寶壽玉岩井模樣

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柳川重信畫
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場所: 江戸
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柳川重信畫
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日本語
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丸屋甚八
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ホウジュノタマイワイモヨウ
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東北大学
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2026-08-28T18:53:25.651810+00:00
宝 高二時の 三日朝 画表 豊国筆 東西庵南北作 柳川重信画 上巻 天竺徳瓶 玉屋真瓶 一宝宝宝十二年 合くわん三さつ 六さつもの 文政四己春 新板繪草紙 梓正圓壽堂 覚草の教言を扮外顕に引 作者南北一 親孝行は我が子孫の為 悪と見せたる九十さんはヲヤ やつぱり善でありました 妬は其身のあだ敵 かへ玉屋の新でゑが服は 辰巳にあらぬ午小女郎 後悔は其前方の不案内 おいらんと見ておそれず 一傀儡女と見てあなどらず 奢者の末は世上の厄介 一小蛇丸の檜利は百負目の瑕し 月はきれた品川の六夜まち 家内和順は福の神の祭 心うれしき暦のげんぶく吉 いつも目出度伊勢の文通 回 越前の島大身実は 天竺登空瓶が一子 地境丸滝川登之助 といふたり 施の居風呂 さむしなく 一同一島菊茶屋月舟 十一 三丁 会 西中の 花 柳川隆 けいせいの傘に こびづく桜かな 四 千客寄来 汐見菴 花ふまぬ 為に 下駄はく 法師かな 小島はんくわん の息男辰若 丸世の して 鰒島 九重 良と いふ ○越前の町人玉屋 真兵衛 実は 小じまの 家しん 磯端 浪右衛門が せがれ涙の介 ○越前三国 のいふくん 小女良 実は こじま 小島の 息女 花ざき ひめ 四 回 魚婦んで 迯る女の 汐二丁 か 南 玄 東辞 三 きれ 〔 か ぢが ひるの いび きや 秋の ◎の 萩原 月の いそばた 浪右衛門 山島 入道の息女 初雪ひめ 同 同 ○小島 はん ぐわん 死 山島 入道 雲 させんしゃんで 言に 儀を す 玉屋 いまはむかしおうゑいの頃なり けりをきの国天わうじまと いへる所にかいぞくおびたゞし〳〵 あつまりあしかゞの天下をくつ がへさんとはかりたりそも〳〵 みかどのながされたまひし所なるが ゆへに天王じまと申なりそが上に みかどのめぐみをうけたるしまびとの すへもあるゆへやゝもすればあしかゞの 治世をうらやむやからおほかりき こゝにいづれのうまれともしれづ 徳べゑいへる者ありすこぶろぐん きはめ又一ツのめうじつをおこなうて ふしぎをあらはしけりされば此ふらぎの じつといつぱ然べゑそのいぜんとかいの せつなんふうにあふてゐこくにひやう 天わうじまといゝなせる所はごだいごの がくにひいでけんほうはもとゟ一りうを ゆだんを見すまし夜風の はげしきをさんわいにやき うちしてきん〴〵はいふも さらなり武具高貝まで うばうてさりぬねみみに 水の小島が一ぞくあわて ふためきやけたゞれて死する ものかずしれずたま〳〵いきる ものはうちあはさんともせず いのちから〴〵あげうせたり あまつさん小島のはんぐわんは すか所にきづをそうむり やうやくからめての山間に おちのびしがしんたいつかれて こゝにたふれふしぬどうごく 福田の城主山しま入道白雲は ▼小じまはんぐわんはやうやくに こうべをあげていふやうわれら 小ぞくとあなずりてかくのごとく ふかくをとり入道どのにおもてを あわするもめんぼくなし 小しまの家だんぜつすべきの ときにいたれりひごろふかん まじはりしよしみを思ひたま はゞわがいまはのねがひをかなへ たまへこにいめのとにいだかれ おちのびし七才の辰わか 丸をたづねいだしおし なひたまひ人となりし おちのびしがしんたいつかれて 上は将ぐんけへまきに かくとさくゟ小じまはんぐわんに とりなし小じまの かめいをふたゝびおこ ちやくしがま仙人にまみへがまの じつをゑてきてうしいろ〳〵のふしぎを あらはすゆへおろかなるものはなつき したがうてたれいふとなく天じく徳へゑと いみやうしてそんきやういたされたりしが いつしかいぞくのてうぼんとなりきんごく きんざいをなやますこと大かたならず こゝにをきはんごくのりやうしゆ小島の はんくわん安ときといへる大みやうありて すでに天わじまもりやうぶんのうちにて 然べゑがことをほのかにきくといへども小ぞくの 何ほどのことかあらんとなをざりにうちすてをきし じよりきせんと手のものを いんぞつしもみにもんではせ むかう山道のかたはらに小島 はんぐわんいたでによはりたふれ ゐるを見るより山しま入道は うまゟとびおりさま〴〵 かいほうなすといへども きうしよのふかでなれば たをかるべきようも なかりけり 一五 こそうたてけれある日てんぢく徳べゑは小島のはんくわんが ヱ させたまへトいふなり しだいによはる はんくわん やうやく 心をとり直し ゐるを見るより山しま入道はかたなをくわへて かたなをくわへて うつぶしにその うつたしにその まゝいきは たへにけり ごつとときをあげてむじむざんにせめたつればさしもの とぢくとくべゑたまりゑずげんじゆつやぶれてうち じにをぞしたりけりこゝにおいてふしぎなるはてんぢく 徳器が一子がま丸とし七さいにはみてさりしが大がまの はきたるにじのかけはしにのぼりすがたはこくうに きえうせたり入道はこれをあやしみらくじやう のゝちもかま丸がゆくえをきびしくせんぎ なしたるとかやさればいちじのうちにがまの なしたるとかやさればいちじのうちにがまの ぞくとをほろぼしたる入道が玉こう りんごくにかゞきすでよ武しやうより おんしやうとして小じまが吉よりやうを あておこなはれけり それより出しま入道はしそつをはげまして天わじまにおしわたり アヽたんぞく すべきは 小じま はんぐわん これまでは 此さうしの ほつたんにて こめゟ十三 ねんのせい そうをつみて はなしおこる なりへい きんの代と いへども武を わすれわづかの 小ぞくにいへを うしなふのみ うしなふのみ ならず世の人の わらはれぐさとなりし □□□□□□□□ 此ちじよくをいつか そゝがんのちのまきを 見たまへ これよりつぎのもんだんはれいの ごとくじやうるりのよみくせなり そがゆへになさりことばかなちがひ 又はかたかなにてよむ所あり いつとてもあたりはづさぬおくにが かぶきさんじきうづらきりをとし 山をなしたるけんぶつにあかねたな びくもうせんのさじきへなまめく 女中のひとむれともめづらしく次へ 玉屋 七時迄 みにて 入申候 以上 〽アレ あの しまの きものゝ 〽ワレ まつかな ぼうさんのこらろサ めのといくせはつまの萩原月のしんにむかひ〽ひめぎみのおんわづらひ のびやうこんはいつぞやしばいにて見そめし男より引いだし たる恋女みなればいかにもしてその男をたづねまいらせふたゝび 前のつゝき」「コレおふ〴ぐとのナント 此まくはめつそうにながひては ないかいのう手をならして見 まひか〽おうすどのじしたことが そなたのひゐきにさんすやく しやか此まくでゑらひあたり じやとてまくのながひをその やうにせくものじやないわい 〽ホン二マアおひめさまの御病 気御ほようの為とてはる〴〵 上京あそばしくのものみゆさん その上におやご入道さまはずいナ おかたでみやこにのぼりすいた とのごがあらばそはせてやろと の御ゆるし十二トおひめさま 此おほいけんぶつの中にすいた とのごはござりませんか〽まくの あかぬうちにとも〴〵いろさだめ ト見まはすむかうにたが目に もすいたすがたの女さ男むかし 男もくくまではあらじとしばし 見とれるそのうちにはつゆぎ ひめは恋かせのぞつと引たる上 気の耳とう目に見かはす顔 とかほしばしよねんもなかり けりそば小つきそうめのとの ふうふそれとさとつてとうがな とわたりに舟をしあんのうち けんわ〳〵トいふうちドこガラ まみゆることのあるならばこれにすぎたるれうやくは候まじトいふに 月もしんもその心がまへかねてありければそれゟ何をしるべとも なくひがらくちうらくがいたづねめぐりけりしかるにある日五条 はしづめにてゆきちがいのけんくわありけるをたちより見れば一人は しはゐにてひめが見そめしかも男なりあひてはろう人ていにていにてしるも 大男のいかつがましくなんぢも見ればふたこしをたばさむものゝふなり 何ゆへわらはにさやめてしてそのそこつをもわびずしてにげゆくは わがゆう気におそれしゆへかあしだをぬきてこうべをさげよと のゝしりてあくまでざうごんなすにかのやさ男はいかれるいろもなく コはゆるしたまへ此大雪にてむかうふゞき思はずのそこつ をしたり トいひすて ゆくをやうへ じとおほ 男はうら ろゟやさ 男のおび しをとら ゑてひき もどさん とするに やさ男は なにげな くあゆみ ゆくに引 もごすこと あたわず かへつてひ かれゆく にぞ 〽水とみがせめるト こんどはせつてヱ せつめヱひからずばなる つぎへつゞく ドントうちだすさいこのおを はまゆきひめはしばしさゞき をたちかねてさゞ一声五時鳥 くもにうしなふこゝちしかへ うちだすたいこをうらみわび たゞぼうぜんとりよくわんへ こそはかへりけりさればこれゟ はつゆきひめは見そめし男 にあくがれていとゞやまひの上 に恋のおもにをぞかさねたり 前のつゞき 大男はこんこう力を ぬきうちにきりかけしに からかさにてあしらふと見し うち大男はもんぜつ してそのまゝうち たぶれけりやさ 男は見むきもせず にこと笑らふて うちすぎけり そのゆうびなる ありさまむかしに いだせどもちからあよばず あまりのことにむねんがり やさ男はぬきあはしもせず たとふるものなく 月のしんはそのふる ふるまひにおとろき つゝあとをつけ ゆくに土手町 どふりの 大こく 町なる ひとかまへ のヱ 内に入りたり 月のしんはあんないをこひ 家に入りやうすを見るにわづか 下部一人をつかうて何さまよしある人の 京がくの為にかりすまひせしとおぼへたり 月のしんはれいぎをたゞし〽わたくらことは ぎらう山しま入道のかしん萩原月のしんと 申寸ものなりふといたせしことにてきみの御おもてを おぼゑ候さいぜん五じやうばしのけんくわのみざりも次へ 玉金 前のかきもしあやうくば じよりきつかまつらんと ひかへをりしにおどろき入りし きみのゆうもうかんずる にあまりあり御身もと ゆかしく御あとをしたひ ずいさんいたせしなり いづれのとのばらにて候や さだめて出やうじやうの 為にかる〴〵しくこゝに おわしたまふなるべし トいふにあるじはせき めんゑたるていにて〽ユは はづかしきことの御たづ ねなりわらはたうじの 名はたき川のぼりの 介と申スろう人なり おんみおきのくに 山しまどのみうちと うけさまはりてなつかしや わらはがちゝもそのいぜんは おさ半ごくのあるじたりと いゝつゝなみだおしぬぐふ にぞ月のしん入おどろき はるかせきをさがりて がうべをさげさては きみにはせんねんぞ この為にほろびし 小じまはんぐわんどのゝ みすれがたみ辰わか ざみにておわせしや わが主人入道はきみの 御ゆくすへをたづね □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ まいらすることとし ひさしもし せいじんに おわする ならば将ぐんけへとりなし入道が しりやうをなかばわかちて小じまの いへをおこざしめんこゝろねなり トいふにのぼりの介ゑみを ふくみ〽それとはしらずわらは 人となかにしたがい入道どもら はんゑいをうらやみしも 心はづかしきことなり此上は 入道どのにとりもちさのむ かげなきわが身の上を よきにはからひたまへ かしといふにぞ月のらんは ひざをちかくすゝみより それにはこよなき さいわひあり わが主人 入道のかしんはつゆきひめ いつぞや芝ゐにてきみを 見そめまいらせてより 恋の病ひにくすしはしるし なくせめては心やすめまいらせんと ひゞきみをたづぬるけふしも めぐりあふもみならずたつわり ぎみにておわするからはねがうても なきむこがねなりひめぎみの心ねを 玉屋 初 ふびんと おぼし たまはゞわれ らが手引に したがひたまへ ことばをつくし さま〴〵すゝむる にぞ いぎへつゞく 九 前のつゞき いわきならぬのぼりの介 ほく〳〵うなづきけりこゝにて 月のしんはたびやかたにたち かへりひめにことのよしをもの がたればひめはたちまち顔しよく うるわしく旱ぱつの池魚 いつてきのあめをゑたる 思ひなりさて月の しんはものゝついゑ をいとはず そくばくの したくを とゝのへ のぼり を いわら くわんへ かへ かば はつ ゆき ひめ ついには ゑんおう のふす かいろう どう けつ ちぎ り あ からず りにけり すでに ことをさきだつて八道のかたへしらせしゆへ入道もよろ こびひめもろとものぼりの介をくにもとへよびむかへあら ためてこんいんのしきをとゝのへむこひきでものとして いくにひめをく小じや丸のめいけんをわたしけるおり しもはるさめふりつゞきていけにかわづのすだく声 きこへければ入道はのぼりの介にむかひいうやういま おんみにゆづりたる小じや丸のいとくにてがまもようじつを くだきいちじにとくべゑをほろぼしたるもひとつに そのめいけんのほまれなり心だめしにそのつるぎをぬき はなしていけにがざしたまへさけるときは今なきつれる すまんのかわづたちまちなきやみにげさるべしといふ心ぞ のぼりの介はたちまちかんしよくへんじかへたちあがり 此名けんこそちゝが為にはあだなれわれ小じやまるをうば わんがために辰わり丸といつぱり入こんだりまことはとんぢく とくでゑがせがれがままるなりトいゝゝめいけんを口にくわへて 池にとび入りしがそのまゝすがたは見へずなりにけり此とき ひめはゑんさきにたちいで〽よしやてきにもせよかたきにも せよいつたん二世のちぎりをこめじ夫のいくすへならくの そこまでそいとげいてをくべきかトつゞいて池にとび入りしが 同じくすがたは見へざりけりかゝればつき〴〵の女中はいふも さらなり次にひかへしものゝふぢてんでにあかしたづさへ次へき } 同一 } 南西の方 さわぎさつる中にも 月のしんふうふは あわてさわぎてきやう らんのごとくたちめぐるを 入道はゆうぜんとして 人〳〵をせいして いふやうかくあらんこと かねてわがはかりし 所なりそのいわれ ものがたらんさき だつてがまのぞく とをほろぼし たるみぎりとくべしが 一子がままるひきの はきたるにじの かけばかしに のりこくらへのぼりしと 見たるゆへなほがま丸が ゆくゑせんぎなさんと 心をくだくにさいわい わがはつ雪ひめ己のとし 巳のつき巳の日巳の こくにうまれこと さらきじや〳〵の 相あるはこれおのづから小じやの せいをゑてうまれし女なれば しぜんとがまにつきまたふのどふり と思ひ娘をみ介こにのぼせこのめる 男あらばいやしくともめやわし 男あらばいやしくともめやわし くれとゆるせしにはたして娘がしきりに れんぼせるはがま丸に三へつゞく 一號恭唱氏の 以テ購入セルヿ四十一 「狛雪吉話 四十一 岩井 も やう 宝 寄 中巻 玉 前のつゞき「うたがうべくもあらずと今よいしも なまくらがたなをふくろにをさめうや〳〵しく とりいだし徳づゑをほろぼしたるにじや丸の めいけんなりといつはりてころ見ればがま丸 たちまちいかりのさうを あらはしがまの じゆつにて 水中に いるといへ共身ほつゝがなしこれむすめががま丸に しうじやくふかきはへびがかわずを見てみしどふり なればとふからずしてむすめが得にがままる ほろびんことかゞみにかけたるよりあき らかなりわれ思ふにがま丸様をつれて たこくせしとおぼへたりしかればまことの 小じや丸を月のしんふうふにあづくるあいだ とひ入しに むすめは 男を したい おな 水中 はなしわる ひめがゆくへを たがねがま 丸が首 うつて ▼ それはさてをき こゝにゑちぜんの 国玉江の里といへる 来るべしと ありければ月 のしんふうふは 入道がめいにした たびの がいさう〳〵に たびの したくを とゝのひ 所はみくにのはまより 長姫につゞきてくわいせんの 荷もつをとりさばくあきうど のきをならべたりその中に玉屋 しんべゑといふうとくの町人あり ほどにはげむかひありてしだいにしあがる そらさだ めなき たびちへ おも むきぬ 此しんべゑはろう人ものらせがれなりしが 今てう人となりてはのしめびざもまへだれに ゆみやはすてゝそろばんをはなすひまさへなき しんだいに花をさかせし 花むこはつきへつゞくし 巨金 御休所 千客万来 万来丁 王の美所 正徳 せけんの人のほめ ものなりけるさて 七月の廿六夜は月 の出三ばんみだ仏に あらなくといふて 此□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ するとてみくに のはまへことの ほかのくん じゆなり この日 しんべゑ は家の ばん とう 白八ふさそ はれみくに のはまべに いたりけるに けるに ちやへ〳〵のこう ちんはほしのことく げい子がつゞみ三味せん のおとはやさけひの 声にゑとしく いなかさぶらいのけん ざけくになにりの うたじやうるりに ものゝうつわをならして ぶひかうしの手をどり こなたを見ればゑだ まめうりに五れいとう うき世こはいろはみがき うりそのはんくわのあり さまいなか人の目をおど ろかすばかりなり白次は さきにたちて茶やに あがりしんべゑに況を すゝめよも山 のはなしの うちに 〽モシ わり だんな なんぼ おやど のおゑ んさんが すい な女 もす こしは おも ぢい □□ 此みくにてなだかい あさ田屋の内 なんとちよんの 間のあそびは とうじやと びらにすゝめ られ酒には そろ〳〵ゑひ かげてしんをに ほく〳〵 うなづねば あんない がほにて 白八が あさ田 屋の とうしの にうち いづるこかい 〽おるへたては わゝはし ついしたしん ぞうしゆ 此だん 明木はひす ばんの小女郎 さんが よかろこ げいしやも だいも だいも がつてんか 〽はい〳〵トたち 一ゆく間も なくさら づきだいおもはゆげに いりくるはみへに 一ばんのぜんせい 小女郎なり されば此小女郎は さとにならぶもの なき美くなり しが いかなる しゆく ぐわる のあり けるか きやく 〇〇〇〇〇 だんあ おかへり なされ ぬかト たび びやう ぶのな 〽かへ寸は いや 引〆 むる かり けり なら ぬはいと ど思ひ ますの ならひ にてあま たのきやく これが為に たましいを とぼしおび とかせんと日 をあらそふ て来るゆへ おやかたの為 にはかゆの なる木にぞ ありけるしる に玉屋しんがゑ は今てうらへと なりてもじん なりてもしん しんいやしからず男 ぶりは千人 にすぐれて みやびたり 小女郎ははつ のざしきより しんべゑがふさ かたなるふう ぞくになつみ ついにはけい さいのまごと をこらはし 二ツまくらに 二世のちぎり をこめほね なくば一ッに ならんの思ひ にひよくござ のかた〳〵はいた つらにひろきかやの うちとなりざしき の白八はこなたにひきえは いつとてもけいせいのせいの なりをおがむいろくろ 男むせらにたらく たはこぼんみちかゆ 夜にもながあらび 玉屋 〽七三ゑんさんこんどは ほかのきやく人をいれて きておくんなさいましヨ ほんにごせうであり ます 火の用心 〽あしたヨ モシ まへのつゞきし こくに白八は 〽おじやまかと おのれがざしきへ 又はいるしんべゑは おきあがり〽もはや 夜も明ぬらんとうみての れんじをあけさせら あたりを見まはしとこの 間にかけたるかけものに きつと目をつけ此一ぢゝは 微宗皇帝のゑがける 鯉のたきのぼりは日本に せいじんするうち めのとはやうひにて この女をさり たよりと思ふ あにぎみたつ わかさまはいる なるてんまが 見いれしや 大しゆをこのみ よからぬわざ をためしみ あまつさへ わかみはさん ねんいぜん 此さをへ うりわた されし されし なり さやとも かくいや かくいや かくいや しきなが れのふち にしづむ ともにじま のいへをおこ 〽そふも なりめる さんものを と神にいの り仏にちり いてたよりに なるべき人をもと めんとくる人ごとを 二つとなきめいよのちん ぶつこれをしよぢなす そなたは〽それをよく 御ぞんじのめまへさんは いふかほをつく〴〵見て しんべゑははるかさがり かうべをさげて両手 をつき〽見ればみる ほどおさながほの 見るにみないろにのみより くるうかれびとにてこれ ぞと思ふより べもなし さて此一ちくは いへのけいが なりとめの とのあたくし ゆへかる〴〵 うせざるあなたは おかくしあるな 御主人のひめぎみ 花ざきひめさまでおはす らんかく申スわたくしは にて候いつぞやがまのぞくとが為に 御主へほろびたまひてみなちり〴〵 きんだちたりわかならびにひめきみ さまの御ゆくえをたづねたて まつらんとちゝなみゑもんに つきそひしよこくをさまよひ おきのくにより此ゑちぜんまで へんれきしてわれらいうだじやくねんの ときなればちゝがためにはかへつてあしで 中町人にあづけそれゟちゝは又〳〵おんゆく 中町人にあづけそれゟちらつたよりを たづねに他こくせしがそのゝちたよりを きかずわたくしはせたけのびていつしか てう人そだちのゑんがなありていまは てう人そだちもめぎみさまにはいかゞ 玉屋しんべゑ又ひめぎみさまにはいかゞ してかくの御ありさまととわれる いそぎは浪右衛門がせがれなみの介 小女郎はしばらく まこひなりとてわづかなるゆかりにて玉屋と いらへもせざりしが やう〳〵にかほをあげ なみだをぬぐひつゝ〽らく じやうもらたつわかたま もろともめのとのかいほう かけをくは みるたを まきくの 同じるしと もなるべしと 思ふがゆへ也 はたして けふしも そなたに めへ あふは ちみん くわん さまの おん あわせ ならめ 次んつゞく 玉屋 一十一日 前のつゞき トいふにしんべゑ小ぶしをめぎり なみだをはら〳〵とおとし 〽チヱうんじはてたるわが身のいんぐわ しらぬことゝはいひながら御主へさまとまくらを かはせしばぢあたりはものがなければぶし らしうはらきることふかなわずひめぎみ さまの御覧をけがせし申わけにはてう人 にそうおうせし死ざまおめにかけんと うみてのれんじより身をなげ うみてのれんじゟ身をなげ ぢすいぜんとするを小女郎は ちすいぜんとするを小女郎は おしとめ〽ゑぬるは ふちうその命を ながらへ わらはが ちから となり 一おびとくことのなかりしにいかなるかみの むすびしいとのみだれゟほんに初の ざしきからたのもしそふなよい とのごあぶけさんにもてう人にも こんなとのごはあるまひと思ひ こんだるにいまくら二世も三世も かはらぬいふたことばを引うへて 御主へさまのひめさまのを かたくろしひことはよしに してやつぱりめうとで とも〴〵にくろうを▼ } 十四日 ▼して小じますへをさい こうのよいふんべつ しくくださんせト ひざにもたれてしの びなきかゝるおりしも 白八がびやうぶをあ げてたるでうし 〽わは〳〵しよくわいから ゑらひこんさんがつ かりおつかれサア〳〵 日がでたおそい〳〵 日がでたおそい〳〵 じせりたてられ てせんかたなく おちかいうちにの やくそくも そごくにして わかれたり いを たつる しよぞんは 〽もしヱくるしがりの すそをひつぱつて あやぶりでないに なきやといはれて死ぬにも しなれずしあんの両手を しなきにしあんと両手を くんでさらうつむく 一そばに小女郎は さしより三年 このかたつと めの身となり 夜ことにかはる □□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ◆◆◆◆ ↑ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 11 □□□□□□□□ 上同一人 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ きんぐ しゆぎよくは なんのその たつた一ツの 心の士ほんの ひかりを見ぬ うちはゑびとく ことはいやじや わい 〽きん〴〵 めいぎよくを つきほらべ それでも われにした ひものせきを ゆるさめ めし 女 ねづよき しやうね じや なァ ヨア それは扨をきこゝにしま大じんと しやうするものありきん〴〵の ふそくをしらずかりそめの ゐしやうにあやにしきをまとひ ことに男ぶりすぐれて美男なり されどもいつれにすままかひなす トいふことをきかず此大じん小女少 にしうしんしてひごと通ふいへども つれなくのみもてなしける 大じんはいよ〳〵思ひ やむことなくいかにも かこゝかのだいに これのみに此ほどは心を くだきひごと小女郎が かたにゆきかよふうち 大じんしきかに身 うけせんといふにぞ 二人はほどんどさし いふならんと 九あんじにむねもふたがるばかりなり こゝに小女郎があに九十郎トいふは これ辰わか丸なりいかなることにや そのうまれつきだじやくにして 小じまのいへをおこさんと いまりいかゞはせんとい する心もなく 次 して心にしたがは もりたるたから せんとあるわたい まいのくしかうがい さんごじゆのかんざし ゑぞだつこくのにしき おりたるまきものに 大ばん小ばんをつみ ものをこと〴〵く うちみへとり うちみへとり すてたりされば 小女郎がけんしきの たかきことを心ある人は一 きゝてかんじける あはしたるだいの ものをおくりしに小女郎は 大じん大にはじ かつて見むきもせず大じんに むかひきみのおくりたまふ 品〳〵わらはが目より見る ときはいしかばらゟいやし人は たゝおのれが心の玉をみがくこそ かんようならめきん〴〵は天下の たからといへどもちかべるくものごとし たからといへどもちかべるくものごとし 心いやしき人こそよろこぶべし世の たからといふはじんぎ五じやうをわき しめられむねんと それゟ身うけのそう まへ天下の為になる人こそ世のたからとは 思へどもせんすべなく 此上は身うけして わがぞんぶんにせばやト だんにとりかこみける 扨又玉屋しんべゑは主人を いやしきかはたけにしづめ してきとを引いださんと▼ をくごとほんいならずいかにも ス 二郎小 女郎が うぎ身 の上をせふ りとりあ しきことに つかひすつるゆへ 小女郎は しんへゑが ことをふかく かくし たゞつね ていの客にて なじみ せうへんへ いゞく 〽小女郎 みの うらろ ざしは どふやら小女郎とふかい中といふように見へるがゑてせけんにある でんの色男が身うけのよこれんぼてつれてにげるかたゞしはしん ごぢうといふやうなことはごめん〳〵トいふ新問ゑさればでござります 小女郎をわきへ身うけされては此わしがどうもせんとはかねとのそう あなた江もよひしゆんして被下まし〽よいしあんとはかりとのそう だんわしも二ツどりなりやさきこそしらねと大じんに妹を 間がしじうの世合きさまはうちにないぎもあればわしがの ぞみのとふりにおあにいさまをやしなふこともでげまひそれは おつてのことさしあたつて今ちやつとかね十両かして被下ぬか でけんすばおやかたにそこいれて大じんにそふだんさせるまでの こととせろ〳〵いたふるわるものじかけ新へゑはせんかたなくかみ入 のそこをはたいて小ばんさんまいとりいだし〽これをとう ぶんのお小づかい跡から又「ことを わかるめヱかどうも ほうがむづからひ しんぜませうといふに 〽九十郎はふせう〴〵に これではたらぬが千ヨ ハーハーハーミ 前のつゞきくるよしにいひをきけるゆへ 九十郎はしん平をいぜんのけらいいふ ををしらざりけりある折べゑと 小女は大しんが身うけせんといふを いからしてのがれべきぞを両しあんに あてねゐたる所九十郎は来り〽コリや 一妹きけばよいきやくが付て身うけ そうだんがそうなはやうその ほうへいんだかよいおぬしが大しんの しかたがないとおのがざま〳〵 いひちらしおりしもふり くるあまあしにことはりも せずしんべいがから かさとしてはな かたうとふて をくさまとかじづかれるときは此おあにい かゝるところへ はしりゆく 次へつゞく さまもゑようゑいぐわのしあきといふ ものとひとりにこ〳〵よろこびながらしんべゑが ほうをしろりと見てあら玉やしんべゑどのもきてじや 四丁 〽モウ いやだヨなんぞと いふとわたし ばかりを 十六 拂帳 別取 通船分之扣 国 河岸扣 前のつゞき 仲ゐのおなか 〽モミおふたり 〽モミおふたり さんきざなことが ござりやすけうは しま大じんさんが ぜひ〳〵身うけ さんすとのことそこで おやかたさんはいやがる いなものかねさへとゝ なふことならしんべゑさまへ かたへ身うけさせるも そうだんする そうだんする 心ゆへ大じん さんへは あすの あさ 同一一 ◇女ぼうおゑんおつと私へゑが いろざとがよひのそのる寸を まつにつけてもりんきの むねもゆるほむらを おししづめどちら 向てもたゞ ひとりかやの ひろさを うらみ わび 参 なみだがちなる心の うちぞあはれなる はんとうの白八は新へゑ がいろざとがよひの留 主をつけこみ おゑんがねま そろ〳〵ゑのぶ ぬきあしの いきをころ して中のまへ 四つばひにはう うしろのかべ がち〳〵やぶる は夜ばたら き白八はそれ と見つけて 四十一 ぬすび とめいけ どりに して くれん ずとあり あふなわを わなにして かぶりしかへに あてがへばこれ とはしらぬ ぬすびとが さし入れる 手を白八が ぬからずなわ を引〆めて やれぬすびと をとらへし までと いひのばして をかさんした した ▼いろもわろし かならずむりな ことして下さん すなとはをかに はら〳〵けるは わかれのなみだ ゆへ せめて 新へゑさま そうもくもりて から百両の手 入相のかねもさび 付をはやく うたさんすればこちらは はだんするほどにトおやかたの いふてじやトいべこべいふてをうへ はしりゆくあとにしんべゑは 両手をくみ〽コリやぜひ〳〵正両の かねのくめんせずばなるまひトたち あがるを小女郎引とめ〽いかうかほの▼ しく見をくりけり 玉屋の内のもんだん 花のいろはうつりに けりないたづらつわが身 世にふるあめの日も ひとりまくらの かた〳〵はむだに ならべて 正一 十十 でゆへ〳〵 トいふこへに おゑんは手し まくたづさへて はゝもろ共に はしりいで 次へつゞく 十二 前のつゞき さわぎたつれば さわきたつれば ぬすびとはのがれん とするほどになほ 手はしまるおゑん 手はしまるおゑん はあわてとりおとす ろうそくにぬす びとは手をやつて 思はずしらず ユヽあつらある りはきへてしんの やみなわもこげしか ゆひめよりふへりと きれて白はは うしろへどうと うらひをつき しりもちをつぎ すがたぞおかし けれ母はいつもの けれ母はいつもの かみなりごゑ 〽コリやこよいも 私べゑはかへらぬ てなあるじがるを ゆへぬすびとも 目がけるやう おゑんりんき せぬも▼ あほうの うちみくにの けいせいに 見かへられ あんかんとして ゐるまでも なひゑひ かげんに ゑんきつ たがよひ ぞやと いふそば から白八が 〇 ◑ 〽なんほ 男が よふても なまけ ものしん だいはいまの まにかふく いやサかやう コレなんおゑん さんあへよう さんあのよう なきまずい男 を思ひきり コレサ〳〵又 はらをたつ いやサかやう 申せばすこ なれども男はすこしつぎじやが心いきは やぼからず女にかけてはずんどによほう な此白代をわサ〳〵よくわしがいふこと をおきゝヨなんぞいふとはんしやんする つれなひぞや〳〵つれなひは今のぬを びととらまひて思ふぞんぶんにせん だがざんねんトらちもなひことは ちらすおりしもゑへん〳〵と新べゑがしは ぶきに母と白八はこゞとをわやくた いひちらしておくいゆくおゑんは内ゟ 戸をあければはいるしるべゑもの をもいはずそらす計すぐさに たふれてたかいびきむゑんは枕 めてがうて〽わまうし〳〵 しんへゑさんわたしとひとつ ねするをいやじやとて はしちかひ所へげしなり ぬすびとゞのかつてしだいにぬすんでいんでくださん せトいふこゑさへもくもるなみだのゑんせつに百両つゝ みをしんへゑがまくらのもこへそつとをくおくに さらゐし白八がくらやみをさいはいとつぎへつゞく かせでも引てくたささん すなじゆりをこしとくも そらねごとさいぜんのねを びとも大かたはけいせいづら にいきじをはりかねにさし つまりせんかたつきてのでき心 でトいふやうことでもあろうり それではこまりみづくさいアア しかたこうしたわけとうちあけて 女ぼうにだんこうかけてならほん 女ぼうにだんこうかけてならほん にわしとしたをあの女ほうがある やかなひやらしりもせいでそのしりも せぬ人ながらかねにさしつまり死ぬる 心になろうかとそれがあんじられいせし さ気のとくさにさいぜん舟のおやるが あづけた百両のかねそれをやづばりはたしも ぬすんものそのかねこゝへをくほどにさいせんの 卅五 つゝきし かねにすりかへる おゑんはそれと つゆしらずなく〳〵 わがうちへぬすびこに はひるいふもチヱむねて なことそれもみなちう ぎの為にするきやう をくへたつて ゆくしんべゑは おきあがりおゑんが おきあがりおゑんが うしろかげに手を あはし〽コリや口では いわぬ手をあわして おがむぞやこれほど までにわれを大じ がつてくれる女ぼう このあいだはやさしひ ことばもかけずひるを 夜ともわかぬあく所 がよひそれをうら やむいろもなくさい ぜんもろうそくを がいそれとはしらず 此しんべゑをみづ くさいとうらむで あろうかんにん せいになみだを めぐひつゝたち あがりドリヤ一こはも はやく此かねでと つちのかねとはゆめ にもしらずおから いたゞきくわちう なしさいぜん やぶりしかべい こなりぬけいでゝ おとしなわを こがしてわれ いつさんに三くにを さしていそぎゆく をとりにが してくれた もみんな ○こゝにあはれ なるははぎ原 ヱいくゑをたつぬる とてしよこくを めぐるうちしゆじゆ のかんくにおもづ から夕病の 身となりしが いつしかふう しつを引 うけて 十 そなたの 月のしんふうふの しんせつ さふらひの 家にうま れし此身 ものなりみへ 山しま入道が そくじよ ▲ ひめら 一丁 ゆさま〴〵にりやう しをくわふるといへ どもさらにその しるしなく友 そくかなわず うまれもつか ざるあらなへ なりてわが身 ひとつが おの れが ぢざい なら ざり けり かたの ごとく なれば たゝはへ のかねさへ つかひはた いまは 身に まとふ いふく まで しろ なして はたごの りやうに かへるといへ ともはて しなき ことなれは いひよへ はたご やをた いでゝ こひじき とぞなり にけり しかるに ゑちぜん みくにの さとははん くわなる ことをきこ およびもし こゝにいだらばひめ ぎみにめぐり あふこともあらん 二つには身をすぐる にもやすくるべしと 思ひつゝやうやくに みくにのさこに ほどちかき 十九 前のへゞき一うづらつゝみといへるところに し夜いねをしのぐばかりの 小やをつくりて月のしんをふさ しめその身はゆきこう人の 袖にすがりてやうやくに いのちをつなぐいくせが 身のかんく筆には いわずおし はかりてその あみれを しるべし たれは 此こづら つみは わづか のあめ にも たまり 水いでゝ さとがよひの ものゝ あふらひ なんぎなりけりいゝせは これをきのどくに 思ひふるき下駄 あらだのるいをあつめ水の たまりたる所になほしあふらい する人にはかしむるゆへゆきこう 人もなんきせず心やすく道をすぐるが ゆへになさけの手のうちもかく いつなりしとかや○これゟもんだん 夜ぶんにてすべてものさびしく 道ねんぶつのかねのこゑに 常ねんぶつのかねのこゑに かわづのなくこゑありて くもはこぶそらすさまじき あきさめいなりがねの 声さへも身に しみ〴〵とはだ さむく夜半の あらしに月ゆしに おもりやまひの たんせきを つまのいくせが がいほうにいなぐ 命もいとほそき しかく 〽アヽ思ひまはせば 世の中にかみも 仏もなきものか さいせつの ひめ きみ □□ 二一 たづねまいらすることもならずいたつとに 月日をおくる此病ひいついゆるといふ はてしもなくわが身ながらも かんじはてとくにもぢさつと かくごはきわめてゐな がらも心にかゝるはひめ きみのことのみなんと そなたはわしを すてをき 他国へわら 他国へわら りひめ きみの おんゆく ゑを たづ ね丁 たも らぬか トいひさしてごほり〳〵と せきいかたんしやくい せはせなかなでながら 〽そのようにきなく 思ふては お身の どく此 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ あきさ むには だのう すひゆへ かたん せきの おこりの つよさわ たしはみ くにのま ちまでいん でいつもの くはりそうと平 ますほどに 〽ツヽはあすの ことにしたまへ あめはふるし道は わろし〽ナン 四五丁の道じやわい 〽やァも くろうて 見へまひそや 〽なんのいに屋に ゆきかう 通じや ものといゝ つゝよねの ふくろ〳〵とりたて なさけのまじり ぜによなげあつ めてあらばや にみくにの まちへと いそぎや の あと見ぬ りて 次へつゞ 玉や 月のしんなみだはら〳〵ひとりごと ものゝふともあろうものが ゆきかう人の 手のうちに その日〳〵を おくるのみかつきそふ ものまでなんきをさするといふは いかなるいんぐわのむくひぞわや ふびんのつまやとなきこゑの 思わがつまを下 いふこゑたからを 一トうちに ふうふはの おなし まり つゆにきへに ゑじうをきゝゐる 九十郎〽コかやこし ぬけどのさいせんちらと 見てをいたその 弁つえのかたな わしかくれまひか 〽スリやたれかしら ねご此かためがるは さゝものならずじ すゝりしめいて さしいだし こそかなわずとも こそかなわか 下よりみを見せぬ はかひぢに九十郎は せしらほづらひ〽あない 主人ゟあづゐるめいとう じんじやうにわたすへきか 下にさか二ッどうトでかけ おるじりやいまにかゝめか かへらぬうちしまうて くれんとだんびらもしの めくゟはやくきりかくる こなたも心得うちおふじ いへども しんといかなりねば ついにはひどうの やいばにはてゝける □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 女ぼうが〽なに いしゆあつて .5,,.8 10563 四十 己の しん板 東西菴南北作佛 てし 下巻 宝寿 従 ふけゆくやみのくろしやうぞく 目ばかりべきんにをもてをつゝみしは いわねどしるきぬす人の玉やがかど ゆきつもどもつうがひしがきり ぬいてあるかべの穴ゟ内に入り ゑばしとしのぶゑんの下 ゑばしとしのぶゑんの下 ばんとうの白八はくらやみにて すりかへしまことの百両つゝみ をいづれにかくさんやとあちら こちらを見まはしてほく〳〵 うなづきゑんの下おしかくし やがておゑんがねまをさし のぞきそろ〳〵しのんで四ツばいに なむさんほうとにげ いだすをのゞさじと とつて引ふせおゑんを かた手にしつかとおさへ 〽おのれは〳〵よくも〳〵 われをあほうと 見ぬきよう ふぎをはたらき おつたなァ それのみ かやをくゞりていやらしみべちや〳〵 くどくよこれんぼゑんの下には ならず 一一 いぜんのぬすびと口をおさへてわらひ ゐるさて又しんべゑはおゑんがなさけの 金をられしよろこび三くにのあさ 田やへもちゆきしにゑんぎの面両つゝみ なるゆへおごろきさてはおゑんがりんきに つのりわれにはぢをあたへんとてかくは はかりしものならんとやらはらたち にて立もどりいぜんの穴ゟ内にいれば おゑんがねまのかやの中にてひそ〳〵ごゑ さてはわがさとうよひるすをさいはいに みつぶを引いれしよなにくさもにくし いからはせんと一ト間をあくれば白八は ▼さいつんも しんせつら しうつちの かねをあて がうては ぢかゝせん とたゝ □□□□ たなァ 次へ つゝく 前のつゞき どうして此 むねんをはらさんじ おゑんをたゝみにすり かけ〳〵はがみをなすに つけ〳〵はがみをなすに おゑんはなみだしやくりあげ 〽アノおそろしきおつとのいはる こといナいかに三くにのけいせい づらに見かへしとて白八と 心をあはしわらはをふぎ ものにいふらしぢめつ させんとはかりたまふ 心の児ともじやとも たとふるものなしいつそ ころさばころしたまへ いきかはりしにかはり此 うらみはむくはでをく べきぞトいふにしんづゑ 八日 いよ〳〵はら たて〽ぬすび するもの たけ〴〵 たけ しとはな しぢがこと んぢがこと なりこれを 見よさいぜん わたさし かねはまつかな つちのづゝみ 第一一一一一一一一一一一 がねといふにおゑんは しうふるはし〽さなぜん のかねはしかもふなぬし よりあつかつたしやう こはしかもふうじめに 丸に甚のじの しるし があるはづ これはしかも ゑほうしりの ときからて大こく さまのおたなつ あげてをいた 見おぼへのゑんぎ づみそれをおまへが 素 糸 とりだしてわたしに なんだいいふてまつと かねのくめんせいといはさんす たくみでござん せう 〽りや〳〵 おはれが白八と しくみ〽イヱ〳〵 おまへが〽□や〳〵 ほせ〳〵そふでは ないとたがいの あらそひを 糸 非米 ** ※ ※ ゑんの下にきゝ ゐるいぜんのぬす ゐるいぜんのぬ 人がおづ〳〵 ざしきへまかり いで〽ハイわた くしはついした でき心でさい ぜんはいり ました ぬす ひとで ござり ます が此 あら そひが きのごく ゆへに こゝへ でま のはその やうす をいふて ふたりの しゆうの むねを はらさせ たき さい 糸 十 いわれ ながら ゑんの下に わしがゐる ともしらず かくさかゝ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ わらす よろ こび ものした ものゝ ものを 此台八と やら いわるよ かへが うま〳〵と さばかつ かへ 又もの いのう と思ふ うちに さてをき とごろに こまると ひとり ごとを 次へつゞく 前のつゞき此白とやういふ人が おないぎのかやへ四ツばいに はうてむりなれんぼの しかけにないぎはほとんど こまれるをきいてゐる しやうしさ気のどくさ そのなんぎさいちうへごてい しゆがもどられてもやつさ もつさすなはち白どのが ものされたかねはこゝにと くわいちうゟわだしわた せば白八が〽ヱへそのかねをと 公〽コリやぬすびとゞのそれはもつ ともなれどおさないよりおやに わかれて町人となりてもちう ぎはきんてつ何とぞしてひめぎみの いやしき御すがた一こくもはやく 御なんぎき すくひまいら せんと思ふ に此ほど に此ほど せまる とりたがる手をおゑんは つねり〽テモにく〳〵しい 白八づらに三よい所へ よひぬすびとさまが はひつて下たんして かたじけない此れいには わたしがたし なみのいるいを こんな上ませう トいかつゝ戸だな おしあけてつゞ らとりたし さしつくるに 〽イヤおれいには かねのさい かく〽コリヤ〳〵 こていしゆめつたな はなしをぬすひとのわしに はなすはいらぬこと〽でも おなのりなきはてう人と なりさがりしをおはらたち にてあるゆへか〽こレはけしらぬ なんのぬすびとがさしかまふて ハテぬすみするもぐん用きんを イヤさゑようゑいがにわが きみではないひ およびませぬと たちあがるかほを しんへゑ ちかと わが身の上をいぜんの すがたにもりたてたい のねがい でこの よばた らき イヤ はや おりの わるい 所へはひ つて 大 ひま あがる おりしも かみなりばゝア をくゟはしか いで何もかも おくできいたぐん 用きんとやらの ためにすりをする ものじどうかうすの あるこちのしんへゑが 四 たは おやへ なみ 右衛門 さま では ござり ませか てもあ さましき ぬす人の 御きやう がいじいふに あやしひみの上を そに心せずはのち のなんがこちらの 身にかゝるさァ 白八も代くわん 白さまへともに おじやト 二人つれだち ゆかんとするを 引とらへ こよひ の御れ いのかはり ぬすびとは せみわらひ 〽これは〳〵けし からぬことのとがめ わしはてう人の ねぐ せがれをもつたおぼへが ないわしとてもはら からのぬすびとでもござらぬ さりてう人と大かたは なり主人のせんとを じくんにつかへるふちうな心が なければろう人してその 日をすぎかねるとててら人に なるやうなねぐさつた玉せいも 見とゞけるしよぞんも あるまひかと思へばよしや いまにもあふだといふてひさ しやぶじか卜なのり ござらぬそれじやゆへものゝふのならひは きりどりどうどうしるしわとも一人の せがれがござるなれどもこいつごんじやうが あふ心もござらぬ小 いろとよそめになみだ ぐめばしんべゑはすがたをたゞし▼ には此 二人りを じゆのう いたすを いこゝ つゞらに なり ばみ 白八を され ねんの 為の つぎへ 二十三 受取がきといろくわいちうゟ とりだしわたすをしんへゑが おしひらき見るまにぬすびとは つゞらせおふていでゝゆく〽ヤァ まうおや人ではなひぬすびとは いなれたか此かきつけはぐんぜい さいそくの辰わかぎみ御すみつき さすればおや人にはたつわかきみの さすれはしやへにたりよきみの 御ざい所を御ぞんじでありしよと おもてをのぞくをりしもあまたの くみ子とつた〳〵ト内にこみ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 入り中にもかしちと おほしきが〽アア あふどうものめ うづらつゝみにて ひにんふう好を ころししる まひと思ひ おるかこれ そのばに すてありし 此からかさ こそしやうこ なれとさし なれとさし だすかさは玉屋の ばんがさたしかなしるは しにしんへゑ思ひあたり さては三くにのあさ だやにてわがかさを 九十郎どのにかしたりしが たか手小手にいましめ たりしんべゑはさゝへて 〽コリヤ何ゆへに そなたは そなたは 人ごろ と その 人ごろ しは わたしで コリヤ くわへて 何ごとじや …… ござります さアなはかけて くだこりませ トいへにくみ 子は何かゆふ その人ごろしは主人なれば いづれわが身に引 うくるよりほるなしと かくごをきはめ いかにもその人ごろ しこそ此しんべゑ なりといふをおゑんは かきけし〽コリや めつたなことを いわさん すな トをいたす べきおゑ こと ▼ 一名のるのじや 〽さいなアうづら づゝみで人を ころしたものは わたしにちがい ないさいぜんの ぬすびとの はなしと いひつきへ とつた こづら づゝみの 久ごろ しめ 〽そこ かごく まひと } 四十一日 一十一 前のつきおまへの身の上はたいせつ それとはしらずたゞけんせいに それとはしらずたゞけてせいに 御石をうばはれしとのみ 思ひて心のうちはねたま かしくうらんでいたが はづかしくせめては ぬしの身にかはり おまへにちうぎを たてさせたい ばかりでわたしが 此なはめさいぜん おまへのおやご さんではない ぬすびと どのが てうかへは 心までも やくたゝぬ ものゝやうに いわさんしたが さァてう人の 女ほうでもものふの いきじにかはらず身かはりに なりしとあとでほめさせてくだ さんせしいふにしんへゑめをしば だゝき〽でかしたおゑん御主への 御せんど見とらけたその上は同し はぢすのうてなの上 〽わたしは まう 引か れて ゆき ます わたしが しぬる いのちは おしま ねども おなかのやゝが てうど五ツ月 まういくげつてそな さんにようにた子をもち めうといつ所つれだちて きしぼじんさんへまいろうと たのしんでいたものをさんずの 川もわしひとりみらいでやを うんだなら此世へ見せに来 ますぞへいつそわかれがかなしひと 夫とのそばへよらんとするうしろの なわをひかへたるくみ子はみれんなく 此ばになりてのよまひごとと いろゝ引たておもてのかた引 だすをしんべゑがコリヤ女ほうと 正や 〽わた しが しんだ その あと や うつ くしひ おなひ ぎさん にたん せうと 思へばそれが まよひの たねとなり ますぞや かたへわたせしといふにぞしんべゑきやうきの ごとくはだちたとへ火の中水のそこにすま かひなすともしま大じんぢうらにをさがし とりもどさでをくべきやといふに中ゐらも たくはいつれかしらねども きのどくに思ひ大じんの さいぜし小ぶねにて小女ろう さまをつれ 2 ゆき たりと おしへ けるにぞ しんだゑは はまべを さゝて はらり けり たちよればくゞりの戸を 引たてゝ代くわんへといそぎゆく しんべゑは心づき此上一ッこくも はやくひめぎみの身うけして おや人と心をあし申さんとくだんの 金をくわいちうなし三くにのさとへと いそぎけりゑんぢのかねのこゑゴヲン〳〵 さるほどにしんべゑは三くにのあさ田や にいたりけるにはややくそくのこく げんきれさるゆへ小女ろうはしま大じんの 二十三 愛毛かえし 宇田川町 西がわ 松栄堂 此薬は第一気 つけにめうなり よろづの庭ひに 用てこうのう すみやかなり 正十 さてはあの沖中の ふねこみしまだいじんの すみかであるよな おやふねの内のざん そいせいの身はうきたる水くさに ひとしと老人も口すさみしもことはり なるかま小女ろうはおうごんの為に しま大じんにねびきされて思はぬ かたにさく花のゑほれへりてあり こればしま大じんは山海のちんみをあつめ 御う〳〵と上ざかざし小女ろうに向ひへ 前のつゞき「かくねびきして見えばわがねやの花なりいなむとも やわる帯とるとでをくべきぞ其もの成ひげなるすがたを かめともに酒ゑんをたのしむべしといふとき小女郎はおもて をあげてたるらかにわらひ〽それけいせいはあまたよりくる 客の心を一イ〳〵にくみわけその心にあふじていつはりを のべ心をよろこばしめ身もをふくやかなるかたに身をまか するは世上みな川竹のならひなりわらはゝそれにことかはり 身ひんにしてかたちいやしき男なりともたゞ一ッツ 心ざまたゞしきとのごならではまくらをおなじう することなし今だいじんのやうすを見るに きりやうこつがらばんにんにすぐれてやうび なりきん〴〵におたかなることは天ぢくのがつかい 長者もいふともをとるべからずされどもそのろく 大みやうにあらずてうかにすむべき人にもある べからずおそらくは海ぞくのてうぼんと見うけ たり身は恋のやつこのいやしくともとうせんの 水はのまずうゆるとも理仲がしよくははむまじ とことばすゞしくさみなしたりさすがのしま 大じんもせきめんせしがさのみいがれる色もなく 〽しぶとき女の口かしこくもいふたりなみ〳〵の ことにてばわが心にしたがうまじ舟をもこの いかりにくしつけこよいいちやうきめを 見せかならず手あらきことないたすナ トいゝすてとものひとまへ入りにけり 手下のやからはたちあがり小女郎を おもてにつれゆき白きんの次へつぐ されば小女ろうは大ぜんの うちなればのがる べきやうなく此すへ 前のつきしいかりにくらし付たり させば小女ろうは大ぜんの いるなるなんぎに あふことぞと 思へば気も 心もきへ〳〵 トなるばかり なり しか 宮 この 硯は あめ かせはげしく うみごう〳〵と なりわたりいこ ものすごく ぞありける さればこの しま大じん といへるは 天ぢく徳 へゑが一子 がま丸なり さきだつて 山しま入道のまたにて池へとび入じ ときつゞいてとびいり跡を したいしはつゆきひめが 恋のほだしにがま丸も あひじやくのすてがたく おやふねのすみかへ つれ来たり ぬ をき こ き 四 入道 がいへる にたが わず はつゆき ひめの うまれ じやう 巳のねん げつじつじ そろひしせん にへびの生を ゑてがま 丸がそば 丸がそば につき そうもい □□□ ふらぎなり又がま丸 がまのじゆつをおこ なふといへどもみな やぶれてふしぎの 法をなすことあた わずといふもこれ ひめのつきそふ ゆへなるべし 扨又はりゆき ひめはりんき ふかき女ゆへ こよいしも がま丸が小女 ろうをねび きして来 たりしを ふかく ねたみ やがて がま丸が ふし たる ひまを うかゞいて かたなをとり いだし舟の おもての いかりに 次へつど のつき やられし 小女ろうが そばにいたり 〽女はあひみたがひにて 此なさけなきいましめを ときゆるしくまにわびして とも〳〵ねやのとぎをさせんと 思へどもわるたいせつの男にはだを ふらせぬることのねたましくかく一ツの 舟にざをおなじうするもむやくろ しくむねのほむらのやすまるひまなし さすればなんぢをなくなすよりほか なしふびんながらもさめのゑじきと なるべしトいゝさまかくなにていかりの なわをふつと きりむざ也 や小女ろう を大かいに り おこし 跡を のそ きて う ち はらひ これ にて 心に かゝる くまは なしと ひとりごと せし はり はり ゆき ひめが しゆろ との ねんの ふかき も ひとへに 己のねん げつ そろひ じや しやうの なす わざ にや とまれ かくまれ おそろ しき ひめが 心に あり 一扨又王やしんへゑは 小女ろうをとり もどさんとはま へにいたるをりしも □□□□□□□□ 九十郎は波右衛門を 此にぐし来たり こゝにてしゆうじう 三人おち合なみはえは しんへゑにむかひて 九十郎は辰わり丸にて 身もちのらんぼう なるはてきにゆだんさせんが 為のはかりことなりト いふしんべゑはおど ろきてからべをさぐれば 辰わか丸はたいし たるつるぎぬき はなしわれ こづらつみ にて此いかぎ しよぢせし ひにんを ひどうと しりつゝ せつがいしてうばい しはかまのじやしゆつ ほろぼすにくつきやう のつるぎと思ひしゆへなり が跡にてきけば中しまの かしんなるよしなり又われ 次へ つゞきせんねん 大ゆきのふる 道にてがまの いくつとも なくつきした がひしさ ふらひを がま丸 なる を 見るより しり ゆき ちかい 入 んが をしか けん あらはさん とせしに かへつて ろまの じやつ にてわれ 三半せつ してこり にがせしといへ共かれが めんでいはわれ又よくおぼへ たりそがゆへいもとが いろかにじつふをたゞ ▼しん しん表が 女ほうおゑんは 辰わつ丸が とりならにて つゝがなかりしも小島の家のたからきそう こうていのゑがける鯉の一チらくをくわいちう せしそのきどくなるべしと ものがたるおかしも 山しま入道はおほ くの手せんを したがへこゝに 来り入道が いわくそれ 此ほとてん もんを見る にきたに あたりて 白うんのぼり 白うんのぼり ほかしんのひかり するどなりこれ これぼうりてく あらはれほろ ぶべきのじせつなり 此ごをうしなふべからす トいふに辰わかしゆう じういさみたちもの のぐかためてひら〳〵ト がま丸がふねをとり まき辰わか丸はくだん の小しや丸のつるきを ぬきはなして ふねにとびのれば のくちなわ 思ふけふしも 身うけ せしと きゝたれ かれが すま かひ こがたぬしの ごくやをいで あまとなりし ひめはあん しつを な す ふねに いたらん □□□□□□□□ と思ふ なりと たかいにはじめ おはりをもの がたりツゝ 三人 うら れ 小舟に のり沖の かたへこぎゆく 向ふゟなみにゆられて うきつしづみつくるもの をみれば小女ろうなり いそぎふねにたすけいれ ろいほうせしにやうやくと 心づきゑま大じんがすまいのやうす 又大かいにうちこまれてふしぎ小命 ③ むす びて 月の しんふう ふのあとを とむらひ 辰わか 丸は じま のいへ たて しを はるの 日の ながきに つゝ〳〵しの 筆をそめぬ めでたし〳〵〳〵〳〵〳〵 あらはれいで しががま丸 ほんうごき ならずし てついには 首をは ねられ ふたゝびくわい たりこゝ けいのほれを あげさてはつ ゆきひめはくろ かみをそりて ほうしと なり 一日 めで たし ○ 東西庵南北戯作 辰わか丸は山しま入道にいさなはれて将軍 家にめみへをとげ小じまはんぐわんの いへをむかしにまさるしよりやうをゑて 扨玉屋しんへゑはいにしへのものゝふと なり白八雷ばら二人もぜんしんとなり めでたき春をむかうたりめでさし〳〵 □□□ 作者口上 此さうしは八さつものゝ趣向なりしに 六さつにてつばめしゆへこうへんの つばめふ貝なりねがはく来春の腹 へんをまちたまうべし 山東菴 一とくしよ丸 一印の水 一きせる烟艸入品々 玉いん石いん てんこくいたし候 板元円壽堂口上 一芙蓉散 御くすり かほのでき かすをいや こまかに 柳川重信画 明前 同断問屋丸甚 }