胎ナリコト
出タリ人ノ位ヒ十リ
知射峯ト胸ト
一五上
是ハ土部ノ
諸ナリ
七道ハ人間大躰也家ニハ
柱ヲ立テ神道ニハ正直也仏道ニハ
二十五十五銭壱悲也是ヲ以テ万事ニ調ル事
ナリ離レハ会ヲ定ル離ゾ
此五上ハ五身ヲ言五身トハ弓構打起曳収リ離胴造ヲ言也ハ
一十上ト言事
一紅葉重の十重の位なリ十上トは七道に父母大三卜
父母収り未来身此十ナリ
人間之思出ヲ究テ栄花募ヲ言ヘリ
是ハ弓之十段窮ヲ取ヲ十成共言学
テ弓之奥儀ニ至ルヲ十成共又十上
共是ニツハ一ツ之コトバ也弓ヨリ
出タル詞ソ口伝大ヒ也
一十段之位
此十段は弓脈と左右之肩と左右之腕と左右之手首と打起と
曳取ト乃挙ト馬手之肩ト弓手ノ肩ト鵄鴟ト合セテ十段ナリ
一ツモ闘テハ無レ詮事ナレトモ知人少
ナリ修学スル人マレ也此十段ト言
ハ奥之十段之口伝大ヒ也
奥之十段ハ父母収リト骨羽筋道ト此人双ト檜垣十文字ハ
ト静謐と意念ト三心相引ト皮肉骨ト三業三心ト紅葉重
ナリ弓千六馬千四或ハ弓午八馬手ニツトモ
一廿五有下言事
是ハ法度平裏懸稽古之重十二字之
事也是ヲ段々ニ学テ可学事也
是ハ法度五ツ三業五ツ懸五ツ十重合テ廿五ナリ亦十二字ニ
に付て紅葉重之位なり
一六道ト言テ弓ニ苦ミ有輪廻之弓トテ
事行難シ
一地獄之クルシシトテ目口曲ヲ言也
三餓鬼トハ強キ骨ヲ弱クアツカヒ
カラナキ故悲シキヲ言也
三ニ畜生矢束ヲ無利ニ引タカリ上手
之事ヲ疾ニ似タガルヲ言也
四ニ修羅トハ無理ニ強ミヲアラセテ
位イヲソキ事ヲ言也
五二人道余り緩々ト延ガチニ計リ心
得テ位ヘ付タルヲ言也
・六天道美シク射事迄ヲ願ヲ言也
右之六道ニ迷フ病ハ草営勝レ穀ニニテ愈
是ハ段々草ヨ取穀物リタツ様ニ亘レモ段々ト曲ヲ一品宛直ス也
一冷熱
肺肝ヨリ出ル
織マル
心ノゾウヨリ
浮中
出ルヌハラズ
沈片
脾ヨリ出ル
フルヘ
督ヨ
身分
リ出ル
五時ヨリ出ル
ユルミ
ヒケス
無性三病
早シ骨相弱シ
此十脈ヲ能々可二分別一
凡ソ日之下ニ人間之数十ユ夕恒河沙汰
トテ
是ハ皆
数ナリ
無果事ナレトモ同シ面二ツ無シ
サレトモ責テ廿五有ト今之十段トヲ
カタトリ能々分別シテ木火土金水
之五行ニスベテ酸甘苦辛鹹之味ニ射サ
セテコソ其之主々之心ニ合点シテ奥
儀至テ能射計ナレ射手之十段モ位
之十段モ不弁漸々五身七道懸剛弱
矢束ナトヲサシ口ニ覚テ射ニハ三病五
緩トテ何ヘモ不二片付一事也是柳ハ緑リ
花ハ紅ト片付仏祖不レ伝不立文字一片
付事也こノ三病ハ早ケヲツケユルミ也五粒ハ春ノ詰ノヱルミ也
付事也
一賢師許定之肝要好物ニヤツレ禁物ニ
ソダツト言事一大事一言事一言事一言事一大事一大変
夫好物ニヤソレル道理自分仕覚テ悪キ事ヲ能ト思射ヲサニ
射中ニヤツレル也禁物ニソタツ道利ハ教ヲ守レハ射悪キ
物也イヤナル事ヲ勤ル内ヨノヅカラソダツ利百諸定ニ通ス
一武田小笠原二流ヲ本トス随分可修
学サレトモ此日置流ハ射手肝要トテ
家風ニ不レ順事ゾ左有ニ依テ一切之筋
ヲ不ル取合一儀ナリ
是モ射形ハ当流ヲ専ニシテ射礼ハ右之ニ流シタカウベシ
射法ニ礼ナリシテハカナウマジキゾ
一真実ト言事大事也正法ヲソダツル
事也正法トハ五上也弓之五味也是
直ソタツテ賢覚ニ至レルヲ実言也
実トハ花之後実ニ成事也
真トハ花実トハ種ナリ草木ノ四季ニ段々トウハリ古木ニ
至ルヲ言勢古モ此コトク土常ヲ守リ勤ルナリ土上トハ草
木ノ虫キ取ニ似タリ
一楊曲ガ大木之矢ト言モ懸合ノ五分ニ有
懸合ノ五分ハ中関サガリヨリ五分下テ掛ルニ云弓二合サ
ル夫ハ何モ此心得ナリ
一左計退込之二字亦ハ賢臥之二字亦ハ賢臥之二儀退
目差レ矢込目差レ的ニ左計トハ強弱ノ止也
是ハ引込テ釣合ヲ勘リヘル事ナリ左右釣合タル挙押ヲ懸
ニテ引合テ離スヲ言ナリ
一中神不レ修射ハ闇天ニ飛礫
一奥儀達芸ハ老馬似タリ知道
一常法不行射ハ疎屋ノ加験少風
一射学達者ハ向大儀似テレ説ニレ乗レ垂レ雲ニ
一利邪情芸枝葉栄根浅如レ樹
一智恵ノ源芸枝葉薄根深似二森林一
一疎射談段取耳似挨鼻
一深信持律弓人日月遊行和朝如出虎
一十能七芸人間ノ花弓馬範修ヲ透成実助
身命
一自力ノ射修ク雨水ニ無レ道如シレ損殺
一習射法徳露花有レ恵似増レ色
一無骨弓師似レ治二俵候疵
一鍛冶教藝ハ如レ作二蜂巣一
千兵安求自分射自分ハ修学ニ依テ射手ニ叶テ言
一将難シ本一張弓一張ハ自分相互ノ弓主ナリ是ヲ
一将難求一張弓
七情之気之大事口伝
喜怒憂思悲恐驚
心肝肺脾大腸腎胆
右本書第二巻終陰陽之巻
日置流本書第三巻
歌知射之事
〇能引てひくな抱よたもたすと
はなれを弓にしらせぬそよき
○矢束程引て味ゑこゝろなく
弦にひかれなひちのちからに
○身のたけに餘る矢束もたらさるも
有や無やとあらそひなしそ
一能曳と引なとは過て無利に引なと言事也
抱とは人の物なとを預たるやうに大事にかけて
能取置たれとも返す時はやすく返す
やうニと言事也たもつとは収てかゑしかへるをた
もつと言なり則離を弓ニも骨ニも身ニも
知らせぬと云事そ唯おのつらはなれたるか
よし依てはなれと言なり
一矢来程引なし言事初手の火事也口伝有之
味ゑてと言は弦にひかるなと言にて知る也
臓の身も掛計にてなきそ腕の力をそへて
引登云心なり口伝多シ七道の中ニ大形有之
三身のたけあまる不足の事奥儀に知る事也
まづ能やうに射て如何程とも矢束をひかせて矢
をそたてよし此三首の理を能々御伝
して減く奥儀を不可レ免也
二段
〇いかほとも剛を好み押ちから
ひくに心のありとおもへよ
〇打起し引に随ひこゝろせよ
ゆみにおさるなお母へ剛弱
○活壁龍田山の抱葉を
かほにちらすな息のつまるに
〇いき合はさとりの道の中なれや
有無の二つは目中にそ知る
◯皮肉骨ゆみに有なり人にあり
矢にもあるなりよく口伝せよ
一如何程も剛を好めと言は大三とのこゝろ
なり弓を引と心得たる計は悪し押
大目引三分一の事是重の大事也他流
に引わけて言事を当流に大三と言儀なり
口伝莫大也
二打起引に随ひこゝろ勢よ弓に出されなと
言も大三の心又は強弱の心腕口の心口
伝多し能教伝すへし
三弦煙とは哥の三かけなり息みといふ事
を嫌なれは息の詰る事を辞有め此さ
ま〳〵に口伝有し箭は潅頂の巻ニ露ス
奥儀なり
四息合はさとりの道とは有無の二ツなり
目中に依ての事也口伝多し
五皮肉骨と言事万事ニ用る一ツ一ツ口伝
すへし口伝より燃煉有此五首減く免ス
へからす愚なる人に伝れは已に射ころぶ
物なり可レ惜は隆然惜にあらす前学を
堅固にして後に可レ伝と言事なり
三段
○口伝せよおしくいたつし引無益
父母の心を思ひやるへし
○剛は父県は母なり矢は子なり
片おもひして矢はそ衛門まし
○打起しひかぬ矢束を身にしらせ
胸より双へ延とはなれよ
一押手いたづら引無益引こゝろなくとは
骨にて引わけよと言事そ大三を心得
道を能々合点すへし骨を引と言事
口伝の中の口伝なり
二剛は父掛は母矢は子と言事も右の
重におなしやうなれとも此哥の心は矢に声
をかけて声と心と筋と肉とにて
送る事をしるせり可レ秘々々
三打起しひりぬ矢束を身にしらせ胸にしらせ胸に
のふるこゝろ離の前と思ふへし延て〳〵
と思ふ心よし此三首の重の大事ぞふと
輙不レ可レ侍我知たる業は多くさんニ思ふ物
なれは扨こそ起清を師より暮て卒余
に不レ侍との事なり此流は世に大切の儀也
可被下
四段
〇声はたゝゆみによりける物なれは
切声もよし掛声もよし
一切声も掛色もよしとは延てかゝる声は
切声にして吉五蔵より出る物なれは
若之色ニかけしろしば離にあたりてつかへは
掛声にすへし懸声ともおくる息とも言
て重々の大事の声なり他流ニケ様の能事
を不知是は離を打たつる儀なり弓色に
様々口侍有し生得昔の弓に存と言事は
なし百時百々露懸つくるとて時の調子
を公にて取事を政次仕出してよりしだ
ひに末甘にいたる迄弓声に取く用る
事なりすなわち時の調子にかゝる子細有
これは重の重也大事と心得て輙く不
可レ免ことさら口伝も多しなを潅頂
のまきにあらわす
五段
○口伝せよ矢束と鞭と力葦
長きをばつげ短きはきれ
出るとも入とも月を思ひなば
一曳弦みちに迷ふへきなり
押引と継めなみせそ富士の山
みねと胸とは日とつなりけり
○春かえて秋の木未そ冷ゆしき
桃かさねのあらしふくなり
○朝あらし身にはし玉なり松風の
目にはみゑねと音は冷し
一長をは継げ疑はきれとの大事也是は
引矢来の事そ主の好所佐に随而切ても
継ても能物は此重は至々自師の位にて
定る儀也我と射覚て究其法也可秘ニ候
一出類とも入とも月をと言こゝろは手裏を
取てより正路にする心也御伝万々なり此
歌の口伝は仏説にも過たる事也秘して
不レ住口伝重き也
三押引と継めなみせそ冨士山頂と胸と
なし心よと言は中高と言心そいほ
ると言もしほると言も引わたす反橋と言
もみなおなしこゝろそ
四春かえてとは春夏なり春夏は万木色々
に花咲うつくしけれとも秋の末には皆散り
果て下に抱かさなりて木末を見れは嵐吹
てすさましけれとも下には紅葉重りてあ
れはうつくしき事を仕尽して枯たる木
の如く万事の業に此心有書筆の道にも
大唐の即之王儀之日本にては高野山の弘法
大師佐理行成卿道風なとの華道の秘書
にも此紅葉重の心を弓道を取て書れ
たり爰に秘建文有之熊と不注
五朝嵐杏風能々注に及す風体の心也不言と
いゑとも此説一段涼ししんしとしたるさつ〳〵
としたる体とのこゝろ有無の二ツなり口伝の様
大事余々秘事たる故に異名を付て言なり
何の儀も名テ替て秘事して言事多し皆以
方便の異名をて不レ驚心肝要なり
〇一入はうするゝれなひに生れ来て
千入になればむらさきのいろ
朝夕に菜の庵にたつ霧を
いつ紫きの雲と詠めん
此二首能々可レ聞稽古の心第一ニ用る儀なり
仏法の心にも様々喩多しと見へたり道に
入たる歌なり能々知りたる人に聞は仏道
に近ぞ
帆かけていそく船にはあらす華
水行鳥のころ知るへし
一大事口伝可科
帆掛船ハユウナレトモハシル水島ハユウナレトモ心ノ内ノ業ハ
ニ多シ射芸モ人ノ目ニハユウナルトモ業ヲ勤ル心ナリト
右本書第三巻終哥知射之巻
二十一