奇縁結赤縄 初編
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- 歌川國貞畫
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- 場所: 江戸
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- 歌川國貞畫
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- 日本語
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- 藤岡屋彦太郎
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- 10010000014376
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- オツナエニシムスブノイト
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- 東北大学
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- 2026-08-28T18:53:25.651810+00:00
狩布
2冊
小三馬作
国貞画
上
天保十三年
壬寅春発行
本郷五丁目
藤岡屋
彦太郎上梓
一九一一一、、、、、、、、、、九九九九、九九九九九九九九一
三世相應
奇縁結赤縄
二世物語
初編
四冊
上之巻
一本編にてもめでたくおさまるそのなかのすぢを
のこして亦来春の第二集とあはせてみれば
出のつから続のやうにもなる合巻人ひとりたにあやまち
なくをかしみもある世話仕組めでたき春の新絵冊子
武蔵三馬作
香蝶楼或貞画
天保十三年壬寅春新彫ノ
豊井恭信氏ノ寄附
江戸本郷五丁目
明五十八時入せん
藤岡屋彦太郎上梓
一一一、
百年の夫婦はあれども。一世の情人絶てなしと。支那の詩文を今茲へ
引くや縁の序も。彼二柱の御神。心浮橋仮枕。是ぞ夫婦の本原にして
夫は神代のむかし〳〵。印土にては釈迦といふ。粋な如来の見通に。二世三世をば説
分し。金仙の方便氷上人語に。縁を結ぶの神風や。伊勢と日向の夫ならで。
変た趣向を組糸の。作者は夫画師は妻。作者が種を儲れば。画工が絵組を
案じるより。産が安之稿成し。上下二冊の夫婦子にて。直に書舗がとりあげて
刻字匠の手に精彫し。蝶よ花ある刷色匠が。口紅沢山盛粧に。装釘工が
衣装の好。外題の工夫著色まで。香蝶楼の丹青にて美本の妙図中丁
数二十冊子より。桜木に壽を祝ひ。牙人の書僧。月下老の稗史肆
から。買人の文庫へ新宅渾家。陸月の翫弄。夫婦離れぬ二冊の合巻。
喝采の千万声を給はなば。書賈の家徳相続して。尚二編をもとめ給へ。
天保十二年壬寅青陽叢市式亭小三馬戯述の六十一日
式亭小三馬戯述編
示絹
金壱分ツヽアキ
父茲にむすぶの神といふものありて男女のえんむすびをつかさどるなり
これをもろこしにては月下老人といふ月老といふ神は男を
つかさどり氷人といふ神は女をつかさ
どりふたりにて男女えんむすびの
ことをはかり給ひ赤縄といふ
判兵衛
女房
於雛
なはを男女のあしにむすびつけて
ふうふとさだめ給ふこの赤
縄といふものは
日本にいは
ゆるえんの
いとなり
月花日
〽さても〳〵
いそがしいぞあゝ
われながらげつ
われながらげつ
らうせんばんなことだ
こうぼうぐみきさま
は又わかいくせに
どうまちがへたかに
なんでもどこ
にるわるさ
をする
やつがある
と見える
氷人きつ
やい
球人
なつたはんべゑ
に小ひなを
いゝが
むすんだは
かねますやのこしもと
金舛屋婢女
茄千代
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
おちよがどうして
むすばつたかみどほしと
いふかみにもわみぬ
からぼんぶには
なほわからぬ
はずさ
金舛屋判兵衞
トシリングランド
下見
赤縄
よみはじめかまくらに名だゝる茶の
そうせういへゐ久しきゆきの下みさほ
すぐなる可仁斎様松田静
公弟せいおうと
いへるあり
一
おこ
なひ
たゞ
し□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
ゆゑ門弟
あまた
ありていへ
ゆたかにしもべ
おほくめしつかひふうふの
雨かにおそのといふてことし
二八のはるのはなかまくら
一のきりやうよし女のげい
一のきりやうよし女のけい
のうこと〴〵くならひうかめず
といふことなくことに茶道だらは
いへのしよく口でんのこらず
けいこすみれうりなにかのもの
ずきまでよくどこへだしても
八十七ゟ世のぎりのあるよしにて宗匠号よりの
ことはりのよし金右衛門はなされ
けるをきくとそのまゝ仲八かけあひ
宗匠へふづくりかけそのむすめ
ごをらいねんのふゆまでにはせつ
しやめがきつとおなかだちいたし
ませうわかだんな金五郎さまへも
おきづかひなくこの仲八にばんじおま
かせなされませと金右えふうふに
やくそくせしはもはやきよねんの三月
にてもう一年半のよもたちてことし
九月のすゑになりあとげつまでは
せいをうふうふもどうやらさうだん
もせられさうにいはれたやうでもあつ
たれどにはかにこのごろさたのないははま
ぐりのすひものならでぐりはまと気を
もむ仲八おえんもともにおも
忠
しろくもないちやのゆを
おもしろさうに見せ
かけてけいこにゆくも
此こんれいをとゝのへ
やう為ばつかりこれが
できぬその時は
ちやのゆにはかね
つひやしとくい
のだんなはふしゆ
びのすぢ仲八が
一せうの身のふちんとふうふうはさとり〴〵
こぐびかたむけゐるところへとみをるやの
手代忠兵衛といふはつめいもの男ぶり
◑又左ゟとへば忠兵
ゑ小こゑになり
ゑ小こゑになり
〽けふおまへの
ところんまゐつたは
ほかのぎでも
ござりませぬ
かね〴〵おたのみ
まうしたちやじん
せいおうさま
ごそく女の
ぎ御ぞん
とほ
り
てまへ
主人
大町
まづ
さう
おうに
くら
され
ますれば
わがだんなへ
よめごなと
とりますには
あまり心げかひ
もござりませず
はう〴〵のれきく
はづかしからぬむまめ門
中のれき〳〵からもらひたがる人
らずしれずされど静翁ふうに
のものはひとりむすめの事なれは
よきむとをとりあととりに
するしんていなれどさすが
それとはうちあけずことにかたみ
かてほとはうちあけすことにかたら
うらみができてはとえんづき
の義を門身中へよしなにこと
わりいひまはせしゆゑとんと
おえ
もまた
おなじくやくしや
にてきついせわずき
されば仲八せい
をうがでしと
なつてよほど
ものをかけもと
でを入れしもことしの
うちにぜひものにする
そのさたはやみけるが此せい
そのさたはやみけるかびせ
翁がもんていのうちに
翁がもんていのうちに
ほどよしや仲八とてよろづ
のふくろものをあきなふ
うとくのものありけるが
これまでもたび〳〵よい
こんれいのなかうどして
めつきりとしんだいを
しあげ手代あまためし
かゝへかみ入れたばこいれの
しいれしんがたのくふうさへ
よりちやをたのしむもむすめ
ごの十六七をまちうけえんづきの
とりもちせんしたごゝろにてありし
かば仲八がせくいがたをすつぱり
あてゝをくよめいりをどつちへもまだむすめをまいくもらひ
さたをせぬうちからしよしうぎものゝ
心づもりおにがわらふらいねんの事を
かぞへたてゝのなかうどずき女ばうの
せう此ごろのうはさ
ではむすめはどれ
へもかたづけぬやうす
仲八がむなざん
用ぐわらりと
ちがふたも
だうり
仲八が
あきなひの
いちとくい
ぬけめなき男にて去年に
名に大町で
よりちやをたのしむもむすめ一ばんの大だな
とりもちせんしたごゝろにてありしをか屋金右衛といふかた
かば仲八がせくいがたをすつぱりよりかにん長へかの
つもりのところそう
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
一ばんの大だな
なるごふく見せとみ
をか屋金右衛といふかた
よりかにん喜へかの
むすめをまいくもらひ
かけしかど門てい中にかれこれ
よめにほしがるれき〳〵もあり
一方へときめられぬ入右
よくべんぜつもさはやかなるわかものにてかど
ぐちより小ごしをかゞめ仲八さまにちと
お日のかゝりたいとて入りくればふうふは
五日のかしたいにて入りくれはやうふは
そのましめでいで〽まアこづちらへと
おくざしきへともなひ
入れて仲八が〽さて
ごようだんの
すぢはいかゞ
同
よい
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
たたをせぬうちからしよしうぎものゝかけしかど門て此中になれて
たるもうちからしよしうきものゝ
いなかうどすき女ばうの□一方へときめられぬ入ぬどのもきよねんあすだ川花
どのもきよねんあすだ川花見のかへり次へ
よりくれたがる
かたもおほく
しよはうより
いひこんでまゐ
れどながし
みじかしでとかく
とゝのひ
ませぬ
ところ
せい
をう
さまの
ごそく
ぢよは
人に
しられた
とり〳〵てまへわかだんな金五郎
赤尾
おなじ茶みせにこしかけてござる
十六七のおむすめご母ごとみえ
て四十ばかりのひんのよい女中
こしもとふたりに下男をつれて
梅わかへさんけいのやうすわか
だんなよりさきへたゝれし
あとでちやみせの女にたづ
ねましたらゆきの下の
せいをうさまとり
いふ茶人の
むすにごとの
らはさそれから
わかだんなは大
あつこちがるい
ものゝむすめ
なればかねづくで
もなりませう
がきつとした
ごみぶんのむす
めごおもてだつて
よめごにもらひ
たしとおやごたち
へのねがひ女郎
げいじやを女
けいしやを女
ばうにとわかい
いちづのもやうへ
けんではまう
けんの
あたゞまへ
つゞきあるちやみせにやすまれだ時
□□□□
五一六、
□□□□□□□
おやご
たちが
もつ
ともと
きれ
ことに
仲
八どの
はこれ
までも
かずおほく
えれいの
せわもした
人これはなに
よりのなかう
どゝくれ〴〵も
こゝくれ〴〵も
おたのみ申
きよねん
からおまへ
きんじつにやう
すが忘れますのらい月は
がてまへへ
おいでな
きるたび
ごとにしゆびは
いかゞとおた
づねなされば
もうおほかた
きんじつにやう
きまりますのと一日のがれ
をうある
もうめうにちは十月の
ところを
れき〳〵の
茶人のむすめをつまにほしい
とはこちらがわかい時からみては見あげた
ものぢやことじつ〳〵は大だんなぐふうにもおよろこび
どうぞこれをしゆびしてやりたいとおやだんなの
きついねんぐわんごしんぞはな下の事てんまん宮
へにつさんしてせいをうさまのところへゆかる
おいしやをたのんできよねんのはるいひ入れて
もらひました時しゆびもできさうにそんじ
たれどあまりしよはうからののぞみ
ことに高束のかだぐよりもらひたいとて
八けんほどから内々へいひこんでのたのみ
いづれもすぢめたゞしいおほ
がねもちむすめをくじ
どりにもならずいづれへ
つかはしてもかたみうらみ
のできるにはきはまつた
るゆゑまづむすめのえん
だんのぎはやめにいたすつもり
なればとみをか屋へもおことわり
をよろしくまうしてくだされい
又かさねてごえんもござらばごさう
だんにもおよびませうとていねいな
ものがたいせいをうさまのおへんごもつともなと
思ふほどなほどもらひたいごもやうしん金五郎
さまはちからおとしてしほ〳〵としう
ござるところへきよねんのはるおまへがおいでぐらい
ねんのゝやゆまでにしゆびいたしてあげませうわたくしも
赤縄
ちかはころよりせいおうさまへ茶のけはこにもゐりますといはしやれたを
あげますといひつゝさかづきもちいでゝ
ついたちかみな月と
まうせば明日から
みそかまではしうぎ
レ事もならずさしづめ
十一月まではゑんゐん
なんとこれはどうなり
ましたなこのごろは仲
八どのからなんのうはさ
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
なもよほどごもつ
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
とをきいてこいとごしん
そのない〳〵いひつけ今に
ならふらちなんじをなさる
とおまへのためになけぬが
よろしうござるかと理を
世にていへは仲八あたまをかき
ごもつとも〳〵とばからひたひに
ゆげをたていつくもいでぬかたはらと
女ばうなえんもきのごくいつぱい〽
いろ〳〵と忠べゑばたのみ一けして
おろそかにいたしましたわけではさら〳〵
ござりませねば大だんなごふうふさまへ
何ぶんよろしくおともなをおたのみ申
何ぶんよろしくおとりなしをおたのみ申
〽まアおざむいにひとくちちよつと
とじよさいないぎがてがないちそう
くちさきの上手ものにていしゆも
ぬけめなか八がどうがなして気に
いり玉子忠べゑがきげんをとりなべ次へし
図
茶道さう
何かとおはなし
あひの
すきまを
うかゞひおふみ
でもそつと
おつかはし
なすつて
一高壱匁五分
つゞきだん
なのおもわくを
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
四
あんかうのすいも
あまいもしるふう
ふがおつにまぎらす
ふがおつにまぎらす
ざなりのかうしやにふはとのせ
られ恐べゑがすこんのさけにおも
てもやはらゞところをつけこむ
おこんがきてん〽なんと思べさま
ますこれをおもちひなされるとしも月の
ごしうげんきつとおまにあはせますもと此
御さうだんのできませまはさきがあんまり
おかたいゆゑかれこれぎりをおぼしめしての事
おかたいゆゑかれこれぎりをおほしめしての事
もし又むすめごがごもんと
ていのしゆといふ事
第一
ものはさうだんわたしがよいしゆかうがござり
○おゐておつ
ほのめづかひ
なりそぶり
で思ひを
しら
なすづ
たら
ご
やう
といひ
くらゐだるい
わかだんなに
わかだんなにさかりの
むすめごうんといふはみえ
てあるそこでわたくし
どものやどでまゐつて
もらひ
うけ
ます
その時は
でもあつて
ふかくなり
□□□□□□□
ましたらおや
ごのしようち
うきらぬはあ
そこでむこ
なさらぬはあたりまへ
さまのきだて
一つでごしんぞ
のないおかた
ならなんぼ
おかたい
夫
せいをか
さま
でも
金
助おつかはし
なさるはしれた事
そとで又ひとつの
くふうはわかだんなへ
のみとませせいをうさまへ
赤縄
むすめ
のはう
でしいりさせ
ましましまい日のおちやの
ごけいこかねづくではゆかぬむす
ごけいこかねつくではゆかぬむす
めごなじみかゝつたそのうへで
おやごへ
ねからて
なりとも
ごさうだんのとゝのふ
だうりなんと此くふうはどうで
ござりますときいて忠べゑよこでを
うち〽いやもうおそれいつたおまへの
はつめいごくふうとかうまらすまでも
なしもし又あのおむすめごがもにいらない
でわかだんなにまん一ごひやうきでもでた
ときはかけがへのないひとりのむすこどの
やうなおやごさまのおなげきてあらうも
しれずとこからまはるも主人のためこれから
かへつてこしんぞにおはなしまうしわかだんなに
くだんのいち義をいひふくめとうぢ羽左右の
やはらかみですつはもとやりかけませうおまへ
はこんどのたて作者このきやうげんがあたり
ましたらざもとかぢきにこなたへまゐつてさし
づめのあたりぶるまひ〽ところていつはい中心兵衛
さま〽いへもらすこんいたゞいたもうおをさめに
おいとまとたちあがるをおえんはひきとめ〽その
ごえんぎのよいところてまへいはひにもうおひとつ
〽いへもうごえんりよはいたしませぬちつともはやう
しくみにかゝりおしつけしも月のかほみせといつ
しよにとうぞ四かいろみをしづかにはやううたひ
たうそんじまするといそ〳〵してとんとなほつたいつ
ばいきげん名にかなひたるしろねずみおちつく
つゞき仲八女ばらのおえんがりこうはつめいに
ぬけめないぎのかいさんめとおえんがせながたち
しなになでゝ忠べゑかへりけり○こゝに松田静は拝は
ふうきにして此しよくをこのまずいるゐにももの
ずきせずたゝ花美雄をさつてしづかなるをたのしむ
ふうがにめ文しゆしやう也内かたはおらくとて
ものなれたるりはつじんむすめのおそのまで
梅
かんばしく世にきこえたるきやらのかのいと
一ゞき仲八女ばらのおえんがりとりはつめいに〽中ゟ」こなたの御門人になりたきねがひすなはち
今日どうだうまうし御門せんにまたせおき
ましたがこれへとほしませうかなとうかゞへば
までうかなどうかなどうからは
せい翁〽それば〳〵すゞにこなたへ〳〵との
ことばに仲八あないしてさしきへとほる
金五郎くろはふたへの小そでちやうのはかま
えもんつきよきやさ男ものゑとやかにせい
翁へけふにう門のれいきをのべき
ざにつけば
しゆうぎ
をむすふ
たるさかな
五百疋そへて
仲八も
ぬ
うつくしきよぜいにてりやうしんのまへに
手をつかへ〽はなごのですぎた事
仲
を
なれどもしきん〳〵にはつゆきか
│
ふりましたらごもんていしゆの内
生
心やすいかたぐをお三人ばかり
い
おきやくにしてゆきの夜ごみの
茶のゆがして見たうそんじ
ひき
ますとのねがび〽それはいと
やすいたのしみなんどきでも
とも
はつゆきがふらばそなたの
のぞみにまかしやとちゝの
なら
なふ
あとが
ゆるしにおそのはうれしくまだ
はさ
ほどよし
ゆきげしきなきそらをなが
むる人もゆき
まうし
おきました
やと
心にいは
のはだゑしや
くに天もかれど
けりをりふし
きたるほどよしや
仲八せいをうの
仲はせいを
そばちかくいんぎんに
〽さくじつまゐつて
ごしんぞさゆまで
奉上り
□□□□□□□□
とみをかや金原
もんとのしそく
金五郎どのと
申が右は
よま内かた
おらくむすめおそのも
ともにいでゝちかづきになりすこし
やはらくさかもりに金五郎はいよ〳〵
もつておそのにたましひそうばはれ
きよねんあすだ川でちらりと見たより
けふそばにて見れは見るほど〽二の巻へ
へば草翁
はふたりを
かこひへとほしつゝ
師ていをむすぶ
うすちやの
てまへあとは
しゆうぎのさか
づき事もの
の巻ゟそつと
するほどのうつ
くしさゑでゑや
仲八がまづこゝ
まではしゆひ
してくれたが
これからがむづ
かしいきやうげ
どうぞあたれば
よいがと思ふに引
かえ金五郎ははや
もうむすめにとび
つきたい思ひさす
がわかけのいろに
いでけれは仲八は
日でしらせきふ
にはとてもゆかま
事せいでは事を
しそんずると心に
よく〳〵とくしんさせ
しゆうぎのさかつき
をさまればまつ
今日はおいとま
アン明日さう〳〵と
さん上とせい
公羽ふうふおその
へもあいさつのべて
かへりけるあとは
だん〳〵もんていぢう
いりかはり
市縄
五郎
の上ゟ「たちりはりて茶のけいこさいちうに金ますやのゝ
はんべゑといふ廿六七なる男ものやはらかならまれ
つきないしつおらくははんべゑを一まの内へひそかによび
ごそんじのとほりてまへのむすめもはや十七といふ
年なれは今がよいよめいりさかりいづれへなりとも
かたづけてあとはつれあひのをひをやしなひ
またいづれからなりとよめを
とりまする
つもり
てまへのおそのとめあはせさらなものもないではござりま
せねどむすめとはいとこどち同姓齢はめとらずとがく
しやなどはさらはれますゆゑどのみぢそのはほか〳〵へえづけ
たうそんじますれとおきゝおよびなさるとほりでししうのつき也
赤縄
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
上ゟとのごはのたまなどゝ
いへはおすぢめはよしことさらに
母ごさまもおのぞみなり
もしほかへよめらして此よん
もしほかへよめらしてひよん
なことでもしだしていなん
きと思ふて
うちあけ
おまへに
百五十一
□□□□□□□
なら
は
六
男に
そはせ
たいと
つゞきなかのれきくから
いひこんでごさりますが
おまへのおやごともに八人
ほかならばそれもいや
これもことわりとまう
ますれどいづれもみなおろじ
やうなすぢめのよいおかたて
どれかいつけんへきゆます
とのこりのでししうへたち
ませず又ほかへつかはしては
でししうへなほわけがたゝぬ
ゆゑいつそうちへむこをとる
ゆゑいつそうちへむこをとる
つもりのやうにみせかけてこれ
までゑんいんいたしましたがなんぼ
おまへも御ぞんじのかたいむすめ
同様
印ゟ
しかとわけ
のたつしゆら
げんなんとこの
心をもつて男の
やくにおまへの
はうからむすめ
はうからむすめ
のおそのへひとふで
かいてくどいて見て
くださりませぬか母の口から
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
まうすは
みえた事
おもふ
わたしが
しんていを
ふぐんと
いいふてはん
べゑさま
ひすめと
そのときは
こひに上下の
へたてのないか
世のならひ七人のでし
しうへも
○太郎へ
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
ふかう二世
かけてちぎり
をこめてくだ
されとめを
しばたゝいて
たのまるれば
はんべゑも
あいたくちへ
もちこんだ
つまいしゆひ
「それは
まアけつ
がうなこれう
けんわたくし
鷲のからも
でももうそろ〳〵男にめのつく
じぶんなりことに今時の
むすめはまだおぼこし
しでかすものひよつとむしでもつかぬ
そこでわたしがひとしあんいたしましでおまへ
さんをおたのみまうしますくふう
はんべゑとしゆうげんさせたいどうぞ
よめにおこしてくれとすなはちおまへの
母ごさまがわたしまでたび〳〵のおは
かなしちうときけばおまへも又
ほしがつてござるとのこと又わたし
のはうもそ人のしうへぎり
がないとあなたへあげまし
たい心これがうまへてまへの
むすめもばんをうちばで
ぢやと思ふうちはやとんだことを
うちいづれへなりとかたづけたうぞんじます
れど此ぎりでとんとこまつてとかくのび〳〵
右ゟ
いな事と
おぼしめしも
ものごとをおやしだいに
するおとなしいうまれなれば
はづかしけれどじぶん
の来たむすめをいつ
までもひとりねさせ
ひよつとびやうき
こそよけれ
でもでやうかとかたいぱつ
ひよつとかまへ
からでもむすめへ
からでも
ふみなどを
とりやりしてみつ〳〵に
ほひかはしておきどこそ
いひかはしておきどこそ
へかたづけますか又内へ
むこを入れる時はんべゑさま
よりほかどうあつても「印の右へ
の目を
しのんでの心
づかひもおやの
よくをなごの
ぐちな心からとてもむこを
ねがふし
ところおきづかひ
なされますなおし
つけごそくぢよかその
さまを手にいれておめ
にかけませう〽さつそく
にかけませう〽さつそく
のごしようちかた
じけないわたしはなん
にもしらぬつもりに
〽それがよろしう
ござりますわたくしは
やどへかへりふみしほ
ちしうしたゝめませう
まづ今日はおいとま
と松田が
いへを
同
たち
いづれば
かぜはげ
しきふゆ
のそら
はつゆき
もよほ
す夕
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
廿一日
つゞきにひめもすのけいこにくたびれ女どもにこしうたせてきう
そくのうちしきりにふりくる初ゆきに又かこひへゆき内宝やむす
めごを相てとしたにんませずのうすちやのたのしみ〽くれからぶり
だす此はつゆき
かねてそなたが
ねがひのちやのゆ
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
あすのよごみに
つとめてみや
きやくはたれ〳〵
にするつもりと
三間勘助
人のこうからは
さうだんあれば
さんとも
内室おらく
〽さきほどかね
ますやのはん
べゑさまが
かへりがけに
明日はおほ
かたゆきが
ふりませう
もしゆぎの
お茶がある
ならわたくしをおくはへくだされとのたのみ
あの人ははづざれまいとした心あるあい
さつのなかへ又くる仲八が〽けさちよつと
こしもとしうからうけ給はりましたるところ
かね〴〵おそのさまのおねがひではつゆきふらば
おちやのゆをあそばすとのおうはざさいはひ
こんばん此大ゆきいよ〳〵明日なされますなら
今日入門塔いたされました金
五郎どのをも此御くわいにどうぞおまねきくださり
〇此所にて三馬店製薬御ひろう
けはへ薬代五十文
御懐中早化粧
小児百日ぜきの奇薬
さとうゆにて
もちゆいたつてのみよき
薬なり
代百文
あづま布
小布五十文
御ものまうでごゆ
さんの御道すがらちり
ほこり御かほをけがしたる時
ちよいとまにあふはやげ
しやう御てうほうの
しやう御てうほうの
くすりぬのなり
ごくさいしきたたう入り
すぐに御くわいちう
あそばされ候てよろしき
やうに仕立たる品
代百三十二文
代百文
一夜なほし代廿八文
妙あらひ粉代廿四文
御みじまひのをり又は
御ふろにめさせ給ふ時か
てうづをつかひ給ふたびごとに
ぬかぶくろへ入れ用ひ給へば
御かほ御はだへ玉のごとく
きよらかならしめ
にほひことにかんばし
ませと手をすつてたのめばせい翁〽ゆきのちやのゆは
くでんのある事きやくもていしゆもむづかしいものもの入せゑら
どのもこれまでのせんせいもあらうなれどせつしやが
たつる時なれば此たびはおことわりをぜひまうすはづ
なれどひつきやうは娘めがたのしみにいたす事
雪中談のゆと思はずらすちやのむきで
おいでがよいさしづめきこうもどうだうめされ
今一人ははんべゑどのこれでおきやくもそろふた
と内室やむすめのよろこび〽さやうなら
明日はゆきひとしほのおちやなればあさの
むつよりおはやめに
すき
すき
やへおいり
くだきり
ませおしつけ
くわいぶん
したゝめて
けらいにもた
せてあげませう
とゑがほでおそのがかんば
しいことばしよていもうち
そろひいひぶんのなきむすめなり
吹のゑときさても
当日四め金五郎は仲八と
どうだうにてよどみをかけしゆきのちやのゆいふくりつぱに
あらためてこしざうりをともにもたせあけむつよりすこしまへに
まつ田がたくへ入りきたればはやあひきやくのかねますやはんべゑも
きたりければたがひのあいさつことおはりくわいぶんのれいのとぼり
えんべ原よりろじぐちへはいりまちあひにやすらへははやらで
むかふむすめのおそのねずみのすそもやうにひの山まゆのの下へ
上ゟ
あひきのした
にしろを
つとむるはんべゑよも金五郎つぎへ
かさねくり
かはごろうの
おびをしせんと
むすびゆきの
ごみとびいしを
あしたのすこし
まだよごみうゑ
ごみとびいしを
つたうていつる
こゝげたのおとの
みにしむきやく
らいはゆきよりさき
きゆるいいひふう
がのにはのせつ
ちうへ花をさかせし
ごとく也おそのはしと
やかに三人のきやく
にむかひにごしを
かゞめ〽かんやもおい
とひなされずに
おはやうおこしくだ
されましそありがたう
ぞんじまするすべに
こそはきやう
すきやへお入りあそばせ
とあいさつのべていりければ
きやくはおの〳〵てうつなどして上さを
赤絹
いればおそのはあいさつていねいに
ろのすみをしかけるよそほひ
古今にまれなふうりうを
三人のきやくはいづからみとれ
くらゐ此やうなこゝちよい
ちやのゆがからにもあろ
かと上きやくのはんべゑが
心の内のうれしさはむすめ
をくときおとしさへすれば
おふくろとないだんのとほり
わが女ばうになるおその
ゆふべくわいぶんのへんじかて
らになが〳〵とかいてふはこ
のなかへ入れてかへしたあの
ふみもさだめてとゞいて
ふみもさためてこゝいて
あるであらうがわれらを
きらはゞけふ此せきで
やうすもすこしはしれる
はずさつきからかく
べつわれにあいさつの
ねんのいるのは此こひ
ねんのいるのは此こひ
もはやかなう
あれば
てあるこれ
ほどに
事も
あれば
あるもの
つゞき仲八とだん〳〵にすきやに
てさだまりのあいさつもでぬ
よほどわれちへをつ
させはんべゑをきやく
にして心いつぱい
なぐさまうと
はやわが女ぼ
にした心又
ばつたにあるふ
仲八は
一せんこくの
ふみがとゞ
いて金五郎
どのとおむす
とのえんさへ
とゝのへば□
とみをるやのおや
とみをるやのおは
ごたちがのぞみの
よめごごのやう
にものがいつても
きん〴〵にふそく
のないおほ
がねもち
あるもの
かと女ぼに〳〵
なんぼ
ちやのゆたて
かたい
こちと見ゆるらいねんの
はつゆきにはこちの
かこひでおそのにちやを
させてその身は
宗一近そうでも
きやくになり手代
どもをしやうばんに
よんだやうな心もちで
ゐるともしらぬ二客
の金五郎が心のいさみ
けふ此ちやのゆのきがけへ
ついがてんするはめの
まへつぎへ
に一朱を二十きれこし
もとににぎらせて
あれ
ゆふべし
夜ど
ほしに
した
ためた
ふみ
おむ
すへ
すへ
くれるやうに
仲八がたのんで
おいたればおほ
かたばんまでには
とゞくであらう
どうやらさつき
からやうすを見るに
とかくおれのかほを
たび〳〵見るむすめの
めもこふみ見ぬさきからい
赤縄
判
つゞきさすればわれらはふくとくの
三年このかたないかねまうけせん
こくからあのおむすが金五郎どのゝ
かほを見ては又せつしやがかほを
みてかくべつゑがほのよくみえるは
よい男をでしにひきつけてくれたと
思ふてゐるやうすもはやできたもどう
ぜんとはなひこつかせてよろこぶ一人と
むすめおそのはならひのあるろの
すみをしてたきものを。ふん〳〵とくゆ
すればきやくかうばこをほめかまも
かゝりてせつちうのすきやもすこし
あたゝかなる気をもよほすうち
夜もしら〴〵とあけあざやかに
ちやせきたゞしきゆきのあした
おそのが手づからくわいせきの
れうりなどはいぜんするうちふし
ぎやすきやのそとにきゝなれぬ
人のしはぶきなにものならんと思ふ内
にじりあがりの戸をそつとおしあけ
〽しつれいながらせつしやも
おちやをおしやうばん
いたしたしとてずつと
はいるそのてい
はいるそのてい
は御もつともこれにはだん〳〵やうすのあること
とてもけふかぎりの
せつしやがいのち
せつしやがいのち
つゝまずわけを
おはなし
まうす
いづれも
がたも
十一
は白しやう
ぞくにむもんの
かみしもおも
てのいろもあを
ざめてみすぼうし
げにざにつけば
〽四左ゟもとよりかくごのろく三郎ちつともおく
せずせいをうのまへにすゝみ手をつかへ〽さふしん
きいてたべ
ちかごろはごそ
ゑんなれども
もとわたへし
は十五さいの
内よりこなた
の御門人たゞ
今廿一になる
まで七年が
あひだむすめごの
おそのさまに心を
かけ十六七にもなり
給はゞふたあやにも
人参丹
表
一剤入十二匁
曲物入一匁
此薬は古今
希世の
じんやく也
大人おも荷
をおひじゆつ
なきに即功
あり
第一
きよ
そん
なひのぼせを
ひきさげたんせき
ををさめ婦人さん
ぜんさんご小児の諸
病に尤妙あり
すべてこゑをつかひ給ふ
御方は平生用ひ給ふべし
しはがれしぶるをとめ
おんせいうるはしく
なることすみやか也
くはしくは能ふい
しるす○此本の
板元其外所々
おの〳〵きようのさめたる
ふしぎはんべゑとむすめ
おそのはかねてしつたる男君いよ〳〵
もつてふしんはれずはんべゑはまつ
かになつて〽き公はあひをいや
緑仁三郎どのでは
ござらぬかあまり
いなおすがた
ゆゑとんとおみ
それ申ましたなに
くらからぬお身のうへ
ことにきよねんのはる
まではにち〳〵におであひ
申たおなじこなたのごもん
ていけふのはつゆきはれの
おちやにきようのさめたるおん
しかたとのゝしるこのかつてへ
きこえ〽なにごとがしゆつ
たいせしとせいをう
ふうふすきやへかけ
つけろく三郎がしに
ていけりのきあたる
ふるまひといろをかえてりつぷくすれば
金五郎も仲八も〽これはあまりのおん
でたち一ト目みるよりおほ
きにおどろきせきをみだして
そばへより〽こりや此やうすは
どうしたわけちかごろはけい
こもおこたるきでん此せいをうに
たいせられてなんぞいしゆでもあつての
事かとせきをたゝいてとひつめれば〽ア右へ
赤縄
卯六月全
取次所あり
御もとめ
のうへその
効ためし
からねがひをたて
わがつまに申
加州金沢
見たまふべし
文海堂製
うけたきところ
すなはちわた
元取次所
松原堂飲台
くし物しんも
とくしんにて
人をもつて
宗せうごふうふへ
まうしこみしに
きよねんのはる
おむすめごの事
手せつしやも
ちからをおとし
ひさしくけいこ
にもまゐらなん
だがどう思ひ
なほしてもおもひ
ごとくしんなければ
おやどもがぢき〳〵に
までまうして見たれど
とかへよろしきおへんじ
とかへよろしきおへんじ
なきゆゑはゞかりなれ
どもむすめごをくどき
おとしてわがつまにせばや
とぞれをりにふれふみ
たまづさをおくりたれど
おやたちのゆるさぬこひ
ぢはふぎになるゆゑこのおそのきま
こひはとてもかなひま
せぬとのおへんじそれゆゑねときつきへ
きられぬこの
こひぢこがれて
しぬるよりほかに
しあんもなけ
ればむねをさだめ
しぬるつもりで
九寸五分を
手にとりは
とりまさが
きよねん
おそのさま
をくどきし
ときつきへ
せぬとのおへんじそれゆゑね
つゞきじゆびよくわがつまにもら
はゞなつはあさがほふゆは又ゆきの
あしたのちやのゆをしてふうふ
むつまじうたのしまんと心を
むつまじうたのしまんと心を
つくしたことを思ひだしたとへ
おそのさまはつれなくとも
わがしやうがいにいまいちど
これをかぎりに
おそのさまのおかほを見て
しなんとぞんじ
一両日見あは
すうちほのかに
人にかけ給はれば
おそのさまの
おものずきで
ゆきのおちやがある
とのうはさこれ
たいはひの
おかほの見をさめ
はつゆきふらばと
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
まちうけゐし
ゆゑやぜんよひ
よりしたくして
こなたのおにはへ
しのびこみひえ
こゞえて夜を
あかしおちやの
はじまるその
ときに
三の巻へ一
姉
國貞画小三馬作
10304
御粧白粉
天人香
海内無類
一箱価貮匁
一包代百五十文
この天人香は白粉の名方なり他家製法の品と日を同じうにて語るべからす寒中
の雪水に七度水干し家伝の薬露に浸し置て。晒抜たる極製最上の品なれば
御みじまひのあとふきとり給へばほんのりと艶うるはしく香気ふくいくや
してをくゆかしき薫を保事久し年経てうせぬ蘭奢の薫常を
懐にすれば白袋の代をなす●本化粧は一夜こえてもうきたごとなし
色を白くしつやゝかになす玉のかんばせ冷艶全く雪を欺く実や上
なき天人香本朝白粉の冠たるべし●尋常白粉の者をなさず勿量ら
多少にかゝはらず品の優劣御照覧之上且試に化粧し給はゞ天人香の名に
目空しからず功能迅速なり
十一丁
本家製法所江戸本町二丁目式亭三馬精製
奇縁結赤縄
三世相応
二世物語
奇縁
初へん
結の
下の
巻
赤縄
□□の
つもりいひわけはかくのとほりもううき世に
をとりいだしてぬきはなしさか手に
もちてもろはだぬぎ一宗匠さま
おそのさまいづれもさらばと
すでにゆんでへつきたてんと
するところをせいをうふうふ
おそのをはじめありあふん〴〵
たちよつてあはておどろき
さま〴〵にとゞむるなかにも
せいをうはいのちにかゆる
せつなるこひぢさつしやつて
こゑはりあげ〽きづかひしやんな
ろく三郎むすめはそなたの女房
にやるなにふそくないむこなれど
もんていぢうより八人のもらびて
ぎりを思ふてこれまではいづれへも
ことわりたれどきでんのいのちを
むすめゆゑにすてさせては此せい
をうが仁山のみちたゝずそれ女房
どもさうつきとこゑかけらるれば
内かたはいのちはどのみちとゞめうが
はんべゑへたのみしぎりこのばながら
もすこしはねんいれ〽しうげんは
させませうがむすめそなたは
そやるきか〽あい。あれほどまでに
おいのちにかへ思ふてくださるろく三
さまとゝさまかゝさまごがてんなら
の拳ゟすきやへはいつてかほを見ればわがつま
にしてちやをさすこゝちすぐにそのばでしにます
用はなしとくわいちうより小わきざし
わた
しはふう
しはしう
ふになります
気とついらちのあく
こそだうり此きやう
げんの作者はおその
ろく三とはきよねんから
ひとしらすのふかい
なかことにうとくな
おほあきうどおもて
むきからさうだんすれど
もんていぢうへのぎりを思ひ
いづれへもよめいりはことわり
へんぜぬとうざのごしうぎむすめのさか
づきうけてたべとあいさつあればろく三郎
天へものぼる心のいさみせいばうはきを
をいふせいをうがせけんのわけを
つけてろく三がしろむくきせかへさせ
二十一
ひしふたりがくふうすつぱりはまつた三人の
きやくはたとへのつき夜にちやがまひやうし
ぬけたるそのところへはゝばはしうぎののし
こんぶてうしさかづきもちいでゝ〽おしつけ
おやごたちのおみゝへいれあらためてその内
しゆうげんそれまでのあひだとても心を
花いろなほしにかみ
しもためつけせい翁
てづからひとこしを
さしわたしたるひきで
ものでものになつ
たわ三人がいへちよ
までもむつまじう
たのみますとの
ことのはをきけば
きくほどむねの
ほむらさむい
やうちからきやく
にきながらなんにも
くはずしらける
めざしきに□はつの
はんべゑよろこびを
のべてかへればたまつ
てもゐられぬぎり
の金五郎なんで
めでたいつぎへ
たてさせてふうふになりたい月
つゞきやらはらだちこゝろすまねどせんかたもなか
八もろともかへりけりあとはめでたうしゆうぎの
小うたひ所はさてもたかさごなむすめのきりやう
しよはうからさうだんしかけてよいべんじの
おときゝたがるおそのがきをとりむすん
だるろへ三郎あいをいやのなやたち
もよろこびのまゆをひらくこんれいも
てうどしも月ついたちに吉日しやん
とさだまりけり○さてもかねます
屋はんべゑはちやじんのむす
めにをかされしこゝちにて
二三日は何事も手に
つかずゐたりしがもと
よりはつめいなる
はんべゑさつぱりと
あきらめをつけ
それよりははじめに
まさる宗せうへの
をりみまひばんじ
わかつた心いきに
一金五郎も仲八も
たしなまされてほかによき
えんをもとむる心になりとんと思ひを
たつはるやとしたちかへるあしたよりねん
れいもきよねんにかはらぬはんべゑがていねい
なるつきあひさきからきれいにでかけるほどおらくは
たのみしこともあればきのどくもいちばいにてあるとき
ろく三しうふのものにくだんのことをかたりければ
ろくさもはなはだきのどくに思ひことにおさな
ともだちなりよきえんあらばせわせんとアし
くどうないさかづきのとり
やりしやんとすました
静
左の上ゟ一ろく三がまことを
ふかくかんじあるちや屋にて
見あひをなしじふぶん心に
かなひすぐにきまつてさん〴〵
ねやのかため名も
おひなとあらためて
ふうふなかよくほど
なく女の子をまかけ
てふよ花のかにほひ
ぬるやよひなかばに
めしかゞへししんざんの
こしもとおちよといふもの
うまれはゐなかける
なれど男ずきのする
ふうにてことにおと
なしい女にてちうや
かげひなだなく
つそめければ
つとめければ
はんべゑ
ふうふ何か
に心をつけ
はうばいも
かわゆがり
けり
はんべゑが
ちやを
このめば
見やう
●中ゟかけしに林蔵
大きによろこびしようち
しけれどなんぼきりやうが
よいとてもあまりかろしめ
よいとてもあまりかろしめ
たるやうなればわれいもと
ぶんにしてまことのきやう
だいのちなみをせんと
あらためてはんべゑへ此
ごとかたればはんべゑは□右の下へじ
示縄
さいはひろく三が内へ
でいりの大工林蔵
といふものはもと
あいをいやにつと
めし。ものなりしがかれ
がむすめ小ひなと
いへるはせいをうが
ゆゑゆゑゆゑきつそく林蔵に
むすめといつついのきりやう
さうだんを□上へ
▼心がけしにてうど
みまねに
下女が
ふきん
もつて
ふだんふくさ
さばきの
ままびをなし
られしにないぎおひな
もとおちよていしゆ
でつちがちや
わんもつてもながを
ゆのじにふくなどおのづ
からなるふうがの
からなるふうがの
かなひあるときはん
べゑ他所によりかへ
むすめおかねこし
がたにてちやを
たててゐたりしが
もとよりすきの
はんべゑこれさい
はひとざにつき
〽おれも茶を
しやうばんと
いはれて
おちよははつ
かしきてりに
ちやをたてゝ
はんべゑに
いだせば
つぎ
したぢがあるやうぢやのことに
あれがてまへはとんと宗せうのむす
めごのおそのさまにようにたと
あぢなことがおきにいりないきの
おひなが目をしのびちよが
みゝへなにやらさゝやけば
はじめはもぢ〳〵したり
しもいつのまにやち
はつめいからこれより
はんべゑなにかに心を
つけておちよをあいし
ついがてんするもおちよが
つゞきげんよくちやをのみながら〽ちよはどうでも
ければかくすより
あらはるゝはなく
いつとなくはうばい
なんのとひそ〳〵かげでのわるくち
もとよりすなほなうまれ
にて心だてのやさしい
おちよはうばいの
サンキヤ
きげんきづまを
とりわけむねを
どもがおちよはだんなさまとちん〳〵
ごしんぞさまをふみづけにした
いためけるこゝに
おちよがはうばい
におけいといふこし
もとおちよよりは
一年もまへから
こゝにつとめけるが
判
ことなとをしたゝめあり
だん〳〵とよみくだ
すところ〽あさゆふ
思ひいだしまゐ
いろのわなからつり
ぎつねふはとのりぎの
とく三はよろこびいそ〳〵
として立かへりぬその
あくる日にふうんや
おちよはやどのこひや
おちよはやどのこびや
とく二郎へづかはす手かみ
をおとしたるをおけいが
ひろひうはがきを見るに
とく二さまへちよ。と
ありひらきてなかを
よみ見ればきよねゟ
なくなりしこく二の女ぼの
らせ候とよみ
かけてゑみを
ふへみそれより
まへの文を
ひつさきすて
ひつさきてて
とく二のうへに
いつてんを
くわへてあて
名をとく三
かほでその
ゆくといつはりて
とし何くはぬ
ゆふかたやどへ
としも廿八九のりはつ
ものおのれがだんなを
手に入れるした心なりし
がおちよにせんをこされ
むねんのきばをかみながら
さらにそのけしきを見せず
いよ〳〵おちよとなかよくして
ないぎのきにかなひければ
したにたつ下女下男まで
おけいにさまをつけぬばかり
うやまふごとくにつきあひけり
○かねますやのしんみやう
およくといへるは名のとほり
のよくばりものにてその
あたへての
かけひきさいつ
おさへつする
ところへでいりの
さかなやこひや
とく二郎がむすこ
のとへ三かだい
さげていりくれば
よいところへとひと
まへよびいれ
さしみつく
らせての
うへにさけずきなれど
かないがみなのまぬゆゑ
おけいとかへしてのさけの
あひておけいがとき〴
さかいり
だん〳〵
心うき
ないしようのおごり手な
つけておくもはらにいち
もつなんぞのときのかせい
にするりやうけんあるとき
はんべゑふうふむすめを
つれこしもとのおちよをはじめ
そのほかの女をもつれでちかしき
かたへよばれてゆきしるすをあつ
かるおけいとおよくみせとははるか
にへだゝるへやで此両人がないしよし
さかもりみせのものがまたときは
しらせろと小女にうまいもの▼
世のざふ
たんさけが
みちびく
もつなんぞのときのかせいみちびく
いろけな
はんべゑふうふむすめをはなしにみが
つれこしもとのおちよをはじめいつてふと
はなしにみが
いつてふと
に心あることを
とく三はおちよ
静
をきゝみゝたてるおけいが
たくみ〽それはわたしがとり
ゑひまぎれにはなしいだす
しらせろと小女にうまいものをもつてあげませうぢきものゝとく三をの
赤縄
とく三のうちへ
そつとゆき
だんなの用を
だしにつれだし
あるちや屋へとも
なふて〽おちよの
はうでも心あるよし
しかし女の
はうがらは
いはれぬと
いふはもつ
おまへ
心の
たけ
ふみで
かいて
やらん
せ
つぎへ
つゞきふみの
ぶんはよい
やうにわたし
がきしづ
しませう
とふかい
たくみの
ありぞとも
しらぬとへ
三があさき
ちゑまは
らぬふでの
おほせがき
ふみのすゑ
にこひの句
などじよ
さいのない
おけいがこん
たんとく三は
よろこびいさん
でかへれば
おけいはふみを
ふところに
ひとりゑみして
ゐたりけり
○大海だいの
人のこゝろははかるべか
らずはんべゑはかく
らすはんいゑはかへ
ともしらずおひな
そこははかりつべし
へやへあけいをまね
き〽これけいや
そまたにはなし
ちつとさうだん
せねばならぬ
ことがあるそろさも
おほかたきがついた
らうがあのちよは
いつからかだんなが
すつたやうす
そなたじゆも
しつてのとほり
手をおつけなし
わしは子とても
娘ひとりどうで
男の子が
ひとり〽たて
上ゟほしい
とは思へども
心にまかせぬ
ことなればさい
おはひの
ると
思へ
此おいへぬ
ごせんぞ
やつけるは
がばきびしい
御はつと
それゆゑ
おちよの
事もわたしをはじめ
そなたしゆまでにも気を
をおいてだんなはきつう
おかくしなさるが
いつまでも
あのやうに
ろすつて
きへ
かたたちやく入ていた
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
へ□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
文み丁目
な
さけ
ぶかい
おほせ
といひ
だん
なのめを
ぬす
□□
あくしやう
たくを
しられ
たら
また
どのやうな
ふらちなこと
してしなた
してあなた
までのごみぶんに
かゝはるやうなこと
などができ
まいとはまう
されませず
もう〳〵かほ
ににあはゑおそ
ろしい心の女
かかみのおきに
いつてをる〽つぎへ
書ヱ西
つゞきおいで
なさつても
すまぬもの
わたしが
よめつて
きてからもう
ちやうど
四年このかた
ひとばんでもおうちを
おあけなさらぬだんな此
くらゐのたのしみはあり
うちよそほかのだんな
からみればまことに手が
からこれはまことによねが
るいおたのしみわだしは
りんきはみぢんもなけ
れどわたしからうち
つけにはどうもいは
れぬわけなればこゝは
そなたのこゝろづいた
やうにしておすゝめ
申シほかへせふたくを
こしらへておちよを
おうこひなさる
やうにはた
ちいてはくれ
まいかこれをたの
むはそなたひとり
と思ひいつたる
たのみのいちぜう
せけんにまれな
女房のかゞみ
くもる心の
おげいはたゞ
気にくはぬこと
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
なされましだんな
さまのおなさけを
うけながらまア
あらうことかおで
いりのさかなやの
こひとくがむすこの
とく三とくつつき
ましてだんなから
まうしたものをとき
どきやるやうすこんな
ことをまうすとどう
やらはうばいのことを
あしざまに申候やう
なれどおまへさまの□上へ
ないしやうでおもらひ
きくくやしざ
しばしいみへも
なかりしが
むねにもく
ろむひと
もくさん
まがほに
なつて〽あの
ごしんぞさま
いまおつしやる
おことばといひ
お心のうちの
きよさだれでも
なか〳〵そのやうにきれい
にはまゐりませぬそのおこゝろに
くらべてはみさげはてたあの
おちよのふこもちとはんふん
きかず〽なかな。なんといやる
あのおちよがふみもちとは
〽さアおをどろきなさる
はごもつともひとごとを
申スはわたくしもだい
きらひでござりまする
あんまりにくいしかた
ゆゑ思はずつみを
つくります市中へ
かゞきやさきへまうすと
なかぐちでもきくやうにおぼし
めすとかへつてみにもかゝはり
ますゆゑけふは〳〵とむらをおさへ
てさしびかへてをりましたが今日
のおつしやりつけあんまり
のおつしやりつけあんまり
しあなたのおこゝろざしが
ありがたすぎてあの
おちよがよいことにして
アふざけやうかと
思へばはらがたちます
………………………………………………………………………………………………………
ゆゑくわしくまうし
あげましたかうまうし
てもまことともおぼし
めしはなさるまいが
もう〳〵あんないけづるい
人は又とござりませぬ
ときいておひなはまゆへ
にしは〽いや〳〵あの
おちよにかぎりさう
したことはよもや
あるまいさうじて
うたがふとなにかに
つけわけでもある
やうにみえるもの
あのちよはとくが
おやのこひとくが
せわできた人それ
ゆゑにあのとく
三が四の巻へ
一王の巻としうものを
いふたであらうとなか〳〵
もつてのみこまぬゆゑこれ
ではゆかまとおけいは手をかへ
〽わたくしとてもかうまうす
かうはたしかなしようこが
あつてのこととふところより
二つうのふみをとりいだし
名をれなみかせなう
ちよにいとまをやるべしと
しはい人にいひつけて何か
なしにおちよをばその日
すぐにうけ人かたへ
ひきわたしてしま
はれしはさても
わかつたこゝろ
〽たしかなしようこはこの
ふみととくみがしひつの
ふみを見せ〽これはふろ
ばにおちちつてござり
まくぎり
がのおけいも
だんまりの
まくぎりの
いきにさす
ました一つうにて又この
よいはか
いたい
ふみはとないぎへわたすは
らひなり
かのこひ二にいつてんくわへ
○さるほどに
とく三さままゐるといふ
ふみのほうど〽あさゆふ思て
いだしとゐらせ候といふもんと
いだしまゐらせ候といふもんじ
のところをとりあつめとくみに
かゝせしふみをそへて〽これを
ごらんなされとさしいだせば
おひなは二つうのふみにびつくりし
ほんにまア人いみかけによらぬ
ものこのうへはだんなへまうさねは
ならぬとさすが心よしのおひなも
かほいろちがへつゝふみをもつて立あがる
折からおくよりあるじはんべゑ〽いさいの
やうすはたちぎゝましたひつきやうは
せんぞよりのはつとをそむきしおれが
わかいこのことをとやかういへば此いへの
おちよはほうこうだいじにつとめ
もとよりみさほもたゞしき女
ふみのほうど〽あさゆふいん
それゆゑにはんべゑが
たび〳〵いひよりしその
ときもごしんぞさま
たゝぬとてさいさん
いなめどいなみ
かねたるだんなの
ことばもたしがたくまた
にくからぬ男ぶりに
思はずちぎりを
ふうふにつかゆることいぜん
むすびしよりはんべゑ
やうすはたちぎゝましたひつきやうはふうふにつるゆることいぜん
にもいやましてつゆたかぶらぬしに
せんぞよりのはつとそそむきしおれがにもいやましてつゆたがぶらぬしほしん
ひつひにおけいがために
しりぞけられ今はいづくへかへ
ゆきけん虎とのみもちひ
られしも名のみにてさらに
やうはさもあらずなりぬ
おけいはしだいにきにいりて
わが母おやのやもいずみ
してゐるをおでいりさせ
ごしんぞのことにおきにいり
おけいは十ぶんのしあはせにて
此うへはだんなのなさけにあづ
かればほんまうとさま〴〵に
心をつくしちうやのおきふし
やぐのとりあつかひも人手
にはかけさせすだん
なのまへでは
すそもほら〳〵
しどけなきていに
思ひつかす
こんたん
のみに
かゝれ
らしさなほ〳〵しやじんの気に入りしも
によんで〽そちは
こよひからつぎいし
ども
いいふやう
にかゝらぬ
なんべゑ
あるとき
おけいをかたへ
つゞき
やどへ
かへかせ
たのんで
そちの母を
おいた
あす
さるらう
にんのむすめ
おまつとて
十九才に
なる
ものを
めし
かゝへて
せふ
たくに
するはす
その
わけを
おひなにも
はなして
とくしん
した
ほどに
きう
こゝろ
えてぞの
はうの
やどにて
みきはめ
さうだん
してあす
からすぐに
とく町の
ざしきへ
おくつもり
ときいて
おけいは
むな
ざん用も
また
ぐわ
ちり
と
右へ
赤縄
下にぜひなくその夜
やどへかへりそのあけの日
おやこしてだんなの
おいでをまちうげて
かのらうにんのむすめ
をしゆびよくとり
もちだんかふ
すんで
すぐにとく町の
しんたくへ下女二人
しも男をつけでの
せふたくたれはゞかり
なうたのしみける
ころはみな月すえつ
ころはみな月すえつ
がたけふはじめてはん
べゑのないぎおひなが
せふたくへおいでことてあさ
からまちうけぜんつへし
びづくしてのまうげおひなは
おけいとそのほかの女両人
めしつれてせふたくへみえ
ければおまつげんくわんまで
でむかふを見れば先ン年
ひまをやりしおちよなれば
おひろをはじめおけいはおほ
きにおどろきながらしさい
あらんとざしきへとほれば
はんべゑおけいにむかひ
〽なんとわれらがせふたへ
みごとかとのことばに
ばんじうちばな
おひなり
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
ある事とことば
なければかたはら
なるおけいは
ひとりごう
はらにや
〽まうしだんな
おまへさまは
まだあのおちよ
におこゝろが
のこつて此世ふたゝに
しておをきなさる
のかへさうしてまア
此あひだわたしの
やどできめたのは
おちよではなかつ
たがなんにしろ
このぶんに
してはこの
けいもたゝず
第一まァ
ごしんぞ
さまが
たちませぬ
〳〵
とたゝみ
たゝいて
うちのゝしり
さァたつた
今おひたして
つぎへ
つゞき
おしまひ
なさい
ましさう
ならぬと
おちよに
ぐらひつき
ますぞへ
と女
には
あるまじき
うでまくりして
つめよれば
はんべゑは
うちわらひ
〽はてさて
かしましい
うちのものも
だまつてゐるに
おのれさきへ
たつても
解
同左ゟ三助といふて
小文才をめんあるもの也
おけいにたのまれふみのほつ句を
中ゟ
さい
せんの
ふみ
を
これへ
とうけ
とつて
ひらき
〽この
あさゆふ
思ひいだし
おんなつか
しうそんじ
名あては
このとほり
かいたるちよが
このとく二へつか
はしたるおみこの
ほうごをあはせ
みるにすんぶん
ちがひなきからは
よもや六十三になる
こひとくにちよが
ふぎでもあるまい
おぢちりしふみを
ひろひこれさいはひと
あて名のとく二に
いつてんくわへてとへ三と
ちよがとく三へのふみのしようにん
○印ゟ手にとり
あげ〽すりやこの
かきやりしとさきだつてのはくじやう
さういなければまづこのとく三がふみは
かくのとほりとひきさきすて〽さてまた
こひとくまゐれととく三が
おやをよびいだしちよが
そのはうへつかはし
そのはうへつかはし
二つうをしようこに
たる
よのそりやなんのまねだ
なんぞといふとおちよ〳〵と
うけになりひなたになり
そちひとりわるういふが
ちよにはなんのとがもない
ちよにはなんのとがもない
うちへおいて手をつけるは
かないのはつとをやぶる
ふかうゆゑこのぜふたくへ
おちよこのまゝにさしおいては
つけぐちをしたわたしがたゝぬ
ふウきこえたこりやどこかでだんな
さまにこつそりあふておもしろをか
しうたらしこみまことらしういひくろ
めたなさだめしわしをいろ〳〵と
かへつてあしざまにいふたであらうすゑのほつくの作者は下男
さァこゝでだんなさまとみつがなわでの三助これへまゐれと
せりふするとまたくわいちうより
ふみ二つうをだせばはんべゑ◑印
しておちよがふぎを
いひたてるのか〽ばい
そりやおつしやらず
としれたことさア
のがれはあるまいと
おけいはたちよりおちよ
が手をとるてをつかんで
はんべゑはおけいを
いれおくがなんとした〽いへへ
さうはなりますまいこのけいが
ふぎのしようこをごしんぞさまへ
おめにかけてとがのきまつたあの
まつさかさまにとつてなげ
ひざにひつしきうごかせず
かたてに二つうのふみを
もち〽やいをんしらずの
ばちあたりめおのれが
しくんだきやうげんももう
おほづめだかくごをしろ
おひなもわけをくはしく
さまにこつそりあふておもしろをかおひなもわけをくはしく
きゝやまづ此一つうの
とく三がちよへつかはすふみの
めたなさだめしわしをいろ〳〵とく三がちよへつかはすふみの
すゑのほつくの作者は下男
の三助ごれへまゐれと
よびいだしたるはきよねん
ふみ二つうをだせばはんべゑの印也
ちに
およくをせめとひ
のよくをせめとひ
とく三はせんひを
くやみろゝひそかに
おやとく二につげ
身のさんげ
なしちよをふぎもの
にせんと心をかけし
とく三をあざむきし
ことまでもおのれが
るすにしんめうの
いち〳〵はへじやう
したるゆゑ
このたびの
いつみをゆるす
しんめうの
おまくめは
はやいとまを
とらせたり
たゞにつくき
一はおのれ一人
けいがいるゐ
をはいで
まるはだかに
なしはへ
ちうを
おひ
いだす
べしと
つきへ
卯十一月廿一日
赤絹
さしづにつれてさかな四左の印よしばちがあたつて今のなり
つゞきさしづにつれてさかな
うりのとく三次よりとんでいで
〽ごをんをうけただんなをば
あぶなくしくじらうとしたも
の左の印ゟばちがあたつて今のなり
これからはふたりしてだんなを
だいじにせうぞやとこゝろに
かどはないぎのことば〽その
うぬがすゝめたゆゑの事
しんていをきくうへは
われとわがみがおそろしく
おやぢにはなしてしりを
そなたに
はな
わるがせめてものわしか
すんしなしたるとがをつく
のふためのう三助どん
〽さうさ〳〵すこしの
吉
かねでおなさけ
ぶかいたんなごふう
ふにごしんはいを
かけたもうぬゆゑ
あくしんたちまち
ぜんしんになりたやの
あらごとだこつちんごいと
扨んがたちかつて
おびひつほどきいやがる
おけいがいるいをば
ぬがれながらもひる
まぬわるもの〽しり
こしのないとく三
三助男のやうでも
ないやつにたのんだのが
こつちのあやまり
ふしきといふはおちよ
のかへだまあれはたれ
ぞとみあぐるおくのま
ことがあると
こゑかけおく
よりいでくる
ろく三〽さつき
からあのひとま
でやうすは
のこらすきいて
ゐたさてをり
いつてはなしと
いふはほかでも
ないおちよの
事じつは
わしとは
しよへゆけばかはりはて兄おやははや
さきだつてびやうしあとにのこるひとり
身をからせんとはかりしゆゑ
今はいづくへゆきしやらゆく
ゑもさだかにしれぬとのこと
◎左ゟたよりおとづれせぬゐなかへ
をとゞしはじめてたづねゆきざい
のむすめあにの後妻者は
わるものとつれそひ先ンさいの
むすめにつらくあたりそのうへ
そのむすめはいへでして
そのあとでわるもの
ふうふはてんのごばつで
つゞいてへん死あとは
他にんがいりかはりし
ざいしよのありさま見るに
つけおやぢさまもがつ
かりせられすご〳〵と
もどりながらもどうぞ
めひのゆくゑをたづねて
さうおうのところへ
かたづけふかうをかけし
あにおやのゐはいへせめ
てのいひわけとよそ
ながらしよ〳〵はう〴〵
こゝろをつけてゐるところ
ことしのはるふと
はんべゑどのがこの
おちよをつれてこられて
この女をすこしのうち
たれとはしらず女の
こゑ〽そのかへだまは
これにありと
いとこどち
はぢを
らはねば
しやうじおしあけ
たちいづるおひな
はそれと見るよりも
〽あなたは松田せい
をうさまのおむ
すめごのおそのさま
ときいておけいは
必
びつくりぎやう
てん〽おつかひのとき
すきまから見た
すきまから見た
ばかりゆゑみたがへて
らうにんのむすめと
おもひいつぱいくつたり
いめへましいとつぶやくうちに
いるいをぬがれとく三と三助
両はうより〽けふはなごしの
おはらひばこたすけてはなすは
まだしもおなさけてんへなりと
地へなりとかつてなはうへうせをれと
つきはなされておけいはしよんぼり
にげゆきけりしじうのやうすをきゝ
ゐたるおひなはこのてい見るよりも〽きけば
きくほどにくいはおけいわたしがだんなに
すゝめてもおちよをべつたくさせやうと
おもふてさうだんしたときにおけいがそねに
ざんけんしていつたんはさまたげたれども右の印へし
も理がきこえぬわしがおや
ろくゑもんさまはもとゑち
ぜんのくにのうまれわかい
をりははうたうづくし
あくにんながらはづかしくこそ〳〵〳〵と
たつたひとりのあにおやに
さん〴〵くらうをかげてから
いへでしたのちたうちへきたり
他人のなかのういつらいめみた
かひあつてその非をしりこの
きくほどにくいはおけいわたしがだんなになになりでくにへかへればはぢのはぢ
と身をくやみそれから心をきりかへて
かせぎためたる今の身のうへおくる
ともなくとるとしもおよそ三十年あまり同
かくまひくれよ
そのわけはこしもと
おけいのはからひ
にてかやう〳〵と
くはしいはなし
あづかりおく
うちまい日〳〵
ひとつふたつと
はなしのうち
ふつとしれたる
ざいしよのこと
きかれたときの
おやぢさまの
およろこびは
とびたつ
ばかり
さつそく
おぢめひの
名のりあひ
さすれば此
ろく三郎とは
まぎれも
ないいとこどち
ねがひも
とげさせたく
せめてはん
べゑのめかげに
おやぢさまの
もと
まり口右へ
□□
十九
このろく三とはんべゑがしめし
あはせしはかりごとといへば
おひなはすゝみより
〽しらぬ事とてこれ
まではおちよ〳〵と
よびずてもいま
さらおもへばもつ
たいないわたしの
ほんまうといふをうちけし
〽なんのまアわたくしこそは
みちならぬおしゆうさま
とのしのびあひその
これにうへこすうれしさは
ござりませぬとゆづりあひ
たがひにじついつくしあふ
うつくしなかのつまてかけ
ろくみはおほきに
おとらぬせつぷと
けんぢよ女はかく
おやぢがなにかにつけ
かんじいり〽どちらも
ごおんをうけただんな
のおめひごおまへこそは
ほんさいにわたしはめかけに
おはらだちもなみかぜなう
かうしておいてくだされば
なりてなりとおそばにゐれば
じやちふかきおけいをたばかりし
つゞきせふたくをしつらひ母女房を
たのんでらうにんの母子ばとみせかけ
「弐本かせひなくめかけになしたれど
おひながほん心きくうへはもろこしの
むかししゆんていのためしにならひ
をつとひとりによる
□□□□□□□
一
ありたいものぢや
そこでなかを
とつてわしが
はからふむね
があるしゆう
じうの上下は
かくべつそれは
しらぬむかし
のことあら
ため
て
わけ
でもなく
もとより
初縁恋に
むすんだおひな
ほんさいは
あたり
まへなれど
○此さうし
の板元
ふぢ
おか屋
彦太郎
方において
年ひさしく
年ひさしく
うりひろめ候
白牡丹と
申ス御くすり
おしろい
ぜけんむるいの
品に御座候間
相かはらず御もとめ
相かはらず御もとめ
御もちひ
下さる
候
こゝにちつと
しにくいわけは
おちよがおとゝの
むすめならひとの
めかけにしてもよけれど
がんぜんおやぢさまがゐながら
あにおやの子を人のめかげに
してはとうもたゝぬわけそこを
おもへどおひなおや子のみがつてと
おもはれんもほんいならねばおちよをば
赤見
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
のほんさい
尭沙の帝かど
いお
むすめ
〽ぢよえいの
ふることになかて
らへしはんべゑは
しゆんのみかど一日
しせんのみかと
がはりのつまとつま
両の手
にもつ
うめ
さくら
あや
かり
もの
めと
べゑが
せなを
たゝけば
ありあふ
ひと〴〵これは
とんちのごさはい
とおひなもことに
よろこべばはんべゑ
おちよはゑみの
まゆまたあらたまる
さかづきにおひる
おちよもあら
ためて
おとゞひの
むすび
あひ
つぎへ
升
つゞきなかむつまじきつまとつま
せけんにまれな女のかゞみます〳〵
づみこむかねます屋の
見せのはんじやうめでたし
〇これより第二へんはとみをかや
金五郎がおもはずも
おつな
えにゝ
を
小三馬作
〽そなたとおれとの
いもせむすびは又くる
真の二へんめに
ム
むす
ぶのいとすぢ
手代忠兵衛が
こんれいより仲八ふうふかゑかう
どのまちがひばなしをかしく
めでたきひとしゆかうあると
あらゆるこんれいづくし又来春に
つゞりいださん初編はこれにて
めでたし〳〵
小三
とゝのふえにしも
わたしがさいはひ
めでたくさかづき
いたしませう
国貞画
○板元口上
せけん
むるいの
しなぐ
美艶
仙女香
黒油
美香
四十八孔
□□□□□□□
右相かは
らず
御用の
ほど
ひとへに
つゝ
願
京
ばし
南てん
ま町
三丁目
坂本氏
精製
春
←
新
彫
梓
京塵子振袖日記刻
山東京山戯作
編六冊
歌川国貞画図
松亭寿山作
四冊
英門松和合寿全
歌川貞秀画
哥縁結赤縄
武亭小三馬作
初編四冊
歌川国貞画
歸雁故郷の花園
松亭寿山作
全四冊
一猛斎芳虎画
七曲舎倭金作
ひやくめんはふしかたばなし
百面相仕方噺
一編四冊
土橋亭龍馬作
全四冊
女舞千代の寿
一猛斎芳虎画一
一勇斉国芳画
松亭寿山作
台西堂主人作
四冊
忠孝譽之碑全
一猛斎芳虎画
全四冊
万福長者実蔵人
一勇齊国芳画
ゑほりはつゆめそふ
恵方
士六冊
初夢草紙全
宝田千町作
浮世又平名画譽
冨士
五雲亭貞秀画
式亭小三馬作
全四冊
五蝶亭貞重画
前編
後編
牡丹園女荘子
柳亭種彦作
香蝶楼國貞画
仙女香
地本錦絵問屋本郷五町目松原堂藤岡屋彦太郎板
加人参丹