楠歌舞伎礎
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- 歌川國貞畫
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- 場所: 江戸
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- 歌川國貞畫
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- 日本語
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- 森屋治兵衞
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- クスノキカブキノイシズエ
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- 東北大学
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狩
楠歌舞伎礎
『売業』第一冊前五7
以テ購入セル商蘭博士
「猶勢亭吉氏藤蔵書
ゆゑぞうしは文政四年巳の春の新板宮城野信夫
小説由井が浜の後編なり前輪の由井がはまをよま
ざれば此ゑぞうしにすじのわからぬ事あるべし金部そろへて
十二冊宮城野信夫が一代記に常悦秋夜の読
きり講訳前座ばかりでこちやおきの石人こそしらね
骨董集の三編に取かゝりかゝる跡書もある人の
所蔵コリヤ写さずにはおかれまいと華のいとまもなか〳〵
もつてゑぞうしの作はしばらく文車の架へあげおさしに由
井がはまの後編〳〵とおたづねあるよし書肆のもとめにせんかた
つくえのちんぷん。かんを取のけ例のよしなし手を書つゞる
になん
文政も年秋脱稿
山東庵京を涼
一百六年春慶覚
一仙堂に事を採る
同断同甚右衛門前村
き野
百姓
与茂作が
しのぶ
大納多良之助
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
義弘之家臣今井
合五郎友勝が弟今井
谷次郎友重
一台
多門之助
常悦
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
まひつるや
○大礒舞鶴屋の
傾城
菊水
野
一山半画
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
ぼつたん
古今めづらしきかたき□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
ところは奥州白市百姓与茂作り
あらはみかしのいもとはしのぶおやのかたきしが大七を打たる
しだいをくらうじかり上下そろのてはわづかはせんめづらしき
かたき打のしだいをごろうじくろトこゑはるの夜のほし月よ
かまくら山の子したまち〳〵うはさもたかきかたきうち
ゆきゝの人も口〳〵に〽モン太らべ米さんみやぎのしもぶは
ゑらいやつらじやござりませんか〽さやうサわづか十九や
ゑらいやつらじやござりませんか〽さやうサわづか十九や
はたちの女の身で赤松けのれつきとしたしりも
しがこのしが大七
見事に打たとは
百姓のむすめ
うじろ
二大いそのおゐらんこりやアたもんの介が
たしめるだちう〽ナニサたもんの思はそう
給ふ人じやアねへ二人の女をいかま
ちのれき〳〵からよめやむすめやむすめに
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
みやぎのには大内けのれつき
をした人にいひなづけが
あつたれ
そのへも
大内けが
三丁
百
しては
あつ
はれな
はたらき
わしらがむすめ
などはおやの
かたきところか
うちのねこめが
ほうきのかたき
打さへ打もらして
むねんがり升
それからみれば
みやきのしのふ
かまれだとてしろ
ありやたゞの百姓
のむすめでも
ほかびてゆくへのしれぬ男にみさほをたてゝ人の女房
にやならねへとさ〽そんならなぜ女うになつたらう
よ〽そりやァおやのための孝行だらう〽いかさまア
おやのかたきを打やつはちがつたもんだモシつかねへ
こつたが江戸京ばしの
でんが
子の
できる
女やくが
あるといふ
ことだがきゝなすつたり〽そうサおめへ
くさぞうしにうるさくかいてあるはな
〇くわいにん丹といふのみいゝねりやくさ
ござるまい〽さればサ
百姓の与も作と
いふものはもとは
くすのきけのらう
にしなき
にんなきをとこ
小一べゑといふもので
みちのゝの白右にかくも
すみそののちするがの
国にきたり大小
やめて百姓となり
ふたりのむすめを
もうけたのことどうでも
武士のたねだけに〽モミおめへは
よくくはしくしつていなさるねモシヤ
まへもくもくすのしけの〽なんだな
おもとつくもねへくすの木でもきりの木でもねへが
みやぎのしのぶがかたきうちわけいろ〳〵入くんだ
すじ春は京山がかいた事がはまといふ
くさぞうしにくはしくかいてあるのを
みやしたぞの由弁がはまのこうへんを
くすの木かふぎのいしづへといふのがしぎの
しのぶがかたきを打たあとの事をかいた
そうさ〽なかほどおめへはくさぞうしが
すきだげにくわしいもんだときにみやぎの
しのぶはざいしらへかへつともいふがへうじやァ
としてけるねへ〽やはりきやうだいとも
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
氏たもんのやがかくまつておくそうさ〽こいつァ
あやしいしのぶは木むすめだがみやぎのはもとが
〽コヽむかひに
きたか
〽いかさままんざらなものもうりやすめへ
一方が五匁半才が二匁五分女げのめば
はらみやす男がのめば大のじんやう
也そりや申八某地黄のやうなもん
じやァねへきゝみちがはやい事が少た
〽おめへもちひたの〽ナニのみやア
ゑねへがそういふうはさだ〽イヤ
あやしい大のじんやくときいて
のんだらうしうしかし女のために
のむのでもねへやつはり身の
用心だこいつァわたしものみ
やしやう神田のたいの与吉
さんの女房もくわいにん丹で男の子ができ
やしたたび〳〵子のできた人があるから少だ
〽まだ古にでんがみせにはこゑよくなる
勧音丸一包が六十四もん半回か
三十二もんゑなのやのお半ぼうも
このくすりであんないゝこゑになり
やしたそしてまだ雲のうへといふ
匂ひ入のおしろい一包六十四もんこりやァ
せけんにるいのない極上だ
そうさみのやの三かつなんぞは
げいしやでもひねりもんだが東でん
のみせのくものうへでなくツ
けやせん〽太郎つけやせん〽太郎へゑさん
かうはなしながらあるゝと
かけへようだそうあふきがやつのやしきだ
いからこゝでおわかれ申ませう
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
なら〽おやどへ
よろしくど
右とたりへ
わかれゆく
○あふきがやつに
○あふぎがやつに
名もたかき
氏たもんの介が
ひとかまへ
いらかなら
べしろぶき
もんつねに
氏りやくを
ねりべいに
の松も
にて時めく
いろをあらは
せしみむ
げんくわのかづやりもかず
かずおほきもんていぢう
木太刀のをとぞいさましき
たもんの介打ゑみて
しが大七を打とりしより
しんけんのたましいが
すはりしゆゑかくべつの
上り目が見ゆる〳〵と
おろそかはり合ぬけがしたやうでどうもきのりが
〽ヲゝしのぶできた〳〵かたき
ほうびのことばにしのぶはゑしやくし〽本もう
とげしはめなたのおちからこのうへは女の身で
さして用にいけんじゆつとおもへばつい〳〵けいこも
ござりません〽女の身で用のないけんじゆつとはひえまへ
けふのけいこはこれまで身ども
いぜんはくすの木
けのらうにん武士の
娘なりや武げのの
たしなみはあるべき
はずまだうらわかき
きやうだいふたり
ひとり身のたもん
の介が手もこへおい
てはせけんのおもはく
さるによつてきん〳〵
ざいしよへかへさねばならぬ
とてもの事にめんぎよと
おもへばみやぎのもとも〴〵
にしゆつせいおしやれイヤ十二
もんていぢうもはやばんげい
もきうそく
もきうそく
仕らんと刀を
さげて入に
三十三
もんていは
口くに
〽イヤしのぶき
ついものじやあせ水
ながしてもわれ〳〵は
ついにほめられた
事はないついぶんせい
たしやあやかりもの
しや一日がくれたら
内でしの谷二郎が
うけだちて
あせをなが
してよるの
けいこわし
らはとても
はがたゝぬ
サアミな
打つれだちていでゝの
かへり
ごいつしょに
かへり
ませうと
ゆく
〇しのぶはあたりみまはして
豆がそばへより
〽イヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤヤ
たもんの介さまの
おなたけで本もうとげた
れ〳〵ふたりさいしよへかへる
なれどたもんの介さまはふでん
まのあれとなんのめさまはふでん
さまのあと目をつげとをと川
なつもとさまのおさしづなにや次へ
次へ
おぼかは名さへ打あかさず身もとをかゝす
ひねはどうもがてんがゆきませぬ今もいまとて
氏さまがちか〴〵にざいしよへかへすと
おつしやればおかほをみるも
わづかの内またあふことも
はかない身のうへぶたおや
にはしにわかれたよりに
するはあねひとり
わたしやどうせう
どうせうとたりとを
口にしのびなき
ふとしたみのなれそめもおまへはほんの水あさぎ
つゞき〽かやのおめでたでおせわになるもはやふた日
見まはし
谷二郎あたりを
〽そのなけぎはもつともじやが
それがしとてもふたおやにわかれたゞ一人の
あにはあれどもゆくへしれずのぞみあるこのみ
にんせそんならどうでもいきわかれこれが
おかりけんかとひざへなみだのたまり水
もらさせうりんにけり〽これしのぶどの又あふ
までのかたみ身はアヽなにをかにをかなにをかな
三びきしゝの此にづか
うれしうござんす
とけかゝりたる
しゆすのおび
あたかに人も
ないげんくわ
をりからおくゟ
あしおとに
ふたかはびつ
〽しのぶどの
一谷二郎ん
〽どがや
なればそれとすぜうはあかされぬさるによつて
ながくこゝへあしはとゞめぬ又あふ事もあるべき
ぞやかならずわすれてくださるな〽そりや
おうれしいおひざしおほくのでしのけいこばでさそふ
水さへきこながしおまへにたてるしんぢうもどふぞそいたいわたしが心おまへもこゝにすへながし
あらをとらぬぬおびならつれてのいてださんせ〽イヤ〳〵そりやわかいがいがつてんいろはしあんのし
なかといいへど云やのかたきを打し身が田冑をこしらへしせうしのおんきを打わすれ立のき
のつてはおよなをけがすのみかせんせんぜいのつらゞかごしそうしたあだな心ならわしがえんも
一二拾三ご亥しのぶをつきのけたゝんとするひざにすがりて〽こりやわたしがわるかつたかんにんして〇
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
㊁食せざるものあり古今食物の
かはすみるを
かはりたるを考たる書なり
一右追々出板仕候
これより本もん谷二郎は
おくゟよばれたもんのすけがまへに
手をつき御用はいかにとたづぬれば〽ヲヽ谷くらか
なくがによんだはほかでもないその用事はこれかちとありあふ
茶わんを打つくれば谷二郎身をひねり扇をもつて
ちやわんはくしと打おとし〽ハテかはつた御用でござり
外な〽ヲゝでかした〳〵その手のうちを見るうへは申聞
○此処へちよろと御ひろう仕る也
一日こつとうしふ
骨董集三編京伝遺稿
ぢよしやうかう
女粧考五巻京山補訂
右京山人百樹編
此書はべにおしろいのはじまりまゆを
おとすことはをそめることくしかんざし
かうがいのはじまり髪のゆひぶり
かうがいのはじまり髪のゆひぶり
ゐふく笠頭巾のるいはきものに
いたるまですべて女の風俗にかゝ
はりたることはあげてもらさず
上古中古近古と三だんにわかち
一古国にあはせて古書をひき
上古より近古までその時々の
婦人をならべ見るがごとゝに
かきしるしたるかながきの
書なり
わかんしやうかう五巻
和漢印章考
わかんの諸書をひきら
印のことをくはしくろんず
京山著
食物考三巻
京山著
昔食して今食せざる
ものあり今食して昔は
ちかくまいれとひざすりこせ
なにかひそ〳〵ものがたれば
合二郎はつと〳〵ものがたれば
谷二郎はつと手をつき
こもんじんもおほきなかにとし
はもゆかずわざもみじゆくの
それがじへかゝる大事をおほせ
付らるゝだん身にとりまして
いかばかりありがたうござります
しからばすぐさま
こよひの内に
はていさましき
わかものじや士ト
たもんの介は合しら
をみとりつゝ
おくのひとまへ
入にけり
ものかげ
しのぶが
かいで
「モシヤ
□□□
せいうへ
かみあれ
にてやうす
ました
おもへはこよひ
たびのおつかひ
〽さればさ一日に
三十里の
四
うちよりたもんが
こゑにふたりは
はつと立わかれ
いわぬいろなる山を
のふすまひらいて
たもんの介しづくと
たちいで〽やな
たちいで〽いやなに谷三郎
このひとこしはむらまさがきたいの
わざものかどでのせんべつ〽こは
おもひよらざる出も
おもひよらざる玉もの
ありがたふじゆのふ
仕で五
ござり
ませうとおし
ませうとおし
いたゞけばたもんの介
しのぶにむかひ谷こらが
かどでのしたくこれで
とつくりいたしてやりやれ
〽はい〳〵ありがたうこさり升
〽ありや五ツのとけいはてはテ
はるのよはみしかい十アト
おくの一間へ成
身のめんぼく
こよひすぐさまし
たびのかどいで〽ミテおつかひの
そのさきは〽それとさだめぬ
くにづたひ又あふこともはかられぬ
これとおもかれとおもはれよ〽はか
ないちぎりでござんした土下
そでになみだもつゆしゞれ
いゆしられ
〽谷二郎まだゆかぬかとひとまの三つ
桶
ちさんせよと
がねのつゝみを
〽君こらおしいたゞき
くわいちうなし〽よふけぬ
内に此地をはなれ
○たびの用いはとちう
にて仕ちん〽︎いとら
しゆびよくしおほせ
立かへれ引きづ
かいなされ
升子
入にけり○かしてこの夜谷二郎はたびにおりむき
しかぞさてつぎの日たもんの介みやぎの
をちかくまねき〽まねき〽まねき〽そのほう
おめぐみ
にて
よも作が
かたき
君が大七を
○しゆびよく打て
本もうをたつし
このかまくらへ名を
あげしは女にまれなる
身のほまれさるによつて
つまにほしきとのぞむ
にほしきとのぞむものも
あれどあねのみやぎのは
おさなきときより
いひなづけのおつと金井
谷五郎がいゝへをもたづね
たくおやよも竹がついぜんの
いとなみなにかにつけて
ひとまづざいしよへ立かへりたき
ねがひユリヤもつともかね〳〵
したくもとゝのひあればあすは
したくもとゝのひあればあすは
ざいしよへかへるべし
いつぞやはまんのもんぜん
ばかり
しばし
ことばも
なかりけり
○かくて
たもんの介
きやうだいを
さいしよまで
をくりとゞけよと
しもべのとしたけ
たるものに申付
たびの用いのこり
なく心付あつき
めぐみにきやう
たいは礼もことばに
つきせぬなごり
なみだを袖に
つゝみかねたびの
そらへぞおもむき
ける●それは扨おき
たもんの介はこのくさ
ぞうしのぜんへんに
くすのきふで
のみじ
ひいりたる次へ
くすのきふで
もくぜんきやうだいに見す
べしとしばらくじゆも
べしとしばらくじゆもんを
にてかたきを打たるその
かけにてよも作が
けふりのうちより
みぎりよも作が
ゐはいへたむけし
大七がくびくさばの
かけにてよも作が
よろこびたるすがた
わがやうじゆつにていま
となへければふしきなる
かなたもんの介がかた
はらにありあふかうろの
よも作がすがたこつ
ぜんとあらはれ
さもうれしき
かんしよくにて
につことわらひ
大七がくびをひつさげ
ふたりのむすめを
打見やれば
〽のふとゝさんか
なつがしやととり
つく袖もまぼ
くつしのかきけす
ごとゝにうせに
けり
けりふたりの
むすろは
むすめは
ゆめかと
きくすいのぐんりよの一くわんふたく北
そろいければいよ〳〵大もうの
そろいければいよ〳〵大もうの
くはだてにきけいをめぐらし
一九がせしうやと心をあはせ
時をうらゞひけりさるゆゑに
おくにはのから井戸より
あるぎさんへのぬけみち
をつくりおき
かふらややのむねに立たるいへより
よりのさだめなりことしは十年目に
あたりぬればなにものゝやのむねへ
しらはのやの立やらんと村の
人〳〵やすき出はなかりけるが
ためゑもんがいへのむねに
丸がせしうやがとほやに
ゐたるしらはのかぶちや
立たるをま王明神の
しはざとこゝろえ
かないをはじめ
村ぢうまでうへを
したへと大さわぎ
四その時にいたればしらはの
むすめを人みごくうにいだす事むかし
ためゑもんふうふのなどき
はいふもさらなりむすめの
おいとはことし真にてしかも
ひなにはまれなりうつくしさ
をりもをりとて三月二日のこと
なればかざりたてたるひなだなに
よひのせつくといはひたるをのめでたす
かしこへかいごう
して大もうの
みつだんをなし
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
九がせトあるぎ
さんにくわいがう
なしみつけいの
ひやうぎをはつて
のち丸がせしうや
しらはのかぶらや
一すゞ西にむかひて
とほやにはなち
て立さりけり
このゑらはの
矢三浦村
きたり
でんぢ
あまた
までとび
もちたる
百せう
ま王明じんへ
こくらを上る事あり
金田やため
ゑもんはやのむねへ
立けるさて此村の
ならはせにて十年
に一へんつゝ氏神
ま王明
ま王明じんへひと身
●はまぐりもなみだをこぼす
ばかりなりさてこの
三うら村にあら四郎と
いへるわかものあり
けるがひとりの
おやさぢあん
名古ニ
□□□□□□□□□
まはるべきやつ
なれどもなが
袖のこと
たけに
あみを
のがれて
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
なくゐらや
どのにて
かくらしきり
〽かくわるもの
せかれなれば
あらせらも
おやのさぢあんにて
金ばくの
ころも
ゑもん
むすめこのたび
人みごくうにあたりし
ときてくやう
ときゝてくやみにきたゞ
ければためゑもんあら四郎に
むかひ日ごろつきあいのひろいた
こなさんもしやむすめが
命にかはり人みごくうの
身がはりにたつものあらば
かねにはかまはぬたもみ
ますくよひにせまる娘が
命アヽたすけたいふびん
でござると男なきに
なきければあら四郎
〽ほかのことならうけあい
ますが人みごくうの身がはり
ばかりはとち万文でも
一十二十二分五匁二匁五匁五分
六こんやぢうには
おぼつかねへヱヽ
おしいむすめを
かはいそうに
みごろしに
するがいぢら
するがいぢらしいと
おにのめにも
わがやへかへり
とにかくかねが
ねん
なと
よくに
めのなき
あら四郎
おやさぢあんも
いろりのはた
あたまを
▼
かいてゐたりけりためゑもんが
やのむねへ立し君らはのやは
丸がせしうやがゐすてたる
とほやなりとはしる人
さらになかりけり
○そればさておきこゝに又
みやぎのしのぶはたもんの介
よりおくるとにつけたるとし
よりのしもべここかえがほに
ちがみちをつれきたりけるが
山みちにふみまよひあまつさへ
かのしもべにわかれきやうだい
ふたりこゝかしごさまよひしもべをたづぬる
うちに日もくれければます〳〵みちに
まよひをりしもしもしのぶはつがおこり
しとてゆきなやみければとある一ツやの
のきのしたにやすらひ〽ししのぶいたみはよいか
〽あいどうやらすこしはこゝろよふござんす
しやくをおさへてなやみそりこの一ツやはすなはち
かのあらゆらがあばらやなりあら四郎はおやにむかひ
うしろものき下に女のこゑがするやうじやがおやぢ
さまかてんがいきませぬ〽いかさまやさしき
うらにのまどから見やさしいこゑじや
うらにのまどから見やれ〽どれといらくあら四郎ひでを
こちはしてまどの戸あけ見れば見とれるうつくしさ〽きさ
おもてたびのしゆと見たがどうやらなんぎなやうす
おもその四からうちへあがつてゆでものんでいかつしやか
〽そこはまアありがたうござり升さやうならばおせわになり
〽おはまりありがたうござりにしさやうならばおわになりませうと気の戸口へ年まはれば次へ母
三のまき
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
三のまきゟつゞき
ともなひさま〴〵にいたはりければきやうだいはよき
ところへきたりしとよろこびけりあら四郎がおやの
さぢめんなんどより立いで〽やうすをきけばともに
はぐれて道にまよひいこうなんぎをされるさうな
此ことさらいもとこはしやくがなやむとのことわしはりな
もさぢあんとてまづこのきんぢの拝しやじやそのしやく
もついなをしてやろこのきんぢの拝しやじやそのしやく
もついなをしてやろうもはやこよひもおしつけくはつ
じやこよひはわしが所へいかりをおろしてゆつくりともつ
女すましやれりやうじもわしがしてやるといふに
みやぎのゑしやくして〽それはまアありがとう
〽ごさりますよい処へまいりあはせさいわいなおしや
しのぶ〽あいどうぞ此おなりのいたみをはやう
なをしてくださりませ〽いやモウそりやなんの
ぞうさもないこと今にくすりをのませますまア〳〵
おくのひとまでうちくつろいで〽おやぢさまあの
しゆも大かたじぶんどきなんぞちよつくりわしが
りやうり〽まア〳〵まア〳〵まア〳〵なんどで
よこになつてやすれ〳〵まア〳〵なんどで
よこになつてやすもしやれトさぢあんが
あないして小よぎもうすきみのぶとん
ふたりはこゝへとまりもうすきみのぶとん
ふたりはこゝへとまりをさだめ
やう〳〵ひも
おちつき
けり
さぢあんはなんどゟ
たちいでゝこゑを
ひそめ〽こりやせがれ
さいぜんおのしが
はなしには人みごくうの
身がはりがあらば
かねはいくらでも
たそうとあのふく
とゝや万右衛門がいふ
たとの事こよひ
とめたいもとのかつこん
万右衛門かむすめの
丁とよい身がはりコリヤ
かねのつるにありついたぞ
よろこべ〳〵〽おやぢさん
がつもさいぜんからよい身
がはりとはおもへ
かはりとはおもへども人々
ごくうの身がはりをしばつて
つれていつたらば人ががてんは
しますめへとろし
しますめへ〆ころしちやァ
なほさらつまらず
とゝしんづくでは
とてもいかずほんの
これがたからの山へ
入ながらてんぼうの
やうなものかねの
つるにありついた
お糸にやとしごろといひ
とはおやぢさんでへぶ
やきがまはつたナア
〽こりやせがれまだはたう
きがにぶい〳〵あの娘を
いかしておいてねまひま
入ず身がはかいゝつかふしゆだんが
あるはいヤイ〽フウそりや
おもしれへそのしゆごんとい
おもしれへそのしゆだんとは
〽こりやコウトみゝに口よせ
さやけばあら四郎打ゑ三ツヽ
ふつウうまい〳〵すりやなんと
のわつしやるもうかんやくと
いふ唐人がすいこ伝内へ
つたえたる一時ころしの
なんはんぐすり〽コリヤ
ひそかに〳〵一時ごろしをのま
するときは目ばかりはち〳〵
ものはいはれずからだは
ぐた〳〵一時たてばもとの
からだしやくのくすりと
いつわつての介せるほどに
どくのまはつたそのときに
つぐらへおしこみ〽ヲそれ〳〵
またもの「わりやまたそれ〳〵万右衛門が出たへはせゆきまづ百両は
なれば百両ではやすひとり娘の会にかはかはかはかはるしろもの
なれば百両ではやすい〳〵五百両ともかかりの命にかはるゑろもの
どくやゝのてうがうがうに〽コレサおやぢさんやぢおめへもとゑがたかい
二かくておやこのあくにんばら心を
あはせしやくのくすりといつわりかの
時ごろしをのませさぢあんが
なでさすりていたはるふりを
ればみやぎのは
これをま事と
おもひて
あんど
しのぶが
どゝに
あたつて
むちうに
なり
なし
しやくが
おさまりて
よくねいる
こゝろえ
道のつかれや
なにやかやに
みやぎのも
すやくと
ねいり
しぶんは
よしと
□□□□
なりし
しのぶ
かへて
ひきおこし
つらのなかへ
なか
おしいれて
あら四郎がしつかと
せおひ心せくまゝ
つまづくあしもと
よろめくつゞらせうじへ
ばつたりみやぎのは
一目さめてびづくり
用いのひとこしぬき
はなし〽ぬすへやらぬと
切つくる〽さうはさせぬと
さぢあんが手をさし
のべてみやぎのがおびを
しつかとひきもどす
はづみにばつたりあん
だうのたふれて
あとはまつくらやみの次
やみじあい
〽しのぶくとよび
たつれどへんじ
なければみやきのは
ます〳〵おどろき
〽さてはいもとを
こゝかまはすごとはやくゆけ
かどわかさんとつゞらへ入て
うばいしよな〽コリやせがれ
〽かつてんだトいつさんに
はせゆくをやらじと
あせるみやぎのを
さゝゆるさぢあん
みやぎのはならい
おぼえし
しんの
あて身
うんと
のつけに
たふるゝさぢあん
あとをも見ずして
おひゆきけりさぢあんは
いきふきかへし〽女に
まれなる手きゝのはやわざ
せがれが身のうへおぼつかない
あとからおい付あの女を切てしまへば㊀
二ことはら
やめずそうじや〳〵
と身づくろい
一トこしぼつこみ
かけいだせし
かど口に
ぬつくと立たる
くろせうぞく
かたな
びかりと
ぬくても
みせど
見せず
さぢあんが
くびを
はつしと
打おとく
おちたる
くひを
ひつさげ
いづくともな
なく
はせさりけり
此をりしも
このむらの
村おさ
とほり
かゝり
それと
たゝかに
みとゞけ
ねど
〽ヤァ
人ごろし〳〵
なばゝり
にげ行
けり
様
したひておいゆきしがやみのよにて
見うしないしかば心におもふやう
此うへはあとにのこりしあの
いしやをとらへきびしくせんぎ
なさばいもとがゆくへも
しるゝだうりにげさらぬ
そのうちにあとへもどつて
ひとせんぎとまたさぢあんが
ひとつやへ立かへりしが
こゝにまたみやぎのはあら四郎があとを
かど口にてしがいにつまづき
びつくりしほしあかりに
すかし見て〽よひに見うけし
この小袖こりやくれたしかに
あるじのいしやくびのないのは
一つのふしんひつとらへて
せんぎせんと思ひし
あるじはこのさいご
はてなにものゝしはざ
なるやがてんいかざる
此ばのしぎ
こゝ
にはゐられわへじ
なんどへかけ入たびの
つゝみを小わきに
かゝへ立さらんと
したるなりしも
おもひかけざる
ものかげ
より
とりもの
村の
もの
ばら
みや
ぎのを
おつとりまき
〽人ごろしの女
うでまはせト
いふにこなたは
打おどろき
〽身に
おぼえ
なき
わた
くゝを
こりや
〽人を
あやめぬ
やへばのけつはく
とつくりと
こらじ
こらじ
なんとなされ
ますな
〽なんとするとは
しれたこと
このやのあるじ
さぢあんを
あやめし女ぢんどうに
うでまはせ〽おもひも
よらぬそのおことば
それにはなんぞ
せうこばしごさり
ますか
いふにくみ子の
かしらとおほしく
〽ヤアだまれ女
それがしは
かぢはらが
けらい
さかろの
けらい
おそへト
申ものこよひ
此村へとまりあはせし
をりから村おさの
なにがしさいぜん
なんぢがこのものを
ころせしをりかち次へ
ごとほりあはせたしかにそれと見とゞけてそれがしへつげたる
ゆゑからめこらんときたりしなり村おさが見とゞけたる
のみならすかれがしがいのかたはらにおとしありしくしと
ちんざしなんとたしかなせうこであらふがしくみよが
さしたすくしかんざしみやぎの見るよりびへくりし
〽こりやこれわたしが〽なんとちげへはあるまいがな
〽いかにもこれはわたしがかみのかざりでごさります
こよひはからずこのやへやどりあるじおやこが
わるだくみにひとりの
いもとをかどわかされ
うばひゆくを
はつけしゆゑ
おいかけゆきし
①
〽このよのいんぐはが
身ひとつにあつまりしか
二そのおりからたしかに
かとしたこのかんざし者がいのそばにあつたるは
わたしがいんぐわさりながら〽ヤアだまれ女見れば
こゝにもそのひとこしそれでもわりやアあらそふか
〽ヲヽそれ〳〵人をあやめし刀にはたとへのりは
ぬぐふともやへばにのこるそのしるしわらはお
きらぬといふせうこいさおめらためくだされ
ませとひとこじすらりとひきぬきてくみ子の
かしらのはなのさきさしつゝればうしろよりさし
たすたいまづくみこのかしらみやぎのがかほつく〴〵と
打まもり〽どうやらわりやア見たかほへきヲゝそれ〳〵
それがしがけんじゆつのせんせいしが大七どのとどう〴〵
してくるはへゆきしそのおりからたしかにわりやア
みやぎのとて大七どのをふりつけたばいために
ちけへあるあへ〽なるほとわたしはみやきのでござん
するコ〽ウミやきのならば大七どのをおやのかたきと
打たる女おれがためにはしせうのかたき〽なんと
〽いやさしせうのかたき心にもまよはれし女であつたか
〽このひとこしのお目きゝで人をころさぬおうし
おはらしなされてくださりませ〽ヤアならぬ〳〵
なは打てしばりくびものどもぬかるならぬ〳〵
〽こゝろへましたと大ぜいいちどにてつぜうふり
あげ打てかゝればみやぎのがからごきはめし
しゆれんのはやわざされども大ぜい入かはり〳〵
からめとらんといどみしがば心はやたけに
はやれども女のうでのかいなさはついにたることに
いましめられむらをさかたへぞひかれける
それはさてき
こよひ八つの
かねをあいづに
村のもの
大ぜいきよう
大ぜい入きたり
じこくがきた
ぞやいつまで
ないてもぜひがな
こゝにまたりのふく
とゝや間右衛門が娘
ないてもぜひがない
娘をこしへむりやりに
おし入れてかつぎ
いたせばふたおやは
さらなりかないの
女ども心なき小ぞう
までなかざるものは
なかりけり女は
今いちど
こしにとりつきて
娘がかほ
ひとめ
見せてくだ
されいこれ
村のしゆ
たのみよすと
とりつきすがるを
おしのけてこのむらへ
うまれたがこの子のいんぐわじや
こゝはなし〳〵といへども
一四のまき
よみじめ
き山に
つゞき
げんそ
の山なり
しんたいち
山のいた
の一だきに
ありて
山のよし
山のはんへ
ふゝにな
神のやしろ
あり昔は
なりしにやく
爾
二わかれを
おしみしは
よその
見る目
見る目も
山東庵京山作
⑤
あはれ也
かゝる
おり
しゆ
も
歌川国貞画
まつた〳〵とこゑかけてはしりつきたるあら四郎
こしのぼうばなしつかととりてつきもどしくみ
ごくしの身かはりをつれてきたぞお糸どの命はおれが
たすけてやるときいてふたおや打よろこひそりやませ
ゆめりうつゝかいのふトこけつまかびつよろこぶ母おや
あら四郎はつゞらどつさりふたおしあくればしのぶは
ものをいふこともならぬどゝやゝ時ごろし目ばかり
はち〳〵うつくどうぜん五百両トいひだしたを村のものが
打よつて百五十両にねだんをきはめあら四郎かねを
うけとりしのぶをこし
かけとりしのぶをこしへおし入れて村の大ぜいたいまつ
してらしまゑ明神の山をさしてぞいそぎける
一それ物おきこゝにまたいつもうるさいくすりの御ひろう
江戸草ばし京でんみせにて十年いぜんより御ひやうばれ
しく諸国へもひろまり候十三味くすりあらひを
水晶粉一包一匁二分第一いろを白くいたしいかほどのあは
上せうにても御かほ曲のごとくになることかけ合也やけど切
きすに少也近来かびたゞしうりきばき申候間やくしゆ
榎上候を相用イこうのうかくべつ也相かはらず御用こひ願奉り候
かれみすやふるくちてすゝきにつらね
かれみすやふれてつたまとへり
あいれざる松杉のひるさへくらき神やしろ
ましてや月もかたふきて野でみの
二はいでんがくだう立ならびたるもいまは
あれはてゝきつねたぬきのすみかと
いとわしらなめにのきかたぶきくもの
いとわに口かたふきかたぶきくもの
をけがしをつなぎはとのすしんぜん
をけがしゆるくちてすはとのすしんぜん
かねもうしみつ時みのかさきたる
百せうどもたいまつをともたる
百せうどもたはまつをともし
つれかの人身ごくうのひつきを
かつぎきたりてしんぜんにかき
おろせばかんぬしのつとをあけて
神をはいし百せうどもに
打むかひ〽やれ〳〵みなのしゆ
くごたいぎ〳〵これできさま
たちのやゝめもすんだといふ
ものできさくのおむすなん
二ぞは村でもひやうばんの
おしやらくわけにへにあた
らいでしやはせ〳〵トいへば
そばからわかいもの〽でき作が
一おむすはあのぜんの〽でき作が
とふに人めごくうにしめて
をりますはいの〽なにを五郎久が
一ばかぬかすなそれに付ても
二よひのむすめあのあら四郎
めがどこからつれてきたやら
あら四らめは百両といふ
うまいことしたがおいとが身
がはりのむすめはちんぐはもの問へ
そのくせ
きりやうは
こゝらには
ないしろもの
とても百両に
うられるなら
大いそへいつた
ほうがよつほど
ごさるヲゝこわい
事〳〵〽かんぬし
さまのいはるゝ通り
おいらもひよつと人め
ごくうのせうばんに
ヲゝいやこの〳〵サア〳〵
ござれと打つれて
みな〳〵ふもとへかへり
けりあとになとある
けりへあとになとある
ものとてはたにの
水をと松のよぜ
よはしん〳〵とふけ
わたるをりからしん
せんの中びらをおし
ひらぎて立いでる
たびのさむらい
手にしらがの
なまくびを
ひつさげ
しづくと立
いでしが
ひつきをほゝ
あかりにみて
打うなづき
ひつきの
そばへ
立よりて
もちたる
くびを
かたへに
刀を
ぬいて
ひつき
明神さま
がきいて
つゞきなはを
きりほどき
ふたをとり
のけ手を
さしいれ女が
さしいれ女が
かほをなでさすり
〽いきたる女とおもひのほか
右にんもどうぜんさつする処
なけぎのあまりにたへ入しと
おぼえたりわれこよひ
このところにくびつかを
たてばやとこのしんぜんへ
きたりしおりからたいまは
てらせし百せうばらは
それがしふもとにて人をあやめ
このくびをとりしゆゑおつてのものかと
おもひしゆゑしんぜんへ身をかくし
やうすをきけばいけにへの身がいりて
やうすをきけばいけにへの身がはりに
その身をうりしふびんの女われ今
このしんぜんに立かくれさげたるくびに
したゝるちしほしんせん一げたるくびに
したゝるちしほしんせんをけがせども
ばちもあたらぬこのやしろいけにへ
なんども事おかしやさへする所
神もねぎのならはせがらもろこしに
たすけえさせんそうじや〳〵とこしより
火うちぶく
火うちぶく一るをとりいだしこのはに
けるためしはありとへきく神はひれいをうけずとは
しんこくのいきをうけずとは
しんこくのいきへをしわれ此神になりかはり此女を
とりいだしこのはに
松のかれえだを
とりそへて火を
うつすおりしも
しのぶは一時ごろしの
かのどゝやくのどくさめて
いきふき
かへせしその
かほへ今
たちし
六
きを
うけて
せいしん
すゞしく
立あがく
たがひにかほを
見あはせて
ヤア
おまへは
谷しら
さん
幸へ谷二
しのふ
こりや
ゆめか
かいのふ
いひつゝと
出けより
まろび
いで
八合三郎
にとり
すがり
たがひに
を
かはし
八百三郎
さん
がたの
この
白
むく
いま
はしい
桶
このよかいのふ〽ヲ
どうりじや〳〵お
おれも
やうすは次へ▼
権
ばらがはなをきけば百両に
その身をうつていけにへの
身がはりにたちしよし
いかなるわけぞとたづぬればか
しもふはいよ〳〵ふしんはれず
三うる寸にて
三うら村にてさぢあん方へ
やどりくすりとてあたへし
ものをのみしよりのち
はしらず今ゆめの
つゞきしらねどもさいぜん百せう
みやぎのがゆくへも
おぼつかなしと
なみだに袖を
しぼりければ
谷二郎
〽さてはさぢ
あんがたみにて
まやらをのませ
さめたるごとしあね
むちうになして
いけるへの身
かはりとなし
百両にうり
たるにうたがひ
なし〽シテ又
おまへはとう
したわけで
此ところには
万幅
内下不全
いさんした
フイン
〽その
いふは
しさいと
氏たもん
の介どう
えつどの
日本
六十
六ヶ国
第二十一
二くびつかを立んとて
むしやしゆ
きやうのをりから
いづさがみの二ヶ国を
のこせしゆゑわれにかはりて
くひづかを立よとのおほせにまかせ
しらがまくらをにはかに立いでこよひ三うら村にて打とりし
しらがくび此所へうづめんとて此所にゐあはせしはつき
せぬゑにしそもじがさいわいしきうはすなはちこれ
こゝにとたぶさつかんでさしいだせばおやのかたきも
打たるしのぶおそれもせずたき火のひかりにつく〴〵〳〵三
四打ながめ〽うれしや
これこそまさしく
さぢめん〽さてはふも
とで手にかけしは
さぢあんにてあり
けるか一それにつけ
ても心もとなひ
あねさんのゆくへ
わたしがゆくへも
さぞかしに〽いかさま
あんじてゐやるで
あらふなにい
ともあれこの
所にていちやを
あかしふもとへ
くだりてあねの
ゆくへもたづね
べしさいわい
かしこのゑま
だうてしもふ
おもひがけない
たびまくら
合二郎人ざと
はなれし此
さんちうしのふ
ことのしらべは
松の風谷二郎
廿三夜の月しろは
ねやのともし火
びやうぶ岩しのふし
こけのころもゝ
ぬぎすてゝ
谷二郎しつほり
ぬるゝ秋のつゆ
〽父口足らさんでは
一ないこちの也
〽人みごくうの女
房どもふしぎな
えんで〽こさんした
なァトいだきつく
作者曰しばゐ
ならば此所ぶん
まはしにてあま
き山のふもと
大臣寺はか
ばの
ていと
かはり
みやき
この
ナかて
こてに
いまし
められ
あら
ごもの
うへに
ひき
すへ
られて
ゐるを
次へ
ともの中げん二人
ひかへてゐるをりし
ねんぶつのこゑまつ
あはれをそへにけり
あらみの刀にひしやくの水をそゝぎかけてゐるさかろの松兵衛
ぶつさきはをりのばかまにてせうぎにかつてゐる
ともの中げん二人はこちやうちんをまへにおき
も此てらのつとめとおほしく
むしのかね打ならしていとゞ
おみへこゑかけ〽これあら四郎
なんじがおやさぢ
りたきが打たひと
しやうぶがしたいと
大七どのでさへ
あんを手にかけし此女ゆゑおやの
のねがひ又女めもたちあひの
ねがへどもわがせんせいしが
打とつたるこのみやぎの
今かまくらにて
きこへたる氏
たもんの介が
つゞき三うら村さぢあんがせがれあら四郎なはをたすきにかけきらは〳
ひそうのでし
女でこそめれ
てごはいやつ
わいらごときが
手ぎはには中〳〵
もつておぼつかない
さるによつて
しばりくびさいはい
ためすそのあらみ
すつぱりとやつて
がねこしぐるま一寸だめしに
したあとでしがいはすゞに
見せい〽おきづかいなされ
ますなくびぶちおとした
そのあとはちわりかり
いぬのゑじきあら身の
かたながこのよのいんだう
女めかどをひろぎやア
かれと玉ちる
ばかりのだん
ひらゆさしうつ
むきしみやきのが
目さきへひちりと
さしつくれば
みやぎのは目を
ひらきはがみを
なしたるむねんの
なみだ〽しがいのそばへ
とりおとせしくしのせう
いひわけたゝず身におぼへなき
むひつのつみこれもぜんせのやく
そくとしぬるいのちはおしからねど
わが又うへ与茂作どのはくすの木
けのらうにんなきをと小六といひし
もの武士のむすめがやみ〳〵とひつふ
さいごをきくならばさぞやなげかんふびんや
なア〽これみやぎのそのいもとめも此あら口ら
はたらきでいけにへの身がはり大かた今
ごろはかゞみ〳〵とかぢられてゐるであらう
〽すりやあのいもとまで〽ヲゝさ
〽うらみかさなるあら四郎次へ
松
いもとしのぶが身のうへもおぼつかなしかたる
下らうの手にかくもしばりくびとはなさけなや
うらまいでおくべき
むねんのなみだちば
しるまなこみどりの
くろかみふりみだし
くろかみふりみだし
身をふるはせしあり
さまはざきかこと
たるぼたんくはをあらしが
ちらすごとく也松兵へ
こゑかけ〽ヱヽやかましいよま
いごとあら四郎やつてしまへ
〽こゝろへましたとかたなふりあげ
すでにこうよと見えしをりしも
いづくよりかははつしとしゆり
けんあら四郎がのんどのふへに
うらをかいて打とほせば
うんとのつけにそりかへり
たふれていきはたへにけり
松兵へかくと見るよりもすは
らうぜきと立さばく
こなたのかきねを
ひらりととびこゑ
あらはれいでたるふくめん
づきんのくろじたて刀すらり
づきんのくろじたて刀すらりと
ひきぬきてみやぎのがなはめをはらりと
切ほどきさしぞくをなけいだし〽女はたらけ
はたらけときいてとびたつみやぎのが〽心へ能
まくこと松兵へに切てかゝればかのさむらひ
つゞきころさばころせこんぱくこのよに
とゞまりてさかろのおみへあら四郎
五のまき
〽やみやぎのをともなひて半みちばかりおちゆきとあるつがだうへやす
らび〽もはや此処までおちのびづればあとよりおつてのきづかいなし
つゞき中げんどもをおいちらす
みやぎも松兵衛し〳〵と打めのしが
みやぎのあつとこゑかけてよこにはらひ
こしぐるま
だふるゝおみへ
おこしも
たて
らう
にん
ごゑかけ
〽すゞに
きりすて
サアおきやれと
手をとつていづくとも
なくおちゆきぬ○さるほどにかのさむらひ
きいた三ツのときからいひなづけの〽ヱざ〳〵く
一命ふしぎにたすけ玉はりしあなたは
ゆるりときうそくおしやれといふにみや
ぎの手をつきていまのあやうきわらはが
いかなる御方ぞや〽ふしんはもつとも
そればし七ゝかひゆゑあつて大長寺の
かたはらをとをりしをりから
はかばのうちにてあやしき人をと
なにごとやらんとものかげより
さしのそけばいぜんのありさゆ
さくするところふぎものせいはい
ならんふびんの女がさいごぞと
おもはずあしをとゞめなをも
なはすあしをとゞめなをも
やうすをうかぐばわらはが父は
くすの木のらうにんなきをと
小六ときいてびつくりさてはと
おどろきさそくのしゆり
げんずをはづさずふたりを
しとめてそもじをたすけ
これまでともなひきたりたる
それがしこそ大内たゝらの介よし
ひろどの身うちにてかなゐ
谷五郎ともかつとはわがこと也
きいてびつくりみやぎのはたに五郎が
ひざにすがりつき〽とゝさんのうはさで
谷五郎さまついにおかほはしらねどもをとにきこえた
ものふとこがれしたふたこのとし月きうしうきく
ちのそうらんよりおゆくへしれずとても此よで
あはれぬおかたとあきらめてをりましたさり
ながらこれまできだまるおつとももたづ
みさほをたてたしんじつをふびんと
おもふてくださんせと袖になみだの
つゆしぐれは合五郎せななでさすり
〽そのしんていはくはぶん〳〵
おもひいだすも口をし
きはきうしうきく
ちのそがらんにて
ちのそがらんにて
おいへのめつぼふ
たゝらの介よしひろ
こうにはわしがみねへ
こくぜうのをりから
おんじがいきうしん
らうしもみな打じり
かくいふかな井谷五郎は
えんごくへの
かんつかひ
㊃なんぢのあくせうしかるにこのほとりに
めいほうゐめんと思るりやうゐありときゝ
手したの
笹ばらさまいにおかほはならねどもをといきこえた
かのゐあんをおびき
いだしわがかくれがへ
つれゆきふたばのまへ
さまのりやうぢを
させんとその事
くだり
この
ほとり
きたりしゆゑ
にそもじか
命をも
たすけ
次へ
⑪
ごせうがいにも
をりあはさず
はらかつさばき
しでのおんともと
は思ひしがまて
しばしあとに
のこりしふたばのまへさま
ごくわいたいのおんたねこそ
大内けのおん石ずへとてきに
まぎれてふたばのまへさまを
たすけいだしあまぎさんの山をくにかゝれ
すみたる此とし月御へいさんのわかとのは
こまわかどのとてことし七ッけにせんだんは
かんばしき御大せうのつぼみのはないちみののぶし
山たちもこゝやかしこに身をかくしおり〳〵うかゞふ花のごしよまつた氏たもんの奴と心を
あはせすでにはたあげせんとはおもへどもふたばのまへさまの御なやみこけるべうといふ
天皇十一日天皇十一月一日
ともへものがしるりあるが
木
▼つきざるしるし今あら四郎が
いびしへをきけばいもとのしのぶと
やらんはいけにへの身がはりに
たちしときくいもとしのぶが
なりゆきも手したどもに
申付てたづぬべしかならず
ともにあんじるなときいて
みやぎの打よろこび〽のこる
いぞなきおんなさけエゝうれ
〽こちのへとよりあんとよりそ
〽二リヤ〳〵もぞへこちのへとよりそへば
〽こりや〳〵もはやよあけにまもあるまじ
人目にかゝらぬその内にわがかくれがへとも
なはんぶたばのまへさゆの御ンかいほうにはさいわた
も身どしらへおんよろこび玉ふらんトふたりは里々しく
身どしらへかねてもうけふたりはいふたりはしく
かしこをさしてぞいそぎけかしあまぎのかんだう
かしこをさしてぞいそぎける
作者曰みやぎのしのぶ三うら村にて日をくらし
わづらしよりこんにやどりしよりこゝまでのこと
わづかに一やのことにてめつほうかいに長いよとおぼ一
のさだめなくひかれどもすべてくさぞうしに男子
のさだめなくひるとよるものながみじろ
しだいのべつせかい也作者はこのせかいにうま
るゝゆへきの長き事うしのせうべんのことく
いつもはんもとにせつかれてくるしむときこむときこち
合めんといふゐしやをたのみよなべたてどほし
いふくだしぐすりをのんでぜんくわいなす
ぢをんかなづかいもよみよきやうにこぢ付
ておく也したがきもせずぶつ付がきはや手
まはしのくさぞうしをはるの長き日に
はぢのはきなばかれてはふがくのひきれ
はぢのかきあげなりこゝ作者には天へ
こけつひやうにシヨガヱヽ○それはさてなきこゝにまたふたばのまへ
これかへうに哥しみ玉ふゆゑかのめのほうのめのほうのあんをふたばのま
どもつれきたりければたに五郎
ゐあんにむかひ〽手したどもてんぐ
すがたにいでたちおん身をこの所へ
つれきたりしよしさぞかしおどろき
玉ひしならんさぞかしおどろき
玉ひしならんこれはとうぎりまは
玉ひしならんこれはとうざのれい也
一金百両いだしければゐあんはびつくり
もしやきつねのしはざにて
この百両もこのはかと
目かたをひくこそおかしけれ
さてふたばのまへのやまひを
うかゞひ谷五郎にむかひこのおん
やまひを
なぼさんには
男女あひ
男女あひ
じやくの
いさゞもに
わが残やく
をあはせ
玉はゞ
七日が
あいだ
にほん
ぶくあらん
谷
おしい
ものだ
なむ
あみだ
ぶつ
とゐあんがこと
ばに谷五郎かろ
こび手したのうちに
きねづみの五郎又とて
ひきゝたるものをよび
だしふもとをとをる
たび人にわかき
女とわかき
男
その日もく
あいじやくの
ものあらば
ものあらば
からめきたれ
さま〴〵
その目もくれて次
もいひつけゝればものになれこる
ものどもなればものになれたる
ものどもなれたる
ものどもなればさま〴〵と
せつしてふもともなればさま〴〵に身を
女つしてふもとをさしてくばさま〴〵に身を
さてかのゐしやはさんさいにとめおきて
かぐにもてなしけり○かくて谷二郎は
その日もくれをまちけるが
その日もくれて次の日の
夕ぐれにきねづみ山〳〵たち
かへりしとしらせによつてめし
いだしやうすいから
に身を
じゆんれい
六ぶあたみへ
たうじとおぼ
しきたびん
とほるといへば
十人つれみめ
よき女も
ましれども
ぐれかくすり
にならうやら
目きゝもしれ
ずけふも日くれ
にさしから
ひとまづ山へ
かへらんと
おもひしをり
四
きねづみは
したりがほ
〽御ちうもんの両人
やう〳〵からめとりも
もりほねをおりまた〳〵
その君さいと申は今に
しもがれのじせつなればたび人も日
まれ〳〵にてたま〳〵とをるは㊄
んやかねて吹
からわるしゆ
とむすめの
ふたりづれ
かまくら
武士のかけ
おちものと
〽おぼしきいで立
いろゆゑならば
あいじやくのきもを
とるにはよいしろ
ものとせつしやは
きやるらがいきゞもはやく御用にたてられよトいふをきゝてたにあら〽コリヤ〳〵
ひそかに〳〵ふたばのまへさまのおみゝに入てたにいふをきゝてたにあら〽コリヤ〳〵
いそかに〳〵ふたばのまへさものおみゝに入てはふくやくのさまにげ
ぢごくだにのはなれやにてふたりがいきぐもとる用はふくやくのさまたげ
ぢごくだにのはなれやにてふたりがいきゞもとる用いかしとまつたと
からめきたりし両人をかしこへつれゆき女はあかはだかとなし
男は松の木にくゝしおきぬ谷五郎二ツのたうばを
もちきたりて両人に見せ〽われ今おん身らが
いきゞもをとる事さだめしひどうとおもふべし
さりながらむやくにころす命にあらず
そのしさいをとつくときゝてふたりが
命はわれにくれよしゝたるあとは
ねんごろにぼだいをとむらひついぜんゑこうは
おこたるまじこれぞふたりがしるしのたうば
今ころす命なればいちだいじなれども
かたりきかさんこのさんさいの
あるじこそさうしうの
まになひうりの酒やにいでたち候ゆゑかのもらかんやこをのませやう〳〵からめとりました
たんだい大内
たゝらの介
よしひろ
きみの
きたの方
ふたばの
まへさま
此山ノ
にてたんぜう
四とけたる
きやうだい
をりから
こゝへきたりし
みやぎの
それと見る
よりしのぶは
しく
ありしこもわか
あねさまか
どのを大せうとして
はたあげなしぼうえん
とむらひいくさいちみのぐんぜい
そろいしにふたばのまへさまの
なんびやう見すてかたくそのにやくには
男女あいじやくのいきゞもなくて叶はず
さるによつてとらへたる御身の両人
おいさきあるその命をなにとぞ
身どもに玉はりて忠義をたてさせ
国はるべしかくいふそれがしは大うちの
いへのこかな井たに五郎もとはると申の
きいておどろくわかしゆのなは付〽大うちの
身うちにてかな井
谷五郎どのならば
五才のおとゝ一人
わしがみねらく
ぜうのをりから
うばにあづけて
おとしたるおぼへ
あらんしかもその
名はたきやしや丸
きの
〽ヲヽ
いもとか
こりやまア
ゆめか
うつみと
たがひに
手に
手を
かはし
うれし
なみだに
くれに
〽それをしつたる
おん身はなにへ
〽見わすれ玉ふか
あにじ四人たきやしや丸とはすなる
はちそれがしうばが手しほに
南
人となり金井たに二郎もと
あきでござります〽さてはおとゝの
たにこらこはそもいかにと両人がなはめも心も
たに五郎はたと
手を打〽さては
手を打〽さては
しもぶといびしは
此むすめにて
ありけるかと
きやうだい四人打
かぎかなしかたが
なかにたにこら
ひとこしを
ぬきはなち
すでにはらへ
つきたてんと
よりてよろこぶこと
これもふたりが太奥ゆゑとふたばのまへのおほせにて谷こら
しのぶすゞにそのよがこんれいのみ〳〵のおほせにて谷くら
物なみ風おさまるふまでも
なみ風おさまるふたふうふきやう
心なみ風おさまるふたふうふきやう
やう〳〵のだいそろふてしめませう
しやん〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵
当年より江戸
古にばし
京でんみせ
にてうり候ほ
ゑりしろい
がいしろい
げいしや
母姑香一包
なしけるにぞ
三人おどろき
とゞむれば〽忠義のためときゝたるいきゞも
あにじやためときゝたるいきゞも
あにじやへを上申さん〽ヲゝそうじやとしのぶも
ともにかゝごのていおりからきかゝるめいほうゐあん
〽やれはやまるまいまつた〳〵かくどきはめしふたりの男
〽やれはやまるまいまつた〳〵かくごきはめしふたりの男女
ちしほをもつてくすりにそゝげばむかにころせしいさゞもよりも
こうのふは上々吉しぬにはおよばしぬ二のうでよりちしほを
しぼりごのくすりにそゝぎ
玉へとさしいだしたる
やくきのにうはち両へ
もちたるひとこしにて
うでをひきてちしほを
しぼりかのくすりにそくぎかけ
しをふさばのまへにとゝめければこけつのこしもたちまちに本ぶくあはしきたいの少やく
五十六せん
右おしろへ
いかほどあせ
をかきても
おしろいはげぬ
口伝
八重げせう
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
口伝書
おまけ
おそへ
六のまき
丸がせしうやと心をあはせその身はわざとかまくらに
すまにをなしかまくらぎを一末にかさとかまくらに
すまゐをなしかまくら武士を一味にかたらひいんぼう
もとめによりて一寸御ひろう仕候江戸高ばし南こんま町
三丁目四よこ町いなましんみちいなりのおとなりのおとなり
坂本と申方にて御かほのくすり仙女香一包四十八せん
御ひやうばんよろしくすり仙女香一包四十八せん
御ひやうばんよろしくありがたき仕合奉存のよし
相かはらず御用被仰付可被下心き仕合奉存のよし
○それはさておきこゝにまた氏たもんの介ぜうゑつはかの
かまくら武士を一味にかたらひいんぼう
のくはだてみつ〳〵心をくだきながら
よそめをはゞかるはいかい茶のゆ
かまをたぎらす四でう半ふかき
たくみの井戸茶わん四かいを
のぞむきやくかつてこんりやう
かまも今ふちにしづみぼたんの
かうばこはそこの心ぞおそろしき
たもんの介かこゐに入て心を
すますどくふくのかまより
たちしゆげを見てつら〳〵と打
まもり〽もくくはどごんすいの
五ツのちからをあはせいりぶつ
ようをおこしてきをはつするもの
これゆげなりちをはなるゝこと
三尺にしてそのきさんずるはつねの
きすう也しかるを今ふつとうのき
立のぼり三尺のせうきをはなれて
そのきするどくはつするといへども
たいようのきにかつことあたはずきゆるに
おうしよくをおびたるはがてんゆかず次へ
権
じや市トひとりいぶやくかこゐのうちをりからよばゝるへ
おもてのかた〽むろまちどのよりの上しと
ためんの御みゝをそばたで〽かまくら江かんれいも
ありながらみやこよりの上しとは心えず
なにはともあれ上しのでむかのたそあるかいふく
大にもちきたれ〽はつとこたへてひろぶたにし
大小のしめ長上下ぜうゑつしつ〳〵いふくを
あらためしよいんへでむかうもんじんたち
又も上しとこゑかけさせ入きたるは
たれやらんとかしらをあげて見て
たれやらんとかゝらをあげて見て
びつくるくひやうごむかすびに二まいぐく
そとはもんじの道中にしんぞう
かひろをひきつれて花のあゆみの
いたしづまなまめくすがたにもんじけらい
〽コリヤ上しとおもひのほか大いその太夫しよく
ぜんせいのおなじみでござるかなとあざける
ことばにたもんの介おの〳〵のてまへもきのどく
ながらたもんの介けしておほぐはなけれども
かりそめなら介けしておほべはなけれども
かりそめならぬ上しよばりしさいぞ
あらんいざまずあれへとれいぎのことばに
太夫はにつこりゑしやくしてわたしはきく
すいといふながれ身なれど上しの義なれば
せうざはごめんなんしへとおめずおくせず
つゞきさくするところ丸がせしうヤが日ころの大たんぎろうの
あなよりなゝみのたとへもしやいんぼうちけんなししちの
かこみに入けるやなにゝもせよはていまはしきありさり
七十
二〽いへ〳〵上しの
へんじをきかぬ
うちはどうして
すご〳〵かへら
れるものかいなァ
〽しからばいふて
きかさんけいせい
きゝすいとは
かりのなまことは
天内たゝらのが
よしひろがつる
ふたばの
ふたばのまへて
あらふがな
せうゑつ
わらひ
〽女なれば
ろんには
およばぬ
〽アヽひつくり
につことうち
なから
いふてきる
さて次へ
次へ
ざになをればたもんの介うや〳〵しく〽して御上しのおもむきはな〽上しのおもむき
からのぎでもおつせんがこのふみをおみなんしといふにぜうゑつひらき見て〽コリヤ
土夫が身うけでうもんさつするところわれくすの木ふでん方をやみ打にせし
しゟ大三郎をそのざにてうちとりしこうによつてふでん才がかとくを
玉はりしところいまださだまかつまもなきゆゑねやのとぎにと
きくすいを上しといはせてこされしはなつもとどの
さしづならんなんときくすいそうで
あらうが〽ほんにまアうはさに
きいたよりはすいなおかたの
ぜうゑつさまこう〳〵せいと
みやこからこのかまくちの
かんれいさんとやらへ
をと川さまのおさしづ
おいやではござんせうが
おねまのちりを
はらはせてくださんせ
〽いゝやそりやならぬ
〽ならぬとあつても
上しのやく目おもき
四丁
一
七十一
ことばのをと川なつもと
〽かたはらいたき上しよばゝり
よじんはともあれ此ぜうゑつを
あさむかんとはおこがまし
ちじよくをとらぬその
さきにはやく立され
41
嫡子
三三三三三
一口上したもんの介むしやしゆ
さやうのをりかゝふたはのまへの
命をたすけし事ぜんへん
由井がはまに
くはしくしるせり
20
㊃まなこは日月われに
心をかよはせしかな井
一合五郎しゆじん
大内たゝらの女が
いむらひいら
とむらひいらさ
はたあげせんとは
けいらんをもつて
たいさんにつぶて
うつにことならず
かなげごときが
つゞき〽さいつころ
二一人の
むしやしゆ
ぎやうの
をりから
あまぎ
さんの
ゆうしにいであい
はからずたちを
あはせしところに大内けのけんじゆつとおもひしゆゑ
さては大内のよるいならんとわかれゆくあとを
つけてあまぎ
さんの山をゝに
明神の教へコ
にてかねかいか
かゝれがへ
いたりかれが
およばぬ事だ
きつれし
さつするところ
ほこさきにぶく
あしかゞけへ
こうさんなし
なつもとが
げじをうけ
けいせいに
身をやつし
このせうゑつが
しんていを
きたりし
さぐらんために
ならん命を
たすけし
おんきを
わすれ
しが
大七といへる
もの大内よるい
せんぎのために
きたり
大内たゝらの介が
ゆゑいきそふ
けらいかな井
谷五郎といへる
ものにしゆじんふた
はのまへのくび打と
のつぴきならぬ手づめの
をりからそれがしさそくのけはや
をりからそれがしさそくのけいりやく
にてしが大七をあざむきお身が命を
たすけしことおぼへあらんそのをりからは
しづの女にやつれしかくれがことさらよるのこと
なればよも見おぼへもあるまじとわれを
あざむくけいせいでたちいかほどすがたをやつす
□
一わさむくけいせいでたちいかほどすがたをやつすともこのぜうゑつが三
關
けの
北の
かた
とも
いわれ
けい
舟か
せい
すがたの
八あんじ
わしが
にて
□□□□□□□
貞
才
住者江戸京ばし京でんみせにて
むしくだし小児むびやう丸
一包百十二せん
半丑五十六せん
むしの
くだる事
くだる事
これを用て
うけ合也
よはき
児
常
に
用て
むびやう
となること
神の
同文文文文文文文文文
ごとく
ゆゑに
むびやう
丸と
およばぬ
まつこのとほりと
ちしほしたゝる
かた袖をちぎり
ことりかざりおき
よみつぎ
はなぐし
打じに
せられし
おつとにたいし
めんぼくありやなく
どきことばもたていたに水をながす
がごとくなりふたばのまへはせきめんなし
これかうつむきてゐたりしが〽そのいひわけは
のんとうと用いのくわいけんぬきはなち
ゑつどへくつさとつきたつればさすがのぜう
いきをほつくくつきふたばのまへくるしき
〽さいつころ御身に
命をたすけられうみおとし
るこまわかをそだてあげじも
おんみのなさけしかるに
をと川なつもとが
はかりことにてこゆわかたを
はかりことにてこゆわか丸を
人じちにうばいとられせんかた
なくこうさんなせしにきよ
じつをはからんその
ためにやけいせいに
すがたをやつし
してしんていを
さぐりみよとの
さぐりみよとの
どうめつにそひね
なんだい
命を
たすけて
□□□□□□□□
あはりし
とも
おんぎも
あればしがいは
もとよりわらはがかくごこのうへはおんし身もともにあしかゞへ
こうさんなしいんぼうのくはだてはおもひとゞまり玉はれかし
〽おろかなりふたばどのとしごろしこみしわが大もうたとへ
かばねはせんどうにさらすともきゝすいのはたをなひかく
身をまくだいにのこすべし〽ヱヽなさけないそのくはだてぜひに
ひかりを
のりをはなてばどうゑつにはかに身をふるはしめん
しよくへんじてたぢ〳〵ともんぜつなしむねの
うちよりへんのうんぎはつし東へなびきて
きへうせけりふたばのまへこれを見て
につこと打ゑみ〽うれしや〳〵なつもと
どのゝおほせをうけぜうゑつが
ようじゆつをくぢきしうへは
やゝそくのごとくこまわか丸が
ぼんりやうあんどヱヽ
かたじけないこのうへは一月
◯かゞみに袖を打付ればちしほの吹がれにめいきやうより
おもひおもひおもひおもひおもひおもひおもひおもひおもひ
なにも
なし
のんどの
くさり
を
かき
きりて
まへ
氏
かつぱと
いきたへたり
をりからにはのから井戸ゟ
つちぐも太郎をどりいで
御ちうん〳〵とよばゝアわければ
もんぜつなしたるたもんの奴すい
〽つちぐも太郎なにごとじや〽さん候丸がせども
かねてすまゐの由井がはまひやうごのうらまで
あふ人〳〵たゝかひさいちうたせい
にふせいおぼつかなしはや〳〵
はたにげあられよ大せう
又もちうしん仕らんともとの
井尺ぞとび入たりたもんの介
はがみをなし〽もはやかた
むくしうやがうんめいわれも
又女とあなどりゆだんして
りまんこくのやうじゆつ
やぶれしうへからいじこゝを
ういさずはたあげして
九がせをたすけ
かいりくこせうと立
わかれこのかまくらを
ふみやふりねじるを
見わたすたかどの一味の人〳〵打よりていゝさひやうぎの
そのをりからふいを打たるくみよの大ぜいとつたくと
くみ又しをものともせざる丸かせどのなどの
くだやりをつとつてあるひはいもざしごんがくざしあやは
かた
めて
めて
のぼらんとにはにたてたる
石とうろうへしりけんはつ
しと打つゝれば石にげきして
とびちる石花うづめおきたる
ぢもいくわけにうつると見へしが
どつとひゞきて立のぼるあいづには
〽もみをそば
やうにひゞくは
心へずさてはをと
二つれてかねたいこ
こゝかしこにひゞき
かればたもんのめ
たて〽はて
心へぬあの
かいがねいん
ぼう一味のあい
づなれはかなら
いんにひゞくべきを
き川なつ
かわれをとり
まくあのかい
がねなにほどの
ことやあらん
ちやん〳〵ぼうすの
まへがみ六つ七つの
やんちやんざかり
あとに
くんぜい
そのために御命を
たすけんとてわれ
われしりてわれ
われしのてうつてを
ねがひこれまで
むかひ候也こうさん
あれやぜう
ゑつどの
いかけしひとやちうに
つらんで〽コリヤやぶみと
〽女こども
常慈
か打てにしたるをと川
がはからひとくを
もつて人にかつかんじん
たいどはさること
〽なからわれ楠
このしりうと
任して一すじの
やもはなたずしてこうさん
とするも口をしやときくすいの
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
わろくとたつたるその
物をりしもつるをとたかく
らきみれば
なんてうの忠臣
くすのきが
しりうたる氏
しりうたる氏
たもんの介ぜう
ゑつこうざん
におひては次へ
様
つき本田かはちにおひて千くわんの
左よりやうをめておこのふもの也
をと川なつもとしよみ
なとはなつもと
をはりぜうゑつ
ほこんどかんしん
なしらん
勇を
そなへたる
なつもとどの
あしかぐのつばさ
たればとても
およばぬわが
くはだてこうさん
なしてかはちへ
かへか
かへみほん
しうやがをとづれ
さづかはしゝまた
山東庵京山作
五渡亭国貞画
字万をならほうが敵じやきせるたはこ入もあるそふさ
なもとどのとおもひのほか〽われこそ大内
たゝらの介がわすれがたみのこまわか丸金井
兄弟からめとつたる丸がせもこの処へ引つれ
しがたもんの成がこうさんに丸がせもこう
さんなしてめでたくおさまるかまくらひ
かない兄弟とやきのしのぶ三三九どく
いふにおよはすめでたきはるをむかへけり
作者吉れいけと江戸京ばし宗でんみせ
としよ丸一丸一貫五分「わる口第一きこんの
くすりも久しいもんだしかしやくしゆは上こ
吉でよくきゝそうださやうでござり
ますつねにあがればものとんがよくなり
ますはうけんけでごさり升らうせうでも
あらるかとおぼしめさばこのくすりを
あがりまし此いきくすりあらひこすい
しやうふんはまことにきめをよくして
しろいがよく入ります一度つかつて見るとやめられ
ねへあれせうのか方はかならすおつかいなさいまし
一匁二分ではやすいものだ文
こゝもなか〳〵とりやしたまい日二三かつゝ
こむほにおもはねへといふからそのはづだろう石はたしき
10370
未
孟
天保天保永善正寺寺寺本光寺院
教新春正
未曾者者教
天保天皇
曲亭馬琴作
すくせむすびや
すくせむすびやよひのひなくき
過世結弥生雛草全八冊
こまち
小町うきよけん東京山作
ものがたり
全八冊
勿畜浮世源氏絵九総全八幡
源氏絵八八
物語
曹代作百姓鏡京山作重政画全二冊
稲をはじめ諸作物に抽穂雑穂あることを
くわしく記し農家第一の調法書なり
近日出板仕候御求め御覧有可被下候
金のわらじ初編より廿六編まで
一故人十返舎一九著
歌川国貞画
そのおもかげほまれ
れの保斎玉粒作
其傍譽之碑全五冊
五亀亭貞房画
それかねだは
柳亭種彦作
夫は金沢幸ちうしんぶん
これてつぜき
是は鉄石
忠臣文庫全八冊
江戸見物を初めとして東海道路勢
参宮京大坂長崎往来木曽海道
奥州南部津軽出羽の山形加賀
の国其外大和心べり安芸の宮じま
日本国中の紀行なり廿六へん不残出来
相替らす御評判宜御もとめ可被下候
仙女香御か残り京橋より南へ
壱丁目四六角
美玄香二
坂本氏製
江戸馬喰町二丁目
歌川国貞画
入出版問屋木林屋治兵衛
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