月娥眉尾花振袖

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溪齋英泉畫
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2026-08-17T19:23:18.082Z
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場所: 江戸
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溪齋英泉畫
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日本語
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森屋治兵衞
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ツキノマユオバナノフリソデ
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東北大学
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2026-08-28T18:53:25.651810+00:00
炭米 京へ 英泉画 治森県八歳 山東庵京山作文政酉春 於花つきのまゆをみなのふりそで 月峨眉尾玄振袖 半七 金六冊 一渓齊善泉画錦森堂梓 昌平の訳を産湯に浴する稚曹次第に粋になりてむかし〳〵の 桃太郎かち〳〵山のゑそうしは狸の土身と共に亡び出来合の敵討は緞子 乃帯の古めかしく鯨合の真はく嶋とく新手と世利商ひ帯屋の桂川を 関取の名とし領城梅川遠館女中に仕立鏡山に尾上伊太八絹川 壹 に累井筒意外に出るを以流行とするは稗史のみに非ず武場も又 日に新手なる名人作者のしり馬に蝿の力もなきやつがれも流行に おくれじと拙き筆を染なしたる団十良とび梅幸茶お花半て らが名のみをかりの帰る頃又の御げんを約束して手の歳眉尾花の 振袖と題して二上りの糸まきすこしひねるになん 文政七申 三月脱稿 仲秋上梓 山東庵京山識 ③ 京仙 堂 ○伝兵衛女房 おはま ○手代半七 ○穴守 蟹蔵 あふぎがやつ ○扇谷 刀屋研右ヱ門娘 枸杞 阿京傳遺稿 骨董集三編 《京山補訂 本朝古印考京山百樹選 食物沿革考全編 ○刀屋研 ○比 倭 半官 はんぐわん 正當長臣 か □□□□□□□ かまくらまつばがやつ ○鎌倉松葉谷 比伎家中 嘉田木弥九太郎 しもふさの くき鯉 ○下総国 平目 むら 村の 漁者 痛 実 琴 四郎 左ヱ門 ○刀屋 おさや 女房権刀室 女粧考京山百樹著 此書は御国の女風を上古中古近古と三段に わかちべにおしろい様かんざしびんつけ油えゆひ の始原はをそめ眉をおとす事のもと衣服 調度にいたるまで女風にかゝはりたる事は あげてもらさず国をのせこと〴〵く考を加ふ 尾花 今はむかし かまくら じだいあふぎ とぎ右衛門とてとしは にぶき男にてりちぎ 一へん正ぢきのかうべに がやつにかたなやの 五十にあまれどもやきばは やどるかみさまは 男まさりの りはつものりはつをかほへ だしもせずをつとおもひの すくやきばきつてまはせば まはりよく金ごしらへの しんだいにおむくなむすめ のお花とてとしも十七はつ めいものおとゝのくり太に お手ほんのよみををしへて ゐたりしが手代の半七みせ よりきたり〽申しお花さま ひきのはんぐわんさまの 御からう加果弥九郎 兵へさま おいで 十一 … ござります ざります 十一冊 文義四圖 〽とゝさんおきゝ なされましたか 〽ヲヽサ〳〵おのしは おくへコレ半七おあん ないトいひつゝふう ふがでむかへば六十 あまりの弥九郎兵衛 〽これば〳〵とぎ 右衛門やどに をられて ちやう ちやう〳〵 じやう〳〵 〽まづ〳〵あれへト 上ざになほしたがひにじぎのあいさつ をはり弥九郎兵へもたせきたりし 錦 二公 四刀のはこより一トこしをとり いだし〽ときにときにとぎ 日わざ〳〵きたりしはとの御 用此一トこしはめりやう丸と 名づけたるおいへの重代此 たびよりとも公ふじの みかりにつきしゆじんはん ぐわんどのがかりばのさし ぞへになさるゝよしつかいと もふるびたれば手の内も 心もとなくつかさやも あらたにしてとぎは もちろんさやの ぬりにはおこのみも あるよしばんじは あとよりくれ〳〵も おいへ重代大せつの おだうぐなれば ずいぶんこしらへに ねんをいれたがよいお身 に申し付るも身どもが とりもちかへしいなじ みをすてぬ心じやト ゑがほにとりつく 女ばうおさや それはまア ありかたい おぼしめし 大せつな おだう あれば 仲まの 手まへ みせの かざり なァ申 こち の人 〽イン もう ありがたい 事じや はゞかり ながらはいけんをと ひもをとく〳〵とりいだし〽いる さまこれは古代のおこしちへ お目ぬきはおいへの御もん せうばいにはいたしますがら おなか身はなが〳〵目も およばぬ上作もの一はなし のうちに女ばうがいつのまに やらさしづしてもつぎへ 尾花 〽コンおないぎこちの むすめのお花は 見事なものじやと きついひやうばん しみ〴〵あはぬが やどにゐやるかト とはれて母はまに あひに〽なにやら さけもまはれば弥九郎兵へし つゞきりやうり茶やからあかなべではこぶ すひものすゞりふた見事なさしみとり〴〵に づつうがいたすとて げさからふせつて をりまする〽はて それはざんねん をどりはきつう 手にいつた事じや げないつぞはしよ もうしたいものじや といへばおさやが〽子 どものときからきつう すきでござりますが 御らんにいれるも 〽かはい 五〇 〽イヨ 大和や 〳〵〳〵〳〵 一つおわらひぐさ おきやくでも あるせつには おなぐさみに あげませう 〽それはさい はひ月見 にはきやく もあり なんと お花を まねぎ たいか よこし てはくれ まいかト いはれて 女はぞつ とせしが 今さら いやとも 〽これは かんしんだ いはれ ぬぎり □ぎり 口とこゝろは うらおもて 〽そりや まア ねがふ ても ならぬ 事めし てざへ くださらば なんどき なりとも あげま せうお花も さぞかし ありがたがる でござりま しよト心に おもはぬづい せうもでいり やしきのからう しよくみな しんだいの ためぞかし 次へ 「「「」 さるほどにやくそくの月見になり ければいやがるお花にしたくさせ 女がいつてはかへつてめんどう おのしならどのやうな そさうが あつても 子ども の事と ▼つゞき弥九郎兵打よろこび 〽しからば十五日夕かたよりおない ぎもどう〳〵でお花をかならず よこしておくりやれまたかぜひいた などゝのことわりはきかぬぞやト 松いたおやぢと しられけり くぎのうらまでかへしたる ○かくてさけも よほどしみければ 弥九郎兵衛 よいきげんにて 立かへりけり 堀 ㊃ 弥 九郎 兵へかたへ つかはし ければ〽これは これはお花せん こくよりまちかね をつたトざしきへ ともなひ きやくへも ひきあはせ りしてい弥九郎 けるに見れば げいしやも 二三人さけも よほどまは 兵衛が女ばうのかた 身にのこせし ひとりむすこの 弥九太郎 そばへさし よるさけ くさゝ〽ヨレお花 身どもは弥九郎 兵へがせがれ弥九 太郎といふいろ 男〽ときにわか だんなせつしやも びふじんにゑつし たい〽ヱヽやかましい 此ぼうずはわる井し あんといふやぶいしや須へ 三月七日 尾花 これは又げしからぬ 〽そも〳〵これば くわんむ天わう ふだいの御けちい こゝのだんなの おしたをつとむる つゞきしかならずくすりを〽これは のむまいぞ〽わかだんな両だめで これは又けしからぬあらうと おもふが どうで あらふ な あらうと だめで あなもりかに蔵と 申ものお花のきみ なにとぞ御見しり くだされいときにわか だんなせんこくからみな さまもおうはさおはなに をどりを〽ヲヽそれ〳〵これ はね吉なんぞ一つひいて やりやれ〽あい〳〵モシなんに いたしませうねといはれて お花はひぞ〳〵とそうだん せしがはね吉がはからひにて きやくをやぼと見たゆゑなり 〽てうしあはせて〽見わたせばからうたひいだせば お花はあふぎうちあげてきつとむかふを◯ 〽真 やつぱりしほくみがよからうとは あり がたう ござり ます に見入たるおもさしのうつくしさむらさきに あらいそのぬひはしほくみには打てつけ たるふり袖一座見とれたる中にも まだひとり身の弥九太郎よだれを ながさぬばかりお花がをどりにざし きも一きはうきたちてみな〳〵 あつとかんじけり ○かくて時もうつりけるが弥九 太郎はあなもりかに蔵わる井 しあんらにふきこんでお花に にはを見せるとてつき山のうしろ ちんざしきのまへにせうぎをとり よせこゝへお花をつれきたりしがお花 がゑりへはねこんだいなごにおどろき きやつといふを〽やれどうしたと弥九 太郎がいだきつけば〽あれおよし あそばせとめつぽうかいもなく 大きなこゑにさすがのやく太郎も きもをつぶしこしをはづせば せうぎのはしにこしかけたあな もりかに蔵せうぎにはねられ こけたがおかしくわかひになつて やく太郎はあぶもとらずはぢも かゝずお花をつれてすご〳〵と ざしきへかへりぬ ○かくてお花もむかひが きたりやう〳〵うれしく かごにねながら 八ツ半にかへりけり ○さて又ある日とぎ右ろ かたへわる井ゑあん来り けるがとぎ 右衛門は を るす つかひ て女房おさや 出むかひ月見の夜 お花がちそうに あひしれい などいへばわる 井しあんにこ〳〵 とうちほゑみ 〽いやもうおはなどの にておきやくのもてなし 大きにはなをたかく したと弥九郎兵衛どのゝ 松東国舗 匂ひ入極上御おしろい 雲の上六十四銅 いろずりたとふ入なり あくぬき無類の ゑりおしろい 一荷妓香一包五十六銅 東都京橋 京傳見世 こくのわかだんな男はいやみのない とうせいむき心だてはよし極上々 吉とびきりの口じやがなんと おぼしめしはどうでござるな▼次へ よろこびことに又お花どのゝ 人がらといひとりなしといひ きりやうといひおひめさまに してもよいとまい日のおうはさ それにつきこん日わざ〳〵まゐつ たはほかでもない弥九郎兵衛 どのゝ御しそく弥九太郎どの いまださだまるえんもなく なにとぞお花どのをよめに ほしいとの事しかるゝ とをりかつてしやにて ないせうはふく〳〵しかとゝ いふてば心よしの弥九郎兵衛 どのばかりむづかしいとひやう ばんのあつたないぎはきよねん はてられてよめの口もしよ〳〵 はてられてよめの口もしよく 〽かちいひこんでまゐれどもとかく 弥九太郎どのゝ心にかなはず しかるところお花どのならぜひ もらひたいとおやこおふたりのやたは のみむこにとつてふそくのない千五百 ヱつゞきおへんじがうけ玉はりたいトやぶからぼうずがなかうどのねみゝへ水の えんたんにおさやはさてはと心付〽さほどまでにお花をこんもうあそ ばすわかだんなあの子もさぞかしありがたがるで ござりませうがとぎ右ろもるすといひ〽いかさま 弓や御もつともさきかたでもことのほかおいそぎゆゑ 明後日ひがらもよければめでたいおへんじせつしや かたまでおまち申すとぎ右衛門どのへも右の だんくはしうおたのみ申す卜いとまごひして立 かへりぬ○これすなはち此くさざうしのしゆかう にてお花が母のおさやをつとにかはりてはちを きるほつたん也○とぎ右ろひとまを立いで 〽ついにこぬわる井しあんろくな事ではある まいとおもひのほかみよりのえんだん へんじしてはどうであらうとあらうとで おろすとぎおろあはせどの女房はこま かに心つく女〽いかさま人ぎゝではよい 口ともおもひますがお花が目見に よばれたとき弥九太郎さまの人がら あれがはなしできゝましたがひぎの はんぐわんさまの一からう千五百 こくのごしそくにはこゝろえぬ なされかた作者曰月見の夜 弥九太郎がお花にいたづら 一せし事母へははなした 事とおもはる 〽しみ〴〵いやじやといやるお花 むりにやつてもじゆんじゆく せまい二ツにはさきは武け がたしかもれき〳〵わたし らがではいりにしんるい 一つきあひもちのやりとり なにかにつけても心づかひ ゆく〳〵くり太がためにも ならずうしはうしづれ町人は町 人どくことわりいふたがよか らうとまがわたしはおもひ ます〽いかさまそうきけば もつともしてそのこと わりはなんとしたもので あらう〽さればでござんす さきではうれしがつてくれる であらうとなかうど はじめうぬぼれである ところめつたなことわり いふたなら日ごろかち むづかしい弥九郎兵へさまし ひねるはひつでうはて めいわくなとおびに もをさしかりたる とうわくに□次へ つゞき むしがしらする なげくびば のちのなげき となりにけり ○かくてやくそく の日になり の日になり ければすてゝも おかれず わたくし ふぜいの むすめ かへつて御ぐわいぶんにもかゝはる事 つりあはぬはふえんのもとゝこれを つりあはぬはふえんのもとこれを いひわけのたねとしてことわりけるが しあん又きたりてとぎ右ろふう ふにむかひ〽さく日ことわりのおも むきねえら兵へどのへ申たところ もつてのほかのりつふくわたくし ふぜいぐわいぶんがわるからうとは 此方をてうらういたしたあいさつ としごろ目をかけてつかはすとぎころ すでに此あひだもとのゝ重代 ・井下才 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ めりやう丸のひとこしこしらへを 申付るも身がすいきよそれはとも あれもちひかゝつてもちはねば せがれがちじよく身ども武士が たゝぬと弥九太郎どのも とも〴〵のはらたちなんでも ほかにしさいがあらうきいてこいと せつしやがめいわくとてもこりや 此まゝではすみますまいとくと しあんしてへんじめされおいとま 申すと立かへればおきやはほつと といきつき此上はぜひにおよばぬと お花をよびよせ〽しつてのとほりのわけ 今またしあんどのゝあいきつさだめて ちやのまできいたであろ今のやうに武士が たゝぬのなんのとおどして見るもやつぱり おのしがほしさゆゑそれをおもへばうつくしう しうげんしたちしうともむこもおのしをかはいへ いひぬいてさられてくれば丁どさいはひその内やくでもできて 見やいやとおもふた男でも子にひかされてかはゆふなるは わしが身にもおぼえがある○トいふてこちの人をきらふた おぼえはなけれどもまアそんなものであろとわいつくどいつ がるであろすきなしばゐや物見ゆさんわがまゝいふて むりわうじやうやうすを立きく半七がゐるとはしつてしほれたる▼〽夜へ一 尾尾 つゞきお花はかほをふりあげて〽おふた りさまのお心づかひ御もつともで ござりますわしやよめにまゐり ましよ〽すりやとくしんしてたもつ たか〽アイいちど男をもつた なら二世も三世も いひかはしなにしに さられてきま せうそわしや はなれる心は みぢんもない かならずきづかひ さしやんすなと立ぎゝ してゐる半七へしらす 心としらぬふたおや 〽ヲくでかしたむすめにい かくごそうはらがすはつて ゐればちつともあんじる事はない 見事つれそへばそもじもしあはせ 〽つれそはいでなんとせうだいじの〳〵男 じやものトのびあがるびやうぶのへだて わるいと手まねでをしへる半七母はちらりと 見てびつくり〽ありやたしかに半○半時ばかりの 長だんぎお花もさぞかしたいくつ かくてとぎ右衛門かたへゆひのう ひゞしくもちこみてあたりかゞやく らうそくのしんきしんくのなごや おびむすんでとけぬお花が心 あんじる半ておくぐらのうし ろをまはつてゆどの占お花は ゆかたのふろあがりそれと 見るより〽半せんかこよひの ゆひのうさぞはら がたつであろが ふみにもいふてやる とほりつれてのいて たもいのふととりつき すがれば半七が〽よめにゆく ごのをうらみつらみつれて にげるのしぬのことはそりや 上るり本やしばゐで する事そんなふりやう けんかならずよしに なされませつねからも 申す事おやのゆるさぬ ふぎいたづらこときら おまへはごしゆじんいつぞは ばちがあたらふとはこゝの 事とてもそはれぬと しやらふまや〳〵とくしんであんど しましたあすははやくなかうどへ なア申しこちの人〽ヲゝそれ〳〵ぜんは いそげじやたいぎながらそなたが いつてよいやうにトやるそう だんにきはめけり ○こゝに又弥九郎兵衛女子はしあんが へんじをまちけるがしあんきたりて ふたりにむかひ〽イヤもう大だんなの お目はすいしやうはじめかうとぎ右衛門が ことわりいふはひつぢやうことはりいふたら おどして見よとおほせのとほりうまくいつたるけふのへんじ いよ〳〵お花をさし上まするとのとぎころ女房がぢきのあい さつ〽ヲヽよし〳〵しからばみやう日ひがらもよければすぐに しるしをつかはすべしせがれよろこべ〳〵〽おやぢさまは よつほどすいぼううまい〳〵コレしあんとうざの れいじやト五まいはづめば〽コリヤ大わうでたて くだしありがた山ぶきちやうだいトにこ〳〵もので おさめけり弥九郎兵へ打わらひ〽コレしあんせがれが お花にくつたくするゆゑなんのぞうさもない事 てかけにはとてもふせうちよめと名をつけあき たらいつでもたゝきだすまづとうぶんはきやくぶん ひろめもせぬしたがとき太つへはさたなしじやぞしるし さへうけとればこつちのじゆうしかしお身へのれいはふさたはせぬして あきらめて今までの たのしみをとくにしてうつ くしうよめにおいで なされおやたちの 〽お心をやすめるのが おまへのおため今 ふたりがかけおち すればあとのさは ぎはどのやうできり ませうぞわしよら おもひきり ますじまも りのき せうとり いだし ずん〳〵に ひきは さけば 八ツト なきたい 召に袖 しばく ことをも なかりしが こしもとにいひつけて〽まづ一ツのんでゆきやれトいつもの酒に也にけり 〽つゞき〽うちめしいぞ半七そのよな水くさい心とはしら なんだ〽水くさいとはきよくがないおためをおもふてひき さいた此きせうつらめてかなんぞのやうにかならず ◯おもふてくださりますな此上はわたくしがあげたきせう おかへしなされお花さまサア〳〵トせたげられ〽なにしに もつてゐるものかトこれもとりだすまもりのうち むつとがほにてずん〳〵にひきさくむねのくるし さを丸めて入れた袖とそではなれかねたるをし 鳥のこらへ〳〵し男のなみだお花がゑりへひいやりと きえいるおもひにかほふりあげ〽よめにいつたら モウあはれぬそなたのかほの見おさめにわかれの さかづきさいはひこゝに水びしやくわしがのみかげ のんでたもトくみとるひしやくもうちふるへのん でわたせばおしいたゞき〽お花さまようとくしん してくださり ましたもづたい ない半とし あまり女房 かなんぞの やうにむりいふ たのはかん にんして くだきり ませゆかた のまゝで まごからあんじてうかふ 母おややう〳〵ほんまにあん どしてあと見のこして かへりけり ○かくて半七は一日二日とたつ うちにお花がそぶりがてんゆかず もしつきつめた事でもあらば おやたちのなげきもおもひやられ わが身の上にもならんかと とつおいつお花が心のそこの そこまでもたづねて見んとは おもへども母のおさやはゆどのゝ 事を見たゆゑばんじに心づけて 人目のせきにせんかたなく 此よなときのうちなひと 心のやみにまよひつゝ よみせをはりしうち やさんに立とまり 〽一ツ見て下されのがれ ぬ人の身の上じやが 女で巳のとしじやト いへば〽十七歳の巳の としかなしめどぎさん ぎをとりまはし〽さて これはむづかしい王次へ 三觀人相 周易十有八変 おさむかろ 風ひいて くだきり ますなら 丸う おさまる すゑ ふろの 心おく ふたりに ぐらの ① もとのはこへおさまる事が ござらふ今ばんがことの ほかあやういしきいて 半てねにこたへ れいせんおいて ないしつたる そうじぐちにはに かけいりほゝ あかりにすかして 見ればお花は かけいだしあん たすける人があつてちやわんもぶじに ▼ゑきのおもてはかやう〳〵トせんぜつさはやかにならべたて 〽さてちかく申せば井のはたへちやわんをおくやうなもの さはればぢきにおちるといふすいなんが見えますが 井げたにこしを かけさすが いのちも すてかねて しく〳〵ないて ゐるていを見る より半七かけ よつて〽コレお花さま こりや何事でござります おまへの命にやかへられぬいづくへ なりとも立のいて〽ヱヽうれしい そんなら女のたましいをト 〽ヲヽ半七かわしや いきては ゐられぬ はいのふ 〽そりや又 なぜに 〽はづかく ながら これじやはいのふ 〽ヤア〳〵〳〵こらや はらおび〽これ じやによつてよめ 入りには〽ヲゝもつ ともじやモウ此上は 半てがぎりもほうも しゐ〽ヲヽそうじやト一トとしぼつ こみせアござれじ手をとつてかり もとのくちからにげゆきけり かけいだしてかゞみと わきざしもちきたり 〽コレ半七いづくのうらへ 立のくとも男のたま ○かくてお花さまが見えぬはし 下女がいひだしてかないは 大さはぎこゝかしこ たづぬるうちに にはの井のはたに お花さまのうは ざうりがあると きいて母のおさやは ひいやりしそれ井 戸をさがせと ちやうちんよ はしごよと井の はたへは人の山 めしたきの 三介は かづさの もので うの やうな やつなれば 井戸へ もぐりそこの そこまでたづねても しがいは見えず ふたおやはやれうれしやトあんどなし けるがをりふしつかひよりかへりたるに ぞうがへいきにて〽お花さまならさい ぜん半七どのをつれて八まんさまのほうへ ゆかしやれた○さてはトむねにこたえし はゝおや〽それ善六右七小ぞうも ゆけトおひかけしが見えぬとて しあん 〽いやはや もつてのほり ふとゞき せんばん かへりきたり又も大ぜいにわけ してこゝかしこをたづねけるがその 夜もあくる日もゆくへしれず あんじわづかふなかへなかうどの わる井ゑあん入来り〽さてまづ ゆいのうもめでたくすんでたぞ かしおころこびせつしやもあんど どうぐはいよ〳〵明日こし入八十五 日のおやくそくいやモウ弥九郎べゑ どのゝおよろこびぢくろの小そでが できるやらすそもやうのしたてがまに あふまいときをもまるゝざしきのはり つけたゝみがへめでたいことといふものは いやはやいさましいものでござる さぞかしこへたもおとりこみしかし おめでたい事でござるト▼つぎへし ▼つきいさみたつたるなかうどに 打しほれたる母おやがなんとことばも なげくびにさしうつむいてゐたり しが心の内におもふやう二日 ふたばんたづね てもゆくへのしれ ぬお花がかけおち とてもうちはで すまぬ事とおもひきつて ひざすりよせ〽そみしあんさま ひよんなことができましたト やうすかへはしくはなしければ 〽そりや大へんじやしぼうづ あたまをふりたてゝきもを つぶししるしをとらぬまへ ならばともかくもゆいのふが すんだればま男もどう ぜんわしがりやうけんにも およばぬことふたおやがついて おられながら二本とないはつ がつを半てとんびにさらはるゝ とはあまりといへばみじゆく せんばんせつしやまでが身の 上こりやこのまゝではすみま すまいいさいのこらず弥九郎 兵へどのへはなした うへでしにがりきつ てぞかへりける ○ふうふはあとに とつおいつそうだん してもりやうけん つかず女房がさい かくにて此上は 弥九郎兵衛 のごとうやくの ○字典 尾花 〽ノ手をおつけで ないよ 〽ばんじ よろしう おねがひ 申ます 十一日 〽きづかひめさるな しやうも ござらう ⑪ じつごと 四郎右衛門さまへ 日ころのおなしみ おつれあひの おつまさきは わたしが やしきに つと めた とき はう 三ばい 二十 打あ し とら 右衛門 さまへたのんで 見んとしたく すれば〽かゝさまわしも ゆかうとくり太郎とり付を 「わゝそそこどころではないはい の下しかりつければなき いだすにせんかたなく くり太をつれて見事な これを ごぢさんで ござります 〽やれ〳〵きのどくな だんなへおめにかけや くわしをりふはさに つゝみじつこと四郎右衛門 かたへいたりければ おつま立いで 次へ つゞきこれはめづらしいトもてなしけるが やうすをきいてきのどくがり四郎右衛門 はろしければ四郎右衛門主いでゝ おさやにむかひ〽さいがはな しできゝましたが さぞかししんつう 今となつては まづ弥九郎兵衛が あいさづをきいた うへ丸くおさめる しやうもあらん身どもが のみこんでをるほどに かならずあんじ給ふなし ちからをつけられ すこしはあんどして 立かへりぬ ○それはさておきみに 又弥九郎兵衛たにては てかけごゝろによぶ 同七七一 よめなればさまで したくもとゝのへず はりつけたゝみがへ といふたはなかうど口 にておや子さしむかひ 一同七十九 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 〽しあんらうあはたゝしい 有に事じや〽いやはやたい へんでござりますお花が 手代の半七とかけおち しました〽ヤアなんとお花 をつれて半七めがヱヽざん 一ねんな口をしいト はがみをする外 九太郎おやぢは ちつともおどろかず 〽コリやせがれ なんの事じや 見ぐるしいはへ さつするところ さつするところ かねてふたりが ちくりあひ それでかけ おちこりや かへつてこつちの さいはひ〽おやへ なぜさいはひ でござり升る 〽さればき 此ほうへ にてさけのんでゐたり けるが〽コレせがれ此いつ つうはかぢはうどのより たのみのみのみのみのみのみのみのみのみのみのみのみのみの ゆけばちのみ子の乙わか どのをかとくにして身どもは こうけん国のあるじもおなじ ロント、 そより・ 十一二 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 事さすれば日ごろからそり のあはぬじつこと四郎右めは なんぞかかぞでぼいまくり おのしとおれが心のまゝ〽なるほど こりやおもしろいすりやはんぐわん殿を ふじのゝおくのかりくらにて〽ヲヽサ人 しれず矢さきに かけるその手 はづはコレかう 下はなしの なかへわる井 しあんわくせく きたればおやこは びつくり手ばやく かくすみつじの一つう 作者目のちに半七が ひろひしは此一つうなり 七七 大によろこび 目 すこゝは心 おちつきたる ところへ覧 郎兵衛がおいで ときゝて▼つぎへ よんだうへで 半てとにげ られては 武士がすた るはさり ながら しるしを おれがすたいで やれば そちが女 ぼうはぢは やる今から すぐにしあん もどう〳〵 いたされよし とぎ右衛門 かたへいそぎ けり ○こゝに又 おさやは四郎 右衛門かたより 立かへりばんじ のみこんだるあい さつをとぎなつへ はなしければ三 十三 ▼つゞきひいやりせしがせんかたなくふうふ ゑりでまづころたへト上野へなほしなんと 立いでまづこなたへト上野へなほしなんと いふべきことばもなくさしうつむいてゐたり けり弥九郎定ふたりを見やり〽いさい のわけはしあんよりせうちいたいた そのはうが武士ならば弓や八まん ゆるさぬがたかゞ町人そのなかでも いぬのやうなわいらがうんだ めいたのお花ちくしやうと おもへばさのみはらもたち 申さぬしかしゆいのふやれば せがれが女房おほは もちろん半てめも くさをわけてせん ぎしいだしなら べておいて四ツに 一するはこりや あたりまへその せつ一ごんは 〽イヤ いはさぬ モウ おはら たちは御もつとも申わけなきむすめが ついたむすめさへぬすまるゝうつけもの大せつなひと こしおぼつかないあづけおいたるめりやう丸これへもて はやく〳〵トねめつけられぶんこぐらよりとりいだせし 刀のはこを弥九郎兵へふたおしあけてぎやうてんなし 〽ヤアこりやないはこりやどうじやトきいて ふうふもはしりより〽ヤア〳〵〳〵大せつな おだうぐが〽たにんを入れぬぶんこぐら ふんじつしやうはづもなしコレ女房共 おぼえはないか〽なんのわたしがしり いたづら〽アヽモウいふなみゝがけがれるをりかみ ませう人手にかけぬ 刀のはこどうも がてんがゆき ませぬト ふたりは わな〳〵 弥九郎兵衛 とぎ右衛門が ゑりくび つかんでひき たふし〽ヤイ おやぢふん じつしたで ことがすまうか つぎへ 此所へ 一寸御ひろか 申上候 男大 じんやく 女はらみ くすり 懐妊丹 一ざい五匁 半ざい二度と 江戸糸ば 京伝みせにて うりひろめ申候 女は五十い上たりとも 月やくみるうちははらむ 事なんつねに月やくやよし 事妙也つねに月やくふじゆん こしひへ何となく心あし きに用ふべし男は かしらにしもをいた だくともこれを もちふれば わかきものゝ ごとくいかほど たのしむとも 身にさはる ことなき きたいの れい やく なり □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ないかとでばぼう丁がなん ぞのやうにそのうつけ ゆゑたいせつの 品もおのづと そまつに なしける しあはせ おいへの重 代とのゝ 御ひさう ふんじつ のやしわけ 武士なら はらをきる ばしよじやはいぬめ ねこめしねぢまはせば おじひ〳〵と手をあはせ 身をちゞめたる見ぐるしさ 〽とのへのいひわけなは かけてひいてゆくと とゞめ〽マヽ〳〵しば らくおまちくだ 刀のさげをとり まはせば女房がおし 一〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇 二ざまのわるい女の はらきりながゐを するはちしほの三 □□□□ けがれしあん きたれとこゑ かけられ わきざし とられて せんかた なくは おりで こゝを おし かく かく 打つれ だちて かへりけり ○くり 太郎 おくよ なくより かけいだ 〽のウ かきま なんで しな しな さりませたつたひとこと申 わけ〽いひわけあらばサア なくなんと〳〵〽その申わけは此 とほりしさいせんよりおしだまり うろ〳〵見てゐるしあんがひとこしうばひとつて ぬくよと見えしがはらへぐつさと女のはら きりさずがの弥九郎兵へしあんもひつくり ぶる〳〵〳〵とぎ右わ門とばかりにぎやう てんすれば〽アヽ申しこちの人おまへにかはる 此はらきり弥九郎兵まお見とゞけ 下さりませ〽ヤア小さしでた女のぶんざい われにはかまはぬサアうせいととぎ右衛門を ひつたつればひとまのうちよりこゑ かけて〽ヤレまたれよ弥九郎多しいつ のまにやらじつこと四郎右衛門しづ〳〵と立 いづれば弥九郎兵へびつくりせしが急あらく 〽きでんのしつたことでないすつこんでおゐ やれト又ひきたつるなかをへだて〽とのゝ おさしづぎよいでござるぞ〽なんと心えがたきその ことば〽ふしんはもろともこん日とのゝおほせには弥九郎 兵へに申つけとぎ右衛門へあつけおきたるめりやう丸 しさいあればうけとりきたれとおさしづゝ此せんぎは身ともうし やくめちつともおかまひくださるなじやりこめられてやくろ参 つらふくらかしてにうみつけ〽そんならきでんのかつてしだい 尾花 くり太が母さま〳〵 一はのとさんの身 がはりによかぎ 十五 いふたかたいものじやかはいやのふと ひきこせてかほ打まもるちの なみだ〽はてふひんなト四郎右衛門が ことばにはつと心づきくり太を うしろへおしやりて〽おもひがけ ない四郎右衛門さま大せろなる めりやう丸うしなひし申わけ はゞかりながら御かいしやく〽ヲヽ女に しはらきしはらきつてしぬはいのふ〽とゝさんの身がはり ならわしがしぬるおまへはしんでくださるな〽アヽよう まれなるそのせつふく申わけには あつぱれ〳〵とぎ右衛門が身のうへ かならずきづかひいたすまいぞ 〽エヽありがたいそのおことば それにつけても こちの人きづか はしいはお花が 身のうへ〽ヲくどう りじや〳〵〳〵どうぞ □□□□□□□ たづねだされぬやう そなたもめいどで いのつてたも〽お花が事もそれ がしがよきにはからひえさすべし 刀のせんぎも身がやくめ心のこ さずじやうぶりおしやれ 京山作 ⑤ 英泉画 代四百文 〽ヱヽうれしやありがたやくり太は どこにしなでまはせば〽かゝさまが しなしやるのはいやじや〳〵トなき わめけば〽かはいやのふトいだきしめ きのはりゆみもつるきれてさすが 女のしもばしらきえて はかなくなりにけり 傭書蓋庭晋米 10493 おほし 京山作 英泉野 京山作文政 年酉春 及婚眉後編 英泉画 錦森堂寿梓 四四 ○こゝに又半七はお花が命を たすけんためよんどころなき かけおちのおちゆくかたも あらざればそのよ七里が はまよりのり合にて 一夜のうちにかづさへ立 のき平目村にてこのしろ 伝足といふりやうしは 村でも口きく男女房 おはまはお花がうばの むすめにてちきやう だいのあねなれば 久しくたよりは なくとも見すても せまいとてやう〳〵と たづねあたりかどぐち からおとづれければ 伝参とおぼしくとしは 三十四五てつふりとした 大男ふたりを見てやしん がほ〽おまへがたはどこから ござつた村のまつりの ① 毛氈 齢 やとひの しゆから いへばお花が 〽いへ〳〵 お内 おやうと なら ちよつと あはせて くだされ ませ〽コレ おはまや おのしに あはう お きや 次へ 申ましたやれ〳〵おもひもよらぬ事まや〳〵 申ましたやれ〳〵おもひもよらぬ事 こちへモみおまへもこちへ〽はい〳〵トすねにき きずもつ半七がおづ〳〵あがるゐろり のはた〽モみこちの人きのふも うはさのお花さまでござん すはいいふ〽そうであつたか だうりてそうつくしいと おもふた此ごろは村の まつりのしたくさいちう 太夫やうをどりこやう それできのふもあなたの 〽あいトへはじもしりがるに立いでゝハイおまへはどなたで ござりまするへ〽わしや刀やの花じやはいのふ〽ツヽお花さか これはしたり大きうおなりなされたゆゑとんとお見ちが人 おうはさいたし 十一日 ましたまア〳〵 一 ゆるりととうりうしてござりまし 〽モミとちの人やうすありそなおみちづれ お花さまどうしたわけでござりますト とはれてなんとあいさつもあからむお花を 見てとる伝王へ〽コけおはまやぼをいふな れつきとしたむすめごがわかいお人と 〽刀やとき右衛門さまかづさ 平目村伝兵衛トうはがき よんで打うなづきふうじ おしきり 一とりいそぎ 候間用用 のみ申上候 お花さま 御事 半七 どう〳〵 にてせる 私方へ 御出 被成 候間 御とめ 置候 そんじ 御あん じと 候ゆゑ とり あへず たゞふたりやうすはあとでゆつくりしと ほかへはもらさぬかやのやねけちなやらうが やせぜたいはしらとたのむお心ならいよりおろしたひがきふね おきづけへなされますなトいとたのもしく見えにけり ○それはさておきこゝに又嘉田木弥九郎八 お花がゆくへあちこちと いゐをまはしてたづぬれど ありかしれねばやけ酒に むせうとかよふ大いその あそびがへりのもんげんを 御しらせ 申上候 くはしく 御は いそいできかゝる よるのみち こなたも いそぐ なし 申上 るゝ めでたく たび人が しや つきあたりたる おかきま むなぐらをとらへて 御かもじま はなさぬべく助がてつぺんごりしの はまゟトよんで たいへいらくこなたもきかぬ百せうの りくつでつめられべく助がにぎり こぼしではりまはせばたがひにむやみのさんにわがやをさしていそぎけり こぶしではりまはせばたがひにむやみの つかみあひわきに見てゐる弥九太郎 ひきやくがおとせしそうとりあげ につこり弥九太郎〽こりやよい ものが手に入たべく助こいトいつ さんにわがやをさしていそばけり ○こゝに又お花半七は伝兵ふう ふがたのもしきしんていに次へ 尾花 つゞき心おちつきこゝにあしを とゞめけるがよをしのぶ身 なればとぼへもいでずふたり ひつついてゐるはもとより のねがひ月もる のきばも 玉のうてな とたのしみ けりさてある 日あづまより 竹本ごみ太夫とて ふうふづれのゐなか かせぎこのしろ伝 参は村で口きく 男なればやど かちのさしづにて ちかづきにきたり けるがおはまがそばから 〽モシこちの 人さいはひ の太夫 さん かのお ふたりへ ① 〽あい〳〵らいげつは 村のまつり 丁どよい ゆるりと あそんでゆかし をりじや 〽モミこちの人 ちやでも しんぜて くださんせ 〽わたくしは竹本 ごみ大夫と申 かい 御ひい きをおね がひ申 ます おわかい なぐさみがてらばんに いちだんなァ申し〽いかさま こりやよからうほかのざし きへさしあはずはばんに きてはくださるまいり 〽はい〳〵それはありがたう ござりますト心の内では まづ一つざしきができた とよろこんでこしのひく いとあいきやうをない まぜにしたなはのれん くゞつてふたりは かへりけり ○ほどなく日あしも夕 ぐれにはまからすた〳〵 わかいもの〽コレおやがた こんやは上るりがあると きいてたいが三まいひら めが二まい次郎三がふね かちおくりものじや 〽ヲゝこりやきのどくじや 次へ かはゆ おないぎ 〽母さま わしや もう □□□ 見へぬ 〽コヽ にやく いかに忠 義が したい とて□□□□□ 四月 一九 としても ゆかぬをさ な子をころ すは鬼か まへのつゞき 本文じやよいのふ ばんにはみなものみに 四日お花さまもたゞ ならぬ身の上いかさま よめにもゆかれまい したがわたりをつけるも きやれ〽コヽきますとも〳〵ト どや〳〵かへるを見おくる伝兵へ 〽お花さま半七どのト一 アカアニ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ られて 二よびたて なんど の内 たち いづる 半七 お花 伝兵へさしより 小ごゑにて〽コレ半七殿 やうすをきけば㊂ 〽おやかた又 酒がきました のめるは〳〵 さきは武けがたかけおち のそのあとでとぎ太郎 しづかに どなれ上るりのじやまになるはへ さま御ふうふ御なんぎは しれた事今となつては かへらぬくり事それもまゝよ さしあたつてわしがりやう けんはまアかうじやとはな しのなかへかど口から〽おや かたうちにかばんには 上るりがあるげな仲 はまのわかいしゆから 酒が五升とあはびが 七つやつともつてきま したこゝへおいてゆき ますぞや〽こりやきの どくじやよくいつてくりや れよばんにはみんな のみにござれと 五郎又おやぢにも いふてくれ〽あい〳〵 いふてくれ ばんにきませうし すた〳〵はだしで いでゝ行次へ 十九 尾崎 つゞき伝兵へはかど口〆てお花に むかひ〽そこでお花さまわしが りやうけんといふはまづなかうど のわる井しあんとやういふいしや どのをころちへだきこみとつくりて のみこませてトはなしのじやまに かど口で〽アヽこゝじや〳〵べらぼり づらめなんぼ日ぐれじやとてかど ちがひすなやいと大夫ふうふをつれ だちてせわやきおやぢのがんぜう もの〽おやかた太夫がきましたトかど ぐちをあけさせてあたまで あけるなはのれん 伝兵へかへと見る よりもあごで おしへて なん 両人を どの 内へ 入れ にけり ○これより大せい 打よりてゐろりの はたのさはがしさ 〽サア〳〵 すいものが でき たよ つかみりやうりにすり ばちのがら〳〵ものゝ よりあつまり大夫 ふうふはいひ合せ さしみにうしほにぬたくたと こんやのぎし きで ひやう ばんを とりさへ すれば 二〆たものあぶか をのせてあぶらや おそめおのしが さみせんわす れたなら れたなら やたら むせう てつぱうば いろばがよいと ゆふぎりならき 是を ㊃くどきからかた らふぞやながまち 女はらきりの 三の切でなかさ にやならぬと せうじをよこに ゆか本を上手 めかすもふと ざほのてうし あはせば大ぜいが 竹 きたみたてて ゐたりけり ○大夫はあせをながし つゝだん〳〵かたる三の 切せどのかよら なきいだしかんに たえたるおにころし おにのやうなるうで こきもじたいのくせ のなきじやうご どてらのたもとを ぬらしけり 事もあるもので ○かくて上るり もすみければ 〽はてな女の はらぎりは わたしも のむから 一つあがれ 一さや〳〵〳〵 ちや わん で そん そん なに のめるものかな わたしはなんだかふら〳〵するやうだ みな打よりて さけになり しばらく ときをうつし けるがわかい ものちは 伝兵へを きぶさがり これから 五郎三人 おしこんで のみなほ そう 大ぜいが 辰十一 じつしてをつとのなんぎを身にひきうけ 女房がはらをきつたとやらついたと やうその内が刀やそうながいかさま きつい女もあればあるもの武士も なか〳〵およばぬ事とかまくらぢう でのひやうばんでござりますト大夫が はなしを半七がふつと立ぎく心の内 ○いつぞやひきのおやしきから おあづけありしめりやう丸もしや それがふんじつしてはらもなか〳〵きり かねぬおさやさまその内が刀やと大夫が はなしはきにかゝるとひとりあんじてゐたりしが あんじさするもゑきない事トお花へも 伝兵衛へもそれとはいはず半七は ひとりあんじてゐたりけり 作者曰此所へ一寸御ひろう ○あとに大夫がせじばなし〽モシおやかたこんどかまくらでめづらい事が ごぎりました今かたつた女はうしおやかたこんどかまくらでめづらしい事が ござりました今かたつた女はらきりない事でもござりまぜい事が ところはたしかにきゝませぬがよいしゆのお内衣そうなが ていしゆがあづかつたたいせつのひとこしそれがふん ▼ためしこゝ かみたるな 妙薬なり 此度江戸京ばし 申上ます 京でん 見せにてひろめ候 小児長生丸と申御薬 一包百銅半包四十八銅右はさる御いいし様にてとし久しく せやくにあそばされ候 所あまりきめうの 御くすりゆゑ御すく め申上候てうり ひろめ申候此丸 やく御用ひ被成候へば むしのくだる事 ふしぎ也子どもの時 はらのむしをくだ さゞれば生長に したがひむしも同 いじく大きくなりて たいていのくすりでは いていのくすりでは なか〳〵まはらずさま〴〵 のやまひをなしてこの むしのために命をとら るゝことまく御ざすよし 右の長生丸を用ふれば いかほどのむし也とも たゞちにくだるか又は 腹の中にてきへいか程 むづかしき五かんにて うすがみをへがすがじも いろつやよくたつしやに なる事あまた▼ 江戸京ばし京でんみせ にて此度うりひろめ申候 かんすいせきにてせいし候 べに入ごく上むるい 御はみがき 一ふくろ 京羽二重廿八せん 五十五 へおやいや 尾花 ふるはせてしやくりなき〽アヽこれこながたかい そんならやりすをはなしましよしさやへおさめ て下へおき〽コレお花さま此ひとこしはおまへも 御ぞんじおやだんながとのさまより次へ 右御ひろうの長生丸むしにて御こまりの 御方はこゝろみに御用ひ御らん可被成候 むしがくだり候とてくだしくすり にてはけつして御座なく候 ○かくて次の夜伝兵へふう子はるすにて お花がすや〳〵ねいるを見てそつと ぬけたる半そがすゞりひきよせ伝兵へ かたへかきおきをのこしおき用 いのひとこし手をかくれば 〽それまつたトしがみつくかほ 見て半〽ヤアお花さまいつの まに〽よひからあやしいおまへ のそぶりねたふりしても ねつかれずむしがしうせる むなさはぎなんでしぬのじや はらきるのじや〽やうすはのこう ず此かきおきはなしてころして くだされませ〽いゝやはなさぬころ しはせぬやうすをきかせて〳〵ト身を つゞきおあづかりのめりやう 丸でござりますはいのふ 〽ヱヽトお尻がびつくり ぎやうてん〽サヽ御ふしんは もつともおまへをつれて にげるとき男のたし なみさしてゆけとわたし たもまつくらがり 〽わたしもそれとは心 つかずまつくらがりのぶん こぐらあたふたあけて 手あたりしだい〽そうで あろ〳〵七里がはまののり あひぶねくわいちう ものやくしかうがい 小ぶろしきへつゝむ時 おまへのかゞみをつゝんだ ふくさこれさいはひと 此ひとこしつかをぐる〳〵 つゝんだもまつくらがり そのまゝこゝへついた日に もしやとおもふ心やう 伝兵へどのに一トこしを とりあげられてゆふべ までとんと心はつかざり しがゆふべ大夫がはなし をきゝけさ又太夫がやがやがやがやが たづねきけばきくほど ちがひなくおまへとにげた そのあとで此ひとこしが ふんじつとてとのさまへの 申わけおやだんなの身がは 〽りにおまへのはごは○は○は○ はらきつてしなしやりました〽ヱヽト びつくりさしこむしやくうんとばか りにそりかへれば〽コヽもつともじや〳〵 しトはらきる事は打おきてゐろりの どびん口うつし〽お花さま〳〵トよび しいかせばかどに立ぎくさむらひ両 人たがひにうなつきみゝをつけ なほもやうすをうかゞふとは内では しらぬ半長が〽コレお花さまお心が つきましたか〽ヲヽ半七かすりや 母さんは此めりやう丸がぶんじつ したとおもはんしてそれでおはて なされたかいのうつぎへ つぎしそのぬすみては 此お花いひわけは めいどでするなむ あみだぶつトひと こしに手をかくれば半七 同様 あはてゝおしとゞめ 〽母ごさまはおやだんなの 身がはりに女のはらきり わしはまた女房とおもふ おまへの身がはり男の じがいとかくごのかき おきさらばでござる お花さま〽イやわたしが 〽イヤわしがトあらそふ 廿二 半そお花〽そのありがたい お心にうつてかへたる 二かならずともにはやまる まいそトすぐなることばに われ〳〵が申し わけなき身の いたづらめん ぼくしだいも のござり ませぬ 〽なんの さたなし こゝで あふたは 〽さやう ならば ならば めりやう 丸はあな たさま 〽ヲヽサ とのさまへ 〽ヲヽサお花が てサお花が ふしぎに手に 入しをよぎに かどくちけはなして〽しぬ むこさまね九太郎さまめんぼく ないしふたりはうろ〳〵〽アヽ これおどろくまいわいらふた りをきりにはこぬまゝとつ くりとしたにゐや 〽ユレ半長お花を いれて立のいたは さだめてこれまで ふかいなかそうとは しらずゆいのふやつ たはお花が身のうへ あらひぬかぬこつちの ぶねんおれさへひとり 内せう事それとはちがひない すゝぐだうりふたりはいのちながらへてめでたくしう にはおよばぬ両人まて〽ヤアあなたは かんにんすりやなみ風たゝぬ せうですましがたいはそのひとこし めりやう丸をせんぎせよととのゝおさしづこれ なるあなもりかに蔵もろともたづねてありへ なるあろもりあはせしかだ口で立さくしたは神ほとけのじて ひきあはせめりやう丸をお花が手よりさし上ればおやのちじじよくを ひきあはせめりやう丸をお花がねこてめでたくしうげんするやうに すゝくだうりふたりはいのちながらへてめでたくしうげんするやうに とりなしいたすで あらうそれに 一つけてもお花へは あらためて身が さる状せうやかた にてわたす ほどに半七は あとから かに蔵 おきやれ さらばじや きやれ 廿三 ぞしめりやう 丸をたづ さへて たへて ゆう〳〵として いでめきぬ ○かど口はな れてかに蔵が 〽モシわかだんな ふんじつしたる めりやう丸 つぎへ 尾花 鹿児島 〽ハ二ノぼをいふなふんじつに きはまつためりやう丸 手に入たは天のあたへ おれがほつぽへおさめるのよ 〽それはまアきこえたがいつ ぞやおまへが手に入た伝兵が ひきやくの状それで お花がありかゞしれふたり のやつらをぶつぱな つゞきし半七がもつてゐやうとは神仏でもしります まい〽されはさふしぎに手に入る此ひとこし シテとのさまへおあげなさるのでごさりますか そふとてはる〴〵と しのんできたかひ もなくさる状 までやちう 大勢 とはあんまり いくぢがござ らぬぞへ〽そこが 一けいりやくはかりと 半長をぶつばなしめりやう 丸をふんだくりお花がくちへ どのよな人でもわたし らふたりを こちうじたら もやくや おはらも たつはつを さりとては いうなおがた 〽くモンお花さま だいふ風がかはつ てきた見るかげも ない半そより れつぎとした いやみのない おさむらひ さまいつそ はじめへ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ もどし よめに おいでしされまや 〽ヱヽモ半七のなにいやるりんぎ ところじやないはいのふめりやう 丸のひとこしをわたしが手から 手ぬぐひおしよい かついてゆぐはこれ までいくらもあるてな しゆかうそこをいち ばんひねつたのはおよ よればいへのためじやと半七が ねがふはもつともさいはひ でふねも半七がさいかく したとだましすかして ふねへのせればこつちの ものなんとかに蔵 きついか〳〵〽なるほど こりや妙けいじやが お心のよい弥九太郎さまあんなおかたとはおもはなんだ ばずながら作者のこん そううまくゆけばよいが おもしがてからめりやう丸をさし たんさる状やると半七を庄やのとこまで おびきだしみちでばつさり人しれず あとへまはつてお花をよびだしどうして見ても ○かくとはしらぬ半そお花弥九太郎があとみおくりて むねなでおろし〽やれ〳〵うれしやお花さま日本ばれが したやうでござりまず〽さればいのふみかけににあはぬ でも母さんへちつとは さし上ればくさばのかげ わたしが申わけ 〽いかさまなァ しらぬ所の ぶつだんでも せんかうたてゝ くだされませ あつちで 風のかはら ぬうち ついひと はしり さる状もち つてまゐり ましよ伝兵衛 がもどられたら やうすのこらず おはなしなされと 身づくろびして 半七は庄屋が かたへいそぎ けり 廿一日 ○こゝにこのしろ伝兵へは女房を つれてはまづたひわがやへ もざる よるの道 二つかこの小ものがたいまつふりたて〽モシおやかた さかなのおほい此村でおてらのふるまひといふものは あぶらげづくしの茶めしとはよばれてめいわくしかしあの まんだらはありがたい事でござりますなァ申しおはまさん きればいのおそしさまはありがたいトはなしてきかゝるこな たのよしかげ〽ヤレ人ごろし〳〵ト よばはるこゑに伝兵が はせこれは うしろより さしだす たいまつ 見ればあや うく半七が しらはを くゞるをおひ まはすかに 花を伝参がはせ ころてかたさきとか よと見えけるが 手まりをなげるごとく にていそべざんぶと なげこんだりかへし見る より弥九太郎 あとをも見ずして にげうせげり ○ヤア伝参 どのよい所へ 〽アヽ半七どの あいらふたりのさむらひは おほへがこんずか〽ヲヽあるとも〳〵 けがもなくてよかつた〳〵〳〵 尾花 まへよりさきへ にげたはありや おはなし申た弥九 太郎でござります 〽アくきこえたそれで こなさんを○はて あやうい事でごん したなア〽ユレこちの 人それではお花さまも きづかはしい〽なる ほどさうじや きがかはしいと しりひつ からげて はせめき けり 〇弥九 太郎はにげ さりしがこかげに かくれてやうすをうかゞひ かのたいまつのだん〳〵に とほくなるを見おくりて こは〴〵あとへ立もどりほし あかりにあちこちとか仁蔵を さがしけるがかに 蔵もやう〳〵と岩を つたひてはひあがり たがひにこは〴〵すかし 見て〽わかだんなか 〽かに蔵か〽しヤモウ てひどい目にあひ ました今のはたしかに きゝおこんだこのしろ 伝兵衛兵衛 〽さればさわるい所へ うせをつて半七めを をしい事〽わかだんな まんまとうまくいか なんだモもこゝにはゐら れませぬぞへ〽よにげに するも口をしいがありか さへしれてゐれば又かさ ねておもひがけなく手に 入ためりやう丸をとくに して今からすぐにふねを やとびひとまづやしきへ 〽そりや上ふんべつこればかり今まくゆりうトちんば ひき〳〵よい〳〵がふられていそぐぬれねずみぢごく おとしをのがれいでひよろ〳〵としていそぎけり 十一 かどの口お花は半そとおもひ〽やうすはどうじや 半七とかど口へ立いづれは〽ヲヽお花さまか モウ大にあんじてかけつけましたじやう すをかたればお花はびつくり〽すりや 庄やでさる状やるといふたはいつ はりであつたるしありし事とも ものがたるにはや半七おはまも かへりきたりて半七が〽コレ 伝兵へどのさいぜんあいつ ちがわしを手ごめにした あとにおちてあつた此一つう 水にぬれてよめかねるじ さしいだせば伝参が 〽さいろひこゝにト 火ばちにて お花おはまが とり〴〵にほして ゐる一つうを伝 兵衛がさしのぞき いくたか〴〵とよみあぐる そのぶんに○此たびそのほう ○かくともしらず伝参はお花が身の上きろかはし はしくいきせきかへる ○かくともしらず伝兵へはお花が身の上きつかはしくいきせは おや子 のさいかく をもつて かく それがく かねか いこんある ひきのはん ぐわんを ふじのゝかり ばにてせつかい 可申けつこうしう ちやくせしめ候しゆ びしだいわうごん 百まい近じて申候 ひきのかとくは乙 若へ申つけそのはうは こうけんたるべく段 のぞみのごとくとり もちて申候かぢ はちかげたか 嘉田木弥九郎 兵衛殿次へ 七一 辰亥 つゞきおなじく弥九太郎どのト すんで伝兵へ打うなづき〽半七 どのコリヤよいものが手に入た それにつけても今お花さまの はなしできけばたいせつなる めりやう丸のひとこし弥九太郎へ わたせしとの事とのさまの おさしづにて力のせんぎと いふたはいつわりいつぞや おやだんなへお花さまの事を おはなし申せしひきやくが はなしにさむらひにゆきあたり そのとき状をおとしたとわしに わびをいひましたがそのさむ らひが弥九太郎でおふたりの ありかをしり〽いかさまそれで 此半そをコヽおそろしや〳〵 〽をりよく丁どこちの人あやうい 事でござんした〽わしがかへりが おそいばかりでめりやう丸を わたしたはざんねん〳〵しかし 此一つうが手に入たは半せどのゝ しゆづせのたねめでたくおさ まるお花さまの身の上も 此伝兵へがむねにあるそれに つけても此一つう半七どの だいじにもつてござり ましト半七に わたしおきけり ○かくて次の日 伝兵衛がなかたの りやうしかぢ作が 女房おなみ 伝兵へかたへ きたり ① 二 〽モシおはま さまおやかた さんはおやどで ござりますか 〽あいこちの人は次へ 犀川 つき今なんどでひるね してゐやしやんすがなんぞ 用でも〽いやほかでもござり ませんがけさのあさしほに むすめがいつものあはびとり うみのなりて。此ひとこしを ひろひましたがわかいしゆ のはなしできけばゆふべ よふねのわたしをだせと にたりのさむらひしゆが いきせきいふてわめく ゆゑあやしいやつかと わかいしゆがふねを ださぬがけんくわ となりふなばで 大ぜいやつさもつさ そのさはぎに さむらひが だいじの刀を おとしたゆゑ うみのなかを さがしてくれろと おかまゐばかりされども はじめのいかつさにわかい しゆもよはこひだと さがしてもやうなんだが おむすがひろふたその刀は おほかたあのさむらひが おとしたにちがひない ひろひどくにしておけと みなさんがたは いはしやんすが どうやら きみのわるい ひろひもの そうだんに きましたト そばできゝゐる 半七が〽まアその刀 見せ給へトぐる〳〵まいた 見てびつくり〽ヤアこりや 弥九太郎へゆふべわた しためりやう丸 〽そんならおまへの ふろしきをとくまもせはしく 〽アイのふこりやわしが しよぢのひとこしで ござりますとはなしを かどで立ぎく両人 それたさりやこれとのゝた 四弥五郎ずつといり〽おれがものとは大 それたヨリやこれとのゝた ものとつちへ わたせしもを かくれはもつて きたりし女房は きもをつぶしてにけゆきけり 半七刀をはなさばこそ引ねん 太郎どのさる状なるとわしを だましようも〳〵ころさかく い〽ヱヽやかましいかたなをわたせト かに花もろともつめこそれば なんとの内より伝兵がとんで いでふたらがゑりくびかいつかみ ゆふべのゝねなみにこりもせず 此またうせおつた なまりぶし 半七どのを 心なんとする なんとする をかつほじつても とはしれた事 半七はま男だは そのわけいふて きかさうみのあな よつく 牢 きけ身はかまくら にてひきのはんぐわん のお身うち かたき 弥九 太郎 あるいふ もの お花に ゆひのふ やつ たれば そひねは せねとも 身が女 ばう お花を づれて にけた 半七 ㊃武士を立ぬくめがたきうち ずた〳〵にきざんでもつゞき 彫花 御しゆじんはんぐわん どのよりお花が おやとぎ右衛門へ ちゞきてんのうちてはあるまいがな また此めりやう丸は身どもが おあづけ し ひとこし ふん じつ して せんぎ さいちう見付たゆゑに 半そお花からめとつて ゆくはづを見のがすは 身どもがなさけ その半ても お花めも かくまひ おくこの しろ伝 兵へいぬの やうにかつ つくばつておなさけ 廿八 おやこのなのりいた すべしのちのせう こに此一くわんをわた しおくとひきの おつきの 〽おいへにつたはるけいづ 御てづからうつし 給ひしをかの女中に 玉はり女中のざい しよでやす〳〵と うみおとしたは すなはち此村 かはいや女中は さんごのちの みちついにはる なくなりしゆゑ きよねんしんだ わしがおふくろかは いゝ事だとせみをやきかの 一くわんをあづかりおき半七さまをきと にやり七ツのとしまでそだてしときはん ぐわんさまの世となりてやれうれしやと おもふでもへいけをほろほずいくさ事で はんぐわんさまもおくにはからあきものゝ ものゝで又四五年とはなすをきいて 半七が〽イヤ申し伝兵どのわしはほん おじひとぬかすはつを 半七をなんとするとは 身のほどしらぬ かとんぼやらう サア伝兵衛 らい玉川うまれ〽はてその国川で おそだちなされたがさとにおいで あそばしたおやのさいしよ○それ かちをりもあらうとてしの ばせ申た手代ぼう こう半せさまにも お花半そに なはをかけ ひとこし もろとも わたすまいかじ りのたうぜんに伝えもしばし しあんのていなりしがから〳〵とうち わらひ〽しらぬ事とはいひながら 半七になはかけろとようまアその 口がまがらぬな部半七さまをたれ じやとおもふわいらがためには御しゆ じんじやぞ〽べらぼうづらめ刀屋の ねんぎやらうがごしゆじんでたまるものか 〽いかさまそうおもふはもつともごしゆじんさまの ひきのはんぐわんさま御へやずみのをりからおゆとのゝ 女中に手がつき身もちになりしときゝ給ひ大とのさまの 手まへもあればとやどよりいとまをねがはせずいぶんだいじに うみおとせもし男なればわがよとりなりときをえて わけいふてきかそふ今からは二十二ねんいぜんの事 此ことをちつとも おしらせ 四申さぬは 半七さまを 〽おもち 四十六日 のゆいけん 此度ひき ふのおいへの たからめ りやう丸の むつるぎおもひ もよらず 半七さまの 〽おかねにのりしも ふしぎのひとつ 此上はめりやう 丸のつるぎを半七さまから とのへさしあげつぎへ 毛花 つゞきひきのけいづの いちくわんをせうこと なしおやこの おなのりさせ 申せば半七 さまはわかとの さまわしが 母のあづかつた けいづはすな 四 打つれにげゆきけり半そはいふかしく〽コレ伝兵へどの がてんのゆかぬ今のはなし〽ヲくそのはづ〳〵ありやみんな 大のうそじやはんぐわんさまのおとし だねと口からでしだいまこととおもひ 〽デモけいづの一くわんは〽ありやわしが せんせんせんせんせんせんせいのかた りうのいんかの一くわん やお入あるにまもあるまいそのせつはあらためてふたりのものへおもえ をまづ此ばをばひとまづおいとま〽はい〳〵それはありがたいトふたりは はちこれ けいづと見せたも こゝに下 ぶつだん □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ やつぱりきやうげん まんまとしゆびよく のひき だしより きる水を 一つしめ にしきの ふくろに 入たる 一くわん それから はけん はいけん 仕れと見 すればおどろく 弥九太郎かに蔵にはかに 両手をつきあきれて 〳〵 ○かくて伝音は 半七お花をつれて 刀やへきたりくはくやう いるぎならびにはんぐわんどのを かいせんと弥九郎兵郎兵衛 とすをものがたりてめりやう丸の おやこがたくんざる せうこのいつ こつうをそくて ことばもなかりけり 弥九太郎うや〳〵しく 〽それとはそんぜす 御しゆじへぶれい のだん〳〵まつぴら 御めんくださるべし したゝみへあたまを つけければ伝兵衛 一かさねて〽此うへはお花 さまは御しゆじん さまのおへやさま それでも女房に する心か〽なんの〳〵 もつたいない 〽しからばさる状 さア〳〵トすゞ りとかみをさし つくればいつくも いでぬ三くだり半 〇これでごめんくださり ませトさしいだせば伝兵衛 かけとり〽これでよし〳〵 此うへは何事もたがひにさた なし半そさまはおやかたへや しつごと四郎 左衛門をもつて ひきの やかたへ さし上 ければ 嘉田木弥九郎 参おやこの あくじたちまち あちはれて両人 ともにしけいせられ半七 ともにしけいせられ半や にははんぐわんどのゝ お命をすくひたる 御ほうび として あまた ふちをたま はりければ 刀やとき右衛門 がむことなりて 〽お花とめで たくしうげんの あくにんほろびてぜんにんさかへ ばんにおぎやア〳〵とお花が あんざんはかねて身もちゆゑ あんざんはかねて身もちゆゑ とめしろ伝兵へ事はしんかけ のたつじん也とてあらたにめしいだされ一 三十了 □□□□□□ 画泉 つきめでたきはるをむかへけりめでたし〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵 作者目吉れい相かはらず江戸表はし京でんみせ口上合表通ヲや まつたり○とくしよ丸ならみなさまがよく御そんじ一つゝみが 一匁五分第一もの覚をよくしねぶりをさましじんをやしろひ 大人小児つねによはき人用て妙也とはうそではないぞ〽わかし 糸でんがみせの口上も久しいもんだだれがよんでみるものか ひいきだまつてゐさつせへくさぞうしでくすりをひろめるは京傳 のとくしよ丸がはじまりだは三十年さきからひろめるくすり だからたれしらねへものもねへそれだからやくしゆ極上を用 ゆるかちきくみちがいゝはづだたつといおかたさまもめし 上るとてていしゆもありがたがつてゐるそうだ合巻通ちげへ ねへ〳〵むかしのさゝにくすりのひろめは一ツもねへくさぞうしで ひろめるとはいゝあんじたぞ但者日しまことにありがたい事で ござりますたつとき御方さまの御用にも相成まするゆへ せいほうもきり火を打てそまつにはひたしませぬひいき そうだらう〳〵あらひこやおしろいのひろめはどうだ〳〵 合巻通仙女香のひろめもたのみやすに姫者日京でん みせにて十三味くすりあらむこ水晶粉一包一匁二分第一 いろを白くし一度用ひてきめをこまかにする事妙也やけど きりきずすりこはしにも用ひてぬでござります○匂ひ 入極上おしろい雲のうへいろずりたまや入一包車四せん ○あくぬき上さらしゑりおしろいげいしやかう五十六せん 粉おしろいはつかぐさ三十二せんきりきずてきもいゝぬ薬 天かうノ三十六せんこれはよほどき妙なるこうやくなり こうのり用てしるべし○江戸京ばし南てんま町三丁目稲 荷しん道坂本氏御かほのくすり仙女香一包四十八せん 所々に取次ありき妙なるとうのうありめでたし〳〵 青田原原原吉 ⑥書粒正齋米 堂森錦橋 版堂森錦 阪新春初西春新春初 《題:初曲《 曲亭馬琴作 じやうちやうじやのはち 歌川国貞画 同じ 山東京山竹 姫萬西長者鉢木禽飛 修行金の草鞋十七編十返合一九作 此本は小田原道にごんげん参詣の記并に箱根七衛 ぬ々の消社有郷のしまかまくら金沢大師がはらはね田 へんても其道左の意所古跡をへめぐり狂士弐人 にてしやれわらはするおかしみ第一の書なり 浦里あけがらすゆきのそうばみ 明烏雪惣花舎斎 〇金のわらじ先版目次 時次郎 東海道 ○初須江戸物記○二編 見物の記 ○三好 京大坂 二編 一拝見物 け見物の記 歌川国貞画 十返合一九作 とこくせものがた 手出金ひら 一四編 長さき迄 さき迄 木曽水 ○五編 みちのき ○六編 鹿しま 虎しめ つくは山 昔男癖物語舎冊 奥州道中 ○編 押しゐ見物 小奥州政若松 ○八編 一〇八 越後路 歌川国安画 いゝぶ札所 ○十編坂東胤町○十一編 順礼の記 西国三十三所 ○九丁 ○大蔵順礼の記 甲斐中 ○十一篇四 ○十二編 身地参詣 於花つきのまね 半七 山東京山作 つきのま物をばなのふり 片城眉尾花振袖舎冊 〇十三 ○十三 二明善光寺 浅草津八湯 同江十八ヶ所 ○十四編員ん給○十五丁 大し廻り ○十六編二十四はい 右は不残し欠出し三置候間御水御覧の上御評判偏に奉願申候 此本は不残道中くわしく案内になり 但し狂しやれ消然甘多く面白き忠也 渓斎英泉画 小雛 半兵衛 古今亭三島作 すみだがわひやうふはつけ 隅田川屏風合京全六冊 歌川国安画 地本 美艶花仙女香四十八年 綿絵 四十八錢 むかい御かほの薬おし 本問屋 江戸馬喰町二丁目 南伝馬町三丁目 かなり新道坂本氏一森屋治兵衛板元 □□□□□□□ 画泉 つきめでたきはるをむかへけりめでたし〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵 「作者吉れい相かはらず江戸亀ばし京でんわせ口上入り まつたり○とくしよ丸ならみなさまがよく御そんじ一つゝみが 一匁五分第一もの覚をよくしねぶりをさましじんをやしろひ 大人小児つねによはき人用て妙也とはうそではないぞ〽わかし 糸でんがみせの口上もかへしいもんだだれがよんでみるものか ひいきだまつてゐさつせへくさぞうしでくすりをひろめるは京傳 のとくしよ丸がはじまりだは三十年さきからひろめるくすり たからたれしるねへもいもねへぞれたかりやくしかくしを目 だからたれしらねへものもねへそれだからやくしゆ極上を用 ゆるかちきくみちがいゝはづだたつといおかたさまもめし 上るとてていしゆもありがたがつてゐるそうだ合巻通ちげへ ねへ〳〵むかしのさゝにくすりのひろめは一ツもねくさぞうしで ひろめるとはいゝあんじたぞ但者日しまことにありがたい事で ござりますたつとき御方さまの御用にも相成まするゆへ せいほうもきり火を打てそまつにはひたしませぬひいき そうだらう〳〵あらひこやおしろいのひろめはどうだ〳〵 合巻通仙女香のひろめもたのみやすに姫者曰京でん みせにて十三味くすりあらむこ水晶粉一包一匁二分第一 いろを白くし一度用ひてきめをこまかにする事妙也やけど きりきずすりこはしにも用ひて妙でござります○匂ひ 入極上おしろい雲のうへいろずりたとめ入一面車四せん ○あくぬき上さらしゑりおしろいげいしやかう五十六せん 粉おしろいはつかぐさ三十二せんきりきずてきもいゝ丸薬 天かうの三十六せんこれはよほどき妙なるこうやくなり こうのり用てしるべし○江戸京ばし南てんま町三丁目稲 立正齋米晋 } 木錦青松原市 版室森錦 輸送金錢鍍金金板 荷しん道坂本氏御かほのくすり仙女香一包四十八せんや 所々に取次ありき物なるこうのうありめでたし〳〵 □□□□□□ 版新春初酉 《振り仮名:「仮名:《振り仮名:仮名:〓記しむびしまら 曲亭馬琴作 方言 やうちやうじやのはち 歌川国貞画 同同 山東京山竹 姫萬西長者鉢木禽飛 修行金の草鞋十七編十返合一九作 此本は小田原道にごんげん参詣の記并に箱根七衛 ぬ々の消枕有江のしまかまくら金沢大師がはらはね田 一へんても其道左の意所古跡をへめぐり狂士武人 にてしやれわらはするおかしみ第一の書なり 浦里あけがらすゆきのそうばな 明烏雪惣花舎斎 時次郎 〇金のわらじ先版目次 東海道 ○初堀江戸物記○二編 見物の記 ○三編 京大坂 拝見物の記 歌川国貞画 十返合一九作 とこくせものがた 手出金 ○四編 長さき迄 木曽水 ○五編 みちのき 鹿しま 〇五十一 ○六編 □□つくは山 昔男癖物語舎冊 ○編 奥州道中 御押しま見物 北南条著松 八遍 ○八編 越後嶋 歌川国安画 らぶ札所 ○十編改東胤町○十一編集 順礼の記 同三田西国二十三所 ○才紙明礼の記 甲州中 ○十二編 身参詣 江戸八ヶ所 於花つきのまるを 半七 山東京山作 きのまゐをばなのふり 同城眉尾花振袖舎丹 一渓斎英泉画 善光寺 ○十四編廿八人孫○十九編三十八所 ○十二編 大し廻り 草津健 ○十六編二十四はい 右は不残委欠出し置候間御水御覧の上御評判偏に奉願申候 此本は不残道中くわしく桑内になり 狂哥しやれ滑枕甘多く面白き出也 小雛 半兵衛 古今亭三島作 すみだがわひやうふはつけ 隅田川屏風合京全六冊一 歌川国安画 美艶仙女香 包 四十八錢 地本 本問屋 むかい御かほの薬おしいは 綿会 綿絵 南伝馬町三丁目 いなも新道坂本氏 江戸馬喰町二丁目 かなり新道坂本氏一森屋治兵衛板元