花[モミジ]名所扇

creator
歌川國貞畫
created_at
2026-08-17T19:23:18.240Z
updated_at
2026-08-17T19:23:18.240Z
field_notes
場所: 江戸
field_rights
CC0
field_creator
歌川國貞畫
field_language
日本語
field_has_image
true
field_publisher
伊藤屋與兵衞
field_identifier
10010000014627
field_ocr_status
completed
field_title_yomi
ハナモミジメイショオウギ
field_attribution
東北大学
field_oai_datestamp
2025-12-02T15:05:52Z
field_oai_identifier
10010000014627
field_ocr_updated_at
2026-08-28T18:53:25.651810+00:00
狩 みち 柳亭 種彦作 } アツ 鳴呼草紙子の序たるや。風雅でもなく洒落でもなく。せう事なしの 山師の口上。まづ功能をいひたつるに。第一作者の気根をへらし 前後で紙数三十粒硯の水にて用ゆるときは。勧善に仁を増 懲悪に毒を解。時好當の世話狂言も。華のまはらぬ一徳には 愁歎場だに悲しくなければ。産前産後に忌におよばず。遠での 御方はもよりの本屋で一冊づゝおめしなきい暑気はらひの名所 扇寒気もふせぐ火鉢の炭。あふけば春めく冬籠り。燈下に 筆を噛で述る文政八年乙酉孟春発照 ○ 浦里時次郎 花抱名所扇六冊 阿菊鴻助 深川佐賀町永代橋傍 □□□□□□□□ □□ 伊藤屋与兵衛新版 者もみち 時次郎が継母 阿暮 高砂 次郎 昨今上野菜 扇折の 同小三 雀もみち 領 傾城や 更に 光 扇の 寛 潮の光窓 ○光寛 ゐぬ物よ 右元禄 年 幸佐撰 入船 集に 見えたり 世中や暗き間を ゆく蚊の心洞水 右元禄三年 言水撰 都ふ李に 見えたり 高砂屋の 手代 釘蔵 大阪市町 三筋 町の 揚屋 舞鶴屋 伝三 京都 六條 三筋町の 太夫 遠山 高砂屋の 番頭 参集 鴻助 伝に 聞 ち きり も かな あひ 思ふ 梢の をしの よな〳〵 の声 定家 くねるとは うしろ むくの歟 女郎屋 足薪 薪 ろくでうみすぢまち 六條三筋町の 局女郎 浦里 神のきぢ ○こゑすみてほくとにひゞくきぬたかなしとはばせを をうのぎんなりげによふくるほどおとさえてむすめの おきのがうちすさぶそばにげにんのむろ吉が よなべのとぎになふなはもながきよすがらたばこ さへのまずにあくせくもつしんふらん〽センおきのさま さへのまずにあくせくいつしんふらん〽〽モシおきのさま あれあのほしがせどのゑのきへまはるがいつでも八ツの あいづおだんなすきゑもんさまはくれまへからせき 川へねんぶつこうにおいでがけこよひはよがふける ほどにしまうてねろとはおつしやつたれど いかにしてもあんまりおそい どれひとはしりおむかひに 中 いつてやうすをみませうト ちりうちはらひおび びきしめたちあがるを おきのがおしとめ〽こよひは いろ〳〵いりこんだようが あるというてぢやほどに とまつてがなござんせう すまぬあなたはようかどしめて がてんがゆかぬそんならわたしもいつしよ にトこつまひきあげさげあんどんもつて ふたりはたちいでつかどをさせてふきり〴〵す るすにはむしのこゑばかり人めなければてを ひきつれ〽これむろきちそなたとわけのあることを 此ごろはとゝさんがすゐりやうしてござんすやうす まだいろ〳〵そなだにははなし たいこともあり〽あゝそれはいつでも きかれますどうでもゆかねばきが 〽いやくむかひをかこつけにどこへゆきやるか いつそのことにうちだしていふて みようぢやあるまいかし とはれてもじくむろ吉 が〽さァあなたにまだ さだまつたむこさまがある でもなしわたしはもとより いつほんだちいふたとて しれたとてよいやうなものでは あれどこまつたことにはしゆうけらい それがまアどうしてめうとに〽はて かたくろしいぶしではなしおやこふたりに そなたばかりなんのゑんりよがある ものぞたゞしもうあきかぜでわたしを おもひきりのはのおとしておいて 花のみぢ ねんごろしたゆゑにひさまつ ばかりかあのおそめもいかい もりだいじんぐうへの またほかにいろづくみねのもみぢ ばを〽もうし〳〵もつたいないとう ではさら〳〵ござりませぬが あづまみやけにおもらひなされた ゑざうしのおそめひさまつとつ くりよんでみましたがしゆうと しんくをいたしましたそんな ことでもできたときはあなたの おみのためにもならぬ 〽いやくおためごよく おいてたもそんなら そなたにおちよの やうなうつくしいい なづけがあるゆゑわたしを きらやるのかいひつゝ ふつつりわきのした つめられて〽あいたたゝいや もうこれはとんださいなん あれ〳〵あそこはいつはの わかれみちおとりゐが みえまするわづか □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ これからゆちやう ばかりむりおつ しやらずと おとな しう ちと さつくと ござり まし 〽ふウ こりや おもしろい おれがいつ むりいふた さァその わけをいひ やいのト つきまは されて 〽これは したり あん どんが きこんまする それこゝに いぬがゐる トとび こそあしに はをりの ひもひき まつはつて びつくりし ゑへきびの わるいつぎへ とりあつめて五十里やうもつてでた 〽やきいぬではないこりや人ぢや。やしや。もしだんな さまがこゝにきられて〽ゑゑトおきのはきやう きのごとくいだきおこしてとゝさまいのう 〽だんなさまむろ吉でござります お心をたしかにもつてくださりませ下 いふこゑとゞいてめをみひらき〽ヲヽふたり ようきてくれたねぶつこうのよりきんを のはもう八ッすぎよがふけ たにこんやはひらにとまつて ゆけととめられたれど いやく。いぬおどしもさして ゐればきづかひはござらぬと 人のいけんをもちひぬも かうならうぜんぜのやくそく たれとはしらずうしろから だましうちにきりつけられ こゝろえたりとぬきあはせ きつてもついてもいかな〳〵こと ともせずに此しらはをひつ つかんでうごかせぬたしかに きやつはふじみのうまれめい さくのかたなならねばきれざる ものとかねてきくしよせんこの なまくらではかなはじものと すきをうかゞひにけてもにが さず此ふかでやみ〳〵かねはばひ とられめくるめいてたをれたをこと きれたりとおもふてか 関の 太神 宮へ 別路 □□□□□□□ □□□□□□□ いれておいたうりはらふたとて たゞひとにはめがとゞかねばかねにはすむとてもさがしざして なるまいすてさへせずはもつておきのさまにかたきは ゐようしたが今いふふじみのきつとかたせますつぎへ ぢうがをかみたがりたつての しよもうにちやうどこよひ ぢさんなしてけちえんさせかへる ときもだいじにかけかねとひとつにゑへむごたらしいこと いれておいたうりはらふたとてしをつたないづこにかくれぬ のつゞきまたうろたへてか うまれよに とゞめをばさゝずに さいふをとらんと たうぞくがさしこむ ひだりのにのうゆへ むねんあまつて われしらずかぶり ついたがさすがの ふじきもこたへ たかしてあとずさ たしかにはがたはあら ついたであらう またもしよう だいざに天長二千 とをりみたけは二寸こ ぢさんなしてけちえんさせかへるごとはきてもまにあはず いんだがまだしあはせ まれなめいさへの かたなでなければ うつことかなはぬ うかつなことして そなたまでかな らずけがして らすけかして くれるならいふ いきもはやたえに くつうをかくすめの うちになみだ あふれていじらしゝ 〽いたであらうおきのはたゞうろ〳〵と またもしようぎやうきのごとく ことなるべきはみをもだへものもえ いへにつたへしいはねばむろ吉も いへにつたへしいはねばむかつ吉も しやかのかなぶつとはうにくれしが だいざに天長二年やう〳〵となみだ とほりつけしつての なをし〽だうりこそ むなさわぎむしが しらせておむかびにき ごとはきてもまにあへず ゑへむごたらしいこと しをつたないづこにかくれ すむとてもさがしだして おきのさまにかたきは きつとかたせますつぎへ 花もみぢ 〽つゞきおきをもまずとば やうじやうおてはあさい わたくしがおおぶいもうして まゐりまぜうこれはしたり おきのさまなにをかつかり してござるゑやふがいないと はけまされ〽あい○うつ かりはせぬけれどひよん なことになりました かうとはしらずに むろ吉がむかびに こようといやつた ときようがある てゝとめたのが おもへば〳〵もつ たいない いそいで くること か▼ ▼わがみのいひたいことばかり はなしながらにはかだらず 〽はてさそれもかへらぬぐち そんなことをおつしやるひまに おうしろからいたまぬやう たんなさまをしつかりと さへてござつてくださりませト ながさし やう せ もふ きやうのすみかへもどるやうになつた ならあれほどおもふてゐるむすめ ふしよぞんでもおこさうかとおもひ すこしたおれがあくしんそのじやうは ぶつだんのげだんのしたへいれてあるしよ せんきに入いるまいがどうぞおきのがみの うへをしいひかけて。うんとひとこゑそりかへ られてむろ吉はあとへだち〳〵びつくりし もしだんなさま〳〵トいひつゝおふたるすき ゑもんが かほに おのれが かほすり よせ たちは たち ながら いとくるし けなるすき ゑもんがいきづかひを よく〳〵みればわづかなおてきずおこゝろ もちはとのやうでござりますると うらどはれすき原もんは くるしさをつゝんでといきを のみこみ〳〵いやもう さまでのことは うかゞひてそろり〳〵とふたあしみあし 〽モシだんなさましよてはびつくりいたしましたがつ 〽ヤこりやもう おい おきのは そのまゝべつたり むろ吉もしに いるおもひ 〽ないあみだ 〽なむあみだ ぶつト となふる ねぶつ ないつかぬこと ぢやが むかつ吉 そな だは なか〳〵 おれ もひやうか うちに ほうこうする ものではあるまい よんところなく よんどころなくいへでして きよねんからしばしの かくれがそのまゝはゝが しんだゆゑうちへ 四五日さきにそなたの まゝはゝがわるいによつて もどれとありやうは ところへむかひのじやうがとゞいたをるすを さいはひかくしておいたはきふにぞなたが よそのあのあのめのめのめの しらぬ むまおひかたの こゑたかく こゑたかく 〽よんべくるとてちくぶんぬいて かりていんだよあかねおび一 いせさんぐうのもどりと おぼしくどやくとくる人おとに 〽こつけられじとむろきちは おきのをひつたてし がひをおひかひくしくて かへりける きかゝるくだものむまかたが たちとまつて大あたび〽おいへ さんごらうじませわたくしが いつだとをりおひわけで ました おかごとちがつて又 むまもはれ〴〵として なんとけたさがよい ものでござりませう トいひつゝむまにのつたる女の かほつく〴〵とうちながめ也おまへは あねごおくれさま〽ふウさういふは おとゝのろく蔵ようまめでつざへ 小佐川善右衛 〽ゝきゐてたもつたの〽ようまめでゐたどころかいや こなさんは〳〵あんまりうらみがむなさきへたまつてくちへは さつぱりでぬはいしもふさにゐたときにこなんのていしゆは くわくらんでころりとしんで五ツになるむすめのおかめをつれて もどりおれがもとへかゝりうとそれさへあるにだんなごらの なつしよほんをそゝのかしおかめをのこしてぽいとかけおち かくさまがゐないといふてかわいやあの子はみぼえるてら からはむづかしくいふてところははぢはれるおりやろとうに まよひましたそれに今 けつかうなみになつてくらし ながらゑ ▼おれがゆくへはさがしもせずいせ さんぐうがをかしいわへじしやう ばいがらのたかごゑに むしや丁やばらのかせ かけてわめきたつれば もつともぢやづともの ものがおび〳〵にあれ〳〵 あそこへくるほどに まア〳〵こちへと ちややのおくうち つれいつてこゑを のはらたのはらたちは □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ わるいそれぢや わるいそれぢや からこれあねが てをざげて わびこと するかで にんして たりやい のいふ をうち けし □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ これ〳〵 おかいこに くわつて とをし かども あきたと いふて おむまに めした だんな さまがした むまひと いのくも 助に て ついては おくれはあぶくけり ほそめ〽さうおも だうり なれどおいせ さまへまゐつたも そなたのありしよを しりたいりふぐわんかみ かけてうそではないし あんのほかのこひゆゑに 子のかわゆいもうちすれ まつてもびた三 そんなにりつ あんまり そぐはぬ又 おまへがいくらあや もんになる でもなしおりや うれしうも なんともないが どうしてまア ぱに〽されば きいてたも やいのくにを づれてはしつた 人もそのあくるとく 又びやうしわしひとり きやうとへ すてられよるべと いふはさらになし くにへじやうをだし たれど へやうすはしれず そなだも ところを はらはれて どこにゐやるか ものめひに □□□□□□□□ TIVIVIVII TIILELILIILIILIILILELIELELEE □□□□□ アム アンバー アメリマ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ アメリカート TEN アメリカ ハリー □□□□□□ 十一月十一 一六十一 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 花のみぢ 文政両百 おかめはもうむすめざかり 高荷屋 おまへの 今のゐ どこは □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 今ではなんのふそくもないそれは ゆる〳〵あとでのこときのふけふのやう なれどくにをでゝから十年あまり ほうこうでもしてゐやる かたゞしはもうかたづい てかはやうあはせて くれやれとはれて ろく蔵てをもじ〳〵 〽さアおれもひとりで しよことがなく六ツの はるかひてがあつて やうつてやつてしまふ たればうんさへよくば うけだされ女ぼになつ たでござりませう下 きいておくれがむつと がぼ〽それ みやれちい さいものを おれにあづ けてはしつ てとおん がましう いやつても そだても せず〽これさ みゝに くちゝなやがて くちになやかて そなたのこの まはりの できるほど かねを もたせて そつと あねごその やうに はらたつ ほど いとしい 子なら あたまから おいてにげ ぬがよい はいの して みれば それは しん だせ そを おこ をはぬ さうほどに 〽いやかねはもらひ ますまいおれも 男ぢやあねごの はぢにならぬやうに りつぱになつて〽そん おつつけのぼりますトつぎへ だけが又 どこやらが おれが しやう 十九日 ならかならず〽あとから 井田幸十 つゞきはなしのうちにおもてのかた〽モシおいへさまあんまり おゆるりでござりますこのまごどのはどこへいつたトせりた られて〽おつとまかせこゝだくしろへ蔵がむまひきむけて おいへさんさアおのりなされましゑへどうぢくしやうめ とんだときばりようこぎやアがるおつたてゝこそゆきすぎけれ まへのゑときなにしやうばいともしろもめんのれんに まつのめじるしはその名もきやうにたかさごやとき二郎 とてとしわかながらだい〴〵つゞくぶげんちやうかけや なだいにきん〴〵のごようをきゝてやしきがたまはり よければちやうにんの うちでは人のかみたち うり八けんぐちの小 ごうしにてんびんの おとちん〳〵とおとにぎ はしきくらしなり とき二郎はだいちやう ひかへてさら〳〵 くりかへすむかふで そろばんぱつち〳〵 ばんとうこう助 てだいのくぎ飛 〽しめて二くわん三 百五十め八ふん 〽ヲそれであふた いつふくしやれ おれもひといき やすまうしおし やるちやうばこ ちかづきになつておきやれトきいて につこりゑしやくして〽一ね〴〵あがつてなに かのおせわ〽いやわたくしこそなんにも ぞんぜぬいままゐりおめかけられくださり ませごしんぶますゑもん さまにもせんこくおくで おめにかゞりちとおれが うちへもくるやうにと それは〳〵ごねんごろに おりしやつてくださり ましたさやうなら 正だんなさまぢかみの あひにはなやのみちを をりこんでめいしよ あふぎといふのを しだして今はやる 〽おゝさあふぎやはあの ますゑもんくふうした のは此小三トすこしひけ らすとき三郎くぎ蔵は よこでをうち 〽ごきりやうと いひごはつめい とんとがぐをれ はなのかほもみぢちらして ましたといはれて 小三は〽あれいやいと めいしよあふぎの うしろかち〽はい おちやができまし たしさしいだすを とき二郎きせる かたてにふりかへり 〽おさんやりんがゐるで あらうにおきやく さまがそのやうに はたらかいでもよい ことじいはれてすこし いれましたおにばなでは おきにいるまいだれぞに 申シつけませうじたつを 今ではこちらのべつけどうぜん三でうどをり寺 あふぎやのみせを だして それは〳〵 きついはん じやうコレ 小三あの 人はくき蔵 とて母じや人の かほそむけ〽わたくしが □□□□□□□ ひきとめうちわらひ〽これはしたりなんのさういふ わけではないイヤなにくぎ蔵此女は小三といふておれが もとうちでつかふたますゑもんといふものゝむすめ まちに みよりのもの あとの月おれがうちへたづねてきてすぐにほうこう 此のみぢ たつているひつちがへてしん みやうのおぎく があたふた たちいでゝ 〽こう助 どのに おふくろ さまが なに やら ちやつと あひたい とて〽おい〳〵 こゝのかん ぢやうも あらかたは かたづけた のれんはづして 小ぞうどもあん 小そうともあん どんをくばつて おけどれゆき ませう下おくれが へやしきゐへだてゝ でをつかへ〽ハイなにか わたくしにごようがある とおつしやつて〽ヲヽ こう助こゝへ〳〵じしとねの そばちかくまねいでつぎへ 井田幸七 とりしまりさけ八のみやらずおやまぐるひをついにしやつた はなしもきかず此うへもないわたしがあんど したがいつがいつまでもひとりみでゐやつては まだどこやらがおちつかぬなんとわしが なかうとで小三を女ぼにもちやらぬか さいはひおやのますゑもんもけふいつしよに きてゐればしようちならこゝへよんでみづ いらずにいひやくそくどうぢやくしとひかけ られ。あれはだんなとかう〳〵といひも やられず〽ヘイヘイとへんじばかりに さしつまるふすまのかげにたち ぎくおきく小三もともにだくつく むねだめいきつくもえりのうち こうゆはしめんをさだめ〽なに ひとつしでかしたこともない わたくしをそれほどまでにおぼし めすごおんはうみやまなか〳〵に おれいを申すことばかないしかし 小三はおでみせのむすめのことなり あのやうにてうせきうちへもおいでいり それを女ぼにもちますとありや したぢからこう助となじみであつたと 上の人にひよんなうきなをたてられては 此みばかりかこなたのおいへもふとりしまりに きこえますまだおそからぬ女ぼざたもう二十 ねんもすぎましたちみづしらずのところからなかうど 〽つゞきこゑをしづめ〽ようといふのはほかでもないそなたはまだ としわかながらおすぎなされただんなどのゝみたてゞうちの なされてくださりませしたゝんと するをおしとゞめ〽こう助それを見やれ十 なげだすいつつう〽ゑへこりやあのどうして 〽いつぞやひらふて 人にはみせぬ心 ひとつにをさめて おいた。おきくどのへ こう助よりとうへ からねんごろして ゐやるはそれ 見ぬうちから しつてゐるてう せきうちへでいる もつ ものを女ぼに もつてはせけんの きこえかわるいと りつぱにいひ ながらなせ ほうばいとは てふぎしやつた さがそれ きかうじなが きせるたゝみへ つきたてひざ すりよせ とひつめられて こう助はなんと 三の巻へつゞく ゐたりけり一トまのうちに 小三のこゑ〽あれおきく どのがおもひつめて じかひせうとする 二のつゞきへんとうなげくびしたゞひれふして はいなだれぞ はやうきてくれぬかアゝあぶない〳〵ト とむるはかひろきむすめのちから こなたもおなじをんなながらいつしん こりしかくごのぞいばすでにあやうき へだてのふすまおくれは ぐわらりおしあけつ はものもぎとりこゑ あらげ〽此やうな 〽このみのふしだら たゞ此うへはおなさげにと ふしをがむをおくれがうち ないならひでもないはいのう 此ふこをひらふたときからふう ふにしてとはおもふたれど小三 どのを女ぼにもてといふた の入こう助のきをひいて見よう ばつかり〽アヽそれでわたしも おちついたト小三がむねを なでおろすをうしろにの けし〽はてたれしもわかいみそらでは ふりやうけんをさせ まいとおもふから此ごつの おれがしん〳〵みづにする きかなさけない今 りつぱにしんだなら みのいひわけはたつにも せよたかさごやのなのでゝ ことにきがつかぬとは ちまよふてかせけんはれて こうゆとふうぶにしたら ものそなたはしなずとも よいではないか〽ゑそんならば ねがひのとをり〽はてたがひにめなし をつとなしふぎといふではなけれどな こう助もいやつた とをりなかうどなしのなじみ ぢやといふことがせけんへしれては〽イヤなかうど にはわたくしがなりませうしたちでるますゑむ こう助はといきをつき〽めんぼくもない 花のみぢ のかこふて ますゑもん 〽そんなら ちか〴〵 きち日を えらんで おきく こう助 なを〳〵 かたく うちとの ものにけ どられぬが がんよう〳〵 おふくろさま だんなさまへ よろしうト小三を つれてますゑもん うら口よりぞかへりける 三三丁五はてつぎのゑきしうづきなるばのことなりけんをり〳〵むらさめのきばを うちかきのうりはなほころびければはやほとゝぎすもおとづねんたらば くらまのつゞらをりへはつねをきゝにゆしかんとてとき二郎へがもよほしたて くらまのつゞらをりへはつねをきゝにもとほうといふわかいものほかでつち小 ばんとうとう助てだいのくぎ飛う九郎といふわよいものそのほかでつち小 ものをひきつれひるさがりよりたちいでけるがくらまの かたへばめもふらずうらつぢ まちをみなみへとりやうがひまち まできたりければこうゆさらに ふしんはれず〽もしだんなさま くらまへゆくとおつしやつてみ だうへでもごさんけいなされます かといひければとき二郎うちわらひ 〽なかほどがてんのゆかぬはづおれも もうことし八はたちはなのみや こにうまれながらはなのもの いふみすぢまちといふ とこをとんと見ぬあんまり 人なこはづれぢやとおもひ たつてくらまへゆくとうそ ついてわざ〳〵きたそちはあの ますゑもんがなかうどで 此ごろもつたしんまい 女ばうおきくが こはいかしらねどもおりや ころいかしらんと ちつとようもあつてぜひに くるわへゆかねばならぬかねて こんいなあげやがあらば つれていんでこれやれト いはれてこう助こゝろに おどろきこれは又おめづらしい しよしあけくれそつばんのおと ばかりではさぞおきうつちん〳〵 ならすてんびんのねにはかはつた ちかづきなまひ 二上りをおきゝなさるも 又ごほやうしばゐの ちややでおちあふて つるやてんごといふ あげやへすぐになァ くぎ蔵どの〽八ア ない〳〵は太郎 くわじやもさ やう申シ あげうと ぞんじた それはいちだん よろしうと いふうちも のとがぐひ〳〵 いろけより こめばまづ〳〵これへと みはらしのひろざしきを のみけのはう たまみどりの あつがんでぐつ といつぱいきを つけたいさァ おぜ〳〵トこう助を さきへかけさせ どやくとまひづるやへなり とりはなしでん三はつぎへ つだき はかま ひつかけ てしき ゐのそと からにぢ りこみ こう助やくぎ蔵にし きにいり ●左ゟその 〽やうにいそがすと たのみたいことがある う九郎そちにもたせて きた 〽そちにはをりいつて 〽こりようを おいでと ㊃からかさをとりよせて さうなを よんでくれそして こゝへおこせトでん三のそば さしいだしてちかくすりより 〽しやうばいがらには なかまの 女郎かひといふものが うまれついてだい きらひ㊄ ふはむきながらおりや ふはむきながら むりやりにひきづられ 此となりあたりであつた あげやのはしごをはんぶんあがつて どこをかどうにげいだしでぐちの はうへはしつてゆくをりひよりぐせのむら さめがさつ〳〵とふつてくるとものものは おれがにけてかへるをしらねばあんかんと あげやにゐるかきてくれずせんせうを さんくわいがへり いふやうなれどうまれおちから ついぞこれまで ことがなければ ひとりで ひとりでゆ あるいた 〽かさをかふにもかご かるにもどうしてよいか かるにもどうしてよいか うつかりとのきのしたにたつて ゐてほとゝぎすのはつねをきゝ 句をあんじてゐるところへ。これさして ゆけといふてそのからかさといてうばの ねりげたをこをんながもつてきたゆゑおい〳〵と ぬりげたをこをんながもつてきたゆゑおい〳〵と さしてかへりはかへりながらどこのものか名をもきかねば かへすにもれいいふにもとんとしやうもやうがないわがみ ながらあんまりあはうとこゝろに をかしくからかさをひらいてみれば あふぎのもんたゝんだうへにしゆうるしで 〽ふとおちか づきになり ましたこう助 さまがごえんに なりおもひがけ ないごくわうらいそれ おのぞみがござりますならたれなり へかませにやりませうトいふをおさへて とき二郎〽いや〳〵されのかれのこ いふあひかたにのぞみはない まアちかづきにトさす さかづきひらりとなくる はながみはつるにえんある こがねのふだいたゞいてまひ あがり〽さやうならやちよ さまかよしのさまをきゝに やれとうきたつをとき二郎又 おしとめて〽これでん三とやら まア〳〵おれがあひかたは商へ● おさかづきおくわしもてたいふしゆに うらといふ字の女がさあゝしんじつなとおもふから 見もせぬ人がしきりにゆかしいなんとおれがあひかたに 此ぬしをきゝだしてこふへよんではくれまいかじとはれてでん三 小くびをかたぶけ〽すまからそでうらはなうらとて たいふにもてんじんにもからといふ字はござり ますれどそれにしてはもんがちがふそのうへにあげや いりにあめがふればながえがさかむろがさすのはちいさ なりつねの女のさすやうなからいふふうの じやのめがさをたいふがもたうはつも なししかし くる わの うちの こと しれぬ ことは ござり ますまい きゝいだして ものをいまいつしゆおさかづきあらひがでぬ 〽まゐるまでトいひ 〽かくるをひつとるくぎ蔵 そのうちはげいこをありたけ ならべてこれから大ざけ〳〵こう助 どのやおれはほんのおあひてなりおとも なりあひかたはいらぬけれどせつかくこれまで きたものだふりそででもなんでもよい〽ヘイヘイ こまりましたそれおかんをなをしてこいおすび 毛りみづ つゞきなかゐども〳〵おくで おてがなるではないか。なに。 ゐづゝさまのもらひが できぬそれにもゆか ずは なる まい ひとり でてん〳〵 十五五ゟかしゆかたほそおび なんぞはどでごんすこいつは あたふた はしを おりに けり ゑらいこりやゑらいさて またつぎのかるわざは むかし〳〵のそのむかく 五でうのはしでよし つねさまがせんにん ぎりをなされたとき うすぎぬかぶつて たかあしだはしのらん かんぎぼうしゆかけて あなたへさらり こなたへさらり てはしりたまひし そのまなび此ぎを なづけてくぎ蔵が ぶたのかるわざ くんや〳〵そこらで とつと わらつ とこ ろをすか さず ●あとはまふやら うたへやら 一。とりは。とんび ○とんびは○とろく 。とからは。あをのり おや ぢは十めん かは五めん 十めん五 めんに おもひ〳〵のげいづくし ちよつくらこれを こうとうなつくりも どこへかこう助が つるにかす みの □□□□□□ あをのりは 百やしやう 百やしやう 百匁 ばいきうべゑ こひとりむす めにお七とて としは十四のまだ つぼみはなに たはむれえだに ふくをじし めしゝの あなさへ ひらりこな たへひらり ひらり ひいじりい ひらり ひらりと する ときは うちの しゆびが にらみつけられいなうやれ ぶしゆび もどらうやれいふてはかうしに とりついて千ヤ〳〵ヲイまねぐをばなに なァこちやまねかれてそれからそれへ ひとくちづゝとんだりはねたりかはづたり よい〳〵とうつてびやうしにうかれて てだいがつうじんとなりふりどころかつぎん となつ 十一日上や せいはつてざしきをしつまぬやうにしてもかんじんの おんたいしやうにおもひものがないさかいとんと いへさのひやうぢやうがかたすぎてをさまらぬ ものみにやつたでん三めがもしとりこにでも なりはせぬか此くぎ蔵がさいどの ちうしんどれおむまを のりださうしたちいづる ながらうかむかふのかた よりていしゆの でん三なげくび しつゝたちかへれば 〽コヽまちかねたどう こゝまちかねたとう ぢやくトとはれてちよつと あたまを 〽ゞきことばまでにはかにかはつてあふぎぱち〳〵〽おれがいくらいは 〽はい。 しれは しれ ましたが こまつた ことがござり ますかさを おかしまうし たはたいふてんじんかこひでなし つぼね見せと申みましてなか〳〵 あなたがたなどのおあそびは できぬとこしかくあのからかたの よいとこのわかだんなと見える人があめに ぬれていくじもなくござるのをおきの どくにおもふたからかさはかしてあげ たれどこつちらのなもいはねば よもやかへしにこざらうとおもひ がけないそのところへこれはほんの ひろひものれいうけようとて したことでなければ おめにかゝるにも わたしはとんと およびませぬ そのときはゆかへり でとをりすかびに 見たばかりおかほさへ おぼえぬをもしや あいつがいやらしい ○こゝろがあつて したことなら よんでなぶつてやらう とのわなへはめつたに かゝるまいあとにのこつて ゐたおぎうり もしまはせて おきました だしてあげや といひはなし きやうだいに うちもだれ いやはや ぬしのなはうらざととていま つぼねではいちばんぜんせい男 わからぬ どもでは から わた 見てじつは びつくりたいふ てんじんかこひ までつつくわんで あのくらゐうつ くしいのはござり ませぬろくろくび ではあるまいかと のどを見ても はなすにくぎ蔵 しやはりいで 〽だんなはもとより くしがじらんに まゐりはじめて すぢもなし 見ずしらずいろけを はなれてしんじつのれいがちよつと いひたいとおつしやつておいでなれば つぼねはおろかそうかでもそのくらゐにはとんぢやく せぬことにそれはほりだしものはやうこふくるやうに せりたつればまひづるや〽さかさ。こまつたとまうしましたは はなしつれてまゐらうとぞんじましたらからざとがわらひながら▼へ そのことでござりますかさとげたをかへしましてかう〳〵ぢやとやうすを とつてもつか ぬあいさつ わたくしが じはあげやのていしゆにようはないわざへ 申シま まするは いや〳〵おれに ほれてかさを かしたとゆきすぎる やうなうはきなお人 がらではさら〳〵ないとゐ さいをくはしくいひまし たらそれはうはさにきいた しんだいそのやうなよい人 にはいよくおめにかゝられぬ はてなぜといふて見いよいきやく がとりたいゆゑにしらぬものに かさをかしてそれをえんにひき いれたつぼねふらばさうせねび あらいふきやくはこれまいといはれ てはわたらばかりかのきならびい ぢよろしゆのはぢいけにはち すのはながひらけばあるかなきかの ながれにもさうおうな水くさの さくのがうきよのよいてほんたいふ しゆやてんじんはひいきにして もらひたさおまへにつゐしやう いはうけれどつぼね女郎のきさん 十五 少同も三本 つぎさァはやう 大山 かへらんせとしほ ばなをふらぬ ばかりおびいだされ まゐりましたして 火の きくひんにやきくにやきく きくたびくにとき二郎 こひざをうつてかんしんなし 〽ちりづかに うたをよみしまつにもまさるうら みどりみさをもさぞとおもはれてます〳〵 それはしたはしくといふにくぎ蔵いきりだし〽おれが ゑへんへんあばれていちばんひつたてべへしなまづきどりの せきばらひとき二郎はおししつめ〽あたまがちにさうでゝは あのさァこりやァとふり あげたにぎりこぶしの しかたがあるまい これはいちばんきやう げんをかきかへずは なるまいかなアこう時 〽ハイちよつと今うけ たまはつたところがそれは からして八じみゝにくちよせ さゝやけばなにかはしらずうち うなづき〽おつとよし〳〵それなら こよひはざしきばかりのあそびでだれぞ ひとりよんでくれじいはれてでん三うちあんじ 〽さやかならゑんざんさまどことかやらが小 まぢちやとうはさがたかうていつでも おひま人ばしかけてはやう〳〵じいふまほど なくのつしりとさすがそなはるたいふの くらゐ又さかづきをめぐらしけれど時二郎は 種彦作 工なにとやらのぞこをうしなふ心にて おもふさまにはうきたらずねよ とのかねにねもやらずひとゝを いざなひてかごをどばせて かへりけり 〽でん三とやらへ けへつたがよく くちをきく やらうだの コレサつい でが あるなら 仙女香を つかひ きつた かつて くるのた ありやが よくうれると みなみ てんま町 じん みちざ いつて ぢき となりへひつ 国貞画 こして うちが大きく なつたとくさざうしに かいてあつたつけ 筆畔道友 紫野芳姫君 以て購入せる弥聞博士 狩野亭吉阮藩蔵畵 10534 めしはむ 狩り 冊 □□□□□□ 十一日 時 □□ 姥 浦里 国貞画 時次郎 花 もみぢ 二 名所 乙酉新版二丁 扇 種彦 作 後編 伊 伊藤伊 四 太夫かうしとへだつれどおつればおなじたに川の ながれのすゑのつぼねみせいきぢとはりはにしきにも まけぬゆふきにはないうのうらざとゝ 此ごろよりうきなすじまきもめんの かたいやうでもやはらかみしよくわいを すぐにつけうらとかさねぎせしも さみだれてあやめかたびらきやう ぞめのゆがたとかはるさつきのはじめ きのふよけふとゐつゞけもついかたゝねの ゆめごゝちうらざとはゆりさまし〽これ とき蔵さんおまへにはかゝさんがあるといふ かねてのはなしそのやうにうか〳〵といつまでも ござんしてはうちのつがふやなにやかやぶしゆびに なつてもしひよつとトいひかけるをうちけして〽あゝよく おひだしたがる女でごさるはおれがからだておれがゐるに だれがなんといふもんだそれほど いやならふしやうながら どれけへつてやるべへト たちあがるをおしとゞめ たちあがるをおしと 〽おまへがはじめて ござんしたそのときは あのわたしはほれもせねば いやでもなしたゞひと とをりのきやくにして かへしたれどそれから しげ〳〵あへばあふほど しげ〳〵あへばあふほど あくえんやらたがひに ふかうといひたいがけり もおまへはなにか そは〳〵としんじつぢや やらうはきぢややら わからぬおかたに あはうなと心で 心をたしなんでも おもひきられぬ おもひきられめ みのいんぐわ もう〳〵どんな ことがあらうと はなれるきは ないゆゑに はなして かへすも おまへのためト いはれて いはれて とき花 ふはりとすはり 〽そりやァはや こつちらも いやならこんなに きもしめへじつは おれもさう おうにくらす ところで うまれたもの ふとしたこと からくつぎへ 「つゞきしかんだう され今此ざまに なつてゐるが もしもうちへ はいられるやうに なつたらそなたの くらうをやすめる やうなしゆ だんも あらうじ そうやく しく さしおけば からざと ぢろりとうち ひなる くるわぢう あかいた とてたれが ゆびをさし ませうさァ わかだんな おめしかへうら ざとさんもこれ からすぐにまひ づるやへおつれもうす てはつでこう助 くぎ蔵も あちらにまつて をりまする そのしなこれへト もたせたる しらきの だいに からざとが きがへ いつしき つみかさね はなしの なかへおもて とき二郎さまとのふてずゐふん人にしられたしんだい 今まではごかんだうでごかんなんのそのうちにおまへがいろ〳〵 おせわのはならはかげながらきゝましたこれからはなになりと おのぞみしだいだはらいつぱいさアおねだりなされまし きいてからざとかほいろかへ〽そんならおまへはいつぞやわたしが からかさをかしてあげてとき二郎さんでござんしたるおかほを おぼえぬばつかりにいひかはしたがくちをしいかんだう うげたといはしやんすもやつぱりわだしをはまらす こんたんあきれてものがいはれぬトきせるをたゝみに つきたてゝうしろむくそでひきとゞめ時二郎は そばへより〽なるほどそなたのいへるとをり でん三をつかひにおこしたときよい ところのむすこではあはれぬとの へんじゆゑこう助といふばんとうの はからひで此やうなすがたになつて とき蔵と名もよいかげんに こしらへてやう〳〵あつたおれがしんじつ かわゆいとかふびんとかおもつて くれてもよいではないかトいふをに よりとんではいるてだいのう九郎〽さァわかだんなごかんだうが ゆりた〳〵もシからさとさん此おかたはわたしのだんなたかさごへ う九郎とりついて〽さやう〳〵 たかさごやのわかだんなとしつての うへならうらざとがよくであつたと たてひきとかよこひきとかみあがりまでしてよんだ男てをひきあつて ねがそねみでいふものもござりませうそれとしらずに今までは ながめ〽つほねぢよう ろは此きてゐるゆかたが このみさうおうな こんなものはいりやん せぬじきせると だいをつき こかし。さァ ときさん ゆきやん せう すぐに にかい いづらり とゐながれ たいふに はづる けはひもなく みなさんゆるして くださんせしとこわきに こそなをりけれ○しばらく しゆゑんときうつり一つきへ 花もみち ふゝみち しんざうかひうなぎやのかう〳〵で めしをくつてる心もちところがまてば かんろとやらじつはあのゑんざんに ちよつとみるからくびつたけはまつ てもだんなのあひかたおそばへも よられぬところがこよひからうら ざとゝふりかはつててきめはてあき これとりもちをたのむ〳〵トいはれて こう助こくびをかたぶけ〽きさまが あのからざとにほれてゐるはめかほ でもしつてはゐるがこゝのでん三が いつぞやちよつといつたとをり かほがあれほどうつくしうできやくの ないはかんじんのところが小町といふ うはさならばてがらにてにいれて みやれ〳〵とおだてられくぎ蔵はなを きやれじこう助はさきへたつてゑんざんがびやうぶの うちをさしのぞきはおいらんやくそくのきやくじんを おつれもうしてまゐりましたよろしくおたのみ 申シますこれではどうかおちややのやうだし くぎ蔵をとこのうへつきやつてたつてゆく 〽じきしおのれ〳〵がねやをもうけうちふすをうに くざ□蔵はきんばいきげんのたかでうし〽これこう助どい〳〵 かたくまねきしきもおれも今まではおさだまりの こかげへまねき〽さまもおれも今まではおさだまりの うでうてん〽おつとそこはこゝにあるどうぞはやう これぢや〳〵トてをあはすればをかしさこらへ〽はてサ たのむにおよばぬたつたひとりでさびしさうに あそこにゐるおれがあらましいつておいたさま〳〵 ゑびほんしやうたがはずちよつとかくして まじめがほ〽おゝこれにこそしさいあれそれがし いまだようねんのときしゆじんのまへに めしいだされ此のはづれにしきふといふと 〇ひきまくりあかりにかざしてとつくと見 たしかにこれは人のはがたといはれてろま 人のきられたくびがありそのくちへ 此あふぎをくわへさせてもどる べしとおほせをはつとかしこ まりかのところへおもむきしが 人のしがいをくらはんとむれ あつまりしあまたの大かめ われをめがけてとびかゝるを みぎひだりへふみのけ けのけのこらずきり すてもどりしがその ときちよつとくひ つかれたはがたが今に のこつてゐる此めとは みやうばんの ぜんざ〳〵と たあいなく ゑんざん なをも きを きを さず 〽ほんに あとにまじ〳〵くぎ蔵がさすがになにと いひださんつきほもなくてありあふ てうしひきよせてちやわんでかぶ〳〵 ひつかけ〳〵めもとろ〳〵 〽ゑんざんさんはゞかりなから これでひとつめしあがつて くださらばしやう〴〵せゝの ごかうおんイベかうまじめに いふでもないがひよんな ことをいひだしてさぞかく うるさいやらうだとおさげ すみもはづかしけれど いやなきやくにもひよくござと あさまにもかたるとをり おふとんのはしへなりとおざうりを つかんでなりともうじ〳〵トよりそへば ゑんざんもすげなくはつきやりも せずうちわらひ〽きたけではなし わたしぢやとておもふおかたをそで する心はなけれどひとはなのらは きが男のならひぢやから〽あく〳〵 どうしてもつたいないゆびはおろか 此くびでもいや〳〵くびをきつたら あしたからかさをかぶるにぐあひが わるい〽それみやしやんせさういは しやんすがやつぱりうはき二世と かはしたいれぼくろ大かたあるで ござんせうじくぎ蔵がかひなゐ 花もみぢ おかた ござん すの したが どうも 心の そこが しれぬ おち つかめ しんじつ わたしが いとしいなら しんぢうに かひなひき くださんせと ちよつとかうして さすがとりだし くぎ蔵かにの うでをつきへ 十八 下ゟ下ゟして ゐいとゆかんと するをひきとゞめ 〽まア〳〵こちへとこかげへ まねきことばはなくてなみだに くれモシおまへは てんまが見いれ てか 〽つきちからかかせひけばきものはきれながらきずも つかねばちもにじまずさてはとこなたはみづくろひ くぎ蔵はきもつかず〽さァ〳〵ごねんばらしならもゝでも のどでもおつきなされとおしくつろげるえりのうち 〽ヲく此ひもはかけまもり此うちにはよそのをなごと いひかはしたきしやうがあらうじ手ばやにゑんざんとり いくすをりからこう助いりきたり今うつたはもう七つ夜の あけぬうちかへらうとだんなのしたくがとつくにできたトせりたて られてくぎ蔵はふしやう〴〵にたちあがり〽ゑへこれおもしろくなり かゝつたところへあんまり心なしとはいふものゝしゆうとやまひ〳〵と かへらずはなるまいかゑんざんさんこんどまでそのまもりはあつけて おくなかをとつくりあらためてきしやうがないそのときはいや おうはいはせぬトつぶやき〳〵みなうちつれかごをとばせてかへりけり こゝのゑときなつもいつしかくれはてゝみそぎにながすあさのみを すかすきりこのとうろうのかみにあきかぜ見えそめてをばない なみはゆきとちりきくさくころになりにけりかくていよく時二郎は うらざとがことわすれがたくあめにもかよひ月にもゆき給ふも だい〳〵おでいりのちばさまのおやしきよりとき二郎にぢき〴〵に まゐれとあるをさいはひにごかりもすまばそれからすぐにかの みすぢまちへおもむくべしそのよういしてこう助はくれがたかり まひづるやへすぐにきてまつてゐよとだんなのことばにいなとも いはれず人めをしのぶたれかごを大もんぐちにかきおろさせ はをりかたてにたちいづるおもひがけなき女ばうおきく 〽これこう助どのまたしやんせトいはれて なみだにぢろりとふり九見で手まへは てまできただんなのおともでより ふけずはしよせんおれはかへられ まいはやうかへりて百六 } ●としのくれ大 だんな さまのごはう らつ人さまへ 一でゝごいけんを せねばならぬ みをもつて くぎい蔵とのや くぎい蔵とのや うれらと ひとつになつて そうたて たいこもつて あそばさんすは とうからよう しつてゐる いつぞはいはうと けふはあとから こゝまで つけて ねもの きた はいな ことに あのうら ざとはわたしが ぎりあるいもとゝ いふことをばかくして ゐるけれどおまへには夕 いそへかむろ ぼうこう うられて たりに 一はなしておいたぢやござん せぬかなんぼ人が しらぬてゝ わたしの いもとで あれほど ゆくだん かふの きまつた ところへ のちの とゝさん ゆき 右衛門 どの かたい と だんな いふ さまの おみ もまそなたは お人が ふと きくがよいなるほどいつぞやそのことをはなした ときにはおれはねむうてはんぶんはゆめのやう書 もちが わるうなつては もとあづまの ものであいわたしが 大いそへござんして かわゆさうなと それほどのかね うみやまのごおんをほんのとゝさんはちいさい うみやまのごおんをほんのとゝさんはちいしい だしでわたしを すだうりときにしなしやんしてだ あだでかへすだうり むすめにもらは いひかくるをおさへるどういふわけやらかゝむすめにも しやんしたその こう助〽あゝてまへのいひ たいことばかりまア〳〵 しれずおぢさんと ときにあのうら いふ人のせわに おれがいふこともとつくりと なつてゐるうちに わたしが五ツのこ ざとはおうら とて三郎で あつてつぎへし 迄りぢ つゞきわたしはあいぶん それから十二三 たつてののちにゆき ゑもんさまは今をも〳〵 しれぬ大びやう あはせで しんしやうは だん〳〵のおふし れいらくする おもふほど には くすり さへ のまれぬ ほどなかすかなくらし おうらをこゝのつほねみせ う里わたすさうだんを きいてわたしはびつくりし おやくにはたつまいが わたしをどうぞかはり にとねがふてももの がたいとゝさんはきゝ いれなくいや〳〵てまへは ひとしのむすめ わづかなかねでかふておき 今又それよりかねをおほく とつてはどうやらそれが みこみでそだてたやうで 十九 そんならてまへを りべつしよう〽ゑ。ゑ 〽さァさるじやうを やらうほどにたる さごやとしゆうじうの 〽えんをきつたら時二郎 さまにはぎりもへち まもいらぬトいひすてゝ かけゆくもすそこけつ まろびつすかり くおきくを けのけて 二郎助は くるわの うちへいち もんじ 〽こりや かうしては ゐられぬと おきくは きりり かゝへおびひきに あぐるうしろより 〽おきゝまちや よびためられ〽ゑへ あなたはおふくろ さまこゝへはなんの たようがあつて 心がすまぬおうらは おれがじつのむすめ どうせうと心まかせ たつでとめるとてまへ をばかんだうして しまふといふおこと ばがかなしさに かわいやめの子の 心いつはいくすりを あげてやう〳〵と してそれからわたしは たかさごやへもの ぬひのほうこうして すごしましておいたれど ごぢやうごふやらおはてなされ トかたるをこうゆ又おしとめ とゞめ〽さァ今もいふとをりよそほかからそれほどなおきやくが あの子につくことならわたしもとも〴〵とりもちてしようもやうもあらうぶ けれどごおんのしかいだんなきまを〽ゑへぐちなことをいふうらざとはわがみの みをしつめそのかねで おこゝろよくはしもう どうやらかうやらとゝさんを 〽もうよいは〳〵あのうらざとは そなたのいのとゝいふはなばかりじつはこまへの までつけてきてなんでおれにはちかゝすじたつをおきくがひき すくはれたそのゆさゑもんのじつのむすめ。なりやだいおんを うけた人のちすぢへだんな時二郎さまがふつとおあひなされ 今ではなんのくらうもないすりやよろこんでゐるはづをくるわ いもと いふことは おれより ほかにしり てはないから よいではないか 〽いへ〳〵あくじ せんりかべにみゝ はてやかましいふゆかんとするをつぎへ 〽はてやかましい ほんにがてんがゆき北る まいちつとわたしは 時二郎にあはねばならぬ ことがあつてきかゝつた あのかごのうち今の はなしはあらまし きいた〽ゑ〽いしや なんにもあんじ やんななみかぜ たゝきずをきめる しやうはとつくり くふうして おいたさい はいわたしが □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ かござ そなたはうちへ もどりまつて ゐたのがよい はいのといはれて おぎくはとやかを 心すまねどしゆ じんのことば一アはい さやうならこれから なにおかごには およびませぬと ゆかんとするをつざへし いどりはもどりませう 〇 小仕もみち 〽ゞきむりやりにおくれは かごにおきくをおしこみたち くるわのかた わかれて ゆかんと する おかふ こそ〳〵くるは てだいのくき蔵 〽おふくろさまで ござりますか〽ヲヽ くぎ蔵しめびは とうぢやいやよいだんではござりませぬ時二郎がちばさなから あづかつたかのたんたうわたくしのわきざしとすりかへは すりかへたれどうまくさや人をさまらぬところであの心 う九郎に そつとわた してかくして 〽おいたトきいて わざときよろ〳〵ぎやうてん がほ〽モンわかだんなたいへんだ どういふわけるおふくろさまが にこ〳〵がほ 〽ヲよし〳〵その あげやへあんない しや〽さァごいつ しよにまゐり かはしてまひづるやへ くぎ蔵はたちかへり あれ〳〵そこへおいでなさる みんなはつぎんはやく〳〵 おひやるほどなくおくれは ずつとうちとをれば 一時二郎はめんぼくなげに かしこまり〽おもひがけ 〇さわぐことはないはいのなんにもさまで むづかしいようがあつてきはしませぬ時二郎は まだひとりみけいせいぐるひもしやらいではその いけんにきたではないきせるとりだし なき母じや人まア〳〵 たばこぼんひきよせてアレ時二郎給ふちばさまの おくらやしきへめされてからのごとりやらぬが いはきり丸のたんだうをおいづかり申したと ことものはなしそのつたとものはなしそのつるぎは 〽ヨよし〳〵そのちばさまにだい〳〵つたはるおいへの あげや人あんないたからおとぎなをしはいつとても しや〽たァごいつたかさごやへさがるかきちねいその しよにまゐりごようであらうのじとひかけられ ませうじとつは時二郎〽おほせのとをり来月 かはしてまひづるやへまでにときだてゝさしあげよと くぎ蔵はたちかへりおわたしなきれてすなはち とざときよろ〳〵ぎやうてんこれにトちがひとなよりたんたう 下〽セシわかだんなたいへんだ どういふわけるおふくろさまが あれ〳〵そこへおいでなさる みんなはいぎんはや〳〵〳〵とゐ おひやるほどなくおくれは しはいすればかまはぬけれど ずつとうちとをればしはいずればかまはぬけれど 時二郎はめんぼくなげにきん〴〵でかはれぬしなこゝに おいてはきがゝりなどれ〳〵 わたしがうけとつてかへり なき母じや人まア〳〵わたしがうけとつてかへり ませうじいひつゝも ませうじいひつ これへト手をとれば おくれは一トしほきげんよく はこのふた 〽あゝみなの人そのやうにわけ とりのけて五の巻へ 四のつゞきあかりをちかづけふしんが下。わたしはをなごのことなればはものゝ めきゝはしらねどもまへどみたとはすんもちがふはもこぼれてあまりの さびトいはれできのへく時二ら〽ヤヤヤこりやにてもにつかぬなまくらもの ゑへいつのまになにやつがしたつをおくれはとつてふせ〽あのこゝな ふらちものが今けふとすりたいせつなたんたうをあづかりながら うか〳〵くるわへもふてきてすりかへられたぬすまれたとどうして それがちばさまへいひあげられうか時二郎とつくりしあんを して見やれじつきはなされて〽はつトばかりしばしことばも なかりしがやう〳〵にかほをあげるかんだうなされてくださり まつかく〳〵のふしだらゆゑせがれはいへをおひだしたと そのかはり百日のひのべをおねがひなされたならかなはぬこ ござうますまいなァもし母さまときいておくれは うぢしほれ〽わたしはもとたかざごやへものぬひの ませ ほうこうにんそなたの じつの母さまの おしになされた そのあとへ ひきあげられて 時二郎どう しやれかうしやれ とくちではいへど まことはしゆじんと いふことはわすれはせぬが いへのためにはかへられぬ そんならけふからかんだうぢや 百日のそのあいだにどうぞたからを とりもどしかへるやうにしてたも うはべばかりのそらなみだしづ〳〵として ゆかんとす 〽おきづかひ なされますな此み ばかりかたかさごやのいへの 名までをよにだすてづめと もりみぢ いふをきゝ すてたちかへる おくれを見 おくり時二郎 ひとりうなづき みづくろひ〽モシ だんなひよんな ことのございなん 山わたくしどもが ともかへもト ちからを むる こう助 時二郎は みゝにも かけず 〽ゑへさい なんとはいふ ものゝもとは 此このふしだ からあら あやまつた〳〵 これがくるわの見 をさめとほかに ことばはつぎへ 廿一 こでまへにくらしながらもしやうばいはあふぎ ぐるまのまはりよくとくいをは ますゑもんけふはゐのこの しうぎとてひるさがり よりほんだなへ るすのあいだは 一 なをさらにきまゝ いつぱい時二郎あけ はじめなるこたつの ふとんひつかぶつて ひぢまくらもおてが あてがふぬりまくらそのてを ひとつにひつつかみ〽コレまア ちつとこゝにゐてたはごでも つけてくりやな。ゑへ。そでゝぬぐつて たにんらしいアヽいつぞやくるわで たにんらしい かんだうさなかけだすところへ ますゑもんがどうしてきいたか おつてきてむりやりにわがうちへ つれてもどつてなにかのせわ のめ〳〵と此みやこにあしをヱ いたみませうト小さんが つゞきなきいるうらざとゑんざんざんはじめん〴〵がとゞむるを つきのけてはしごどん〳〵時二郎いづちともなくいでゆきけり こゝのゑとき二でうどをりのてらまちに三ンげんぐちを 左ゟ はつとかほうち あかめ〽あれ又 あんなあぢや らばかり したがその つるぎと やらが なく わた しあ わせ あさも ばんも 此やうに おそばに ゐるは 一九九一 ▼とめて ゐるきはないが な。それ。それや これやにひかされて ゐ候といふものに おりやはじめてなつて みたがあゝきらくでどうも よいしたあいろいのはふところ子 小さんはにつこりうちわらひ 〽ずゐぶんこときをつけてあげ もうせどとゝさんがたび〳〵 七ツが 時二郎 〽︎へうそをいふ やつなおそば どころか そのやうに とをくへ よつて ぎやう し たゞしく まアだい いちしゆう あしらひが おれはとんと きにくはぬ よりそふ ところへ わたしへいふて なれどかゝさんはなし人ずくなで ごふじゆうがちがわたしはどうも 〽これはしたりかゝさんごころか あのとゝさんぐるめにこつちはないのが かつておりやそなたさへあればよいし右へ ますゑもん もどりかゝつて とけもせぬ たびのひもを もぢ〳〵こと むかにしは ぶき次へ 者もこがせ 〽らき〽二ツ三ツくつたくがほにざに なをり〽わかだんなけふおみせへ まゐたところがくぎ蔵めがいひ をるには時二らさまをおふくろ さまがごかんだうなされたは かわゆいからおこつたこらしめ きけばきさまがおつれもうし むすめの小さんをゑばにかつて かくまつておくとのことそれでは かへつてとき二郎さまのおために なるまいとまくしかけていふた ゆゑいや〳〵さうしたおぼえは ないとしら〴〵しうへんたふしたら それがぢやうなら此くぎ蔵を きさまのむこにとつてくれ ありやうはとうから小さんに ほれてゐるとのいたしばり こつちらもいひがゝりヲ むこにとりませうめす ともいはずこんやのうち しうげんさそうとうけ あふた日がくれたらくるで あらうむすめさう おもふてゐたがよいしかたるに ふたりはあきれがほ小さんはとり わけおろ〳〵なみだ〽なんぼおやの こうけぢやてゝわたしにもさた なしにあほうらしいトかしなむくせなをますゑむうちたゝき これ までさそひ きたりしぞや コレ時二郎此 こう助は大 あくにん かならず ごゆだんゆ ゆなされるなあの くぎ蔵といふ 五ついおくれがじつの やつはおくれがじつの おとゝにてあねと ひそかにしめし あはせその 時二郎をおひ いだしたか さごやを わが まゝに め とも 時 二郎 に つみ な けれ しり けん さいくはりう〳〵そのしあげに今までおほきにほねををつた イヤよういをせずはなるまいじたちゆくめとへこう助ばかみも みだれてぼうぜんとかけくるあとからおきくはうろ〳〵 〽これもうし心をしづめてくださんせそれそこに だんなさまごあいさつをももうさずにどうした ことでござんすとなみだにくれば時二郎〽ふウ がてんのゆかぬそのかほつきおきくこう助はらん しんかじとはれてなみだかきはらひ〽はい。そんな ことでもござりませうすこしばかりいけんした それが心にかなはぬとてわたしをば りべつする此ごろはか〳〵〳〵に まゝをもたべずぼうぜんと とき〴〵とりのまねをして なにをいふてもしやうどが 〽かめのこうよりとしのこうてまへにこまらすやうにはせぬ ないはとりつきものでも したことか これ こう助 どの〳〵 しやう きに なつて くださんせ いへど かうべをうなだれて へんたふもなくたちあがり こたつのうへにしりうちかけ どうじ てだて なく此 こう助 をも いちみに かたらひ をしる つがひ とり よせて さし ころ 四 せて □□□□ ちを しぼり その われを たれとか おもふらん はかなく此 よをさるさはのいけに としつきすみなれし をしどりのふうふの れいこん此こう助が からだをかりしさいを かたりきかさんため ち しほを 時二郎と □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ のませたる えんをひいての はうらつだじやく それにつけこみ あげやにて たん刀を一つぎへ 廿三 神社 然にぬすみとらせてかんだうなしをりを ▼きくぎ蔵にぬすみとらせてかんだうなしをりを 見あはせくぎ蔵がたづねいだして候とちで 見あはせくぎ蔵がたづねも どのへさしあげさせそれをこうにたかさごやを かれにやらんおくれがも〳〵ろみわれ〳〵ふうふの をし鳥をころしたは此こう助はやうこれ 此からだをやつざきにきり きざみうらみをはらして くださりませじかたるに 小さんはこわげたち 〽そんなら此はるたか さごやをとゝさんと もどつたとき なにやらとりを かごにいれう九郎と くぎ蔵がさゝやいて ゐたのはをし鳥だんなさまに そのちしほをトいふをおさへる時二郎 〽こう助はまつたくらんしんおきく はやくつれてもどれとちでちをあらふ 母のあくじそれときけどもきかめ かほこう助はなをみをふるひ〽いや らんしんでないはやくきれころゆ〳〵ト さけぶにぞおきくはとはうにくれながら こたつぶとんをうちきすればそのまゝこけてこう助はさらに こたらいはなかりけりから下下女がはしりきたり〽ざんなさまの おつしやるにはもうくざ蔵がくるほどにみなさまをこざしき おつしもうしてかくしておけとさア小さんさま〳〵トいそかしさうに たちさわぐおもそのかたにせきだのおとかみしもとは〳〵くぎ飛が ○まゐるまいまア ごめんざうををがんだ うへでしゑしやくも なくつつたち あがりまる わたとつて 見あはす かほヤゑん ざんか こりや どう ぢやト四 さすがの哥さ蔵 にこくわらひ くちあんぐり ますゑもんは 〽それがおれの むすめの 小さん よもや いやでは ござる まい 〽さァ いや では なけれ どき〳〵と なんだか 〽とんとやう すがしれぬ 〽ハイそのやう すはわたくしが おはなし申候で ござりませう ト一トまのうちより こゑかけてまひ づるやでん三が たちいで ずつととをればます ゑもんもはりま ひつかけいでむかび ひつかけいてむかこ たがひのあいさつ ことをはりくぎ蔵 えもんかいつくろひ 〽これがほんのあめ ふつてぢ かたまる あぢなこと からむこ しうと これ がらは とり わけて なにかのおさしづ たのみいるといんぎんめかして むねのうちはかるとしつてますゑもんわざとうち とけ〽これは〳〵いたみいつたごあいさつふづゝかものゝ むすめがことめをかけてもらはにやならぬなにをいふも くわきふのことありあひのみつぐみにやう〳〵するめよろ こんぶほかによういはとんといたさぬなにはともあれさかづき すませてはやくおちつきたいむすめ〳〵とよびたてられ 〽あいトへんじもまるわたのうちにこもりてしづ〳〵とゆぎの ふりそでかきあはせざになをればくぎ蔵はふしんさうにうち ながめ〽われ〳〵ふぜいのこんれいにまるわたとはかたすぎるかほを みせずにさかづきのすんだあとでどんだかへだまさううまらはけ ○わた くしの ところへ けふます ゑもん さまが おいで なされきけば こつちのゑんざんと いふたいふにたる さごやのくぎ 蔵がふりう あふげなその くぎ蔵が おれがむこに なりたいとの なかうどやくどれ〳〵ひとつのぎん まし かたがついて此しあはせわたくしは りやうはうよしとばた〳〵と いふみもちの よくないものを むすめには いつそそのゑんざんざんを みうけしてむすめの かはりにしうげんさせ たらあつちらもこつちらも ことなれどさう そはせにくい 花もみち 〽ゞき「うたひませう○たかさごや 此うらちやうにでみせしてイヤ こいつはかざしもんくであつたト あたまかえて わらひゐるくぎ 蔵はめを ぱち〳〵〽しうとどの めんぼくしだいも ござりませぬが まつたく此ゑんぎん まつたく此ゑんざん ふかうあつたと いふでもなくトいふを でん三が〽はてやぼな わたくしがしよじ のみこみ□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ ゑもんさまあなたが これにござつてはむこどのに りきみがあつてさらりつとはすみますまい そのかみしもはとつたり〳〵おつつけくびをもとらねばならぬこれからがさけだく わひ〽まだその うへにさいつ ころゑんざんに あづけおきしおのれがまもりにいれおきしは みたけ二寸のしやかのかなぶり天長二年と だいざにめいこれすきゑもんがしよぢの れいぶつかねとひとつにうばはれしを〇 〇もつてゐたのも ひとつのしようこ かくいふでん三がいぜんの なはむろ吉といひしもの なはむろ吉といひしもの かゝはゝのざんげんにてさいつ ごとしいへをたちいでかまくらへ くだるとちうえんでかな そのゑんざんそのときの 名はおきのをふつと みそめておきの おや おや すきゑもんへ てすぢをもとめ げにんぼうこう するうちにいひ かはしたるなか なればしゆじん なりしうとなり 大おんうけたる 人のかたきなに とぞさがし ひつしやりたてつけさァしめた まづ〳〵おへへござりましトおしやつてからかみをひつしやりたてつけたアしめた イヤしめたとはゑんぎかよいちとおかたづけといたじませうさァくさ居さま いださんと □ きやうとへ かへりしそのゝちに 女ばうおきのをたいふに したてざしきばかりを つとめさせたは どころかそばへもよらぬてまへを女ぼにもつた ところが天人にのかんびやうをするやうな心 もちでうつくしいのをめでみるばかり下 いふひざにゑんざんはしとゝもたれてかほ うちまもり〽そりやおまへのしんじつが しれぬからつれなうしたれど 女ぼになればはて ふたりをねまにおしやればくぎ蔵はゆめみしこゝち〽なんだかおれにはまだ ふたりをねまにおしやればくぎ蔵はゆめみしこゝち〽なんだかおれにはまゞ わけがわかつたやうでそこがすまぬ今まですのこんにやくのとおびひも どうなと〽イヤ けいさくかくしよう おのれをみださんみな このあるうへは しよせん のがれぬ そのうへに をし鳥の れいこんが こう助に のりうつり かたじけない そんなら こよひほん こよびほん もうをとげ なんぢは おくれ の おとゝ させてくれるきか 〽あい。ほん もうをとげい ではトむねんの なみだもくぎ蔵 そゞろうかれて きもつかず〽ヘイ いのちとりめとよ そふうしろ〽いのち とりめといふのもの きつさう。おきの それとわきざしを 〽せんねん せきのしゆくにおいて うろたへてとゞめをさゝずにおいたるゆゑちゝの てん三がとつてさしいだせばゑんざんてばやく ぬきそばめくぎ蔵をきつとみやり おのれにあへなくうたれたるすきゑも むすめのおきのそのときおのれが いまはのものがたりにふがふ なしたるうでのはがたしんぢうに ことよせてためしみたるにふじみの うまれトかたればでん三ことばをつぎも○ にて たか さご やを うば うば はん てだて まつた いつ ぞや わがうち にていは きり丸のたんし たうをつぎへ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 花もみぢ つきすりかへたることまでも いちくにくちばしりしよ ぜんのがれぬおのれが いのちさァじんじやうに しようぶ〳〵トおきの もろともめをくばり じりり〳〵と つめよする くぎ蔵も みがまへしなに こう助めにをし 鳥がついてそん ゑへくちをしい といつた ところか ならたくみのだん〳〵 どうする ものだ しかたがない かうなるからは やぶれかぶれ なにかもいつて とうかいだうで きかさうなるほどおれは ろく蔵といつた むまかたすきゑもんか くわゑもんかなはしら せきのしゆくでおいぼれめが ねんぶつこうのよりきんを もつてかへるをかぎつけて ばらしてからふつと 〽あねごにめぐりあひ そのかねでみのまはりを とりつくろつてばんとう さま。へ。へ。うまうやつた ぢやないかいのう又おれが さしてきた此わきざしは てまへのうちでこかして おいたいはきり丸かの ちばさまのたからもの らばさまのたからものじにをぞしたりけるふたりか ぢやトいひさまひだりに しよくだいひきよす しよくだいひきよせ ▼つきつけるおきのはにつこりうち わらひ〽いはにたつやもかうのとく ねんぶつこうのよりきんをわらひ〽いはにたつやもかうのとへ うけてみやれじうつてかゝればうりを さくよりいとやすくかたさきより あばらへかけおもふさまにきりさげ られくぎ蔵あんにさうゐしてあつと さけんでにげいだすを又とびか心て さま。へ。へ。うまうやつたふたたちみたちよろめくところを ぢやないかいのう又おれがでん三はすかさずけたをしてとつて ふせ〽それおきの〽あい。おやのかたき てまへのうちでこかしておもひしれじぐつとつつこむとゞめの かたなくうをつかんでくぎ蔵いのたれ じにをぞしたりけるふたりか いよろこぶそのところへなみだかたてに かけでる小さん〽そのたんたうををられ みぎにわきざし てはどうもいきてはゐられぬと 時二郎さまが此かきおきをのこして ぬきもつてはつしと うちつけ二ツにをり ○かうしてしまへば 時二郎はしばりくびか つゐはうかしよせん うちへはかへられぬあら われはかう〳〵ものどうぞ うたれてやりたいが こまつたことはおれは ねんばらしさァこゝを ふじみこたへはしまいが どこへかうらぐちからしなきだす こゑにますゑもんもあわてまどひて はしりいで〽今げぢよのはなしを きけばにしのはうへござつたやうす たしかにさがか大ゐ川コレでん三どの きはせいてもおれはとしだけ思ふやうに かけられぬあとのことはぎづかひせずと ころてくははやくおゆくへを 〽おたのみなくても時二郎さまには だん〳〵おものがたりせねば ならぬことがある六の巻へつくし きれ〳〵トかたさきまくつて▼ 六 五のつゞぎなにとをくはござるまいかならず おあんじなされますなししりはしをつて かけいだせばおきの小さんもおくれじと ともにしたふておふてゆく ○こひもぼだいとふりかはるあまよのほしに あらねどもにしへいるとはしにゝゆくまちの となへもたのましくかくこきはめて時二郎 はしりゆくさきこれも又人めをしのぶ てぬぐひは男と見えつ女 おびかいしよもなげの そらどけをむすびも やらずかけきたり とをりすがひにばつ たりとこけかゝりて見あはす かほ〽ときさんぢやこざんせぬか 〽うらざとかおもひがけなき 今までのよしみにはおもひいだしたその ときはゑかうをたのむといひすてゝ ゆかんとするをびきとゞめ 〽たかいもひくいも人のみに ないといふことはいはいでもしれて あるそれをおもひつめると わけもいはずに。おれはしぬ。ハイ。 そんならおしになさんせこといふを いのちにましたたいせつなものは いふはよく〳〵なことでござんせうが 此みのさいなん人めにかしらぬところへ おちゆきおりやはらきつてしぬほどに □□□□□□□ 三かんだうおうけなされてからふつつりと たよりはなしてらまちのあふぎやにかくれておいで なさんすことをでん三さんにきいたゆゑこよひそつと ぬけてでゝたづねるにもみちはしらずおなじところを うろ〳〵とこゝであふたはつきぬえんなんでおまへは しなさんすわけをきかせてくださんせし いはれてほつとといきをつき〽こゝはまだ まちなかぢやそのやうにこゑたてると あれわうらいの人がみる これから どこぞ あらし山か さびしい はうへ ゆき ながら そろ〳〵と いつて きが さう そんならおしになさんせといふをなごがござんせうか目 それ いつぞや あげやで ぬすまれた たんたうのぬす人は やつぱりあのくぎ蔵め やぶれかぶれにうちをつて しまふたからもうどうもつぎへ 左衛門みぢ 廿六 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 〽つゞきさがしださうやうも なしもとはといへばみんな おれがふしだらから おこつたことどうして いきてゐられうそ ままま そなたははやう うちへもどり いひかくるをからざとが 〽いへ〳〵わたしはもどる まい。といふわけは おまへには WINAMERIMERISE 五〇もてあましたるそのところへちうをとんで 〽やうもあましだやうもあましたるそのところへちうをとんで かけくるでん三おきの小さんもとも〴〵にこけつ なしもとはといへばみんなかけくるでん三おきの小さんもともどもぐにこけつ まろびつはしりつき〽やれおけがはなかつたかじ 時二郎にすがりつきよろこびなみだにくれにけり でん三はいきもづきあへず〽おきづかへなされ ますなくぎ蔵がうちをつたたんたうはありや にせものまことのかのいはきり丸はこれこゝに ござりますいざやうけとりなされませしさしいだせは 時二郎おどろきながらぬきはなし〽ワきかげにてさだか ならねどなるほどこれはいはきり丸どうしてでん三が てにいつた〽はいつた〽はい○さいぜんあのくぎ共がにせものゝ かくして たんたうをうちをつたをごぞんじなれば わたくしどもふうふのものゝ ゐたが みのうへを こう助 あいつめに どのゝ ます女ばう いふたも おきゝ おきくは わたしには なされた らう ぎりある かむかたき あねさん いつぞやつぼねへ 仕事 五十二十二日 ござんして人はしらぬ ことながらおれがいもとで だんなさまのおみもちがわるうなつては だんなさまの□ちかごろむりな どうもぎりがたちにくいちかごろむりな ことながらおもひきつてくれとのたのみ そのときわたしがいふたにはおまへの今の それと しれながらうつこと かなはぬふじみのうまれ めいさくのかたなでは きれるものとおきのが おやすきゑもんが □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ だんなさまはたかさごや時二郎さんといふとは かね〴〵のはなしにきいてゐたゆゑにかう〳〵いふ ことがあつてあげやからよびにきたときにはわたしは あはぬけれどそれからすがたも名もかへてつぼねみせへ ござんしてかほをしらねば そのおかたとおもひも つかずなじみを かさね今では のがれぬぎりづくめ ま□そのかはりに みをうつほどな あそびをばさせ もかさぬかならず あんじなさんすなと いふてかへしたほどの わけあねさんの ごしゆじんなら わたしがためにもやつぱり ごしゆじんよそほかのうはき どしつゐのいしやうにつゐのおび そんならわたしをてにかけて いつしよにしんでくださんすかとしどろも ないこといふてはゐぬさァどつちへでもゆかしやんせ どこまでもひとつにいておまへもころさぬわたしも しなぬこう助どのやあねさんにあなたをわたさぬ そのうちはいつまでもついてゐると心をつけてひつそうたり だうりにせまつて時二郎さすがむざんにふりすてがたく八〇 製作品を まつごのはなし あなたが せんころわたくし どもへもつておいで なされたたん たうよに まれな めいさくと きくより それが しきりに ほしく 女ばう おきのと しめし あはせ あなたが おねまに ござる うち ちがひ だなから とりおろし わたくしが わきざしと すりかへておいたを しらずつぎへ } 廿七 □□□□□□□ 五十一 一 しよくだいへうちつけたはわたくしの かのすりかへておいたわきざし それぢやからぢきにほつきり ふじみをたのみにくき花が むたうでかゝつておきのに ばつさりやられたがかの わたくしがかすめておいた まことのつるぎもとは かたきをうちたいから おこつたことゝは申シながら さきへまはつていはきり丸を ぬすんだは此でん三さァこぞん ぶんになされませしじうを きいて時二郎〽てまへがいつ たんとりかくしてくれたが かへつて此みのしあはせ さもなきときは此たん たりくぎ蔵がてに おちいつてじつに うちをりすてんも しらずふしぎに うぢよのてにふれてほんもう とげしは此つるぎのゐとくを いよ〳〵あらはすだかり ちばのおいへにきこえても おんとがめはよもあらしたからの すりかへたのはもうにはいめさつきあ つゞき又あとへくぎ蔵がしのんでおのれがわきざしと かん しん あの したは ゑんざん でん三が そばに ついて ゐれば 〽女きづかひな こともある まいてまへ もの あの かう〳〵を 〽みならへと おまへをばたいてい ほめてござんした あとのことはよい やうにとりすまで ござんせうしとばの うちにこう助が あしもしごろに かけきたり〽なぜ かたきをとつてくれぬ 此こう助をころしてくれし よばはるうしろにてだいの ござんしてわたしをにばかにみうけの さうだんそのわけはかう〳〵ぢや とくぎ蔵がむこいりの ことをきくよりこれさいはひと でん三どのといひあはせさう いふことならみかけにも およばぬほどにふたりして いひくろめてかへし ませうとうそ いふてきて こよひのさわぎ そのわきざしが ちつともはやくあげ たいばかりではしつて きたがさぞかしあとで ざんせうでん三どのこれからも もどつていひわけせうでは あるまいかじおびひきあぐれば 小さんがたちより〽おまへがあの くぎ蔵をかたしやんすその ときにわだしはこわうてふるへて ゐたをとゝさんがござんして おもひがけなきさうどうながら ますゑもんさんがうらんで つるぎがもどるうへはしねといつても もうしなぬみんなあんじてたもんなじ きいて人〳〵あんどのおもひおきのは ふつと心づき〽けふますゑもんさんが う九郎〽をし鳥ぐらゐの しうねんにとりつかれた こしぬけめわれがしや づつたばつかりでなにも かもみなぐりはま それほどにしにたくば ころしてやらうといひ ながらきつてかゝる わきざしをこう助 ひらりとひつぱづし すぐにもぎとり う九郎をたゞひとたちに きつてすてうを どつかとこしうちかけ わきざしさかでに とりなをしはだ とりなをしはだ おしくつろげわれと わがばらへぐつと つきたつるをかか かけくる女ばうおきへ 〽ゑへこう助どのしなで かなはぬことならば わたしも ころして〳〵 きやうきのごとく とりすがる はじめ うらのかはじめ 小さん下とのにつき 廿代 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□ 〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇 かこう助がわきざしを 〽らきおきくをなだめつ ちからをそへかいはう すれば時二郎やイこう助 さいぜんといひ今も又 がてんのゆかぬそゞろごと それのみならずしやうがいは いふ〳〵もつてらんしんか〽〽さんけすかにもおよばぬあなたさまが〽さまが〽さまが〽さまが〽さんけ いよ〳〵もつてらんしんか〽ヲヽ らんしんだきがちがふたあく心き蔵がゑんざんにやつはり止みのはちわたしは らんしんだきがちがふたあへ にもせよおくれさまにいつたん ちかつてたのまれただいじを どうもほんしんではいはれぬ どうねをしながほいたしますゑもんのものものどのはおそのは ゆゑにをし鳥がのりうつりし ころされるのをうちへゆくみちででん三をあるうちにふ ていにもてなしころされるのを まつてゐたがさすがはいむし どうぜんのかそがてにかゝり いのちをはたすもくちをしく かういふしぎになりましたあり おそろしいはおくれさま此こうゆと おきくがふぎをしつてことを おんびんにとりはからひてふうふと なしおんをかけたそのうへでかねて たくみしみつじをかたらびをし鳥のし いきちをしぼりなんによにわけて のまするときは心みだるゝひやくをくわし これをのませてはうちつをすゝめてくれと こう助がわきざしを てばやにもぎとりわが いどへがばとつきたて手を あげて〽あゝみんなさわぐまい 此みにつもかあくじのだん 今こうゆがいふたればも さんげするにもおよび くぎ蔵がゑんざんに うたれてしんだをともの 男がたちもどつて ものがたりきくとそのまゝ かけいだくますゑもんの うちへゆくみちででんこを みかけたゆゑあとをこゝまで つけてきてやうすはのこらず きいてゐた今こう助が はらきつたじついに ほつきの此しがい □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ そなたがこうゆの ふみをいれて おとしたまいり そのながに のまするときは心みだるゝひやくをくわし ひとつに 時二郎もてまへには心をゆるしてあるほどにひとつか あつたび これをのませてはうちつをすゝめてくれと のつひきさせずたのまれてその女はたれかれと おもひしがおきくがいもとの此うらざともしや かんじてやう〳〵にあくねん 四月八日のたんじやうつろつゑ むすかめとはそなたのことで あらうがのしいはれてなみだに さいぜんといひ今も又あげて〽あげて〽なさわぐまい〳〵あらうがのしいはれてなみだに くれながら〽あい。かめといふたは わたしのをさなゝそれをなんで あなたさまが〽さァとふも やつはり此みのはぢわたしは そなたの母ぢやはいの〽ゑへ 〽おゝおどきはだうり〳〵そなたが たつたふたつのとしがつろべゑ どのはおはてなされごけたてゝ あるうちにふつと男に あるうちにふんと見 そゝのかされちいさい そなたをすておいて あとさきみずに くにをかけおちけふ ろにをかくしぎ蔵は うたれたくぎ蔵は ろく蔵とてわたしの おとゝあれが ところへそなたをは ひきとつておくと いふうはさは きいても 十年 あまり それからは いんしん うはぬりしてのませたるがえんを ひき今までかたいだんなさま くるわへゆくとおつしやつたを きいたときはわれながら ぞつとするほどこわげだち つく〳〵おもひめぐらすに おくれさまのあくしんも くぎ蔵さへなくならば すこしはうすくなり もやせんとひやくの あまりを又その夜 くぎ蔵とゑんざんに ひそかにのませて こゝろみかにはたして それよりくぎ花は 〽ゑんざんをこひしたへど ゑんざんどのは人しらずさだまる をつとのあるうへにかうしんまつた ていぢよにはいかなるひやくも しるしなくかへつてそれがあだ がたきみいだすえんとなつたるは あてんたうはおそろしいおれは しやじんをそゝのかしたそのみやうばつ にて此しやうがいおきくうらざと ひきまはさんとするところにおもひがけなき いなづかのかげよりおくれがたちいでゝ 出ツ生のたねにもと又よくの みなさまもかならずとめてくださるなし いたもみぢ ふつう いせ いせ ぐうの もどか みち せきの しゆくで ろく蔵に ふしぎに あふて そなたの ことを まづ だい いちに とふ ろゝ蔵が たれば 六つの としまで どうやら かうやら 大いそへうつたといふつぎんし そだて みひんに つまつたゆゑ たれどあれも 十一月 おほそのをのゝ此かきつけ大永二年 こう助がわきざしを いさしおきくをなだめつ ちからをそへかいはう てばやにもぎとりわが すれば時二郎やイこう助 いぜんといひ今も又あげてあげてあげてはさわぐまいへあらうぶのしう さいぜんといひ今も又 がてんのゆかぬそゞろごと此みにつもるあくじのだん〳〵くれながらあい。かめといふたは がてんのゆかぬそゞろごと てんのゆかぬそうにがいふたればもうわたしのをさなくそれをなんで それのみならずしやうがいは いこ〳〵もつてらんしんか〽〽さんげするにもおよばぬあなたさまがさまがたしは いよ〳〵もつてらんしんか〽ヲヽ ひんしんだきがちがふたあら しんだきがちがふたあく らんしんだきがちがふたあく にもせ子おくれさまざれてしんだん にもせよおくれさまにいつた ちかつてたのまれただいじを ほんしんではいはれぬものがたりきゝとそのまゝたつたふたん どうもほんしんではいはれめ のりうつりしかけいだしますゑもんの ゆゑにをし鳥がのりうつりし ていにもてなしころされるのを まつてゐたがさすがはいむし どうぜんのう九郎がてにかゝり いのちをはたすもくちをしく かういふしぎになりましたあら おそろしいはおくれさま此こう助とかんじてやう〳〵にあくねん おそろしいはおくれさま此こうゆく おきくがふぎをしつてことを おんびんにとりはからひてふうぬと なしおんをかけたそのうへでかねて たたみしみつじをかたらびをし鳥の のどへがばとつきたて手を あげて〽あゝみんなさわぐま 此みにつもるあくじのだん〳〵 今こうゆがいふたればの さんげするにもおよばめ さんげするにもおよで くぎ蔵がゑんざんに うたれてしんだをとものそな 男がたちもどづて ものがたりきくとそのまゝ かけいだしますゑもんの うちへゆくみちででん三を みかけたゆゑあとをこゝまで つけてきてやうすはのこら きいてゐた今こう助が はらきつたしついに かんじてやう〳〵にあくねん かんじてやう〳〵にすくれん ほつきの此しがい ておきくいつぞや そなたがこうゆの ふみをいれて いきちをしぼりなんによにわけて おとしたまの おとしたまの のまするときは心みだるゝひやくをくわし 時二郎もてまへには心をゆるしてゐるほどに これをのませてはうちつをすゝめてくれと そのながに ひとつに あつた かくねん 四月八日のたんしやううつろづゑ むすかめとはそなたのことで むすがの下はれてなみだに あらうがのしいはれてなみだに くれながら〽あい。かめといふたは わたしのをさなゝそれをなんで あなたさまが〽さアとふも やつはり此みのはぢわたしは そなたの母ぢやはいの〽ゑへ 〽おゝおどきはだうり〳〵そなたが たづたふたつのとしがつろいゑ どのはおはてなされごけたてゝ あるうちにふつと男に そゝのかされちいざい そなたをすておい あとさきみずに くにをかけおちけふ うたれたくぎ蔵は ろく蔵とてわたしの おとゝあれが □□□□ ところへそなたをは ひきとつておくと いふうはさは きいても 十年 あまり それからは のつひきさせずたのまれてその女はたれかれと いんしん おもひしがおきゝがいもとの此うらざともしや かはぬりしてのませたるがえんを ひき今までかたいだんなさま くるわへゆくとおつしやつたを きいたときはわれながら ぞつとするほどこわげだち つく〳〵おもひめぐらすに おくれさまのあくしんも くぎ蔵さへなくならば すこしばうすくなり もやせんとひやくの あまりを又その夜 くぎ蔵とゑんざんに ひそかにのませて こゝろみるにはたして それよりくぎ蔵は 〽ゑんざんをこひしたへど ゑんざんどのは人しらずさだまる をつとのあるうんにかうしんまつたき ていぢよにはいかなるひやくも しるしなくかへつてそれがあだ がたきみいだすえんとなつたるは あゝてんたうはおそろしいおれは しやじんをそゝのかしたそのみやうばつ にて此しやうがいおきくうらざと ひきまはさんとするところにおもひがけなき いなづかのかげよりおくれがたちいでゝ 出ツせのたねにもと又よくの みなさまもかならずとめてくださるなし 花もみぢ ふつう いせ ぐうの もどか みち せきの しゆくで ろく蔵に ふしぎに あふて そなたの ことを まづ だい いちに ろゝ蔵が とふ 六つの たれば としまで どうやら かうやら □□ 大いそへうつたといふつぎんし そだて みひんに たれどあれも つまつたゆゑ まもりに此かきつけいつたん くるわへしづんだむすめ どうしてこゝに 一ゞきそれからうちへかへつてのちひらふた ふしだら なのりかね くちへは ゐやるぞととふに とはれぬ此みの さすがに母とも ださねど むことつた心で あのこうなと しうげんさせた そののちにくるわの でぐちでこう助にそなたが いけんしやつたときゆきゑもん とかいふ人にすくはれたいちぶ しじうかごのうちにてきいてゐた わが子をうつてぎりある子を やしなふてくだされたゆきゑもん どのゝしんせつをかならず〳〵わすりやんなと 子にはいへどもわがみのひはけふまで しらずにゐたはいのうこう助がはら きつてかわゆいむすめをごけにするも みんな此哥のあくのむくひそひ 時二郎さまどうぞわたしをきりきざみ かんにんなされてくださりませトいふいきも くぎ蔵どのは六ツのはるまで せわになつたをぢさんで ござんしたかとしつき たてば母さまの おかほもおぼえず やう〳〵になのり はやたえぐなりおきくはやへに かさなるなげき〽そんならあの あふたがすごに おわかれこう助 どのもおもひ つめてこりやまア どうせうなんとせう じなくをせいして 時二郎〽くぎか蔵は おのれがつみおのれを せめてのひごふのし 母うへばせんびをくい かくごのうへの ごしやうがいことに きうしよのおんふかで なまじいにとゞめては かへつてくつうをます だうりたゞ此うへは なしたまへ又こうには おんぎにより お心よくじやうぶつとくだつ あくとしりかたんなしたも よんどころ なきが いたす ところ そのつみ しには あたる べからす さいはひ わづかな その あさね やうじやう なして とらせんと たちよる をりから あとの ますゑもん ことども とり かたづけ おくればせに かけきたり こう助が かくとみるより きずぐちを おびをもつて しつかと まいて かい はうす 〽ヲ かたじけない う九郎は 此くれが てに かけた そのうへで じがい なせ たへ こう助に なば とがは ない おさらば さらば下 つきたてし しらはをやう〳〵 ぬきとればがつくり たをれていき たえたり 柳亭種彦作㊞ 歌川国貞画画 華耕 かくておきのがかたきうちのことおくれがせんびを くいてじがいのだん〳〵あがたもりへうつたへことなく をさまりてのち時二郎は小さんとこんいんどゝのひ うらざとがみうけなしそばめのごとくして べつにいへをつくりて心やすくすませ いはきり丸のたんたうをとぎ たてゝちばどのへたてまつ こうにはほどなくきず ぜんくわいして もとのごとく 千形 舞籠友 道友 おきくを つまとなし おきのが かうしんを かんじ おぼして あがたもり よりはうびを たまひでん三が いへはひにましはんじやうして いづれも〳〵ふうふのなか むつましく男女あまたの 子をもうけめでたきことのみ んじやうして かさなりけり めでたし〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵〳〵 文 初編 續々膝栗毛 通判 此書は弥三郎表喜太八東部帰着のうへ店 がりしてせうばいをはじめつまをむかゆる にり合よりしてこんれいのおかしみ仲人 のこんたんおもしろき趣向をあらはす 政 春 乙 八 四 水木の三星 若井の三扇 花車七変化粧 全 六 柳亭種彦作 冊歌川国貞画 浦里時二郎 全同作 花槌名所扇 胡菊鴻助 冊同画 一十返舎一九作 全六冊 通俗売油郎全六冊 北尾美丸画 版 新 同 録 芳野 竜田 全六冊 二人山姥 瀬川路考作 北尾美丸画 御かほの めうやく おしろい 美艶仙女香 東都書肆 江戸深川永代橋詰佐賀町 四十一 一包右の御薬 一同白以上水 十包以上水二丁めいなりしん道 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 八卦二無居候者自筆の床足上仕候 伊藤與兵衞板 包右の御薬江戸京橋南伝馬町 三丁めいなりしん道 坂本氏