西國奇談 初至二〇編

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孟齋芳虎畫
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サイコクキダン
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東北大学
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2026-08-28T18:53:25.651810+00:00
新増補 1 春水補綴 さいこくきだ 二冊 国貞画 初編全二冊 初編上 升題曲るいへ いゐ水春水作 新宮浦 西盟奇談 言上州 初篇 歌門国貞画 佐埜 喜板 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 昔稔五柳亭德外子が著作の内に。西國 一奇談月の夜神楽と表題せるもの前後合巻一 六冊にして。いまだ其首尾全からねば。尚績篇を 索杖給ふ。看官もありとなん。尓ども彫板磨滅せし ゆへ這回再刻なさんとするに。その述作の当世めかねば。 をして是に増補なさしめ。且嗣編をも綴りてよと。 書賈。需に辞みがたく。なそと言ふのは作家の物体需め 多とを得風に帆と。西國船に乗が来て。ツイおいそろらとし 合仕事。硯の海に波は立つとも。 筆頭に碇をおろさねば。後より 後を編そへて。続て高覧に 入るべしといふ。 安政三稔丙辰初春 發市 十五 爲永 春水誌図 百目打炎刃 那須 與市 宗高 隼人 沖の 小嶋の 竜女 悪漠 柴六 赤松 妖斎 干潟 機能 の配の源が あさひまる 朝日丸の 船頭 船右エ門 二十二月十一 よみはじめ 肥後ひのくにしめ 妹磨川殿は 九州きう 九州しうだいゝちの きうりうにてその みなかみは那須ず 椎葉山雅葉山蝶 へんより四十里ばかりながれ くだりてくまごほりのまん なかをつらぬき八代やつらぬき八代 よりひごのうみに ●いる又これひとつの 大河だいなりかくてある 目のことなるがもにしば 日のことなるが柴六しば 八合七おの 鹿原平そだといふ 二人の木こりども 山かせぎせしかへりがけ くだんの川のほとりにて おりしもみなかみよりして たちやすらひつゝゐる ひとつのさかづき みづにゆられて ながれきつ こなたのきしへ ちかよるを おの七はやくも 見いだして □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ よせたるを三人のひとしく 手にとり見るにいか ◑たづねて 見なばもし ひよつとよき とひかけられふたりは さらにいちぎにおよばず しあはせにもあふ べきかしよぞんいかにと だんはふはやくもとゝのひし かばひとまづいゑに立かへり 十日ばかりの糒のをよういし おの〳〵こしにむすびつけ かの川かみへとこゝろざし三人を かの川がみへとこゝろさし三人に うちやれゆくほどにけんそ なるごといふばかりもなく にんばはもとよりとりけもの さへかよふべきみちなきを もとよりがむしやのしれもの にもこだいのまきゑにて なみ〳〵ならぬさかづき なるにぞいかゞしてか かゝる名然のこえは ながれきつらんとしばしふしは みれざりしがそのなかにしば六が ふたりにむかひてきゝやくやう 〽今あらためていふではないか此 三人にもそのいぜんは平家松 がたにてなにがしとすこしはひと にもしられたものいぬる 寿永恕のたゝかひやぶれみやこを おひはらはれてよりへいけのいちもん いごりなくみなさいかいにしづみし ときわれ〳〵ばかりはいちばやく そのばをうんよくにげのびて そのばをうんよくにげのびて いのちにつゝがはあらねどもなほ なれば木のねにとりつき しいだしたることもなく木こりと かつらにすがりてたどり〳〵てゆく ほどにはたしてひとつのかくれ男 あり南北なんおほよそ二十里 ばかり東西断は二三里より 四五里のところもありと 見ゆるいとおほきなるたに あいなるにかで三人のひとしく かほ見あはせかゝるせかいも あるものかとうちおどろきつゝ□なにはともあれみなかみをね までになりさがれはすきな 酒さへくちにはいらぬしかるを ふしぎは此さかづきこえながれて くるからは此みなかみにひとしれず すむものありとおぼへたりことに これなるざかづきのやうすをもつて かんがふればまざしく高位かうの おんかたの世をしのばるゝものなるか なにはともあれみなかみをね □□□□□□□□□ せゐたりしが なほもやうすをは うかゞひ見んと ひるはひとめの る かり あれ 夜に いりて かの里に おもむき あちら こちらと見まはすに 一町四ほうもありとおぼしきまる木 づくりの屋かたありそのほかちいさき やしき〳〵のあちこちに見へたるは みな此屋かたのしんかなるべしその ときくだんの三人江はやかたのうらてに しのびよりかきのやぶれに身を よせてうちのやうすを さしのぞくに 公家氏と武吉 ことがうちまじりて あるひはがくを そうする あれば いへ つゞき うたあはせ などする もあり そのほとり には なま めける くわんぢよ のたちまふ ありさまは いとものさび あはれ なりかの 三人[ンはとくと 見すまし なき ところへ しり ぞきて いぜんはへいけのいちるいすぜうをつげて 西国音訓衣 しあんもいちりあれども今 もしげんじがたのまはしもの 物ニ鮭 もかくれしのぶとおぼへたりわれらも ゆもちひらるまししかるを今この もちひらるまししかるを今とい かくれがを見いでしたるこそさいわむ なれ六けのよるいすひやくにんこの 此屋かたにほうこうなさばこれまでの さんちうにたてこもりひそかに 木こりするにはますならんじ むほんのくはだてありとかまくらへ いふにしば六うちあんじ〽おぬしの ちうしんせばうつてのにんずのむかふは われ〳〵がすぜうをつけても あんないじやとなりはせむかひ めんていゑられしものならねば もしけんじがたのまはしものとよはへげどもをうちころし うたがはれんもはかられず たとへさることあらずして たとへさることあらずして ほうこうぜよといはるゝせよしやむかしはへいけ ともめしたきにものに おひつかはれては 木こりするよりのにつかねば身が おとるべしわれかねてもてぬそうでは おとるべしわれかねて ないかトそゝのかせば よりげんじがたに 此身をよせんと よくにめのなき おの七そだ平 おもへどもひとつの ともににひざを 手がらをあらは すゝませて さねばしたがふ 〽これはまことに とても いはれたり さらばこの ちのあん ないを きて いかに せんと かたらへば しかに そだ平 一一一 〇 すみいで 〽ふゝ こゝろはしらねども おのれがおもふ ところでは せんねん ひし いち もんことなさい かいのなみの そこに じやすな なせしと ひらうして まことはこれなもへ さんちうに 百目寺炎内 飯 □□□ よくわ ゆくべしと てひるは たかき 山にのぼり 夜はまた 里におもむきて こゝにあること 十日ばかり すでに此ちの ちりほうがくを くはしく見分男 たりしかば此かば とてこきやうに かへりしはず がたくみごとく つき 一同四十一日 つきすぐさまところのきつくしよへあつたゞ しげにうつたへいでしようこのためとて市川にて ひろいとりたるさかづきさへざしいだしたるにより ところをあづかう長女どもはいつはりなりと しらざるゆへおどろくことかぎりなく此よし つぶさにかまくらへきうひをもつて うつたへいづれは かまくら きこしめ され那須ねの 与市いち宗高峰に めいじてへいけのよういついとう のためひでのくにへくだし給ふ これによつて与市むねたか あゐたのにんずをめしつれて はなぐひでにげかうしつまづ しば六らの三人しをめしめだしが とひたゞせばかの三人ははなり ごとのづにあたりしとこゝろには よろこびながらもさりげ なくなかにもしば六 すみいで〽いさいのことは きろくしよへ此ほど うつたへいてたればさだめて きこしめされつらんわれ〳〵 三人しくま川にてかのさかづきを ひろいしよりながれにそふてわけ いりしにひとつのかくれ里ありてへのけの よるいたてこもり矢じりをみがき きたは あそ山にしはた もとみなみは又此くま ごほりにあたると見ゆれと いづれよりせめいるにも かきとにけんその山みち にてようがいもつとも けんごなりされども われ〳〵三人シがよく あんないを見さだめ おけばさき手に くわへ給はんとなら いふにむねたからなづきて 〽あつぱれよくもなしいる かなさはざりしがちそのもの どもをへいけのよういと見きはめ しはいかなるゆへぞトとひかへされ しば六ちつともおくするていなく 〽そのおうたがひもさることながら われらももとはへいけのいちるい ひとめ見るよりかのものどもを へいけがたとはたしかにしる今より われ〳〵三人がげんじへつかゆるほうこう こいはんがなをいらん はじめ手がらをあらはしざらんに いれんなにはともあれかのもの どもがよういとゝのはざるうちに ふいにおこつてせめいらばみかたの せうりうたがひなしとく〳〵ごようい あそばされよトいふにむねたか尋 おんみちしるべつかまつらんの 百目十七日 ◑ほこをとぎ むほんのくはたて ありと見しゆへ せうつてをさし むけらるゝの ときかしこの ちりを しらんかために 十日があいだ かしこにありて そのほうがくを かんがふるに } □□□□ むねたか 一五又うなづきて 〽さらばなんぢら 三人をあんない じやとしてめし つれんじつき の日くま ごほりのど ごぢん しよを うち たちやう 五六里も ゆき けるが これ より さきは なか〳〵に きばにて つうろなり がたければ むねたかもと よりしりよ あるぶしゆへ うまものゝぐを とりすてゝかりせり ぞくにいでたちつゝ にんずもおほつた〽つきへ つきこに とゞめ手ぜい ばかりをひき つれておほしぬい かくさい らにあんないさせ みちなきところは なわばしごを かけせんしんばん くをなしつくも かのかくれ 星に 西国書記方 おも ほどに しば六ら 三人とを うちいり 給へといふを むねだか とゞめて みだりに かくらず 小だかき ところに ぢんをはり かなたのやう すをよかゞへは ●それと 見るより登れ里に すまゐなしたるひとぐは ← おそる〳〵 かしらを あげ 〽かくなる うへはしにをか つくまん右の方へ きもたましいも身に そはすらうにやくなんによ〳〵 のわかちなくみなむねたかの ぢんぜんとけつまろびつはしりいで ぢんぜんへこけつまろびつはしりいで 〽すくはせ給へともろこゑに手をあげ だいちにひれふしてなきかなしめるあり さまはめもあてられぬふぜいなりむねたか これらをきつと見て〽なんぢらは これへいけのよるい此さんちうに たてこもりむほんのこはだてあり とのうつたへどくとしつぶをたゞせ よとかまくらどのゝおふせをうけ よとかまくらどのゝおふせをうけ はせむかひたるなすのむねたか しぎによらば見のがしえざせん すぜうをつげよいかにぞやト ものやはらかにとひかくればとなたは ふうひわなくくのみいらへんことばも いでざりしがそのなかにとしおびたるが ヨ月十七日 左の上ゟしおふせの とほりわれは へいけの へいけの よないて 候へとも 此山かくに かくれて おのいのめ よりつゆのいのち をつなぐのみむほん なぞとはおもひも よらずうためは しくばやかたの うちをごぎんみ ありてしかるへしト いふにむねたか さもこそとやがて けらいをめしづれつゝ へやかたまく せんぎなせどもくげ じやうらうのそのほかは とくおひたるぶし ばかりことさちぶぐの よういもあらねば ことをおこさんやうも なくじきりに あはれをもよう せしめばアたぐ かならずおどろく べからずわがくんをく かへて来りともじよ めいはまうしなだめてえさ せんそれに つきても にくむべきは かの三人の くせもの なりもの こもかれ らを いまし めよと はげ し をたり こてにいましめて おねたかの ぢんぜんへつきり 西国奇高市 つたきひきいだしつゝさていふやう〽われ〳〵 おふせをうけたまはりこれなるふたりは めしとりしかごともかのしば六とかいへるやつ はやくもそれとざとりけんひとりの くわんぢよをかきいだきかしこの山なる ほらあなへとびいりたるまゝゆきがた しれずなほおひとめんとおもへども ほらのうちくらくてふかさもはかり がたければむねんながらも つよきひきいだしつゝさていふやう〽われ〳〵 つゝむによしもなくかのしば六に そくのかされたくみしとども いち〳〵につゝまずはくでうしたり しかばむねたかまなこをいから して〽なんぢらへいけのろくを はみたるおんをあだならいたし かたふ思ふぎの見せしめにとて 心の両人がくびをはねほどなくね とりにがしぬいかゞはからひ 候はんトいふをむねたか きゝあへずどころのものを よひいたしてからほらあふ のやうすをきくにその ものこたへていへるやう 〽あのほらあなは 此里よりぶんごへ 「左の上ゟひきいだしつゝせめとふに今は いづるのぬけみち なれどもわれ〳〵とき らうしんおんどはなか〳〵 つうろなりがたし又うほ はれしかのくわんぢよはその 名をあやめのつぼねと よばれてわれちがし めいにて候へば此うへのし おなさけにはなにとぞ かれをとりかへしたまはり ならばうへもなき おじひ〳〵トいひつゝも なみだながらに あ ね此ちをたちさりてかりくちに たちかへり此よしごんじやう したりしかは頼 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ めされむねたかゝ いたしかたのおん じゆんなるを かんじ給ひ 〽さらば今より かのかくれ果 くまごほり ちぐんを ながくなんぢ にあづくべければ かのものどもが いへんじきやう ひれふせば むね たつは 手の ものに たい まつ あまま □□ させて ところの ものを あんない じやと 団ほいの をば たづね させしに はや しば六には にげのび けんさらに かげだも 見へす といふ にぞ此 うへはせんすべ なしとておのを そだ平両人を店のやへし 柴 よろしくこれを あいまのれとの おほせにむね □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ しやでいなす の次郎宗重 城とてその ころはなほ じやくくはんなり をめきへ 西匡守謹初 〽つきひごのくにくつかはし つゝ殿ごほりにやかたを しつらは此ちのしゆごと さだめいゝ又かくれ里の ものどもにはおの〳〵 なすのみやうじな あたへてみゑいぢ ぞくのごとくせしかは そくのことく かのひと〴〵はよろこびて あんとのおもひを くだんのかくれ里は もとよりやよなで 山おくなりしが むねたかの とくをしたひ 池めいをなすと よびしとなり これによつて なしにけるされば そのあたり なる米吉氏 五ヶむらしいば 山の此三がしよ にすむひと〴〵も 次郎むねしげ にしたがひかば あにのひかに むねしげは いきをひある るとおりし どで 〽もさてこれまでめもの がたりは此さうしのほつたん にてこれよりなすのむねしげが いゑにひとつのわざはひあるその いとくちをときいだす ○こゝに日田ありのくにみやざきどほりなか むちといへるところに木むら春良けると 一一 いふものあり もとはほくめんの さぶらひなりしが しさいあつて みやこをしりぞき らう〳〵の身と なりしより此里 にすみぬるが すこぶるびなんの 所のはるよしも あづまぢへおもむく べきことあるによりへ そのねん〴〵ぶねに びんせんしてどう ごくあか江川の みなとより おびてに きこへありそも〳〵 此みやざき まほをまき あげて ごほりはかま ひがし くらの 御りやう にて にて みつぎ ものを こゝより すぐに 女かまくらへ つみおくる ことたび〳〵なり はしらす ほどに 此日は そちよく はれわたり なみもしづかに 大 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 西国奇炎刀 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 四 うらくが なれば せんどう ふなとが くちでに 〽コレおきやく よく したに ばつかり ざら ずとも ちとこへ でてうち〳〵のよい げしきでも見さつ しやいしよびたて られてどうのま よりはしごに とりつきはる よらはかぢの ざちかくあゆみ より〽これば〳〵 おせんどう ごんどはしぎ にびんせんて いかいおせわに なります いふをせん どうきゝ あへずその あいさつには およばぬ こといつぶく のんではな さつしやい それは そうと おきやく おきゆく じんこん たはおぶけ と見うけ たがすへ 巳十二月三日市 つきおさぶらひとふなのりほどあぶない ものはありやすまいかぶけはとしに ひときりぼうてうまさかのときは 人をもころしいのちもすてねば しらぬ身のうへ又ふなのりも そのとほりのどかな日よりは 此やうにたゝみのうへにゐる やうだがひとつてうしが くるつてくるといたごし いちまいしたは ぢごくそのかはり にはきらくなり にはきらくなし しようばいけふ ながさきにゐるはと 一おもへばあすはつの くになにはがたゑぞ まつまへのはてまでも ながれわたりのうき ねどりみなとへはいつたし たのしみはいはれた ものではごんせぬトおほ ぐちあいてうちわらば 〽これはきがるなせん これはきがるなせる どうどのそうして そなたのせうこくは 〽わしかへわしびごの うまれ名を 鍬右衛門 よはれやして おやのざい 春よし キーキーキー ひとすじとはゆかねどもぶしのかづ にははいりしところいぬるじゆゑいの たゝかひにいちもんのこふぎ 左ゟみやこへのぼつてぶけぼうこう どうやらかうやうへいけがたでやり こところいぬるじゆゑいの たゝかひにいちもんのこゝぎ ほろびしおりからかれに おの七そだ平といふ ふたりのやつちともろ ともにみかたのさい ごをよそに見て のがれきたりしうつけ ものおとゝながらも りかぎりはてわが屋へ とてはよせつけず しかるにくだんの三人は 木こりとなりて 木こりとなりて 世をわたる也 うちかくれ 里とかいふ ところにへいけの よるいのひそみ いつのほどにか 見いだしておのれが しやつせのたねに せんとうつたへ いでしろひも ゐしを からふなのり とせい見 かけはけち なおやぢ ことがきらひ ゆへちかば いつぽん ひと いつぽん だがまがつたもの のものを 一〇〇 父 曹三 かすめたおぼへは あらねどもひごに ゐられぬわけと なり今はひうがの あか江川であさ日 丸のもぢゑもんと 音 よばれる身にはなつ たれどわすれられ ねはこきやうのこと かうしてこんたとどう せんするもなんぞの ゑんとおもふゆへひご にゐられぬさんげ ばなしまづひととほり きかつしやれわしに ひとりのほとゝが あつて名をしばなと よばれしがおやのしつけ のとせいをきらひ市へ 爰と次の半丁の 画は春良が物 一語をうつしいだ せるなり 西国哥記記 つゞきたちまちたくみのあらはれておのて そだ平両人はそのばにおゐてめしとられ つひにかうべをはねられしにしば右 ひとりはとらへられずかなて くわんぢよをかきいだき のそのその身のうへをうちあけつとひかけられて はるよしはしばしいらへにさしつかへしがつゝみ がたさにうちほくゑみ〽さては そなたもおとゝのゆへに こきやうをはなれ にげうせたるまゝ なしたる おとゝ ずとその 見身に きたとり〴〵 かたには なるゆへに なしと いへども われは ちす ひとに ヤじの ゐなに おもてを おもてを 見ちれん なれご 空 こともなに とやらんうしろ めだくそれゆへひごを ひきはらひ今はひうがにすまへるへ なりしん身もなりふりことばつき みやこのおかたとおもはるゝがいろ なるゆへにてひうがにきたり又 あづまぢへはゆかるゝぞほかにひと なきふ手のうち世につましき ことなりともよそへもればきやうもなし 日ながのとぎにはなされより 春水補綴 國貞画 世にはよくにたことも あるものわれもひとり のおとゝのためにみゆこを はなれしいちぶしじう さらばこゝにてものがた らんもとわが父はみやこ にて赤松越曹三 ぎうとなのりつゝ 春 きんりほく めんのぶし なりしが わが母は 世を はやう さりのち ぞひ そらね といふ ものに 又一人ンの おのこゞ うまれて 名を養 ほの助と よびたり はわれをしりぞけ しになさぬ なかことで まゝはゝそらぬ 下のまきにつゞく 西国 奇談 春水補綴 国貞画 十三編は阿綾爪五郎と成通して館に夫に再會の一段阿竜教生石を 一祈りて身に妖術を獲るの奇談お竜龍太郎を手につけんと色に 縡よせ言寄て反て耻しめらるゝより渠を罪せんと計るの一端十四編は 偽龍太郎の故により真の龍太郎が二の町と不義せしていに言なされ 終に齟流せらるゝの赴き並に節之助が忠心義誉誉仁王閣は嶋守院 大夫が龍太郎を苦しめんとするより苫屋浪子の二個の蜑が竊に瀧太郎 をいたはる一段つゞいて湿子を荒太夫が強奪なすの物語など最巧みなる 條あれど白地には爰に記さず井は出板の時にぞ知られん 一根源實紫新刻概略作者柳亭種彦画工同前 十五陽焼北条なる穴人の買し宝笛番州備て宣孝に托す野洲児詛然されて紫 式部寛を受十六編式神壽祖秩手等が隠謀を露はし櫛度自截て或 が汚名全霊まで黒白判然兇愚皆戮せらるつぎて少将が貞節惟規北国 にて死して又蘓る十七圖大貳三位生れ宣孝病死花山法皇の御傳大かた 此編にて全備り式部源氏物語を作り上東門院に奉公十八編以下は追て記すべし □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 為永春水補綴 一寿斎國貞画 初編下 新増補西国奇談 芝神明前 喜鶴堂 IRERERE ⑥ 廿七 丙十五十 西国奇談 初編下冊 春水作 国貞甫 振堂協 一 上の巻ゟつゝきようの助にあか松 のいゑをつがせんとおもふけしきの 見へしかば身をつくしみつゝゐるかりしもある日 かたへにひとなきときそらねはわが身を よびちかづけいとなまめけるすがたにて わりなきこひぢをいひかけつゝみだりがは しきふるまひにおもひがけねばうちなど ろきはらだゝしさにいひやぶりはぢしめん かとおもひしかど母といふ名のあるゆへに たちまちこゝろをとりなほしいさめつ すかしつするところへ又そうざうの 十一 哉 かへりきたるにかねてたくみしことなりけん そらねはにはかにけしきをかへ〽あるべき ことかげんざいの母にたいしてむたいのれんぼ これでもこりぬか〳〵トありあふきせる おつとりてわが身をしたゝかうち すくめおのれがしかけておきながら 四五 わがせしやうに父のまへをとは たくみにざんせしかば父のいかり はなはだしくつひにかんどうせられし なりそのときわがみにおぼへなき ぬれぎぬなりとうちあけていはゞ いひとくことばもあれどおやこの なかにてあらそはゞちでちを あらふはぢのはぢよかの助 とて父の れば はから ずもかたるも おとゝ にかめいを つがする おもひしゆへにあらそは すやがてみやこを たちさりつゝびうがに すこしのしるべあれば かのちにうつり とてもたにんに とらかゝにては すみてより かんどう なし此身 ひとつに つみを ひきかけ 身をしり ぞくるに しくは なしと こと なれば あか松 のみやうを はゞかりわが おかたのせいを なのりきてこそ 木むらはるよしと 今なほひとにも よばるゝなれされどもひうがは へんびゆへしいだしたることあら ざればわれかまくらにおもむきて いづれのかたにもほうこうせんと おもひおこしつ此ふねにびんせんせんせんせしに むかし はづかしき わが身の うへを かならず しも よそへは もらし たまふなと たがひにかたる こしかたの ながものがたり のそのうちに ふねはいつしか とほくはゝりて 四こくのはな へぞのりつけ けるかゝるおりしも いぬいのかたより にはかにくろくも たちのぼれば せんどうふなこは これを見て すはやはやての ふきいつるぞと いふまあらせす ふきだすなん ふりつきへ ヨリ十七日 四国音誌初 かゝきたるあらあるあらなけ ふねをゆりあげゆりさぐるいきをも もつともすさましきにそらはいちめん かきくもりいづれを山とも見わかねばふれは ひつしのちからをつくしくつがんされしとはた らくほどにかぜもわづかにしづまりしころ ひとつのに嶋たまを見つけしかばその しまかげにふねをよせはじめてん いきたるこゝちしつかぜの女ほるし をまつといへども日かづたてども おひてにならねば水のよういを なさんとてかぢゑもんをば ふねにのこしかのはるよし さへもろともにひとしくも てんませうちのりつゝ てんまにうちのりつゝ くだんのしまに いたりて見るに ひとのすむべき いゑもなくたゞ さうもくのみ なさんと たけをきりてはふへを こしらへおやふねにある やくわんのふたをもち きたりつゝどひやうしと也 かみぶくろをばゑぼしに ぼう〳〵とせし したて◑ なかにひとつの やしろあり ちかきころ さいれいにても ありけるか はいでんにいと ふるびたる 大にふたつの たいこあり なまり こゑにて みないち どうに かたひ つれ まひつ おどりつ うちさは ◑ゆかた手ぬぐひ それ〳〵にかりぎぬゆふ だすきのまなびになし したくもすでにとゝのへば はるよしはじめふなこ はやしたて いなかぶし ともたいこにふゑと なる げと たれ見る ものもなき しまなればいさか はづるけしきもなく こゝろいつぱいめたのしみを なししだいにてうしもたかく なりわれをわすれて うちはやせば此ものおとの きえやしけんはるかむふ ふなこども そのあたり なるしみづを たごにくみ とりつかの はいでんに こしうちかけ しばらく やすみゐる ほどにはる よしはかたへなる たいこを見つゝ うちゑみて ふなこどもに いへるやう〽此ほど よりのふゑがよに たいくつしたるおり なるにさいわひ こゝにたいてあり いでやわれて此 ところにてかぐら まひしてあそばん にはかみものう じゆましくて おひてをふかせ 給はんか此こといかゞ ふなこども〽それはいちだん してとにはかにかぐらのよういを あるべきたいぶれいへば よきたのしそさらばあくしてかう 百目十疋同 おぼしきもの小ぶねにのりて二三人 これなるしまにのりつけきたり きやかに 此ありさまを見る よりもいかれるこゑをへ ふりたてて〽なんぢら いづくのものなれば かくらうぜきは のくがぢより庄屋世うとも はたちく ぞ又 しまには ▼これなる むかしより あらきかみ のまし 一ませば 源人助女 といへども ぶねをよせず ましで一木ばく 一草いつ にても かすめ ときもの あるときは きんがう までも まゝにはいてんにてつきへし たゝりあれば月なみ のまつりのほかは 此しまにわたるもの なししかるをなんぢらほしい 四国吉言市 つゝき〽おどりくるひしん下よを かろしめたてまつるだん もつてのほかのしだいなり さらずば とい〳〵こゝをたち かならず たゝりを かうむらんト しかり つけられ はるよし らは きも きも な つぶし うづく 〽われ〳〵 さやう のことく もばん ぜず ふな げりの たいくつ きに 此しま にあかりし ところ ふと此 三荷 一菜籠 朝日丸御連中人え あらはれ 給ひけふはおもかず めづらしきかぐらを けんぶつしてゐたるを なんちらそつじに さまたげなし きやうをさま すのみならず かれらを しかりおどろへ かせしだん もつての あり たいこを見 つけしゆへ きやうにまか せて此赤あはせ ゆるさせ給へ わびいゝも はじめつたのしみ ひきかへて手ばやくし あたりをとりかたつけ たごにくんたるしみづさへ たゝりをおそれともとへ もどしみなわれさぎとてんまに うちのりやがておやふねにたち かへりしがつくまばかへつてあしからんと これらのよしをうちゑもんにいやう〳〵と ものがたれはかぢゑもんもうち おどろき〽さらばこれなるおやふね をもしまねにおくははゞかりありとて かのしまかけをこぎはなれおきがゝり してゐたりけるしかれともかぜなほら ねはその夜もこゝにあかせしにつきの日の あさまだきにきのふのせう屋三人のほか きたりとば又いかなるむづかしきことをかいふてきたりし ならんとみなふなそこにすくみゐればくだんのせうせう屋け さきにたておの〳〵ふねにのりうつりいといんきんに ゑしやくして〽きのふはそこつをまうしいだしおの〳〵かたを おどろかせしだんまつひらごめんくださるべしそれに ついてひとつのおたのみそのゑさいはほかでもごさらぬれ さくや里んいつとうのゆめにかのあらがみの 里人あまた小ふねにのりてこふたのふねにのりつけ 百目十七日 とくかの ふねにおもむき てかれらに あんど いたさせ 上 こと おろ そかに いたすに おいては なん ぢら ばめりの きんがうまで 〽つきへ 西国吾諸神 つゝぎしたゝりはのがれかたからんとあるふしきのおん つげありしかばわざ〳〵これまでまいかしなり なにとぞわれらがぶれいを ゆるされきのふのことくけふも またおの〳〵かくらをし 女あまふしてしん 〽あはるべし りよをなでさめ さな 六七 □□□□□□□ りもぐく にいか なる おとがめ あらんも こはわれながら しれす おこたりぬはやもとふねに ひらなくトかへらんとたをれふしたる かたのまれてはるよし まれてはるよしふなこどもをゆりおござんと はじめふなこらはするおかしも此はいてんの あんどのおもひは あんどのおもひはおもてのかたにたれやら なしつれとも なしつれともたゝづむひとありてうちを 又今さらにはつ 又今さらにはつうかゝふやうすゆへこゝろに かし〳〵かぐらのことは さま〴〵にじたいなて さま〴〵にじたいなせいつとうこしにきし ともゆるさねば あゆみいでつゝつく〴〵みれば せんすべなさにかの 二八ばかりのおとめにて しまへみなうちかほかたちさへなりふりさへ かゝるへんぴのはなれじまに ふたゝびかがゞらを はじめしかばところの おもはれねばはるよし ものはよろこひて いよ〳〵がてんゆかす ふしんなからもさし らうにやくなんによ つどひきたりしん よつて〽見ればおなご りよにかなひし のたゞひとりことには かぐらとあつて もはやまよなか みなつゝしんで けんぶつすかくて すぎそなたいもと これなにものそし その日もかたぶくころ とひかけ かくらもすでにおはりし られてはづ かはちかきあたりの むら〳〵よりあるひは かしけに おとめはにつ せきはん酒さかなを ことうちゑみて おもひ〳〵にたつさへ きたりはいこんせまと 〽わらはゝとゝより ほどこほからぬ おきなしべしかばおもひ がけなきちそうにあひし はるよしらはよろこびて うらべにすめるもの なるかけふの かくらをけんふつに もらひし酒をくみかはすか たれとてげこなるもの あらねはきやうにまかせし ちやわんさへけにおの〳〵 まいりしまくに日を くらしかのうらふねに のりおくれせんかたなさに 此のきしたにさいせんから いたくゑひつぶれ日の してをりましたどうぞ ひと夜をあかさせてじ くるゝをもわきまへす □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ いひつゝじつとはるよしの おどりたをれてたる まくらぜんでもしらす かほうち見やるめのうちに ねむりしがやはんのころ なさけのいろをかよは ともおもふころはるよし してこゝろありけに さしうつむくおとめが ふつとめをさましあたりを すかたのあてやかなるに◑ 見つくおどろきて 百月十七日 ・ 日ころは さしも ものがたく あだ ごゝろ なき はるよし なれと すせ むすふ のゑに にや 又にて からす おもふ にそしばし うちゑみてきては そなたはよひの 見とれて ゐたりしが おぼへず につこと まより此のき したにありしとか それとしらば とくよりも こなたへつきん 一日 つきよびいれべかりしを なにはともあれし ものをからん こちへ〳〵トはい でんへともなひ W いれつゝあり あひのかのこは いひともやもに 酒さかなさへとり あつめてかれ にもすゝめその 身もまた ともにのみくひ するほどにおと めはいよくこゝろ とけしきりに とけしきりに めもとにおもひを ふくめばまだから わかきはるよしが おのか名による はるこゝづ うごきそめては なか〳〵にとゞまる べくもあら されはおとめか 手をとり ひきづれて しまねに つなぎし てんまのうち 西巨音語 ●身のおちつきを さためしかへ そなたをむかへ とるまでの しるしをのこし おくべしとく こしにつけたる いんらうを わたすを もおとめは てうけいたき はやあふ こともこれ かぎりなこりは こゝにつきねども やとり いだしつくわたすにぞ さらばしばかりいひ すてて身をおど しらせつみあらなみの なかへざんぶととびいれば あなやとおとろくはる よしか〽ヤレまちたまへト これとわがさけびしこゑに おどろかされめをひき つゝあたりを見れば身は はるよしとつてうけおさめ はいでんのうちにありて 〽そなたにさたまるおつと なくはわがつまにもとおもへ あふせははがられぬとは なくはわがつまにもとおもへるを又の こゝろえかたきその たるをまくらに ふしまろびし かりねのゆめ にぞありに いちごんさはさり けるはる 一 さまを しきねの かりまくら かはす ちきかぞ あやしけれ ゆめむすぶ まもみじろ 夜のはやおち かたの山のはに いつしかかたぶく ありあけの月 もろともに あけのかね ひとめは あげて とまをはね 〽おもひかけ 一月廿一日同壱 二十二日 なきおなさけに むすぶちぎりは ふかけれど うすきゑにしをし いかにせん又のあふせは はかられねどせめては これをとりおきて のちのかたみと 見ずなせト いびつゝかしちに いたゞきしてがねを のべたるくらいちまい □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 百目午炎刀 さりながらわれ とてもゆゑ さだめぬたび のそら◑ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ よしはたゞ ぼうぜんと さめても やめのこち しつしづし あきれて ゐたりしが おとめがのちの かたみどておくりし くしは今もなほ わが手にのこりて ありしかばしかいだ 一 つら〳〵見るにくし にはあらでいちまいの にはあらでいちまいの まさしく鱗うめごあり けるにぞいぶかしきこと かぎりなくわがおくりたる いんらうはどこしをさぐれど さらになしさてはゆめにて ゆめ ならず こいでも いかにと 手をくみて しあんの うちにいつかはやが 夜もしらず あけしかばつまへ 十五 こゝきゑひたをれたるふなこども たちまちにめをさましおもはず こゝに衣をあかせしをうちおどろきつ あはたゞしくおの〳〵てんまにうちのりて かのもとぶねにいたるにぞこゝろならねと はるよしもともにふねにはいたりしかど さすがにはぢて見しゆめのやうすは かたらざめしとぞかゝりしほどに此日より にはかにおひてのふきいだせしかばまさしく かみのたすけなるぞとせんちうよろこば ざるものなくほをじうぶんにまきあげし ふねのゆくこと矢よりもはやくおほよそ 〽こゝきゑひたをれたるふなこどもいであひしにすこしさかりはすぎ たれどもそらねがすがたのあて やかなればかいのぶしらは立がかり ようの助をばうちたをし すこしのにもつともろこともに そちねをたちまちかき さらひゆきがたしれずなりにける そのときくだんのようの助は めのまへに女をうばおれ いとくちをしくはおもへども そのとしわづかに十三才 小うでなるゆへおよびがたく 三日はんぼしてよまくらのつにつぎしかば かのかぢ右衛門をはじめそしてはるよしふなこに されどもふてきの いたるまでにしまのかたをふしおがみ そのつゝがなきをよろこびける これよりはるよしがかまくらにいたり 世になりいづまのおもむきはくばしく 二へんにあらはすべし ○こゝにふしきのいづきだんありかの ◑たまし はるよしが父ときこへしあか松 ゆへひとりつと〴〵 そうざうとよばるゝものはもと これへいけにゆかりあるゆへ おもふやう〽わがうん いぬる八嶋村のかつせんにも むねもりにしたがひつゝ かのちでうちじになせしかば今また母をわるものにて かののちぞひときこへたるうばひさられしことなれば かののちぞひときこへたる そらねはわが子のようの助と こゝろぼそくもたじやたりみやこをなぼさはわひにわが身 はなれてさまよふうちのぶくどもにのみかくつゝがなくなくな 貌のつたなくして父は さいかいのなみにしづみ 今また母をわるものにて うばひさられしことなれば せうじのほどもはからればからればからればからればかられば お内さはわひにわが身 □あるからは今よりこゝろをたく ましくしてうちもらされし はからば世になりいでんはひつ しあんをさだめしかば よるいをみかたとなしてことを じやうなりされとも此身に 能いなくばとをなさんも かたかうべしとすでに それよりみなこに たちかへりて武悦 のみちにこゝろを つくし夜の つくし夜の めもろく〳〵 あはさぬ までに 四の挙也 はや此うへはこゝろやすし より〳〵みかたをあつめんとい いじゆつしゆぎやうと いひなしつゝ名も妖斎 蕗とあらためて くに〴〵をへんれきなし あるひは百日二百日づゝ ところ〴〵に さらばしよこくをへめぐかてう このまばしひたすらしゆぎやうしたりしかばのほう ぐんがくいへはさらなりわかんのふみにもくはし〳〵 つうじことさらす藤かくにやうをえたれば あしをとゞめ そのやくれい をつようと して ひぞ か□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ へい けの ざんとうを む こみかたにつけんと おもふにぞことしは 四とくにおもむき つゝさぬきのぐに 穴があなるさる はたご底に つえをとめ しよにんたすけ のそのために 百のうち ほどこしの はりやうぢを▼ 同断断同同断同所 ▼する よしひらう せしかば みやこの めいゐときく のかどぐちはさながちいち つたわれも〳〵と つたわれも〳〵 かやうぢを たのむにもと よりいじゆつに だけたることゆへ 百人にして一人もぜん くわいせずといふこと なければかのはたご屋 を恋すごとくはんじやう おほかたならざりしがある日 としまだはたちにたらぬ いやしからざるひとりの介が たづねきたりて手をつかへ 「わたくしことは此わたりなる ざるいゑにほうこうして名をば 賤魚知ゝとよばなくものつきんし 西国謹語花 一日辛亥 つきかねてしやじんの内かたが くわいたいいたしてをもところさんのけ つきてはや十日今にいたりて うまれもせずそのくるしみは いかばかりとそばで見る めもいたはしけれどかゝる へんぴてあるゆへにこれ をすくはんおいしやも なくいかにせんとおもふおり からうけたまおればあなた にはみやこのおかたであるのみか いじゆつにめうをえたまふよしに ひとのうはさにせりあへば わざ〳〵ねがひにまいり ましたごくらうながら わたくしとともに お見まひくださらば いづけのよろこび 此うへなしとめたつ すらたのみ きこへしかば もとよりしゆ ぎやうの身なる ゆへいさゝかこれを いなまんやう なく〽こゝより ほどもとほ からぬとなら すぐさま どう〳〵いたす さやうなされて くださればつかひに まいつた身のめんぼく おくすりばこもわたしが もちいざごあんないトさきに たてばえうさいはそのあとに つきいそべをさしておもむき いゝさかまききたるあらなみ のうへにひらりとうちのりて かきのかたへとともなはろくにえうさいは 〽左ゟこはれて えうさい かたちをあら ため〽おふせの おもむきこと はりなれども みやくをも とらで 図 ▽ くすり をもめ こと いらゆつに おいて せざる ところ もつとも おねまへ いたりがた くばその やむひとの みやくの 一ベートいふに いそなは よろこび ても } 同一一 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□ 十一二十二十二 二十二二 たゞぼうぜんと身はなみのうへにありながら なほもへのちのこゝちしてゆくこといまだ いくばくならで金殿焼らう少く たてつちなりしいとうつくしき とのづくりありそのときいそなは 見かへりて〽これこそわらはが ほうこうなす屋かたにて はべるなれしゆじんも かうなるはなか〳〵ことばに さだめしまちかね さだめしまちかねのべつくされぬにかの出く つらんとくとなた也ト いひつゝもひかるゝはしらきんじすまこうらい まゝにえうへらせしさみのうへにおもとびと さいはいくおぼしき女中がいろよききぬを きかさねつらくたりといくたりとなてゐらび たる此ありさまに□うさいはこゝろの うちにふかくおどろきかくけつかう 見るにまごとくのけへ なるとのつくりのこゝらにありとは きかざりしがとおもひながらもふてきの たましいちつともおくせずざにしほれば かたへにひかへしひとりの女中がすゝみいでつゝ ゑしやくしてさきにいそながいひつるごとく しほようだいをくはしくかたり 〽もと此屋かたのあるじと いふはよしあるひとの いふはよしあるひ 世をさけてふかく しのびておはする とへだてしおくでんへ すゝみいりつゝあたりを ところにほそき いとにてしつかと まきいとの はしをばいだし 給へそれがし くだんのいとを みかへりて〽これこそわらはがすゝみいりつゝあたりをくだ もてそのびやう せいをかんがへせる はべるなれしゆじんもかうなるはなか〳〵ことばにせいをはんがへ せいをかんがへ見る べしこれを名づけ ていとみやくといふ とゝ〳〵とようい ありたし つぎへ □□□□□□□□ なるにことさら なるにことさら によぎのことなるゆへ ふしどのうちへ男をいめばおねまへとては ともなひがたし此ようだいにておくすりをト右へ 百目二十七人同 つゞき いふに女中は こゝろえて おくのひと まにおも むきづゝ いはれし なし 西巨吉言衣 けんみす のひま よりいとを いだすをすゝみより いゝえうさいがくだんの かたへに いとのはしをとり さいうの手のみやく あしのみやくをつく〳〵と ひかへし おもとびとが うかゞひ見るにまさし〳〵 人脉にもならざるにぞ さてはけせうのものなるかと おどろきながらもさりげ なく〽まうすもはゞかり おほけれども此御ふじんは ゆへあつて春葉のたねを やどされたるにことさらふた 子とおもはるればさんに のぞみてむづかしくくるしま るゝもことはりながら出ん いのちにはしさいなしいざ うけおざめ などする おりしもたち まちおくの ひとまより うぶごゑたかく きこゆるにぞ 〽そりやこそ ごさんがありしぞと ひと〴〵いちどに たちあがりおくのま さしてはせゆけば まづくすりをまいらせん とていそながたづさへ きたりけるかのくすり ばこなとりよせて こぐすりいつぶくとりいだし 〽これなはすゝめまいらせ なばたちまちあんざんある べしトいはれてありあふん〴〵は 今えうさいがいふところに おもひあんすることやありけん たがひにかほを見あはせて まづくすりをまいらせんあとにはえうさい たゞひとりなにとも もつて此屋のあり さまがてんゆかずと おもふにぞさいわひ あたりにひとの あらねばうかゞひより うちおどろけるありさま なりしがそのなかより ひとりの女中がその ◑おくのまにかけ わたしたるみすのひま よりさしのぞかんとする こぐすりをうけいたゞき おくのひとまにおもむけば えうさいは又せんやくを 十ぶくばかりてう がうして めきてあつとひとこゑいきたへしが しばらくあつてえうさいは さながらゆめのさめたるごとく われにかへりつあたりを 〽これは 見るに今まできんでん 見るに今まできんでん さんごに もちひ これよ きすれば ひだちも はやかる らうかくと見へつるはみなきへ かせて見るもいぶせきふるやしろの そのはいでんにてありしかばさすが ふてきのえうさいもこはげだつまで あやしみてかゝるところにながるせば いかなるわざわひあらんもしれず すこしもはやくたちかへらんとくすり すこしもはやくたちかへらんとくすり いひい□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ いだすたちいでいゝあちらこちらとはせめぐり せんやくをひたすらみちをもとむれどつきへ ほどにふしぎやにはかにめくる 百目十長刀 国 明 つゞきくがぢはるかにへだうし ひとつのにじまでありしかば ふねあらざればかへるにみちなく さるにても丸がめよりふねにものらで 共町わづかにあゆみきたりしとおもひし ものをトとつおいつしあんをなせどもせん すべなくあきれてたゝづむそのおりしも にぶねいつそう此しまへこきよせきたるに よろこびてびんせんなさんとまちたりける 〇こゝにまたあき日丸のせんどうかぢ ゑもんはいつでやかまくらにおもむきて よりしよくほなぐをくわいせん 〽アも」くがむはるかにへざうしこきやうへかへらんとせしにいかしる風のへ御せんしはやうへかへらんとそなを よせしもふしきなればくだんのやしろにさん にじまでありしかはふきまいしにやくはのにじまへがりし けやしてこぞのおれいもまうしあげなほも やねあはざればかへるにみちなくかびかぢやつはふなこにけひへけやしてこそのかれいもまうしあげしあげしほも さらにても瓦がめよりふねにものいで〽われ〳〵しんやうにおひへかやうあんぜんぜんのみやうぢよいのりたて ときこれなるし哉へまつらんとてふねにありあふ神酒さを 此町わづろにあゆみきたりしとおもひしときこときしまついへまついんとくふねにありあふ神酒類を にてたすけるれへたづさへひとりのふおこにてんまをせがせにじまに かみのちからからかへのりつけきたりしとききしべにたゝづむけり夫が つゝがはしせよりつゝかたちをあらため〽われらはみやこ のいしやなるがしづらく丸がめにとうりうなす うちかやう〳〵のことによりこれなるしゆをしま ともしらずともなはれきしおもむきをしまい つぶさにものがたり〽なにとぞこゝより 丸がめまでおやりとゞけて給はらば なしあまた の月日を □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ たび かさね そのふなちんはなにほどなりともおんみ ののぞみにまかすべしトいふにかぢゑ もんおどろきて〽こゝはきのくにくま のうらにほどとほからぬ小じま なれば九がめまではよほどの みちわれ〳〵とてもいぬるころ かやう〳〵のわけによりおれい まいりをなすなればわれら がかしこへさんけいしてかへり くるまでまちなへいづれの みちにもさいこくへおも むくふねのついでゆへ のぞみのごとく丸がめ までおくりとゞけて まいらせんにいふに まいちせんいふに えうさいまろこびて ひたすらたのみ きこへしかば かぢゑもんは はうさいと ふなこを てんまに のこし おき つきへ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 西国善訓言 つきかのあやしみを きゝながらもいさゝ おくするけしきなく 手づからみきを たづきへいゝくだんの やしろにおもむきて しばしきねんを こらしいゝたちかへらんと するおりしもかたへに しけりしくさのうちよりし あかごのなくこゑきこへし かばふしんながらにたちより 見るにうまれしまゝの いそくさにていくゑともなく おしつゝみしそのかたはらにし むさしのゝすゝきを 見ごとにまきゑせしめん まゝにすてくあり此あり さまにかぢゑもんはこゝろ やうなる女のこゞなるにぞ ひとりつく〴〵おもふやう ひとざとはなれ此しまに いかなるものがすて つらんわれ此としませ子の あらさればほしとおもふ おりなるにこゝではかし らずひろひしはかみの おさなごをいとやはらかなる らうのかたはれをそへたる ならずもいだきとればたまの さづけであるべきを わが子となしてそだ てんとうちぶところに かきいだきかのいん らうさへとりそへて ゆはんとしたる うしろより ぐまざゝの なかひし わけてあら おれいでたる ひどりの男 これもおなじ くふところに かさなごひとり かきいだきしが あやみよりつゝ おもはずもこれ かれひとしく かほ見あはぜ 〽こんたはあにの もぢゑむどの 〽そういふおのれは しば六かおとゝ ながらもせんぎの あるやつそこ うごくなと うごくなと いひくけておびに 手をかけひき かどすを下へし 一百目二百目 上ゟしこなたはおどろき ●ふりはなしかげんと するをのがさじと たがひにあらそふ おりこそあれあを ぞらにはかにかき くもりあめかせ はげしく いがづち のおと すさま しく なり はた めけば さなが らあん やに こならず これに しいて よつて かぢゑもん もおとゝの ゆくへを 見うしなひしに あめかぜたち まちはれし かばやがて きしべに おりたち おん みも いさゝか ぬれたる ていなしこれは いかにと いぜんの てんまに のりうつり やいゆる てかしとで ありし ことゞもを かやう〳〵と ものがた ればえう さいふかく あやしみて 〽さほどの あめかせ ならんには こゝら あたりも ふるべき にわづ かに へだて 此てん まには あめ ひとつぶ ○おどろけば はじめとそれと こゝろづきふしき〳〵と かぢゑもんはあきれてことばもいで ざるほどにやがててんまはもとぶねの ふちざる のみな ほとりへのりつけいたりしかはつきへ 西陸寺言示 われらがかのやしろにて ふしきにくすりをあたへし ふじんもあんざん なしてすでにはや そのうぶごゑさへ つきみなもとぶねにのりうつりしときめうさいは おのおさなごをつく〴〵見つらへるやう〽さいぜん きらればそれ これおもひ あはする ときはもつ ともあやしき おさなごなれど今 それがらが見るとこめでは 五たい七けつかけることなくまさしく にんげんなるものをかみよりさづけ 給ひぬる子と見るときはなか〳〵にしさい あるべきやうもなしトいふにかぢゑもんうなづほて〽われ さこそぞんずるなれそれにつけてもとうわくは 此子をくにへづれかへらんにもちゝあらざるをいかに せんトいふをえうさいきゝあへず ぎうにくぐわん一包 明 朝 百銅 牛肉丸 〽そのこと ならば 二子の一子 一子の一女 淫婦阿龍 四十五郎がうして わたすをかぢゑもん うけいたゞきふねに ◑くすりばこよりまくり 一つにて出すれかせ もおひてになそり しめふり ありありあふ 丸がめに はらせはらせはらせはらせはらせはらせはらせはらせはらせ 〽こかにてえうさへ をくづにのぼせなほと ふるぢをいそぐほどに 日ならずして おぢゑもんはほん ごくひうがへをし ○これ よりかぢゑもんが ひろいしとしば ひろふたるふたごの きやうだいおひため そなすの 次郎につかゆる だんより木村 はるよしらが うへをつゞり国 鶏卵 第一ひゐを補ひじん こゝろ やすし 孝子龍太郎 せいをます妙やなれば われらがまくりをまひらす きよじやくの人つねに 也ければたとへちぶさをふくめずとも これにさい もしだい二へんとして こくのきだんをとりまぜ□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ こきやう分へり 用ひてよし 下谷さみせんぼり 対州 やしき 染崎氏製 甫歿 あるべきやう 爲永春水補綴 なしいざ 給ふまではし 同所十同同 久 文 戍 年 新 鐫 同 録 十五編 十六編 根源實紫 十七編 柳亭種彦作 一寿斎国貞画 五編同作 娘庭訓金鶏 大尾同画 十七編山東京山作 おくみ 十八県柳亭種彦作 十八編秋川国貞画 一乙編歌川國貞画 琴聲美人錄 総次郎 十九編三十九編 初編柳亭種彦作 花兄弟陸奥名所 二編歌川国貞画 十三編 十四編 新増補西国奇談 十三編為永春水作 歌川国貞画 十五編 芝神明前 地本繪草紙團扇問屋 〃佐野屋喜兵衛板 三嶌 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 四五 一 新増補 狩 春水補綴 国貞画 きだ 四十一日 二編金二編全二冊 佐野海伝 西國竒談 補増新 上編二 新増補 西国 奇談 春水作 国貞画 二編上巻 佐野 喜枝 西國奇談二編序 時 助板倉 街の 米商客 あざぼれや 仇惚屋 宇和吉 としごとせつぶんこのやくはらひかいつかに 毎歳の節分に。此片拂が爬掴み。西の 海へと言へるなる。其西国の奇談をば。 追儺の豆と拾ひ輯て。例の戯墨に ものせしかど。奇とする所は更になく。蛇に 足を添ゆるが如き作者が浅智の杜 撰も鬼は外へと棄給はで。アラ目出度 の大尾まで。ゆる〳〵お需め遊ばさば。書 肆が廟の福は内。その年の夜ほど混雑 し。机に毛頴を掻攫み。西の海編 く這策子の。爰の寸楮へさらり と序す。 辰の春爲永春水誌画 隠里の宮女 あやめつぼね 黒白の局 後に柴六 が妻 阿綾 平家の女官 玉虫の霊 阿竜の方 孝子龍太郎 后に那須家の 忠臣木村 □□□□□□□□ 三軒屋邨の 荘官の 子息 不破戸 乗次郎 后に琵琶 法師 凍田検校 西国言語二 二へんのよみはじめ」こゝに備中ぢう のくに吉備津喰びのみやはとうごく いちのたいしやにて日ごとのさんけい ひきもきらずさればやしろのほとり なる板倉代は宮内船やなんどいふその町々の はんくわなるあそび屋なんどもあまた ありていとにぎはへるまちなかにかどの しようじへ待合出陣とふでをそめ たるさてんありおりしもきかゝる ひとりのやぶいしや その名を漕智とゞ 利庵あいとて くすりはきかねど くちさきであるひは ゑんだんかけあひ ごとぢめんのうり かひあるひはまた 酒のざしきの おたいともごぶでも すかさぬきてん ものずつと はいりて 水ちや屋の しようぎに 見るより此ちや屋の女房 おあやがにこやうにこれは〳〵 きくあんさんけふはいつより おはやいおいでさァ おちやひとつトくんで こしをうちかくればそれと だすちやわんを とつてしたに おき〽己かまふ てはくださるな ときにあるじの しば六は〽イこちの うそだ今かどぐちから はいりがけおくへゆくうしろか ちらりと見たゆへはいつて どうぞあはしてくだせへといはれて 一おあやはとうわくのむねを しづめてうちわらひ〽は まはりぎなきくあんざん るすじやと いひまぎらすを きゝとるしば六が そばひざつきいだす そむしこと おほあぐらしりめに じろりときくあんを うち見やるのみ ゑしやくもせず 〽ゆふべからののみ するゆへに出くて右へ いひもせぬものをト おくのまにてすれと ひとはけふもまた 〽るすだといふのかそりや のさくいでてて火犬ちの すぎではらがむか〳〵 きたけふはぜひ〳〵しば大に 百目十歩二 左ゟ とづり とやり しかけ たち おほきな こゑで おこされた おあや しほゆを くんで くれじひぢを のばしてそら あくびこなたは むつとしたり しがさあらぬ ていにて「コレ しば六づるいも あんまりほどが ある今あら ためていふでも ないがおぬしの むすめのあの お音りいつぞや きびつのとりゐまへ きびのとりくさへ よしづがこいのちや 見せをだし見るかげも しいそのじぶんいた くらまちのこめどひや あの仇惚屋敷おの わかだんなうは吉 こがじゆうになる ならばあんにくらしを させはせぬ此とりもちは できまいめとたのまれた ゆへのみこんでそのとき おぬしにかけあつたらなに じんたのむといつたをさい わひわかだんなからかねが でてよしつがこいに ひきかへて三げん さまのめについてあの ちの 此水ちや屋 かさくはもち ろんどうで しよしき のこらず できた その □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 月三両の つきん 西国音割二 おがんでもゐるはづをちかごろに かす〳〵うはさをきけば ほかにもむしがついた とのことこれがほかのもの ならばまづそれちらして ねぢるのだがそこに ぢよさいのないきくあん おぬしにもはなをもたせ わかだんなにもいひやうにと それとはなしにわかだんなに あのこをあゝしておくよりは おやどへおよびなされたが おためであらうとすゝめや たちそんならそうと いはれたゆへおぬしにそ したま一つあのこを したところあのこを さきへやりきるには 百両とらねば □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ つゞきまかないきんなりや □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ おもふがゆへにとがめもせず いはれたゆへ出ぬしにそうだん □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ わたきれぬと あまりあこぎな いひぶんながら こゝのおむすに かゝつてははなげの のびたわかだんなし こつちへもらひ きられるなら 百両だそうと いふにより □□□□□□□ 出し □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ゐるからはあの 五十両をふむ きだなこりや おもしろい ふまれやせう むす めを ゑ でてくれば なかへはいつた いひわけたゝぬゆへ いふべきことはいはねば ならぬけふは 此きくあんだんなへ とこへ でて とつて 見せる いつしよに きやれト ひきたつる をうごきも やらずあぎ わらひ やかましいしつかに しろもつともむす めを百両であの あだぼれ屋のよめに たちまちだんかう とゝのひしめば そのときおぬしに 半きんわたし あとがねの 五十両はいつでも おむすとひき がへとやくそく したはあとの 月それから それから おむすのひつ としの日どりの ことをかけあへは 月がわるいの日が わるいのと 日をのばし あげくの はてに此ごろ じやァるすを つかづて あひもせす あんまり わけがわから いつすんのがれに ないならう ことならあい きやうを うしなふまい とはおもつても そつちづづるく 百目三丁宛二 せひ〳〵コレしば しらちを つけて もらひたい □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ いへど こなたは そらうそ ぶきいらへ やければ いかく せきたち 〽ひとにばつ かりくちきかせぬ もつてきた三十五両のあのかねも むすめをこれまでなぐさませた 手きれとおもへばおしくもあるめへ まアそうおもつてもらはふから やらうとそうだんをきめた ときまつ半きんとて五十両 おぬしがもつてきていふ にはかういふせわをする ときはほねおりしろに 二わりはんれいきん もちふかせけんなみ もちふかせけんなみ あとばねもあることなれば まづ此うちから十五両 ひいてわたすと手ごろに かけおれのとこへは三十五両 おいていつたをわすれは しよいひとのむすめを ゑばにしてのろまな だんなをおだてあげほね おりしろのれいきんのと ぬれ手であはのつかみ どりはおれよりおぬしの しことのほうがくらべて 見たらうまからう おれもはじめは百両で むすめをやらうと いつたれどちつとこつ ちにみ〳〵よりなはなしも あればあだぼれ屋へまつ やることはへんがへだいつぞやおぬしぞ つきいはれてきくあん あきれはて 〽こいづが〳〵おし だまつていは せておけば かつてなたは ことかうなる からは こつちも ゑこぢ さいぜんから してきを つければおく の二かいで つめびきの あじしてうしの さみせんはあやと しいしうちと にちんでおいた とにもかく にもあだやれ 屋のざんなし のたてたし 此二かいへ ほかの男を ひきずり こそいちや つかれては だんなに すまぬ 十一 それから さきへ あらひ だて此 ばのしまつ をすつはり とわけを つけねば ならないと おくを めがけて 参除 ◑そのなかへおあやは 見いねてわつていり 一まア〳〵まつてくだ きりませきくあん さんのおはらだち きらくむりとはおもは れねとなにをいふにも しは六とのはきつう よふでごさんすれば けふは此まゝ りやうけんして とらぞもどつて くださんせ そのかはりには まで よかけや いるをそうは させぬとさみゆる しばい たがひ にあら そふ事 四 筑前へ におまへの そほはわた しがきてる しがきてる 心アわたし しやとて おなごのはし くれきつと うけあふ うへからは おまへに はぢは いろゝきせぬ いふに きくあん この替へ 一の巻ゟ おもてを やはらげ 〽とにもかく にも此やうな にも此やうな むほうもの でははなしが でははなしが できぬそん ならあねこ あすまでに 〽アイごねんと 三十二 北部 とぞあ にはおよび ませぬわたしに まかせておかしやんせト いふをきくあんたち同 にこゝろならずもかへり ゆくあと見おくりて おあやはさしより 〽これいなァしば六どの おまへもあんまりめつ そうなあんなことをばいひ ちらしまアどふせうとおも はんすわたしがやう〳〵くち さきてだましてかへしはした ものゝ此おさまりがきづ かはしいといふをしば六 きゝあへず〽ハニきづろひ なことはないそれにつけ てもおもひだせば廿年はたちかきむかしがたりそのかみ ひどのかくれ里でへいけのよるいを見つけしゆへの 西国奇淡二 せよびなへて よびかへて ひとゝせ あまりくら すうちおもひ がけなくにしぬ 一がけなくにしぬ にてひとりの あかごをひめい しゆつせの ○しゆつせの たねとうつたへ しになすの子市が はからひにてあだと なりたるのみならず 身のいちだいじに およびしゆへあたりに さまよふひとりの くわんぢよの みめうるは どりよく〳〵見れば めの子にてたま をあざむく ばかりなればその 名をおもうと なづけづもらひ ぢなしてそだ てしにおひたつ てしにおびたつ まゝにうるはき つぼみのはなを しほかぜに しきをかき ふきくろまさんは さらひかつて おしいものはん しつたるぬけ くわのばしよへ あなよりそのばを なんなくのが つれゆかば此子 なんなく にんなくのがれたるその日の をゑばにかね くわんぢよはすなはちそなたつい もうけのつるに づる〳〵とふうふとなりそのころ づる〳〵とふうふとなりそのころとりつくこともや とりつくこともや きのくにくまのうらにいさゝかあらんとそれよりこの しるべのあるによりかしこに いたりてもやうしとなりしがあやめのこゝろみにちや見せを 〽ほねといふ名ではなにぶんりやうしのだせしにあんにたが つまめかねば名をもおあやとせはずあだほれ屋のつきへし 円目与計画 つゝきあのかは吉を つりつけてまづ これまでにはなつ たれど百や二万の はしたつねで めぐらするち 三軒家 むらの おほしよう おりうを手ばなすこゝろ なければなほもしめんを □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 屋敷 公弁氏卿 おほじとよばるゝ わかものいつぞやよりして此見せへくうたび〳〵に なにとやらむすめにこゝろのあるやうすかれはなにあふ かねもちゆへおりうにもいひふくめしゆびよくかれ をもつりこんでかねもよつぽどつかはせたれど まだ〳〵これではあきたらぬけふもさいわひ おく二かいでおりうをあいねにしのびごま あの水でうしでうかしたてかねをひきだす こんたんは此しば六のむねにあるいら ざることにきをもまずと二かいの 酒がひへたもしれぬかんでも つけておいたがよいトいふに出あやも うちゑみて〽おまへにじよさいの ないことはしづてゐながらあのやうに いはれて見るとおさまりはどふしたものであらうめと あんじすどすはおなごのつねがならずねからしやんそ あんじすごすはおなごのつねかならずぬからしやんす なとしめしあはする二かいにはおりうがしやくにのり次郎 おほかたおきくも したへきてのいひふんぞ おほかだおきくも なすつたらうもう かうなつてはこつやも いぢづくあの半きん 吾妻もこゝの かざくをこしらへて もちつただけの かねをそへあの うは吉にかへして しまへばなん もなければ ぎりもなく むすめはどう 四日 こともこつちの じゆう そうかして 見ればかねづく でおめへさんの おかほのたち おりうの のぞみも かなふと いふもの しあんと いふはまア かうサよあし にもたせて てゝのかすことばに ふはとのり次郎 日かげの身のうへかねづくならば あだほれ屋にまけるこゝろはあらね どもなにをいふにもうは吉にもらひ きられたそなたのからだ今さら どふもせんかたがトくびかたむけて やくしばししあんにむねをいたむる おりしも〽イヤそのしあんかしませう はしごのくちよりあるじのしば六 こなたのふたりはうちおどろき 〽おまへはとくさん〽しば六どの。して またしあんをかそうとはトいふに しば六すみより〽かねづくならば あだぼれやにまけるこゝろはあらね どもと今おつしやつたがまことなら はやほろゑひのひぢまくらかほ見あはせつうちゑみて 今がたしたでのもめもんちやくやうすはくはし〳〵きゝとれ ねどたしかにそれとはやしつたそんならそなたは あだぼれ屋へいよ〳〵ゆくきになつたのかゝいはれておりうは なみだぐみ〽アレサ乗ハさんよしてもおくれあのしまぎゝな うは吉づら名をいはれても身ぶらひのでるほど いやだとおもふものたとへわたしはころされても さら〳〵ゆくきはござんせぬわたしやおまへの女房と おもひさだめてぬるものをおまへはやつぱりかたがふ てかそりやきこへぬぞんどうよくなこれほどつくす まことをばすこしはふびんとおもふてならしあん して見てくださんせトいはれてうなづくのり次郎 〽そういふそなたのこゝろとはしつてゐながら それともにとうたがふたのはおれのあやまりとは いふものゝうは吉はせけんはれてのそなたのおきやく こつちはそれにひきかへてかくれてしのぶ むすめは 手にいれます お手にいれまする もとあだほれ屋の うは吉はいつたいむすめの きにいらねど此いゑまでも いもちをすてるとつきつめた のがれにあだぼれやへ日のべをいつても きゝいれなく今も今とてきくあんがや い こしらんてながらくせわにも なつたるゆへきりにせまつて百両て うけとつたがなにをいふにもおりうが ふしやうちおめへさんにそはれずば むすめごゝろもふびんなめへいつとき あだぼれやにまけるこゝろはあらねのがれにあだぼれやへ日のでをいつても あとさきおも □□□□ はずうちうなづ 〽かねであつちの手が きれておりうをおれのにようぼうに 今はらくれるといふわけならぢとうへ おさめるねんぐきんがさいわびこゝに 二百両これで しらちを つけてくれと はだに むすびし どうまき よりごろか となげだす ふたつみ しば云は見て にこく うちゑみ 〽なるほど さすがは 三げんやで おとにきこへた おだいじんおかね むすめをやらうととりきはめその中きんは といへはおいそれとつい といへはおいそれとつい ふところから二百両これさへ おわたしくださればあのうは吉への つらあてにこよひすぐさまむすめし をばあなたへおわたしまうし けるこゝろはあらねのがれにあだぼれやへ日のべをいつても ませうトいひつゝかねをおさむれば のり次郎はぞく〳〵よろこびいきへし どもと今おつしやつたがまことならきゝいれなく今も今とそきくあんが世のり返来はぞくよろは 百目十貫二 西南部二 つきそう してくれば こつちもあんど はや日のくれるに まもあられど ちとさりがたき ようじもあれば おれはいつぺんでなほ してしよやすぎる ころこつそりとかご をつらせてむかひに くるおりうもその きでまつといや しば六ばんじをたのんだ ぞトひとりのみこみ のり次郎いそくとして いでゆくをしたまで 見おくるしば右おりう かほ見あはせてほつと いき〽いかにおかねが ほしいとてうは吉さんに わをかけていやみたら しいのり次さんほどは あはせてゐるものゝ しみ〴〵じゆみやうが わんぞあつがんをいつはい のましておくれなと どつさりすはればおあやは こゝろえちやわんに酒をし ちゞまるよかくさんちや □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ もちだす あんどんに あかしをうつ いだま すをひき もふみしたゝめ ふうじをなしてさし いだすをしば六 よせて おやうは とつてうち ながめ▼ さら 左ゟし手だてにのるはひりやう そこはおぬしのくちぐるまで かならずしゆびよくやつて こいトめはれておあやはふみ うけとりちやうちんかたけに うらぐちよりしのびやかにぞ いでゆきける つぎのゑとき あだぼれ屋のおくのまに此屋の むすこうは吉がかのきくあんと さしむかひちとのさかなをとり ひろげ酒くみかはせどなにとやら うかぬざしきのひろく ごゑ〽イヤまうしわか だんなさいせん からもいふとほり いかにもにくいは あのしば六 にようぼう おあやがあす こんぜうのまがり までにわけ をつけると とりさへた ことばをしほに かへりましたが なかへはいつた わたくしがなん ぶんあなたへすみ ませぬいづれにしても すをぐつとのみ〽これて すこしはきがはれた きけんはとつてゐられ ぬといふをそばから はたらきで手も ぬらさずに二百両 ぞなたにほねもおらせは せまいとはいへこゝが びとつのきやうげん 手だてはかう〳〵 しはぐとさふき しめせばうち うなづき 〽そんなら わたがあた ぼれゑへびとふで かいてやる ふみを〽おあやに もたせてやるのが こんたんそのもん ごんはかう〳〵と しめしあはする そのうちにはや 日もくれて火とも ごろおあやが あをつきりついでいだ 酒でおさねばあいつらの しば六が〽をゝそのはづだ もつともだしかしそなたの かうなるからはこよひぎり 三月廿九日 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ひととほりでは なか〳〵に むすめも かねもわた ▼〽をゝこれで よし〳〵さてこれ からがおあやの ほねおり ◑今はら おぼしは 此ふみを あだぼれ屋へ もつてゆき かやう〳〵に いふなちば こつちの因 しますまい ことにちかごろく うはざを きけば三げんや むらのおほしようや のり次郎とかいふ ものがおり〳〵かよふ といふことゆへない しよでむすめに あはせでもするつと かんはつけたれど たしかなせうこも 見とめぬうちあな たへおはなしまうす のもおとなげないと さしひかへごろを つけてうかゞひしに けふも二かいでつめ びきのやうすもどふ やらあやしいねいろ かののり次郎といふ やつは此かいわいでの かねもちゆへよくに めのないしば六が これまでつきへし 西国音計二 つゝきこおんをかうむつたわか ざんなをばそでにしてむすめを あつちへやらうといふしたごゝろ ではあるまいかあつちがそふ いふこんたんならこつちもなにか 手だてをもうけあのしば言 めにおもふまゝあはをふかせて はらをいるしゆだんもずい ぶんありそうなといふに うは吉けしきをかへ〽そんなら さいぜんつめびきでたのしむ やうすを見とゞけたか こりやきくずてにしてはおかれぬ もつともおやのしば六はよくにまな こもくらもうがおりうにかぎつて そのやうなうつりこゝろはある まいとおもつたゆだんが今さら こうくわいゑくねたましい はらのたつどふしてやつたら よからうぞトむねはむしや くしやきははんらんさらに しあんもいでさるところへ おあやはかねて此ちゑの かつてしつたる ことなればあん ないもなくつぎの まよりうちへ はいつてにこやかに 〽センわかだんな此 ごろはどふあそばし おれも ○いろ〳〵と 男だいやとは いはぬ〽イヱ〳〵 おはなし まうすとも ませぬ それふ そうでは ござり そのふみから ませぬざらうしてトいふに うは吉なにとやら こゝろにかゝれば あれどまア ふう出しきり つく〴〵よんて うちおどろき 〽さてはのり 次郎が かたへ ゆくへき なり わけと せおやの ことばの そむき がたさ にて □□□ した れども ほかの おと こに はだふれ じとちかひ しことはも あるなれば そはれぬ ゑんとあき らめてじがい いたしてあい はつる城 ふびんとおほし めすならばせめ てみらいはふうふ ぞとおもふてくれ とのごりやがき をきそんなら かわいやおれ物に おりうはいのちを おとせしろへいふに おあや□とより びさしくおめにけり ませぬてうど おりよくきく あんさんこりや よいところへきまし たらいへどこなたは はらだちまぎれ につこりともせで ゆかぬがそつ女の しあはせおれに かまはずのり 次郎をずい よいとあてづけ られても ひるまぬ おあや〽さァ ぞのことに つきまして つきまして こよひわざ〳〵 まいつたわけ まづ此ふみ をじいひづゝも さいぜんおりうに かゝせたるふみを そのまゝさし いだすをうは吉 たかお見かぎり ぶんだいじにしたが うち見やり〽ひさしく やれず 〽イヤ此 ふみも よむにおよ ばぬきれて くれろといふ さらに手にだも ことなら右へし 西国打炎二 … □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 「さァその ことでござり 二十八つ四十一 こそもつきはてたのさへ ます此のり次郎 といふひとには 酒のあいてに 五六へんむすめを だしたばかりにてふか しいこともあるまいと おもふにおつとが 此ほどよりあなたへ むすめをあげる のをとかくこゝろに すゝまねやうす さいぜんもさいぜん とてきくあんさんに あのやうなみちに そむいたむほうの あいさづがてん ゆかずとおもひに こよひにはかにのり 次郎より二百両の かもをうけとり むすめをわたしく むすめをわたしく やるとのことあまもの ことにきやうさめて それではぎりがすむ まいとわけをいつても いさめてもいづかなきぬ おつとのごうよくあいそも つき わたく の とうわく ふびんは おりうづ なげき おやの ことばくそむ かれねど よりわけて とても てはれ ぬこと ならばと 此かきおきを したゝめて しなふとまでに〳〵 つきつめたかく ごのていにうちおど まづきまアはやまらず まつてたもそれほど までにおもふなら とくさんへはない〳〵で やうすをおはなしまうし うは吉さまにおめにかゝり たちよいごしあんがあらうも しれぬかならずたんきを だしやんなとしなふと はやるをおしとゞめおつとに かくれていつきせきこゝまで はしつてまいりました わたしのためにはひとりの むすめどうぞあの こをころさぬやう ごしあんなされて くださりませト いはれてうは吉うな づくのみきし あたつたる しあんもあち しあんのあら ねば〽きくあん どうじやじ みかへ れば 此とき までも 手をくみて つく きゝゐし きゝゐし きくあんが 〽あきれはて たるごうよくもの まだしもおむすと おふくろもこゝろざしが たのもしいとはいへたとへ右へ 百月十七二 左ゟしば六がよこにくるまを おせばとて五十両といふかねがわたし あれば此ほうへわたりもつけず わがまゝにむすめを ほかへはやらせ ない。モシ◑ ●おさ つかひ なされ ますなこれ からすぐにわたくしが しば六かたへなりこんで むすめはどこへもこよひ ぢううごかすことではざり ませぬトいふをそばから おあやがさしいて〽そりや おことばではござんすがあの のり次郎がしよやすぎ にはかごをつらせてむかひに にはかごをつらせ也むかひに まいり□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ゆくとのやくそくしよ 夜といふても あいだは なしもし かれこれと ひまどる うちむすめをあつちへいれゆかれ てはいのちのほどがきつかほい それよりどうされ かなじいふにうは吉 うながきて〽こりや 三げんやまでつれてゆくとぢうに おふくろのいふとぼり かれこれひまを とらうよりのり次郎めがかごにのせ お□まちぶせひつとらへ かねですむなら二百両 わたしてすべよくひき おしへだて〽こりやらうせきなゑんとする 一とらうもしそれ ともにきゝいれずば 〽いのちづくでもさきへは やらぬかうのりかゝつたうへからは かねもいのちもなにゝかせんきく あんつゞけといひつゝもかねふたつゝみ くわいちうなしありあふひとこしぶちこんぐ あとさきやまはずかけいだすをとゞあかね たるきくあんもかくれはせしとはせゆく にぞあとにおあやはしすましがほのち のしようこになすまじとかのかき おきをひろいとりこれもつゞいて いでゆぎける ○はやしよやすぎてよひやみぞら のり次郎はやくそくのかごにおりを うちのせてわが屋へいそぐなは手 みちまちもうけたる うば吉がかごの ぼうばな のり次郎おど しつかと ろきなからもなま なかによはみを見せしと へだて〽こりやらうせきなきとすると おさへ されや 國貞画春水補綴。 わきめにかどたつればあざわらひ〽イヤらうぜきとはくつちの ことおれがとしごろせわをしていゑをもた せたそのうへにうちへひきとるやくそくの かねまでわたしたおりうをばよこどり かねにいとめはちつともつけねへおひぶんもあるところだが ひろぐのり次郎すべよく女をわたすなら 此ばをまるくおさめる ためおぬしがだしたし ◑かごかきども かごをその まゝうち すてゝま 二百両こゝで わたして女とは ひきがへ それが よくもをやすみとにけてゆくされどもふて しのり次郎今はいつせうけ めいとおもへばさらにおど めいとおもへばさらにおど ろかずともにやいで をぬきあは せはかたへに ひかへし きあん もかな じく しらはを ぬきはなし 三人ひとしく きりむす へどたれとて ならずば いのちがけ へんとう しやれ下 むす こと 四 じやつを からよのなら めにあたり にぐらき きいた うは吉だな〳〵 ぐれば たとへそつちにどの さもやうなわけがある しれかはしらねどもおやから ものすぐにもらひうけつれて おめかへるこのおりうかねづく ならばなほのことこゝでおぬしにとられたとい いろなくこにちにひとにいはれては此のり次郎 〽さてはそなたがの男がすたるまアやることはならねへト あだぼれ屋のいはれてうは善せきあがりそうぞうぬかそなら女いばのいなづゐすはけん上わじやと 百ねんめいのちづくだぞかくご せよとひらりとひきぬく やいばのいなつますはけんくわじやと◑ にまつぜし めつたぎり しばし よひやみの あい手を それと 見とめ ふも かね 四 〇下のまき つゞく 西国 奇談 春水補綴 国貞画 十三編は阿綾爪五郎と姦通して賭に夫に再会の一段阿竜殺生石を 祈りて身に妖術を獲るの奇談お竜龍太郎を手につけんと色に 緯よせ言寄て反て耻しめらるより渠を罪せんと計るの一端十四条は 一偏龍太郎の故により真の籠太郎が二の町と不義せしていに言なされ 終に飢流せらるゝの赴き並に節之助が忠心義膽十五編」は嶋守荒 大夫が龍太郎を苦しめんとするより苫屋浪子の二個の蜑が竊に龍太郎 をいたはる一段つゞいて浪子を荒太夫が強奪なすの物語など最巧みなる 條あれど白地には爰に記さず。井は出板の時にぞ知られん 根源實紫新刻概略作者柳亭種彦画工同前 十五編筑紫なる穴人の買し宝笛香炉偸て宜孝に托す野洲呪詛綜されて紫 式部寛を受「十六編」式神ノ寿祖狭手等が隠謀を露はし櫛彦自截て奉 が汚名入玉霊まり黒白判然兇悪皆戮せらるつぎて少将が貞節惟規北国 にて死して又蘓る十七編大貮三位生れ宣孝病死花山法皇の御伝大かた 此編にて全備り式部源氏物語を作り上東門院に奉公「十八編以下は追て記すべし 春水補綴へ 国貞直 一〇〇 同十一 介題出るエ 二編下 新増補国貞 西国 画 きたむ こへん 春水 さえ 下の巻 喜鶴堂 上の巻が く。上の巻ゟ さるほどに 三人はめつたやた □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ にびんかたさきいく 太刀かいづれも手さずを おはぬはなきそれがなかにも のり次郎はふたりにひとりの たゝかひゆへとりわけ すかしよの手はおへ どもしにものぐるひに なつたるからはかへつて いきほひすさま しくきり たて やられ て うは吉が おぼへず うしろへたぢ〳〵と よろめく ひとかたな むねの あたりをさし とほされあへ ひとこゑいき これは たゆるをそれと 見るより下へし あらを ふみすべらし 水田の なはへまつ さがさまおつるを はたりとのり 見るより下へ次郎おどりかつて 百目打炎二 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 〽たんなのかたきと 手に妻 さすとこめをうしろに おろせ四ツねかごのうちし よりべきたすくわけんに四人 こやくらみ けんたぢめく ところを 又ひとなる あびせ かけいゝ 一けたをして とゞめの がたなを かきおもひがけなき きくあんがわきばらふかく つらぬかれうんとのつけに たをるゝおりしもとたん にたれをはねあげて かごのうちよりたちでる おりうちがたなかた手に たづさへつゝあたり見まはし うちうなづききりたをされし うは吉がしがいのそばへあゆみ よりふところにせしふたつゝみを さいふのまゝにひきいだし おりからのぼる 月かげにすかし ながめづうちゑみ丁 〽おもふにたがはぬ 二日両これにつけても 此日ごろきざな男に ざきねをされきげんを とつてあやなすも ふねがほしきのあだ なさけとゞのつまりは かうしてトしくんだ ことゝもきがつかず手くだ〳〵 にふはとのり次さんうは吉 ならでしんじつと見たのが その身のあだほれ屋 あふたその夜のそら ゑがほかわい〳〵のむつごとも くちとこゝろはうらおもてないて けん□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ たりけんちかき あたりのひとが おの〳〵ちようちん たらしたきぬ〴〵のなみだのはては 今こゝでぬれ手であはれなこの しにざましらぬがほとけになつた かとおもへばおほきなつみつくり これといふのもとゝさんのいひ つけならばしかたがない そつちのいんぐわがこつちの しあはせそれさへあるに やじうまないらざる にぐちきくあんさん こゝでいのちの ふりてらしてに〴〵 えものを たづさへつゝ かごかき ふたり を しようばんとは おほきにおせわ おちやとう でもおもひだしたらそなへて あげるおまへもぢごくの みちづれにはぐれぬ やうにしなさん せトのたうち まはすきく あんがのどわを ぐさととゞめの きつさき ながるゝ ちしほを おしぬぐひ やいばを にげたるかごかきが さやへおさむる ところへさいぜん 〇月十一 一月十九日 さきにたて ゆへみとがめ おひ〳〵はせ くるやうす られじと うちのりつゝ 身をひそ ませて かくれゐる こともしら ざればきんじよ のひとぐわか ものどもきかり あつめらうせき ものをとり出し がんとみないどこま はせあつまりしに はやことはてし のちなればげん くわすぎての ぼうちぎり 木ひやうしと いそがはと ふたゝび かごに ともにいきほひ ぬけてさていかに せんとかたらふに すでにして 三人まで きりたを 四 まゝにては すておき がたし されし もの あれ ば これなる かごにしば ← 六が むすめ をのせて きたり し かごかき どもが いひつれば つきへ 〽つきもし かれが身に いゝがなくかごに ゐるなら やう よび いだし すを とはんト たち ためにもなること かやにね ならとふた よりて かごの たれ をば はねあぐる にかねて たくみし ことなればおりうは めをとぢはを めをとぢはを くひしばりきぜつ なしたるていなる にぞひと〴〵おどろき ひきいだしあたりの しみづをかほにふきかけ しみづをかほにふきかけ ひとこゑめをひらけばそりやきがついたトおほぜいが おりりをなかにとりかこみしさいはどふじやと さま〴〵かいほうするほどにかんと たづねられ出りうはわざと ふるへごゑ〽あのあだほれ屋一 のうは吉さんも又くげんやの 左ゟ いはるゝことばの いつはり ならず ゆへおやの きこへし ●そうだんせしうへ しようちのよしを こたへしかばさらば こたへしかはさらば なにかはあとに してもらひかけ たるうへからは こよひそなたをつれ ゆかんといふをそれさへ いなみかねてこれなる かごにうちのせられ かごにうちのせられこゝまで きつるそのおりしもおもひ がけなき 此ばのらう ぜきやいばの ぜきやいばの ひかり太刀 おとにこはさ あぶなさ とりまぜて こゝろもさらに 身にそはず ざしこむ しやくにむね せまりそのまく きぜつなしたるか それよりのちは しらずといふにぞ ひとぐつくゞうち 申しきにて一度に さま かよはきむすめぎに のり次さんもつねで 見せへくるおきやく としゆの 中ノ辺 その ばを のかれて る ほどに けふ のりす さんが ござんして さんして 今からおれの にようぼうに なつて くれるこゝろ ならふたおや をもにひきとりて せうがいらくに くらさせる それにづきて ○うは吉もそなたに とゝろをかくると きくゆへあだぼれ はからひおきたれば今は そなたのこゝろひとつ右へ 屋へはわたりをつけゆび でもさしてのないやうにことみな 百目午炎二 あい手の おり〳〵にわたしを おり〳〵にわたしを とらへておふ ぼになれと いはしやんすれど ひとりの わたしに たりがヱ 一ふたりの たのご めざきできりあふやうす を見てはきせつなせしも もつともしごく かこかきともが 一とばといひ今 またしがひの やうすを見るに いづれもやいばにちをぬりて すかしよの手きすをうけ たるていおもふにうは吉きく あんがむすめをよことり なさんとしてのり次郎と きりむすびあひうち しつゝししたるならんと ひやうぎいつけつ どちらへ なりがたくたは へんじも むれごとにこと よせて□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 六はかねてよりおのれがたくみてせしこと なれとともにおどろくていにもてなしつき はしらせてこれらの よしをしらするにそ うは吉ものり次郎も おの〳〵おやある身のうゆへ したりしかば いたくら町へも みげんやへも又 みやうちなるしば六 かたへもすぐさまひとを ふたりが父はおと ろきあはてて みな此ところへ はせきたれはしば つゝきふたびこゝに ひやうぎをなせども 三人ともにこときれて しにんにくちのあらざれは ふたりのおやもせんすべなく とにもかくにもせがれらが ふしよそんよりしてこと おこり此そうどうにはおよび かどたがひにあいうちなし たることゆへいこんあるべき やうもなしおもてぎたになす ときはわか子のはぢを さらすもどうぜん此うへば ないさいにてとりはからひ たきよしをいふにぞみな もつともととういせしかば わが子のしがいをひきとりて はせあつまりしきんじよのひと にもみなそれ〳〵に両家九郎 よりおくりものしてあいさつ なせしかそれがなかにも きくあんのみつま子もあらぬ ものなればこれもぜひなく あだほれ屋へせがれとともに ひきとりてひそかにほうむり えさせしとぞこれによりて しは六はゆへなく おりうをひきとりし かば手もぬらさずして ときのまに四百両よのかねを 今に いこんの はれされ ども 与市は すこぶる ものゝふなれば 今よりあづ まにおもむきて こと成なさんと はかるとも はかるとも 入れには なか〳〵 および えたればしすましたりと よろとひつゝことすみたれば ゑんりよもせずそのつぎの 日より見せをひらきて 又よきとりもあうならは ひつかけくれんとまつほどに たれいふとなくこんどのさはぎば しばいおやとがたくみにて それにはかういふわけもあり あゝいふしさいもありなんどゝ よがらぬふうぶんきこへしかば すねにきずもつしば六ゆへ さすがにこゝろやすからず ある日つま子にさゝやくやう 此ほどのもくろみよりわるい うはさをいひふらされとに かく見せもはんじやうせねば かく見せもはんじやうせねば 此ちにながゐはなしがたし われすぎしとしびごの くにてなすの 与市がその ためにあだほね おりしいとんあれば かれにからみを かへさんと豊前に のくに大里だいの はつもにて千次元べゑ といふものをかたらひ つたなくしてこととゝのはず はかりしこともありしかどうん のくに には かれが おとく なすの 次郎 宗重 むねが か ちの 百目午炎二 ▼しゆさをまうしやけられ 今くまとほりに屋かたを かまへいきほひある 身になりたるよし かれも与市におとろ ざるぶゆうすくれし ものとはきけど としわか 参 ければ はかるに やすし われも へいけに したがひ 〽ひとたひ ぶしの かづにも いりたる 身が つ あさ ましき すふ となり 此まゝ くちんも むねん なり ことにはう あることかへまづひね しけをなきものとし かれがしよれうをうはひ とりあはよくば与市をも うつていこんをはらさん こゝろ今よりひこへおもむく こゝろ今よりひこへおもむく ともろようのかねにどもし からねばそれらにことを かくへきやうなしさらば とうしよを ひきはら はんとて にはかに かざいを しろ なし たひのよういもとゝ のびしかばおや子三人 りたぢよりにしの くにへとおもむくほとに もとよりいそかぬ たびなればめいしよ こせぎをけんふつな 日をへてつびに ながとのくにある まがせきへせ つきにける ○今しば六かことば のうちにかの 与次兵へとつきん 一口 正巨言吉二 つゞきこゝろをあはせ いへることつぎの 本文にくはしく とけはてらし あはせて見 給ふべし 与市をはかりしと こゝにてもの がたりふた つにわかる ○筑前趙の くにはかたの うらべにいと さゝやかなる くさの屋あり おりしもきかゝる ふだりのふなこ 〽あにきうち かトいひつゝも □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ すのこに こしをうち かくれば此屋の あるし隣り太郎 としは二八のまへ がみだちしほ たれころもに 身はやつるれど みめかるはしき やさわかしゆ おくよりしづ 左ゟかまくらどのゝ なかしかまくらどのゝ おふせをうけなすの 与市むねたかどの 此ほどとうしよに げかうありすでに してとうこくに一寺禅を べき鐘師の今ざしあたりて あらざればあらたに これをゐたてんより とうごくかねの みさきにはいにしへ ごんりうせられしが二六のときをつく よりしてひとづの かねのうみに しづみて ありどか きけば あたち かね を そこに うもれ おかんも なり 今そのかねを ひたあげて ひたあけて くだんのこちに きふすべし みやうにち たつの こく まで にんぶ 百人 いだ せと むね たか さま のおふせ なれども くだんの くだんの かねはりう じんのおしませ 給ふといひ いたふればふね さへちかくはこぎ よせぬをかねを うみよりひき あげんとて なみの そこに くゞりいりりうづに かにたちいで やつゝうちゑみ なから ゑしやくして 〽これかと おもへは なかまのふ ふたりそろぶ てこさつたは しんぞよう でもあつての ことうそこは夕日が てりつけるまア こなたへしいざなふを ひとりのふなこがきゝ あへす〽イヤそうゆるり としてはゐられぬ わしらがふたり此やうに はなをそろへてきたわけは しよ屋どのからのきうの しやい此たびみかどのちよくめい にはいぬるじゆゑいのたゝかひに へばけのいちもんのこりなく みなさいかいにしづみたる そのなきたまをつひふくの ためきうしうのうちに 地ちをゑらひ一ヶ寺門を ごんりうなしながくぼだいを ごんりうなしながくぼだいを とはせんとなれは因 ふれでうこゝでよむからきかつ 四月竒談二 つなをむすびつけんといふ ものはよもさむらふましと しよ屋どのたちよりいひ あげられしにむねたかさま のおふせにはよしやさること あるにもせよみかどのちよく めいなるものをりうじん なりとていかでかお 火の用心 りうづに つなをむすばん ことはたやすがらざる ことなればしゆび よくつなを むすびし ものには すなはち あらこめ五十ひやう ほうびといたしてとらす べし此むねおちなくふれよと あるにぞしよ屋どのたちもその うへはいなみかたさの此ふれでう こんたはひとりのおふくろの〽つさへ つゞきいつぞやからしてながのたいびやう としてもゆかぬに手ひとつてこゝろを つくすかんひやうはほんにきどくなし かう〳〵ものされとも 身ひんな此屋のくらしはたて 見るめもきのどくゆへ五十 たはらのあらこめもこんたに とらせてやりたいとしよや どのはじめいはるゝゆへ どのはじめいはるゝゆへ あすのにんぶのそのうちへ こんたもくはへてあるとのこと さはいへりうづにつなをつけるは なみ〳〵ならぬたいやくゆへわれ らはけめしてすゝめはせねど ならふことならかのこめで ひんくをたすけてやりたいと 村いつとうでおもふのを わるうきいではくださるなじ いはれてりう太はかたちを あらため〽わたしはちかころ このちへきてなじみも うすいこなたしゆが それほどまでにしんせつに それほどまでにして おもふてくださるおこゝろざし なか〳〵あだにはおもひませぬ おやのためにもなることなら どうぞわたしにそのやくをトいふに ふたりはうちうなづき〽さつそく とくしんされたのでわしらも いふたかひがあるそんなら あすまたあひ よせうけふはさ月の にはかばれことしのあつさ はしめやらさつても ◑ずいぶん はゝこに きをつけて あついと いふて ねひへでも されない やうに さつしやれじ ことはのこして 両人 ふなこは そこくかへり ゆく四の巻 四 三の巻ゟしあと見おくりて りう太郎〽世に もとおにはないとやら 村のおかたのあの しんせつそれは そうとかゝさんか どうやらおめも さめたごやうす じごきけんを きかうろ その身もおくへ いりあひのかね もろともに日は あふかところ とてもあらねばはゝの ほとりへかやりをしかけ ぬきその身のからたへかを やうにこゝろをつくすかう〳〵は またありかたきむすとなり はゝのお実じはふしとよりわが子の かほをつく〴〵とうち見やりいくめに かほをつく〴〵とうち見やりいくめに なみだ〽これいのうりう太郎 かう〳〵つくすもほどのあるもの くれてこゝらはなに なれとかやのたくはへ りう太はわざとはだ出し たけてはゝのかたへはやらさる そなたのやうにしやつてはいのちもこんも つゞくまいとおもへばそれがあんしられかへつて やまひのさはりになうたまにはいきをもついたかよいじゆ 百目午炎二 ゆいふをりう 太はきゝあへず 〽ヱヽかくさんがなに いはんすこゝろにおもふ 百ぶいちてきぬのは おやから〳〵どうぞ おやかう〳〵どうぞ おまへのこひやう きをひと日も はやくほんふく させそれ からわたしが かせぎ しじうは し くらせばくらうは ちつともない をも させやうと おもふ ばかりを たのしみに わたしを わたしな あんじる その手来 どうぞ くすりし せいだし やまひを なほして〽□ 西巨寺司二 つきくださりませ。ほんに おいしやのかげんのくすり こよひもいちどあげねば ならぬおかゆもとうから できてゐればにがい くすりのくちなほしに さいせんわしかかふて きたきとういりの うめひしほでさらりと いつはいあがりまし いひつゝいろりへくすり なべせんしつめたる せたいをもはゝに くらうをかけとびん 見せじとかくす 手くらがり なみだにむねは くもれども こゝろはきよき しらかゆを くすりとともに もりそへて もりそへて いさとばかりに すくむれは おしつは すくまぬ くちながち わか子の こゝろを くすりできがついたけふは 「左ゟことがある ころ〳〵トよびちか つけ〽そなたのすせう をうちあけていつそは いふてきかそうと おもはざるにはあら ねどもなけきを 見るかいちらしさに いひおくれてゐたへ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 今は此身のたいひやう あすをもしれぬ いのちをばいはすむな しくなるならば たれかあとにて かたるべきまこと そなたはわか子 にあらす今で ○爰より のちの画は ●そのかみ おつと かぢゑむ どのが きのちに ちかき 小じまにてふしきに ひろいしびとりの おさなはまことの おやはたれひとゝ ざらにしる よしあらね どもしよう こといふは おさなごに そへて ありたる いんのう あやしきはうまれて まもなきみとり 子にひとへのきぬ のもやかは すなはち むさしのゝ はさしのく すゝきを いろとるきん まきゑよしある ものゝ子ならんと おもひなからも 口をもきせすして むにせじと くすりと で かゆを やう〳〵に すゝりはつ ればよろこびて 〽をゝよう あがつて 成 る そのごやう すでは だや〳〵に くだすつさ おちから つくはしれた ことあがつたな ものゝおち つくやうちと おせなかでも 五十一日 さすり ませうじ いふを おじつは おしとゞめ 〽イヤア 〽イヤウト 太郎 おいてたも それより そなたに あらためて いふてきかせる君 百目十一日 お実が身のうへの 首がたりをし いとやはらうき にうつし 出せしとしる いそくきにいくへ ともなくおし つゝみしはがてんゆか ざることにしあれど うちすてがた さにひろいとり しにそのとき そのものいりはおほけれどつきへ あか松えう さいとかよばうく いしやのかう〳〵と いはれしこともあるに よりさては此子はりうじんより さづけられたるものならんと すいりやうながらおもひさだめて 名もりう太郎とよびつゝも ひうがのくにあか江川なる わが屋へともなひかへられて そだてあげしはてなたなり しかるに今より三とせ さきおつとゝたのむかぢゑむ とのはしようばいようにて 此はかたにしばらくせうりう せらるゝうちにはかにやまひに おかされてうちにてよりまくら たあがらず此ことひうがへきこへしかば ぞなたをつれて此くにへふなちより してきて見ればきゝしにまさる出つとの たいびやうくすりのあたいなにやりや つゝき 身にたくはへの うすければひう がへひとをつかは してかざいのこらず うりしろなしその かねをもてさま〴〵に 手をつくしたる かひも なくおつとは つひに世を さりてあとに のこるはしやく ざいのみひうが の器 もみだりがはしきふる まひにかなしきこはき かぎりなくされ どもわらはもの いまたとへ いのちを すてる ともかれ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ らにはだを けがさじと身を けがさしと身を もがけどひと里 とほきことなれば ゑんりよゑしやく もあらこれおとこ あるひは手をとり あしを とり すでに あや □□□ すくひを もとめんかたも なくとかく 国 するまに 野ぶしらはの その ところへ とほり けり もの たび 宗帝 にわたれば ひとも のひと しげりし山かげの こだちのなかへ わらはをかき びと それと 見る より そぶし らを すへも 右と ○そらねと よばれしもの わがうみの子のようの助 にあか松の笠をつがせんと せんさいばらにうまれたる あるべき ことかおほぜい おほぜい ことかおほせい にて手ごめに こきやうへ □□□□□□□ かへら れず せんかた なさに此ちにとゞまり そなたひとりをちからに してほそきけぶりをたつる 春よしといふちやくしをにくみ なさんと たちろう 手だてをもつておひいだせし そのかひもなくおつとにはやまの うらのかつせんにへいけがたにしたがひつた あへなくうちじにせられしかばあとに のこりしわれ〳〵おやこみやこのすまゐ なりがたくようの助とたゞふたり 中国新ぢへとおちゆくとちう うちひきつゞいてのわが身の ごうびやうひんくのなかからねひとつで よのめもあはさぬそなたのかんびやう そのかう〳〵にひきかへておもへばむかし はづかしき此身のうへはおつとにもあけて いはざるさんげばなしいはではてんはつみ ふかしそなたにかたるもはづめしながら ことのついでにきいてたもはじめわが身 みやこにてきんりほくめんのぶしなりける あり松曹三そうがのちぞひにて名をば○ あまたの野ぶしにとりかこ まれあなやとおどろく ひまもしくようの助をば うちたをしちとのにもつと もろともにわらはをかたに ひつかげていづくともなく はせゆくにぞわが子の なることぞとこゝろもさらに身に そはねとゆきゝもたへし山みちゆへ▼ うへもきづかはしく此身もなにと 左りに なげ のけいく わら をかし かこひ たちまち こゑを たて わるものめら 女を手ごめにむほうのふき まひかたつぱしめらなげ ころすかくごひろげ下にわう たち野ぶしは見るよりまな こをいからし〽うぬがせわにも ならざるをいらぬところへ 百月十二日 そのよろこびもひとしほにて名を末松焼と よびつゝもかざしのはなといつくしみ かぜにもあてずそだつるほどに かくて春さり秋すぎて ちとりはすでに十六才すゑむ や五ツになりしそのとしの あきのころ鄙市いなと いふびわほうしのみやこへ ちどりはすでに十六才すゑ松も つきもとの名のそらねといふをあらためて名をか おじづとあらためつゝおづとはもとよりちどりにも しんじつまことをつくせしにそのつぎのとしみごもりて うみおとせしはおとこのこおつとは老出ての子なるゆへ のぼるびんせんを たのみたしとてわが もうせられしが 九州きうすじはいにしへ よりびわほうしのいと おほくそれゆへことさら びわのはやりて いゑにしばらくとう ちか ごろにては あらおのこ までよな〳〵 びわをひきあるくこと たこくにためしすく なきことなりされはおつと一 与次兵へどのもつね〴〵びわ をこのまれしゆへある夜月よくはれたれば とてかのひな市をひとまにまねき一曲書て きもとの名のそらねといふをあらためて名をもあらためていちもんがたのおんために いでかまぐらへおもむきてうらみの ひと矢まいらせんか。イヤそれことても◑ ▼くちをし やよひとり こゝめをいた しんじゆまことをつくせしにそのつきのとじみもりてひと天まいせんかアイヤそれとても● むるおりしも むるおりしも 〽そのおんみめた こゝにありトきゝべに つなぎしことまぶねより みめうるはしきくわん ぢよをいざなひしづ〳〵 いりくるひとりの いりくるひとりの わかものこれはと おどろくなす兵へが 〽さては今のを きかれしかそれに きかれしかそれに つきてもこゝろえぬは われにみかたをなさん といふそも〳〵おんみはたれ びとぞトとはれて こゝろばかりは はやれどもげんじのうんは かたぶけがたしはてなにとせん▼ ◑ ほかに つゞくみはたも あらざるに ことさらわれは としおひて こなたはおめたる いろなく〽われらも へのけにつかへし 身のはて今は うき世をしのぶ ゆへしば六とみるく ものつたへもきかせ 給ひしかひごのこに かくれ男にせんねん ほろびしいちもんがた のうちもらされひとゞの ひそみろくれておはせし しよもうせられしにひな市さらにいなめ□□なく しゆくろのうちよりびわとりいだし。たまづき。すみゑおんその もりになどなづけしうたを二ツ谷こゑうるはしたん ずるをちどりもこのめるわざなるゆへ父の せなかをうちながらともにきゝほれゐたるにぞ びに市ふたゝびびわとりあげ平家居をかたり いだせしにやゝじゆすゐばにいたりしとき年頃立へしば〳〵 はなうちかみこぶしをにぎりはをくひしはりなみだを 見せじとこらへがたまりかねてやひな市がびわひく そでをひきとゞめ〽さておもしろき今のいつきよく なほそのききをもきゝたけれども にはかにこゝちわづらはしければ又こそ しよもういたすべけれこよひは はやくやすまれよちどり たしどへ あんじいせよ はやとく〳〵ト せりたてられ ぢどりは〽はいひ つゝもいそ〳〵たつてひな市が 手をとりおくへとのなびゆく あと見おくりて兵次兵へがひと じゆゑいのあきのかぜにつれもみぢ いろなすあかはたもみなちり〳〵ににしのうみなみに 〽たゞよひのちつひにそこのみくづとなられしを びわかたにさへつくられて世にうたはるゝむねん さよこれもたれゆへ頼朝より分経負われもへいけの なにがしとよばれしものくはてなるを今よりしあんを いきほつとひとりごと〽こうんのすゑとは いひながらさしもときめくへいけのいちもん ありとおぼしくかま かられおもひ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ たゝかへども ところそにんせしもの くらよりの げちとして なすの 与市むね たつゞ此たひ ひごにはつ 〽かうなしふいに 出こつてせめ もうけぬいち もうけぬいち もんがたしば いひにはよせ手 にせめやぶられ こゝにのこらず うちじにせし そのとき ひかくれしのびて ゐたりしゆへともにうち じになすべしとおもはざるにあらね どもこれにまします上臈トやうは あやめのつぼねとのたまふてすな はちしゐじんのひめぎみゆへひとまづ かこみをきりぬけて此ひめうへをたすけまいらせ うらみかさなるかまくらへ身ひとつなりともすいざん なしいこんの矢じりをさしむけんとおもひさためつろの ちをおぢのびからくこゝまでのなれきてあの夜也 かの 果 国 のゝき とまぶね にふし かくれはか らずのれ きくなん みのしよ そんさしは じてんきては へいけのいち ◑うちもらきれしへいけのぎんとう まねかざれどもはせあつまりてゆ方 ことにもなるべきかおんみのへき いかにぞやしことばたくみにそう のかせばに次兵へいよ〳〵 おどろきて〽きては ひごのろくれ里に いちもんびそと るいかと おもひし おけれしを それさへのれ ゆへにわが うへをも あからさま て角くらより 与市をつかはし いうたせし にはかたりし なり今より 笠せし武士 一人お実が昔 ふたりが こゝろを がたりをたち あはせけんじい ぎく事後の本文と さしあたるなすのむねたか凱陣が ぎうにくぐはん 南 牛肉丸 魚 一包 うらみをむくはんとならまづ 合せ見るべし たか靴陣が 百銅 なすはしれたことめざすところは 大里だゞのおきなか手だてをもつて かれをうちとりかくれ里なるいち 此薬はひゐとじんとを補ふ もんがたのうらみをはらすは今この がゆへにきよじやくの人つねに ときかくてじかんにかなひ右は そのいぎ そひにて ちにはたをあげなば みかたなかた らひ九州きうの とかな さけを しらぬ よりともしう〴〵 むね〳〵トばかり とにてゐこんのまなしうちでまで ににゞみつめててゐたかける ○此だんいまだゑがけれども てうすう二郎にかぎりあれば このよみつゞきのものがたり よりりう太郎がうみなる かねのりうづに御前をむすぶに いたりてはからずかや子の 用ゆるときは病を治して ないりをすること 身をすこやかにすること 尤妙なり 下谷きみせんぼり 海崎氏製 又このおとうぶれも 第二ぺんにつゝき 梅蝶楼國貞画 為永春水清 木虫木 出物なすべあてたしく 新年戊二戌戊戌 蒙日鐫新年戌二 十五編 十六編 根源實紫 十七編 柳亭種彦作 一寿斎国貞画 五編同作 娘庭訓金鶏 大尾同画 おくみ 総次郎 琴聲美人録 十七編山東京山作 一卜八扁柳亭種彦作 十八編抄片種彦作 十乙扁歌川國貞画 十九編 十九編一川芳貞画 初編柳亭種彦作 花兄弟陸奥名所 二編歌川国貞画 十四編 新増補西国奇談 十三編為永春水作 歌川國貞画 十五編 芝神明前 同村佐野屋喜兵衛板 地本繪草紙團扇問屋 三嶌町 □□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ のいつ のこれ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 一烏永春水線一五町松閑同二国 さいこくきだ 第四四 同四十一 三編全二冊佐野喜福 補 増新 西閣奇談一 編 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 「喜鶴堂版 喜鶴堂梓 新増補 西国 奇談 春水 さかく 三編上集 国さゝた 画かく 門人筆書 十一 中國九州と分れたる地は口区門の國赤間開闢と豊前の國 或は内裡 大里 に作る の如く見ゆれど。波逆巻て出しければ汐によりては通船陜はず。 最難所といふべきなり。這處に與次兵衞瀬と名号て。海中にひとつて の瀬あり。這は尚古豊大閤の名護屋の陣にいたり給ふ御船を覘ひ 討んとせしに。縡露顕て誅せられつ。後に此瀬に塚を築き。與次兵衛 塚とて今尚存せり。尓は青書の時代とは。遥に後れし事ながら。 五柳亭の旧本に。那塚の名を載たれば。予が今増補なすに及 びて。與次兵衛をさへ仮用しつ。宗高をもて豊公の。其俤に摸せが 基與次兵衞と言へる者余る曲者にてありつるか。證書を見ねば 訝しく。例の好事の妄説ならば。引用ゆるとも障はあらじ。と尚按なし 草に枝をそへ。這編中の條とはなしぬ。 十六為永春水誌図 西国予談三 ICOLERE 女 千ち完ち 女 馬方 新井第五十一丁目 秋伊 廿九日 郎 龍井 阿 竜 同国午炎三 正月言言 三編のすゑにいだしたるおじつが むかしがたりのよみつゞき たるなりかたちどりは さすがはづかしの もりならなくも ひとまのうちにひな市がむすめ ちどりとさしむきのとりみだし はつもみぢ はいのみち あがらむ かほをふり そでに おほひ ながらに 〽ひな市さん おまへがちか ごろ此いゑへ ごろ此いゑへ みやこへのぼる びんせんが とてござんした そのおすがたを 見そめてより いたづら じつにいとし らしいと たのみたし ならでしん おもひつめ ひとりこがるゝ 「左ゟころよりして見らるゝとくりの かたわもの女のそばへよつたのは ほそのをきつてこよひがはじ めておまへはどういふちやじんか しらねどせかいに男もないやうに めくらのわしへ すへぜんを くはぬも 男の名おれと おもひ ❸ おもへば 今さら こうくわいじ いふかほ つく〴〵うち まもり しようくはんは したものゝ あすにも でふねと いふときは わしは みやこへ そりや きこへ ませぬ かうなる うへはどこ どうよくな までも はなるく有 ○ こゝろは さら〳〵 ない ない たとへ てふねが あらうとも おまへは やつぱり此 いゑに千ねんも のぼる 身の うへ すゑ がたき ゑにし 十一 すてをぶね よるべの きしも ある ならば いひよる しほも あらふかと むねをいたむる おりもおり あのものがたい とくさんがおまへ ねやまであんな せよと日ごろに かはりしすゐな おことばおもふた ねんがとゞいてか はじめてこわい はづかしい あとでうれしい こよひのあふせ かならずかはつて くださんすなト かほをそむけて よりそへばひな市は ひたいをなで〽世に はづかしいことながら わしはおさなぬ わしはおさない〽右へ 面団打突三 万ねんも とうりめし とゐて くださんせ もしそれ ともに どうあつ ても みやこへ おかねば ならぬの ならぬの ならわたしも ともにふねに のせつれて はしつてくだ さりませ それもなら ずばころして つきん 五一五一五一 つきしなずばはなれじ〳〵トすがりついたる おとめのちじやうひとくちものにくちをやく こゝちせられて ひな市は もてあまし たるその おりしも ひとま だ てし こなた には此屋のあるじ 与次兵へがかのしば六に あくまでもそくのかされて いかりにたへずしばしことばも いでざるところへあはたゞしけに かどべよりはしりきたりし ひとりのふなと 〽おやかたこゝにごんすかト いふこゑきくより 与次兵へはあやめのつぼねと しば六を見とがめられしと ついたてのかけへしのばせ たちいでて〽夜ふけ さふけにけたゝましい なんのようじやとと かくればくだんのふなこは かくれはくだんのふなこは ゑんさきへすみよりつゝ 〽イヤおやかたほかの ことでもごんせぬが なすの与市 むねたかさま ひとのくにから いくさをひきあげ 今此うらへ御着 船をもつとも さきをいそが るればこよひの うちにしゆつ ばんとサテせわし ない出たいしやう 今かまくらでの きゝものゆへ そりやくに だいろら隼友はや までごちぞうの ためこぎふねを 五六十そう とはいふものゝ むねたがさまは おぢとうさまも ならず此大里 ときのまに ださねばならぬと はまのこんざつ 此ことはやく右へ 丙二目二丁灸三 たへ こゝろえさせよと しよ屋どのが □□□□□□□ せつきと 四 ゆはやくよういをさつ しやれドいふに与次兵へ こゝろではさてはとおもへど さあらぬてい〽ヱゝぎやう さんなものゝいびやうその むねたかとかいふわろが すぐにでふねをしやうと してもこよひの汐川 では八ツ六分終 七つにちかく ならないでは あのはや ともの 迫門地は こざれぬ しかししたくは はやいがいひ おぬしは ふな ふな らへが できた なら また きて おれ しさいも あるぞ こゝろえ 五 き ふし そこく はしり ゆくやさへ つき あとえ おくりて 与次兵が 〽きやく 今のを きか」 れたかへ こ たの たの はな の むねたかゝ こよひはからず 此からへふねを よせたは天の たまものいつたい こゝから下松の関地 へはそのはゞわづかに 一里にて見わたす ほどのうみなれど 千株島せんじゆ万珠嶋 あまたあり瀬とも又 たくさんあるなれど なみにかくれて おほくは見へす ほかしやそのほろにじつも 又はやとものせどく いふは本山麓とむかひあひ そのあいだいとせばければ しほゆきのあらきゆへよい しほときを見すまして ふねをやらねばとほられず これらのわけもあるゆへに 地頭さ せよとの さしづ おもふに おもふに なすの むね たかは くわん とう そだち の せんどうふなこ やまがざる やまがざる さすれば まで二の巻ん 二 ことにそらさへかきくもれば東西とう わからぬうみのなかこぎふねに でるふなこどもにひそかに 手だてをいひふくめかの むねたかののつたるふねを あんないすると見せかけて まんまとしゆびよく瀬せの うゑへくだんのふねをのり あげさせなばたちまち ふねはくだくべしもし又 ふねくだくべしもし又 くだけぬそのときが 四五十そうのこきふねに おの〳〵火薬炮をつみ のせおきてすいといふとき なげかけなばやきうちなさんも 手まひまいらぬ此はかりごとは いかにぞやじいふにしばやうなづきとあつぱれ めうけい此うへはわれらもにんずにくはゝりて うらみかさなるむねたかをうちほろ ほすはこよひのうちそれにつけても あやめのおつほねいづれにしのばせ おはんにも此出すがたではひとめにたち あやしまれんもはかられすふるぎぬ ひとつかし給へしづのおなごにやつしまいらせ そのあやしみをまねるれんトいふに与次兵衛 一の巻ゟこゝらのかつてはよくも しるまいたとへすこしは此うみのやうすを しつてゐればとてさいわひとよひはしんのやみ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 此木 丙一月二午後三 のうちあんじ それはなに よりやすけれど かないのものにいひ つけてとりいだきせ なばたち まちに□ 次へ 同月吉司丁 男ぎぬにはあるなれとしばし これにて和すがたをト かたへにありあふ きふるしのぬのこ いちまいとり つきくちはしたなき女どもことのやぶれに なりもやせんさいわひこゝにひろそどの いだすをしば六は うけとりて あやめのつぼねに きかへさせ髪紙の かぎりもとり のけて〽これでは きのつてものは ないさらば いぜんのふねのうちに しのばせときに のそまばこきふねの どのなすは名にあふ つわものゆへぬはり なきやうがつてんか 〽をゝこゝろえたト いふうちにしば六は たるきぬをひとまるめに おのれはおつぼねを なかにまきれてほんいを あやめのつぼねのぬき とくべしかへすぐもよぐもとくもとくもとくもとくもとく たの上ゟしあやしいやつおもふに げんじのまはしものかさなくば こなたのきみつをきだし そにんなさんと に よみゝをよせ此 ざしきにはなんで ゐた〽きァその ゐた〽さァその わけはどゝどうだ どうじや〳〵トかみ つくやうにとひつめ られてひな市は なにといらへんことばも なくちりをひねりつ ひたいをなでつ ひたいをなでつ こまりはてたるあり さまに与次兵へいよく いらだちて〽しぶとい めくらづ此やうにいふとも まことをはくでうせずば もうめんどうだきくには およばぬだいしをしやさ おのれゆへとても いけては おかれぬ やつかくど ひろげト いひつゝも かたへに ありあふ わき ざし を そのまゝかたへうち のせつゝしすましたりと こゝづにはうちゑまるゝを きりげなくあやめを いざなひきしべなるいぜんの ふねへたちしのぶあとに 与次兵へとつおいつ おほもしあんにくれ けるがふつと見かへる うしろなるしようじに うつりしあやしき人かげ うつりしあやしき人かげ さてはこなたの いちだいしを たちぎゝ するもの ありつるか なむさんぼうと おどろきつゝ しようじをさつと けはなせばうちに ひそみしいぜんの ひな市あはてふた めきにげんとするを ゑりがみつかんでひき いだし〽なんぢめくらの ぶんざいてしようじのかげへ ひつかゞみこなたのやうすを うがゞふはなにとももつて右の中 ゆたくめるか いつれにしても いつれにしても たゞものならしさァ まつすぐにいへ きかんどうじや〳〵ト いひいゝも つきはなされて へるへだし〽アヽモシわしはそのやうなあやしい ものではござりませぬめかいも 見へぬかたわもの此おざしきで どのやうなことがあつたか つゆいさゝか〽イヤ しらぬとはいはれまい そなたのふしどはかねて よりおくのひとまと きめおいたにたち ぎゝぜぬといふ ものが しようじの そばへ 西国安政三 かゝる いとも あやうき やいばの したへ ちどりは たま はしり まつて くださり ませ ひな市 さんの 身のうへに ○そのいひわけは わたがするまづ しばらくになだむるを 〽いらざる女のさゝんだてけがせぬ うちにそこのきやれ〽つぎへし ないといふ ことの 七 つゞき〽アヽヱのかれぬのきまいはぬかうなる し からはうちあけていはねばしらぬ此ばの 手づめはつかしながらひな市さんをやと したことからおもひそめこゝろやとくも ふたおやのゆるさぬせきをしのび こへあれなるひとまで二世のやく そく夏時でおほひしぼんぼりの そく取込でおほひしめん草のごとにてまどりてとき出れ あかりかもれておほへずも ゑばせんもなし此まゝに しようじへうつるおもかげを してさしなくともたかの 見とがめられたがかなて しれたるひとりのめくら さいわひいたづらものとさぞや おにほどのことか さぞおはらはたとふがコレ ゑいだすべき とゝさんわたしがねがひじや しあんをしつゝ りやうけんしてめうとに うちうなづき させてくださんせしはぢも わすれてうちつけにこひ もとむるにあきれはて 〽まだちゝくさいにむすめと おもひのほかのだいたんもの おやのない子とあまやかし わがまゝきまゝにそだてたを 〽そなたのことばひとつ にて見のがすべきには あらねどもわれ またおもふしさいも あればふたりばしばらく そなたにあづけんこゝろを つけてうちまもり 今でおもへばおれがあやまり ひともあらうに此やうにめくら ぼうづとちみりあいだいしのむすめを きずものにされたからには ぜひがないのぞみのとほり めうとにしてやりもしようが そのかはり此世ではそはされぬ くださんせトやいばのしたへ かくばのかつしやうさすがの 与次兵へもてあましいかにや せんとたゆたひしがこれらの □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 左の上ゟことなればだいしをしつたは わたしもとうやうさきへころして □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 左の中がふなこに あないを させてしづ〳〵 いりくる さむらひ たづさへ きたりし たる さかなを あるじの まへに おきならへ 〽それがし ことはなすの とや市むねたか のけらいにて 破田われ四八さら とにばるゝもの しゆじんむねたか まうすには此 大里だい なほはれがたければむすめ なりとてようしやはならぬ そひたいならばあの世で そへふびんながらも ふたりともやいばの さびだかくごせよト ふたゝびしらはなふり あぐるをさいぜんよりして あなたにてしじうの やうすをたちきゝせし おじつは見かねて すゑ松をいだき ながらにはじり いで〽そのおはら たにばことはり ながらちごとりが こよひのふしだらも たとへこなたのきみつをいきかぬと いふともしようじひとへうたがひは もとはわたしの ゆだんゆへよしや だいしをしつたり とてのぞみのごとく ふうふにせば ともにむこなりむすめ なりたへもらすべきやうも なしもしそれともにうたがひ はれずころさでかなはぬ右の中へ 百目午炎三 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ までもつ ともなん じよと▼ 与 きゝおよべるに ◑かならず ほかへはしらすなトいひつゝ やいばをおさむればおじつを はじめ三人はあんどのむねを なでおろしうちつれおくへ ゆくあとへひとりの右の下へ こときら夜ふねを のことなればこゝろ もとなくぞんぜし ところ雨をれうしゆ よりそこもとへこぎ ふねあまたきし いだすやうさしづ ありしとうけ給はり それにてほとんど あんとせりきくに おんみは此うらにては 名にひゞきたるせんどう ふねののりまへこうしやと あればむねたかみつ からたいめんしてこよひの れいをもまうされて次へし 西国吾司二 つゝき」又かのなんじよをこゆるまで おんみがふねにゐらるゝときはいよ〳〵 もつてこゝろつよしちかごろごたいぎ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ せんばんながら今よりしゆじんの のりふねまでまいらるゝやうたのみ いるよつてきしやうのたるさかな どじゆのうあらはかたじけなしト いふをうちきく与次兵へがはらの うちにおもふやうこゝろえかたき ししやのこうじやうさはきりながら かのふねにわがのりこみてゐるときは みかたの手つかういよ〳〵よしト しあんをしつゝかたちをあらため しあんをしつゝかたちをあらた 〽ぜんじよらざるおめしといひ ことにはおもき此たまもの われらはたゞいまこぎふねの その手くばりをいたせしうへ すぐさまあとよりみふねに まいりおんれいまうし あぐべきなれば貴所しよ にはまづ〳〵おさきへトいふに さら八うなづきてそこくにして たちかへれば与次兵へはおじつに どてらのうへにきくだしつゝ一刀をう よこたへゆかんとするをおじつは さしでぐちとさしひかへてはゐたものゝ はんぶんいはせずまなこを いからし「ヱヽかしましい きくみみもたぬいらぬ くちなばたゝかふより こゝろがゝりはあの はりばんせよト いひすてはまべにはしり ゆきかねておのれが ふくしんのふなこ どもをよびあづめ ひそかに手だてを いひふくめその身は てんまにうちのりつゝ ろをおしたてて むねたるゞのりふね さしてぞおもむぎぬ つぎのゑとき はやふねつくりの 女屋 かだ いひつけよういのかみしもとりいたさせ しばしとひきとゞめ〽おなごのいらざる ●もしひよづとし めくらにがさぬやうに たとへうらみはあるにもせよ たとへうらみはあるにもせよ 今はげんじにおさまる 世のなかよしなきことを ぐはだてておんみのうへに◑ 四十一丁 百目十七人 ゆ四ほうに まくをうち まはさせ金燭 しよく銀燭ざん しよく乳身しよく まひるの ごとくともし つれたる中央 のしとねのうへに なすのむねたか きんじゆのぶしを さいうにしたがへ ゆうぜんとしてざを しむればあないにつれて増へし 西国音記三 つき与次兵へが すみいりつゝ 手をつかゆる をむねたかは 見てゑまし げに〽をゝ 与次夫とは ◑はな ならぬ もち あはせたる そのほうか 此さか そうかたふ ては ・ づき □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 五 めずが なればそちに とらせんうち くつろいで ひとつのめ こゝへ〳〵ト しこく いひつゝも やいばの さしまね けばはつと ばかりに さきへ くちを さしよせ さしつら ぬきし すゝみより おほさかづき をおし いたゞき▼ うをの にくをひつ くはへつゝ ぬきとる ていを まなみ〳〵うけて のみほすうち 国 むねたかは きんじゆにもた せしはかせを 国 すはりとぬき はなしかたへに むねはなしかたへに むね たかは ありあふうをの 見てにつ にくをしらはの ことうち さきにつらぬきて ゑみだい たんふてきの そのふるまひ おもふにまして いとたのもし すでにけらい さらへをもて さかないたすと さしいだすを 与次兵衛 見て おめたる 〽こはお手 いろなく さきにもまうし いれたるごとく づからの おんさかな つきへ ゆる 与 西巨音割三 つゝきわれはあづまにひとゝ なればふちあんないのうみの うへことにこゝらはなんじよと さくはやともとやらをこゆる までそのほうこれにあるならば われにおいてもこゝろやすし ふねのかけひきたのみいるといふに 与次兵うちわらひ〽イヤおきつかひ なされますなおやのはらなば でるよりそめてしらがあたまの 此としになるまでなれたふねの なかたゝみのうへもおなじこと われらがかくてあるからは みこゝろやすくおぼしめせじ くちにはいへどこゝろには今むねたかの やうすを見るにあなどりがたき やうすを見るにあるとりがたき つらたましひわがもくろみをはやくも さとりおびきよせしにあらざるは とにもかくにもいちばやくおしかた づけるに にくら しくは 國貞画 なし い しあん だいり はや反明神 を 春水補綴 を しつゝ そらうち ながめ◑ 田のうち 千じゆじま □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 下のせき □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ◑はやしほ あびも なほりしに かぜも おひてに なつたれば とくごしゆつ ぱんしがる べしと いふ に 万じゆじま □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ だんの浦 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 長府御やう はやともの もと山 此せん ちう いろめき たち でふねの よういか いそがしき ○下の巻へ つゞ 西国 奇談 春水補綴 国貞画 二十三編は阿綾爪五郎と姦通して賭に夫に再會の一段阿竜殺生石を 祈りて身に妖術を獲るの奇談お竜龍太郎を手につけんと色に 辞よせ言寄て反て肚しめらるより渠を罪せんと計るの一端十四編は 一偽龍太郎の故により真の籠太郎が二の。町と不義せしていに言なれ 終に配流せらるゝの赴き並に節之助が忠心義膳十五編」は嶋守荒 大夫が龍太郎を苦しめんとするより苫屋浪子の二個の蜑が窃に龍太郎 をいたはる一段つゞいて浪子を荒太夫が強奪なその物語など最巧みなる 條あれど白地には爰に記さず干は出板の時にぞ知られん 一根源實紫新刻概略作者柳亭種彦画工同前 十五編筑紫なる穴人の買し宝笛香炉偸て宣孝に托す野洲児詛熱されて紫 式部寛を受ふ大式神毒祖秩手等が隠謀を露ふし謀を露ふし掛て或る が汚名全雪まり黒白判然兇悪皆戮せらるつぎて少将が貞節惟規北国 にて死して又蘇る十七編」大貮三位生れ宣孝病死花山法皇の御伝大かた 此編にて全備り式部源氏物語を作り上東門院に奉公十八編以下は退て記すべし } 一〇 一金五 嘉永春木補綴 一寿斎国貞画 新増補 西国竒談 三篇下紐 春水作 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 司馬 佐野喜板 菊屋 十五 上の巻ゟしなみにひゞける船太皷ひだいのひやうしに つれてふなうたのこゑいさましくひきあぐるほあしに つゝむおひてかぜ右左りにはすそうのこぎふね われおとらじとろをおしたててヱツサ〳〵ト こぐいきほひにふねのうちにはむねたかゞ きげんもことにうるはしくゆだんのていに 与次兵へはえたりとへさきにたちあらはれ おもかぢとりかぢぬけめなくさしづを なすと見せかけてふねをなんじかへ さそひだしすでにして此ふねの あはやひとつの瀬士のうへにのり あけなんとぜしおりしも今まで きこへしろだいこのひやうしかはりて たちまちにそのねもしゆらの せめつゞみこれはと見かへるほども なくふねの四ほうへいかりを なげこみほをくりおろす ありさまに与次兵あたりを きつと見て〽こはなにゆへの ふるまひでトいはせも あへずむねたかゞから〳〵と うちわらひ〽なにのゆへとは きもふとしわれをたばかり うたんとする手だてを それとしつたるゆへなんぢを めしとるみかたの手くばり ものどもそれトげぢし すればすじつそうの次へし 百月十三日 □□□□□□□□ つゝきこぎふねより あらはれいでたるあまたの つわものみ尤与次兵へを とりはこみ矢ぶすゐ つくつてひかゆるにぞ あなやとおどろく 与次兵へがさてはたくみの あらはれしかとおもひ ながらもちつともさはかず 〽身におぼへなきおんかたがひ それにはなんぞしようこが あるか こそう あるなと よばはま とこめへ かこみ たる 小ぶね のうち よりあら はれいでたる ひとりのますらを ちかづくまくにこゑふりたて 〽ヤアことおかしきしようこ よばゝりまづわがおもてをとくと 見よいねて四国したかにい 見よかねて四国引九州清行には へいけのざんとうひそみ をるよしまんいち やしんをさし はさむ ものゝ はかられ ねば あらんも それ がし◑ ◑しゆくんの おふ世に したがひ わきへ } 西国司設三 やどかりつびわのじよもうを さいわひにかのしゆすゐばを めんしよくきては へいけのよるいぞと おもふおりから ちどりがれんぼ もとよりいろを つゝきにせめくらにいでたちて ひな市といふつくり名してしよ〳〵 ほう〴〵とへめぐるうちなんぢがいゑに かたりしにしぜんとおこるいかりの このむべきわれ ならねども なれしたしみて なんぢがすぜうをし きゝださに つりに まくらをかは せしにおもひ がけなくしば六と なんぢがかたらふ たくみのだん〳〵 しようじごしにて しゆくんへないづうして もれきゝしかばひそかに なんぢをみぶねにおびきよせ われははつまにおもむきて あくじにかたんのふなこどもは はなこと〴〵くからめとりすじつ そうのこぎふねにはみかたの 兵士口をしのばせおきて なんぢが手だてのうらをかき ことのこゝにはおよびしなり かくいふわれはなすけの忠しん 速水ひぐ右仲太めちう秋実勢地 とよばるゝぶしどは しらざるか しらざるか はや此うへは かごのとり おりの げものに ひとしき しれもの さァじん じやうに なわ かゝれと いはれて ふたらび おどめく 与次兵衛へ たちまぢはひげや さかだつまでにいかれる まなこをくわつと見ひらき事 当月十七日 〽ヱヽざん ねんやくち をしや むねたか しんぢが ひどかの 一やいばに うちほろ ぼされし ろくれ里の くれ里の □おん ために今ぞ うらみを むくはんと つきへ 巴匡吾記二 ぜびなけれかくなる からはしにものぐるひ うらみかざなるなすの むねたかめいどの みちづれかくごせにト よういのひとこし つきかくまではかりおほせしをめくら ぼうづとあなどかてかくしめつけの うちう太めに見あらはされしで ぬきはなしきつて かゝるをさらゆる うちう太 むねたかわらつて 〽おろか〳〵われびごの くにかくれ里へ此たび うつねにむかひしも かのしば六をはじめ としてそだ平 おの七といへるもの おのれがゑのりを もとめんためにうつ たへてたる たへいせたる◑ ◑それゆへなり されどもめしこにかくれ すむもの公家成らうむしやのたくひにて ことをしいだすべくもあらねばかやう〳〵に はからひてのこらず助命かいまうしつけ げんじへしたがへなぞとは 左の上ゟはみたる身が今さら こみにきて 左の中ゟ与次兵衛兵へがきいごの ていをけんぶつせよといふなり はだおしくつろげもつたる うへに身をおどらしづゝ だに やいばをとりおほしたりの はらへつきたつるをむねたかへ 見るよりこまたかく 〽ヤレまて与次兵次兵衛は すなかたきながらも あつぱれゆうしいきあるうちに たいめんさせなごりをおします ものこそあれうちう太 それトさしづにしたがひ はつとこたへてこなた なるにぶねの うちに ありよひつゝ けがらはしせんすべ かたへにありあふ瀬せの めしとり おきたる おじつを はじめ 御事 すゑ松 ちどり なわを ゆる して いざなば それと 見る女のん 三人が おいてちうばつなせしにしば六 ひとりぬけみぢよりみめよきくわん ぢよをかきさらひはやくもかげを かくせしがわれよりさきに此ちへ きたりなんぢをあくまでそのかし かくれ里にてしそんじたる うらみをかへさんしば次が たくみならんをまことゝ おもひわれをうたんず なんぢがけいりやくこれ みなくせものしば六が なすわざなりとうちうな そにんなしたるそだ平ちをそのばに よりしらせによりて とりあへずがのしば六を めしとらんとにんすをもつて かこませしにかれはかんちに たけたるものにやはやくもそれとさとりけん 小ぶねにのりてやげはしるを遠矢峠に かけんとしたりしかどそれさへのがれておちうせ たるよしけらいのものがたゞ今ちうしんさすれば なんぢにうちみもなくなんぢもわれにいこんは あるまじ今よりこゝろをあらためてげんじに ほうこうなさんとならばとしはよつても見どころ ありすいきよいたして瓦さすべしいふをうちに 千次兵へはおぼへずふときいぎをつき〽さては おもひのたらずしてかのしば六めにはかられしか よしやうらみはなきにもせよへいけのろくを右の中へ とびくだるをのがしはせじと つわものども右と左りに つわものども右と左に くらつくをねぢたをしつゝにつこと うちゑみ〽この瀬士のうへにふねを のせあげなんぢをうたんとはかりしも 今は此身のしにどころおのれにいでて おのれにかへる天めいのがれぬ右の下へ ニヨ 〽おまへは とゝさん 〽与次兵衛 かはりはてたる おすがたじ ともにまへ よりうしろ よりすがり つきつゝやゝ しばし なみだに あやもなかり しがちどりは きへと なみだを はらひ 〽ごうんの すゑ とは いひ 西国奇談三 つゝきげんじがたのかくし めつけ うちう太母 さまとはつゆ しらずしのべいあふ つたるいたづちからおまへの辺 手だてがてきもれついに はか心いごさいではわたしが 手づからね ◑ころ すも どうぜん そのいひ わけには もろ ともに としよらしやん したとゝさんゆへ さんづの川もお手を とりわたしもいつ しよにまいります これ見てゆるして くださんせト父の やいばをぬきとりて すでにじがいと見ゆるにそおじつは あはててはしりより〽そなたのいやるも ことはりなからたちぎゝしたを見あらはされ ひな市さんをころそうと与次兵へどのゝ ひな市さんをころそうと与次兵へどのゝ さしやんしたをとめずばかういふことにも なるまいさすればみんな此身のあやまり そのいひわけにはわしがしぬ〽イエわたしが 〽イヤわしがトしらはをあらそふ母と子が もんどうはてしあらざるをさいぜんより して与次兵へはもくねんとしてきゝゐたりしが いたでにくつせぬごうきのおやぢふたりが なかへわつていりあらそふしらはをうばひ とるをなほもやらじとすがりつく おじつをそつかにふみしめつゝそばに うろつくすゑ松を小わきにいだくと 見るまもなくくだんのやいばをとり なほしりやうのまなこをつき つぶせばわつとひとこゑなき いるをおじつは見るより ぎやうてんして身をすり ぬけつかきいだき〽おまへは こゝろがちまよふてかなんで ちどりをひざにしつかとおししき 此子のりやうがんをト いふを与次兵へ見むきも せずやいばをさやにぬぐひおさめて ひといきつきつゝ〽うちう太どの おさなけれどもすゑ松は此与次兵へがじつの せかれまなこありなばひとゝなり父かさい心をし むねんにおもひげんじくあだせんこともやあらんと右下へせん ヨ月十七日 十四 左の上ゟ せしはわがねんな うけつが ぜじと おもふが ゆへ 十五 □□□□□□□□□□□□ おじつも かくと こゝろえて わがなき のちは此 ちを いづれ ひと 上立 西国吾議三 つゝきたのむ ぞかし又此 ちどりはわが 子といへど わがちを わがちを わけし子に あらず今で おもへば十とせ あとよしある ひとのおとし だねといひ つるばかり名は しれねど ことし五才になるが むすめ跡を うしなひみなし ごのよるべなき 身のふびんなれば もらふてくれよと 人のたのみわれも さいわひ子の ほしきおりにて あればもらびうけ ちどりとよびて ひとむかし手し かけてはそだてしろど やしなひ子なり めの子なり◑ つまとしてゆくすゑ めをかけ給はるべし 此わきざしはちどりが おやのかたみなりとて そのいせんそへともらひし ひとふりにて銘心は すなはちきくいちもんじ そのきれあぢはわがはらを つらぬきしにて見られ つらんこれを此まゝ むこひぎでおし つけながらうちう太どの いちごのたのみきゝいれてト 女子 義 ○ すゑ 松とは ひとし からず ことに いはれてさすがうちう太 はげにことはりとおもへ どもしゆじんの 手まへを はかりかねいらへも なくてひかゆれば しゞうをきゝ ゐしむねたかだ おぼへず □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ おんみとにて でを からぬわけさへ ありときゝ およべは今 はたとうち 〽ぎりもなさけも わきまへたる よりかれを 一四の巻へ一 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 三の春ゟし千次兵次兵衛が今の いちごんわれまた おもふしさいもあれば 今よりちどりを わかようぢよとして うちう大にめあはせ えさせんすゑ松 おじつ両人もふち してやしなひつかはし たけれどぎりを たてぬく舟を兵へか かくてはほんいを うしなはんかれらは かれらはまゝにて ちどりはこゝより ともなひゆく べしうちう太 むねの兵へかくつうを わすれてうちわらひ 〽あらかたしけなやうれし やなかくてはおもひおく ことなしわれは此まゝ おはるともヱ 此義をころえ よじあふせに 今さら いなみも やられず かのひとふりさへ うけとればちどりは ▼今より此瀬この越与次兵衛 瀬士とのちの世までも名をのこ うへなきおやのじひ そのうれしさとかなしさに 今はしぬにもしにがたくたゞふし さんさらば〳〵トいひつともふねのいかりを ひきよせてかきいだきつゝたちあがり ひきよせてかきいだきつゝたちあがり なみをかきわけとびいれはぱつと むしたつたるしほけぶりあとはかもなくなりにけり しづむばかりなりこれにぞよろこぶ道 百目寄奏三 ○作者曰 此だんは すでにいふ おしつがむかし しくすいし給へ ○さてもおじつはやまひの かたりなるを ありつるまふ つゞりしなれば 見るひとよろ しくすいし給へ とこにくるしきいきをつきながら次へ 十六 つゝきこれまでのおもむきをものがたりつゝ又いふ やう〽かくてわたしはちどりをはじめひとぐにわかれを へけだいりのいゑをひとにめづりてちとのろようと □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ もろともにすゑ松をたつさへつゝあちら こちらとさまよふてひうがのくにまで きたりしにゑんあつてやらかぢゑむし どのゝつまになれとの ひとのせる とは□□ いへわたい いへわたしは 此とし 此とし 一一二二四 同三月一日 ごろ 二二一一一一 二二二一一一一一 ふたりの 男を ……………………………………………………………………………………………………… 日二十二 もち たるに又 もやつまを 〽かさねんことは おなごのみちに あるましきことゝば おもへどなか〳〵に めかいも見へぬ かひなき女の すゑ松を 手ひとつで ヱようの助と いひちどりと いひすゑ松と そへて五人 まで子と いひそなたを いふものは□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ かたちさへいとさやしくわたしを だいじにしてたもればうみのとよりも いやますおもひわたしはぜんぜの やくそくにや 春秋よし いひ もおつとをかさねし 天ばつかそれにつきても わたしのやうなたぐひまれ なるあくにんにたぐひまれ なるかう〳〵なそなたの やうな子がのこりかいほう なしてたもるとは又たぐひ なきくわほうもの今は わかれし子どもちにあひ たしとさへおもはねどたゞ はづかしくなつかしく あんじらるゝは春よし のみおひさきながき そなたゆへもしゑん ありて春よしにめぐりあふ 日のありもせば わしにかはりて わびしてたも わびしてたも これぞそなたをひろひし ときそへて ありたる しなくるは下 ▼此とき までもりうじめ 母のうしろへたち 手ば ひきよせいんろうの かたはれなるを まはりせなかを なでついたはりつなが とりいだ せは } ものがたりをきくごとに かぢゑむどのに なひ がた さに おめ〳〵と ありながら四人は すべていきわかれ これといふのも わかきとき またを にくみせ おひいだし 女のみちに ひきとられ又いくとせか おくりしにすゑ松が 十九のとしかみがくしとか いふものにやいゑで なしつゝゆきがた しれずかみに ほとけにくわんを かけこゝのうち なひかしこの あるま みくじ 〽いちこをたのみて くちよせもつひに そのかひなかりしところ そのつぎのとしかぢゑむ どのがそなたをひろぶて ござんしたゆへすこしはうさをし なぐさむるたよりと おもふてそだてしにせ あるひはおどろきあるひはかなしみ なみだにそでをぬらせしがかのいんろうを うけいたゝき〽はじめてきいたわがみの うへうみのおんにもいやまさる此とし つきのごよういく此うへはなほとゝろを もちひ五人まへのかう〳〵をわたしひとりの 身にひきうけかゝさまのごびやうきが ごほん ぶくだに なぎれ たらさいわひ しよこくをのりまはる ふなしようばいのことなる ゆへあにさまたちのゆく ゑをたづねおまへに あはせてしんぜ ませうト はなしの ねにりう太郎はうち はやふけ わたるかねの うちに なづの 衣の おどろきはゝをねかしつその 身もまたともねながらのひぢ まくらしばしゆめをぞむすびける 〇此ときかどべにたゞつみてうちのやう す越たちぎくぶしありのちのくだりに しさいをとくべし◯かくてその夜も あけしかばきのふなかまがしらせによりてつき也 ⑪ 西国奇談三 つきに鐘柳ひきあげのにんぶの うちへくはへられしとあるに よりいともあやうきわざ ながらわれかのりうづに つなをつけ◑ 十二丁 ほうびの こめの五十 たはらで母を やすくやく なひたしと おもへばこゝろも しばしのいとまを かたにかけかねのみさきへ いそがれておじつに こひうけ櫂いつてうを はせゆき見るにわれ よりさきにあまたの にんぶがはやどや〳〵とあつ まりたれどかねのしづみて あるあたりはあなみわたりて ものすごくつねにはやねさへ ちかづけねば人みなたらを おそるゆへに五十左はらは ほしけれどもたれとて なみにくゞりいりりうづに つなをつけんといふものさちに あらざるところへりう太郎は すみいで此たいやくをなさる のぞめばやくにんどもはよろ こびておほづなひとすじ わたすにぞこれをそのみの どうにまき〽われらが〽われらが 百目午夜三 十七 左ゟうみのそこにいたりりうづにこれをむすび つけなばつなのはしをばひきうごかすへしその 〽ときおかにておの〳〵がたはちからをあはせて 八かれよトすでにあいづをさだめつゝやがて 小ふねにうちのりてこゝぞとおもふところに いたり身をおどらしつゝまつさかさまに なみまをわけてとひいりしぶわう太郎は おさなきよりいそべにそだちてすはれんは もとよりえたるわざなればいく十ひろ なるうみのそこへしばしがほどにくゞり いりそこかこゝかどたづぬるに黒気を あたりにみち〳〵てかねのあり しよも見へわかずいかにやせんと ためらふうちくだんのこくきのなか よりしてたちまちあくりうあら はれいでひとのみにせんいきほひに おどろきながらもおくする いろなくはらのうちにおもふ やうかくなるうへはなま なかににげんとするとて のがるましわれはいやしき ひつぶなりともかたゞけ なくもみかどより ちよくめいありてひき あぐるかねにて あるをあくもりの おしむとする とておよばんや 大臣 われ一人ぢ たつにのきる かりうづに つなをつけ 元馬やふたつて ひとつのうん さだめわが ひのもとの 八百ばんじん あはれみやう ぢよをたれ 給へトこゝろの うちにねんじ つゝあくりやう めがけて をとびかれば たちまちに めくるめぎ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ けんや 正目廿一日 つきしたれかはしらねどい みよとにて 〽女よりう 太郎〳〵と よばるく こゑに いきふき かへしあたりをも 見ればこばいかに いつのまにかはひかたと なりめざすかね さへがたへにあるに なみのなかそとおもひしに ●〇 ◎◎ なほいぶかしきはかねの ほとりにけだかき ひとりのたをやめの こなたを見つたぶみ たるうしろのかたにはこしもとなりけん ふくろにいりしひとふりの太刀を たづさへひかへてありふしんはれねど りう太郎はもとよりふてきのたましい ゆへすゝみよりつゝきつと見て 〽われやまかんせつおしけると 〽われいまもんぜつなしけると 〽おもふかりからふしぎにもわが 名をしりてよびいけられたる そも〳〵おんみはなにものそトをひ かけられてこなたはうちゑみ〽あつ ぱれゆくしきゆうしかなわらはゝ すなはちかいていにひざしくすめか りうぢよなりたとへみかどの ちよくめいなりともこれなる かねはそのむかし三韓州より わたりきてふしぎに うみにしつみしがば 今りうぐうの仕物もつて となりたるものをいかでかはふたらび はなちやらるべきよじんであらはそなく をもいけてかへさんやかはあらねど なもいけてかへさんやうはあらねど もとよりそなたとわらはとはふなき ゑにしのあるなればいひきかすべき ことのありこゝ〴〵トさしまねかれ りう太郎は母のはなしにわが身は もとこれりうじんよりさづけられ たる子なるよしいはれしこともあるなれば こたにしいなれは もしやとおもひざしよつて〽おんみの ことはにつきて又おもひあはする ことさへあればねがふはおしへをうけ たしトいふにもうぢよは又うちゑみて 〽そなたとわらはが葉しあること 今あらはにはいひがたけれどいはでも すいりやうなすよしあらんそなたはもと これふたごにて今なほひとりのいもと ありおなじたねおはじはら おなじときにはうまるれども そなたは忠孝寺前茂路の 男子悦いもとはそれにひきかへて「よし 三月十七日 安政一七兵衛 金兵衛門 吉華蔵 参る事也 一酒壱升 うけえし おもへば今 さらぜひも □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ むざんの毒婦おた なります なりおやはその 子をわろかれと うみはつけねど ぜんあくは おの〳〵天より せいしつ 又これ 男女の ごう ほうと なし されば ゑん あり とき ありて いもとに めぐり あふことも きやう だいたがひめ あだとなり つきへ 巴巨吾割三 おやをあらはして名をこうぜいにあぐ べきなり今あふて今わかれぬる わらきをかへのもの わらはがそちへのはなむけにとらし えさするものこそあれといひつゝ かたへを見かへりて〽磯魚それをト さしづにしたがひあとべにひかへし こしもとがたづさへいたりしひとふりの 太刀をいざとてざしいだすを 手にうけながちもりう太郎が ふしんのていにもうぢよは さしより〽その太刀こそは わがひのもとなる三種氏の 神君財のそのうちにて かのくさなぎのみつるぎ これなり安徳財てんわう じゆすゐのおりからともに かいていへしづみしをわらはが しゆごなしたてまつりしを 此つりがねのかはりとして そなたにえさせつかはさん これをこちどへざしあげ これをこほとへこし下 なばゑいかんもつとも あさからずかねのことをば かならずおもひたへ給はん さればとて此かねのりうづに つきしんぞくうらみをむすぶに いたらんしかはあれどもりう太郎 そなたの忠しんへんぜずば身をたて つなをむすばずして おめ〳〵としてたちかへらば 人みなそしたをうたがふ べしそれらのまどひな はらさんためにたつさへ きたりしそのつなを これなるかねにむすび つけ人力少きのおよばん ほどひかるゝならば ひかせて見よひとたびは うかぶともふたゝび よろこぶりう太郎が くだんの太刀をおしいたゞき 〽だん〳〵あつぎみこゝろ だん〳〵あきみこゝ ざしあけてそれとは のたまはねどももしやおんみは わがじつの母うへにてはまし まさぬからいひつそでにとり すかるをりうぢよはあなやと とてもにんげんならぬわが身にて おやこの名いりのなるべきかはや いひつゝも身をひるがへすとおもふまに りうぢよはさらなりこしもとのいそなが すがたもくもけぶりかきけすことくうせ はつるを〽アレのうしばしといふまもなく下へ うみにしづむべしいふに ふりはなし〽たとへちすじにあり たいめんもこれかぎりなごりをしやト 三月二七 之 までひかたと 見へたるも たちまち あらなみさか まききたりて ちひろのそこと なりしかばふたゝび おどろくりう太郎が ゆうになすべき いとまあらねば おしへのごとくかの かねのりうづに つなをむすび つけあまるを かねにまきづけ などしてしきりに つなをひきうごかせば飲べし 西匡奇記二 〽つきしくがにはなすのむねたかはじめあまたの にんそくふなこらがりう太郎がしづみてより まつことおよそ半ときばかりさらにやうすの しれざればそこのみくづとなりたるかとひと〴〵 あやぶむほどこそあれつけたるつなのうごくにぞ すはやあいづのしらせ谷とすびやくにんのにん そくどもがしやちにてつなをまきたて〳〵 いきをもつかずはたらけばさしもにふかきうそのに そこより。上しセ〳〵トひきあげたるはねのうへには もう太郎がふみまたおりつゝあらめれいづればすばすは〳〵 かねのうかみしぞひけや〳〵ともろごゑかけてやくひき 関 一よせんとせしおりしもたちまち 百孔 十一月十六九 卿 第一ひいを補ひ じんぜいをます妙薬 きよじやくの命に おほづなふづつりきれて かねはふたゝびなみの そこへしづみて見へず なるほどにもう太郎のみ 用ひてよし 下谷さみせんぼり 屋数九末崎氏製 うろみいでてくがぢへおよき つきしとなん ○こゝにいたりてもう太郎がかの ほうけんをさしあぐるにつき◑ 爲永春木補綴 一寿斎國貞画 第四編や くわしく とくべし めでたし 久 鐫 同 録 十五編 十六編 根源實紫 十七編 柳亭種彦作 一寿斎国貞画 五編同作 娘庭訓金鶏 大尾同画 十七編山東京山作 おくみ 十八県柳亭種彦作 十八編跡川国貞画 十八編歌川國貞画 一おくみ琴聲美人録 十乙扁歌川國貞画 琴聲美人録 総次郎 十九扁哥川國貞画 十九編三十九編 初編柳亭種彦作 花兄弟陸奥名所 二編歌川国貞画 十四編 新増補西國竒談 十五編 十三編為永春水作 歌川國貞画 芝神明前 同村佐野屋喜兵衛板 地本繪草紙團扇問屋 田・ 三嶌 □□□ 一〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇 一〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇 一〇〇・〇 一〇〇〇 春水補綴 四病全二四 さいこくきだ 狩り 松田原作吉 後元良頼堂 国貞画図 浦増新 西國竒談細 為永春水補綴 一寿斎國貞画 新増補 門人 門人安曲 西国交話 同人女吉 四編上冊 為永春水作 献門国貞画 喜鶴堂梓 距 這編の下の巻に出したる。投扇興は漢上なる。投壺の 遊びの変風にて。正徳の年間には。専大内に坑はれし。と其 頃の央にも見ゆれば。最みやびたる遊戯にて。席上の掟にも。 盃盤狼藉を堅く禁じめ。諸勝負賭事を忌とぞなん。余るを。 鷲塚逆齋等か貼物なんどなしつるは素りあるべき事ならねど。 一柴六親子が積悪を。綴らんまでの條立なるを。看官宜しく推すべし 就て投壷の考證も。いさゝかなきにあらねども。余紙あらざれば 這處には洩しつ。然は此篇稍稿成て。序のなきまゝにその理言を。 はゞかりながら桜木に載す。 三七丁巳孟春新鐫 為永春水誌め コーニ 西国寺討四 久田 鷲塚爪五郎 正目七言口 三へんの よみつゞき なすの与市 むねたかは ( かのつりがねをひきあげ 一ざをしむればはやみ うちう太はじめと してきんじゆとざまの めん〳〵までしゆ じんのさいうに つきしたがひ やうすいかにと見て ほどにすでに さするをみづからけんぶんなさん とてかねのみさきへかり屋を しつらいもうけのしとねに うみなる かねの 十五ゟのぞみをうしなひいとほいなげに見へたる おりしもひとりのしそつがはしり いでうちう太にうちむかひ〽かねの りうづにつなをむすびしか太郎 といへるものたゞ今うみより およぎいでわがきみさまに なにやらんまうし あげたきことあり とてかしこにひかへ候がいかゞ はからひまうすべきといふを うちう太とりつぎてしゆくに かくとまうしあぐればむね たかきゝいゝうなきて 〽りうづにつなを むそびしものが われにいふべき ことありとばなにか しさいのあるならん われもみづからたいめん してうみのそこなる ありさまをもとひ こゝろみたくおもふなれは とく〳〵これへトあるほどに くだんのしそつはこゝろえて しりぞきさりしがほども なくりうき初はりうぢよ よりさづけられたる みつるぎをかやくしげに たつさへつゝおめたる いろなくすゝみいで はるかきかつて手を つかゆるをうちう太 見つもゑかけて 〽りう太郎とはそち なるかまうしあげ たきことあるよし □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 二十二一八 ◑〽わたくし ことはおふせに このうかぶと見る まもなくさしもに ふときつなゝりしもふつつりきれて かねはまたふだゝびうみに しづみしかばむねたかたちまち右へ したがひかねのりうづに つなをつけんと なみをかきわけ くゞりいりしにかやう〳〵のこと ありしとてつきへ 当月一毛ヨ 同匡司訓四 つゝき 左ゟ日よりしごとの はじめあく りうあら はれてたゞひと のみになさんと 水ものなるになが〳〵の 母のたいびやう そのかん ひやう さへ せしをいのちを すててとびかゝり ひとたびもんぜつ なしたることよりりう ぢよにいはれしいちふしじう又 かのみたちをさづけられたる やうすのこらずものがたりくだんの づるぎをさしいだすを又うちうぞ むねたかにはかにしとねをはべしてつるぎを みたちのゆくへしれざるゆへみほどを はじめたてまつりかまくらどのにも これをのみみこゝろがゝりにおぼしめせ しに今はからずもかいていより ふたゝびかへりきたりしはみかどのゑい りよをやすんずるこれにうへこす ことやはあらんさすればかねをか ひきあけたるより百万 ばいもまさりし大こう又かの かねはりうじんのさばかり おしむとあるからはじんりきをもて なか〳〵にひきあげがたき がとりつぎていさとばかりにまいらすれば がとりしてむことは せみたびおしいたゞき〽へいけじゆすゐのそのゝちはい 手ひとつでなすことなれば はか〴〵しきかせぎとても ならね ことも◑ おしふねのかこに やとはれ又あみ ぶねのかじこなん どにたのまるゝ 一日はときにより あるひは三百あるひは 五百おりにふれては 一ぐわんもんのぜにを とる日も候はトいふに むねたか又うち わらひ〽そちはりはつに 見ゆれどもかゝる いなかにひとゝ なればぶしの ちぎやうの ものなりを こゝろえ ざるも もつ とも なり 五百 くわん ものなるを 此まゝにして やむともよし それにつきても りう太郎 とやら いやしき ものには 「下ゟいさゝか おそれすとり つくろひなき そちがいち こん見ところ ありて おもしろし さらばとふべき ことのありなんぢは なんのしようばい にて又いちねん にはなにほどの かせぎを なすやじとひ かへされはうだは おめたるいろも なく〽われらは ぶなのりとせい にて右へ めづらしきだいじやうぶなるそちか 一たましひもうづにつなをむすびし ものには五千たわらをとらせんと やんかねてはまうしふらせしかど 此みつるきをとりかへりし その大こうも あることゆへ 五日くわんの知行事に めしかゝへんとおもふなり われにつかへてほうこうを なすへきしよそんはあら うちあんじ〽われらもかねて さむらひになりたきしよ そんのなきにあらねど ひとりの母をやしなはんとかせげど おひつくびんぼうぐらし五百くわんの ちぎやうとやらで母をやす〳〵くらさせる ことだにならばのぞむところおふせにしたかひ ざるやトおふせにりう太は 候はんといふにむねたかうちゑみて〽わがけんべいに あまたを めしつかひ馬 をもかふべきほど なるはトいはれてよろこぶ 百目十宛日 西民吉訓四 ちからばかりはひとなみ 師兵をゑらびて ならひおぼへし つゆばかりもしら ざればものゝよう にもたつべき おがんは此身に おがんは此身に とつてふさはし からずたゞ母 やしなふほとの ごちぎやうを たまはらんと ならたゞいまより ごほうこうなば つかまつらんじ いふにむねたか よこねをうち 〽まことにそちは 孝子次にて しらぬをげらいよ 馬よとやしなひ ひとりをやすくと こともなくまして ふみよむみちなんどは なれどもぶじゆつなんとは つゝきりう太郎がゑみをふくみつ ぬかづきて〽さらはおふせにしたがふべし されどもいやしきうまれゆへ □□□□□□□□ 「左上ゟ豪家かうの ざしきをかりうけて かねてりよしゆくとなし たることゆへむねたかは 一中ゟあまりのことにりう太郎は ひとりつく〴〵おもふやうわれ出ね たかにかゝへられしは此うへもなき さいわひなればすこ しもはやく たちかへり 母にしらせて よろこはるゝ おかほを 見るも たのしみ なるにことさら やまひにふし 給ふをひとり のこしさいつ までもかくて あらんはきづ かはしわかみは こゝにあり □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□ しづと くだんの りよしゆくへおもむかるゝにそ りう女郎もともひとのあとに つきつゝかしとにいたればひとりの しもべがあんないしてひとまの うちへともなひたるまゝ まつこと半ときあまりには そのこゝろ さまけつぱく なり あはれ よき 女を かなわれ はからふ むねも ありなほ あはず べき人さへ あれば あれば わがほん ぢんへ とも なふ べし □□□□□□□□ やがて ひき はらひ 博多はが かり屋を の町にて なにがしとかいふ右史二 百国奇談四 およべど いでてたい めんする ものも なく 四 あんない おもへる をわれに あはする人 あらばとく〳〵 いでよトいら だてども しらぬ りよし しゆくの うち たれを たのみて さい そくを なす なす べき たよりも あらざれば おめ〳〵と してまつおりしも おもひがけなきにわ ぐちよりあらはれ いでたるあまたの くみこ〽じよういくト こゑかけておの〳〵 じつてをうち ふり〳〵 ふり〳〵つきん 同十一同二十二丁 つぎしからめとらんと きそひかゝるを それと見るより おどろきつゝこゑ ふりたて〽わがみに おかせるつみ なきに此ちう せきはなにごと ぞトいふ りう太郎はうち をも きかず くみ この なほもふ じんに かゝれば 〽なんぢら むほう のふる まひ なさば われとても またおめく 手をつかねつゝ なわめを うけんや とつてはなげる ひとつぶて ◑くわんねんせよとよばはり ゝむらがりかゝるくみこ をばも □□□□□□□ ひふみにじるはげき 手あしのはたらきに 手あしのはたらきに たせいをたのむ 一みらも 二のまきへ 庚 一の巻より さん〴〵になげこら あけてよそぢあまりの ひとりのさむらひ手やりを ひつさげあらはれいで しゆくんのおふせにした がひてからめとらんと いたせしを手むはひ ひろぐらうぜき ものはや此うへは ゆろしがたしわが手のも 二日 されしどろになつてにけゆくにぞひといき ほづとつくところへかしろのふすまおし む うちをこゝろみよし やりをひねつてつき かくるこゝにいたりて りう太郎は身に寸鉄道も あらざればのがれはつべき やうもあらぬをごうきの すきを見すましつけいりてつきだすやりの谷へ あらざればのがれはつべき わかものちつともおくせずくりだす やりを右だりあるひはとびこへかいくゞり 百目十七日 正国吉諸四 つきしほくびを かひなにしつかと とりとめわゝわれ かいていよりみつるぎを とり かへり たる 功が あれ あれ つみを ゐう むる おぼへは なきを しさい のべず りふじん なる 此なる まひ こそ りう太郎なほ うたがひのはれ さればすゝ よりい かたちを あら ねといふ つく〴〵 うち なに おもひ けんかの まもり さむらひ はもつたる やりを なげすてといふ 〽あつぱれ でかした りう太郎 それて こそわが 子なれ かくいふ われはその むかしあか 松そう ざうが ちやくし なる木むら はいとの助 春よしと よはれし ものぞ 名のられて これはと おどろく 百目打炎口 〽その春よしと よばれ給ふはわれには ぎりあるあになりと 母のことばに きゝつるを今また わが子とのたまふ にはなにかしざいの あることろじ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ うちうなづき 〽おやこのなかにて うちあけて かたるも おもなき 御下向館のおんともにさへくわへられしがいへし もあか江 川よりそなたの ようふかぢゑもん があづまをさして おもむくといふ みつぎぶねにびんせん してきのぢにちかぎひとつの 小じまにふねをよせたるその みぎりかやう〳〵のことにより ゆめかうつゝかわきまへなけれど ひとりのおとめにあひなれつわか るゝときにかたみとてわがこしづけの いんろうをくだんのおとめにとらせしに かれもかしらにいたゞきしこがねをのべ たるへしいちまいわれにわたすとおもひ しがのちにいたりてよく〳〵見ればへしには あらでまさにこれひとつのうろこで ありしかばさてはおとめはにんげん ならずりうぢよなんどにあらざる かとおもひしまゝに十七ねんなほ うたがひははれざりしにわればその のちあづまにいだりうんつきざるにや むねたかぎみのねん見いだしをかうむかて なすのかしんとなりしより此たひとうしよへ 正国義諸四 つゝきそのかみぶせんのだいり にて与次兵へといふくせものゝ きみにてきたいたてまへりしをもむかへざるゆへこゝろ ことさへあれば今にてもかるがゝりにおもひしに やしんのともがらの又あるまじきにかゝるかくし子ありこ あらざればそのみちすからはいふにきゝてはわれにおいへ およはず此ちにいたり給ひてもかのてもあんどせりとく〳〵き うちう太とそれがしがかはる〴〵にめしつれきたれよとの あちこちとしのびあるきをなししおんゆるしをばかうむりしか つゝもことのきよしつをうかゞひしにどもけふはこれなる 昨夜にやゝそなたのいゑともしらずごりよしゆくの出るすゐ しはたかどへにたゝづみしときうちにばんにあたりしゆへ きこゆる女のこゑはわかれてそのことはてなば あまたのとしはふれどもまゝ母たづ手ゆきたいめん そらねがものごしなれば ふしんながらにたちぎくせしわがきみごきくわん そなたのすぜうそらねのあるとそのまゝ 身のうへわが足うちじにそなたのことを ありしのちかの舟次兵へがつまとしか〴〵とそれがしへ なり又かぢゑもんにめとられておふせきけられはやく ふしぎにそなたをやしなふたるおやこの名のりを こと今はせんひをくやみしとて名さへせよと世にありがたき おじつとあらためられしやうすしゆくんのおなさけ のこらずもれきゝしかばきてはとびたつやうにはありしか わが子でありけるかとおもひしども又つく〳〵と しあんをなすに ゆへに名のりいりたいめん かゝるへんひにひとゝ なさんとしたりしが今は なりぶどうの しくわんの身のうへなるを なんぢよそぢを こゆるまでいまだつま をもむかへざるゆへこゝろ がゝりにおもひしに おやこの名のりを きみのみゆるしまけざるうち わが子なりとて此としごろ たこくにひとゝなりたる ものになのりあはんは はゞくりありとしあんを しつゝたちかへりひそかに きみのごぜんにいでて かやう〳〵とまうし あげしに きみにもにつ ことうち ゑみ給ひ □□□□□□□ こゝろえなきもの ならばおんめし かくになればとて ことはざにいふろくぬす びときみのおために あいなるまじため して見んとおもひし ゆへ◑ ◑わがくみしたの あしがろにまうし しつけつゝ今のふる まひしかるに なんぢがしんたいかけひき わがつきかけし やりさき きへかけ とゞめたる 手のうちは あつはれ ぶしとよはるゝとも はづかしからじと 見きはめたるゆへかくは わが名をあかせしなりトいふをうちきく りう太郎いそがはしげにふところよりかの いんろうをとりいだしはいとのまへにさしおきて〽いきへし 西国奇讒四 つゝきこれこそおやのかたみ ぞれ今のはゝごがたまはる いんろうさてはさいせん かいていにてまみへし りうぢよがうみの 母おんみがまことの 父うへか出なつ かしやしとりついて うれしなみだに一 やゝしばし しよう たいも なく見へに けるおもひはしなし おやごゝろはいとの助も とりひきよせてともに なみだにくれゐるおりしも あなたのきり戸おしあけて 此ものおとにはいとらはうちおどろきつゝ 身をさけてうやまひつゝしむあり さまをむねたかは見てゑましげに 〽おやこのあいじやうさもあらんわれも やしなひおくはびやうきのよしこゝろもとなく おもふべしひとまついゑにたちかへり これらのよしを母おやにしらせて とりすがるわが子のもを うちう太めしつれなすのむねだか 此まゝりう太郎をとゞめおきたくおもへとも 同二人〆八〆八百文 でますたい 左の中ゟらくいん きよそこで わしがおもふ にはむかひの にはむかひの しゆうがこられ たとき これ ほどの よろこび ごとに ちやばかりのま せておかれも せまいめでたい といふゑんきを とりこれみや しやんせたひを いちまい又此 酒は養老婦 といふねめを といふ詔いを しるした しるした 一升ちのぢと一 おまへを いつせうおい らくにやしな はふといふ いわひに こゝろをこめ いわふてかふて まはりはのちがたまでに此ほうより むかひのものにもたせつかはすそのとや 母をもどう〳〵せよはやゆけ〳〵ト のたまふにぞかさね〴〵のくんおんに りう太郎はさんばいなしはいとは もとよりうちうちにもいとまを つげつゝいんろうをもとのごとくに くわいちうなしやがてそのばを しりぞきてわが屋をさしていそぎゆく るすにはおじつがたゞひとりわが子の るすにはおじつがたゞひとりわが子の かへりをまちわびがほになにか いきつきあへずうちにいり〽かゝさま まつたてござんしやうそのかはりには みみよりなおまへのよろこぶはなしが みよりなおまへのよろこぶはなしが あるトいふにおじつはにこやかに〽みよりな はなしとはきかぬさきからよろこばしい わしもいつよりきあいがよくそなたが さいぜんこしらへたくすりもかゆも あたゝめてわしがひとりてたべ ました此やうすではしぬとも 見へぬかならずあんじてたもる なやトいふかほじろ〳〵うちながめ 〽わしもくすりがきになるゆへ こゝろはせけどとんだひまいり そのひまいりもコレかゝさま あんどさせたがよいいふく大小身の むかひのものにもたせつかはすそのときものがたり〽ゆふべおまへがはなされた しあんのそのところへ酒とさかなを 手にさげてたちかへりくるりう太郎 じつのおやながら 春よしさまにも うちう太どの にもおめにかつて きましたぞや 春よしさまは ●わしには おまへのためにはやつぱり むすこうちう太どのは たくさんできておまへはさぞ けふきけば◑ むこなればむすこやむこが 〽わしもくすりがきになるゆへたくさんできておまへはさぞや わるいことではごんせぬぞへしさいは かう〳〵しか〴〵とありしやうすを ものがたり〽ゆふべおまへがはなされた うれしからう今にもむかひの人がくれば おまへもすぐにどう〳〵してこれからさきは「右の上へ あんどさせたがよいいふく大小身の □□□□ んだひまいりうれしからう今にもむかひの人がくれば きたト見すれば おじつはほく〳〵うち ゑみ 〽おもひ がけ ない そなたの しゆつせ これと いふのが 日ごろ から ひとに れた かう〳〵 を ほと けの 見そ なはし けみ めぐみは ありつらん のひまいりもヲかゝさまおまへもすぐにどう〳〵してこれからさきは右のよ わたしも おほきに ちからづけば 百目二十七日 西国奇讒四 つゝきこれこそおやのかたみ ぞれ今のはゝごがたまはる いんろうさてはさいせん かいていにてまみへし りうぢよがうみの 母おんみがまことの いへうへか出なつ かしやしとりついて うれしししみだに やゝしばし しよう たいも なく見へに けるおもひはしなし おやごゝろはいとの助も とりすがるわが子のもを とりひきよせてともに なみだにくれゐるおりしも あなたのきり戸おしあけて うちうためしつれなすのむねだか 此ものおとにはいとらはうちおどろきつゝ 身をさけてうやまひつゝしむあり さまをむねたかは見てゑましげに 〽おやこのあいじやうさもあらんわれも やしなひおくびやうきのよしこゝろもとなく おもふべしひとまついゑにたちかへり これらのよしを母おやにしらせて 此まゝりう太郎をとゞめおきたくおもへとも 川上利仲藤介八郎 〽同二両やらは八郎をやめに やまねなけ { 左の中ゟらくいん きよそこで わしがおもふ にはむかびの しゆうがこられ たとき これ ほどの よろこび ごとに ちやばかりのま せておかれも せまいめでたい といふゑんきを といふゑんきを とりこれみや しやんせたひを いちまい又此 酒は養老能 といふ話いを しるした 一升ぢど一り おまへを いつせうおい らくにやしな はふといふ こゝろをこめ いわひに いわふてかふて ノ あんどさせたがよいいふく大小身の まはりはのちがたまでに此ほうより むかひのものにもたせつかはすそのと 母をもどう〳〵せよはやゆけ〳〵ト のたまふにぞつさねぐのくんおんに りう太郎はさんばいなしはいとは もとよりうちうちにもいとまをも つげつふりうちうさにもいとまを つげつゝいんろうをもとのごとくに春よしさまは くわいちうなしやがてそのばを しりぞきてわが屋をさしていそぎゆく るすにはおじつがたゞひとりわが子の かへりをまちわびがほになにか しあんのそのところへ酒とさかなを 手にさげてたちかへりくるりう太郎 いきつきあへずうちにいり〽かゝさま まつたてござんしやうそのかはりには みみよりなおまへのよろこぶはなしが あるトいふにおじつはにこやかに〽みみよりな はなしとはきかぬさきからよろこはしい わしもいつよりきあいがよくそなたが さいぜんこしらへたくすりもかゆも あたゝめてわしがひとりてたべ ました此やうすではしぬとも 見へぬかならずあんじてたもる なやトいふかほじろ〳〵うちながい 〽わしもくすりがきになるゆへ こゝろはせけどとんだひまいり こゝろはせけどとんだひまいり そのひまいりもわかゝさまおまへもすぐにどう〳〵してこれんからさきは右の下へ じつのおやながら 春よしさまにも うちう太どの にもおめにかつて きましたぞや 春よしさまは ●わしには おまへのためにはやつぱり むすこうちう太どのは むこなればむすこやむこが たくさんできておまへはさぞや けふきげば◑ ものがたり〽ゆふべおまへがはなされた かう〳〵しか〴〵とありしやうすを うれしからう今にもむかひの人がくれば わるいことではごんせねぞへしさいは □□□□□ おまへもすぐにどう〳〵してこれからさきは右の下へ きたト見すれば おじつはほく〳〵うち ゑみ 〽おもひ がけ ない そなたの しゆつせ これと いふのが 日ごろ から ひとに すぐ れた かう〳〵 を かみや ほと けの 見そ なはし かみ めぐみは ありつらん わたしも おほきに ちからづけば 右同二丁炎曰 十一目吉訓四 つき此やうすでは百万ねんも そなたのぜわになりそうなじ わらへばりう太もよろこびて 〽そうさへなればわしがほんもう をかくいふうち日がたける むかひのこぬまに此たひを卜 くだんのうををたづさへつゝ かつてにいたりて見まはすに けさまではまないたのほとりに おきしでばぼうてうのあらぬは ふしぎとあつちこち たづねわび つゝ〽なう かゝさま おまへは しらるゝ はづはなけれど わしのゐぬ うちだれぞ きてこゝにかけ おくでばぼう てうをかせとて てうをかせとて とつてはゆき ませぬかトとはれて ひとまにおどろく おじつしばし こたへもなかりしが 〽そのほうてうは これこゝにし ふとんのしたに かねてよりかくし おいたるほうてうを とるよりはやく わがのどへもろ手を かけてつきたてつゝ あつとたまぎる ひとこゑに これはとばかり りう太郎は はしりよりつゝ ぎやうてんして〽こは ものにばしくるふ てかなにゆへあつての せうがいぞトいだき つきつゝなきさけぶ かゝるところへかどべ なるなみうち ぎはにふねをのり つけしづ〳〵いりくる はいとうちう太 此ありさまを見る よりもともにおどろきか さしよつてしさい いかにトとひかけ られおじつはしばし さしうづむき右 丙酉午癸丑 左ゟ さらに ことばも しかり しが くる しき ほづと 〽めんぼく いきを つき なきは 春よし どの また はづ かしきは う ちう さま いき あみ うちは なか〳〵に あはす おもては あらねども みれんに今 までしに にくれかくなる うへはぜひもなし こりう太郎 きいてたも そしたのかへりが おそいゆへあんじくら せしおりもおりなかまの ふなこがたちよりて かねのみさきのやうす をばかやう〳〵とものがたり いりうづにつなをむすびし のみかかのみつるぎさへ とりかへりしそのこうにより りう太郎はむねたかさまの ごけらいにおんとりたてとの やはなしをきゝとびたつほどの うれしさも又つく〳〵としあん をなせばさきのおつと与次兵へ どのが義をたてぬきしせう がいもげんじのろくをつま子に まではませじといふものゝふの いぢにてあるを今さらに もう太郎のゑんにつれなすの おいゑにおもむかばおつとの きしんは水のあわさりとてわか 子のりつしんをさきおつとの〽つきへ 上 つきゆへによりさまたげ なすべきやうもなしこれ までつくりしつみとがを やいばにはてなば せめてものつみ 〽葉ほろぼしにも □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ しに じたく これ見て たべトいひつゝも 同十一一一一一一一一同一 ◑ふでにそつたるきやうかたびらひど〳〵これはとおとろけは おじつはふたらびいきをつぎ〽かくまでよういはしたれども そなたにひとめあふまでとしにおくれたるかひありて 春よしとのゝ身のうへをきくうれしさにつきてまた身の はづかしさもいやまさりこれまでなりと今ははや おもひさだめし此しようがいしぬるいまわに おふたりにおふたりにおふたりにかゝるはよろこばしけれどめん ぼくなければことばもなしたゞ此うへは春よし とのにつかへてかう〳〵出こたりなくうちう太さまと ちどりとをあにともおもひあねともおもひありともいたはり 丁ゆぐすゑながくさかへよら いはれながらもりう太郎はたゞ なみだにのみむせかへりいらへけねつゝふししづむを さこそとさつせしはいとの助はうちり太 もろともさしよつて〽あはれゆゝしき 義女臣のさいごわれらはもとより右仲太 どのもちどりどのゝゑんあればともにしゆ くんへねがひいでりう太郎ともろともに おんみをむかへとらんためたづねきたりし かひもなくながきわかれに はだおしぬげば こはいかになむ あみだぶつ ろくじをは なかしなりきみより たまはるいふく大小われ〳〵 春水補綴 国貞画 れば口 のせめてはかれがさむらひ になりしすがたをひとめ 見てあのゆへみやげに し給へトしもべにもた せしはさみばこより いふくかみしも大小 までみなそれ〳〵に とりいだしなきくつ をれしめう太郎を ふたりがいさめ はげまつゝかの たまものを 身につけ さすれば しぜんと そなはる ゆうしの こつがら おじつは おもゆへ くつかを うちわすれ ふしおがみ又 ふしおがみ につことわ らふをまつ ごにてその まゝいきは たへにけり ト巻へつゞく 西国 奇談 春木補綴 十三編は阿綾爪五郎と姦通して蹄に夫に再會の一段阿竜紋生石を 祈りて身に妖術を獲るの奇談お竜龍太郎を手ににけんと色に 辞よせ言寄て反て肚しめらるより渠を罪せんと計るの一端十四圖は 一偽龍太郎の故により真の龍太郎が二の町と不義せしていに言なれ 終に配流せらるゝの赴き並に節之助が忠心義膽士兵衛」は嶋守荒 大夫が龍太郎を苦しめんとするより苫屋浪子の二個の蜑が窃に龍太郎 国貞画 をいたはる一段つゞいて浪子を荒太夫が強奪なすの物語など最巧みなる 條あれど白地には爰に記さず井は出板の時にぞ知られん 根源實紫新刻概略作者柳亭種彦画工同前 千玉編筑紫なる穴人の買し室笛香炉倫て宣孝に托す野洲児詛熱されて紫 式部寛を受十六編式神寿祖狭手子等が隠謀を露はし櫛彦自襲は或は或 が汚名入王霊まり黒白判然兇悪皆戮せらるつぎて少将が貞節惟規北国 にて死して又蘓る十七編大貮三位生れ宣孝病死花山法皇の御伝大かた 此編にて全備り式部源氏物語を作り上東門院に奉公十八編以下は追て記すべし } 一〇〇 同同 外題盛立関東 喜鶴堂板 武造補 さいこく 寄生む しむ しゆんの下 すゐつくる の下 くにさた ゑかく 佐野喜板 安之画 二トの巻のよみはじめしりう太郎がものがたりはしづらく こゝにさしおきて又かのくせものしば六はつまのかあやと もろともにむすめおりうをひきつれてひごのくにへと こゝろざしすでにしてながとのくにあかまがせき まできたりしかば此うみを 一里わたればぶぜん のくに◑ 十一 □□□□□□□□ 里だいのうらおもひいだせばすぎしとし をそゝのかしなすの女市をそゝのかしなすの与市を うたんとせしにそのことつねにとくのはず 与次兵へはさいきをとがその身はあやめの つぼねとをもに からくその ばを □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 二九 半 またあやうき いのちをたすかりて ふたゝびこゝにきたりしは □ふしぎなりしとさゝやきつゝ ふなばにいたりてつぎへし 這少年がお竜に心を かくる事後の本文に見へ たれば宜く合せ見給ふべし 西巨言訓四 おほじけにてふねを ださずといふに よりぜんすべ なさにその ほとりなる たづぬるに此ほどつゞく つゞき大里だいへのわたしぶねば さる はた ごぼに やどをりて そこに でふねをまつと いへども かぜはなほらず あめなど おり〳〵ふり いでて たいくついはん かたもなし 二かいへのぼりて 見わたせば だいもの うらはつい 日かづたつまで そこに 手にとる ごとく 柴 ◑おり〳〵ひとのゆきかよふあしほと なんどきこゆるにぞきびしき まゝにしば六は四 見ゆれどもちか づくにもさいかく にもゆかぬは かよふなる べしわが かみのかへ なりと かりきりし ざしきの ほとりを はてつゝ 三人が なほ 見ゆれどもちから ご屋に ある ほどに ひとま へだてし あな 囲 湯 しやう じを ほそめに おしあけて なにごと やらんとさし のぞけばかねて 見しりし此屋の 下女が投扇興 せんきやうの きに ひと あまた あつ まりて わらひ さゞ めく こゑなど するにな 百目十六日 てふとかいへる いとうつくしき ものとともに あふぎを四五ぼんたづさへて あなたへゆかんとするていゆへ しば六しばしとよびとめて 〽それはいづれへもちゆくぞト いふにこなたはうちゑみて 〽こゝらはちかごろ とう せん きやうの もつ ぱら けりこう けりこう するにより つきへ 十二 西馬語話四 ゆへそれでこれらのしな〴〵をト いふをうちきくしば六は 此四五日のふなまちにて からだにこまるおりから なればよきこときゝしと ゑましげに〽それはさぞかし おもしろからんわれらも せしことあればすこしはこぶしにおぼへ ありとびいりにてもくるしからずば われらもなかまにはいりたしそなたの くちからよきやうにいひこしらへてト たのまれてくだんの下女はうち あんじ〽あちらでなんと おつしやるがそこの ところはしれ ところはしれ ませねごとかけ たまはつて見ま おきやくさまならしざいは おきやくさまならしさい あらじおつれまうせと いふことゆへこちらへおいで なされませト いはれてよろこぶ せうトたつてゆきしが ほどなくきたり〽此屋に しばらくごとうりうの みやこにありし日はとうせんきやうを あちらこちらこちらこちらこちらでもよふしありけふは 此屋にあつまりてあれなるざしきではじまる ○かのひとがらのよきにはにず そのくらひつけの甲こおつにより おの〳〵 これに きん〴〵を かげ ものに して まけ かちを あら そふ やう すに 見へしかば みやこ あたりで たはぶれに とうせん いやしげなれ どもしば六はかけごとは もとよりこのむわざ なればいよ〳〵きやう きやうを なせしとは ことも かはりて あることにおもひ そろり〳〵と手をいだせしに はじめは五たびにみだひまでは かちをとらずといふことなければ 此やうすではこゝろやすしと しば六がにはかに 身なりをとり つくろひ くだんの 下女にいざ なはれてかしこの 生すこかぶかよしあるいゑの いんきよかとおもふばかりが あつまりゐたれば みなそれ〳〵にあい さつしつはじめの ほどは手もいださず まづそのやうすを 名を鷲塚市へ逆奔げて とかよばるゝひとりの すゞりばことちやうめんやうの ものをおきてとうせんきやうの くらひをさだめかの ちやうめんに しるしなど するたゞそれ のみにあらずして けんぶつなすにおほくの ひとのそのなかにてその 惣髪竹がかしらだちたる ものとおぼしくおのれがまんに ざしきにいたりて見るにいづれを 見てもいやしからずあるひはたいけの 百国千炎曰 二十一日 同 しきりにのりぢになるほどにしだいに まけいだしてはじめのいきほひひき かへてその日のもよふし おはるころはしば六ひとりの 丸まけとなりこゝろのうち にはむねんにおもへどさもなき ていにてたちわかれその夜 ふしどにいりしかどもとう せんきやうのことばかり 四 むねにうかびて ねぶられずひとり つく〴〵おもふやうわれ かくまでにふかくをとりしは わざになれざるゆへ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ならん此つぎからはあれ ほどにはきやつらにまけはとる まじなどおもひつゞけて夜を あかせばつぎの日のひるすぎごろ 通弁弐つかきより手がみを おくりてきのふはじめてたいめんなし たるそのよろこびをのべたるさきへ かやう〳〵のところにて今日もまた もよふしありおんいでのほど まちいるトいひおくりしを見る よりもまけばらたちしおり からなればすぐさましたくを とゝのへてつかひとともにいたりしに 此日もはじめはかつやうなれども次へ 四月廿一日 つきのちには きのふにいやます までに又まる かどもしば六は なほこれにも のちも日ごとくに あちらこちらと おもむけども まれにして たくはへもちし ろよりのかねも なかばをすぎて げきさいはわざにたけ たるくせものゆへはじめは かたせてのりこませ しだい〳〵にそのかねを うばひとらんとたくみし なるをさすが かんちのしば六も られてあまたの こがねをうしなふこと かののゝ次郎と うは吉にひどもの まけになりし こりすぞれより かちをとる日は うしなひぬむべなるかな たくみのわなにかけ 二十四丁 こともしゆ やまきをひらくの たちかゝる ところに めをとめて 身のつゝ なし給へ さればまたしば六は とうせんきやうに こゝろを かたぶけ うか〳〵 とうもう 下へ さいざをし とげさせつだまし とりたるかねなるゆへ かくまでむくひのはや かるなるべしとうせん きやうといへる ものも みやび たる あそび なれども かけもの なんど する ときは そのわざ はなはだ いやしく きこゆ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 今の世 にてはなきことなれどむかしは かゝるたぐひもありしか世に かけごとにて身をはたすもの そのためしすくなからず たゞびとですらかくのごとしまして しば六なんどをやなほそのものに むくひあることのちにいたりてくはしからん 「中ゟするほどに かぜもなほりて だいりへのでふねは ありとしら すれども とられ丁 かねを とりかへさず あすまでは 此まゝゆくは くちをし ければまづ けふまでは とて半月ばかりも とういうするうち 一冑両よのがねなり しものこり ずくなになりしろば こゝにはじめてしばいは ゆめのさめたるごとく にてこうくわいすれども せんすべなく今ばふところ うをければかのもよふし にもゆきがたく手をくみ かしらをうなだれて しあんにむねをくるし むるかほをおあやがさし のそき〽これいなァ しば六どのおまへはとうせん きやうとやらにきりかた まつて きちがひ どうぜん むしろ むすつと わたしが いつぞや からいろて いけんを してみても 女のしつた ことでは ないと しかり つけ ぜひ 同 西国奇記四 つき四百両 からあつた かねおまへは どうしてしま はんしたこれ から肥後 までゆかふ にもろよりが つくとも身に だくはへのなき おやこのものが おちつくさき にもこまると いふものごとう するしあんで ござんす ぞトいふに おもうも ことばを そんてなほ かにかくと かきくどかれ しば六ふとき いきをつき〽とうと いはれてさしあたり なければうごかれず たとへかしこへゆき ときはまづさしあたり 十一 111 よいふんべつもなけれども おあやそなたのいふ とほりかねがなければ うごきはとれぬこれ ばつかりはしば六が いつせうがいのおほ ふでかしふたりの手 やくしばしふたゝびしあんの ていなりしがふつと きがつきうちゑみて 〽コレよいくふうが うかんだぞトいふに まへもめんぼくないトさしうつむきつゝ ふたりはさしよつて 〽してそのくふうと おづしやるはトとひ なり〽此ほどよりの とうせんきやうに あまたのかねを うしなひしをおもふにし わしづかげきさいめが なりときくしかるにおれがひとり かへされて小ごゑに 手だてにのせられたるならん さすればいこんはかれにありきやつは とうしよにひさしくすむらうにん ものとはいひながらすこぶるかねもち むずこに名を爪五郎つねごとよばるゝは右下へし ヨリ十匁ヨ 一音光院 左ヱゟとしのごろは十七八 にてみやうるはしきわかしめ なるがかのもよふしのせき へもいで父のつかひにおり〳〵は こゝへもきたりしことあれば そちたちやたりもしり いらんわれかのものゝ やうすを見るに おりうにこゝろも ありげなれば とうせんきやうにて うしなびしかけも おぼかたとり かやう〳〵にたはからば □□□□□□□ られし られし いこんも たちまち はれぬべし ふたりが こゝろいかに ぞトいふに おあやはうな でもせずば なか〳〵に ろようのかね にもありへけ まいつきん 西匡正司 てもおりうのほね おりそなたはなんと おりうはにつこと わらひ〽ときの ようにははな をもそくと 世のたとへにも いふものを くちで男を つゝきそれにつけ おもやるぞトいはれて こねまはす のはしつけた ことゆへわけは ないよしや とられた四百両が まなでとりかへ されずとも ちつとゝそつとの ことにはならう ほかにしあんも ないことなら ないことなら なまぬる そうなあの わろしゆ 手だてに かけて見やしやん せトいふによろこぶ◑ ◑しば六がさらばあゝしてかうしてトそのわる だくみのしゆだんをばさゝやきかたらふおりも おりらうかのしようじおしあけて此屋の 今も今とてあなたの おうはさまづ〳〵これへト いひすてたつてゆく 下女がかほさしいだし 〽あのわしづかのわか だんながなにか御用の すじありとてたゞ今 おいでてござりますト あとよりかのつま 五郎はしづくと ゑもんつくろひ いりきたるを それと見るより しば六がうばさを すればかげとやら こりやよいところへ きたりしとおもへば いとゞゑましげに 〽これは〳〵つま五郎さま いざなはれ つま五郎は きにつきて 〽此ほどは かのもよふし にも四巻へ 四 三ノ巻ゟ いかゞなされしかとおあんじ まうしておりまするト なで〽われらも あのまゝねを ひいてはおくれを とりしと みなさまに おもはれんのも はづかしけれど しようばいようの かざなりて竪日 ぞくじのしげければ こゝろならずも おもはぬ闕席勘 そのうちようじも かたづかばこんどは いぜんのかたきうち 手がらをごらんに いれませうその かたきうちとまう ませばいつぞやの もよふしのとき あはすうちあなたと みばんうつた碁とを にんずのそろふをまち おいでがなきゆへにおやぢも いはれてしば六ひたいを 廿一ばんかつて二ばんの まけそのむねんさは 今にわすれぬけふは丁 さいわひようむきも □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ はや おほかたは はてたるに おりからあな たのおいで ゆへせん じつの口 百目打炎曰 なにぶん 一石せき あへず 〽イヤ十二われ らはまことの てなたはきゝ みじゆく ろちを とつ ときの 碁どにはあらねど このむみちゆへ おあい手はなん どきなりともいた さんがまづそれよりも さしかゝりぢとそこ もとへおりいつて もとへおりいつて おだのみまうに おたのみまうす ことありて つき也 二月二日同 かゝきけふはわざく まいりしなりにたづ さへきたりしかたな ばこをほとりちかくひき よせて〽おんにもかねてしらるゝ ならんわれらがおやぢは軍学がく 無法御わけてつるぎの相行を 見てそのよしあしをきだむること わがおやながらめうをえたればあすこし こゝよりかたなをつかはしその処相そう はんだんをたのまるゝことしばくなるが おんこも又釼相財を見らるゝよしをわが 父とおんものがたりありつるをいつぞや きゝしことのありしかるにこれなる はこにおさめしびとふりのたんとうは 泡雪残いといふめいをきざみて もつとも古代とはの佐さ なるよしとうしよのれう しゆのぢうやくにてなに がしとよばるゝひとより此ひと ふりのしらざやものを父のかたへ つかはして相談を見てとのたのみゆへ 父はこれをばはんだんなせしをかき つけにしたゝめつゝそれがしがぢさんして かのぢうやくのもとへゆきつるぎをもどせし はなしのついでにおんみのことをいひいで しにそのぢうやくのいはるゝにはげきさい どのゝはんだんにてつもぎのそうは 左ゟしなしがたし そのうちあづけ おかるゝならばいかにも のぞみにまかせんじ◑ ◑いふに よろこぶづま 五郎が〽たとへ 七日が十日たつとも くわしくはんだん あるならばたのみし ひともまんぞくならん なにぶんよろしく〳〵ト たのめばしば六又 うなづきて かたき うちを いひつゝも ごばんを とりよせ ゐなほれば つま五郎も すくみち ゆへいなとも いはず ごばんに むかひたがひ にせうぶを ※ よつるぎをちよ つとあらため に国 あら A女王子式 あきらかなれども なほよじんにも見する ならいよ〳〵もつて よからんかおやこのなか とはいひながらわけて こんいのそこもとゆへ ひそかに見せては くれまじきかと たのまるゝをば いなとも げきさいどのにはないぶんにて それなるひとに此けんそうを いはれずさてこそ これへはまいりしなれ一さ これへはまいりしなれ此 むねたのみいりたしトいふを うちきくしば六はむねに いちもろあることゆへつく〳〵きいてうち うなづき〽われはもみやこにありし日は ぶしのかづにもいりたるものおへ十ひは ぶしのかづにもいりたるものゆへけん そうのことはこゝろえあれども 一七日のその あいだしよう しんけつさい せしうへにて しんをすへちゝ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ つるぎを 見ねがまことの はんだん右へ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 西国年癸酉 わたして しまはせ おき つ 五郎に うちむかひ 〽おんこのたのみはしようち いたしたさて此うへはいつでやの介 なげ しば六 さん〳〵 まけし かば せき あがり たるていに もてなし 今の 二ばんは おとし ゆへ おもはぬ いしを とられが これといふ のもまけ たりとも はらの いたまぬ ことなれば ついうち かたに 身がいらぬ つきんし 廿二月吉丁 つゞき賭碁□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 此やうになか〳〵まけはせまじ きにトいはれてさすがは としわかのつま五郎ゆへ むづとして〽イヤかけごとは おもしろい見ごとおんみが するきならわれとて ひけをとるべきかきァ なになりとかけられ しば六はしすましたりと うちわらひ〽おん身は もとこれかねもちの むすこかぶにておは すればかねはさのみに ほしかるまじわれらが もしもまけたらば かけがへもなきむすめ ながらおりうを おんみにまいらす べしトいへばこなたも うちわらひ〽これは したりしば六どの たはふれごとでは おもしろからず かけごとあらば ほんとうに 〽イヤ〳〵われらも よしのりぢになるを とうせん きやうには ひきかへて 碁ごにかゝり てはしば六かもと より 廿元たる わざ なるを ふかき たくみの あるゆへに これまで ほどよく あしらひ たれど かけとなり てはつま五郎の およぶべき うつ石ごとに すくめられ おほよそ二三十 おほよそ三十 もくのつひには まけとなりしかば つま五郎は あをくなり よしなきことを いかでかかれに したりしとくやめと 今はせんすべ なきを しば六は 見てうち わらひ いつはりごとはけつしてまうさぬ おんみのかちときまつたち むすめはおんみの こゝろのまゝその ときいなはまうす まじトちつぱに いはれてつま五郎は かねてこゝろをかけ たるおりう此おやぢ むすめを 手にいれなば こひとよくとの ふたみちにしあんを しつゝうちうなづき 〽おんみがいよ〳〵そのき ならわれらはこゝに 此かねをかけては いかゞしうちわらへば 〽それはこちらの このむところさらば だいじのひとかつせんト 又もやたがひにうち はじむるに めをうちまかししゆびよく よいなぐさみがなるべしと 三十両わづかなれども とうぶんなりともものいらずに いぜんはやしいつたんかうといひだしたの 百一百二十貫目 柴 } 〽おもひ がけ なき 三十両 たゞ此 まゝでも すまされ おあや さかな □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ●麦青汁 をいひ つけ て 酒だく トいそ がせば かねてよう いをなせしと おぼし がせば おあやは おりうと もろともに くさ〳〵のとりさかなに 酒あたゝめてさし いたすをつま五郎も のむくちゆへまけばら いやすおほさかづきはや ほろゑひになるほどにつきへ 同 「ヱリト記「 つゝきしば六はなほきやうにいりやど屋でかりたる さみせんをおりうにひかぜつうたは七つその身も だみごゑはりあげててうしはづれの義太夫 ぶしざれうたなんどうたひつゝひきかけ〳〵のむ ほどにしたかもまはらずゑひつぶれはては いびきとなりにけりおあやはあたりをとりかた つけゑひたをれたるしば六によぎをうちきせ などすればつま五郎も 同弐 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ はやいとまを ありざまをおりうはなほも かへんとそのひきとゞめ〽あのとゞめ〽あのとゞめ〽あのとゝさんはねて しまふあなたがおくり しまふあなたがおかへり あそばすとあとが まことにさびしう なる夜はまだ あざし◑ □□□□□□□ ◑今しばしとひかる そでをつま五郎は さすがにふりもすて がたくせ もてなしぶりにくんで さしだすちやのはなも さにもどれば むすめは なにがな こゝろよはゝも 図21 こぼるゝ ばかりのあい きやうを見るにつけへ てもおもふやうさい ぜんの碁どにま ヱかつ ならば かれを手 いけのはな にしてたのしむ べきにさり とてはくやしき ことをしたり しとわれはら ふむねをくるしめしが〽下へ ヨリ十疋ヨ 一上ゟなをさりげなきていにもてなしうき世 ばなしのうそ八百もかりうがこゝろに かなふやうなることをもうけていひいづれば おあやもともにさしよつてしばし かたらふそのうちにおあやはじぶんを 見すまして〽くらいあはりト身を おこしかたへにありあふあんどんを かきたてるやうにしてそうの ぶりにて ゆりこめば あかりは きへて しん やう 〽これはいけ ないことを した又 つけるのも 一つけるのも わたしは めんどう のめぬお酒に よふたやら しきりにぬむふなつてきたそなた あかりをつけるとも又つけぬとも かつ手にしてつま五郎さまのざきげんに そむかぬやうにおあいてしや。あなた そむつけやうにおおいて おゆるしなされませねむい〳〵ト いひすててこなたにふしたるしば六の すそへはいりてねたりしがくらやみ なれば見へわかずあとにふたりは さしむきもすいなおあやがはか らひにこひのかけはしわたされて ゆるしのいろのわかいどしいかなる ことをかかだらひけんそれより のちはおともせずあかつぎぢかく 立かへり ゆくつま 五郎を 〽□又にわぐち にてなにやらん しばしさゝやくてい なりしがゑみを ねまき すがたで 見おくる おりう ふくみてわかれける かゝりしのちもつま五郎はそのうつりがの わすられねばなにとぞ一ばん碁どにかちて かれをわが手にいるべしとぞれより しば〳〵かしこにいたりしきりにかけごを うつといへどもいちどもうちをとることを えずそれのみならでしば六に酒をのま せてゑひつぶさむねばおりうとしのび あひがたければ酒さかなさへたづさへ ゆくにぞわづかのうちにつま五郎はづきへし 巳 西国吾訓曰 つきあまたのかねを うしなひしかどおもうに 「左ゟまことに うへなきしゆび あふをたのしみに うつゝをぬかしてかよひ しかばかの紐相そうを おあやは かねて たのみしことはうちわすれ とくしん なれば今より つゝゐたりしにかのぢうやくのかた よりしていつぞやたのみしつるぎかしこへおもむきて よりじていつぞやたのみしつるぎかしこへおもむきて おにのるすなる はとさいそくありしにこゝろづきおにのるすなる せんたくにおもひ すぐさましたくをとゝのへてせんたくにおもひ しば六かたへゆかんとぜしその まんとしあんをしつゝ をちうにてゆきあひしかばまんとしあんをいく つま五郎はこゑをかけそのあしにてれいの 〽これは〳〵しば六とのいづれをりよしゆくへいたるにぞ さしてゆるゝやらつねにかはりしおやうはもとより右あや 身かるのいでたちほつそくにては よもあるまいとちうでまうすは〽けふはおりからしば六どのが いかゞなれどもいつでや出たのみさりがたきようありてと まうせしつるぎそのもちぬし よりさいそくをうけたるゆへにとりあへず おんみのりよしゆくへおもむく ところはやけんそうのはん だんはいたされたるから りよしゆくへいたるにぞ とひかくるを しば六はきゝつゝ うちわらひ 〽いつぞやも まうせしごとく 此方 一七日のその あいだしやうじん まい けいさいなさゞれば 見さだめがたき あのけんそうしかるを あの あの 此ほどうちつゞき ちやうふまで おんみのじさん ゆかれしゆへおなご の酒さかなで ばかりでさびしきまゝあなたの まい夜〳〵のさかもりゆへ もとへおむかひのひとをださんと しやうじんすべきいとまもなしされば かくまでゑんにんせしもわれらひとりのなされましたトおあやがく おこたりならずつみはおんみとごぶく いへばおりうもまた なるをそのもちぬしへはよきやうに ともによろこぶありさまし まづいひのばしておき給へわれはにはかに につま五郎もうちゑみて したところようまアおいで ようむきありて今より長府御やうへ 〽われいも おもむけばこよびはかしこにいつしゆく いたしおそくともあすの夜はかならずかへるつもり なればもどるとすぐさましやうじんしてとほ からぬうちつるぎのそうをくわしくはんだん いたすべしトいはれて見ればおのれもまた ともに酒うちのみたりしあやまりあればおても いはれず〽さらばなにぶんよろしくトいひつゝ たがひにわかれしがつま五郎ははらのうち にてひとりつく〳〵おもふやうわれかのおりうと しのびあひわりなきなかとはなりしかども ぬすみものゝかなしさはわづかにおもひをはらす のみとけてあふ夜もあらざりしにしば六めがちやう ふへいたりあすの夜ならではかへらじといひしは右へし 百目午炎日 今がたしば六 どのにとち でおめに かゝつた ゆへおるす 見まいは おもて むきその したごゝろは あたまの おりうざん つかへぬ あそび をば したい ばかりで でかけ きた □□□□□□□ いつもの やうに たのみます トにばん 三まいさし つきへ 西国部記 つゞき〽これではあまりすき まするトいふをごなたはきゝ あへず〽ハテあまつたら そのまゝにおまへにあづけて おきませうとにもかく にもよいやうにトいふに いよ〳〵よろこびつゝおやこが よつて手のうへにのせぬ 夜もはやふくるまでこゝろをゆるして のみたるにやつま五郎もいたくゑひて せきにもたへず見へしかはおあやは れいのきをきかしはづしてそのみの ふしどにいるにぞこよひばかりは はゞがりのせきだにあらぬひとつ よぎしたひもさへもうち ばかりのもてなじぶりに日もくれ とけてどもにまくらに 朝 二包百銅 百銅 牛肉丸 十一年牛肉九 鮮 第一ひいを補ひ じんせいをます 妙薬なればきよ じやくの人つねに用て 今つきけるがゑひたるひとのくせなればいつのほどにかまど ろみてせんごもしらぬまよなかごろ立かへりたるしば六が かねてはかりしことなればたてたるびやうぶをけひらきて 〽此どろほうめがうごくなしよばゝるこゑにつま五郎 おりうもともにはねおきしがめんぼくなきにやさし うづむきあはずおもてもあらざりけり よし 對属 下谷さみせんぼり 染崎氏製 爲永春水補綴梅蝶楼國貞画 屋敷 十二 〇此だんいまだながけれ どもわいのてうすう かぎりあれば 又第五へんの はじめに あらはし 当年の 内にそう いなく ふなら たし江か 久 戍 年 新 録 十五編 十六編 根源實紫 十七編 柳亭種彦作 一寿斎国貞画 五編同作 娘庭訓金鶏 大尾同画 おくみ 琴聲美人録 十七編山東京山作 十八扁柳亭種彦作 一ノ総歌川國貞画 総次郎 十九編三十九編 初編柳亭種彦作 花兄弟陸奥名所 二編歌川國貞画 十三編 十四編 新増補西國竒談 為永春水作 歌川國貞画 十五編 芝神明前 地本繪草紙團扇問屋 三嶌一 同輯佐野屋喜兵衛板 一〇〇 大阪 廿一日 狩酒 一板元春鶴堂 こくきだん 同断廿二日 監督 春水補綴国貞画図 為永春水綴 喜雀堂梓 介題曲五郎五 新増補 西国奇談 五編 上之巻 春水作 喜鶴堂 国貞画 寿梓 扇の的のおもむきを摸して 下の文中の一助とす □□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 安政 十一 西海道十一箇州は。 總て海岸ならぬは稀なり。余ば名所 旧跡も。多くは海辺なるものから今這に 西国奇談を綴るに。強に勝地をもとめ。 その名所には寄らねども。文中自と海に □□□□□□□□□□□□□ 臨めば。画も随つて水辺の赴きにのみ押 うつるは。愚案の及ばぬ故ながら。 硯の海も浪立までに。 世話しき机に 一丁おいて次へ 那須与市 宗高 百目号帳写 宗重の側妾 虚井 むねしげそばめ 宗重の嬖妾 朧風 西国竒談五 □□□ 弐拾弐軒 那須 次郎 宗 前後二員の肖像は 次編の腹稿を図す 素崎 妙意軒 一丁おいて前ゟ 一採る筆の。拙き作も水に せで。尚高覧を給はらば。 其夕時を外さじと、 書房も発市を 急がんのみ。 戊午早春 爲永 春水記万 (22 皮 百目打幾五 同月廿三日 一四編のつぎそのとき しば六手にさげしちやう 一ちんの火をつま五郎の かほにさしつけきつと見て 〽さてこそちがはぬつき五郎 此ほどよりしてうぬがそぶりがてん かへつてやうすをうかゞへばあんに たかはずひとつよぎふたつまくらで ぬく〳〵とひとのだいじなかゝり むすめをなぐさみものにせられ ては此しば六のおとこがたゝぬ むすめをぬすんだおほどろぼう ぶちころしてもたゝりはこぬうぬ どうするか見てうせうトゑりがみ とつてひきすへつゝさゞいのごとき こぶしをかためすでにうたんと するところをびやうぶのかげより うかぶおあや〽アレまア まつてトはしりいでおつとの かひなにとりすがるを つきはなしつゝにらまへて 〽おあやうぬにもいひぶんある ひとつところにねてありながら といつがむすめとちゝくりあふを しらぬことはよもあるまい さすればおのればとりもちでげんざい ゆかずとおもひしゆへ長府ちやうへゆくと いひこしらへとちうにおいて日をくらし 「左ゟそれにつけてもおいとしいは はゝさんの あのごなんぎ すくふ手だてが あるならば おまへもとも〴〵 わびいふてたすけて あげてくださんせ。 一シのうくトとり ついてくどきたて たるそらなみだ みなこれしくんだ きやうげんとも こゝろつかざる つま五郎は 身のあやまりに さしうつ 〆むき かへす ことばも なかりしが おあやの なんぎも われゆへと おもへば それも きのどく なるに そうしたやつこともしらず してつれそつたのは おれが あやまり あいそが やるさァたつた今 つきたひまを わが子にいたづらをおしへたもおなじこと でてうせうら たちげにはたと けたをせば〽そりや あんまりなら とりつくを〽ヱヽ うぢ〳〵となに ぬかすきり〳〵 ぬかすきり〳〵 ゆかずばいたいめを させてやるぞト ふみたをし 又ふみにじる こなたには おりうがあはやと さしよりて 〽これへのう つま五郎さん みんなわたしの いたづらゆんと おもへばむりは さら〳〵なけれど右へし 一三月廿七日 下ゟそのうへわがいへげぎさいは 〽ものがたい目ごろかきしづ 同三一一一二 もし此ことが 手まへも みゝにいらば兄の すみ がたし おんみの おかほの たつやうに とにもかく にもなすべき ほどにこよひのことは そばからおりうに なきたてられ せんすべなさに かたちを あらため 〽アヽめんぼくないしとは どのごそくぢよを そゝのかしかうした ことになつたのを 見つけられてはひと むきにおはらのたまも むりならねど まつたくもつて おあやどのゝとり もたれたといふ でもなくわれら とてもおむすめ ごをついかり そめのたはふれに そめのたぶれに なぐさみものに いたしたとまうす わけではけつして ないそれに今 ないそれに今 さらおあやどのを りべつされては われらが われらが すまず 此ばぎりことないぶんになし 給はゞごおんはしすともつきへ 中へ 四 西匡音識王 つきわするまし ひらに〳〵じ手を あはせおづみつ わびつかき おもひ 〽ひとの むすめを ごないぶんとは ながらも くどけばしすま たりとこゝろには あざわらひ ぬすみながら なんのたはと もつともとうぎの なぐさみでないと いつたがまだしも きゝどこさすれば おりうを女房 にさだめて せらるゝ こゝろであらう もとよりかれは かりむすめ うぬらがやうな すらうにんに くれてやるべき こゝろはなけれど 十五 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 上ゟ これちの よしを げきさいにも わたりを つけたそのうへで きつとしらちを つけねばならぬ ひたいをしば〳〵おしなでて へんとうしやれトきめ おもてだめおんみのもとよりわづ 父へおかけあひにも つけられそれはしばかりとうわくの〳〵 したのねのかはかぬうちに 女房にまうしうけては 中ゟおむすめごをばまうしうけんといふ ともなか〳〵ゆるすまじさればとて おんみのもとよりわが 父へおかけあひにも およびなばわれらが 身ぶんはなほたゝずト うぢ〳〵いへばまなこを いからし〽今のことはに おりうをはついかり そめのなぐさみに いたしたわけではけつて ないとりつぱにいつた 父のてまへ すまぬとは そりやなに ごとさすれば くちでは なぐさみ ものにせぬと いへども したも どうぜん うぬが やうな わからぬ やつに 〽どもつともともおどうりとも あのおりうめがし にしよぞんゆへ いといへ 身をきず ものにせられ てはほかへよめいり どても かなはず おもへども すづぱりと そのかはり 今五百両 われらに むすめもくれて やりこよひの こともないぶんに すませとならば すめもせんそれが ならずはおもて つゝしのびきて ふしやうには のぞみとあらば やりもしやう□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ したくきんと 名をつけて わたせしからば ぎたるすとしり むすめを手ごめに なぐさまれた中へ まうそうやうはあらねどもすでに ときにもいふごとく又けきさいは日ごろ よりものがたいかまれつきこよひの ごときふしまつゆへ五百両のかね だて右へ くちをすくして百まん だらいつたところがやく にはたゝぬおやぢの まへにひいてゆき しらちをつける さつくうせうトゑり がみつかんでひき たつればふるへ わなゝくつま五郎が しば六の手にとり すがりアレまア しばしまつてたべ 此身からせしことなれば 今さらぜひもなきこと ながらなんぶんおやぢに きかせてはそのはらだちは いかばかり此うへのおじひ にはたゞなにごともないぶんに ことをおさめてくださらば このゝちはおりうどのゝことは ふづつりとおもひたへことばも かはすまじければその手きれ とかいふやうなわけにて すまばわたくしの身のかは までをはいでなりとも どうかおかほのたつやうに しやうもやうもござり ませうたゞなにごともつきへ 西国午後五 三月廿一日 つゝきないぶんのごかんべんのおとり はからひひとへにたのみいりまするト ひたいをたゝみにすりつけてなみだに むせぶ男なきこまりはてたるあり さまをしば六は見てことばをやはらげ 〽なか〳〵もつてないぶんなどにて すますべきことならねどもほへづらへ かはくがせうしなゆへ此のち いかなるわけありとも むすめにゆびでもさゝじと ならおほまけにして 三百両手きれの かねを今わたせ さすればこよひの ふしだちもゆるし にくいが ゆるして やらう 〽そんなら 手ぎれに 三百両ト きもを らぶすをおしかへし 〽ハアびつくりする ごとはないむすめを そつちへやりきれば 五百両トいふところを きぞものながらむ 二十一日 一の舂ゟ三百両 父にかくしてさいかへは いとむづかしきこと ながら身からな たることなればない ぶんにだにおこまらば 十五日 こゝろいつぱい はたらいてさしあげ まするでござり ませうとはいへ 今どまかしてはじ いふにしば六 うなづきて〽そのもちあはせがないとなら こよひのところはのばそうがさりとて ながくはまつてやられぬあすいつぱいに さいかくして日のくれぬうち三百両みゝを そろへてもつてこいそのごにおよんで日のべ ときのべちつともきかぬかてんかトいふを うちきくつま五郎は よみがへりたるこゝちし してよろこびをのべわかれを づけあすをちぎりてかへりしが さてつぎの日のゆふぐれに つま五郎はおづ〳〵といりきたり いゝ□をもみて〽よんべおんみの いはるゝみかゝにけふはいちにち あちごちとしるべのかたを かけめぐりさまぐさいかく口 したれども まだなまわかき われちゆへけり 両国寺横五丁 幸二 おもつて 見たち たかくも 此ほうへ ひきとる かはりに二百両 まけたつもりで◑ ●三百両 だいじなむすめを 手ごめにして きずをつけたる そんかやうと まれてせんがた あるまい それが ちやなら げき さいの どうするト 〽まへにつれ ゆきわけ たてるさァ 手づめのせつぱ こなたはそれは下 とうわくの かしらをたれて やしばしひとり しあんのていなりしが どうだ〳〵トせが なさにかほを あげ〽われらは 一今なほへ屋 ずみのかねの たくはへとても あらぬに かりそめ ならぬ 二の女が 浅草新田町八丁 同様御手代 けひ人あや ぶみて うけつけず おもふ ほどには のはねご じづに くるしい おもひ をして いゝかし こしめへ ほどには たりいはれし たらねども これを 手きれと おもはれて たゞなにことも さたなしに おざめて たまはる やう此うへ ながら つきん あああぶささめとううだけよよこそあつまさやよみのあをひくかどか? 西国竒談五 ないのそともにたゝづみて野かうが わたせしいぜんのふみをくりかへしの 見つひとりごと〽此哥のやうすで 二世とちぎりしことのはを今さら ほさにしもふて手ぎれの かねとはきこへぬとわれに うらみをのべたるさきへ これといふのもとゝさんが あまりむたいななされ かたおはちの かけあはんトいひじらけにしてかへりける 〽つゝき手ばやくとりおさめ〽あすまたまいりて あかりにつま五郎かのしば六がりよしゆくなる まへのゑときしその日もくれて君よやちかき月を たつも □□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ むりならねを わたしにおいてはかみ かけてあいるこゝろは さら〳〵ゑいたとも 手ぎれはわたされても □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ゆくすゑまでも見すてじと おもふてくださるおこゝろなら 〽なしおんみにかゝはるだいじゆへ あのあはゆきのひとふりは ともかくもしてぬすみ だし此二かいから だし此二かいかち へいこしにきつとおまへにお手 せたし手はづはかう〳〵しか〳〵とお 下くはし〳〵かいた此たまづさ われこれまではしば六おやとが いひあはせてのこんたんにて右へし 両国新談江 たゟふかいところへはめられよさは さるかとさま〴〵におもひまどふて ゐたりしがおりうにいつわりなきことは ぶんていできらりとよめたかれがおし しんていならもらひとりて女房に イヤ〳〵それもいへの 手まへ入うすと ともあれいり がたしなには ようのあの あはゆき上手に あはゆきを手に いれてあとの しあんは又その うへそうじや〳〵ト むねにとひ むねにこたへて うちうなづき □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ かねて手はづれ せしことゆへ 小石をつかんで うちつくる あいづのつぶての とゞきてや二かいのしようじをおし あけておりうはぞつとたちいづるも あたりうがふぬきあしさしあし うへしたかほを見あはせて〽まゝ つまさんか〽おりうさんじてやく そくのひとふりば いふこゑだかしと おしとゞめたづ さへきたりしかたな ばこにしござを ほどいてむすび つけ二かいよりして へのこしに ◑和ろすを 手ばやくうけ とるつま五郎 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ くり 〽なんにもいはぬ かたしけないじ いふまも人にや 一みつけられん はやくすがたを かくしてよ下 手まねで それとしら すれば こなたも手 まねによろ こびのこれを のべつたち わかれゆえし 正国言訓五 もちぬしへかへさんものとその まゝにれうしゆの屋かたへ いそぐおりしもむかふより くるひとりのさむらひ ゆきちがひさまつまし 五郎があやしきていに めをつくれば つゝぎし又もやさはりのなきうちに此ひとふりを すねにきす もつおりから 一ゆへかほ見られを そでびやう出身を そおけつゝはやあしに とほりすぎんとするところを 〽くせものまてとゑかけて 小わきにかくしかたなばこの はしに手をかけひきもどされ あなやトばかりふりはなし ゆかんとするをうごかさず ふたゝびこゑをふりたてて 〽ヤアおろかものゝつま五郎 いかにうろたへたればとて 父のこゑをもわすれしか げきさいなるはトいひつゝも かぶりしかさをぬどすつれば あはてふためきつま五郎も ほうかぶりせし手ぬぐひをかな ぐりすてづゝひざまづき〽こは父うへ 中ゟおもはぬぶれいをいたせしだんまつぴら 〽ごめんくだきれよトいふにげききいうなづき 〽そのまたつるぎをとりかへすになにてあつて 二百両のかねをなんじはつかひしでトいはれてはやと むねにくぎいらへかねつゝさしうつむくをゑりがみ つかんでそのまゝにひざにひきつけめをいるらし 〽コレしるまいとおもひ出るかひほも よりしてなんぢがそぶりさなが ものゝつきたるごとくたゞ そば〳〵とばかりしてうち にはしりのおちづかず よがらぬとのに さそはれて もしいなりまちの うかれめなんどに うよひそめしにあら ざるかとおもひ ながらゆとひ たゞすべきおもの 人にたのまれて此 うちゑみて〽われらは ひとふりのけん そうをかのしばいに たの葉ことまち がひてゆき あらねばうちすて おきしによんべも 夜ふけてたち かへりふしどにいりし ていなるがけさ はやくよりおき いでてあさいび さへもろくにはくはめて つねにかはりしかにいろ } にてましませしかこゝろせくまゝ おもはぬそこつそれにつきても あおたにはおともくつれずたゞ おひとりことに衣みちをいづかたへト とはれてげきよいあぎ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ たづれるよりがごそのか そちいて平わりかし おりてほう かくせるはいはなにもしさいの あるふやらんそも〳〵いづれへ まいるのぞト とひかへされや うちさはぐ むねを しづめつ 一一一一、一一一一一一一二 とゞかずよつてたゞ かへしもちぬしかたへさんと 夜みちを □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ いそぎ父 うへに にてものな おもへるてい たちくこゝろえ がたしとめをつけに さいぜんかは庭へいかたる 右下へ ひまにいづくは少きしかなんぢが おらずしばしはすてくおき たりしがかてんのゆかぬことのみ なればもしわがはながみ ぶくろなるかねなどとりはいだ さぬかとこゝろづきつゝあら ため見るにかねいれには 手もつかざれどつねに いれおく印法ふん あらねばもしや わがみがまちがへて ほかへやいれしとよう だんすのひきだし だんすのひき ごとにあらた むれどさがせど さらにたづね あたらず こゝにはじへ めてしあんを なすにけさ よりなんぢが かほのいろつやこれはてつきり かにのいろいやともをふきり さしかゝる手づめのかねにつきへし 百目十七日 正月十一日 〽つゝさしづまりわがいんぎやうを ぬすみだしかねさいかくにゆきつらんと こゝろづきてはすてもおかれず すくさましたくをとらへて つね〴〵かねのとりむき するさぎからさきを あちこちとたづぬる うちに日はくれつそこか こくかとおもへる かたにはなんちが ちたりしていも あらねばたづね わびつゝかへりがけ おもはず凍田民検校勘がひとりの ともに琵琶山をもたせてあゆみ きたるに ゆきあびしに かのけんぎやうが いへるやう今がた しんみのつかひ 見へられていろ〳〵と かたのみゆへ いはるゝとぼり 二百両ようだつては しんぜたがそこもとの ごしんだいでわれらの かねをかりちるくはし とてつま五郎どのゝ 「中ゟ」人にしられたげきさいどのよもまちがひはある あちらとちらのかしつけでごくいそがしいかねなればいつて はたらいてでおそくにうけはん出させもしてしんまたに 一今さらしらぬと いばれては此けん ぎやうのあごが ひあがるおんこはこも あれごしそくとかた ことばをかはしたうへ しやうもんとつてかした かねそつちにいへんがある ときはでるとこへもちだし てもきつとしらちを ねばならぬどうで あるじめくら のいづてつかさに かろてのしり さはくをおしづら つゝうなづきてもと よりしらぬことながら かやう〳〵のわけありて わがいんぎやうを ぬすみだしせがれが ゆきがたしれ ざればみづかりたづね もとむるおりからさては おんみをたばかりてかね二百両かりうけしか なにはともあれつま五郎をとくと きうめいなしたるうへわけだにたゝは よく〳〵なにかさし かくたおいりより でもあつてから いふにさてばとうちへ おどろきおもひも此 よらぬそのおことば おんみにかねをからんとて せがれをつかひにやらねども われらにおいてはつゆいさゝかへ ながらでは はなしも ならぬ まづ こなたへト いひつゝも あたりの ちや見せへ おもひあはすることもありたち ●われいが つかひに まいりしと いはるゝことばも もだしがたく ほうのひとなら かりぬしにめんだん □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ おしたるそのうへで たしかなうけにんあち ざればかすべきやうも あらねども□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ともなひてことのやうすをたづぬればかの けんぎやうはむきみのごとくつぶれし まなこを見ひらきてこれはかはつたごあいざり わけは太らねとごしそくがさいぜんわざ〳〵し まいられてさしかゝつてのかねのいり女房 ようありがねはみなかしつけて手もとがちつと ものがうゆへすこしのうちのくりあひにできることなら かね二ほんようだつてもらひたいもつともしやぢが じま〳〵にまいつておたのみまうすのなれどおりから やどにきやもありかねをつそげばゑかだいながらね 女房 百目布炎正 四 四 じひそれをそうともおも 亭主 そのかねはわれらがへんさいなすべ ければまづそれまでは かならずしも人にさたば しもふなとくちをとめて わかれしはにくいやつとはおもへ どもわが子をかばふおやの はばしてわがいん ぎやうをぬすみ 〽ざしかねをかたりしのこ ならずおやの かほまでどろを ぬるたとへやう なき不孝もの おやをかたつた 二百両なんに づかつたそれ ぬかせごぎ まはしつ せめとは るく又の いかりに ものがたり瓦きれの つま五郎も 今はつゝむに つゝまれず かやう〳〵しがだ はじめおはりを かねの三百両一つきん 正月辛書三冊 べきしとゝのへんにもちからおよばずくるしい まゝのできごゝろあのいんぎようを ぬすみだしかね二百両こくらへて 百両まけよとしばのに 百両まけよとしばのに なげきついてもきらいれず いはれてわづかにかしらをもたげ〽おり ひそつにわたすときはやくすがさを くせとせ手まねでそれとね 一二十一 いはれてわづかにかしらをもたげ〽おやうがあのふるだぬきにばかされしな いふてかへらぬことながらはしめからして しか〴〵とわれにうちあけかたらはゞ しかねもとられずつぎをも こうしたかねもりは千まじ しきにおもへばむねん そのあとがねのできるまで いつでやあづけしあはゆきの此 ひとふりをしちとしてとりおかんと いにあこぎものもうこれまでと かくざをさだめうつてすてんとしたりしを おやうがしかしう〴〵はからひて此つるぎをば 〽見すみだしわたせしゆへにとりあへず 雁かたへいそぐとちうにて はからずあなたに 一 ○しらせしゆへなかあらたむるひまで とてもトはんぶんいはせずねめ つけて〽いはふやうなきおろか おりうがしか〴〵はからひて此つるぎをばつけて〽らはふやうなきなきなろが ものむすめがうはべの そらなさけをはなげ のばしてまことゝ 同十二十一日 見とがめられめんぼくも おもひだいな つるぎをあらためも なき身のあやまりかりたる 金はわたくしが身をこにせでうけとるといふことやはある見よくそれも してもかべします案ぶん此ばば おみのがしひとへにおねづひ〳〵ト身をつかざるからしがりつけられつけられ ひれふしてわぶるにぞしじうをきいて 五郎がもしやとおもへば かたなばこのふたをおしあけ けきさいはいこんのまなじりさかだつまでに ぬきはなしつく〳〵見れば そがみをなしつにらまへてきてはいつぞやとうせんぬきはな はがみをなしつにらまへて まへてきてはいつぞやとうせんぬきはなじつく〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵 きやうにてもだてにこはいかにおがさもそうもにつかはしゆへかぜをくらつてにけ かけしをとりむくはんとけれどまつひもなきにせものゆへうせしかいづくまでもト せがれをわなにかけつるさてはおれがなれあれあまくまでおやといながこな 國貞画 よなともしらずしこうなくとふかくをとらせしかとはじめてゆめのばをばををじておひ そのゆるぎをうけとるときあらざるにぞいよ〳〵せぎたつ なかあらためて見たりしから 春水作 くちをしいあとのまいり しにおればとて此まゝ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ がたししば六おやこに めんだんてくちで ゆかずばかたなづく せがれうせうトひき づれてはれがりよしゆくに おもむきつゝあひたきむねを いひいるればやご屋のあるじは かないのものとともにひとしく ことばをそろへ〽しば六さまには たつた今だいりのうらへわたる とて此屋をおたちなされしト きくにますくうちおどろき 〽さてはひとあしおそかりし ゆへかせをくらつてにけ うせしかいづくまでもト おやと子がふな ばをさしておひ ゆきける たくみにいうつけものして ○下の巻へつぐ あらざるにぞいよ〳〵せきたつ めが□ なかあらためて見たりしから 西国 奇談 春水補綴 十三編は阿綾爪五郎と姦通して賭に夫に再會の一段阿竜殺生右を 一祈りて身に妖術を獲るの奇誠お竜太郎を手につけんと色に 縡よせ言寄て反て耻しめらるより渠を罪せんと計るの一端十四編は 一偽龍太郎の故により真の龍太郎が二の町と不義せしていに言なさ 終に配流せらるゝの赴き並に節之助が忠心義膽干五編」は嶋守荒 大夫が龍太郎を苦しめんとするより笠屋浪子の二個の蜑が窃に龍太郎 をいたはる一段つゞいて浪子を荒太夫が強奪なすの物語など最巧みなる 国貞画 條あれど白地には爰に記さず干は出板の時にぞ知られん 根源実紫新刻概略作者柳亭種彦画ユ同前 「十五編〗筑紫なる穴人の買し宝笛香炉偸て宣孝に托す野洲呪詛然されて紫 式部寛を受「十六編」式神寿徂秩手等が隠謀を露はし櫛彦自截て声 が汚名全霊まり黒白判然兇悪皆戮せらるつぎて少将が貞節惟規北国 にて死して又蘓馬十七編大貮三位生れ宣孝病死花山法皇の御伝大かた 此編にて全借り式部源氏物語を作り上東門院に奉公十八編以下は追て記すべし 一〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇 歌川国貞畫 西国奇談 五編下 の巻 代 春水 国貞 国貞画 喜鶴堂 寿梓 卅一 ○さればまたしば六はかねて はかりしこと なれば ひるの うちより したくを とゝのへ その夜 しゆくをたち いでて小ぶねいつ そうかりぎりつゝ おやこみへ 〽フイ〳〵トこゑ かけてはしり きたりしひとりの たびだとも のりて こぎ いた も〽コレせんどうどの〳〵 させんと われらはたびのいしや いつ なるがわたりに ふねをもとむるもの大里だいへ わたすふねならばびんせんさせ てはくれまいろトいふ成せんどう てはくれまいかトいふをせんどう きゝあへず〽わしらもさつてになることゆへすいぶん のせてもしんぜたいがこれはだんなのかりきりゆへ わしがまゝにもなりにくいトいふをしば六きゝつけて 〽イヤヤさたびのおいしやとやらわれらもさきをいそぐ からだかれこれのもんどうにひまがいつてはめいわくする わづかなれどもにもつがあつてふねのうちがせまけれど吹へ 百目十一日 西国吉言三 ゐてもよいなちのらつ しやいトいはれてよろこぶ くだんのいしやが〽イヤ もうへさきはおろかな こといたごのしたでも だいじないなにぶん おねがひまうします いひちゝふねに うちのればともに よろこぶせんどうが かひをあやつりろを やしていた おしてふねをいだすに 此夜は月もよく はれてうみの おもてもおだやり なるにびんぜん たのみしかのいしやは 〽つきへさきのほうへちいきくなつて へさきをまくらに なしづゝもたびの つかれにすや〳〵と 十九月 はやねむりたるてい 見まはしてひそうにつまで 子にさゝやくやう 〽われすぎし ころげきさい なるにてしば六あたりを めが手くだに かゝりてとられし かねをとりかへ さんとおもふめへそち あのつま 五郎を たらし こみ しゆび たちといひあはせ よくね ぎれのかねと までしくんだ とほりにいつ たれどいへぞや かれがあづけ おきたる かいあぬきの ひとふりは 世にもまれなる やきばかないろ あいてをしらびて うるときは五百両 にはすても なるしなどうか あいつをもに いれんと百両たらぬ あとがねのとうざの しちにと下へ 園 いひこし らへしに 〽おろもの でもつま 五郎もち ぬしかたへすまず とてわれに はむかふていたら〳〵 ことあらだてみは めうならねば それでゆか ずば又これと かねて はかりて おきたる とく 出りかに ふみを おくらせ ぬすんだ たていにて かにせもの を まんまと わたせ おりうが してなし そのまゝに ことゝ 〽おもへば つま五郎が こゝろを やるして あらためも せでとりからし かれがあほうが こつちのしあはせ されども此こと あらはれなば 〽きへ 右同和 国綱幽 西匡吉諸五 こよひにはかにりよしゆくを たちいでしりに ほかけて此うみを むかふへわたればあと ばちやめぬこれから つきしきやつめはとるにたらねども見げきざいは なか〳〵さるものあいてになつてはめんどうと いでへおのむくにも ろようのかねもたくさん ありそのかへに此あはゆきを あいてを見つけてうり つけるかさなくは とりいるか わろからぬ だん〳〵まんが なほつて いづれにても これをゑばねて あの房重周時に ひたいを あはせし こそく ば なしに おあやは さら なり おやう さへよろ こびつま うちゑと門 なほやく さきを かさ らふ なりしも 今まで きも はれ わたりし なかぞら にはかに かきくもりすみな ながすがごとく なるにぞ一てはや はやてがふき いだすぞと ふなこはいろを うしるひて こぎもどさんと するまもなく ときかぜさつと ふきいだしたち まちあらなみ さかだちきたかて 下へ ヨー二七三 上ゟふねをゆりあげ ゆりさぐればかひも あなやといふまも あらばこそ又 とゞかずろもきかず くるなみに あびせ られ られ そのふね たち まち くつがへれば しば六ふうふも かのいしやも ふなこも いかでかのがる べきひとしく 〽なみにまき こまれせうしも しれず なりに けり それが なか にも おりう ひよは こゝろ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ きゝ もの なれば へふりを かの あは ゆきの ひそ 手ばや とつてこしにさし ありあふいたごを かきいだきて はやくもかくごを したるゆへひと たびはしづみしが たちまちに又 たちまちに又 うきあがり さしもにあらき たかなみなれど おさなきころ よりうみべに そだちならふ ともなく すゐれんは 女ながらも じりたるに つきへ 西匡奇詞五 「きますあらこちをひきまくやさくそうきませんとやらやすぎなりならなるようにしますという 当月十六日 王臣吉言三 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ときはげんじ まつだい ゆみ矢の 両たん かけて はかりし をころ ちじよくと なすの 与市 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 同同千代表店 たかゞ はやも その きを すいし 女子 つねに なり かはり こまの ろしらを ひきむけて いそぎは 六日 ちかくのり こみきたり いまして □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 凍 〽あだあだなさんとのくわだてあることわがつう りきにてとくよりしるそのむすめたるそなたの たましいおやにもまさりて見ゆるゆへいよくこゝろを ひるがへさずなすのいゑをばくつがへさばその きよにじようしてよりともにもいちもんがたの おんうらみをむくふにすべもありぬべしわれだ また今よりかげみにつきそひそなたが ならひもおぼへざるぶじゆつはさら なりからやまとのふみよむ ことをもじとくさせ がかならず たすけとなる けべければかへすぐも いつぽうにかた ぶけてよそへ こゝろざしをたゞね こゝろな □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ おもへは □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ゆみに矢づがへて やゝしばしねらひ かたむる一世のはれ わざいかゞあらんとみる ほどにはなつ矢さきは あやまたずあふぎの かなめをたちまちにふつと いきればうら風にあふぎは さつとひるがへりくもゐはるはに とびあがりてゆふ日にかゞやく めざましさてきもみかたもどう おんにいたりやいたりとほむるこゑ なみ給ひゞきておびたゞしくしばしばしは なりもやまざりしがこれでみかだの おくれもはしにていちもんのこらず さいはいのなみにたゞよひ給ふべき あふぎのまとのぜんぴやうとのちには おもひあはせしなりさるにてもこゝろ にくきはしたりがほなるなすのむね たかわらはにおこれをとらせきつくわい かついちもんのあだがたきたまはめいどへみ おもむくともいちねん蟹おとせうをかへへ へいけがによとうたはれてもうらみかさなる げんしのやつぱらとりころさんとおもへども ちからおよはぬけんじのいきほひしかるに そなたのやしなひおやからしば六と きこへしももとこれへいけのいちるい にてなすの与市むねたかに右へし □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 身は岩かどにとりつきたる かゝそうしんすべてぬれ しよぼたれごたいも夜風に ひへとほれどさいわひに してつゝがなければこゝろを しづめてあたりを見るに くもはれかぜもおさまりてつきへ ◑たまむしの すがたはたち まちくもけぶり かきけすごとく うせにける〽アレ なうしばしまつて たべとひまいらせ たきことあるに おぼへず さけびし わがこゑ われと 〽おや □□□□□□□□□□□□□ おどろき ぼうぜん として めをひみけは ゆめるかつ まぼろらに 見へし すがたはな 田巨音詞三 つきそらにてりそふよはの月 なみにともよぶむらちどもの こゑさへいとゞものすごきに いづくともなく琵琶様のねの きこゆるも又あはれしるそのとき おりうはおもふやうあやうき なみまをかきわけて此岩ほどに とりつきしとおもひしのちはゆめ ごゝろかのたまむしとかいふ 上階八郎にいはれしことはいち〳〵に きもにとたへて今にわすれず さすればまさしくゆめならで 此世をさりしうらみのいちねん かりにすがたをあらはしつゝ わづ身にむねんをうけにかせ そのみはもとよりいちもんがだの じゆらのもうしうはらさんと dindeatinges Hand Lalithe ………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………… 一、、九一、九九、一九、九九、一九、 かるはしぎは見せたるかよし さなくともたくみしたいもうひごに いたらばしか〴〵としめしあはせし ことさへあるにそのふたおやの いきしにもはかりしられぬ こよひのてんぺん。アヽそれとても ぜひもなしたとひ身ひとつなれば とてさいわひにしてあはゆきの 此ひとふりも手にあればこれで ゆかずばいろじかけせにもかくにの むねしげをおろかものに 万円千万円 十二月11119 第四十一月十一日 同組組組組組組組組組組組組組組組組組組組組組組組組組組組組 同二十二年 我國國連邦國國 同断 一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 第一番組合 …………………………………………………………………………… 同所持場所で 第十二二二 〃〃 廿したてあげそのきよにつけいりいゑ くにをくつがへさんこと てまひまいるまし そうじや〳〵トむねに とひむねにこたを やくしばしひとり しあんをなす おりしも又もや ひきだすびわの ねのほとりちかくに きこゆるにぞ おりうはみを そばだてく〽こゝは 此おともおもはれ ねば人のすむべき やうもしきに がてんのやかぬ前の びわのねいかなる ひとの手ずさみ かト岩ねにとり つきのびあがり そこかこゝかと 見まはせばこの 海ぜのたいらか なるところにいと くさの屋ありて さくやかなる 四の長へ 三の長子 かりてはほのくらきへかゝりてはほのくらき そのし火のかたはらにとしまだわかき ひよりの 一 のうじ びわを いだきつ よねんも あらざる ひきすさみて ていたらくに いよくもつてこゝろえがたく これも又やられいろ さおくばんげ御わざ □□□□□□□□ なるかとおもひながらもおそるゝ いろなくぬきあししつゝしのびよりひそかに うちをざしのぞけばかのもうじんのかほ かたちどこやら見おぼへあるやうにおもはるれども おもひだされずそれかこれかトしあん さいちううちにはびわの手をとゞめ〽はこころえい 今まではすみわたりたるびわのねの にはかにてうしのくるへるはうちをうかゞふくせ ものだしかにありとおぼへたりなにもの なるぞトとがめられおりうははつとうち さはぐむねをしづめつさしよつて〽くせものか とのおかたがひもさち〳〵むりとは おもはねどそうしたものではござりませぬ わたしはさいぜんじものせきよりだいかへ わたるそのおりはらにはかの風に尋 百目十丈五 同十一日 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ところをよう〳〵とこゝの 岩ねにとりついていいち ひとつはたすかれど 身うちはしほにの □□□□□□□□□ ◑ぬぬ しよぼたれごたい しよぼたれご こゞへてうご かれず 日なさけに しばし此おん いゑのいき したなりと かしてたべト いふをつく〴〵 もうじんはみを かたぶけうちきゝて 〽そういはるゝは おぼへのこはね おんみはたしかしは六 どのゝそのむすめごの おりうどのト いふにこなたは又 おどづきて 〽わたしもあなたは どこでやらおめにはゝつた おかたとはおもへどせんと おもひだされぬめんぼく ないがお名まへをしとひ かけられてトうちわらひ 〽はてさくめのないわれら よりめのありながらさり □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ どのわれらはいつぞやとう せんきやうのかののようしの せんきやうのかののようしの ありしときおんみのりよしやへし ゆきあはせし凍田北とよばるゝ次へ 正巨吾言ヨ 手あしをのばして あたらづしやいドレ おりくべてしんぜうと さぐりまはしつかれ しばをかたへの すびつにいれそへて かほをさしよせふき つくればもへあがる 火によろこぶ おりうひへこゞへ たるおりなれば ときにをつての もてなしとあつき なさけをしやし いゝもたき火の ほとりにさしよる にぞいてだしは にぞいてだは なほもしばおり そへてひたすら づきびわほうしいちどあふてもものごしに心を つけるがもうじんのつねにてあればなか〳〵に めのある人よりおぼへはよがらんそれはさしおき 今きけばとかいのふねのくつがへり身は つふぬれになられしとかごたいがこゞへて うこかれぬといはるゝももつともしごく さいわいこゝにたきさしのしば火もあれば こゝへきてぬれたきものをかはかしながら 左ゟ しか〴〵と つぐるに もろともに いてまは たんぞくして 〽さてはおやこも もろともに くだんのふねに のられしとか おんみをなぐ さめおかんには おりうを いたはりつゝかの なんせんのてい たちくを くはしくとはれて つゝむによし なくおやこ 三人のあはかへ こゝろざし つゝわたる とて にはかめ 同 ふね くつ ろへされ そのみは こゝに たゞ よひ つけど しば六 ふうふが いきしに をも しらざる よしを 右へ 当月十六日 いのちに つくがあるましと いひこしいゆ べきはづなれど われらに おひては つやは まうさぬ しほゆき はやき 此うみ にて かゝる きに ねいで あふたる もの百人に もの□人に 一人だもいのち したすかるものはなく成へし 同十七両国書記司 つきかんみの ごときはまれ なるべしわれ かねてより しば六どの にはをひ こゝろみ たき こともあり いふべき ことも ありし かど ついで 異 左ゟふところにまづまア小ばんで四五十両 } これでもばんじはしれるであらうしあんさだめて おりうどのいろよいへんじをきかせてトいひつゝさいふを とりいだしがさつかせつゝひけらかすを おりうはしりめにうち 見やりてはらのうちにおもふ やうに わがみ たいもう あるにより 一今よりひごへ おもむかんにもね おなれ なづき わかれに なかしこと今さら おもへばのこり おほしそれにつき おほしそれにつき てもおりうどの なじみもうすきたびにゐて つかうがせんだよいどくを せうくらはゞさらとやら きゝあへず〽ヱヽ たはぶれとは 〽中ゟさいふのかねあれを こつちへまきあげればとうぶん いみなことだが。アゝ まゝよしむねに たくらむわるだくみ さあらぬていにて うちほゝゑみ〽もつ たいないことおづしやり ますよしやおんめは 見へずとも いのちのおや にもひとしき あなたよるべ なき身を それほど までおもふて くださるおこゝろが なんたはぶれで さへなくばト いふをこなたは そりやなにごと しんじつほんぼん いつわりなき しようこはかり ふたおやともにうしなはれし こゝろぼそさは山かしらんと おもひやられていといたまし かういはゞなにとやらうらはづ かしきことながらわれらはことし 廿六才ふかきしんぐわんあるにより これまで女のはださへしらねばなほ さだまれるつまもなしおんみもおやごを うしなふておかによるべもなき身なら 今よりわれらが女房にならるゝこゝろは あらざるかしんみがおうとだにいはゞおもひ たつ日が吉日とやらこよひを二世のことはじめ ゆくすゑかけて見すてはせじどうじや〳〵と いざりよりかきくどかれてあきれはて おりうはあなやと身をおこすすそに しづかととりついてこれはしたりおりうどの さてはこの身をもうじんときらはるゝかはしらね どもこよひわりなくいひいだすもついかり そめのことならずいつぞやはじめてあふたとき こはねにそれとうつくしきそのかほかたちを しるよりもふつとまよひしぼんのうの ねてもさめてもわすられず身にたいもうの あるゆへにせうがい女にはだふれじと神に ちかひはたてながらもおんみゆへにはなんのその ばぢもりしやうもいとはぬまでおもひつめたる まごゝろをにくしとのみはおもはるまじわれらは ◑ろようの かねのあら ざるをいかゞ なさんとおもひしに もつたをじまんに此 づくにうが かせし下へ めこそ露ゆうなれ人にしられしいて田けんぎやうかねには ことをかくざる身のうへちよつととうざのにづかひといつたところが皆し まア あなた せわし ないと 身を ちゞ ます れど ふり はな さずわざと じゆう 西国十部 つゝきぬきはなしゆだんを見すまけんぎやうの のどをとらんとするところをめは見へねども さすがへざるものはやくもそのきをすいしけん やいばをもちしおりうがきゝうでたちまち しつかととりとめて〽さてこそおもふにたがはぬ くせもの女とおもひあなどらせわが やところなる此かねをうばんとする あぎといたくみその手じやゆかぬト あさわらひとつたるかひなをその まゝにねぢたをさんとするほどに なむさんしそこない つるめとおどろきながらも こなたもくせものあらそふ 〽ながしめぐるものぞみのありてのゆへしかるに こよひしものせきよりわれもだいりへ わたらんとおりうどのふねともしらず びんせんしつくはからずも おやこみたりかね こぶしをふり おもへばこゝろに たのもふく ものいひ かけんとせし おりから にはかの 風にふね くつがへり くつがへり おやこみん めのまに おぼれ らるを はなし ふたゝび やいばを びらめか して すきも あらせず つき かやるを とび しぎりたる いてゆが ○ひそ〳〵 ばなしわれは へさきに ゐねぶりし ていにもてなし もれきゝてさせは へいけのよるいかと } はやわざかたへに ありあふびわの うちにしこみしいつとう ぬきあはせ一ト一トときりむすぶいづれに おろかはなかりけんしばしせうぶもわかざる きいせんよりやかすうらふいぜんのたびいへしやたちまち さいぜんよりやうすうじにいぜんのたびいしやたちまち こゑをふりたてて〽ヤレまち給へおふたりとものぞみ ある身をかろ〳〵しくはやりてけがばしし給ふな しばし〳〵トいひつゝもふたりがなかへわつていり かなたこなたをさゝへとむれどふたりはさらに みにもかけず〽じやまだてすなとつきのけて 又きりむすぶをよう〳〵にふたりがしらはを とりとめて〽こゝろのせくはわかげのたんかよ こゝでたがひにはたしあひいづれのいのちで をしごろののぞみはたつし給へるぞまてと いふたらましまつたトいふをいて田はきゝとがめ 〽がてんのゆかぬそのいちごんへいぞこはねも きゝしらぬおんみがいかなるゆへあつてわれに のぞみのあることを下いへばおりうもいぶかしげに をもにしさいをとひかくればくだんのいしやはうな づきて〽そのごふしんはもつともしごくわれはあか松 妖姦語とてくすしのわざをぎようとはなせど父は もとこれものゝふにてその名を同苗都曹三郎と 人にしられしへいけがたいぬるやしまのたゝかひやぶれいちもん のこらずじゆすゐのおりから父もそのばでうちじにしつ 母なうばはれそれよりのちは身ひとつをいしやにいでたちくに〴〵を〽右へ おりしもとなたにそびへし岩かげにふねをよせつゝ わがみは母ともろともに中ごくじへとおちゆくとちうのぶしのために 百目十五 のすくふ 手だての なき のみか われきへ のがるゝ すべ なさ に ふね こゝは はな さじとめくご きはめて ゐたりしに □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ くつがへかしと おもひしふねのあはやと おどろくひまもなくもとの ごとくにまたおきなほりて なみにひかれつつひにこの岩の はざまにふきつけられたる〽つきへ 「一」」「「「「「「「」」「」」」」」」」」「「」」」「」」」」」」「「」」」」」」」」」」「」」」」」「」」」」」」」「」」」」「」」」」」」「「」」」「「」」「「」」」」」」「「」」」「「」」 つきそのときまではなか〳〵に いきたこゝちは なかりしが はじめて わが 身を 見 かへ れば し □□ に ぬれ □□□□□□□□ なく ことの ふしぎは これのみなして 以古社にくるみて がたへにおきしにもつも すたらでありしかは神の □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ たすけか ほとけの かごかさらに がてんは ゆかね おどろきつゝなほよく見ればひとりはさいぜんわたしぶねにのりあはせ たるむすめにて又今ひとりは見もしらぬもうじんにてはおはすれど すがたににあはぬふたかが太刀すぢあつぱれおしさ手の うちとおのふばかりかもうじんにもふかきのぞみの より ありとやらのぞみある身はあいみたがひ此ばを 次の半 丁までの 画はいて由 けんぎやうが がたり に合せ 見る べし おもひあはすることやありけんおぼへず 小ひざをすゝませて〽ごしんぜつなる おあつかひそのおことばにつきてまたとひ まろくおさめしうへこゝろのひみつをかたり あひちからとのなりなられもせばたのもし からんとしあんしていらざるせわのとめ だてもつまるところはたがひの身のため そこにこゝろがつかれたらいしゆもいこんも さつぱりと水にながしておふたりとも わしにあづけてくだされトことばを つくしや つくしてなだむるにぞおりうは さすがに身をはぢてさしうつむくの ことはなしそのときいて曰けんぎやうは □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ はてはたがひにしらはとしらはとしらはしらはとしらはとしらは まいらせたきことのありおんみはあか松そうざう さまのごしそくなりとかいはれしがもしやはゝごは そらねさまとおん谷をよぶれはせられぬかトいふに えうさいうなづきて一いかにも母はそらねとて すでにさきにもいふとほりわかれてのちは としひさしく今にゆく夜のしれざるを こゝろがらにおもひしが □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ それをしられし そこもとはじとひ 此状 ども 文の つゝが しき つゝが 糸 こびつゝ さて いかに せんと しあん さい ちう あたり に きこ ゆる びわの ねに こころえ がた しと うはがへば びわの しらべは しらへは やゝはて おんみらふたりか もんどうの右へ 当月二日迄三 かへされて かたちをや 末 あらため〽しらので なんといたすべきたねはちがへと はらはかはらぬおんみのおとゝで候ば上つき 同廿一日乙酉二十一日記 つらき いはれてふたゝび おどろく 朝 二色 牛肉丸 百銅 □□□ 第一ひのを補ひじん せいをます妙薬なれば えうさい 〽とは又 いつに さしより たるこゝにいたりて きよじやくの人常 てよし 下谷さみせんぼり 讃岐守氏製 爲永春水補綴 一寿齊國貞画 末 もうじんが かたり いだせる 身のうへ ばなしは れいのてう すうつき たるゆへ そのおもむき のみ魚に いだしつ なほ くはしくは 六編の はじめに つゞるを 見て しらん めでたし 大 十五編 十六編 根源實紫 十七編 柳亭種彦作 一寿斎国貞画 五編同作 大尾同画 娘庭訓金鶏 録 鐫 新 年 十七編山東京山作 一十七扁柳亭種彦作 おくみ 十八編抄川国貞画 琴聲美人錄 十九編哥川芳貞画 総次郎 十九編二十九編二十九編 初編柳亭種彦作 花兄弟陸奥名所 二編歌川国貞画 十四編 新増補西國竒談 十三編爲永春水作 歌川國貞画 十五編 芝神明前 同轄佐野屋喜兵衛板 地本繪草紙團扇問屋一 三嶌町 一八 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ のもと 春水補綴六編全二冊 さいこくき 新 狩 第 国貞画図仮允寿鶴堂 西國奇談六編 喜鶴堂板 為永春水綴 新増補 西国奇談 六編上の巻 春水作 国貞画 喜鶴堂 寿梓 二六 四十 夫忠孝は道の大本。大約人間に生るゝもの。基その心なきはあらじ命ども 自己が思慮分別より。その掟を取違ゆるゆゑ。孝に似たる不孝 あり。忠に似たる不忠あり。今本編に出るところの。凍田ならびに 妖斎がごとき。似而非忠孝といふものか。然はあれども柴六親子が。奸悪 不道に比ぶるときは。又盆よしもありぬべし。唯龍太郎が至忠至孝。賞するに 猶餘りあり。是に仍てこれを思ふに。総て世間普通の俗。恁いふ 作者にいたるまで。善にもつかず。悪にもつかず。鯰を出さゆる瓢簟の。 ぬらくいと世を経るもの多し。伏望らくは起居進退に。一事も善を 做んと念ひ。一事も悪を退けんと。日夜心に忘れずは。終には真の龍 太郎に。ならざる事よもありぬまじ。何と児童しゆ合点かといふ。 安政五稔午早春吉辰爲永春水記為 正臣言計一ノ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ の愛妾 竜の方 百目午炎一、 □□□□□□□□□ 木村 龍太 東葛村 西匡商詞六 弓上愚太夫 鈍方 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 弓上の 嫡子 同苗 工面次 時 行 むねしげ 宗重の 太刀 に 重一 の 百目千挺丁 那須の 平均 正臣言詞方 左の男われまたかげみにつきそひてなんぢに 五編のつゞきふたらびとくようさいはおもひがけなきいて田が いちごんたがひにたねはちがへどもはらはかはらぬおとゝぞと いふにふしんのはれやらでとはまたいかにトとひかへせばいては しぼへずはら〳〵とおつるなみだをおしねぐひ〽いふも なしだのたねながらいはねばうたがひはれ給はじもと わがいへはだいりのふなもち名をよじ兵へとよばるゝもの かやう〳〵のわけによりおんみのはゝごそらねさまを のちぞいにいたされつゝほどなくわがみをうみおとされ ありをすゑ松とつけられしに又しか〴〵のことありしトかの しばいわるぢゑかはれ出すの与市をうたんとせしに 右仲太のにせめくらにかへつて手だてのうらをかゝれ 又よじ兵へが此瀬暇にてじさつなすへきときにいたり はじめてしば六にはかられしをさとりてくやしくおもひしこと そのときわが身はわづかに五才もしまなとあるそのときは 父のさいでをむねんにおもひげんじにあだすることもや あらんと父が手づからまなこをつぶしせうがい めくらにされしこと又かのちどりが身のうへのこと 父に かくてわがみは母もろともにひうがのくにゝ おもむきつゝせんどうかぢ身もんといふ ものにおやこもろともひきとられしこと それよりさきにわが母は名をば おじつとあらためたるまで かやう〳〵トものがたり〽もつとも 父にわかれしときはわがみおさなき ころなればふかきしさいも しらざりしがわすれもやらぬ 十ツのとし母のことはにしか〴〵と としまだおさなき のみかまなこもひと 世となすへききりやうをわがみに さづけ給へもしまたねがひの かなはずばたちどころわがいち めいをたゝせ給へらくりかへし 三七日のそのあいだもの ひとつだものどへとほさす あやうきことあらばかならずすくひえさす べしかへす〴〵もそのしんていをのち〳〵までも 左上ゟわがみ なみならざるにおもひ たつたる此たいもうなにとぞ けんじをうちたいらげもとのへいけの ひるがへすなトいひつゝにしきのあか はたをわが手にさづけらるゝと おもへばたちまちに ゆめさめたり めくらはつねに にもかたちを見る ものならぬを まさしく見たるむしやの いでたちふしぎと いふはこれのみならで かたちを見ねばゆめ わが手になに やうにぎりうち しをさぐりて 見ればにしきの みはたきては 今のはへいけがたの 世になきぶしの たまなるか さなくば神の つげならん かゝるきどへの あるうへは ねんぐわん ねんくわん ぜうじゆ いきほひおめ〳〵として 一げしらざれしかなしさはいつしんふらんとねんずるほどに なにしたとへんかたもなく ひとりつく〳〵おもふやう父は ひとりつく〴〵おもふやう父は まさしくへいけのさむらひいつたんの ぎりによりげんじにあだを させざるためにわがみのまなこをへいけのいちるいなるがじゆ つくやされたるを今さらげんじを うちまんことは父にたいしてふこらずさいかいの なれどもまさしくへいけのよるいそこのみくずとなりはてし なるを今やときめくげんけの いきほひおめ〳〵としてまよひかりにすがたを 見すぐされんやそのときあらはしたりなんじとしこそ いのちをおとされたらばおきなけれへいけの ためにおんてきたる あだもうらみもしるためにおんをきたる げんじをうたんこゝろ まじけれどよしやげんじをうたんこゝろ さしあつぱれ まなこをつぶされたり まなこをつぶされたか〳〵にけなげにおもふ ともいのちありてはなか〳〵にけなげにおもふ 此まゝにしてやははつべきゆへなんぢにぎづくる 父のことはにそむくとも さかるげんしをくつがへしこれへいけぢかだいの ふたゝびへいけの世となして 名をあげいゑをおこしなばなればこれなもつて みかたをあつめしゆび かへつて父孝なるべしと すでにしあんをきだめしかばよくほんもうとげたる 神がくしなどになりたる ていにてかのいゑをちくてんなししゆらのもうしうはら ていにてかのいゑをちくてんなし ひうがのくにゝなにしあふ千鳥のたきに させよなんぢまなこは 身をうたせ岩屋ぶりの神にきせいをかけて「右の見へずとも「右の下へし うへなみにしづみしわがともがらの しゆらのもうしうはら うたがひ なしと岩屋 〽のかたをふし おがみそれより みやこにおもむき いゝさる検伎げん 一のでしとなり もつぱら びわを しゆぎやう なしつひに いて田けん ぎやうと なのれる までになり のぼりしこともと よりわがみのほいに あらねどすべて人を 手なつくるにも さきだつものは かねなるゆへくわん きんにことよせてぐん ようきんをあつむる ほどに又つく〴〵と しあんをなせば とうじみやこも かまくらもげんじ いつとうのつきへ 見へずとも「右の下へ 西国奇説六 やからもあらねばわがみ舟こに ありとてもなか〳〵みかたは かたらひしたしおもふにへのけの ざんとうはおほさいこくに ひそみゐてじせつをまつも あるべきかそのうへわが父 よしべゑいろかをもきづかんと おもふこゝろもあるなれは ひとまへろのちに おもむかんとやがて ふる里なればだいり にとおもはざるに あらねども かしこはおなじ ふなつきにても やかづもすくなき へんぴにてことを はかるによろし からず 戸 みやこをたちさかつゝ しもの せきに すまゐを なさば おほ わづかいしく 一里のアヽ うみな だてゝ みなと なるゆへ おのづとひとも いりこみてその うちにはみかたと すべきよきかとうども つゝ世となりてたれとてそむく □□□□□□□ ありへんとすでにしよ ぞんをさだめしかばやくしもの せきにあしをとゞめざてよじ毛の はかじるしをこんりうなさんとしたりしが おもてだちて するときは 世のふう ぶんもいかゞと おもひわれ しんぐわんのむね ありてうみにしづみし もうじやのためにつかを たつるといひふらし父がさいを とげたかしこの瀬ぜにしるしの 君をたてそれとはなしにわが 父のぼだいをひそかにとむらひ しに世のひとそれとはしらね ども又がさいごをとげしより 此世をよじ矢ぜととなへ又かのへへ つかをもたれいふとなくよじ参 づかとはいへるよしそれのみならで わが父はをしごろびわをこのまれしと 母のことばにきゝしゆへ月ごとのめいにちには ひとり此せにきたりつゝ夜すがらびわを たんずるごとはやいくとせにかおよびたり こよひもすでに父のめいにち松いのごとくに ひ〳〵がわもこゝろばかりのたむけのいつきよく かゝるおりしもおりうどのがはからず「右のごと 西国寺炎一、 「左の上ゟさまよひこられしゆへ ひとりつく〳〵しあんをなすに いつぞやとうせんきやうの せきにておりうどのただ なるしば六どのにまえし ときだん〳〵はなしなして いかりていへいきり 声見ればうまれはきか しうなりとのこと蝶 しばことなのれる ひとはその人のみには かぎらねどとしごろ といひうまれと いひもしやわが 父よし兵へを そゝのかしいく にげうせたる しばいにては あらざる かとおもひ ながいも うち つけに とふ とも 禁 □□□□□□□□ ざれば おもも あらんと まつ ところへ おもはず であひ おおほう ぐ いゑ こと よせ したし みて やうすを とはんと したかし かへつて われを あざむきて かねをみん ひどうの やいば女にげ なきだいたん ふてきにつぎへ 四月言画文 つゞきよぎなくやいばをまじへし ところおもひがけなくそこもとさまに とゞめられたるのみならずなのゝ 見ればちそじのあにうへそれに つきてもきてたきはねんみはゝごに わかれてのちいづちにありて ひとゝなりいかなるゆへにて此 あたりをかくへんれきは し給ふぞまづそれがしが ゆめのうちにさづかかえたつ へいけのみはたこれ見そ なはせトいひつゝもはだみ はなさずひめおきし あかぢのにしきのはたひと ながれうや〳〵しげにとり いだすをそれと見るより えうさいもおりうもとのに 手をさげてしぜんとうやまふ みはたのいとくそれがなかにも えうさいはよろこびおもてに あらはれつゝおぼへず小ひざを すゝませて〽さすがはおとゝ あつぱれしんていたねは かほれどもろともに父は 切になれしそのゝちはかりにくすしと おりつゝもしよこく たがひにへいけがたいひあはさねど われもまたげんじにあだせんこゝろゆへ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ あつむる きいちう なしてよは〳〵みかたを ・ きすでに してそれ がふに こゝろ さしを かた ずけや かたんなさんと 籠 〽さてはあにもわれ これこゝにとやと ころよりしてとり どもさぐり見て いふものには しんもんに ちをそゝがし かけとりおきし とゝうのれんばん すなはちいちくわん いだすふくさ づみのれん ばんでうを めは見へね あなよろこばしやうれしやト二のまきへ らとひとしきわりふを あはすごしんていうけ たまはりていとたのもしきやう だいいちみがつたいしてこれよりことを はかりなばたいもうぜうじゆはうたがひあふし あまき也いさみたつたる いて田がありさま 此ときまでも おりうはなほ ことばもなくて ゐたりしがいとはづ かしげにさしよつて 〽おなごだてらにだい たんなわたしがしわざと おぼしめさんがねがひある みにさしあたりいつようの かねのほしさゆへえうさいさまが ふねのうちにておやこがさゝやくひめ ごとをきかせ給ひしのみならずおふたり さまもへいけのよるいともにげんじにあだせんとの おんぐわだてをきくうへは前にをかつゝみはぐるべきわたしが おやのしば六もおなじへいけのいちるいにてよじ兵へ さまをすゝめたてなすの子平をかたんとせしもたゞ たばかりたるにてはなくうらみかさなるむねたかを ともかくもしてうちたきゆへとつくゆぐおやのものがたりされども そのことこゝのはねばぜひなくそのばなきりぬけしがしばしも わすれぬこゝろのたいもうされば此たびおやてとんがきうしうに うちわたりなすのいゑにちかよりてあざせんものをとおのひ たちしにおもひがけなきこよひのたいくんかなしやふねのくつがくり ふたおやどのにあへないさいごふしぎに此身はたすかれどおやに わかれて身ひとつをいかにやせんとなげきしにゆめめろうつゝがまづく へいけのぢよくわんたまむしのそのなきたまのあらやれていはれし ことはにはげまされよしや身ひとつなればとて此まゝにして忠兵てんね ○それにはあくしてとうしてとしあん なかばにいて田さまあなたの元ぼを まことゝおもひ ろようがほし さのできごゝろ よりことの こゝには およひし なり此上 ねがふは 恋ふたり ある せる つみを おゆか ありて 金より わた しに あが しあざなす めになすのいゑをば うちほろぼすつぎん 百月十一日寅一 西国言計 つゞき みこゝろ あらば 此身の さい わひ 左より いかで 〳〵申 こひ おのれが かひなを 小きり もと むれば ふたりは しあんのい おぶりて したる 中ほを かひに なりしが いて田は しば〳〵 〽しば云 どのがわが うなづきて 父にわるぢゑ うくれば げにもつともと 両人もともに かひなの ちしほを ちしに とりて くだんの にろに かふてじめづを ◑かひに させしとたゞ しぼり ひとむきに いるゝを きくときはにこむは べきのはなはだし けれどげんじにあだを なさんといふこゝろは又これ ひとしきをすぎつることは えかさいは えて いふてかへらず今また おんみがわがかねをうばひとらんと せられしもたいもうありての ゆへとならしひてとがめんやうも なし世にたいこうをたつるものは きいきんをかへりみずとふるき ことばもあるものを今より あちはだんきんのをもによしみを むすぶべしトいふにえうさい うちゑみて〽われもきこそは おもふなれ此うへはおりうどのゝ のぞみにまかせて手はじめに なすのいゑをばくつがんし まづきうしうよりぎり なびけんさらば今より此三人が ちかひのさかづきをとりかはさんと いひつゝもあたり見まはしたち あはびのかいをとりきたり一右へ いちみがつたいしたりといふかたき あがりかたへの岩ねにながれよつたる 西国守淡六 六日 中ゟまゆねを ひそめ〽がてんの ゆかぬは此ほほ すべておやこは いふにおよばず にくしんわけし ものゝちしほを ひとつうつれに ひとつうつわに いることきはその ちひとつにまじ かりてそのいろも またことなる ことなくもし たにんのちを いるゝときは ちしほわかれて まじいらず まじはらず そのいろも又 ことなるよし こはわが いどうのうに 〽おいて としごろ ためしめし ことあり しかるを 今この三分 これなる かひにしぼりし ちしほいづれも こゝろえがたし ひとつにまじ いりしはなに とももつて もつとも □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ われらと いて田とは にくしん わけし なかなれば さもありぬ べきはづ なれば たにんと おもひしおもひしおもひしおり どのもしや ちすじのゑん あるかトいふに おりうはうち あんじ〽もと わたくしは わたくしは すてごなりしを おきのにじまと やらんにて ひろはれたりこ きゝしのみ一つぎへ 西ノ国書記「 ゞきそのとき此身にそへて ありしはたゞいんろうのかたはれは ばかりまことの おやはなに ものことも たへてしるよし あらねども □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ あつあかしさし のちのしようこと 今もなほはだみ はなさずこれこゝにト いひいゝ見するはいんろうの そのかたはれにえうさいは おぼへずよこでをはたとうち 〽それにておもひめぐらせば わがみせんねんさぬきのくに 丸がめにとうりうせしとき 丸がめにとうりうせしとき かやう〳〵のことありしトおきの ふじまふいざなひゆかれあや ものみわいたいしたるを くずりをあたへてうませし ことよりかちゑもんといふ せんどうがかのおさなごを ひろいしことそのおさなご にもいんろうのかたわれ ばかりそへたることまで ありししだいをものがたり 〽そのかぢゑもんがいへるには かのにじまにておさなごを ひろいことりつゝさらんとする ときわがおとゝにてしば六と いふものおなじほどなる おさなごをふところにいだす しにおもひかけなくいで あふたりかれにはせんぎの ゆくへを見うしなひしこといひぬ さすればくだんのしば六は あるやつなればひつとらんとしたる ときにはかにあめかぜふきあれて すなはちおんみのてゝごにて下右へ 一左上ゟその おさなごはおんみ なるべしつきや つく〴〵おもひ 見ればそのかぢゑ もんといひつるはさいせん いて田がものがたりしひうがの くにくてわが母ののちの おつとゝなりつるものか とはいふものゝおりう どのがわれ〳〵ふたりに にくゑんあることかくても かいまだがてんゆかねど もし三んが此うへにも ちすじのものであらんには いよ〳〵もつてたのもしからん なにはともあれちかひの さかづきとしかさなれば それがしよりいざ〳〵 はじめまうさんト ちしほをさけにのみ くまはすむねのうち こそふてきなれそのこと はてていて田がいふやう 〽すでにちかひを かためしうへを いはいあるべきやうは いはいあるへきやに あらねど三人 ひとしく肥後の にいたりことを はかるはよろし へかるまじおりう どのにはさき だちてはやく こに おも むかれよ わがみは あにと しめし あはせ あと より 手だて を めぐら さんこれは ろようの たすけぞ上 いぜんの かねを わたしつゝ なほあとくの ことなんどたがひ にさゝやき つきへ 西国奇談六 〽つらきかたちふていさみよろこぶ三人がひとまづたもとを わうちけるさればまたつま五郎は父げきさいともろともに しば六があとをしたひふなばをさしておつかけきつるに土 ぬけてかしこにいたりしこともや あらん口 ひとあしちがひにその □□□ おりから ふねをはやこぎ なればおやこは こゑをふりたてて 〽それなるふねにきう ようありかへせもどせら さけべどよべどその こゑふねにとゞかぬ にや又はとゝげど せんどうがそちみゝ つぶしてきかざる にやみかへりもせで こぎめくにぞ おや子はしきかに いらだちて じだんだふめども せんすべなくさつとて 此まゝはつべきならねばほかに とゞめんとせんどうを ふねをはかりもよふしおひとゞめんとせんどうをか あちらこちらとよびまはれどもやちうのこと以 ゆへいでてこずおや子はいよ〳〵ぎをもみて ゆへいでてこずおや子はいよ〳〵きをもみて たとひふなこはおらずともさいわひきしべに ふねあればみづからこぎてもあのふねにおひつか ずしてあるべきかとありあふにぶねに両人が せがれつゞけト 父がことばにつま五郎は 「左衛門方にひとものり 女だきさいが かねてよういの たいまつに 火をともし いゝふりてらして こぎいださんと するおりも なみにゆられて ふなばたへながれ よつたる女のしがい もしやとおもひげき もしやとおもひげき さいがたぶさをつかんで ひきよせつゝたい まつの火におもてを みればまがふかた なきしば六がつまの おあやで するおりしも ありしかば そのまゝ ふねに びき あげて うちな あち なで こゝろ すでにのらんとしつるときにはかにおとる はやてかぜあらなみたちまちさかまきて かのしば六ちがのりたるふねもくつがへりしか ゆく草もしれずなりしかばこなたに おどろくおやと子がはるかにおきを 見わたして〽さてははやてにいであふて そこのみくづとなりけるかかれらが いのちは をしむに たらねど かのあわ ゆきの ゆきの ひとふりを ひとしくうみに しづめては ●その もちぬしにいひ わけなしこはいかに せんトとづおひつ うちにうぜやみそらもはれ わたりなみもしづかになりしかばとにも ろくにも此まゝにうちすておくべき合 やすきこゝろもなき なれども いさゝが みなしいたしたる ことなればよし みや〳〵の かよひ あれば まづこやつ こと ならずまづだいり までおしわたり かれらばやうすを とひたゞさば右へ やうもなくいぜんの ふねにのりうつれば ともに ともに うち □□□□ エいぢぎにおよばん なばよみ がへらせ きびくせめ あまだめい とふものならば しば六がせうじ そんぼうつるぎの こともぶんみやう ならんトふねを きしべにこぎもごし しかいをおかにかき あげつわらびを たきてあたゝめ などせしかい ほうなほざり ならざるに すうのつぎへ 百月十七日 西国前課六 つゝきつきざり やく人はだに出りしかばじぶんよしとげき さいがしゆれんのくわつをいうくにぞ あつとひとこゑさけぶとひとしく おあやがくちよりおびたゞしくのんだる しほをはきいだせしがたちまち われにかへりけんふたりがかほをうち 見やり〽おまへはつまさんげきさいさま こりやこうしてはゐられぬ下にげんと するをつま五郎がゑりがみとつて ひきすゑつゝいかれるこゑをふりたてく 此ふるだぬきがわなにかけよくも〳〵 つま五郎をふかいところへはあ おづたな此なまくらとすり かへたまことのつるきはいづれに あるきり〳〵はくでうすればよし もしつゆばかりもいつわらは うぬらがわたした此なま くらで一寸ためし五分ためし いたいめさするぞさアどう じやトくだんのいつとうぬき はなせばげきさいも又こなたよ ともにかたなをぬきかけていかにやいかに せめとふにぞ おあやはたましい 身にそはずふるへ わなゝきゐたりしが おそる〳〵手をつかへ 四がしたちかたし此うへは たちしたちかたし此うへは なわうつてもちぬし かたへひいてゆき せめてはそれを身の いひわけ下 いひつゝ 「左中ゟ起立 おあやをひきたてその まゝにやがてしやく まゝにやがてしやく とひかくればけきさい さてごしよぞんばト かへらん きやれ〳〵 さきに たてばこゝろ ならすも つま五郎は ○しよにたちかへり こゑをびそませて 〽わがしよぞんとてぐつには 〽わがしよぞんとてべつには あらねどかのひとふりの いひわけにおあやを かしこへつれゆくとも もとそのほうが ふしよぞんよりことの おこりしわけなれば なほいちぶんはたち がたからんくちからぬ 〽そのおはらたちは ひとつとしてむりとは さら〳〵ぞんじませねど むすめをあなたに とりもつたもその つるぎをばすりかへたも いやといはれぬおつとの いひつけさてそれまで にはしたれどもことあら はれてはめんどうと これもおつとの さしづにてこよひへ にはかにでふね せしもひとづには せしもひとつには おんみをだしぬき 又ふたつにはあるにきの いるぎを手だてのたねにて ひごにいたりてうらみあるなすの ちゑをばくつがへさんとおもふまもなく わがふねをかへつてはやてにくつがへされ おつとはもとよりむすめさへわがみ。ともに あらなみにまきこまれしとおもひし のちはものゝあいろもしらざりしにふしぎにこゝで おふたりさまにおめにかゝるもゆめとゝろされば くだんのひとふりもそのときうみにしづみしか今さら なにともおこたへがトいはせもあへずつま五郎はいよ〳〵 こゑをいらだてて〽つるきがらみにしづみしとて 今かのしながなきときはわがいちふんの古へ 百目午癸亥年 なわをかけんと するをげきさい しばしとおし とゞめ丁ツヽ せがれ そかや わるい 身を くらく するもじせつ なればせんすべ な今宵 おや子が 此地を たち のき いづれの くにへか 身を かくきば あとにて くだんの もちぬしが なにと いふとも オやそれ 三三二二 同四十一一 世間里間 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ●われに いさゝかしよ ぞんもあれど こゝはみちなか 人もやきかんその 女をもどう〳〵して ひとまづわが底に右のこへとりたておけば此へ までかう いふことの かねもちかごろし とりたておけばねへ あるしらせ にやわが あちこちへ かしつけおきし 一 正月善吉 づきしそれらのことはこゝろやすし又そのほうがいて田 あとからしりのくるでもあるまじおあやもさま〴〵 あだぼねおりてよみがへらせしをころしも されまいわれをいのちのおやともおもひ こゝろざしをかたむけてせうがいわがやに ほうこうなさばなせしあくじはゆるしも せんしあんはどうじやしとひ かけられおあやは今さら より二百両かりたるもこゝをはしれば人さずとて いなともいはれず 〽とにもかくにもよろ し〳〵トいふにだんかふとゝのむし かば〽さらば此地をほつそくの よういをせよトいひつけつゝさて此あたりを しはいする里長睦をよびよせてことばを たくみてだんずるやう〽わがせがれつま五郎こと さるさいこくのしよどうがたよりおんめしかゝへ あらんとなればにはかにかれをつかはすべけれど まだとしわかきせがれゆへひとり手ばなし たびだゝせんはとちうのほどもきづかはしよつて われいもゆくさきまでどう〳〵せんとおもふなり もちろんおくりとゞけだにせばわれらはすぐにたち かねのいりようしらるとほりさき〴〵へかしつけおきしかねはあれどもと 國貞画 春水補綴 介はたらいてはくれまじきかトいふに里かさ うちあんじ〽ほかならぬおんみのおたのみ 此いゑやしきでながくに二万両はつかね どもわづかのうちとあ こゝに蛇ぬらへ出さめるか手普両 もつてゐればわれちがころひとつ にてようだつてまいらせんトいふに げきさいよめこびてしよう もんいつつうかきしため くだんのかねを うけおさめ しすまし がほこそ ふてきなれ ○下の巻へ つゝ かへるわづかのうちのたびなれどあとにるすなき此いゑゆへ しばらくあづけまいらせたじつきてひとつのしたのみはさしあたりての たてかくゐるいとまあらねば 此い石やしきをしちとして わがかへるまで二百両 西国 奇談 春水補綴 国貞画 十三国は阿綾爪五郎と姦通して暗に夫に再会の一段阿竜殺生石を 祈りて身に妖術を獲るの奇談お竜龍太郎を手につけんと色に 辞よせ言寄て反て肚しめらるより渠を罪せんと計るの一禍十四騎は 儀龍太郎の故により真の龍太郎が二の町と不義せしていに言なれ 終に配流せらるゝの赴き並に節之助が忠心義膽十五歳は嶋守院 一大夫が龍太郎を苦しめんとするより苫屋浪子の二個の蜑が窃に龍太郎 をいたはる一段つゞいて浪子を荒太夫が強奪なすの物語など最巧みなる 條あれど白地には爰に記さず井は出板の時にぞ知られん 根源實紫新刻概略作者柳亭種彦画工同前 「平玉編〗執業なる穴人の賞し宝笛當香炉偸て宣孝に托す野洲呪詛熱されて。 十五編館地 式部寛を受十六編式神ノ寿祖秩手等が隠謀を露はし櫛彦自截て声 が汚名入王霊まり黒白判然兇悪皆戮せらるつぎて少将が貞節惟規北国 にて死して又蘓る干七編大貮三位生れ宣孝病死花山法皇の御伝大かた 此編にて全備り式部源氏物語を作り上東門院に奉公十八編以下は追て記すべし 一寿斎国貞画 一〇〇 金五 外題曲豆洲迄 新増補 喜鶴堂梓 西国奇談六編 十月 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 下の巻 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 二六 三 かの里おさをあざむきて二万両のゝ かねをかりうけわがありがねにし あはするときはなか〳〵のかねだり なりこゝのみは日のてら ざるをいづくのうらにいたる ともこれだにあれば こゝろやすしいつたんこゝを たちされば二度とふたゝびし いふにおよばずさゝいなかつて とうぐたりともひとしなし にてものこしおきひとの たからとすべくもあらず おちつくさきまで もちゆかれずば とちうでうるとも ぜにゝやならんにごし らへをばぬかるなト くるべきならぬをいるいてうどは 上の者ゟしさればわしづかげきさいは よくの方だかそれ ならねどあくまで むさぼるりしづかおや子 おあやもともに手つだはせ よういばんたんとゝのふにぞ にごしらへせししよどうぐは 夜のまにふねにつみこませ つらいをくだもの つゞいてくだんの三人もひとしく ぶねにうちのりしがだいりのうらへはせし 百目十七日 介わたらずしてすぐにふな ぢをちくぜんのくに博多路の みなとへのりまはしこゝにてふようの しなぐはいちにいだしてうもしろ なしこれよりりくぢにさし かゝるにかねてげきさいがしあん にはいつぞやおあやがことばのうちに かのあわゆきを手だてのたね としひごにいたりてうちみある なすのいゑをばくつばへさんと しば六がたくみしよしさすれば しば六おりうのへ うち万に ひとつもいのちへ たすかりかの つるぎをも うしなはずばひごに いたるはひつじやう なりもしそれ までにいたらず ともほかにしよ ぞんもあることゆへ まづともかくもひごに いたりそのゝちことを はからんとかのちを さしておもむく ほどにげきさいはまた おもふやうつきへし 正巨言部丁 みづからかしきの わざをなししもべし ひとりもつかはぬを そばめをおかばきう きんからくひぞう よりませそろばんで むかへんとすれどもいまだこれぞといふ こゝろにかなふゑにしもなくねざめ さびしきおか〳〵はそばめなりともめし かゝへんかとおもはざるにあらねども かゝへんかとおもはざるにあらねども われ節倹賤をむねとして つもりあげれば おろきな しづつい そこを つゝきしわれいぬるとしつまをうしなひのちぞひをと おもふてこれ まではぬめれぬ よはもかねつくと ひざをいだきて ねたりしが ふしぎなこと よりあの おあやほう こうにんと名を つけてひきとりて かないの てはおくものゝ せわを させるばかりで くはせておくは おほきなつひへ としはそちを こへしと見ゆれと みづけのうせぬ ぼつとりもの きやつをねざめの とぎにする せわを ともものゝ いるべき すじ ならぬを せがれを わなにかけ られていゑ までぼうにふつ たるへんほうせめて なぐさみものにして なりとそんをうめ ふろばにいたりて ほとりにおらねば はたごの右へ あいつをこゝづのまゝに ねばはらがいぬそうじや〳〵と しあんをさだめある日やど屋に つきしときおりからせがれつま五郎は 百月十七日 左ゟ「ぜんのかたわきに酒ひとちやうし とりよせしをおあやにしやくを とらせはゝのみゐたりしがげきさいは たはぶれごとにことよせておあやが 手をとりじやらつきはゝれは日ごろ よりしてわるがたき きしつに にあはぬ此 あらさまに きもをつぶれ 身をちゞめ 〽アレのうわない ごじやうだん 人が見ますと ふりはなすを いだきすぐめて うごかせず〽ア しやうだんではけつしてない せしまざかりのふうぞくに かねてこゝろはうごけ どもぬしある花と たしなみしがはやでに ふねのくつがへりしなは はや世になきひと そなたもいつたんいき たへしをおれの ちからでよみ がへらすれば うまれ かはつてきたも どうせんさまれば おれにはおん ありともしば六 にははやきうも あるまいいつたいこん どのいつけんも 十一 手がる〳〵すませる わけではなけれど なにごともむねに おさめいゑまで しまふで此やうに たびからたびを さまよふもこうした こゝろのあればゆへ こゝろのあればゆへ おぬしがおうと しやうちをすれば せうがい見すてる ことではない○はテきむすめかなんぞのやうに きをもませるもしなによるまんざらいや でもあるまいトかきくどかるゝにのがるゝみち なくもとよりおあやはそのいぜんかくれ里なる へいけのためにはしたしんぢうのむしともいふ へいけのためにはしたしんぢうのむしともいふ べきあくきやくふどうのしば六にむたいに かきさらめれながらかへつてかれがにゆと なりはぢとおもはぬしれものなれば今 しば六にしにわかれよるべなき身とつき 西国音誠ナ つきなりたるを わたりにふねとよろ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ こびていなむていには もてなせどもわりなく いはれてつる〳〵に あだしまくらを かはしいゝ もてなせどもわりなく着しても □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ かはしいゝ つびに そばめこ なりたるは 世にも 世にも うたてき たをやめ なりけり さればまたつま五郎はふめにいたりて ゆをつかひゆかたのまゝにてどうかよりなに こゝろなくいりきたり見ればひとまで火げき さいがおあやをし とらへてかき くどくなまいやらしき ていたらくにあきれはてしが そのまゝにはいりも されずたゝずみて ひとりつく〴〵おもふやう 〽われあのおあやのとり もちがほをふかきたくみと しらずしておりうが 手ごとにかけられしは いろにこゝろを ながらあざ むかれたる うばゝれしわが あやまちとはいひ くちおし さに 今なほ むねははれ やらぬぎり とてかれを ころしたり ともみ それ ま でて ものが ないしば六 へのへんぽうにきやつを だましてわがねに いれおもひのまゝに なぐさむをせめて ものはらいせと かねてこゝろを かけたるにおなし こゝろかおやぢめが さきへまはつて あのしだら 百目午炎一 十三 正正主言フ さりとておやぢのひげづらにとしま ざかりのあいきやうものをしめさするのは をしいものたとへにもいふおやのものは子の ものなるをわれもまたおりを 見あはせいひよりていつぞは おもひをはらさんとひとめの せきをうかゞへどおやのくゝばめと なりたるにうかつに手だしも なりかねてひそふにむねをこがせしは 人にしてまた人ならぬかれらが ゆくすゑいかならんおもはやられてうたてけれ ものがたり「こゝにまたなすの次郎宗重御時はあに 入たつにわかるしむねたかのさしづによりてひごのくに くゆきほりにあらたに屋かたをしつらひつゝ 此ちのじゆごとなりしよりかのかくれ里の ものどもをもなさけをかけて手なつけしかば かのともがらはいふにおよばず米良助五ヶ村 しいで山とて此三ケしよにすむものどもは これまでみかどへみつぎをいださずみづから ごうしととなんたるあらゑびすにて ありけるもみなむねしげのとくを したひまねかざれども したがひてとしのみつぎをいだ せしかばむねしげはたちまちに いきほひあるみとなりしことはすでに さきにもいへるがごとしこれによりて きうしうに名たゝるしよこうもあなどり かねてよしみをむすぶもすくなからず 上ゟ生国 びつちうのくに きびつのみやに ほどとほからぬ ざいしよのもの にてともに こきやうにありし ころより見しり ぞしなるなかなり けんおなしそばめて ありながらもねたみ こゝろはつゆほども へくさながら まことのきやうだいに ひとしきまでに むつましければ なかにはしつとへんしうのやからもありてむね しげがにはかになりいでたるをうらやみうち ほろぼさんとはかりつゝたま〳〵くんばぼうごかせ しも見つてかれにうちひしがれこうさん するもおほかりけりかゝりしほどにむね しけはひごいつこくはいふにおよばず ひぜんちくぜんのあたりまで すべて幕下ばかに ことならねば いきほひあき日の のぼるがごとく のぼるがごとく これしかし かみをうやまひしもを ながらあにむね たかのひかりによりて なりとはいへどむね しけも又おろかならで せいどうによこらまなく またなりがたき ものにや あはれむそのじんとくによれば おごりのこゝろをつゝしむことは なりかゝるめでたき身となりて ありけんちかごろ 秋風速虚井州といふふたりの そばめをめしかゝへちやうあいづれも あさからずもと此ふたりが〽下へ 百目十匁一 むねしげいよく めでいつくしみてたゞ おくでんにのみ こもりしはしが ほども ほとりを はな □□□ きず ● ◑此日も あきかぜうつろ井に碁になうたせ おりは袋ふらせてうちながめつゝゐる おりしもひとりのとしもとたちいでみく てたゞ今あづまのあにぎみよりおんつかひ として里う太郎がはなぐ此地へまいりし迄 にて出んめどほりをねがひたしとてかしこに ひ人をりまするがいかゞはからひはべらんじ いふにむねたかうなつきてあつま上りの〽き 四巨言歌一ノ いきつかひとあればなほ ざるにはなしがたしせきを あらためたはめんせんよういを せよいひへけつゝそのみも やがていふくをあらため おもてざしきにたち いでてもうけのせきに ざをしむれば ◑きんじゆ とざまに いたるまで せきを なし 老職 らり 弓上 な ゐならび たる おり も しむら り 太郎は のしめ 小そでに なが けみ しも あしいふ。 内憲太夫 ならびに むねたかゞ つけびとたる 速水はや 右仲太郎 はゞめと して● つれてや しづくと 大殿がき らう うち すぎつゝ たゝみ ざはりも しと やかに おんまへ紙 ちかく すみ いではつとばかりに いなくなすを むねしけは見て ゑましげに〽ひさしう あはぬりう太郎 ゑんろのつかひたいぎ〳〵 してあにうへにもごき げんよきかそちも ぶじにてめでたいト おふせになほもかしらを さげ 〽蝶 がたきぎよいをかうむり身にとりまして なにほどかまづもつてごきげんよきつきへ 四十 百目十長丁 廿 上 正臣善言 はいしまいらせ きやうゑづ つきごそんがんをしつ しこくつか まつるあづまにおいてもおんあにぎみ いつよりごきげんうるはしくかはらせ 給ふおんぎもあらねばみこゝろ やすくおぼしめされよつきて 年始月のおんよろこびに れいねんのとほりおん太刀 れいねんのとほりおん太郎 ひとふりごじきしよ いつつうそへられて しんぜらるゝのおんむね なりいざおとり つぎトいひつも たづさへ きたりし しな〳〵 しない 城へ ぢや しげに さしいだすを きんじゆのさむらひ うけとりておんまへちつく さゝぐるにぞそこと見る よりむねしげはしら木の だいにのせたる太刀をせ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 三の舂ゟいかでか そりやくに そんすべき 此うへは 四 りう太太 しばらくとう しよにとゞまりて われにたらざる ししやとしてぐ太夫がせがれ 工面すくじんをあづまへつかはし おきたれば 今ほどは はやかのぢに いたらん此たびの おんうけぶみはちか なる右仲太を あづまへかへすの そのみぎりいさいに したゝめさしこす べしそれにつきても あにうへには日ごろ 刀体をこのませ 給ふとうちう太より◑ ことあらばこゝろくまなく かきにこれ いひきかせよわがかたよりも さきだつてねんしをしゆくすの 当月十二日 もみたびとつて出し いたゞきつぎにふばこの ひもをときあにの しよかんをくり ひろげよみおはりつゝ うなづきて 〽ごれんころなる あにのおふでこれ まで隼人慎うちうちうち をかはる〴〵にさし こされわがつけびとゝ いたされたればことしは 右ほう太がかはりとして はいとをつかはすべきの ところいさゝかさはること あればせがれりう太郎を さしこせり此ものいまだ じやくはいなれども父に おとらぬきりやうあれば ねんしのつかひことおはるとも なほそのまゝにとめおくべし かへす〴〵もりう太郎がじやく 手なるをあなどらずはいと うちうえどうやうにくにの せいじをだんかふなしなほざり ならずこゝろえよとある 今にはじめぬ東にうへのおん いづくしみのあさからぬを四の春へ ●きゝつるが われも すこぶる つるぎを このめば ○ 名ある しなと きく ときは もとめおきしがあまた あればそのうち よりしてゑらみだし 右ちう太がかへるの みぎりひとふりあづ まへまいらせたしつきへ トン 四巨言記士 をるぐ太夫がすいきよに よりてその名を素崎そ 妙意軒焼はとよばるゝ ひとりのらうにんありて ゆへよびむかへつゝとひ こゝろみしにすべてめい さくのつるぎにてもその けんそうのよからぬ ものをつねにこしに たばさむときはわざわひ そのみにきたるべし又そう がらよきつるぎをさせば身に ふりはゝるわざはひもかならず のかるゝことあるべしそれには かういふしようこもあり またしか〴〵のわけ ありとひとつゝ〵に かちやまとの こじをひきつゝ 剣習の相記をよく見るよし べんずる ところ つきしされどもちかごろこれに ひぎの ものに おうずる ごどくしるもはくかくたさい にてよくわがこゝろに 〽左ゟしこゝろづきし はや〳〵これへト いそがすればきん じゆのものが こゝろえてゆ ふねくつかへり ひとまづうみに しづみしが なほめいすうの ◑やがて ひど まへ よび いろく かの やうい けんは べつにん ならず まては わるもの しば六 なり いつぞや いつぞや だいりの わたり にてはや てのために かなひしらばもちつたへたる つるぎはもとよりあらたに もとむるとうけんもひとたび かれにめきゝをさせて よきことさだまる しなならねばめいさく しなならねはといさく なりとも手にだも ふれねばすべてやかたに しよぢなすつるぎは 吉相せならぬはあらね どもなほあにうへにまいら するにはよきがうへにもよろ しきをゑらばずんばある きみのごきげんうかゞはんとてこのお屋かたへまいりしゆへ おんつれ〴〵のおり からなれば かれめにれいの 左事にばなしを いたさするのも おんなぐさみと おつぎにひかへさせ つるはトいふにむね しげよろこびて それはよくこそ右へ べからず人をはしらせめうけをとく〳〵 めせトしゆじんのことばにかたへにひかへしぐ太夫が したりがほにすゝみいでかゝるごようのあるべきとは せろしやもこゝろつかざりしがせんこくくだんのめういけんが 廿一日 二月十七日 つきざるところか かたへにありあふ岩のうへに なみの うちあげ られ ちからで からき いのちは たすかれど もなく つまこの せうじを しるよし しがい なり とも たづね だし せめては ほうむり えさせんと おもはざるに あらねども へなみにまき あげらるとき いはほにかしらを うちあてられ そのいたみもり也 一十一日記一ノ つゝきたへ がたきに げきさい おやかなに 見つけられ うち〳〵こゝいに さまよひゐて 同二十二 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ とらへられなば 身のはめつ さいわひにして むさぼりとりし かねはのこらず どうまきに むすびしまゝに すてざれば これをろように はしらんとひとり そのばをのがれ きりしがいはほにうち しだい〳〵にくづれ いだしてみちゆく こともかなはねば さるはたご屋にや とうりうして りやうぢを せしかば いしやをたのみてかゞ 塀 つけられたるきずの □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 左ゟしあんをなすに わがみひごにいたらんにも そのかみなせしあくじの あればいかゞならんと あやぶみしが此かほ なればきづかひなし 今はつまこをうし なひて手だての たねをなくせし かどおもひ たつたるしよ いちねん此 まゝにして やははてんト 国 もうかぶに むねしげは ひた すらに とうけん をこのめるよし きくにしば六 びんぎをえて らうしんゆがみ ぐ太夫に ものをおくりつ とりいつみ わがみはみやこの らうにんにて そさきめう いけんといふ ものなるが つるぎのそうを 見るじゆつありと いふところより むねしげさへかくは たばかりおほせしなり 合 こゝろざしを はげましつゝそれより ひごにおもむきてかしこのやうすを行 それはさておき めういけんはきん じゆのぶしに しるべをせられて ひとまのうな いりきたるを きずは ようやく いゑたれ ども あたま よりかねへ かけ くされし あとは がらに ◑らい びやうやみに ことならず かゞみをいだして てらし見るにわが おもかげはどこへか うせておにかと おもふばかりなる にぞ又つく〳〵と右へし □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ むねしげ ちかくすゝませて 〽そぢをよびしもほかならず 此たびわがあにむねたか 一より太刀ひとふりをたま はりしゆへそのへんもつのこゝろ にてよきわざものをまいら せんとおもふがゆへにしよぢの つるぎのそのうちにてもそう がらのよきをなんじにゑら ばせてあつまへおくりつかはし たしまづわがあにより たまはりし太刀のそうより 見られよしくだんの太刀を見 するにきめういけんはかしこまり さやをはらひてつく〴〵とうち ながめつゝよこでをうち〽ゆきばと いひかないろといひあつぱれきたいの 吉相行なりこれまであまたの つるぎは見たれどかゝるめでたき そうがらなるはあわゆきといふ たんとうと今はいけんぜし此 みつなぎとたゞふたふりのほかは なしまことにしんちやう〳〵トいふは みなこれめういけがつくりなしたる そらごとにていつそやだいりのわたりにて ふねのくづがへらんとせしときおりうが くだんのあわゆきをこしにたばさみつきへ 百三十七丁 西民吉識方 つきとびいりしをあやうきなかにも見とめし ゆへ万にひとつにいのちたすかりおりうが くだんのつるぎをばぢさんすることありもや せんととほくはかりていひづるをむねしげ いかでかそれとしるべきまことゝおもへは よろこびて〽きあるときには此むくひにわが しよぢのつるぎのうちいづれをかまいらせん よろし〳〵めきゝをなしくれよトあまたの つるぎをとりいださするをめういけんは おしとゝめ〽はゞかりおほきことながわきみの ごしよぢのしなぐはかねてはいけんつか まつりしがなか〳〵もつて此みつかぎに くらぶべきものありともおぼへずたま〳〵 しばらりとならばなほぞうがらの よめしきをえらばせ給ひてしかるべし いふにむねたかうちあんじ〽いはかし ところことはりなりしてそのほうがへ 見しといふそのあわゆきのさんとうへ いかなるものゝしよぢならぞ とがねをもつて手にいるなら もとめまほしトとひかけられ おりうがぢさん したるとき ことばのまち がひあらんも そのもちぬしはしか〴〵と いはんとせしがにてしばし 今よりあらはにいひおきては 十五十七ゟいちれは なすをめうい けんはおしかへし 〽イヤ〳〵おんみよた じげなしとくちの さきではいはるれ どもこゝろの うちではあな どりてことばな もちひられざること おもてのいろにあらはと たりおんみのためを おもふがゆへによけの くちをもきく かたなはうりしろ なしほかにけん そうよろしき かたなをゑらみて もとめ給ふべしおたのみ あらばそれがしがよきに おせりもいたさんにト くりかへしつゝすくむれ なればそれなる ともりう太郎はもく ねんといらんもなさで ゐたりしがしば〳〵いはれて かたちをあらため〽どしん せつなるおことばをもごく しれずいはぬにしかじと ぞんぜずしかれはおん手にいるべきものか 今さらなにともおこたへはトいふに むね二アせんすべなく〽さらば よろしきそうがらの しあんして〽そのあはゆきはんづてにめきゝを たのまれたることゆへたがもちぬしともさらに つるぎをちかきに もとめいだして あづまへおくり まいらせん まいらせん それにつきて それにづきても もう太郎今 きくとほり めういけんが つるぎのそう 我 見るところ きたいふしぎのめう じゆつなりさいわひの おりからゆへそちがたいせし ふたこしをもかれにめきゝを いたさせよトしゆじんのことはに とりよせふたごしともにさしいだすを めういけんはゑしやくもなくぬきはなし 見てまゆねをひそめ〽さしそへは さもあらねとかたなのそうがら はなはさわろしこれをつねにたいするときは りう太郎はつぎにおきたるかたなを □□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 西国奇談六 にて 身を はたす べしかな からずたいし給ふなと しもいふをうちきく りう太郎がかたじけなしと一右へし 給ふなと にはあらねどもわれ さらがしよぞんはいさゝか たがへり今そこもとの おふせにはこれなる かたなをたいする ときはくわしよくにて 身をはたすとある ゆへあさゆふの ゆへあさゆふの しよくじをば今より しよくじをば今より ひかへめにいたし かくてもしよくの すゝむときはこれ なんかたなの たゝりならんと いよ〳〵こゝろを もちゆることせう がいわするゝこと なくばこしにたいして あればとてくわ しよくのうれは なかるべしたとひふく そうあるつるぎにも せよそのもちぬしの だじやくにしてひたし すのおこりをきむる ときは身さへいゑ をもほろぼ さん 乞 二丁一吉丁 つきしさればつるぎをゑら ばんよりおのれがこゝろの ぜんあくをゑらぶに しくはあがまじきか ことさらわが身は おさなきより とみんの なかに そたち を むね だか きみ にめし いだされ 此ふた こしも きみのたま もの さすれば いのちおはる まで身を はなす べきもの ならず かさねて おすゝめ こむようト 左ゟ人のこゝろをまよはするかゝるものをはれう 〽ちにおかばつひにはくにゝわざはひあらんたこく さするぞよからんじたゞりう太郎がいちごん しよりうつてかはりしむねしげがことはにぐ太夫 おそれいりつゞいてはぜんをさがりしがさすがに めんぼくなかりけんそれよりびやうきと ひらうしてしばらくしゆつしもせざり けりとかくするうち東国□へ ししやにゆきたるくめん次がほん ごくにたちかへりしが父のびやう きときくよりもいまだ 屋かたへいた らぬさきに その まの □□□□□□□ たるを いひはな されて めういけんは りのとり りのとう ぜんにことばなく せきめんせしが そこくにやがて ぞきけるあと 見おくりてりう 太郎はむね しげにうち ごぜんもかへり みずせつしやが くわごんおそれ いるト身を へりくだりて しげきげん うるはしく〽イヤ くるしうない むかひ〽きみの のぶるにぞむね そのざをしり よくいふたいかさまそちがへ よくいふたいかさまそちが ことばのごとくつるぎのそうをし ゑらばんよりこゝろをゑらぶ べかりによしなきことにまどは〳〵 一一九一 一月月十一日 されすせうしれざるらうにんをひたすらしんこうしたると くれも今さらこうくわいせりぐ太夫そちがすいきよなれども右 西国寺炎一 ありしことゞも かやう〳〵と ものがたり〽わがみは とうけのらうしよくゆへ くにのせいじは身ひとつにて こゝろのまゝになさんと ちろく よび 此ほど 中ぐ太夫 よせて やかたで おもふにあづまよりのつけびととて はいとうちう太両人をかはる〴〵に いさしこさるゝゆへ ばんじにさま たけおほかり しに此たびは まだまへがみの りう太郎を つかはされしかば こゝろやすし ◑とはいへ まんぎの なかにおいて われにふかくを とらせしうづぶん 此まゝにてはすておかれず 此まゝにてはすておかれず おもひのほか たゞいちごん にてめういけんを おひしりてかせし かれがきりやう いぜんのふたりに いやまさりて なか〳〵にあな どりかたし なんぢおやにたちまさりてにさいかく あるものなればかのりう太郎に此き入 同七十二言一ノ 此たびとうしよへざしこされし りう太郎といふものはさるものなりと うけたまはりこゝろにくしとおもひしに わがかへらざるそのうちにかくのごとくの ことばをはつして父にふかくなとら せしことなにとももつてきつくわい しごく此うへはそれがしが 手だてをもつてかのものに あわをふかせて光うへの うらみをはらし候はんさいわひ しゆくんむねしげこうはかね〴〵 狩かをごのみ給ひてあまたの 大女をろひおかるゝなろにも その名を野分かけといふは世に たぐひなきいちもつなればわけて かゝきうらみをむくふよきふんぐつもありぬべしびやうきといふも ぐれゆへぞトいふにくめん次うちあんじ〽それがしこともあづまにて かくてはいろぐ候はんトみに くちよせなにやらん □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 半ときばかり さゝやくにぞ 一寸太夫 ほく〳〵 うなづきて〽わが ぱれあいち きめう〳〵トよろ こぶにそしめしあは せてくめん次はその まゝ屋かたへ 子なからもあつ おもむき ける 〇こゝにいたりて ひそうにせらるゝよし それがし屋かたへおもむぎつと 朔 あつまよりのかへりごとを 一平内丸一包百九 鮮 まうしあぐるそのついでにくだんの 第一ひいをおぎなひ じんせいをます妙薬 なればきよじやくの らぬをたねとしてかやう〳〵にいひこしらへ 一又しかぐにはからふときはですきものゝ りう太郎をおとしいれんはてまひまいらい くめん次がいか なることをつ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 此もの がたりいつゞきより こゝにいだせし画のわけをも 第七へんにつぶさにとくべしめてたし〳〵〳〵 入常に用ひてよし 下谷さみせんぼり 民政染崎氏製 爲永春水補綴 国貞画 梅蝶楼國貞画 鐫 新 年 大 久 二 戍 同 録 十五編 十六編 根源實紫 むらさき十五編卵亭種彦作 柳亭種彦作 一寿斎国貞画 十七編 五編同作 大尾同画 娘庭訓金鶏 十七編山東京山都 おくみ 琴聲美人録 十七編船第一十七編船印 一同様序種病作 十八編歌川国貞画 一乙部歌川國貞画 総次郎 十九編十九編十九編 初編柳亭種彦作 花兄弟陸奥名所は 二編歌川国貞画 一身自白銀百炎十三編烏永春水作 十四編 新増補西国竒談 十五編 十三編爲永春水作 歌川国貞画 芝神明前 同様佐野屋喜兵衛板 地本繪草紙團扇問屋共 三嶌町 □□□□□□□ 一〇〇〇〇・〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇 一九八 第や編 辻野喜梓 以上 補儒術 さいこく 春水補綴国貞画 12759 20曲 六 西国竒談 七 編 「仆題「「「「」「 新増補 p. □ 西図奇談 第七集の ね 上 為永春水作 口 一寿斎国貞画 ◇ 佐野喜吉 十二 什麼這策子は前販を、増補 せよとの需なりしを多くは僕が 意をもて演れば。縡みな新作なら ぬは稀なり。然はあれども旧板に、 立たる條は違じと。或は名を変 品は換れど。その本原は失はず。 茲にも飯野の風穴の。那一段を あらはすものから。頃は初冬の弥 寒き。窓の障子の風穴ほど。 人の耳をば駭かさぬを。しすまし 顔に机に對ひ。火の気も薄き 一巨燵の裡に。穴篭りして藁をものす。 安政四丁巳孟冬稿成 同六巳未初春發市 春水誌 西国守淡七 侍女 八重桐 内室窓香 なす 那須 大右エ門 高景 西匡言詞七 やゑぎり 八重桐の 召仕阿寸義 六編のつゞき ふたびとくゆがみ くめん次はかの りう太郎がいちぜん よりめういけんを おひしりぞけ られとうざに めんびをうしなび つゝびやうきと ひらうしひきいりしと いふ父がことは さらばその いう太郎行を つみにとつて おとざんと さま〴〵しあんを くめん次は父ぐ太夫には うまれまざりてすこく あくさいあるものなれば ひとつの手だてをおもひ つきやがていふくをあらたりて一度 そのまゝ屋かたへおもむきや あゝむねしけのゐまちかく ともなくねこいつぴきらうかの かたよりはしりきてくめん次が いふ父がことはにいきおほり めぐらせしがもとよりして すゝみゆかんとするかりしもいづく ながばかまのすそにとりつき じやれかゝるをよく〳〵見れば廿 一手此ねこがくちに かんざしをくはへて をりざつするところ おくでんにかはるゝねこの此あたり まよひきたりしものしらんじ おもひながらもはれぎぬをけがしや せんとあふふみつゝはかまのすそにてね なにこゞろ くめん次は ひろいとり つゝうち 見ゆれば しろ かねをのべ こがねを 花桐はなを たかぼかしたる さしこみは つゝき かねて こゝろを かけし おくがた 二の町の にて 名を 八重 根葉 西国竒談七 左上ゟごきげん よきかゑんろの どうちうつゝが なくつまな なくつとめ かへりし ししやの やくめせ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ いふものゝ つね〴〵させる たいぎで なる 四かいなみかせおだやかなれど 左の中ゟをはせ 給ひしんぜられ たるおんせうぞこの たるおんせうそこの おんかへりぶみを たまはりしゆへ すなはちぢさん つかまへりぬかのちに おいてもかた〴〵さまの かはらせ給ふおんぎも あらねはみこうろやすく おぼしめせトいびつゝ ふばこをざしいだせば むねしげとつて おしひらきよみ おはりつゝ又いふやう 〽そのほりあにくまみへし ときほかにおふせは なかりしかト思はれて こなたはよきしゆびと おもへば小ひざをすゝ ませて〽かはりしおふせも 候はねどせづしやを めされてよも やまのおんもの 一がたりありし ときむねたか ぎみののたまふ にはへいけじつらくせしのちは } かんざし ゆへとゞろく むねをおし しづめきりや ないものが いひつゝも あたり 見まはし うち うなづき そのまゝ くだんの めん くわい しゆ ことはにへいふくなし あまる ぎよいを しが しづくとも まつる それ あづまへ ◑しゆ元のまへにおもむきつゝほんごくな坂ねへ ししやにまいりしくめん次がたちかへりしよしまうし いなれはむねしげはほとりちかくまねきよせ 〽此ほど木むらもろ太郎太郎がとうごくよりしてまいりし にてかしこのあんびはきこへしが兄弟はます〳〵右中へし まいりしところ さつそく おんあに むねたるぎみ にはおん めどほりを おふせつけ られこなたの ことなど ちにゐてらんをわすれずとは もとこれぶもんのたしなみなるが しもつのあしをならさんには山猟消 たつしやのものなればつきへし するにしくはなし さいわひにして わがれうぶん なすのゝはらは いにしへよりおとに きこへしひろ野 ゆへをしのうち には二ども三ども かりくらをもよふ してひとづには 身のほようとし 又ふたつにはわか ものどもに ぶじゆつを はげますため なるがむね しげにも かねてより かりをこのむと きゝつればさる もよぶしも あるならん 此ほどししやに 一つかはせしかのもう 太郎はとしわか なれど馬上じやう 西匡司議レ 一つき一さいこくぶしにたち ならぶともおさ〳〵おくれは とるまじなどおんものがたりの 候ひしトことばたくみに いへるにぞむねしげ しば〳〵うなつきて 〽さてはあにゝもかりくらで つねにこのませ給ふ 〽とかわれはちかごろ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ことにまどれて しばらくかり をもおこたりしが 此たびはやみ うちう太鼓 きこくさするの はなし ながらかり くらをもよふさば かれがあづまへ かへりてのかたり ぐさにもなりなん下 かトいふに くめん次 しすまし たりと おもへば なほもさし よつて 〽きみ今 黒 四十一 ゑつぽと よろこびつゝ 日どりをさだめしごとせしうへ やがてごせんをしりぞきつゝ さてわがいゑにたちかへり 定令太夫にしかぐと下へ 中ゟ すぎ ものがたり かくては ちかきに りか太郎 めを めを ほへづら させて おやびとの いこんを まうさん うちに わが手の おぼへあり かならず みこゝろ やすかるべし よろこぶ ぐ太夫が トいはれて さいにまた しあんに およばず びやうき 参りを あそばさば さひそりの 野分わき をいもう 太郎が 手につけ 給へかの いちもつに かり いだきを いださせ ばしやう たつしやの わう太郎に ゐさせ給はゞなか〳〵の おんなぐさみにひはんト うはべはじついに見せかけて そこにた金のありぞとも つかねばむね つかねばむね しげが〽いかさまそれはきやう あらんさらばこんどのはりくらは そちにぶぎやうをまうしつけん ゑんろのつかれも あるべけれ どもそれ らのようい ちのよう いはれて □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ はつとも 百目予宛一同 ほんぶくせし よしめて そのつぎの 一日より しゆつし なしはじめに かはらず つとめしとぞ さればまた くめん次は その夜おのれが へ屋にいたり さきにひろいし んざしをとり いだし見づおもふ やう此かんざしの もちぬしなるかの のゑ八重相ざりがおやと いふは那須海大右衛門だい とよばれつゝとうけにとつては ゐいしよたゞじきいゑがらの ものなればそのむすめたる やゑきりゆへもらひかけてわが つまにトそうだんはかけたれども かの大臣もんといへるものその こゝろざまおろかしくひとりの むすめをたなそこのたまのごとくに めでいつくしみかれがこゝろにかなひしと いふ物とこならずば 巨 四里音話し つゝきむこにはせじことて わがかたよりしていひ いれし越なほそのまゝに いらゑもせず此うへは 手みじかに むすめを さきへ手に いれて いやおう いはせず まうしうけんと おりを 見あはせ やゑぎりに とゝろのたげを こまぐとふでにも いはせあるときは めかほでしらせ そでつまをひき こゝろみしもたび〳〵 かたぞうにておくりしふみさへ なれどかほににあはぬ 霧島山の埜にて遊猟の図 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 手に だも ふれずこれに いよ〳〵おもひは ませど また せんすべも なかりしに これを手だその ふしぎに 手にいる 此かんざし たねにして しゆびよく かれを手に いれるははよい しあんがあり そうな下 ひとり こゝろを くるしめしが なにおもひ けんうち ゆゑみて やがて いりに けるかゝりし ほどに そゝのかされ 二の巻へ 十一日 の春ゟ此月のそれの日にはきりしま山のすて野に おいてかりくらをもよふすべきむねまうしいだされ たるによりくめん次は此がりくらのふぎやうをめいじ られたることゆへまづやゑぎりを手にいるゝの はかりごとはあとへまはし此よしきんごうきんざいを 百せうどもまでふれしめしてよういばんたん ぬけめなくかくてその日になりしかばむねしげ はじめむねとのめん〳〵おもひ〳〵のかりしやう ぞくにさきをはれといでたちつゝねつを ぞくに此日をはれといでたちつゝれつを 一やたぐしてすそ馳なるかりばをきしておもむける それがなかにもくめん次はかねてはかりしことなれば かの野わけといふいぬをあづかる列子此どもを ひぞかにまねきたがさくきたりし酒さかなをかれはに あたへてさゝやくやう〽わいらはなにとおもふか しらねどちかきころあづまより此ちにきたりし りう太郎はもとせんどうの子なりしをとりたて られしなりあがりふだいしんこのわれ〳〵が どうせきいたすもくちをしきにわいらはけふのかり くらにはそのもうそめがせこにあてられせんどう ふぜいにおひつかいろくはいびがひもなきことならずや なんぢらこれをむねんにおもはゞわれにひとつの 手だてあり此ことしゆびよくなすにおいてはべつに ほうびもとらせんにしよぞんいかにとすかされて もとよりしりよなきしもざまのうちうなづきつ すゝみいで〽おふせのごとくわれ〳〵も一合とつてもかみの ごけらいせんどうごときのにせがれにおひつかはるゝは くちをしきにおもひがけなく酒さかなきたまはる のみかごほうびさへくだされんとあるうへからは一つきへし つゝきしいかなるおふせかしらね どもかならずそむきまいら せじトいふにくめん次よろこびて 〽さつそくのしようちにて おいても あんごと いたした さらば さらば しさいを いひきか さん わいらも かねて しる ごとく 此山の ふもと には いひ枕の 風穴あり 風吹森 となづけ いとおほき なる ひとつの あなが なし いへ あや かぜを それはをも あれかくも あれかの あづま りう太郎は ゑびす こゝらの あないを 上 ふ 九 いだすはもうじう とくじやのさむにや あるべし □□□□□□□□ 〽中ゟしるものならめに あなのうへには それがしが かねてけらいに まうし つけ かれしば なんどを おきならべ させあななきていに こしらへおけばなんぢら 鹿島にいぬをかけなば おひまはしおびき よせつゝりう太を あなあるかたへと あはよくば かのあなへ うま もろ ともに おち せよ も それまでに いたらずとも 野わけのいぬを ともかくもして くだんのあなへ おちこま さば これを りう太が 三 それ 四百七十七 三の町御前の侍女ども 付侯の窓より宗重主 僕が猟に出るを闕見る 鉢縡は末の本文に見ゆ わかしいはれて こなたのせて どもはかほ 見あはせつ うちゑみて 〽なにごとかと おもふたち あのりう 太郎を かざあなへ おつぱめよ とのおたのみ なら われ〳〵が しなれた しごと 此酒 げんきを つけまんまよ しゆび □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ よく さかなで やるべきに みころ やすく おぼ めせ いふ □□ うな づき 〽おで たの 国 きに いちごん それで われ らも おちついた おちついく きはいへ これはみつじ おりかならず ひとにさた ばしすな 百目十七丁 ◑むねしげはかねてより もうけおきたるかりや をばほんぢんとさだめつゝ 四ほうをはるかに 見わたして おの〳〵のはたらきを またゝきもせず けんぶつなすにぞ しやくんのごぜんで こうみやう手がらは なほせんじやうに ことならず 日ごろの しゆれんは 此ときぞ ひとに すぐれ 手 なみを あら はし きみの ぎよ もひめよ〳〵トさし しめしわかれて かりばへおもむきける くらに◑ あづ からんと ばげみ あふたる むねとのめん〳〵 きりしま山より かりおろすしゝさる うさぎのきらひなく おの〳〵ばしやうに かけなやましゐて おとせしはそのものどもの ひとつ〴〵に名まへを しるしてみな ほんぢんへとおくるなる いとはれがましき そのなかにもとり わけ木むら わけ木むら もうなけは もう太郎は こんにちのかりくらに しゆくんのちやうあひ たぐひなき野わけと いへるかりいぬを つきんし 「巨言訓七 つき かれが手に つけ給ひるまも 名にあふいちもつを ゑらびてかさせ給ひ かば身にあまりたる とうざのめんぼく それにつきては ひとなみにこへたる 手がらをあらはさずば かへつて人のものわらひに なりもやせんと おもふにぞ いさみすゝんで かりたつるに ふちあんおいの ふちあんないの ばしよながらほんごく なすにありし日より わざになれたる のみならずばしやう たつしやのわかもの ゆへ木のねゑか ぎらひなくのりめぐり 又かけたつるに 野わけもきこへし いぬなればおひ〳〵 山よりかりだし きたるを矢ごろを はかりてはなつ矢の おもふねらひのみなそれて下へし 三十一疋 上ゟ矢はつけ ながら二ひきまで しゝのゆくゑを 見うしなひ 日ごろの しゆれんに ひきかへて うさぎひとつも ゐとめねば ひとの 見るめも めんぼく なく しきりに いらだつ その おりしも ヌもや 油わけが しかいつぴき かりざし きたるを きつと見て 此たびこそはと ねらひ つめ つぎん 西国音割七 たちまちに しかは もとより つき きつてはなせば これもまた ふしぎにねらひの すこしそれて 矢はたちながら とびゆくしかを あとにつきそひ おひゆく 野わけ りう太郎は 此しかをもし ゐとめえぬ そのこときは 人におもてを むけがたしと いきほひ こんでおつ 二の矢を きつて おもふ かけきつ はなさんと おりから 野わけさへ かの かざ あなへ なち かさ かさ なりて すがたも 見へず なり ぬるを かつて ちう太郎 あな ほとるへ な しば にて つみ かくしいゝ あること ゆへあな しらず◑ 百目十癸亥 のが いつさんに つきへ 右半丁 融 國國補 つき も あや うき ことなり けり ○これ 下の巻へつゞく 國貞画 春水作 西国 奇談 春水補綴 国貞画 十三編は阿綾爪五郎と姦通して賭に夫に再会の一段阿竜紋生后を 祈りて身に妖術を獲るの奇談お竜龍太郎を手につけんと色に 辞よせ言寄て反て耻しめらるより渠を罪せんと計るの一端十四編は 一偽龍太郎の故により真の竜太郎が二の町と不義せしていに言なれ 終に配渡せらるゝの赴き茲に節之助が忠心義膳「五編は塙守荒 大夫が龍太郎を苦しめんとするより苫屋浪子の二個の蜑が竊に龍太郎 をいたはる一段つゝいて浪子を荒太夫が強奪なその物語など最巧みなる 條あれど白地には爰に記さず干は出板の時にぞ知られん 一根源実紫新刻概略作者柳亭種彦画工同前 十五編筑紫なる穴人の買し宝箇香炉倫て宣孝に托す野洲呪詛然されて紫 式部寛を受十六編式神壽祖秩手等が隠謀を露はし櫛彦自截て奉 が汚名全霊まり黒白判然光悪皆戮せらるつぎて少将が貞節惟規北国 にて死して又蘓る十七編」大貮三位生れ宣孝病死花山法皇の御傳大かた 此編にて全備り式部源氏物語を作り上東門院に奉公十八編以下は追て記すべし 一〇〇 春水補綴 西国 七 七篇 四十一日 この巻 春水綴 くに貞 画 十二 上の巻ゟさればまたりう太郎はふかき たくみのほとしあなへいざなはるゝとは つゆしらずいきほひこんでおふほどに しかはもとよりかのいめもたちまち 見へずなりしかばこゝろえがたしとおもふ まにすでにしてわがうまも又かの あなへのりかけてあはやとおどろく あなへのりかけてあくたるわかものゆへ ひまもなくこゝろきゝたるわかもの まだあとあしはあなのふちに ふみとゞまりしをさいわびに うまをたゝせつぴき めぐらしてからくも あなにおちいらず あやうぎ ばしよを のがれ たる ば しやう ながらに さそくの はたらき ぼんにん ぼんにん ならずぞ 見へに ける しゆくんのしもつてせしことならねばのぎへし ◑ちやう あいならびなき 野わけをあなに 時わけをあしが手を ちいらせてはわが手を もつてせしことならねばつぎへし 月十七丁 四匡高越七 つぎまうし ひらきはたつにも せよぶしのいち ぶんたちがたし こはいかにせん とうわくのは こゝろをなや ますなりしもせ ためん次は かねて より たゝやみ たる なれば めに □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ おんみ そこらに たゝずみて なにをうつかり なにをうつかり せらづくぞわれらは みかりのそうにぎやう けんぶんせよとわが きみよりおもき おふせをかうぶり たるをおこたり あらばその おの〳〵がたのはたらきを とほり しゆくんに まうしあぐ べきぞと やくめをかさにけんへい まなこそれときく よりりう太郎は たちまちうまより とびおりてかさとりのけつ 手をさげて恩のごふしんはさか まつたくせつしやがおこたりてこゝに ゆうよをなせるにあらずそのゆへは かやう〳〵トありしやうすをもの がたればくめん次はさもこそと おもひながらもたちまちに うちおどろけるおもくちして 〽そはやすからぬちんじなり くだんの野わけはわがきみの右へし 手をさげて恩のごふしんはさることながら 同百目午炎一 たよわちやうあいたぐひまれ なるをこれなるあなへ なめすぎたる ごぜんのしゆび のよきまゝに けふのみかりに 野わけの ◑まづちつたんは よじんへとじたいも あるべきはづのところ これ見よがしのけふの いでたちさてはわどのゝ 手のうちにおぼへあつてのこと ならんとぜんこくよりして ける薬 いまだ みじゆくの ものさへも 小さるひとつも ゐとめられぬは さてあつぱれ くんのみこゝろ にも野わけの 三びきはゐて 二ひぎや とらざるは まれなるを それにひき かへわどのは またこん あやう ちやうより 今にいたり なるお手の うちもと よりしゆ も野わけの いぬをかし 給ふは ひとに すぐ □へ□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 二十一年四日 もとに つき 西匡音越七 つぎまうし ひらきはたつにも せよぶしのいち ぶんたちがたし こはいかにせんト とうわくのは こゝろをなや ますなりしもせ ためん次は かねて より より なし たる なれば めに □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ おんみ そこらに たゝずみて なにをうつかり せらがゝぞわれらは みかりのそうふぎやう けんぶんせよとわが きみよりおもき おふせをかうぶり たるをおこたり あらばその おの〳〵がたのはたらきを とほり しゆくんに まうしあぐ べきぞと やくめをかさにけんべい まなこそれときく よりりう太郎は たちまちうまより をびおりてかさとりのけつ まつたくせつしやがおこたりてこゝに ゆうよをなせるにあらずそのゆへは かやう〳〵トありしやうすをもの がたればくめん次はさもこそと おもひながらもたちまちに うちおどろけるおもゝちして 〽そはやすからぬちんじなり くだんの野わけはわがきみの右へ 手をさげて夏のごふしんはさることながら 百目午炎一 〽左ゟちやうあいたぐひまれ なるをこれなるあなへ なめすぎたる ごぜんのしゆび のよきまらに けふのみかりに 野わけの いぬを ◑まづちつたんは よじんへとじたいも あるべきはづのところ これ見よがしのけふの いでたちさてはわどのゝ ならんとぜんこくよりして 手のうちにおぼへあつてのこと けぐつすに いまだ みじゆくの ものさへも 小さるひとつも ゐとめられぬは さてあつぱれ くんのみこゝろ にも野わけの 二ひきや 三びきはゐて とらざるは まれなるを かへわどのは またこん ちやうより 今にいたり あつぱれ なるお手の うちもと よりしゆ いぬをかし 給ふは それにひき ひとに すぐ □□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ もとに つき 西目言言七 つき えものを さすべきためならんを えものはなくてたいせつの いねをばあなへおとしいれ うづかりひよんとしてゐる とはさりとては又せうしせんばん とはいふものゝそれもそのはづ はらはたゝれぬそともとはいぜんが いやしきせんどうゆへぶしのさほうはし どうりさりとてかゝるちんじなば みのがしおいてはやくめのおちどきのど ながら此とほりごぜんへいでてまうし あぐるのちのでさたをまたれよと あくまでのくしりはつはしめて ふたゝびうまにうちまたがり ごぜんをさしてはしりゆく そも〳〵此りう太郎は せんどうかぢゑもんに やしなはれいやしきそだちは したれ のさほうはしらぬも ● ぶじゆつは じとくなし たるにすぎ ころはる おや子の なのりを おすの御と けらいと なりて より 文武ふん 一のみちは師しを まらみてちうやを わかずまなびしに わけてゆみやへ ほんどく ことにして此たびのかりくらのそう 左ゟしそれべきはづはあらねども これもまたくめん次がふかくたくこし ぶぎやうをつとめれば かりばのよういゆみ矢の たぐひもかれが手にて しつらはせしゆへりう太郎に 矢 には もつて さて こそ ねらひを そらせし なれ ともしら ざればりう太郎は 今くめん次にあくよりされ きりやうはあれどさすがは わかものいと くち をし くは おもひ なきへ 手だれなるを ねくひし矢さきの かくまでに方へ ヨリ十七一 さし あたりたる 身のあや まちに かへす をはも あらず てきに 西区吉割七 とひ せつ ふく したれ べとて ◇ 此身の ぶかくはきゆ ふかきあなにもせよ いちねんあなのうちにわけ いりて野わけをすくはでなく べきかトしあんをしいゝたちあがりし まづあなのうちをうからひ見るに右へし 西国安政七 左ゟ かすかにいぬの なきごゑする あたり どもの ちかきせう 女兵団 にぞさては 野わけは つゝがなし はやく よういを なす べしも 五 いでしをよびちか □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ なわにたいまめ よしあなへいるべき よういをばいそがし たてゝそいひつけける それはさておき こめん次はりう太郎 をばあゑのうちへ おとしいれぬはくちをし けれど野わけがおちいりたる うへはこれをおちどに さんとおもひのまゝにのり りう兵郎をつるにとつておと ものともしらざるゆへ野わけをかさせ給ふ やう此ほどすゝめたてまつりしに此ながの目を かりくらせどもうさぎひとつもゐとめえず □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ らじトそのみのおちどに かこつけてもう太郎をばつみ なはせんとことばたくみにのぶるにぞ 日ごろはさしもものやはらかなる○き也 はづかしめつやがてむねしげのほん ぢんにはせきたりつゝいへるやう あまつさへ野わけをば いひ野のかざあなへ おちいらせし見さけ はてたるたいけ ものこれしかし ながらそれかしが よしなきことを すゝめまいらせ ごちやうあい 一あさからぬ 野わけを かれにうしなは せしことまうし ひらはんことうし ひらかんことはも なし此うへば それがしを いかなるつみに しよせらるゝ ともいさゝか うらみたてまつ 十四 つき くわん これ まで 手づから かひたてて ひそうせら 〇 野 そのときうちう大ゝすゝみいじ〽かんいき どほりはさることながらかれが野わけを おちいらせしもまつたくとう しよふちあんないゆへ雅なかに かゝるかざあなのありとも おもひしらねばなるべしよし またあないをしるものなり とものりたるうまをふみすべ らしてくだんのあなに やう あんじ 〽いぬのみ ならず こんちやう たゟしはげしきことばにきんじゆのめん〳〵はつと こたへはしながらもがほ見あはせつたちかねたるも よりうさぎ ふかく どもいふべきが かけゆき しかもしかもに をひし しかを口 ひとつもゐとめえぬ おもふにおとりしうつけものへ ゆるすべきにあらねども なんぢがことはのわり なければけらし かの名があなに おちいりさらん にはこれ成しも りう太郎が そこつとのみは さだめがたし そむをまれ いぬを りう太郎が あやまつて あやまつて おとし あれ今 ちう太郎を ごぜんに いれ めざれ きびし〳〵出とがめ いきどほり 〽いひがひも なきかれが ふるまひ たれか これに ひき 太郎を あらんにはわかげのたん りよにやるかたしく たち まち はら をや きりまうさん さすれば わづかにいぬ いづひきより かれがいのちを おとせしとあが きこへ候ひなはおん あにぎみのおぼしめ いろゞあらんもはかられず たゞというめんのでさたまてぬがはま ほしうぞんずれトいふにむねしけの一 たてよ上 右へ ○ しはらく 〽よがしやの さたにせばん なんぢかしこに やうすを見たる うへきやつめに よく〳〵いひ きかせひとつの こうをたて させてわが きたれさなくば めどほりかなはじ とてきんじゆ ふたりにめづけ ひとりをうちり太に つきしたがはせ 一いう太郎のあり さまをけんぶんのため つかはさもゝにぞ うちう太もはや いさめかねて きんじゆと しつけをひき しもつもつれつゝのきかし 四国言記七 あはたゞし げにはせし かへり〽うちう太 もろともわれ〳〵が かしこにいたり いひしに 二の簪ゟ くだんの きんじゆの そのほかに がたへに あり あふ もの どもを 又さしそへて ◑いらざる くちをたくきし ゆへあだにや ならんとおもひしに さいぜんはじしめ おきたるをいとくち なしくやおもひけん いのちしらずの りう太助が□ つかはせしがは むねしげ の ほ とり には ゆがみ のあないも しらで あなの うちへはいり たりとはお ものあの ぐ太夫 おやこのみざるべき ぶしはをら ざりけりその とき までも しめん 次は 身をつゝしみて ゐたりしがはらのうちにおもふやうわが はかりごとづにあたりてしゆじんにいかりを おこさせしをあのうちう太めがかたはらより◑ 百目午炎七 むりう太郎はわれ〳〵 どもがいまだまいらぬ そのさきに野わけの いぬをたすけんとて 身ひとつにしてかざ あなへすでに はいりて候へば 此よしまうし あげんため たちえりしト のぶるにぞ わづかにかな いよ〳〵はれが 野わけをば たすけあぐるか あげえぬか □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 四の巻へ あや おそれて よりつかず しかるを ひとり はいりては いきて かへらん やうもな して やつたるこ おもふにぞ おやこめとめを 見あはせてひそかにゑみをふくみつゝ やうすいかにとまつおりしも此 ほんぢんのかたはらなるしげりし くさのなかよりしてこつぜんとして 鹿かひとつおどりいでつゝとび きたるをむねしげはやもそれと 見て〽矢ごろにしかのいでたるぞ くめん次それなるゆみ矢をもてつきへし 十六 いはれてはつとくめん次が さしだすゆみに矢をつがゆる そのひまにかのしかはほんぢん まぢかくせびくるにぞふたりの せこがさゝゆるをふしぎや しかは人のごとくたちまち むつくとたちあがりさゝゆる せこをかいつかみあるひはなげ のけねがたをすおもひが なきふるまひにおどろきながちへ むねしげが〽さてはくせもの のがさじとつがひし ゆみやをひきしぼり □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ねらびかためて◑ つきわが手にかけてしとめんト のけねがたをすおもひがけ くせ ◑はなつ 身をかはしつゝ ものが おもてに かぶりししかの かしらをとる手も 見せずとびきたる 矢ざきをてうと はやわざにこはくちをしと むねしげが二の矢を つがんとするところを つがんとするところを こなたはあはてしこゑふるたて うけとめしきたいふしきの やらせ給ふおいふおとのさまわらはゝ 左ゟ此ひごのくに あはゆき とていゑ とていゑ わざものゆへ おやのかたみと ぢゆうだいの くまごほりにはちとの しるべのあることゆへ それをちからにはる〳〵と たづねきたりしかひもなく しるべのいゑもしにたへてたのむ こかげにあめもれるこゝちせられし ほいなさはなにゝ たとへんかたもおし 今はかへらんいゑも なくさらば此地に とゞまりて とゝまりて ほうこうせん かとおもへ どもながき たびねにたく わへのかねはもと よりいるいさへ はづちしながら うりつくし かゝるいぶせき すがたでは かゝへんといふ くもおし 人もなし たゞ此かへの たのみといふは こゝにしよぢ なすたんとう ひとふり館問は すきち もとよりくせものならずかゝるすがたに いでたちしもおそばへちかよりおりいつて ねがひあげたきことあるゆへしばしほん手を をゞめてよしいひつゝやがてわがからだにまとひ をゞめてよしいひつゝやがてわがからたにまそひく つけたるしかのかわを手ばやくとつてぬぎすつれば すがたはいやしきしづのめなれどたまをあざむく かほばせのひとたびゑまばくにをだもかたぶけまじき ようしよくにむねしげはまだおどろきて今うち つがへてはなさんとするゆみやをさいかにとりおほし かたちをあらためきつと見て〽こゝろえがたきなんぢが ふるまひわれにねがひのすじあらば 屋かたへまいりてまうすべきに かゝるゐぎやうの すがたにいでたち わがほんぢんへうかだひ よるははなはだ もつていぶがらし そも〳〵なんぢは なにものぞと とはれてくだんの しづのめはおめたる いろなくすみより 〽わらはが名は竜介と よばれおやはよしある さむらひなりしが さがなき人のざんによりらうにんの 身となりつるをいとくちをし〳〵おもはれけんそれを きやみにふたひやはひきつゞいて此世をさりあとに のこりしわらはがとうわく我にせんすべもなかりしが右へ 百目十一日夜一 かゝるひんくのきわまでも 身をはなさず うらでたしなみおき つれどたからは身の さしあはせとやら せめてこれをば しろなして 身のおちつきを さだめんと おもひ ながらも 此たんとうは 世にたぐひ 今さらにくち をしくおなじくは さるべきところのしよこうがたへさし あげておんさし札うにもせまほしくぎへ 交換をしている。 一百目十一丁 「つきうち ゑみて 〽やうぶに あまるその おふせ よるべ なきみを お底かたへ おんめし かゝへあらん とは此かへの とは此かへの なきよろ こびなれど おむまの おときは なにと 丑二月吉吉一 せきたち〽われも いつこの太やう なりいつたん こうといひ だしたるを 今さらに あとへやひかん もしこれゆへに おくがねたまば りべつするとも くるしからず かくても いなむか したがふ 左ゟひとのねたみもおそはし きをもたせられていよく おりうを かり屋に なび いるねば はつと こたへて くめん 次が おひげの ちりを とり〴〵に めしさかな をばとり いだせば いだせば むねしげ くめんすひそかに にこやかに おりうに しやくを とらせつゝ しばし しゆゑんに およぶにぞ かど れば かた ちを あら ため 〽もつ たい ない きみの おふせ いなには いなには ざら〳〵 はべらねど いやしき身 をもかへり みず おねまの はしを けがしては おくさまの おほしめし右 百目午炎七 愚 いふに おりうはしすまし たりとおもふけしき たりとおもふけしき いろにも見せず □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□ おもふやう今此おりうが ていたら〳〵なろ〳〵 もつてたゞものならじ かれにとりいりおく ときはわがため わろきことならずと はやくも しあんを せしこと ゆへとり もち がまに さま〴〵と いひなし しゆ じんの まへを など せし その ◑いらへをするに よろこびて〽さらば こゝにてしゆう〴〵のかための さかづきとらせえさせんくめん次 よういのさゝゑさげぢゆう とく〳〵もてトいひつけつゝむ はてて □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 〽きみ こんにちの かりくらに つきへ 五百三十一 いゝきあまたのえものは 候ひしがこれにうへ こすおんえもの文ある べくもおもつれずさり ながら此ばにてながく ごしゆゑんあらんには あのわるがたき あのわるがたき □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ○又さまたげをや まうしあげん ごけんりよ へゝ〽ア □□□□□□□□□□□□□ わが たち かへるを あい まつ 〽こゝろえ たる いひつげ られぐ太夫 はつと□ ひかし こまり やがて おりうを つれても いぶに しげ うな つきて 〽なに さま よくぞ こゝろづき たれさらば その ほうはとし よりやくに おりうを ともなび さきに 屋かたへたち かへりおなで どもにいひ つけてかれが 身なりを とりよそ ほはせ ほはせ □□□□□□□ かたを きして おも むき ける それより さきに りう太郎は 野わけの いぬをすくひ □□ 西国帝訓七 つゝきぶしの いちぶんたち かたしと すでに よういを なしたりし ほそびき ひとすじ こしに つけ も此だんいまだながけれどもれいのてう すうかぎりあれば 手に ◑あまたの まつを せこらにいひ □□□□□□□□ ながら ぜいと おほき 朝 一 牛肉丸百銅 なるざるに くりおろ うちのりあなのそこに 鎗 第一ひゐをおきなひ じんをとゝのへる妙 薬なればきよじやくの 人常に用ひてよし いたりしときもし此つなを ひきうごかしなばうへより きうにひきあげよ下 やくそくをさだめつゝのり させ たる 有 所谷さみせんぼり 副路染崎氏製 たるぎるにつるをむすひ◑ あなへ 一つけてかの 国貞画 春水補綴 ては 次第九次 戍 年 新 鐫 同 録 十五編 十六編 根源實紫 十七編 柳亭種彦作 一寿斎国貞画 五編同作 娘庭訓金鶏 大尾同画 魚作 十七編山東京山作 おくみ 琴聲美人録 一十八属柳亭種彦作 十八編歌川国貞画 総次郎 十九編一川芳貞画 初編柳亭種彦作 花兄弟隆奥名所 二編歌川国貞画一 十三編 十四編 新増補西国奇談 十三編為永春水作 歌川国貞画 十五編 芝神明前 ○佐野屋喜兵衛板 地本繪草紙團扇問屋 三嶌町 □□□□□□□□ □□□□□□□ 行 補佐 春水補綴 春水補綴国貞 西州六日余 第八編喜鶴堂梓 狩 春水補綴 外題点相 西国奇談 第八篇の上 春水補綴 国貞画 三万四 十五日寒 百五 十一月十一日 不 机の上の莖としも。思ふばかりに綴れる冊子も。 早晩積りて八編の。爰には次郎宗重が。かの 不礼講の一段に花を咲せし情なれども下戸に 一酒樽上戸に團子甘いと辛いの塩梅が齟齬たる 禮 一腹蓮ながら。瓢箪から出た午の春の。お笑草にと 急ぎしに。夫さへ期のおくれ咲き。匂ひも失せし ○十七 十一月十一日 講 櫻木の。板に上しし摺巻を。御覽の末は今稔の 支韓の。未になりと啖せ給ひね。 安政 午暮春春 未新春発 爲永春水記函 大阪大阪市町 四月刊誌 阿竜 秋風 うち 百月十三日 虚井 西国吾訓ハ ▼ せん薬 千客万米 はかのてあらばしいもとを おもして 那須次郎 宗重 内室 西匡高議ハ 七編のつきふたゝび 野わけをすくはんと 野わけをすくはんと とくりう太郎はいかで しきりにはやる けつきのわか ものよういの 香に うちのりつゝ 手にたい まつを ふりてらし 人のおそるく かざあなへ しづかに くりおろさする ほどにまつ すぐにゆく ところもあり 又よこにゆく ところもありて しだいにふかく くざるにそ 地やはら かにして わたのごとく いとたいらか なるところに いたりぬ たいまつを もてあたり を見るに あまたの ひ木のは いりしが どくひさしく つもり〳〵てわたの ごとくになりたる なりこゝよりおくは あなせまくして ふごにのりては いりがたく ことさら よこあな なり ければ こゝにて ふごより あたりを見めぐ おりたちつゝ なほよく らすにつきへ 西国奇説ハ 小 つゝきくだんのあなのいり くちにいとおほきなる鹿婦と くひころされてししてあり こはわがさいせん矢をつけし しかにてあるをと見るほどに そのあなのおくにあたりて 大のなくこゑしきりなれば はやあなのそこに ちかづきぬとおもへば いよ〳〵こゝろいさみて なほおくふかく 入りつゝも むかふをきつと 見わたせば身の たけおよそ 六尺ばかり◑ 百れんのかゞみににて くちびるも ◑かほは くれないにそめ たることく眼めは せうへに てりかへりそうしんは みなしろかねのはかに ひとしき毛をせうと四そくを じゆうにそたらか するをしがら 五軒一けん にんげんにと ならぬど はかれおわけは これとにらみ これあや きけもの なるがあはひ ゆひつしとなりて ちづともはなれず されどもの の ほへつゝの あひてしきりに えたりけん 一助わけはたちまち たりしが もう太郎が もう太郎が きたるにてこれに ちからな□ & いきほひつきて くだんのけものに とびかゝりのど ぶへにくらひ いさゝか ひるみし ていもなく やにわに 大を ひき きかんと あちそふ なる めき ながらも 百目千疋 西巨言言ノ いとなまぐさきかぜふきおこりてさながらはなをうがつが ごとくおもてをむくべきやうもなきに手にたづさへ たるたいまつの火さへもたちまちふぎけされて によほうあんやにことならねどさりとて おそるゝけしきもなく やいばをすらりとぬき はなせしがもしあやまつて 野わけの犬にきずつけなど せばこうくわいあらんと ● 栄 なり つゝきしかたなのつかに手をかけたるときに あやぶみながらも ためらふひまなく やみにも きらめく きらめく えうくわいの まなこの ひかりを ふしぎやかのけものゝ身のほとりよりこつぜんと ま こゝろ あてに おどり かゝりて くざとさす こぶしのさえに けものは ◑身をかはすべきいとまもなくたりの まなこをさしつらぬかれ あつとひとこゑさけび たるこゑをしるべに りう太郎はやにはに むづとくみつきつゝ うへに しばしが ほどは あひ 野わけの 二の巻へ 西国竒談へ の巻ゟのんどに くらひつぎたるまゝ ひつしとなりてはな さねばさすがに たけきそうくわいも して ところを きちはずめつた すこしよはりて見へ けるをこなたはえたりと ふみまたがりいぜんの きにをかたな ばかりさしつらぬけば ばかりさしつらぬけば くだんのけものはほゆるが やいばをも ごとく 江戸二言ノ かぜもいつしかしづまりてこゑをも たてずなりしかばしすましたりと りう太郎さしつらぬきし やいばをばそのまゝつちにぬひとめ おきてよかいの火うちをとり いだしふきけされたる たいまつに火をうち ふけつもしつけて あたりをつく〴〵 見まはすに 「つゝきさけびくるしむていなりしがしだい〳〵によはりつゝ つひにはいきのたへたりけんつむじのごとくふきあれし いきも さながら たへ〴〵なるにぞ こしにさげたる いんらうより◑ くざんの けものはしに たへて 野 ◑きつけを 手ばやくとり いだし犬に あたへて のじめに くらひつき あたるを のだへし にや いた はるほどに たち まちに きりよく づき也 はじめに かはらず なかし かば 太郎は むすべし なわをもて かのもうじゆうのへ 四そくをばひとつに入れ なしつゝいましめたるを さいぜん□をのこし おきたるあなのくちまで しきりにおわをひきうごかすにぞ あなのうへにはうちう太はじめし やうすいかゞとあやぶみて 合すきこゝろはなきなりから なわのうごくを見るよりも おの〳〵いろをおししいゝ やくそくなればちつとも ふとにのりしは大なればと此いなのかくて あればかれにもつゝがあたまじとつきへし ひきずかきたりけものは しづらていたへにさしおきまづだいちに のわけの犬をいぜんのふごにうちのせつゝ ゆよせずちからをあはせてひく 御ほどにめう太郎にはあらずして 四国奇談ハ 〽わしふたゝびふごを あなにおろしはじめの □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ごとくひきあぐれば こたびは見るもおそろしき かわけものをばふごのうちに しはりからげてのせたるなれば めん〳〵もいつたんしせしと なひしひとの よみがへりたるこゝちしつ あるひはぶしをしゆく すもあり又その手がらを ●ひと〴〵したをやるひつゝ又もやふごもやふごもやふごもやふごをおろす ほどにだい三ばん物にもう太勢がしつ〳〵と してあがりきたればうちうそそのよの ほむるも ありて しば 左ヱ門 まち しげが 太郎 らを ちかく まね きて ことの やうを たづぬれば りう太郎は ばんまへにすゝみ いでつゝのさまづぎて あなのうちにてありし ことゞもかやう〳〵 しろ〴〵とそのみの どなみも一は やゐざりしが すぎしゆ くんにつげ まいらせんと かわけ をばせこにの ひかぜ くだんの女 けものはぶやに かゝせてうちうちうちうちうちうちうちうちうちうちう はじめめづけ 女くきんじゆの ものももうねに うめつれだちつゝ 西司寺炎へ ぶゆうにしつとも ほこらずことばみゆかに きこへあげさしころし たるけものをばごぜん まぢかくかきいださす ればうちうはそのよの ひと〴〵もひたすらに りう太郎が手がらの ほどをとりなすにぞ むねしげは野わけの大の まづつゝがなきていを 見つ又かのあやしきけもの をもつくゞ見つゝ うちゑみて 〽ひとのおそるゝ あなにわけいり 野わけをすくひし のみならずたぐひまれなる もうじうをたやすくしとめえたり しことこんにちのかりくらにてはだいゝちげんの 手がらなりとてさしぞへのたんとうを 手づからこめてたまはるにぞどうざのめん ぼくこれにすぎずとりう太郎はおし いたゞきそのよろこびをきこへあぐれば むねしむねしけは甚ほ要まし げに〽それに〽それにつきても 此けものはさるににてさるにも あらずこはなにといふものならんつきへし 諸国司言ノ つきうちりうちり太なんぢは くはししる よしあらば つげしらせ よといふに かねてよりかゝることにはいと うちう太 かたちを あらため あらため 〽それがし なすにありし ころ故老にうち はなしにきゝ つるは狼ぎ ずひやくねんを ふるときはそうしんの 毛はしつかねのはりをならべし ごとくなりしをづねに松の木に 矢をもてこればいとめんとするとも はねかへりてたつことなくやいばも なか〳〵とぼらずとぞこれ或 名づけて拂くちゝといふよし 此けものいと多情をよ してその身のどうるい ならざるけものと ましばらんとする そのまへに せなか銭とすりて身に松女にをぬりつくれば ◑ときならぬかざふき いだすゆへ人々な かぎ あな とて 松茸 おのゝくよし 笑りしが こは此げものゝ わざなりけん りう太郎が ぶやうによりて をしごろのうた がひをたゞ今 いちじにはち せしことまことに あつぱれ〳〵ト 大きりにほめて やまざるに身かたへに ひかへしくめん次は よしなきことを しいだしてかねて しいだしてかへつて かれが手がらとなりしを いとくちをしく おのふにぞ 一一一一一一一一 〇 さし うつむきて ゐたりしがきみの うはくち びるを まき あげいゝ あげつゝ わらふてのちに おかすゆへみやう わらひけものと いふとぞ又いつせつにはさると ひらはもとこれしゆるいの かはりしとあり そはとまれ かくもあれ 今りう太郎が しとめしがくだんの ひゝにや候はんといふに むねしげうなづきて 〽なんぢがかんがへぎはめてよし 今日う太郎がいへるには 此けものをばしとめんと するとき あやしき かぜの おごりし これにて おもへばかの あなよりつねに○ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 百国十疋 けしきをうかゞひて 〽日もはやにしにかた ぶきたればごきくわんありて しかるべきかトめをもて それとしらすれば むねしげはおわうをば さきにやかたへやりたる のちはこゝろこゝにあら ざるにかれがきくわんを □□□□ むるも 此ゆへ ならんと おもふにぞ なほさりげなき おもゝちにて〽なにさま 日もはやたけたるにしそつのつかれもさぞ なるべければ帰路砲のよういをいたさせよ〽ワきん 西国寺計ノ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 〽わき又それなるけものをば三日のあいだ ふくるまでわらひざゝめき よくむねしげがこふろに さらしおき此世においてやきすて させよそのよのことはしか〴〵とやくにん どもにいひつけおきて屋かたを さしてそかへられけるかゝてのち くだんのけものはさしづのごとくその 野にさらして第三日のゆふぐれに あまたのしばをつみかさね いちじに火をつけやきすてしかば これを見んとゝけんぶつのはせ あつまること山のごとくそれに つきてもりう太郎がぶゆうは あまね〳〵きこへけりされば またむねしげはその夜 やかたにかへるとそのまゝ知りうを べつでんにめしちかづけてつくし ごとなどびかせつゝやがてしゆゑんを もようすにもおとこたいせし ものとては只かのゆがみおや子のみ たれにはゞかることもあらねばさよ はては切りうが手を たづさへてふしどの うちへともなふほどに おりうはもとよりかゝる すじにはつねてしゆ れんのぐせものなれば □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ◑しらざる さきに いとまを つかはし あづまへかへすに しくは なしと はやく こゝろ つき かば ある日 うちか 立を めし めして かなひて又なきものとぞ おもはれけるさるからに むねしげはもし此 がきかば いふやう 〽そのほう ことはもう 太郎と すでにこう たいせしうへはながくとうしよに とめおかんことあづまのきこへも よろしかるまじわれはかち ざることによりつきへ 百月十九日 四巨ニ而高ノ つきかねてうはさにきゝ およびしあはゆきといふたん とうをさるかたよりして かひとらせたればあにうへよ たまはりしかのみつるぎのむくひ には此たんとうをまいらすべく おん消息せいのなんうけぶみ をもしたゝめておきたれば これをなんぢにゆだぬ べしたびぢのよういを とゝのへて日ならずほつ そくいたせよとてべつに しよかんのほかにたまはりし そのしな〴〵をうけいたゞき よろこびをのべおんをしやし 身のいとまをたまはりて おのがしゆくしよに たちかへりたびの よういをいそがせ けるこれみな ゆがみくめん次が そのみおやこが ためやしも またうちうそにははなむけ としてくさ〴〵のひきでものなど せられしかばうちう太はたんとうと □□□□□□□□□ 国貞画 じやまに なるべき うちか太 ゆへむね しげに いれぢゑ かくははからは なん ○下の 巻へ つぐ 春水補綴 西国 奇談 春木補綴 国貞画 二十三編は阿後爪五郎と姦通して肺に夫に再會の一段阿竜殺生石を 祈りて身に妖術を獲るの奇談お竜龍太郎を手につけんと色に 縡よせ言可と反て恥しめらるより渠を罪せんと計るの一端十四編は 偽龍太郎の故により真の龍太郎が二の町と不義せしていに言なされ 終に配流せらるゝの赴き並に節之助が忠心義醫十五編は嶋守死 大夫が龍太郎を苦しめんとするより苫屋浪子の二個の蜑が竊に龍太郎 をいたはる一段つゞいて浪子を荒太夫が強奪なすの物語など最巧みなる 條あれど白地には爰に記さず干は出板の時にぞ知られん 一根源實紫新刻概略作者柳亭種彦画工同前 「十五編筑紫なる穴人の買し宝箇香炉倫て宣孝に托す野洲児詛殺されて紫 式部寛を受十六編式神壽祖秩手子等が隠謀を露はし櫛彦自截て声 ク汚名全。霊まり黒白判然兇悪皆戮せらるつぎて少将が貞節惟規北国 にて死して又蘇馬十七編北武三位生れ宣孝病死花山法皇の御伝大かた 此編にて全備り式部源氏物語を作り上東門院に奉公十八編以下は追て記すべし 一〇 交り 西国奇 言葉 国貞画 新増補 佐野寿梓 西国 奇談 第八編 下の巻 春水綴 国貞画 十八 しゆくしよへたちかへりたびの まじはりふかきなかなればうまの をひきたりふるさとにのこしおきたる 父のもとへおくるべきしよでうを ことづてなどするにぞおりからじ たんぞくしつゝさせいふやう〽今われ〳〵が くちのはにかけんははゞかり おもふゆへいさゝかわどのに しめすなりむねしげ ぎみにはみこゝろざし しんあにきみにおと 給はずさればにや そのはじめはわづかに くまごほりいちぐんの しゆごしよくにて しゆごしよくにて ましませしも今は 九しうにならび なきおんいぎほひの いさましさは おんあにきみにおとり なきにあらねどいはぬもふ忠と かへるべきの身のいとまをたまはりしかばやがて かたへにひとのをらねばうちう太は よういをなすほどにかねてごしたること はなむけなさんとてそのゆふぐれより りう太郎をほとりちかくまねきよせ 上の巻ゟさるほどにうちう太はほんごくなすへ ふればいくほどもなくしよくとゝのひあすは ほどでといふによりもう太郎は日ごろより 百月十九日 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 此ほどのおん はじめの おん身 もちには かはらせ給ふ ことおほく ちかごろ あき風 うつろ井と いふふたりの びぢよを めしめしへられ おくでんに のみまじまして ちうやを わかぬごしや □□□□□□□□ 五巨言宗ノ 〽つきいきほひある おんみには又あるまじき ことにもあらねど ねいべんをもておもねり へつらふゆがみ おや子を めでさせ給へば かれらはいつしか しゆつとうして おくどほりを さへゆるされ たるよしたゞそれ のみにあらずして おんかりぐらのそのこぎり 名をしりうとか よばれたるすぜう しれざるしづのめを ひそかに 屋がたへし ほのかにきけば此ほどの つ られ おねまの おとぎも させ 給ふよし 一〇〇、、、〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇 ● 松平 さかしく きりやう いとつかを たよりいかにせん はやおん あづまへ たまはりて かへる 此身ゆへ 又いかに ともせん すべなし 此うへ わどののみ としには およばぬ ませていと われらが はつめい されば かさら それがしが いふまでもなきこと なからおんみよろづに こゝろをつけてきみをしゆご たのむは これもまた かのおやねが かのおや子が すゝめまいらせ たるゆへか とにもかくにも かれらおやこが まいらせて よからぬ ことのみ きこへ みこゝろ しだいに おごらせ こくかの みだれに なりもや なりもや にはしば〳〵 せておいゑに つゝがあらせじと おもひ ながらも右へ あげなば せんそれがし かくてあらん いさめまいら おそばにづきそひ 速水右仲左 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 速水右仲太 百月十七日 あづまへかへる なし給へかし きわまでも こゝろがくりは ただれ いう太郎が のみト いふを うちきく うちうな づきつゝ かたちを あらため 〽おふせの おもむき こゝろえ たり ものかず ならぬ それ がしを 人がましくも いかましくも おぼしめく 此たびおんみのかはり としてむねしげざめ おんつけびとにゑらみ いだされたりしことのきへ 西国ニ吉訳ハ つゝきぶしのめんぼく此うへあらねばおいゑの あだともなるよしあらばおよばぬまでも ちからをつくしいのちにかへてもむねしげ ぎみのおためわろくははからふまじ みこゝろやすくおぼしめせトいふに よろこぶうちう太がげにいさましき そのいちごんうけたまはつてあんどいた これらのよしを たちかへりて 春よしどのに ものがたらばさぞ まんぞくにおもはへ れんかへすぐも 忠きんをかならず おこたり給ふなら ひそかにさゝやき しめしわゝその つぎのあさの いなのめに 此ちを 同断同壱人 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ りう太郎をはじめ としてそのほか 一六六六 □□□□□□□□ かれが かどせを 見出くり ◑こほりざかひの ぼうばなにて おの〳〵たもとを わかちけるこれに よりてうちう太は こゝにてよういの かごにうちのり かごにうちのり わかとうしもべ 五七人のともびとを したがへつゝにもつは おはせぶんごのくに 里はりくぢをいたりこゝ のこらず小荷駄とに 鶴崎朝まで三十余 にてふねをかりもとめ右 百目午宛也 左ゟ水路みなを あづまへおもむくなるべし ○それはさておき草まは またおもひのまゝに はかりおほせてむね しげのそばめとなりしが のぞみある身はをにかくに おほくのものを手なづけ おき人にこゝろをゆるさせて 龍 ことをはかるにしくは なしと はやくも しあんを ゆへ その みの ちやう あひ やらび ならび なきを いさゝか あき風うつろ井の ほこるけしきも なくおくがた 二の町ごぜんは さらなり又かの しあはせながらわらは ゆへにおくさまとのおん ふたりのものをもそかやに せずおか〳〵きげんをうげひ などしつ又むねしげが われをのみ 夜ごとに めさるゝこと あればひそかに いざめていへる やう〽かずならぬ わらはなば おんいつくしみの あさからぬは みやうがにあまる なからびの ならば きへ 十三 つゝきそのつみ のがれがたからん それのみならず あき風らが おもはん ほども はんべればまづ だいゝちに おくさまの みこゝろを なぐさめ 給ひかつろ井と あき風にも おなさけを たまはりて そのあまりにて させ給はらば おいゑの おためお身の ためわらはが ためにも はべらんト しんじつ めかして わらはにも いへるにぞ おんめをかけ いさゝか あやまち あるものも しゆ くんの まへを なして つみを えさ する との あらねば この ふるだぬきに たぶらかされて かれをそめざる ものもなくこれに よりてむね いつくしまは げにことはら とやおもひへ けんこれ よりして むねしげは ひと夜 がはりに がはりに 二の町と ふたりの そばめと ふしどの ちやうあひの はじめに かはらず なりし おりうが おりうをば ことこれみな とぎになすほどに 二の町は此日ごろかの いつも巣守すでゐたりしに かへつておりうがやかたへ きしよりむねしげの いさめ あき風らにけおされて ゆへと ○浜。 ◑こしもとゞもがいへる にぞかれはこゝろのやさしき ものとておか〳〵ものなど たまはればうつろ井も たまはればうつろ斗も あき風も又おりうなば ねたしとおもはず おりうはたゞこれのみ ならでおくをせ つとむる女中にも みなめをかけずと いふことなく 百目午炎八 〽まだおもて かたのさむらひ とてはゆがみ おやこのその おやこのその ほかにしりたる ものゝあらざれば なにとぞかちうの ものどものせうねを ためしてみんものと さまくしてみんをめぐら さま〴〵しあんをめぐら せしがつきへ 西国吾言ノ つゝき ひとつの 手だてをおもひ つきあるとき むねしげに むかひていふ やうわらはが いつぞやまいらせ たるかのあはゆきのあたひに とて百両といふおかねをば そのみぎりたまはりしが それよりわらはゝ此お屋かた おんめしかゝへになりしゆへ いしやうてうどのたぐひまで 又みなきみよりたまはれば かの百両はもちながらとり つかふべきこともなしよりてつく〴〵 おもひ見るにおゝのてをつとめ らるゝごけらいのひとぐは日ごと〳〵の はからひ えさせんとて つきの日 にはかに しゆつしにてきのはるゝまも はへるまじおりからおにわのやゑ ひとゑさくらもてうどさかりゆへ かのたまはりしおかねにてちとの よういをまうしつけごかちうの めん〳〵に花をさかなにごしゆ たまはらばかのひと〴〵が よろこびてたはぶれあそぶ ありさまをきみにもごらん あそばさば又ひとしほの おなぐさみ此よしごめん あそばすやうねがひ はべりトそゝのかせば むねしげは うなづきて さても やさしき そちが ねがひ われものか さこそは おもふなれ いかでかはついやさせん われそのすじへ まうしつけ これしきのこと なさんとてそちに とらせしたからをば 百目寄炎也 ◑かちうの ものへ只今御よう のすじあれば おく御てんへ しゆつしすべし やれしめしたりければ 十八 みは なにごとの おこりしにやと みなとるものも 十五 西巨言言の 十八 三の巻かひさしくさかひを おかすものなくわがいゑ ます〳〵とみさかふること これしかしながらそち たちがみな忠きんによりて なりそのよろこびをもまらし のぶべく日ごとのしゆつしのつかれをも なぐざめんとおもふゆへさいわひそらも さかりなれば不礼講ぶれいを もようしてきせんじやうげの さべつなく花を見すべき よういをしたればおの〳〵 いつこんすごすべしげふいちにちは なにごとにもあれぶれいはゆるす べきなればのちのとがめをあや ぶみてゑんりよいたさばふきやう ならんもつともけふのていしゆやくには ちかごろ屋かたへめしかゝへし わがそばめりうといへるにまうしつけ おきたればいづれもにはへうちをほり こしもとどもにしやくをとらせて 日ごろのきうつをはらぜとある おもひがけなきくんめいにおの〳〵 かたさけなきよしをおんかけにおよびつゝ のごかにてにわのさくらも ● 百国寄炎へ あそうちせ やかにして 四の巻へ かく浅草 つき ぜんを さがりておく にわなる中もん ぐちよりすゝみ いればにわには あまたのこしもとが かねてまちうけ たることゆへこゝかして なる花のもとに しき ものを いざなひつゝ よろいなしたる 酒さかなをところせき までおきおらべつねには さしもものがたき やかたのおきてなるを もて男にしたしくもの なんどいふことかな政のきへし 七、 西国ニ記ク 酒をすゝめあくまでゑひを つくさせよぶれいは くるしからずと あるにぞはめを はづせし女中たち じようごはもとより此 とてにぐるもゆるさずおひ つめて手をせりわりなく のまするほどにたれとて つきこしもともけふはしゆ くんのおふせにてかちうのものに じようごはもとよりげこなり ゑはぬ ものもなく はてはおの〳〵 かくし げい にかた 手おどり きつねけん わらひ さゞめく ありさまを こなたの ひとまにむねしげは二の町 あき風うつろ井らとともに すき見をなしつゝもきやう あるていにてうちゑまちゝにぞ おりうは此日のていしゆやくゆへ ひとしくにわにたちいでてなにがな ちそうをなさんとおもへば手づから とうふのでんがくをいくらともなく あぶりたてあまたの ひとにもてなすほどに かゝるわざにも 手ばしときおはう なるゆへいく百人とも なるゆへいく百人とも かぞへきられぬかちうのものに くひあまるほどあぶりだしたる 手ぎわにひと〴〵おどろきて あのうつくしいかへやさまが出手づ からのごちそうは花見るうへの花なり とておの〳〵ちんちやうしたりとぞ さればまたりう太郎はけふ此うちに めされしかどもかゝるたわけきあそび をばもとよりこのむものにあらずされと とてわがきみより日ごろのきうつを はらせとあるいとねん ごろなるおふせなるを もとらんやうもあらざれば もろびとのあとにつきともに おくにわへいたるほどに日ごろは たしまぬ酒なれどげこと いふともゆるされずこしもと たちにむりじへせられて こうじはてしがすべなさにふ 一ツ二ツとすごせしにぞ右へ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 西国竒談八 □□□□□□□ 左ゟ 〽おもふにも にずまは されて せきにも たへず おぼへしかば やう〳〵に してすのばを はづか 女中の めつまに らぬ やう なき にわの すみ ぐ を まてだつ ある きを し いゝも 〽ひくまりたる はなれ ざしきと おぼしく 見ゆる 待合時次 めきたる ところに きしかば こゝろ ともなく こしうち かけて しばらく ゑひを さます おりしも 十七 茶宮 とおぼしき ひとまより つた 記書下部ノ つゝき二八ばかりのこしもと ひとりひきちやいつふくたてたるを ねばりう太郎はうちおどめきつゝ 見かへりて〽どなたかはぞんぜねど かたじけなけれどもほかに 人なき此ばにておんみの 手づからおちやたまはりては かみへたいしてはゞかり あり此義はごようしや くだされたしと いふにてなたは かほうちあかめ 〽どゑんりよ あるも ときによる けふいちにちは おかみから □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ さいにい しとやかにもちいでて〽イザなちや問 おこゝろいれのおもてなしはせんばん ひとつとさしいだすをおもひがけ おゆるしの でたぶれい こうそれ のみならず おにわの うぢへ おいで ………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………… なされた 〽さほどに おふせちかく しら此 つけぬ 酒を しへ られ さい ◑その ふくあひは わろくとも めしあがられて さしかつむく いろもかもある ことのはを さすがに ふりも すてられず わた くしが 名は 八重桐やゑ とて二の町 さまのおこし もとおこゝろ いたしたさにたてて まいつた此おちやの◑ づかひなものでは ないなにがなごちそう 百目千挺へ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ いたした もはやせつ しやにおがまひ あるといふわけ なくイザ あちらへじおひ たつれど〽イエ わたくしはまだ こゝに〽ごようが ならしからば われらが おさきへト たゝんと するを ひきをだめ 「わたしが ようとまう ますは つぎ 西陣希諾ノ つきあなたに すこしおねがひがト あといひさして くちごもり うつむくかほの うすざくら見て 見ぬふりのまな じりに おもひのたけをかよはすればそれとさとれど bbbl ○をむ ○○○○○ りう太郎はいろをこのむの たはれをならねばものかず いはゞめんどうとわざと そしらぬふぜいにて〽これはま けしからぬわれらをあづま めいわくしごくおてなしあれと ゑびすぞとあなどられてか しらねどもおなぶりありては ◑ふりきつて 見かへりも せずしづくともとの にわへとゆくほどに あとにこなたはほいなき ふぜいてもまアつれない やう太さまト おいやゑぎりどのト いだきつかれて うちおどめき 〽アヽコレたれじや なにものじやト 身をちゞめづゝ われらがかしこにありとも しらずあのりう太めを とらまへて小むねのわるい 今のしよちぷりわがきみ さまへ此をほりちうしん するといふとこだが きみをおもふは 身をおもふで 此身のこひを よいいしべきん吉 かなかぶといろの いの字もわき まへぬ右へ かなへんためよく より〽てもまァつれ ふりはなせば〽イヤ おもふても見たが うつはしておくるうしろ きつかひなものではない くめじや〳〵くめん次じや すいをとほしていはぬのは 見たぞよ〳〵やゑぎりどの □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 百目寄英八 弐拾壱匁 同 あの りう太郎を 百まんだち くどいた ところが できぬそう だんそれには ひきかへ こつちから あしだを はいて くびつたけ ほれぬいて ゐる此 くめん際 だかれて ねやうと いふて りや みかけは さらにゑしやくもなくよれつもつれつ 今さらにこゑをたてつゝひとをよぶとも ざしきにとほきおくにわなるにまして あなたのにわにてはおの〳〵酒にまはされて うたひざゝめくさいちうなればかひなき こゑにてさけぶともきゝつけらるべき やうもなしいかにやせんときを もみしがおもひついたるさそくの 手だてかたへにありあふたけのこ がさにてよりそひかゝるくめん次を つるせし鐘秘のしゆもくをとつて つゞけうちにいとあはたゞしく うちならせばこれにぞおどろく くめん次が人やきたるとおもふにぞ やゑぎりは身をすりぬけつ にげいでてからくもそのばを のがれけるあとにはさながら手の うちのたまをとられしこゝちせし くめん次はたゞぼうぜんとしばし たゝつむあしもとにおちちり ありしふみいつつうひめい とりつゝきつと見て たてとなしつゝ出しさゝへ此まちあびに おぼへずとうへし手をゆるむれば此ひまに 〽つきおりこそよけれとくめん次がたとひとくしん なさずともまづわがほんいをとげなんとおもへば とりついてほと〳〵なんぎにおよぶにぞやゑぎりは 九、、、、 一九 もひとなきをころで今いちど くどいたうへでとおもひのほか あくまでしぶといかれがこんじやう ひろいし の才ちらふとうゑ! 「やつにちのうちらんと かん ざしと これなる ふみを たまにつかひ こりや己つゝみしあて名にて くも井のよその月さま とはこひしきと いふかくしことは 〽くも中のよその月さま まいるなみにたゞよふあまおぶねより なみに たゞよふ あま おぶね とは こがるゝと いふなぞ ならん これも まさしく やゑぎりが りう太に おくるふみ なるをわたしも はてずおとせしか われすぎしころ 花ぎりのかんざしを ひろいしより手だてを もつてやゑぎりをわが手に いれんとおもひしが さいわひけふのぶれいこうせ それのみならずりう太郎に こゝろをかける今のそぶり きやつにだいじなはつものを◑ 百目十七日 かれを手にいれる しゆびよく しあんは そうじやト むねに もくさん やがてその □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ はせさり せさり ばき ける かくてその日の ぶれいとうも 春のながき日 あそび つかれて きやうも やうやく つきんと する にぞ みな 身の いとまを たまはりて おの〳〵さん なすほどにつきへし 西国吾話ノ つきくめん次はそのかへるさにかのやゑぎりが 父なりける那す大右衛門がいゑにたちより くわきうにたいめんなしたきむねをとりつぎを もていひいるればなにごとやらんとひとまに とほしてたがひのあいさつごとおはりてのち くめん次は大原もんがそばへつか〳〵 さしよつて〽それがし ぶしのたゝざることあり イザさしちがへて いのちをはたさん おかくごあれトいふより はやくかたなのつかへ 手をかくればこはそも いかにと大右衛門あきれて いらへもなら ざるにぞつぎの 鮮朝 鰤牛肉丸一包百銅 紺 第一ひいを補ひ じんせいをます妙 薬なればきよじやくの ひとまに女房の 窓香かどもそれと もれきゝてともに むねをぞつぶしけるへ ひつきやうこゝにて くめん次がいかなる ことをかたくみ たるそは 第九へんに つぶさに とくべし めで たゞや 人常に用ひてよし 下谷さみせんぼり 丹州 安政安政衛氏製 鳥永春水補綴梅蝶楼國貞画 戍 年 新 鐫 二 大 久 同 録 十五編 十六編 根源實紫 十七編 柳亭種彦作 一寿斎国貞画 五編同作 娘庭訓金鶏 大尾同画 十七編山東京山作 おくみ 十八扁柳亭種彦作 琴聲美人録 十八編州川国貞画 十八編歌川国貞画 十九扁哥川国貞画 総次郎 十九編三十九編一 ・初編柳亭種彦作 花兄弟陸奥名所 二編歌川国貞画 十三編 十四編 新増補西國竒談 為永春水作 歌川国貞画 十五編 芝神明前 地本繪草紙團扇問屋 三嶌 田 同嶋佐野屋喜兵衛板 一九五 □□□□□□□ ●一〇〇 □□□□□□ 同貞画 一高永春水綴海一丁一国貞画 同十一日 九端 新増補第九編 西国竒談 《題曲立聞通 喜鶴堂板 新増補 西図奇 談九篇 上之巻 為永す水さく一寿斎 くに貞ゑかく 木団 言通写 曲れるものは直きを損ひ。邪なるものは正しきを害す。その 曲れるを曲れると知り。直きを直きと知る事は。明君 賢主も最巨かり。況て庸人においてをや。既に這編 并処にいたりて。宗重が驕奢に募り。嬖妾阿竜が邪曲の 一段。そが視染を做んとて。那工面次が傍佞なる。赴を しも説出すに。猪上僅に二十員。憶ひを舒んとするからに。只 徒に編数嵩みて。所謂下手の長談義。我面白の人囂しき。 所爲に似たれど復来稔の。春の仕込を今歳から。編も久しきは たはれ事鬼が听なば腹をや抱えん 己未晩春藁成 庚申初春發市 己未晩春藁成烏永春水記焉 爲永春水記焉 □□□□□□□□ 同一〇 西国赤散乙 宗重 百国寺炎九 西甫寺落ち 八編のつぶき きればまた 大右衛門はおもひ がけなぎくめん次が しさいものべず りふじんにさしちがへんト いひし つゝも かたなの つかに 手を かけたる 此ありへ さまに もを つぶせて なにと こたへん やうも なく きれはてつゝ ためらへはくめん次 いら だちて 安藤元 左ゟ によう ぼう まどか たまり かねつゝ はしりいで こはさもわすれて くめん次がやいばもつ 手にしがみ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ まアまつて いへばごむたいなと とゞむるつまのいち ごんにちからを くださりませやうすはなにか ぞんじませねどあまりと えたる大ゑもん なほくめん次に むなぐらを とられなからに こゑふるはし ◑〽ぶしの いちぶん いちぶん たゝずと ばかりわけも ろく〳〵いひ きかせず さしちがへるの 〇〇 なる はらきるのと さりとはたんきな ひとではある此 大ゑもんはうまれ つきはものが きついきらひ にてちよつと見て さへ身がふるへるを かうむなさきへ つきつげられ たまづた わけのものでは ないせつしやに わるいことが あらば口 〽なくれ られ ゑ もん どの ちり くば まつ わどの 太介ば きしころ わがみも とのに せうがいせん かくごめされ下 いふより はやく やいばを ずらりと ぬきはなし おどろき さはぐ 大雨もんが むなぐらとつて びきすへけゝ 〇〇〇 一〇〇 物 にもおわび いたそう まづその しら はを さしころさんとする いきほひにつぎのひと までさいぜんより やうすうかぶ おさめてト いへばまどかもともぐに わびつくどきつなだむるにぞ くめん次はかねてより日ごろおくひやう みれんなるかれがきしつをしるゆへに あくまでおどせしそのうへにて手だての あくまでおとせしそのうへにて手だての わなにかけんといふふりきたくみで ありしかばしてやつたりとこゝろにはうち ゑまるゝをいろにも見せずにわかに おもてをやはらげて〽いかざまこれはそれ がしがひたすらこゝろのはやるにまかせ ことのしだいもいはざるさきにさし ちがへんどしたりしはちかごろもつて そこつせんばんさはさりながらそれがしが いのちをさんもすでんとまでつきへし 西国寺院九 「《記書: つゝき おもひ ごんだる いちぶん たつもたゝ ぬもそこ めこその □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ おこゝろ ひとつに あることなれば いよ〳〵おたてし くださると なら かたなとともに 此ばのしまつ ことなん びん めいが いつたん ぬいたる かたなの てまへ しかと ごしようち くだざると いふ 左ゟし世のこと わざにもいふ なるをわれらが ちからにおよぶこと ならきでんのぶしは 湯 ましまづ すてさせ おかたなを上 こゝちせしふうふは めればくめん次は ふときいきをつき さてしさいは下たい くわいちうより いつぞやひろひし かんざしとけふ 手にいりしやゑ ぎりのふみをいだ してかたへにざし おき〽おたづねに あづかりては まうし まうし いだすも めんぼく なけれど かねて ごそくぢよ ゆゑぎり どのとたがひに おもひおも はれて ひとめを しのふふみの とりやりこゝろ ばかりはかよは すれどふぎは おいゑのごはつ とゝおもへば ごいちごん をば ◑きかざるうちは めつたにさやへは いれられぬじ いふをこなたは きゝあへず 〽それは いはるゝまでも なしいのちに かゆる たからは ないと 西国奇談九 うなづきて なを おさむるにぞ よみがへりたる ひと夜のちぎかも かはさずおもてだちて もらひうけ ふうふにならんと ぞんぜしゆゑ すぎ ころ そこもとへ それらの 本城之助と よしをころし なるゆへ いれしに 今におひて へんじの なぎは ごふしやうち ならんと そこに のぞみを うしなひて おもひ たへつゝ たへつゝ ゐたりしに けふはなら ずもおく にわにて ぶれいこうの おんもようしおとこし おんなのさべつなくつきへし 四 たてぬかんとさて こそすいさんいたせし なれおんみもむすめに きずつけられては やぶりごそくぢよと ひとめをしのぶころびねに あやしきゑにしをむすび たるそのときもらひ 此かんざしはいつはり ならぬまさしき しようこ日ごろの おもひははらせしかど 又つく〴〵としあんを なすに酒のわざ とはいひながら わきうちまじりてのおほざかもり ふとしたことのたはぶれよりおきてを じやの ゆる さぬ ふぎ つか 此工と せげんに 大きは 両こし さたせられ ひとおかへおめ〳〵として いでらかきかとてもすたつた ぶしならばいきながらへて なにとせんひとのひはんを うけざる さきに せつ なさんと こは せしが 両国守炎乙 いつ ぞや しんありてそくぢよを われらにたまはらば かゝることにもなるまじと へんとう あれ いかゞで ござるト くめん次が くちから でしだい 八百を まことし やつに ならべ 手まへがつてに りくつをつければ たて かの ふた しな をも そこ にも また うらみ いきぢを居へ ありおなし しぬならさし しくならさし ちがへてぶしの しばしあきれてゐたりしが 大雨もんはふたしなを 手にとりあげつゝつく〳〵 見るにふみもむすめが じひつなるに又かんざしも すぎしころこのみてかれが うたせたるかねておぼへの しななればいつはり しななればいつはり しらずおもはるゝに又 して矢が今のいきほひ くめん次が人うのいきほひ いなといはゞたちまちにさし ちがゆべきていなるにそきもを ひしづれあとさきをよくも おもはてうちうなづきいはるゝ おもむきこゝろえたりあの やゑぎりはせつしやがためには かけがへもなきひとり むすめむこをもらふて 此いゑをそうぞく させんとぞんぜしゆへつきん 五 正月十三日 わきすぎしころそこもとより御こんもうは ありしかどしかといたしたおへんじもいたしかねはゝ ゐたりしがたがひにおもひ おもはれて わりなきなかと るりしときゝては 今さら それを ぬきさきて あつより むこもむかへ がたしなほ ゑぎりが じんていをも とくとうけ たまはりしかへ かれがこゝろに べついなくば のぞみのごとく そこもとへ くめん次きゝあへず 〽それはまた さへかんざしさへ ぢさんあしたる いらざるばかねん しようこのふみ むすめはしんじやう いたすべしトいふを ほどなればやゑぎり □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ どのゝ ほう おこゝろは きかずとさつしなへかし かれこれとひまどる うちけふおくにわ にてしのびあひしを しるものありてさた せられなばせつしや ばかりかごそくぢよの おん身のうへにもおよぶ べしやゑぎりどのを それがしにいよ〳〵 たまはるごしよぞん ならあだしうき 名のたゝざる さきに◑ よりして ゑんぐみの ねがひぶみをば しくてぶみなは たしいだしきみの さしいだしきみの みゆるしかう むらばひとのひはんを うくるともいさゝか もつてくるし からずさいわひ あすはくはう だうきち にちぜんば いそげとせわ にもいへばそれ かしがかたよりは 二のまきへ 一のまきゟ めうにちぐわんしよを さしだすべければときを のばさすそこもとにも はやくぐわん しよを いだされよ 此こと御きよ ようあるに おいては たがひの ちのちに いゝがなく ことおんびんに おさまるのみか ゑんをむすべば むこしうと せつしやに せつしやに おいてもいかでかは そがやくにぞんじ まいらす べきさァ ゆか やか なるごへんとう うけたまはらんと さしよつて さしよつて ことばたくみにとき まどはすれば それさへつひに□ あと見 おくりて大原もんは 身うちにながるゝゐ也 百目午炎乙 もいなみかねてしようちの よしをへんとうするにぞ しすましたりとくめん次は おもへどなほもかにかくと ことばをつがへ さをおして わられてわが 酒百十三才 つま まど 次があの やうに しよう こを あの ござん 子の こゝろも いち ほうは きか ずば くはつに ねがひ しよばし おつとは あんじ 〽おれも さうは おもふた なれど かれこれと ひまどろば くめん いふであらう よつてつこ〴〵◑ 百目十七一 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ しあんを なすに おとこ ぶりなら べんぜつなら むすめがおもひ こんだのもまんざらに むりとはおもはれぬに わが身のためにもわろ ものちのなげきは のちのちのなぢきは いざしちかみをとり いださせつゝふでをそめ あすいだすべきぐわん しよをばはやさら〳〵と したゝむるこゝろのうち こそおろかなれ にはひきかへやゑぎりは けふおくにわのおほざかもり おとこにしたしくもの いふてもくろしからずと おかみからおゆるしのでた うへからは日ごろこがれし りう太さまにいひよる たよりもあらうかと おもひのたけをこま〴〵と ふみにしたゝめ くわいちうなし おりをうかゞひ にぎしき なるかの とうじしゆつとうだいゝちにて しゆくんのおゝぼへたぐひなき しゆくんのおゝほへたぐひなき かれらおやことゑんをむすばゝ おきますといわれる。 いひいでしに からじおれにまかせて おいたがよいと ひとりのみこむ はやがてん の あや その とこ ろを やう〳〵 にして にげのびしが よにはづ ことのかぎり かきつがり たるたまつさを ゆきかた忘れず〽つきへ 西国司記ス こゝろやすからぬにそこいぢ わろきくめん次がこひの かなはぬいしゆばらしに けふのしだらをしか〴〵と わがみはかくごのうへながら ことになりもやせんよしそれ とてもおもひねのゆめを むすびしうへならばあきらめ やうもあるべきにきこへぬは りう太さまおなごのくちから あられもないいたづらごとを いひかけさせしらずがほとは へ屋にかへりてもおもひつゞけてわすられず しゆくんにつげくちされもせば いとしいおかたのおんみにさへかゝはる 「つきもつともふみのあて名をばあかち さまにはしるさねど此みのしゆせきと いふことはだれとてしらぬものもなきを もしひろはれなばなにとせんそれさへ もしむろはれなはなにとぜんそれさへ きよくがないあまりといへばどうよくなし むすめごゝろのひとすじにそのみの その夜は ふしどに いりしかど まんじり まんじり ともせで 衣を あかし あかし さてつぎの 日もなにと 此やゑぎりの めしづかひにて 杉づことよばるゝ へやがたもの つぎのま より かほ さし いだし □□□□□□□□□□□□□ でも でも めし そへては なり ませぬ これでも おそをり ごぜんへ いでんも おもぶさ なれば こゝち いひこし らへけさは かみさへ わろしと とりあげず さればとて □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ めやまに □□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ きぬひき はつぎ まくちに つくべき ほどにも あらねど とにかく こゝめの おち つかねば しとねを はなれ ゑんさき ばくらに 才をよせて 又もしあんの そのおりしも なるもたれ 百目丁延乙 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 〽これは したり だんなさま あなたはけふは とふくわいとて おでばんをさへ あそばさぬに まだおねまきも めしかへぬその はしぢかな ところにおいで あそばして 又そのうへに おうすぎで あそばせじ ありあふ ひふをうしろ からきすれど やゑぎり うなづく のみもの おもはし げにきし うつむく かほを のぞいて おすが さし 也 より ホシニ 一ホンニ きのふは おくの おにわで おゝもての ことのがたを みなめされ てのお花 見とやら へやがた わたくし どもはあしぶみ ならぬつきへ 四目舌記フ つゝきしおにわの うちさぞ あらうとうら べやぢうが よりあつて おうはざいたして おりましたが あなたの おこゝろわるい のもおもしろ すぎた さくじつの がなござり ませう その花で きがつき ましたが わたくしの ざいしよの おやぢが けさほど おつかれで おゝもしろいことぞ まいり まして わしが 春門世に きくら だんな さまの おなぐ さみに ごらんに いれ あるまいが よと まろし □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ さんけつこうな さくちをごらん あそばし たに◑ おいて たが ○ 男女 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 百国午炎 ◑此やうな野ざくらはとても おめにもとまるまいと ぞんじましたがとしよりの まうすことゆへそのまゝにまづ うけとつておきましたト いぶにやゑ ぎり うち ゑみて 〽むか おん 義を わす れず とて そなたの おやぢが こゝろにかけ ときおり〳〵の とひおとづれ あなじ花と いふうちにも 野ざくらは ながめもべつな さいわひにとこの まの花もいこうそん じてゐる国のさくら もつてきやなぐきみ ながらうすはたへ おすぎはよろこび さして見やうと きげんのていに いそ〳〵と つとにさし たるざくらの ひとえだ だいどころ よりもち きたり くわひん 水さし ばさみ ばさみ みな とりそへて さしいだせば やゑぎかは しとやかに くだんの さくらを 手にとりて ふりをつけ つゝくわひんの なかへいと おもしろくいけ たるをみづから かたへにさしおきて つきん 江戸長門 わきためつすがめつやくしばし めをもはなさでゐたりしが又 なにごとをかおもひだしけん そばにありあふ小びやうぶ 女とかのかきいけをおし かくしほろりとこぼす すみだとどもにといき つきつゝ ○此區は さし お梅が 西杉が団 もの がたりに 合せ見るべし きと 丙閏午夜乙 糸 * 〽七日そのかほいろさへたゞならねば なすぎはふしぎとそばへすりより 〽これまうしだんなさまきのふ おきがりあそばしてより どうやうつねにかはつた ごやうすとんと ごやうすとんと がてんが がてんがまいり ませぬもしやきのふの おき見になんぞ あなたのおこゝろに すまぬことでも ござりましたか たゞしはほかに なにか又 おきぐらうへ あつてから きのつく とはれて やゑぎりが にはかに まぎ らす にが わらひ なにもさうした わけではないが きがむすぼれてト } いひかけてめに もつなみだおし ぬぐへはかすぎは なほもふしんがり 〽イヱ〳〵わけの ないことにおなみだの でるはづはない たとひいかなる ことにもせよ しめしつかひの わたくしになに ごゑんりよが ござりませう 今さら まうすに およばねど 国内がんとよばれ もとわたくしが 心やとまう すは名を まして◑ ◑此お屋 所目言計フ つゝきいやしいものなれどうまれつひてのしよう じきものまがつたこゝろはござりませねども わるいくぜには鍋ずきにてのむとしだらの ないじようごあるときあづまへおひきやくを おふせつけられまいりがけ御ようきん七十両 どうまきにいれたるを ごまのはいとかいふものが はやくもそれとかぎ つけしかふとした ことよりみちづれに なりひるやすみの たてばにて はじめてさけを のみあひしに より たみ あること ゆゑ しきかに さけを すゝめ られ 千代にいか □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 國貞画春水補綴 せはじめのほどは たいせつな たいせつな ごようのごとう ちうなる のみか かねの こときへ 〇 ◑こゝろに あれば □□□□□□□□ 西国 奇談 春水補綴 十三編は阿綾爪五郎と姦通して肺に夫に再會の一段阿竜紋生石を 祈りて身に妖術を獲るの奇談お竜龍太郎を手につけんと色に 縡よせ言寄て反て耻しめらるより渠を罪せんと計るの一端千四編は 一偽龍太郎の故により真の籠太郎が二の町と不義せして以に言なされ 終に配流せらるゝの赴き並に節之助が悪心義。「十五編」は嶋守荒 大夫が龍太郎を苦しめんとするより苫屋浪子の二個の蜑が竊に龍太郎 国貞画 をいたはる一段つゞいて雁子を荒太夫が強奪なその物語など最巧みなる 條あれど白地には爰に記さず井は出板の時にぞ知られん 一根源實紫新刻概略作者柳亭種彦画工同前 十五編筑紫なる穴人の買し宝箇香炉倫て宣孝に托す野洲呪詛熱されて祟 式部寛を受十六編式神壽祖親手等が隠謀を露はし櫛彦自截て第 が汚名全。霊まり黒白判然兇悪皆戮せらるつぎて少将が貞節惟規北国 にて死して又蘇る十七編大貮三位生れ宣孝病死花山法皇の御傳大かた 此編にて全備り式部源氏物語を作り上東門院に奉公十八編以下追て記すべし 為永春水補綴 一〇〇 同断 梅蝶楼国貞画 下 西国奇談九編 下冊春水著国 貞画春鶴堂梓 玄恵 つゝきのみ しんぼう じてじつと こらへて ゐたりしが かのごまの はいが ぐるまに うかし たてつゝ しひつけられ ◑のちくまでもむねんなり くにへかへりて此とほりまうし あげたるそのうにていがなるおもき おしをきをもかうむりなんと しあんをさだめすごくとして たちかへりしにおやだんなのおとゝ さまあなたのためには おちゞさまなる大眼ぜい おちぐさまなる大野せん さまとおつしやるおかたは おなさけぶかいおうまれ なるに日ごろから おやだん内が れいのくせ とてやみ がたくいつか がたくいつか 五はいが十ぱいと のめばのむほど こゝろもかはりつひには いたくゑひつぶれて せんでもしらず扨むりし うちにいはにしてとられけん めさめて見ればどうまきにいれた かねはざらになくかのみちづれさへ ゆきがたしれねばはじめてごまの はいなることをしりてはゑひもさめ はちゝくやめど今はせんがたなく さればとてあしがるふぜいの見る かげもなきしんだはにて七十両と いふかねをわきまへんもちからおよは いつそのことにふち川へ かねはさらになくかのみちづれさへ 身をしづめんかとかくごは せしが今代ところで しぬるともたれあつて しるものあらねば七十両の かねをもちちくてん あす廿せしとうたがはれん 七十両と ふたいきんを お手もと からおかみへ 西国寺炎巳 正月十言フ つゝき たまはりしその ときのあり わすれは がたさはしぬとも たて まつ おやぢが おこたちるとおもふてゐればいつの まにやらそのやうなゆだんも すきもなりはせぬとは いふものゝりう太郎 さまわたくしの めで見てさへも ほれぐとする おわかしゆ ぶりあなたの こひしう おぼしめすも◑ 左よ「おすぎはきのをつぶせしが おもひなほしてうちわらひ〽まだ つかはさるともうこちに いろよいおへんじをなさま やうともおもはれぬ いつそのことに 此わけ を □□ ほうに わた くしが 十五のとし おへ屋へ がらあなたの 御ほうごう おこゝろやすく なるにつれ おともだちやらごけらい やらわからぬやうにおめ かけられごおんにごおんを かさもた此身もしやあなたの しみのうへにかゝはることのありもせば 心のちをすててもとしごろの ◑こりやごむか ではござり ませぬがなにを ごちんほうじがいたしたいとこゝろに かけてゐるわたくしにおつゝみ なさるは きこへ ませぬたとへ にもいふひざ ともだんかう いかなる ことき ひとり あそば ごくらう あらうとも さずと まづかり〳〵と わたくし にもおきかせ なされて くだ さり ませじ とはるゝことばの たのもしきに ぎりはおもひ あまりしことな あまりしことなれば 今はつゝむにつゝ まれずはづかし まれずはつかしさい ながらかう〳〵トしさい つぶさにものがたれば右へ こゝろひとつにやゑ 西国奇談九 いふてもその やうにものがたいおかた ではちつかのふみをせ 色おとく うちあけて おねがひ なされて ごらうじ またちごひそう むすめのあなたの ことゆへでしようち あるはしれたこといきへし つきさてそのうへにて おもてだちおとゝ さまよりりうそ さまへ あなたを あなたを つつは され たいと ・ 一左よりいふによろこぶ やゑきりが〽そん ならそなたがとゝさゆへ ねがふてくれると いやるのうなんにもいはぬ うれしいぞや朽大みやう じんさま〳〵ト手をあは するをうちけして 〽もつたいないことおつ しやりますなをかく いふうちけふもはや 日くれにあいだも ござりませねど かういふことには すんぜんしゆくま これから すぐに まいり ませう せりたてられて やゑぎりは ふではとれども ふたおやの わたくしの したくの あいだに あなたは おぶみを さアはやうト 森本本丁 此おつかひには わたくし おやどへ まいりて ごとくしんの おとゝさまの ませうが あなた からも ひととほりは ◑ごそう だんをおふせいれ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ られたらんにはおいゑがらも べつだんなるおとゝさまのことなる ゆへよもやいなとはおつしやりますまいひ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ おふみでおふせ あげられましわた かんがへではこれがいちばん ちかみちはとはゞかり ながらぞんじますト右に 百目十分乙 おもはん ほども かしく 三くだり かいてはひき やぶり四くだり かいては ひきさき しがこゝろ よは 女女なはじと おもひなほ してさらくと ふみかきおはりし そのところへしたく とゝのへたちでる おすぎおふ でき 今の まに ちよつと まいつて ませうと ふみをかけ とりつきへし 同巨言言フ 〽つきふばこにおさめ ゆかんとするをよび とゞめ〽そんなら そなたもう ゆきやるかふみにも あらましかいたれど とゝさまやはゝさまの ごとくしんあそばすやう いひほどくのはそなたのくちまへ もし此ことがとゝのはねばわたしは いきてはゐぬほどにかならずしゆび よくやつてたもトくれ〴〵たのめば うなづきて〽そりやおきづかひ ちからいつぱいまうしとりきづとあなたの おねがひのかなはぬやうにはいたしませぬ なされますなおよばずながらもわたくしが おさび しばしの しばしの うち 〽るすの ことには きづかひ せずと ◑きかせてトいふにおすぎはこゝろえて そのまゝへ底をたちいでしが とかくするうち 日はくれたり もとより 屋かたの しまり はやう へる きび しく を 日くれ のちは 〽太がぬきうちにちやうちんばつさりきりおとせば あつとばかりにしもべがぎやうてんそのみもともに とんぼがへりてこけつまろびついつさんにあとをも一 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ くだんのさむらひはにぐる しもべにめもかけずともに おどろきにげんとするおすぎが 小わきにかくたるふばこに 手をかけうばひとればそれ やつてはと びつ 今は こはさも うちわすれ ちつとも さはがす とりあへ さんと むしや ぶり 身をかはしつゝ つきだす こぶしに さむらひ おすぎは ひはらを あてられてウント ばかりにのけ はも ぞりつゝ イ たちまちいきは ぐちより そとへおなごを いださぬがかねての おきてなりしかど □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ きゝ たる おすぎ ゆへやゑ ぎりが びやうきに よりやどまで くすりをむ たへけるがしばらく あつてこゝちづき れどりに ゆくとまことし やかにいひこしらへ ひとりの しもべに ちやうちん もたせて 昼 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ちも いとはぬ あたりを見れば かのさむらひも しもべもゆきがた しれさるになほそれよりも たいせつなるふばこをとられては つかひにたちしろひも なしこはなにとして よからうとしば しあんの ていなりしが それにつき □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ てもとに かくに しゆうおもひ ひたすら らぬは 今の みちを いそぐ いそゞ ほどに くせもの なにを めあてに すでにして まもなくなりしとき うしろにうかゞふひとりの さむらひしのびづきんに おもてをつゝめばその めんていも見へわかぬが こゑをもかけず 大ゑもんか屋しきへ うへなればくやんでせんないつきへ 両のふばこを うばひとつたるもの ならんぬすんてせんない ものながら此ほうにては だいじのおふみあれを たにんに見られてはだんな さまの出身のうへそれもとられし 百目二丁炎乙 十四 西国書記書フ つきしことなれど 今よりおへ屋へ とつてかへしべつに おふみを いたゞいて又でなほ してこようにも でいりきびしき 加屋かたゆへこよびの ことにはまいるまじ そのうへならず 此ことをかやう〳〵と まうしあげなは おこゝろ よはい だんな さま ごくらうに あそばして なほ さはるで あらう よしや おふみは ないにも せよ ごびやうきに こゝまで きたを 加へ宿へ ぎり おやどへ あがつて 口上で おねがひ いちばん ちか みち みち さう じや〳〵ト しあんを さだめそこより ほどもとほからぬ 大原もんがやしきに いたり 黒 ぎりよりの の つかひ □□□□□□□ 百国哥癸乙 右ゟひそかにまうしいるゝにぞ ふう酒はやわ ひとまに よびいれ やちうと おなごの 身で むすめの つかひに 無要規(群邦 同中井幸幸幸 新井幸華春恭文 中井幸吉 きたり しとは しとは はなはだ もつて なし こゝろもと しさいは いかにととひ かけられ おすぎははつと 手をつかへ 手をつかへ こよひわざく まいりましたも やゑぎりさまから あなきりさまから あなたさまへおり いりましてのひとつの おねがひそのしさいをばひと とほりおふみにおかきあそばしたを もつてまいるとちうにてたれかは しみねどくせものにそのふばこ をばうばひとられまうしわけ なきことながらおふみはほんのおもて むきないしよのわけはわたくしから □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ まうしあげよと◑ ⑦ ◑やゑ ぎり さまの おふせ わけ たることゆへ おふみはなくとも 口上でねがふて 見やうとぞんじ ましてそのまし おやどへあがり ましたきてその しさいと じさいとまうし ますはいつぞや からして つきやゑ ぎりきまが ものかも はしいおかほ つきがやん ゆかずと そんじます ゆへこゝろを つげてなり ますうち おくの おにうと きのふの きのふの けふはごぜんも めしあがち めしあがらず なんでも わけの あることゝ ことはを ことはを ふらいよ〳〵 お花見それ おきむづはしく いろ〳〵に おたづね まう して 四月二吉目 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ とこめ此ごびやうきの おこりといふはせ せまことにきものつぶれた ことなか〳〵おいしやの おくすりてはね ◑なほる わけとは おもはれまぜぬ □ 四 三の巻也今わたくしが こだきりませ下やとめんきいて 大平らんがさてはきのふ くめん次がいひつることぢに くめん次がいひつることばに しのびあひしがひとに うき名をたてられんろく むすめどゝろにくらうして やまひのたねとはなり つるかわれにわがひのありと いふはかれとふうふにして くれよと松にいひつけ よこせしならんとはやのみ こみのはやがてんふかくも おもはでうちうなつき 〽今そのほうがねがひと いふはきかてもおほかたすいし たりさだめてむすめがこひびと ありてそはせてくれよと いふことならんそれなら あらためきくにはおよはぬ しさいあつてわれよく まうすことおきらなされて ちがひなく花見のばにて しるゆへけせも むすめが ゑんぐみの ぬがひをいだし おきたれば かみより▼ 西国守淡賀 もねがひといふは こゝのことおじよう さまの おいのちを おすくひ なさると おぼし 四の巻 及みゆるし あり しだい おもふ おとこと そはせる しよぞん これでねがひが かなふた なら そなたへ はや〳〵 たちかへり 五月一言フ つゝき むすめに あんごとさせて やかや をろかく いふうち 夜もふければ みちかいよ〳〵 こゝろもと るいようじんの るいようじんの ためわかとかに おくらせて やるであらう はなしは これぎり いふことをならべ たてつゝおひ たつれば おすぎは とくゆきやと じぶんひとりの ないげん くわん より たち いづれば わろとうが 出茂平 でもといふ しゆじんの さしつに したがひ つゝちやう ちんとも してさきに たちうち つれ屋かたへ いそぎゆく すでにその 夜もやくにけて 亥刻雨のふれる ひやうし木もわ ひやうし木もわ しもふたるその これを 太郎が おもへば よろこびて 〽さすがは まかせておきやれトひとり がつてんおすぎはりはつの かまれなれどもさすが おなごのあさ はかにもの ◑くめん次が けいとこゝろづかねば 〽ねどひもせず有 すいな だんな さま まう いださば おの かり おりしも 大平もんが 大平もんが うらもん口へ うらもん口へ のさ〳〵きかゝる ちぜんのさむらひ うめのやうすを うかゞひつゝしばし たゝづむほどこそ あれはけがきの やぶれより こそり〳〵と はひだす くせもの を かう むらう ひやくして いびだしかねて おりましたに まうさぬさきに おねがひしよまでおさし いだしになつたとはけつこう すぎてなにとやらためではないかと ぞんじますトいふをこなたはきゝ あへず〽ヱよけいなこといふには およばぬおやにじよさいはないほどに たは おだんな くめん次さまと ちふこゑたかしと さむらひがおし しづめつゝこかげへ ともなひつでかした 四呑太儲ふたいぎ〳〵して〳〵 うちのやうすはトとひかけられて くせものはかぶりし手ぬぐひとり のけてかほにかゝりしくものすをつきへし 百円十疋乙 西目并計フ つき おすぎとのはなしの やうすをきく こびなさりませ あの太原もんが はやのみこみに おすぎにはくちを きかせずあなたの ところもしおよろ な名をも りう太郎の さりの なまへも ちつとも いひ ささずに ことを きはめた おほだはけ かなひしと かへりました そのもん 〽おすぎはねがひの よろこびちさんで どうは かう〳〵トきゝいる つきうちはらひつゝすゝみより 〽かねてだんなのおたのみゆへ 此屋しきへしのびこみゑんの したにひつかゞんで大平もんと まゝにものがたれば くめん次につこと うちわらひ〽をゝ それきいておち ついた おれも きのふ 。 ◑大ゑもんに いつぱい くはせてゑん ぐみのねがひへ しよまでは右へし 百日十七乙 いださせたが みゆるしのでぬ そのさきに もしやゑ ぎりにきかれ なばおもしろ からぬわけ あるゆへ つうろの みちにまち ぶせして此ふみは うばひとつたが おすぎがいら ざることを しやべらば ことのさはりと おもひし ゆへそちに いひつけ うろぐは せしに 今のはなしの やうすでは おもふにまして じようしゆび〳〵 えかりしごとくや原 ぎりをだいてねられる やうになればそちにも ちつかどほうびは つかはすまだ 此ほかにもいひづくる しさいもあれど こゝはわうらい ひとめに かゝらぬ その うちに しのん太 きや ●はやくも かげを さるほどに 大ゑもんは かのゑん ぐみの ねがひと ともに 女ゑぎりが つきへ 西国ニシ 〽つき をもねがひ そへつゝさしちだ せしにいくほども なくしやじんより ねがひのおもむき きゝとゞけし とてゆるし ぶみを たまはりし やゑぎりを げしゆく させひさしぶり にておやと かばつぎの日 たいめんにたゞうれしさ のみさき だてば だては ふは そは〳〵 たちさはぐ のみ のみ まだ まざ はなし さへ しみ〴〵と 子がおち〳〵とした いとまし き 也 そのところへ くめん次がかたよりして いふ事 とうが つかひに 大原もんはひとまによび きたりし よしをいふにぞ いとたいめんしかゝ しさいをとへば しのん太は手を つかへ〽こなたの ごそくぢよやゑ ぎりさまとしゆじん するそのぎはおつて此ほうより ごそうだんをいたすでござらう これらのよしをもくめん次どのへし よきにつたへて給はれとてつきへし くめん次がゑん ぐみのこと ねがひのとほり □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ おふせつけられ たいけいしごくに ぞんじいるよつて ちかごろさしやう ながらゆひのうの しるしまでに もくろくのとぼり しんじやういたす 御しうのうくだされ たきむねすなはち しゆじんのまうしづけと のべおはりつゝぢさんの しな〴〵ところせきまで おきならぶるを大原もんは 見て原ましげに〽これは またおこゝろをもちひ られたるおくりものいく ひさしくじゆのういたした 〽むすめもげしゆくいたさせ たればとほからぬうち日を ゑらびこんいんをとりむすば 北 西国言言フ 〽つきうけぶみいつつう さかなしろを つゝみしなかけ ぶみもろとも よろこびうけて おすぎはつぎの まへこゝろとも まへこゝろとも かきしたゝめしのんや はじめゆひのうをかつぎ きたりししもべにまで わたすにぞしのん太は しもべをひきつれ かへりゆくそのとき なくきかゝりて 或おもむきを もれきく よりきのを つぶしつその まくにやゑ ぎりがゐる 小ざしきへ いぢもくさんに かけきたり 〽さア〳〵ことで ござります くはしいわけは あなたが づねぐ ぞんじませねど おうはさ にもにく ていらしい かほを かほを しながら いやみな ことをいひ かけるあんな すかない おとこはないと おきらひ あそばす くめん次さま から今どゆひ のうがまいり おつしやるには 日がらをゑらび ましておとゝさまの とほからず させやうと つかひにいふて おやりなさるを きくとそのまゝ せんできました こりやたいへんで ござりますと いふにおどろく いふにおどろく やゑぎりが むすめをこしいれ アリ 百円三十七軒 む 〽そりや いかなる まちがひ ぞト あきれ はてたる そのところへ かくとも しらぬ 大原もん つまの まどかと もろともに にこ〳〵 しながら いりきたり 〽これむすめ よろこ びやれそなたの こひむこ くめん次から 今ゆひのうが きたゆへにきやく ざしきにかざり つけたがそれは〳〵 見ごとなことちよつと いつて見てきやれじ いゝれてはつと 一兼ぎりはむすめ ごゝろにさしせまり なんといらんもならば こそたしなみもてる くわいけんにてすでに じがいと見ゆるにぞ あなやとばかり とゞむるおすぎ 大原もんはきやう さめがほにともに おどろきだきとめて 〽そなたはきでもちかふ たかこりやなにゆべの せうがいぞトいふかほ つく〴〵うち見あげ 〽きもちがはひてなんと せうこひしいおかたと そふことゝよろこぶかひも なさけない名をきく さへもはちのたつ くめん次づらからゆひ のうとはあまり むじひ商おはあらひト つきん 下 「「国「「「「」「 つゝきなきたてられて大ゑもん 〽そんならそなたのこひむでは まちがひトひたいを くめん次ならでまさほかにト なでればにより いふにおすきがたへ ぼうのまどかも かねて〽おかはひすうに おゑようさまが □□□□□□□ ともにぎやう てんして又いふ あのやうな おかたをばなんで おしたひあそばし ませうしんじつの こひびとは よしもなかり ける 此だん ○此だん いまだ ながけれ りう太郎 ども さまで ござり いへば こな たは又 びつくりも たは又 ◑れいのてうすう □□□□ かぎり あれば 第十編 のまきの はじ めに 此おさ まりは つぶ さに とく べし めで めで 朝 潮牛肉丸一包百 錦牛肉丸一包 第一ひいを補ひじん □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ せいをます妙やく るればきよじやくの ひと常に用てよし 下谷さみせんぼり 柴州 屋敷 染崎氏製 爲永春水補綴梅蝶楼国貞画 文二二戊戌二 十五編 十六編 根源實紫 十七編 柳亭種彦作 一寿斎国貞画 五編同作 大尾同画 娘庭訓金鶏 おくみ 総次郎 十七編山東京山作 十七歳柳亭種彦作 十八編越停程彦竹 十八編傚川國貞画 十八編歌川國貞画 琴聲美人錄 十九編一川芳貞画 初編柳亭種彦作 花兄弟陸奥名所 二編歌川国貞画 十三編 十四編 新増補西國竒談 十三編爲永春水作 歌川国貞画 十五編 芝神明前 地本絵草紙団扇問屋 同十一月十一日兵衛板 三嶌町 同一 一〇〇 春水補綴 さ 袖面顏 こく 十編全二冊 将4万円 国貞画 佐の座梓 西国竒談十編 玄魚 □□□□□□□□□ 喜雀 堂板 為永春水著 介題曲つる五つゑ 参り 大企大企大企業 大人にて 大久久久久久米 代金金金金金銀 本文 十編の工 方流 同奈久久久久久久久兵衛 春季金春に 亥年二月年一月廿一日 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 西国 奇談 一麦島画 為示著 佐野喜 夜も明けて巣をつくらうの鳥に似て 朝寐は宵のりやうけんの外山陽 悠〳〵短冊にしるせしを。去る友人より贈られしかば這はよき僕が 警めなり。と常に座右の屏風に張て。年許多うち詠むるにそ。 夜延の油離る頃には翌こそは敏起て。と思ふて寐ざる宵は あらねど。枕加減のよきまゝに。雀の餌そみに集り鳴〳〵も。 隣家に朝餉の跡洗ふ音も。現心に听ながせば早晩も朝顔の 盛りを知らず。介をけりとき物申の声に胸うち潰れて起 出れば。喜鶴堂の使来りて。偖十編は奈何と言はれ。まだ覚 やらぬ巳の時の眼をこすりつゝ筆を染ぬ 庚申初春良辰爲永春水記図 文政二十五戔 百目十七日 殺生石 妖婦 阿竜 木村 龍太郎 西国書記十 九編のつゝき 一 一〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇 ふたゝびとく 大ゑもんはむすめが まことのこひどはア 太郎にてありし はじめてしり こゝろのぎやうてん あきれはてたる かたはらよりつまの まどかぎし よりて〽いはざる ことかわたくしが かうしたことも あらうかと おもふた ゆへに すぎし 日にむす めのこゝろも いちおうは をも おだし おねがひ なされ とまう した のをも なきのみ ならず此ほど すぎが おもちひの いづた ときもかれには くちをおきかせ なされず あなたひとりが がほに や す うけ あひを なされし ゆへ此 まちがひは できまし だじいふも まきのいけん ながらも ぐど〳〵と かへやらぬことを くりかへしくどき たてられ大ゑもんは おぼへず右へ 今さらおそ 同三十二 左ゟふときいきをつき〽わがりやうけんのたら ざるよりまどかぐことばもきゝいれずはやまつた ことしたりしを むすめはさぞや にも又見おぼへあれば らつはりなりといかでかしる これなるふみと かんざしをしやう こになしてのおし もんとういなといはゞ さしちがへしなんとまでに かくごのありさまことに じひつのふみといひかんざし べきさまでに むすめがね ◑おもひ こみわりなき なかとなりたるをいなも たりとてやむべきならねば しようちのよしをへんとう してねがひぶみをもいだせしあとへ松津が きたりてなにやらんいひにくそうなことばの はし〴〵これくめん次がことならんとつきへ 四 つきはやのみ こみのはやがてん とくよりしようちの ことなるをかれにくち かずきかせんもわづらは ししとおもひしゆへ そなたのしよぞんを そなたのしよぞんを きゝもたゞさず 此まちがひを しいだしたはわが いつしやうの まり ねがひを たてて みゆろし うげ ゆひのう おく られしを なさんとせば 又くめんすが やつてきて ざしちがへんと いふはひつらやう もつとも 今さらへんかい こしらへ たいていのもの ならば又かけ あひの しやうも あらうが かたなを ひねくり むほう なんぞといふと あばれちらす うくわつな ことをいひ だしなば だしなば おやこの いのちも あやうき のみか いつたんねがひを いだせしうへは かみをいつはる つみものがれず おもひあきらめ しうけんしやかけがへもなき ひとりのむすめきにいつた右へ こゝのどうりがわかつたら さきの世からのあくゑんと くめん次かいやであらうが 西国竒談十 みなことはつたほどのところへころに そまぬくめん次をおとこにもてと 〽おとこをむこにとつて やらうとこれまでもほうじから むこにならうといひこみしを すゝめるはおれもふびんに おもへどもどうはんがへ てもいのちがをしい おやのためぞとかん べんしていやな おとこをもつて たもコレ手を あはせて此やうに 同十一日 のふる まびに やゑ ぎりは あきれ いらへ かねつゝ さしうつむき しばししあんの ていなりしが 〽ことをわけ てのそのおことば きゝわけぬには あらねども たとへまくらは かはさずとも おなごのくち おろこのくち からはづかしい ことばかはせし りう太郎さま ふうふになられぬその ときはそのまゝこがれてしぬまでも あだしおとこにはだふれじと こゝろにちかひをたてたるを今さら ほどにもなしがたくとあつて此まゝへんがい せばおかみをいつはるつみありとおつ しやるものをわがまゝにいなとばかりも まうされますまいさればとて くめん次が手だてにのりておめ〳〵と かれに此身はまかされねばかくご きはめたわたしのいのちしんだあと □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ にて此くびをくめん次かたへつかは されなばかれにおいてもいひぶん されなばかれにおいてもいてふい ゑ〳〵おかみをいつはるつみもあるまし これといふのもわたくしがおやの ゆるさぬいたづらゆへそのいみ その身にむくひきていのちを おとすもおやのばち人をうらみん やうもなしさきだつふかうはいくゑ にもおゆるしなされてくだきり ませトいふより其やくくわいけんにて 又もしがいと見ゆるにぞ 五 おすきはすかさずか よりいだきとめつゝこゑ はげまし〽そりや ませうとはいふものゝ そびたいとおもふ おかたがまちがつて おもいぬおひとに そふことゆへ つきつめた そのおぼし めしもむり ならねど あなたの ふうふがきやうてん しんだがましと ごたんりよでござり ごじがい あそばすを おやごさまとて わたくしとて おめ〳〵ながめて なられませうかほかに しあんもござりますれは まづ此しらはは わたくしにトいひつゝ むりにもぎはなし やいばをさやにおさ おすきはすかさずうし つゝきあなやとばかり まづ此しらはは むれば ばかりざりとて此ばを せやうやはふうふはむねはむねはむねはむね なでおろし 〽なんぞのはしには しぬ〳〵とそなたは いのちをすてるのを こるいものとはおもはぬか をかくいのちがものだね なるをせくな〳〵トいふ おさむ されば 二の巻へ いたむるのみ又せん すべも ながりける そのときおすぎは ふりふのまへに すゝみいでつゝ 手をつかへ 〽あさ はかな おなごの あげるは はゞかりなが 此ばのことを わたくしに おまかせ あそばす ものならば◑ 身でまうし 一の巻あだにこゝろを ながりける □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ◑やゑぎり さまにも つゝがなく あなたの おかほも たつやうな いたしがたも ござりますれど おふたり さまのおころを まづうかゞつたうへ □□□□□□□□ ならではトいふによろこぶ大ゑのん 〽なにがさてそなたのことば むすめのいのちにさはりなく おれのかほさへたつやうな しあんがあると いふことならむ 一 武蔵 むまか せいで なんとせう してまた そなたの かやう 九〇 とはれて おすぎは 身をおこし かたへに ありあふ ねろの ほともへ づかくと 一一一一一一一一一一一一 ●湯 たちよりて かけたる 釜に め たつまで つゝき たぎりし ゆを かほへ ざぶりと 地記 西匡前詔十 かければ かけれは さすが きじやうの 女なれども なにかはもつて たまるべき あつとびとこゑ さけぶと ひとしくそのまゝ いきのたゆるにぞ これはとひと〴〵 又びつくり くすりより みづ □□□□□□□□ たち これぞ すなはち ゆゑぎり さまの おん みに る 左ゟもちいづれば まどかはちやわんに ゆをつぎていだすを でん内うけいたゞき おすきのくちにふく よびいくればそのこゑ みゝにつうじてや しばらくあつて めを見ひらぎ ませつゝなほいくこゑか 〽をゝとゝさまか みなさまも かならず ばすな○ おさはぎあそ その ところへ けひなみだ さしぐむ までに までに しばし ことばも なかり けり そのとき 父のでん 内は身を へりくだりて さいぜん より つきの まより しじう やうすを たちぎゝ おすぎの 父の 伝内がんじ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ごくいしさいは うすき 大ゑもん さへ そゞろに みるよりも われを わすれて おすぎを ひざにだき のうむすめやよ おすぎそなだは きでもちがふた 大 きつけを右へ 西国年癸一 御こんねいを あそばす あそばす ゆへあずは 御下宿ごけ あるとのよし ふみのしらせに とりあへず およろこび やらなに やらにさい ぜんころたの おかつてまで まいつて やうすをかけ たるはれば つき 三めん 次さまの かたよりし ごゆいのうが まいつた ゆへ より より ぎの ぎの おしなを つかは どころのひとたちは さるゝと あつておだい みなではらふて とほいお女中 まへにすはつて ゐてこれらの ゆへこゝろの うちにおもひ ますにはきのゝ むすめがもと したおなまへとは ちがにしまへとは ちがふたとこから たれもゐずみゝの ひとりおかまの はなしをいたす よりしていふてよこ ごゆいのうこれはどう したまちがひぞと問へし 白国年癸一 おとりつぎ をもたのみ 左衛門 がてん がゆかねど アとはれも せずかねて おやどの おかつ手は ぞんじてゐる わたくしゆへ ませず 此おさし きまで まいりし ところ なに いるおばなし おじやまを してはとさし □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ひかへおつぎにしばし たゝづむうちおもはずもれきくしじうの おはなしをもにむねをばいたむるおりはら むすめが今のありざまにあとさき おもはず かけいりし いさゝかなりともわがせう がいに乙かんほうじをなしなんものと おもへどちからにおよびかねしに そなたがけなげなこゝろざしおやの おちどをひやくぶいちもおぎなふて □□□□□□□□ ごめんくだ さりまぜト いひつゝがたへを 見かへりて〽あつはれ むすめでかせしぞ われいづたんの あやまりより あつき ごおんを かうむりしを くれたかとおもへば うれしいかたじけ ないトいふかたはら よりやゑきりも 一まどがもともに よろこびをいふも くるしきむねのうち なみだにこゑを 分らするをほすきは きうにおしとゞら きうにおしとゞめ 〽もつたいないこと おつしやりますな ことのおこりはわたくしが つきへ つゝき 此おつかひを つとめながら 西巨吉記十一 たいせつな おふみ ばこをば うばひ とられ おやどへ にも かんじんの 御口上 をくち ごもら かりで此 せたばつ まちがひに なりましたれば いのちにかへ てもごなんきを すくはでかな はぬ身のあや まりこれにて おもへばすごし 夜にかのおゝ 〽右ゟ入うははや こゝろやすしと そのゆふぐれに わかとろの しのん太に しやくを とらせ む ◑たゞそればかりがきづかひなりさある ときにはなにとせんそちのふんべついかに ぞやトいふをしのん太きゝあへず〽これは 又あなたにもおにあひなされぬかひないし おふせたとひ 今さいやゑ ぎりさまが なんと かぶりを ふらう 八夜しよくのぜんの かたわきにて酒うち のみつゝゑましけに 〽そなたにもいろ〳〵と よけいなほねを おらせしがどうやら かうやちやゑぎりも いりそうにい いりそうには □□□□□□□□ 一一 おねがひ までも おだし ゐることなれば そこはおやごの いくわうでも おむすめごれば なされて おゆろし のでた うへなるを さきでへん かいしやうと いふても こちらで ごしようち なされぬことは 見へきつて ばこをかび しもくめす にもかくにも じやちふかきし どの□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ かのひと なればゆだんし してこなたのきみつをさとられなば つくすこゝろも水のあわかならず 手はづのたがはぬやうそれには あしてはうして下いかなることをか さゝやきあひけんその夜 びそかにでん内はおすぎを なひ くら わがふる 里へと かへりける ○それは さておき くめん次は たがか おほせ 手だてを ゆいのうまでも とりかはしたれば右へし 百目十匁日 なつたれどかれは やどにさがるまでも りう太郎とのみ おもひつらんを一 われなるよしを きゝもせば もしふしよう ちをいびめやせん いひさとし おゝくりなさるは しれたことさは さりながら かういふ ことは さきへ のびるとすん ぜんしやくま すこしも はやく此ほうへ ひきとる くめんを あそばすが じようぶんべつ かとぞんじます いはれてくめん次 うちうなづき 〽われもざこそは おもふなれさらば そのぼうみやう にちにも大ゑもんの ちゑにいたり こんいんの目どり をばとりきはめて きたるべしそのへんとうの やうすにてかのゆゑぎりが ふしやうちろふしやうちなら ぬがわかるべきにつさん 廿一日善斎丁 つゝきよくせよ かし下いひつくれば しのん太は いちぎにおよばず しばらくあつてたち かへり〽今大ゑもん おもむきをちくいちしまうし あげたるところかのおもたの あげたるところかのおかたの おふせにはこんいんの義は いつとてもしさい あるべきこと あるべきこと ならねどいかに せんやゑぎりは きのふにはかに やまひおこりて まくらもあがらぬ ていたらく 此やうすにては すみやかに そなだへおくり つかはしかたゝ やまひほんぶく いたすまで しばら〳〵 ごゆう くだ□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 女かん次 つぎの日かしとにいたりしが さまにおめにかゝり御口上の どのへその ほう よくなか とり たのむとある ことばのはし〴〵 なにとやらがてん そのまゝかへりは てつきりこしらへごと つくりやまひに ごをのばす ゆかずとおもへども かへりましたがこれは 出しかへしてもいひがたく はかりごと かとぞんじ ますトいふに くめん次うち あんじ〽さては ふとくしんと おもいるゝよし おもはるゝよし みづからかしこに おもむきて 大ゑもんめを ちはせずやゑ ぎりが右へ いよくやゑぎりめが 此うへはそれがゝが おびやかしうむを 三月二日迄一 ス 左ゟ手紙ひき たててたち かへらんたいぎ ながらその ほうも わが とも いたせと いひはゝも はかま ひつかけ たちいづれば しのん太も 又あとに つき やがて 大原のんが もとにいたり あんないもなくざに とぼればふうふは おどろきいでむかへて たがひのあいさつことおはれば くめん次きつと かたちを あらため 〽たゞ せつしやが けらいを もつてごん いんの日どり をばごそう だんにおよびし ところやゑぎり にはびやうきの よしおどろき おもふところ なりすでに しゆくんのみゆるし ありてはやゆひ のうまでおくりし うへはせけんはれ てのわがつま なるをびやう きときゝつゝ そのまゝに うちすて おくべきこと ならねば 見まびの あるべきことならねどいつれの いしやにかけ給ひしつきへ ためにまいりし なりさだめて おやごのことなればぬかり 四国司諸十 つきようだいは又いかに ぞやトせわし〳〵とはれて 大ゑもんはひたいをなでいゝ といきつき〽さてこまつ たるむすめのようだい きのふにはかに 一霞夜いたし かほにあやしき しゆもつをとつ しゆもつをはつ してそのいたみ たくかいたみ たへがたしとて もだへくるしむ 〽つきようだいは又いかに いなみていしやに たいめんもせず はてはわれ〳〵 ふうふにふうふ かほを見するを ふかくいとびて 此ことば 下の巻へ つゞく ありさまゆへ さつそくに いしやを まねき りやう ぢを 一一二一一一 させんと ぞんぜしに おなご ごゝろの かひなさは そのみの 久兵衛 恵かく ひい 上のまき終り かはり はづかしとて 春 西國 ㊄編までの赴は前巻の丸に折かはしたれバ爰にいはず扨十六編はいそ平 爰によりてその国を害す和次卿。ソの仇とし出て互ひに義気ある物かたり 春木補綴 国貞画 荒太夫非を悔て爰に往事を始るにいたり円山の娼妓韓衣が事智天 これを根引して磯馴と喚夷側妾とせしに荒太夫が姦通せんとてさま〴〵 悪計をめぐらす諸終に善悪判然として矢嶋の一叚小結局にいたる 十七編は阿綾阿竜の許にいたりて母子再会の事より起り又宗重を 一懲らんとかの得し処の妖祇の術にて館に種々の奇をあらて忠臣を退け愈臣を 一挙け家政を阿竜が随意なすなど這は十八編にも渡りぬべし 根源實紫新刻概略作者柳亭種彦画工同前 「十五編〗筑紫なる穴人の買し宝笛香炉倫て宣孝に托す野洲児詛然されて蒙 式部寛を受「十六編式神毒祖秩手等が隠謀を露はし櫛彦自截て却て書て が汚名全霊まり黒白判然兇悪皆戮せらるつぎて少将が貞節惟規北国 にて死して又蘓る十七編大貮三位生れ宣孝病死花山法皇の御伝大かた 此編にて全備り式部源氏物語を作り上専門院に奉公十八編以下は退て記すべし 此編にて全備り式部源氏物語を作り上東門院に奉公十八幡以下は追て記すべし 梅蝶楼国貞画 新増補 西側にて 松 ノ 本国 同 びやうぶをたしこめ うぢふしをまゝ ろく〳〵にさんどの 上の巻ゟひをまのうちに しよくじもはゝを とらねばふうふの とらねはやうふの しんぱいひとかた ならずさりとてうち すておくべきならねば ことばをつくしてすかし としらへいしやの くすりをもちひなば そのうちほんぶく なすべきかたとひ やまひはおこたる ともしゆもづの あとのいゑ川 ざらんには見にくき うへに見にくう なりてはては あいそをつかさるゝ ごともやあらんと おもひすこせばこゝめ ぐるしきかぎりなり 人なみすぐれし そのもとが人なみ ならぬつまをも 百月十六日 もちしど ひとのくちはに ひとのくちはに かゝり給はゞきぞ くちをしくおもはる べしゆひのうこそ をりかはしつれ □ 今へんかいを せらるゝとも われらに おいては うらみ ◑をくと ごしあん くださるべし いふをうちきく 巴匡善記十 つきくめん次が はらのうちにおもふ やうさてはむすめが ふしやうちゆへかほに しゆもついできしと いはゞわがかた あいそを つかししなよく はだんにおよば せんといふはかり ごとにそういなし のるべきかト よりして その手にうつかり るゝを うちゑま □□□□□□ よやゑ きかがふしどの うちへとく〳〵 あんないいたさるべし おやにはかくすことはありともいつ せうの身をうち まゝておつとに ゑんかよのある じんかよのある べきかそのよう だいを見しうへ にてじぎに かういふうちもこゝろの よらばわが底へ ひきとり手づから かんびやういたさん にはせつしやにおいても ほんいにかなへり ○かたわに なりても くるしかち ちかて ぜうかい誠 見すまじつくまでおもふそれ せけばいざもろともにト 身をおこしおくをめがけて ゆかんとするをふうだは あはててひきとゞめ〽さう おもはるゝはもつともなれど おやにさへ見せざるかほを たとひふうふのゑにしは がしかたにんむきにせられす むすべどしうげんだに もいろにも 見せずあは たゞしげに こゑふりたて 〽そりやなにごとをいはるゝぞ いつたんぶしがかたなに かけてまうしうけたるつまなるを よしやしゆもつのいへすして◑ 西国白鉾四百四十二丁 ごゝろにおもひ せまりてもし たことひいかなることありとも ものことのあるも せばこうくわい そこにだちがたからん いよ〳〵見すて給は じとなめ一つさん つきさい ぜんもまうす ごとくわれ〳〵 ふうふがすかし こしらへいしやに あはせて とすりを すめ おてたらば おんみのもとへし おくりつかはし しほごやつ かいにあづ かるべし今 すこしもやまひ とていそぐ ことかは いはれて さすがの くめん次もせいては ことをしそんずることもや あらんとおもふにぞ なほもへんがいせざるやう ことばをつがひこをおして 又しのん太をめしつれつゝ わが屋へかゝるみち〳〵も くめん次はしいん太にかの 大ゑもんにおれし共 そのみの いひること ものがたれば しのん太五うな づきてわれらも いかゞとあんせし ゆへにはからしのね ぎしきのやうす たちぎゝいたして をりましたが 人におもてを 見せぬとはいよく もつてかたがは ししこりや だんなさまひと くふうなされて 見ずばなります まいトいはれて まいトいはれて 見ても今さらに さしあたりては しあんもうか なんどはやう〳〵と ますそのまゝ いへにたちかへり しが此くめん次の となりにすまふ 「藪井が七庵の 奏公 百目二十疋ト 「たゟしよばう いしやはくめん次 とは碁仲間といへ にてひまある ときはゆきかよひ こゝろもしりたる ものなれば くめん次は此いしやを きのみて ○やうすをさぐり 見んとある日さづ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ あんがきたりしには れいのごとくに 碁をかこみしが くめん次わざと うちまけてかれが こゝろをよろとば せしかへしのび やかにいへるやう 〽それがしおん参 おりいつてたのみいり たきしさいありきゝ いれてはくだされずやト いひかけられてなにと やらがてんやかねどうち うなづき 「日ごろより してその もどゝは まじはり ふかきなか なるを 身に かなふ 衣冠を正 して龍太郎 夢に山鳥に 跨る縡は 後輯に見ゆ 同十一月下定ト 〽わさいふにくめん次 よろこびて〽さつ そくのごしようちにてまづもつて あんどいたしたちといひにくきこと ながらしさいからあけまうすべし ながらうさいかなけまうすべ しじうのあらましを ものがたりつゝ又いふやう 〽さればやゑきりが びやうきといふもまつ たくいつはりならんと おもへどたゞすい ちやうちうへ みなれば じつははなくしかぐトいちぶ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 手づよく かけあひがたし たのみといふは こゝのことおんみが かしこにおもむきて かれがやまひの やうすなばとくと 見きはめくだまらばせつしやが よろこび此うへなしよたのめはさぢ ほんいちぎにおよばず〽なにごとかと ぞんぜしにやまひのじつぶきさぐり 見よとはなによりもつてやすき したのみざつぱくろしまはりこし ねたもみざつぞくとしとにありこし さしかとやうすを見きはめたるうへ かならずけしらせまうすべしと しがそのつぎの日に さぢあんは こゝろ身はせてたちえり 藤 もとに いたり 〽うけたま はればごそく ぢよには くめん次どのゝ おんもとへごゑん ぐみのさだまりたる よしおんみもさぞかし ごあんゑつとたいけい しごくにぞんじいるしかる ところやゑぎりどのには さきだつてよりごびやうき なりとてくめん次どのにも ことなうしんばいよつて われいにごようだいを とくとうかゞひくれよと あるたのみによつてすい さんいたしたしておむすめこの ごやうすはトとひかけられて 大原のん〽これは〳〵さぢあんらう にはおことおほのなかよりしとしん せつなるその出たづね此あいだくめん 次にもまうしきかせておきたれば ごしようちありしかしらねどものきへし 十四 一□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ つゝきいかなる やうまが おもてをあはするがはづか かくのおいでなれどとうも むすめのようだいを お見せまうすと いふことはトいふをさぢ あんきゝあへず 〽いかさまひとに 見るゝことを きちはるゝといふ こともかねてかげ たまはりたれど さればとて此まゝに やうすも見ずして たちかへりてはくめん次 どもへいひわけなし いさめももちひずひとに はしとのみまうすゆへせつ ◑しづかにをいてうちほしゑみ 〽ソイヤ大魚もんどのきづよひ給ふな 宵のしゆもつは 見ざるゆへいかなる やうすかしらね べともまつみやく てのを見る ところではさし たること とも たるなればひと日もはやくこんいんを させ給ひなばおのづからやまひも 道おもはれずこれはまつたくきの むすぼれよりかるやまひとなり ほんぶくいたさんかこれらの よしをくめん次どのに らげしらせしばあんど せられんおいとゐまう すしいひすててあい さつそこ〳〵たちかん そのあしにてさぢあらは くめん次かたへたちよれば やりしもあるじは小ざしき にてわかとうのしいん茶 おきならべたる鉢物もひへ 水くばらせつゝゐたりしが それと見るよりよびのねて かしこのしゆびをたづぬる にぞきぢあんはさしよりてあるし やうすをしか〴〵トものがたりつゝ 又いふやう〽それがし手だてを いたりやまひのさまをうぐふ めぐらしてかのやゑぎりがふしどに ところ手あしのみやくも たいのにてどこにやまひのありとも おぼへずたゞかせのかねにしゆもつのでき しといふはまことかいつはりかそれをも たゞその かほを 見らるを のみいそび給へる わけしらばわれくに おいてせんすべありと いひつゝよういの手ぬぐひ にて両のまなこをうち おほひたるはしを うしろでひきむすび まち給へとておくの ひとまにおもむきつゝ むすめにかくと つけたりけんふたび そこへたちいでて 〽いざこなたへと しるべをなすにぞ 〽かくては見らるゝゑんりよも あるまじいざ此まゝにてこそく ぢよのふしどへあんないいたさるべし のぞみかけられ大ゑもんも今は のがるゝすべもなく〽さらばしばらく はらをさぐりて もとのところにたちいで つゝめをかくしたる 手ぬぐひをの しすましたりと さぢあんはあとに つきつゝやゑぎりが ふしどのうちへざぐり よりまづみやくをとり 百月十七日 ひとめ見んものとめをがくしたる 手ぬぐひのはしよりおり〳〵さしのぞけど たもとをかほにおしあてゝさらにおもてを あらはさねばしゆもつのありやなし やはしらねど つくり ひて あることは舟の うへにてあきら けし今はわれらを しようにんになし給ふ ともくるしからねば いやおう いはせず 此ほうへ ひさ だんを 七 〇〇 しくは なし つき 十三百三十 くめん次が〽さん〳〵のおこゝろ いれおかげをもつてやゑ ぎりがひやうきのやうすも くわしくわかりわれらに おいでもあんどいたした いよ〳〵かれらがこし らへことにそういあら ぬをしるうへは これはとうざの しやもつとて かねひとつゝみ とらせつゝさぢ 手みじか知るかけ あひをして日ならず ほんいをとぐべきなり つゝきいはれてうなづく あんを いゑに もどしすぐさま したくをとゝのへて 又大ゑもんがもとへ いたり〽ぜんこく たのみやゑぎりの ようだいを とくとうかゞは やぶ井さぢあんを きしところ 四 □□□□□□□□ かみへの ゆてれ せけんのきこへ おめ〳〵として ゐらるべきか かやうにまうし いだせしからは いさくがにても いうよはいた さぬびやう きのまゝにて くるし からねば手を ひきたてて つれかへらん もし 此かへ にも はい あらばねん みらなや 子を◑ 百目号炎七 かのものゝ いへるには みやく ていも さらに見へねば つねてい にて びやうきの やうす こんいんを し給ふとも しさいなし とのことばなり しかるをおんみは びやうきといひなし こやうきといひなし いちにちおくりに ごをのばさるゝは ともかくもして このゑんぐみをへん がいせんとの手だて しるべしそれがし とてもすぎし 日にかたなに かけてまうし うけしを今さら まちがひあるに おいては ◑さしころしわがみも ともにせうがいせん 今いちごんがせうじの さかいむねを さだめてへんとう あれいかゞで ござるといひ いゝもおとしの かたなを ひらめかし つめかけられて 大原もんは あちてしこゑを ふりたてて 〽これはしたりくめん次 どのさりとはたんきな 人ではあるなるほど むすめがびやうきの やうすそれがしも 又さぢあんにうけ たまはりしことも たまはりしことも あればむすめの かほの見にぐう なりしをいよ〳〵 いとひ給はずと ならつき 正月廿三丁 つゝきいかにも いはいはいたす まじされども せつしやも なすけのいち おんみに かるぐしく ぞくむすめを ひきたてさせては つかはされぬ 此ほどよりの せりこみにて したゝはいまだ とゝのはねど さほどにいそぎ給ふ ならばもちきたりの しなばなりにて とほからぬうち 日をゑらみおもて だちてしうげん さすべしかくても こよひにせまらるゝか まいトいはれて くめん吹しすまし がほに〽さらば よもふしやうちはござる そのことを □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 片それの日は かことにくわう どう吉日なれば その日にこんいんをり のまのまく むすばんとかたく 日どりをやくしつゝ その夜はわかれて かへりしがこめん次は はらのうちにこと とゝのひしとおもふにぞ やゑぎりがこしもとに めしつかふへきおなご なんどをあらたに かえてまつほどに さてやくそくの 日にいたれば 大ゑもんが かたにても したく その日もすでにくるゝ ころやゑぎりは のりものにて くめん次かたへ きたりしが まだびやう ちうのことなれば ばんたんとしのひけん しうげんは 百月十一日 大企くめん 次はこよひ こそ 日ごゑ いを おもへは ほろゑひ きげんに いと より ふしどに いたりて 見るに やゑ ぎりは ねや にも いらず れいの そで にて 廿一 ○こめん 次はうち ゑみて〽女ゑ ぎりそこに ゐやつたかごし かほを かくしさし うつむいて ゐるていに ゐやつたかごし八 な かくを はぶきて たゞさか づきを とりかはせし のみやがてふし どにいるほどに内へ もとどまゝきの つかぬびやうきあげと しりながらかぜひかせ たらなんとするもう これからはそれわが よるひるともにつき そふて手づからかん ひやうしてやればのきへ 四月十三丁 つきちつとも きづかふことはない とちへおじれし手を とればやゑぎりはなほ はづかしげに身を ちゞまするにいら だちて〽はてさて そなたもしよ しんらしいなん にもこわいことは ないこちへ〳〵ト らひつゝもわり なくふしどへ いだきいれ せなかをなでつ 手をとりつ しなだれ かゝればやゑ ぎりはなをはづ 〽そんならあなたどう あつてもお見すて いふことばさへくちの うちしてやつたりと くめん次はときめく むねをおししづめ 一はんのすぎたる かしげにさしうつむき なされはしませぬから 第九四 十七 左ゟうせはててそのさま やしやにことならぬおそめ しげなるめんぞいにきもを つぶせしくめん次があなやと ばかりとび のきつゝ おぼへず ふしどをにげ いづるを〽アレ まアまつ 七ト □□ ぎりが すがり つきつゝ ひき とゞめ もなづたことは とゝさまから そのこそのちに かけてもらふた そなたみすてて なんのよいものかひよく れんかはいざしらず ようひつたりとよりそふ ようひつたりとよりそふ たちうるしとにかわ はなれはせぬすゑの まつ山すゑかけて ともしらがまで そひとげるおつとに なんのゑんりよか あるおもせぶりに かくさずとその そでとつてうつ 同一一一一一一一一一九一 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ さだめてきいてで ござんせうにたとひ いかなることありとも たからは くしいこぼれる やうなあいきやうが 見たい〳〵ト たはぶれつゝいや がるそでをとり のけてはじめて あらはすやゑ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ぎりのおもてを 見ればこはいかに たまをあざ むくかほばせは いつのほどにか右へ ませぬどう よくなわたしの かほの此やうに是 ◑□きりやきみ とずゑかけて ともしらが までトたつた今 おつしやつたのはいつわりか わたしやはなれぬのきは せぬいとしがつてじより そびてよれつもつれつ かきくどく此とき つぎのひとまにはつきへ 十八 西国音談十 つゝきいらぬおせわの こしもとがふしどの やうすいかゞやとふする のそばへ身をよせつゝ 左ゟさせんとするともさしあたるせうこなければ それもかなやすたんりよはこうをなさずといへばしかよを めぐらし大平もしめが手だてのそこを見あらはし あわをふかしてはらをいんじおんちにたけたる廿 いきをころしてうつゞひ ゐしが此ありさまを 見るよりもともに おどろきにげいだし 〽とよひござつた およめごさまは ありやばけもの じやトひそめき あひわらひを しのぶぐるしさに おの〳〵はちをぞ おさへけるそれ にはひきかへ くめん次はやゑ ぎりが此こい たらくにしば たらくにしば あきれでゐたりしがはちのうちに おもふやうよしやしゆもつのごき たるにてかほのそうごうちがふとも ことばつきまで此やうにかはるべきやうは なしこれはてつきり大ゑもんめが いづくよりか此やうなるかたわものを れきたりおれをいつぱい □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 次ゆへ たち かへせしかば まち おもひ さあらぬそい にて みめたるならん にくさも にくし のゝしりこらしてたゝき いだしてくれべきかトしんちうさながら イヤ〳〵それははなはだつたなし かほにしゆもつのできたりとはじめ よりしことはりおき此ばけものを つきつけてわれにあいそをつかさ ぜんとする大ゑもんめがこんどの しかたなか〳〵かれがりやうけんより いでたることゝはおもはれぬこれは かならずなにものかいればちゑしたる いかりにまかせてたゝきいださば いよ〳〵かれが手だてにかりて わがいひぶんはひとつもたつまじ さればとて今此ものをせめ さいなみてはくぜうを右へ もうちほゝ ゑみ〽やゑぎり かならずきづかひ なしゆもつのでき しといふ ことは もゆるがごとくおもてにいかりをあらはせしが ものありてふかくもたくみしことならんを 百月十七日 ともなるべきにつぎへ ◑かねてうはさに きゝたれどかく までかほのかはりし とはおもひもつかで ゐたりしゆへひと たびはおどろきが よしやいかなる ことありとも かならずせうがい 見すてまじといひつることばゝ ほごにはせぬいしやをゑらびて りやうぢさせなばしゆもつも いゑて又もとのかほかたち つゞき くよ〳〵 おもはゞ やまひの さまたげ こゝろ のごけく ようじやう せよと くちから でしだい 八百を ことば たくみに つゝ さとし ひとつね こそせね さま〴〵と かれを いたはり なぐきめて やがてその 衣をあかす ほどにやゑ ぎりはつぎの日 よりさらに 西国吾訓十 □□□□□□□ □□ おもてを人に かくさず おにかとばかり 見ゆるかほへ べにおしろいを IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIINIIINHNNNIIIIIIIIIIIINNNIIIIIINNNNIIIIIIIINNIII よそほひなど してによう ぼうきどかに なれ〳〵しく くめん次をもて なすにぞこなたは いよ〳〵むねを わるくしあらずも がなとおもへども 手だてをめぐらす それまでの ぼう なり 右へ 百目片炎ト 左ゟ うはべ ばかりは うつなし くしけれど こゝろにくふうは たへざりけり ものがたり ふたつに わかる きる ほどに ひりう また ふかき たく みの ある ことゆへ 女のてに じついを 見せかけて ひとの こゝろをなび へかせしかばおく むきはいふにおよ ばずいつかちうの さむらひどもまで みな此手くだにのせ られてかれはまことの女 なりかやうのものを おそばにおかばとのゝみこゝろ おそばにおかばとのみこゝろ やはらぎてしも〴〵までの しあはせなりととり〴〵に うはさしてほめざる ものもまれなれば むねしげのちやう あひはいよ〳〵もつて まさるにぞ おりうも今は かちうのぶしの かれはしか〴〵 これはまた 此くゞいの きりやう ありと はやおほ かたはつきへ 西国音訓輯 へつらふやからもすくなからざれば もはやそろ〳〵ほんねを いだして手だて御 はしをたくらむとも さゝはることはよも あるまじ それにつきて さしあたりあの あき風とうつろ井の ふたりのそばめを おひいださせわがみひとりで むねしげを手のなかへいれて まろめなば此いゑくにをかき なきものとし二の町ごぜんも 〽つゞぎさとりしに日ごろそのみにこび みだきんことこゝろのまゝに なりぬべしすべこそあれと 介しあんをさだめてはじめてぎやくいの いろをあらはしかの あき風ら 両人に ひどう の さい ごを とげ さ する その おも むきは 十一編の まきの 今 学朝 牛内丸一包百 鮮 百銅 包 第一ひいを補ひじんせい □ます妙薬なれば はじめに くわしく とくべし めでたし 〳〵 きよじやくの人常に 用ひてよし 下谷きみせんぼり 磯越深崎氏製 爲永春水補綴梅蝶楼國貞画 文 久文 十六編 十七編 根源實紫 十八編 柳亭種彦作 一寿斎国貞画 三 久 亥 年 五編同作 大尾同画 娘庭訓金鶏 十七編山東京山作 おくみ 琴聲美人録 一断断断断断 十八扁桃片種彦作 十八編附川国貞画 十八條川國貞画 総次郎 十九編 十九編一川芳貞画 新 鐫 初編ゟ 五編迄 春色墨田川 当年咄板 初編ゟ柳亭種彦作 歌川國貞画 同 録 十五編 十六編 新増補西國竒談 十五編爲永春水作 歌川国貞画 十七編 芝神明前 同轄佐野屋喜兵衞板 地本繪草紙團扇問屋並 三嶌町 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 御目 馬水春水勢 梅蝶楼 国貞画 さい き た 綿活材 第拾重編伊勢屋敷 西國奇談十一編 ○落翫 為永春水著作 什題曲百五十一丁 西国奇談第 十壱集巻之公 ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ 梅蝶楼国貞画 喜雀堂 輝台 唯土駅 一這草紙の原本は。前後六巻の小冊にて。紙員僅に五十丁あり。 一汗を予が増補なすに及びて。十一編の今にいたれど。尚全集の央に。 至らず。総て僕が新案なるを。早晩 までも補綴と記さで。作と做すとも宜から めへといへる め。といへる仁などなきにあらねど。故五柳亭がへ 號たる。外題を奪へる謗りをいとひて 作の一字をあらはさず。這は言はず 塞がん とも閣ぬべき幕の裡なる までに記す。 混胆なれど。余紙を八 萬延二稔辛酉春日 為永 春水面 花咲節之介 * 同時代 虚井 婢女 下錢 出 一已ニ目二百 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 第十一編本文読始這処は那須家の長局風呂塲の躰より説く おりうのめ つかふへやかた ものにてその 名をお久根様と よばるゝが此日は 湯番地にあたりし とおぼしくゆどのゝ そとより火をたき ながら〽モシだんなさませ たゞ今じきに わきますから ゆるりとおはいり あそばせトいふに おりかはゆどのゝ うちより〽イヤ わたしにはてうどよいが うつろ井さんが今めすから たいてあげやトいひつけられ●印へし ●印ゟおくねは〽ハイトへんじをしながら すこしてうしをはりあげて〽ヲイおなべ どん〳〵わだしはゆばんで手があけられねば おりうさまのおゆかたがそこにあるから はゞかりだが あげて おくれトいふ こゑにうつ ろ竹のめし いつかひの おなべと いふがこゝろえて 〽アイ〳〵 わたしが のみこんだト いふとき こなたの ゆどのには おりうが ゆから あがるにぞ いりちがつてうつろ井が きぬゝぎすてつゝ ゆにはいればおなべは ゆにはいればおなべは ありあふゆかたをば つきへ 百目午炎十一 うつろ井 つき おりうに きせなど するおり からおりうはめばやく うつろ井が今ぬぎすてしきものゝ うちよりまもりぶくろのはしの 見ゆるに かねてたくめること あればさあらぬてい にておなべにむかび を した ゆへか きづか のどが かわいて きた そなたを つかふは きの どく ながら川 へ屋同 まで いつて ゆをひとつ じやわんに ちやわんに ついできて おなべはかしこまり たもしいはれて そのまゝたつて ゆくあとにて おりうはひとり しすましたりと あたりをしづかに 見まはしわゝかの ろ井が まもりぶくろの ひもをとく〳〵 おしひらき右へ 一百目二百目二分 見れば なかにはほその ををつくみしかみの うはがきに備中せが のくにいたくら町 あだぼれ屋むだ蔵 むすめおさな名 色子端としるし あるにぞこれはと ばかりうちおどろく おりうはこゝろにおもふ やう〽かねてうつろ井 あき風はふたりながら びつちうのうまれなり とはきゝつるがあだぼれや むだ蔵とは手だてに かけてころさせしかの うは吉が父の 名なりさてはこれ なるうつろ井は うは吉のいもこで ありしかそれとは ををつゝみしかみの ゆめにも しらねども いけおく いけおく ときは をにかくに わがみの のぞみの のぞみの さまたげゆへ おしかた づけんと おもひ なほの うち すて おき のゝ ひよつと しられ なば いち 水 とも なる べきに こかや よいものが めにかゝり つきへ めにけり 西国音語十一ト つゝきかれがすぜうをしるからは いよ〳〵もつてゆうよはならぬ すべよくいのちをおとさせるうまい 手くだがありそうなトしあんの うちにもうつろ井に見とがめられ てはいちだいじと手ばやくくだんの ほそのををまもりぶくろのうちに おさめもとのごとくにさしおきづゝ そしらぬていにてゐるところへいぜんの おなべがゆをもちきたれば〽こりや はゞかりトのみおはりやがていふくを身に まとひふろのなかなるうつろ井に 〽ゆるりとおめしあそばせトこゑを つみにとつておとさんとかねてたくめるおりから なるにまもりぶくろのめにつきしかば 手だてのたねになりぬべきこともや あるとひらき見しに あにはからんやうつろ井は かのうは吉がいもと にてそのみのあだに なるものとしりては しばしもすておき がたさに又つく〴〵と しあんをなせば かのあき風が かけつゝそのまゝにおのがへ屋へとたつてゆく さるほどにおりうは又あき風とうつろ井を かほかたちも 竜 たよしたよくめ かのあき風が やうすをば ひそかに うがゞひ おくね おりうの まへに すみ いでつゝ 出身のうへを どうかずべ 〽かねで あなたの おさしづゆへ あき風さまの よくきゝ いださんと おもふおり からさい さゝやくやか わひに わか身の ゆへにし 世をさりし のり次郎の おもざしに どこやら にたる ところ ありかれ にもひとりの いもとありと きゝつる やうにも おぼへしが もしあき風がのり次郎の いよくいもとであらんには これとてもまた身の あだなりもつとものり次郎の おやといふはおとにきこへし おへといふはおとにきこへし かねもちなればむすめを ひとのそばめなんどにだす べきものともおもはれねど これにはゆへあることならんか とにもかくにもあき風の 身もとをさぐり見し うへにてぶたりいつ しよにおしかた づける くふうも がなとおもふにが がなとおもふにぞ わがめしすかひの わがめしつかひの おくねと いふはかねて こゝろを しる もの ゆへ かれる かれに みつじを 右へ 四司三丁大火一一 あのおへ屋に めしつかはるゝ お辺香バと よばるゝへ屋がたものは よはるゝへ屋がたものは わたくしとはあいくち にて日ごろしたしく なすのみならず うまれついての よくふかゆへそれ とはなしにもの などおくりて かれがこゝろを よろこばしめ それより だん〳〵あき 風さまの おやどの そのことも 正臣言語十一 つゝき かの おべかゞまうすには もとだんなさまの くにきびつにちかき 三げん屋村のおほじよう屋にて 不破戸□のせ平とよばるゝ おびとずいぶんきんじよで おやどゝいふはびつちうの もち かは さを さるゝ ほどで あり がたかくは いはれぬ ことながら それほど かねを こ らへたもしはいしたの しぼりて じぼりて 百せうのあぶらを むさま〴〵に ひどうで ためたかね なればどう しても身に つかずそうりやう むすこの だしおほくのかねをつかひしうへに よからぬ女にだまされてぢとうへ とりたるあくじがいちどに あらはれて田はたはもと のり次郎といふがどうらくをはじめ おさめるねんぐきん 二百両をとられし のみかいのちをさへも うしなひしがいゑの めつしるときにや ありけんこれまで としごろ百せうより ひどうのかねをかすめ よりいゑくらまで此とき のこらずめしあげられ かしこのすまひもなり がたさにすこしのしるべを こゝろあてにいもとむすめの あき風さまをつれてみやこに のぼりしところにたこともある ものにていたくら町のこめ あきびとあだぼれ民むだ蔵と いふひとこれもむすこがどうらく からおなじ女にだまされてかの いり次郎とはたしあひてともに いのちをおとせしが此むだ蔵と いふおとこもこゝろだてのよからぬ ものにてわがうるこめに 一の巻ゟ まぜもの などして まぜもの也 ひとの まなこを くらまし その むくひ にや 子を 子を さきだて あまつさへ むだづかひに あまたの かねを つかひ すてられ これより しんだい びろくして こゝの すまひも なり がたさに これも ひとりの 〇 ◑むすめをつれてほどなく みやこにのぼりつゝはからず のせ平にめぐりあひしに わが子とわが子のうらみは あれど今はたがひにおちぶれて しらぬみやこのそらにありては ふるさとのひとなつかし さにうらみもいつか たへはててとのに ちからとたのみつゝ 身のありつきを さだめんとさま〴〵 だんかふなすと いへどもすみも なれたる ふるさとを たちのく ほどのこと なれば のせ平も むだ六も 身に こまり たく はて なり そのころな須弥の やかたにてみめよき たづぬるおもむきをのせ平が一つきへ そばめをめしかゝへんとて はへたる かねの あらねば もとでと すべき ものも なく 四 みやこまでけらいをつかはしもつぱら 百月一疋二 西匡竒訓十一 つれきゝいだしてむだ蔵にさゝやくやうとてもかくても 出たがひにおや子四人がはなをそろへなすことも なくくらしてはくふばかりにもおひたをされて うだつのあがるせばあるまいところでこんどかやう〳〵 しか〴〵のはなしありみめよき女をきう しうまでもばなしてつかはすならしたく きん五十両わたすべしとのうはさゆへさつそく われらがむすめのことをまうしいだしてたのみしに まづそのむすめを見しうへにてとのゝぎよいに かなふべきものでさへあるならばたとへひとりが ふたりにてもめしかゝへんといはれしゆへ いらぬせわとはおもひ ながらそのもとの むすめごのことをも うはさをして おきたれば けにはその おやくにんが くるはづなり おんみもわれらと どうようのころで どうようのころで あらばむすめごをまづその いとに見せなくしまいは ひとに見せ給へしあんは いかにとひそやかにいはれて よろこぶむだ蔵がそれは まことにみよりなり われらもじつはくるしさに いつそのことむすめをば きみけいせい にとおもひしが それにはまして 大みやうのてかけに なればかれも しあはせなにぶん よろしくたのむと いふにぞこれより いふにぞこれより ふたりはふたりのむすめに いひきかせつゝとくしんさせかの おとづれをまつほどに此日なすの けらいなるなにがしとかいふさむらひ きたりふたりのむすめにたいめん せしにいづれをいつれとわさ がたきまできゝしにまざりし ようしよくゆへかくてはしゆくんの みこゝろにかなはざることあるまじ ければ両人ともにめしかゝへくにへ ともなひかへらんといふだんかふ たちまちとくのひしかばやくそく やうほりぬやまづくのせ平むだきに どほり五十両づゝのせ平むだ蔵に 這図は秋風虚井 が那須家に召抱 らるゝ状を模す 百目三巻一一 わたし 郷うけ でうの かきつけさへ さだめの ごとくうけ とりて いく ほども なく ふたりを めし つれ 此きう しうに きたり に ・ ●あき風も うつろ井も はたしてしゆ くんの ぎよいに かなひ ともに そばめと なりしこと まで ひとには つゝむひめ ごとなれど つきへし 四巨吉言十一 つきとしごろつかふてきごゝろも しつてゐるそなたゆへない〳〵 はなすとあき風さまより おべかにおはなしありしとて ものをもらふたうれしさ しじうのものがたりざりながら 此ことはかならずせけんへさたする なとかたくくちどめいたしましたト きゝつるまゝにことくはしき 〽をゝでかしやつたそれであんしん なほ此うへにもいひつくる しさいもいろ〳〵ゆることも ほうびはおつてとらすで あらうわらはがきいたと いふこともかならずひとに つぎへたゝせさていかにせんと しあんをなせど今さし あたりてふたりをばおし かたづけんくふうもつかねば おももがなとうかゞひける ごろこのみて画ゑをまなびしに そのかきぶりのつたしからねば にやあのおべかゞわたくしへいちぶ おくねがはなしにうなづくおりう しざいもいろ〳〵あることゆへ きたするなトいひつゝおくねを さればまたむねしげはとし ひともちんちやうするほどにちかごろにては 名をおしみてやみだりにふでをとらざりしが いと や なき ふぜい うちやま しじうの やうすを かたへより 見てゐるおもうは はらのうちにて もだてのたねを そばめをほとりにおきながら蘭心のゑ いちまいかゝれしにつねには ましてよくできたるを あき風とうつろ井が つく〴〵とながめゐて つく〴〵とながめゐて いづれもほしげに 見ゆるにぞおりうは そばからざしよりて 〽見ごとにできた そのおゑをおねがひ まうすはおそれいれど あれなるふたりがなにと やらいたゞきたげにまうし ますればかれらに たまはるものならば ありがたがるでござり ませうトいふにむね しげうちゑみて 〽ほしいとならばつかは そうがのぞむはふたりゑは いちまいもひとつかくも わづらはしいもつとも此ゑは とらすべしうづろ井にはそのうちにわれまた 茶掛袋などにいたさばどうか 此日はなにとかおもひけんひさしぶりにて すゞりをいださせおりうをはじめ三人の よきそうなとわがふでながらおもはるゝに あき風は茶此をこのめばこはあき風に 営 百目十七日 ゑがきて とらぜん とてそのゑは そのまゝあき風へ とのおふせによろごぶ あき風がいくたびとなく おしいたゞけばうつろ井は◑ えたりしとひとり ひそかによろこびける かくともしらねば あき風はほしこと おもひしきみの おふでを のぞみのごとく たまはりしも たまはりしも ひとへにおりうが せりもちと とりもちと おもへばやがて おりうにも ものなど おくりて れいをのべ すぐさま 経師きやう にいひ つけて かの ゑを ひやうぐ させ たるを きみの ごらんに いれんがため つきへ 西国音記十一 つきある日そのみの へ屋において会席類の もうけをなしきみの いふより りやうり むぎは すべて おいりをねがふと みな 御ぜんしよの 女中をたのみて のこるかたなく とゝのふほどに相伴をつ にはおりううつろ井その ほかにもちやをこのむ 女中あるひはおいしやの たぐひをこれかれと まねかんとてかねて つかひをまはし などするその おとさたを きくよりも おりうはれいの おくねをよびて 〽そちはうつろ井の にゆゆ かやう〳〵にいふて 吸物膳 拾人米 こよとてはかり ごとをさししめせば おくねはいさいかし こまりやがてうつろ井の へ屋にゆけばかのへ屋がたの おなべといふがせうををうみ ながら見かへりて〽ヲヤおくね さんおめづらしいなんとおもつて でておいでだおいしいもの でももつてきたらはやく おだし下うちわらへばおくねも どもにうちゑみながら〽わたしの ともにうちゑころから一わたしい ゆへ屋も此ごろではおはむきが 加へ屋も此ごろではおはむきが わるいやらおもらひものゝ おくわしも なくあん まりあん 日ながで さびしい おまへの とこへ 十五日 あそびに きたらおいしい ものでもあらうかと おもつたとはことかはり だいくつそうにせうをを うんでゐるとはあんまり きがきかないなんといつても おやかけだけか あき 風さまは 今おきにいかの けふもけふとて◑ ◑あのおへ屋 ではおかみの おいりがあるとか いつてそれば〳〵も 百目二金一一 りか さま には此あいだ をのさまがしる おゑをあそばし たのをうつろ井 にとふとりもちを さまとあき風 さまがいたゞき たいでやうす ゆへおりう さまのおこゝろ にはうつろ井 さまへとおろ しやりたけれど そうかたおち にもいはれぬゆへ おふたりへくださるやう なされたところ おもびのほかに あき風さまの おいたゞきになつた のはよんどころない わけなれどいたゞい たならあき風さまが つきへ 西国音談十一 だいじにもつて なんともおもはねど おれこそかみの おれこそかみの ぎよいにいりゆへ うつろ井さまに たのをひけらかさんと そのかけものゝできしと いふよりわざ〳〵おかみの おいりをねがひ りやうりそのおしやうばんに まねかれたとて おいでなさればたれも はなをあかせいたゞい うつろ井 うつろ井 さまがうか〳〵と おいでなさりも これ見よがしのくわいせき なつては とり もち らしい まい今と あそばす いら ざる ことを いつたのが うつろ井さまへ きのどくなと おりうさまが なつ しやつ たが あの てうし では わたしの だんなや こちらの おへ屋を だん〳〵に おかみのおしゆびを わる〳〵させあき風 さまがおひとりで此ゆく ぢうをかきまはす右へ 百目十七一 「左ゟしたごゝろかも しれぬぞへそう なつたとて わたし わたし かまつた ことでは あらね ども だんなさま をば たいせつに おもつて おもつて 見る きけば きゝ ばら わたは おまへも しつてる あき風 さまの ほへ底に ゐ おべか どん 手つだひに きてくれぬ とは ふるは なじみ けふも おきやくで とりこむ ゐるしいひかけみふと かとたび〳〵 ゆへせ たのんでくるなれと きがすゝまねばアろ〳〵ト いつすんのがれにゆかずに 一のをして〽ほんに わたしはだいじな のをわすれて ゐたちよつと まいつておやかま せうトいひ なにやらんおもひだしたる ようをたのまれた 新誌 すてて いそがはしげに かへりゆく あとを 正巨言記十一 つゝきしゆじんの ためによからぬ すてもおき うつろ井の はなしとおもへば がたさにそのまゝ いへる ことゞも まへにいで 今おくねが かやう〳〵 つぐる まで にぞ これより さきわりつろ 井もしようじのひまよりたちぎらしてむねやすからず おもひしところへ今又おなべがつぐるをきゝ 日ごろはさしもきやうだいよりむつまし〳〵せし あき風なれど此ほどのゑのことより◑ おりからなれば ついにおりうの 手だてにありて いかにもにくき あき風がこれ見よ がしのしうちと おもへばけふあき風より まゆかれしかども かぜのこゝちといひこして ◑ねたしとおもひし らへ 国貞画 春水補綴 せかたく いなみてゆかざりしよりやがて そのみにうたがひをうくるはしとならんとは のちにぞおもひしられける ○下の巻へつゞく 西国 奇談 春木補綴 国貞画 十五編までの赴は前巻の末にあらはしたれバ爰にいはず扨「大胆はいそ平 義によりてその主を害す和次郎火の仇とし出て互ひに義気ある物かたり 荒太夫非を悔て爰に往事を語るにいたり図山の娼妓韓衣が事賀人 これを根引して砲剛と喚更側妾とせしに荒太夫が露通せんとてさま〴〵 悪計をめぐらす話終に善悪判然として矢嶋の一段小結局にいたる 十七編は阿綾阿竜の許にいたりて母子再会の事より究り又宗重を 四欺らんとかの得し処の妖狐の術にて館に種々の奇をあらはし。忠臣を受け佞臣を 忝け家政を阿竜が随意なすなど這は「十八編」にも渡りぬべし 根源實紫新刻概略作者柳亭種彦涯工同前 「十五編」筑紫なる穴人の買し宝館香炉倫て宣孝に托す野洲呪詛録されて崇 ○平寛を受「太編式神毒祖秩手子等が隠謀を露はし御孝自我一或 が汚名全雪まり黒白判然兇悪皆戮せらるつぎて少将が貞節惟規北国 にて死して又積る十七編大貮三位生れ宣孝病死花山法皇の門伝大かた 此編にて全備り式部源氏物語を作り上東門院に奉公平人綱以下追て記すべし 一〇〇 一台 一寿斎国貞画 □□ 西国 奇談 拾一編之下 春水補綴 国貞画 一三万 妻明 「下の巻ようもじめ「さるほどに あき風はりやうりそのほか とりもうけのおたのごとくに とりもうけのかたのごとくに とくのひしかばはききよめたる 小ざしきにこたびあみたに ひやうぐなしたるかの むねしげがゑがきし ところのいちぢくを手づから 手づから かけて加がに } すみをつぎ かまをかけ そのほか ひとまの かざりつけのこる かたなくめを くばりてすでに ◑おいりの じこくに いた 四十 むかひの あき風が まいりしよしを あぐれば きげん うる すへ むねしげ 百月十七日 五巨前記十一 つゝきさらばすぐさま まいらんとておりうを はじめふたりばかりの こしもとをあとに ひきつれ又かの ゆぶ井さぢあんは おくのにわよりとび石 づたひにおの〳〵わらひ ざゝめきつゝかのあき風が へ屋もはやすでに まぢかくなりしころ しるべにたちし あき風がむねしげに ゑしやくをしつゝ その身はすこしさき だちてまづ 小ざしきのうちに いたりなほも あたりをきよめん ためはぼうきを □□□□□□□□ 一 つね〴〵ちやをよくするもの なりとてあき風があないを したればかれさへともにくはゝりて 廿一日 もて夕かのふちより かまのふたなどうちはらふ とてこゝろともなく見かへれば むざんなるかなとこのまに 陰 此日をはれとかけおきし かのむねしげがふでをふるひて見 ゑがきしらんのいち ぢくに◑ おどろき あはて めき かの かけものを ◑なにものゝ しわざにやいと しわざにやいふ きたなげなる あき風はあなやとばかり うをのわたをしたゝかに ぬりつけたる此ありさまに とりはづ さんと する ところへ こしもとひとりをさきに たててはやしづくと むねしげがいりくるていにつきへし 百目十一日 内巨前記十一 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ つきなほうろたへて たゞうろ〳〵とするばかり いでむかぶべきこゝろも つかぬがてんゆかざる かれがそぶりにこゝろえ がたしとむねしげは おもひながらも おもひながらも さあらぬてい にてひとまの うちにざをしめつゝ まづわがゑがきし かけものゝいかゞ でほしと うち見やれば とはあさましやなにやらん ゑしれぬものゝしたゝかに ぬりつけあるにぎやうさめて たちまちけしきをそこねつゝ ものをもいはず そのまゝに ざを たちさらんと するあり さまに ◑あき風いよくうろたへ まはりて〽まづしばらくト むねしげをひきとゞめつゝ おりうにむかひ 一□それ たる な がら此 かけものは わがきみの おふでと おもへばたいせつ ゆへかりにもひとの手に かけずさいぜんわらはが右へし 百三十七日 左ゟおむかひにまいらんと するそのまへに手づから こゝへかけおきたるにおもひ がけなき 此あり さま まう すも わたくしの ゆきとゞかぬ よりこと おこり かゝる しまつに なれど ○きみの おふでをは そりやくに ぞんぜぬ やはらぐやうご わた くみ わけて きみの みこゝろ なにぶん あなたの おとりなしひとへに おねがひまうし ますトなみだに こゑをふるはして たのむをおりうば うちきゝてさも こそあらめと はらのうちには おもひながらも いろにも見せず おそれいつたる ふぜいにて しゆくんの まへにつきへし つゝき すゝみ より 〽まうし あぐるも 西匡言記十 □□□□□□□ はゞかりながら此ほどおふでを いたゞきしよりあき風がよろこびは なにゝたとへんやうもなく さつそくにひやうぐいたさせ けふのおいりきねがひしは おふでをそりやくに いたさぬといふかれが こゝろではべりしに 今おでむかひにまはり たるるすのあいだにいちどへ けがれしものゝかゝりしはもし猫成などが うをのわたをくわへきたりてとびかゝり さなくば日ごろあき風がきみのおゝほへ めでたきをひそかにそねむやからのありて なしたるものがとほもかくにもたいせつなるきみの おふでをけがさせしはかれがそこつににたれども まことによぎなき此ばのさいなん今このまゝに みけしきそこねておんたちかへりあそばしては いきてふたゝびあき風がねんめどほりのなるべきか くわんじんたいとのわがきみさまかれがもとめて かれにふかくをとらせんためかゝるわざをば せぬことをごすいりやうあそばさば おじひのごさたをいくゑにもト ことばたくみにいひこしらゆるとり なしぶりにむねしげはひとたびは はらもたてどもなそれいつたる あき風がごゝろのうちもふごんなるに 今またおりうかとりなしをきかで たるいちゞくをかくけがせしはそこつの いたり此まゝすておくことならねど ひとをそこねぬりうがとりなし かれにいんじてさたにおよばじ 此のちとてもこゝろを もちひそこつの ふるまひ いたすべからす けふはかれ かへるもさすがゆへうちうなづきつゝおもてを やはらげ〽もとめてせざることにもせよわがゑがき これとり もうけの よういも ありとか きゝつればあの かけものをとり のぞけもうけのごとく とりはからへトいふに あき風いろをなほして よみがへりたるこゝちしつ方へ 百目十二日 〽左ゟやがてかけものをとりはづし あとにはかはりのかけものを かけずたゞきばかりをさしかへて なほそのあたりをきより などせしさすがはこゝろを もちひたるあき風があるじ ぶりにむねしげもやくきげん なほりてそのみはすなはち しようきやくとなり つぎにはおりうこしもと ども楽座ばつはやふ井 さがあんにてくわいせきの とりまかなひなにひとつ として手ぬけあらねば いねしがぬけあらびは むねしげいよ〳〵きやうに いりて此日はひめもす あき風がへ底にてあそび くらしつゝ日くれておくでんに かへり給へばおりうもやがて いとまをたまはりそのみの へ屋におもむけばかのめしつかひの おくねがでむかひいふくを ぬぎかへなどきせつゝやがて ほともへさしよつて〽あなたの おふせつけられゆへうつろ井 さまのおへ屋にまいりおなべが はらをたつやうにかやう〳〵に まうせしにそのときたしか うつろ井さまがしようじの かげからたちぎゝをあそばし てのごやうすゆへいよ〳〵はなしを たいそうらしくいひちらかして たちかへりそのあらせ たちかへりそのあして あき風さまのおへ屋へ ところおべかゞなにか いそがしそうに たちはたらいて やるふりを まいつて見ました おりますゆへ 手づだつて してあき 風さまが ないて なされた るすを うつぐひ おちや しのび おむかひに さしぎへ ゆき さかなの わたを おかけ ものへ次へ つきしたゝか ぬつておき ましたが しゆびは いかでござり ましたトいふに おりうはうち ゑみて〽をゝ でかしやつた たいぎ〳〵 けふはそなたの はたらきで しゆびは まことに じよう〳〵 きち あの かけ ものが けが れた ゆへに ゆへに あき風 なつたを わたしが めがあをく いろ〳〵とり なしてそのばを 西区音部丁一 たりしやうすをものがたり 〽それほどまでにあき風に おんを見せておいたればこよひは おいをいはんとてこえくるはしれて ゐるそれについて又ひとつこつちに 手だてがあるなればそなたが こゝにありてはわるしあのあき風の へ屋はなほあとかたづけにて こんさづならんあらひものゝ手つだひ でもいたしませうと いひこしらへしばらく あちらへいつてゐやと いひつけられて おくねはこゝろえ あたりかたづけ おりうが しなよく いびなして そのばのゆへなく すむのみかむね しげにもきげんよく その日のもてなし いでてゆくあき 風はおもひがけ なきことより してきみの みけしき そこねし を うまく うまく おさめし のみがまだ そのうへに うつろ井が 手だてに のつて はらを たて けびやうを つかつて けふのせきへ でをらなんだ ばつかりで それと ぢはねど うつろ井に うたがひの かゝるやう にほはせ おきたる そのゆへは かやう〳〵ト けぶあき 風のちや ぎしき ことばのうちに にて右へ おはりしこと みなこれ おりうの おもへば こゝろに たすけと ふかく よろこびつゝ こよひの うちにさし おかずれいに ゆかんとおもふ ところへつきへ 西国奇説十一 つきかのおくねがいり おつしやるには おへ屋には ごようの ごようの のこりが こよひはさだめて きたり〽おりうさまの あるで あらう お手 つだひ をして こいと おふせ つけられ まし たれば 弐枚 おつかび なされて くださり ませト いふにあき風 〽さいぜんも いろ〳〵と 手つだふて くれたやうす いよ〳〵よろこひ おかけで 三の巻ゟ 身にすみ ぞめのけさを かけ手にさゝ おしもみまなこを とぢてよねん なくくちにほとけの みなををなふるその さまいともしゆしやう にてこゝろにおにの ありとしも あき風いかでか やうなるじゆずを □□□□□□□□ きとるべき はれが やうすをひそ かにかんじて いまだゑこうの はてざるをおどろ かさんもさすがと おもへばしばし うしろにたゝ づみてことの おはるをまつ ほどにさるにても いかなるひとの ぼだいをとはんと かくまでにこゝろを◑ 十二丁二丁二丁二丁二丁二丁二丁二丁二丁二丁二丁二丁二丁二丁 コードを二 十五 しゆび よくすみ ました あとを しまふはあす でもよいさゝの のこりがあらうへ からべかを あいてにたべて たもそうして だんなはおへ屋 かや門はイおりう さまはたゞ おびとり 〽それはてうど よいおりから ゆるりとはな しやトいひすてゝ あき風はふだんの まへにおりうはざをしめて おりうのへ屋に いたりしづかに ふすまをおしあけて うちのやうすをさし のぞけば位牌を かざりかうをたきたる なりにてひぞかに 四のまきへし ◑こらし ねんずる やらんと かたへに ありあふ あんどんの あかりに すかして つく〴〵と いはいのもんじを いはいのもんじを うち見やれば 俗名ぞゝふはと のり次郎とかぎしもし たるかたわきにねんごう といひ月日までそのみの あにのめいにちにいさゝか あにのめいにちにいさゝかへ たがふことあらねば これはいかにと おどろきしが はらのうちに おもふやう わがあやを あざむきて ひごうの □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 同断 西国司議十一 つきその女の名も おりうとやらいかにも にくきくせものと日ごろ うらみてゐたりしところ おなじおりうといふ名ゆへ もしやそれかとめき つけしにかれはこゝろの やさしきものにてなか〳〵に さるわるだくみをなすべき あらじとけふまでも おもひすてづゝ ゐたりしに あにゝひとしき 此ちはいに ゑこうをなすは こゝろえぬじ なほもしあんの そのおりしも おりうはうしろに あき風がきたりし ことはさいぜんより しれどもしらぬ すきころ此おりうが とう松屋かたにまいりしとき ものともおもはれねばそれには BBE ていにもてなし ゑこうにときを 一、、、、、、、、、、、、、、、、〇〇 六十二才 たがひ すんで のことゆへなく わたし まで をもに こゝろは おちついたがおちつき かねるはけふのしまつ どうかんがしまつ どうかんがへてもがてんが ゆかぬさいぜんはごぜんと いひことにはひとのきくまへ ゆへねこなどがさかなの うつせしがはや よきじぶんとおもふ にぞおぼへずうしろを 一んかへりてうちおどろき たるおもしちしく 〽ヲヤあき風さまいつの まにトいひつゝかざりし いはいをば出しかく さんとてうろたへ まはるをあき風は 見て出しとゞめ 〽これはしたり おりうさま わたしにゑんりよが いるものでまづ そのまゝにト いひながら すゝみよりい かたちを あらためけふのことゞも いひいだしてゆへなくことの おさまりし身のよろこびを ほうしのぶるをおりうは うちけして〽あらたまつた あき風さまなんのおれいに およびませうたすけられるも だすけるもこりやほうばいは右へ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ わたをくわへきたりて とびつきしろと いひまぎら してはおき たれど どこもろし こもしまり よくたて こめてある 小ざしきへ ねこの はいらん よいのを ねたむ らの ◑ほからことを ありて◑ たくみたるそのくせものも おほかたはそれとさつしてをりますが おまへはなんとおぼしめすトいふにあき目 うちあんじ〽此身にとつてよそほかからつき ラー一之二 西国前説十一 つゝぎ ねたみを おぼへは あらねどし 此ほどきみの 〽おふでをばいたゞいた そのときよりうつろ井 さんがなにとやらはら でもたつてゐなさんすか わたしにろく〳〵くちも きかずおつなそぶりで ござんしたがト いふをおりうはよきしほ あびとそばへざしより 十七 四人 おまへに おまへに もしやどの やうななんぎの かゝることもやと おもへばむねのやす からねどさればとてその ことをおまへにあけても いひがたく此うへは わがきみの ごきげんの よきときを よきときを うつゞひ 中ゟおゑをねがふてうつろ井 さんにたまはらびこんもたち まちぎへもやせんとおもふおり からけふのしまつ うつろ井さんの しわざといふたしめに しようこは見とめ ねときのふまでも けさまでもぶじに してゐたあの ひとがにわかに ひとかにわかに やまひと やまひと いひたてて かほだしせぬ のがふしんの ひとつとはいふ ものゝたれ とても こゝろの せまいは 今いち まの下へ ゐましたが おまへもそれと きがついたを いはずにゐるも ふじつのいたり じつはいつぞや ことゆへさしひかべては 小ごゑにて〽此ことをいひ だしてはびとにきずのつく うつろ井さんが いたゞき たくおもふ とのさまがら 〽まへいやらうと あつたのをねた がしくも又くち をしさにおりも をしさにおりも □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ さんものとしのびやりにこゝろを もやしてゐるやうすをほのかにきいゝ わたしのおどろきもとあのおゑの できたときいらざるわたしがとりもち ぶりにくちをだしたばつかりで中へ 二日丑二 すまい ゆへ なく すむうへはたゞ なにごともさたなしに 此すゑながらよう じんをしてつき あつてさへゐればおまへに けがはござんすまいトあじにからみて うつろ井がなしつるやうにいびかす むればあき日はうなづきて 〽今にはじめぬおりうさんの わたしのうへをも人の身をも おもひやつてのそのおことはなが べきたけはかんにんのむねを さずつてこらへませうが それはさしかきおりうさん おまへにきゝたいことがある 五十七丁 西巨前説十一 こはおりりがあき風を吹ざむくの おもむきなれば国づをあらはすべき ことならねどおなじゑぐみのかさなれば いつはりながらゑようをあらはす見る ひとこゝにてのせ平がまことにころ されたりとなおもひそ アノ も つゝき それなる しないに あが しば 六どのとが いふひとの おむすめご かじいふをおりうは きくよりもびつ くりしたるていに もてなしことばも なくてかたへなる ねばこのうち おさめ おきたる よかいのくわい 一けんぬき すでに じかいと 見ゆるにぞ あはてふた めきあき 且がその 手にしかと すがり つきこりや なにゆへの しようがいぞ はやまつたこと ぞくみやう にはとのり次郎 とはどう おかたで ござんすへト とひかけ られて こなたには おもふ ゑつぼ おもへ ども さすがはくせものいろ にも見せずうちおどろきたる ていをして〽イヱ十二これはわたしの ためにふたりともないだいじの あにさん〽してあにさんの うまれこきやうは〽さアその うまれは京仕やでなくなには でもなくやまとでなく〽これはしたり おりうさまそれではどこやらわかり 一ませぬがもし此人はびつちうの三げん屋村の おほしようやふはとのせ平といふ人の むすこのことではござんせぬが〽それをどうして こなさんか〽しらいでなんといたしませう わたしはこれなるのり次郎がたねはらかはらぬ じつのいもとそれにおまへがおもてむきあやと いひなしひそやりにかうしてゑこうをしなさんすは右へ あそばすなら いひちよいばを もぎはなせば 〽さてはしぬ にもしな れぬか此 うへはあき 風さま いひわけ しがら ひと とほり わたしの こゝめを きいて たべさぞや おまへのこゝろ ではいたづら ものともあくぢよ ともこれまでおもふて ござんせうがさら〳〵 そういふわけでは ないとゝさまのよく しんからわたしに とくしんさせもせず あだぼれ屋のうは吉 さんをやがてだんなに もたせられつきへ 西国部郡十一 こゝきこゝろにそまぬひとゆへにうちとけ かねてゐるうちにのり次郎さまにおもひそめ られついにふうふの女くそくせしをうは苔 つらがきゝいだし女がほしくばくれて やらうなみのかはりにはこれまでに こつちもかねをつかつてゐれば 手ぎれとして二百両かねを わたせといふによりのり次郎 一さまもいきはりつくで すぐさまおかねを おだしなされこれで きれいに手をきつて しまふがよいと おつしやるゆへ おつしやるに かゝさんが その おかねを もつて あたぼれや のうちへゆき だん〳〵 はなしをした ところやくそくの かまひばない とのへんとう ゆへ二百両の かねをわた その夜 その夜 かねさへわたせば 十九 左ゟゆへもなくやいばをひそかにひき ぬきてつれなるおとこにきりつくれば あつとひとこゑさけびしがたちまち こゑをぶりたでてむだぎおのれはなに ゆへにこゑをもかけず此のせ平をだまし うちとはひきやうものといふをこなたはきゝ あへずいつぞやわが子のうは吉がおのれの せがれのり次郎ゆへ さいごをとげし うらみもあるに 今又なんぢが よりおもはずもれきくわたしがびつ くりおづとゝおもふそのおかたのげんざい おやごを手にかげられそのまゝにして おくべきかトこゝろばかりははなれども ふところにかねある ことをしるゆへに ころしてこつちへまき あげるこまごと いはずとくたばれト はたとけたをしとゞめの かたなさいふのかねを うばひとりいづくともなく にげゆくをつぢどうのやぶれ かひなき わたしはのか 次郎さんの むかひのかごに うちのりて三げん屋 村へゆくおりからどう よくものゝうは吉がかね をばとつておきなから わたしをとちうでうばひ とらんときくあんといふ ひしやをがたらひみちのほとりにまち ぶせしてやいばをぬきつれきつて かゝるをこゝめえたりとのり次郎さんも ともにしらはをぬきあはせふたりのもの をばきりふせられしがそのみもつひにふかでを うけてそのばでいのちをすて給ひしかばわたしが かなしさくちをしさせめてはかみをそりすててあま ほうしともならんとせしをふたおやたちにとゞめられ ぜひなくおもひとゞまりしにそのゝちほどなくとゝさんが 九州澄すじへこころざしゆくべきかたのあれはとてやがで おものせきよりだいりのうらへわたらんとするときにはかに風ふきおてり のりたるふねのくつがへりてふたおやともにゆくゑもしれず 此身もいのちあやうかりしをふしきにもたすかりしがおやにはなれし 身ことつこたよらんかたもあらざれど此ひごのくにはからさんのうまも ときやりときくしゆんそれをちからにたゞひとりこのちをさしてくる 出りからくやしいことがござんしたそのわけはほかでもないある目みちにゆき くれてやどをとるべきかたもなくぜひなく野なかのつぢどうへはいつて ひと夜をあかせしにとほりかゝりしふたりのたびゝとあとなるひとりが「右へ おのゑをしまひおやて三人したびだちはゝ日をへて長門峠の きたりしにおもひ ◑おなごのこゝろ おくれてつひに かたきをとかにがし かたきをとかにか たればせめてなき がらなりともと かたへをほりて そこにほうむり それより此ちに がけなきことよりして とうげのきみに おもはれてのがるゝ みちなくそばめと なれどしばしも わすれぬのり 次郎さまその めいやちには せめてもの つきへ 西陸歌越上 干 つきゑこうをなさんと此やうにいはいはいはいに むかふてゐたりしをはからずおまへに 見とがめられしもこれもやつぽりつきせぬ ゑにしあのうは吉があくしんにてのり 次郎さんをころせしにもせよもとは いへばわたしゆへそのいもとごといはれ てはいきておもてのあはせがたさに しなふとせしをもとゞめられぜひ たよりをなさんもむづかし かるべし此のちふたりがきやう だいともおもふてなかよく くらせとてのち〳〵までも わすれぬためにそれらの よしをかきつけにして とくさんのかいたるはあの うつろ井のかねにわたし 又むだ花のかいたるをわたしが ◑〽しらぬことゝてうつろ井さんがあの うは吉のいもとでありしかそうして 見るとかけものゝことはなくともかたきの かたはれわたしもおつとのあだなれば 見のがしおくべきものならねど せいてはことのじそんじあればことくこと しあんをせしうへ雲 しあんをせしうへにてたがひにちからを あはせあひしゆびよくうらみを たるながものがたりこれで わたしのまころを わたしのまこゝろをさつして はらしませうトいふにあき風よろ うらみをはらしてとまこと そらごとうちまぜてことば たくらするあざむけばこと たくみにあざむけばもと よりしりよなきあき風 ゆへあるひはかなしみあるひは いかり〽さてはそうしたことでありしか 心まへはさだめてしるまいがあの うつろ女の身のうへもじつはかう〳〵 しかぐとかのあだぼれ屋のむすめ にてとうけのそばめとなりたるまで やうすぐはしくものがたり〽そのとき わたしのときんとかのむだ蔵が いへるやうたがひにおやの手を もらふてこれこゝにもふと ころのかみはさみよりかの かきつけをとりいだし 〽これほどまでにねん ごろにかたくことばをかはし ごろにかたくことばをかはし ながらそれにそむいて むだ蔵がかねをとらんと とくさまをたましうちとは どうよくものおやがおやなら むすめまで此身になんぎを かけんことてだいじのおふでを けがすとはおもへば〳〵うら ひきさきすつるをおりうは見て そうだん 見るよりいそがはしく手しよくをとつて さきにたちらうかくちまで わたしのときんとかのむだ蔵がめしいトいひちゝみだんのかきつけは めしいトいひはゝくだんのかきつけを いへるやうたがひにおやの手をひきききすつるをおりそは見て こびてなほものがたりにおよふにぞ その夜もいたくふけしかば又かさねての そうだんとわかれをつげてあき風がたち かへらんとするほどにおくねはさきにかへり きたりうちもやうすをうからひゐしがそれと 見おりける○これよりして あき風がいよ〳〵おりうの 手だてにのりてうつろ井を ふかくうちむるその にてとうけのそばめとなりたるまでの 一おもむきは十二編の まきのはじめに くわしく はなれとほいくにへゆくからは しすましたりとすゝみより◑ ことくへしめてたし〳〵 □□□□□□□ 爲永春水補綴歌川國貞画 文 銭 十六編 十七編 根源實紫 十六編柳亭種彦作 柳亭種彦作 一寿斎国貞画 十八編 五編同作 娘庭訓金鶏 大尾同画 十七編山東京山作 おくみ 十八扁柳亭種彦作 十八編削停種彦作 川国貞画 琴聲美人錄 総次郎 十九編 十九編一川芳貞画 初編ゟ 柳亭種彦作 五編迠 春色墨田川 画板歌川国貞画 当年出板 十五編 十六編 新増補西國竒談 十七編 為永春水作 歌川国貞画 芝神明前 川輔佐野屋喜兵衛板 地本繪草紙團扇問屋共 三嶌町 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 一つ 同 白永春水作国貞馬 2759 さいこくき △ 飯田にて 第拾弐篇 墓鶴宮之助 □□□□ 入為永春水作 卯十月廿九日 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 四国竒談十二編 新増補西国奇談第十 二編上之巻春水補綴 芝喜鶴堂発市 國貞畫芝喜鶴堂發布 十七丁目 干毛国那須の曠野に石あり。物ありて這石に馮れり。人畜鳥獣 觸る者近づくもの。斃れずといふ事を得ず。仍て殺生石と号く。 時に玄翁と喚るゝ禅師は。少して出家なし。聡慧最絶倫なかゆへ。一 普〳〵諸方の善知識に参して。法を幾山の碩公に得たり。一日比禁を 過とき。携えもてる如意をもて。件の石を敲く事三下して曰女 元来石頭性從何か来り。霊従何か起る。ト復敲く事三下すれば。 那石倉卒に震ひ動き。汗を流して碎くるにぞ。毒霊忽解脫 すとなん。然るを三国偏歴の。妖狐の愁霊なりとせしは例の好事の 筆作なる歟。井は左まれ右もあれ。今本伝に著すところの。那須に 由縁の殺生石を。仮用なすべき因によりて。玄翁禅師が肖像を さへ。次の口画に模写ししは。砕跡より在旧たる。作者が浅き工にこ 萬延第二酉新鐫爲永春水誌西 百目十七日 玄翁一 鳴石頭 の毒霊を 解脱す 殺生石 四月二日癸亥 偽龍太郎 二の町御前 四里二吉、司 十一編のつ さるほどに おやうは また たくみし どく あき 風を おもひの □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ だま み あく まで まで うつろ 井越 うちませつゝ 又めし つかひのおくねをしの よびてはかり ことをいひふくめたれ いふとはなく此なが つぼねへばけものゝいづる よしをまことしやかにいひ ふらせしかばさらぬだにもの なぢするはすべて女中のつね なるに此ひやうばんのたかく □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□ ちからをあはせてあげやう此はかりごとはいかにぞやト うつろ井とよひをすごさず わたしのためにはとゝさんのかたきの むすめときくのみかかのかけものゝうら みもあるをかたときはけてはおかれぬ なんでもこゝろをなちつけて かならずひとにしられぬ やうしゆびよくことをして 〽左ゟそのときにばけものなりとおもはれなばおまへの しわざとしるものなくてこちらの身ぶんにさはりはあるまじ これをおまへがしようちならわたしも又かう〳〵してともに いはれてうなづくあき目が 〽さすがはさいちのおはからび かのへ屋へしのびて ほんいをとけませう トはやるをおりうがへ おししづめ〽そう おもはんすはもつ ともながらせい てはことをしぞん高 とらねばほんいは とげてもあとが めんどうそれ にはあゝしてかう してしなをも さゝやきしめす にぞこゝろえ はてゝあき風は なりてはおひけがすぎると たれあつてらうかへいづる ものもあらねばしすまし たりとおりうはよろこび ある日ひとなきをころ にてあき風にさゝやく 女う〽此ほとおまへと はなしたとほりあの うつろ井をなきもの にしてたがひにうち いろ〳〵くふうを せしところちか ごろこれなる ながつぼねへ ばけものが みをはらさんと でるとのひやう ばんなに誠 見てその やうなねも なきことを いひくらせしかまことし いひふらせしかまことし からぬことながらそれを 手だてのたねとて かやう〳〵にいでたちつゝ 又しかぐになし給はゞ うらみをむくふのみ ならず見とがめられし おこゝろ よしのあき 目を おもひの まゝにだまし 手だてをさつ しやるの上つきへし すかしてうまひ やがてそのはを いかてそのそう しりぞきける あとにおりうは してやりがほに ひとりにつこと うちゑみつゝ にわより まはりてこれも 又おのれが へ屋にゆかんと するを「イヤ おりうさんしば らくトよひとめ られてむね ぎつくりなに ものやらんと 見之れば こなたに たてたる ついたての かげより ふづるきち いづるぎち あんがおな じくにほへ おりたちや われらが きいてゐる ともしらず 西医奇議十二 一つゝきいはれておりうはうちおどろきなむさん ぼうとはおもへどもさすがはくせものいろ にも見せず〽きかれしうへは今さらに かくしたとてもせんないことうつろ井さんい あきかぜさんのおやのかたきのむすめ なるにわたしもつながるゑん あればト半ぶんきかずかしらを うちふり〽そのいひぬけを きくにはおよばぬ 此あいだかのかけ ものへうをのし 一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一 わたのかも ありさま □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ その ときに 又手 〽たが手をもつけ かねしにかうした あなを見つけ たも日ごろの のぞみのかなふ じせつこれほど こがるゝわれらが しんていさのみ にくふもおも はれまいあとは ともあれいちど でも 道 ◑こなさんがとのゝごぜんをとりなされたことばの はし〴〵がてんゆかずとこゝめをつければつけるほど なんでもむ手にいちもつあるおんみのそぶりと見て といだこれらのことをありのまゝしゆくんへまうし あげたらばおきにいりのこなさんでもひよつと したらばうつくしいそのくびまでがあぶな からうそこがたとへにいふとほりうをごゝろ ありや水ごゝろかういへばなにとやらちと はづかしいわけなれどわれらばいづぞやおにわいさくらうくわつに つまをうしなひ ねざめさびしき おりなるにおんみの といたこれらのことをありのまゝしゆくんへまうしきりやうのうつくきをへ きりやうのうつくしきをへ ふと見そめてよりわす られずせめてひと夜の なさけでもうけなばしぬとも ほんもうとおもひながらも おにわのさくらうくわつに右 五日十疋 むどうぞ なさけに あづかり たいしゆ くんのそば めとしり ながら かういふ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ことを いひだす からは もとより いのちを すてるも かくごいろ ざかしがおりうはきつと しあんをさだめ次へし よいへんじを してくだ せんトをしに 君はぬ いろごのみに あきれて ことばもいで つきあたり見まはしうちゑみて〽かずならぬわたしをば 〽つき〽あたり見まはしうちゑみてかすしらめわたしない いのちにかけてそれほどまでおもふてくださるおこゝろざし あだにおもふてすみませうかもとよりわたしはとのさまの おねまのはしをもけがす身でほかのそのごにはだ ふれてはきみのおんめをかすめるだんそのつみ のづれがたけれどいのちにかけてといはしやんす そのおことばにいつはりなくばみちならぬ とはおもへども見とがめられたら ころされるかくごでおまへの □□□□□□□□□□□□□ おこゝろにしたがふまい でもなけれども おとこの こゝろと 見 すて ぬそ いふ 出しよう こを見せて くださんせト いはれて こなたはそどく よろこび〽おんみが そういふも 口なんなりとのぞみしだに なすべけれどもわれらは ぼうづのことなればきり たいにもつみはもたず ゆびを □□□□ しん ぜた とて もら ふた おん にて ま ◑あきの そらかはり やすいときく からはついかりそめの たはむれではうくわつに はだはゆるされぬたとひや かやうけん ならかやぬじ いふしん しめを かみきり ゆびきりの いかなることありともすゑのすゑまで □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ しんぜるひと しなあり 二の巻べし の巻よりさだめて つたへもきるこ つらん今をさる たま ) 上四五十ねん近衛 院の名のおん ときにあたり宮女きう たまものまへといひしは 上面ぜいかく九尾次うの きつねにてみかどを なやましたてまつりしに えうくわいなることあら はれてつひになす野に にげさりしをかづさの介ひろ つねの矢さきにあたりて云 百目下長三 あいはてたる そのしがいはたちまちに 化けしてひとつの妻石甚土蔵 となり人はもとよりどり けものにてもくだんの石にちかづく ものはどくきをうけずといふこと あらねばせつせう石をとつきへ 西国善部二 友だけしかけをひろひとかつゝ もちかへせになほその 石にはどくきありて大妙 ねこしやんどにためしみるに そくぎにしせずといふ となければわが口へいたく おとめきていしやのいへに どくやくをもなるべき 石をたくはへおきては ひとぎゝわろきこと ながらもとめてひろい えしものをすてるも おしくおもはれけん 妻ぢかばこのうちに つゝきしなづけつゝおそれざるものなかりしが そのころ女舞紙おせうといふものほうもきを もてかの石をうちくだきしよりようやくに きつねのおんりやうしづまりしにやさせるだよも なくなりしがときにわが父是非有哉は 好事なりのくせのあるものにやくだんの石の おさめふかくわが 屋にひめおきしを そのまゝわれらに めづられたるもつ ともひそうの しななれども いつはりならぬしよう このためこれを ばゟしひめおきてかりにもひとにしられぬやう〽そうや こゝろえてゐるなれどわれらはしようとくちか がつへせめて手つけについちよつとトいだきつく手を ふりはらひ〽アレ まアおまへも まんがちなたれ ぞにひよつと 見られたが おもひもとげぬ そのうちに わるいうき 名を たて られて この さは かに な まぜ おんみにまいらす べければそれにて うたがひはらしてト いふにおりうはうち あんじ〽おなごの身にて 毒石ぜきとやらふさはし からぬことながらひとにふ かくしてたいせつに 十一日 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 一九・一十四 わめおかしやんす そのいしを 形式 わたしに 十六日 二十一日 やらうと 第十一日 あるからは 巡 綴 おまへの 一法 } おこゝろに いつはりかざりは ござんすまい とはいへやかたの うちにてはなにを いふにもひとめが おほくしみ〴〵とした はなしもできぬいよ〳〵しんじつほんまじ ならおまへとしつぽりうちとけてあはるゝ しゆびはコレかうトみゝにくちよせさゝやけばさぢ あんほく〳〵うなづきて〽そんならそのとき かの石をわたせばすぐにおびひもを〽とかいで なんとしませうぞまづそれまではなにごともたがひのこめにおりかははらははらのうちにかね くれども ことばかは してさぢ あんはすご〳〵その ばをしりぞきける こゝのゑときその夜 おりうははらのうちにかねて られ ほいなく せすべ ましては なくあふ 日の しゆび を 苞 ○◑もくろむ けいりやくあればやがて ひとつのさげぢうに あぢよきさかなを つめあはせしに酒 ひととくりをとかそへ たるをかのうつろ昔 へ屋につかはしつきへ 西国竒談十二 つゝきその身もあとよりおもむきて〽此ほどはなにとやらなん ものどほくうちすぎしをこゝろならずおもふおりからこよひ はからずさるかたよりわづかながらも酒さかなのもらひ あはせししなあるゆへおまねきまうすもいかゞとぞんじ これ春もたせてまいりましたごめいわくかはしらね三 どもおはなしをいたしながらわたしもひとつ たべませうじいぶにうつろ井よろこびて〽わたし かちこそうちたへてごぶさたをしてをり までにおもたぜをいたゞいてはかへつて おそれいりますがせつかくのおぼしめし ゆへさつそくひらくてござりませうト かのめしつかひのおなべにいひつけ 酒のかんをばつけさせなとして やきかもりにおよぶほどに ふたりはをもにのむくち なればさしつさゝれつ するうちにも おりうはむねに いちもつあれば ことばをもうけ うつろ井にひた うつろ井にひた すら酒を すゝむるを こなたはそのみを たばからるわる だくみともつゆしらぬに 画原のことに つきあき風を ほうばい なかにその やうな うらみ ねたみが ある ときは こゝろ の □ 身を せめて ぐろ かみが おそろ へびと なり くひ あふ やうな しいことに なるのも おなごの いちねん そのおそろ しいできが ついたがちかごろ いとねたま しくおもふ よりきにかく むねのはれ やらぬをこよひ おりうにとひなぐ さめられうさを わすや こゝちして ひきうけらい のむほどに きやく □□□□□□□□ ときへ ほう まはりて おぼへず くだをまきじたに 又画のことをいひいでて ぐちのかず〳〵ならべたつるを 夜りうはきゝつゝうちゑみて〽なる ほどおまへのおこゝろではそう さんのかたにてもかやう〳〵のことにより いたゞいた画にうをのわたをしたゝかぬり つけられたるをおまへのしわざのやうに おもふてうらみをふくんでゐなさんすと おもはんすももつともしこくあき風 ひとのうはさにきゝたるがそれはたがひに口 百目十疋与 こゝろのひがみ おまへもわたしも あき同さんも おなじおねまの おとぎをする 竜 なにやら此なが つぼねへばけ ものがてるとの ひやうばん たれぞ たしに 見た でも あつての ことか。 のう おなべし いひつゝ かたへを見 かへればつぎの まの 火 ばち すめ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 出なべはしようとくおく ひやうものゆへばけものといふ ことをきくとこらへずひとまへはひ いりて〽ハイたしかにはきゝませんが ゐたる む 西国言訓一二 火がもへあがるのおすぎ戸のにかげから つめたい手がでてとほるものゝかほを そろりとなでるのとそれは〳〵いやな そろりすなでるいとそう はなしわたくしがよわむしゆへ おどしにひとがまうすのかと ぞんじてばかりおりましたが おりそりさままでそのやうに おつしやるからはほんとうに なにかでるのでござりますか一 此そのおはなしをきゝまし てはわたくしはもうぶる〳〵と からだがふるへてをぼり ませぬおりうさまは 日ごろからおとこ まさりのごきしやうと まさりのごきしやうと ひとのうはさにきゝまし たればこよひは どうぞ此おへやに おとまりあそが ますやうに うつろ井さま あなたからおい なされて 「つきなんだがまいばんおらうかにあをい くださりませ そうないときは わたくしは こわくてこよひは ぬられませぬト いふにうつろ井 うちゑみて〽きやう さんらしいそちが いひやうさりながら おりうさんなべが あれほどまうし ますればくるしからず 此へ底にトいふはこつちの おもふつぼしすまし たりとよろこび たりとよろこび たるおりかは いとゞゑまし 〽そりやし ねがふてもかなはぬ しあはせ わたしも きつう たれば へ玉 久 わづらは おことばにあまへまして こよひはおせわに右へ なり ませうト いふを見 きくうつろ きくうつろ 一井より出或は わけてうれし げにはじめに ましてもて なすにぞ 四 おりうは かれにも酒を のませなほ よもやまのもの がたりしてしばらく ときをうつす ほどにうつろ井は さいしよより おぼうが手くだに しひつけられ今は せきにもたへがたき までいたくゑひたる ていなればおりうも もはやこれまでとて をがきをおさふい さかづきをおさむれば おなべはこゝろえ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ あたりをかた づけふたりの ふしどを もうくる ほどに おりうと ともに うつろ井 ねやは ねへに はいると はいると その まゝに はやくも ねぶりに つきたり げる かくて その夜も まよなか ごろおりうはひそかに おきいでてうつろ井が 西国奇談十二 つゝきまくらもとに ようじんにとてさし おくところのたんとうし ひとふりうばひとり ちやうづにやける ていをしてびやうぶの ぞとへたちいづれば さだめしことゆへ いりちがつて あき風が しのびいりくる いでたちは身 にはしら あやの かねて手はづを 小そでを ちやくし みどりの ふり み せしが かみを 人に おもてを 見し られざる ためかほに したゝか □□□□□□□□ すみを たりしうつろ井がたちまちいきは たへにけり此ものおとにめを さませしおなべはねどこを おきいてゝひとまの霊に はゝりいり見ればあや しきあきかぜが そのいでだちに びつくりしてばけ ものなりとや おもひけんおく びやうみれんの しれものゆへ ふためと みともる 見とめる いとまも なくあつと ひとこゑ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ よわくて 身もわなくと うちふるへるを さけびし まゝ きぜつ なしは たをるゝ にぞ あき風は かく までに おもひ のまゝには ぬりて そのさま なるいとすさま じきあり二丁 さまにて やしやのごとく ぜんごも じらずゑひ ふしたるうつろ 井がまくらの もとへそろり〳〵と あゆみよりしばし ねいきをうかゞひ ぬきはなしむなもと しつてんばつとう こゑ つゝこほりのやいばを ぐざとさしつらぬけばきうしよの いたでにうつろ井はもだへくるしむ あき風が 又ひと ゑぐり さす させじと あはれむべし右 見とがめられじと おもふばかりにやがて らうかへはせ らうかへはせ いづればびやうぶの かげにてさいぜんよりしじうのやうすを あばらをへ ふかくさし つらぬかれ これもおなじくいぎたへたり そのときおりうはこゑふりたてて 〽えうくわいをしとめしぞ であん〳〵トよばゝれば此なが づぼねのへ屋〳〵よりみな 此こゑにめをさましておの〳〵 ぼんぼりたづさへつゝ いづればびやうぶの うかどふおりうやり すごしくうしろより ひきぬくやつばにあき 風がかたさきふかく きりつくれば〽かや きりつくれば〽こりや 見かへるところを 又びと太刀 も あはてふためき はせあつまり おりうに やうすを きくもあり あるひは おなべかきせつ ぜしをかぼに 水などふきかけて しおほ せたれど さすが おなご おりうさんなにゆへに下 百目仁金二 西国吾議十二、 つゝきよびいかしなどするほどにおなべもようやくいき ふきかへしぎかるゝまゝにしなぐとありしやうすを ものがたるにもおなべははじめうつろ井がくるし こゑをきしつけておどろきさめつゝひとまに いたればいとおそろしきばけものゝかほを 見るよりきぜつしてそれよりのちはしらずと いふにぞさだかにはわかりがたく又おりうにたづ ぬればこよひうつろ井にひきとめられ此へ屋にとまりしに あやしきくせものしのびいりうつろ井をさしころぜし そのものおとにめをさませしにかの くせものはわがみにもきつてからん いきをひなるゆへかたへにありあふ たんとうをぬきあはせつゝぎりむす びてからくもあい手をきりたをし ほうばいのかたきをばはからす こゝにうちとめしとことばたくみにいふ ところいつわりならずきこゆるにぞ さるにても此ばけものはいかなるもの ぞとたちより見るにかほをはすみにて そめたるのみほかにあやしきところも 見へねばやがて水などとりよせて おもてのすみをあらひおとすにまさし〳〵 あきかぜなりければこれはいかにとひと〴〵が 国貞画 春水補綴 つますようもやき 西国 十五編までの赴は前春の米にあらばしたれば爰にいはず扨〽十六編はいそ平 夏によりてその土を害す和次郎氏の訛とし出て互ひに義気ある物たり 奇談 荒古大井を悩て爰に往事を治るにいたり図山の娼妓雑衣が良賀と これを根引して俗則と喚輿側岳とワしに荒太夫が露通せんとてさま〴〵 春木補綴 国貞画 惣計をめぐらす能終に善悪判然として矢嶋の段小結局にいたる 十七編ば阿綾阿章の許にいたりて母子再会の事より起り又宗重を は歎かんとかの得し処の奴教の術にて。舘に種々の奇をあらつし。忠臣を選け領臣を 挙け家政を阿竜が随意なすなと建は次術にも渡りぬべし 根源實紫新刻概略作者柳亭種彦画工同前 十五編銃紫なる穴人の買し宛笛香炉俯て宣孝に托す野洲呪詛熱されて紫 式部寛を受十六編式神毒祖秩手等が隠謀を露はし御彦自截て声 が汚名全霊まり黒白判然兇悪皆戮せらるつぎて少将が貞節惟規北国 にて死して又蘓る士一編大貮三位生れ宣孝病死花山法皇の御傅大かた 此編にて全備部式部源氏物語を作り上東門院に奉公十八編以下退て記すべし 一〇三 梅蝶楼国貞画 佐野喜板 } さいこく 寄堂む 十二篇 所の巻 NANHONHENONA 為水春水綴二代目国貞 anminantiuminntron 恵かん喜鶴堂寿梓 armmanmmmmmmmmmmmmm 上の巷がそのときおりうはかのばけものをあきかぜ つぶせしていにもてなし〽なむあみだぶつト となへもあへずありあふいぜんのたん とうにてすでにじがいと見ゆるにぞ ひと〴〵あじやと又たち さはぎはしりよりつゝおし とめて〽こはなにゆへのしよう かいぞしさいをとはぬその うめはとゝははなさぬくと 右廻りより さゝゆれば 一 おやかは おもてにすみを おもてにすみを ぬりたるゆへ あきかぜさん とはつゆしらす やいばにかけし そのあとにて おもなきふぜいにて〽さいぜんも いふとほりうつろ井さんを きしころしわたしに さしころしわたしに までもはむかふくせもの なりとひとゞののゝしりさはぐをきくよりもきもを それときいたるわたしがぎやうてん わがきみさまの日ごろよりごちやうあい あさからぬなきかぜさんを手にかけてはしらぬ ことゝてなんとまアまうしひらきができませうそれじやに よつてトいひながしふたゝびやいばをとりなほすを◑ 百目六英十二 } ◑なほもとゞむるひと〴〵が しきりにもんちやく するおりしもおもひ がけなきひとまより むねしげのこゑ としで〽いさいの やうすはみなきいた あつぱれでかせし りうがはたらぎそれへ まいつてたいめんせん かならずしぬるに およばぬぞトいひつゝ ふすまをおしひら かせ 小しよう ひとかを めし つれて しづくと して たち いづれば そこに ゐあはす 女中だち おもひよらざるおんいりに おそれうやまひ手をさぐれば おりうも手ばやくたんとうをつきへし 正目七言一二 ク つゝきうしろのかたへ おしやれどなほも めんぼくなきさまにて ことばもなきを むねしげは なぐさめて 〽わがみちか さしうつむくのみ ひとしれず うつろ井をころして あとをくらまさんと するあきかせが いだしかた にくむべきの ごろ うめ たへて ひさしく 二の町を とはざる むきつゝかれが ゆへこよひは おくでんにおも もとにあそび ゐたるにこなたよ あたりてなに やばんものさは がしくきこへしかば ひとをはしらせ ◑はな はだしき なりもしその ほうがうち とめずして かれをその まゝとりにが さばたゞうつ ろ井はばけ ものにころ されたりと ばかり にて つひに うたがひ はるゝこと 左の中ぶづにあたりしとはらの うちにはよろこべともさらに いろにもあらはさずありがた なみだにむせぶていにてなほ つゝしみてゐたるにぞ むねしげもちかごろは たゞ此おりうがいろかに のみひたすらこゝろをうば のみひたすらこゝろをあき はるればうつろ井とあき かせがともにいのちを おとせしをも さのみ出しとも おもはねばかれらが しがいのとりかた づけはそのすゞく のやくにんどもに こゝろえへきむね いひつけおきて やがておくにぞ いりにける いりやける かくて つぎの日 □□□□□□□ むねしげ おりうが さゝやの はた らきの ひとかた ○たづねさせしにそちが あやしきばけものをうち とめたりとのことにより そのばけものとはいかなる ものぞみづからこれを けんぶつせんとあれなる ひとまにきたかいふたゝ やうすをきくとごろ そのばけものは あきかぜにて それゆへに よりそち までか なくわがこの屋かたに えうくわいいづると せけんのひとにも あやしまれんに そのくせ ものを しとめ あつ はれ われに たいしていひ わけなしと じさつなすべき かくごのありさま こゝろざしは さることながら かのあきかぜが なにらのゆへに うつろ井をさし ころせしかいこんの ほどははからねと ひとにおもてを 見とめられじとすみをもて かほをそめあやしきていにいでたちて そちが 手がらなり ほうびはおつての さたにおよばんはやりてけがなど いたすなしのこるかたなき此ばの かほをそめあやしきていにいてたちておんしゆびにおかうはけいりやく 百目千疋三 ・ ならぬ のみならず つねぐの つとめかたも しんびやう なりとの わけにより ろみか かみとほりの あし らひに あらためて まろし つくれば かちうの ものも こんにち より おりかの かたと しようしいゝ なほざか なきやう いたすべし とまうし わたきれ たるに より つきん 西国司部部官官官司 かゝきおりうはさつそく いふくをあらためおんれいの ためごぜんにいづればむねしげ ためごぜんにいづればむねしけ ことにきげんよく又さかづきなど たまはるにぞおりうはめんぼく 身にあまるだんそのよろこびを きこへあげたるそのことはでく 又いふ やう 〽まうし これにはいかなる いしゆいこんの ありてのことか わたくしにも そのわけがらは あぐるもおそれを ながらうつろ井とあきかぜが おもひがけなぎひごうのさいご しりはへらねど いかにもふびんの さいご にて ことさら かれらが なやもとは いづくのものとも きだかならねば あとをとむらふ 太郎 しさい あら ねど あき かぜは うつろ 井をさし べきものなら ころしたる つみある ものゆへ しるしの 石をたつる ことをゆるす ねどもそちが ねがひのしんびやうなるゆへ 此ことまげてゆるすなりかつて しだいにいたせトあるにぞひと かたならぬおんめぐみとよろこば しきむねおんかけしてその日は ごぜんをさがりしろつぎの日 ものもはべらしわたくしことは はうばいのふかきよしみもあるのみか しらぬことてあきかぜをわらはが やい ばに かけ つみほろぼしに かれらが ために せきひを だてあどの とひとむらひ をも わた せ くしが になり いたして つかはしたき ねがひ此ことおゆるし くださらばありがた からんトまうしいづれば からんじまうしいつれば むねしげしきりに かんたんして〽きとに しやしやうなそちが ねがひうつろ井ことは〽女 ● はか もう でをいし なしたき よしを ねがひ いづれば むね しげ つきへ 石きりどもを おほくやとひ ふたりがせき ひをきま すくに日やず してぜうじや せしに此とき すでにうつ ろ井らが 三七日にあた りしかば おりかは ふたび しゆ くんに 西国奇説十二 さつそくきよようありて 身のいとまをたま はりしが今は いぜんとことかはり おへ屋さまと うやまはりおりか のかたのことなれば のかたのことなれば かりそめのはかもうでにも ともびとあまためしつれ たるにまさかのときの ようじんにとていしやさへ ひとりさしそへらるべき かねてとしたることめへにかのさぢ あんがみづから のぞみておりな のぞみておりうの ともには たちし なり されば うつろ あぎ かぜらは おねしげよりのいひつけなるにぞ もどより さだまる てらも なきゆへ すなはち あきかぜが ふたりがために たのみ たき ゑこうを また おくり さらぬ だに むねしげの 十五 那須家 やすの ほだい しよたる 光明寺 くわうと いふおほでらの そのかた すみへ 両人の しがいを ほう むりたる なれば ならびなき ところの おりうの かだの たのみ ちやうあひ なるに 〇 おりうは くだん の ていに いたり ぢうそうにたい めんしてうつろ井 ◑ つゝみ がねさへ すくな からねば ぢうぢは右へ 百目寺從十二 左ゟ を あつめ きやうを よみて ゑこうに ときをうへず ほどにこと はてゝのち おりうをはじめ つきしたがひし ともびとまで ときをいだして ふるまひなど するきやうおう もつともねん ごろなかしが そのときおやうは ぢびやうのしやくの にはかにむねにさし こみしとてしきりに もだへくるしむていにぢかぢは ふかくおどろぎてもしわが ものなどにあたり ありてはおかみへ まはりてたち こらにてさしあげたる 給ひてだいじの おんみにきよじなど たいしていひわけ なしとうろたへ さはげばかゝる ときのために とてつきそひ おかれし かのさぢ あんがおりう のみやくを見 はちを さぐりて つきへ 十四 うち むかひ 〽おへ屋 さまの ごびやうきは もとこれ ごちびやう なるゆへに きづかふことは なけれどもその やうにたちさは がれては おちのあを みちの さはりになる かけはなれたる にざしきあらば そこへしばらくらしい せけふのきやう げんしゆびよく いつてたがひの しあはせ あのめし つかひの くねと いふはもと よりわたしの ふくしんゆへ ちつとも きづかふことは ないもちづと おとこを もうけちや すみあそばす やうにせばやがて おしやくはおちつく ならんそのあいだに それがらが おはりを いたしてさし あぐればはやく よういをいた されよしいふにぢうそう こゝろえておくのひとまに〽 ふしどをもうけ いゝつきぞふものは さぢあんとめし づれきたりしおくね のみぢかそうともは きづかはしくおもはざるに あらねどもものおと させなばあしかりなんと みなそのをころをとほ ざかりてちかよるものも あらざるにぞおりうはふし どをおきあがりてあたり そこにおりうをやすませ てうかゞび〽さぢあんさんおまへに あひたいばつかりでわたしがしくんたせ 百目下足一ニ こちへよら こび 〽かねて おん しかぐ しめし おかれし ことあれば けふの あふせを まちわびしがこれほど までにつがうよくゆきはせまいと □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ おそれ つきへ 四巨吉記十二 同一五一一一 〽つゝきおんみのこんたんそんならいよく ねてくださるか〽アレまアおまへも おびひもといてわしとだかれて ねんのいつたこれほど までにしたものを 〽おまへがいやだといは しやんしても わたしが それでは すまして おかぬ それづつ てもやか その 〽おつと □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ まで のた まふな その しな ならばせんこくから しよぢしてこゝに まいつてゐるこれそ まざしくせつせう せきといひつゝちい さきはこををかだし しづかにふたを 三の番ゟいかりいけ 見するを按りうは そでにてくちをおほひ やう〴〵見つうち ゑみて〽わたしが見てぬ なんじややらわけの わからぬしななれど おまへのだいじのしやと あればまづあづかつて おきませうじうけどるおやうが 手をとらへ〽やくそくどほり そのしなをおんみにわたす うへからはわれらがいづわりなき をげさせてトいだきつるれて につことわらひ〽おまへのまことを 見たからはわたしのからだはどう なりとおまへのまゝになり ませうがひとめはなれた □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 此小ざしきそうまんがちに しなさんせずとおまへにあげて たいものがあるちよつとまつて上 いひながらつぎのひとまにひかへ止 たるおくねをちかくよびよせて 〽かねてそなたにいひつけてへ底 はらもたせてきたしなをはやうれ こゝへもつてきや又此ゑはの まことはそれでしれたであらうさア びうへはちつともはやくわれらがほんいを まへにさしいたせば〽それでそち わたせばおくねはこれを うけとりてしかずきさり しがほどもなくふくさ づゝみにせしものを又つぎ のまよりもちいでておりうの にはようはないこえ だれもこねやうに つぎへまいつてきを つきへまいつてきを つけやとおりうは おくねをしり ぞかせ手づら くだんのやき づゝみをほど けばいつるさへ さげぢう 〽これは きめか下 さぢあんが ◑だいじの ものゆへはさみ ばこのしたの ほうへしつかり いれておいたが よいこゝろえたる かとさししめしかの さぢあんより おくられたるせつせう石のはこをも いふかほ しか めに 見 かへかて 〽おてら から でる つきん ラー」七二 西匡寺説十二 つゝきごち そうはみな 水くさいしより じんものゆへ おまへとない しよでたべ やうと此 おさかなをもた せてきたゆく さかづきわたしが はじめてあげるから川 おまへものんでくだ さんせトさくの酒を ちやわんにつぎいきをも つがずのみほして〽さァ あげるよとさぢあんの ひざにもたれてさし ひさにもたもてさし いたすちやわんををつて それがしはおんみのやうなうつく しいおなごにこれまで此やうな やさしいことばをかけられたのは へそのをきつてはじめてゆへ なんだかゆめを見たやうて こゝろもさらに身にそはずうれ しさあまつてぶる〳〵とからだが すゑかけてかはらぬと いふたがひにこゝろをかための 出しいたゞき〽はづかしながら □□□□□□□ ●わがはらわたをさながらにしぼるが ごとくくろしきはとくしゆをあたへし ものなるから せもだへ くるしむありさまに おりうばさこそとおもふ いふにかりうは いふにかりうは うちゑみて 〽をゝくるし かろせつな かろいつぞや おくのには さきで だいじを きかれた のみならず そおたをだま のんだはたゞの酒 のんだはたゞの酒 こいちで てうど いりよかの せつせう せぎを わたそか いつたばかり いつたばかり けふののくろみ 酒をふたつの さえにいれ おきわたしが してのませた のも酒はかはらぬ さけなれどどくの ふるへてとまらぬやうな おこゝろざしのおさかつき さらばてかだいつゝまつ らうトいふうち おりうはさえの 酒をかれが もつたるちやわんの なかへはや なみ〳〵と つぎ いるゝを さぢあんも くつとのんで さしのどせば 〽これは あまりに 又ひといれにゆ お見ごとな まづく はさへお手もとトおりうが 手とりのしひじようづにむちうに なつたるさぢあんがたてつけ三ばい あをり こもめばたち まち五ぞう のう らん しても 第四甚 にぞかれがほとりをとび のきてくつうのていをこゝち よけにうち見やりつゝ ゐるほどにくるしき なるにもさぢあんは 四十一 それとこゝろのつれ たるかむねをおさへて いきをつき〽今此酒を のむや きゝめをためさんため おくねにひそかにいひ つけてせつせうせきの かけらをばちよつびりいれ たとつゆしらむ たとつゆしらずおのれが とくをおのれところみ ちのちを おとすは じかう じとく としに ふそくも 竜 ないくけに おへ屋 さまとも あをがれる わたしに こひを しかげたる ばちが ていにはがみをなしつゝさぢあんが さては手もりをくはされしかつきへ あたつてみし めなその ざまほんに せうしなひと てはあると そらかそ ぶきたるおりうが 同十二 つきいはふやうなき大あくにん とくにあたつてしぬまでも なんぢをそのまゝあんをんにいか でかいかしおくべきトくろしき ながらも ひつしのいき ほひとびかゝらんとする ところをさいぜんよりして びやうぶのかげにしゞうの やうすを うらふおくね それと見る よりとんで いでうむを いはせず ふみまた がりつゝ おしふせての さぢあんに おしふせてのんどに しめつくれば ひとこゑ さけぶと 左りゐたりし さちあめ あり さまに きもを つぶして いかなるゆへぞと しさいをとへば おりうはこゑを ふるはして わらはの ぢびやうのおこりしを さぢあん さまか など して りやうぢをくわへてくだ さんしたゆへしだいにころ よくなりてとろ〳〵ねむる まくらもといかにや しけん此おひとが あつとひとこゑさけばるに わらはたちまちおどろき さめてこれなるくねを よびよびこゝ右左りより さしよつてやうすを とはんとするまもなく ちを はきが そのまゝ いきは たへに □□□□□□□□ けり しすまし たりと おもふにぞ ぶたりはかにを 見あはせて □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ともににつこと うちゑみしが さるにても 此まゝにすて おくべきこと さゝへとさげぢかを 手ばやくとつて おくねは あはてしこゑふり ならねばまづかの 一四二二二・ 一二二二二二二二 二二二一一一一 たてしきりに人をよぶ ほどにちうぢを はじめひとぐはみな 同 此こゑにおどろきてさては なりうのやまひおもりてとりつめ たるかとおもふにぞおの〳〵こゝへはしりきて見れば なりうはつゝがなくかへつてかれをりやうぢせんとてつきそひゆへんと 二 此やうにちをはいでくるしまるゝに びつくりせしゆへおまへがたをばよび よせましたどうかしようはないものを あはてしていにてものがた ればきくにおの〳〵たち よりてさぢあんのやうすを 見るにはやいきたへて手あし さへこほりのごとくひへたればいかなる いしやをまね〳〵ともほどこす じゆつはありぬまじさればとて此てら か ては かみへの きこも いろゞ ならんと ぢうぢがこゝつをいたむる ていにおりうはさこかてと さしよりて〽わらはが にはかのやまひにていろ〳〵 おせわになるのみかつき そひきたりし此ひとまでが おもひがけなきつきへ 西匡竒談十二 「つきこのきうへんおころ づかひをかけることおきの どくにはおもへども やむことをえぬ此なり ゆきわらはがやか 「左ゟぢうぢはおりうを 小ざしさよりもとの ざしきにいざなひいゝ 又あらためてちやを すゝめくわしを いだしてもてなす うちにこなたに ひかへしともまはりは はやおへ屋さまの おたちといふより みなげんくわんに うちそろひれつを たゞしてひかゆれば もんぜんにはけいごのあし がろちかよるものを せいしとゞむる そのさま もつともげんや ぢうなり かゝるおりしも さいぜんより ふかあみがさに おもてを にんていの くだんのてらの もんぜんを かくせしらうへ ひとりのさむらひ 同断十二丁 なはありの まゝにまかしあげ もつしておてらの ごめいわくに ならぬ ほど には らひ ませう いふに ぢかぢは あんどして □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ よりも おやかた さまへ これらの 匂ひと に ねがひ あげ まする 三年 おりか そゝに よしをさつ そくにおとゞけ まうすでござり ませうなほそのかへのかとりなし 西国宗炎トニ もおこゝ よくよろこば しいやさ ござりました いふにおりかは ゑじやして おいとま いたそうじ 身はしらへ ほど するほどに 右へ 十九 やきつもどかつ たびと なく うちの やう すを うつどふ 一のに かの あし がろは見 とがめて 〽どうやう うさんな らうにんもの 今おへ屋 きまのおと ほりさき きり〳〵そこを さればよし さらずば めにもの 見す べきぞと もつたる ほうを いきへ つきつきひらめかしてしかりつけられるのらう 〽同にんはしんぢういかりをふくむといへどもわざと 申おそるふぜいにてはやくもにかげに 身をさけつゝなほもやうすを うでふおりしもほども あらせずかのてらより ともびとあまた めしつれても 爪 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ くるおりうのかたこゝろとも なくのりものみすのひまよりあたりを見れば そのときいぜんのらうにんもにかげにありて 越し事 ひそやかにかごの うちをばさしのぞ ほんとかぶりしはさき かたむくればわづかに かほのあらはるゝを おりうはめばやく 見とむるにこはそも いかに此ちうにんは一 いづでやしもの せきにおいて 手だてにのせつゝ あはゆきのかのたんとうと もろともにかね 二百両かすめとりたる つま五郎にてありしかば さすがのおりかも ぎまつとせが その身はかごにうちもりたればそと よりすがたの見へべきやうなくこときら あまたのともひとをひきつれたるをかのものが よしやそれぞとしるとても手だしのならう やうもなしとおもひかへせしふてきのくせもの ゆう〳〵としてゐるほどにそれとしらねどとも びとはおりうがにはかのやまひにてすでにじこくも おくれしことゆへつねよりはいとあしばやにみちを いそぎてすきゆくをやりすごしわらのらうにんは しづかに小かげをあゆみいでかぶりしあみがさ とりのけつゝなほもおりうがゆくかたを右へ 百目片炎仁二 たよし見出く ながらひとり ごと〽われ すぎし ころしも のせぎ きけば むねしげに おりうと 名をよぶ そばめありて ちやうあいもつ ともふかきよし 世には にた もゝや 此身にうらみ あるかのおりう にはあらざるから ひとづてをもて かのものゝひそ かに身もとを きたゞせしに かれは飯野の のかりくらのとき 名あるつるぎを しか〴〵にいひづゝ きみにだて まつりしより むねしげのめに とまりつひに そばめとなりしと ちふそのつるぎ はれし かのあは わが うば ゆきにはあら ざるかなには ともあれ そのおりうを ひとめなりとも 四十四日目識十二 つゝき 見まほしと おもへど かれはやかたの より かりにもいづることの あらねばかほ 見ることもかた かりにけふはこれ かりしにけふはこれ なるくわうみやうじへ さんけいありときゝ およびしのびてやうすをうけへど のりものごしゆへすがたさへ それとたしかに見とめぎりしは まことにむねんせんばん下たんそく しつゝたゞづむときうしろにあやしき けまぼこに底のうちよりうらふひとりの。 めんどう なりとつま五ねは こつじき今つま五郎が 鯛 亀 大包金二朱 中包金一朱 丁内丸中か 牛肉丸 小包百銅 ひとりごどをきゝすましつゝ うなつきてひそかにそばへ さしけるをはやくもきのつく 此薬多年来相仕候処 近頃内名の薬も相見へ 候間松名前よい〳〵御吟味 つま五郎あやしきやつとおもふ にぞ身をかはしつゝゆかんとするを なきもやらじととゞむるこつじき 〇ひつきやうこれなるこつじきは一 つきとばしつゝそのまゝに あとをも見ずしてはせきりける いかなるものゝなれのはて にて又いかなることをり するそは次のへんを見て しるべしめてたしとく のうへ御超て被下候 下箱さみせんぼり 對刀は 屋敷 染崎氏製 為永春水補綴梅蝶楼国貞画 文 久才 十六編 十七編 根源實紫 十八編 柳亭種彦作 一寿斎国貞画 三 久 五編同作 娘庭訓金鶏 大尾同画 亥 年 十七編山東京山都 おくみ 琴聲美人録 ●一七一冊柳亭種参作 十ノ編歌川國貞画 総次郎 十九編十九編十九編 新 鐫 初編ゟ 五編迄 柳亭種彦作 歌川國貞画 春色墨田川源 当年間当年地板 同 録 十五編 十六編 新増補西国奇談 同十五編為永春水作 歌川国貞画 十七編 芝神明前 同轄佐野屋喜兵衛板 地本絵草紙園扇問屋 二嶌 田、 春木幾国貞国 十二月 第十三寅四月三百五十六寺禅 春水補綴 外題豊国画 ・ 風 四 ・ ト ・ しゆんすゐ さく 国さた ゑかく 十一日 新増補西国竒談第十三篇上 喜鶴堂発兌 0. 一つにいやりやうにしていために 五十 舌切雀の。重い笥篭に。百鬼夜行の。形を籠め。桃太郎 の。桃から生れ。蟹の仇討。兎の義使。枯木に花咲爺イ など。道理にとりてはひとつとして。乗る方もなき。虚談に似 たれど。佛家に所謂善巧方便。又是勧善懲悪を。稚き耳 に示さんとする。老婆心にてあるべき歟。現に啌に似た真は 説くとも。真に似たる。些は吐くなと言ふが中にも合巻は。素より 虚語を看板に。出して綴れる。所為にしあれど。食言から に遂出たる真はあり。と猶是をしも棄給はずば。掬飯に換えし。柿の 亥から。芽の出たよりも。僥倖ならんか。 文久二稔 壬戌新春 爲永春水誌哥 十一月廿一日 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 妖狐の 悪霊 四 毒婦 阿竜 百目十七日目下金一 一 哉。 賤女 浪子 賤女 浪子 木村龍太郎 百国午炎一三 伊豆吾吉一二 十二編のつゞき をきゝしかば見とゞけ くれんとさま〴〵に こゝろをつく せしかひも なくのまの ごしゆへおも かげさへ見 かけさへ見 とめること さればまたつま 五郎は此日おりうが かのてらへもうづるよし のなら ざるのみ かあや しき こじき にいで あふで みちの みちの さまた げせら しがは れしかば いらけ だつ まにおれ つき あと をも 見ず つゝやが てわが 屋に かへり 見れば おあや がたゞ ひとり こたつ あ がめてぬしが うちゑみ ながら見 かへりて つま ざん◑ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 一 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 十一月廿一日 ◑おかへりかだんなも ようがあるといつて今 がたどこへかおいでなさるし 百円二丁火 わたしひとりでさびしい ゆへこないだかりたくさ ぞうしのよみのこしをば よんでゐたさぞさむ かつたであらうのに こたつがよい火になつ てゐるこゝへはゐつて おあたりトいはれて ▼こなたもにつ こりわらひ 〽そんならけふい 〽そんならけふは やぢてきはどこへ かゐつてゐない とかそれはまこと にうまいしゆび しかしせつかく あつたかにあたつ ておいでのその こたいへつめたい からだではいつ てはどうやらし おきのどゝ 同 0000 豆国吉吉一 □□ □□□□ る。 つゞき なれどなんぶん けふのさむさではこたへ られぬトいひながらおあや があたいてゐるそばいいて があたつてゐるそばへはいつて よこにねころべばおあやはふとんを うちきせぬがらしみ〳〵おとこの かほを見て〽ほんにおもへばすぎしころ こゝのだんなにかきくどかれいやといはれ ぬぎりづゝめおねまのときをしてゐる ◑日ごとに しよほうをであるゝとはさすが おあやにうちあけていひにく▼ ゐるもきもちがわり ▼ければ わらひにま ぎてし〽これは 又わるいすい りやうあのおや ぢめがとしにも はぢずおまへを そばへひきつけて じやらくちするを じやらくらするのを うちにゐて見て そのうへふたりのない しよのわけをおやぢ がすこしかぎつけでも したかとおもふ やうすもあ ればひとつは おやぢのき がらつぎへ ゆらしいおすがたについほだされて ころびねのゆめをむすんだ そのゝちはひよつとだん なにしれやうかと きがねくらうも おまへゆへこれほど わたしをまよはせ ながらおまへは そろ〳〵あき風やと 此ごろにてはとにかく とうちにはしりがお ちつかずあけてもくれ てもそとばかりあそん であるいてゐなさん すはもしやどこにか おもしろいおたのしみ でもできたの かとおもふと しみ〴〵きが もめるちつとは わせのこゝろをもさつ してくれてもしきそう なトいふをうちきく つま五郎は此ほどお ものに又もやおまへに。いひよられみち ならぬとはおもひながら此かわ そのじつぶをば さぐらんため◑ 両国年癸亥十三 廿四辛言一 つゞきようをし ないいつたいおやぢとあく ならぬうちからわたしの こゝろではとしま さかりのこな さんをたゞおく はおしいもの おりもあらば いひよりてと おもひなが ひもとにかくと いひだしかねても ゐるうちにあの おやぢめにせんを こされあつたらもの をむざ〳〵といゝとし をしたおやぢひとり にたのしませる もごうはら ゆへかうして ないとふ であはれ つけられてはそうどうとおもへばいつも おち〳〵とはなしをするまもなかつたに けふはどういふさいわいでかおやぢが るすとはありがたいかういふ かこつけでてあるくを うらみられてはうまら るやうなまづだんどりにはしたものゝ見 一の春ゟひとまより〽ふぎもの見つけ たうごくなトのれんおしわけたちいづる 此屋のあるじけきさいがこゑにおどろ くこなたのふたりあはてふためきつま 五郎はこたつぶとんをひづかぶりあたま かくせどしりかくされぬおあやはさしも とりみだたるすがたつくらふいとまさへ なくにもなかれぬ此ばのくるしさきへも いりたきふぜいなるをそれと見るより げきさいはまなこをいからしこゑふりたて 〽此しれものがすぎしころいのちをたすけて くれたるのみかながのとし月め我かけてたかい くれたるのみかながのとし月めをかけてた こめばばくひつぶさせさむいめさせず やしないおいたわがなさけ れが子に ひとしぎ つま五郎 めとち くりあひ 又せがれめも おとらぬしれ をばあだにして げんざいおの おれのかほそば ふみつけたな ものおやのてかけを ぬすむとはふぎ とりけものにもひとしきふるまひの まおとこにもいやまたる 西図守從十三 爪 上ゟしゆびはあるまい にほんをながめてゐない でもつもるはなしがあるは ならひきよせられて又 うちゑみ一そういふ おまへのおころなら それでわたしもおち ついたかならずとも に此さきもうはき をおしだときか ないよびつたり よりそふその おりしもおもひ がけなき二の巻へ ともそのまゝ ゆるしておくべきか 此あいだから なにとやかふたりが そぶりの あやしさ にこゝろ 紙づけ てゐたりし にるす をうかゞひ □□□□□□□ ひるひなか いはふやう なき此とふし だち見つ げいだせ しうへか らはつぎへ つゞき わが 子 かして しや はない 正国吾妻十三 〆七十一かば一丁 これはと おどろくげきさい わけて世になきひとゝ おもひぬるもと おや子なかにもおあやはとり ◑今さらいふてもせんないこと まづそれよりもわしづかげき さいとしにふそくもない身 にてげんざいひとのによう ぼうをわがものがほに てかけとなしそれをわが 子がみつつうせしとて まおとこまばはりこと おかしやおやもおやなら 子も子なるそろひも そろひししれものにいふは むやくににたれどもわが にようぼう紙なんじらの なぐさみものにせられては 此しば六のおとこがたゝぬ ふぎのあいてのにようぼうを此ば においてさしころしなんぢらふたりも もろともにめがたきうつてはらを ゐるかくごひろげとねめつくるを こなたにきゝゐるげきさいがわるい ところを見られしとおもひなが らもさすがはくせものおめたるいろ なくあざわらひ〽は ものざんまいおいて くれいつぞやなん ぢが手だてに かも此つま あふのみか 五郎が きすが にめんぼ くなかり けんそのま そこにひれ ふしていち ごんはんく におあや もまた 〽ゆかして たべト いふば びるに ことば なき おも かけぬ にわさ きより たれかはと らねどへ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ リアルハ □□□ かゝるそのみのふしだら を見られしさのめん ぼくなきにあき れまとひてう ろつくをの左 □□□□□□□ ) こゑふり たて〽ふき のせいばいし ばらくまつた まづまおとこ のせんぎ ならこつ ちがさきへせ にやならぬと いふよりはやく ゑんがわのしことうしを さらりとひきあけておどり いつたるひとものこつじきか ぶりし手ぬぐひとりのくれば たへてひさしくあはざりし かのしば大にてありし▼女 西国午炎十三 〇中ゟ しば六すかさ すとびかゝつて むなくらとづて ひきすへつゝかくし もつたひとこしを すらりとひきわき めさきへざしつけ 〽かねにもたく きんいひぶん あれど◑ すまゐ もなり がたきに いゑを うしなひ 此ちまで かうして さまよひ 病 きたかしゆ つきへ 正国平記二号 ふねにひきあけたるときなぶりごろし にしてくれんかとおもはざりしに あらねどもなみだもろさ にいのちをたすけわが てかけにしてめしつかふ をありがたいとは おもはずして われへたい てめがたき よばはり 「つゞきみなこれなんぢのしはざなればおあそを それとも いひぶんある ならばかたりとつ たるあはゆきのつる 一ぎにそへて二百両 みをそうつへてわが まへにかへしたうへで まへにかへしたうへて いはゞいへばかなことを したしなむれどしば 六も又ちつともひるま ず〽あの二百両も あはゆきもだいじな むすめをつま五郎たがひにはこん むすめをつま五郎 におもひのまになゞ さまれきずものにしば六にいちみ さまれきずものに したむくひにはあれ でもまだくやすい ものそのうへにわが 又上ゟ たを見なすつたら こなさんたちも あきらめられ やうさすれば わしもによが ぼうをなぐ さまれたのも ゆめにしてこゝで たがひにいこん をはらし此 しば六にいちみ してひとほねおれば たちまちにいつそゝ なる とびのりつしんしめつせ此 一五春よりかくればしば六 かねておんみのたま しひを見ねてしゆへるまであやきていに しひを見ぬきしゆへ しひき見ぬきしゆへ にうちあけてかたるなりしよりこゝにひとつ にうちあげてかたるなりしよりこにごとい しざいはほうでもない われらとしごろ非須名をも素崎花 世のいゑには ふかきうら みのあるゆへ にしもの せきより 三寿中ゟかくればしば六 しきかにうなづきて 〽さればなりきゝ給へいわほにおもてをうち もつともこれはいち だいじゆへたぶんをしだいにくつれいだして はゞかることなれとかゞみにうつして見るところ 妙意軒焼ゞ にかきうらなのりてなすの へかたへいりこみ にしものかの奴相餅を せきより見るといふより 九州うへ 九州館へひたすらむね とこゝろざしけにとり つゝゆかんといりてそれより せにいつ せしにいつことをなさんと ぞやだいりせしにりう のわたしにて太郎といふ わかものに はからすも ときやぶら ふねくつがへり さいしのやくゑ しれだるのみ かわがみも すでにあ やう にようぼうまでおやぢ ひとりかむすこさへあきは はてたる此ばのふしだら おれのたちみはどこである へんとうしだいでによう ぼうからころしておいて おや子ともおろじやいばの さびにする○トサいふところ だがげきさいさんこゝに ひとつのはなしがある今 おたがいにかれこれとじぶん のどうりをいひはれば にようぼうまでおやぢそうだんにげきさいさんなんと のるきはござらぬかとおもひの ほかなるしば六がこゝろありげな いちごんにげきさいしばしうち。 あんじ〽おぬしのほうかちそう あんじ〽おぬしのほうからそう でれば今さらこれをいひやつた とてすんでしまつたこと なればもとのさやへも おさまるまいからしな によつたらかんべんをし て見まいでもなけれ どもこゝでおぬしにいち 水かけろんではてがつかず はてはいぢづくおとこづくいの みをすればいつそく 左へ そうだんにげきさいさんなんと ちをすて あふみ にも なら 女五五 □□□□□□□□ これしき のはしたことで だいじないのちを おたがいにすてるの もちゑのないといつ ぞやわしがかたりとつた あはゆきのひとふりは大里だい のわたしのなんせんにふねなつ かへりてゆきかたしれず又二百両もいつし かにつかひはたして此ざまにわがへ入中へし とびのりやん とはどうやらがてんのゆかぬ ことなにか見こんだもくろみで もあつてのことかトとひ 西国竒談十三 はれ かやう しかく ちくぜん なるはかた の町に こに しば とう するうち おゝなじはかた の町なかに つぎへ つきあか松 えうさいと よばれたるこえ ふしぎの名面 かゝありたとへ ありたとへ いかなるなんびやう にてもなほらず といふことなしと 人のうはさにきゝ しかはわれこゝろ みにたづねゆき かのめんていのくさ れしをおれにもやう ぢきたのみしに わづかひと月あ まりにてくされし きずはあとなく いへともとのごとく にくりしかばその よろこびをのべ んとてある日 かれがかたへいたり やくだいのつゝみ がねなどいだして れいをのぶるほ どにえうさいは つく〴〵とわれらが かほをながめ □□□□□□□□ ゐたるがひとり 〽爰と次の画は 柴大が物語 を図す □□□□□□□□ われてもかしこでふね くつがへりそれゆへに よりめんていにかゝる きずをばうけたりし におかげをもつてほん ぶくなしたりまことに ふしぼのさいくわい ふしぎのさいくわい よわらへは□下へ ときのいしやどのにておはせしか あることゆへきてはおんみがその 十一日 おんみその ころまで はしば六 どのとな のられし かとふた たびとは れてうち おどろき 〽それを どうして そのもとが じいへばえう さいことばを ひそめ〽それ いあり◑ にはふかきしさ しきりにかな づきて〽かのきず ぐちのくされし にておんみのめん こゝろもつかであ たりしがもとの すがたにな られしにて おもひあは あれかくまう せばなにと やらことそつじ には候へども おんみいつぞや 一着ものせきより だいりへわたり給へ ふときひともの ゐしやがびんせ んをたのむ によりてのせ られしにその ふねにはかに することこそ ていかはらせ給へば くつがへりてなん ぎをせられしとは あらずやそのときの たびいしやはかくいふる らで候は或はれて口中へし ふねにはかに一日〇百〇百〇百〇一百〇一日の百日一日の百日 くつかへりて一日五百日 あらすやそのときの らで候はよはれて此中也 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ せばいかさ 百目十一日 くつがへりよじ兵衛へ瀬まに ながれつきしにおりう といて田けんぎやうが かやう〳〵と はじめはか らずふねの うちにて しば六 おや子の 身のうへ ばなしをもれ きゝうちにふね しのぎを けぐりて きかむすぶを 見るにしのびず とゞめしよりたがひにそのみの すぜうをばなのりて見れば ふしぎにもいて田けんぎやう とよばるゝはかのよじ兵へがせがれ にてえうさいにも又おとなること これによりて三人がちしほをすゝ りてちかひをなしけんじにあだ なす手はじめになすのいゑ をばくつがへさんとおりうはつぎへ ひごの くにへ んとて そこに いたら たもとを わらし ことまで ありし つゞいて びごへ もむかん もむかん かとひと 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇 ▼上ゟひと きりやうあるべき ものと見るときは それとはなしにいひ よりていひには よりてつびには みかたに いれしが ぞまさしくえうさいにいちみとゝうの さいもざるたいもうのくわだてあり いちみなしつるかとおもへばちつとも 十七日左よし見するをとつてよみくだすにこれ れんばんでうゆへさてはこれなとえら てわがむすめおりうさへかれに うたがはずわれらもそのばでしん もんにちしほをそゝぎてちかひ をながいちに 残なしかれにいちみがつたい なしがさるにてもわがむすめは しゆびよくひごへおもむきて なすの屋かたへとりいりしか こゝろもとなくおもふにぞ われもひとまづひごへいたり むすめのやうすを見きは めんとおもふこゝろをかれにも つげとなほさいくわいをち ぎりつわかれて此ちへきたり しがいつたんおひはらはれ たる身ゆへ今はめんていかはる といへどもなにとやらんこゝ ちわるさにかりにこつじきと ちわるさにかりにこやじきと すがたをやつししよ〳〵 ほう〴〵をはいくわいして 屋かたのていをうかゞふに 一今屋かたにはおとうの かたとてときめくひとり のそばめありとひとの うはさにきゝしかば こんにちたゞ今 にや みかたの ものも おからぬ にぐんよう きんさへ ともしく とせ〳 てはことを はかるに たより よからず していで川 田はしもの せきに なほし ばらく とゞまりてぐんよう きんをとゝのへんとなしわれは此ちに きたりつゝあまねくしよにんにりやう ちをほどこしそのうちにて▼中へ 西國竒談十三 ことまことに つきせぬいん ゑんならんかく てもいまだうた がはしくごれ見 られよといひつゝも はだみはなさず しよぢなすと くわんとりいだしびもを とく〳〵おしひろげ ころのまきものいち 十 むすめかとよろこび ながらも又よくおのへ ろきしが又つく〴〵とつぎへし ば世にはにた名も さてこそわが身の あるものなるを そこつなること なしかねてなほも やうすをうかゞ ひしにけふかの てらへおりう のかたがさんいい ありとのうは さゆへとち うにいでゝ まちうけしに のりものごし にておもて も見とめず ほいなくおもふ おりもおり これにおら るゝつま五郎 どのがおなし おもびにおりう をば見とめんと してほんいをとげず たちかへらんとせらるゝ ていゆへひとたびはおど つゞきしあんをなす にかのひとのおやげき さいどのは軍学財の たつじんにてちぼう すぐれしひとなるよし かゝるひとをばみかた とせばたいもうぜう じゆうたがひなし おもひしゆへにさし よつてひきとゞめんとをつぶせしそれがしが したりしが又よくお もへば此ひとには かね二百両とあは ゆきのひとふりを つゞきしあんをたち にかのひとのおやげき さいどのは軍宗院のらんやにようぼう たつじんにてちほうのおあやが此屋にやしなは すぐれしひとなるよしれていつのほどにかげき かゝるひとをばみかたさいどのゝてかけとなりしのみ とせばたいもうぜうしならずげんざいその子の じゆうたがひなしとつま五郎どのとみつつう なせかていたちにきも をつぶせしそれがしが はらだしさとねたるしさ にあのおあやめが ひとてなしおつ とのかほへどろ やうすをたち さへかすめとりたる をぬるいはふやう いぜんのわけのある からはうくわつに ものもいひかけられ ずいかゞすべきとため らふをあやしきこじき とおもはれけんつき たをしづゝそのまふに はせゆかるゝにせん すべなくさりとて此 まゝやむべきならねば 見へがくれにあとをつけ さて此いゑまできたりし かばひそかによわより しのびいりうちの やめきやつ なきにつくいたを からねも 田一 春水補綴 春水補綴國貞画 ●さきへさし ころしのこる おや子の やつばらをも めがたきうつ てくれべきぞ てくれべきぞ こおどりこ まんとしたり しが又よく おもへばさに あらず 三の春つゞく 西国 十五編までの赴は前巻の末にあらはしたれバ爰にいはず扨干大編はいそ平 西国義に 義によりてその玉を害す和次郎火の仇とし出て互ひに義気ある物かたり 奇談 春木補綴 国貞画 荒太夫非を悔て爰に往事を語るにいたり円山の娼妓韓衣が事契 これを根引して磯馴と異夷側妾とせしに荒太夫が存通せんとてさま〴〵 忌計をめぐらす話終に善悪判然として矢嶋の一段小納局にいたる 二十七編「は阿綾阿竜の許にいたりて母子再食の子再食の事を 欲らんとかの得し処の妖狐の粥にて館に種々の奇をあらやし。忠臣を退け愈臣を 一挙け家政を阿竜が随意なすなど這は十八編にも渡りぬべし 根源實紫新刻概略作者柳亭種彦画工同前 「十五編〗筑紫なる穴人の買し宝笛香炉俯て宣孝に托す野洲児詛熱されて蒙 式部寛を受か六編式神毒祖秩手等が隠謀を露はし櫛考自截て奉 が汚名全虚まり黒白判然兇悪皆戮せらるつぎて少将が貞節惟規北国 にて死して又穢る十七編大貮三位生れ宣孝病死花山法皇の御傅大かた 此編にて全備り式部源氏物語を作り上皇門院に奉公平は編以下は追て記すべし 国貞画 西国奇談十三編 増 西国奇談 新 補 酉永春水作 歌川国貞画 十三編下の巻 佐の喜梓 十五 たてんとするものかゝる がへんはてまびまいるまじ ▼さいぜんいへるがごときいつ そくとびのりつしんなるを おんみのもやうけんいかに しようににかゝはりて身を ぞやトいへれてげきさい あやまたん よこもをうち〽われはこれ までそのもとをたゞ きつゞをかすめせ にはおよび いよ〳〵又左へし 〽入七ゟしわがともがく いちみがつたいせられには むねしげ女うちほろぼ 此いゑくにをわられうゆ 丙乙月十月乙丙午前 むとる くせもの おどろきいつたる とのみおもひしに ごしんてい うけたまはつゝ てかんじいる にほろびうせたるけきへ うへはなに はかつねん せつゝやもまことは へいけのよるばいぬる へいけのよるいいぬる じゆゑいのかつせんに しにおくれつゝなが らへし身はけれいため 十一 つきしいちもんかだのおんためにいか てうらみなむくはんとおもはざるに あらねどもわれ〳〵おや子のその ほかにたすげなければせんすな ときのいたるをまちゐたりしに今の おんみのいちごんはわがみにとつて もうへなきさいせひいかでかいはい いたすべきとあらゆる神をちかひに いたすべき出とゆる計をちかひに たておやすもかつともしば六に おちみかつたいし たりしかばともに よろこふしばい 此うへいかにし かろすのいへをば ほろぼさんと たがひに手だ てぼだんずるに 今むねしけが そばめにてちやう あいならびなき といふおりうの はかるもやすかるべし かれがじつぶを □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 〽無残つかふにしく にして又しかぐに かたがしば六のいら〳〵 はなしそれにめやう〳〵 むすめぬらんにはことを なひ しば 六は ひと まづ 此屋 をたち なすべしなど こゝにそうだん とゝのひしかば おあやをとも さりける ○それは さておき おりうは 又此ほど てちより かへりがけ のりもの ごしにつま 五郎の すがたを ひとめ見 よりも さてはかな きのなほ むとふ りほの りをとり 西園午炎十三 かへさんとわが此屋かたにねとめずそれ のみならでたち ありときふけねらきにはのみならでさ なしつるかさもあらばあれ なしつるかさもあらばあれあんにごくをくら むねしげの今はちやうあいはせころやしをも たぐひなくおよみどほりと うやまはるゝわが身である あらざれば をかのものがたとひなに ほどつけねらふともね おりうが しわざ だしの有るべきことならぬ おくともしさ いなしとおも こゝろもね 子も あらぬ さぢあん ゆへみより いものが てひどりつち〳〵 なきから のとりお さまなど なこゝもこと ゆへもなく すむほどに おりういその ときねにいかし せつせうせきの せつせうせきの かたはれをびそか にへ屋にとりかへり おもふやう此いしに どくあることはかのさぢ あんがまのあたりし せしをもつてあきらか なりもと此石はそのむかし 近衛院の麓のおんときに 玉藻たまとよばるゝぢよ くわんありこはこれ三ごく でんらいのまことは妖狐どう なるをもてみかどを なやましたてまつりしに 天もんはかせやすちかの いのりによりてみやこを たちさりなす野の はらにこもりしを かづさの介ひろつねの 矢さきにいのちを おとせしかばあくりやう ほとせしかはあくしやう ひとつの石にとゞ まりそのころたり をなしたりしも げんおうぜんじの ほうりきにて あくりやうげだち あくりやうげだつ なせしとぞ しかるを今かの さぢあんがわが みにおくりし 一小石にのみつぎへ 十二 をくつがへさんことたまも のまへにもおとうじとうちにあやしきすがたあらはれ おもひながらもてわがみにそふよと見へたるは 凡人煙にてしんさてはいのりしかひありてかゝる べんふしきのじめめきどくを見せつるかたい をえねばこゝろのぐわんぜうじゆうたがひなし まゝになしがたしあらありがたやうれしやと あはれこれなる石くだんの石をふしおがみ にむかひいのらばなほもきねんをこらせし かならずさばかりの しるしなきことよもあ らじとこゝろづきてはやみ がたく夜ごとに人のねしづ わがみながらもあやし まりしころひそかにそのみ のへ屋のうちをびやうぶをもつて おしかこひうちにひとつの檀心をか ざり幣帛をたてかゞみをかけたる 中央野にかの石をすへおきあまた つゞきかゝるどくきをのこ せしからは霊咄なきこともわきまへかねて なかるまじわれむねしげ をたぶらかし此いゑくにくせものゆへこゝろをしづめて なほもきねんをこらせし がこれよりおりうはいつ となくこゝろに自得 みするよしありて むまでにさま〴〵 なるえうじゆつの たれおしへねど むねにうかめば いよ〳〵ころへ のともし火よろいの供物もかをそれ にたのも がまへにそなへつゝおりうはそこに ざをしめてもろ手をあはせ され めをとぢてこゝろのうちにねん ずるやうわらはゝかひなき おなごなれどもこゝろざしは おのこにおとらずひとたび □□□□□□□□ めうじゑなだなか〳〵 ことははかりがたまこと おもへども 今やときめく げんじのいき ほひ人のまな ほひのまな こびくらます ほどの此身にえたる や三ばくでんらいの ぎよくめんきう びといはれし身 のたとひめい のたとひめい へいけのおんために あだを以上へ 第34年37年 すうつきはてゝ なす野のつゆと きゆるともおん りやうばなほきへ やらでこれなる石にとゞ あら ◑きら まりあらばその身にえたる むやくじや めく金毛孫九尾次郎の 神通統自在哉を今より しつふやきめゝとぢたる きつねのすがたあらは わらはにつたへてたべとくりかへし まなこを見ひらきて れておりうのかげみ まなこを見ひらきて 石をはたとぞにらまへ 又くりかへしていづしんふらんに にそふよとおもへば ねんずること七夜路におよひ たるかゝるおりしもふしぎやう たちまちがたちは しかどつやばかりもしるしな いくつともなくともじおきつて きへうせてきへしと見へし ければしきりにこゝろいら かのどうみやうのいちどに ともし火のもとのごとくに だちてさてはかくまでいのり きへてあやめもわかず あきらけくはじめにか てもちとのきごとくも見へ ほどにこれはどおどろくお はりしていもあらねばさす ざるは石にはれいのなかりか りうのめさきへやみにも がのおりうも〽下へ まろめつぎへ 西国竒談十三 ひれ ま いらぬことなれ どもかちうの きむらひお ほきなか にて にくき 太郎かれ はとしなほ じやゝはい なれども さいちす ぐれしもの とありて あづまより してつけび とにおくり こされし ものなるゆへ むねしげも にせず されば ことを 又ぞりやく はかるに のぞみ わがさま たげと なること あらん さかな がらかの ものを手 だてを もつて ときまど はしもしも わがみの とせば龍かや につばさを そへたるごとく 此ぎうしう をきりした がへんもそれこ ぞこゝろのまゝ ならめ▼古の中へ ある日 その身の ふくしんと 文七ゟもと よりかれがてい たらくちうぎ 左へ 赤 又兵衛 菜な とよばれ たるふたり をちかく よびよせ てそちたち かやう〳〵 にいひなし 又しかぐ にはから ひてかの りう太郎をおくにわへ ともなびまいれとざゝ やきしめせばふたりの やがてそのざを しりぞきける ものはこゝろえて そも此ふたりを たれぞといふ にくね野と いへるはいぜん よりおりう のへ屋にめし つかはれしおくね とよはるゝもの なるがおりう がちかごろ りつわれて おかみ どほり とうや まは 見ゆれど まだとしわかきまへ がみだちいろにことよせ いざなはゞちうぎのこゝ ろをひるがへしわが身に かたんをなすべきかため して見んとおもふにそ よりこし もとなど もおびた だしく めしつ かふ身に なりしかば やがておくね こびきあげて 名をもくね野と して見んとおもふにそ 西国司訓十三 き いちのこしもと にはしたるなり又 あかなとよはるゝは かのあき風がめし つかひのおべかとよばれ しものなるがかれはお くせあるべきものなれは くねとあいくちなるにひと つびにおくね 左ゟしいはるゝゆへ がてんゆかずつ ぞんぜしかと おの〳〵たち にともなつれ 此おくにわ までまいりし にわれら ひとりを のこし おきふた りはいづ れへゆか いふを こなだに うちきく がとりもち にて □□□ 中ゟ もとのしゆ じんあき おりうのこしもと になるにおよび 風の あだと しれ ども さらに いとはず かへつておりうの あくじをたすけて 又なきものとめしつか はれしが此おべかは頬先声の ひとにすぐれてあうかりしかば おりうがわざとたはぶれに その名をあかなとつけしとぞ こゝのゑときし〽あゝこれふたり のおこしもとなにかは〽メント 西図了炎い三 かはとておめしなさると ×上ゟしらねど おへ屋さまのせつ しやにごようのすじあり にごようのすじあり くね かほを 見あはせ つゝともに につこと うぢゑみ さまには さいぜんから あの小ざしきで おまちかね あなたをおつれ まうしたことを おしらせつぎへ 正区平吉一二 しづらくこゝにといひすてゝふたり つれたちはせさりたるあとには ひとりりう太郎がまてども さらにおともなくいよ〳〵ふしん はれざれどもたちか らんもさすがにてしばし へにたづみつゝしづか にあたりを見まつせば かなたにひとつの小 ざしきありてかけ わだしたるすだ つゞきまうしてまいりませう れのひま とめき のかほりほのめくは さていとおもふほども なくかけたるすだれば まき あぐ れば には おやうさ がたゞ ひとり 手に花 ばさみを 下の右 たづさへつさへつゝ今 いけあげしはないけ のうめをながめてゐる ていなりしがやがてこなた を見かへりて一これは〳〵 りう太郎 さましば さましは ながらも おまたせ くつまづく これへトさしまねかれ こゝろならねどりう はかの山ざしきの ほとりへさしより 〽なにかごよう のすじあり とて口の巻へし 三の巻ゟ 女中しゆ ふだりをつかは されしゆへもの とりあへず まいりしが みまい らすれ ばおへ屋 さまのは さまのお そばに つきそふ ものもなきに 西国守慶十三 せつ しやが それへ それへ まいらん ことはよその きこへもうし きこへもうし ろめだしごよう のすじも候はゞ それよりおふせき けられよといふにおり うはうちゑみてハテ ものがたいおつしやりやう わたくしはちとおりいつて あなたにおねがひ まうしたいわけなど あれどそはではいは れぬごゑんりよな さるもしなによる ひらにこへトいざなはれ ヱいなみかね たなそう石 我がぜひな くひとまに うちとぼり 〽きてそれ がしへ おたのみ とはいか なるゆへ ぞト とびかく れば おりうは ふたゝびうち ゑみて〽ねが ひのすじは かず〳〵あれど ついうち あけていひ にくいまづ 此花紙 りう大さま あなさはなん とごらうじると 〽かのいけ花をゆび さししめせしこゝろ あかげないちごんに りう太郎はつぎへ つゞきその いをえね どわざと さあらぬ ていばして 〽せつしやは とかなればいやしき わざにはなれた れどもかくみや びたることはぞんぜず たゞうつくしき花とのみ はいけんいたすのほかは なしといへばおこみりはうち わらひ〽そのうつくしい 花ながらも野べに すておきさかせなば はなもきまゝにひら がんにみきをためられ ゑだはをきられもいけ の花とながめらるをもし此 花にこゝろあらばなにとおもふ でござんせうじふたゝびとはれて でござんせうじふたゝびとはれて ひたいをなで〽これはまたゐな おたづね草木□こゝろなごと いへどももし此はなにこゝろ あらば野べにあかつゝいたづらに 人にも見られずちりはて んより手いけのはなと此 やうにながめらるゝはいか やうにかめらせいい ばかりか花のくわぼう とぞんずへしトいふ をおりうは きゝあへず きゝあへす 〽はゞかりなが ちまう太さま そもやごはん だんがちがひませう たとへていつゞわらはが 身も今このはなと おなじこときみが手かけ のはなとなりくわほう めでたく見ゆれどもわび しきとこにすへおかれ こゑうるばしきうぐ ひずのはつねはよそ にきゝながら成中へし 十七丁 おくづとめ 世にこゝろ あるはかぜ のさそはゞ たとひいのち さへちりうせ るともいと思と おもふわらはが こゝろの うち さつして 以上ゟ ゑだにやと かすことざへ もかたい 屋かたの 右へ めにじつと りう太郎 をうちみ やりつより やりつより そへばこな たはおどろ きつきはなし □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ とびしさり つゝかたちを あらため 〽花に ことよ さまを さま〴〵と しやに たいしてび れきみのめぐみなるを ふかきごおんをうちわすれほかへ〽きへ らうのふる まひおんで しゆくんの しやうあい あつゝひとに うやまひかし づかれなに ふそくなき 身となられしゆ 西国奇談十三 つゞきころを うつさるゝはおのこ そのつみいかで こゝろあは〳〵 どうりにうとき いよもおはすましこれより にかはしきふるまひなきやう しかとたしなみ給はんと なら此ばのことは此 ばぎりせつしや ひとりのこゝろに おさめてけつして だにんにさたすまし かくいふうちもひと めありせつしやはも はやおいとままうす さらはじばかりふり きつて見かへりもせず たちさるにぞさすが のおりうも手もち なくわれにもあらで うつかりとあと見おく りてゐるおりしやうしろ にたてたる小びやうぶの でいはゝふゑふき のがるべきおふごは ものなりとてそれしきの ことこゝろえぬおんみにて のちはたはふれにもみだり かげよりぬつくりたちでる さむらひおりうはおど ろき見かへりて〽されかと おもへはくめん次さまそんなら あなさはさいぜんからやうす はあれにてきゝましたがかた いぢものゝりう太郎あの 手ではまいるまじ せつしやはかねて おんみとは どうふゝ ちうの 十七丁 ◑いれちゑせし しりよあさき大 ゑもんが手ぎわ にあらずさつ ずるところやゑ ぎりは日ごろ よりしやりう 大きにこゝ な ものかとけふまて はかたがひしが こひもなさけ もわきまへぬ あのわがたい 今のそぶり さすればきやつ がしこきともたゝ よする こむきにはおもはれ ▼い な ぬそれはともあれ かくもあれりう 郎めがあのやうす いけておめ〴〵 〽かへしてはおんとの うへのの だいじおどり かゝつて それがし がさし てない〳〵 おはなし まうせし とほり なす 大魚 もんがはづかしがはづかしな がらしうしいたしくどける めあのやゑかたへむりわうぜうにめとりしにかへつてねだて ぎりにのうらをかたれがたわものをばあてかはれしこなか〳〵に同右へし さらになびかねば手だてをもつてわが めにりう太郎あをひとしれずばらしてじやまを はらはんかじいふにおりういうちあんじ〽なるほどあな たのお手のうちではかれをしめびよくしとめんこと しさはあかとはおもはねどきやつもなか〳〵さまの ゆへまんにひとつもあやまちあらばけをふき きずをもとむるどうりわらはがけふのはかり ごとあれでゆがずば又かうとおもひもうけし こともありとてもこゝろにしたがはず こちらのみかたになるものならずば とほからぬうちつみをおはせかれ にいのちをおとさせるしやうは かう〳〵しかぐトみみにくち よせざゝやけばくめん次 もつていため につことうちゑみて 〽それこそまことに きたいのめらけい さらはせつしやも □□□□□□□□ そのときには かやう〳〵にこゝづ 壱貫 えて又しか〴〵 になすべきな ぞしめしあはせ てわかれける かくておりうは むねのうちに □□□□□□□□ ふかきたくみの あるをもて あるときしゆ つゞきふたごゝろなきそれがしがしるしがしがしがしがしがしがし 右ゟしげ はしとねをす べりさしよつて ×上ゟ一おし あてゝたゞさめ さめとうち ふしん ながら なくにぞ ●なげくは なにがこゝろ にきはりしぞト せなかを なでつ なぐ ◑二人 わざとなみ だぐむめもと をゑがほに まぎらして 〽イヱ〳〵なにも わたくしはなき ましたのでは ござりません おもはず しん しげが 諸の あかて ほんな めゐたる にあたか につき そふもの ねば よけれ とおり たちい でもの をも いはず さし うむ きたもと をかほに 〆右へ 西国午炎十三 □□□ ほこりがめに いりてトいへどこな たはかしちをうち ふり〽なかぬものか そのやうになみ だのでやうはづ がないかくさるゝ ほどわけが きゝたいどう とひつめら れして おもふ 目も倉を支え やつたりと あり さまし さいもいは ずうちも 西洋幸言丁三 いゞきなみだにふし かきんすこしもさたの なきうちにことおんびん しづみしがしば〳〵 のおとりはからびあそ とはれてかしらを もたげ〽おたづね かざれなば内ぎみの ありとて此わけを おんみにきずもつく まうしあげてはわら まじとおもひなが はがすまずさりとて いはねばなほすまぬ らもことわけの ちがひしことゆへ ほかでも ないきみ わけとまうすは むねの うちあけて いふもくるしき にはちか とろ わらは うちお さつしなさ れてくださりの をのみ ごちやう あいあそば されうちぎみ さまのおんもとへは わたらせ給ふことも あらねばおいとしや うちぎみにはたゞひとり いねのおねまのうちまく ねのおねまのうちまく らさびしくまします にや君のびおとこを にやしのびおとこ ひきいれて 夜ごとにたは ぶれ給ふやうすを はからずわらはが見 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ませトうち しほれつゝいひ いづることばは しゆしやうに きこゆれ どふかき たゝみの ありぞ とめしゆへあさまても 又なさけなく此ことせ けんへきこゆるとき はきみのごち じよく 龍 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 四国吉、嘉十二丁 一一一 為永春水補綴 一ねがたしいよ〳〵ごぎんみなされんと ならこよひひそかにそのものゝゑ のぶすがたを見そなはさばおん うたがひもはれぬべしトいふにむね しげうなづきて〽しからばこよひ 〽つぎしこゝろづくべき たちまちおもてに いかりをはつし〽さては わがおく二の町には せわしくとはれてことばをひそめ 〽そのみそかをもおほうたはそれと 見とめておきたれどわらはがまう すばかりではしようこにはなり 見あたりしだいくみこをもつ てからめとりきつときう めいなさんとてそれらの 手わけを▼ さるみそかをのあり けるかして〳〵あいては なにものぞト 朝 牛肉丸 牛牛肉ト 牛肉カ 梁 魚類 魚 一包金二朱 竈金一棟 小包百銅 第一ひいをおぎなひ じんせいをます妙 薬なればきじやくの 人常に用ひてよし 下谷さみせんぼり 対州 対州染崎氏製 ふしき 梅蝶楼國貞画 木虫木 アイバアノアイバイス 洲青香港 まち きやう おりうが こゝにいたか て又いか なかたくみ をかするその 次の編を 見てしらん めでたし 久 文 三 亥 年 新 鐫 むらさき十六編 十六編 十七編 根源實紫 十八編 柳亭種彦作 一寿斎国貞画 五編同作 大尾同画 娘庭訓金鶏 十七編山東京山作 十十編 十十編柳亭種彦作 五十一扇柳亭種 おくみ 同十八編抄川国貞画 琴聲美人錄 十八編歌川國貞画 総久部 十九編一川芳貞画 初編ゟ 五編迄 初編ゟ柳亭種彦作 春色墨田川 当年出板 歌川國貞画 十五編為永春水作 十六編 新増補西國竒談 爲永春水作 歌川國貞画 十七編 芝神明前 同様佐野屋喜兵衛板 地本繪草紙團扇問屋卅一丁目 三嶌町 一春水補綴佐の代 さいこ 新 僧 補 十一 国貞画 第十四編 一 春水補綴 上 西こくきたむ しふしへん へん 春水作上の かくに貞 まき ゑかく 佐の喜板 琉球国の一冊 只その心の趣く倶に。綴りて一時の戯墨となす。策子物語の うへにては。言でも闕べき事ながら。前輯十三篇の末に。阿竜が殺 生石を祈るの一叚。這は竒とするに過たらん。と看官憶ひ給は んなれど。同氣かならず相求め。同病自ら相憐むの。理を もて推すときは。毒婦が祈れる一念の。那妖怪の幽魂に。自然 と貫通するよしありて。終に妖術を得しもの歟。本編既に 藁成て。此半員の餘帋あれど。毎輯の序に誌すべき。言の葉 草の露ほども。あらざるまゝによしもなき。余計な事さへ述るになん。 文久二稔 爲永春水識為 壬戌孟春 勿論 西国音談十四 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 八代の別館に二町閑居の躰 西区吾言一切 十三編のつゞき ふたゝびとく むねしげはおく がた二の町ごぜん にはしのびおと こをひきいれて こびひきいれて 夜ごとにたはぶれ あそぶよし□ おりうがひそ かにつぐるにぞ いきどほりに たえかねてすゞ にもせんぎを とげんとせしかど なほもしよ うこを見 とゞけ給へト おりうが いへるもことはり とおもへはしば らゝむねをさ すりて日の くるゝをばまつ ほどにとかく するうちすで にはや夜もゐの こくにちかづく ころおりうが ひそかにしるべ 四八・〇・〇〇〇 十三編のつゞき○弐百五十五石 こくじや □□□□□□□□□ 物 をしてこなたへ わたらせ給へと いふにそむね しげはしのび やかにこしもと ひとりをともに めしつれその身 の居問物をたち いでてながき ちうかをうち すぎつゝいとはし ぢかなるひとま にいたるにこゝは おくがた二の町の ずまはせらるゝ おほおくとむね しげめすまは るゝ中おくとのさ こは四ツのかねのなるをあい づにいつもこれなるおにわを つたひあのおちうもんへはいる やうすこよひもおほかた見へ るじぶんしやしそれにと よいにてひろにわを ひとつとほれはかのおほ おくへおもむくべきにわぐ ちの中門或ありそのとき おりうはことばをひそめ 〽まうしあけたるしのひおと 百文十一日 むねしげをまづ かたはらにまたせおき そのみはしようじを ほそめにあけてやわ のかたをばうちまもり めもはなさずしてゐ たりしがまつこと半とき ばかりにしてあはたゞしげ に見かへりつゝ〽そりや 見へましたトしらすれば ふしんながらもむねしげは やがてこなたへすゝみより うじの あな より おりう とゝもに さしのぞ けば此夜は 月もくも はれて まひるの ごとくてり かゞやけるに いかあも がいへる にわの につら〳〵見れば にはからんや日ご あにはからんや日ご ろより忠義むるい のわかもつとおもひ さだめしりう太郎 が手にたつさへし いつつうのふみを しづかにくり ひろげ月の ひろけ月の あかりによみ ながらしづ〳〵 としてくる ていなるにぞ さてつと つきへ 西区吾訓十四 つゞきばかり おころきい ◑はやくあせたの をふた にわけ かのりう 右上仲が まへうしろ かもつむ つきてやにわ にからめ とらせんと すればあな やとばかり りう太 郎はきも をつぶせし くめん□いづ 一れにあるとく くせものを からめとれと はげしきことば にくめん次は かねておりう のないたを うけよに又 むね一げ のせ さし によりて どんがまへなしつゝさいぜん よりにわのにかけに たち〆□へ一 中ゟ しのひ まち けたる ことなれ のいかで かしべし もため らふべき いふより 〽かしこまつたと 西国竒談十四 かひくゞりあるひはうへをとびこしてしば いどむと見へけるがすきを見すめしひつ はばしかたへにしげりしあきくさのなかに たちまちとびいりてすがたは 見へずなるほどに〽こはくち をしくめん次がいよ〳〵つきへし ねばくめん次しき かにいらだちて くみこをいさめ はげましつゝそのみも ともにすたみむかひて のがしはせじとおつとり こむるをこなたはざらに ことゝもせずしつ手のしたを ほとりへよせつけ くせものを とりにかす といふことやは あるいづく つゞきくみこを 〽つゞきしくみこを かりたて〳〵しげ りしくさをかき わけてやあくゆぐ たづぬれどもつひ にゆくゑはしれ ざりけりむべなる かな此くせものは までのりう 太郎ならで 太郎ならで かねておやう がせつしやう せきをい のりてえ だもえう じやい にて しけ のこゝろ をばまど はすまでに りう太郎 がすがたを かりにあらはし たるなりとも しらざればむね しげは此ありさま を見るよりも ます〳〵むねにすへ かねてしようじけひらきあらはれいでいか れるこゑをふりしぼり〽いひかひもなき やつばらかなあまたのにんずてありなからゆ 百文十一日 せをかへすははゞ かりながら それがしくみこ にまうし ふくめ □□ ねがたを さんとせし のみかそれがし さへもすゝみ むかひてともに ちからをつくせし ことゆへぶゆう すぐれしりう 太郎とて此太に いたりやみ〳〵と とりにがすべ きやうは あら ねどいかにせん かのものはときにのぞみ てすがたをかくすろう じめいなんとをえしのの さらずばいかでかつぎへ 丑四十三日 つぎ あきくさ のわづかに しげりしその なかへとびいりし とてたちまちに とく見うしなふべきやう もなしごけんりよあ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ いふにむねしげ ちあんじ〽なにさま □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ われもさいぜんより かれかやうすを うかだび かせにけぶりのきゆるが くみとを あいてに 十九 ざりしにわづかにわづかにせまき にわのうちをいづこよりして にげうせしとも さらにすがたの 見へざるしはなんぢが すいりやうないたる ことくかれはえう じやつある もいかさある ときには ぬくせ 手をもつ てふたらび 二の巻へ の巻上 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ はづとかしこまり 手のものひきつれ いでゆきける ○こゝにまた ちはわがきみ にたてまつり たるものなるを ふたゝびせつしや とりの 同十一丁 きはめ てはせむかはんにたとひかの ものなにほどのじやほうをもつて やけんとするともしやはよくせいに かたざるを此たびこそはなか〳〵に ふかくをとるべきやうもなしもし そのうへにもとりにがさばいきて ふたゝびわがきみにおんめどほりはつか まづらしいふにむねしげうちゑみて〽をゝ いさぎよきそのいちごんかくてはしそんじ よもあまじもしそれとかにも手にあまり とりくびになしつゝ もちかへるとも なんぢがそこつと おもふまじはや ゆけ〳〵 にぞくめん次▼ 百図不炎一曰 ほどありて けつぱくりちぎ のさむらひなる がつねにりう 太郎がつぎへ あつくことさら ぶんがくぶじゆつ にもくらからぬ をふかくかんじ ひまあるときは かれがもとへゆき かよひつゝなに くれともの がたりなど するほ どに つゞき 西国等記十四 あり もべはめし つかへどこれ らはことばかた ざるにせつ まうしさけ られよととひかゆめさめたりもと けられてといきよりゆめははか つき〽おもひうち にあるときはいろしろにとむべき ほかにあらはるゝやうはあらねど とやらおたづねさくやにいたり にあづかりて まういださは まうしいださばゆめをば見たりし そのもとのふかばさすがに がひなしとやむねのやすからず おぼされんがつく〳〵おもひめぐら それがし此すにそくたいはたゞ ほどゆめのひとのちやくすべき うちに身にものならざるを 東帯□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ のみならず とりに なる山鳥踏またがり にうちまた またがり なか がりてなか ぞら ぞらへのぼかし にまひ ぞらへのぼかし ていを見たりしが あがりし そのあやふきこと たとへんかたなくかし ちにいたゞくわり よきつれ〴〵 のあいでと おもへばへたて なきまでまじ はるにぞ此夜も 又せつの助がれは のごとくにきたりし かば一とう太郎は よろこびてひとま のうちへむかへいれ かねてこのあるみち なるにやみづから ちやをたてすゝめ などせしにてな しふりにせつの助 はよろこびうけつゝ らくときをうつせしが して見るところつねにかはりて おんみのかぼいろものおもはしげ におもはるゝにおり〳〵たんそくせう るゝはこゝろにかゝことありてか又 ばやまひのわざなるかまじはりふし うちのみてさでよも やまのものがたりにしば なにおもひけんせつの助は りう太郎のめんていを つく〳〵見いいぶわげに〽こゝろ えがたし木むら氏さいぜんより かきそれがしなるをつゝまで 三月十一日 するをいく たびとなく そでをもて うけとむる よとおも ふうち ▼右の下へ やとは われ〳〵 のおん見いだしきへ はいなるにあつまに ましますむねたかぎみ にはふさ はしからぬゆめ なるべしされば こそあやうくて くわんむかさへも いくたびかお ちんとまでは せしならんこれ によりて又よく おもへばそれがし としなほじやく 七 西国帝詠十四日 まり しげぎみ のおんつけ ◑ふさは たいやゝに いやしき此 身にそくだい をちやくせしに なほご □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ とてもきみ とてもきみ のげんめい いなむべきこと ならざれば しんめいを なげうちて こゝろいつ はいつとむ れども身 七十一円 十九日 ふしやうの それがしが つきそひ たてまつれる ゆへかまう すもおそれ あることなれど むねしげぎみ にはおんみもち いぜんにかはり てよろしか らずすじやう しれざる おりうの かたをひた すらちやう あいまします にぞかちうの ぶしのその▼ 百図午炎一ヨ 十九月 ▼うちにもおのが ゑのりをもとめんと するねいかんじやちの ともがらはひたずら おりうにこびへつらひて しゆつとうなすものすく なかちねばかれがいき ほひさながらに内ぎみ にしもいやまさるは おいゑのみだるゝ もとひとおもへば それがしことになぞ らへており〳〵 いさめまいら すれどもしやく はいものとあな どり給ひて おんとりもち ひたらになく なほ此うへにもよろし からぬおんふるまひのつの らせ給はゞやくめのおもてたち がたくあづまにましますむね たかぎみへせつしやがせつぶく なすとて もまう しひち きは 介 己巨子吉一口 つゞきたちがたしこれをおもへばかの ゆめにあやがきていを見しよりも なほもあやうき今の身のうへそれ とてもたゞそれかしが身ひとつばかり のことならばいとふべきにあらねども おいゑのだいじとしりながらうか〳〵 としてあるべきやうなしこはいかに してよかちんかとひとりいたむるこゝ ろのうちいつかおもてにあらはれておん身に あやしみとつれしなりといふをうちきくせつ の助かけにことはりとはおもへどもかれが こゝろをはげまさんとおもへはわざと うちゑみて〽おん みはわれらにくら ぶればとしてそ よほどおとゝ なれぶんがく ぶじゆつ紙ろん するときは わざも きりやう にそれがし にははるか にまざりて あになりと日 ごろはおもひゐたりし にめゝしきことをいはるゝ もうなゆめはこゝろの わかくとなるをそれらの ×上ゟ てまくら につきし かどこよひ かどこよひ もねぶらば かのゆめを 又もや見んかと おもはるればな にとやらんこゝつ よからでなほ ねもやらぬその おりから まなこを いからしこはした ながきそのいち ごんおぼへあり ともあらずとも きみのおふせを かうむりてめし とりにきたそれ がしをそこつの ふるまひなん どゝはかみを おそれぬ だいたんもの じんじやうに うでまはしなわを かゝらばそのとほり 第二十一日 ことよりおもひくしてみづからむねを なやまざるゝはだいじやうぶたるきましひ にはにあはしからぬことならずやたと へばきみのおんふるまひたゞしからざる ことあるをいさめてもちひたまはず とて臣がたるみちだにうしなはずは おんみのおちどゝいふべきかたゞこの うへにもこゝろのとけくおり〳〵ごとに おこたらずごかんげんをくわへられ なばつひにはきみのみころの あらたまらざることはあるましかへすぐ もはかもなきゆめなどこゝろに もはかもなきゆめなとこゝろに とめたまふなトいはれてうな づくりう太郎〽まことに しかりけいらへしてはては よだんにおよぶほどに はや女へりのも すぎしかば〽又こそ おたづねまう ざめとてわか れをつげつゝ せつの助は わが民をさし てたちがへる にぞりう 太郎もひと まのうちへ おのがふしとを もうけさせ▼右のまへ 右ゟ 〽しよう い〳〵まば はりつゝあまた のにんずのこ みいるていゆへ なにごとやらんと りう太郎がおき あがらんとするとこ ろへさきにすゝみし くめん次がゑしやくも □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ かとめこつてさせんへひくはやそれがしが うてまづせしよばはるにぞよき はねのけてりう太郎おき なほりつゝことばをたゞし〽おもひ よらざる此ちうぜきだとひ しゆくんのじよういにもせよ此 身にとつていさゝかもふ忠ふき のおぼへかしそこつの ふるまひいたきれな トいはせもあへず つぎん なさでまくら もとなる びやうぶ けひらき いかね 百円千癸一口 正届吾妻一口 とるかゝごいたせトとりかこむをものともせず手 ねめづくれどこなこなたは見つゝ たはちつともおゝあざわらひしふ するていなく〽さてきやう さんなるその おろかなり くめん次おんふるまひ うたがひの すじあらば あざわらひ ないひつゝもつばな しもの 左へ のことくかこまれし◑ つゝきさせてからめ□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ものともせず手 ばやくむすぶかみ ぢう しよへ めしよせ られまづ ほりは ほりは おたづね ありで ありて らき くばたいとう をめしはなされ そのときなわを かけらるゝこそおほ やけのはからび ひも もろともに はせむかひから ひさまづき〽おふ せにしたがひ せいふにくめん次 なれたゞいちごんの しつかとたば しさいものべすぶし 〽りふじんさみてしづ〳〵 たるものをりふじん としてゆかんと にからめとらんと んととしてゆかんと にからめとらんととしてゆ からめとらんととしてゆかんと にからめとらんと するにぞさす ひしめくをそこつと がふてきのくめん いひしがあやまり 次もかれがふ さはさりながら ゆうにきをのま おんうたがひを かうむりたりと れて今さらから きゝからはかくて めとらんともせす あるべきやうも くみこにぜんごを なしいざもろ かこませたるまゝ がめ〳〵としてあと ともにまいるべ につきやかたを ければこぜんへ あんないいたさ さしておもむく れよトいふより ほどにまち はやくたちあがり もうけたる はやくたちあがりもうけ もとい おびしめなほて むねしけ しめなほてむねしけ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ さみてしづく 大小をこしに しつかとたば 長羽喜 が此あり さまを見る とつて身にまとふ を〽あれにがすな トくめん次がさしづの次手ぬるし したよりくみこの したよりくみこのなにゆへに めん〳〵はつとこたへめしとりきたれ てあらはれいでもつといひつけたる たる手やりをうちふり うちふりりう太郎が さいうぜんごをやりぶ すまにでおつとり よりも〽くめん めとらんといた なれたゞいちごんの大小をこしにめと せしところ りう太郎 がかれこれ とまうし あらそひ きゝいれず ごぜんへすい さんなさん と▼右の方へ といひつけたる りう太郎に なわをもかけ 〽□わがめどほりへは つれきたりし 西国新英十四 ▼中ゟいふゆへもしあら だてゝとりにがさばいち だいじぞとぞんぜしかば くみこのものにとりかこ ませめしつれまして候ト いふをうちきくむね しげがいかれるこゑを ふりたてて〽やをれ 木むらりう太郎 なんぢけらいの なんぢけらいの 身をもちながら あるべきことか二の町 といつのほどにか みつつうなし みつつうなし 夜ごとにかれがねやの うちへしのびてかよふ よしなればなんぢが しのぶみちすじへ こよひそかに くみころふせ おほすれば たしかになんぢ ゆみと めしゆへに くみこを とらんと いたせしに そのほう かねて えうじゆつを まなびえたりし ものとおぼしく すがたをつきへ つゞきかく してたち まちにその ばをのがれ さりたること こはいはずとも そのほうがむね におぼへのある ことならんくめん 次はやまう 太郎がたい とうもぎとら なわうてト さしづに元 たりと くめん いら だつむねしげ 次が 〽おふせ なるはト いひながら おどりかゝつ てこしがたな をうばひ からんとする ひいりしを此ことは三の巻へつゞく 〽イヤお手むかひは つかまつらねどこゝ ろえがたき今の おふせ白ぎみさま どそれがしがみつつうへ なせしとあるのみか こよびせつしやがしの ところをひづ ここめん ばつしつゝくめん 秋のゑりくびしつかとりう 郎がおさへてあつともうで こねば〽手むかひなすからせ 國貞画 春水補綴 西国 一十五編までの赴は前巻の末にあらばしたれば爰にいはず扨「六曜はいそ平 義によりてその玉を害す和次郎火の仇とし出て互ひに義気ある物がたり 奇談 春木補綴 国貞画 荒太夫非を協て爰に往事を詰るにいたり円山の娼妓韓衣が事智大 これを根門して磯馴と喚更側妾とせしに荒太夫が落通せんとてさま〴〵 悪計をめぐらす話終に善悪判然として矢嶋の一段小結局にいたる 十七編は阿綾阿竜の許にいたりて母子再会の事より記り又宗重を 四腰かんとかの涛し処の妖狐の術にて館に種々の声をあらやし。忠罪を退け佞臣を 挙け家政を阿竜が随意なすなど這は十八条にも渡りぬべし 根源實紫新刻概略作者柳亭種彦画ユ同前 十五編坑業なる穴人の買し宝箇番皆香聞諭く宣孝に托す野洲児詛籍されて貴 式評寛を受十六編式神壽祖秩手子等が隠謀を露はし御席自截て事 が汚名全霊まり黒白判然兇悪皆戮せらるつぎて少将が貞節惟規北国 にて死して又蘓高十七編大貮三位生れ宣孝病死花山法皇の御伝大かた 此編にて全備り式部源氏物語を作り上東門院十奉公十八編以下追て記すべし 国貞幽 下 西國竒談十四編 外題曲万五郎 五十一 西国 一拾四篇下の巻為永春水 奇談作歌川国貞画喜よく堂梓 □□□□□□□□ 一〆 二の勢つゞきしからめとらんとなされし にえうじゆづをも丁めがれしなど とは此りう太郎が身にとりて つゆちりぼどもおほへなきと 半ぶんいくせずかうべをうちふり 〽ヤしらぬとは まうさせぬ (レ連 □□□□□□□ ゆふ きの あい のこの 町をとく〳〵 これへめしつれ よりことばにしたがひ つきのまよりかねておりう がふくしんとたのみきつたる こしもとのくね野あかなの 両人がゑしやゝもなげに二の町 をひきたてきたりておしすゆれ ばわけはしらねど二の町はねまき のまゝにしどけなきすがたを ひとに見らるゝさへおなごごゝろの おもへばむねもやすからでことばもはくて さしうつむくをむねしげは見てまなとびも はづかしきになにとせらるゝことやらんと 百国干災同四日 のいからし ほどにかみつつう なし夜ごとにしのび あへるよししようこ ありてふんみやうなり もはやのがれぬまつそゞ にあかしてつみにふく せずやトあたまくだしに のゝしりせむれば一つざへ 子官吾吉一 はら〳〵とおつるなみだをふり はらひ〽こはおなさけなき そのおふせいかにたしはぬ わらばでもおなごの みちはこゝろえ はべりことさら あれなるりう 太郎はおもて あまりのおもひがけなさに きもをつぶせし二の町はあきれ ことはもなかりしかたまりかねてや つゞきあまりのおもひがけなさに一入上か」もんだうにもおよ つでつみにふくさしめんに これのみむねんに 太郎はおもて をつとむるもの なるゆへついぞ なるゆへついぞ これまでひとこと のことばをかはせしこと 同右衛門 さへなきをふぎみつつう おもへどもわれ とはなにごとぞわらはがむい もくぜんにりう にくもりなききよきこゝろは あるていたちくを見 神かけてつゆいつはりははべから ぬをおんうたがひをかうむか しはさがなきひとのさかしらう ておぼへあらずといへば たとひいのぢをめさるゝとも とてのがるゝみちのあるへき かなほ此うへにもはくでう 此ぬれぎぬのかはかずはわら はがいちぶんたちはべらずせずはじつをはかするせん すべありもいども二の町 なにをしようこにあそはすべありもいども二の町 りう太郎をひろにわへ してふきいたづらとはのたりう太郎をひろにわへ まふぞはゞかりながらひこひきいだしわがめどほり とほりおきかせろみれて くだきりませといふにこなはけしきさづに問左へ 太郎が君のびいり とめしうへは身にとり ながらそれが がひとことまうじあげ だきことありしばしく しげに四左衛門 いひつといひつもいそがは 右ゟせつの 〽それかしこよひ□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ おたはしりいで つよろ手をつき 太夫 あかな がひき ひ見へ とまび まいらせし とおくご あはたゞしき てんより 同 一七 たはいよ〳〵せきたち 〽此ごにおよびて こしやくのいちごん さほど しよう この。 あいせにものも とりあへずすい さんながらおつぎ までまいりて やうすを うかゞへは もつたい なくも内 ぎみを きかせん よくきゝ べしかやう〳〵 のことにより りう太郎が 〽おくでんへしのび いらんとしたりしを からめとらんとなす ところにかれはふしぎの えうじゆづありてそのばは のがれざりしかどたしかにそれ とめんていを見とめおきたる のみならずそのときかれが しよぢせしふみはそちがもと よりりう太郎へひぞかにお 内右衛くめん次がはじめの 手なみにこりもせず はつトこだへてりう太郎 がほとりへふたゝびたちかゝ ればくね野あかなの両 人も二の町ごぜんのほとり くりしたまづさならんたゞうらむ らくはかのおりにせめてくだんの ふみなりともうばひともつゝ おくならばたゞいちごんの へさしより右ひだりより 手をとりてやゝびきたてん とするおりしもつぎのひとまを こゑありて〽おそれ〽おそれ 右ゟ ひばんゆへやど にきうそくつかまつりしになにか はしらねど内ぎみをくね野一郎へ 西一國竒談十四 つゞきめいぜられたるそれがしがうけた まはりてはそのまゝになか〳〵もつて うちすてかたしこはそもいかなるしさい 面下いはせもあへずいらだつむねしげ 〽いらざるところへせつの助さりながら そのほうがやうすしらぬとある からはまづひとゝほり いひきかさんつみ まれなるひはんをえたりしかば りう太郎がもとにいたりさよふくる まで今むかしのものがたりなどなし つゝもたちかへりしにほどもなくおくごてん よりしらせにつきすぐさましゆつし 一かまつればなか〳〵もつてかのもいが ひろにわさき までしのび ものを ぬす □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 一上ゟあるべきにしも ざまの手にかけでがう もんせよしのたまふはきみの ぎよいともこゝろえずもと よりしまりをかたくそう じんきびしきおくごてん 〆 ものならん しのび いりたるくせ をめんてい こうりう 太郎ににたりし ゆへにかのものに はんうたがひの かゝりしものか よつて ふたり めいな せよいひつけしがよも あやまりにはあるまじと いふをうちきくせつの助 がそれはとばかりおどろき しがしあんをなしつゝかたち をあらため〽おふせをかへす ははゞかりながら内ぎみさま にはたれあらう関白宗太郎 のひめぎみにてなみ〳〵なら ぬおんみのうへさすればきみ にもなほざりにおぼしめすべ きことならねばたとひよからぬ おんふるまひのまさしくありしに こときはまるともまづおんびんの ごさたをもてあそばしかたも 百国十大人一日 たとへばそとよりいかばかり しのびいらんとしたれば とているべきたよりは あらざるに わけて りう太郎が 一日ごろのせい あつきに めでもひ がひを はら たまへ かれに おいては ふやつらへ ぎをはた らふべき しんてい ならずと いふことは 身ふしやう ながらせつ やがしよう にんかれだに かくのごとく なるにまして 内ぎみさまなどに させるまさなきおん ふるまひのあるつきへ 正匡言言一口 ところもことはりなきにあらね どもしのびいりたるくせ ものはりう太郎が めんぞいにまきれ めんていにまきれ あらずと見と めしがらはわが うたがひははれ がたしさねでも なんぢがいさや 一もあればふたり あんあそばさるゝやうひとへにねがひ たてまつるトいへどむねしげかしら をうちふり〽そのほうがまうす つゞきやうも候はずなにとぞ みこゝろやはらげられとくとごし 上ゟようしやをくわへんがさればとて 両人を此まゝにてはさしおきがたしわがうた がひのはるゝまで二の町は八代堺なるかの べい屋いたにこが べつ屋かたにとぢこめおかんそのほうも べつ屋かたにとぢこめおかんそのほうも つきそひ〆左へ 山よりう太郎が そばへさしより 〽さて〳〵 よぎ なき 此ばの あり さま わどの によこ しま なき なすことはいか 〽なすことはいか にもおもひとゞ まるべししかり とて此まゝにて はようしやなす べきすじならねば どもかくべつのさたをもてせつふくまうし つくるなり此むねきつとこゝろ つくるなり此むねきつとこゝろ えよトいふをふたゝびせつ の助が〽こはまたきよい □の町はりべついたすとく〳〵 みやこへおびかへせ又りう太郎は 八ツざきにもいたしくれたきものなれ 又右よしゆきてきつと つゝしみまうしつけよ りう太郎もそのごとく 身のけつばくのたいまで はしばらく士官毛を めしはなし矢嶌慶に るざいまうしつくべし あらしはせつの助みう かくてはよもやいはいは ともおぼへまりたず今 わがきみのごいせいつよ くりんごくまでもおそ れなび〳〵もひとつには くわんばくけと ごゑんをむす ばせ給ふがゆへ しかるをみりゑん あそばさばみやこの おんしゆびよろしかるまじ 文これなるりう太郎こと ごけらいとはまうしながらあづ まにましますおんあにぎみの おんめがねをもてはる〴〵ときみの ものをおんうたかひはかうむるともいまだ そのつみきはまらざるにぜつぶくおふせ つけられなばあづまのきこへもいかゞなる べしまことやつみのうたがはしきはばつ せずといふほんもんあるをくわん じんたいとのみころもてたゞ おんびんのごさとこそねがはま ほしうぞんずれとことばをつく していさむるにぞどうりに かめられむねしげもさすがに あにへのきこへをはゞかりしば やはらげて〽なにさまそちがいふところ もつともにきこゆればなほもまえ もとへつかはされたるおんつけびとにてある しあんのていなりしがわづかにおもてを 百因十七一ヨ 太郎がこしへるたいたう もぎはなしとゝ〳〵ふねに うちのせてくだんの しまへつかはさずや いはれて今はいさめ かねたるせつの 助はぜひなくも 助はぜひなくも 太郎がこしへるたいたう それがしが しよう にんとまで なりたれ とも きかるゝ □□□□□□□□ きみ □□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ しまにいたり 身のけつばゝ をたてられよ いひきかすればりう 太郎ちつともおめたる 一けしきなくだん〳〵つきへ 十四 四国吉計十四 あつきあつきおこしあつき 身にこりてかたじけなし 十一 いさゝかおぼへなきことなから おんうたがひをかうむりしと ときのふしやうとぞんずれ ば今さらにせんすべなし それがし此ほどみよさまで ゆめにやまどりにのりしと 見しがその山鳥堀の二字 口をあはせ一字になして よむときは烏紫にのる とのさがならんを今 こそおもひあはせしなれ いざふたこしをおわたし まうすよきにはから ひ給はれとこしにたい せしふたふりとかみ しものかたはねのけて いだすをそばからくめ ん次がいざそればがら さしでるをせつの助が 見かへりて〽アヽせつや にこりはからへとぎよ いをかうむるうへから はわどのゝおせわいたの みまうさぬおひかへ なされトやりこめ つゝかいふたみを みづからうけ その 身も つき そひいた るにぞ ことはてゝ むねしけ もそのみの ゐまにしり ぞけばあと にのこりし くめん次と くね野あかな とりせかに けいごのやく しか〴〵とことのしさ いをいひふくめりう □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ にんをよびいだして 太郎をばわたし つかはし又二の町が ねまぎすがたに とりみだしゝゐら るゝをこしめとがも にいひつけて見 ぐるしからずとり よそほはせびと まづおくのごてんへ 百国千英一口 は手もちなく すこ〳〵として これも又しりぞき さらんとする おりしもかたへ にたてたる 一兵衛 まのみを をひそかに おしあけて かほをさし いだし〽こん 次さま□ 小ごゑに よはほと ころたは たち 〽さては もさい そこで やうすをきかれしかまんま としゆびよくやりかけしに いらざるところへせつの めがでしやばつた〽つぎへ 上豆 正信吉画一口 ゞきばつかり でいふにおりう はうなづきて 〽あのりう太 衣をなき ものにして しまはぬは のこりをしい が流人死に あたりじやま をはらふた やうなもの そのうへに かのしま □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□ かる嶋守 妹にて伏 もいにて備 周防荒太 友部郎といふ したればさし ものはごうよく ひどうのしれものなるよし かれにひそかにものを おくりたの まば〽まへ 以上ゟ かならず りう太郎が かへりえぬ いきて ふたび しゆだんも ある せう いふに くめん次うち ゑみてその きはせつしやが こたつえたり とうじいき ほひならび なきおへ屋 さまの四の表也 うちのせられてくだん けいでのものにとり かこまれひとつのふねに なしまにいたるにぞしま あづかりの下司芦と鬼面 物に毛早太けはやとよばるゝ ものけいごなしたるもの どもよりりう太郎 をばうけとりてしまも しほ風あら太夫がめ どほりへひきつれきたり ことしか〴〵とつぐる に□あら太夫はきつ と見て〽馬にん りう太郎 とはそのほう 三の巻ゟおこ かしからば ゑがりと まうしきか いふてやらば 〽かのものもりつしん しゆつせがしたさゆへ ものをついやすまでもな よきにはからひまするへ ひつしやうせつしやにおまる せなさりませとしめし あはせてわかれける それはさておきりう 太郎は身におほへない とがめをかうむり するとあか はじめく 此しまにな がされきたる つみひとのある ときはまづその ものゝそびらをば 百枚髪うつを 百枚をうつき おきてとすされ どもその身に まひありてつきへし 西国午炎十四 注意一覚一言 いない □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 十六 同巨三吉 〽きうた しろをいだす ときはしもとを ゆるすこともあり 見ればなんぢは まへがみの□□ にしても見 おほしき いとよば〳〵 しきすがた なるにおき てのしもむち るゝことのしのひ〳〵 がたきはあがなひ なは しのび がたからん がたからん ぢでくの さたまね ■UHISI 「「レントン らの あらば あがな ひしかり をさし いだせその かねのた くわにより てはしよもと 近ゆるす 御右の下へ 白目千疋一勺 のみならず しまのうちにある あいだは身を やす〳〵とくらさ 申すべし すべしもしそれ □□□□□□□ ならずなほ ともにたくはへ なくばしもとを くはゆるのみ からきめ をも見を べきぞと おどしかくれ どりう太 □□□□□□□□□□□□ ともおそ るゝけしき なく から うち わらひ 〽なんぢ のしま にて あまた のるにん をあづかり ながらわた くしのり よくを きん〴〵 をもて かり そめ 一田国吉副十四 つゞき おきてを もてあそぶ ことおほやけ ならぬいたし かたたとへば われに百 万のたく はへのもね あれは 上の左ゟしし へはつかはさ れしか と〇 磯 十五人 ●なみ〳〵のるにんどもと ひとつに見らるゝものにあ ちずさればなんぢがもて あそふ▼ せかほに にあはぬ だいたんもの そのしたのはい のかはかぬうち かれがほねみに こたゆるやういそ ▼しもとを うくべき身にあら ねどしまのおきてと きゝからはわれからず らんやうもなしさいわひ 平とら〳〵うち なやせじがみ なやせトかみ つくやうに いひつくれば きゝからはわれからやにいひつくれば かたへに かたいはかたるをあんまを しもべ とらするこゝろにてうゝみて えさせんさアうてトおほはだ はいかりにえたへずいよく こゑをふりたて ぬいですゝみいづればあら太夫 一 } 右ゟ半せんたり ともあたへんや もとよりわが みにつゆ ほども おのせる いみは あらね かどもおん うたが ひを かそむ もしかば きみの ごぎねん はるゝまで これなる女右の中へ一 〽五日 百文十一日 □□□□□□□ なさで りう犬 郎がそび らをのぞ はとし ごろ つにて きたび あげたる からだゆへ うついそ平 が手はしび るれども りう太郎 はつぎ下 一同四十一日 つゞき〽しじやくとしてかほのいろさへさらに へんぜずすでに百むちうちおはれば しづかにかたをゆりうごかし〽これで おほきにかたがゆるんだたいぎく トうちわちひぬきたるはだ をおしいるゝをけんぶつなし たるあら太夫はさながら むねはもゆるがこときいきど ほりにやたへざりけんみづ からま □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ▼にわへおり たちてめをいか はしつゝ申るにん おもふにまさりし しぶといわつ すめまづ百 むちはそれ にてすめど なほ今ひと つのおきて ありおほよそ しまにき たりしもの にはひた いにひと つのやき つんをおし 左のしよくろくろくをも てうだいなせる身ぶんゆへ 今かくるにんとなれば とてたくはへのかねあるべし きにまづそのかねを してやらんとたちまち よくしんきざせしかば うちうなづきつゝことばを やはらげ〽いかさまそこ はそれがしのごくない ぶんのとりはからひ にてまづとう ぶんのところをば さしのべくれることも あれどかの百むち とことかはり すこしの かねでは ようしやは ならぬたくはへ もてるあり かぎり 見せな うへにてこゝろ えかたもある べきにトいは せもあへず りう太郎 わがあづかりししるし とす又これしまの さほうなれば今それがしが 手をもつてなんぢがつらへおしてくれん こちむきおれじいひつゝもかたへにありあふ 火ばちのなかへかねてさしくべおきたりけん ほのほたまちるくろがねのかのやきいんを たつさへきたり里う太郎がひたいを めがけおしあてんとするそのところを身 をかはしつゝあら太夫がこふしをしづかと とりとゞめ〽しまのおきてとあるからはのがるゝ みちはあらねどもさいぜんわどのゝいはるゝには かの百むちさへかねをもてあがなふときは なるやきいんも ゆるさるゝよしさすればこれ かねにて しや せみ れん いふを うちきく あら太夫 がはらの うちにおもふ やうかれさいぜんの 百むちはがまんつみくも たへしのびしが今 ………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………… かきがねを だされしには さすがにおそ ●ものならん きやつはもとこれあつま よりつかはされたるつけびと なるよしさすればあまたの 〽ばかり かやきいん までしま のおきてをあき びとがうりかひなんど するやうにきん〴〵を もてとりあつかふさる かろ〳〵しきやきいんを わがめんていにいかで かおさせんそれつぎへし 西國竒説十四 今にもしやめんをかうち て屋かたへかへりしそのおり からしゆくんにかく とごんじやうなし事に んをしへたげくるし むるなんぢがつみを たゞすべしかくても おすがおさゞるかと いひつゝ 〽つゞき一ともたつておさんとせば 右ゟ とつたる かひなをば ちからにまかせ てにぎりしむれば りのとうぜんにとき ふせられたるあら太夫 今ざらにかへすことは もあらざるにとられし こぶしはさながらに みしはさなからに くだくるやうに くだくるやうに おぼへしかばかほを しかめつしばら くはよはみを 見せじとこらへ ゐたるがはや たへがたくや なりにけん いとくるしげ なるこゑ □□ たて〽さ ほどにまうさばやきいんは しはらくゆうめんいたして くれんはなせ〳〵 もがくにぞさも〆右のこと 入上の女ゟこそあらめと りう太郎はあざ わらひつゝつきはな せばそのかきりやう にしたをふる ひしあら太夫は われとわがこぶ しをもみやは げなどしつぱら ふくちしてゐたりし がまけるぎらひ のごう じやう おやぢ こなたを きつとにら まへて〽さてばか ぢからのあるやつ かなわれそのちか らにおそるゝゆへに かのやきいんをゆる せしならずわが ないぶんのなさけ なるをかならず あだにこゝろえ なそれにつきて 又ひとつまうし きか □□□□□□□ あり すべて 此しまの るにんどもは しほをくみ たんだゞ きるを にち りてたきゞを つとめと せりされば なんぢも みやうにち より山にのぼ きりうみに のぞみてしほを くめもつとも たきゞ五十ばに しほ五十かをつぎへ 西国奇説十四 つゞきいちにちのつとめと さだめつかはすべしもしおこ さためつかはすべしもしおこ たりてしばいちわでも ふそくなさばゆるしがたし 此むねきつとこゝろえよ トいひつけちるゝなんだいを きすがるにんとなりし身の いなみがたさにりう太郎は しようちのおもむきへん とうなすにぞあら太夫は うちうなばきかのいそ平 にさしづして今まいりのね 刻牛肉五 大包金二朱 中包金一朱 制 牛肉丸 件、 小包百銅 第一ひゐを補ひ じんせいをます妙 薬なればきよしやく の人常に用ひてよし 下は介さみせんぼり 対州 屋敷 染崎氏製 梅蝶楼國貞画 杜蝶楼國貞画 高永春水作 りう 太郎を 事にん 小屋へぞ つかはし ける ○これより 早う太 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 郎が身 のうへの ことこゝに いだせし 画のわけ なんど 十五編に つゞりなし 引つゞい て出板 なすべし めでたし 〳〵 浄書 青洲 新 同 文文 亥 年亥三久文 年 鐫 録 源實紫 十六編 亭種彦作 十七編 十八級 寿斎国貞画 五編同作 娘庭訓金鶏 大尾同画 おくみ 総次鍋 十七編山東京山作 十八扁柳亭種參作 却テ顔ト声ノ手人銭十八編勘防 琴聲美人録 一乙扁歌川國貞画 十九編琴 十九編十九編十九編 初編ゟ 五編迠 春色墨田川 柳亭種彦作 当年出版歌川国貞画 十五編 十六編 新増補西国奇談 為永春水作 歌川国貞画 十七編 芝神明前 轉佐野屋喜兵衞 地本繪草紙團扇問屋 三嶌町四 七十一 申上候 同和五編飯元春鶴堂 同断弐文献 春水補綴国貞画図 春木補綴 上 西國竒談 上 十五編 之巻 為永春水作歌川國貞画 内人奈尾 一 〽善進めば一悪退く。実に陰徳には陽報あり。と思ひながらも 浮世の凡情。慾といふ字に惑はされては覚へず罪を作るもあり。 這は是眼耳鼻舌身の。五ツに觸て起るところの。那貪嗔痴の世 三毒病なり。是を治するの良薬とて。儒家には経典。佛家の 方便咸能書に詐りあらねと。呑者口に甘からねば。醒るにかたき 无明の生酔どころを作者が匕加減。まうす程にはいたらねど。甘き 言葉の假名草紙。所謂神祇釋教に。恋もいさゝか加味すれど。 不良の姦賊不貞の淫婦。一度巳が意を得しも。終に天網を免 れぬ。その理を示すものは是此西國竒談になん 文久三稔 癸亥孟春 為永春水誌図 百目十定一三 嶋司 汐風荒太夫 下奴 磯平 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 竒遇の 浪子 豊後守玄玄 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 汐風 和次郎 西国二十五 十四編のつゞきさるほどに いそ平はかのあら太夫が さしいにしたがひりう 太郎をばめし つれてるにん 小屋におも むきつ さにん どもに うち むかひ 今まい ものるにん あればなんぢらが なかまにくわへあすより しばかりしほくむわざ をもおしへさとていたさせよ こゝろえたるかといひつゝも りう太郎を小屋のうちへ いれてそのましたち きりけるあはれむべし りう太郎はきのふ まではあつまよりおん つけびとゝうやまはれ わかとうしもべもつかひ びとゝなりしことこゝろのうちはいかなら んとおしはかられていとしきにかれは いさゝかうれいしていなく又家史 身がけふはかはりて此しまへながされ そのていを見るところはしらはまがん 入上ゟしづ〳〵として小屋にいたりまづ かべおちて屋ねもあまし くかたぶきたる小屋の うちには 同友 とうしよのかつてはさらに せんきもかゝやとばかり 此世のひとゝもおもはれぬを りう太郎はさりげなく すゝみよりいゝゑしやくして〽われ らははじめてこのしまに なかされぎたりしものなれば そんせず今よりそは おんみちのなりまへ はいるそれがしゆへ なにぶんよきに たのみいるそれに あまたの るにんがしほ木を あたりゐたりし ありさまは ぢごくの たきつゝくるまざに ふところより 小ばん五両 いだすを るに たがひに めとめを ………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………… TELENELELELELELELELELELLELELLE ………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………… 二二一一 ………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………… 副供員 ………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………… 二十四圓 三三三三番 ………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………… 類種種製品 理理法一6 ………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………… ………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………… 西国打炎十三 司官司司 つゞきもみ手を して「これはまた たいそうに きをはられた いたされかた うはさを きけば こなさんは さいぜん百 はちうた はちか れるときも ぢつともおそれるけしき なく又やきいんをおさんと せしをばどうりをつくして いなまれしゆへ三荘さん 太夫を見たやうなどう よくものゝしまもりどの もいひこめられてやきいん をおんみのかほへおさなん だとやうそのやうなつよい おひとがわしらが小屋へ ござつたらおかげでなかま してゐたところへおもひがけなき なんぶんおそれいるわけなれど 見らるゝとほりわし どもはあさからばん ものを のものませがかたみがひろく なるであらうと今もうつさを 此やうなおこゝろづかひにあづかつては までいかな日でも 山とうみとにおひ つかはれあせみつ たちしてはだらい てもさんどのめしを くふやくはず酒 といつてはにほひ さへかぐとなら ぬるにん のかなし さそこへ おんみ のごち そう ときい てはのゆ ぬその のどがぐび〳〵 するやうでこたへ られたものでは ないおこゝろざしゆへ おじぎなくいたゞき ますでござりま せうじついしやう たち〴〵かねうけ とりてさか屋へ はしるものもあり さかなを中へし 「上ゟかひにゆくもありて とかくするうち酒さかなを おもひのまゝにとりとゝのへ あまたのるにんがみなあつ まりてさてさかもりにおよぶ ほどにげこなるものはまれ なるゆへ大蛇国つの 水をすふことく おの〳〵ちやわんを 右のこよ ひきうけ てしぎりに 酒をあをりこむ にぞたれとてよつぬもの もなくそこにありあふ さらさはち をたゝ おどるもあり てさもおもしろ げにもろ □□□□□□□□ ひとがわち ひつぎへ つゞきざゝめく そのなかに りう太郎 はじめのう ち酒三十六 はあいてに なりてほど よくうちのみ などせしが われらはふか □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ とてそれより のちはむれに はいらずたゞ かたすみに かゝみゐてかれ らがたはぶれ あそべるを けんぶいしゐる ほどにつねには 酒をあくまで くらひしるにん どもはどろの ごとくにゑひ つぶれその またそこへ たをれふして たへてのまざる 入右の中へし 五回言計十五 …………………………………………………………………………………………………… ………………………………………………………………………………………………………… ……………………………………………………………………………………………………… 三丁 …… こゑのみたか かりけるりう 太郎はかゝまでするうち夜は ともおもちで酒を ふるまひ にたれとてかばるにんどもは にたれとて 〽父上ゟいびきの こゑのみたかゆめむすぶまも あらざるにとかく するうち夜は あけたかさてつき のあさになりし かばるにんどもは やう〳〵にねぶりと ともにゑひさめけん うちおどろきつゝおき いでゝみなりう太 一郎のまへにこの巻へ せう なく れしあと すべな さに そのみ もやが てたき火 のそばへ ひちをまく いに一つ下へ 一の巻ゟ いたりよん べはあつき もてなしにて われをわす れてゆ ●のみすごじぜんご もおぼへすゑひ たをれしその よろこびをのべ もしいあるひは わびをいひなど せしことはてゝ又 せしことはてゝ又 いふやう〽きけば おんみはあづ まよりおつけ びとゝかいふ ものにてなみ〳〵 ならぬおみぶん なるよし▼ さすれば なか〳〵わし どもとひとつ 小屋にご ざるやう な おかた もは れぬ 田中へ 百図号炎一三 めをかけてそれば〳〵よいおかたおやぢ どのゝひぎひどうをたび〳〵いけんを せられてもどうよくものゆへきらいれずしてこなさんがひとり おやのこゝろにかなはずとてつひにかんすまつてゐられるだけの どうどうぜんにこなたのうちをおひちいたな小屋をわしども だされてもかう〳〵ものゝ和次郎どの事がよつてたかつてつぎへ かへらねどあのしまもり のむすことの和次郎引 どのといくるゝはるにんにまでも 田上ゟ 田上ゟうらむけしきも 酒のまされて いふではないがらざるにや此しまのかた こなさんの今ほとりにわびずまゐ の身のうへしてゐらるよしあのお つみきはまひとがおられたらおん つて此しまへみもかうはせられまい ながされたとによいひとはしりぞけ いふわけでもられにくまれもの世に なくおとのさましはゞかるとしらがに のうたがひの はれるまでとかがこしもまがらぬがん いふことならほうじやうさならふことなら のるにんとわけあのひとがゐなくなつ がらもちがつてたち此しまのむごいしお ゐるを此やうにきがゆるくなりわしども わしらといつしよにまでが此やうなゑら おかるゝとはさりとはひどいめにあふまいに わからぬしまもりまゝにならぬが世のなら とはよくいふただとへごと どの今さらいふてもとはよくいふたただとへごと かへらねどあのしまもりとはいふものゝこなさんは のむすこどの和次郎取引しまもりとのからゆるしは どのといくるゝいるにんにまでもなくともこんなきたない 小屋のうちへいつよには どのゝひぎひどうをたび〳〵いけんをおかれないどのやうにも してこなさんがひとり すゑてゐられるだけの ちいたな小屋をわしども がよつてたかつてつぎへし 西国号、訓十五 かうなしつゝもうみ山のかせぎに でるあいま〳〵にもろびと がこゝかしことはせめ ぐりふないたなんど はこびきたりまる 木のはしら竹すの ことまぶきやね にむしろ戸のに いゑひしをつ くりたてりう太 郎をすまはすにぞ さながら金殿焼楼閣汐 にもときにとつてはいやまさる さらばわしちがちからをあはせ小屋を つくつてしんぜませうトおの〳〵だん こゝち 〽つゝきしなアミなのしゆトいひつゝひとりが見かへれば のこるあまたの馬にんどもが〽こりやもつともだ〳〵 七郎 太郎 はかれ らがあめ きこゝ ざしを ひとかた ならずよろ こびしがさるにても 〆上ゟ あたひの ぜにをしま ありよかわ たすをもつて こめをかひ かず五 十まい ぶときはしま もりかたへ もちゆきて ぜにをもら ふをさだめ とすしほ とても われもまたおなじるにんである ものをたきゞをきりしほをくむ はしまのおきてとあるからはおこたる べきにあらずとて日ごとにあさより 山にのぼりひたすらたきゞをきるほ どにちからあくまでつよければよみの 三人五人ぶんのたぎゞをいちどにせをひ いくししほをくむにもそのごとくおもにをとすされば▼右の事申へ とてこれは一かを一文 とすされば右の方へ 二十かをせにし わづかにいの わつかにいの ちをつなぐと なり凡弦もこれ にひたしくて三十を 公汐仁ゆといびあと 二十かをせにしほ いちにち にたぎゞ 五十ばしほ 五十かとさ だめられ たることな ればその ほねおりは ひとかたな つきもつ らずもつ らずもつ ともたきゝ 五十ばのうち 三十ぱを公柴こう といふてるにんども のくやくとなしあと二十 ばを銭楽榛とていち わにつきて三文づゝの 百目十七丁目 郎はある 日あさより 山にいたり 五十ばの のちしほを くまんとおもひつゝ わがすむ小屋に いたりて見るにいきた やうなるなまざかなを かごのうちにいれつぎへし 五世言歳十五日 つゞきつゝもそのかごのかたわきに しほをくみたるかんさつを五十まい そへたるにりう太郎さまへまつらする とふだがみをつけてありいぶかしきこと かぎりなければるにんどもにたづぬれ どもたれあつてしるものもなしこれに よりてりう太郎はひとりつく〳〵しあん □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ をなすにぬしはたれともさだかなら ねどわが名をしかしておくりたるこゝろ ぎしをむにせしとそのかんさつを たづさへてしまもりかたへおも むきつゝその日のくやく賤のが しほをくみまかんさいを五十まいあらずてつねにめしのさいになりはれがたくためして見んとおもふ べきものなんどよういして ぜんごしらへさへなして あるになぼあたと しき又左へ かへりひそかにやうすをうか 〽アヽ取つゝもそのほどのかたわきに〽門よとかんさつありたゝそれのみに合おきてあれいよ〳〵ふんの はれがたくためして見んとおもふ にぞあるときあさより山に ゆきしが此日はしばき半ぶん かりてつねよりはやう小屋に がふにはたしてうちにひと ありてものいふこゑなど もれきこゆるにぞさて はとおもへば身をひそ ませてものゝひまより さしのぞくにつひに れしかばそのつぎの日はあさ のまにしほをくまんと □□□□□□□ 十二二二二二 七二二二二二 二三 うみにいたりねい こここ…… のごと ひる じぶん (19月10 ………………… ………… 二三 二二 11119711111111111111111111111 二一一一一一二 ……… …か…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………… 二二二二 二三三 ……… … 二三 ………………… 二二二二二 見も なれぬ ひとりは としごろ みそじ 屋へかへり 二二二二 ……… 二三二 ばかり又 て見れ 十一 十月二 今ひとりい はいふは 又しば 五寸ぱの かんさつ ろへいろか のほと をとりそ 三二 二三 二三 …… …… 二三 二八ば かりの ふたり のおろ ごがたち はたらき てめし を か おきたかに めしきへ しるさへ にらへ てせんに ばかり にちや まで 七 ありし かばいよ〳〵 がてんゆかね どものとより しようじにかゝ わらぬおほぶくちう のりう太郎ゆへめし をもしるをもくひ つくしそのかんさつをも しまもかへおさめて しばをかるだけの くやくをけふもたすかりしが これよりのちも日ごと〳〵に あるひはしばをかりにやけはるす にはしほのかんさつあり又しほを くみにゆけばかならずしばの 百目十七日 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ などまでたが おくりしやう 小屋のうちへ いつのほど にかせ たぐひ又はよるのもの らへを なして あら いぶか しく 又あや しさに とさまから さましあて をなせど いかにても うたがひ うたがひ とけず此 うへはかの ものともに すゝみいるにぞあなや とかどろくふたり かげにたちまちつぎん とふてぎね んをはらす よりほかにせんすべある まじと今たちかへりしてい にもてなししはふきしつゝ 戸ぐちよりしづくとて のおんななかにも 二八ばかりなるに かた人にありあふ むしろびやうぶの ト西国ノ計画 つゞきにげこみて 身をひそませ つゝふるへゐるをしり めにかけつゝりう 太郎は小屋のうち にざをしめてかの としたけたる女にむ かひ〽つひにこれまで おんみらは見しこともなき はせらるゝぞととはれてこなたは もじ〳〵と手をもみひざを なでなどしてくちごもりつゐ たりしがしづらくあつてうち ほたゑみ〽わたの名はい古屋かま といひ又あれなるは浪子語に とてこゝらに登わたるあまなる がいつぞやあなたが此しまへ おいでなされたそのときより やらすをきけばよしある おかたむしつのつみにおち いりてかゝるしまねに ながされ給ひさぞや ものうくおは さんとおもへば ひとたちなるがいかなるゆへ にわが小屋へきて此ふるまひ も わがために たすけとなる べきしなぐを こゝろをつけてめぐ まれしはみなおんみち にてありしよなまづもつて あさからぬおこゝろざしのかた じけなさはことばにのべもつく かのかんさつを おくり給はり なほそのほか 左へ されずさは さりながらそれ めしがむしつのつみに てながされしを あはれみ ▼左衛門 わがるすへ ◑せられぬはづ これにはわけぬ ありとかととぬ かへさねてうま づくとま屋 うちゑみな がらかたへを 見かへり〽キン 見かへり なみ子さん 日ごろがら おもひこがれて あかながらそこに かくれてゐることかさア ちやつとこゝへきて おまへのくちからりうへ 大きまへつもるおもひを いはしやんせにヱヽ此おかすも きのつかぬ 今こし らへたお にばなを とくは やうめ でしら せひとり きを もむ とりも ちかほ しいとあの子 がいふもこと はりゆへなに がなすこし のお手だ すけとぞん じながらも うちつけ にはそれと あかして せられも せずそ てでお それがおいと 同所見分( 田村村村村 つけるとりわ 月十一 四月月日日 ラルト 三十三 (二) …………………… …………………………………………………………………………………………………………… (19100 100000000000 同村村中村村 同時あります。 神社社会社会会会会会会会会会会会会会会会会会会会会会会会社 沖洲 小川村 別 三三 小川村勝 川田村 かけで アリリアリアリアリアリアル り勝助助 同断用所 ……………………………………………………………………………………………………… 〃〃 19月1日 100円 開神所 ………………………………………………………………………………………………………… ………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………… 上げければ るすを うかゞふ てはこゝろ ばかりの おくりもの ですぎた ですぎた おろごと おぼしめ そうがおゆ 過なされト うちわぶるを こなたはぎゝ つゝかたちを あらためきて は日ごとに ………………………………………………………………………… ………………………………………………………………………………………………………… ………………… 二三三 三丁 ……………… 同月十一日目 (19 …………………………………………………………………………………………………………… 同村村竹田村 かけりければ 川 三十二 三三 三二 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ にてはかくま でには 武 になみ子 はなほももじ 〳〵とたゝんと してはたち かねるを とま屋に しきりに せりたてられ いろりのはたへ すをこなたは手にとり いぶかしげに〽こはなれ〳〵 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ずとはおなさけない今 では名さへすがたさへつぎへし ごびんにいれし ちやのはなを しづかにくんで もちきたり〽おなつ かしやとばかりにていと おもはゆげにさしいだ しきそのいち ごんつひに ごんつひに これまでび とだびも おもてをあは せしことなぎに トいふかほ つく〴〵うち まもり〽見ずしら つゞきかはり はてゝははべ れどもおなじ なかたに つこめたる ゑぎり べるをわ すれて れてお どろく 太郎 見れば 見舞 見おぼ 西国奇談十五 にて いをなで〽めんぼくもなし やゑぎりどのひとつ 屋かたにつとめは すれどおくとおもて とへだつるゆへいかさま これまでたまさかには おもてをあはせしこと もありしがおもひわ すれておんみとも 今までこゝろつかざりし そこつはゆるしたまはるべしさく さりながらやゑぎりどのおんことは いつぞやくめん次かたへゑんづかれし とかきゝつるにかゝるしまねにさま よひて此ありさまはなにゆへぞトふた たびとはれてなみだぐみ〽そのおうた がひはさることながらこれにはふかき わけあることわたしのくちからうちあけ ていひだしにくひことながらいはでかなはぬ ひとゝほりおきゝなされてくださりませかやう まうさばいたづらものにくいやつともおぼしめ きうがふ心とあなたのおすがたをはじめて見たる そのこきよりはづかしながらおもひそめねても さかても 同二十二十五十二十二十二十二十二十二 わすら □□□□□□□□ お ひに せま りて すぎし 又右の中へ たけをいはんとせしに ものがたいごきしつにとごゑんのむすべるやう はぢてそれさへいひ おくれいとゞ ×上ゟ日のぶれは こうをさいわひにさほどおもひにせま あなたのおそばへりしならばふたおやに ちかよつておもひのうちあけておやのくち たけをいはんとせしにからおもてむきあなた いたしてやらんとまう せしゆへそれをたの みにまづところへ それよりさきに くめん次がわらは をとらへてよこ れんぞはらだゝしさ にとりあはずはね つけてやつたるに 右ゟ むねのみむすぼれ てこゝろのやらせ なかりしを杉越と がきま かう〳〵とありし なほこりも せずふた おやを おもひの まゝにたば かりていやおう いはせずわらは をばつまにな さんとたばかりし そのしさいは ことゞもの がたり「わた くしのこゝろ ではあな たのところ へゆくことゝ たのしみ ところへ きいてゐる くめん次 からの ゆい のう と きい たとき のお 浪 どろ きは なに に かたもなし とはいふ ものゝくめん次が 手だてにも せよあざむ かれていつ たんねがひ をいだせし うへはつぎへ 十一区音歌十五 「 つゞき又今さらにせんすべなし□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ なまなかにいきながらへかれになばうへなきさいわひもしにせものとこゝろえ せんぎなさんとしたりともしようこな はぢつらかゝされんよりしぬるがせんぎなさんとしたりともしようこな わやしとかくごをきくめじがいなさんければしかたはあるまじさりながら やゑぎりさまが此屋においで したりしをすぎが手ばやくおしやゑぎりさまが此屋においで あそばしてはこのはかりごと じめかたへにありありあふかまのゆをあそばしてはこのはかりごと もなしがたし● 者のみのかほへうちかけつゝわらはを 四は此めふたおやにもひそかにさゝやきしめ そやうとてもかくてもくめん次があくまで たくみしことなればのがるゝみちのあらず ●わたしのおやざとへしばしの あいだおしのびなさはじせつ をおまちあそばせとおもひ こんだるかれがことばにそのしん せつももだしがたくおりから父の だん内もきあはせてゐしことなれば すぎがげしゆくをするていにしてわらはく そのまゝだん内にともなはれつゝかのものゝ いゑにかくれてゐるほどにトいひつゝかたへを 見かへれば〽此ことば三の巻へつぐ とてあたらしきおいのちをかれらが ためにすて給ふはあまりといへば くちおししもとのおこり 和 秋わたくしがおつかひ にまいりながら だいじのおふみ をよこどり せられ御口上 さへろく〳〵に いはでもどりし そこつゆへそれ のみならで父だん 内がうけたるご おんをほうずる ○此人物の事次の巻の 本文に委し 浄書 青州 にはいのちもものゝ かずならず此うへはわたゝしがにへゆをあびて めんていのかはりしをさはわひにかやう〳〵にいひ こしらへやゑぎりさまのお身がはりにくめん次 春水補綴國貞図画 かたへまいりなばかんぢにたけしくせものも 西国 十五編までの赴は前巻の末にあらはしたれば爰にいはず扨」十六種はいそ平 義によりてその主を害す和次郎火の仇とし出て互ひに義気ある物かたり 奇談 春木補綴 国貞画 荒太夫共をいまく爰に往事を語るにいたり円山の娼妓軽衣が事変り これを根引して敵馴と喚更側妾とせしに荒太夫が姦通せんとてさま〴〵 悪計をめぐらす話終に善悪判然として矢嶋の一段小結局にいたる 十七編は阿綾阿綾阿竜の許にいたりて母子再会の事より起り又宗重を 欺かんとかの得し処の妖狐の術にて館に種々の奇をあらやし。忠臣を退け佞臣を 本け家政を阿竜が随意なすなど這は十八編にも渡りぬべし 一根源実紫新刻概略作者柳亭種彦區工同前 〽十五編筑紫なる穴人の買し宝笛香炉倫て宣孝に托す野洲呪詛然されて紫 ○平兄を受十六編式神壽祖秩手子等が隠謀を露はし櫛彦自截て穿 が汚名全雪まり黒白判然兇悪皆戮せらるつぎて少将が貞節惟規北国 にて死して又蘓る十七編大貮三位生れ宣孝病死花山法皇の御傳大かた 此編にて全備り式部源氏物語を作り上東門院に奉公十八編以下は追て記すべし □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 一松 国貞画 西國 奇談 十五編 さい国幾だむしふ五へん 下の 春水作 まき 久に貞画 喜鶴堂梓 奈尾画 十九 二の巻ゟとま屋は をつくすものな ひざをすませて 〽わたくしこともだん内が らばさすがに むすめすぎがためたけきみころ にはあねなるが父もすらむれて だん内がやゑぎりごふびんと さまをおづれまうおぼしめさる也 してまいりしよりひとあらんとわたくし めをはゞかることなれのさいかくにて はかりになみ子とやゑぎりさまの お名をあらためおともをいたし ふかくしのばせまさいわひ いらするうちうはにして此 さをきけばあなしまには たにはむしつのつみゆかりの ものもをる にて此しゆへぬがものもをる され給ふよしなれことゆへそれをたより ばやゑぎりさまの ばやゑぎりさまの おなげきはなにゝのすがたにいで たとへんかたもなしたちつゝあなたの たりながらなまおるすへまいりては なくに屋かたの此ほどよりのこゝろ やうちにまし〳〵しもどうがないた はものがたいごきしてやゑぎりさまの しつゆへなにほどねがひをかなへて こがれ給ふともいひあげたいばつかり よることもかないまこれほどおもふ すまいかゝるときわたくしどものこら にぞおそばへ もちかよりまこと □□□□□□□ あそばさば せめてはやさしい おことばでもかけて あげてくださり ませそれ ばつかりが此 お子のいのちに かへてのねがひぞと ふたりの女にかき くどかれりう太 郎はやくしばし いらへかねたるてい なりしが かたちを あらた 〽うずな らぬそれ かく まであつく おぼしめされ 此ほどより のおこゝろ ないと いれなにと おれいを まうそう やらつぎへし 西国奇前十五 つゞきことばにのべもつく つゞきことばにのべもつく されずさりながらやゑ ぎりどのはかのくわん ぢつまたるべきむね このゝおゆるしいでたる うへはいはゞぬしある なんみもどうぜん □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ものかんけい なりときく からはわけも ちがひし川 ことならんが とにもかく とにもかく にもおやくの ゆるしもなきに わたくしにみなん によのみちを つらずるは これはな はだき ふぎな らずや 左へ 十一日 たまはれ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□ なくいはれ てちから なきとめ やは なにと かへすべ きことば もなく □□□□□□ さしうつ むけばなかに むけはなかに とかわけやゑ ぎりのなみ子 はみもよもあら れぬおもひわつと ばかりになきいかしが こと さらせつしやが 此しまへはからずなが されきたりしも身にいさ さかもおぼへなきふぎ のをめいをからむ たるゆへ此うた がひをはら さんには わが けつばくをどこまでも あらはさずて かなひがた きをおも みのいろ かゝにもこゝろ をうごかさは◑ につみ をかさぬるどうへ りおころざしの あさからぬはわが みにとりてなに ほどかがたげ又中へし 三月十三 又左の中ゟ なふはぞんずれ二 かゝるわけさへある ことなればとても むすばぬ むすつめ なにおもひけんかたへなる しばかりがまをとるより はやくすでにじがいと見ゆる にぞあなやとばかりうち おどろくとまへは ゑんなり すかさず とおもひあきら はせより めたのはるべし すがが 右の下へ とゞめ □□□□□□□□ いへばごたんりよ なトいふをもきかず かしちをうちふり〽なにゆへ しぬとはきよくがないいの ちにかけてこひこがれ おもひおもふてよう〳〵とつぎへ 西國竒談十五 もなくむすばぬ ゑんとあきらめ てこく〳〵こゝを かへれとはあ まりつれない おつしやり やうとはいふ ものゝ此しまへ ながされたま ひしことわけ さへかやう〳〵 とうちめ つゞきおほにかもしかひ けてどう 〳〵 りをつく せしおことば をきいては なにほどおもふ ともはや此うへの せんかたなしとてもねがひ のかなはずはなまじいにいきながらへ よしなきものをおもはんよりかねて かくごの此いのちとめずとしなして くださんせトがよはき女もひつしの いきほひもてあまたるそのおりから しまもりしほ風あら太夫があとに つきそひお舟つらけはや太ゑしやく もなさで小屋のうちへつか〳〵はい りてきつとねめつけ〽こはだいたん なくものをおくらうやう もなしなんでもあやしい〳〵 ○つか□るトいへ どこなたばかうべ をうちふり〽イヤその いひわけがてんがゆか ぬわけもあらぬに女ども がたづねてこようはづも トわめきたつるを あら太夫が〽イヤ まてけはや太 その女わかめ どほもへとく〳〵に いはれてはづト けはや太が おそれおの のぐなみ子 をばひつ とらへつゝ あら太夫 あらず のめさきへ ぐつとひき すゆるを あら太夫は やう〳〵と めがね とりだし ちりおし ぬぐび なりりう太郎なんぢかにん のぶんざいにてわがおかしら あら太夫さまのおとぢかさき をもはゞからず女を小屋へ ひきいれて見ればないたり わらふだりうちたはぶれて みだらせんばんなんちにかぎ らするにんどもがしまのおなご とこへつうなすこともとより きびしききんぜいなるをはづとを おんうたがひをかうむるものかなこれなるふたり の女中たちが おかせばつみはのがれぬなんぢらいち〳〵 からめとるかくごいたせしのゝしればりう太郎は ちつともさはがず〽こはまたおもひがけもなき せつや がかゝ る 札 す の方と なりたるを あはれみて ものなどおくり てどひなゞさむる そのこゝろぎはかたしけ なけれどひとのひはんもうし ろめださにとく〳〵かへりまうされよとみつほうといはれてはぢかごろめいわく きのどくながらおひたつる 今そのもんどうさいちうなるをふぎ みつつうといはれてはぢかごろめいわく 百月十三丁 ひたいに あてつゝきつ と見て〽こゝ らで見なれ ぬあまのかほ はせしほ風に いろもくろまず めはなだちの うつくしささては なんぢはりう 太郎が屋かたに ありしそのころ よりふかく ちぎりし なかなる ゆへすが たをやつし 此しまへ 此しまへ まぎれ きたりし ものなり と見 ぬいた まなこ にそう いはある まいこは かろからぬ ごとつぎへ 西國安計十五 せんぎしてつみをたゞすのはづ なれどこゝにひとつのはなしがある われ此やうにとしおひたればわかい おろごのはだならでは夜もあたゝ まりてまどろみがたしおかせるつみ をあがなふため今よりわれ にほうこうしてかたをたき こしをなでるよるのとき をばしやうとならば此 ばのことはこれぎりにし らぬふりにてすませも せんもしそれともにふ じやうちならばなんぢ はもとよりかわいひと おもふおとこのりう 太郎まではづとを おかせしだいざいにん からめとつてごく屋へ おたしんすかしつかきくとしに にあはぬいろごのみになみ子ば あきれていちへさへなみだにくれ てゐたりしがしば〳〵いはれてかし ちをもたげ〽わたくしことは りう大きまともとより わけあるなかならばつらひ おもひはいたしませねど つきなればきつと身もとを つなぐいやかおうかのへんとう はどうじや〳〵トねこなでごゑに □□□□□□□ おとしつすかしづかきくどくとしに しんでもいひわけたちませぬ なれどこゝにひとつのはなしがあるといふてあなたの□上へ おこゝろにしたがふことは つきなればきつと身もとを なればきろと身もと成〽なんざをかさをかさねさせましては せんぎしてつみをたゞすのはづしかでもいひわけたちませぬ也 なれどこゝにひしのはながあるといふであなたのそれとはまうしまうしそれとはまうします ひきたてゝめしつれまするでござりま せうおんなめうせうトいふよりはやく 〽おかしらさまこゝてしらさまこゝてしのごのいふて ゐてやうぬがかつてなことのみぬかしておい それとはまうじますまいせつしやが此まゝ なみ子を小わきに ひつかゝゆればさいぜん よりしてかたわきに ひとりこゝろを いたむるとま屋 たまりかねつゝはせ して〽そかやあんまりに でむたいなまア〳〵まつて すがりつゝを〽しやまひろぐ なとあら太夫がもつたる つへにてうちはらひ〽けは や太ぞかしたとくいそげ 〽かしてまつたトいひつゝも なみ子をしつかと かゝへしまゝいちあしいだして はせいづるをなほもやらじと とりつくとま屋〽それほど いつしよにゆきたくはうぬにも すこしせんぎがあるともに うせろ下あら太夫が ゑりがみつかん でひきたつれ ばわらに とられし はづかしながらおもひ そめやるかたもなき こひしさにこゝろを つくしやう〳〵とこれ なるお小屋へた づねきておもひ のたけをうち あけてももの がたいごきしつ なほならぬこれといふ のもわたくのみなころ からせしことにてまとつ太 さまにはつやほどもご ぞれのないわけなれば かくごのうへのわたこの いのちころしてことの すむならば どうぞ ゆへとりあげ しろして られぬつ れない くださり 左へ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ すゞめの ごとく とらはれ も ねが ひの ずばじ かなは がいなさん とせしところ を見とがめられ て君におくれ此はづ かじめを見ることかたとひ つれなくいはれてもやつぱり こひしいりう太郎さま わたしゆへに此うへに 右ゟ一ませト おもひきつたるいち ごんにどうよくものあら 太夫もそのみのよくをはたさんと おもふこゝろのあるゆへにそれはとばかり のためらふを そばからです ぎるけはや太がし 〽イヤまうし▼右へ ゆくこゝろの うちはいかならん おしはかられてあはれ なり此ときまでもかた からにやうすぎゝゐる りう太郎もとより おとこぎあるもの なればあら太夫ら がむたいのしかた にいきどほり むねにみちことばで ゆかずばかのかいとも をうち見さしてもつきへし 百目十三人 つゞきふたりの 女をすくひ ぐれんと 西国奇論十五 ◑いくたび かはやるこゝ ろをおしし つめおもへ ばわれは だいじの 身のうへ 今屋 かたには ねいじんはび こり 忠義を ×左の上ゟ ざるにあら ねどもわれ さむらひを うしなはんと するじせつ なるに われ共 ははるぐ あづまより むねたかぎみの おめがねにておん つけびとをかう むりながらむし つのとがにおとし いれられ日ごとに いれられ日ことに 江のるむねしげ こうのこふきやう せきをいきめ やめい 〽もせでおいゑ のだいらをおめ〳〵 ぎりをすく こよそに見るべき はんとせば又 われならず世にだい やゑぎりとも ぜうぶたらんものたゞ わけありなど わけありなどいちにんの女のために 忠義の二宗をうしな 身におぼへなき んやとふびんながらも うき名をばたて られもせへわが こがおもひかへしてたゞいちごん られもせはわが きみのおんうたしのことばもいださずとは がひはいよ〳〵はれしおもへどもやゑぎりが今 まじさればとてひきたてゝゆかるゝまでも 身をおもふてげん ざいかれがなんぎみもせずわれにつみ ざいかれがなんぎ すいみかへら〽此中へ一をばおはせじとする はきは見かへら×中へしをばおはせじとする 百目十七人一同 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ にかくまで まことある女を わるものどもの ねごめにさせやみ〳〵 いのちをおとさするを 見すてゝおくも 義にあらずト 義にあらずと おぼへずかとまで かけいだせしが又も ころをとりなほし いかりをしのびゑん さきのはしらにしかと とりついてしばし 見おくりゐたりける つぎのゑときようみを 見はらすたかどいへ しのんでのぼるやゑき りのなみ子はあたりを 見まはしつゝほつといきつき ひとりごと〽ほんにおもへば 此身ほどはかないもの が世にあらうかつく すこゝろはとぶとりの いすかのはしとくひ ちがひおもふひとには つれなくいはれおもは ぬひとにおもはれて もなくこゝへとうへられ あけくれうるさきむり くどきつらさせつなさ くるしさにもとより かくごの此いのちすき もあらばじがいして しなんとつぎへ つゝき おもひ さだめ たる す それ つけ どりし かかり にもそ ばをは なさぬに ほとりへ はも のも おか ざるゆへ しぬも しなれぬ 身のいんぐわ さりとて此 まゝいきなが らへもしはづ うしめをうくる ならいとゞ くやしきことな らんとおもひ しゆへに田下へ 西国言歌十五 四 三の巻ゟ「さる にてもりうべ 郎さまわらはが こゝにいさぎよく いのちをすてしと いふことをしらする ものゝなかりせば とちへゆかれて おめ〳〵とあの あらで大が 手ごめに 下が あひ身をま ひとふで のこさん らも今は はやふみを おくらんつて もなしこひしい おかたは此しま のおなじうみ いまはにたつたひと ことをつぐること ざへかなはぬかね へにありながら かせしかとおも はきてはし してのうら み此かへ なし せめて □□□□ 螺 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ づらきつ とうちみ やりいこん のなみた もつともに あらみつめいゝゐる おりからいくむれと なくあなたよりこな たへわたるかりがねに ふつとめをつけ〽をゝ それらつたへきくもろこし の蘇武氏はゑびすに とりことなりとほき しまねにながさるれど も忠義のたましいさら にへんぜずいかでわがし 此しまにありと 三月十七一日 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ こゝろのとけしてい にもてなしゆだ んをさせて ひとまを ぬけいで 此二かい まできし そわが ぞわが みの しに どころ これ なる二 かいの らんかん より身を おどうせて まろびおぢ なばしたは さながらあら うみのさかまく なみにしづめられ そこのみくずと なりぬべしちつとも はやくじいひつゝも手 すりのもとへ身を よせしが一四の巻也 恵幸 中ゟ のみかど へつげまう さんとおもへど なつけおきし つかひになつたへてくれよかり さんとおも しさいつ たよりをえさりし にかねてそのこの かひなしや手 いちはのかり にかねこれを さにいひふ したゝめたる右の小ゆびを ふみいづかみきりてち つうくだんし羽にそむる のかりのぶんしやうの あしにむはじめには すびこいとなつか きやうのこひらき かたへとかず 国さへもかれが 忠義をかんじけん ふみをたちまち ふる里なるころどへ まいらせたりとやう それとこれとはこと あれどわが身も こひしきおとこを おもひつくすこゝろは かはらぬをなさりを しらばわがふみを つたへてくれよかり さんとおもひかねといふより しさいつぶはやくしたがさね さにいひふのしろむくの くめてかきそでひきちぎり し月にそむる はじめには いとなつかしゝ こひらき かたへとかず〳〵した はなしためたるのち やりしにわらばあら こゝろ大夫にとり かず〳〵した なきことせられ とりまつぎへ つぎひた すらなびけ とせまらるれ ともいつたん おんみのその ほかにはとの こにはだぎ ゆるさいと 巴国善言一五 田左の上ゟ 〽〽うれしや ねんぐわんぜう じゆしてわが かきおき かきぬい □□ かりがねのさては つたへてたもれるか もはや此世につゆほど もおもひおくことさらに なしさはさりながら此 いゑにわがみとゝもに とらへられたる ころ にちかひ をたて たるうへは いかなるせめくもたへ しのびて身にはつかしめは うけねどもながらへかたき てりけねどもからへかたき いのちゆへ今をさいごと おもひさだめしこゝろをふ びんとおぼしめさば此世 のちぎりはかなはずとも せめてみらいはめうと入 入ぞとたゞひと 五郎とま屋は なにとなりしやら ことのおふせをば かほ見ることさへゆる くさばのかけ よりいのるなどされねばこれまで はかなきことさへ こま〴〵とおもふ こま〳〵とおもふ かぎりをかき むれくるかり がねにうちむ かひつゝしかく とふたらび いくそのくらうをかけし れいをもいはでむなしく ならばさずやほいなく おもふらんなほそれ よりもかなしきは こきやうに五郎左へし みたびくり かへしたのむ こゝろのまこと をば天もあ はれと見え なはしけん ふしぎや □□□□□□□□ つゝその びとつのかり がねのむれを はなれてこなさなる 二かいまぢかくくるよと 見へしがたちまちなみ 子が手にもちしかの かたそでのかきおき をひづさらひ まゝに くもゐ はるかに とびゆ くにぞ 田右の中へ 百目十疋三 一つ 良や 山中ゟ まします とゝさま はゝさま かくとも ぼ めすべき にさきだつふ かうはいくゑにも おゆるしなされてつぎへし 四国音計十五 かませ □□□□□□□□ 〆友十郎 だせトことはのしたらる たせじことはのしたが けはや太がとま屋 をひきたてにわ さきへいそがは しげにたちい づるをあら太 夫はきつと見て こゑいらざてつゝ 七十一丁 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ろのはりよはく しばなげきに しばしなげきに しづみしがおもひ なをてなみだを はらび〽わがみ ながらもみれんの なみだかういふうち にも見とがめられしに おくれてははぢのはぢなむ あみだぶつしとなへもあへず らんかんにあしふみかけて たかどのよりはるかにふかき うみのそこにまろびいら んとするおりしもいつのほど にかうしろにてやうすうかふ あら太夫が〽まてトこゑかけはしり よりおびに手をかけひきとむす よりおびに手をかけびきとむれ ながらもひつしのいきほひなほもしなんと 身をもがくをこなたはいかでかのがすべき そのまゝ小わきにかきいだきしづかに二かいの はしごをおりてにわにふりたる松の木へありや 八〽なむさんあるじのきたりしかとおもひ あふ なわにてぐる〳〵まきなみ 子はむねんのはがみをなす紙 しりめに見るのみあら太夫はかれ にはさらにことばもかけず〽けはや 太はいづれにあるとま屋とかし いふ女めをとく〳〵これへ▼右の下へし 右ゟ 〽ヤイ女いつ 今やこれなる なみ子をば此 屋へめしつれき たりしよりさま〳〵のぎへ 西国竒談十五 つゞき手をかへしなをかへくどけど さらにした がはず◑ してくれんとあれなる松へはしはしばり つけしがそちがしよぞんもあらんと おもひわざ〳〵こえはよび 今めの まへで ◑さりながらとしもまだゆか ざるおとめのことなればこゝろ 一のどけくするうちにはつひ にはなびくこともやとかれを よろこばずるためにいろよき □□□□□ ざしなど とらせしことも たび〳〵ありなほ そのうへにこしもとの おなこどもにいひふくめ いろ〳〵なぐさめさすれども おくりし小そでもくしかんざしも 見かへるていもなはりしがけふは なにとかおもひけんあさより きげんよきさまにてみだれ かみをとりあげさせとらせし 小そでをきかへなどしていそ〳〵 とせしやうすゆへさてはし あんをあらためてなびく こゝろになりしかとわれも ひそかによろこびし ひそかによろこびし ゆだんを見すましいついのちがすて のまにかあれなる二たゝばなぶり かいへはせのぼり ごろしに一つ右の下へ 身をおどらして かくまで しぶときこんじやう ではとてもかくても わがこゝろにしたがふ まりてにく さがひやく ばいさほど いのちがすて たゝばなぶり べくもあらぬゆへ かわひさあ □□□□□□□ うみのそこへ まろびいらん とせしていを 見づけていだき とめしなり竹 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ありさまを 見るをふび んとおもふ ならなん ちが ちからで くどき おとし こゝろに したがは なん つきへ 西国音訓十五 あゞきめのまへ にいましめら れしなみ 子のつこ ていを おろせトさしづに はつトけはや太がくふたゝび なみ子を〆左へ 見るに ころも こゝろも ぎやうてんして なにとこたへ んことばさへ とほうに くれしてい なる成松 のたち 木にくゝ られし なみ子は 見るよりこゑ ふりたて〽とま やそなたの こゝろのうちを おもはぬにては あらねどもとて ものがれぬわらは がいのちうろたへた こといひだしなばはぢく のうへなるはぢなる そたゞむねんなは しにおくれ手ごめに 入右ゟ ひきおろ すをあら太夫 はゑしやくもなく すへつゝ〽はやごのうへ はぜひがないいつすん だめに五分だめし むなぐらとつてひき くるしませるを あふがくちをしいおに ともじやともたとへ なきどうよくひどう のあら太夫ころさば ころせトにらまへて わろびれもせぬ いきほひにいよく はらいせに なぶりごろしだ かくさせよと こほりのやいば をぬきはな せばあなや とばかり せきたつあら太夫 〽けはや太兵衛を かけよる こまや ひきづり左の中 下へし 百目十挺一人 貫本 じごしに あやうき そのおり しもたれ かはしら ずしよう かけつき 癸 西国部訓十五 朝 爽 牛肉丸 女大寿金一朱 庵金壱朱 一包金二朱 小包百銅 小包百銭 爲永春水補綴梅煤樓國貞画 國貞画 第一ひゐを補ひじん せらをます妙薬なれば 一一二二三三三二三三三三二一一一二三二 きよじやくの人常丁用 めてよし ひてよし 下谷さみせんぼり 討す やき やしき 染崎氏製 つき せぼね あばら 姉の編につゞり いだすを見て しらんめでた 〳〵 NZET 浄書青洲 文 十六編 十七編 根源實紫 柳亭種彦作 一寿斎国貞画 十八編 亥 新 年 鐫 同 録 五編同作 娘庭訓金鶏 大尾同画 おくみ 総次郎 琴聲美人録 十七編山東京山作 十八県柳亭種為仰 十八編附川国貞通 一同国貞画 十九編二十九編一冊 初編ゟ 柳亭種彦作 五編迄 春色墨田川 當年出板 十五編 十六編 新増補西國竒談 十七編 一為永春水作 歌川国貞画 芝神明前 同轉佐野屋喜兵衞板 地本繪草紙團扇問屋 三嶌町 □□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 一つ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 春水補綴 駿半梓之 さ 西国 国貞画 第十六編 為永春水柿綴一 十六編上 外題井下潰通 新増補 西こく 寄だん 十六編上 十九日 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 種のなき品玉は。つかはれぬゝと言ふなるを。根もなき事に枝葉を 添一年々歳々編数茂れど。早晩も常盤で珍らしき。下花咲せん 手段もなくづい〳〵伸る梧桐夫さへ五目にすらりとゆかで。節 くれ多く見所なきを。猶棄給はは看官の。高評の斧を賜は れば。つい埋木になりも果ず。よしや詠めはあらすとも枯 木も山の賑はひと花なき菓子をさくら木に。又此春もちり 三 ばめしは、那西国の物語りになせし しかし〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵 干時文久三稔 為永春水記為 癸亥春睦月 阿竜 赤松ようさい 妖齊 西国竒談十六上 木邑龍太郎 □□□□□□□□ にも 同六百五十九十九十五十五十五十五十五十九十五十五十五日 田匡喜、部十六上 十五んもつゝきふたゝびとくあら太夫はいかりに まかせやゑぎりの なみ子がむなもと かいつかみこほりの やいばをおしあてゝ すでにつうよと みへたるおりしも おもひかけなき こしろより しやうしを へだてゝつきたす やりにわきばら ふかくさしつらぬかれ さしもがうぎのあら太夫 きうしよのいたでにいかてか たまらんあつとひとこゑさけびしまゝたみれて おきもえざりけりこはそもいがにともろびとが おどろくひまもあらばこそしやうじけやぶり たちでるいそ平それとみるよりけはや太か 〽しゆじんをがいせしだいさいにんてんばつおもひ しらせてくれんとかたなをすらりとぬきはなし きつてかゝるをこともせずいそ平ひらりとみを かはしすきをみすましつきだすこふしに あばらをしたゝかあてられてウント ばかりにのけそりしかゑんより下に まいびおちいきたへたかかおきもせす いそ平これらはみむきもせずおとろく なみ子をいたはりつゝやゝかみくらに としなをしはるかさがりて手をつかへ ことのやぶれをおそれしゆゑあなたに おなさけにてかねわきまへて 左右およふべきをお祖父ぢゝさまの たまはりしそのときの ありがたさごおん おくりのために ことていもと むすめの おすぎめを ごほうこう にはあげたれど おやくにはたち おらでかへつて こおんをかうむるかと めうがのほども をそろらいおれの めのくろいうち のこらすはできず ともせめてはんきん なりともあげて おれいがまうし たいとしやうぢき りちぎのこゝろ からつねぐいふて ゐられるを そばできく その日におはるゝみづのみ わたくしが げにことはりとは そんじますれど ひやくせうはなをそろへている かのだん内がやうしにてこれなるとまやに かのざんやかやうしにてこれなるとかるやい つれそふおつとかうばかりではわかり ますまいもとわたくしのはゝと申は あなきもかねてごぞんじの花ざき せつの介さまへおちゝをあげためのと ゆへおさなきこるよりわたくしも はなさきさまのおいゑでそだち あつきごをんをうけましたれば はゞがよになくなりてのち ゑんあつてたん内かたへ やうしにまいり まてもつゝみるへせしかまとけらうがみのうへは ましてまでも はなさき はなさき さまへは 今もめて をり〳〵 あかつて ごきけん うつゞひ いたす ばかり つゆほども どおんをおくる こともなくそれのみ ならでたん内がさけの うへとてたいせつなる こやうきん七十両こまの はいにぬすみとられ すでにいのちに右 四 なとするうちおもひかけなき りう太郎さまむしつのつみにて 此しまへながされ人となり給ひしつきへし 五国竒炎十一二 ときはなか〳〵かねの あだではてきぬ としはよつても おやぢはすこやか いつそこのみが ほうこうを じてそのきう きんをまるで のこざはおもふ ほとにはゆかず ともたとへは十が 一なりとこおんに なつたおかねを さしあけおやち のこゝろをやすめ たにとまやとふう ふそうだんのうへ これなるいへにほうこう すみそのゝちきけは りう太郎さまのわけに よりかやう〳〵とひそやかに おやちのもとよりわれらへ しらせてたれあらうおや かたにてなす大ゑもんさまの おむすめごといはるゝおんみが 百せうのいふせきいへにまし〴〵 てはさそやものうくおほしめ さんとおとろきなからかゝるとき せめてこおんをほうせんとつまにも せめてこおんをほうせんとつまにも 心をつくるやう下つかはし因 五百壱吉一つ一 つきしそのときせつの女 さまよりかやう〳〵の わけなればかのおかたの みにきよじなき やうなにふんたの むとひそやかに われらへおふせ こされしかはなるべき さけはこふじゆうの あらざるやうにと おもへとも どうよく ひどうのあら 太夫ゆゑいたはる ていをしられては かへつておんみの さばりなりと もつたいなくも 百むぢのひもとを いつそやくはへし ときはおのか からだを うたるゝより なほも くるしく おもひし也 とばかりにして やむべきならねは ひとりしあんを めくらすにおいとしや やゑきりさまか あのくめん次の たくみより 今はひかけの おまの うへ なにほど こがれて ごさるとも やかたのうちでは りう太郎さまにおあひ なさるうともなるまい かういふときをさい わひにこれなる しゆへおまねき しれず うのお方 あそはしてまれを まうしひと 一のおてたすけを おつくしはそほ たらよしやなにほ ものかたいごきしつ でもそのうちには いつしかとけでおのぞみの かなふやうにもなるへきか さすれはあなたのぼうも よくりう太郎さゆにも おこみつをなべさめらるゝ こともあらんと同 百国十丈一一 げらうがあさいりやうけん よりおもふしさいをしかぐと おやとつまとへもうしつかはし あなたをこゝへまねきまいらせ おん名もかへしすかたをも いやしきあまに たれど猶も やつさせ たいじんとおもふゆゑに とまやとわれ ちがふうふと いふをごぞんじ なきをさいわひに あなたに までも よそく うはべは いたせど ないしやう にてとまやと ひそかにぞう だんなし 柴川を五十ば しほ五十か あのかんさつを りう太郎さまへ さしあけたのも わたくしよくみな さりやくにていたせし ことかへまでこゝろはつく せしがとおもひしこの あたとなりりう太さま にはどこまでもみちの みちをはたてとをされて あなだのおのそみ叶はぬ のみかあら太夫のてごめ にあひ此世にこらはれ給ひ しときはたときのわれらが ぎやうてんいゝにもなして すくはんとこゝろはくだけど げらうのかなしさおくの かつてのしれかたさにぜひなく けふまてすこせしに今やおん けふまてすこぜしに今やゐん みのいちだいじとかみのしら せかはからすもわれらが こゝにらりたるはいまだごうん のつきざるところとかけより みればすでにはやしらは をむねにさしつけられて とゞめんひまもあらざれば あくにんなからかりそめ にもしゆじんとなのつく あら太夫わかてにかくる はみちならしとおもひ なからもぜつたはぜつ めいやむことをえす手 ちかなるなげしの やりをとるよりはやく しやうじをへだてゝつきとめ たればとりもなをさず〽つきへ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ぞんめいかなはぬ われらゆゑ あら太夫を いひわけには 此ばをさらす 此はきさらい いさきよくはち のかくとあなたは かつさはばかんかねて とまやをおつれ なされちつとも はやくちゝだん内の もとまでおちのび もひなはながい月日 のそのうちには 又おのぞみの かなふべき じせつもあるで はざりませう とかやもこの むねこゝろへて かならすべめに たゝぬやう からにづなき こしにぶねに いたしてとく はられと うちいりおとも いふに聞 市国吾妻十六上 なみ子はさしよつて〽たん〳〵あつきさせなにめんぼくになが こゝろさし此みにとつてはかれしいともらへんわらはかじがいを かたじけるいともなか〳〵においはことはにサしろとにてこのやの かたしけないともなか〳〵においはことはか つくされぬそのまこゝろをあたにして ふたりは又おとろきなかにもそなたにいのちをおと させなにめんぼくになが らへんわらはかじがいを しあとにてこのやの あるじをてにかけ きゝいれぬには しもなみ子の あらねども しわざと おもふ人には つれ いひふら さはそなた からはとが なへ のみにはとが いつれ しなふ とかく とかく こをきは めしをしに おくれたる おくれたる ばつかりて われゆへ あらし ふたりは あとへ なからへて これらの よしを とゝさま やまた はゝさまへ まうしあけ ふかうのつみ をわひして 一のまたゟ たよりにおもふこな さんをしまして あとばなんとせう 〽それにはわらはが みをすてて たもなむあみ だぶつといひ つゝもかのあら 太夫かとりおと せしやいばを手 はやくひろいとり かくごきはめし ありさめにとるやは いで たる ひとりの わかもの たちまち こゑをふり たてゝ 〽しらずや われは とうけの ちやくし する あらかぜ わ次郎と いへるもも なんだう うけても おやなり 二なり こゝを 一同二月一日同 ふすまをしめ あらはれ 〽イヽヤそなたは ころされぬげらう がかくばのはち ひとつといのちを あらそふいそ平なみこ しなふとすかはふたりにて とむるはとまやたゞ一人 こゐだへよれは かなたかあやうく きをもみくだく おりこそめれ へだての ふすまをしあけて あはてとりすがりて おいはもつてをとむれは ともにおどろくいそ平 が〽そりやこたんりよな おちいさうさまあなた やゑぎりさまあなたを しなすかくらひなら かくまでむねはくるしめ ませぬことのおこりはわた くしがよしなやあなた成 此しまへおよひまうした ばかりにてかゝるわけにもおよ ひしなれはまうしわけにも げちうめかいのちをすてねば ならぬしせつそんじやによつ てといひながらゑりかき ひろげこれも又はちをきらへ んとするていにとまやはびつ くりすかりつき〽さうおも わんすもとはりながら 二のまきへ 米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米 米米一斗 米十 つきかゝるべきいきほひにのそむところといぞ平は ちつともおくするけしきなく〽さてはおんみが きゝおよぶわ次郎どのにておはせしよな うたれておめ〳〵とせつにく なぎをみすこさんやおやの かたきのしもべいそ平 くはんねんせよといふ よりはやくおちたる やりをひろいとり 六 三百五十一ト しゆじんところせしわがはらへさひやりうくるは さたまるせいばいおんてむかひはつかゆつらぬおそゝろまかせに あそはさなよともつたるわきさしはるかになけやりひちきし ゑりをおしくつろけ へきかけんとせしやり さきにはちをさし つけわろびれず だいとやうふ なるたま しいを こなたは にくしと おもひけんみるより ながきけらうがいちごんわれを みじゆくのてめうちゆへあいてに たらぬとあなどりてかあだに やいば銀もたせずしてわが かりさきにかけたりとて かたきうちのほんいに あらずいざじんじやうの とも仁義既にはむかふやいばはごさらぬかくてもをんてを くたされじとならびまゝせつふくつかまつらふやざあるときには あたうちのいよくもつてこぼんいならしおくしゆふかわきらさま こへふたりたるけらうがく此はちちつとはおてにこだへませう こふしをかためてすつはりととく〳〵あそばせくと ちつともくつせぬていたらくにはやこのうへはと わ次郎がもつたるやりをひとゆりゆつてつき まなこをいるうして〽こはした しやうぶせよいかに〳〵とつめるくれど こなたはなほもさはきしていなく〽たくへいかほとの給ふ 〽もしわがおもてをみしられて とらへられんもはかられず あぶなきところにおらん よりたかとびするに しくはなしとやがてひ ぜんの ながさきに いたりしばし かのちにとう りうして又よき しだもあらんかと こゝかしこ めぐり ぶと 鹿山野が のくるは に いたり みれば 図 あたりの みやこの しまばら にもおさく おとらぬ にきわひにて あまたのあそ みやとの ひとにその ひめゆきかふ とうじぜんせいならびなきどの なをとへばかれは なかにわけて あやいとやのかゝへにて なを弊衣類とよばれつゝ めだちし たをやめ あり うはさをきくにいよ〳〵 図 ゆかしくはちのうちにおもふ やうかゝるひらんをひとつねして こゝろのまゝになさんことにん げんかいにうまれいでたるこれさい じやうのたいしみならん手にて かけんとするそのとりしもしせしと おもひしあち太夫かいとくるしけなり こゑふりたて〽はやり給ふなわかだんな いふよしありといひつくもたちまちむつ くとおきなほればこれはとおごろくわすら が〽こはちゝうへにはをんいきのたへもはすして おはせしかそれにつけてもそれかしをわか たんなとはこゝろえずいたでにちまよひ たもひしやみこゝろたしかにかぞはせと そばへさしよりいたいるをほとりへよせず おもひまはせはふたむかし二十よねんの暇をしり〳〵わかれの むかくのものことなかくともきこしめせもせもとそれがしか おやれいふは京家焼うのぶしにて候ひしがわがみとしまたわかき ころよりほうどうぶらいのくせものなる物へつひにはちゝの かんきずかけみのたゝずまひなきまゝにだうちうすじを またにかけごまの はいとばはたらきしにあるとき であひしひとりの ひきやくやうすをみれは ふところによほど いかねをもつたる ていゆへまつみちづれ になりはじめさけ かしらをうちふり〽いなちまよひもつかまつらね 五十一 をすゝめてうまくと くだんのかねをうがひ とりかそへてみれは本 両これまでにないしこと をせしとよろこびながら 又よくおもへはかりそめ ならぬたいきんゆへことの せんぎにおよびしときも できることならばさいわひにして いつぞやの七十両のつかひ のこりいまだなかばはふと ころにありこれにておもひを はらさんとまでにしあんは さだめしがとかゝるなだかき あそびめのきやくになるには このやうなさもしきていではいや しめられくちおしきことなども あるべしおなしことならみなりをも だいしんふうにこたちやくさんざ めりしてのりこまばいよ〳〵 もつて きやう あらんとその ひはむなしく たちかへりて にはかにいふく のよういを なせしに それより 二日ほど すきて おもひの まゝに したくも できれば いりあひの かねへるころかのくる はのあげやにいたり 四国奇談十六上 つきたいこ まつしやを よびあつめ しばらくしゆえん をもよふしづゝさてあい かたはからぎぬとなざして ちうもんしたりしにそこにいなら ぶなかいともがたがひにかほを見 あはせてとうはくなせるてい なりしがなかにひとりがすゝみ よりせつかくのおなざしなれど からぎぬさんはかいにくとさる だいじんにみうけをされきのふ くるはをでられましたほかにもよい のがござりますればこよひは心の おあいかたをといふへんとうにきやうさにて たちまちのぞみをうしなひしかさりとてそのまら かへりもされねばよぎなく ほかのあいかたを よびざしきも ほとよくきつゝ あげてねまには いたれどそのあい かたはかのからぎぬに ならふべきものにあらく こゝろもそますおもしろ からずよをあらせしか いかにもしてからぎぬを 三しおもかげの わすれられねば □そばめと なしてあけ くれにちやう あいなせる ていなるにぞ ねたましき 一匹かぎり なく そなれの かほを みる たび 思ひ ちやませといゑにいる日は いつこでもあゝじがいまに ひきつけをきてしばしの うちもほとりをそなさず たるきかよそへゆくときも そなれをともなはざることなく さればいひよるたよりを えざるゆへむねをこかさぬ もとてはあらゆとわざといろ にもあらはさずあるじはもと よりそなれにもきにいら るゝやうたちふるまふを さるしたこゝろのあり ともしらねばあるじは こゝろにかなひしていにて のちにはわれらに 這処 より いゝなる人にみうけを されしとひそかにやうすを たつねればかれは郡法家卿を のれうゝめんにて久嶋やま といへるしまをあづかる しほかぜ和せまいか いふ人にねびきされしと いふことゆへふたゝび しあんをめぐらすに われとても おとこなり いつたん おもひ そめたる おんなき人に 下へ みうけを 三丁 されしとて ひとり の匣は むねのみ 荒太 こがさんは 夫が あまりといへば 昔語 に合 せ見 るべし はらをさためて此ちにさたりてづるを もとめてよう〳〵とこれなるいゑにわかとう おろかなるべしいづくいゑと やしまへおもむきそのしほがせと いふいゑにいかにもなして いりこみなばおもひを とぐりともあらんと さだめなきわれにてあれば ぼうこうゐなじむまゝにやうすをみればしゆらんとなせしわす夫のつまい 一ちころよをさりてそうけなしたるからさぬのなをば磯刈此とよびくつくのためふとてながさきにいか やうちの虫なひ又 るにんどものとり あつかひまで みなまつ さるゝ ほどに なり かくて同 日をおくる うち そなれは くわいたいせし よしなれは これまで子と いふものゝなき あるしがよろこび ひとかたならず もしつゝがなく 男子院をうまば ほんさいになほさん といふにそなれもよろ こびてあるじとふかく おもふのほかはよそを みくるけしきもあらねば いよ〳〵いひよるしほもな さりとてこれまでおもひ さりとてこれまでおもひ こみしをあたになみなんやう もなしとてもぢみちてゆか さかしごとまさかのときの ためにとてながさきに 西国所炎十六上 百三十一日記書 ありしころ ひそかにもとめ おきたりしなん ばんひほうの どへやくあれは これをあるしに くらはせて なほそのうへにて わがてにいれるしゆだんも あらんとおもひ ながらもいち ことをはからはそなれ ばかりかこの此しんだいまで だいじゆへ うくわつには こともはかられず のまする二ふう をめぐち すに あるじい つねに ちやを このみて さけをすこ せしときなど にはいつも そなれにうす ちやたてさせ のまずといふ ことあらざりしが もなにひとつ としてまに あはずたゞ ぼうぜんと なきがらを うちまも るのみ るのみ すべなき にこときち したしき しんるい あらねは しすまし たりと□ { } 〆はらの うち には うち ゑま るゝを いろにも みせび しんせつ こかし それがしが そなれにちから をそへづゝも ばんじにきをつけ はたらきしが さるにてもわ太り にいまだよつぎの あらざれば びやうしの むねをおもて だちとゞける ときはそれ なりにいゑだん ぜつにもおよぶ べし上にかくやかたの やくにんをいひこしらへて みるべしとてそのころ しゆつとうだいいちなる ゆがみぐ太夫のうとに ひそかにおほへのきんぐを ある日そちよく はれたればいそべの けしきをながめんと いきをなつせつた さげぢうにさる なをつめさゝへの さけをたづさへ などしてれいの 器 そなれもとも なひつゝゆきたる るすにはわれちのみよき をりからとおもひしかばひめ おへところのなだくやくを ちやいねのなかへいれおきしを それともさらにしるよしも なくあるじはそのよたち かへりいたくさけにゑひ たればちやひとつたてよと のぞまるゝにいつものことゆゑ そなれはことつそうすちや あるらはなにけなくのみしはうんの つきかじせつどくのきゝめはあや またずごぞうたちまちのう いつふくてはやくたてゝいだすを らんしてしばしはもだへくるしみ しがたへずくちよりちを はきてそのまゝいきは たへるけり此ありさまに そなれをはじめかないには かにたぢさはぎていしやま くすりとうろたへけれどの 参 業 糸糸 鑑 業業 おくりなにぶんおじひのおとり あつかひひとへにねがふといひられ 〳〵にかねにめのなきだ太夫ゆゑ たつぱくにしやうちしてそばめが くはいたいせしとならはそのこ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ きのていにいたしおき なにどもそのほうが わ太夫になりかはり やゝぎぬけめなき やうにせばおかみ むきはそれがし がよしなに とりなく おかんと } ▼あつて しるもの たへてあら まし ざりしされども たるじやうくもひをそなれをはしめ かないのものにかやう〳〵といひきかせ うのなきからはひそやかにたのみのそちへ ほうむりつゝひとみなあんとのおもひを せしかばにはかにわれ其をはやまひて しゆじんにひとしくもてなすのみわささま をどくさつせしをわがわざなりとたれば そなれはうむれつき こゝろたゝしきもの なればひとまに こもりてほとけ さんまいする ばかり つきへ かりにも うきたる けしきを みせねば たゝぞは ゆかじと しあんを めくらしあるひ そなれにうちむかひ はなれにうちむがひ われらもなにかな したけへたむけ たしとおもひしに よき名香類のてに いりたればおんみ こよひはよともに 両国部議十六山 〽上にはちのうちにおもふやう こへぬにおとこにわかれ 此まゝにまくら さひしくくらさんは わがとしはたちをおほくも 〽おなごにうむまし かひもなしもし さそふみつも あるならばと あしな心に なりたる ころ じぶ これなるかうを くゆらして みたまを なぐさめ たまへとて かうひとつゝみ とりいだし わたせは そなれはふかく よろこびその 夜くたんのかうを たきてひたすら ゑかうをなす ほどに たれか みすましそれかしがひとまの うちへしのびゆきふるなの べんを ふるは して だま しつ すか しつ かき くどき しに こゝろ そたつに ※ そは酒 そな れば さな ゑへ るが ごへ つひづるくと そのまゝにあやしき ゆめをむすひつゝひころの おもひをはらせしがなほ このいゑをわづものにして そなれをつまになさではと 又かのゆがみぐさまのかたへ しるべき 此かうは又 なかさきよりかとめ きたりしおらんだ はくらいの しなにして いかなる ていちよも そのさほり はなにちれば たちまちに こゝろを みだすのふしきあれば そなれもいつしつ くゆらするかほりにつれて なにとやらしきりにこゝろ ときめけば下へ よし 同八十七日 一同二丁疋一同二 ものをおくり そこびへつ らひみは たくみに いひ らへ しに く太夫 つひき とくしん して さあらは びやう きのてい ていにて いるわ太夫 よりそのほうを ようしになし たきねかひ ぶみをしたゝめ てさしいだせよ われよきやうに はからはんといふ にわれらはして やつたりとすゞさま ねかひをいだせしにねがひの とふりたるへしとのやかて とふりたるへしとのやかて みゆるしありしかばそれは がしのじつみやうは〽つき 四国番訓十六上 つき濡手焼栗六あは といひけるを しほかぜのあと めをつくより あら太夫と ろいめいなし さてわ太夫が ひやうしの むねをおもて だちて とゞけを せしかは わがもとの なにちなみ あるぬれ 手てあはを つか ゆが川 むが この しんだい ともそなれ ともおもふ がまゝに 下へ 国貞画春水補綴 てにいれたり とかくする うちつき みちて そなれは さんの ひもを ときうみ おとせし はおのこゞ にゝなを わけらと つけ たるは すなはち おんみの ことぞかし 一二の巻一つゞく 西国 一一編にぞの起ば。痢庵の末にあらばしたれば後にいへり射にいへり。例はいせ。 義によりてその主を害す和次郎父の仇とし出て互ひに義貞に義気ある助た 皇太夫孝を備て爰に執罪を治るにいたり劉しの温泉陣にして。 これを根引て微烈して微刻と奥東へ荊妾といに鯰大夫が病通せるとてさま〳〵 厄計をとろゝす話談に眷悪判然として矢嶋の一股小納局にいたる 十七条は阿後阿衛阿邑の許にいたりて典を真 一敵けんとかの怖し夫の妖我の術なく彼に徐々の声を以らず。虚罪を避け溺足し。溺足に 一同貞馬鹿児と女の所の時し夫の間の移ちく彼に徐〻の声をなして老日を怠るを見へ 国貞馬 抜け岩政を町壱ヶ陣落出すなど焼は十八騎にも譲りぬべ 根源実紫新刈概略七年年ノ都戸記画前 十四国筑紫なり穴人の遺し安富春仲僧て官居に托す如川見松娘されて貴 十二十一年十一月三一年以代千子等が尾膝を鶴はし柳彦自抜てなく 式部寛を受ふ夫婦式神毒祖秩手子等が尾膝を寝はし抑後自復はし御座候 ロ汚名企量とり黒白判然兇悪皆戦せらるいとて少将が貞節惟焼北国 こゝ死して又極る十一滴大気三位生れ宣章病死兆山法皇の御偉大かた ○湯ニ分着する事 此編みて全備り式部源氏物語を作り上東門院に奉合下藤江し賜召し追て記すべし 一一十一 さい だん 談 新増補 西國竒談 十六編下 心をなべさむるためうばよ もりよときをつけて なをざりならずこだて しがそなれはあやしき かうのかぼりにころを みだしすきしよにあたし まくちをかはせしより ひくにひかぬねわけと なりつひにわれらが つまとはなれどつくぐ おもへはわたまへおなごの みちのたちかたしと あけくれむねをや くるらめけんつひにはやまひ のととにふしの したい〴〵 に□ 三のまきよりしわれにはなさねなり なればかはいけもなくおもへともそなれの 心をなべさむるためうばふ やせおとろへしがおんとが五才になら れしときはかなくこのよをざりしなり われはそなれがうるはしきすがたをこそ めてもすれやせおとろへて いろもかもうせはてたる よりいぶせく おもひほかに そばめを かゝへなどして とへしねがしに とりあつかへば しせしときけど なけきもせすこれより いよ〳〵あへぎやうくいりて るにんともをせめつかひ しきうにまいないわいろゝ をむさほりおのれか みをのみこやせしに それにはひきかへわたら とのしんみはおさなき ころよりしてわれはあな がちをしへねどぶんぶの みちをふかくこのみとし 十四五になられしころ はおとなもおよばぬ きりやうはつめい われらがよからぬ ふるまひをみかねてをり〳〵 いはるゝいけんとうりしごへの ことなるをこゝやくな〽つき 新増補 だん 西國竒談 十六編下 心をなべさむるためうばよ もりよときをつけて なをざりならずそだて しがそなれはあやしき かうのかぼりにこゝろを みだしすきしよにあたし まくちをかはせしより ひくにひかぬねわけと なりつひにわれらが つまとはなれどつくぐ おもへはわせまへおなごの みちのたちかだしと あけくれむねをや くるしめけんつひにはやまひ のこそにふし したい〴〵 に台 三のまきよしわれにはなさぬなり なればかはいけもなくおもへともそなれの …………………………………………………………………………………………………………… やせおとろへしがおんとが五才になら れしときはかなくこのよをざりしなり われはそなれがうるはしきすがたをこそ めてもすれやせおとろへて 〽もいろもかもうせはてたる よりいぶせく おもひほかに おもひほし そばめを かゝへなどして とへしねがしに とりあつかへば しせしときけど なけきもせすこれより いよ〳〵あへぎやうへいりて るにんともをせめつかひ しきりにまいないわいろゝ をむさほりおのれか みをのみこやせしに それにはひきかへわたら とのしんみはおさなき ころよりしてわれはあな がちをしへねどぶんぶの みちをふかくこのみとし 十四五になられしころ はおとなもおよばぬ きりやうはつめい われらがよからぬ ふるまひをみかねてをり〳〵 いはるゝいけんとうりしごへの ことなるをこゝやくな〽つきへし 四国商談十六丁 □□かんげんだてと つめしかんけんたてと しかりこはしてさらに におもふやうわついぜん のわるだへみをがきしる ものゝあるときは のちくまでも身の ほうこうにんはのこらす いとまをいだしてあらたに いとまをいだしてあらたに かはりをかゝへしがば もちひすはちのうち さまだげとそのころの たれあつて わ次郎にわさ夫と いふまかこのをやの ありとつげねば どこまでもわが じつのことおもふて いれどいまでさへかれ これといけんをいふほど のやつこのまゝにおひ たつうちもしもわが みのなせたへまいに ひしもつたへきゝ かやのかたきといは れんしれすさも なきところがり太夫 なきところがわしまへ のたねにてあるを いけおはんはなにとやら ねぎめよからず おしかたづくるにしくはなしと ○八六二 〇〃 十一 上ゟしおりからおもひがけなきやりさき にわきばらふるへつらぬはれひとたび いきのたへたるがわれにもあらでいたりし ゆめともあらずうつともなくいそ 平がこのうへばなしよしやあく人 なればとてしゆしんをがいせしいひ なればとてしゆしんをがいせしいひ わけにせつふくなさんといたせし をうやわらはかと なみ子どのが じがいなさんとうち そはるゝいつれおと らぬていそうせつ ぎそれさへあるに わ次郎どのかおやの かたきとやりおつ とりたちむか わからを いそ平が 手むくひ 二十一日 もせてわが はたら くそんし けどわれは さのみのあくじ とおのはすこのほど なみこかあてやか なるにとしにも はせず心うこきて わりなへわがやへ はらをやり のほときへさしつけ つゝみちをたてねへ ひやぐのそのま こゝろときへより こゝろときへより もはじめて ゆめのさめたる ごとくひころの あへねんほつきし てがまんのつゝの このときまでもたくわへ おけるかのどくやくを それたさつせしか どへあるものを くはれねはわれも ぜんほうつき はてしゆへ おやの心に もちゆれどもさことへも かなはざる なうもの けて となをつ わひ るも きか ず● 這画は和次郎が物 語の状を図す つれかへりくどけど いひになびかすとて つひになひついさて やいばにかけんと したりし 四十 おれたりと おもへばたち まちわれに かへりて ものいふことの てきしゆゑ おんみち ふたりの あらそひを むかしはつ かしきもの かたりには およびし なり てにしゆへ わせまだの をと〳〵ざつ なしたる はくねには なり むたいに かんどうは したれとも おんみはなほもしま をはなれすしからいゑを しらひてかすかなくらしをせらるゝよしきくに それさへこゝろよからすひそるに人をつかはしてさしころさんと いまた けらいのさび したりしにそのみさへ もとゝのはねはつひそれなり にうちすきたりけにくさい ものみしらすとよのことわざ にもいへることくかくまてあへじを以 やりにつらぬけれしものかれぬ てんはつわきゝそのにはてゝ このかたきいきあるうちに このかたみて それかしろみをずたくに きりさいなみててゝこの うらみをはらされに 又いそへいはそれかしに 手をおはせしとてしぬ るにおらばぬつきへ 一百二十一月 田匡音詞十ナ丁 なにほどのゝしから れてもうたるゝつゑの したをくゞりてそでに とりつき Q つゞき そちかしう とでん内の かね七十七日 うはひとかいへその かね七十七丁 なんぎとかけたりし 御くひにうけしやり さきとおもへばわれに これにといこんは はれなん廿よねんの そのあいだふきのゑい くはをしたりしも まことにゆめの世 なりしとしきりに せんひをくやみつゝ いたでにくつ うらみもなくしうとも せぬ なが もの がたり きく人みゝを かたむけておと ろくなめにも わたらはむね わきらはばね うちつふれて あきれはて たるていなりしが たるていなりしか しはらくあつて かたちをあらため さてはいまで ちゝなりと思ひし おんみは父ならで かへつてちゝの あたなりしか そのものがたりに つきてまた おもひあはする ことこそあれ われおさ なく はゝに わかれ ひとり のちみ おもふが ゆゑに や 二十六丁 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ したへどもとにかへいふせ也 せらるゝのみかあるときおのれ かへやのうちにとめしをくばんと はしをとりしにふしきやたち まちひとつの屋大財もへいで たるにそあなやとはかりおど ろきてもつたるわんをとり おとせしにいんくははわがめに のみ見へてきうじに たちしにせんなかは さらにこゝろもつか さりけんわるめし わんをとりおたせし にかれもひとしく おとろきて一これは なかとか あぞはし たつと すたみより こほれし めしを ひろいとらんと するおごにせんの するほどにせんの ほとりにめくりゐ たるひとつのねこ それとみるより それとみるより かれよりさきに はしりより こほれしめしを うちくらふのを おひしりぞけんと するまもなく ねこはたちまち くるしけにみを もがくよとみへ けるがおびたゝしく くろちをはきて そのまゝしゝたる ありたまにさては これなるめしの なかにはどへの しこみてあり たるかと したを まきつゝ おど ろき この み た にん のみゝ にいら べよか らぬ されなんと つきへ 十四日記ノ書ニ本 とめてねこのしがいともろともにあまり とめてねこのしがいともろともにあまり めしをもつちにうづめそしらぬていにて ことはすませどいかにもがてんのゆかざれば たゞやうじんにしくはなしとみをつゝしみ ているほどに 〽うきつらむにしかゞしとかの小女にもさたばしすなとくちを つゞきしつかむにしかじとかの小女にもさたばしすなくくちを 又はから ずもおぼへ なきふかうの おめいをかふむかて つひにかんどう せられしづと これもわがみの ふしやうとおもへば さちに又おやを うちまず これなる しまを はなれ ぬもおりをみあはせわびせんに おもふのほかはなかりしにあかくにおのれ かくさの屋にせんごもしらずまど ろむおりから又もやいんくはの もへいでゝかほのあたりに きらめくよとおもへばたちまち ねむりさめてまなこをひらけば こはいかにくろしやうそ〳〵せしあや しきくせものよきのうへよりふみ またかりねくびをかゝんとするていに おどろきながらもためかわず やにはにしたよりはねかへせばこは しそんじぬとくせものが あはてふた めきつき かゝるを みを かはして きゝうでを しつかととらへ ひさにひきみせ かぶりしづきんを はきこりみれはけはや はきとりみれはけはや 太なるに又おとろきていかなる いしゆぞとせめとくはのがれかたへ やおもひけんまことはしゆじん あら太夫さまいかなるしさいか しらねどもおんみをふかく きくませ給ひいつそや どくさつなさんとせしに姫 そのことつひにとゝのはず さりとていけおきがたきゆへ ねくびを ねくびを かけと それがし ひそかに めいせられ しゆへよんどころ なくかへのしだい 十月廿一日 やもとよりわれらがしることならいは いのちはかりはたすけてとわぶる にいよ〳〵あきれはて ひとりけもの でさへ子を おもふに おやは させる つみなき それかしを ころさんと まてせら るゝはなに 迄やらん なにはとも あれこの けはや太 うつて すて など するならば つぎへ 西国音談十六丁 2 ひつしを すへひ もひし とも しら ざれば ひと すじに おん み を おやと おもふ ゆゑに ことへ ちて たらず とも 子たるの みちをつへ さすゞは人に う れし かひ なしと あみがさ におもてを かへじわび する たふ りを もと めんためこのあたりを はいくはいすれどかん とうのみのかなしさは きけはちかころ此しまへ りう太郎といへるもの むしつのつみにて閉 とくちへさへもよりかねしが □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ いかりのますへつよく つひにこのみのかん どうのわひするたよ りをうしなはんと思ひ しゆへにけはや太をその まゝゆるしてくらせしが いまふいたりておもひまは せはあやしきいんくはのもへ たるは世になきちゝのれい ごんの かげみに そふて それが しが □ 末 ながされたるよし かれはとしなほじやく なれとふんふのみちす こくてそのことつさ□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ たゞしきとのことわれかの ものとしたしまは一とめれ きになるのみなくてみに とくをえるともいはらん迄 此ほどかれりすみかにいたり あないをこはんとしたりしに うちにおなこのこゑするゆへ がてんゆかねはさうなくいらす うらてのかたへたちまはりて やうすいかにこうかくばと におぢるゝなみ子 どのがたゝひとすぢ におもひつめたる まことにせつなる れども〽をも ものがたりしか れどもべき也 十五 西国音談十六丁 ひきたてゝつれかへらるゝていだらくあまりといへは むざんなるいたされかたとおもへともおやなる ものをすゝみてゝさゝへとめんもさすが なれはこゝろならずもみすごしくその 日はけれどもおとつれすすご〳〵として たちえりしがさるにても此まゝにうち すておくべきことならねはいかでおんみを いさめんとなへとにこくはきたれどもうん とうのみをはゞかれはうちにいるへきたより をえずさりとておやのひきひどうをしり いゝよそにみすこさんはみちにあらすと かきしりうそらはちうきをまもりていろにおほれずひたすち おもひきらせんといさめきとせるていだらく又ありかたき わかものとかんトいりつゝたすむおりしもかのけはや太を めしつれておんみかしこにきたりたまひわりなくなみ子を おもふよそそふも又こゝにきらく □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ これなんなみ子どのか さけひかなしむこゑすれば おんみのいかりのゝしるその こはねへいごしに もれてそともへ きこへしかばいまは やうよもなり かねてさかいの かきねを をし やふ のそむといふ のひしうちみをはらしたまはん なむせうりやうとんしやう ほたいなむあみたふつ〳〵 こといひつゝもにしにむかひて ふしおかめはあちたいふは たんそくして〽たすへかたなき たはあくにんをなをようい也 のおんありとはめうかに あまりてそらおそろし たゝ此うへのこゝろ かゝりはいきある内 にりう太郎とのへ ひといひたきを あれどトいふとき にはのあなたより 〽そのりう太郎は これへあくけん さんなさんといひ つゝもかのけはや 太をいましめて さるくつはさん はませしを おひたてく いてきたれは これはとおと ろへひとくに雨しやくをしつゝさになほり それがしなみ子のみのよへをおもはぬきてはあらねども むしつのつみをまぬれて食ゑにはひこるねいしん どものねをたつて はをからさすは四のます あつはれ義気記あるわが ものにいかでかやりのつけらる べきこはなにとせんとためらふおりしも おもはすおんみにごゑかけられはしめてきくし まていちふしちうおんみのさんけものがたりときか うかすはまことのちゝのあたなりともせうかい かひよりしらですむへきをいまさらあだと みれはいはるゝとも此としころのよういくを おんみはおもへばやいはのこてらんやうんけに いそ平につみもめつずるとかきくあたもうち つきとめらみもこむまでなるをこゝろのこさずぜう おしていなる おしていなるぶつあれかくてはわかなきちゝうへの 江ぞかなやと れいこんこゝにましますとも ばかりおどろきしか かならず やうずくわしくきくたるうへ せんすへあらんとしあんして わきとそのはへたち よらすひとまのうちへ かくれしのびてかの いて平がものかたりを きげばきくほど まことあるこゝろの そこはあらはれたれとともに 天をいたゝかぬおやのかたきて あるもの一里ひはともあれみのが あるものをりひはともあれみのか しては子とうまれたるかひもなし かれをしともうたるゝともせうふ をときのうんにまかせてこゝにしゆう をけつせんとちゝのうけたるやりおつとりないり かけへゝつきかくれど手むかひもせていそゑかわがせいばいを 一月二日 あづまよりして ひさの ほとりへ おとしおき とひさる ていに みへける 入のかり うねは たち まちに 陰火組 上なりて きへうせぬ ことの ふしきに おとろき つゝまつその おとぜしかた そでをいか なるもの ぞと てに とり はるへとおんつけしへを かうむりしやくめのおもて たちかたさにわざとつれな もてなせしにさいせんわが すむくさのやへいちばの かりかねとひきたりて あやしき女のかたそでき みれば なみに どのより わがもとへ ちしほを もつて つきん 西国音談十六丁 かきこま〳〵と かくこのていをしたゝ めておくるところの かきをきなるにて さてはむたいにせま られてふひんぞさいごを とけられしか今より かねのふしきをみるに これもまさしく これもまさしく かのおとめのいち ねんいちはのとりと けして此かたそでは おくりしならんかくまで まである ひこをたとへ ちうきの ためなり とてうち にておきてくは にんしやうをわきまへ しらねものににたり せめてなきからなり とてもひそかにほふむり ゑさせんとかのくさのやを たちいでつゝやがてこのやの うらてへきだり〳〵みをひそ ませてものかげより内の やう女をうがゝふとも 十二月十一日 ことつつかずや此けはやは かきねの女ふれをくゝりでゝ 十一 ▼とはんととり にかさぬために けはや太をかへの ことくにいま しめてよし なきこゑをたて させしとくち さへしはりて ひきたてつらせん のかきのやふれ より ○これなるにはにしのびいり なほもやうすをたち たちぎゝせしに いまはになに やうそれかしへいひ たきことのあり といふ所へ 「上ノこと ばをきくしのふによし なくあらはれいてたり かれをおもひこれを おもふにさいせんあや しきかりかねのかの かたはてをもてきたかし もなみ子とのていち ねんよりなせるにては あるへけれどもまた わ太夫とのゝこんはへ いちはのかりとなり それかしさへもこの 此まとゐにくはへんと いたされしか ふしきくと おどろけば 嶋 ともにおと ろくひとくの なかに手おひはくるし さをわするゝばかり うちゑみて〽こはおり よへもりう太郎どの いまはにおんそへたゞ ひきとまうし ひみとまうし いれたきわけ ありといひ しもほろの しもほかの しきいに あらず あたりみまはし ひたりこといまいそ平 にあてみをくらひきを うしなつたていをして のこらずきいた かれらかみの うへあら太夫 がほんし人にたち かへりてはこよは いられぬその うへなみ子がやゑ きりなら くめん次どのへこの とほりちう しんすれば ほうびは しつかり そふじやく とうなつき つゝはしり 米米 さらんと するていにかれやつては いちだいじとおとり かつてひつとらへやうす いかにとせめとへばのがれぬ こところとおもひけんありし ちうかうせつぎをしるみのかしせしと おもひしなみ子どのさへふしなるよしに あんごはしたれどなほもくはしきやうすを● ことゝもしかんとつぐるによりてもろ人の 米 一同二十一丁 うたてや われらがなみ 子とのにとしにも はぢずせまりし もまよひのくも の今はれとは おごゝろもつて かのおとめに こゝろのこさん 米米 □□□□□□□□ 米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米米 米一米一米一米 **** もふこともあれこれは やうもあらねど われらがおもひ たへしといふ しるしをこゝに みせさるときはしゝ てののちまてうしろ めたしもとよりおんみは こゝろたゞしへかりにも いろをこのみたまはぬ ごしんていはさること ながらやゑぎりなら ばごしゆくんへはゞかり とまやのいもと なるなみこで あるをなにか いとはんわれら がじやねんをたちたるしるしにおんなかだちを つかまつらんおとめがせつなることつばへとせつ しやがいまはのねかひとをくみわけたまはゝ なにごともまげてうけひき給はれかしつきへ 四国音誠十六丁 いかに〳〵とのぞ まれてりう太郎は 又さくにとうわく かぎりなかりしが おもひなほして うち な つき まとに よぎ なぎ わどのゝ 一あふせいかにもしやう ちいたすへしさり ながらいまはかなはぬ それかしかねてまうすがとく みにおぼへなきぬれぎぬより うたがひうけて此しまへながされ なりながら よしや とまやのいもと なりとも ふきがましき ことかたしては なにをもつて かわがきみへ べきぞ今にも このいひわけのたつ やうちゑみ これやと おもひ なくこと なし かたぐ さら ばと □□□□□□ しめんに しせつとうちいして あつつる ことも あらば いちぶ しじう ありの まゝ しゆくん にごんじやう なしたるうへもしみゆるしの かうむらはおもてたちて むかへとり ながく ふうふのちきりをむすばん なみことのにもしかこゝろへて 此うへなからかならすしもはやまり たるもし給ふなことうり をつくせしりう太郎 かことはになみこい よろこびて〽その おことばをきくうへは たとへもねんまてば とてさら〳〵もつてうぢみなし とりなしひとつゆへこれまで おにかじやのやうにおもふて いたりめんほくないとてをあは おがめばておひはにつこと これといふのもあら太夫さまあなたの いたうめんほくないとてをあはせつゝふし 百目丁迄一丁 おしあてわれとわらてに くびかきおとしてしらたる ありさまがうあく ふどうの 米一 もの ありてせんに かへればせんにも つよへあつはれ ゆゝしきしに ぶりなりけり ひと〴〵あはやと おどろけどにさち とむべきことに あらねだせめて くつうをまぬ かれさせんと おの〳〵くちに みほとけの みなをとなへて ためらひけるその中 ためらむけるその中 にいそ平はひとり しきりにたんそく せしがなにおもひ けんふところより けんふたことより ひとつのじやう ばことりいだし りう太郎の まへにさしおき 〽きみ此しかへ わたらせ一次へ 口入ばゝ 大いふよりはやく 一今あら太夫か かうべをはねて ちうほにそみし わかはらにやつきたてんと するていにあはやとおとろく やいばをはとるてもみせず ひとぐのなかにもわきら てをこりとゞめ〽そちが かくこはきりと かくこはこと ながらあら さしまつてやいばもつ 太夫か いの すで しは まと に にて さん けに よりて さへもちゝのうちみを 百国十七丁迄一同 つき給はア そのころの ことなりしが そのまゝうみへなげどみつゝじやうばこ ひきやくと おほしきひこり のやつこかいそ へをうろへして いるていゆへわれ らがそはざし よりてなにもの なるぞとたつぬれ はくだんのひきやくは にこしをかゞめて おのれはゆがみくめん 次とのよりあら 太まさまへおんめに 〽かゝりひそかにこれ なるじやうばこをめて わたしいたせよこて つかひをまうしうけたる ものしほかせどのゝ おすまゐはいつれのかたぞおしくて といふにかでんのゆきかたくもしもや きことのおんうへかとおもへはうちすて おきがたさにやだんをみすましかの やつこにあてみをくはせてもんせつさせ ゑりにかけたるじやうぞこをうばひ とりつゝひらきみれははたしておんみの いちだいじゆへふねんながらをやつこめは にもおよばんに今にはじめぬいそ平かであつはれはたらき はかりは今もなほわかくわいちうにひめ おきぬこれみそなはせとさしよすれはいふかし るかしやう太郎てにとりあけつゝよみくだ せはひそかにおりうのざしつなりとてくめん 御がたよりあら太夫にしまのうちにてりう 太郎をせめころすへきふんめんにて此ことしゆびよく しおほせなばおつとりがしゆくんにとりなしてあらは夫 をはいつかどにとりたてんなとししたゝめあるにそ一とう太郎 といきをつき〽さてはわかみをむしつのつみにおとざんとはか りしもまなおりうめうなずはざなかしかもし此しし のあら太夫の手にいるときはたちまちにわがみのうへ かんすへしとほむれはいそ 平につとわらひそれ たにきみへおわた しまうせは思ひ おくことさらになし しやしとなのつく あら太夫とのを ロ さんぜし かちはあだも わかてにかけし まうしわけには かへのとふりと うらみも それまでなるをしなんとなすはむやくなりいま やかたにはねいじんはなこりいかなるいへんのあらん もしれす今しぬいのちをなからへてそのごう およひておやくにたゝは六つはれゆくしきちう せつなるべしかへす〳〵もにくむべくゆるしかたき はけはや太なりいで〳〵といひつゝないそ平り てにもちしやいばをもきとりたつさへて〽つきべし 西国音新一丁 しつゝしつかににはへおりたてばえんさき ちかくいましめおかれしかのけはや太はいま さかにわがみのうへと思ふも さらにわがみのうへと思ふにぞくびを ちめてみをふるいしたすけたまへと いはんにもさるくごはさへはめられていふも いはれぬくるしさをわ次郎はあざわらひ なんちあら太夫かあくじをたすけ るにんきもをくるしめ そんのみならすいつ うらくざやくしのびいりねくひをかゝんと なしたる一人たるものゝしよいにあらず もつともわたへしのいこんによりて そちかいのちをとるにあらね とこなたのきみつそくめ んやかたへないつうるさん をいひつるからは なか〳〵 もつて そやしゆへ のいひ つけな れはす わか九郎 □□ ますを 米米 図いたり てはおかれぬ くちばしりしが そのみのいんくわ かなはぬところと 思ひたきらめくはん ねんてよといふより はらをいんとけしきをかへしか又よくおもへそこに なせるありさまにひとたひはいきとふり おごりこみつゝやつぱらをみなころしにして たいまうのあるものかわつか ひとりの女思にあやうきと かへりみすしきりにはやるは ちゑなきわざなりあの けき さいと いへる やつも □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ひと 十一 なわ では ゆかぬ くせもの かれをみる たにびきいれ なはわかかた うてともなる べきかとたち まちしはんを あらたほしかは おのれがかたよりわけをたて こゝろのきみつをうちあけて つひにわぼくこなしつゝもおあやを つれてかへりしまでは十三べんにあしはす 〽どしされはおあやばみのうしたしを けばといつとにみられしことゆへも 見せし いちこんに かうへを たれつく ひはいる はやくけはやくげほそくび てうそうちおとすみつもたま らぬてのうちをできたし とをむるそう 太郎いそ平 も今さらに も今さらに しぬにも しなれぬ わいらが どう □□□□□□ このかのかたり しはらくおえて しばくおいて まへとこゝとの ゑとぎに うつる されはまたしば六は 此ほどつま□らのあとを 此ほどつま五郎のあとを つけかのげきさいがちくに いたりうちのやうす をうらくば思ひかけ なきつまのおあやが このやにありてめ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ けき さいのそばめ になりのみならず 〽あるべきことかつま 五郎とみつつゝり 一同年從一 ほかにさはけたるおづとのことばに いうたくおもひしそうまれついてのいんふ しにていくたりおとこをかさねるをも しにていくたりおとこそかさねるをも はちとおもはぬしぬものなれは思ひの あんとしてつれくられしその あんとしてつれかへられしその 夜よりふたゝびおつとに そひねしてはゞかるいろも あらざるをしば六もまた そのゝちはかれをとかむる こともせずもとのふうふ となりしことけにあさま しききやうかいなりたり さるから女しは吾は今やかた にてときめくところの なりうのかたとよばるゞは 一とがむすめきてはあらず やとかねてこゝろをつくれ こどもなか〳〵ちつ よりともかなはず それには おあやに ますもの なしと おもふに さいはび おりうの □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ もの思ふ おなごをかくんとてたつぬる よしをきゝいだせしかばつきへ 二十 西陸市場 我 大武兵兵 灘 同 天起金二朱 中包金一株 十二月十四丸 鮮井氏左 小包百銅 楽工 八角平屋 第一ひゐをとゝのひ しんぜいをます妙薬 なればきよじやくの人 つゞき 八 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 二十五日 ちゝつゝおあやをひきつれて おりうのまぐにたちちつれは これくつきやうのことなりと くちいれはするばゝを たのみおあやをほう 本木下 こうさせるていにて おりうのへやにつかはす □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ にでかのなりあがりのこしもとの のがいでゝたいめんなしまつひとゝふり くねのがいでゝたいめんなしまつひとゝふり とひたゞしたるかへさあらばきゝゑに かなふやいなやおへやさまにおめみへしやと□ たかひにはしめてかほみあはせ 〽おまへは〽そちはとはかりにて さすかくねのがきくまへゆへ あといひねて ゐたりける めでたし くも〳〵 常に用ひてよし 対州 中川 屋鋪 下谷さみせんぼり 浦嵜氏製 為永春水補綴歌川国貞画 鐫 目 録 十六 根源實紫 十七編 御亭程彦作 一寿齋国貞記 十八 五編朝作 娘庭訓金鶏 大尾同 十七編山東京山郡 おくみ 一高神橋神 十八編越中将しれ 琴聲美人錄 同歌川浦貞馬 総久昭 同同十九編川芳貞画 一初編ゟ柳亭種彦作 五編迄 春色墨田川 同同十二丁 新増補西国奇談 五編 十六編 七編 為永春水作 歌川国貞画 芝神明前 都佐野屋喜兵衛板 地本繪草紙園扇問屋並 三嶌町 十一 一拾七編板元城本 さいこくきだん 西二国三郎殿 板元戦争 春水補綴芳虎 為永春水作 十七編 新 増 補 新 蚫補 西国奇 だん 十七編上 十五 漢に倭の策子を讀に。暗愚の小人権をとりて威を國中に 恣にすれば。順孝の才子零落して。不時の横難に苦む あり。その薄命をも天命とをは。天かならず私ある歟。衆俗 是より惑はされて。不善に入る者尠からず。井をしも釈氏 は教戒して。三世業因と説ものから。その説由遠なるは 婦幼の耳に入易からず。所を。稗史小說あり。巧拙その差あ りといへども。勧懲すの捷径なれは稚童等先遠九三草紙を 看ば。身を省るの一助とならんか 為永春水記焉 素崎 妙意軒 鷲塚 爪五郎 百目善弐十七丁 素崎の妻 阿綾 □□□□□□□□ 二十六へんのつゝき一さてもおりうは なにごゝろなくめみへにきたりし ほうこう人と思はすかほをみ給は すればはしのかあやでありしかば おもひかけなしはゝさんといは んとせしがかたはらにくねのか ひかへゐたるゆへめかほでそれと はゝおやにこゝろへさせつゝよそ くしく〽これははじめてあひ ましたとしころもてうとよく さだめてしごともてきるて もいろ〳〵たまつて あらう此あいだからぬひもの あらう此あいだからぬひもの いことゆへこの まゝへやにゐて よいならすぐに よいならすぐに こちらはかゝへたい 一くねのそちかう よいやうにそうだん しやといひつくればくね のはおあやにうちむがひ 〽おきゝのとほりたんな さまのぎよいにかなふたよし なれはこのまゝすぐにこゝに ゐてうけでうはあすでもよい といはれておあやはてをつかへ にてうほうなわたくしがきの ふてうほうなわたくしがさつそくに おしゆびして此まゝゐよとはほうかなおふせ 五日午炎一一 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ いづれになりと おさしつしだいよろしく おねかひまうしますと いふにくねのはうちうなづき そんならおまへをつれてきた あのくちいれのはァさんに おまへをとめておくことをいふと もたしてやりませうといゝいゝ だつて ゆく あわを おりうは しはし みおくり しが あく ぎやく ふとうの おといなれ どもおさなき ころよりそたて られたるおやいて あればこひしさに おもはすそはへはしり より一のうなつかし やはゝさのとわ れをわすれて すがりつきこな たもおなじ おやこみつ たかひにてを とりいたき給ひ しばしなみたに かれけるがきすか ひとめをはられば おりうはつきへ 素崎の妻 阿綾 □□□□□□□□ 一十六へんのつゞき一さてもおりうは なにごゝろなくめみへにきたりし ほうこう人と思はすかほをみあは すればはゝのかあやでありしかば おもひかけなしはゝさんといは んとせしがかたはらにくねのか ひかへゐたるゆへめかほでそれと はゝおやにこゝろへさせつゝよそ くしく〽これははじめてあひ ましたとしころもてうとよく さだめてしごともてきるて あらう此あいだからぬひもの もいろ〳〵たまつて いことゆへこの まゝへやにゐて まゝへやにあて よいならすぐに こちらはかゝへたい くねのそちから よいやうにそうだん しやといひつくればくね のいふゆやき のはおあやにうちむがひ 〽おきゝのとほりたんあ 〽おきゝのとほりたんな さまのぎよいにかなふたよし なれはこのまゝすぐにこゝき ゐてうけでうはあすでもよい といはれておあやはてをつかへ ふてうほうなわたくしがさつそくに おしゆびして此まゝゐらとはほうがなおふせ 百目丁是巳三 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ いづれになりと いづれになりと おさしつしだいよろしく おねかひまうしますと いふにくねのはうちうなづき そんならおまへをつれてきた あのくちいれのはァさんに おまへをとめておくことをいふと もたしてやりませうといゝいゝ だつて ゆく あもを おりうは しはし みおくり しが あく ぎやく ふとうの おとのなれ どもおさなき ころよりそたて られたるおやいて あればこひしさに おもはすそはへはしり より一のうなつかし やはゝさのとわ れをわすれて すがりつきこな たもおなじ おやこみつ たかひにてを とりいたきあひ しばしなみたに かれけるがさすが ひとめをはしかれば おりうはつきへ 猿江 正巨音訓十七上 つきなみだをおしめぐひ〽おまへはだいりのわたしにて ふねつがへりしそのときにとゝさんともろともにそこの みくすとなり給ひしかとおもひしものをはからすも まめていなんすおかほを見しくれしさいはんかたも なしおまへかふしていさんすからはさぞこゝさんも おまめであろうはやくやうすをきかせてといめにの TV/VV/V/ なんです。 □おあやもなみだを はらひ〽とゝさん とてもふじなれど わたしがこゝへ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ くるまで にはふかは すの あつ ては こと まづ ひとゝほりきいて たもわたしはいつそやだいりにて もくつかへりしとき三人ひとしく なみのそこにまろびおちたるその そちはわれさへゆめのことくなれば つまこのゆくゑをほりにしてか しるべきやうのあらさるよしを いゝつゝひたすらたちわひしかば けきさいしきりにいきとほれど さりとてわがみをころさんとも せすかてつてかれがそはめになれど わりなくいふてせめらるゝに のがるゝみちのあらざりしかは よにあさましく くちおしけれど ぜひなくこゝろに したかびしに けきさいもかの あはゆきのたん とうをこし なひてはかしこ のすまゐも なりがたく とてには にいゑを とりかた づけて しも のせ きを ふねくつ がへりし その に◑ ◑いつたん いきはたへたるが くすりを めたへよび いかしてかいほう なせるものある ゆへたれにかし あらんとよく〳〵 みれはひとも あらふになに とせんげき さいなるに おどろきしが かれはわらは いきふきかへせし ていをみるより つめよせて おつとゝ そなたの ゆくゑをば いからせし ごとせめ とへとも もとより ふねのむ 〆 ほつ そくなし やがてこの きを ね むねめ DCO ちにきた りしなり さてまた おつとの しばろく どのも だいり のわた かの なんせん にてから きいの ちをば たす かりし がどいわ ほにおも てをうち あてられ たる 同同從十一上 そのあとの したいに くづれいたしを かゝみにうつして みるところわかかほながらも 見ちがへるまであやしきていに なりしよりこゝにひとつの だてをもうけそのなを そざきめういけんとなのり これなるやかたにいりこみて かの母相語を見るといふ よりひたすらとう けにとりいりてことを ことをなさ んとつき □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ つゞき やう したりしを りう太郎を やらいふひとに ときやぶられて たちまちに このちをおひ はらはれし ことそれより はかたのまちに いたりあかまつ えいさいにめくり あひかほのりやうし ぢをたのみし ところくづれし あとのいへたるのみか だいりわたりの なんせんのとき おりうといで田 けんきやうに なのりあいたり ことのおもむき □□□□□□□□ かやう〳〵と つげられしかは はじめておりうが つゝがなくなすのいゑに いりこまんとひこのくにへと▼ から □□□□□□□ の巻ゟにたゑもあるもの なるをなほもしつふを いられしにこの おんみかてち たゝさんとこゝろをつけ ゆへるゝよしをきゝ いたしとちうに かくれてうかうてひ しにおなし 思ひにつま五郎の おんみの ずを □□□□□□□□ はんと しは六 とのと とちうにて いであはれし よりとおこり やかておつとか けきさいかたへ まいられての おほりんちやくも しはいとのゝこゝろの〆 又ひろきとんだ さばけたいぶんゆへ かたきとうしかのち つひにみかたとなりし おもむきはかやう〳〵 しか〴〵とありし国 百四十匁一三 おもむくよしをも かれがはなしい きゝしかはしば六 どのにもとつて かへしふたゝび このちにきた られてひそ かにやうすを うつゞら ところに いまやかたには おりうの かたとて ときめく そはめの でにたるよし できたるよし ひとのうはさに かくれなければ さてはむすめが しゆひよくも いりこみたる かとよろこばれ しづよにも 二のまきへ ▼やうす をもの かたれは さすか には には ちて 一 つま五郎とみつつつ なせしことのみは つゝみてあらはに いはさりけり いはさりけり おりうはしぢう こうちきを おとろきつ またよろ こひつかきし べき おほへす こひさを すゝませて さとい そうした ことてありし わたし このほとてら まいりのとき つま五郎をは みかけしゆへ このみに みを むく わん つけ ねらふ よと おもひ しがと かへいき ほひある みふなりては かれらか なにほど 丑国音談十七上 口いままいりの □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ このおひとに こちそうを いたそうと これまてかつて まいりましたと いふをおりうは きらけへす ほうこう人 にふるまふの ならうらんやへ つれてゆき おもふとも おそる ことはよ あらし やうちういと おりひすてつゝ いたりしに とゝさんの はからひにて いちみかつたい したりとは わらいにおい てもよろこはしく はなしのかちに つぎのまより ひとのいりくる りのおとする ふたりはおとろ さをあらたいて ほかのはなしに まきらしつゝ そしらぬていにと いるところへくねのは なにやらさけさかなを たつさへなからたち いてつゝ〽ごとうちいの おさかなをたゝいま こしらへましたゆへの 一丁二丁 二丁二丁 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 一丁一丁 一同二月一 たへ させる とも つゝ も わた しの まへに さし つも うけす もつて てるとは なにことそと いふをくねの はおしかへして 〽ハテあなにも おにあひなさ れぬなせわた くしにおかへしあそは さいせんはしめてこの さいせんはしめてこの おかたにおあひなされ しそのときに ひにひつくり あそはす こやうす □□□□□□□ なん ども あなたに おゆかり のある おかたに そういはいるまい さためてないしよ のおはなしも あらうとそんじ ましたゆへわさと はいしておつきへ まいりとあの あかなとそう たんしくこの おさかなはこし ちへました いまゝもあるなか おつきにて たにんのこゝへ まいらぬやうに はりまんをして おりますれはお心 つかひはごさりませぬさまく おかんのさめぬうちおひとつおはじめ あははせといふにおりうはうちゑみて 〽さすかはくねのかとりはからひ 亜国商説十七山 つゞきこゝちをしつたそちたちにかくすては なけれともこのやうなみすぼらしいなりを してきたものをわたしのみうちといふ ときはかたみもせまいとおもふたゆゑ あとてないしよてしらせるまても かくしておいたかよかろうとそれて あらいにいはなんだにはやく そなたかすいりやらしと さかなこゝちへまてしたとは わたしにおいてもよろとはしい そんならひとつはしめませう みつからさかづきとりあけて やかておあやにさすほとに これよりしはらくしゆ えんになりてさいつ さゝれつさかつき 〽のかすもしたいに ちさなりしころ おりりはくねのに うちむかひ〽そちは せうねをしるうへは なにをかづゝまへこのひとはしへは わたしのはゝなれどいつそゆとりけに すみこむときふたおやとりによをさりて たよりなきみといふたれはいまさらはしと ひろうもしかたし たこまでも たにんむきに いふておくる よつろうか そちがしよそんは いかにそやと とはれて くねのは うちねんじ おはゝさまが このやうに おまめて おいて なさるゝ からは おとゝさま 江もおいで なさろう いまのあな たのおいき ほひてとのさま にしか〴〵と ことばをもうけて おふせあけしれ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ かじひをおねかひ あそはしたらおとゝ さまもおはゝさまも このおやかたへ引とられ 百目十疋 しゆびよくゆかはたちまちいおめしかくに なろうもしれぬもしそのときにおやと てしがうがわるいならおぢさまととも おはさまとてもしなよくおふせ候けられ ましかういふうまひ おはなしに ごゑんりよ なさるは おほ きな そん 兵衛 なん を そう では は さり ませ ぬかと いはれて おりり はうち うなづき 〽さあらはそち がことはにした かひおりをみ給はせ ぬがふてこんとはなしなかばへ つぎのまよりあかながあはてゝ はしりいで〽もしたんなさま〳〵 たゞいまこれへとのさまが いはかにおいりてとさります といふにおどろくひと〳〵の なかにもかりうはいそがは しへあかなにいひつけ きぬぬきかつれは くねのはそこらに くひちらかしたる さけさかなをはとり かたつけなとするかゝる ませろへもなし ところへむねしけははや しつ〳〵といりきたり あたりみまはしゑまし げに〽おりうかな らすかまやんないま まてしよもつを ながめいたるに しきりに きうつせし ゆゑにそち をよばんと おもひしろ イヤ〳〵へやを かきへ 西巨音三十十一 〽同内しとひおどろかきばきやうあることもあらんかとあないもなさでいり きたりしになにやらしゆえんのありしやうずこはよきところへまいりたり われもひしすこすべければ そのまゝにてくるしう ないとりかたづけ すとこれへ もて上いひ かけてまた かたはら ゑいろ べ ▽ ひやう ぶのかけへかくれたる おあやを忌ゝゆびさして 〽あきなるふじんはおくむき にてつひにみなれぬふう ぞくなるがいつれのもの ぞくなるがいはれのもの そうとひかけられおりうは はつことおどろきしがみとが められしうへからはいつそ うちあけいひいてなば さいはひをみることもやと 同四日 十五日。 しあんをしつゝてをさげて 〽おめさはりになりまして おそれいつたることながら かれはわらはがおばなるが いつぞやまうしあげ たるとふりわらはが としまだおさなき ころふたおやきよを さられてこのおば ふうふのたすけ にてひさしくよう いくせられしにゆゑ ありてこのふうふとも わかれ〳〵になりつゝも さらにゆぐえのしれざり うにけふはから ずもたづね きてひそ かにわらは にいへる やうおつと 素倹謹 一妙音新潰ん こと扨相説を みるふゑに よりずきし ころごとう 菊房同 一百目十七丁一二 〇〇 けへおたち ほりをゆるされ ましてしばらく ごおんをかうむか しゆゑおため よからぬつるぎ をみれば いさゝか ことばを ざる こ な て あ 五郎 さまに まう せしを りう 太郎 とか よばれ たるわか ものゝため にとき やぶられ おくにを おひはら われて そのことを いとさんねん にはぞんぜし かどそのころは めういけんことも おもてにあやしき しやもつをはつし みぐかしきめんてい なればきみの ごぜんへいつること はゞかりなきに あらざれば そのまゝおくに をたいさんせし にはからす ちかごろゑ医師 にあひてしゆ もつはあとなく いへたるのみか わらはが これなる みやかたに みやづかへ して次 西巨吉記十七丁 いゞきいることをかぜのたよりにきゝし かばふうふひとしくこのちに きたりわちはにたよりていま いちどおんめどふりをゆるされなば きみをまどはしたて まつらぬすぐなる こゝろをまうし あげおんいかりをば 図 必はらしたしとこれなるおばをつか わしてわらはがもとへくれ〴〵のたの みなれどもきみのごふきやうを かふむりていつたんおくにをはおひ はらはれしものゆゑいかほどわら わがおなげきもうしたとておん とりあげはあるましとこゝろを いためてゐる おりしも おもひかげ なきおゝん いりにて おたづねに あつかり まして いま さら つゝむに よしも なく まう あげ たる ふ ねが みこゝろ にさはりなは 西国奇談十七上 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 九 おゆる されてと みをへりくだ りことはを たくみて いひいつるこの ものがたりの そのうちに れいのくねのは こゝろきかして さかなをめらため さかづきを そへてばや おんまゑに さしいだせは むねしげはいと さかつきをはどり あげいくひとつ すこしてにつこと わらひ〽さてはいつ ぞやたいめんせし めういけんとよば るゝものはそなたの ためにはおばむこ なりしつかの ものゝけんそうを きげんよくずて □□□□□□□□ ゑんりよに およばぬさめはひ ののちあわせ いざさかづきをとち すであらうちかう〳〵と すであらうちかう〳〵と さしまねがれておもふに ましたるじやうしゆびに おりうははらのうち にてはしすましたり ことうちゑまるゝを さらにいろにもあら わさずおそれいつたる ふぜいにて「めうがにあまる そのおふせおばのみならず みらはまでみにあまるほど 万目打炎十 みみとにたけたるはわれも ほと〳〵かんしんせしにりう 太郎めづとしもなき きしでくらをばたゝ きしよりみのいと まをばとらせし かどかれにおち とのあるにも あらねば はる〴〵たづね まいりしと ならめごとふ りをもゆる すべくもし またしくい ののぞみも あらばわが かたへめし かゝへよきに ふちして とらす べし それなる おなごか おばと ならばいさ さかも□ 西目共計十七丁 春水作 芳虎画 つきありがたけれどおんさかづきを たまはることはあまりといへば もつたいなしといふをむね しげきゝあへず〽さりとては またゑんりよぶかい またゑんりよぶかい とく〳〵これへすゝま せよとふたび いはれて いまさら におふ せを もどくは しつれい なりと おりうが ことはにすかみでる おあやはおそれ つゝしみてやがて しゆびよくおねしげの さかつきをなんたまはり ける 三の巻へ 申 西国 春木補綴 国貞画 十五端までの起ば前巻の末にあらばしたれば爰にいはず扨「大煙はいそ事 一義によりてその士を害す和次郎。父の仇とし出て互ひに義気ある出たり 荒太夫非を備て爰に性事を悟るにいたり囲山の娼妓舞衣が曳聟 奇談これを根引して後刻と異夷神楽とせしに荒大夫が存通せんとてさま〴〵 総計をおづらす諸終に普悪判然として矢嶋の一叚小結局にいたる 十七編は阿綾阿竜の許にいたりて母子再会の事再会の事より又宗重を 田数らんとかは降し処の妖散の術。もて館に種々の奇をあらやし。忠臣を退け敵臣を 挙げ家数を印竜が随意なすなど是は十八条 根源実紫新刻概略作者柳亭種彦画工同前 十五編筑紫なる穴人の冒し前笛香炉餡く宣孝に托す即朗洲児詛熱されて鼻 式師寛を受け入縄式。神毒祖秩手等が尾謀を露ふく御座自截て事 ケ所名全重まて異白判然兇悪皆戮せじるつぎて少将が貞節唯規北国 にて死して又蘓る十七歳大貮三位生れ宣孝病死花山法皇の御傳大かた 此編にて全備り式部源氏物語を作り上東門院に奉公平人編没下は追て記すべし 西 右 露 十七編 く だ るし虎画 四丁 福本寿梓 新増補 西こく 奇 談 法 十七 へん 二のまきゟそれはさておき しばいはおあやをやかたへ つかはせしがいよ〳〵 おりうとよはるゝは わがむすめにてあり つるかかしこのしゆびは いかならんとひばちの そばにてをくみいらびとり るすしているところへ いそ〳〵おあやめたち かへり「そこよろこんで くたせんせけふおやかたへ まいつたところ なりうといふはむすめ ゆへつもるはなしをしている ところへおもひがけなき まうしあげしになんでもあのこのいひなり だひにはなげをのはしたとのゝこやうす おまへをいきなり三百石でおめしかへ なさるゝゆゑ ひをゑらみて おめみへを いたすべし とのおふせいだされ そのありかたさはやま〳〵 なれどしがない いまのくらし どはおまへと ふたりの みなり をは とのさまがあのこの へやへおいでなすれて おさんづきまでたま はりししゆひはかう〳〵 しか〴〵とものがたかつゝ またいふやう〽おまへか めういけんならば させるおちごとのあるにもあらずことさら おはむうのおはむしならばのそみのごとくめどふりはなんときにても ゆるすへししくわんののぞみもあるならはよろしくふちして めしかへんとのおふせをさいわひなりうからいろ〳〵おねがひ らへ やう にも くは つかず 此さんだんに こまるゆへないしよでおりうに したくをするだけとうかしやうは あるまいかとはなしをするをさん ぶんきかずてばこの中から一つぎへし 西匡竒讃千七丁 のゝきし三十両そつくわたしの てにわたしそこにじよきいは ないゆゑにもちつとどうか してあけたいがこふはつがうが わるいからこれでおまへと とゝさんのおめみへのひの きものだけこしらへて おいでならあとはわたしが のみこんでふじゆりの ないやうにしであげる とのいひぶんゆへおまへに はやくよろごばせうと かねうけとると そのまゝにやかた をきがるかへりがけ 城下に如うの町の ぶるてやにてうだ わたしによさそうな かはりうらがあつたゆへ ちよつとよつてきいたらばおまへの きるにもよいやうなかみしもやもんつきの にそでがいろくあつたゆへどうでかはねばならぬしなもの はやいがよいとそうだんしてわたしといいしよにそのこなを いまかつかせくゝきましたといひつゝおやうがわたしたる かねをいたしてみするにぞおもひのほかなるじやう しゆひによろこびいざむしば六か〽なにからなにまで おぬしのほねをりおりうをむすめときくばかりでも たいくはんせうしゆとおもひしにおれの からたが三百石ぐなすのやしきへすみこま とはよろこびとれにますことなしふるてや さんをかどくちへまたせておいてのながばなし きそたいくづをしているであらうはやく こちらへよびいれてまつかひものかち かたをつけやうとく〳〵しやれこ かたをつけやうとく〳〵しやれこ いそがすにそおあやはこゝうへ かとぐちにまたせておいたる ふるてやを〽さア〳〵こちへと よひいるればにもつを たづさへ入るてや 喜怒作たゞ ひとまの うちへいり きたりて おあやがいひ つけおきたる しなくをそろへて そこへさしいだすを しば六はとつて みつひめかけてみて うちほゝゑみ〽ゆき たけもてうどよく あやらへむきのかみしも小そでこのほかに おんなものがうへしたぞろへてふたかさね おびとじゆばんをいもりてみいくらになるかかんしやうをとを 同国町癸卯二月 のいはれてきぬ作そろばんに あたりあはせてひたいをなて 〽ちかごろきぬけかかうじきゆゑ このねだんではあげられまぜんか ほかさまともちがひますれば二十 六両一分とまうすをきつちり 二十六両でおまけまうしておき ませうといふにしば六うち わらひて〽ちとおもふたよりか たかけれどわしもしゆつせの こぐちゆへそのねでおもらひ まうそうがついて まうそうがいいて ひとつのそうだん ありみらるゝ とふり あの □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 十二 かねは こゝにある なれと ほかにも いろ〳〵 かいもの あれは いま のこらずは かんじやう しかたし さればとて 此しなを かりと おかふと いふには あらず てつけとして てつけとして 三両わたして おくゆへあすの ゆふかた 次一 同吉言一十一 つゞきしこのしなをそろへてもつて きてくださいそれまでにかね とゝのへのこらずかんじやう しませうといふにきぬさく いちぎにおよばすくめけの かねをうけおさめあすを ちきりてたちかへるあと みおくりておすやはさし より〽おとこどうしの かけめいにおなごがくちを だすでもないがさし ひかへことはいましたが したくきんにと おりうかちよこして くれた三十里やう きものゝはらひは 十ぶんにできるを なせにあすまてと いふくのばして やらしやしたと いぶかりとへば うぢわらび 〽さすがはおぬしも おんなゆへきもの きへあるならば めみかできると おもふていやうで それができやうぞあふ ないことをしやうより こんどのみをげきさい さんにうちあけて はなしたうへ やしきへゆかば まらがひ なくかへすと いふてたのん だちかねを かすのが しやうばい ゆへかして くれまい ものでも ないそう した ほうが よさ そう なと いふを しば六 きゝめへず 〽そこに しよさいば なけれども さむらひになる からはまづさし あたりて天小が なけれはやしきへ ゆかれまいそこで おれのちうもんでは このかねでこしの ものとおめしの あたるへさすものを かつてこやうとおもふ ゆへそこぐきものゝ はらひをばあすへのば しておきしなりといふに おあややうちわらひて 〽なるほどこれはきがつか なんたそんならこれで 大にをかひなさんすはよけれ どもあしたになつてもどこ からもかねのはいるあては あるまいあのふるてやいかん じやうはどうしてするきで ござんすぞへととびかへされて またうちわらひ〽そこがまことに ごくいのこんたんみゝをだしやんと ひきよせてなにかひそ〳〵 さゝやきしがおあややきいてあきれがほ いかにおかねにこゆればとてわたしにそれが 百目十石目午後 この 三十二 ほど すこ 一 かね に 手 一油油油 一二三 づかへ 三日の 一日の うちに □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ かへすつもりで かねを三両 かりたのをその まゝふぎりを していれは いかなおれ でもけき さいにその うへかせとは いわれない そこでしくんだ いののもくろみ せひとも しゆびよくやつて くれといはれていなとも いひがねてやしぶくながらうけひくにぞ とかくするうちそのひもくれてつき 両医部諸十七丁 のゝきつぎのあさしば六は くだんのか手をたつさへて こしのものとくし はうがいをかいもとめんと いでゆきしがすてにその ひも七つさかりかのふる てやのきぬさくはきのふ のやくそくたかへすして にもつをせおふていり きたるをおあやは みるよりにこやかに これはまかくさぬさく さんよくまちかへすに きてくたさんした おつともやかてかへる はづゑこぢらへと ひとまのうちへ まねぎいれつまた うちゑみて こちらのかつてゞ きのふもけふも たび〳〵おまへに あしをはこばせ おきのごとくで なりませぬ わたしのうち てもおもひも よらず なすさまへ めしいだされ とほからぬ うちおやしきへ ひつこして ゆくこころ いはひにおみき をばすこし とつてあれば おまへがゆすへ ござんしたち ひとくちあげ ろとおつとの いひづけ なには なく とも図 西国竒炎十一下 おさむさしのき ◑おめてたいけつ おかんもどうやら かうなこりつしん できたやうすさう〳〵 そのおよろこびの ひとつといひながら ごしゆとあつて ふたくさみくさ さかなをば わたくしへまで わたくしへまで ごちそうとは ぜんにのせ おとりとみの つゝさし いだすを その なかへ きぬさくは なに みててを もら〳〵 〽それは〳〵 とも もつて お ③ き まい くださるなと いふをおあやが きゝめへす〽八一丁 こゑんりよに およびま せぬさまへ おしやくと すゝめ られ いなみ かねたる きぬ さくが も より このむ さけのへと さいつ おきへづ のむうちも あるじが るすゆへ なにとやら こゝろおくるゝ きぬさくがしば〳〵 いなみてさかつきを おさめさせんとことはれど おあやはさらにきゝいれす さま〴〵をかへしなをかへ すゝめかけたるしひ じやうずにおぼへず ゑひをもようすにぞ おあやもいつかほんのりと さくらいろなすめもとにて夜へし トロ 同十一丁 つゝきこなたをじろりと うちみやり〽おまへにすゝめて あげやうとおもふおさけを いろ〳〵にヤレおてもとだの 〽おあいのとわたし ばかりをこんなに よはせおまへは どうする どうする いもりだへと いまつゝひざに もたれかゝれば もたれかゝれは きぬさくは ひたいをなで 〽そうおつしやつ てくださると なんとまうして なんたまうして よからうやら ごろいさつにも こまります こんなところへ もしひまつと だんなが おかへり なさると たいへんわた くしももう よひましたれば ごしゆは 此まゝ おいかり にと いふ と きかず なをすり よりて 〽なんだね ていしゆが こはくつて おとこと はなしが なるもの なるもの かねそれ とも おまへは わたしか いやのかへと もたれ かけられ きぬさくが 〽いやといふでは ござりませ給ふ うなれてくれまで おんなかちこのやうなこと 同弐丁目丁目 龍 つひに いちども いひかけ られたこと こざい ません わたくし ゆへなんたら うれしい やうで こわい こわい やうで からだか ふるへて なりません とぶる〳〵 すれば おあやは うちゑみ それは おほが たらぬ ゆへ その おほ きい す のでもう ひとつと むりに ちやわんで しひつけ られて じうぶん さけに まはされ たるを おあやが てくだとくち ぐるまにいひ のせられて きぬさくが つきへ 西国寄談十七丁 三の巻ゟこゑふり たて〽とのしれもの めらだいそれた めらだいそれた □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ていしゆのるすを きいつひにおひひも きいはひにおひひも といてうちとけた このふしだらはなに ごとぞつねとちかつて けふからはぶしとなつたる かたなのてまへかさねく おいて四つきするかくご ひろけとよばはりつゝ 只ばをすらりと ぬきはなせばきぬ作 かなしきこゑふり しぼり一めつそうな こといはしやんすなじつは こちのおかみさんが としにこへぜんしなさん したをことばりいふて いたばかりはしさへとらぬ ふきものとはあまりと □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ いへばなさけるいといはせも あくすまなこをいからし たとへたれからしかけ やうともおびまで とひてこのやうな事 百目十一日目干炎一 みだりかはしき ふるまひに すてにならんと するをり 一ふ もの みつけた うごく なと よば わる こゑと もろともに おどり こんだる あるじの しば六 四 わに ふたりう しつかととらへて ゑり くびを のまきへ □□□ みだかかましき ていたちくこれども ふきてあるまいかと いはれてかへすことはも なくこじくするほと しは六はかをもおも てきあらゝげて このこにおよんで みれんなやつ くはんねんせよと いゝつゝもふたゝひ やいばをふり あくれは 〽アヽこれ しはしまた しやりませ とてもかくても うたかひうけ たるうへからは しふことるない かねで ひはが おさ なら すこしの ことは一度 西巨喜、謡十七丁 〽だしませういのちばかりはたすけてとみをふるへして うちわひればしばゝいすこしくおもてをやはらげなに さまうぬがやうなつてにかけるのもかたなのけがれ しかしいのちとつりがへなれはちつとのかねでは りやうけんならぬ五十里やうともいふはづ なれど三十両でまけくやかけふもつてきゝ ふるてものをそつくりおいてゆくうへに きのふわたしたねつけを三両ほかに 四両のかねをそへあやまりじやうもん かいてゆけといはれてびつくり きぬさくが〽それはあまりに たかひくびだいほんまに まおとこしたのでさへ おさだまりが七両二分 こつちはそれにひき かへてひとくち ものにほうを やくひまさへ あらず みつけられ 三十アとは おなさけないかん にん五両といふところになるならまけて 三両でどうぞこのばをごかんべんといふを こなたはきゝあへず一ヱヽぐづ〳〵となにぬすしよしきに つれてまおものくびたいまでがあぢているをたさゆ ぬればようしやはなはそのほそくひをといひながち しらはをぐつとさしつくれは〽アレまアこんたも きのみぢかいあけぬといひもせぬものこ はものをめさきへたされては みがちゞまつてものもいはれぬ どつくもふてもいちをいが どうおもふてもいのちが ものだねいはしやるとほり □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ しんぜませうとやたて とりだしおめくと あやまりしやうもんかき したゝめふるてのしなの そのほかきかねまてそくて さしいたせばしは六は みてうちうなづき〽まだ いひぶんもあるやつなれど ほとけこゝろでかんべん するきり〳〵いでてゆき おろうとつきいたされて うらめしけに〽みすく ふうふがなれあつて かたられるとはしり ながらとみかへるめ さきへしばろくが 〽ぐづ〳〵いふとくれだ そとまたもやしら はをづきつけられ きもをつふせし きぬさくがあはて口 21 ふためき にげて ゆく あとえ おくりて しば六は おほぐち あいと うち わらひ 〽ちつと ふるてな しぐみと おもへと おりう □□□□□□ いた とき から たひ く しな れた しことゆゑ おぬしに やらせて みた ところ まんまと しゆひよく あののろ まつを おもふた わなへ ひつかけて 三十里やう とはうまい はたらき さいわひ こゝにあいつ めがのみ のこ した き つきに ついへ 正匡喜、談十七丁 つゞきやらかそうとてじやくで四五はいひつ おまへのいひつけゆへくちからでしだい あやなしてとうやらこうやらしおほ せたがかはいそうにあのひとが よつぽとこはくおもつたやら つゝちのまゝにしろものを かけるをおあやはみつゝうちゑみて〽わたしは うつちやりばなしに していつたといふに しば六うち わらひて しなに ふそくは あるまいが あけてみや れといひつけ られおあやはつゞらの ふたをとりなかあらためて ふたをとりなかあらためて またうちゑみ〽しながそろ つているかへにつむぎじま つているうへにつむぎじま のひきときとはかたの おひのかたかはが此なかに はいていたわたしの かすりにしておかうといへば こなたもうちわらひてとゝのへ きたりし大小とくしかうがいをみせ などしてそのよはともにふしとにいり たるいるいにてふたりは十ぶんみごしらへなし なすのやかたへおもむきしがその いぜんしば六かとうけにたち いかなしたるもかのべ太夫か かぎの日くだんのきぬ作よりかすめとつ すいきよなるゆへこたびも かれをたのまんとて ご太夫かたへおもむけ ばかねておりうが もとよりもたのみ つかはしおきたること ゆへく太夫おやこはいで むかくてひとまの内に いざないつゝぐ太夫は いざなけつゝぐごと女は ゑましげに〽たへてひさ しやめういけんどの すぎしころそのもとが やかたのふしゆひになられ しもみなりう太郎かなす わざなりしにかれはかくつて 市にんとなりそれにはひきかへわどのは 又おりうのかたにゆかりありとて おめしかくになりしことそれがしさへも おもてをおこすたいけいこれにます もいなしといへばまたくめん吹も ともによろこびをのふるにそしば六 のめういけんもまたはからざる次 西国奇談十七丁 「つゞきしさいくはいのよろこびをのべおんをしやし つゆのおあやとぐみ夫おやこにひきあはせ などするほどにたがひのあいたつおはりて のちぐ太夫はいふくをあらためてやがて ふうふをどう〳〵してむねしげのまへに いづればむねしげはひたすらに おやうのいろかにおほれし りゆへなにがなかれか きにいるやうになさ ばやとおもひ いらるゝにやさつ そくめどうり まうしつけられ 三百石を 給はりて きんじゆの うちに くはへられ なほおひ〳〵にとかたてべきむね いとねんごろにめいじ給へはありがたき よしおんうけしてしゆひよくめみへも すみしかばやがてごぜんをしりぞくを ぐ太夫ふたゝひどう〳〵して又わかいゑに ぐ太夫ふたゝひどう〳〵して又わかいゑに つれゆくほどにかねてよういをなせしと までとりいだしてぐ太夫もろともくめん次がふうふに すゞめてもてなすほどにめういけんはひたいをなで おほしくさじきすひものとりざかなところせき それがしふしきもしあはせにておんめしいだしになるにつきては なにくれとなくそこもとのおせつにあづけるうへにかくねん ごろにおしんもてなしはいたみいつたるしあはせときのどく そうにいちれいのぶるをぐ太夫はきゝあへず〽われ〳〵 おやこはおりうのかたのおんひきたてをかうむるのみら ないぐはいのことうちあけてかたり給はするなるなれば わとのゝうへはひきうけておせは なしたきしんてい なれどおもふ のみきてこゝろに まかせずこはたゞしゆび よくおんめみへのよみたりし よろこびいさゝかしやくし まいらすのみそれに つきてはめういけんどの おんこもさだめて とほからずしかるべき いゑやしきをかみよりしゆつ い□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ らいたまはらんがそのあいだ まちすまいをしていたなはんは ふべんりなるべしくるしから ふべんりなりしくるしから すはわがいゑにしばらく とうりういたされよはんもて とうりういたされらはんもて なしはうすけれどおこゝろおきの ないばかりをたゞごちそうと いたすのみといふをうちきゝめうい けんはよろこびしやしつゝかたちを〆 同百目百六十一丁 十八 又あらためなにからなに まてぬけめ なき ぐ太夫 どのゝ おとり はか らひ おこと あまへ まし て たゝ〳〵 よろ おやきも よろこび たる夜にも せがれくめん次はさけの せきのとりもちなどには しく 〳〵と いふに ▲ めうをえたりしくせものなれば しきりにふうふをすゝむるほどにはや ほろゑひになりしころくめん次しばく うち並みて〽なにとやらんうちつけに おたづねまうじもいかゞなれどすぎし ころとうやかたへおたちいりのありし ころにはおかほにきすのあとありしが いまはあとなくいゑたることい 名医師のりやうゟちにやとたいね かくれはこなたもうち原々 おふせの ごとくあの ころ まては いと 三三日 次郎 正国書記十一 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ めんてい なりしが ちくぜんのくに はかたいと あかまつ えうさいと よはれたる いしやに はからず いであいしに かれはすに ぶるめいゝ きといか なるなん ひやう なりとても なりとても なほさずと いふことなき よしよつて りやうぢを たのみしに かくのごとくに ぜんくわいなし たりかのえう さいがことにづき てはなほくさ〳〵の はなしあれど そはまたおつて みつ〳〵におゝ ものかたり いたすべしと いふをうちきゝ くめん次がさほと めいよのいしや ならはやゑきりが めんていをも かれにたのみて口 のきへ …… 七日 愚 同同十七丁 りやうぢさせかの大ゑもんか わるたくみのばけのかはをは あらはしくれんとはらり うちにておもひける 〇ひつきやうめうい けんがめしいたされ てまたいかなる あかそは つきの酒を ものがたりか みてしるべし めでたし 牛肉丸 鮮、 魚 朝 大包金二朱 一包金一味 小包百銅 第一ひゐを補ひじん せいをますめうやく はきよしやくの人 なればきよしやくの人 常に用ひてよし 対川下入さみせんぼり やき染嵜氏製 春水作 国貞画 ○柳亭禮彦作 摂源實紫十二 十八編一奇齋國貞画 三 女 年 五組同作 大尾同画 娘庭訓金鶏 十七編山東京山郡 同同様 おくみ 十ノ湖状川国貞西 琴聲美人綠 総次郎 十九編一川芳貞画 新 鐫 同 録 初編ゟ柳平種彦作 五編述 歌川国貞画 春色墨田川 十五編為永春水仁 十六編 新増補西國竒談 十七編 歌川国貞画 芝神明前 ●佐野屋喜兵衛板 三嶌町 地本繪草紙團扇問屋 一 一高永春水綴画斎芳虎画 さいこくきたん 同じゃ 加賀郡 十八編加賀板 新増補巴国奇談 □□□□ 新増補 西国竒談 第十八編上 為永春水作 孟斎芳虎画 庚午春 青盛文庫 (100000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000 僕は編める草紙物語は多くは名卒の間に綴れば作者の 麁漏なきにあらぬに書工の筆に誤られ力工の鑿に過たるれば 一先板下にて校訂なし又摺本にて再技も然るを本傳 十六編十七編の二帙のごとき頻りに書房の発兌を急ぎて平が 校合を経ることなく製本做せし事にしあればあるひは 誤字あり落字ありて看官尓こそ読悪からめ茲に青盛堂の 主人あり旧板残らず贖ひ得しとて余に続編を請ふにいたり 例の二帙も彫改めて倶に善本になさんとす婦幼等後に一 摺出せるを求めて疑ひを觧給へといふ 明治第三庚午稔孟春為永春水誌 ○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○ 螺ケ嶽 鳥右エ門 男ケ孫右エ甲 四准次妻 阿爪 次第同 磯馴の 竜太郎 十七編つゞ ふたゝびとく ぐ太夫はせかれ くめん沢もろともに めういけんふうふの ものをよもやまの ものとよもやまのもの がたりしていちざの きやうをそへつゝも しきりにさけをすゝ むるをりしもおもひ がけなきつきのまより しづい〳〵としてたちでる やゑぎりおにの やうなるめんていに てにあせにぎりて ひかえゐるにぞ 四ゑきりはおめる ていなくふたりの まへに手を いかへ〽これは おきやく さまがたに おはつに ゆめ もし● おあやはあなやと そどろけばめうい けんもわがかほの むめしをおもひいだし つゝこのやうに見にくき 女の世にあるものかと あきれはてしがいかなる ひとゝもはかられねば うくわつにことばもかけ かねてしばしためらひゐる ほどにぐ太夫もくめん次 もよしなきものがいでたりと おもひなからうちつけにおひ しかぞけんもさすがにて 〇いたしますわらはくめん次の つまにして名なをやゑぎりとまうす ものおめかけられてくださりませト いふをうちきくめういけんはにはかに かたちをあらたして〽さてはたら けのおよふ けのおよめなりしか それがし □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 〽とうおやかたのア かふむりてつまさへ このごしんしの ▼おんめしいだしを めしつれまかり いでしにぐ太夫 おんひき まはしを かふむる のみかおはひ らざる ごちそうに すこんを てうだい つか まつ かぬ なほ その うへ にも □□□□□□□ 同四十一月四十八 磯馴の 竜太郎 十七編つゞ ふたびとを ぐ太夫はせがれ くめん沢もろともに めういけんふうふの ものとよもやまのもの がたりしていちざの きやうをそへつゝも しきりにさけをすゝ むるをりしもおもひ がけなきつきのまより しづ〳〵としてたちでる やゑぎりおにの やうなるめんていに 五てにあせにぎりて ひかえゐるにぞ ていなくふたりの まへに手を いかへ〽これは おきやく さまがたに おはつに ゆめ 四ゑきりはおめる もし● やゑきりはおめる 〇いたしますわらはくめん次の つまにも名なをやゑぎりとまうす ものおめかけられてくださりませト いふをうちきくめういけんはにはかに かたちをあらた けのおよめなりしか そればしからず 〽とうおやかたのア おあやはあなやと をどろけばめうい けんもわがかほの むかしをおもひいだし つみのやうに見にくき 女の世にあるものかと あきれはてしがいかなる かふむりてつまさへ ごのごしんしの ▼おんめしいだしを めしつれまかり いでしにぐ太夫 おんびき まはしを かふむる のみのおもひ らざる ごちそうに すこんを てうだい つか まつ かぬ なほ その うへ にも ひとゝもはかられねば うくわつにことばもかけ かねてしづしためらひゐる ほどに〴〵太夫もくめん四 もよしなきものがいでたりこ おもひなからうちつけにおひ しりぼけんもさすがにて □□□□□□□□ 百文字譚十八 同七言一ノ つゞき御みより たまはるそのあいだ このおんいゑにきしゆく せよとのごしんせつ せよとのごしんせつ なるおふせにあまへ しばらくのうち おざしきをはいしやく いたすしよぞんなれば ばんじよろしくおせ わのほどをひとへに たのみまいらする トいへばおあやも 身のよろこびを ことば めいわくつかまつるこのぎは ひらにごようしやとていねい ごかしにいなむをばなほおし かへしてもとむれども それでは みじか〳〵 のぶる にぞ▼ ぎりはいと ゑましげに 〽いたみいつたる ごあいさつみ ぐるしきすまゐと いひことにはわらはが ふつゞかゆへおんもて なしのおろそか なるをそれだに おいとひあそがさずは いつまてなりとゆる〳〵と ◑りうぐい しつれいとばかりいひつゝ さゝざるゆへ〽さやうならば わらはからはじめて おりよぐわいいたし ませうトかたへに ………………………………………………………………………………………………………… 十五 ごとうりうをばねがひ ますついてはおちか づきのためおもち あはせのおさかづきを どうぞわらはに いたゞかせてとのそみ かけられめういけんは こんなきたないかほの ものがそばにゐら れるばかりでさへ 酒さけをのむのに むねがわるきに こちらで させば むかふ むかふ から ありあふおぼひら のふたを とりいゝ にてま さす さか さか づきも うけずは あるまい これはきのない はなしとおもへば ひたいをなでつ手を さげて〽こなたでこそ さげて〽こなたでこそ てうたいをねがふべき はづのところわがさかべきを はつのころわかさいつてか ご年ゟもうとはちかごろ まてうしの さけをなみ〳〵つぎ たゞひといきに ぶたを てばやく おしへだてつゝ まなこをいからし次へし うばひとり ▲今かかばけで かんは なほ さらに こまり はてたる ていなるを そばで やゑぎり 一松平次 西国奇譚十八 〽つゞ二なんじひとなみにもあらぬ いと見ぐるしきめんていにてわが ゆるしをもうけずしてこれまで まいさんいたすさへおきやくに たいしてふゑんかよなるに をんなの身々にてそのやうな いかゞなうつわでさけをかた むけそさきどのへまいらせん とは身のほどしらぬぶれい ものきり〳〵そこをたちをらぬ か下しかりつけられやゑぎりは れいのきたなきがんしよくに おほさかべきをかたむけたる ゆへかほはさながらむら さきにすみをまぜたる ごときいろにてやしやの やうなるめをむきだし ひとなみならぬめん ていのとよくも〳〵 いわれたものごてんに つとめてゐるとき 〽ヱヽくめん次どのおかしやんせ わたしのかほを見ぐるしいの からつけぶみ されたのみならず そでつまひいて いくたびか くどいたことを こなさんも よりやわす れはしなんす まいはては いやじやといふ ものをむりなんだいを いひかけてにようぼうに しておきながらおきやくの まへではづかしいわたしの かほのたなおろしとはあまり といへばうらめしいそれとも いやにならしやんしたら おとこらしうさつぱりと さりでうかいてくださん せト ▽ いふに いふ〳〵 せきたつ くめん次こぶしを かためてやゑぎりを すでようたんとするていゆへ手 ゆかくては きやくへぶれいとおもひゆ 西国守軍十人 あら、食くませざます。 女子がすぐ ちやく にて たち まちに いち ぎの きやうを さませし のみろ □□□ 西国四十一ノ つき さけ の ゑひ さへさめ たるていゆへ ぐ太夫 おやこはきの ふたゝび さけのかんを なほしてふうふの どくがりて ものにすゝむる にぞまたこ三 ばいはかたむけ たれどはじめの やうにはさけも うかねばはや さかづきを おきめ給へト しば〳〵いなみてのま ざるゆへおやこもさのみは しいかねて〽さあらば ふろに めさせ 給へ そのうへにてようい なにとやらあまり せしゆうせんを まいらせんトいふに よろこぶめうい けんがやがて ゆあみをなしつも もとのざしきへ たちもどれば くめん次もたち いでゝまたくり かへしてやゑぎりが さきのぶれいを かにかくとめんぼく なさにわぶるにぞ めういけんはうち わらひて〽これは またあらたまつた さやうにおふせ くだされては此ほう かへつていたみいる かへつていたみいる それにつきてくめん 次どのかやうまうせば さしつけかましくて いかゞな を 一の巻より とふやうなれど かくごしんせつ にくださるゆへ しんていつゝ まずうけ たまはるは ごない しつ のおん うへ なり はじめ ふり して あ ◑〽これにはいさゝかわけあること にてぶしのうへには あるまじきちと めんぼくなきこと なる ていでは あるましきがたう けへおもらひなされし のちあのやうなる悪瘡あく のおかほへはつせしものなるかト とひかめられてひたいをなで◑ かならずおわらひくださるなとてや ごこんめいなる あふせにあゆへしさい つゝまずおはなしまうさん 高弐百四十人 片木作作は いぜん 四郎 ぎりが おくにつゝめ てゐしころ よりれんぼ なしたる ことの もと すへ つぎ 西國竒譚十八 つゞきしそれよりさま〴〵手だてを もうけうま〳〵はかりてゆいのうのとり かはしまでしおほせつゝいざこしいれと いふにいたりひやうきといひたて日□を のばすはがてんゆかずとおもひしゆへ きびしくさいそくしたりしにかなたにも さるものありけんこちらのてだてのうらをかい ごらんのとほりばけものゝやうなるかほの女をば かご に うち のせ づかはし たる かれは まことの やゑぎり ならで ならで にせもの なることうた がひあらねば はらだらしき ことかぎりなく しばりからげて きうめいなし ばけのかは をばはいで くれんど もの がたれば 北 めうい けんは うち うなづきおんもの がたりのやうす ではさぞ事 ◑ごむ ねんにも めさんが さきにも ・ まうし たるあか まつえら さいといへる いしやたうじ はかたの 女にあくは いかれとはない〳〵 まうしだんして おきたることもある なればしゆくんに すゝめてかの ものをおんめし かゝへになるやう にとりはからひ たくぞんすねば とうおやかたへ えうさいがまいり だにするならば ごないほう をもかれに ゆだねて りやうぢを させて見 給ふべし てぎわは せつしやが めんてい にやはや とゝろみて おきたること さてそのかほの ゆへかならず ぜんくわいうたがひなし さてそのかほの もとになつらて ひとたびは おもひしが せんぎ なすにも これぞと いふたしかな しようこも あらざるに あらさるに なまじい なることいひ いだして 水みがかけ ろんに なる ときはこれもまた せんないことしばらく このまゝさしおきて ひそかにまことのやゑ きりをかくせしさきをさくり もとめかれをとらへしそのうへ にてあわをふかせてやらんものと さきからさきへてをまはしかの ゆゑぎりをたづぬれどもいづくに しのばせおきたりけんいまにいたり てゆきかたしれねはせんすべなさに あのばけものをおめ〳〵としてやしなひ おくそれがしがしんていをおさつし くだに心をさき氏御トしほ〳〵として 百文字譚一人 窓ぎり出で なかりせば そのこき おもふ ぞんぶんに いまの いこんを はらし給へト いわれて よろこぶ くめん次が 〽せつしやも さいぜんえう さいどのゝめいに なるおはなしを かけ給り そのときに かれが りやうぢを すべよくとうけに たのみなばいかゞあら んとそんぜしに いままたきでんの おふせをきゝ てはこれにうへ こそてだてはあらし それにつきても えうさいこのを 一月 つゞき すみこま 事やう これも また その もとの おん はからひに 西一図書記十八 五五ゟおひいだされさへ すればそのみのやくはすむと おもへばきやくなぞのある ときはさいぜんのごとく しや〳〵りいておつとに はぢをかゝするのみ こゝのゑとき 矢島袋にてはかのあら太夫 がさいごにのぞみぜんしんに たちかへりしにてぜんあくじや しやうあきらかなるにけはや太 をきへういとりさねはせつ をさへうちとりたればそのばゝ すべよくおさまりたれどたうじ なすの屋かたにはねいじんざん しやのはびこりをれはあら太夫か さいごのおもむきあからさまには うつたへがたく又けはや太もした やくにてみぶんはかるきものと いへどもあくにんなりとて和 次郎驛がわたくしにころせし にてはかみへたいしてすみがたし こはいかにせんとりう太郎らと いろ〳〵そうだんしたり いろ〳〵そうだんしたりしが いづれにもこのことはふかくつゝむに しくはあらしといそ平にいひ きやくから さがりしさかな あればゑんかよ もなしにつまみ ぐひしてさけをも てしやくであくまで のみゑひにまかせ つおどりくるひ つけてけはや左のしがいをかく させあら太夫のなきがらは見ぐるし からずとりかたづけてさてこのしま にておもだちたるむらおさなんど をにはかによびよせわ次郎がいへる やうさておの〳〵をあはたゞしくまねき よせしもふのぎにあらずそれがしが 父はあら太夫ことにはかに宣ひの たしおこりわがかけつけてまいな あるべき いふに めらいけん うなづきて 〽それらの ことはおひ〳〵に またごそう だんにおよふべし まづそれまでは らずひすぐしく とてあとは よだんに およびし かたがひにかな とぞ それ より さきに やゑぎかは もとこれ にせものなる ゆへにくめん次に もてあまさせ はやら あまさするやう にすれども くめん次も さるものゆへ いかりをしつびて さからはずおひ さからはずおひ いだすべき けしきも あらねば 黒ぎり もせん すべなく おめ〳〵 としてゐたり となんと 成 いづくへか ゆきたり けんは またずたちまちむなしくゆり 給へひしに したやく おにつら けはや 壱疋 ** 片片端 十二 犬 ※ □□ ※ 百文奇譚一へ □□□□□□□□ いでや **************************************************************************************************** ヤネヤネネ さすれど さらにしれず〽ぎへ 西国司譜十八 つゝしては 父のびようしの おもむき屋かたへ うつたへいでんにも けはや太がをら さればはなはだ もつてたよりよからず さりとてゆうよのなる べきならねばたいぎながら そちたちのうちまうし だんじて屋かたへまいり よきにとゞけて いふに おどろく 村おさらが えきすべしト おの〳〵くやみ をのべたるうへ やがてこれかれだん かうして屋かたへ とゞけにゆくもあり そのよはあとに ゐのこりてあら太夫が そうしきのしたくを てつだひなさんとて このいゑのだいどころに ところせきまでゐならび けるさて二三人の札やく はなはだ もつて ふしんなり もしちく てんと にんはいそぎ小ぶらに こときはまらば うちのりてなすのやかたへ いたりつゝうつたへぶみを さしいだせばとうじ郡中ぢん にかゝはることはすべてゆがみ べつにんにまうし つけ日ならず しまへくだす べければその ぐ太夫がとりあつかひを なすことゆへく太夫はしらすに たちいで村やくにんらをよび いだして〽しほかぜあら太夫か びやうしせしだんしよめんの おもむききゝ あひだは そのほう ども 嶋山 の かち とゝけたそれ につきて の とり そのほう どもに うけ しゆり また るにん 給はり どもの たき ことのあり 身のうへ まで きゝおよぶ あら太夫が せがれわ次郎 とよばるものは 父のかんきをかうむりてべつたく なしてありとのとりさたいよ〳〵 ゆだん なく さやうのものならばかとくそうぞくも おぼつかなくしまづかさをもめいじかたし 又け□太がいゑでしてさらにゆくへのしれざるよし 同 十一 一一 こゝろ をつけて いるかせ ならず はからふ ベート いふを 小屋敷 西国辛訓十八 つゞきし方せのおのむき かしこまりぬもつとも けはや太さまのことは なにゆへいゑでを なされしにやわれ〳〵 かつてこゝろえまう さずひとりわ次郎 さまのことはおこみつだて おなさけぶかくかうしん あつきおんかたなるを しばらいゑを おびいだされ しははばかり ながら お やご さま のおぼし めし ちがひ ゆへこの ほど いゑに おつて おさしづ あるべけれは よびかへされまつごの みづをもわすらさまが おとりなされしことなれば ごかとくもわ次郎さまへ なにとぞゆへなくおふせ かけられあら太夫さま どうやうにごしはいをうけ ますやう島村いちごうが こぞつておねがひもしおんゆるしの なきときはおそれながらしま いちどうよりおしかへしてもねがはん しんていなにぶんよろしく〳〵ト いふにぐ太夫うちあんじて〽なんじ らがねがいのおもむきかみへごんじやう なしたるう一にて 九リー 図おくでんにいたりて見るに ひそかにおりうのかたはらに めういけんがたちいでゝなにやら さゝやきかたらふのみほかにきゝいる ものもをらねばおりこそよげれ とすゝみいでかのあら太夫が びようしのことより村やくにんらが ねがひのおもむきかやう〳〵しつ〴〵ト ものがたりつゝ又いふやう〽すぎしころ りう太郎がかしこのしま一ながされ たるときかのあら太夫にまうしつけ せめころさせんといひおくりしに いかなるしさいありしにやみつしにを もたせておくりしひきやくのいづくへ ゆきしかゆきがたしれずしかれども あら太夫はごうよくひだうのくせ ものにてなさけといふてはつゆほども わきまへしらぬよしなればいひつけ ずともりう太郎をいらひどくせめ つかひていたはることはあるまじとぞんぜ ゆへにさしおきしがいまあら太夫が世を さりてその子わ次郎といへる心つはおや のこゝろにすこしもにぬばかしようしき なるしれものなるふしもしつとう壱分か むしつのつみにてながされたりときく ときはあつくいたはりなぐさむべきか もつともくだんのわきらことはしばらく 父のかんきをうげていゑにをらずと きゝおよびしかばうじんもつてしほ かぜのかめいそうぞくさするやう とりはからはんぞんぜしところ しまいちどうのものどもが わ次郎のしはいをばうけたしと いふねがひのおもむきもし このことを たち かへりて ごさたを まてとて 村やくにん らをもと せしのち いそぎ右へ たち なば これも ゆく それのみ ならで けはや太さへ いゑでなしたる うなればつた 春水作 芳虎画 のきかた〴〵もつてたよりよりよからずいかゞ はからひよろしからんかとのへごんじやう なさぐるまへにひそりにまうしあぐる なりかゝることにはとりわけてちゑ さいかくあるめらいけんどのよき こゑあんはあらすやトいふをめういけん きゝあへずから〳〵とうちわらひ〽それ かしちがごろとうし山にきたりふかき やうすはしらねともるにんになり たるりう太郎ぎやうさんらしく いはれずともそのまくにしてさし おかれしとてなにほどのことかしいだし えんさのみおそるゝことかはトこともなげに えんさいしづかにおとゞめ いひはなすをおいわうはしづかにおしとゞめ 〽たゞひとむきにきゝ給ひてはしかのたまふも ことはりながらあのりう太郎といへる火 ぶゆうといひさいちといひ▼ 十一日 ② サアリ なみ〳〵ならぬ くせものなれば ふしやるにんに なりさがりしとて いけおくときは いちだいじの さまたけとなる ことおほくこなた においてねさめ よからずされば とてぐ太夫どのゝ のたまふわけもある 三ゆへかのわきら をしほかぜの かとくになさでは おめるまし 三の 巻二 東海義晴 薄緑娘白浪 関東俊使 版名垣魯文作 朝霞楼芳幾画 此草紙ハ越白迷分ヲ盛ルヲ不幸ニ相成るニシタリトモ其事を見へす早レ 鎌倉の時代に関の延世の新陣伎客あはさきよきぶ事とし彼部曲に 東へり。住地来の阿蘇ヶ所業具体左衛門が四海積行の趣きをつくし にかなりに。嵯峨の徳を示し堀場の嫡家翌三の城の城の凶なし時代世 諸権の目光を替は引続出版仕候「初越の日本駄室門が王高清十郎と ありし頃日勧玄強番柚の大鯛細の愛身金がさまの結ましき花やかなり 響のみはずと「「一編」より世話場に瀕れて鬼神の於物と弁天小僧が仏教教の 一金に若浦一郎かことに行うる信婦あざらと柿の木が上及び吉田鬼登 十一年十一年ニ依テ三十八年禅慶ト禅若小僧が五余天神シ頃 由にた大方遊の立まけり最枕やかなる脚色になん 池水碓草紙問屋両郡大沢町加賀屋吉兵衛板 春水作 芳虎画 かた〴〵もつてたよりよりよりよからずいかゞ はからひよろしからんかとのへごんじやう なさゞるまへにひそりにまうしあぐる なりかゝることにはとりわけてちゑ さいかくあるめらいけんどのよき こゑあんはあらすやトいふをめういけん きゝあへずから〳〵とうちわらひ〽それ かしちがごろとうし山にきたりふかき やうすはしらねともるにんになり たるりう太郎ぎやうさんらしく いはれずともそのまくにしてさし おかれしとてなにほどのことりしいだし おかなしといともなげに えんさのみおそるゝことかはトこともなげに いひはなすをおいわうはしづかにおしとゞめ 〽たゞひとむきにきゝ給ひてはしかのたまふも ことはりながらあのつゝう太郎といへるやつ ぶゆうといひさいちといび▼ 十一日 ○ の 廿四日 ▼なこ〳〵ならぬ くせものなれば ふしやるにんに ふしやまにんに なりさがりしとて いけおくときは いちだいしの さまたけとなる ことおほくこなた においてねさめ 千からずされば とてぐ太夫どのゝ のたまふわけもある ことゆへかのわから をしほかぜの かとくになさでは おかるまし 三の一 巻二 一版名垣魯文作 東海萩町 薄絲娘白湿 一一 朝霞楼芳幾画 同同親類焼毀積芳幾万 関東俊使 二十一 此草抔ハ煙白す所ヲ発シテイナリト云フト云ヘトモノヲ見ヘス」 鎌倉の時代に対し近世の折賊伊容あはまきよきぶ尊とし彼部田に 東へり。住々。津の行松ヶ所薬具本左衛門が四海横行の趣きをつくし 東へり、北海来の内村の山をし時代 「あかなりに盛り製の理を尽し諸物の煙家壷三の城の江下し時代世 諸権の目光を補ふ引続出版仕候「土蔵ノ日本献座門が王島清十駄と の第一項口切立強各柚の大蛇細の凝身金がたまの結ましき花やかなく 「書の写ずと三輯」と称」として、」他の建神の旅称と弁テ仏義教の ●湯 と命に若清一郎のことに移り身婦もざらと柿の木が上及び吉岡鬼蒼 六月十一日 「「「争の」」」「」「」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」「」」」」」」」」」」」」「」」」」」」「」」」」」」」」」「」」」」」」」」」」」」」」「」」」」」」」」」」」「」」」」「」「 雨ふた大道悲の立まはり。最極やりなる脚色になん 池水槽隼紙問屋両名米澤町加賀屋吉兵衛殿 廿一日 一春水作 芳虎 下 しんぞうほ さいこくきだん 第十八へん下 春水作 よし虎案 青盛堂板 三 湯 二の巻より この うへは わ次郎を しまのつかさに なくおきてべつに けはや太のかはりとして ふくしんのものとうちよりした やくにんをしまにつかはしひそかに ことをはからはせなばりら太郎をば うしなはゝことかへつてこゝろやすからん かくてはいかにトまめだちていへば ぐはまうちうなづき〽これはしごくの めうけいなるべしそれにつぎてもその したやくにはしたれをかつかはしよろしからん トいふにおりうはうちあをして〽こは なみ〳〵のものにてはだいしを うちあけかたらひがたしみつて おもふに日ごろからおり〳〵 これなるにはへきてそうじ のものゝさしづなど十日 二相きり四准次障じと よばるとものははしか まはりもまめやか にてものゝよう たつべく見ゆれはものなど やりて手子かけみしにうくに めのなきくもものにてかねにさへ 百図千軍一 百文奇譚一八 なることなら 火口の中へでも 火もの中つても とびこみかねぬ きしやうのものと 見ぬきしゆくなに かのときのやくに たてんといよく めをかけおき たるかこのもの ならば いちだいじを いちだいじを あかしたりとて しさいはある まじさいわひ けふもおくには にてうへ等 の手 いれを 正国言言一ノ つゝきかれづ せうねを ためせしうへ かたらひ見んは いかならんトいふ にや やかなづく めう けん ぐ 太 まは なほゑしやけに 〽それぞまことに えがたきさいわひ とく〳〵これへよび 給へトいへばおつわうも うなづきてくねのを まねきてしわい四を めしつれきたれといひ つくればかしこまりぬト いらへしてそのまゝにわへ をりたちゆきしがしはらく のみつてそなた をかのしまの したやくにんにとり たてゝいかはさんと ●〽なにが さて日ごろ そ日ごろ からごおんを かふむるあなたのおふせその もと りう太郎は あづまよりのいけ あつてしわい次はくね野か のあとにつきしたがひ おそる〳〵いできたりて ゑんのほとりにうづく まるをおりうは見つゝ ほこゑみて〽をゝ おもふなりもつとも なりたればとて さばかりのしゆつ せといふには かしこのしたやくに あらねども しわい次か ごくらう〳〵 くるしら ない日ごろ 見る からして ところ うへならずごほうびまで くださらうトあることゆへわれらが ちからのおよぶことならたとひ おりうはよろこびて〽をゝそれ 身をこにくだいてもトいふに きいておちついた いまそのほうに びとのことなれば とのにもせん かたましまさず やしすへるざいと こときはまれ どもとのには ごむねん はれたま はず いろ にも なし たちふる まひにほねを をしまがつこめと いへば身をいれていと しんせつにいたすゆへ にわあづかりをいつまでも させておくはせしいおとこ なにがなやくめをまうし なにがなゆくめをまうし つけしゆつせをさせて やりたいものとかねておもふて ゐるをりからかい矢嶋氏の しまづかさしほぜあら太夫は びようしをとげしたやく おにつられはや太はいゑで いたしてをらざるよくの かしこに いたりて いちだいじの やくめをしゆび よくしおほせなば ごほうびはのぞみしだい 身ぶんのところもおひ〳〵に とりたてくつかはすがひとほね とりたてゝつかはすがひとほね おつて見やるかトいはれて ぞく〳〵よろこふしわい次しあぐ もなさでこひざをすゝめ○ いひ つくるだいじ のやくめは もの なひ ほかでもないたからは いはれぬことながら いつぞや木むらつみ 太郎こと二の町ごぜんと みつつうせしぞのこと たちまちあらはれて せつぷくおふせつけ らるべきをせつの介が さま〴〵とことばを もうけていさめしに たしと おぼしめせども かねてたのみ といたしおき たるち郎太夫 は世をさり てそのと 夜分 といふ ものは 百文千軍一 西国部十十 つゞきおや にはにざる にうじやく ものにて ものにて なるものと きけば あかして いひつけ がたし よつて だいじを ばかりちぎ そなたを そなたを つかはす なればいか りう太郎を 人しれに なきものと せばとのゝ ごむねん たちまち はるゝ にもはかりて おかみへたいしてだいちうせつ すべよくこれをしおほせる そなたのむねにおぼへや あるといはれてしばし うちあんぜしがたちまち につことうちゑみて 〽なにことかとぞんせしに るにん なりし 太 神 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 七 たづける くらひのことは さばかりかたきこととも おぼえずわれらに おまかせあることなら てだてをもつてとほ からずしゆびよく しおほせごらんにいれん トいふにおりうはよろ こびて〽さすがはそなた ほどあつてぜうぶなる そのいちごんよりしそん じはある□けれこかの りう太郎といるやつ なみ〳〵 ならぬく ものなれば百一 一同二丁軍 □□ 大工馬にんごときと あなどらはこう くわいすること あらんもしれず これによつと そのほうに ひそかにわたすへ ひとしなあり ちかう〳〵 よび みせて かたへに ありあふ 手ばこの うちより いくゑとも なくかみに てふうぜし いとちいさ なるつみを とりだし 〽とは 北霜石 に まきり たるよにも えがたき どゝかくなか ほかに手 だてのあれば よしもし そのごとのおこなはれず せんすべつきたるときに のぞまばこのいちやくを ひそかにあたへなきもの ことせばてまひまいるまじ それとてもだいじを とりてかならず かれに けどら れぬ よく〳〵 こゝろを もちひよとてかの ひとつゝみをわたす にそしが六次は うけいたゞき 西国音語十八 〽かゝるにうやく あるからはひふ〳〵もつて あるからはひぶ〳〵もつて こゝろづよしないたけは これをももちいずわれらが 手をもくだざ□してかれを うしなふくふうもあれば みこゝろ四すくおぼしめせト いふにいよ〳〵よろこぶ おいわう〽しかあらば おもて だち まつごのみつまでお手づから おとりなされたおもむきにいひこしらへて おきましたればごかとくはあなださまにそうゐ あらじとそんじますれどもしまちよつて ほかのおかたがしまつかさにでもおなり なさるとしまいちどうがとうして ぜひともあなたの どしはいを□ らる べけ なは のちの ごさたを あいまて とてそのまゝいだしやりしとぞ それよりさきにやまなる村やく にんらはたちかへりてしほかせ かたへいたるにぞわ次郎やがて たいめんして屋かたのやうす いかにととへば村やくにんらは いくれらを ふるひわし らがねがひを きゝとゞけず ほかやくにんが うける やうにねがふ きでもすると ごれうしゆ さまでも ふみこませぬ これとまうすゆ わりだんにあなた のまへではいひ にくけれど もやだんなが このとしころ しまのうち なる百せう どもをいら ひどくせめ つかひたみの あぶらを しぼら るゝを うら まぬ ものは ござり ま せねど おや どに ひき え あ なた きまが いはれしおもむき かやう〳〵しか〴〵 トつげたる うへにて すみよりかの〴〵たまに また いふ やう 〽あな たり おや ごのごかん きうけ おやどに おいで なされぬ ことまで かしとに きこへてゐる やうすゆへ これでは ならぬと ことばを もうけ すでに あなたは ごかんき ゆるされ つもりそれ こともかみの 愚 にその やくにんをぶち ころすともしまへはあしも 百目丁軍一 こわくい ない □□□ おなさけ おやだんながめを ふかい おかたゆへ おかたゆへ いまにもあれ ねむつてさく おしま おしまひ なさればわずら さまのごだいとなり このくるしさをむかし がたりによろこぶ じせつもあらうかど 君つのところは おやだんなが 一口 西国等記一ノ 〽きこんど おかくれなわれ おどろけとかけでは みながあづき めしたいて いわはぬもの ところへほか もないそういふ おかくれない たをおもてむらでは やくにんが しまづかき だとまいつた とてどうして しまがおき まりませう なにぶん あなたの こし はいうけ ごふびん がつて いたゞき たいしま いちどうが ひたまが おねがひ いまから まうしておき 手あらなことをいたまなと 村やくにんらをとききとし かれらをもとせしそのあとは ひとまのうちよりつ兵太郎介 なみことまやも の たちいでゝ屋かたの やうすふためには 一しまいちどうのもの るにんのみにて いつまでもかくて あらんははゞかり ありはやごそう〳〵 しきもすみたる ことゆつせつしやは もとのに屋へ かへりてるにんの わざをいたす わさをいたす べければおんいとま をばたまはりたしト いふをわずらきゝ あへず〽それは のたまふことながら もとよりおんみは むしつのつみにて ながざれびとゝなり 給ひしをせつしやが かたにそらるゝとて なんのしざいかいはん もしそれともに屋かた よりおんとがめのすゞし ありもせはせつしやが 身ぶんにかへてなりとも まうしひらきをいたすべし かならずきづかひ給ふなし いふにいよ〳〵手をきげ て〽せつしやをかくまで ますると へつらひのなき いなりうどの おもひのまゝ をいひいづるを わ次郎はにが わらひして 〽せつしやとても あればほかやくにんがまいりしとて なか〳〵にひとの つかさといはるゝほどの ちゑもきりやらもなき ものゆへべついひとせばさし こさるゝかそこらはかみのめがねに 百文十四丁一 どもがわ次郎を したへるおもむき かしこに おぼしめさるゝごしんせつ なるおことばは身に あまるほどかたじけ なけれどよしやむしつ のつみにもせよとのゝ みゆるしなきうちに 身をあんらくに なさんことはかみを おそれぬつみなほ おもしことさら をにつらけはや太 はつまもなく子も あらねばいゑで ○おいて きゝたるよしにて そのよろこひを のべたるうへつわう 太郎はかたちを あらため〽それがし おやごのおんなり ゆきよりそうだん あいてになれよと あるゆへかくおんいゑ なせしといひいるを うたがふものはあらね どもそのうはりとして 屋かたよりほかやく にんをつかはすと あるそのやくにんは いかなるものにや もしまたれいの ねいじんどもが このりう太郎 をがいせんと わるだくみ などいひ ふくめて にとゞまりそれど つぎへ 十三 つぎつかはさんもはかり がたきをなか〳〵 ゆだんしがたし さればおんみと それがしとはした しみふかきていを みせず うらくしくしてあらん こそおたがひの身のぶじ ならめなほこのうへの おねがひはこれなる なみこの身のうへ のみよしなに はからひ 給はれ とて かくもおこゝろ まかせにいた さるべし なみこどの おんうへは 手まへが かたに しのばせ おきて ひとめに たゝぬ やうになせ ばかならず きづかひ 給ふなと ▼とゞまる けしきはあらざる にぞ下 次郎は うちうな つき〽おんみ のゑんりよ もことはり なればこの うへはとも いふによろ こぶりう 太郎が〽しか あらばそれがし はすぐさま はすぐさま おいとまつか まつらんとて なみこにも とまやにも 〽おんみとまやに ゑしやくを 一のゑんりよゑしやくを ふゝみを なればこのおこせば 四の巻へ 三の巻ゟ とゞめ かねたる わ次郎 より なみこは ほいなき ほいなき ていなれ ども又 いまさらに せんすべ あらねば あらねば こゝろぼそけにも やられずひとり つく〴〵おもふやう 身におぼへなきつみを かふむりかゝるしま ねにながされたれど てんとうまことを てらし給はゞいつかは たちかへり おのれが小屋には いたりしがひるの きみのうたがひとけ てめしかへさるこ ひもあらんが いかにせんいま かりあるひは しほをくみ やかたには あいだはしばを ねいしんざん つほをくみしやのはび などして身のとりてるにん はたらきにとなりし いとまあらわがみを ねど夜よはさへなほ ◑みおくりたるむねの うちこそやるせなきさる ほどにりう太郎はわ夜らかたを たゞひとりがいせんと 小屋のうちはかるよし にむしろたとひ びようぶをこのみは たてまはして ふしどににおちいり いれどもいのちを なにとやらおとし ものおもふ みはねむかも 百図十一人 上女 つきいさゝかをしむに きらじありてしゆくんの だいじにおよびなば おんつけびとをかう むりしやくめのおもて たゝざるのみか むねたかぎみへ あづまにまゝます たらねどももしやおいゑに いかになすとも 身のつみをわび まいらせん すべもなし われこの しまになが されて身は あらいそに ありといへども こゝろはつねに ごしゆくんの おんかたはらを はなれじと おもびつゞけし まごゝろをあはれむ かみもましまさぬから 世をうらみまた身を うらみてひとりなげきに しづみしがおもひ まいりたるしさいと いふはほかでも はべらずそのかみ おんとがつまり ぐうなる かいていにいたり むすびつけんと なみをくゞりて 給ひしそのとき よりはやとし つきはたつと いへどもりう女 はつねにおん みのことをいと なつかしと おもひ給ひて しばしもわすれ 給はねどにんげん にあらぬ身は回 かの へり がね ひきあげん ためりう づにつな を 四 またさい くわいも ならずとて そのまゝ うちすぎ 給びしが とうじ ごしゆ くん むね しげ つかれてうと〳〵と われにもあらで まどろむをりしも 〽なう〳〵まうし りう太郎さまト よびさまきるゝに おどろきつゝふとん はねのけおき なほりてあたりを 見ればまくらべなる むしろびようぶの かたはらにいとあて やかなるひとりの をとめのたゝづみ たるにいぶかりて 〽そも〳〵おんみは なにびとなれば このまよなかにたゞ ひとりこゝへはきたり 給ひしぞトとはねて につことうちわらび 〽さては見わすれ 給ひしかわらはゝ 帝女おろにめしつかは るゝいそなとよばるゝ ものにてはべりこのたび りうによのおんつかひ としてはる〴〵これまで 百図十軍一 一一一一一二二五 三三三三三 同一一一 □□ どの には 三 一十一回答記十一ノ つぎ おりう のかたの いろうに まよひ ねいじん どもを あいし 給ひてちうぎの ぶしをとうぎけ らるればその いゑくにの あやかきこと うすきこぼり にざするが ごとしこれをば たすけまいら せんものおん みならでは あるまじけれど いうにせんおんみは またつみなくてこの しまにさすらひの 身となられし のみかちかきに あなたのおん うへにものがれ うへにものがれ がたきのわざはひ 十七 ●妖魔声をしりぞけ 身にわざはひのいたるを しるきたいふしぎの めいぎよくなれば これをおんみ ひとつのたまを へひとつのたまを うや〳〵しげにとり いだせば身を へりくだりて りう太郎は おそれうやまひ うけいたゞき りうによよりの おんつかひにて ぞやはからず かいていにて 〽きてはわじよろは ありつるかいつ りうによに まも かと して ちう まみへまいら せしときそれと うちあけ給はねど まさしくわがはこ うへとおもひし ゆへにおんそでに すがりつくまも あらなみに へだてられつゝ みすがたのそのまゝ 見へずなり給ひしかば のこりおしさのやるかた なくゆめになりとも いまいちどあひまいら あらんよつてこの たびりうによより たまはるところの ひとしなあり こはりうぐうの 宝珠抄にて これをしよぢ なすそのときは いかなるうみの そこにいるとも あらなみ き一 いう に たち わか れて きな がら へい ちを ゆく が どく なほ その うへ ぎを せたくおもひしに そのねんかきの とゞきてや わじよろを もつてかく ばかり世にも えがたき 宝珠灯をば わなみに くだし給ひ ぬるその おんめぐみの ありがた さはなにゝ たとへん やうもなし それがし まつ たく したまへといふ 御口上にて はんべりとて たづさへきたりし かくて ある うちも ひた すら しゆ くんの おんうへのみ こゝろに かゝり てつき 「「国「「「国「十八 つき かりそめにも わするゝひまは あらざるに りうによはもと これ元ぼならで これたん 天眼通説ば をえ給ふ にや しゆうかの だいじに およばんこと をもわがみに わざばひ あること をも 矢 国おん かたの ひさし ぶりにて しめし 給へるほど なればなほ くはしき めされん をもしろし ねがふは わじよろの おかほも はいし またふたつ にはしゆう かのなりゆき くわしく おしへを はからひにて それがしを どう〳〵なし かのりう ぐうに つれゆきて りうによに あはせたま いらばはゝと おもへる国 かうむらば わがこゝろえ となるよし ありてたいけい これにます ものあら ものにつ し 白羽守單十八 西区吾訓丁ノ つきいかに つれゆき 給はごんや トいふを いそなはきゝ あへず〽ちか ごろわりなき おふせなれ どもさき にもまうし はべりしごとく にんげん 四月一日 } ならぬ おんみゆへ いかに あひたく おぼしにす とも天帝既 へのはだかり あればまた さいくわいは かなはずとぞ ことさらにいまのたまひし なすのおいゑのふちん そんぼうよしやりう によがしろしめすとも 天機説をもらず おそれあればあから さまにはおしへ給はじ いままいらせしそのたまを はだみはなさずしゆご なしてことにのぞみて おくれをとらずちうしん をこたりたまはずはたとび○ ししやくにはまで 十九 ありともおのずと のがれしゆうかも ●おんみにふり かゝるわざはひ かゝるわざはむ つひにまつた からんはや おんつかひを たまはるも これをかぎり とのたまへば おなごり をしくは はべれども わらはゝ おいとま たまはらん さらばトばかり 身をおこす をこなたは あはてゝ ひき とゞ め こは こゝろ いやとな どの おん つかひ をば 給はる さへ これを かぎりと きくから にたゞ このまゝに うちすぎ られんや よしや おし あれ とて まげ □□□□□□□□ によの おんそばへ わなみを めしつれ 給はれら いふをも きかず ふり きつて とのかた さして いでゆくにぞ 〽あれなうしづと りう太郎がおひかる そば見むきもせず やがていそべに おもむきつゝ〽つぎへ 二十 西国部図十八 同 魚 大包金二朱 中包金一朱 牛肉丸 小包銀一匁 第一ひいを補ひじん せいをます妙やく なればきよじやくの 人づねに用ひてよし 一下谷さみせんぼり 對州染嵜氏製 〽つゞき〽いまうちよする あらなみのうへに ひらりととびのりて さながらへいちを あゆむがどくしづく としてはしりゆくを 〽こはきゝわけなきおん つかひなさけにわなみを はこうへのおそばへ どう〳〵して給へコレ なう〳〵トさけびたる おのれがこゑにおど ろきさむればこれなん なんかのゆめにして 身はなほふしどの うちにありけり りう太郎はゆめさめて たゞほうぜんあたりを みればふしぎやまくらの かたはらにいそなが たづさへきたりたる くだんのたまのあり〳〵 とのこりゐたるに またおどろきてこのひと しなのあるをみればゆふかと おもふにゆめならずうつゝ かとおもへばまたゆめなり なにはともあれりうによ なにはともあれりうによ よりまさしくたまはる このめいぎよくかたじけ なしとあまたゝびおし いたゞきつゝゐるをりしも ふかあみがさにおもてを かくししのびかなるいで たちにて戸とぐちに うかぶさむらひあり このものはそもたれ ならん次の編に くわしくとくべし めでたし〳〵〳〵 第十九へんひきつき 出板いたし申候間 御高覧之ほど偏々 高覧みほど偏々 奉希上ゟ 春水作芳虎画 屋敷 柴川に 姿はいへ 昔噺譽達引 洗沢ニ 二編訓練 板川加藤作 一寒斎芳幾画 東海義賊 関東蔵狹 緑林娘白浪 初維ヨリ追々諸国 仮名古古文作 新雷神帯残画 花街 柳撰 新編多気競 近々必死 〆 伊 浮瓢覃 南冊 使入御偏敷快晴全事 但木植主人親関 一編記追々出版 地本草紙問屋両国米澤町加賀原町加賀屋 西國帝蘭十八 吉 魚 大包金二朱 中包金一朱 牛肉丸 小包銀一匁 第一ひいを補ひじん せいをます妙やく なればきよじやくの 人づねに用ひてよし 下谷さみせんぼり 対州 ハ染寄氏製 〽つぎいまうちよす あらなみのうへに ひらりととびのりて さながらへいちを あゆむがどくしづく としてはしりゆくを としてはしりゆくを 〽こはきゝわけなきおん つかひなさけにわなみを はこかへのおそばへ どう〳〵して給へコレ なう〳〵トさけびたる おのれがこゑにおど ろきさむればこれなん なんかのゆめにして 身はなほふしどの うちにありけり りう太郎はゆめさめて たゞぼうぜんあたりを みればふしぎやまくらの かたはらにいそなが たづさへきたりたる くだんのたまのあり〳〵 とのこりゐたるにせ またおどろきてこのひと しなのあるをみればゆふかと おもふにゆめならずうつゝ かとおもへばまたゆめなり なにはともあれりうによ よりまさしくたまはる このめいぎよくかたじけ なしとあまたゝびおし いたゞきつゝゐるをりしも ふかあみがさにおもてを かくししのびやかなるいで たちにて戸とぐちに うかぶさむらひあり このものはそもたれ ならん次の編に くわしくとくべし めでたし〳〵〳〵 第十九へんひきつゞ 出板いたし申候間 御高覧之ほど偏々 奉希上ゟ 春水作芳虎画 屋敷 柴川に 妻は □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 決決ル 昔噺譽達引 二十一日 福川加馬作 一恵斎芳義画 東海美賤 仮名古古文作 関東城狹 緑林娘白浪 新雷神帯残画 初健より追々出版 母 花梅 新編多気競 か 柳橋 近々楽説 此唄 袋入柳一 御届被仰付候事 南湯 浮瓢覃 一但大大大破倒 一編記追々出版 地本筆紙問屋両国米屋町加賀州小屋敷 烏永春水綴孟神亭虎画 さいこくき 新 第四国卒国 加賀吉枝 第十九編加賀吉板 新増 同一 奇談 新増補十九編上 西国奇談 為永春水作 孟斎芳序画 から吉 はん □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ つら〳〵自を省るにはや 一節分の豆の数五十をすぎて 一幾許とかぞへきられぬ歳には あなれこ兎に角と世の中を官袴に からまれて去稔に今茲は別て猶筆採る 一般の稀なれば甲の後輯乙の次編と爰に 一彼処ある書肆より何様して呉るの催促を安請 合も二年越紺屋の明後日言尽したる 一詮方なさもの義理一編やつと 一仕あげて責を塞ぎつ 辛未 孟春 為永春水誌あつし ○宗重の内室 二の町 御前 百文十軍一乙 勇水 児2侍 田国善識十カ 十八へんのつゞきりう太郎はゆめ さめて見ればかたへにあり〳〵と いそながたづさへきたりたるたまの ありしにまたおどろきしがこれ なんまさしくれいむにてかゝる とうときめいぎよくを りうによのたまはるもの ならんとおもへばいとつて 同七十一歩廿弐歩廿四歩七十一升七斗七合七十七石七斗七升 一同廿二文七十一日廿一日廿一日廿一日廿一日 かしこくてかたちを あらためらのたまを おしいたゞきつうち ながめつさらにうねん もなきをりしゆかどの 戸ぼそをほと〳〵と うちたゝきつゝおとづれ て一りう太とのには ねられしかこゝあけて □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ よとのそ やかに □□□□□□□□ おとなふ こゑに おぼへあれば その人なるかと 一りう太郎は〽おうじ ひとたゑいらへながら ありあふしそくに火をともし いそがはしげにたちいでゝたれし むしろをひきのげてみれば ひとりのさむらひがきにおもてを かくせしまくたゝつみゐたるにいぶかりて 〽おん身はたそトとひかくればかの さむらひはとなつきて〽よじんに ござらぬそれがしなりトかぶりし あみがさとりのくるをりう太郎は きつと見て〽これは〳〵わすゑほども おこゑはおんみとさとりしがなにゆへ あつてまよなかにこのあたりへは右へ 同正月十九 左ゟ 見へら れしぞ れしぞ なには ともあれ こゝははし ぢかいとも いぶせき 小屋なれど まづ〳〵 これへト しるべを なすに ぞ「ゆるし たまへト 同次郎も むしろの はしより くゞりいれば りうぎらは りう太郎は きたなけ なる火ばら にそたを せり くべ ながら 〽いそべは わけて 夜さむも つみしほと りへよりて あたらせ 給へトいふにわすら ゑしやくして〽かかめら ずおかまひくだ さるなぜつしやが よふけて まいり しを さぞ ごふしん にも ④ 〇おぼしめさが おんみにひとこと つけまいらせたきいち だいじの候へどもひるは ひとめのはゞかりあるゆへ こよひのやみをさいはひに かつてしつたるいそつたひ しのびてまつりしその わけはほかのことでも 候はずおんみもつたへ吹はし 「七月十一日「 きかれつらんかのけはや太の かはりとしてにぎり四里次とよはるゝ ものこのしまのしたつかさに ちかころわたりきたりしところその てはいたつせきがるにてしよたいめん よりしたしみをかさねしものゝ やうには見ゆれどもとこれねいべん ちからあく までつよきよし さればかやへ一が むかふへまはり とりくむものは このしまのわる ものども には▼ りこうにてむねにいちもつあり此 なればゆだんならざるくせものと こゝろをゆるさでゐたりしにこゝに ひとつのなんぎといふはこの穴の それの日はしまの鎮守跡の さいれいにてそのまつりのとうじつ には十まふをこうきやういたす こといにしへよりのさた めなりさればるにんの ともがらもまつり二日は ゆるされてすこし小ぢから あるものはともにままふを とるもありよつてきんごくの すまふとりらがつたへきゝつゝ きたるもありさなくとも このあたりに名たゝ ありとも おぼへずしかる に木むらりう 太郎は兵門 よまふとりあれば のたよりして 福 ひとをつかはしたのみて まねきよするも あればかゝるしまには めづらしきとしに いちどのおほまづり なりさるからに 四わい次がこのほど きたりていへるやう ことしもれいのさい れいにすまふのこう ぎやうあわかしなれど よきすまふとりの ずとてしま ひとどもがあち こちとひたまら たづねめぐりしに ちつきころみやこの かたよりこのあた 月刊行状状状況 アリアナタリ沖押押押 ジアザリガナウガナリ 伊勢力 増 }下を下するを 神津病院 1000000000000000000 月かりける時よりけり。 片脚脚状状状状状状状状状状状状状状 りへきたりしと いふ螺ヶ妹あら 鳴坂ゑもんとよばるゝ ひとりのせきとり ありかれば日のした かいさんなりとみづから ほこりていおほどありて御 二月 西国竒譚十九 三四 きたりしおもむき いといたましきことなれ がのなり雲もんと とりくませさしも 日のしたかいさんと ほこるすまふを なげたをさば しまぢうのもの どもがりう太郎 をばかそれうや まひおのづからに まひおのつからに かのひとのために なるよしあるべきか この義はいかゞ候はん としんせつらしく かたらふありさま まことありけに きこゆれどかれは ひがみぐ太夫が めづねをもつて さしとしたるねじけ ものたぐひなれば しんみのためとて しか〴〵にとりはからはん やうもなしおもふに ほらかだけとか いふやつちからあく までつよしと ぎけば かれに わどのを なげ ころ させんと たくみ 手だ てに さら ゐ ある まじ よつ ○ りきりやうとおひ せつしやが はやわざといひ ひとにすぐれし ものときくもと このひとはつみ なくてたらしよに ながされ居へし そのことを さしとめんか とぞんぜしが おんみのかた をもつやう につぎん 四 つゞき四つくい 次に けどられ ては又 めるなら まところも ありその うへちゝの 腹中かうゆへ まつりの ことはなに ごともかれに ませて たいさはら ねばそれは よしともあし とも いはず なま ちらへ 市軍も書一ツ なり もち え に ほらが だけ とて たん かりに おそれ たまはん やうも あらねど せんきん にだも かへがたき たいせつ なるわどのゝ おからだ万に ひとつも五丁 百円千四百五十七 和 あやまちあらば こうくわいするともせん なからんよつてこのこと みつくにておしらせ まうさんそのために ひとめをしのび夜を こめてわざ〳〵これまで まいりしなりとにもかく にもすまふのばしよへ でられぬぐふうがかんよう ならんトいとまめやかに さゝやきつぐればりう 太郎はかたちをあらため 〽いまにはじめぬそこもと のごしんせつなるごきやう くんことに夜みちの おいとひもなくおんいで ありしみこうざしほねみ にこたへてかたじけなし おほせにしたがひみやう にちよりびようきと ひろうし ひきこもり たとひすゝ めにあづ かるともぜられぬていにもて なさばかれらもせんすべなる らんかトいふにわ次郎あんど してこれよりよだんに▼ 理 およぶ ほどに りうは 虎は かたはら なる いぜんの たまをとりいだし 〽かくまうせばなにと やらあやしきことをいふやう なれどほかならぬ一つぎへし 西陸首調十九 いゞきおんみゆへひそかにかたりまいら するとてゆめのうちにてかのたまを 感得幼なしたることのおもむき かやう〳〵しか〳〵トつぐるに わ次郎おどろきつく くだんのたまを手に とりは見るにおいづと つゆをふくむか と思ふばかりに うるはしきに玉の うちよりひかり をはなちて □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ あたりもかゞやく ばかりなるにぞ BBOS わ次郎は たなそこへのせたるまゝ にてやゝしばしためつすがめつ ながめゐたるがもとへもどして ●給はんには身に かんたんなし〽おんみとちなみを むすはずばかゝるふしぎのめい むすはずはかゝるふらぎのめい ぎよくをめに見ることのいかでか ふりかゝる大なんも まぬがるゝとかの給へば ねいじんどもをかり かなはんことにりうぢよのゆめの 太郎ひついに つげにもこれをしよぢなし おいゑを二の巻 の春よしゐはんたいになし給はんことまくのうち うたがひあらじあなめでたしトまでとり よろこべばりうなるもうちあげて までとり ゑみて火ばちにかけし ふるどびんよりぬるゆを くみてもてなしなどする そのうちにやく夜もふけ のちには こむ十び せきわき ともなり あがるべきときに わたればわ次郎はいとまを つけなほりか太郎下 いたりてからぬことを いたりよからぬことを すまふのことをくりかへし つゝいましめおきて わかれてわが屋へ かへりける しいだせしかばあながちに すまふなかまをかまはれしには あらねどもおのづからあづま にもみやこあたりのばしよ〳〵 ○こゝにほかが たけなり にもかほのだされぬわけとなり ゑもんと いふ八とり のよまふ とりあり もと九州きうの うまれなるがあづまに いたりてしゆぎやうなせしに ちからあくまでつよきのみ よく柔術戯の手をしり あいてのものをなやませしかばせ つひに おのれと身をひきてうまれ こきやうのことなるゆへ又きうしうへと さまらひきしにこゝらあたりはのぎへ 万図千単一乙 御国帝謁十九 若者口 酒壱駄 魚壹 嶽丈 □□ とりわけて すまふの はやるくにがら ゆへこゝのどひやう かしこの ばしよと おしまはしつゝ 手あはせ なすに手 にたつものゝ ○きたりしやうまを きゝつけてかのさはれはしまにきたり神もかたをやけか にたのみしところ ほらがたけ □□ □いちぎにおらばず四五日まへより しまにきたり神もかんかたをりう しゆくとせしかばしまのうちなる わかいものよりのりこみののわひ とておくりこしたりたるさかなを ほらがたけはとりあへずでし どもにいひつけてもらひし さかるをこしらへさせわかは ものゝそのうちにておもだ ちたるをよびよせつく このたびまつりにまね かれたるにはからすも いちどうよりおくり ものにあづかりたる そのよろこびを のべたるうへ〽みな さんへのおちか づきにおころ ざしのさけさか なひらくつもり でいふてあげたら みなとち そろふてよくも ござつたゆるりと のんでくだされト まれなるゆへ しだい〳〵に ひやうばんも よくきう よくきう しうすぢ にはかくれの なきやうて のすまふと なりしかばせ いへばおの〳〵ひたひ をなで 必 ぬ 世われは日の したかいきんの せきとりなりと みづからほこり てばかじやく ふじんままひ あるゆへにく むやからも おほかりしとぞ しかるにちかごろ このあたりに□ 百円打暈一乙 □に 西国善記「ヲ つゞき おせき とりにま いらする ものとては なくあみで とれたわづかな きかなおくちにあはぬ いなかざけをしんせたりとて このやうにかへつてぞうさに あづかつてはちかごろれのどく □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ かねてよういの酒さるなをとこ ろせきまでおきならぶれば なりゑもんはしましげにやくさかづきを とりあげてもろびとにまゝむるにたれ とてげこなるものゝあらねば大さかづき を右へめぐらしひたりへめぐらし するほどにはやほろゑひに なりしころひとりがひざを すゝませて〽イヤときに おせきとり見らるゝとほ りの小じまなれどもとし にいちどの大まつりゆへ いつとてもせきとり なりてきてあるよし かれはちからも人にすぐれし さるものなりとうけたまはる このものをもてほらがたけの あいてになしてしかるべしと此ほど さしばいたされたり此里かはら どのといふはつゝしみふかき人なる ゆへかりそのにたちから ゆへかりそめにもちからわざを 人に見せたることのあらねばいか なるりきりやうあるかはしくれど そのはじめこのしまへながされふと なりしときあら太夫とよばれ たるがうゝかへひとうのつかさ 賄賂酢のかねをださぬを にくみせなかに百むちあて られたをものゝかずともせざる ふしこればかりでもたゞびとで あるましきとは思はるれどされば とておせきとりの あいてにしてはふ そくならんが したがかさの さしづといは ほかにあ いての たちをたのみてまね きふせますにことしは とりわけこなさんが とりわけこなさんが よいところへ見へ られたのでまつり むかはんものしまの うちのわかものにある やとおたづねありしかば いろ〳〵だよかして見 てものがいずそう てもつぢずまう□ にはなをさかせ ますがそれに ならとびだしてとるものは つけてもこな いくらもあれどもの さんのむかふへ まはつて とり くむ やうな □□□□□□□□ せきとりが 兄あたら ぬゆへいち どうがこ れにのみしん ばいいたしております ところちかころござつた したづかさの四わい次さまがへ いはしやるにはあのほうが たけといはるゝはおとにきこ へらせきとりゆへかのもいにつ 西国打軍十九 あらざ れば その つそうは 歌を 口しのかた の大切き にするつも りなれば ぐふしよう ながらおせきとり よろしくおたのみ 申します下いふを うちきくほらがた けはから〳〵とうちわ らひ〽りう太郎でも とら太郎でもたれかれ とあいてはゑらまぬ 此しまぢうの人たちが も〇ほん手にかゝつてせきとりの いちどに五人三人づゝ いつしよにかゝつてござらう なか〳〵あいてになるものはいつしよにかゝつてござらう とも此なりゑもんがふん あるましきよしこたへしにとも此なりゑもんがふん 四わは次どのはうちあんじて つたへきくこのしまへりうさがつたらとなさんたちの 太郎といへるものるにんと廿おめにはかゝらぬ火へ 西国吉言一つ べきとうし日の下かいさんとおとにきこくた ほらがたけがごとひやういりのやうつぱなところを 〽見たばかりでもけどぶつがおぼかたき事を つぶすであらうなまなかなへぼすまふは まいらぬほうがましならんトいひつゝも又 うちわらへばこれをうちきくしま人らが あまりといへばかたはらに人なきごこきし たいげんをにくいくちとはいめへどもまつり のすまうすむまではたいせつなる きやくじんゆへおの〳〵めと めを見あはせつゝともに せうふてゐたりとぞ かゝるところへ下女 ひとりつぎのま よりかほさし いだし〽おせきとり さん〳〵さようの 人がまいり ました ちよつと こゝへし よびたてら れなにごと やらんと□ ●〽さてみなのしゆけふは ゆつくりおの〳〵といつ こんくまんとぞんぜしに いまさりかたきかた よりしてにはかに われらを 現金酒通 まねか れたり おりわ ろけれど ことはつかく やりにくきようじ あればちよと ゆきてすぐかへる べしわれらかへり くるあいだやらう どもをあいてにし てゆる〳〵のんで くだされとて でしずまふにも なかなる手が しか〴〵といひ みをさら〳〵とよみおはり てかたへを見かへり〽〽〽かねがみのおもむきは いさいしようちいこましたさかそくこれ よりあがりますればへつだんにおへんじは ふくめかく なりゑもんは したくと のへいで 内たちいづればくだんの 下女はさしよつて 〽たゞいまにぎり 四わい次さまから おつかひがまいりまし てとのふばこをば ない〳〵にてお手 わたしをばせよ とのことおへんじも あらうとて あれにひかへて をりまするト いふにとなたは うなづきつゝ 手ばやくふばこ させ▼ のふたをあけ さしあげませぬといひのひとに ふばこをうべしてやつてこれと いはれて下女はさし心え ふばこもつていでゆげは ほらかだけはその まゝにもものざし きへたちもどり きのどくそうし に◑ 正図竒譚十九 ゆきける こゝのゑとき しわいや そろばん をたが さへなが らかつ てへたち いであ たり見 まはし 〽なら おつめ あのほらが たけをよび にやうしに 今まいる とのつかひ のへんじ こちらで ものを たのむ のにから ばなしもでき ぬゆへいぎへ いゞき さけを ださずば なるまいと むねを いためて ゐたとこ ろいま つかひの つかひの はなしでい ほらがた けのりに しやく にも わかい ものが おほ しゆ ゑん なか ばの やうすと 廿四日記書記録 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ あづかつたればいくら 地震 ものがかたらうとも こつちのはらはいた まねと一 かれば 流艦一両と ちやか めんへ かきださ 結結縮治治 非症症状態 ねばほね をおつた がひがないそれゆへさかなも たいていはありあいもので ことをすませぜにをださぬ がかんようだがよういは よいかトとひかけられいまの おつめはうちゑみて〽そりや こゝろえておりまするからいふ 国 こんど のいり □□□□□□□□ とて おりう こともあらうかとおとゝいの あさもらつたきわなを水一つけ てかこつておいたをにつけたの ではちざかながものをかけ ずにひとはちできた 十一 あとははたけのちさのはへ あれば ほうが たけも したぢが あるゆへ こゝでは さけを たんと もの むまい あの おとむが 三合五勺 おれは二 合でより らうか イヤ〳〵 おぬしが そこへでゝ 二三ばいも おあいを □れば これを きば 五夕とつ つて六合 もりとみね もりとみねかひにやらうもつとも 同百月十九 のかたより ない〳〵で 二 図 ごまをかけたひたしもの しらすほしにわかめを あしらびつゆだくさん なおすいもの これでは ずいぶん ほらがだけ がいつぱい かや のめると ほめる で あ らう これ □□□□□□□□ さん せト もつ たて さか なを 見すれば うちゑみて〽さす がはおれのいきへ 四国寺計一才 ちゞきにようぼうだけゆきとゞいたさかなごし らへいまそろばんであたつて見たがきかろば もらひものとして酒はもとよりすみまき しようやねにからなにまて十ぶんに つもりあげても五百はかゝらぬところ を二両もかけたやうにちやうめん つらをしておけばぬれ手であはを いかむよりもそつとうまいこんどの はたらきこりやだん〴〵に しあはせがむいてきた はトいひながらふう ふおもてを見あは せてしきりににこ 〳〵ちゑむおりから たのみませうトいふこゑに とりあへずすぐさまさんじやうに○しかしたばこをのま つかまいりぬじいふにこなたは事ならたばこぼんをば しんぜやうトいふをうち うれしげにこれはせきとり よくこそ〳〵あいさろはあとのきくにらがたけがなる ことまづこちらんとさじきんとほしほどにぎり四わい火と いふ名をついてゐるほど 〽けふは日よりものどかにでふゆいふふゆをついてゐるほど ありてさりとてはしせ とはいへどよほどあたゝか い人とあきれはていゝ かういふ日には火ばちがあると にがわらひして〽かな どうものぼせてならぬもの われらはたばこが口 らずおかまひくだ さりますなして わたくしをおよび なされたこよう のすぢはトとい かければしわい そりやとぞきたはト四わい次が あはをふためきこゝかしことり ちらせしをかたづけながらじしんと いづるかずぐちにたゝづみゐたりしほらがたけが きらひゆへ かんのうち でも火のそ それといけるよりをしうちかゞめ〽たゞいま ごようのすぢありとでおつかひにあづかりしゆへとるものも ばへよることは あまりこのま ぬおんみも 芳虎画春水作 からだがていと つてごさればさむい ことはかまはれまい御 次はうちゑみ て〽いかにも わぬしを上び よせたはおと ありいつておた あついつてある のみをまかし いれたきこと あるゆへそれら のわけはゆる〳〵と おはなしも三の巻へ 松飾徳若譚 五編 六編 七編 仮名、垣魯文作 孟斎芳虎画 初編山々亭有人補綴 二編三遊亭国朝作話 今朝春三組盃 三編錦朝楼芳虎画図 いろは節要 初編山々亭有人作 十編歌川周重画 まで 繪本太豐記 初編 二編 三編 孟斎芳虎画作 地本問屋両国広小路加賀屋土吉兵衛板 大阪市 春水 綴 芳虎 画図 十九編 さいこく きたむ 十九つむの 下 春水さく よしとら し かのと ひつしの春 春盛 堂 はん 瀧 せいたすでござりませうトいも御 三の巻よりいたそうがさいはひ 四わいびうちゑみてしか よういのさかながあればたかひに あらばそれがしがどくみ いつこんくいたらへ心のそこをうち あけておものがたりをいたすで あらうおつめおかんができたなら はやくもちやれじいふこゑに心え いたしてまいらせんトやくさか づきをとりあげつゝいつぱい のんでさすさかづきをし がほなるにようぼうがれいの ほらがだけは▼ さかなをひろぶたへうや〳〵 しげにうちのせてふたりが まへにさしいだしこればく おせきとりさんよくまア おいでなさりましたほんの わたしの手りやうりででき あはせのおさかなゆへはくち にはあいますまいがてうど おしいたゞき おかんもできてゐるおひとつ これよりしばしさる もりのさいつさゝ おはじめなさりませじすゝ めらるゝにほらがたけはかた れつするほどに れつするほどに ほらかだけのりよ ちをあらため手をさげて しやくにては 〽これはまたぞんじもよらぬ ごちそうにあづかりまし てははなはだおそれいり酒にあみからすぐに まするまづともかくもとりたてのいきてゐる なまざかなをりやう だんなからおはじめなさなまざりなをやう れておたかつきをてうだいやりてくつて 七月十一年 ひもたくちへ酒といへば地酒が にてかうじのにほひのうせ ざるにさかなは三日いぜんより 水へつけてかこつておいた ひがらい鯖さをきぜらゆで こて〳〵とにつけしゆへ しほのみからくてくひ かねるをくはねばあるじ のおもはくをいかゝと 思へばせんかたなく めをねふりつゝのみ こみたるじつに ありがためいわく なればほらが だけはひたい をなで〽そんじ よらざる おんもてなし ありがたくは そんじますれ どありやうは りよしゆくにて わかものどもを あいてにして酒を はじめてつぎへ 田区音計十九 しもねごしゆくんには今も つきおりましたゆへよほどしたしもねごしゆくんには今も ござりますればたいせつの なほおんいき ならこ こようむきがわからぬやうに どほりのは よひましてはなにぶんおそれ いりまするまづおさかづきは れたまはす いかにもなし これまでにしてごようの これまでにしてこようの しさいをひととほりトいふを て▼ 四わつ次きゝあへず〽それは あまりにごゑんりよまきる 今しばらくとしむら れてめいわくながらも 鳥 二三ばいせんかた なさにうちのみつゝ あとはいなみてうけ ざるにぞこのうへは とて四わい次か やゝさかづきを したにさしおき ひざすりよせ つくこといをひそめ 〽日ごろからしてその もとの大ぢやうぶなる たましひをとくと見 ぬいたそれがしがおりいつての ひとつのおたのみもつとも ▼かのものをうしこはんとは 図 り 太郎 を させ たる も いざ しよろ ぶと いふ いで りう 太郎を なが ころして もら しゆびよくしおほせれば おぼしめせども さるかたより一ておたがひに さるかたよりしておたがひに はゞかり給ふこと ほうびはずづしりもらへる あるゆへみこゝろ しごとひとほねおつては まかせはなしがたく くれまいかしいふをこなたは きゝあへず〽なにがさて よつてわれらに みつ〳〵にてくだんの あなたのおたのみ身に よしをおほせ きけられいか かなりたることならばしいふに 四わい次よろこびて〽さす にもはかりて がはわどのほどありてさへ 人しれず そくのしようちまんぞく なきもいにして さておたのみのしさいと くれよとのこと いふはいまこのしまの よつてくふうをめぐら 盖 るにんとなりゐるりうや せどさいちすぐもし るわかもいへるわかものだい りう太郎ゆへもししぞんじ 並 てはいちだいじとおもふおり たんふてきのくせものにて からさいはひにまつりに あるべきことかしゆくんのうち ぎみ二の町さまとふぎ ついてこんどのすまふわどのゝ あいてになるやうなすまふが みつつうそのことたちまち あらはれてしはりくびにもないといふとこから西のかたの大ぜきに あらはれてしばりくびにも なるべきをかれはもとこれあづま よりかんつけびとにてあるのみか かたはらよりしてさま〳〵ととりなす ものゝありしゆへつひにしざいをゆる されてかくるざい口はなりたれど 一同二十九 はんた め れ ば かれが しんざ とて どひやう のうへの ことなれ ばあと ばら やめること もなく これにかへ こすけい りやくの 次へ 印刷南部 「つゞき又あるべしとも思はれず なれどもくだんのりう太郎こと じやくはいものとはいひながら ちからあくまでつよきのみか やはらのごくいをあきらめて なみ〳〵ならぬやつなれば かならずゆだんはなりがた けれどおんみにこれを くらぶればことわざに いふたいぼくにせみの とまりしごとくなるゆへ よもきづかひあるべからす たのみといふはこのこと なるをいよ〳〵うけひき ゐへるかトいふをこなたは きゝあへずから〳〵と うちわらひ〽なに ごとかとそんせしに りう太郎とか よばれたる 小せつばひとり のことならば しらみをひねり つぶにより かそつと手がるく 八日 左ゟわれらが うでまへを 左ゟしわれらが□わかれて近よしゆくへ かへりけることにおつめは あやぶみ給ふ ことかはトいふに 四わい次一さしよつてこれいなア 四わい次一さ くひちらしたる酒さかなをば とりかたつけおつとのそばへ さしよつてみれいなア 四はい次どのあのせきとりに いちたいしをため いちだいしをたのむこかね〴〵 いはしやんすゆへどういふ とかと思ふたらいもう太郎 さんとすまふをとらせ なげころすといだい それたぞのやうな ことしなさんして あとのたゝりが おまへの身に 鳥 かゝらばなんと しなさんす しいはせも あへずあざ わらひ〽なん のかなごの 小さしでた おぬしの しつたこと ではない できるしごと かならずれつかひ 給ふなトいへば 四しわい次あやぶみて 〽そうかる〴〵しく いはるれどなか〳〵 かれも手ごわい くせものあな どり給はゞ こうくわいの あるまじき とも思はれば ずトなかばいは せず又うちわらひ 〽かれがやはらにたけしと あれどこれらとても じうじゆつのごくいを きはめてゐることゆへ すまふでゆかぬその ときはかのおくの 手でりう太郎が あばらをひとあてやる ときはたちまちほねをみぢんに ひしぎごねてしまふはしれたこと とうじ日のしたかいさんといはるゝ右へ 二月十一日 百貫五百貫目 あのりう 太郎は つみある あんどし て〽さほど 手がたく いはるゝ みのうへ ころしたと てもどこから もたゝりの □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ からはだい こやうわげは ぐわんじやうじやの ないほらが こゝちして だけにのみこま せたれば十に よろこび せたれば十に 八九はゑおほせ これに しや びよく しおほ せ給ふ かへは やうがもしまた ます ものそれでゆかぬ ときはおりう のかたから みつ〳〵にて うけとり ほうびは おいたきた のぞみ しだいとあれ いのどく どまづそれ やく まではこころに 大へ ひめて人にさたばし したまふなじくちを とむればうちうなづき 中陣吉詰一人 つぎ のま せるくふうもして おいたればいづれ にしもかれがいのち は此四わい次がいん どうをわたして やるにきまつて ゐるこのことしゆ びよくしおほせ ればずつしりほう びにありつくゆへ そのときは日ごろから おぬしがほしいといつ おぬしがほしいといつ てゐるいといりじまの いつたんくらひかつて やられぬこともあるまい それをいまからたのしみに よしないことにきをもまずとも のこつた酒があるならばかん をなほしてもつてきやトいひ をなほしてもつてきやトいひ つけられてなにとやらひなら ずは思へどもあらそひかねて せんかたなく酒あたゝめに たつてゆくそれはさておき 八十朝宮 りう太郎は此ほどひそかに わすらが夜をこめてたづね きたりすまふのやうすを しか〴〵といと しんせつにいひ きかされし にまつりの 日とてもね Sche 三二 五図午暈二乙 ほどとほからねば此二三日ば やまひにかこつけうみ山の かせぎ も せず たれこめてのみ ゐるおりから □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ にはかにかどぐち さわがしくあまたの ひとのくるあしおこに なにごとやらんといぶかり うが ながらむしろびやうぶを おしやりつゝかほさし がふとこ いだして ろへ村の しやうやが さきにたち五六人の わかものどもがあるひは酒を になふもありさかぬをかつぐもの もありてみなどや〳〵といり きたりしなかにもしやうやが しかつべらしくゑもん つくろひすみいで 〽これいのうりう大ことの さだめてうはさにきいた であらうがこの月のそれの日は しまのちんじゆのまめりにてよみや からとうじつまで二日のあいだ 聞まふのこうぎやう それにつきては きんごくから よいせきとりを よびよせて大ぜきと □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ これをさだめそのよ はしまのわかものゝ 小ぢからあるをこれ かれとにしひがしにたて わからせ二日のすまふを わからせ二日のままふを とらせることゆへけんぶつ とうせることゆへはんぶつ もおびたゞしくかゝる しまにはめつらしきとしに いちどの大まつりしかる にことしはさるかたから ぼらがだけなりゑかん といふごゑらいつよい せきとつが見へられ たはよけれどもさて そのひとのむかふへ まはりあいてになる ものがないのでわし らをはじめ〽つぎへし 十四 つゞきしまのものが これにはいちどう とうわくしていろ〳〵 だんかうして見た ところとら わかなれど こな きん なら ひとに すぐれた ちからもあればほだが だけととりくんでもきた なくまけもされまいかと こゝにそうだんけつちやくした ゆへにしのかたの大ぜきを しまいちどうからこなさんに おたのみまうすしるしとて そまつながらも酒さかなを とりそろへてもつてきたごじゆ のうなされトいひながへ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ らゆ 十四日朝鮮 なにぶんみぎの わけなればおこと はりをばみなの しゆへよろしく おたのみまうし ますトいふを しやう屋はきゝ あへず〽それは又 よしなきごゑん りよたとひ るにんに あれば とて まつり 二日は ゆるさ れて すまふ にでるが しまのおき てことさら にぎり四わい 次さまが こんたの ちからのある ことをどうして しつてござる やらにらの かたの おほ ぜき りう 太郎 が □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ いたづさへきたりし さけきかなをところ せるまでおきなら ふればりう太郎は さてこそと思ひ ながらもさあらぬ ていにうちおどろ きたるおもゝちうして 〽これは又おもひもうらぬ われらはごれまですまふと いふてはいちどもとつたみ のなきにそのやうなせき とりにたちあはるべき 必すまふの なかへかほの だされるわけ でもなしかたゞ もつてわれらが 身にとても よからう トない〳〵さしつが あつたゆへそこで すまふのかほ ふれにひがしは すなはち ほらが だけ さて にし のかたへ ・ やうもなくことさらちかころ びやうきにて見らるゝ およばぬこと なればせつかく のおはなしと とほりとこのこへにうち いひことには ふしてゐるほどのことよしや びやうきでないにもしろ しなぐこていねいなる おゝくりものにあづかりしを るにんの身にてはゞかりも いはいいたすはしつれいながら なくはれのまつりの図 デ かた こなさんの名 をりか太郎と あらはしてはすまふとりの どりて これ見な さんせ やうでないゆへりうといふしを つぎへ 五国打譚十九 十五 一同二月十七月一日 つぎかほぶれのかきつけいちまいおし ひらき〽このりうじんとかいてあるのが こなさんのすまふの名まへこれだけことの き まし いたのをいまさらいなと いはれてはしまいちどう がこまりきるもつ ともびやうぎと いふわけではなし てかかともいは れねど 見うけた ところかほ のいつつや さのみかはつたやうでも ちよつとしたことならばいしや をたのんで くすりをのみ いま太郎よう じやうしなされたら まつりの日までは四五 日もまだあいだのある ことゆへになほらぬといふ こともあるまい▼ なアミなのしゆト 見えればかどに ひがへし とかもの どもがうち うなづきいゝ いちどうに 〽をゝしよ屋 どのゝいはるゝ とほり今りう 太どのにことは られ此ひろい しまのうちに ほらがたけの あいてになるものが ないといはれては しまいちどうがおほ きまちじよくそれ のみならずほうが たけがわれからせの したかいさんとてせけん にひともないやうにのゝ しりくさるつらのにく さならうことならうとならうとならうとならうことならう 太どのになりゑもん めをなげてもらひ じまんのはなをひし しやいでやつたら それこそれこそれこそれこそれこそ こきみの よいば ろりか さしも日の下 かいさんとおと かいさんとおと にぎこへし せきとりを なげだす ほどのだい りきがしま にもあると つかして いふことかきん ごくまでも きえるとき はこんたのしかげでわしどもませがせけんへ かたみがひろいといふものそれゆへに こそしよやどのはじめかほをそろへてへ たのみにきた日ごろからしてこなさんはへ ものごとうちばなきしつめへひやうきに よそへてことはりすいはれるでもあらう なれど今こなさんにひつこまれてはまつ りのすまふもできぬことゆへしまのものおほ ぜいのかほをたてるとおもはれてなにぶん ことはせしどものたのみをきいてくたされトいやとせ 西国竒譚十乙 此ほどいはれ たこともあり きあらぬ いち たいしをかくるみを ① ときが 図 廿九日 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ いでらるべ あ やふ き□ ※し しま人の わりなき たのみを ふりきつて とは □□□□□□□□□□□□□ ども ※ いは ことはりばかりも さぬむり いひがたくこは だのみされいかにしてよ 〽どもこなたはしからんとしあんに わ次郎にねかうべをかたむけて次へ 両陣并詰一番 おいていつたさけさかなを 〽つきいらへかねたる もたせてかへすこともならねば そのていをしま人 そのていをしゆへ どもはみてとりけん きんしよの事にんにわけあたへて さきにたちたる その日はそのまゝうちすぎしがこふし むらおさがも うちゑみ ながら 〽ならみな のしゆ これほど まで いちど うが ことを わけて たのん だら ○ よもや いなとは いはれも 図 かくてまつり のよみやと なればしの名 ちかくなるころよりはや うちいだまやぐらのたいこ されば土まふのばしよ よりは □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ いふのはきのどくせん ばんこれにておもへは りう太郎とかくかはるゝ 四十一 いでて ヱ しゆ いまづり ゆく あと見 おくり て りう □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 井のむかひをおくれど なにふんびやうきのすく れずとかたくいなみ下 ゆかぎにうちざん〳〵その 日もじこくうつればすまふば わろがけびやうを つくりかせおら ぬのもむりとは おもはぬしかし いまではるにん でもいぜんはよし については いろ〳〵と 太郎 が あるさむらひだと にてはせんかたなくすこし やらはぢをはぢ 小ぢからあるものをりう せねばなら ぬようしも 太郎のかはりとして ためいき ほらがたけとたち ついてひ としつたなら どひやうのすなん あればさァ りごと あはすれどなんのゝけも うめこまるゝとも ひとしようぶして くゆかうト 〽そちらの なくなげらるゝゆへ又 たちあがるを かつてばかり いりかはりたちかはりて ひきやうなおほごし くいふやさりい いきをもつかせず十四五 いふやさり まづしばらく ぬけとらゟにたへたか とてはまた にんあとからあとゝくみ ト可申候太郎が しれものとしきり たあるもきかす きゝわけの たゆるもみかずきゝわけのつきしがいづれもしれものらしきり にあざけるぼう ないトはいふ トハいふわけなくうちまけて小あ ふりきつて じやくぶじんこれを はやたちいづるものも 〽もうこなさんを 〽もうこなさんをものか人をきらはやたちいづるものもじやくぶじんこれを きゝゐるしよけん たのんだからはにもどつてあらねばほらがたけはきゝあるしよけん } ぶつしま人どもは しまへばさもこそとどひやうのぶつし これですまふもしまへばさもこそとどひやうのぶつしま人どもは とりわけてにくさも いうへにたちはだかりて できるといふものしかたがないうへにたちはだかりてとりわけてあぎも にくしとはがみをなせ めおほぐちあいてうち まこにかでたいどうなるものおほぐちあいてうちにくしとはがみを立せ かをとらひ〽このひろい どかれがちからに とらひ〽このひろい めでたいトおどりかトいひすゝわらひ〽このひろいどかれがちからに およばねばおめ〳〵 しまのうちにわが くるふてしま人はすこくうちへしまのうちにわがおよばねばおめ〳〵 みしてゐたりとぞ にぐるがごとく事はいりしが▼かたうでにも 見るべきをさりとは 百目予覃□ 西陸吾諸十九 〇せけんはなつりの よみやとてふゑに たいとをうち まぜてわらひ ざゝめくひとゑの そのにぎわひにひき かへてりう太郎はたゞ ひとりひとまへつくる そらびやうきよき ひ□□□□□□□ こころへいきせき かけくるいそ平が ながるゝあせを ふきあへずうちへ はいりてといき へき〽モシ りう太さま 〳〵けふは あなたと ほらが たけの とりくみと▼ばうよへ きいたゆへ ひるから だんな におちま をねがひ すまふ の▼ ちからが あらばどひやう わりこんで いちばんのうへにおどり あなたの お手がらしようぶを お手がら をけんぶつけつせんもの しやうとをとこぶして おもひの ほかあなはがみを たさまなせと にはあちらは つよこち ごつよしこち びやうしらはよわし きせんかた とてなさに けふすまふ けふすまふ 一のばを すまふにすごく おかほがとして 見へずたちかへり これはいかしがそれ につけても にとおもふにつけても あなたの うちほらがし こびやうき たけがおほ 下こびやうき たけがおほ どいやうな ぜいをなけ きかつ 一四四三 山田川川周囲 三三三三 神田川 同盟 団 (11 旭川 「川口「 川上小川市町村 五図打暈し乙 ころばした も ごやうすかと それも こゝろに かゝります ゆへすたく まはつて きて 見れば おほの いろも つねに かはらず どこが どう わるい わるい と思ふ けしきも よりそのうんで 見へませぬが いひたいまゝのじまんかうまん あなたのことをこしぬけだの おくびやうものとのゝしり わらふそのくちをしさ それとも どこぞおわる くてかトとは れてりう太郎 はらだゝしさおのれ こちわらひ 〽どこもわるくは やれほらがたけこの ごさらねど みにもすこし右へ 七 一西国諸諸国 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ んし茶 米 つきおとに きこへたほらか ○此所画のわけは 一役回にいたりて 自と解る たけわれらが およぶあいてにあら ねばけがでもしては つまらぬとさくびやう かまへてこのやうに かまへてこのやうに ひつこんでゐるぶんの ことほかにしさいは みれんのしかたと はがゆくおもひ ゑんりよも なさぬしやう ぢきいちづ しきりに のゝ 長 ませ 山 りか太郎は おちつき がほにまた から〳〵と うちわらひ 〽これはしたり いそゑどの そなたのえ にもはら ぬことを はらを たてゝさわぐ とはさり 候はすトいふをいそ平 きゝあへず〽そりやあなに にもにあはぬおことは 日ごろからしておまへ さまのだいりき ぶそうといふことは うけたまはつて ぞんじてをれば あのほらがたけ ござり なりゑもんが ませぬか よしや日のした ひとの かいざんのすまふ ことでも とりかはしらねどもわたくしは わたくしは あなたのかねての はらが ごしゆれんでとり たつやら くんでごらうじましくやしいやう さきが手とりの かういふうちも せきとりでもそう このむねが じゆうにはゆきます はりさく とはおほきな せわやきしやうおく びやうみれんと わらはれ やうとも この身 にそんの ゆかぬこと さきの 見き れぬ しよう ぶを して ま ます かてば ※ やうでござりますト ありながらやまひに おのれがしゆじん ことよせしりごみして わぎらのいさめを けれ どもまけて もちひてりう太郎が おくびやうものよこし けがてもした いゝしみゐるとは ぬけよとあくたのやうに いはれるがごむねんには○ゆめにもしらねばおときには灰へ いはれるがごむねんには○ ときには次へ 西国竒譚十九 つゞき 身の しら ずらみ 二 かもの と おほ くの ひとの あぎ けりを うける のは しれたこと いまこし ぬけと いはれ ても □□□□□□□ がす せぬ じん を して ゐるほうが どちらかなら じやうふん べつかと 思はれますト いつからはなし にとりあは ればいそ平は いまさま またかへす べきこと ばもなく めくねんと してゐる をりから 〽こゝだ〳〵トいひ ながらほらが たけの□ 百文十二丁乙 必でし まふが かど ぐう よりし どや〳〵といりくるていを みるよりもりうさらは おどろきてまづいそ平に めくばせしてつぎのひとまへ おひしりぞけまつまほど なくふたりの小すまふ ゑしやくもなさずつか〳〵と うちへはいりてこゑふり たて〽おほごしぬけの りう太郎とはおほかた おぬしのことであらう けふのすまふに けびやうをつかひ かほだしもせぬ おくびやうものどんな やうすをしてゐるか 見まつてこいとせき とりのいひつけゆへに きて見ればぬづべり としたそのつらつき これほとにまぐ のうられ手むかひ もせずだまつてゐるは はぢをはぢとも おもはぬかはぢを しらねばいぬ ねこ どう ぜん その ちくしやう のびやうき 見まひに そうおうな おくりもの これでもくらへ トいひながら あはびの かひへ さかなの ほねを こて〳〵 といれ たるを たがさへ きしまゝ りう太郎の めさきへぐつとさしつくればひとりが しりをひきまくりて〽さかなの ほねでくひたらずばけつでも次へ 二十 古国司訓十九 つぎしやぶれト 両人が右ひだりより てうらうなせど りう太郎はめをとぢていちごん はんくのいらへもせずさらに すこしもとりあはぬをおく びやうものと見くびりて なほりやうにんがさま〴〵と くちにまかせてぞうごん 一くわごんあゝまでのゝしり はづかしむるをひとまに かくれてきゝゐるいそ事 くちをしきことかぎり あらねどあるじの◑ 朝 牛肉丸 魚 大包金架 中包金一朱 小包銀一匁 右之薬年来相弘知 近頃まきらはしき類薬 しよぞんを はかりかねはがみをなし いゝしばらくはむねんを こらへてひ返しがあまりと いへばりう太郎がいひがひも なきありさまにたまりかねつゝ いそ平がしやうじけひらき おどりいでたるこのばのあさ まりいかならんそは次の 編にくはしくとく べしめて たし〳〵 所々に相見へ間名前 信所よく〳〵御吟味之上 御求多可被下しる 丹州下谷上みせんぼり 同断染崎氏製 春水作 芳虎画 新増補西国奇談 廿編 一同断為永春水作 廿一編孟斎芳虎画 薄緑娘白浪 九編仮名垣魯文作 十編錦朝樓芳虎画 隅田川月と梅若 五編 六編 柳亭種彦作 山々亭有人編次 孟斎芳虎画 繪本太閤記 三編 マテ 孟斎芳虎画作 地本問屋両国広小路加賀屋吉兵衛板 ○城落 同村村 十一日 神住物 一烏永春水綴芳虎 さいこくきだん 狩 □□□□□□□□ 一女編金二冊加賀吉従 二十一日 廿編上 □□□□□□□ る ね 西国 奇談 二十編 喜水作 芳序画 は 青盛 文庫 同 □□□□□□□□ 西国奇談第二十編叙 草双紙は基婦幼の玩具。尓ば作意は三分にして。画様は 一みを七分にす。是に仍て文意の足らぬも。画をみて 補ふ事多かり。且その画様を工めるや。目先の変るを旨 とすなれば。只管劇場の赴きを摸し。甚しきは。俳優の。 肖像をさへに加えねば。稚童の愛を求めがたし。然るを 本伝十九編より。那螺ヶ嶽の能の争ひ。流人の小屋 の住狭状のみ。うち続けるに困じ果しが。仕かけた出入を 今更に。作者も引に引かねれば。机に肩を以からして序す。 明治八戌年一月藁成為永春水誌あり 江戸吉二一 妻の御両木の事の○人々の本のの家もの事の心の心のごとくことやけのいまい家の御家の心幸の心の中の御家の 赤松 妖斎 八重桐 五図守單二十 一同十四日記江 十九へんのつぎ ふたゞびとく りう太郎が ほらがだけの でしすまう にあくまで のゝしり はぢしめ られても さらに 一同廿五文 ごん 同一 はん く いだきず おし だま つて ゐ 〆五 緒をやきれけんしようじけひら きおどりいでいろりのはたに もへざしの手ごろの麁糸を とるよりはやくりう太郎の 右ひだりよりてうらうなせる でしすまうのひとりのみけんを はつしとうてばあつとひとこゑ さけびもあへずとんぼがへりて へたはるにぞ思ひがけなき このらうぜきにこれはと おどろくいまひとりの たふさをとらへて ひつたつれ ば〽いたいははな せと身をもがくを 戸くちのかたへ ひきずりゆきて さきにうたれて へたばりふゝたる かのでしすまう のそのうへにかさね つゝねぢたをしもつ たるそたをふりあげて 御渡守有之御手代へ いたら つぎ の ひと まし 玉 平が川 れて やう よをきゝ ゐたりし があまりの ことの くちをら さに かん にん ぶ、 くろの 西国予第二十 十四十一日 一十一日 うち なや せば ゆるせ めつたやた らに にげ ゆくにぞ して やりがほ なる ○さけぶのみ いそ 平が 手むかひなすべき おほ いきほひもなく ぐちあい こけつまろびつ てうち ほう〳〵にあと わらひ をも見ずし くちに ての一にあは ぬより むし めら おと とひ きや れじ いひ すてつく かどの戸ひきたて そのまゝにりう太 虎のそばへゆきつぎへ 四国言記二十 銀 つぎさても〳〵こなさんは おくびやうがみがとりれどりう太郎 ついたる日ごろのゆう きにひきかへて ふがひないにもほどがにたんそくして あるわしがうでにもさしうつむきつゝ たらぬほどなゐたりしがなに ふんどしかつぎのおもひけんかた ふたりやさんはらなるすゞり にんおそれるひきよせさら〳〵 ことはちつともとねがみいつ ないにいぬよつうかきした ねこよとあのためかたく やうにちくふうじてこなた しやう よば を見かへり 〽よんどころ はり なき此ばの しまついまと なりてはいち こんもわぬしに いふべきことばも せられても だまつて なしそれにつきて わ次郎とのに くわきうにまうしいれ たきことありこくらながら きいてござるとはあきれ かへつてものがいは れぬるにん になれば 加 此手がみをとくかへりて わすらどのへお手 わたししてくださる べしはやく〳〵ト いそがせつゝ くだんの手がみ をとりいだせし 心ありげな ことばのはしに いそ平は又 さらにがてん ゆかずと思へ こどもかれが こゝろの はかりかた そのやうにお心までが にびれしかげらうでこそ さにおゝ かへし あれこのいそ平はおいゑの だいじといふときはいのちも ものゝかずならずとかくごの きはめてゐるものをたのしつ みと思ふこなさまが かりと なさりませト さういふみれんなおは ではまさかのときが しやうぢきいちづの おぼつかないちと○心よりはらたちまぎれに入 ても とひかね て手がみを うけとり すご〳〵といと まごひして いでゆきける 百円十一草二十 世流書記畢 のしほかぜのやしきなる なみこのへやのとこのまに 麻平利支天まり ぞうをかけにわを あゆみて ざし □□□ さ まで とま やと も にひそ やかに百度 ひやくまいりの ふたり いれ 〽あい まう なみこ さま あまり おいそ ぎあそ ばすと そのとび いしか おあふ ないとは いふものゝ それも その はつ け 金金金金 大久久介介 入金金 一七日のしほたち ゆへおやつれなさるも おとうりトいふを□ 図 なみこは きゝあへず あのまあとま やとした ことるつきへ 西国奇調二十 文尊天 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ つき もつたい ないなにいやる だいしのく 〽わう太郎 さまがけふの まつりのはれ まいのは ずまうあひてい なにあふほらが たい上りよばるへ 九七つきであるとの うはたとうぞかけが のないやうにといのちを かけてのかみだのみしほ だちぐらいはほろかなこと トいひかけてそらうちなるめ たけとのしようぶのこのしようぶいかほと もやうはやくやうちが きつかふて十まう きくたいトいふをとまやがのばしらくゆき なぐさめてさいせんかつくましたればしよう いそ平か ががすめばいきせき としらせにはしつて もどりませうよしや しらせはきかずとも まし りきりやかはやわざ ならひなきりうは 郎さまのことなれば あひてか日の下かいざん でもかそれることは ござりませぬそれとも おきがよりぬならわた くしゟちよつとひと はじりやうすをきいて まいりまぜうトいふに なみこはうちゑみて 〽わたしも十か九ツいだつ 〽はや日もにしに かたぶけはままに もおほかたすんた あらうほらが▼ ぢやうぶとはおもへども やうすきかねはおちつる ぬそちをつかふはきのどく なんどたいぎながらそこ いまでト手ぶん二のまきへ このまきよりきかずうちうなづき 〽これしぎになんのきのどくこゝで あんじてゐにかよりなういふ うちについちよつとやうま をきいてまいりませうト とまやはそのよくにわぐち より送りいでんとする をりしも〽ヤレまてとまやまいるに およばぬすまうのやうまはあひしれた それがしつぶさにいひきかさんトひとまの うちよりわ次郎がふすまかしあけ たちいづれいこれはとおどろく かなたのふたりともにひとまへ□ も〽おもひかげなしわすう さますまう のやう 十一 の とはれて うちわらひ 〽きつかひ給ふ ななみことの けふのすまうは りうだどのか やまひに ことよせ いでゝれ ざるよし けんぶつ なせし 百せう ども いま もと ※ すみ いりたるなかにも なみこはとにかく とこゝろならねは さしよつてか○ わかりしとは □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ りうさらさまの おみのうへにもし ほけがでもありし かとせわしく ばな これにて つきへ 一世国吉調二十 一つぎせつしやもあんと せりトいはれてふたりは かほ見あはせあさ か○りう太郎さん れはてたるていなりしが よりくわきうの なみこはふたゝび小ひさを すゝめ〽そりやなもことを ごようとこのお手 おつしやりますけふの がみいざト まつりのはれのすまう さし ひやうきといふていてさし ばかりに 一給はぬはあひてか いだよを 日のしたかいさん わすらは ゆへおくれを とりてのゆへ なるかそれを かへつてわすら ふらかし きりくり かへし 見て きまがあん としたと きこへま うち おど ろき せぬト なじれば こなたいまた うちわらひ〽その うたがひもむりなら ねと日ころよりして なにごとにもつゝしみ いそ 平これはなに ものがぢさんせし ぞととひかけ られいまさら 左 ゟし いか もの の わき まへ なき げらう なりとて かばかり の◑ ふかきりう右しほどの ちからをあらそひ ちからをあらそひ○ぶやうに ほこるおもとこれ 四天孫のなす 上にて 君子くんの せざるとこ ろなりまん つゝまんやうもあられは〳〵 ありしやうすをしか〴〵と ちつとも□ にひとつもしよう ぶにまけて廃人はい になりもせばなにを もつてかごしゆくんにちう ぎをつくすことをえんそこを おもふてりうすどのがやまひに ことよせいてられさるはいとたの もしきことならずやトときしめ 同 されてりやうにんははじめて ゆめのさめたるごとくげにことはり とぞおもふなるべしかゝるけりしも とぞおもふなるべしかゝるをりしも いそ平ははらめにかはりしりうは まずもの がたるをきゝもをはらず わ次郎はあふぎを もつていそ平をてう〳〵 郎がことばのはし〴〵こゝろに はつしとうちなや かゝれどいそぎとあるにゆうよも しがたくそこ〳〵にしてたちかへり くだんのひとまへすみいり〽おだんか これにおはぜしかたゞいまよ○ せば〽これはむたいな なにゆへぞトとゞむる なみこをつきのけつゝ わ次郎こゑをふりたて一右へ みな 〽四わい次か わるだくみにて かのほいがだけの次へ 西及打譚二十 「「「「「「「「「「」「「「」」」「」」」「」」」」「」」」」「」」」「」」」」」「」」」」「」」」」」「」」」」」」」「」」」」「」」」」」」「「「」」「「」」」「」」」」」」「「」」」「「」」」 〽つき手をかりて しようぶにこと よせりう太郎 どのをなげころ させんけいりやく とそれがし はやくもすい りやらせしゆへ ひとりしあん をめくらすに かのひとの ひころの りきりやう ほらがたけ とてなか〳〵 とてなか〳〵 におそる べきには あらねども まんに ひとつも その ば にてけがあやまちの あるときはおつゑに ひとりのちうしんを うしなはんかとおもひし ゆへいつぞやひそかに 夜にまぎれかしこ口 いだりてしか〳〵と おもふしさいを つげたるうへ かたくままう をとゞめしに しりよふりき ひとなるゆへ わがこういをば ふかくよろこび やまひにことよせ すまうのばしよくたち いるまじとはいはれしかど かへつて そちがよこい あひより なにをいふにもけつきのわか ものひとのそしりをうたて かれらを てうちやく 思ひもしあやまちはあら ざるかとやすきころはなかりしはいはふ にりうちとめにはそれりしがやうなき いちごんをかたくまもりけふのおろかもの までのゝしりはづかしむるをわするゝにては候はねどよんどころ じつとこらへてゐられしにいたりぜひにいたりぜひによ○ はいはふ なせしと すまうにいでさるのみかかのコレ見よ手かみのぶん てしすまうりやうにんがあくめんにもこのほとのこけうくん ばず ほふ が だけ と しよう ふを そつし 候へば これ までの ぎと おほし めされ おこゝろざしをあだ にせしだんごゆう めんにあづかりたしと したゝめたるはその ほうがかのでしままう をてうちやくせしゆへ いまはのがるみち なさによばなく しようぶにおよぶ のおもむきあから さまにはしたゝめねど それとしれたるこの ぶんていなんじかそこつ をせしばかりにて みす〳〵しれたほらが だけのたくみのわなに かけさするわがむねんさを いかにせんトはをくひ しばりしいこんのめん ていづく〳〵きいて いそ平はたち まちまよひの くもははれ てもこう くわい さきに たつ よしも なく しばし がほ どは ひれ ふしてつきへ 二十一丁 つゞきさらにことはもなかりしが おだんなごめんといふよりはやくかくはからひ 〽おだんなごめんといふよりはやく そのまゝすつくと身をおこし はしりいでんとするありさま になみことまやはおどろきて 〇たのまれて かくはからひ しとねいじん どもに ◑さたせら るゝときに いたらばその つみたが身に およぶと思ふそ しこ 〽こはなにゆへそトすかり これらのこと つきとむるもきかすく ふりきつて にも心づかず けつきに▼ なほもゆかんと あらそふを わ次郎は 見て こゑ ふり たて 〽その身におちと ありなからきつさう かへてたちさわぐはいづれへ ゆくべきしんていぞトとひかけ ゆくべきしんていととひかけ られてひざまつき〽身の あやまりのだん〳〵はまうし ひらかんことどもなくいきて ふたゝびりう太郎さまへ おもてをあはさんやうもなし このうへはほらかだけと ▽ はやる うつけ ものはや わがいゑ には およばぬまでもさしちがへ いのちをおとすがせめてもの おだんな がたへのわが めんぱれ それじやに よつて下 いひながら 又身を おこして ゆかんとする をしかり とゝめて きつと あらまへ たはけ の めが いま さらに ほちが たけと さらちがへ なばりう太 卯よりぬ 百文二十二 おく こと かなはぬ とく〳〵 いでゝゆき おらうト わきざし もぎとりそのまゝにゑんより にわへつきいだせばそばに とまやは身もよもあられず わびいはんにもことばなく次へ 御国帝調二十 つゞれ なみ たに くれて さら うつむく をわ次郎 はうち 見 やり 図 みま やも ふう ふのなかなれば おつとにしたがひ ゆかんとなら ともにいとまを いかはすべしゑんりよ におよばぬ ゆけ いはれて とまやは なみだを はらひ 西国奇譚二十 〽思ひがけないその おほせおつとにおほせおつとにおほせいそ平 あるにもせみわらはにいつたんの なんのどがありてか おんいかり ともにゆけとは にて おなさけない おいとま 此うへねがふは なふこともあら はたまはる ともおち □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ごをつぐ ばふたく びきさん の ※ ごさ おじ 〳 ト手を あはせねかへば わすらうちうないき 〽われそのつみは にくめどもその ひとまでも ねん はびこり ひのをうりふじせつなれば すがたをやつししのびいり そこにひとつのこうをたて なばきさんをゆるすことも あらんがかへす〴〵もけつきに はやりふたびそこつのふる まひありてつみにつみをは かさねなせそつようにせよ とてくわいちうにのぎん 十一 西陸司訳于 春水作 芳虎画 つぎありおふ かねをさいふの まゝなげあたふればいを 平はなみだながらにおし いたゞき〽ぢう〳〵あつき おんなさけいつの世にかはほう ずべき此うへは身をこにくだき かならずひとつのこうをたてて かさねておめみえいかまつらんだんな さまにもなみこさまにもまいぶん ごきげんよろしく下こゝろのこして すごくといでゆくあとを見おくり たるとまやはさらなりなみこさへ ひそつにそでをぬらすなるべし そのなかにわすらはおもひ あはすることやありけん より〽大小はかま とくもてト いひつけられ てなにとやら がてんゆかずと 思へどもとまやは 〽バイトいらへして なんどをさして はゝりゆく 一二の巻へつゞく 三の巻へつゞく 松飾徳若譚 五編 假名垣魯文作 六編 孟斎芳虎画 七編 初論山々亭有人補綴 初論 二編三遊亭田朝作話 楼芳虎画図 一今朝春三組盃 三編錦朝楼芳虎画図 同 ろは節要 初編之亭有人作 十四郡川周重画 繪本大豐記 初輪 二編 十三編 孟斎芳虎画作 小路加貝屋吉兵衛板 地本問屋 同十一日本 四月十一日 西国奇談 下編せ さい やし こく きだん 干へむ 下 春水つくる よしとら ゑ かゝ吉 はん の巻つゞきそれはさておき りう太郎はわ次郎におくる べき手がみをわたしていそ平を おひもどしたるそのあとにてはすで にしよぞんをさだめし 同断 ことゆへかのりうぢよより へかんどくなしたる名玉きよく をとりいだしてしばしひたい におしあてつゝ 災厄の消除せうじよ のきねんをなしまかり ぶくろのうちに おさめて おのれが にしると まきしめ とりちらし たるやうち をかたづけ かろり に 内 正國奇譚二十 くべ などして いまにも あれ ほらが だけ の つぎへ かぎきたり やするかと まつほどに ふゆの日の みじかくて 火ともし ごろに および ときたち まち かどべに 〇 ◑おとなふもの ありさてはと おもへは ちつとも さわがす たそしこた ても 廿二日 ことき大おのこがかどくち せましとたゝづみ □□□□□□□□□□□□□□□それとはしれどさりげなく せつしやは木むらりう太郎とて とうしよへ配流水はせられしもの ゐたる を図 ついに見なれぬこなさんはト とはれてとゐたはうち わらひ さては こなたが りう太 どのとや わしは ほらが だけなり ゑもんとて 金 しまのまつりによはれて きたものちとこなさん にあふたみへきいて 見たいことがあつて わざ〳〵これまで きやしたトいふ りう太郎に うちゑみて それては らわさに さゝおよん だほらが だけの かどぐち ではなし もぬ 見ぐるしい まい 小屋の うちたき 火のほつ にちそ うは ないさア〳〵 こちへト ゐろりの はたへ しるべを なせばほら だけは りう 太郎 一百文十二丁 いひ次へ つぎより〳〵 しけなる なりふう ぞくを はやじふ ぶんに見 ふんに見 あなどり けんうちへ はいりて入 西陸ノ一口許 □□□□ □ しやく もなく しり ひき まへりて おほ あぐ ら た ば こすい つけ二 三ぶく うちのみ ながら〽イヤ ごしゆじん こんたも 此ほらがたけのむかふへまはりにし のかたの大ぜきとはかたはらいたいと 思ひしにあんにたがはずけびやうを つかひけふのすまうにいてぬのは よく〳〵あひてをおそみしかそれほど おれがこわいならいぬつくばいに つくばつてごめんなさいといふべきを 見まひによこしたやらうどもを 手ごめにでもすることりひとまの うちにひとをふせおきかれらが ゆだんをさん〴〵にうちたゝかせ ておひかへすとはあまり といへばひきやうのふる まひそれでもおとこ といはれるかこれしき のはしたごとにあれが わざくでてくるも おとなげないとは 思へどもふたりのでし にきずをつけゝれ それでもよいはと だまつてゐては此 一ほらがだけの つらがたゝぬ そこでしかけ きけば このしまでは 小ぢからのある ものとやら にて たこよひの でいりしら ぬといはさ ぬしよう こには ふたりの やつらを つれて きた 〇ヤ丁 やら とも こゝへ き て さいぜんの しかへしにおもいれ あいつをどつづてやれ きやれ〳〵とよび たてられかどべに ひかへしいぜんの ふたり〽をゝがつ てんトいひながら つり〳〵はいりてつぎへ 十三 ▼ことゆへこのほうよりして つぎりう太郎のそばへ ことはこのまぬなほこの ことはこのまぬなほこの さしよりこゑふりたて うへにもいひぶん 〽おのれはのうおのれはのうししかへしをしやうとならば身ふせううへにもいひぶん 〽おのれはのうおのれはのう よくも〳〵さい ながらりう太郎がいつでもい ありやいかに〳〵 ぜんは小かげに あひてになつてやるしかし トねの 人をかくして おきあたまや うでをこのやう わか身はるにんの たる いぜんに かはりし ← いき にきずだら けにはしをつ たなぶつた やらうを どこへかくした きり〳〵こゝへだし きり〳〵こゝへたし おらうトわめき たつれどりう太 郎は □□□□□□□□ □□□□□□□□ ちつと もなくせず あざわらひこの あほうめかなにぬか すぞわすれもしまい さつきかた見まひ にことよせこ人 きていゆにねこ よとちくしやう よばはりまた そのうへにあは びのかひへさかな のほねをいれ たるをおれの日 さきへつきつけた そのへんおいになんちを らへあれつこふしを ふるまつたを小かけに 〽ひとをがくしでかいて ふたせたなどゝはなんの たはことらしやわい らかねほけ たむで人つふさりに 西国竒軍二十 警察署 瓢箪 さらに どんくも いでざる ていに がたけは いらだち 〽やくに たゝす のしれもの のしれもの がくちはしあをき 小せがれにいひたい まくをいはせて かきしりごみを することやはある うしろにおれが ひかへてゐ松ば すこしも ないあの おそ れる こと すこしも したのねのかは かまうちつきへ 十四 つぎたゝきひしい 〽ではらをいよ はやく〳〵トせり たてられ しせうをたのみ にふたりの小す 1 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ てんし身ごし いへしこふみ たてつゝ いらう太郎が 右ひだかより むしやぶり つくを「てん がうすな ふりはなせ ばよろめき ながらもこり ながらもこり ずまに又くみつかん とぢかよるひとりの 小がひなとつてねぢ たをらひざに しつかとおく ひしきつゞいて からいまびと 御国九ツ部一丁 も日のしたこの九州のうちにおいては ◑さらものした ひとにおもてもあはせがたく かいさんとほこりし ことばのむならく 身のおきところもあつらん なりて かさすればそれもきの どくと申 いわがこうつ ざしを あだにし てことのこゝ にくよびし びやうかまへ 弔思ひし ゆへにさく からはいまは ちやぜひに およばぬ なんじがうで のなまくら すまうの のなまくら はしよへいではがね見ごと わがみに ざりしは たつならば なんぢが たてゝみ こぼれざい はひなるを おろかにも これをさと やれとのゝ しりつゝ とゞめし かひなを つぎやり たるこの ひまに ずまへ らは やくに りのゑり くびつかんで ひきすへだるへ 思ふにまし たるはや わざにいよ〳〵 せきたつなり ゑもんがもう このうへはいけて このうへはちけて せよトいふまゝ にかたなの しかれぬくわんねん つかへ手を かくる して 身を すり ぬけ しぜう □□ たす ひじをとゞ めてうち わらひ〽こりや おとなげなし ほらかたけ なんじは日の したかいさんと やらんみづから ほこりてぐみんを まどはし より りう太郎がてうト くみつくを くませもあへず 身のなり わひとすりよしなれば けふのままうにわれこたち あひもしそのほうがおくれをとらば○ いきだすさいうのこぶしに ふたりはあばらをあてられて ウントばかりにのけぞるを あしてまとひとかたへにつきへ 出羽三千二丁 つゞきけかへしめかへるまもなく なりゑもんがひらりとひきぬく やいばのいなづまみぢんになれとにもほらがたけはいらだつまに こゑふりたて〽なにやつ きつてかゝるを身をかはしまた さまがのふたりもあきれはておぼへず さいうにたちわかれたるそれがなか にもほらがたけはいらだつまに かいくゞりすきをうかゞひかた さまがのふたりもあきれはておぼへず○しかり はらのゐろりにかけしじざいの やけをもぎはなしつゝえもの としむしきりにうちあひ かきりむすぶいづれおとらぬのさまたけな しゆれんとしゆれんしばしがのみか此いで あひだたゝかへどさく しようぶもわかざるをりしもことぞ思ふに たちまちかどべにこゑなんぢはきちが ありて〽そうはらともにひならんけん あらそひむようまつたくわのそばづへ みれぬさき まつたトよばはりつゝうみれぬさき まつりの獅子渚のひきり〳〵そこ かしらをばかぶり をのすむ ことぞ思ふに のみる此いで たちはなに まくにおどりいり ◑われ〳 のさまたげなす かず きづかは ものでは ないそ やいばのなかへ わけいつて さ也とゞむる さゝへとゞむる ありさまに 思ひがけな きことなれば のくる をなりゑもんはみて 又びつくり〽あなたはにぎかへ 四わいすさま 三の巻ゟ おもひ がけなき このていは トとひかけ られてうち なづき これにはしさは あることなれど あまりせいこんつか らしたゆへのどが かわいてものがいは みぬまづいつぱい じかたへなるやらわん のしぶちやを二三 ばいくいとのんで ばいくいとのんで わけでおろう はへさけの うへのまちがひ よりあんくり かうろんなど ありてはあひ ならざることを こつえ しのびやかに こゝろしこ 〽ヤレ〳〵うれしや たじけなやあやふい ところへかけつけて たがひにけがのなかりし まつりの ことこれにうへこす よろこびなし○下サ かうばかりではがてんがゆく まはこよひはまつりの内 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 百円三丁一草二一 町うけたまはるにさいぜん ほらがだけのてしままう らがりう太郎のかたにいた りてうちやくされしをらこ に思ひそのしかへしをなき とてでしをひきつれなり ゑもんの此屋へ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 彫刻 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 貞義 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ きたりし おも むき なれば すて おき がたき いち 四日けや 同村庄屋 右同断 綴綴 だいし さり ばしよを たちまはり ちまたのうはさを 四国文口記二十 なかくふたりがきゝいれまし みづからゆきてとりしづめんと はしりいでしがまてしばしあひだかゝへいれ もしやふたりがいひつもりひくにたるだいじの ひかれぬ出とこのいぢづくたがからざりう ひにしらはをめきあはせきり太郎には ひよぶそのなかへすはだてはいとりわけ るはしぶなものいかにやせんとていこそ 〽□だいしが思ひついたるまつりのいやし しゝめんこれさいはひとひつかぶり かけつけてきていたみころ あんにたがはめこのばのあり とりわけ るにんなれ 身のぬれ さまさてこそ きぬにうた いくが身のよろ わが身のよう かひかゝりめみ じんがづにあたりしと 思ふにぞしゝのかしらで やいばをおしてけことい こゝにはおよびしなり けんくわの しやいは なくてはいしよの月を ながめ給ふといふとは それがしかねてよく しりたればいまにも きみのみこゝろとけ しゆいはしやめんのごさたつきへ よくもしらね 「キスト 一六十一 ………………………………………………………………………………………… 一一〇、、、、、、〇〇 五図哥單二 御国番謝二十 つぎありきはかいゑのためにちうきをつくしかき をめいをすゝかんといふたいせつな身をもち なからあまりといへば かろ〴〵しき 此ふるまひ □□□□□□□ はなにと □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ さら 図 けふの 一かまう のはしよへ の かほが みへめ ゆへ まつりのきやうを うしなひしとけんぶつ ともがらはさとり〳〵 おとり□□ ◑いかでかことを このむへきあなたの 一心あつがひにてこの たのぶしにおさまいは よろこひこれにます ものちしトいふに 御山ちゑみて一さう うつくしくいふてくれゝば われらがかほゐでたつと いふものとかくいふうち 夜やふけぬらんほらがたけ にはそれか一がみちまて どう〳〵いたすべしトいやにみな つくなりゑもんが〽またいひぶん のあるやつなれど四わい汐さまの おほせにまかせあすまていのち はたすけおくどひやうのうへを しにどころといまからくわんねん してゐやれトいふを四わい次あし とぶ一それも せりふまたもや さはりのない うちにさ な 〳〵 きやれとね をとりて心りてひきたて もとよりふたりかそのなるに ふかいいこんのあるてもあるまい はものざんまいしやうよりこよひの ていりをあにまでのことひやうの うへてはれのたちあひまつそれまては かせい次かふたりのいのちはあつかつたト ことはたくみにいひなしつゝし ひそかにめをりて ほららたけにこええ さまれはうちうなつき 〽ことのおこりはわけも なきてしとものいさかひ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ いひかくもひくにひつれぬ ばしよながらほか ならぬ四わい次さまのことを わけてのおとりあつ かひやうばらたにとくしん 此とわしにゐはいは 〽ござらぬトいふに四せい次 よろこびてかんみは いかにとりう太郎に とひかけられてかたちを あらためもとより せつしやはるにんの身のうへ○ 百文二丁西里二十 つれいだせばさいせん よりしてかたすみに たをれふしたると てし士ま 正二二二二二 からも 此あり さま を はひ いだ かの四 わい次が うちすて ゆき たる しを かしらを ひつかぶりにゞ るがごとく いでゆきたるあと 見おぐりてりう太郎は ひといきほつとつくとりしも うしろのしよかしおしきやけて あはれめでとしりうはらどの浪人 此阪番諸二丁 つきまついおんみにつゝがなくせつ しやかたいけいこのうへぬしトいふに おとろくりう太郎かあとへを きつとははかへりて〽思ひかけなし わすらとのさてはこのばのちく いちをトいぶかりとへはわすらは ほうしつきんをとりのけてよく みよいつゝかたちをあらため 夜にそれかしかしかひそ かにまういれたるいちこん おんとりもちひくだされて けふのすまうのそのばしよ人 やまひにことよせいてられさる よしうけ給はりしそのときには さすがはわどのほとありて いひかひありとよろこびしす いそ平めかそこつによりけち 〽たいじをはひきいたしつ もろも水のあわとなりたること のくちをしさにかもう〳〵に とりはからひてかれにはいと まをとらせしかざるにても りものゝおんうへこゝろもと なく思ひしかはひそかに この屋へきて見れはあんに とりあつ かひたる しんてい がてんね ふしぎに このばの ○おさまり たる肛 ありがたきまて がたけなしそれるし つく〴〵しあんをなんかに ふかくもたくむかれら かんけい よしや いそ平 が□二一 つは なく とも のがるゝ みちは なかるべし さりなが らほらる たけの 手なみを こよひ ためら 見てに ちからはあを までつよしと見ゆれと つるぎをとつてのたちあひ ならはさのみおそるゝもの たがはずほらがだけが でうをひきつれ いつ きた りおんみと もんだうさい ちうゆへやく いうちぐちより しのびいり からこにありて はじめをはり のひちぶしじうを うびしに ほらがたけのうち こむやいばをわる□ にみじかきたけを にみしろきたいを もつてあひしら はるかごとのゝ手 のかちしんけんどう のたゝかひならば いかでかかれがおよぶべき とかんじいりつゝ ながめゐたるに思ひ かけなき四わい次が なかにわけいり 西図七丁二十 ゆか にぞせつ すと ついへ ど しやにおい てもあんどせり とめ □ ともおぼへず見たまへ これなるじざいのたけ にてかれがしらはと うちあはせうかど たけのおもてにいづ かしよも太刀おきず のつかざるはうぢこむ とぶしのくるへるゆへ にてみじゆくの いぜんぜの 手のうちあらは れたりなトいひつゝ のたけを とりいだしつた 見するにぞ 次 いふに りう太郎 ゑしやくして 〽いまにはめ ぬごしんせつね 十九 此国ノ市吉平二十一丁 □□□□□□□□ □□□ つぎしわすらは □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ うち〽おどろき いつたるごがんりき かくてはあすの とりくみも さのみ きつかふ□あらじト いふぎりう太郎 うちあんじて〽すまうは かれがえたるところこの 手なみとはかはらんが さりとて ひかれぬ しよう ぶそ れがし ひじ じゆつ 一左ゟさしみやきさかなるかんぢやうそれを そのうへにげいしやまで思へばのむさけくむねに くちをかけてやられたいかへておちいかめら やうすあたまわりでもひそめきいへばうち ふところがよほどわらひ〽おきづかひ なされますな りう太郎めに 思ひのまみしかへ しをしためど 里にはこゝでいつ ぱいのむつもり でいひつけた酒 さかな こよひは わしが ごち そう ゆへ おここつ なき なく のま しや をきは に はきた なき まけ も 〽やせきとり い 太郎の 太郎の 図 合 □□ 小屋をでてもどる とちうで此うちへ ぜひあがらうといは いたす ましみこゝ ろやすくおぼし うむとのいらんにわすら あんどしてかへす〴〵も いそ平がそこつをわびつ 事をことはり いふてもきかれ ぬゆへにん とくろなく たち より 又さらにあすのようい をかにかくと心をつけて わかれけるこゝのゑとき四わい 次はうろ〳〵とあたり見るはし しが 二ばんと 此ちや さがらぬくわい 屋はしまのせきれう里たいのうしほの うちでもいすひものにくちとり右 同十二丁 ても でし どもは りう 太に うた れた ほね ぶらが いたいと いふて したざし きに あんまを とらせて ゐるとの ことさりとは いくじのない やつトヌかち わらへばこな迄 もうらゑ 〽しからばつきへ 西国奇譚二十 つゞきげいしやのしうぎまで わしがだすにはおよばぬかさかなをはなの それきいておちついたきてさきへならべたて りう太郎がことについてはられいくらのん いろ〳〵 でも□ はなす ことも あり 〇 きゝたい ぜにのでぬわましの こともかず〳〵 あれど ちそうときくからは 同 牛肉丸 大包入正二朱 雹金朱 雹金朱 なにはさそおき二三 ばいのんたうへでのはな 群 巻銀一匁 第一ひいを補ひじん せいをます妙薬なれ しがよからうこれとしつ たらうちをでるとき やしよくをくわねはよる つたトひとりひそかに▼ ばきよじやくの人常に 対比 屋敷 用ひてよし 染嵜氏製 一八合さみせんぼり 春水作芳虎画 ▼つぶ やきつゝ やきか もつにぞ およびける 此へんいまだ いぶさなら ねとさだめの てうすうつき たればそは次へんに つゞりなすべし めてたゝ〳〵〳〵 新増補西国奇談 口編為永春水作 廿一編孟斎芳虎画 薄緑娘白浪 九編仮名垣魯文作 十編錦朝楼芳虎画 隅田川月と梅若 五編 柳亭種彦作 山々亭有人編次 六編 孟斎芳虎画 繪本太閤記 三編 マテ 孟斎芳虎画作 地本問屋両国広小路加賀屋吉兵衛板 同断 若君