大慈大悲利劔之助太刀(一名駿州清水觀音利劍勳功)
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- 歌川國滿畫
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- 2026-08-17T19:23:18.082Z
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- 歌川國滿畫
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- 日本語
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- ダイジダイヒリケンノスケダチ
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- 東北大学
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- 2026-08-28T18:53:25.651810+00:00
大慈大悲利釼之助太刀文化仕
十九歳加賀名市中大化十四
一
☆京都市
以テ購入セル竹調博士
狩野亭吉氏哲様書
欠3
の利益救護によりて是をまぬがれたりし。古今未曽有の玄説なることは
去秋かの駿河の人委細にかたりよりしを聞おけるまゝ。此さうしの本原となす。
ものなれば。先こゝにその来由をしるしはべりき。
文化午初陽
十返舎一九誌
をつかた
駿河国浅間社祭礼
花布呂図
一与四俵おりう十一才
の時心願のことありて
浅間社の祭礼に
花布呂といへる
ことをおもひより
すかたちまそほねり
容形を粧ひ緋
ものに出る
のはじめなりと今も此
祭礼に入未風あり是よりして
はなぼろのおりうとて評判に
あひしといひつたへたり
申上候以上
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
府
中
安
部
川
町
図
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
すんとうへいたくさんふもとゑんり
駿州平沢山の麓に遠里
日佐次郎といへる
郷士あり
由緒正敷
ものにて田畑
あまたを
所持し富貴
歓楽のもの
なり日佐二郎
幼年より
羽の外氏術を好み
又力量人に
すぐれ
たり
そのうへ
かたち美麗にして
そのきこへたかく父日佐へもん
盗賊の為に一命を落せし
を忽その仇を討て亡霊を
慰め生涯めざましき
はたらきせしこと多き中に
年七十に及びて
安部川まちに通ひ
部川まちに通は
たりしころ
かるかき
はも
論
終にその
両人を
駕の棒に
くらつけ
其身●
遠里
日佐次郎
●かごを踏ぬきて是を両手に
引さげ往来の人の目を
おどろかしたりと今に
土人のもの
かたりに
のこり
たり
御座候以上
むかし〳〵するかのくにひらさは山の
ふもとにぐん五平といふものありしが
いさらのしはちありてそのところの
すまゐなりがたくごうしにゑんり
ひさへもんといふものありこの
せるとなり今はゑんじう
よこせらのあたりにひづ
一こしくらしけるがせいじつ
ねいかんにして身もち
あしくなりひらさつに
くらすうちはさのみおこ
しまなることもせざりしが
このごろはしだいにほう
らつとなりさま〴〵の
あくしをなしけるにある
ときすんしうはとり
のかたへゆきてかへりかけ
わらしながはらを夜
にいりてとをりけるに
とうぞくともに
出合たるがぐん五事
すこしのたゝわへ
はありさつそく
これをおしかくし
さまくいつはり
のがねんとするに
とうそくともゆる
はぎとられてはいかにともすべきやうなし
さずしよりさんはもちろんいるい
まではきとらんとしけれはぐん五
辛いふやうわれらいたつてひん
さうのものにて今のようさんいるいまでも
ゆへにもとにかへるにせう〳〵のきんす
入用のことありこゝにもちあわせし
おの〳〵がたにとられてはしよせんくに
もとへはかへりがたしさあらばとて
外に身をよするかたもなしなに
とぞこのくへはおの〳〵がたのなかま
となしめしつかひたまわるべしこひた
すじにたのみけるとうぞくども
打わらひどもかくもと申ければ
ぐん五郎やいふやう御らんのごとく
われらひりきにておの〴〵かた
の手下となりたりともなか〳〵
やくにたつべきやうなしそのかはり
おの〳〵がたをあんない申べきところ
ひざゑもんといふごうしいたつてふうき
のいゑからにてきん〳〵は山のごとく
たくわへたりされども家内しつそ
にくらしめしつかひのものもすくなく
せがれひさ次郎といふものけんじゆつ
にたつしりきりやうあるゑぜ
ものなれどもこれはこのせつたこく
ありとうごくひしきはのふもとにゑんり
してなすなりさいわいのとき
なればわれこの家へあん玉い申べし
おの〳〵がだしのびいりておもひの
まゝにきんぐざいほうをうば
ひとり給へと申ければとうぞう
のうちのいしらと見へていがぐり
あたまの天のほうしやぶれ
ころものしたに大とてらを
もやくし大小をよごたへたる
がすゝみとりてぐは五平に
むがひいふやうそのひら
さはのゑんりひさゑもんが
さはのゑんにひきゑもんか
やうすわれかねてきゝおよび
たりそのほうゑんりがかない
のあんないしりたらばそれごそはさいわいなり
〽なんぢわれ〳〵を引つれあんないせばなんぢにも
そのわけくちをはいぶんいたさすべしとてそれ
よりとうぞくどもはこのぐん五平をめしつれて
おのがすみかへかへりぐん五平にめしをたるせ
水をくませなとして女しつかひかれが申
せしことのきよじつをたゞして
ゐたりける
重ル然ル上
わから
ぬやくだ
すじには
きものも
このまゝ
おゆつし
〽おのれわるく
しやれるやつだ
くびにかげた
さいふのうち
にぎりめし
はんごんたんとは
ぬけさせぬ
かのとうぞくのてうぼん
といふはとうごくもとは
りうじやうぎんのほうし
にていたつてのあく
そうゆるゆんさん
ないをおい
はらわれ身のおきどころ
なくとうぞくとなりわう
らいのりよじんをはぎ
とりまたは人の家に
おしいりきんぐさいほう
をうばひとりける思は
くわいてんぼうといふ
ほうしなりいつぞや
ぐん五平をめしつれ
てかへりがのひらさは
の日たゑもん
かたのことを
くわしくまゝ
たゞしある夜
ぐん五平をあんないとして大ぜい
とかくありたりける
しのびいりたりけるかないのもの
おどろきおきあわせけるを
とうぞくどゆめきみを
さしつけこへだて
さしつけこへだて
させずいち〳〵
しばりからめ
廿一日
けるこの
ひさゑもんの
せかれひさきら
といふはいまだ
としわかけれ
どもいたつて
参詣
けんじやつにたん
れんしそのうへ
りきりやう
ばつくんの
ものなれども
〽あくり
あすや
こらせつは
とこくしてやど
におらず
ひさゑもん
らうすいし
たれどもいつ
とうをぬき
はなしきつて
かゝりやには
にとうぞく二人
まできりたをし
けるくわいてんぼう
これを見てもの〳〵
しやとうちわらひ
きづてかゝり
きづてかゝり
ひさゑもんが
かたさきより
さりさげひる
むところを
たゝみかけて
きりころし思ひ
のまゝにきんせん
ざいほうをぬすみ
こりいづくともなく
にげさりけるをりに
ひさけら夜ちう
ながらわが家に
もどりかゝりおもて
もんに入らんとする
□□□□□□
ときとうぞくども
内より出かゝり
ひさけらにきつて
かゝるをすはくせものよと
わたりあひ一人をきり
たをすこのひまに
とうぞくどもはみな
ちり〴〵になりにけ
ねんな
くわんをん上
〽かてんのひかね
やつらさては
おのれらは
とうそく
よな一人も
いかしてはかへ
さぬぞ
かくごく
〽こりやゑら
ようのおいら
めいやこうい
ござりへ
〽はいく
いのちは
御めん
ヤアヽ
ぐん五平はこのとき
せんていをかくしとう
ぞくどものあとに
したがひひさへもん
のがたにいりたりし
がかれこれこんさつ
のうちぐん五平は
きんす五百両と
いるいのいりたる
いるいのいりたる
つゞらひとつを
せなにおひ
みちをかへて
おのれいちにん
いつのまに
にげ
の
此
五平
と
びんきりの
ものにてなに
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
こぞたいきん
ばもうけ身
のあんらくば
せんとこゝろ
がけとうそく
どもにはび
たるをさい
わい身を
ひけして
ふれらが
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
に
にありしときひさゑもんのかたへはつねに
出入してなにごどもよくあんないは
しりたりこれによりてとうぞく
どもをみちびきそのさへぎに
ともをみちびきそのさはぎに
まぎれてさうおうのはたゞき
をなしわれひとりにげのびん
とはかねてかいきくこなる
とはかねてのたくみなる
ならんといつわりかねてぐん五平ひらさは
ゆへさてめんていをふかくつゝ
みとがくかないのものと
ぬやう
にと
立
まは
り
へにげ
いて
けるゆへ
ぐん五
平この
とう
とう
そく
のうち
にありし
とはしる
さらになかり
ける
〽まんまと
上しゆびおれが
おもふつかに
もちこはだ
しゆつせの
ずいさう
おさきへ
まいろう
べらぼう
もあばや
卅
中
之
巻
第
さてもゑんりひさきらはおもひもよらずちに
ひさゑもんをとうぞ〳〵のためにせつがひせられ
むねんこつずいにてつし今すこしきたくはや
かりせばやみ〳〵ちゝはうたすまじきものをと
こぶしをにぎれどもせんかたなくこのことを
もくたいにうつたへそのとうぞくのありか
さま〴〵にせんぎすれどもしれがたくすこし
おもひよりたることあればとたびだちの
したくしけるところにかねでより田子のうらの
しほやき千四さくといふものゝむすめおりう
といふはきりなうすぐれてこゝろさまもやさしき
ものゆへひさゑもんもらひうけ数さ次郎と
いひなづけのやくそくをなしいまだむかへとらず
一にわさくかたにさしおきけるをこのたびの
大へんきくとひとしくに四さくはむすめを
くれてひとさわに来りけるがひさ次郎はたき
せんぎのためたこくするときゝおりうもともに
ひさすらにうちつれゆかんとねがひけれどもひさきら
ゆるさゞればおりういふやうわたくしのためにも
しうとごのかたれそのまゝにはさしおきがたし御とも
かなはずはべつにわたくし一人にてそのかたきの
ゆくゑたづねにいで申べし女をつれていかゞと
お下しめしもあらんなれば見へがくれに
御ともいたしべつ〳〵にたび
だちもしもやとちうにて
御わづらひもあらん
とき御かいほうす
さんためのことなれば
ひらにこれはきゝ入給へと
なみだをながして申ける
人くもおりうが心ぜしをかんしんし
いかさまひとりたびにてはやみわづらひ
もあらんときなんじうははかりがたし
おりうをつれてゆき給へとひたすらに
すゝめけんにぞひさ次郎もせんかたなく
つひにおりうをめしつれてみな〳〵にいとま
ごひしいづくともなくいで
ゆきける
〽まづふちうの
せんげんさまやきよ
みづのくわんをんさまへ
さんけいして
おたのみ申
おたのみ
たがよい
ぞや
一れんの田中
〽そなた
さいわいのこと
じや
ひさ次郎が
かいほう
よきにたのみ
ます
〽おきづかいなされますなやりてしうと
ごのかたきをうち給ひめでたく御き
こくでござりませう
おさらばでござり
ます
と次郎すこしおもひよりたるごとあるゆへ人にはいわずこゝろに
おさめてしゆつとやしおりうもろともゑんしうのかたへと
おもひきけるよこすかゑいふところにてとちうより
おりうをのせ来りしかこかきども両人をかけおちもに
あわうはのせ来りしかこかきども両人をかけおちも
と見たてゆすりかけおゝくのさかてをのらはんとねだが
けるゆへひさ次郎にくしとはおもひながら火もうへ
身なればなにこともりやうけしあひしらいたりし
につきあがりさま〴〵あつこうしそのうへおりうをとらへ
てなぶりけるゆへひさたらこらへかねてかごかきどもを
とつてなけつけければこのものども大きにいかりいきづへ
を打ふりこつてかゝがこれを見るよりあまた
のくもすけ共こゝかしこよりはせあつまり
かたうかへしてひさのらをなかにとり
まきあらそひける
やしこそんし
さまわれらこれにありとてかのくもすけをなげつけ
やもとよりはやわざさそく
にやうをえたるびさきらその
らへりきりやうもばつくんなれ
ば大ぜいをことゝもせず人つぶて
はたらきけるなりにも一人の
これりりうを人じちにとりひさ次郎に
〽あまひこれねむかひせば此女しめしろころさんと
のゝしりけるにぞびさ次郎はつこととうわくの
ところおもひがけなくうしろよりめづらしやひさすら
〽ごうてきに
○よひをとこ
だへげんを
手だまにとる
やうだ
とうりうしてかたきのありかを
たづねんとおもひつきてくもやけ
どもをむにむざんにおつちらし
ぐん五平にあいさつしきう
なんをのがれし一れいをのべ
たりけるぐん五平は何ごゝろ
なくひさ次郎を見かけて
ことばをかけたれどもあと
にてははつとおもひしやわか
さきだつてのあくじをさとり
わがかたへたづね来りしごと
もはかられずことさら
あとにてうわさをきけ
ばひさゑもんはこうぞく
のためにせつがいせられし
とのことさあればそのこと
につけてわれをせんぎに
かといつしんてんどる
来りしかといづか
したりしが大たんふてきの
ぐん五平いや〳〵はや
まることころでなし
ぐん五平なり此さいらはぐん五平のあくきやくとうぞく
どものためにあんないせしことつもばかりもしらされば
さいわいのものにあいたりこのものをたのみ
おりうをかこひたつたるはいぜんひらさはにくらしたる
たくわがみちびき
せしことしらぬ
やうすなれば
ともかくも
さあらぬかほ
にてひさきら
まづわがかたんと
引つれける
ためし見んとて
ふうふをともなひ
ひさ次郎がていまつ
〽よいやさ
とな
申候切上
いまくしかちけ
しぶといやちう
めださふらひが
いつとんいひ出し
かたなにかけても
このこひかなゑ
にやおかぬ
サア〳〵これでも
いやかどふだし
〽これはむたいなまあ
まつて下さりませ
後藤庄助
し女がなんじうをすくひわくめへつれかへりひき次郎がこゝろのうちをさぐりもしも
わめめくじをさとりでさゆるならばたましうちに打ころさんと心をくばりて
たりけるひさからはぐん五平のきうあくいつゆしらずちゝひさへもんとう
ぞくのためにきりころされしことをぐん五年へ沈ぶきにかたりそのとう
ものてうぼんはほうしなるにしかないのものものものがたりゆへいろ〳〵と
といふめくそうありこのもの山内をおはなされしよりとうぞくと
ごん五平はいつぞや此ときはのひさゑもんかたにてうばひとりしみさんす五百両その外ぞう
もつともゑんやうよこすりへもちかへりこのさんすをもとでとしてそうおうのあれ給ひを
はじめたれどももとよりどうしくものなればせうばいはほんのおもてむきそのみはちうや
しゆしよしにふけりあそびくらしゐたりける所にはからずもひさねらに出あいつれの
せけんをきゝあはするにちかごろやとりしやうざんのほうしにくわいて
なりたるよしとどめてこのほうしならがんと人のうりこになんも
そのありかをきゝあはするに今はゑんしらのかたへおけむき
たるよしたしかにきゝいだしわれそのあとをしたい来れり
そのとうぞくにぬすまれしざいほうのうちにはわがいへ
そのとうぞくにぬすまれしさいほうのこうじにはわかいへ
だい〳〵のこうほうなくでかなわざるしなもありなにと
ぞしてそのほうしのありかをたづねいだしたきとてぐん五平
のせわにてよこすかのはづれにわづかなる小家を
かりうけふらふこゝにくらしてまいにちくわいてんほう
のありかをざがしけるしかりにぐん五平はひさすらの
しらざることはあきらはなれどもなにと云らこころに
かゝりもしやいかやうのことにてさとらわんもはかり
がたしとかくをりを見給はせ人しれずひさけらをうつ
がたしとかくをりをりを見あはせ人しれずひさすらをうつ
てすてんとおもへぶもひさすらよのつねのものにあら
ずしそんじてはせんなしとじせつをまちてぞなられ
けるこゝにまたひさけらのきんへんにかにづか
あく四郎といふらうにんものありちかごろこの
よこすかに来りくらしけるがきん所のことゆへいつ
しかびさ次郎とこたつやすくなりふ。さん来りて
あそびたるがこのあく四郎おりうがきりやう
のあてやりなるにこゝろ也うざかしひさすらの
なすをうかゞひてはあそびれゆりさま〴〵
おりうをくどきけるおりうこゝろげさし
〽といつは
きものゆへさのみあらくもいはずあく
きものゆへさのみあらくもいはずあく
ゑらい
四郎のきにもさはらぬやうにあいか
やすがたきを
しことわりいふにつきあがりある日
やりおる
もへとやれそこ
あつよくふりけるにひさ次郎やどに
おらざりけるをつけこみあく四郎来
りておりうをむりむたいに手ごめになしくどき
おはさんとすあまりのりふじんなるしかたに
おりうはらにはちてすこしことはあらくはししめ
ければあもおもおもまつての事
ければあくとらもつての本いきどほりわれも今
ければあく四郎けつての外いきどほりわれも今
はらりにもながらいぜんはさびやりのひとすじも立
させし身分なりなさなのてまへ今さらひくにひかれ
ずぜひともわがこゝろにしたがはせんもし心はいせば
ひとうちとかたきを引ぬきたゝみにつきさしたる
におりうはつとおどろきにげさらんとするをにが
さすこゑたてんとしければ手ぬぐひをもちてくち
をしばりそのまゝおしいれのふとんとりいだしおわう
にうちきせおしすくめぼうじやうじんのこうせき
にうちきせおしすくめぼうしやうしなじんのこうせき
なりこのこときぐん五平ようじありてひさけらのかた
へ来かゝりあく四郎がていをとつくりとうかゞひ見
すましはしり出てひさ次郎がきんじよにおる所へ
ゆきてよびいだしそのめとのさい女おりうどの
あく四郎とみつつうのよふすわれどくと見とゞけ
たりはやくかへりてあく四郎がつみをたがしたまへと
いふにひさすらはこれをまことゝせずたゞぐん五平
にひきたてられせんかたなくそろ〳〵とやどにかんり
おもてよりずつとおくに入たるにあく四郎とおやう
がなとんかぶり打ふしゐたるを見るよりひさ次郎心
がふもんかぶり打ふしゐたるを見るよりひきなら心
中におもふやうざてはおりうが日ごろの心だしににあ
わずかやうのふうちすべきものとはおもひもよら
ざりしにこれまでたぶらかされとことのはらたちや
とてひさけらさすかのわかげのいつてつたんりよひき
ぬいてひとまのうちにおどり入たりあらばらは御
おきこゝろえたりとてぬきあわせきりむまぶ
おりうはかなしくその身にとがなきいひわけをせん
にもくはきうのば所いかにやせんとうなくなみだに
とほうをうしなひいたる所をぐん五百丁かけよりおりう
いが手をとりけがさせじとむりにひつたて〳〵いづくべか
つれうせけるあとにはあく四郎とひきけらさがいに火
火水となりてきりあいたるがあく四郎もしたるもの
なれどもひさすらのしゆれんにはかなわずこゝかしこ
うす手をおひたりしかばとてもかなはじとやおもひ
けんおもふし大あめふりいだしかみなりつよくなり
いだし日はくれたりさいわいとにげいだしけるを
ころ〳〵
しやうめ
ころ〳〵
なんにもあんじま
ごとはないこわい
事もないおれ
しだいにさつし
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
そふに
ひさす
おつかけいできりつけ〳〵
たゝてよけてついに
十四郎をさんぐ
〽おのれいかほど
きりころし
はたらくとも
わが手のうちに
およぶまじきや
にんめ
〽しゝくつ
打ころ
かのぐん五平はおりう
かのくん五平はおりう
にけがさせじとむりに
ひつたて〳〵おのがうちへは
つれかへらずあいそめ川の
山ぶねにうちのせろをおし
きつてはるかにこぎいたす
ところに大あめしのをつくばかりに
かぜはげしく川みづたかくふねをゆり
あけゆりおろしかみなりしきもにして
おりうはいきたるこゝちはなくこゝろ
とはひさ侍らどのしり給はずわれふぎせしと
まもひ給ひてこのしぎにおよびしならん●
のうちにおもふやうあく四郎がむたいのしわが
●いひひらく
ほむこらく
ともともや用ひ
給ふまたしそのかへ
あく四郎ときり
あいまふを見すて
むりにぐん入平に
いざなはれたれは
あともきづかい
ひさすらさまもしやけが
ひさきらさまもしやけが
あやまちもしたまはゞいか
にせん又あく四郎きり
ごろされなばあいてしにて
われいちにんのかたくちにて
はいよ〳〵ひさけらさま
うたがひもはらしたまふ
まじしよせんいきてこのうへ
いかなるうきめにあはん▼
申上の中
時地になるという。その時代の地に過じて、その時代の地域の地域の地域の地域の地域の地域において、地域の地域の地域の地域の地域では、地域の地域の地域の地域の地域の地域の地域の地域により、地域に関する地域
さてもひさきらはあく四郎を思ひの
まゝにしごとめきれどもよんじんの
もらしたればみつふなりとの
いひわけたちがたく
あいてわがにようぼうをうち
やが一てぐん忠平かたへ
おやうのこと申つかはしたれども
やぐん五平なをにてなに事もわからず
やしばら〳〵ありてくん五かけつけ
ひさ次郎にむかひいふやうさて〳〵
われらそのかとへたいし申わけも
なきことありおりうどのこと
つねやていせつのこゝろざし
ふかくなか〳〵ふぎいとづら
これにものにていなしこれには
ふかきしさいあるべしあやまつて
御身のやいばにかゝるかまたはけが
あやまぢありてはせんなしひとまづ
このところをさけていさいのやうすを
きくべてわれらむたいにおりうどの
をいざなひめたるがまことに人の
こゝろはしれぬもの也もしやと思ひし
なりうどのまことにふぎみろつら
せられしと見へいひわけなきゆへ
にやわがゆだんを見すましめい
そめ川に身をなげたりわれ
はつとおどろぎいかゞはせんと
とほうにくれたりしがさきほど
の大雨に水かさまさりて
だてしてかゝるふとゞきの女
たちまち川しもへおし
ながされてゆくゑしれず
なまなりわれらのなさけ
けるこれみな
ぐん五平のいつて
ぐん五平のいつけり
そのもとの手にかけさせぬこそ
ざんねんなりとまことしやかに申
にておりうを
しるべにあづけ
おきさためし
今ごろは
ひさすら
あく四郎にきり
ころされたるならん
とたちかね
見たる所
▼よりはとこゝろもうちにかたごしてふねより川の
うちへとびこまんとするをぐん五郎丁あはて出し
とゞめこはいかにとてさやうのからごせらるゝや御こん
にくもりかすみなくあく四郎が出たいのれんぼ
とはわれたしかに見とゞけたるゆへやがてひさすみどの
にはわれらよきにとりなし御身のあかりをたて
しんじ申べしされども今あのていにてひさすゝとの一
いつてつたんりよきよにいひりけするとも介いれ
給ふましあまつさへもらも御身にあやまち
をかうむりなばせんなきことゝわれきうにまづ
おん身をひつたてあのばをのがし申たりさだ
おん文をひつたてあのははい
めしひさきらとのゝしゆれんにはあく四郎も
同十一日
かなはず今ごろはにけのびたるならんわれ御
身をしるべのかたにあつけおきとつてかへしびさ
次郎どのゝあんびを見とゞげ御身のさがなき
ことをそしやうし今にむかいにまいるべし
御身かならずしするにはおよばずともかく
もわれにまかせ給人と申けるにそきあらばよき
にとおりうすこしはこゝろおちつきそれより
ぐん五平たよりよきこころにふねをこぎよせ
しるべのかたと見へてはたけのなりのあやしき
ひとつ家におりきをともなひおくのひとま
に人をはらびておりうとぐん五平両人のみ
あるじふうふもいづれへか出ゆきたりくん五平
いふやうさてこんにちはおもひがけなきこと
にてわれらひごろののそみかなひたりとおし
りうがぞばわすりよりしなれれかゝりければ
おりうまた〳〵おどろきこれはなにごとぞと
みちのにこころをぐん五郎おさへていふやう御身
たちのくこころをぐん五平おさへていふやう御身
たちのくころをくん五にしさへていふ
ひさ次郎どのとこのよこをりに来りたるまり
ひさすらとのとこのよこすめにすへりたるより
われはじめて御身にあひたるがさてもこつくし
やと御身のかほかたちに思ひそめけふや心の
だけをいわんかあすやおもひをうちあけんかと
とわするゝひまなくおもひくらせしかさすがは
おんあるひさすらどのゝ手まへ道ならぬ事と
いくたびかむねをおさへごらへたれどもけふ思ひ
がけなきそうだうにゆきあわせたすける
ていにておん身をこゝにいざなひたりまた
あく四郎はけんじゆつにたつしたちうちのはやわざに
なをゑたるものなればひどすらいかにはたくべくとも
かなひがたくさためし合ころはきりころされうせたが
かならんさめるときはぬしなき御身たれにゑんりま
すべきやうなし今よりわれにしたがひのちのゑい
ぐわをきわめ給んとねこなでごんにいひよりける
おいとうはかなしきやるかたなくかくるなんじうのひとつ
のかるればまたひとつかきねぐの身のうきなん
ぎいかにやせんとなくより
ほりのくとなかりける
くん太平はいろ〳〵
ぐん五平はいろ〳〵
にだましつすかし
づくどけども
をかくこれに
とかくこゝろに
まかせずそのうへ
おりうもはらたち
まぎれさま〴〵あいそ
〽つかしのことどもいひ
ならべはじしめける
にぞぐん五平大き
にいかりおりうを
いましめ
いなき
さん〴〵に
せめさいなみ
けるはめも
あてられぬ
ことども
なり
雪あんのほか
あく四郎ころされ
ひさにらあんおんに
ゐたるゆへさてこそ
このいつわりを
申たる也
ひさすら
はあく四郎
をころし
たることとこめの
ものよりもくだい
のやうきへうつたへけれ
ばけんぶんのやくにん来り
いさいきゝとゞけたれども
女のなくゑしれず
あく四郎はころされ
たりひさきらの申くち
ばかりにてはみつぶのこと
たしかならずひさ次郎
いひわけたちがたくついに
からめとられもくどいの
せんぎにあひ女のゆくゑ
しれるまではひさにら
きんごくおしせつけられ
ぐん五平もめしいだされ
御せんぎのところ女は今日
せしとのことなればそのしが
御せんぎおゝせつげられける
ぐん五平はわがふくしんのものゝ
とよひてはひたすふにくどきけるに
おりういちゑんじやうちせず
なにとぞしてのがれ出んとおもへ
どもちうやのいましめいかにとも
せんかたなくせめてうちやくに
かほかたちもかはりむねん
なみだになきあかしける
かたにおりうをふかくかくしおゝさまいに
目代ひさ次郎をきうめいしいさゐのことを
目代ひさ次郎をきうめいしいさゐのことを
たゞしけるにとかくみつぶなるよしをいひ
たつれどもあいてのらうにんものはそくし
してわからずあまつさへ女ぼうおりう
そのばよりゆくゑしれずもつともぐん五年
といふものめしつれて立のきしとのことゆへ
そのぐん五平のことせんさくあるにこれ
もいづかたへゆきしや女ど
におらざればひさすら
第一
のいひわけたゝず
ひさ次郎大きにこう
册
下
之
巻
くわいしわれたいせつの
身ぶんちゝのかたきをもかた
ずしてかゝることをしいだし
このまゝけいざいにこわんもむねん
このまゝけいさいにいわんもむね
なりとさま〴〵なげきうつたへ
ひとへにおりうかゆくゑせんぎの
ことをねがふによりもくだいきびしく
これをせんさくするところに
ぐん五平のすみかめい
はくにしれてさつ
そくとりてをつかはし
けるがぐん五平は
とりにがし
をいけどり
ひきいれける
おりう壱人
もくだいの御やしきへ
〽とつた〳〵
女をとるはおれが
かぶしきじや
〽ころさばころせどふあつてもそなたのひ
にはしたがはねひさ□らさまの御身の
うへがきづかいなりゝくちな
〽むやくのくりこと
とてものがれぬ
いやでもおふ
でわが
〳〵思ふまた
なりして
しぶしぶ
女めだ
〽とつた〳〵さて〳〵
あしのはやいやつだ
きしてまたぬか
まつて
くれやい
〽こいつはとんだ
かみなりが
おちた
くわばら〳〵
おりうめし
とられせん
ぎにあひし所
おりうはなる
ほどわたくし
おつとのめを
しのびみつ
つういたせし
にまぎれ
なしとの
はし
じやう
なればもくだい此うへ
はとておりうをには
さきにひきすへ
させひさ次郎の
見るまへにてせい
ばいにおこなくられ
さてひさ次郎こと
はいひわけたちて
はいひわけたちて
きんごくをゆるさ
れけるひさすらま
のあたりおりうの
きらるゝを見て
ふびんにはおもへ共
また心を
とりなをし
かほど
まで
いひ
かわ
世
大それた女
めだなにを
今さら
ほへるのだ
かなはぬ
事とめ
きらめて
おれ
あの女の
どうがらはわしが
もらいたい
ふのぎり
をふり
すでるふぎいたづら
する女みれんにふ
びんをかくるいわ
れなしと思ひきり
てたちいで
たるに
つく若
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
思ふやう
はれちゝの
かたこさたつ
ぬることもゆる
かせにせて
ばつにてかゝる
きなんにあい
たるものなるべし
とこうくわいして
おもてむきはざい
しやうせうめつの
ためといひたて心の
うちはかたきのせんぎ
とにつぽんくはいこくしゆ
ぎやうにたちいでける
さるにてもこれまで
おりうがしんせづかゝる
ふぎいたづらなどはけして
あるまじきせいしつと心
ゆるせしがさても女のいや
しきこゝろにはゆだんならず
とおもへばこれみなわが身
のいましめとそのゝちは何
ごとにも人に心をゆるさず
大事をつたみてたゞちくのかたき
かたんことをのみくに〴〵の▼
くわんをん下
〽ありがたふ
ぞんじたて
まへり
ます
〽あつたらへ
女をかわ
いそふに
みころし
にするか
ふびん
やく
□□□□□□□□
四十八
じんじや
ぶつか〳〵にいのり
けるがしんじう
のかたへしるべあれば
まづしなのちよりまはりて
さすがにこさやうなつかしく
すんしうにいであさま山にまいり
ひごろしんかうし
たてまつかきよみつ
くわんをんにいたりけいだいをめぐりけるうちに
ものありひさ次郎なにこゝろなくこれを見れば
まさしく女ぼうおりうなりさでもふしぎや
ゑんしうよこすかのも〳〵だいやしきにて
しがもわが見るまへにてせいとかにあい
たる女このよにあるべきやうなしさても
よくにたるものゆゑるものかなと
かたのうちよりあく〳〵見るにいか
にもおりうにまぬなければひさすら
いちゑんふしんばれゆかの女の下かりする
をまちかけそのあしはつけてしたひゆうにこの
山のふもとにしをり戸たてこやでぬかにもそびしき
つゞいてそのうちへはいりちとゆるされよとかむりしかさをとると
そのまゝかの女見て大きにおとろぎ御身はわがをつとひさ次と
さまかよくもたづねきたらせ給ふものかなさりながらこゝに
としわかき女のかねにしやずをもちてくわんをんにまいる
いをりのうちへいりたりけるひさたらあまりのふしぎさに
●おることいかゞしてしり給ふやといふにひわ次郎は
これにておりうにまきになきことをしりいよく
これにておりうにまきれなきことをしりいよく
ふしんにおもひさてはたつゆさぬきのわれをたぶらかす
にてあるか何にもせよことのよふすしためしみんとて
わざとさあらぬていにていふやうわれそのほうの
ふぎいたづらよりらうにんものを手にかけきん
ごくせられし所そのほうめしとられてよりわが
いひわけたちてゆるされたりしがこれちゝのかたき
をゆるかせにせしはんのばちにてかゝるめに
あひたらんとせんひばくやみかくのごとく
くわいこくのしゆぎやうじやと出たちしなた
きのゆくゑせんぎのためまづ
ちゝのはかしよにまゐらんとついてながらこの
きよみづくわんをんにまいりしところはからす
そのほうに出あひたりさるにても「そのほう
わがおんぎをわすれふぎころつうせしとが
わかおんぎをわすれふぎみづつうせしとが
にてわががんぜんにせんにせいばいせふれし身の
いかなればこよあんをんをんにおることふじん
なりしさいをつゝまずかたるべしと
いふにおりうなみだにくれながらさて
もうれしや御身にめぐりあいわがみ
にふぎいたづらのあやまりなき
ことをいひひらかんとおもひしに
さいわいのことなりとてかのらう
にんがむたいのねんぼに手ごめ
にあひしいたいのことをかさり
まつたくわれ身をけがせしには
からねども御身すでに
そのらうにんものを切
ころし給ふゆへさて
こそはやまり
給ふものかな
同断
ぐん五平
むたいにわれを
いざなひたりしゆへ
さてはこのきうなんをすくふならんと
おもひのほかこれもわれに折んぼのよふすにて
さまぐとくどけどもわれしたがはざるをいきどふり
いろ〳〵にせめざいなまるゝうちにもわが身の
へらさよりたゞおんみのことのみこゝろにかゝり
いかゞし給ふらんとあんじわぶれどものがれいでんやうもなくなき
あかせしうちおもひもよらずもくだいの御やしきへめしとられおん身もきんごくし
給ふよふすきくにかなしく何とぞお次身のなんばたすけまいらせんとてわが身に
おほへなきことながらいかにもふぎいたづらせしとはくじやうせしゆへそのと。かにおちたれば御身の
あやたかりならばしてきんごくをゆるされ給ふうれしさにつけてもかなしきはわが身のうへこゝろに
あらぬふぎのあくみやうをうけさぞやおず身のわれを人でなしとさけすみ給はんこといかばかりか
なげかはしくはおのへどもふぎでなきいびわけすればおん計ひほうにらうにんものものご手にかけ
給ふつみのやれずさりによりてみづからふぎせしにおち入りしこゝろのうち御す婦にやう給はるべし
しかるにふしぎなることありわが身のとがきはまりてかりろうとやらにをりしときいづくともなく
われにおなじすがたの女一人あらはれいでいふやうはそのほうことむじつのつみにおちいりおつとの
たやにせいばいにあふふびんさにわれそのほうにかは久しわれはこれなんぢがはゝよりしんかうすること
みづくわんぜおんなりはなくそのほうはこのところをたちさるべしとてわがいましめをとき給ふと
こみつくわんせおんなりはかくそのほうはこのところをたちさるへしとてわかいましめほとき給ふと
おもひたるがそれよりはいつかうむちうとなりて何こともおぼへずたれやらんわればいざなひしと
といふ事なりけりおちたるこちをこちをうつきてあたりをもつきてあたりをわたりをわたり
見へてくうちうよりおちたるこゝちしてはつとおもひしがこゝろつきであたりを見ればさきのらう
ないにもあらず此辺よみづの御のんせんなりさてもやしぎとめたりを見れば此いほりのあるゆへおとなひてゆみつめ
せわにならんとてうちに入り見ればそのいぼりぬぬしはわが身のおばにておもひがけなくこしかたをかたりあいつねへ
御身はきんごくをゆるされ今はくわいこくに出給ひじもいふことを
きゝていつくをあてにとづねまいらせんやうなく此くわんむんに
きゝそいつくをあてにとづねまいらせんやうなく此くわりおんに
ひごとにまいり何とぞ今ひとたび御身にあはせてたび
給へといのりしかひありてけふはからずもお心に
かゝりかれしやとはじめおはりのものがたり
にひさすしきいのおもひをなしさて
こそわれもえぜんにそのほうきられしと
見たるはくわんおんの御身がはりにて
ありけるかさでもありかたやたうと
つゞきしわが身のこへつゝまずかたりて此いはりにくらすうち人をたのみ
てゑんしうへつるはしおん身のなりゆきをきゝあわするところに
やとかんるいはながし
おりうがほんしんを
きゝてよろこひ
つきすやがて
このいほり
のあるじにも
たいめん
しいさる
のことを
かたりあふ
うちにひさけら
はおりりかきたる
小そでにきつとめをつけ
さてもふしぎやそのほうがいるいは
わがかたにおるうちに見なれず何ものより
かいうけしかたゞしはもらひうけたるかいかに
といふにこれはぐん入平もち来りてよさむを
といふにこれはぐんの平もち来りてよさむば
ふせぐためにとてなさけらしく
われ下きせたりといふひきすら聞て
□□□□□□□
これこそはわがはゝの小ぞでなりそめいろ
もやうもん所までこと〴〵くわれ見おぼへあり
せんねんりうしやう山のくわいてん
といふめくほうしあまたの
といふめくほうしあまたの
手下をしたがへわがかたへ
とうぞくにいりちゝをころ
きんせんざいほうをうばひとりしが
はゝのいるいの入りたるつゞらを
うばひとられたるうちにこの
小そでも入たるなればぐん五平を
ひつとらへせんぎせばこの小そで
よりとうぞくのしるゝべきを
しらぬことゝてぐん五平をそのまゝ
にさしおきたるざんねんさよとて
こうくわいしとてもかくても
またくしんゑうにたちかへり
ぐん五平をひつとらへ小そでを
せうこにひとせんぎすべしとて
すぐにおりうをめしつれまづ
御札いのためとてくわんをんにさん
をいしたりしが寺僧とものあわて
さはぎあふをきけばくわんぜをん
のまへだちのもくぞうふんじつしたりし
といふことをきゝてひさすらさては
とそのまゝゑんしうにいたりおりう
かつみなくしてひかげものとなりたる
をふびんにおもひありのまゝに
もくだいにうつたへければもくだいも
ふしぎのおもひをなしいそぎおりう
ふしきのおもひをなしいそをおわう
がしがいをうづめたるところをほらせ
見るにくわんぜをんのもくぞうくはう
めうをはなちけるにぞ
もくだいあはてこれをとりあげさせ
すんしうきよみづへとかへされ
ける
八
〽といかはとんだ
ばんくるわせた
こがま
にゑんのある
しりくらい
くわんをんた
から大わらひた
〽ほとやふるかね
かいにうつて
〽のもふじやアを
ねへり
ひさきらふうふはいさいのことをだん
ともくだいの御きゝにいれたる所に
ぐん五平のきうあくもつてのほかの
ふとゞきなりとてきびしくそのあり
かを御せんさくありけるにぐん五平は
こゝかしこにしのびくらしたるが
御せんぎきびしくゑんこくへたち
のかんとするところくにざかいにて
かねて御手あてありしとりて
のにんじゆにとりまかれて
なんのくもなくいけどられ
けるにぞもくだいみづ
から御たゞしあるところに
くん五平今はかなはじとや
おもひけんいぜんりうせう
山のあくそうくわいてんを
みちびきひさきらのかたへしのび
入りしこといち〳〵にはくじやうしその
うへさきにひさ次郎にうだれたる
すんしうのちにおることならずいかゞしてしりたるや
わがかたへたづね来りぬすみためしきんすを
もちて家をつくりらうにんをたてくらせし
うちはからずもひさたらわれにたより
来りしところどう〳〵せしおりうにくわい
てんこゝろをかけてりふじんにおよびひさすら
にきられたるもみなあくぎやうのむくひ
なりひさゑもんをころせしはそのくわい
でんがわざなればわれらはいつかう
ぞんぜぬことなりいのちばかりは御た
すけ下さるべしといふもくだいきこし
めしひさへもんをころしたるはくわいてん
ならばそのくわいてんをみちひきしはその
ほうなりさすればそのほう手はおろさず
ともひささらがためにはちゝのかたきの
ともひさ次郎がためにはちゝのかたきの
かたう人なりこれによつてそのほう事ひさなら
に下さるゝあいごさやうにこゝろへ申べしとて
ひさ次郎ふうふをめしいだされこのおもむき
らうにんものはこなわちそのくわいてんなりかのもの
こおゝせわたされけるにぞ
さうほう
せく
まい
〽ふしぎにいのちたす
かりしもくわんをん
さまのおかげ
ありがたい
ことじや
おやのかたき
しんしやうに
せうぶく
ひさ次郎大きによろこびおりうもろとも
ぐん五平をさん〴〵にきりころしやうやく
〽そのころそんしうあしくぼむらほうめうじの
くわんをん何ものゝわざにやいつともなくうせ給ひていつかうに
しれざりしにこのたびゑんしうのもくだいよりきよみづでゞらへくわんせんの
いうそうふしぎにおもひてこの
ほんゐをたつしける
くわんばんを見ればまさしく
駿河国札所第三十三番
清水寺十一面観世音菩薩
さつそくあしくぼへとおくり
あしくぼのほうめうじのくわんをんなるゆへ
つかわしけるこれ
さきにおりうが
御詠歌
おしなへて大ひのひかりたうとくも
しゆじやうのやみをてらしとまへり
同第十三番
あしくぼむらほうめうじくわんぜをん
芦久保村法妙寺観世音
清水寺同作のくわんばん十一面也
御詠歌
みほとけのちかひはひろきほうめうじ
人のよしあしくぼもいわずに
念彼観音力
還着於本人
出生のまへきよ
みづくわんをんの
つげにあしくぼ
のほうめうじの
くわんおんにたくして
一子をさづくると
のたまひしことおりうが
ちはゝのもの
かたりに
かたり
つたへ
たりし
これを
思ひあわす
ればこのたびの
さいなんも
ほうめうじの
くわんをんせいすいじのくわんをん
にかはり給ひておりうが身がはりに
たち給ふならんとありがたくかたり
つたへてしんからせざるものはなかりき
〽ヱヽざん
ねん
ひさすら
ふうふは
くわんをんの
りやくによりて
胡満画
}
}
それともしらず
くわいてんをうち
とりしはひとへに
一かうしんのとく
てんとうの御みち
よきかとありがたく
きもにめいじぐん五郎
をうちとりてより
もくだいのかんしやう
あさからずかず〳〵の
御ほうびたまはりめで
たくきこくしてのち
きよみづでらまた
ほうめうじの両所の守ん
をんとうさいこうの
せしゆとなりて大ぜい
のにんぶをいだしたぶん
きんせんをおしまず
これをいとなみしだいに
両くわんをんのりやく
をゑてます〳〵
はんじやうしゆくすへ
ながくとみさかへ
けるぞ
めでたし
十返舎一九作高
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