婦足[カムロ]
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- 子興畫
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- 2026-08-17T19:23:17.762Z
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- 日本語
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- フタリカムロ
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- 東北大学
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- 2026-08-28T18:53:25.651810+00:00
締足婦三郎
一見料三匁に而も出
□ある事かりる事は
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
一此本をみる物はこれ
をうへらろし
みるに付ても
無見科に而ならし
無見科に而ならし
本清
自序
発行業腰死ノ図
いはく容たまこにしかくなしめも今か
有容卒爾云曰無鶏卵方晦日
不出月於爰傾城買可思物乎
対曰深実異見雖宜不了怒貴
雅又娼婦有誠不智徒也了察
博才真智深情之人仮令醜而
初会雖嫌連々通随了惚短二二二短短
才浅智薄情之人娼婦及妻
妾無有誠妹多言雖語則
染後了突出也又云則是自
語了云其有誠證拠死同穴
生同室之二也其朝不到難
定又對曰則短才也思離不
思片付縁也無是非了云亦
しぬめへとおもつでも。とんなことでしなふもしれず。いつそのことしん
雖存命因果到来難計自功
相對死雖思定業不任心此
故有誠而無縁時不了為如
何其趣意記所有戯作一
覧了考爾云
戌の
初春
成三楼
酒盛誌
子興画
十司/績疏
をよすかに
徳世須賀二
天台飛空能空能
川曽病礼留
目次
第
禿だちから廓に育直
一の手習情出て男波女
短夜の月
〆
波の清出に二世睡恋人は
第
一一
乱とだに得は伊吹のさし艾
燃る思ひの入黒症消のも
打解し要
堀も可愛さの其傍の似人は
第十
二一
嫌な客も解解紐は好た男
○枯木に花
丹する苦界縁は尽せで孝じ
生の元の心の穂出し其稀人は
燈を背ては共に哀なち聞
也
第
に真水の月の曇なたる散失る紅葉
旧契て我妻と定る人は
以上
婦足図成三楼主人著
思ひにはどふした花の咲ことゝ身にぞしらるう
やつらやいかに習ひしや勤しやとてもいやな
客にも逢ねばならぬ野夫ならこふしたうき
めはせまじいとしとのごはあゝ偏ならぬとは
苦界の中築雨のしみの中の苦界なるべしに付る羽屋
《?:の一構楼上塵埃をはらつて酸歯楓ひ
細腰舞突窕たる娼妓蝉絹たる新雛
荘々たる禿喧声譫笑盛々として吉野
立田の花錦色香あらそふさま〴〵に客の
信実をよろこぶあれは薄情なるを恕あり
或はきれて哀み呼で楽々意気なるを加
愛がり己惚を悪み或は都合を欲あれは
さがりをはらつて仁るあり義顕あり大門迄
礼るあり智辺て呼あり信述てかへすあり
五常七情もまのあたりなる其中にみつきは
たちし月汐のつき出しのその日からふ
となれぞめし恋人をかひせし朝はしぬ
はかりおしき別の暁やいつにかわりし衣〳〵
に二世とかわせしむつごともとうかかかうかと
あんしられ互にあどなき心がら思ひ
すごしは人いちはいおもて座敷にしん
ないたこも身にしむ折からを
せうじをあけ
清時
しん
さつきのおみくじ本をかりてめへりや
した何番ざんす□」よくかりてきてきて
おくんなんした六十四でざんずわたしがよ
みんじやうからはんだんしておくんなん
しさあよみいすよみいすよみいすよみいすよみいふ安居且慮危図
ムウ心やすくいたと思へども危くとはか
りありそふにみへて心ぐろうきづかいは
えぬなり国ほんにそふざんす一昨日の晩
ねどふもつねのやうでおざりひせなんだそれ
にわたくらに灸をすへろのやれかん積を
おこすなのとそのほか夜ひとへ心にかゝる
ことばつかりさ闇あんまりおゐらんがこ
つておいでなんすからわざとそんなこと
をおつせへしたらう円情深主別離
なんとおざりいす図ふかく心にかけて思ふ
人にわかるゝことおゝくあるべし慎べし
それもしれんせんきのふのあさかへり
なんすときついぞないつめてへ酒をちや
わんでのみなんすからあたりなんして
はわるうおざんすからあたゝめイしやうから
おだしなんしといゝしたならあたつて
しんだらいつこふよるらうそふすりやァ
是がおいとまごひだといつたきり出て
いきなんしたからわるひことをいつたと
おもいゝして道〳〵何をいつてもろく〳〵
あいさつもしなんせなんだか大門でわた
しが顔をふりむき〳〵みていきなんし
た□つゝしむべしとおざんすがどふしなん
すりやいひのだね月風飄波浪急あ
とをはやくみておくんなんし国おまち
なんしよソヽト風つよく水をふきかへし
波あらくしきりに吹かへるゆへ水鳥
うろたへとほふをうしなふたり十一紀島
鶯各自非周ゑんわうはおしどりなり
めすおす中よくたつもいるもはなれぬ
鳥なれどうろたへはなれ〴〵になつて
とび行ていなり月それがほんならどふ
うろたへずにいられへしやう何ぞつま
らぬことでもできつきつめた心がら
ひよんなことでもきくやうなことがあつ
たらなんとしいしやう闇」まどふいふやう
する人をやつておみなんし月わたし
がゆめみからす啼おみぐじの表はわるし
なんぞ子細がなかあかないすめへ清それな
らマア文をおかきなんし山里屋へもたして
トうはさの所へ茶やの
やりひせう
わかいものいそがしそふに来り
茶おゐら
んとんだことでこぜへます志厚さんが
おみへなさいませんとさそれで手分
をして尋ねるとつておともだちが二人
づれでお出なさゐましたが上を下へと
大さわぎおみくじでも占でも
なにとも様子はしれず母御は狂気
の様になつておつしやるには吉原に
ふかくなじんでいつた所があるそふだ
が親にはたとへかくしても女郎は様子を
しつているめへものでもなひ茶屋はたし
か山ざと屋と聞ていれどもひよつと
まちがはふかと書付をもつてお出なさ
れましたおとゝひのとき何ぞかわつ
たおはなしはございましなんだかときくより
はつとさしこむしやく
なきたいところをじつとこたへて月
ふおもつておくんなんすものをどふしたわ
けであろうともかくしなんすが恨し
うおざんす金のわけでもあるなら
ばたとへくがいをかさねてもどふなり
となりひせうものを茶 ̄サアそりよりより
あちらでもおつしやるそうさ女郎の
ことやなにかなら請出しなりと
どふなりと金には久ぬ大事な御身
分さて〳〵きのどくでこぜへます
情なにと書て有るそのかきつけを
トひろげ
覚峨十九色白
てみて
おみせなんしと
く背高く鼻筋とをり眼尻あ
がり眉こく髪中たぶさ歯なみそ
ろひし方茶夫にこゝがあきらかと
むねを
おゐらんのまよ
いふもんだから候事をおゐらんのまよ
わつしやるもむりはござりやせん情
一ッ羽織結城書一ッ下着嶋ちりめん朝
非ぢりめんに嶌ちりめん額小袖と云
しかもこりやァおゐらんといつしよに
こしらへさつしつた小袖ざんず可じゆ
ばんしぼりちりめん一つ帯花色繻子
月一昨日のときがたりでおざりひした
ホンニ親とも兄弟ともたのみに思つて
居るわたしをすてゝあとでどうな
ろうと思ひなんするたとへどの様に
おちぶれなんしやうともかわらず顔を
見るならばまたすこしは気もはれ
なんせうに此雪のふるさむいのにどこに
卜わつとなきだす二人り
どうしていなんすやら
とても思ひやられても思ひやられてもる
いなきしばしことばも
なかりしが
どふぞ仕様はおざんずま
ひか茶おゐらんで御存知なけりやマア
みやくはあかつたやうなものそれに三日
がすぎてはしれてもどふもなりません
とさしかしお命さへあつたならまたど
うかおせわの仕様もごぜへませうが
ひよつと此書付と引合てもん類
ようなことがあつては清」どふいう訳
であんなんすやらおとゝひの晩あの
なつめばりとやらの銀の喜世留をい
つそすいたなりだともふしひしたら
越川の黒船とむの多葉粉入とき
せる筒もいつしよにしてもふこんな物も
いらねへからやらふとおつせへすかこそ
れでもお帰りがふじゆうでさんせうと
もふしひしたら是はおれがすんした
からしまつておきやといつておくんな
んして色男にやるだらうのなんのと
からかつたり何か致ひしたに此様
なことゝいふは茶ホンに夢のやうで
ござります月家をそふざんすならた
つねて見るのも今日一 ̄チ日清入相まで
はまだ二時菊日のたけぬうち
つともはやう茶どりやけへつてそう
もふさう
昼見世のしらせがら〳〵〳〵
がら〳〵〳〵
第二打解し雪
さるものはうとし燈籠の細工すぎ
とは花街の情にかなへる俳諧なり
月汐は志厚にわかれてより明くれ
あんじて積となり思ひ出してはかきく
どき悲歎のなみだにしづみしが内所
をはじめほうばい女郎さま〴〵に異見
をしたりなぐさめたり兎やかく月日
をおくるうちもとより発明の生れな
れば呼ひ出す名も滝川のわれても
すへにあはんとぞおもき身がらは一トしほ
に世間も広きつけとゞけ新造禿も
花やかに金盛なほど苦界はなをもふ
すかゝみうつり暫は夜毎の枕かはら
ぬ心のそのうちに別れし人にどこ
やらが似たと思ふが縁となりむかしぞ
つらきあはれてふことをあまたに
思ひいだしもたまさかにこなたは猶もかよ
ふ神かけてちぎりし客「雅マアだま
つていやなおもしろそうないたこがきこ
へる
おもてざしき
にてしんないいたこ
〽かわひ男のまれに来て
おもひのふちのうわささへとふざる
ほどあさくなり〽おりよウよんだは
じまりはてめへがわかれた色男に
似て居るからのことだと関川二アレサだ
まつてあとをおきゝなんし〽思はぬ
人もしげ〴〵になれそめごゝろう
つかりとあふ瀬つもればふかくなる
〽︎あのいたこもてめへがつらつた
といふことゝもなにもかも知てゐなか
ら色おとこのけへ玉につかはれるでもあ
るめへす□それをしつておいてなん
すおめへさんなりやそふも思ひなんし
やうかぞりやァまたとしはもゆかず
何のわけもしりいせんじふんのこと
〽□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
だるそれを苦にしてわづらつたじ
やァねへか「咲」そりやァ子供こゝろのか
なしさにつひなみだかてゝなりんせ
なんたいきたかしんだかしれもせん
志厚さんおなじうき世にいなんすほ
どならたよりのないはづもおざんせん
こればつかりはちつとも思やいたゞひせ
んまた似たからほれたとおもひなん
しやうがそれもあつてすんだむかし
のことこうなつたうへからは今さらぐ
ちをおつせへすおめへさんでもおざんす
めへ〽それも聞たからいふものゝこれ
まで手めへがいつたこともまんざらう
そばかりてもあるめへがかうといふ何ぞ
わかつたこともねへにうか〳〵きた所がつ
まりもせす此頃しやァおやぢも番頭
も気をつげるやうすおふくろにも
そう〳〵はいはれず何かに都合もあ
しくだから手めへにもちよつとはなし
た茶屋の残りや内々の借金もいつ
すふちだしてしまをふかそふすりやァ
しばらく気つまりもしにやァならず
トしばらく
かんがへ
しかしてめへにももふあうまい
とおもやァ大きな事もねへ咲それ
そんなに情がおざりひせんこれほど
までに思つていゝすものをおめへさん
の気のすむやうにどんなことでもいた
しひせうまた内證のことをおつせへし
たなら金は出来いせうがそれじやァ
来ておくんなんずこともなんなんす
めへちつと心あたりもおざんすから
はたらひてみもふしいせうそして
どれほどやらとおつせへしたね駆
ちや屋ののこりが十五六匁もあろふ
しどふあつてもけへさにやァならぬが
たしか三十目であつたけへ目のまへ
にたくさん有るをみながらわづかなこ
とにつまるといふはさりとはしがねへ
みくうに
にて
咲こんどこそ
身のうへだぞトにくら□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
わづかでもこれまで段々の跡でざ
んすものどのみちわたしがはた
らきひしやうからそんなにふさいで
おくんなんすな非それができりや。
あんしんだがどふもきざなは志厚と
やらたとへたよりがあるめへが虫左衛門に
なつてしまをうが手めへの目に見へ
るうちはおれが心ははれやらぬのさ
トいわれてさすがの咲川も
○咲おめへさんにお影が
しばししあんにおちざりしが
おざんすおいやならおいやの様におめえ
さんのお心いつぱいをほつておくんなん
ト左りの手を
し
まくつてだず
〽飛そりやアおもしれへおれ
が思ふとをりをほつたあとで彼是があ
非雅二世の
つちやァすまねへよ
是でもふし
つまとほる
目をあいて
ぶんはあるめへな
みてにつこりとわらふ且是
でわたしが願はたりひしき〽てめえ
これでもふいひのか関」よくつてはさ
非手めへおりよウばかにするな此あは
だぢうからちらりとにらんでおいた
朝夕てめへが目にみへる此色男はどふす
ト手ばやく右の
手をもつ
るつもりだと
○咲こりやァ心で
くつとせ
きこんで
かためた二世のおつとさ
がそのくそおちつさが気にくわねへ
うぬ
それをしらねへおれだと思ふか右と
左 ̄クにそのほりものかくそふともしやア
からんでわたしか夫もおゝわらひだ常の女の
蜜男同前こゝなすそつぱりめがうぬと〴〵
よせひきまくればあざ
そんなにびつくりしな
やかに非雅二世のつま
んせずとよふざんさァ飛」信実みへし此
ほりもの今迄おれになぜかくした咲しり
なんせばあつかましいとおさけすみなんす
がはづかしさ手づからおほんなんした
うへからは非」心晴ての二世の女房
嬉うござんす悲したがおれにやァ大きに気
をもませた「咲」かんにんしておくんなんしト
例のころし目しりめでにつごり此ときの顔うちへかえつても
たつてもいてもねてもさめてもちら〳〵とみゆべしこれゟ
はなしいたつてひくゝなり何かきこへるやうできこへぬやう
なりとういふひやうしかたんすのくわんがカチ〳〵〳〵
〳〵〳〵〳〵
第三
第四
枯木の美
散失る紅葉
〽〽夜あふゆきゝの人のうかれ妻いく度
かはる契りなるらんとは遊女をよめる
歌にていとあわれなり中から下はいざしら
ず物の哀もわきまへて何かの道もく
らからぬ実も厚き心から幾度かつる
枕たも客の心を思ひやりいやとおもへば
おもふほど猶すてがたき座敷の客名代
ざしきは秋の夜の千夜を一夜となせり
とも言葉残りて鶏のなくおしき枕を
ふり切るももとはといえば人のため咲
ちよつといつてめへりいすから寝ずにお
いでなんしへ〽〽非おれにはねつにいろと
いつておひて手めへは座しきへいつてち
きるもよつぽと虫がいゝ咲」よしてもおく
んなんしすきいせんよ「すいたこと
ばつかりあれば昔けへとはいわねへは
そりやァそふとかのことを首尾よく
やれよ咳ずいぶん妙才はおさかひせ
んかいやな客人に出るのも勤のならひ
なれはしようこともおさんせんがとうぞ
しておめへさんがよひたければこそなん
ほいやな客人てもわたくしをにくひと
も思つておりひせんものをうそをつ
いたりだましたりするのが気はつかしく
つてきのどくで是が誠の苦界でお
ざんさァ
すそつぱりの情の有るものだはへその
きのどくなことをさせるのもみんなおれ
ゆへと思へば口おしひやらかならひやらまた
きやつがむくつてきてどこぞの果には
どのやうなめにあふまゐものでもねへはやく
了簡をするのが上分別かもしれねへ
咲またそんなことをおつせへす人に
飯
無心もいわずりつばにおめへさんをよび
もふすやうなればなんにもいゝぶんはお
ざんせんはなまだ此上にどの様なことで
もいとやいたしひせん兆そりやァお直
のことだてめへがさういふ気なりやいう
ことはねへがきつく迷惑そうだからさ
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
咲おめへさんの気に入りの猪口は今だ
咲か
しにいつちやァわるうざんすからこれに
ありあふちやわんにてたがいにかほを
しなんしとは
しかめながら一二はいぐつとのむ
清川
さんこのあいだの雁金とやらをよくほふじ
て煮ばなをしてあけておくんなんしそし
てぬしをねかしもふしておくんなんす
なへ非そんなにうかさねへでも寝るこ
とではねへよさ早くいかざアあしからう
せ咳がつてんておざんす「飛おさらばヨ
ひつかへしになる咲川
バタ〳〵〳〵バタ〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵
がざしきとかわる
せか
ト夜着のそで
咲あつかましい寝なんすのかへ
を上ケねどこへも入る
あんまり早速だがこないだおたのみもふし
ひしたこたァとふしておくんなんすいつそ
苦労ざんすはな薄情
しよと思ふて持てきは来れども夫につひ
てわしもいふことが有て。兎。いふてぐた
〴〵しくならべた所が紙づゐへ第一板木
屋のそんじやによつて肝用な所ばかりちよ
つぼりいふからようきかんせいわずともな大
功なものをおいといふにはこちにもちつて
望があるがきいておくれるか咲そりやア
のぞみも望によりひせう私も勤の身で
ざんす薄そのつとめの身知て居るてや
外でもないがあの生がとやらにきれて
もらゐたい関」非雅さんのことならいつ
てもおくんなんすな今じやあ先から愛
そをつかしてめへりひせんものをたとへ
わたくしがどう思つても画はたちはせん
からかんにんしておやんなんし夫ともなら
どのよふなことでもいつて遣ひせういま
こゝで文をかきひせうかねたと人
目の前で突出してみせてもわしはお
つゝけ上 ̄へ登た其跡幕の筋もわからん狂
言にうかつに金元はマァならぬ咲してどう
すれば気がすみひすへ薄互にあは気に
つきはてゝも心はうごかぬ此野郎を聞
あぶりにしておもせイヤ其ほりものが
消てもらひたいなんとイヤコンとふじや
物をいはずにうつむゐて居るはでき
恋といふことるそつちが出来にやこつ
ちも出来ぬ咲川ともいわるゝ全盛では金の
いるもしつているが此金ばかりは敵をよぶさ
んだんととふからわしがねめておゐた
にちがひはごんすまいが咳くどうおざん
す足をちかくおいでなんした時分は直
におもつてもおりいしたのさ又いきな男で
おさんすものを此様なことも致しいし
たはおめへさんのきなんせんさきのこと
すへもとげなひ此ほりもの薄そんな
らきやすか是ばつかりはなるまいて関
ばからしい神鳴さんじやあるめへし夫程
ト灸を
消してほしくはけしてもあけイせうと
とり出し
口のうちでおめへさんのほんなんしたほうではおざんせんからかならず
はらをたつておくんなんすなと思ひ切て火をつけすつはかりと消て仕廻し
目をあひてよくころうじいし薄夫で
こそ卜一々のおやまさんなれでかした
〳〵一向/一向/一向/一向/思ふ
て呉るものをとうかんがへてもなきの
あけるまではまたれんそれしやさかいで今
七百九十両迄に相談すれど八百両でな
けにや手をうたぬと亭すがいふに寄て
見合ていたが今の信実を見るうへは
とすへのぼつたらもふ十両きばつて女房に
するほとにそふゑふてたもれや「若も
それがほんの事さんすりやわたしや
しんでしまい ̄イず程うれしうおさんしやう
薄ゑろうあぶらをいふてじや同しもかふ
して年に二どつゝお江戸へ下るたんび
弐百と三百はどこへかしらやつていくが
こよひのやうなこきみのよは嬉ひ事は京
大坂でもはつものじや此悦に一盃のま
にやならんサア手まいにさすぞ関アイ
おつぎなんすなたべ[イ]せんよ薄こゝで
よふところよりは
お肴をするじやと
五十両取出し
サアむかでゞ
はなひぞへ咲」こりやアもふおありがたふ
おざんすあの子にわたしておくんなん
し清川さん其こつぶをおよこしなん
しそして猪口と夫とをあのよしか
はやくよ清承知でおざんす薄さん
そこ〳〵にあいさつ
ちとおやすみなんしとに
して包のまゝ持て行
咲サアこれで一ッおあがんなんし「薄こ
れでのんでは大きに過るがなんのどい
じかようてこませイヤよりつひでなら
あの磯はどふしたかちつともよいかしら
ん咲宵にいつそあげたりもどしたり
しなんすとつて姫川が金丹円をとり
所へひめ川とつれだつて薄情が
にめへりイした
にめへりイした所の居候磯冷郎とほうをうしないしては
《題:「濟」扨々大きに酔ました薄どうじや
今尊をしてゐた二階へ上ルがはやいかたを
れてのけたが心持はもふよいか「磯」もふ
さつぱりさめましたなにがたゞすてたべは
□□□□
たりへ馬道の冨士屋で善だまでは覚て
ゐますが夫からはどこをどうまいつたるさ
コリヤア
つぱり夢中でおぼへません
もふ思ひ
かけねへあの子の大やつかいになりました
姫この客人はいつそ気さんじざんさァ
なさつき肉を覚しなんしてこゝはどこ
だとおつせへすから戸羽屋でざんすと
もふしいしたりやぬし一人が薄さんと
一所にきたかのなんのといろ〳〵なことを
粗問なんしてきよろ〳〵とそこらあた
りを見廻しなんすからいつそ気味が
わるうおざんした私を狸たとてもおも
ひなんしたそふさ
あんまり眠るからさ□いやおいらん
先刻はお薬をありがたうおさいます
薄さんのおはなしてお名は毎度伺
ましたそんさいものでこさひますお
目をかけられてくださいませ咳」とも
てかいつそお過なんしたそうざんする。
もふさめなんしてとこもおわるかァお
さんせんかとつといふものごしから
さんせんか
思へと口元目元むかしにかわるかほのやせ
よもやと思ふこなたにもうつてかわりしなりかたちさき門はあ
んとふかきたてなからつく〳〵とみてとり落すかき立ほう
ヲヤ国□□手まひたちは何をうかアア
しな身ふりをする関
似てお出なんすから磯色男には及も
ねへが金持に似ていやしたれらいゝとり
かかゝるめへものでもこさりやせんノか薄さ
ん薄」おゝきにさなんちを呼は金のことしや
そこでこちらはこちら、じやてや磯」お
うら山よひお身のうへたした候女郎
買計はさつぱり思ひきつて居ますよ
まもりぶくろより
□□□□□
二つうとり出し
此書付によく似ておいで
なんすこりやァさる所のおいらんの十六
の突出しから深く馴染みなんした
客人がありなんしていろ〳〵言かわせな
んした事もあんなんしたさうだにどふ
いふ訳かそのおいらんをふりすてゝどけ
へかいつてしまいなんした跡で此書付を
もつてつれ衆が尋ておいてなんした人
相がきとやらざんす夫で其おいらん
の思ひなんすには此世にさへおいでなんす
程ならば風の使はある筈海川へ身でも
なげなんしたことかそれさへ知れねば
回向もならず毎日〳〵泣て。ばつかり
それがもとになつてわづらひなんした
からほつこりとした風だつたけが今じやァ
痩おとろへなんして昔のさうがうは
おさり[サ]せんから見違いすよ「磯」其様な
馬鹿者に似てはわたしもあんまりか
しこかァねへとみへやすしかし身で
も投りやァいつそよふごぜへせうが海
えも川へもへへりやあいたしやすめへさ
だめてわづかな金にでもつまつてほんの
若気の誤り今じやァ無後悔でごぜへ
せう薄どのやうな衆かはしらんが我身
は覚悟のまへしやが其親くがゑろうな
きおるじやあらうおやまは其当分ばか
りでつひわすれて仕廻おらう関いく
ら流の身でざんすとつてさう浮気ば
かりでもおざんせんのさおやごさんのおつ
せへすのには添たひと思ふ女郎衆でも
あんなんすならそはせてやろ金には
かへぬたつた一人 ̄リの血筋だからとつてお
ハテ
そういふこと
なげきなんしたさうさ
でごぜへましたるそれほど迄にお慈悲の
深ひ親をすてるちくせう同前な子なら
亀雅は咲川が
ばちがあたらざァなりやすめへば
どるはしさゐそあらんと名代しんぞうがいびきを
さいわいにそつとぬけ出たちぎゝをするとはさすが神なよ
ざしきにててま
つまへ
その
おいらんも幾度とか死ふと思ひなんした
なれどねんのうちは主人のからだ手めへ
の自由にやせぬはづとつれなひ命
をながらへなんす其内にわかれなんした
客人に似た人があつてせめてもと思
つて呼なんしたうち直に今じやァ深く
なんなんして其もの人のことでいろ〳〵な
苦労もしなんすそふだが思ひがけねへ
ことでその死になんしたと思つてお
いでなんす客人にひよつとあいなし
んしたといふやうなことでもおざんした
なら未木にまさる元木なしとやらで
跡の客人への義理もちじよくも打
わすれなつからひとうれしいで人目
がなくは物。いわず抱付てと心であせ
つておいでなんせう
がうわ気といふもの夜ごと日毎に
かわる枕永ひ月日の空うちにはおも
しれへこともできにやかなわぬ指
を切るの髪をきるのと深くなる程
ぐちになりふたれたりぶまれたり
する度ことにかわひさが増ときて末は
夫婦と神かけていひかためたうへは
こんりんならく心はうこかぬはづそふ
またよりが戻てはちかつた神の罪が
あたりあぶもとらず蜂もとらずの
ちにやァがいこつの置ところにもこまり
いやな男に身をまかせ一生を誤るはみ
えてゐるそれよりか初の客の事は宵
の間の夢とさとりいひかわした男にま
ことを尽し一生楽でくらすがやうこぜへせう
したが其おゐらんに引かへて其男はみる
かげもねへ居候の身となりしつけもせ
んじみつたれた業をしても其傾城
とそふことかめへどのことを思ひ出して
ふさゐだ時分一盃のんでわすれやう
と思ふわづかな酒さへも侭にならぬつら
ひくやしひはづからひことはかり石に
簡からとはいふものゝは傾城とも馴後
ず家を出ざア今頃はと思ふ度に血の涙
同しうい孫の顔を見る親遅も其息
子なら嬉しかろうに跡は他人を養子
にして親には苦労をかけ其身はうき
かんなんそれも誰ゆへと思ふ人は色ある
花の仇つきに面白さうなを余所なが
らみたならばにくゐやらなつかしいやら
咲川がかほを
うら山しいやらで
三十日に月
さつとみて
は出ぬはづとあきらめてもあんまり心持
はよくもごぜへすめへ□□そうでおざん
せうにゝゐやつだとおもはれなんしてもさ
ら〳〵無理とはおもやァなんすめへ似
たのをたのしみに呼なんした程てざん
すものを其はじめのにあいなんして
今のやうなことをお聞なんしたならか
ならひとはづからいとでいつそのこと別
なみだを
は思ひなんす存
なんした客人のは
ふきながら
分実なりと切る成りて手にかゝつ
て殺されなんしたなら嘸本望夫
もならずは目の前で其言訳に死で
仕廻ふと思ひなんせう
い犬同前な似城をだが手にかけて数
やせうそのやうなくされた根性でま
さかといへば死にゑゝることじやァごぜへせん
のさ咲何の死急やあしなんすめへか
じやうす
かわつてかけ
いだすたもと
をとつて
マレはやまるまひ月後わりやァ
磯
気がちかつたなは
つきて
ふつときが
ハヽハヽハヽ〳〵〳〵
わたくしとしたことがよその事をたわひも
ねへこりやァモ大笑ひでごぜへますとき
薄情
をみれ
ば宵のこつぶにめいていし
ぜんごもしらずねている
咲
後
だ
トわつとなきは
おはなしなんし志厚さん
大
さし
トふりきらんとする袖の匂ひに
またもへ出るあいじやくしん
あひもかわ
磯
らぬ手めへがそぶり思へば恋しいこの
袖の香咲こうならうとは露しら
ずいかに年はがいきイせなんだとつて
気備ばつかりもふしひして沢山そ
うにしたことゝないてばかりおりいし
たを寄てたかつて異見をしたり呵
たりいろ〳〵なことを申イしたに
だまされ。今色たてぬるなんだはぢ
う〴〵わたしが誤りどふぞけんにんして
おくんなんし
こは〴〵そつといだき付
身をくゆるなみだのふち
義
そのやうなたのしみもなくつては長い
苦界がどふ命がつゞくものかそり
やァさら〳〵無理とは思わねどこの
しみつたれた今の身のうへ手めえ
までのつらはごしだ
なひことをおつせへすいくら働のない
わたしでもおめへさん一人り立派にす
ぐしかねもいたしイすめへは上でわ
たしが呼申 ̄イすに難がなんと申イせ
う磯にそふした所がとゞは手めへの身
のつまり是まで段々の世話にも
なりすへは女夫と身をまかせて居る
客への義理たゝずおれだといつても
寝てゐる人には言葉に尽せぬ深イ
忍今度店をもたせようと迄の愁節
まことに実身の親同前とう思つて
もあわれぬ時宜ゑんのないのと
思ひ切るのが直の身のためといふ
もんだ咲それだといつてもこれがマア
どう思ひきられいせうほかにしかたは
おざんすめへる磯さればさそふいふこと
はみんな後編のことにしてしまつて
義理もへちまも打すてふか
ならどうぞ磯つれて咲にげて磯子
覚
びつくりしてひざよりほう
薄情が
ヱヘン
りだすさき川がそでがまく
聲が高へ
ねかへり
れて半ぶんみへるほりものいかなる所及やたちきゝはあん
どん目あてになげこむ五十両ばつたりきへてしんのやみ
ヱヘン。ヱヘン〳〵〳〵〳〵〳〵
一婦足禿大尾
梅暮里谷峨著
色男姫めはほれられ後に突出れ後に突出れ
傾城買二筋道
不男防水はふられ後に解る書たる
編同廓之癖
風
二
□□□□
か同宵之程
此つきにて左かひにふかく成実
をつくしあふ所をかきゝる本也
これもたかひわつらいあふ種ほれ
逢たるとも浮世しばし隔らるゝを書
たる本也
傾城買猫之巻
女郎のうそをよくしれか
よふにかきたる本也
白狐通
地もの女郎の情かき南方
の論をするおもしろき本也
つとめのほしにきやゝに逢ふ
契情買言告鳥
おもしろき本なり
一悶たるすゝいろ〳〵しのひあひふて
辛同二編廊之桜
る所まて書たるおほしろき本也
一男子の夜いろ客をよふならひに
酉傾城買甲子夜話
て二階へ色客のあつまるを書なり
夢によそへてあいかたに手馬
新契情買中夢之行
をいふおもしろき本なり
辰巳のしんの手をかきたる
おもしろき本なり
版鶴岡花撰帳
追々出来仕候間御求御求御求御被下候
戌新版
梅暮里先生作
此書はけいせいのしん
手きやくの心いれ其
外郭中のいみを記す
夢汗二編全一冊
同作
けいせいかいのこん
たんあるひは
冊客の見わけ
其外こゝん
甲子夜話二編全冊客の
おもしろき小さつて
通気
成三楼主人著
切にきられぬいろ客かふし
きなる全一冊
《題:婦足長間全一
多志
出来ところまでをかきたり
同作
青楼小鍋立全一冊のなん名はにいせいゆひ折の口は
青楼小鍋立全一冊
同作けいせい買のいみもてるもてぬ
五全一冊のなん名高いせいゆひ折のげい
出来者茶屋女房其外蜜のうがち也
論
同作ほれた人にはそはぬが義理いやな
全一冊男にそうのも義理死ぬことなら
属婦たり禿全一冊
近刻ぬは主人へ義理哀に面白き本也
契情額小袖全一冊
つうな客が女郎にしん手を
全一冊おしへいろ客をよばせるあた
追割らしきしゆこうの本なり
神田三幡町
堺屋内