惠比羅の書

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伊勢貞丈
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伊勢貞丈
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エビラノショ
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東北大学
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ハコエビラノズ
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2026-08-28T18:53:25.651810+00:00
有利利 恵比羅の書全 箙之伝授 夫娘といふは箭をもる霊器也本朝の昔し天孫あめより降 臨し給ふ時大伴の連祖天忍日命背にあめ磐数を負手に天の 抱弓をにきり同く天の羽々矢を取八目の鏑矢を持御前に立前 駈し給ふと云々則是れるへし異国にも中春に献二弓弩一中秋献矢 旅云々かれと是相契するといへとも制には異国本朝の差別有旅に 三ヶ大事と云事ありゆみは日月也矢は星也巌は雲象也といへりこの 一故に簾に天上といふ名有又方立といふ名ある事は是則五行の神也 東春也木神句々廼馳命也西は秋也金神金山彦命也南は 夏也火神軒遇爰智命也北ハ冬也水神岡象女命也中央ハ土ハ 用土神垣安命也箙に矢を立たるは天の逆鋒を表す逆鋒と いふ名是に口伝有爰を以神明の来格し給ふ所三光の止る所 軍の宿給ふ処へ仏家には五大尊と表し矢からみたるを倶利 伽羅不動明王と申也猶口伝深矣 旅を造る吉日之事 戊子己未戊午己亥壬子壬寅壬午甲戌癸未 癸巳右此日簾を作り始てよし 神代の旅の事 一升形は桑の木を用ゆ五分四方に削わくをさす也寸法口伝有殊に 寸四分也ワキイタ胴フクラ有向ヨリノ恰合ハ 今ト大方同前一説木ヲクリタルモノヽ由也 一つる鉄をうすくのへ作り付て内外より竹にてはさみにべを 以作る也其上をかつらにて隙なくまくなり両手の上心むすび かた有私ニ云トンホウムスビ也 私に書その カケヤウナリ 一中ぬいそもかつら也両手の下かけ様に口伝有に形にて知へし 一両わきに籠かけと云家の習有丸とうを以かくる也 私ニ云皮ヲ引込其 上ヲカケタル也 一せき板はぬためを用鹿の大角を用ゆ口伝有 私に云はゝ 一寸ナリ 口伝如此あれとも 一いかたは竹を用六十本の内外なるへし 卅四五本より内也 削様口伝ありありありありありありありありありあ 之様小形をみるへしかわを二重にきせていふなり口伝有 一袋は猪の毛皮を用ぬむ様小形をみるへしはこに引込後わうる しを以付てかつらにて巻也袋のはりめ大ニ口伝あり毛皮のうら 私ニ云ツヽラノ はたふを木地にて用ゆ黄に染たる事も記録に有之也 様ナルモノ也 一所々のへふつのと鉄とを用せんほうかたは必まへき有之もの也口伝 カナクハテツ作リ 有物ハ鹿角ナリ 一請緒かけを草をくろくふすへて幅五六分にする也 一上帯むかしは葛を用たるよし今はぬのゝ打物也色不極也色不極か 私ニ云古キハ 白銅タクホク 一つる巻は黒に是を付るかわは則かけをの革をほそくくけてもちふ 也尤小形をみるへし 私ニ云木ニテ 作レルモノナリ 一ゑひしからけの図ことなる秘蔵の事也口伝有さかつらの丸き を用ゆ此図は其侭は用かたし 図 ① 奥州御陣ノ例 義家朝臣御箙之日記 一升形同前但シとうふくらなし 一手もつるも同前 一両脇箙かけなし角に而すへもの有蝶也小形あり 一天井の処にしきを以包手の上も同前藤の遣様口伝有小形 をみるへし 口伝大鹿の角を引わり白水に三日ひたしいかといふ魚を 一勢の前板同前 ませてゆて和らかに成たる時捕をかけて延し削円ぬらす 一いかた同前也内外ゟ櫛にはさみ五色の糸を以ふせくみに掛る也口伝 一猪の皮を麦漆にて付て鉄の鋲を打事小形の如しけしやう 縫も表一通りに有之総様青色にぬるひきはたを用るなり 一うけを掛緒竪横の一文字を用下はかた付の染かわを用つる巻を 松立一文字なり 付ること何も同前重々口伝小形をみよし 一上帯はわたをもて黄と青とのたくほく房付歟 一箙には必弦巻付也つる袋うつほに必付者也矢筒にはゆかけを 付る是を三ケの伝授と云 箙には猪の毛皮を用ゆ馬上細うつほをは夏毛の星皮を用ゆ帯 の右壺には熊の毛皮を用るを古法也是も三ヶの伝授 〇一軍陣には簾を用将には右壺をうち的には矢筒を持是古法の故実 也是又三ヶの大事也以上の三之九ヶ条は家の伝授也 一とんほう并螺之図 大サ大てい此寸なるへしつのさうけを用て作りすへて吉是も小形 をみるへき也ふるび習有之 右大将家之御時下河辺庄司行平ニ被付制法 一本ハ制法右同前向板上のはゝ四寸五分下のはゝ四寸一分半向のまん中 竪二寸三分三分よし桑梅榎楠被用 一脇の板上はゝ三寸四分下はゝ三寸七分。右左同前門 ノニ高二寸五分 一後ノ板上はゝ四寸二分下はゝ三寸五分 一底板後三寸五分前四寸一分半入三寸七分のちに付る 一何も板ノ厚サ三分強なるへし 松に中ぬいその穴左にて脇板手かための穴左右右一ツ宛後板につるを打付る切しつの竪一寸七分横つる 一筒の後二ヶ所両脇あてゑり穴あり口伝 一つるの高サ箱のふち迄九寸七分手と箱の間一寸二分半はかねを以 作りよくためてすり立る也爪を付る亦所々釘穴あり手よつるの 取合裏のかたにてくる也口伝有の 一惣様布をきせる也箱の内四方のすみはくわんをうつ是いかたをつる 革を付る也黒かわはゝ二分長サ一折也口伝 一つる打様ハ板を鉄の厚サしづむる也釘を爪をかやし打也小形を 之よ左右の手も同前なり 〇一猪の毛皮を用きせ様に形をみるへし麦漆を以付鉄の鋲を打也 皮は水にて升形にはりかけしつけをし後切合へき也後の山 形左右其外口伝有 一わきの居物右同前蝶形を用ゆ口伝有 一うけをかけを右同前是には口伝有 或は弦巻まての時は如此も拵る也 かわさきのかな物有なくても不苦 そんほうの頭くわんの かわさきのくわん かたに向也 爰をかたわなにむすひ わなはくわんの方にむく 横にもするなり わさ也 カキ合也 一弦巻四寸つらくろくぬる也 口伝三寸吉 一とんほうのすり様むかしゟ念を入る也其摸様益に有せき板ぬため 高サ五分此内壱歩半ハ入也 一かわのへりべに革を用かわの表にしき金らん也 一当は則此制を用へき也 天上 矢ゆひの 中ぬいそかつらを書 此辺はこそり中ぬいそ つな惣名 此辺こし うけを ひしぬい 手両方共に てうかふ □□□□□□□□ さす一の矢 とむきなるへし 此処をくろ かわにてうら のかたより ゆふ也 たか たかほそり ほそり 惣名 うけを 四方共に四天共 四方共にほうだて そこ 正面わけぬとも せいれい 露こほし穴 矢くはり いかたとはうつほを書 とんほうむすひ せき板 ふせくみ 右如此者共真草行によりて口伝 あり一通には定かたし必定の所口伝有之 つる巻 へひ むすひ かわさきの かなもの 右に同 うけを付のかわん 旅に矢をさす作法 一征矢は本式廿五本さす也是を一腰といふ内上刻二筋也此時ハ必古より の作法のことくさすへき也さす一ツ箙の柱也他流には是を体の矢といふ也 是天のさりほこを表するいわれ也二十五の時は五々とさす也略儀には二十 又は十六筋も刺也此時は上さしは無之也廿の時は四五とさす也十六の時は 四々とさす也竹のときは四ッさす方を五ツさすかた程に広く刺て吉と かく四角にさす也ひしなりにさす事はきらふなり 一本式は三節揃て用る也然共左様には成かたしおつ取のふしは必揃へし目を 内にむく様にさす事故実也うけをの方矢配の行二ツ程ツゝ間を置て刺なり 一さす一は一の場に刺て高頭に中ぬいそに結付る也黒皮をはく三分長サ 一七寸に切剣先にして用る也一結むすひ付矢を引付ては裏の方にて まむすひにするなり 一上刺は他所にては四季に替るといへ共当家にていいつもかりまたをかり 矢を用 一矢を剃事何も筈を揃て並よく刺也走羽四方のすみになる様に 刺こと故実也内外の吟味肝要是には指て習へし 一十六矢刺時ハ外向八内向八にて中二とをりうち向にさすへし 矢を刺事敵を剋する方に向一番に刺一より剰て次に四方の角を さし中を段々にさす也其後矢をもりて所々かたむる也かりにも 北に向事ハ忌也西に向へし然ハ是ハ所によるへき也 上刺ハ根をつめさるもの也当時〳〵に根をぬき廻すなり若津むる 時はくすねを引てつむる也 鞭を付るには身よりの方にとつかを下にしてふくみよりにて手と つると二所両わなに結付也入用には引切て取用也又腰に差も不苦 一矢くはりは箙のつるより三寸程上いかたよりは一尺二寸程上よし把革 にて矢配の上を結事習也黒皮をはゝ五六分長四尺二寸程にひとへに して剣先に切三重廻し表の真中にて真結にして端一方程余る様に こしらふへし 一矢配を箙にしかけたるを床なとにすへ置には必箙の右の方に張弓 をすゆる事故実也武田殿の哥に 一箙に矢からみて出ルバかりそめも右に張弓かくものそかし 一矢くはりに重く子細あり古法はいため皮にてこしらふ尤薄かねを入 染合にする也図のことく寸法違ふ時ハ殊の外見くるしき也源三位 一頼政の流は丸打糸にて中をはる也上さしは根をぬきて矢を矢くば りにさし後に根をさすへし 四方二寸シ穴矢〇●●●● の通る程に少 広しら薄な …… るへし ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ うすかね入いため皮にて ぬる也厚さ二分 箙の弓矢装束作法の事 一勝色紫の一色五色のたゝほくの表帯は大将の外遠慮あるへし 一本重藤は家の嫡流用滋藤は是又大将か名ある射手の外遠慮 あるへし 一切符中黒高うすへう三節揃山島の真羽まうふと羽大将之外 かたく禁口伝あり 一白赤藤色黄是は四家の賞色といふ弓の握に用古法もあり 〇一箙の正面にとんほうかたを用る事定れる古法也昔神武帝東 一征の御時鎮蜻蛉島之騒擾[ヲ]給ふ故事有口伝ふりし 一箙をおふ時は立て西にむかい目を閉簾を取て腰にあて弦巻の 穴をさや巻にさし入レ掛を廻し諸諸に通前にてむすふ也次に表 帯をひくむすひ様故実有其後神号をとなへ怨敵退散の文を 唱立なから択すへし其弓を取哥を唱すひきして弦音をする 古来の作法也是神功后皇異国をこらしめ給ふ御時の表儀也其 後左の足よりふみ出すもの也 神語 すかぬきやひろきかはらに宮居して むかふかたきを退治するかな 表帯のむすひ様之事文明十二年九月五日御相伝也 表帯根緒之事 中 同根なしの事 平士は大方是を 用ゆかけ様口伝有 同箙とんほう之事 鎧の右の方にくわん有寸法 外四ノ一七分射手方ニハ口伝有 ○ 同片むすひ之事 口伝有 同射手むすひ之事 □□□□□□□ 同ひしむすひの事 是を古法に頼政 かけと云事有口伝 □□□ 景通五十五歌 うつほには鹿の夏毛をかくるなり箙には猪の冬毛なるへし 三つ九九ヶの大事といふことは家の外にはかたく秘すへし さす一はゑひらの底の秘蔵の箭身は捨るとも矢は捨ぬなり さす一はいつもかわらぬ初の矢惣の長さにゆるめ刺へし さす一はかならす外向放実也さす果の矢はうち向としれは さす一はくろき革にてはゝ三分長さ七寸けん先にされ さす一は箙のかしらの中ぬいそ裏のかたにてま結ひにせよ 敵に向ひ矢合の矢を射る時はさす一の矢に秘伝こそあれ 恋ひらの矢三ふし揃はまれなれは只おつとりの節をそろへよ 箙の矢きりう中黒まろふと羽大将の外遠慮めるへし おひ征矢は丸根をすへる古法なれ短きは又ぬ気やすきなり 三ふしのゝ揃へる矢箆や高うすへをさま〳〵あれと上にさゝけよ 箙おふ時は真物にむかひつゝかならす立ておふものそかし ゑひらおひて弓とり直しすひきして弦音するは故実知る人 えひらおふ時はぬり弓持そよき滋本重は家のならはず 箙おひ将たる人は鳥うちを紙にて巻を習ひとそいふ 鳥打をまくかみはゝ八寸に壱尺二寸あら〳〵とまけ とりうちをまくはしら紙紅梅の二色の外用ひさりけり ゆみの弦喰しめしつゝ其次に中制をぬく習ひとそきく 中に刺矢をなかさしと名付たりぬかは必はれ油ひけ 矢をさゝは四天の角に老羽のかならす向ふ様にさすへし 箭をさゝは四方の角を先さしてそのゝち中を段々にさせ 四々四五や五々と刺とも見はかりて四角にさせやひし形はいむみ 矢をさしてその後とくと矢を盛て所々をかたむる習とそ聞 矢たはねは幅五分にして四尺二寸黒皮剣先真結にせよ 屋たはねは壱尺二寸上なれやすこし上下は時によりけり 矢くはりの大きなるこそわろきなれ二寸四方に厚さ二三分 やくはりはいためかりにて合つゝ穴は廿五四方いほあり 弓矢弦くすねゆかけに畳かみ矢たて鞭りそ三ケ五ケなれ 堂はね草矢配り箭ゆひ上帯を箙にそゆる四ツものといふ 中ぬひて請緒やかけを弦巻や相引腰皮六ツ道具なり 上さしは五々の時には二ツ三ツかりまたけん尾さしやうそあれ うは刺を四ついつゝまた一ツなとさす人あれと家はもちひす 上さしは家によりつゝかわれともかりまたとかり矢我家の例 うはさしに尖矢をする家例こそ天喜五年の吉例そ申候 箙には黒弦巻を付る也さやまきの鞘に貫きて負へし 弦巻を箙に付るその習落時につけはつけやうそある 鞭はたゝ身よりのかたに紙こよりとつか二ツ所をいわへ有へし ゑ飛らには竹のむちをはさゝぬ也犬の鞭をは用ひきたれる 上帯を箙に付る下地にはかならす根をゝまつ付ておけ うはおひを箙に付ておく時はたくり〳〵て中をゆふへし 上帯は鎧の右に箙付むすひかたにはいろ〳〵そある うはおひを付るくわんには射手かたの男なけれはいらききりけり 上帯は左右のかたを打越して前て結ふはえひらとんほう 紫や白や五色のたくほくは大将の外用ひさりけるま ゑ飛らおふ時はきせなりひたゝきや四ツのくゝりを肝要としれ 箙おひて弓を持さる武士は無羽武者といむ物としれ 三ヶ五ケ納る処しらされは箙をつたふ人といはれし 一 みたれさしのむすひは誰も見及と三ツの伝をは知へかるまし みたれす三ツには矢くはり不入 一壱つには矢をぬきて跡ゆるますふたつには下にすへて 年へてもしられんものは家の秘事みれは其侭あき夫からみ 矢をもらはみたりに人に見するなよ矢ほろをかけてひして置へし 表帯根緒なき時はむかしより相引むすひといふなあり 勧請の哥 くわんちやうの伝授は別に有そかし師伝を交て守るへき也 怨敵を咒咀する箙おふ飛とハ火に水かくるためし有けり 此哥共伝授ありて勇士軍門に向ふ時に其箙をおふ時は 一烈敵を調伏してかならすその敵退治するためし疑なし 五方神を対する箙おふ時は山川夜みち悪事消めつ 第一矢違となること其ためし有長々数ゆへに略之類改 鵲をいる時もくわんちやうの箙をおはせられたり八幡殿 奥州陣にてきの矢をのかれ給ひしも箙の徳也口伝深し 乱さしの事 八幡殿奥州御陣の砌敵の砌敵の矢にて矢抱をいきらせ其矢 みたれんとす修理少進藤原景通取あへす中刻を以てから み留たるそれより乱さしといふ事秘伝として家の習と すまたさす一といふことも是より始たり是を勝軍矢からみ といふ也口伝 弦の高一尺三寸 ⑧ 腰草 相引 矢からみ様口伝ふりし 右之条々当道之大事雖為代々口授予及老裏ハ 失念之儀多焉今数十巻之口伝とも縮て一巻隠 置者也家之外堅不可有外見者也可秘々々 武田三十郎入道 慶長十五年 吸松斎清芸 十一月日 右一帖自伊勢貞春相伝写之 享和二年壬戌三月廿二日 天保十四年六月四日写畢 土井主税 利往 弓之部 箙緒からみ 一からみ出し真行草の三通り何れにてもよろし 此分短くしてからみ 出しの輪となす 真 真行草草 此分長くして体の矢の 高頭より出す輪となす からみ出し行草法の如くして体の矢より 高頭に出て輪穴なしにもからむなりかくの 如くからむ時は躰の矢にこうよりをかたわな にしてしめつけおくなり用方先にあり 此真行草といふはからみ出しの 法によりて名つけしものなり古 よりあることにあらす業に至りては 草行真ともいふへかりけりとかし わさと口伝にてよく〳〵わきも ふへることなり 高頭に出す輪穴なり 体の矢 是をなかくひき出し高頭に からみつくる一方とする也 此所は上刺をからむ為にふしを ひくゝするなり 此所をしむる時はおのづから とんほうのかしらの如くなり 上刻 とんほう結と いふ 此所は上へかせになる也 これ躰の矢より出る処の輪なり図の如くにからみ諸を通すなりもし 輪穴長廻たる時は一方を通しあとへもとらすこともあり これ体の矢につけ置処のこうより也矢数多 き時は躰の矢真中にあらすして力金のかたへ よる其時は力かねにくゝりつくるなり 矢たばねこれは紙をかくの如くをりてくゝるなり一度きりのものゆゑ紙 にてするなり 矢たはねを鞭の先にかけて笞の方へつきあけてはつすなり上へゆり ぬ時は下へ押さける也上へは羽のところにてとまることあり 如此矢をくひ違る時は体の矢に付たる紙捻并に高頭に通す 一処の輪穴はやく手にとらる也 こうより 一つ 高頭に出す輪穴 ▢一箙に上刺は蕪矢也躰の矢にはとかり矢をさすなり 一かりまたにても箙にさしたるよぎりのうへにまだもさしたきことあら は上帯に羽の方よりさしこむことなり其時根重くしてぬけ下る うれいあり図のことく紙よりにてあみて上帯にひかゆへし 上帯 如此矢一本つゝにてひと上帯 如此矢一本つゝにてひと ゆいつゝするなり こふよりのはしにて如此上帯にひ かへておちぬ様にするなり 一高忠簡書に木棒神頭はうつほのうへにさすとありさし様 これと同しうへにさすとはうつほの夭数又籏にもあれさだまり の矢数の貫うへにさすことなり 中刺といふ事 一中刺といふはとがり矢にかきりていふことなり上刻といふは蕪 矢に極る中刺といふは革からみの時矢盛様に〇外むき内む きの順上刺中刺の指処皆きりまりてありそれにて名を 中刺といふ也草からみの時は上刺の芦矢二本中刺にとがり 矢二本なり革からみ矢盛様の図にてみるへし緒からみの時 は躰の矢にとかり矢を用ることもあり又征矢を用ることもあり躰 の矢に征矢を用るときはとがり矢箙にさす事なしさし たきときは上に指べし上にさすといふことは前にみえたり 雁股は上にさすことなり雁股を中刺とし上刺とする ことはなきこと也ゆゑにさすときはうへにさすなり 躰の矢の事 一後世の弓法家にて体の矢は射ぬものなりとてぬくことも ならぬ様にくゝりつけてをく流義もありこれ古伝になきことにて 躰の矢なりとて射ましき様さらになし箙にても越箙にても あれ矢をのこさす射つくすといふことはせぬもの也といふは大 将の御大事也あらんとおもひて其為に一本をのこしおのが 身のことには射ましきと思ふほとに覚悟する事をいふ也 此本を聞そんして体の矢は射ぬものなりとて動かぬ様にくゝ り付ることになりたるなり笑へきことならすや 打起の事 一弓をひくに打起といふことはもとなくともくるしからぬと也敵合に 成ては打おこし間に塩あいおそくなることもありされはたゝずいと 引はなすこそ早くて能なりしかれとも常には打起をそへて 教ることは其意深きことなり打起といふことを至極大切なる 事として十四方に打起といふ一ヶ条をそへて十五方と する位の事也其故はいつも矢を放す時は勝負大切 なるときにて矢一本を以て射る歟射さるかの間なり 故に此間天地神明に観念してこそ一本の矢ははなせと いふ処なれは打起は弓をかふべにさゝげてこゝろを観念する ことを形に散るもの也それゆえに急なる間にては打起をせず すくさまに引渡してはなすべし打起さすとも打起の意は あるへきこと也是打起の根元なり 一又進物寄合場矢入等には打起は必ずすへき事也進物とは 一犬進物のことをいふにはあらす敵にても何にても追てゆくには 打起して追てゆくへき也是は矢ころよかるべき時引込まんが 為也寄合の物とは敵と我と互に寄合時打起して寄合な り矢入のときは打起してその処をみはからひて矢を敵の人 数の内へ射入れむりためなり 一打起とは矢をつかいて打あけよりはひろくして右の手を冑 の天辺にあてゝ今引こまんとする処の形なり右打起のとき は天地拝のことあるにつきて弓に天地羽の藤あり 天地羽の藤の事 一天地羽の藤とは藤を二十八と三十六を巻事也是弓に天地は の数を以て藤を巻ことは弓に天地神明を盟上するの義 なり是死生存亡の境にのぞんて弓を以て勝負を決する 処ゆゑに打起す時に天地を念するの為に天地の数を以て 一藤を巻たること也是を重藤の弓といふ矢入なんとはかなら すこれを用ることなり 一右の蔵にぎり上に三十六矢より蕪藤も数の内なり二十八は握 より下蕪様かずの内なり目付の簾は数の外なり目付の藤は 握り皮の下にあり天の数を下に地の数を上におくに付て女理 をとやかくといふ射手方あり是は後世の妄説なりたゞ 数多は長きかたに数少きを短き方に巻たること也別に秘 説あり是に古実子細を申は後の人のみたりことをつくりそふ るものとしるへし藤の幅の広狭は定法なきこと也略式の 弓には藤は巻とも口うるしはせす軍陣の弓はそのわけ なし其人の望にぬるへし 越箙の事 一越腹をこすといふことは箙の段を一叚こして箙なくし て矢を持事を教ゆる也故に馬上弓の稽古熟してかならす 弓矢を以て勝を一決するの位にいたりて赦す所の伝なり 故に矢六本より多く持ことなし是一日に三人の敵に逢て 逢たる敵はかならす射取て首を取としたる処のものなり尤 三人といふは互に出合たる敵のこと也おしなみの武功也相手の 敵を三人共に射取といふことは出来かたきことにてあれは三人 に逢ふほとあれはあまりて有あた矢は一本もはなさぬと いふ処の一決あるへきなり右これにつきて射様あり征夫三 本に蕪矢蜂矢雁股と以上六本也一人の敵におふ時 は十一間より九間の間に近よる中にて一本の征矢をは なつて先是にて射取ると覚悟したるものにて万一これに て射留ることならぬときは鋒矢蒸矢雁股のうちを取 て二の矢につかいもはや是非共に取極て射倒産して はおかぬ処の一本なり故に此二の矢つかいてははなすまし きともおもふこそ大事の心なれ初にはなす十一間より九間 の間に来るは僅に三間の間おきたるうち放す矢なりこれと ても随分ひきよせて万一もはつれのなきよふにとこそおも ふへきことなり初矢とてもかくの如くなれは二の矢をつ かふてはもはや是にては射取らすしてはかなわさる也故に 二の矢といふはあれと三の矢といふことなきことなり 越箙矢搦附負様 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 十九 此間の如くとかり矢征矢 六雁股征矢蕪矢征矢と鋒 五矢よりからみ出すこと一二三 四付のことし次の面是を巻 三ておかんとするときの図な 二り 前の図のとかり矢一より巻こと箙の矢搦の 同様まきおわりて一廻りまわして真結に ゆひわなになりたるを鎧の前二筋になりたる方を後 へ廻して矢を腰につくること 大抵図の如しくわしくは業にて 真結 しるへし 是は矢を箙負処に あてゝからみ緒のあまりを 是は上帯なり上帯の二度めを如此から みたる間に挟みて前へ取は矢をぬく 時此にからみ儲かゝるゆゑ抜やすく又矢 のこりすくなに成時抜落さるなり 搦緒の余り長き時は二度廻し 二度目を図の如くすれは猶よろし すくに如此前へ廻してくゝると いふことをしらせんための図なり 将箙矢からみ からみ緒一筋の時は 長き方の手に図の 一如く付る是より○ からみ出す からみ諸長き時は中をとりて 二筋になして因の如くしてから みいたしてもよろし又二筋にても 上の図の如くしてかま いなし 又手の組違の処ゟ如図なして からみ出す こともあり 又組違の中に 死あるには 如此して からみ 出す ある 又一筋の 時は 如閏矢わかるにあらすからみ様を くわしくせんかためかく益し たるものなり 一矢数十六本の矢なれは八本をおさまへくばり箙に向ひて 筈の方を少し右へなし又八本をおさまへくばり筈を左 の方へなし扨からみ緒を矢のうへより右の方へ廻し短き 手にかけ後へ廻しいくつもまきて矢の間を右より 左へ引しめたくりて如図結玉をこしらへおくなり矢を ぬくたひごと此結玉をひけは矢ゆるむことなし 同別法 右巻 又法 左巻 又法 左巻 此三法からみ諸二筋にても一筋 にてもから之方同し尤口伝多し 奥秘箙書 御御御御出届 一式正は廿五矢なり廿矢十六矢など略義なり 廿五矢の時は上さしかふら弐本中刺とかり 矢弐本なり廿矢の時は上刻かふら壹本中刻 とかり矢一本なり十六矢の時は上さしかふら 壱本さす中さしはさゝす軍陣の時は何ほとも 矢をさし上刺以下其心にまかすへし 一十六矢ハ四四とさす廿矢ハ四五とさす 廿五矢は五五とさす 一廿五矢以上は別義なり矢数多き時は丸め てさすへしうつほにても同し事なり おひ征矢さし様の面 一矢をさす時をつとりの節 式正廿五矢 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 同十七軒 へむけてさすべし 何れも四のかとへさす矢をは の目をそとへむくへからず内 一寸 はしり羽を角へなすやうに 一寸 HOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO さすへし なり 4-〇〇〇〇〇 一〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇 一〇〇〇〇〇〇〇 〇〇〇〇〇〇〇〇 十一 十 十二カフラヤ 十三カフラヤ 箙前 此三ツハ内ムキ也 廿矢 十六矢 ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ ○○○○○○○○○○○ ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ 廿矢の時は四さしたる 広さを五ッさしたる広さほ とにくはりてさすへし如此 せさればさしたる所四角に ならず平くなりて矢なみ 見くるしきなり 外ムキ 内ムキ ○○○○○○○○○○○ 外ムキ 十六矢の時は外向八内向八 こしらへてさす一の通りと前 一通りとに外向をさして中 二通りは内向をさすなり 上帯の事 〇、一上帯長さ壱丈より壱丈弐尺迄人の大小による 太さは○これほと組指也 一兵伏にはかならす上帯引儀仗には上帯び かぬものなれと上帯は引へきものなれは引たり とてもよし 一の一箙に矢をもりて負に上つりになりて箙かたふき 打たふるゝ也是によりて上帯を引かたふかさ る様にする也 一上帯の引様別したる秘説なれはこゝに略す 矢たはねの事 ○此星程なり長さ三尺也 一矢たはねの諸太さ○此星程なり長さ三尺也 又此組指を用す紙を細くたちたゝみてする こともあり 根緒の図 重子結 根緒なし 二十五矢さしたる図 ODODE Nolog cocolo ■Dopo ODOOO 二十矢 一〇一〇 Coom acor Colol ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ 十六矢 一此三法矢の多少によらす何れにともよし 一からみ終て如此す三法共同し 事也 儀伏の時 からみ終て如図いくつも 弐筋共にまき 夫より下の圖の如く 壱筋をしき込 後へ廻す 後へ廻す 左右よりこの図の如く後にて とりちかひ前へ廻ししきこみ たるうへをいくつも よきほとに巻て 一 ニ とんほふ結 三 この圖の如くとんほふ 緒にする 又法箙とんほふ 一箙とんほふといふ 結かたこれなり 上帯引たる時 箙とんほふに結ひ とむること本儀也 よつて儀伏上帯引ぬ時 此処に箙とんほふを結ふこともあり 此間成たけつめてよ し結よふよくしらせ んがためにゆるく 図したるあり 箙とんほふ , 二 乱さし 景通かけともいふ又まろめてさすといふ もつかみさしといふも乱さしのことなり 矢 又法 矢 一箙に矢を盛たる時は必らす鞭をさしそゆる ものなり軍陣にはふくこよりの類にてもよし 式正ハ黒皮なり は一族に矢を盛たる時必す弓を張るものなり かねてはりゆみあれは其儀なし 一奥秘矢からみの事は口授にして筆記な しといへとも此法の絶ん事を恐れ大旨をし るし置もの也くわしき事は筆墨の及ふへき にあらす口伝等あけてかそふへからす 此矢搦法一巻予家奥秘也累世 深蔵筒中為蠧魚所厄或不可読 今従一本以繕写之禁妄漏千他 者也 延享元年甲子二月八日伊勢兵庫貞丈 □□□ 箙の矢からみの秘伝 一此箙矢からみの秘伝は矢を幾筋ぬき出してもそのあと 一ゆるまる事なし又少の間に箙の数五十も百も矢をからみ 出するひまとらさる也是によりて秘伝とする也 矢からみの図 此かわと革との間へ矢をはさむ也 此あなゆるきはわろし 九 田 一 矢からみの皮大サ是程也 板は六枚にもする也 む タカヾシ ラノ下の 右矢からみはいためかりにて図のことく細長く五枚作に 革のあつきは五六厘ほとにすへし扨其上にしやうふかわを きせて縫くゝみ両端にあなをあけて但緒を通す也 一緒の色不定何色も用へし緒はかたく組たるはしまり悪し 少やはらかに組たるを用へし右の矢からみの緒のわな の方を箙の中はしらに結付る也 一箙に右の矢からみの緒の付様ハ矢からみの革の穴へ 片方はかり緒を通してかた〳〵は通さすして箙の 下の中のはしらへ諸 のはしらへ緒のまん中をかめくゝしにむすひ付て 扨初にとをざぬ方の矢からみの穴にとをすなり 諸 一緒を如此かけしめて置也かやうに緒を かくるをかめくゝしとも又わさきとも ス丈云此処ニ付タルハ悪シ次ノ図ニ記ス 緒 又うのくひとも又かもさけ とも云也 如此さす也矢からみ 一箙に矢をさす数は四々十六 の革とかわとの間へ壱ならびつゝさす也四五廿さす時 は横に五ツゝさす四六七四の時は横に六ツゝさす也さし終て 両の緒の端を取合せもろいなにとけさる様に結置へし 一矢数廿五もさすは五々廿五なる故五ツヽ横にならへさす へしとかく数を重にさす也矢を四角に並ふへき為也廿 五の内とかり矢二ツかぶらや二ツ其外ハ皆征矢也さし様左の 図のことし余は是に准しさすへし 此図狩詞記ニアリ 一人 金一人賃 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 一、・、・・・〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇 一〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇 此方前板ノ方也 上サシナリ 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇 一此三ハマヱムキナリ馬領矢ハ 一八〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇 トムキナヽ馬頭 十十七 上サシナリ 七十一 六九六 下下 トムキトハ羽ノ内ムキ外ムキノコトヲ云也 箙ノ負タルトキ外向ニナルヲ云ニ非也 身ソヒ矢ハ身ニ付タル方ヲ云ナレバ身 いヒ矢也ト云也○前ムキトハ内向也 サス一トハ是ヨリサシ始ル也 此ゑびらをぬり箙と云 サシヱヒラトモ云 貞丈云此処ニ 矢カラミテユ ヒ付タルガヨ ヤタハネ ヤカラミ 此処ニ付ルハ悪シ マセイタ ムチムスと ネヲ タカヽシラ 惣体ヲ 手ト云 直ニ付 此下ノ箱ノヤウナル 処ヲハウタテト云 コヤクハリ ウケヲ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 前イタ 此角ヲハ タテト云 カケヲ ウシロノ方ヲスヘテ身ヨリト云 一征矢かふら矢をかり矢のこしらへ様は別書にあり 一箙のこしらへやう別書にしるす 右箙矢搦の秘事古より口伝にてその書なし 故に其伝のほろひん事をおそれて是を書に しるし置者也みたりに人に伝ふへからす秘すへし〳〵 一朱書秘すへしとは此道を好まさる人に秘するなり 好む人ニは秘するになかれ 宝暦十二壬午年二月朔日伊勢平蔵貞丈 箙矢からみの巻 十一鰒の事は簸の巻に委敷しるしつれは互に見合すへし 此巻は矢からみの事を専一とする故に其作法こゝに 略す 一二十五矢或ハ二十或ハ十六もさすへし二十五矢本儀也 其余は略義也廿五の時其内一ツはさす一也二か三は 上さし也廿五の時ならては上さしは無之也 一二十五を五々とさす也北の時は四五とさす也二十の時は 四とす方は広く五さす方は見合せさゝされはひしにな る也すへてひしになることを嫌ふ也四かくになる 様にさすこと肝要也十六をは四々とさす也 一矢をさす時出つとりのふしの目を外にむけさる様に さす也箙の請緒の方矢くはりの竹二ツ宛間をあけ て可刺也 一さす一とは一番にさす矢也是は一番にさす所にさして 引ゆるめ高頭の上の中ぬひそに革にてゆひ付る也惣様 を四角にさして上の矢くはりに配り矢たはねにて其上 をゆふなり 一たはね所は箙より一尺二寸計上をゆふ也箙の矢も つ処より六寸斗上をたばねてよし 一四ツ角にさす矢を走り羽をすみにさす様にさす物也さい さいさして見るに肝要なり 内向外向之次第 二十さす時十六之時 二十五之時 廿五月七十五月廿一日廿五日 廿五日十日十五日廿五日廿五日 廿一日十一日 十五日十五日廿五日廿五 四●九●十四日十九●廿四 三日八●十三日十八●十三日十八●廿三 ●三口● ●二●七●十二●十七●廿二 一●六日十一●十一●廿六●廿一●廿一●六日十一日 ・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ サス一外向也 サス一 サス一 外向八ツ内向八ツテ中ニ通キ時ハ 向ニサスナリ 一矢からみ○太サ下の矢くはり同前仕かけ様図の如し ○此処ニ○如此印あるへし 一糸の色望による也大サ大形○此分なるへし 丸打也是を頼政の流といふ かねを鍛らすくして巾三分か五分なるへし ○鉄をうす〳〵鍜め此四角に幅四五分にのへ 角にして一方に糸の通るほとに穴八ツ明る也 穴のうちむつくりとして能かとをお とし糸の損せさる様にあるへしその上を 黒草にてぬひくゝむ也 ○くわんは矢結の事只一筋通すほとに 成程うすく平くすへし 古法はいため革にて四方弐寸也穴矢の通る程に少広しう すかね入いため革にてぬる也厚サ二分寸法違ふ時は殊外 見てしきもの也 矢たはね革黒革 幅五分長サ六尺ほど但シ 惣は一重革なり結 所より先の分幅広く して両脇より中にて 合様に折付のりにて 付る矢たはねの処を 三重廻してわなにする 端は剱先にするなり 出陣也帰陣物見随兵のしつけきときは式の矢をおへ 戦場に朝夕出るをり〳〵はみたれさしこそいとよかるらめ 極意からみ 十六本さしたる図 是より以下上帯 を以てからむる 作法也 此緒ノ長サ ハ誤リナリ 書損ナル ベシ 上帯ハ○此太サ 位にて八ツ打長サ 六尺四寸此結 を二重に取て 図の如くからめ るなり 〇〇〇〇〇 Coco lo or ・・・・・・ サス一 一何水にてもてうの数をさすへし 普通根緒なし 二拾五本さしたる図 opaco Cong Cocco Joroce polob 此二処上さし サス一 何本にても半の数をさす事也 からみてさす一を高頸にゆひ付る也左の方へおし 廻せば矢頭ひらくなり上帯を引廻し中ぬひと の内より通し負ふ也何れもおなしことなり 頭高に負ひなすことは腰の箙骨をかねにしてよ くめてるなり尤さい〳〵負てよきほとを得へし みたれさし 此所に上ヨリ天をさす口伝の義なり 矢 矢 矢 此所は上に打返したる処 をみせたる也此上になり たる処より矢をさすこ と口伝なり 三処に矢さすべし 乱さし是を真の乱さしと云叶矢からみ勝軍矢からみとも云 一八幡殿奥州御陣の砌敵の射る矢にて矢把を射きらせその 失みたれんとす修理少進藤原景通取 あへず中さしを以てからみ 留たり口伝それより立 をいふを秘伝とし て家の習とす又さす 一といふことも是より 始りたり是を勝軍矢 一 からみといふなり 清矢征 同人子椅子 上帯を如此してさす一の矢を さす也中刺を以てからみ留め たる秘事口伝也 さす一の矢をぬけは箙おち るとしるへし又中さしを取 時毎に跡しまる也是を以て 伝とす可秘書也 当家の吉例第一秘事の口 景通哥に 年経てもしられぬものか家の秘事 みれはそのまゝやすき矢からみ みたれさし此矢からみむかしより伝来大秘説常に用る をなしむかしより一子相伝と云へり此時は上のくばり不 入也上帯を引廻し結ふ也矢数も不定沢山にさすべし 是を叶からみともいふ此からみやうにては矢一筋になるまて も矢みたれることなく又ぬけ落る事もなし矢を ぬくあとしまりてよし 真のみたれさし 十月 サス一 口伝に 八幡殿御工夫を以て上帯を身寄に御とほしありし となんさす一の矢に上帯一重かゝりて又引まはして中刺 をさすなり 右之条々当家矢からみの極意也嫡流 一人之外不能免就中乱さしの矢か らみは当家之外天下にしるものあるへから す是を以当道成就之為表儀努々 不可有口外者也 武田三十郎源信直入道 吸松斎清芸 慶長十五年十一月日 在判 武田流奥秘矢搦法契合予家伝深秘古 伝往々魚食不可読焉問又雖有可見然 後人之追加者不聊加臆今従一本以校 正加別伝中禁妄漏于他者也 明和二年乙酉二月五日伊勢平蔵貞丈 ○ 甲州故実伝 箱箙図 矢搦口伝矢カラミノ余ヲ鎧ノ相引ノ小ハゼニ通シ 前ニテ引シメ留ル但引ニ負緒ヲ用ル口伝 此諸後ニテ総角結ニスル 弦ハ鉄黒塗藤ニテ上ヲ巻 乳 後に硯箱引出しにする也 廿一日 ヘ矢コホ」 教 露ヲトシ 鉛ヲ 穴 矢配ノヲサ取置ニスル也 アマリコマカニスキタルハ悪也 一本ニ云箙惣高サ九寸 箱四寸五分四方 箱高三寸五分 同ル高五寸五分 硯引出ハ右ノ脇ニ付 矢コホレ板高サ一寸八分薄鉄ニテ造漆ヲ以テスルハ 腰諸前ニテ留左ノ紐長ク右ノ紐短シ 一本ニ銀如此 る 諸何モ紅打諸先ニ総付但矢タハ子ノ緒ハ革紐也 ホウ立矢コホレ板取ハナシナリ 鷹頭 ○○ 腰皮ニテ裏表包 ○ 底ノ真中ニ穴 アリ尤シトヽメ ヲ入ル 旅高サ一尺二寸八分 一銀高サ五寸三分 釣高サ七寸五分 右同断同所ホウ立前高中ニテ三寸 九分余左右脇ニテ三寸七分前ノ方巾四寸七分上ニテ五寸一分 半横巾二寸七分後ノ横巾前ニ准ス 矢搦口伝云惣板厚サ二分半箙の状此二つゝ不可限寸位 大小不等好ミニシタカフベシ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 第一矢束ノ緒ヲ高頭ノ処ヘ 二重トリテ付真中へ弁シ 矢ヲ立ル諸矢来ノ緒ハ 左右ヘ取テ益ノ如ク一 結ムスフ也 此処一結ムスヒワナヲ 出す左右同前 此緒ヲ以テ矢ヲ押へ脇ヨリ出タルワナ諸ノ中ヘハ 此緒ヲワナニテ入ルカラシ留迄皆右ノ通ニスル也 最左右同前 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 中刺立始如図 第二 第三 一篇角迄カラミ求ラハ 角ニテ釣鉄ヘ一カラミカ ラム次ノ図ヲ以テ知ルヘシ 此処ノワナヒホ出也 三十二日 第四 同百二十一年一 角ニテカラム処諸 レツカラミワナ爰へ出 第五 右ノ図ニ見ヘシ角へ出タルワナニテ矢ハ ヲ押へ次第々ニワナノ中へ又ワナヲ 出シタシテカラム也 前図ノ如ク一篇カラミ仕舞又二篇目ヲ カラム処左ノ如シ但矢二重ニナル也 一月十一年 カラミ留ノワナヘ上刺ヲ左右打チカヘテ指其 上ニ矢カラミ緒ニテシカト結但上刺ヲ不用時 ハ直ニ此緒ニテムスフ 第六左右ニ通矢搦ミタル処ノ図也 負緒腰之緒之図 負緒ハ菖蒲皮ノ類又ハクチヒモニスル也 □□□□□□□□ ② 矢コホンノ板アル 箙ハ矢コホレ 諸ヲ不用モアリ 矢コホ レノ板 此処へ鐶ヲ打テ腰ノ緒 ヲ付ルモアリ又ハホウ 立ニ穴ヲ明ケシトヽメ ヲシテ根諸ノワナヲ左右 ニ出スモアリ 一能負様ハ右ニ図スル負緒ヲ左ノ肩ヘ取テ打掛左ノ 方ノ前ノ上帯ニテ留ル偖腰ノ緒ハ二筋ノ方ヲ後ヘ取テ 前へ廻シ長キ方ヲワナ諸ヘ通シテ前ニテ結フ負緒腰ノ 一緒其寸法定ルコトナシ但腰ノ緒ハ七尺三寸計ナルヘシ 負緒ハ皮ヒ等ヲ用ル二筋ニトリテ付ル又一筋ニテモヨシ 矢把ノ事此仕方ハ箙ノ高頭ノ処ヘ幅七八分ノ革ヒホテ 長サ二尺ハカリニシテ付ル是ヲ以テ矢カラミシタル上ヲ二ハ 重程巻テムスフ也但上刺ヲハ除テ巻也最矢数ニヨリ テ長短アルヘシ猶伝アリ 箙矢搦之法並箙負様先師往々口受ノ儀トス 然ト云ヘトモ年ヲ経テ口受ノ遺失アランコトヲ恐テ別 ニ矢搦負様之赤記一巻ヲアラハス謹テ可秘モノ 也 甲州古伝故実之家也 清水源時良謹誌 文政丁亥孟春下浣書写伴直方 天保九年戊戌二月八日写了筒井忠英 同年三月忠英先生ゟ伝来写畢 十一日午二月十一日天皇山山脇正準 山脇正準 文久二壬戌年四月正準先生ゟ伝来写畢 発知親常 旅書 負征矢数之事 〇一箙にさす征矢をおひ征矢と云也うつほにさす征矢は うつ不矢といふ也又うつほの身とも云也うつほをは 付ると云箙をは負と云也されは箙の征矢をは負征矢と 云也 一負征矢の数の事大方廿五矢廿矢十六矢なるへし但廿八三拾 六六十四なと異なは大兵は大簾にこしらへてさす也 一十六矢は四々とさす廿矢は四五とさす廿五矢は五々とさす 廿八矢ハ四七とさす三十六文ハ六々と差六十四矢は八々と差 式正ハ廿五矢也 上刺之事 一廿五天の時ならては上刺無之略儀の時はさすへからす是 は常に大な供奉なとの時の時の時の時の時の時の時の時の時の をさし上剃以下其心に任すへしこれは格別のさた成 へし 一廿五矢の時はとかり矢をもさし添る也廿五の内を二ツとり のけてとかり矢をさしそへて廿五たるへしとかり矢は上 さしにはあらす十六天にとかり矢をはさゝぬ也 但かぶらにすげずかり 一負征矢にかりまたはさゝぬ也 またはかりの事也 かふらのさきにかり 一上刺といふはかふら矢の事也 またをすける也 負征矢さし様の図 比四ツハトムキ 廿五矢如此せす是式正也 湯ノ矢ナリ 矢をさす時おつとりの目 しふをさつね 一十一年 上を栄悲 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ をそとへ向へからす内へ節 を向てさすへし何も四 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 此三ツは内牟也のかとへさす矢をは走り 一一●●●●●● 箙前の方羽を角へ成やうにさす 旅前の方 ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● カフラヤ へし 同十三升ツヽツヽツヽ 十六矢は如此さす也 一同廿一冊 十六矢の時は外向八内 向八こしらへて一の通 弐拾弐匁 りと前一通りみな外向 をさし中二通りは内向 をさすなり 外向前 後藤兵衛 廿矢は如此さす也 廿矢の時は四さしたる広 さを五つさしたる広さほと にくはりてさすへし如此せさ れはさしたる所四角にならす ひらくなりて矢なみ見くる也 き也 廿八矢の時如此さす 廿八も廿矢の如く 一四ツさす広さを 八さすほとのひろさ にくはりてさす也如 此させは矢なみ四角 になりてよき也 三十六矢は如此さす也 廿四矢の時如此さす也 六十四矢の時は如此さす 100000000 一〇〇〇〇〇〇〇 右さし様大概かくのことし幾ツさすとも四角に成やうにさす へき也右は下に矢配あるゑひらにさし様也矢くはりなき 箙は別に矢からみの仕やうあり別にしるす 箙に鞭をさす事 一簾に鞭をさすには黒革を細く戴て箙のつるに告付る也 黒草にて結付るゆへ急に抜事はならぬ也是は常に大将 の供奉する時又は首実援なとの時式正に出立時ほ せりの為はかりにする故ゆひ付る也戦場にては如此 ゆひ付る事はなし緒をうでに貫入て抔或ひは軽痛 の鞭さしの穴へ横にぬき通し置也箙にゆひ付には行 粧を正す時のかさりに用る迄也 箙矢からみの事 一筋さま〳〵あり其内古代の物は左にしるす処のさかつらの箙 ぬり筋也又狩脈もふるしこれは狩にもちゆるゑひら 也凡箙に上下に矢くはりあるもあり下はかりに矢く はりあるもあり上下ともに矢くはりなきもありゑひ らのつくり様によりてそれ〳〵に矢からみおの〳〵ち かふなり 猪のさか さかつら箙の図 つらなり 猪のさかつら也 さかつら箙の図 前の方 │ 矢たはね つのにて鉄打 鹿角ぬためあり 下の矢くはり とんほう紋 象牙なり 上の天くはり こうしの事也網糸を以 色糸にて伏 の如くあむ 陰 入りは赤なめし甘 さまふち 足象牙 黒草にて結付るゆへ急に抜事はならぬ也是は常に大将 の供奉する時又は首実検なとの時式正に出立時か さりの為はかりにする故ゆひ付る也戦場にては如此 ゆひ付る事はなし緒をうでに貫入て抔或ひは軽痛 の鞭さしの穴へ横に悪き通し置也篩にゆひ付には行 粧を正す時のかさりに用る迄也 箙矢からみの事 一筋さま〳〵あり其内古代の物は左にしるす処のさかつらの箙 ぬり筋也又狩旅もふるしこれは狩にもちゆるゑひら 也凡厳に上下に矢くはりあるもあり下はかりに矢く はりあるもあり上下ともに矢くはりなきもありゑひ らのつくり様によりてそれ〳〵に矢からみおの〳〵ち かふなり 猪のさか さかつら箙の図へ つらなり 猪のさかつら也 さかつら箙の図 前の方 こめん革 │ 矢たはね 鹿角ぬためあり 府爺ぬためあり 下の矢くはり とんほう紋 象牙なり はり わくに通し後の方にてむすふ 色糸にて伏い の如くあむ 陰 りは赤なめし丑 さまぶち 足象牙 くわん 爰にてとつる ねを 藤にてとつる しつるふくろつるまきの事也 形そろはんの珠のことく端のかた ふくらみなし直にして黒ぬり也 かけを 金物也 さかつらのうしろの図 むちをゆふ草 藤を細く丸く引て三筋 ならへて黒ぬりにする也 ごめん草 しやうふ つゝみてあまりたる也 先如此出る 楮の毛皮毛を 黒かるしにて ぬる くわんあり 藤の十文字の処を とちつくる 赤なめし 草 あしそうげ これはむちをゆふ 黒草也常には たかかしらの下 はたてにゆひ 付て置へし 如むすふ也 むちを結付る 黒草二つ重て 如如如如此ゆひ付置へし 底の図 うしろにて むすふ 九日 あり あし へりも赤なめし草 藤にてとづる さかつらに矢并むちをさしたる図細川勝元相伝のゑひらなり 四 此むち結の先に草を付たるは あたむちむすひ計也古代 のむちは此先に付たる革は なし 黒草にて結 同上 右のさかつらの箙は上下に矢くはりあるゆへ別に組緒にて矢 からみするに及さる也かやうのゑひら上下に矢くはりあり 上に組緒にて矢からみすれは矢を抜んとする時ぬけかぬる、 もの也又右のさかつらには矢たはねの革をつるに付て あり此外別に矢たはねするに不及也別矢たはねすれは 矢抜ぬ也右に云ことく矢束も矢搦も別にする事はなき をさかつらの矢からみ矢たはね秘伝有といふは矢たはね 矢からみもいらすといふ事を秘すへき為也なき事をあり と云て人をあさむく事はよからぬ事也 一右さるつら簾一名式正ゑひらともいふ細川。家蔵する処の器を摸し 作れるもの也逆頬箙に其品二種有熊の迷つらと云は熊の 皮にて包猪のさかつらといふは猪の皮にてつゝむ猛獣成ゆゑ 武勇の儀に取用ゆならんにや右のゑひらの製類立の処正面 両脇ともに猪の毛皮を以つゝみ黒漆にぬるつゝも同し 毛皮にて包たり其頭の処は赤地金らんにてつゝみ上を藤にて 巻受諸菖蒲草と御免草とを重たり懸緒は菖蒲 草同根緒は菖蒲草と御免草とを重たり矢配の囲 は鉄也上を黒草と御免葺重たるにて包みむすふ紅糸 にて格子を組て矢配とす恐らくは此製を逆頬箙と云し なるに哉凡逆頬の本義は逆とはゑひらの方立の処正 面と左右と三方ともに毛皮にて包たり正面の毛は筋違 に逆立て左右の方へなひき立たり又左右の方 の毛は逆しまに上の方へ向たり是毛先逆に成又頬 といへるは人の面の正面を離と云其顔の左右の傍 を頬と云されは箙の左右の脇も頬成へし正面を 包たる皮は毛斜に逆立て雨の頬の方にさしなひき 両脇の頬の毛は直に上をさして逆立てあるゆゑ にさかつらと云はしめけるならん逆頬の字を仮は 此ゆゑ成にや 或説にさかつらと云は素葛脈と云てしろきかつらと よむ又狡葛共六挟はせはしとよむ細きかつらの 白きにて方立及ひつるともに組作たる也と按るに 逆頬箙或は素葛籠此両種のゑひら名に呼処は 同しけれとも箙は異なる製成へしとおほゆ其 証あへて毛挙に遑あらす 黒塗筆図 下総国香取明神社蔵の写也 心を鉄上を細張かねにてまく 根緒左右同又手草と云箙の上 帯を此手草に通して負へし 丸し 前 はたて黒草 を細き糸にて 廿七日 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 草鞋 かけを 象牙 法語 後 と □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 虎の図 露おとし穴也 うしろ足高サ三分 前の方是なし 手なり 一右の怒り厳は上の矢配もなく下の矢配もなし又矢た はね草もつるに付すほうたての内矢の根を受る処には なめし草をはり付て黒くぬる也其草の上に矢の根 前 一を置也矢は細き組緒にてあみて簀のことくしてかた はしよりくる〳〵と巻てあみ餘りの緒を廻して 躰の矢ともに巻て前にて結て其結目の上に上さし のかふら矢を一つあてゝもろわなに結て置也上さし はちとすちかへに取也絵図にて委しく知へし扨矢 たはねは別の緒にてする也たはね緒はあみ緒 よりはふときを用ゆへし 右の矢からみの仕やう 一体の矢体の矢はあみ終にあむ也 此緒は弓の弦のふとき程の組能也付処はゑひらの高かしらの下くひれめの 通りに当る処にかめくゝしにして箆に結付置也緒の長さ一尺五寸斗也 矢をあみて扨くる〳〵と巻てあみあまりの緒にて結てゑひらの内に矢を立る時 体の矢をらしろの躰の矢のつほに入て扨緒を鷹頭に三重廻してうしろ にてもろわなに結ひ置也鷹頭の下くひれめの所へ廻して結ふ也神の矢とて 別の夫にはあらす征矢也惣体のしまりになる夫なれは本体の老といふ心也 からみはしめ 第一 此朱引の如く上の折目を此里なの内へ入る也夫次も又々如此也 口伝云からみたる緒 一筋にてはよろしからす 長き緒を二ツに折て下の 図のことくむすひて二筋 にてからむへし 一根より上此からみ所迄七寸ほと間を置へし但根の きつさきより七寸也 第二 右黒塗筋は香取明神の社蔵 の箙を写制作せる也 からみはしめ第一 方立の処内外 共に地をして黒く臘色に塗受緒を継 菖蒲草を用方立の内に根形を不用 矢の根は直に箙の底に差入る躰にしてそこに なめし革を張それも黒く塗たる也如此くし形を 用さるも古よりの一種の製也 此上の折目を此わなの中へ引入る也是より次皆同し 此所は前の図に見へたり 矢たはねの草といふものも見えす組緒にて危をあ みて巻て矢からみとし矢を盛て同しく組緒にて 矢たはねを成す又方立の前に設たる情際は先へ行 て跡来かへらぬ書也此義を以て箙に付初兎おはん 此緒は鷹かしらの下くひれめに 三重廻してうしろにて もろわなにゆふ也 あみ終の方 躰の矢 あみ始の方 あみ始の方よりくる〳〵と巻て此あみあまりの緒にて二重 あみ始の方よりくる〳〵と巻て此あみあまりの緒にて二重 但して一結して其結めの上へ上さしの あふら矢をあてゝ又一結し して諸わなに結也 くる〳〵と巻結て扨此体の矢をは 一体の天のわなへさし通して矢 を立る也 矢幾ツも是に知へし或正は征矢 廿五也但躰の矢一上利の鏑矢一ツ 数五十もさゝるゝ也 何れも廿五の外也此ゑひらには矢 下に矢くばりあるゑひらの時は 上利を数に入て廿五也 ○矢からみのあみ緒のふとさ 此里程也長九尺但征矢廿一日 五体の矢一かぶら矢一のつもり也 五体の矢一かぶら矢一のつもり也 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 一万才 此之かいし 一重をしせん 一才いかさ家 一矢たはねの緒の太サ此星 矢たはねの駒の女 ほと也長サ三尺 体の矢に付る緒のふとさ 此星程也長さ一尺五寸 あみ始の方 あみ鰹の方 ぬり箙に矢盛たる図 右のことくあめば表の方のあみ め如此也此方を表にして巻也 あみ様かたく引しめたるはあしゝ ゆる過たるもあしく中位よし 上さしのかふら矢すしかふら矢すしかひに 立る也 上州は松平 たいの矢 矢たはね強く しめたらはあしく 矢からみ 前 あみたる処 此間三寸 たいの矢 十一日 矢たはね 体の矢 のびも 矢からみ 後 従宝徳長禄 ぬり箙の図 年間の器也 一名所いつれのゑひらも同し たかかしら 前 迄惣長サ一尺壱寸 上より下迄惣長サ一尺壱寸 はたてと云 矢たは 手と云 紫組緒 ねを 上下外ノリ三寸五分 足そうけ 名古屋貫工 出仕組して 同二二 こゝに段有 外ノリ 長サ二寸七分 ねを ほうたてと書 惣名也下の箱 のことく成る処をいふ 後 かけを 申上廿五日 長四寸三分 申十一月廿五日 一畔片二足 六分 外ノリ二寸四分 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□ □□□□□□□ 右ぬりゑひらは一名さしゑひらと云高 一尺二寸斗惣体の大サハ高サ惣応の見計 あるへし定法の寸尺何とぞ定りなし 方立惣体木目を見へてうるしをうすく ぬり色は木の色のまゝ也木は桑を用 弦は心鉄いて上に藤を巻つめたり うけをかけを矢多はね革等は み いつれもしやうふ革を用たり常式 のゑひらといふは此ぬりゑひらをさしていふ成へし 右ぬりゑひらは下に斗矢く はりあり上には矢たはねの葦を つるに付たり此ゑひらの矢からみ 仕様別書にしるし置故こゝには 略す也此ゑひらも別に組緒にて 矢多共ねするに及はす此矢からみ 十一月十一 は何ゑひらに及てもよし重宝也 露おとし穴吹は 鹿の角を用ゆ 此諸ノサキ 将箙図 相伝六宝徳より 長禄の頃の器也 一名しゝやなくま かりやなくゐ しゝゑひら 狩の時用るゑひら也 前 トシトヽシテ釘共ニ 角ヲ用ルナリ 木ヲ以ツクル 二十七日 シトヽシテ角 ふすべ草丸くけ 同断 「ヘリソノ つゆおとし すかし有 唐角也 後の図 後板ハ木目 を見せて うすしこる しにぬりたる 也 尻 第三十六巻 一右のゑひらす下に斗矢くはり有 矢たはねも付ず矢からみ次の図の ことし ひねる 矢からみの緒懸様の図 矢からみの緒は麻縄也 ふとき○此星程也絹 糸の組緒にてすへきな らは和らかに組たるはあしと 如此引懸て矢を からみ付る ずいぶんかたく組たるよし 色定メなし長サハ 壱丈限り也是より 長くは入らさる也 松 □□□□□□□□ 矢からみの緒 白島造 此緒にて矢を 手にくる〳〵 と巻付る也 ヘリ角ヲ 用ヒロサ 三分胎 モ〳〵中 ニ墨ヲ サス 外は角也 扇ハスカシ 矢からみの図 へ被仰聞候 御坐候へ遣城 やうに書を石替下候以上直見越被申上候以上 一菜株一菜株一株 今之所後田を有之候様御座候以上通り同夜 へ並にうつし開途晦日より奉公をす 巻数五巻 斗ナリ此餅 左より右へ 順に巻 ある しまとへは矢二十ならは十ツゝ二ツにわけて如此からむ なり十ツヽの内にても先五ツさし其前に又五ツ さすべし廿矢の時さしやう 外のやなくゐをもすへてゑひらと押移て云 習せし成へし此物狩の時に而箙にて 一野矢をさすもの成にやされは狩服 と云又鹿やなくゐとも言へる成へし此図 の箙を竹にて作りたるを狩箙といは すして竹箙と云はしめけるならむ 此右のかたへ 少しすじ かへてさす なり 左の方へ しかへ 右狩冠寸法定なし大成も小成も有惣体木を 押曲て作たる物也前後の板并手共に木を用ゆ 地を成して総体黒うるしに一体をぬへりたる物也 受緒懸緒ともに草を用先達の説に箙といふ ものはかいこを養ふてまゆを作らしむる器則 此筋の形也箙の字古代はやなくゐとよみしを 狩箙の形かのかいこを養ふ器の形に似たれはゑ ひら屋なくゐと云しを略して忍ひらと云しとそ 口伝書巻終にむすひなとする事はなしたゝ如此引出して多くり置とあ れとも巻終り引出して今巻たる巻目の内へ上より下へ引通して図のをく 多くり置矢一ツぬれ候へは多くりたる緒を引へき也矢からみ五帯程 然るへし巻数多けれは矢はしまりてぬけかぬる也 右に記す処の四色の箙の矢からみの仕様を本として如何様のゑひらを矢からみ すへき也右四等の箙は皆古代のもの也近代様々の箙あれとも矢からみ の仕方右四品にもるゝ事なし 箙の上帯の事 一箙に天をとりて負ふに上づりに成てゑひらかたふきて打かたふるゝ也是によりて 上帯をしてかたふかさるやうにする也上帯は組緒也ふとさ○此星ほと也長さ は一丈也色は何れをも用へし但紫は将軍家御用也三職は紅を用られ しよし旧記に見へたり平人は憚るへし筋に上帯の付やう左の如 し上帯を後腰へ廻して左の脇より前へ引廻して右のかたのわ なに結ひて緒の端の方とわなの方を取合せて三ツ打のことく組て 置也鎧の時は似たるを草摺の下へ押入置也何れの簾にても上帯 の着様替る事なし 一箙の負 左の上へ取 やう箙を後の方右脇へよせて押あてゝかけ緒をうしろより 前へ引おろし右のわきの下へ引 廻してかけをの一方長き方をう けをのわなへ通して一方の 短き方の緒と取合せ右の 脇下にて片わなにむすひ て緒の一方の端とわな と取合て三打のことく 組て置へしうけ緒 つるへむすひ 付る 上帯 前に記たる黒ぬりの 通すへし 箙は上帯を手草に のわな長きは 少しむすひ め二のへもよる へし扨上帯を して箙をかたむ へし何れのゑひら にても負様はかはる事なし 一筋の中へ硯石筆紙 なとを入へきなら細長き むすふ 此辺な五 こゝなれば はしををます見巻に 一世を一世を一世に 袋を縫て緒を付置 て硯鳶墨等を入は矢の後に硯をそば立ておしはさみて袋の緒をは箙のつる □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ にゆひ付置へし取おとすましき為也如此する事古風也思ひらに引 出しの箱を作りて硯箱にしたるも何れとも古風にはあらす武田信尽 弘治二年の書 の箙の書に 船引出しの箱を仕込事あれとも是も是も其頃の 光源院殿時代なり 新作成へし 長五寸斗 上帯常には如此多くりて上のわなを箙 引出しの箱あり の多か頭に懸て巻たる処をわなへくゞ ては雨なと引出しの らせて前のかたへたれ下て置也 箱に入て悪かるへし古代の風にはあるへからす利用を好は新作を 用へけれとも式正の時には新作のものをは用これさる也 一箙の数をは一腰二腰といふ也 一箙の字をゑひらともやなくゐともよむ也 一一罪を負て矢をぬき出すには根の方よりぬき取也 明和二年乙酉十月廿四日 明和二年乙酉十月廿四日伊勢平蔵貞丈記江 右四種のゑひらは元来伊勢家に御所持の処本多甲馬忠憲公御相伝 にて当時彼御家に有之 1889