草野集(春夏秋戀雜)
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- 桧園梅明選
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- 日本語
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- 東北大学
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狂歌草野集春之上
狂歌草野集春之部
上の巻目録二十種
荒井泰信氏ノ副副会ヲ一
以て購入せる南博士
「狩野亭吉氏藤蔵画
早春春水春氷子日朝霞
聞鶯若菜残雪餘寒梅風
柳露
柳露若草春曙春雨歸雁
春駒野雉雲雀春日春風
早春
世につれて
常陸江戸崎
緑樹園
みわの社も
春来ぬと
しるしにたつる
二本の松
下野栃木
雲井
霞見ておよはぬ
真袖
立こと紺かきも
けふは手わさを
やすむ春哉
尾張着須
千芽菴
諸春
手ほきの
言葉の花も
はつ春の
七日の内そ
さかりなり
檜月庵
我しく
たつ手浪に
明躬
あえん
とや
とや
氷も水に
たちかへり
ける
青沢
十一
門松にかゝる
春友亭政明
白雪はるそとや
花にならひて
七日ふ事
尾張名古屋
花の春細工
はしめにつくらせん
さくらの梢
まもる鈴をは
水魚国友雄
腹くろき人や
仝
はくらん腹赤色
魚を
けふ
たてまつるにて
世の人の
名古屋
高松
一世の人の
あくことしらぬ
こゝろにも
うれしさみたん
かれしきたん
秀材
春はきにけり
陸奥仙台
一神の代のひめや
春の木けふ哉
千菊園
一神の代の姿や千菊園
越路は雪の
穴こもりせり
武蔵越谷
鶯の
峯目亭
鶯の峯目亭
み谷むるを
春そとや
いはほのなかの
水もことゝふ
下総野田
神の代を
ことほく春は
柏樹園
門松のふた柱をそ
立初にける
名古屋
竜迺屋
我こふるみならなくに
惣右そと
きけはこゝろのゆく
あしたかな
子日
十七
枝をりし
雪にあやしく
聴知山人
野野科
浅草庵
むくい来て
小松ひく日は
ふみけたれけり
近江日野
上
立よらん
池の屋
池の屋
真澄
大木をおきて
子日には
小松に千世の
かけたのむ
かな
十五
ひかるゝや
土くつ
こつけて
松もうれしき
浅草庵
野辺に
霜とけに
たちをり
陸奥川俣
浅寿庵
たや
たやとくは
こやすくは
ぬけぬ
子もの
長季
姫小松
なしめる
土にわかれ
をしむか
藤岐阜
種柯園
野の宮の
滋見
同断
櫛のはかたを
見せてけり
冬にわかれし
春の薄少
春氷
香に匂ふ
武蔵川越
大沼の
水際はなれて
福陶居
梅の下水
こほりけり
唐木の板と
ゆるき出る
氷も玉の
名にやよりけん
おもふ
はかりに
をし鳥の
檜月庵
明躬
下野栃木
雲井
浪の枕の
あて紙に
真袖
水を氷と
すこらん
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
聞鶯
聞とれて
物もいはぬを
なしみなき
宿とや
ほとや
よそに
うつる鴬
下野栃木
雲井
真袖
十五
面堂
経はかり
よむにか
かむにか
あらん
菜をはみて
すりゑの
すりゑの
魚はいとふ
梅風
十五
のとかなる
面堂
面堂
春は中み梅か香に
さそひ出されて
風やふくらん
鶯
めてたしと
いはふあしたし
うくひす
のりの声を
のりの声をは
十二
しくんには
わひし新端も
うめかれの
風にもりくる
春はうれしも
千束菴章雄
よそにやは
きく
梅か香を
袂にいるゝ
浅桂国
春風は
枝をくれしと
まひをする
包嬉固
広母
余寒
ふるえ
花の屋
けふも
ぬかぬを
さかし
我を
惜むと
のこる冬さる
のこる寒さか
一野もなへて
おほへる春かすみ
いかて寒さを
つゝみのこせる
浦成攻
文字楼
本成
おもふまゝ
袖にとめ
まし
梅かをる
嵐の末に
やとり
もとめて
檜月庵
明躬
陸奥飯野
壷街楼
ありたけの
ありたけの
梅のかをりを
いたさんと
いたさんと
歌都住
風は枝こと
ふるふなるらん
玉鬼
同一草野集春丹
春曙
よのつねの
浅桂園
光りならめや
うくひすの
玉の声より
玉の声より
あくる曙
近江日野
池の屋
真澄
白雲のむかふす
かきりさたに
にほふあけほの
あいれとそ
見る
蘭外
さらぬたに
めてたき物を
物を
いふ鳥の
いろねさへある
はるの曙
和泉堺
和群居長樹
下総九十九里
御くら見ぬ
もろこしへは
ねふたしと
檜日菴
朝明
詩につうけん
春の
春の
明ほの
若菜
一人みなのけふ花咲菴
人みなのけふ
さゝけんの
真心に
おなし所へ
よる若菜哉
花咲庵
名古屋
十二
鳥持せし野辺の
蘭亭
群雄
香間にそれ鷹の
鈴菜をはるも
たつねわひけり
残雪和泉堺
和群居
古学の老を
古学の老を長
亡長樹
かくして折かさす
長樹
梅の色にも
残る雪かな
十五
香花し
万葉亭
遊ひに似たり
立れなしと
世にうとまれて
雪の残るは
越後芝田
一薬さかは桜に色を
草種国
くらへんと猶春ふかく
残事雪か
菊寿躬
三河寺部
千尋の屋
ちりやすき
花よみならへ
弘形
花よみならへ
深山辺に
消ん春たに
香の残事を
下総野田
柏樹園
さたやと
見まかふ雪も
門松に
残りて七日
さかり見せけり
春日
十五
咲出ん梅
一咲出ん梅面壱
こるはしく
そめんと也
朝日は
紅粉を
とき流すらん
十二日
梅の花咲菴
さかせんと
あたゝけき
南にしはし
南にしはし
よとむ日の影
ゆきたけの長返
上野一宮
望月館
秋の衣春よと望月館
霞の衣着よと
霞の衣着上
朝日は人の
かけの御すかも
色茶
逸兵
十一日
一同一同一同断同
吉村
下野氏家
柳滝園
景丸
柳露
身につかて
せんなき玉と
をしけなく
のそみくる
浅より風に
あやふしな
露の玉をし
いたく柳は
和泉堺
聴風軒
柊は風に
露はらふらん
陸奥仙台
千巻堂
あらそはぬ風の極は
一枝に露まろきを
むねみ結ひ
おくらし
此うへのあはれは
あらし青柳の
露はこてふの
羽風にもちる
千束庵
章雄
春水
下野栃木
雲井
雲井
真袖
磨なほす
をりにやしあらん
花の鏡の
雪消して
水の濁るは
おのつから
ぬるみてゆへか
若くさの
けにもゆる
けにもける
春の川水
青雲亭
春雨
武蔵舟堀
東国一
東風庵
たれこめて
桑はむ
我もかふこの
音に
一蝶
まゆ
まゆ春雨そ
一こもりふる
花衣
武蔵舟堀
小竹林堂
汁に
したて
したて
音ある
あくるか
庭の
若草の
春白
麿喜
無声詩夫
一一一
春雨
名古屋
十三
前鳥の春の
寿菴
あしたも
雨ふれは
うさに枕の
山こもり
しつ
尾張津島
蘭菊園
ばれて後
春芳
花さくことの
なかりせは
いかにくらさん
春雨の
春雨の
深のこす
しくれはあるを
春雨に
梅もさくらも
いろ付にけり
文慈固千秋
帰雁
武蔵舟堀
小竹林堂
来ん春は花なき
麿喜
柳うゑなまし
うきをさとして
雁のかへれは
和泉堺
檜月庵
十一
和群居
がへる雁子なれ
やなき
なれかふるさとは
一なれかふるさとはふるさとへ
明躬
草見得て
たつことやすき
雁かへるなり
ふるさとへ
たつことやすき
春そとまたん
いそとまたん
陰ならしとや
とくいそげかし
長樹
つとにして
つき木にせんと
包嬉固
広好
汐の屋
うつくしき花は
躬雇
まこゝろなき
フはけふ
ものと
フはうとみて
桜の小枝
梅の小枝久つひらし
かへり行らし
くいへてや行かへか行らし
くはへてや行
一同一十一丁長三日上
野雉一
近江日野
十五
恋らて
池の屋
おもひやつるゝ
野への雛
真澄
へみをむなきと
なれははますや
檜月庵
明躬
春野にも
錦はありと
ほこりかに
たれをさらて
誰の
見すらん
出はてん
果たに見えぬ
果たに見えぬ
野へのきし
門なしといふ
しやわふらん
花の屋
十三千を
つれて
やけりわひつゝ
なくきゝす
朝日照るをも
響とおもはん
南向堂
島守
榎樹園
梅り女を
梅り氏を
羽袖にしめて
野への返し
あまつ
床にそら
焼やする
唱者
摂津兵店
なくきゝす
一農屋
つまやつまやつれなき
若草の
床はしめても
ねよけならぬは
陸奥飯野
壺街楼
中々に
歌都住
あかき野火には
子をおもふ
誰の心の関や
ますらむ
朝ほらけなかきわけて
朝ほらけなかきわけて
なくきゝす広野に
武蔵秩父野上
涛声因
小松
妻あやみうしなにけん
春風
上
壱拾に
なれては青く
梅かえを
ふけは匂ひに
天風
名古屋
美都垣
器乗菴
水と空わけて
いかも春の風
かすめる山に
氷る池の面
下もえの章雄
下もえの
千束庵
一章雄
章雄
うぢには萩も
春の風
声たてしとや
よそにふき行
一同一直承二
二旦吉里貞差上
春風
前も実も
ありとやいはん
梅か香に
花咲菴
青沢写
なく鶯の
なはこふ風
名古屋
花さけは世の
人毎にうとまれて源氏房
人毎にうとまれて
いつこにゐんと
風わふらん
源氏房
肝ちかく
よみ居る春の
前暦
それをも風は
いちらしけり
檜樹園
秀明
和泉堺
聴風斬
春の風極に
わきてむつみけり
秋うと
ことはしらすて
常隆忠
竜斎
竜斎
歌良丸
うつくしやよその
桜をはこひ来て
柳に花を
そふる春風
□□□□□□□
紀伊若山在江戸
囲玉庵
花の香を
いつさそひこん
白玉
けさはまた
雪の上ふく
野への春風
おもひねの
夢子や
夢なや
夜もすから
花の梢に
やとる風かな
大坂金凉合
雲雀
天さかる
ひなのあら野の
舞ひはり
手ふりに
はちて
おつるふるらん
下野栃木
通庵
言葉
清根
琉球国
魯屋
ならぬかは
みとり候
雲の色
この野辺の
雲にないりそ
この野辺の
やよひはり
十三
以草野集春上
狂歌草野集春の部上之巻
撰者檜園梅明
早春松竹はなりいたしくるかひありて世にたてらるゝすやうれしき浅桂園
餅つきてたてたる春の松かさり酒ある門の杉にまされり明躬
一蓬莱の山家めきけり松たてゝ世のいとなみをやすむあしたは薫亭
馬車にきはふ見れはけに春は都にはかり来しこゝちせり広母
一香気都の野へは東より春たち来へき道にや有らん本成
若水をくむまゐの沼つるへしつむは去ねのゆくへなるらん梅滝
越後芝田在江戸
一夫されは家追ふわさを打やめてさつ男も不二を夢に見るんと
をもしもあれ春たつけさは鶯のもゝよろこひの初音をそきく真澄
上野一宮
あつさう春の来ぬれは松竹をつき木せしめ門かさりせり望日舘
うき事もさらにあらしな春くれはみな喰積の山すまひして道成
いとけなき春とて人の心まてけさはのこらす赤くよりけり博吟社
海路より春来にけらし給り影わたればぬるゝけさの宿け母文木園
雪わけて春やきにけん山の謡を日のあし赤くのほる初空
春立て花に心のよれはにや七日はわきてとりはやしける細記
しねとちし氷はとけて水色のみとりに空もかへる春な竹起
うらかへる習ひありとや葛の葉をとちし氷もけさの若水琴友
同同断断同同同
ねひとつかさぬる春の能はしめしらぬ翁を見るはめてたし東壺園
仝
花の目も若やく春のはしめには暦の文字もふとく見合り浅鶏菴
仝
一初春をいはふ山家のとひろくに盃の絵の不二もかすめり長
長季
美濃岐阜
少女子はまつ堀よりめてはやす小袖に花の春菜にけり蔓守
尾張清須
きのふけふ霞へたつるはかりにてとねには遠き春となり篳美諸春
浅草御長三郎
四万里集集
四
春といへと手はいとなしや書初の筆をみきりにとそはたに竜屋
春といへはかへらぬ水に帰りけりしねの氷のけさはとけつゝ泰山法師
大君の民をめくみの厚きをもあつき氷のためしにそしる仝
くひつみのしらけのよねの花の山これも七日を限り小至る仝
花笠よ極のみのとうくひすの縫ひそめすへき春はきにけり友雄
少女子かはつみ遊ふはにひまりのつくはねよりや春のきにけん日々器
きのふをも去ねとへたてゝ埋火にをさかるけさをのとけりゆる義都垣
やふしわかぬ尊きゝていそのかみふりし里にも春をしるらん善成
くみあけて手桶へうつる水水も春しる瀧の音そありける
年へてもかはらぬ春の立そこれひなも明もおなし門松友雄
耳しひも出しひも春をしり給あり梅亭くいすを見つゝ聞つゝ秀材
水口の氷柱の牙の歯かためにあまる寒さをくひしめにけん花照
蓬莱の山つくりえしあしたより四方は落の海となりけり仝
責されは鏡にむかふ手弱女かすかたの花そ先咲にける琵琶孝
ひの木もて釣瓶つくりてくみあけんとみける御代の春のわか水仝
一夜さに千もとおひ出したくひもけさは大路につゝくつ松
飛はせつる方の灰をやさしつらんこきむらさきにかすむ初め
とそゑにいかにし蜜をはねむすゆひも薬の名においにけり滝寿
国栖人の老はもとより薬子の若きも春はめてられにけり長樹
いふは山春の来ぬれはあらし吹松に冬もやたちかへりけん神竜図
佐保姫もまたをさなくて横雲の袖口あかき色を見せけり照蔭
左水に口をしそゝく春は東ぬ柳楊枝のつかひそめして滋見
梅はまた莟なからも鶯のこゑの花さく春は木にけり蔓守
けふといへはをそなき春を遊はせていつきかしつく手蟹羽子のこ
同十一日上
草野巣耕工
遠江石町
若水に柳の糸のかけ見えて春の心をまつ結ひけり唐織
三河岡崎
うこきなき君か代の春いはふ日は岩に根さしの松勝しつ
一声
武蔵谷貫
うくひすも国栖の翁の心由の音も都に出て春を告けり総
一会越谷
みのりよき秋の田の面をしのふかな春来しけふの門のしめ縄
仝
書にとちしむくらの宿もあたゝけく戸さしゆるみて春は来にけり峯月亭
今川越
のり弓や野への小松に宮人もこゝろひがるゝ春はきにけり福陶居
上野縮林
松のかけうつる緑の若水をちらせの春にあえよとやくむ久雄
一大和路に先来る春のしるしとてとわの杉むら霞こめけり下蔭
さく花も八重はおくるゝならひにて先ひとへたつ初かすみ哉真袖
梅かゝをとめんまうけか春はみな袖あたらしくきそばしめせり今
草に木にあらさる竹の秋されは菜つみ松ひきあらそふかめ橋住
一舟への多くあれかしたから舟不尽にのほらん夢も見るかに丘寺
夢の世の夢もめてたく着見よど人にこゝむる宝舟うり喜雇
上総東金
梅園のちにつくらはいかならん春毎にほふとそのかはらけ秀作舎
春のたつすかたを見んとたゝすめははつ日の影の匂ふなりけり俳諧堂
至水となりしか雪のふしのかいんけさはかすみ見えぬ武蔵の歌装忠
一初そのに見し鷹たにもはなたんしけき思守をきるぬがきりは繁明
喰つみの蓬か嶋の松もなほ屠蘇ひたしたる酒やこのまん青雲亭
けさ立てもろこしまても行春は梅さく山をたつねてや入る
万歳のあされたるをもまた見すて何ををかしみ笑ふ梅そも全
参もはや明ていとけししかの浦浪の花さへ春を見せつゝ仝
桜木にゑりし暦をはりおきていつこもいふの春はきにけり秀明
よろこひの雲やかゝらんくひつみの山はさほとに高からねとも政明
門松の千らせのかけの色みえてみとりにかすむ春のはつ空
但泉野康香上
一久かたの天のかく山かすみつゝ神代のまゝの春はきにけり直丸
八
松竹の外にも人の立出て春くる門はにきはしきかな延喜亭
若菜つむ日をそまちけるけさ春は青みにけりと空を見つゝも粟花園
下毛壬生在江戸
海のさち山のさちをしつみあけて蓬莱かさる春のめてたさ養草根同
門にたつ松と竹とはこの殿とともふ千とせをむすふしめ縄万葉亭
武蔵幸手
一はつ日影よはゆきまゝに門くらくしける松竹たてはしめけん松守
松竹をふく風にのみ歟ありてけさはしつけき市人の門仝
あかつきの鐘にあくれは左としの響は烏のいろにきえゆく竜明
くひくみの海の花は髭のひて神代のまゝの春は来にけり友母
去年見にし物も一夜のへたてにてけさめつらしくおもふ春哉金成
京
玉崎より春いきぬらん巻砂に松たてそへてかさる市町貞益
今はとて雨はつかしや胡寐かみときあへぬ間に春の木ゐれは清躬
一鏡餅かさる春こそうれしけれ采かさなれる尤はわすれて城窓
伊勢津
明ほのにいつるおものからす崎みつよつかすむ沖の鳥やら一五十瀬の屋
一紀伊若山在江戸
立かへる春の日あしの跡見えて氷ふみわる庭のいけ水白主
仝
去ねよりは心もすみてものかはり星うつりたる桶の若水玉川舎
越前府中
一輪かきものちのわくゝりて心松にそへたる竹の秋風そふく梅里
はつ雲の明ゆく春のひたち帯かしましからぬ鳥の声の声の琴
一扇うる声ものとけしあけてけさふしの高嶺はかすみこめつゝ花明
門松の千とせがはらすくるたひに春はをさなき心ち社すれ
仝
汲あくる水にはつ日の紅さして春のはかたを見する鏡井蓑笠
越後神田
あら玉の春は霞につゝめともひかりことなる初もかけかな明珠堂
千代の春ことなくけふの弓はしめ取そふ事天も鶴のもと白長樹
とそ雑煮むつまし月は酒もちひあけつらひなくめていれけり仝
過市一町三十長日上
内一書一里七月一
春くれはゆたしきものはなかりけり松に年礼梅にうくひす久元
春やけさ氷の関をこえつらんなら音はたてぬ郭をたのみて春雄
岐阜
たけく舟をこゝにうつしゝ心ちせり春たつ門の松のふた木は花守
のめとなほ尽せぬとそは喰つみの草の山をいつる泉か寐魔
此春も正木のうつら長かれと松にも竹をそへてたてけり秋近
君か代は猶しつけくて花鳥にけさ賑はしき春は歳にけり諸根
山のはにかゝる白雲春くれは花かとはかりうたかはれけり花妻
春きぬと暁吉るにはとりのとさかの色にかすむ初空
をさなくてもろこしまても行ぬるは未たのもしき春にも有崩れ
ほしと見る梅よりはやくなにさす初日の影の匂ひめてたし浮歴
君か代のあつき恵のしるしにや腹赤の熱をたてまつるはん今
元日にいらく扇の不二の絵はこのうへもなくめてたかりけり直人
あたらしくけさ見る梅の花こよみ春たつ風にひらき初らん
一初東風のふけはなひきて門松の枝をならすもめてたかりけり
きのふこそ寒さわひしかけふははや片肌ふきてあはしめしめしつ守邨
一春たつといふはかりにや岩のいつるの山ふかすみそむらん橘丸
結ひ落し氷の帯もけさはゝやとけてほつるゝ春のきぬ川花増
さめてけさまふたおもたしあくるだに早しといへる不二の初声波屋
あつからす冬すからす初春にためす氷もかたよらぬかれ御太福
春たちてよろこひからすきくけさは嬉しきことのはしめたり伯樹園
一初日影さしそふ門の松竹も立せよき春は来にけり仝
なかなくあつまに春のたちから雄初日の影に神袋のへり七彦
厚氷いつしかとけて地の面も緑にかへる春となりけり梅葉
たをやめる髪のあふらもかをりけり梅の宮ゐのはつまうて吉貫
北海海岸
万士吾妻
武蔵引馬
初日かけ海を桜の立にして浪にも花の春はきにけり米丸
東風ふけはとくる氷を山姫のむすひかへぬる瀧の白糸琴成
琴の音は鳥にゆつりて立春の風もしつけき門のわか松梅守
雲たまのさきはふ国は山家にもるよみ鳥の声をつくらん扇松垣
入かはり又立かはり来る人のおなしこといふ春はめてたし千
みしめ縄春たつけさは神の代の文字のかたちをみすた始め石水
けふといへは霞の縁を引はへてしめかさりするゆつりはの嶽
くひつみの海のおきなともろ共にこしをかゝむるけさの年礼
陸奥古川
一失来れはきのふの冬をわすれ井の水もけさよりぬる春めけり元
風里なほ春中寒きはゆく手のけふ来る春をかへりみやする臨史軒
同同同
何事もみなれしくあらためてきれいすきなる春はきにけり山文
ほき酒に帰て礼者もめてたしとおなしこといふ失はきにけり山住
口真似をすなるか如きほき空はとそくみかはす鶴越盃歌都住
一御たゝぬ床の海なる宝舟のりこゝちよく初夢を見つ岨良
なから舟枕の山へこきよせぬ人としの夜の灘をこえ来て亀雄
神代しる軒のつらゝの逆鉾もしたゝりそむる春は来にけり高畑歌垣
国栖人の奏する蛍の音よりもことしつかなる門の松風
春水なから川とねの少の橋板は跡なく朽て水そ流るゝ琴樹国
広瀬川かなみの袖につく浪もまた春浅き水の立かな岩雄
山住の人にかも似る谷川の雪消の水の音の高きは厚丸
うくひすの諸やおふらん声たてゝ出るもおなし谷川の水数照
一はつ日影けふはうつりて玉川の水は秋より光りまされ行利高
濁るともよし山の井の水くまん手洗ふのみにむすふ水水かは竜屋
一春風に氷ひにけし水桶にしねの霜なる月を見る哉日々器
正享卯年
山草野集者
水上は梅さきぬらし吉川のなかれの水も葉の黒そする真鎮
あたゝかく春たつけさは日のあしをひてゝやぬるむ浅沢の水浦志保
青柳のかけを過ゆく津水もみとりの色にあえて流れ門千寿
仝
山この笑ふ声かも春といへは谷間をいつる雪とけの水若く
若山
一中こに氷のくさひとけ初て東をまはす淀の川水玉川舎
大阪
山松の雪消やすらん吉川の水はみとりに流れ物けり守
西郷
春されは水の通ひもしけくして氷も戸さすひまなかりけり梅尚
武蔵丹堀
朝日山けさは霞に雪きえてうはにこりする宇治の川水滄浅湖菴
上野倉賀町
あたゝけき風のさそひて氷ゐし落葉も春に流れむけり千歳菴
朽木
とくとすれとよるはすからに結ひけり春に任せぬかも川の水言葉
氷より出て猶しも少とく春の川水つめたきやなそ橋住
火をともす梅に君草もえそめて野への小川の水ぬるもん井峯園
武蔵川崎
一少もとけて一しほ春の色ふか過水のみとりや松にまされる花籬
上野間々田
鶯の少くたきし吉川に声の月日もうつりゆく水保加良
越谷
一見にくしと春はみ谷の苔筵あらふるそゝく雪翁の峯目亭
少女子の根芹つみ来て洗ふ手のあたらまりよりぬるむに水長良
のとけしふ粉のと有て石よりも水に声ある小夜の中山南陽軒
さわらひのもゆる春日はわきかへるかけにの水も岩そゝく也静
ほき空を吉の戸つゝき祝ふらし水の音さへ春はかしまし花笠
耳なしの川の北のとけそめてよそより高く水童する友明
流れ藻の松も桜も一しほのみとり立そふ春の川水榎樹園
とりいるゝ秋の直もかくあれ子田舟にあまる苗代の水梅滝
越前敦賀
花木
々くひすの声も氷ももろ共にとけて谷の戸出る水音花
仝府中
さま〳〵に興ある春は山川の雪消の水も道もとむらん若雁
一同二十一
浪の花まつ南より咲出ぬ氷ひらけし梅の下水長樹
雪消して落くる水にわけいらぬ深山の春をこゝに見る哉寐覚
尾張鶴田
ゆくれんきしを枕に大ゐ河春はさくらの下ふしやせん三蔵楼
駿河府中
ゑみふくむ春の山かけうつりては泡吹出す谷川の水行
一さえかへる思ひなるらん咲花の雪ふりかゝる春の山水湖丈
絹林
とけそむる北のひまを鶯のさわたるめくによふ山水
石勝
仝
一影のみかかをりもともにうつりけん流れの匂ふ梅の下水
上野大竹
一氷りゐし野中の清水とけ初てもとの心を今やしるらし春
一春秀
武蔵我野
いとなみしおのけふれるかけしめて門辺の水もぬるむけふ哉茂茂茂茂群
風にとく峯の氷のかゝみ餅ひたしくやうに濁る池水
雪消してなかるゝ春の山川の濁るは浪の葉くもりかも照門
吉川をとちし玉のほころひて糸ほと水のなかれそめける安成
一みねの色あらびおとすと見ゆはかり雪けに濁る吉川の水
一徳さへ心寺くさにるよみてめつるやはるの玉川の水
水にまて弥生は花の匂ひける妹背の山を出るなかれは照蔭
一玉れあけたる春にかさしては白髪を見たす水鏡かな蜂蜂
したてなは袖も匂はん花のれの流るゝ水にさらす布をは興斎
春毎にめてたき影を汲つれとみらぬ浅香の山の井の水山文
きよらかな軒の少柱のほそるほと濁りてふとる山川の水
春風にとけてひまなく流れけり出れるほとはいこひにしれ
春氷谷川にのこる氷はうくひすも大かたにして里に出けん浅草菴
日みしかき冬の姿にくれ早き物かけよりそ春も少なる花咲菴
よしの川水水にかへり咲みねにしくれぬ草を社みれ友明
水にまたかへらぬ春の薄ぢはこその寒さやかくれをるらん
同十一丁目
一一春風のあたりあらぬをりやある厚く薄くも結ふ氷は豊丸
さく花のかけはうつさて鏡とも氷れるやなそ梅の下水長樹
一すなほなる水の心にかへるとて砕けやすきか春の氷は壽菴
一人こゝろうきたつすも寒けさに水は歩りてものいはぬかな玉器
仝
なかれつゝかへらぬ水もさえかへる春の寒さに猶氷りけり清根
なか〳〵に梅さく陰の下なかれをらるゝ水とすゝありぬ五十瀬の屋
越前府中
すみた川ありやふしやと見るはくに柳の陰を少なかれつ道頼
栃木
吉川の岩間の氷はる風にとけて緑のみこまさかけり持住
仝
春そともしらぬ氷はうくひすのなかぬよのまや結ひたりけん
下総飯沼
薄少みとりにけさはとけ初て松蘭ともに流れ出らん
吐佛
さえかへる風寒しとやすも両ほ小川の戸口氷とつらむ松守
もえ出る草はそれとゝわかなくに鹿の葉見するその薄打緑樹国
仝玉造
鶯の月日とゝかて山かけにのこる氷や冬のふるさと
一谷川におとつれはあつさうはるともしれぬ風の寒けさ歌浅女
春立て少ふみぬく志賀の浦浪の子より鳰出にけり真船
梅かけうつれる水にゆすられてきしにゐつかぬ春の薄水母文
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一春風もひやける去ねことしとくるか中に結やらすらひ摘住
はりつめし池の氷も汀よりあしむ春日にとけり
とけやすく給ふは濡子の帯ほとの小川に春の薄氷哉山文
舟出する人のこゝろやならふらん器をはなるゝ春の北は満琴
朝な〳〵池のみきはは氷りけりきしへはいまた春ならす春繁
立田川はるやわたりて来りけんとちし少の中の絶しは守住
◇草寐春上
一里東
鏡なす氷の地に春もなほ冬のすかたのみえて寒けし麟鳳
花の世とうつりかはれはよしの川よし野安ほとおはりけり歌月
東風ふけとさらにとけぬはいかはりつよくむすひし氷なるらん琢磨
春寒み野沢の水のわれるに根芹の髭もあらひわいかり神竜園
阿波徳島
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子日
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おりねをかりてつまはや口へとよふ梅さくもとにおふる娵菜は
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か為ふるもいといひ野に出て雪つまぬ間とつむ道森真咲
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から人の池のみきはにつむむしの根は髭としも見るへかり形義
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一氷かたる雪間もとめてつみとりし若菜も蔵をもかはかり也金益
空間より指出しその初わかなめくみも深き君薄とて滝道
北たへの雪かき分て君菜つむ妹か手よりや野へははるめく春繁
一春の野につみし某よりも我為にかたまもつねの治をなのりても博吟社
同断信様之上
一残の女は我こと若菜ひさきけりおのか髪さへと末にたはねて金雄
わかなつむ春をいくつかかさねけんかしらに雪のつもる翁は
ニ染母
子日せん野への国雪かきわけてけさひき初る春のに松菜島
かけろふのもゆるあしたは若菜つむ手のぬくみより雪のきゆはん白
一掛川一
掛川
一御車をひくまの野へにけふ出てふたはの若菜つめる夫人
喜楽
きえのこる雪の寒さのたしなさに君菜にわれはつまされにけり種
姑のみはをはなれて不嬉しも心ひろ野によめ菜つむらし万愛
一大宮にいはふわか菜も蓬生もかはらぬ野へのそたちにけり花笑
みやつとはけふを幸とや春日野にことなすゝしろ多く輪いん貞守
都人宿を霞のよそに見てけふは内野の若菜つむらん玉美
そふといへはうすめの雪をかきわけて神楽かなに鈴簾もり千々雀
はつわかなつむねに野への香水ちてもをあらはんゝ人の真こゝろ
若岩江戸
一野へ小出し留守店のをちは文奉に若菜の春もつみあけにけり白主
春まてものこんの雪をかき分てかくれの花のわかなつまはや八千代庵
雪ふまたかくるゝ若菜つむからにかたまの目にはかゝらさるけり又玄
残
春の野の霧きわけてつむ若菜洗ふにも又袖はぬんけり金成
梅かえにけのこる雪はまたさかぬ花の兄ともめてんかなな器楽庵
道わかぬ深山は雪そ残りける春の日かけの駒は過れと栗花図
一結ひてはとけぬためし小器代の松の木陰に雪の残るか神竜図
なからへて恥おほき世や咲梅の蔭に色なく残るしら雪真袖
糸水と能なはならんみわの山杉の梢にのこるしら雪寐覚
枝をりし去年のむくいか松か根にふみしめられて残る自書
春寒みさく〳〵氷る甲はめかねのなしの木陰の去ねの白雪俊久
若草のもゆる広野にむら〳〵ときえ残る書や雲のに重花増
同同卯年春上
名古屋
涅槃会にあはんと雪の葉戸さへ寒さふ尾をすゑてをらん酒の屋
さく花もかくあらまほし山のはに日数かさねて残る白香群雄
かすみたつ野へに消残る雪の色は小萩に白きいふましる如明保
はゝき草生いたつ見てや古郷へかへる心のかりはいてけむ
来し春の道さまたけと雪はみな並木のかけにかたよりにけん
枝をりし去ねのうらみのとけやらて猶消のこる松か根の雪一蝶
春の色のいたりいたらぬけしきかなきゆるきえさる雪の見ゆるは歌良丸
南より北まる枝にうめさくと見れは日からに消のこる雪緑樹因
一答ふかみ雪の残るは長き日のあしもとゝりぬあたりなるらん明卿
一青みたる野辺もやあると春はまつ残れる雪のふるを急む豊明
赤かとてめてられし書はおこりかに春も消ぬへく思はさるらん末広
わか草のもえ出るかたはとけ初て岩根にのみそ三日は残れる千歳庵
春をまつ冬は花そと見られしも葉まつ春はうとなる音
木々の枝をあまりにをりて残りつる雪はうらみのみの山の根による日々器
消はてんことをなけきて千代ふへき松かけたのむ去ねの白雪籬芳
そのそこに白きは何の花そとしとはんはかりに雪は残れり真澄
長生の志とこのみて老松のかけうすからすのこる雪にも青雲亭
日の類のさらぬみ谷に消の公る雪に夜国の春そしらり起兼
たしなくも残れる雪は竹の夜もえ出る庭の菊のき藻狼樹国
むきしのゝ野条はいまた春の色に染らて白く残る雪故浦成
御佛のねすかたほとに残りたる雪も二月を限りにはしつ福禄亭
桜かけ雪の心は花をまつ人に見せんと猶のくるらし梅臣
春きぬと薄けはひせしさほ姫のゑくほか白く残るし白雪梅山
山住か庭の木賊に鳬かと見まかふはかり花は残れり花笠
同人享保三日上
同一同一百一丁目
松杉の木の下やみにきえ残る雪は寒ゐにしらぬ月かけ数照
春をりしとかのかはりと柳にはうたるゝまてものこる日雪歌成
夏の日にいこひし松の下かけは雪さへ春へ腰をかけゝり腰風軒
我庭に不尽なす雪の消さりき冬のひえをはかさねたる仝
背水の陣をやはるの川の辺にふみこまりたるしねの日雪
しねのまゝ雪消やらぬ善陰は春の日あしもくゝかさりけん三蔵楼
世にすねし松のしけみは春風の手はとゝかはや消残る雪三千住
信濃梨沢
一日におはれ事にうたれて山陰にちひさくなりて残る雪哉道丸
神路山のこれる雪はたひ人のおけるますけの笠と見登り松旭菴
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仙台
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松かえの露に雫にそまりけんみとりの色にもゆる若学母
一春の日の光りにおふるのひる草土にかくれて玉はありけり綾
一人ひやはらく春にのくみて何いかるかやとみ岡のあし
若もえは鶯もかつらもやさしくてはひまつはれる秋にしもなす
一わか草の青海原に飛蝶は沖のかもめと人の見るらん国
碁の石の打つゝきふる壱面の中にめをもつ亀のわか竹
秋風に戯のみたれんかるかせもねをそろへて今春はもえる三蔵楼
一青様のないく木からに浅みとり成かけたりと見ゆる若草照陰
焼野原むらさえ残る雪間よりふたゝひもえて出る若草良海
いろ〳〵の花をもまたて二宗より人のつまんとおもふわか竹長樹
一音野の前もねよけに見ゆるかなみとりにかへる女の若学春條
らくひその来る涙やおとしけん雪間の草に雪の玉もつ長守
越後長岡
さま〳〵に花やさくらん立もこの二葉にもゆる野へのわか学松
桐生
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兵庫
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一のほる日も霞に月の色なして光やはらく春の明ほの弥繁
山のはのにほふ霞に秋きりはたちもおよはぬはるの咲真鈴
磯山も沖の小嶋もかすみつゝ浪もえならぬ唄のそら
如何
越谷
さひしさの秋のゆふへのうらうへに心うきたつ春の明ほの
同奈良
一峯の月前になこりのをしまれて光りたるむか春の明ほの
さらてこに明やすき夜をよしの山花よりしらむ暁の空友母
いきたなき我を笑ふる百に鳥さへつりかはす春の明ほの竜雄
もみち葉にてりそふ秋の月よりもいふにはえありはるの咲本成
一書あみし人の名もまた物ことも清くあらくかな春の御ほの
いつる日も霞の袖やかさすらん花にまいゆき春の明ほの竜明
約束の花見の友の八重に来ておきよとたゝく春の曙図
さく花をゆるしの色にかすませてたる桜戸を明ほのゝく煙繁
見しほくの筆はさめても百鳥のたかねうれしき春の明ほの照蔭
一咄しより夢より画よりけしきよきまことのふしの春の明ほの弘貞
東より江戸むらさきに涙あけて初日のへにのにほふ曙春景
竹の秋といふもうへなり曙の空とて朝日にうすもみちせり
おもしろきけしきことなれや思ひけん梅もほゝゑむ春の明ほの千代延
一御ほのは何にたとへん月の舟こきゆくあとの花のしら浪明保
朝いする人にけしきを見よとてや鳥さへ告る春の段ほの昌保
野田
椀いろにかまのる春の段ほのはいふにいはれぬけしき也けり柏樹園
こゝろある人に見せはやあけからすみつよつふたつ春の明ほの緑樹園
陸奥二本松
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春雨
朝露に花のまふたのおもきをも見んと寝とんはかろき段ほの大節
一たひの行輩もかなと花の山はかすみの幕をはるの時ほの母
椎名内
いかにしてしつけかるらん草を染花を咲することしけき事
しくれほと音たてすして春の雨なへて草木を青くそめけり
かそいろのいさめの杖か春雨はいふにあたりもしつかなりけり松蔭
同三郎長来二
人ならはさもこそあらめ春雨にいかて柊の浅かかちなる万富
みわの里をたまき塚も上のふまて水にくり出す春雨の原秀雄
春雨のおなし雫にそめなから柳はみとり花はくれなゐ。俳諧堂
目さましと立る薄茶に縁そふ野への立しる春春雨の宿
日のあしの延ゆくまゝにあたゝけく横になりたき春ゆの病毒菴
花鳥にうかれありくをけふひと日家にゐよとか春句のふる源氏房
さくら花そたくる事のふる日には風さへはちてふかすや有らん酒の屋
糸水を玉にまろめて落さすは音もしられし氷の春な津知久
一しくれとはうらうへなれや春の雨野へを銀の色にそめける大陸
さくら咲ほとをからぬ春の事こゝろの花もやしないにけり聴風軒
一花をまつ心さわきて春事のしつけき夜はそねられさもる久元
ふるとしもなき春雨の雫より花のしら浪立まさりけり花籬
梅葉さかせて心やほしとや落つきてふる汗のは事也
厚粉くたくを見れははるのゆつよぎものには一よくあたれり
水かさをい雪にまかせて花の浪日々にませとや春雨のふる
延る日のなかきに細き春雨は梅に糸をみたせとやふる
花さかは告んといひしを咲ぬ間も使やりたき雨のくれ〳〵
のこりなく花咲せんと春の雨なかき日あしにまかせてやふる
かこひおく餅しみとりにかひおひて花咲出る春雨の宿
春雨のふる日は宿に置寝して花咲揃ふ夢を見てまし秀明
春雨は草木やきてす恵む哉時雨はまつをよそにゑしを照影
花と見る雪は消つた三井の鐘諸いろのくも高春雨の空
おりかけし結城つむきにくらへ見んたてにふしふきす南の原堅知
よねちらす雪の筵もかたつけて小ぬかをふるふやうな春子
同断断断断断同
かくはかりたしなき事よ春の野の草木はいかておほしたつらん本成
うくひすのぬふてふ梅の花かさに春の小事そ似合しくふる
春雨にみとり立ます笠松にならへあせり梅の花かさ政明
さく梅の花定はたゝ名のみにてかさせと春の事はぬらせり明澄
ものいはてしつけき前をめくめはやふるにも声はたてぬ春千秋
うくひすの木なれし氷の梅かえに雫の玉をそふる春雨小松園
一去ね雪にいたみし香く春雨のみ品もて枝のふりやおほきん折女
人のみか文の表紙もしつくりとおちついてよき春雨の尾
春雨をしのく木かけは大粒にしつくおち来て袖たれける満盛
一盛雨に出るあくひをうつしてもひらかせたきは花の唇玉兎図
竹の秋来れは夜後からしと〳〵と花の衣を花を春のうつ花実
とちふみの秋の寝覚もとりあつ両夜はますもなかくおほえて久元
侍わふる草に心のいそかれてあさねもならの春事の宿帯丸
花の山思ひぬる間に事ふりて心つくしの夢はたゆめり谷麿
一諸人の眠りもよほす春雨は夢見艸にもめへむなるとし諸春
信濃松代
花を思ふ心の爰にあらされはふれとゝも見えぬ春雨の糸蘭草亭
三河北藤生
さく梅の葉笠やれてうくひすの羽袖をぬらす竹の秋子滝音
今尾
一壱句のしつけの糸はからかさのしりむすはてやとけて流るゝ金浪
舘林
唐崎の松にふりくる春の雨しらふる声の糸にたくへん竜俊
うと〳〵と人にねふけはつけなから横にもならす無句のふる玉水
ふるとなき春の小なもあつまやのまやはきのふにけふのむれ
障子よりくりいりぬる肉猫の身ふるひにしる夜はの声竹女
加枝はいつかくつれてよむ文を枕にねふ事はるさめの宿在田歌
その葉の葉をたつねてみや人はふみの林にあそふ春かま徳
同三月三日上
同一同一同一同一
もゝに守さへつるにての事のもはいくたひ給ふるす戸の雲守松雄
武蔵幸寺
さく草の冬はありとも桜見のけふの春風事なふらしそ灯羽
に夜ふけて妹かりやけは行端にもしのひ足して春雨そふる恒
かそいろの事を乳ふさと倒るらん手をさしのはすのへの子顔明郷
陸奥岩城
一面の花をそたへる乳ふさかも梢のしつくつほみにそつる宇隆
一花といふ子をもつ事の乳もらすかほち〳〵肝をたく春の夜細記
いかはかり柳も髪をもたすらんあさいを過す春雨の宿三千年
わか庭の花の桜戸しとやかにひらけとたゝく音の事かも元住
日長さにもたれかゝれるあしまつきねふりもよほす春雨の宿三千年
ともし火の花さへはやく咲せけり軒端をくらき春雨の宿一樹
一壱匁のふる川のへはふたもとの杉菜のいろもけふは増れり
蓮葉のみねにたちゐる雲よりや糸ひく矢の事はねらん隠士
越後長浦
ぬき足に音にくふりて春の匂肝のしのふの草もそたてつ松唐
たきものはしめりて蜑のみたれ髪火のつくはかりかわく春也羽光
鰤雁うつくしき花にはちてや墨海の雲ふまきれて雁の行らん明俊
帰雁
さくじ花見すつる雁にまてといふに酒してとまらぬふちはし紫と長樹
はてやかな前にもそまて▼かねは世のふらはしといそき行らん暦喜
山さくらちらんかきめを見しとてやさかぬを草と雁のゆくらん清根
朝露を取に涙といつはりて帰りゆく夕空なきなせそ真鎮
かけつき秋をちきりて春の夜の濁れる月にかへるつうも美都垣
草の世を跡に見捨てすこそめのゆふへの空にかへるフかね
たのもしけふしとて立る輪くさをかへせは帰る雁にやあるらん仝
ちる梅の雪間をいそくにての雁まをしみもて行かとそみる琵琶彦
さく花の色にまよはて行雁は中にいさむる老やあるしん弘画
二十六
内一同一同一同一同一同一同
さらしなの山田を帰る雁もけふ老しは跡にのしゆくらん弘影
さく花のよきをりをのみ雁は見んうつろふ時をまたて帰れは友垣
ちりなみのうきをおもひて桜草見ぬにしかしと一のゆくはん清躬
其子むけはこれにしかしとみちのくのこかね花さく山洛行雁三蔵樓
葉見れはなくりをしとやまちの雁霞のたれをこめてゆくらん真倉
はれわたる風にわたりし雁かねの心は花にくもりこくゆく春芳
一萩さかん秋を契りてむらさきの茎さく野をたちかへる雁光明
しら山の雪にはおとてならはさる雲ゐにきゆる春の雁かね直枝
ひとり給のとこよへかへり行雁よわかれのうさをなしてみすらん弘歌
文字ふして霞の中をやく雁は絹のうらより見るこちせり種成
さく花はちりやほしとや故んかへ雁らか枯枝をつとにもつらん絲鑑
さく花の銘はまたてゆたくはかすみの衣をはれ着にやする虚空山人
見送れはいはりほとにもなりにけり雲間を遠くかへる雁かね井峯閣
沼田
はる霞の湊なす空をゆく雁は水に文字かくたくひなりけり亀住
一春の夜の響路たとりてかへる雁雲のやちまた行なたかへか
一梅かゝを拝袖にしめて行雁のくにもつ枝も葉とにほはむ糸垂
よしさくはかには見すとも春の雁ふりよき枝をくひもちてゆけ東壺国
仙台
中々に葉の咲東はうからんと雁はつほみのうちにゆくらん一社
春かすみわけゆく雁はむらさきの色を拝越にこらんしやする善平
世の春の花のやとりはうゝましと江口の里をかへるかりかん万葉亭
子にそまてまれる雁は色かへぬ松のゝきはにすめはなるらん青雲亭
もみち葉をたつねて来つる雁かねの花にはいかてつれなかるらん本成
みな人は花の袂になりぬとやみとみて雁のかへりゆくらむ菫亭
名残をしむ人のこゝろはさく花によらぬうちとやまる雁かね
三十二
一月廿一日
一たしかにはそれともわかす宇治山をかへるアかねかすかなりけり大町
ふるさとへ帰るうれしさつゝむらん霞の袖に見えすなる雁一の尾
大坂
ゆく雁の羽音に春をしりぬらん雪またふかき越の国人清躬
桜ともしらてけふゆく雁ねに花なきりのそこちを着る津知久
長旅の夜露しのかんこゝろかも月の笠着でかへるあかね羅丸
わかれ行雁のなく音もあはれより事もつ雲の袖をおほひて耳風
葉さかは見かへられんと春の雁うとまれぬ先にて帰るらん玉器
かへる雁をり〳〵棹になりゆくはかすみの海は浅瀬あるらん菊芳
鳥羽の文字かあらぬか帰るアはつみて見えぬ水笠の岡雀雄
月雪になれて遊にし雁かねの花をうとみてなし帰るらん文男
一喜に来て是にかへるその羽袖花すりならん衣かりかね直雄
すかすみ海なほ山を雁の舟こきゆく諸やはなのしら浪高輔
上野柏倉
梅を見てことたりぬこや咲いてん桜は見給に雁のゆくらん
桐生
浪とたち峯とそひゆるしら雲を占えてゆくらん雁の楼は松柏亭
一瀧夜は文字もかすかになまよみのかひかねさしてかへる雁かね守輔
梅かゝを拝袖にしめてゆく雁は花にそへたる然惣ふみも
やよや雁にしきおるてふえそ人の手ほんにやらん桜もてゆけ常総菴
夜をこめて雁のいそくはなか国へ七日かきりのみやもつらし元亀
医
ちるうさをふれは見しとやさく草のひらくを見つゝ雁のゆくらん照明
越谷
一無なに泪をかりて帰る雁名残をしけに羽袖ぬらすか峯月亭
秩父
花のみかほをもまたてよひやみをたと〳〵しくもかへるくかね角樽
かへりゆく雁のおとしく涙かも野への水草における女露松俊
壱両にあらふさらしとみえつるは小野の山辺をかへる雁かね鶏歌兎
ふしのねの雲にチフのきえ行は扇の文字をふきてとかめ浪屋
同壱里里
春といへは越路はるかくいくりか草見かてらに雁の行らん
下総結城
硯はへる春を見捨てゆく雁はさひしき秋や猶したふらんのゝ字亭
あはれさの秋の涙はかわきても春の過にはぬれてゆく雁仝
ゆく水にあかく文字のたくひかなさにかくれてたちかへる雁滝見
雪はきえ月はかすめりやかてまた草やさかんと雁のゆくらん麿喜
まちにまつ花またさかぬ山の端をつんなく帰る春の雁かね仝
明日さかん花をも見道に行雁は七日限りといそく旅路か舟守
円きれしつなき風とも見るまてにつらなりかへる春の名ね琴糸
おなしまにすめる境にはなむけの類をよませて帰る雁かも端孝
万香をとめねは羽袖をしけなくふりつゝふる衣かりかね歌都住
さくら葉ちりなは雪と見えぬへし帰過かねしはしやすらへ存在
春駒心なき駒の耳にも壱風をしりてやかくはいさみたつらん
筆にせん若毛のわか駒くるふにもまつする春を左らなすらん年古
置すみれおふ事そへには味酒のかす毛の駒や多くあさらん浦志保
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ひさきれは蚊のこかねの葉さけんみちのたちの春の若駒小松園
ひさこよりまた出ぬきまや大きと見るむさし野亀雲狗一の屋
若草のもゆるか中にはねたるは柴栗毛一かふ枝のあら駒立寐
わか駒をならの都の朝市にひけはしかとも見えすかすめり餘慶
越府
一苅薫のやけならの春風なかみふりみたしあるゝ若駒目守
本草予集春上
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
越後長岡
古草のつまになつみて此あたりはなれかたのゝ駒いはゆらん山人
たなひける衆かくれに消ゆきて月毛の駒も見えすあり
あつさらいるさの山にむかひつゝ矢よりもはやくかへる春駒令
かけりては手につなかれぬ春駒の夢にはいかてむすいれにけん
ふく風にむちうつさまも見えにけりはみへの柳につなく春駒花蝶
いなゝきは寒ゐはるかにひらくらん声のあら野のひはり毛の駒
近くゆく月毛の駒は近く来るめのやうに見ゆる春の外住丸
野雉
一野を広み妻のありかをわひしらに誰のたつねて鳴かあはれき神竜図
子をもちて鳴ぬはなしと朝夕にをしますたつる難の声かも美都垣
子ゆゑにはかたちくつしてなくきゝす野守り鏡見る間なからん菊寿躬
ものひしのつくしくはふる誰も今妻とふみをかゝんとやする
かきりなしといふむきし野に妻こふる雄の思ひにはてしなからん寐覚
左右の袖雛子も冬中にしほるらん妻をくひつく子を思ひつゝ言葉
すかすにたちなへたてそむきし野につよとふきゝすいとゝまとはん本成
妻や子をつれてきゝすもそ遊ひに立衣かさる春はのとけし梅屋
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錦ふつぎしの羽袖も若学におほひてまたき花葉野みせけり仝
宮城登や木の下かけに妻をとふ姥子の泪も事とふ子らむ満琴
松平野集春止
同同十一町
妻こめし野へのとふ火に焼たゆる時かほろ〳〵きゝす子くらん春花亭
妻や子にあはれぬきゝすあはれれもうき世のさかのほへに鳴をり
わか草の妻なき春の雫野にはやもめきゝすもわひて鳴くし長房
さらぬたにほろ〳〵と音に鳴ものをやけそのきゝすあはれはかなし松蔭
萩すゝきまた下もえの声のきゝす何にすりてか羽袖色よき真袖
妻こふる焼野のさゝに来かくれて鳴し居よりあはれとそおもふ庫業
春の野の人目しけれをかこつらんきしもまかせぬ恋のなくいと長樹
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もえむる草こゝろせよす日野に恋する程の妻も三もれり
重雀蔵にはりおのかの床の玄生をも人にねよとや遠さかりけん金涼舎
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せいしけにあける雲雀は寒ゐより俄に舞のめしやありけん耀羽
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同軍軍軍軍軍軍軍軍軍軍軍軍軍軍軍軍軍軍軍軍軍軍軍軍軍軍軍軍軍軍軍軍軍軍
鳥をよふ翁か笛の音をきゝて其雀やのへに寝さかからん母文
まひあかるにはりを見んと打あふく人の心も空になりけり
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下毛宝田下毛安夫
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盛岡在江戸
翁あかるなりはさなからいとゆふにつり人形と見ゆる野雲雀
川俣在江戸
わか草の浪路はるかによふ雲雀はてはかすみの海にいりけり東壺図
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蛤にこれもなかなん空の海にいかめと見ゆる雲の小座は仝
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春日
一前にあき霞にあきてものうけに成るやうなる春の日の影松柏亭
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同同同十一丁
四良里ノ者
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大坂
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岐阜
あたゝかにふく春風は花さける山ふところ也いてゝ来にけん
七福
下総板押
一すの風に野の舟雪研へはしおいたつ草を針とふしけん都曲四
一者曲図
椎名内
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秩父
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信濃長岡
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梅かゝをさそひなれくねこゝろよりおもはす国をちらす風かんも浅桂国
鶯はねたくおもはん梅かゝを来てはなひかけはるの夕風薫亭
柳とは遊ひあきてやさく梅の匂ひをさそふ肝の春風寐顔
青柳の糸にたよりてかたちなき風は髪を見するなるなるらん福丸
いみけなき春の結ひし薄氷たよわき風の手にもときけり春久
羽子の子を吹にひかしつ春風は鶯さそふこゝろならひに長樹
梅のちるそのあらしにさそはれてさかぬ柳も花の手のそする芦村
糸たるゝ柳のこすゑなかりせはふくともしらし春の朝風籬芳
つくはねに吹なときらふ少女郎にうひくしくは見えぬ春風七福
花ちらす事もしれて注れ一案のなひくはうれし春の山風春芳
人こゝろうきたつ音は花もまたさかぬ梢をゆするやま風真鎮
雪ぢくたくこゝろに似けなしや極のえたになるゝはるかせ胡椒亭
こと木には心うつさてくるとあくとおふし森にあそふ春風清根
桑名
やはらかく袖する風は手弱女にゆき違ふ如にほふにの失一節国
蔵すゝきまた下もえのおこへなるに音かしましく春風のい俊久
枝をりてゆくきにくむか跡おひて砂うちかくる梅の春風左湖
一野与二郎兵衛
但草野月巻上
香にゝほふさかりはふりて花のなき梅の梢に春風のふく諸種
一佐保姫のひをへてそむる青夜の糸ふきみたす庭の春風宝舩
かたちなきものにて人のそしれはり柳にすかた見する春風脩徳
一先のめかたき氷もにてへらす羽衣ならんけさのはる風井峯園
うくひすの声をはこひてさく梅の花にそなるゝ春の山風百代
見るくにうとまれぬともみぬかたへわ夕の香おくれ春の山風吉女
一出をも水にもとしてさゝ浪に花を咲するけさの春風亀友
さく花の枝より外に見る人のきのをれるほと春風そい
梅さくらちりての後はいろなしと風は柳にむつれをるらん檜園
一当座家々翫春
檜樹園王人撰
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5208
十三
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名古屋
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見にゆかん花を思へは心さへくもりうちなるはるさめの宿明均
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狂歌草野集春之上終
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家つゝき右も左も春といへは餅にとそよといはらぬはなし広母
去年よりも言はいとなし若菜つみ少松ひきにとさそひあいつゝ章雄
安この風のまふ〳〵題をよみ詩をつくりつゝあそふ春な明躬
とひとはれほき是いいて道遠きとなりも春はちかき山里秀明
5206
調理
5208
追加混雑
名古屋
わひはやれをる梅それてちくしゝををりよく風の吹ふおほせて
見にゆかん花を思へは心さへくもりうちなるはるさめの宿明均
人こゝろ花にいそきてうからすやおくるも早き春の曙田倚
さくら川むすふおもうちとけて花の浪たつけさの春風年久
おのつからかたき氷も矢くれはとけてやわたか花の井の水
出羽一本柳
一音をへたつる雲とさく花を丁はうとみてかへり行らん小
信濃収布施
見に来へき人やあらんと心して風のふき日は出ぬ梅から正臣
狂歌草野集春之上終
狂歌草野集春之下
狂歌草野集春之部
下の巻目録二十種
梨花花春興三日桃花
焚来
椿
変来椿夜蛙海棠山吹
浦藤
春夢
惜春
浦藤惜春春夜春夢春山
春川
春行路春川春海春獣春人
二年里身春丁
花
十五
糸さくら
檜月庵
明躬
花をそのまゝ
おりいろの
錦にせんと
手間やとるらん
森田
山さくら
都の人に
三蔵楼
かさゝれて
がさゝれて
心をおくる
花のしをるゝ
十三
名古屋
寿庵
目のおよふかきり
のとけき山さくら
人のこゝろや
に
こもれる
下野雀宮
常総菴
瀧桜さきぬと告る
山さとの使の声も
音に
ひゝきけり
亀世
万栄子
関宿
関宿
なさかり哉
とふかたおほき
見るからに
へたてぬ友と
さくらをは
十三
野田
柏樹園
わか如く
人に見せんと
千住
生徳亭
浪よする
磯山さくら
吉方
花さけは
さくらも
事のはるゝ
ゆのはるゝ
をやまつ
仙台
子を見るは
千菊園
親にしかすと
さくら花
かくまて事の
おほしたてけん
いくれも
たちうき
花の陰に
きて
我々老木の
名によはれ
けり
仙臺古吉
柳滝亭
音住
かけくみて
海士は花しほ
やかんとやする
手折んとよる
えた母に
ことましき
毛虫そ花を
守りをりける
小川
熟全堂
光煉
玉兎鷹
同三十三分
桂権
堀話堂
梨花
名古屋
十五
戸かくしの
山なしの
是
むし
はみし
はみし
葉は
水魚園
友雄
きらに
さきに
あらすて
十三
山梨の
面堂
花のちるをは
戸かくしの
神はさくらに
ましてをしまん
桃花
白きより
桃も咲けり
仝
難波津に
にほへる梅を
手本にはして
包嬉図
広好
ものいはぬ
枕の花立
ねかはくは
壬生をとり
する
妹に
きせてん
美濃高須
徳利館
呑輔
ざく柳の
花をも
咲かにぬはん
笠にぬはん
とや
枝の
毛むしの
もてる
糸針
一八上予言之
ざくら花
やまん
七日限りの
やまん
さかえ
をは
みに
とせの
桃
仙台
母文木園
第一章里身春下
莢来
舟堀
雁かねは
すむこと
唐喜改
千檜庵
幸恭
かたき
なさくら
やとりに
せんと
来る蒸りも
高畑
高畑歌垣
口はやに
ふることかたる
つはくらは
近江の君の
肝端にて来る
花咲菴
ぐはへ来て
飛をつきなく
ひねりをる
蒸は去ねの
門たかへけん
蛙
影うつる
野田
柏樹園
月の鏡に
手をかけて
夜露を汗と
かくゆかな
椿
呑楽菴
朝日かけ
うつる椿は
てら〳〵と
油めきても
たるゝ露かな
春興
城
をかしさに
野辺之
たちうき
春といへは
ならす草の
かならす花の
和群届
長樹
陰かはりかは
むすほれし
檜舟亭
静
心こげけり
岩代の
野中の松菜
つみあそふ日は
翠岡
同盟
草野隼春下
合輩
山吹
かしましく
物いふ
物いふ妹に
妹に
似たる
かな
花の唇
うすき
山吹
面堂
今
養老亭
十二
菊泉
庭ふかき
谷をのそきて
きて
さけはにや
ものも
いはねの
山吹の花
千束菴
章雄
山吹よ花の
こかねにあかなひて
やしなひ子をは
もとめぬ
春川
初瀬川
青雲亭
うめかさかりは
うへ浪の
しゆふ花も
香に匂ふらん
春與
ごらゝかに
春日にほはん
かきろひの
}
先立そむる
ひんかしの空
残る山人
○吉
春夢
十一日
〽春といへは
夢のちまたも
かけろひの
たつか
はかなく
明躬
さめて
跡なし
広好
十五
おもひねの
夢にあらすは
花鳥の
色音を
よるも見め也
きかめや
九日
檜樹園
花きける
すりは長し
夢にさへ
秀明
七日も跡の
事をこそ
見れ
春夜
熱田
十五
寝つかれぬ
天長舎
津知久
秋の砧は
御かねて
堪なく夜の
いかてみしかき
かき
惜春
十五
さほ姫の
秀明
をゝしくかへる
めこしと
心には
めこしと
をしむ
我を笑はん
三
月といへは秋の
長夜もてりなから
文字楼
本成
いかて眠れる
春の夜の空
十二
川崎
千幹菴
鶯の春の春のわかれは
花籬
手のものを
とらるゝはかり
をしまれにけり
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内一草里集春下
春行路
熱田
十二
鳥羽なはてゆく牛飼も
春の日にあえてのとかに
車やるらむ
三蔵楼
春海
馬橋
款心斎
油遠くをられぬ
一入
一花しら浪に
むなしく手をや
かさす舟人
越谷
至考庵
中々に干潟と
なりてしをれけり
磯の青菜は
しほけなくして
一打浪の山も霞に
逢つらん春日は
海もたひらなりけり
薫亭
壱軒
龍の部
龍の部は
うらうへに
浪の舟駒
けふやひくらん
楚雀国
千声
十五
春人
春されは
章雄
菊つみ松ひき
いとなさに
いとよありとも
見えぬ
宮人
春獣
浅草庵
十三
はむや
若菜つむはむや
節兵の
人にならひて
道草も
けふの音馬
京
諾国
種にして油を
とらん菊の花の
春久
色に火ともす畑の小狐
秋萩の色の
すみのに
舟堀
幸恭
小雄荒は
妻なつかしみ
一夜ねぬらん
癸巳晩春庭
檜岡詞宗雪
吉蔵
青洋宮
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同草野集春下
狂歌草野集春の部下之巻
撰者檜園梅明
梨花世ふたくひなしのさかりそ木伝ひて草をちらすな甲斐の山楼守邸
一雪なせとうつろふ月は寒からてたくひもなしの花の音峯月亭
ゆふらははかなくちらんとけやすき雪を名によふ梨の花の花やひら
花もまたたくひなしとてむすふ実のうまし御国の人はめつけり千秋
一いつれをかそれとわかたん真白さは桜に並ふ山なしの花水遊国
虫の居て露すふみれは山なしの実のあちはひも花に有らん仝
実の果のあちはひ見せて梨の花水をふくめる色に咲けり又玄
南風吹ぬる日よりはらみけり庭に一木のつまなしの花万葉亭
うち見れはみな春国にて立とりはいとつもなしの草巻かな
一雨風にうさこそまされ花を見て下の思ひなしとたれかいひけん長樹
うつくしき花さへ実さへありのみをいかてなしてふ名をつけん友雄
卯の草を雪とあつるを妬しとて先霜の如梨ちきくらし一蝶
いつまてもにてゐよかしひとりゐめ我いたのしき草のつまにし仲芳
なよひかに本もつ花のからなしにいかてか其妃の名をはおほせぬ秀作舎
桃さくらときめ〳〵みはにおくるゝを心とや咲つまなし常常菴
来也秋のみのりはしるしなしの花巻の員の雲と見ふせは聡風軒
立まさる事に匂にもありのみのありとはなしの花香なるえ胡椒亭
しらまとはらるゝゆゑかなしの実さへに水を多くもつらん東鶏
雪折の松ならなくにもたへの豊すのこらなしかたえさしけり
のとかなる朝日に露のたる枝は花さくなしの雪や解らむ十帖国
よこれめの日たてと刻めの花のかけふる手拭もかふりなほさし都曲国
山草野集春下
一十一月一
歴
一種あれは咲にけるかなかつまたの池のつゝみの水なしの花
栃木
一をり〳〵に枝の胡蝶の飛たつはたりつふてうつ心なしの花
ふしの手の雪の色にもまがふ哉世にたくふへき山なしの花
越谷
時過てふりつむ雪と云よしのや梢たわむる山なしの子峯月亭
風にたにかたくちらぬは消のこるくるかとめつる心なしの在田歌
しらけたり我ひとりにて酒くよん相手はさらふなしの花びら人成
幸ひのことのみありのみなれはや風さへなしの花の咲ける千代延
くたものゝうまきものとて諸人はこの上なしの花とめつらん内人
むさし野の原へねこして咲せはや山なしと名によへる花をも
寒さにや羽螺入身をはふるふらん雪にたらふるなしの花には竹直
あわ雪の色なりなから照日にもふほとけやらぬ石なしの花竹垣
あわ雲と名によへはにやなしの花とくるか如し咲てちる日は秀期
花
一石はしる瀧のあなたの桜はれ心にをりて目にやもたよし広母
目に見えぬ風に飛をやおほすらんかたちかくして花たる人章雄
あらそはて人のまに〳〵をられゆく桜かえたも梅なりけり千声
一日表は咲て日かけは色らすき子はにしきや裏のある如明躬
うらゝかな日を待うけて咲にけりきくらも人の出よかれとや仝
おるよりもぬふかたよしと京桜花のにしきをしたてあらん
風ふけと梢ふ花のたゆたふはさそひあはせてちらんこゝろか秀明
下ろしの人やまつらん桜かけ花はにしきのしとね敷つゝ政明
郭鳥山花の案内と見る時はうまりてさきに待あはせけり
風ふけはめははなされしよしの山子もりの神の広前の花
わさましとたれからとまんわか宿の花盗人をひるほゆる犬浅草菴
なかむれは世のうきこともしらるゝ葉は栄花の夢見草も青雲亭
浅草野集春下
一里斗六升一
たなはたの秋の一夜はいかならんソウの七日もわれはあかぬを本成
瀧口を見せぬよしのく山さくら内裏のあとは名はかりそし梅臣
風ふけとおもしに露をおくよはゝ枕をたかく子守やねん明澄
松風の巻のねたちしあしたより左のこひ来る花寺の宿明俊
さくら時うきたつ人の山を見てさりや雲とも咲おほふらん静
なか〳〵小類かほ程にはかなくは花の七日もうらみさら法一の屋
明りさかんかりのおもかけまつ見せて峯に夕ゐる雲そのとけき菊泉
木のもとに其ある限りやとりゐて見るへき花子根索帰りそ三郎
おく露の玉にもろさをなくひけんぬきもとゝめすちる花籬
風の神にみさをそなへて五七日減してそことへ出さすまな綾網
くるとあくと君をこそまて桜戸は花に錦の戸はりしかへて魚庵
すゝさらふ手間のかゝるかひとへより八重さく小のさかりおそきは松柏亭
空うかたもの枝くむ飛騨山はたくみもしらぬ歟さくらに母文木園
一かさらんとをるねかよわき花の枝に中々老はあらはれにけり千菊国
松さにも六日にはとるならひありと花は七日をかきりてやさく菊寿躬
下総太田
糸桜さかりの花いぎりかけし梓の衣と見えてうつくし楓左堂
関宿
うれしもてかなしとも見ん咲桜ちるさくら海る花の木の本亀世
麻生
咲そめし日数かそへてけふのみとおもへはつらき子の陰かな宮望垣
一春雨のおほしたてたる桜花とくちるわさを風にならふな一冊
このまゝにちらすはをしや山桜画にかくをたに世にはめつるを
さくこふの七日かきりは定めなきうき世にも似ぬならひ也けり友雄
一ちれはこそめつれといへるかみるは葉を見ぬ間の心なるらん寅阿
桜ゆゑけふも陰にてそしらるゝ風ははれひる息にや有らん白主
一手をらんとよるをとゝむる人こゝろ桜にまさる子といはよし仝
松草予集有下
同一十一
梅かゝをはこふにめてゝ桜にはことまるゝけふを風やうらみん白主
もろこしの冠はすてに方野山みくにの花の花の王にあらすや一の
堺
さくら子真白く咲て中々に春の色なき山となりけり駿風軒
一雨風を花にいとへは松杉のしけれる山はなかめられけり弥繁
折とりしわひに瓢箪なけ出せは尻をすゑたる所の鳶文寄
くられて折らるゝ花とをり残す花の果報はいつれまされる寸美丸
千重と見てやは過ん山のはのくもるかたこそ若なかりけれ杉門
世をやける葉の力はうかれ女か城かたふくるたくひなるらん滋見
咲いつるわか家さくらまもりゐてよその花には心ちらさす仝
風に苦をしてや老けんちる品に苔の髭まてふき庭の面星影
花の雪人の見にこぬ事の日は心に仏つくるやまもり金浪
山さくらちるうさ見れは咲いでん花待わひしかちそ恋しき梅村
花の雲底にうつして流れゆく水は空なる天の川かも枝守
あくし山嵐にさくら流れきて桂川にも葉いさきけり寿菴
世の外に遊ふおもひそ斧の楠の朽木のさくら狩くらす日は翠雄
手をられてうさをましらのかふのうゝはらわたをたつ思ひもやせん
水の面にうつれるにの影くつす浪やちらさぬあらしなるらん春四
世のちりにそまぬみ山の善水も時めく花の影はうつせり仝
咲かなる花にはちてや遠山の峯のしら雲立はなれけん泰山法師
根にかへる子をゝしみて桜かけ家路にかへる事はおもはす年古
ちるにさへけしきのありてとかしさよさかりはかりをめてんにかは寅阿
をしみつゝおもひたえしあちるうさを尋あたり小国にかさねつ酒の屋
吉野川水にもみねのしをりありや所もかへすかふのうつるは春臣
さかぬ間を待てあくひをせん如く花の唇とくひらけかし日々養
同同断断断断同
一同二春丁
世のゝつにはやも見せんと見たかきをふさくら子は咲けん玉器
こゝかしこみありゝく我をやしらにあたなるものと花は恨みん善成
臺にとて手折て贈る山守のなさけそ花のあたとなりける仝
深山への花にしはなく呼子鳥なか〳〵人をまつさくらかも三歳楼
勅堀
下外に花の香みちて月かけは匂はぬほとの木かけうれしも三躬
野田
夏の間と七日は過てさくら花さむるか如く風にちりけり柏樹園
まつゆか子よといふをきゝひかめ桜やさくを見合せぬらん今
風なくも世をかくはかりゆけりたつるちからまけして女のちるん
ちりそむる子は明蝶の夢見草やふる風さへはかなかりけり仝
一咲てぬ桜に心うつりけり花見小袖はいかにそめんと秋庭
何事も日のへある世にきくら時七日と誰か子にさためし豊明
ちる馬の八重と一重をこきませて嵐よ何をおらんとすらん仲節
みつくしくさかんといにはつほえより心るくるかみにいつるは
野の匂ひ磯のにほひもソ女のもとひらくわりこに見るかかれさ文明
山寺は去年の十夜に引かへて花見る人の七日こもれる仝
一重八重見るたひうつる我こゝろあたなる物といふや笑はむ俳諧堂
枝かはす柳は目のやとりともしらてさくらの花は咲らし宮望垣
倉賀野
中々に水木のさくらはえなくて老木そ花は咲まさりける千歳菴
うまや路の葉のまもりと神代より駅路の鈴はつくりおきけん松柏亭
よきむすめもたるこゝちそせられける人のこひよる家桜はな全
雪にまかふ色を高根に匂はせてしらみ初けり明ほのゝ花常総菴
ゆふへには雲と見ゆともめしなを雪となちりそ山さくら花浪丸
見る人のいたりいたらぬ山路にはさけるさかさる花もありけりけり葉久義
いとあらくあたる嵐はちる草のあまりもろきに心いらつか真袖
八十一丁
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
方丈のむかししのひつ家さくら折つらんのもちありく日は真袖
おのつからしかえてさくやまちともきく耳にしの山さくら花
一遊女のこゝちやすらん桜花めつ事に日毎ひとのかはれは光永
鋳つふして酒から銭ふなさはやな花のさかりの入相のかね千古亭
とくちりて尋ぬる花のかひなさはあるしの留守を訪ふ心ちせり秀作舎
たれはたの手にもおとらしきほ順のありつる花のやまとにしきは庫業
すり野は尻にあえてやさくら狩さけし角樽おとす生舗真袖
関宿
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山さくら里の子よりいろふきは世にへつらはぬ故にやあまはん菊寿躬
一磯山のさくらにつらき汐風は花見ぬ人の国よりやなく梅田
しら雲にまかふさくらをおもひねの枕の山と息にくも終り福陶居
吹風はいとひなからも持扇かさしてことる花見一むの形義
世にそむく我に習ひて桜花風をのかれてちらすもあらなん綾網
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春はまた子見て若きこゝちせり秋は月見て老となりしを雅持
をしまれてちるこそいふの盛なれ人のこゝろのうつろはぬ間に光丸
山住の軒端にちかき花の雲かゝるときこそかい有けれ磐雄
仝草町県春下
一虫二十一里
若かへる春にあえけん咲いつる老木も花の色はかはらす政明
人も見ぬ深山にさけるさくらかにみかゝぬ玉の如くなりけり明澄
うれしさのつゝみあまるか咲花の雲の袖にもあまるもひは白主
一枝は目の佛にも手向ぬとおもひてゆるせ花山の友垣
おしなへてわかやく春は老来まてとしをかくして花の咲らん真鈴
をしみつゝ手折らすおかは桜花風にまかせてちらまくもうし
ちらすとも花の春風吹あけにせめては松の雪ゝ見んせて真都人
かへり路は夕くれかばし山さくら峯にのこれる雪とみえつゝ春連
雪える桜一木にけおされてまつも柏もいろにかりけり秋水図
枝をれはくたくるものうは露はをしめる人の魂かあらぬか双井法師
らるかたちをしふる際のにくきかなけふ野物し花にたはれて杉門
さくらさく後間も葉とめてさせて今さら雲の何うこくいん籬芳
素見んと日毎むれ来て酒くめは人に成たる山すみの庵菊英
一人も見ぬみ山かくれの物葉は世のはるしらぬ谷のうも鈴木蔓守
青雪の松はさくらにかくろひてくもりもちなるものしら雲夢守
山垣のふところ子かも児桜乳ふさふくみて笑ひ出しけり琴守
かきりある花はてかりに頼しきて咲そめしよりちかを見せけり滋見
底守にしのひて葉を手を手をる夜はくもるもうれし春の月影菊芳
よみえたる言葉の花も短冊の雲と霞の中にそありける帯丸
此葉をもとりてひにかたりなはのほりえぬ身し見る心ちせん
花をまつ心よりしてみねにたつ白雲まてもなかめられけり酒の屋
吉ふかくさける桜のうへこえてちらぬ米ふむ木曽のかけはし
往来せぬ深山に春はわけ入ぬ花には人のなれやすくして花山亭
桜かけなけるきゝすは見にこよとわれに山路のひたつかひかも胡椒亭
浅草御集御草御集春下
春雨の草をみたせるほつれより花の衣はしたてあけけん玉美
かたはらをさらしもとおもふ花にむるゝ胡蝶や我か魂かあらぬが福器
よき花とめてなん人のいて来んを桜も待ていらくなるらし長房
山守の便りはこすて馬におく鞍馬の花のいかにちからん弘貞
一瀧さくらにさくすは山寺の新の矢板の鯉も似合し
みよしのやは物瀬しかきてたのしまんかち侍わふる心なくさに秋近
遠山のまゆねの下にさきむるさくらは春のまなこなりけり
うくひその留守もとはゝやとての戸の桜を春のあるしにはして玉山子
山さくら手舟に折て中々に風のなき日じ遠くゆくらん弘路
砥石いつる愛岩の山の子きかりいさ言の葉の鏡やとりまし津知久
風をいとふ草見の客に扇もてまへる鹿子を馳走とは売とは売
千零と見し間にけさはうつろひてちりくる花雪のふるきと桐山人
一世の人をやほり出したる葉なるに子をうこかす風や何ふり錐成
大雲も千田の色となりにけり青傘つゝく花のよし野路
山崎か蔵にそへし一枝にたつねぬ花を見るそうれしき諸照
松ノ御
一小塩山子の下風こゝろありて行幸すむまてふかすもあらん
相模
一其風の吹たひしかの山さくらちらぬ枝にもさゝ浪そうつ三千足
花垣に宿して宮に成てけりそふはさめぬる八日目の風志都丸
木の本に見たらねはいさかりねせんあつかの梅がふはかりかは真守
相生
家つらにをらすはいかて田路をおもひ出へき花のしたかけ宗暁
家つとに枝を手をれは風よりも雨守御花に敵ふるらん輝明
瓢箪にさして一えたつとにせん老をやしにふ瀧さくらに梅盛
さく子のかゝみは人のむかふ間もとつろひやすき物にさりける石勝
一立もれはこそのまゝなる糸桜よりをもとして花やきけん月の門
但享保十一日
高崎
山ふかく葉わけいりて梅下なるいりあひの鐘はきかすもあらなん直根
たかねなる雲を桜とまよひきてふもとの花のさかりをそし事
喜ふかくうへる日数も山水の花のかゝみのくもるにそしる花山
旅なれや高ねの花は荷はしと心にさへも笠させてゆく陸洲国
なききこく舟心せよさくわ女の浪にゆれには枝やみたれん文明
木の本をさらてもさらにめてあかぬ花は心のほたしふりけり
木のもとを知かす見れはさく花の雪にこゝゆと人の見るらむ繁丸
世の人のめつるにつれてさく草も水のかゝみをみてやにそほふ未庭
子に滅ひ酒にもゑひて七日ほと聴つゝけたるさくら時かな影袋
其の如高く見せんときくら花さきあかりたるみよしの山柏樹園
八重さくら新端に近くうゑおきて我はひとへに花をめつけり
北へゆく雁はしよりや山さくら子は南のえたいそくらん真梶
地震と名によふ桜咲しより花にけふりのたえぬを茶屋
さゝ花の雲とうつれる流れにもみそらにおなし藍はあまり茂群
梅花かすちる庭のにはたつみさそへる風に仇なみやたつ今
一もる人の眠りて枝のをりよしとをりてかさしてかへる桜か巨森
もる人のありて手出しもなら様のにをりとりて我つとにせん
かへるさもしらさる花の雪道は心の駒を見たてたゝむ
御くら花ちらぬ内にときのふけふ見にくるへしさかりなりけり形義
もつこしの貴妃の桜もおよはしなよしのゝ山の花のさかりは日々明
山川の水のかゝみに影うつる花もはな見るこゝちすらしも花蝶
一夜もりにゆるされてより手折とる枝に迷ふは花にはつよし昌保
一杉たらぬ門鳥も花につとひ来てさかり七日は人にこそ浦へ
さくら花おとなくちるはうつろふを人に見せしとしのふ心か真袖
山草町集春下
一はつといへとうたかはれけり初梅つとに軒来んほとはさかねは真袖
一心なく風なやりそ夢見草葉は目さむるみにさりける葉久藤
一磯山のものさかりは風雲といかりをおろす沖のふな人明均
うは桜いた児さくらさくすは花もわかきも其こゝちせん歌都住
なゐしらぬ鹿島の宮の庭桜人をゆり出す子さかりかな秀雄
吉かけのしたり桜はさなからふ白糸みたす瀧とこそ見れ満琴
旅人のかさきの山のさくらす度さへもらす咲おほひけり多琴
花の雪とけゆくめしさくらかけ過れはもとの立とふる水天年
枝高みをるにはかたき山さくらにほふたもとを家へとにせん木澄
一白ゆする力は見えてうたへの心をはこふ花のはつせ路居保
世のちりにそよてもさすか山住の心いたむる草に雨風春次
朝さくら手をる手先のつめたくて雪かきわくるくちこそれ
雨ふれはあすはさかんとうなしきのこゝろの葉そ先ひらきける滝道
あまた見に来るをよろこふ花守は人のちるをゝうくや思はむ
みよしのゝ花のにしきの袋には類の種もやいれてあたらん漁士
一人みなのかへきおそきに志賀の山花のみゆきの深きをそしる木数
ふしはやきかり過けんゆく水のかゝみのかけに雪とふりつく唐唐
もろこしの吉野の山の暮見とておのか家までからになしけり千代住
をみち葉の達さをわひし端山より時雨桜や咲はしむらん梅国
かへるさををしと思へは花の雪跡いとふまて庭にちりけり
花の枝に結ひさけたる短冊はこゝろの葉をかきあつめけん明
桶とちの花のさかりは水汲にふもとへかよふみよしの茶屋梅田
をかとりてかさせは花の普賢像女の髪につなかれにけり
扇もて友まねくともさく花よよしなき風にふりむきなせそ
三十三丁三十三丁目
且十一里一里一里一里一里
赤さかは吉んといひし山里の権ぬをはから使こしけり山入
ださくら一枝をれは花もりは心えつくことくとかめける哉機墨
かけ茶屋のかまとのふえて娘はひは都にはちぬ花の山さと梅山
花見幕風の袋と見たかへてあはれ桜のちらんとすらん雅持
とし毎に見てたふあかぬ心をは花の木かけにのこしおくかな
色あせし浅黄桜かあゐ立の水にふたゝひ影をひたすは照影
掛茶屋の煙目あてに狩やけは塩かまさくら今さかり也清左
古郷へ桜さきぬと谷やらん花の旅路路の七日かきりに友母
をふの浦あまの垣根にさく花には梨かあらぬる浪のよするか福丸
花にくるふ春は胡蝶となりなまし夢よ現と人笑ふとも頼母
家さくらさりは七日は宿おりの妹にこゝろをおくこゝちじつ無染
中々にわる心のみうつろひぬ花かり花をかりくらしつゝ本成
吉野山神代にうえておきつらん仏にならぬ花のしら雪絞雄
其南霞の海のはしりかな開きにかゝる帆かけ桜は綾枝
さく花の木かけやく日はのみやかにはなしの友をえたる心ちそ秀明
ぬけ出し人の魂にもさく花の梢に蝶の夢をむすふは仝
稲荷山杉の木の間のさくて花手舟に折てかゝふしかさせり仝
初花のもとにこてふのたはるゝはまちえし人の心なるらん明澄
見ぬ人の為にといへはいやもりもさすか自慢に一枝をらしつ仝
手折らんとたわめし枝はとく折よさなくはなたは飯の酒やる仝
雲と見し桜かもとへ立よれは虎の雨ふる子きかりかな明俊
春興これしさを包むかきりのみこと見ん霞の袖にこともとは靑菴
一幾生も人の心をそめつくす柳さくらはあかぬいろかな
酒のみて見れはをかしや夢ふそふくるゝ花にうくひすもなく
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椎名内
わらひ折る手にも油のいつはかりあたゝけき野に遊ふものしさ豊明
桃さくらめくむを見れは立じふき春は事たにもてはやしけり千秋
梅さくらひはり鶯ほこりかにおのか色音もつくす春かな静
足たやしとはおもはねとい小鳥の色音ある町は三郎かりける存在
葉鳥を暇にはしたしき殿としてひとりありきもさひしからすに城窓
童うち笑ひつなきつ春の日に遊ひくらすそ梅と鶯道文
いろ〳〵の子きく春はかまへて世の人の心となりゆく花蝶
あるは汐平あるはは小見と出る人も海山子せる春そ娘はふ巨森
鶯の旅よそをひよふころも笠もつともふぬひやしつらん
つれ〳〵の花さくのへにさそはれて桜はさかりうくひすもふく琴京
なにはくやかし野初瀬の梅さくら葉より花にあそふ春な真咲
なことめぐに本むつましくつくはねは多しの毛をもてつくり初けん一元
三日から人の丹塗のこやもしのはれつ水にうかへる桃のさかつき木成
つねたかく乾さる鶏をけふといへは寒ゐの庭に合せぬる哉雅持
声のある松かさりよりものいはぬ桃の花にもこそあはれふりけれ清記
水鳥の跡をうつすかみかは水くゝりてはまたうかふ盃存在
一龍らしき花の銭にはつかしやふるひし雛も出す節句の日調布
類をよみ詩をもつくりてけふの日も西へ流るゝ桃のさかつき道頼
浅の女もけふはひつなにかしつきてなれぬ其ゐの宮つかへしつ長房
一あまか子の雛たつる日はうつされし都とうつす塩かまのうら
心お〳〵なもなくして少女子の雛の世帯やいかにたのしき春園
初雛よ汐干かりよと少女子のあそひ仕事のおほきる間の行雄
梅貝花貝かさるひな棚も汐干にまかふはたかく形綴螫亭
うつくしき雛の女夫の顔はせに桃とさくらの色やくらふる富久
仝草野集春下
一同一
ものいはぬ桃をいけたるかたへにはものいひさうな雛をされ
一初灸の二日の後下よもきをは三日のひいふにすうる草餅霍賀丸
空色の餅をそなへて久かたの雲ゐをこゝにうつす雛たな栄
ひな葉子宿そふきはふ中々にしらへをせさる五人はやしに歌都住
一よみかねてはかなく流れて盃は水に文字かくこゝちすらしも善平
弥生の花の雲ゐの庭つとり光る瀧爪也三日の夜の月延喜亭
桃花
君もたはかくせよかしと少女子にひいな祭りて親とすらん明澄
ものいはゝいさとひて見ん桃の花山にいりにし人のむかしを菊泉
かそいろの音なき事に習ひてや宗ものいはぬ庭の姫桃
名古屋
一笠にさす青葉に薬あれはにやにか桃の名を聞はおひけん友雄
舟堀
さけ蟻の様より猶めてられつ花のゑまひをつくる姫桃幸恭
ものいはて過る人なし桃の花あるしはたそとことゝひをして浅冊菴
御くらには色おとりぬとり数さへ桃をは三日とたかさためけん水遊園
から桃の葉のものいふ世なりせは見ぬもろこしのことやとはまし本成
桜見し目はむつかしといろ深く桃は八重にも咲て見すらん清記
ものいはて笑ふはかりの桃の花初ひなたつる子等に似てけり満盛
一其ぶなき枕を手折ていけなまし所は色々枝に見ゆれは直寐
一物いはぬ桃につとひてくむ酒をすこしく人はたにものいふ
さくら木に王をゆつりて世をいとふ桃は花にてふ中の仙人秋庭
重と見るさくらのなりにさく桃は秋しのはるゝもみち葉のいろ拍樹園
うつくしくさく姫桃は姿絵のものいはぬ妹を見る心ちせり一入
瀧夜のゆふへは多くおきかへてあしたにそむる桃の枝の前十帖図
花咲てひよし一さしら桃の枝風のあるよはならはらはさる
一もゝの花き出しよりる人のものさへいはす打なかめけり琴彦
但壱行集春下
同一月十一日
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牛飼に道をたつぬてうしよりもくもつなくもゝのはれその梅舎
一愛殿はこほるはかりそものいはてものこひある唯桃の花日々明
ものいはぬ桃のかにそと立よりてたをれはたつる枝の大声燿羽
蝶もけさ何ちかひてか二つみつ露汲てまふもゝの薬園母文
かすみたる中にさきぬる姫様は香のそふりにかへす魂かも熱繁
さくらよりちるにいまとる桃の花古渡り物の錦とや見ん宝舩
ものいはぬ桃を手折て子守の口とめにさすすひつゝの酒国海
露を吸ふ蝶の羽袖をむあふきとかさすさまなる姫様の花山栖
ものいはて花の赤きは世にしるきひたちの宮ややうれの姫桃高垣歌垣
一三文らせの桃のほき酒みつ組にくみこそしかき雀の盃桃人
春雨にいたくうたれて桃の花つほみも露もふくれ顔なる井等闇
秋よりも詩をやつくらん越長き淀の代れる屋もゝの花楽勘
一目やみにも見やすかれとてあかねさす日のゑにしし桃は咲はゝ
ものいはぬ深山のおくの桃の花世にましはらぬ人やうゑけん友好
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実来
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同二十一
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同同月一日
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結城
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浦藤
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汝はらの藍に朝日の紅さしく渡立見するうらの藤なみ六朶園
田児のうら咲ぬる藤はかけうつるふしに夕ゐる雲のいろかな金成
影うつる田子の入江にさく藤のうら葉や浪の浮草も見ん今
風子のうらあふなしと松かえにはひまつはれる藤の口よも本成
舟守る神の宮居はさく藤も浪しつかなる跡よしの浦松柏亭
いとまありや軒の藤浪うつく蜑の浦わける袖はかわきぬ至考菴
松かえにたわめる浦の藤かつら日和にほせる舟の端かも清水
浦の雲のぬれし祝もさく藤の浪をみる間はしはしはしかわかん花丸
行もの出舟おくるかうら松の小高き枝に藤はのほりて亀世
御用姫かむかしもかくやまつら瀉風にひれふる藤の子房米丸
くれてり春のなこりに夏の気をよせくる故の浪悪の浦今
むらさきの花ふさ見せて松風のことの浦辺に匂ふ藤落松門
陰らつる磯の藤浪うら人はむらさきのりのうくから也見ん
袖のうらのりの外にも紫の木々にかゝれる藤のはなふさ花妻
須磨のうらま士か書見て咲藤の浪をも松はかつくなるらん玉器
住吉のうらの姫松御田植のたすきにかゝる藤の花ふき野人
藤かゝる松かこらしま藤しまと名をかへんまて咲とか哉神竜園
住吉に藤をかつけるうら松はみるとる蜑のたくひふらよし福脈亭
むらさきの霞なかれて浦松におもかけ残す藤の子ふき花笠
汐風のあたりて立のあせつらん浦辺の藤のふぎ不房秀明
御並御雑番下
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暮に春をしまれつほとゝきすきくへき夏はさらに打けて繁雄
へたて子はうきをいみしれ行はるはうたて空こにかすまさりけり
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みちのくのこかねのつなにつなきてもくれ行春をとめおきたし在田歌
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わかものとみし小鳥にわかれぬとおもへはいとゝ春もをしかる直母
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山吹の花のこかねはのこりあるにくれ行すのをしくしあるな浅冊菴
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一とめする禅師の小僧木魚より先へほく〳〵成る春の夜一
咲花の立見えぬ夜はかひにしと春はみしかく定めおきけん朝明
春の夜は柳の蓑に月のかさくもりかちにもこゝくるものかな竹草
初馬
春の夜の夢にひゝきは入にけりあかつきかけてきく三井のか
梅さくら思ひねにせし春の夜はうつゝの夢し花にありやく義房
みしか夜して承見んと起出てさくをまつめ明をまちけり鎌成
たと見しふにはあらてうす衣朧にかすむ春の夜のそら
金田
一その夜はみしかき空への草枕むすいたはすてあくる也けり浪頼
かしましき城はいとへはらわたをあらふ夜学の意のもとおは庫業
嶋千鳥なく飛たゆる春の夜は寝覚やわひんつくの雲守春繁
夢さくらて見る夢さくにちらす哉ゆふへをよたぬあかつきの鐘秀明
一十一日下
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まてといふをきかぬ現はさもあらは東のうたて夢にもちる梅か梅かな
こよひしも夢に見つるは桜花七日の外のまうけものかな諸春
すみれさく日をなつかしみぬる夜いの夢の内にも一夜ね雪り細記
さめてけき鼻はひにけり夢洛にてあひし小鳥噂をやする扇松垣
一椀のほゆるかことき呼飛上に茎にねぬる夢はきめけり織盤亭
たのみなき声路もうれし隔れるよし野西瀬の葉の紫紫真真真
一所といへは夢のたゝちも手枕のすき間の風ふらるとうたにし秋水国
いくたひも結へるすの夢やにそ夜へぬるときは帯をときに琴福
およひ舟色高根の桜かねをりつと夢に見る間もたのしりけり麒風
夜あらしのさそひやせんと思ひつゝぬれはや夢には小のちるらん菊芳
一春の夜の夢はあやなし梅の花いろのみ見えて手はふかりけり善成
おほつけの夢路に見ゆる桜原にらすめるひ事のうつなりけり土界
一花に遊ふ夢見てまるをあかしけりまをうつゝに遊ふ身にれ
一月かけのくもりもはてぬ春の夜はむすひし夢も瀧ふりけり一の屋
こりみてる花を枕にこたゝ様の夢の内こそ雲のうへひと細記
うれしくも人やりならぬみ山への葉を夢路にかりくらしけり山入
うれしさはさめて霞の袖にたにつゝみあまれるふしのはつ夢蓑笠
ふゝきめて藤路の花をちらしけりおとす枕の山のあらしに梅尚
福島
さくら咲山路をたとる春の夜の夢もかす立て朧なりけり
松門
飯野
おとろきて夢の覚れは桜より風にちか行ともし火の花
歌都都
干潟
宇治山に承見てあそふ夢みくもはしめをわりたらかしやくすよ陸冊国
みしか夜の夢とおもへはなる〳〵に子の七日を見し間一刻照蔭
一花さくと見る間も風にさにされてあたらなかめの声もちらしつ耀々
こつゝともなくてめて来し葛城の花にもわたす夢の浪はし亀世
但草野集三日下
馬車町隼馬
さかさまときわれしやおもひねにあすみん葉のちると見しき
一勢田よりも春はきありかた長長らしもの寝の夢の浮橋長房
うかれかゝそひねの夢を結ひけり梅かゝとめし夜具にぬる日は
雲のうへにのほるこゝちそせられける夢にみはしの桜見る夜は亀住
春はなほあそふに心せはしなくねてゝ夢路にさくらかりしつ玉世
さくこをあすは見はやと思ひねの夢路にたにも桜かりしつ明俊
あかつきをおほえすめくるから大所様くたひれたるに火の夜の夢折女
山見きくもの多きに心うはゝれてつまつきかちの春の山ふみ陸師国
一親しらす子しらすよりもとにくし葉の浪たつすの山路は朝明
よしり山しをりなくしてさく花の雲つかむやうにふかく入けり八千代菴
見ぬおくの花を見せんと言ふると山人よふこ鳥まなく鳴らし本成
ふもとろいまたくらけれと咲くゝく花にしらみし有明の山清丸
山人にあにおとらみやさく花の其ふみわけて峯こゆる日は秀明
うれ与ゐの庭の衣を二子山おなしくにや仕立きすらん浦人
ときはなる松もとこゑおけよしの山につかるゝめをやすむへく列
海原はゆたかなれともさくら咲山はあらしの花のしら浪全
よしの山草のさかりを雲と見る人のこゝろそなとふりゆく大酒
さくこの空にかくるゝよりの山いよ〳〵たかく名はきみえけり森柳亭
小俣
春なれや雪も出もうちとけてわらひあひたる妹ゝせの山茂平
吉野山ゆくとかへるの雲道はわせとおくての葉ある如
さけは雲ちれは雪そとみよしのゝか野の山は草のなき山周左堂
いつひらの梅よりさくらさく山ははつの花とも見えてよされり亀俊
朝日かけそひて霞やかゝるらん紅梅ねりの衣笠の山梅守
青雲の冬に見えすはよしの山草も花とは見わけがぬらん米丸
一長三十一ト
内一学里隼具表丁
桜のみつとにやをらん物わらひそへてかへらん春の山ふみ内人
一古くこと風にあれても志賀の山花の色香は春そわすれぬ信茂
ちかよれはうたかひはれつ吉野山さくらにへたつ顔の白雲
春雨の一しつくよりさく花の娘は海なすみよしのゝ山玉光
あたゝけくなれはなるほとおいなと霞の衣あつくえるらん是境法師
しかうの山さくらは風にあれはてし花の雲ゐのむかしをそくる琴糸
露ひくおもかけ山はめのまへにありとはしれと見えわかぬ哉行守
一よしの山桜さくりはわけのほる道さへ人にうつもれにけり千綾
世の中のうさはわすれて夢とのみうかるゝ矢は花の山ふみ菊泉
常磐山花はさかてもめてたしなすのみとりはよそにまさるく腰風軒
春行路
わけゆけは松のかけさへつしものをかしき色をそふる春哉清記
目にい花耳には鳥の音をとめて春の行子は足そおもたる花笠
家さくら咲つゝきたる部あさへ都めきてそ人のゆきかふ一笑
花に七日茎に一夜ひよとりて春のゆくてはおもしろきかな
道すから花を手折は古さとへかさるにしきとゝへや見からん在田歌
糸をもてつなくとなしにうちなひく梅の陰は過かてにしつ調布
山路ゆく人のかすみて菅笠の月もおほろにけるも見えけり葉秤
藪になく鶯の音にひかれてやおもはす道を春はかたよる三保雀
春川
川おほろつ夜の月にならふる桂川花のかゝみのうけのくも肌る本成
よしの川うつろふ花の浪たちぬ六田の陰やいつこなからん友母
山吹のこかねすりてや流しけん朝日に光る玉川の水
梢ふくほのかはりてよし野川浪にも花のさかり見すらん照明
一花のかけうつして春のよしの川浪間にうゝる桜いくもと
山咲の葉咲うつるこの日ころ茶の色うはふ空流の川水梅守
之草寄年春印
同一吉丁里ノ
山吹の花の新さす玉川は春金を庵にうつめおくめ梅雄
おもとけてみとりますらん魚と水むつまし月の春の谷川保加良
さくら川春は氷のひまよりもうち出る浪の花はうつくし錦園
春くれは浪の白馬いさみつゝのりさへみゆるふ巻のしは川美都成
一人こゝろかくありさしな春の川ゆたかに清〳〵もとみなけれは無
六田川なかるゝ葉のよとめるは水のこゝろもをしむなるらん春笹
一峯の雪麓の粉うちとけてむつみあふらんいもとせの川冨足
一委畑の青くなりぬる此頃は野川もはるのいろとなりけり道頼
あらし山花葉まちわひて大井川さか瀬に舟をのほすなるらん
一大井川うつるさくらの影さらす筏や浪のはなのやま風真都人
さくら花ちりてなかるゝ吉野川みなとや春のみまりなるらん照蔭
白布と立は見えけり山ふきの花もさらすか夜はの玉川十帖図
茂にはくみかねつらん壱来れは氷の板をなかすたにかは歌月
春海わたつみの庭よき春は浪の花さかぬにつけてめてられ雪り浅草庵
中々に海路の春は浪の花さかぬかきりを長閑にそん事五十瀬屋
一磯山のさくらに浪を真似させて風なき海はしつけりけり寿菴
しら浪の花もはえあり壱霞立てみち来る八重の汐風三蔵楼
壱けれや浪もこわかてうら〳〵としかまの舟路かちゆくかめ花籬
磯山の花を見捨てゆく舟はかへる雁ともみこしろの海の海
一琴に舟けさうちはへし滝の海かすみの糸をくりつゝそゆく俳諧堂
一こさいてくもると見しはかすみにて蝦夷の海路も異はのとなし真袖
のとけさは霞ふこめて浪の公小さきてぬ海そすけしきなる霍賀丸
一東風ふけは梅の葉貝いろ見えてにほはぬ袖の海辺のとけし光燵
鳴戸なた妻の糸をくり出す車と見えてうつやまくらむし
但東郷様三日下
同一二百二十一
舟堀
一霞たつ鳴心は浪もたひらにて舟には総のうつをまきけり仲芳
越府
一赤さかぬ桜貝にもあそひてはかへりしほなき三日の海原
一梅さける難波のうらはうちよする浪の花にも匂ひそふらん熊蔭
春風のふくほと磯にあらまする浪の花こそ咲まさりけれ大陰
一妹峯山桜ちるとしきの海の鯛つるあまのさちとえけり窓の屋
一野に山に春はゆつるかのとけさに海路は浪の葉もさきてす守近
一其すかれいくやしかりけり春の海うらしまかすむ草のあるほの歌月
一人こゝろうきたつ浪のうゆくにみかめますむ春の海はら浅間菴
乗折
なかむれは沖こく千にもゝふねもらすみて見えぬ春の海つら倭金垣
やはらける春にあえてやあら海もしつかに浪の花をさかせる大節
ときにつれ春はゆたかにかすみけりつねとさふくえそのまへも浅鶏菴
おしてかや難波の海の春風に草千間の山のくさやときめく草村
松野
一目したしの松もかすみて掛たえしこゝちやすらんみわたる人繁財
香獣御くらさく枝ならなくふ春といへばをしかの角し人のをりゆく浅草菴
梅かゝをとめぬ袖にも鼻よせて闇にもぬしはしれる肉犬花咲菴
門もりのゐねふる春はついひちのくつれ近昼も通窓橋水遊図
一秋山のもみちはふわくる心ちせん火ともす梅のなかをやく鹿幸恭
手水してぬかつき居るはあふ事を神にいのるかゑこひの猫千古亭
一こくひその経よむ野辺に小男尻は角を落して聞そをかしき真帝
一奈良刀これにけよとさを菰いはぬはかりにおとす自哉秀作舎
かへしたるよるの衣に寝る猫も恋しきつまや夢に見からん楓左堂
一子妻の萩は焼ゐとなり果て取しりんきの魚落ん伸節
賑やかにつのくむ芦になどはすていかにさひしき落のいたゝき
一水かゝみ見るさを落は角落てあけおとりせし心ちすらしも静
松草野集春下
同十一里
さくらかけ蝶にくるひてかひ猫の葉に守りの鈴虫ふるらん皆本
声たてゝおのかありかやしらすらん雉子毛の猫も妻を忍ふ八千代菴
田をかへす時しもきぬともの日のあゆみのおそき計そいかるゝ存在
一子鳥に名も心のやはらきていくしか角をおとすなるらん根向
野遊ひに少女かはける駒下駄の音にもなちの花はよりさつ寸美丸
花の山桃のはやしにいまれつくこしようしよとゑにはおひけん神竜園
○みとりなる池の玉藻を髪と見てまよはし鳥も春はまよはむ金浦
旅人
夢のうちに王位にのほるこゝちせん桜の蔭にねふる山崎千声
一物若菜けふは初子と着されは壱人学そ野へに賑はふ三郎
一梅さくらさかぬうちより春の色はよろこふ人の顔に出けり巴流彦
一風ならぬ日もふき春は山をあさるさつ男も海にきちはかへけり猶陶居
花鳥に目のさめやすくなかのみそ春は若きにまさる老人千巻堂
梅炭やきたるしねのあやよりをいふわふらん春の山人
一人も見ぬ浮山の子を折はくて顔へ春をはこふ大原女福略
一ひらくのいたひの雛しのひぬらし氷のとくる池にゆつりて花守
下戸上戸黒見もとりに打起れてもぢつゝしをも折とりてけり窓の屋
うかれ女はいかに八重さく山吹のみのみのふきほとを思ひわひなん鷺面
●其風のふくさへいとふひか身はかしら其いにて花にかも似る千足
世わたりはくるしき海そ声を帆にあけてはしれる宝舟うり天年
一いとまなき大宮人はうはさのみきゝてや過ん花の七日を大節
青柳のけふる木水にやすらひて我も煙草をいさくゆさん春海
日は西へわたらぬさきといそく也六日限りの荷商人秋良
かしこくもすもゝの花の下けに冠字をたゝする人もあり万葉亭
すといへは梅と桜の外にまた人の言葉の葉もさかせつ明澄
関東郷集馬下
同一
いとまありや踏歌のせちはつくり綿子とかさしてうたふ宮人檜因
當座心静酌春酒
檜月菴主人撰
瀧さくらさける木かけふくむ酒は老を養ふ泉なるらし玉雄
つむ雪に冬こもるめ草見つたひとり酒くむ宿そしつけき車雄
ぐれかぬる春のまとゐは静にてまたくき酒もかたむかぬなり千秋
一春の日は心の浪もたゝさりきくむ盃の海しつかにて明躬
狂歌草野集春之下終
狂歌草野集夏之部
狂歌草野集夏之部
目録二十種
首夏残花新樹新竹郭公
五月雨
五月雨蛍霍麦扇夕立
夕立
納涼
晩夏
納涼晩夏夏旅夏井夏門
夏眺望
夏狩
夏狩夏衣夏莚夏晩望夏人事
二十一里
首夏
仙台
千梅園
木立なき
都は忙に
音すたれ
かけて花なす
夏は来にけり
倉賀野
千歳菴
栃木
雲井
山吹はみな
真袖
ちり果て
こかねをも
鰹にかへん
鰹にがへん
夏は木にけり
おもしろき
春何なり
夏くれは
老うくひすに
はつ郭公
信濃富竹
春日野の
南国堂
鹿住
霞はつて
あをによし
奈良うちは
夏は来にけり
包嬉園
でなも猶
卯の花
はるに
おとらぬなく
山に
色音かな
源とゝ
きす
広母
ぶちりて
しける青葉の衣
した花に
ぬく夏は
来にけり
水游国
夏門
六朶園
酒このむ
蚊をはらはんと
二葉
杉の葉を
杉の葉を
いふすか
いふすかみわの
又六か門
夕陰の
茅の屋
この涼しさに
磐雄
酒のまぬ
身もすき
うしな
杉たてる門
名古屋
竜屋
夏をむねと
家の門をはたかくせん
風の車も
引いれつへく
一同七丁目
一同一草里、隼里、
十五
残花
残花駿府
黒羽二亭
葉かくれの花は
葉にもり飯と見ゆ
すや此ころ
旅にあるらん
野田
夏になほ残る
桜よもろこしへ
ゆきたる春の
もとるをやまつ
柏樹園
舞
七日とは空言
なれや卯木さく
卯月八日文
花は見え
けり
の屋
名古屋
寿国
風をなほ
ためしに子の
いとふかまつか
いかにそと
めしに花の
さき残るらん
善成
めしに花の
十三
甚さくら
に
おくれて
咲ならは
のとかに
あれな
おくれ
ついてに
今尾
乙養老亭菊泉
なこりなくものおもいせに
ものおもはせに
ちらは
すをは
おもしをさくらか
おもしをさくら
さくらか
南向堂島守
新摘
越谷
十五
らすきこき
らすきこき
脇を見れは
峯月亭
ときおそき
秋の色さへ
しるき藤山
れなゐに仝
くれなゐに
くれし
もえ出し楓
●うへ出し
くれなゐに
仝
そまらんまてに
しはし青かる
日をとちて
ひらけは
檜月庵
明躬
あかき
たくひか
もみちせん木の
若葉くらきは
一うはより
仝
目をふた
かるゝ
こゝちせり
意さき
窓さきく
はゝ
若葉は
葉を見れは
もちつゝむへく
なりにけり
草見て酒を
めてし桜も
二葉
一八一匁
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
二月一十一里貞貞
十五
時鳥集
ほとゝきす
千檜庵
幸恭
十二丁
きく有明は
南溟
月よつも
耳かたふくる
内権はし
初音くれしも
ほとゝきす
なかは告よと
このまれき
仝
いさつけにやく
神こわらはゝ
沓つくらまし
いかに鳴てたに
高
かく恋らるゝ
桑廼門静香
さひはひはあり
ごやくきの
江戸崎
あふき見ん
緑樹園
むなしき
上の中にも空も男すとて
誓の中にも
空も鳴すとて
かへるには雲も鳴すとて
かへるには
おもひすつへき
しかしとなきて
洋とゝきす
めつる鳥も
名古屋
竜屋
督さす御ほか
明躬
業とや神こ
とや神こ
鳴てわらうつ
手をとゝめ
けん
千束菴
章雄
明てゆく
空にわかめ
空にわかめ
ほとゝきす
きかてはねしと
のこる月よも
五月雨
穂に出ぬ
すゝきも
くちん
五月雨に
みな月と
ふさんまうけに
物思ふ人の
袖やいかなる
さつきには
雨のかきりや
福禄亭
のかきりや福禄亭
野田
しけ日和そふも
一つゝきて中こに
あまのこしみの
かわく五月句
柏樹園
ふりつくすらん
十三
むさしの野への
仙台
千菊国
文字楼
本成
むかしもしのふまて
うけらけふらす
五月旬の宿
十一月廿一日
三郎野儀
新竹千潟
瞿夏
廣母
陸洲国
美しき
美しき
その名をは
唐とよへとも
人も生ひ出ん
人も生ひ出ん
玉たれの
目に近く
をすともならん
国の若竹
野田
柏樹園
見るや夢野の
なてしこの花
若竹は
おひ出るとき
彼衆
ひたり前にや
とりちかへけん
我庭の
土より油
もち出る
竹のふしきは
越路のみは
見るかうちに
千尋と
のひて
岩の外に
花咲菴
夕日をおほふ
わか竹の影
川俣
藝の世の
よくの心を
浅鶏菴
子におきて
となりや船
くれぬ鹿夏
薫亭
扇
火の
中々に
風をよけぬる
灰に
かさしつた
扇かな
千柳亭
すゝしさは
さす扇に
さす扇に
しられけり
不定の陰なる
甲斐の玉人
森
蓮々子
耀々
がさ〳〵と扇の
なるは夏たにも
肝はのをきと
うとまれにけり
明躬
水一生予三丁
納涼
立よれは秋の
こゝちそ秋風の
たちては株下
そまぬ
仙台
松蔭
千菊園
一虫ならん
秋をも車も
しのふいこふ
すし木陰は
木陰は
さふ
章雄
主
伏庵は
浅草菴
十三
すゝしきに
あつき
いこふ木陰の
ならひを
くらきには
ところせき
一ところせきあつさも我を
あつさも我を
此家根舟の
内のすらしさ
見こしなひけん
堺
堺
和群居
檜樹園
長樹
今
菊泉
十三
風たにも
あつさによそへ
行かねて
吹やすゝしき
松の下かけ
秀明
麻生
一日の影にぬれし
俳諧堂
衣も夕月に袖の
ずゝしさをもちはこふとも
かわくはすゝしずゝしさをもちはこふとも
かわくはすゝし
かりけり
見ゆるかな風に柳の
新堀
新堀
ゆきもとる枝
朝倉菴
松陰はすゝしと
三躬
めつる我のみる
風さへはやく
宿り
にはしつ
京
玉兎国
手にとれぬ
水の上過る
夕風は
ぬれぬはかりに
すし
かりけり
一冬の如空すむ
月は夏の夜も
こほるかみなの
すゝしかりける
野田
柏樹園
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
丑十一
夕立
十三
ひとかたに
うちなひき
草も
逃るさま
なる
夕立の風
□□□□□□□□
万才
秋山照蔭
夕立の雨
草葉すらしき
露おきて
つくらぬ庭も
秋の野ふ
長樹
堺
夏狩
葭のよる
徳島
豊秋亭
秋亭
米成
大くじを事の
うち消さは
さつをか
胸や
もゆらん
がなしさは
社にまされり
ともし山
さつをか弓に
紅葉する
馬鹿
器楽庵
夏旅
名古屋
竜瓜園
玉器
一旅といへはさらて
うきをなかめなき
夏そくるしき
かぎりなりける
夏人事
仙台
十
なこりなくしけるあやめを
ぬきとりて池の鏡に
つくるけふかな
千柳亭
あはれ也
島守
草葉の露と
もろ共に
ともしにきゆる
この命は
十三
しかひして
こかひして
まゆは
つくれと
つくれと
くしけつる
いとまも
あらし
賤のをう
再火も
照射も後の
やみのよは
てらさめ
わさそ
さつをうかひを
浅草庵
檜舟亭静
同一生野長一疋
三里舎里舎人馬
狂歌草野集夏の歌
撰者檜園梅明
舟堀
首夏花さかぬ松のみ今はなく〳〵に春のいろにて夏は来にけり一蝶
一野に出てめてふみなの綿さくもよそに見るへき夏は来にけり峯月亭
御仏の生れたまへる夏の来てなと鶯の経のこゑせぬ友雄
松たてし春もいへしかくれ行の陰このましき夏は来にけり此芭彦
花鳥にあくるをまちし春過て夜のあけやすゝき夏とふりけり琴彦
天も今子の波さめするならしこのめる水のいろにはれけり花守
若葉かけめつやと風の声たてゝ梢よりこそ夏は来にけれ扇松垣
一蚕はむ粉束しける夏の来て毛むしは糸の巣やつくるらん明邦
こん夜はものいひ初る蔵もまた風にうなつて夏い木にけり森瓜亭
花ゆゑのうらみもやみてけふよりは風のこゝろのすゝしからまし白主
光陰は矢よりもはやし弓の名のあつさいやます夏は来にけり茂群
跡ふりし東内裏にしほし魚沓手鳥きく夏は来にけり至考菴
花の雪消にし跡にうの草の又もたる見るなつはきにけり道頼
酒の名の霞もけふはさめきはの水このましき夏はきにけり千代住
一肌うすき衣を着たるけふよりははや夏やせの心ちこそすれ城窓
草も木もしける青葉に塩なしてあつさをいとふ度はき習り
竹の夜過つゝけさは卯の花の雪つむ冬とおもふ夏かな日々器
花衣ぬきてけふより一重山こゝろすゝしき夏は来雪り弘貞
きのにまて立し霞のおもかけにしめひきはふる殿はさ光り春臣
のひたらぬ草を力にやう〳〵とけさとりつきの夏はきにけり千綴
飛鳥山かすみはきえて青すたれけさかけそむる夏はきにけり不知読人
但立予集裏
草野隼男
花に酒くみてし春の浦さめて水のあかれぬ夏はきにけり守邨
夏もまた梅鶯におとらすに物ほとゝきすかをるたち花玉世
家さくらきのふみはてつ住かへてけふより風をむねとたのまん霍賀丸
仙台
人みなの薄衣きぬる夏の来ていかて卯木の綿をかさぬる一樹
残花
一きたなくも残れる花のうれしきはやまとこゝろも品にこそよれ水游国
夏衣きて見る花は匂ひさへうそき袂にしむほともふし磐雄
夏衣われは着かへて胡蝶ほと身かろく草をけふも尋物一の屋
実にしまたならすて葉はなかくれに物の種ほとさき残りけり智義
夏山のしけみかなかのさくら花目にたゝぬこそめにはたちけれ輝明
春過て花はさきけりはやり物おそき山家のならはしにして搗住
葉柳に草桜ましりさく茶はよるのにしきの心ちなすらん
たかき木は風にをらるとさくら花しつえにこそは咲のこりけめ微綱
祭かくれにしはしこらへて咲残る花は春よりあはれなりけり雀年
さくら花今さへめてゝ卯の花の卯月はしらぬ深山辺の人
音のそみし衣かへうき心にて花下梢に咲のこりけむ幸恭
たしなさをめつるならいの人こゝろさとるかれくさく桜はな
桜田にみのりし稲のひつちより卯月に花のさくはめてかり仝
越谷
とはるゝはこしとさかりの世をさけて青葉にとつる花のかくれか至考菴
千住
見る人の多きを花はうとみつゝ度にのこりていとりさくらん吉方
野田
あるものゝたらぬやうなり遅梅青葉ましりに葉のさけるは柏樹園
闇の夜のともし火よりもうれしきは青葉の陰に咲のこる花調布
初花とこれどもめてん深山木の青葉かくれの逢さくらはれ
夏かけて深山のおくの家さくらかそふはかりに咲のこりけり
夏山の木かけに残る児さくら是は葉ふ守の神やかくしく緑樹園
一芭蕉布十匁
岩和田
桜花月をわたりてのこるかなとしさへこゆる雪もある世と桃年
一善かけはめくる月日も遅さくら老鶯にかさせとやさく真倉
小簾のうちの妹かすかたにたくへなん青葉かくれにのこる桜は菊泉
吹風の手もおよはすやからたちの枝にましりてた国の残れる纓清
一昼さくら見に来し人の夏衣うすき心と花やうらみむ武暉
八重よりもはかなきものとおもひしを花は一重そ咲のこりける長季
むぬれはましはりことみ姥さくら子の世のかれ花のさくらん厚丸
たれこめし青葉の陰のさくら花春のゆくへをしらて咲らし薫亭
たやすくは人に見せしとさくら花枝にのこるをおほふ音葉が本成
おそしとも遅きかきりのさくら花あかすよ夏の物品にして仝
めてはやす人めつらしと山磯はおもはん遅き花を常にて梅山
日のかけもさぬ吉間の夢見学ねほれて夏に咲残るらん満盛
青葉せし梢に残る山さくら西花よりもめてられにけり明俊
のかれすむ山下かけのたくら花人とふ春にあはしとやきく千秋
心ほそくのこるをさらにいとはすて花の笑顔いうつくしきかな明澄
山口の木かけにさける逢さくら奥歯のぬけしやうに思へり花笠
よのはてもうからぬ松にならひてか木の間かくれ小花は残れる寝顔
青葉せし蔭にさかりの花は侭風にかくして残しおきけん湖丈
咲のこる子は若葉の花荒地に錦おりこむさくら一もと福器
さき残るよし野の奥ふ逢桜世の夏しらぬ葉のかくれか諸春
夏山のしける木の間に咲のこる花は葉守の神のしらゆふ菊泉
一陰たのみ残れる花の色ふし松のけふりにふすほりはせて三郎
消のこりし雪をまねひて咲ぬらんおそき桜はかけをこのめり素直
高崎
一夏山に見つけし花は失ひし宝を得たるこゝちこそすれ花壇
同弐人壱丁
柏倉
夏もまたよその春ほと咲にけりよし野の山の葉かくれの花岸麿
人しらぬ深山の陰の草の戸に花さへ春をのかれてそさく
さかりには雲とのみ見しよしの山残る桜の草そまかはぬ扇松垣
世にそむく人にたくへんおそ桜ひとり青葉のなかにしもさく綾網
ちる枝にのくる花ふさ一もとのさくらもふたへころふゆり善縄
一姥さくらうき世の春に捨られて今はたさくるさらしなの里熊繁
くれゆきし春のかたみの花色はあはせのうらに見えてなつかし錦
ゆく春におくれて咲もはつかしとくめをはつる葉かくれの花
日の影卜もらぬはいつとしらすして咲やのこれる夏山のはな陸洲国
心して葉かくれすらし重さくら春をたつぬる風もありやと繁躬
夏山の青葉の中を飛いつる小てふに葉の残るをそしる花守
卯の花の月のこなたに咲花はくまなす雲のたくひならめや道人
夏山にのこれる花は草もゆる春野にふれる雪かとそみる仝
いたつらに折たる枝をくゆる哉のこれる花に思ひくらへて千雀
あし垣のよしのゝ桜のこりゐて春と夏とを一たてゝそさく金文
かさなりし山のかひある桜草風もしらてやさそひのこしか大節
ちりのこる薬はくるとも見えなくに過うかりけり行なつむめ円象
さいてめく木かけの花は唐にしきたちゆく春の残しおきけん行長
うくひすの老て隠るゝ吉の戸の桜は花のおそくさくらむ竹垣
うはゝれしものゝ我手に帰りぬる心ちせられて見る金御くら音住
る人の種とのこれり青によしならの音葉に交りぬる花橘麿
新樹夏されはなくて梢はみとりせり時雨に紅葉そまんがきりは静
花の時かくあらまほし風かよふ道なさまてにしける葉桜真倉
鳴鳥のほかひの山の夏木立風も若葉の浪くゝる見ゆ
名草予集一見
四十四里自身
日かけ草おひしけるらん信太なる楠の大枝にもいふさしては三蔵樓
源のくらき青葉いふせし夏木立秋は紅葉にあかぬ梢も菊寿躬
世はなへて青葉にくらし郭公きゝはつさしと眼をふたくこつ清根
若葉して木の下闇をつゝきける鶏舟やいかによろこひぬらん竜屋
花に寝し蝶も若葉のやみを見てまた夢さめぬ花なすらん善成
花はとくちりやすしとや藤木立葉守の神のめてたまふらん琴彦
一薄みこり水枝を見れは立増る夏は常磐の秋にさりける宣舎
堺
若葉かけをくらき中に日の鳥もるはこかねの葉を見しめ聴風軒
仝
きよらかにすゝしかりけり藤木立むすふ水よりみとり深くて長樹
花の頃とく記しゝをきくら木のくらくしけるは朝寝せよとる
見附
しつ桟の山に青葉のしけりては横にさすすにも通らきりけり種成
きのふまて鶯とめて鳴せつと梅の若葉のほこり顔なる喜吉
舟堀
こその春の眺のくせつきて夏も立うき葉さくらのかけ辛恭
干潟千字百弐枚
中こふ花はもろくて五族八千代のかけは葉にやこもれる晴
晴明
太田
一煙も風呂にかはる数寄屋は植込の木とも薄茶の色や空分楓左堂
麻生
不妙もけふはみとりの京さくらそまりやすきは世のならひかも飛能諧堂
うつくしき桜も葉の限りありと青葉は松の色になりけり千古亭
こきませて極んわかす若葉しつ風にしたかふしたり桜は光永
花の雲ちりぬるあとは藤木立はれたる空の立をなしけり無染
さく花ふきのふの酸のさめきいと見るまて青き葉さこの頃小松国
さま小舟はつせの山は薬ちりて若葉は海の色をなしけり友母
心おかす風も吹らん花ちりて青葉となれる木々の梢は明澄
又このむ梅の青葉のいかなれは学ひの窓をくらくなすらん
一尊のぬひし花かさちりはてゝ若葉そ日をいよく覆ひける白主
十一月十一日
くらしとも今さらをらし草の頃をしみし枝のしける甚さき
おとなかほの影さへもらぬまて棟の梢わか葉してけり千々千
春は花に見おとりせしを恥らひて夏は青葉をいそくみ岩
一道悪木とおなし緑に若葉せり秋はもみ玉ん梅も桜も日々略
八重をさへひとへにかふる世にはいす春葉かさぬる衆手の杜年古
子に風いとひし故か此ころはむしつくほとにしける葉さて玉彦
一浪立し葉も嵐もちりはてゝ若葉の後をしつかなりける千代限
網代木に末はなるらん田上山ひをもらさゝる夏の木立は山住
春花秋御紅葉の色に出る梅もさくらも夏御道木雅
夏山の青葉あやなし梅さくら子のにしきの春の裏にて
肝ちかき梅の水葉に此ころはくれぬうちよりひをともしけり総清
あか兵ぶする木々にしるしいわかさりき三輪の神杉おなし海に
蜘の巣の骨のみ見えて草笠は梅の青葉のむかしなりけり
一花足は破れはてしにいかなれは事もらさぬうめのしたかけ吉貫
さく東の雪消の後は山さくら水立ふかく若葉しけれり和田吉
花の浪たえし梢の水枝してわか葉の浪とかはる涼しさ竹親
人なみ小夏としいへはみ山木もみとりの色の衣かへせしり竹直
雲と見し時はさなくて空迄に茂りてくらき庭の葉さくら細記
花のゝち人もさわかぬはつせ山しける若葉に口やとちけむ千古亭
水鳥のすめる道世もしのはれぬ鴨の羽いろに若葉する陰勝良
花は根に帰りて枝のみくるしとわか葉よそほふ夏木立かな秋也
子をおもふはゝその松も青きにして心のやみを人に見すらむ糸照
新竹一ようの神のいかきのことし升いはほつらぬき玉ひ出にけり堅知
朝夕に風のなれぬるわか竹に扇になさはいかに涼しき酒の屋
西車予楽夏
一
軒まてはまたとゝかすて若竹のよさへも夏はみしかゝりけり琵琶彦
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一蓮葉の露すひつらん侍り江に玉とあさむく夏むしのかけ久
夕やみに光りはなちてかられぬる蛍も風のまへのともし雲旭
紅にこの城の草ふ窓ならん蛍つとへる池の樋くちは綾雄
墨皮の身はなしなから殿虫よいかていかりを玉とあさむく本成
かき草におきそふ露と見る影も風にくたけて飛蛍かな仝
一玉の枝もち来しことく妹か家の窓のくれ竹てらす蛍そ一の屋
あはれにも火に入る虫をよそに見て夕空たかくもふ蛍かな梅舎
うち川や猪のしめる夕風に蛍のかけはいよゝもえけり白石
扇もてあふきまねけはまねはほと高くのほれる夏虫の影稚魚
一草の戸をしむる頃より飛ふ蛍うきよならひて火はともしけり大陸
夜光るひをくたきて川きしに誰か捨けんとおもふ鶯そ春芳
宇治川の水にうつれる黒星かけ茶の色に出る光なりけり
仝草野集夏
身をこかす思ひを川の浅き瀬に深き心をうつす度むし三保雀
鳴の海の水上遠く飛ふ蛍うき巣によりていきやつくらん音近
一くれ堀はやかて草葉にあく露と光りわかれてとふ蛍かな菊泉
みちのくのをたえの橋にとふ蛍こやぬきとめぬ玉かとそはる全
いせのあまの子等は蛍を手に持て玉とりえたる心ちすらしも春臣
ものかけに人はしのへり夏むしよ月あるかたに身をかくせかし真鎮
さそふ水あらはいなんとうき草にすかる是もねはなかりけり
ゆくさきは闇としりつゝ尾ぐのみいかに蛍のてらすなるらん千綾
雲立の水の上とふ度むしは其なきよはの星とこそ見れ万愛
音になりぬ草葉のほたる何事を思ひ出してか夜たゝもゆらん仝
一むさら野の果まて量かけゆけは星の林にいりもしつへし民躬
唐人の城にかへんとかこちぬる玉とひかれる夏むしの影干繁
一月の照る夜はゝえにくし葛城の裾野の蛍たゝ昼の如
山野はちりにし出手の玉川にとへる量〴〵ものいはぬはな
玉とひかる尾薬の袖のほたる類いせをの蜑に見せてほくらん魚丸
一火をともす野への蛍して船学のありの其ふき谷朽てなりけん百栗
一水にふくあやめにしはし影宿る蛍を葉とめつるをされ
とらへしと思ふうちはの月落て星と飛ゆく蛍あやしも
一ふみまなふ意にあかりをそくなから火による蛍いかにはかなき元亀
声ありて人にもらさは面なしけれ学はぬ意の蔵の庭むし
一音になりてとへる蛍は音なしの滝のしら玉ちるるこそはる朝明
結城
一鷹の羽の薄ふもゆる是をは紅雀の玉のひかりとや見ん
卯所の浪間をてらす夏土の影はゆふへの沖のいさり火
佐知川
追かけし蛍の空に見えさるは月のかつらにかくれたりけん
同五号嘉貞
常陸稲田
水草やくちてなりけんくれゆけはわくか如くに蛍すたきぬ水守
信濃春日村
月影のいたらぬ草の下葉をもてらす光はほたかなりけり
政弘
仝冨竹
おひしける木の下響をとふ蛍もらぬみ空の星を見せけり
月芳
田尻
垢洗ふ湯桶の中に影さして身より光を出す蛍かな
天楽
一関
とらへんと追ふ子の川にはまりしをなかぬものそと覚飛行
駿河岡部
雲色の草やなりけんよひ闇に星と見まかふ野への蛍は
山守
米沢
一飛て火にいらん虫にやわらはれん蛍を追て水にはまれは宿也
一人来ぬと芦のうらはにかくろへは水にとらるゝ夏虫の影定丸
舟堀
梅子
子子子そのねよりに見えし若草はこの床度の葉に思水けん浅草菴
なけやりにすておかれても藤やせをしらぬあら野の撫子の女
青傘としける木陰にみな月の照りをよきて立るなてし子仝
みな月の照日にかれぬにてしこは照ものみにさけはふるらん長丸
乳みたるゝ処をもてはや梅子の数ある花ん咲そろひけん梅在
梅在
なてしこは床に種をまけはにやかなめ程にも露はもちけん
なてしこの花に夏よりおよひをりて秋の六種をかそへまつ哉
徳島
一夜記し昔の野へもしのふまて床なつかしき花そ咲ける貝糸文
米沢
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跡を追ふ児とめてまし野路いけは手もとへすかる撫子の花漁商
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風に寝しまゝに咲たるとこ夏はぎぬ〳〵しらぬ歳の花こさ
一雨障子かけてそたつる撫子はあらき風にもあてしとやする本威
とこなつの花をめてつゝ家にあれは笠の枕にちりそつもれる
玉兎国
蝶のぬる子のにしきの床度にちりをねくらの鳥ははつらん
名古屋
一善成
熱田
なてしこを折てもちゆく我をしも人かとひとや人のおもはん三蔵楼
同いへ車丁某真
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上官里自二貢
香取
唐ふしきかけし風情や水入のちとりの口をとめしなてしこ員守
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友のうちに秋をはさみてもみち葉を漉し扇そ涼しかりける宮望垣
宮人のかさす桜をいみまなくつかふ扇になとてすきけむ舞調布
きぬたうつ秋のこゝちや手にならす布目扇の風のすゝらさ亀住
撰失ふる似たる扇を口筋にふけはかなしき苑の音そする六歌国
川風におのかちからのおよはしと扇はほそく身をすめん静
兵庫
なてしこの錦あやなす油府骨は月夜のまき絵しるへし
撫子の葉さく頭は種をまく肩もいよゝめてられにけり滋見
一漉くれし扇の中のさくら花夏はなか〳〵風をちらしつ一節団
竹をもて夏をむねとしつくりけんならす扇の風のすみかは酒の屋
夏やせの夏とてはやす扇とて骨あらはにやつくりそめけん群雄
赤ちらす風をもこれにやとせはたや扇やゝしと人のいひけむ千声
また夜のしらさる夏に秋風を扇はいかにさそひきぬらん金成
同同同壱反
同一同一里角本袋丁
手になれてなか〳〵ひさをはなされぬまますかしの角際しな存在
かさしても葉の哥はかくれ是よ梅かなめの花の絵あふき秀明
雪つもる又二の根見つゝ葛引の白き扇はつくりそめけん明澄
〽春風の吹こゝちせり来玉にもらひし扇つかふゆふへは
一日さかりにかさす殿は風穴のありそふ不二と見えて涼しも千代丸
且つゝくあつきにまけて手になるゝ持扇さへ殿やせはしつ友母
雲の葉さゆるゆふへの涼しきにならす扇の山もたゝめり花笠
一扇より出る風にもちらさるは花のかたちの要なりけり浮摩
すきいれし孝ちるはかりきゝしさの風は扇にひそむ音見
おのつから涼しき風右起すらし秋の花野を見かて扇は花山
すきいれし扇の葉やみしと見ん風のみめつる人のこゝろを長喜
かはほりの出るゆふへは涼しさもゆつりてたゝむ持あふきかな春花亭
すゝしさをたゝみこめたる扇かなかなめの花に風そかをれる在田歌
もえたらん宿の蚊遣にうちおほふ扇のふしもけふり立けり花義
風さそふねこゝろのよき床の間にかけし扇は枕はなさす元亀
もち扇折目を出る風こそは山のかひより吹こゝちすれ昌保
もみち葉を漉いれたりし持庵ひらけは秋の風よひけり仝
御車の如く要のきしるなりかもの葵をすきし扇は寝見
仝
しかきたる雨さへ露をたもつめふけゆく夜はに扇しめりつ若事
手にならす扇の風の涼しさは紅身ひとつの秋にそ有ける博吟社
うれしくもつかふ扇にまねくやと外よりはひる風の涼しき津房
一傘の雪拂ふたくひか持扇骨をたゝきてひらきそめけり明邦
一おのれからふくとはなしふ手をまちぬ扇の風も世にまかすらむ朝明
花すゝきしかく扇を手ならせはまた木ぬ秋そ詩にたつ貢
同右同同
四十里角貞
旅日記をしるす扇のをりめには山と谷とをまつ見せにけり千古亭
夕立にたゝむ扇の親骨も子ほねかこひてぬらさかりけり此世武
たへかぬる星さわするゝ涼しさはあふく扇のかみのわさも日々日々器
草も来もそよかぬけふのあつさには肩の竹の風そ葉なる牧の屋
すきいれし花のくしろにかき捨し扇の文字や春の雁かね仝
涼しさの風に用なき持扇ともし火に夜はかさゝれにけり泰山法師
花のゆくへかふしられけり漉入し扇の風の中にありとは清根
目に見えぬ秋やかよへるをすの内にならす扇の音の涼しさ
ゑかきたる松の枝をる心ちせりくつれて風の出ぬ扇は夢守
すてられんことはおもはて星き日に手ならす扇秋招きけり谷丸
持扇秋すてらるゝ此身とはしらすて風をさそふはかなき歌根
夕立神のなる事にあつさもおそるゝやしはしかくるた草むとの影弘音
一八貫たつよたちの雨は八重垣をつくらん藻をみたすことふる晴明
馬ひかはかくあらめやはうし飼のしとゝにぬるゝゆふたちのゆ調布
からかさのさしから茶屋もかと立におふるゝはかり人そこみける高畑歌垣
一見るうちに不浪たちて桑畑下海となりゆく夕立の雨亀俊
夕立にぬれしといそく牛東神ととゝろつて大津海道一声
過たるはおよはぬわきと暑さにはしめりたらす也八日夕立東鶏
夕立におしつけられてあつきゝへ人のこみあふ肝謡にもよる至考菴
かわきたる大路も口をあけはにや水ふくます事夕立の雨幸恭
雲きほふ夕立事もむさし野は限りなしとやふりやみなしと
あつさをも排ふ薬やひはの葉をふをふきておちくる夕立の風玉脆
一たつ浪に其かさなりて鳴神のひゝきの滝に夕立そふる清丸
むら雲の太刀にまさりて夕立の此ひとふりそ室なりける福丸
同百三十一人
四月十一日
鳴神の音羽の山はとくはれて青葉にかはるゆふたちのそら金成
馬の背をわけて疾来る湖たわらかりてしのかん姫路の夕立起美
夕立の事をしのける松陰に雲もみとりふはれんをそまつ花笠
夕立に川の瀬なかす涼しきにあつさは水の沫となりけり明澄
三笠山また出ぬ月は雨やとりしてやをからし夕豆の冬
雨あしのつよき故かも夕立のこえゆく川の水の湯るは月芳
一影やとす露を残して涼しさを月にゆつりてはるゝ夕立芦朴
木輪まてかちはたしにて逃込ぬ馬の脊わけて雨のふる日は房足
夕立のくらき雲路はわかわひてつまつきぬるか鳴神の音
一夕立の風には秋そひぬらし時ならぬ桐の一葉おとしつ行守
中々に水ふおはれでにくる哉ゆふたちかゝるむさしのゝ原亀俊
耳や目をふたくもをかし鳴神を庚申堂にしのく夕立
すゝしきもむかひはあつき馬入川湊をわけてふる夕立の南赤顔亭
菅笠は風にとられてゆふり山みの里にぬるゝ夕立
ゆよりも汗にぬれけりふるほとはふうてせはしくかけし夕立春吉
一夕立の雨にすゝしく日のひかりうつる折はや音浪の滝
医
雨もしのなかく見えぬる夕立の雲の衣はいかにみしかき花蝶
河をねににきるあつさも夕立にふりはなしたる雨を涼しき多奴喜
納涼
ゆ一たちに事やとりして中こに汗のたもとのうわく衣手金人
一なき日は風も出かねてこゝにのみなか涼しき杜の下かけ花咲菴
いさゝらは川そひ柳夕風に乗ひくかたへそ棒はさゝまし浅草菴
あつさには木花川辺と所かへてやうやく秋の湊とそなる福保亭
しるゝへ小あふよりうれし旅をぬきてふかるゝ森の下風千秋
水音にはたへをあらふこゝちしてゐなから涼し川つらの宿松雄
同壱銭百疋
二十三
同一廿一里ノ金津
北山の木の風はわらはやみしらてもふるふまてに涼しき
〽聞立を中らせやうはさせんくさめのいつる風の涼しき
しなの路はふしの根おろし涼しくて夏のうらゆくへちこそすれ陸洲国
くらさは露をこほして草村をおのかやとりとしむる夕風千菊園
花こそつきかね涼しき下風に立ことやすれ松のかけるは春繁
夜霜にまらぬのうかそれにてまてすゝしき松の下陰友雄
涼しさよ風吹とりて名ほの棚に扇をうちのせけり酒の屋
恥らひて風もおもおもやふいかねん軒はに人のおほくすらめは寐覚
人いこふろ路の松のかけすゝしといに千うせの秋やとめげん
すゝしくもふく夕風は色なきに心ゆるして通ふなるらん三躬
一田草の浦ふあつさしるゝ涼しきは扇のふしの時しらぬ風日々明
なこりなく空のちり雲吹はらふ月のうちはの風そ涼しき花蝶
庭の面の垣根にさける卯花の雪のうへふく風そ涼しき仝
ふちりしこかけふ風をまちをかはさるものうとき世のふらい
一日をさふるみても未かなりぬへき核原の陰そすゝしかりける形義
一涼しきはすたれかけたるす雁の浦青葉ならさる肝の端もふし
すゝしさの風におもはすさそはれて用なきなの病也とひけり種成
一賑はへる中をはなれてうしろより風におさるゝ夕すゝしも照蔭
滝草せる風の柳ふうたるゝは水あむる如すらしかりけり宮望垣
すゝしさの深山おろしつま口衣かさね着したる松よりやふく繁躬
打水の露に花さく涼しさに庭の木立の証も立らし寉年
かたちふく吹風なから葉極をやけるちからの見えて涼し事に諸照
石鉢の水吹ちらす夕風に霧たつ秋と見えてすゝしも内人
山吹はちりにし井出の川すゝみみをもちかぬるいてきみしれつ竜虎
浅草野漆類
同内一百一四千斤
二本松
ひてみをるとさやあると夕くれに草をわけ行風の涼しさ寝愁亭
かはほりのすたく肝よりやこ風は数の扇にあふくこゝちて光永
へるへ浪つたふ雫をさそひくる風にきゝしき車井の音善平
すゝしさは秋のこゝちそせられける葛布の袖にかよふ夕風蜀成
立さらす清水むすへは待わひてともなひて来し夏やさりけん千秋
すつる神たすくる神のあるかめあつさをしのく風はふきけり明澄
出し汗氷るはかりそ夏の夜の月の雪見てすゝむはしゐは仝
一鵜飼男はいむてふ月の出汐に舟こきですゆふへすゝしも秀明
すみゐる木陰のしけみ風よきて夏もをりこきを桜の枝雅持
汐入の庭のなかれのゆふすゝみ扇をなかすかはほりの影本住
一すゝしさは船をおほえて虫の音もこゝにかよへる軒の風鈴清凡
白浪の物石の松の下かけに羽織とらるゝ風のすゝしさ秋良
露はらふ極りもとの風すゝし瀧のほとりによる心ちして守近
夕風にちりくる庭の桐の葉はとなりの秋の門たかへせし雀雄
月を見てすゝむゆふへはてる日ますおなしくとはおもいれぬ哉春雄
なく蝉の時子に秋やかよふらん夏をよそなる森の下風菊泉
言よれはあつさ忘れてうれしさも猪にあまるまつの下風全
照月のかけをうかへて川浪のなかるゝ夜はそ涼しかりける梅村
すゝしさふやすむ青葉の木下陰風もしはしは立とまりけり友延
手枕の松の木かけは冬よりもねふりひき出す風の涼しさ蔓守
すゝしさは身にまとひぬる葛布のうらかへり吹夏の夕風雀磨
一時雨するせみの小川の夕くれは浪にも声のありて涼しも未広
所さかぬ松の木かけのすらしさは風も心をおりてふくらん美都垣
肌いれて袖のほころひ見つけゝりはりもつ松の後にすらみて琵琶彦
同十二乙卯十月十一日
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
あつさをもわするゝ風にほのきこゆ神のみまへのすゝしめの声
胸もてあふかるゝ如いてうはの下ふく風はすゝしかりける唐唐
残のやか夕顔たなの下すゝみ黒き二布をふぐわらはん
いきかくる心ちせられて薬あるふしよりおつる風そ涼しき国海
一鵜飼舟くたす川流に再雲の紅葉なかるゝよはの涼しさ直女
いてうはのしける木陰は日にかさす扇もいらてすゝしかりけり宇多子
夏の夜もむすへる霜と見る月の影をやみしく袖のすゝしさ村住
涼しきにいつかあつきのけもぬけて鳥肌になる鴨の川風玉水
夏はなほ下かけ涼し際の声間なくしくるゝ序寄の松葉久美
みそきする心ちこそすれちのわなす丸窓くゝり身をなつ風琴足
影きよく山のはむる涼しさは月のうちはや秋をまねさし繁路
谷川の帯にさしたる月かけを見れは扇もいちてすゝしな
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一鹿の間にかくる扇のかりまくら風のそひねの園そ涼しき滝道
一度もなほ景としたるゝろかけへそよりあふこゝはすゝしと竹起
あつさふいよきかくれかと夕かほの棚をかりたるゆふへすゝしも万留貴
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葉柳の露ふきみたし村句のすかたをはこふ風のすじき貢
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涼しさ上塔の小川の夕かくれは風もなかれをたつねてやふく緑樹園
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とははやあつさも秋にちか隣心やすくもなりにけるかな
松草行某裏
上上野隼人
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十二
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四十四日
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夏莚
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夏眺望
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豊野美夏
一里
名古屋
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おのつから薬となれや照りにもむなきとる賎度やせれぬ檜園
當座未容夏稀
水游國大人撰
しれては夢かとそおもふたまさかに夏草わけて人のとふ日は広母
照日にもしけれる草はしをれぬをいかて人めのかれはゆくらん章雄
習ひたす人たにもなし瓜ひたす清水すゝしき我家ふから也梅屋
松風も巻の緒たちし日さかりはかならすくへき友もとひ落水游固
拾遺
一納涼云よりて見れは涼しな中らに大木のもとは大風のふく二木
狂歌草野集夏終
春之下落丁分
○梨花さく色にはたさへたしあわ雪のはかなき名あるもなしの花文盛
むすふ実に日の玉の石ある山梨の花よりしらむ春の明ほの本住
うちよする浪とも見えて海のなき山に真白くきくなしの花仝
三日けふといへは世々のなかれをくみてしりぬあかぬことはの薬のさかつき
夜もつから友とちほしとおもふするよむ城枕にそよる堅知
山吹山いのこかねに露のふかねはかねか出ねよふたくひふるわん松雄
浦藤蜑小舟揺さす袖のうら風も静によする松の藤浪折女
春海若かへる春にあえたる海面のいかてる浪のしわはよからん文盛
上三十壱人
狂歌草野集秋之上
狂歌草野集秋之部
上の巻目録二十種
早秋七夕残暑荻風萩盛
女郎花尾花苅萱籬蘭種花
露深秋風虫声聞鹿秋望
秋夕稲妻秋田秋夜秋夢
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早秋
秋来ぬと
便々館
我からさわく
真葛はら
風の心や
いかにうら
なき
冬
冬一冊
仏ます
方よりたちぬ
鵜つかひも
さつ男もつみの
業やむる秋
檜月菴明躬
舟木こる
名古屋
水魚図
友雄
杣山人は
風そよく
とふさに秋の
小くちをそしる
仙台
まかつみは
よへはらへしに
千菊園
あやしくも
草の物いふ
松のはつ風
下総野田
柏樹園
葉柳の
広善
髪もそけて
わひしらに
淋しき秋の
立姿かな
七夕
七夕梅屋
十五
もみち葉の丹塗の
船におりひめの
にしきのと
とはり
けふやかくらん
一秋されは七日に
花の屋
竹をたてけり
春の六日は
松を
とりしを
上野祠生
松柏亭
待こふる心を
しらは
このゆふへ
うちはしいそけ
天の川長
七夕
名古屋
一筑摩女人友雄
筑摩女人
星へ手向
星へ手向の
かし小袖
友雄
なへてつま
かさぬへしやは
桜さく春より星也
まちつらん
まちつらん
もの思ひ
浅桂園
なれけふの七日は
ごとならは
天の川をさ
花咲菴
小袖より
手舟をこよひ
星へかさなん
春道園
梅倍
竹に花さかせて
星へ手向けり
七日はふくな
天の川風
槿花
十五
種まきし
地震
和群居
ころは嬉しき
長樹
日あたりも
花にはつらき
花にはつらき
庭の朝かほ
名古屋
竜爪園
はかなさを
おほゆる秋の
秋の
玉器
事迄に
さく朝かほも
さためふき
花
るり君と
花めてはやす
はやす
星屋
朝顔におきそふ輝世
数のしら露も
ひと日かきりの
種にやあるらん
横に
おきそふ
宵は
玉かつら
かも
朝かほはうつろひ
やすし袖にたに
すりてや花の
色をのこさん
宝市亭
包嬉固
広好
青
同同年藤献上
川嵜
荻風
花廼辺
花さかぬ
雅楽雄
秋さへいは
うとましや
桜かもとの
十五
萩の上に
さわける風は
をきの
嵐
淋しさを
もふる心也
つとひをるらん
月中亭
五百丈
鶴鼻
川崎
雅楽雄
けさみれは
ゆふへの風の
ふるさとゝ
虫声
在江戸
国翠園
十五
都へは蔵近
繁枝
野辺なる
きりくん
あれまさり
枕の上に
窓の下糖
なく音をそ
きく
風さやく
武黒の
風さやく髭黒の
虫にかあらん
新潟の萩よ虫にかあらん
新端の萩よ
あはれしる
玉かつら
はひ
秋を
つけよと
植し
ものかは
まつはれる
中にしも
ふく
ひるはなほ
ことわさしけみ
なくつも
なくつも
よるを
むねとや
桟はおるらん
仙台
千柳亭
南陀楼
花の屋
存在
一二十一丁目長谷
加茂了也雪
荻風
をみなへし
長樹
をみなへし
きそひて荻を
ふく風は
遊ひにさとひ
かたらふかめ
露深
常陸麻生
俳諧堂
袖たもとしとゝに
ぬるゝ虫の音に
野辺の観露の
ふかき
ふかき
をそしる
花の屋
宮城野の
木の下露は
中こに
空はるゝ夜そ
事とふりける
露草に露は
仝
しけへそ
おきにける
やへ霜としも
冬は氷らん
十三
関左堂
妻こひて落や
ふしけん此あたり
わきて千くさの
床は露けし
床は露けし
吹こほし〳〵
ても
おきかへて
風の跡なき
野への
夕露
武蔵青梅
扇松垣
忘さして
はらはぬ庭は
紋みのゝ
麻の葉末の
露そ
なそ
みたるゝ
仙台
千柳亭
墨芥園画
萩盛
名古屋
十五
里遠き
寿園
善成
野辺も真萩の
さかりには
銭をひさく
市となりけり
わいへんは
萩に錦の
とはりせり
君来ますとも
いかてはつへき
水遊園
亀住
ずみれ草
つみにし
野へに
こゝらさく
荻にはなも
露も
露も
ふたあゐの色
花咲庵
保利
豊年菴
根はふ横雲
萩のさかりは
過ん岩の
見てやは
花とのみ
十三
ざかりには
風の袋も
むらさきに
立そみぬ
あはれなり
野ふも
まかひて
むらさきの
へし
花の萩原
熱田
橘菴
さかりを
見する
庭の秋萩
京
常葉園
真鈴
桐生
松柏亭
だかすりて
行けん跡そ
しさかりの
小萩に白き
の
ましるは
事露に
あせざる
あせさる
色の紫は
染屋も
しらぬ
萩のさかりそ
金具
陸奥川俣
柳縹園
琴糸
一同一章里貞和し
籬蘭
西尾
藤袴
壷揚楼
さける籬に
邨前
立よれは
腰をは過ぬ
草のたけ哉
苅萱刈
千幹菴
花籬
をみなへしみても
をみなへしみても
恥すやかるかやは
恥すやかるかやは
おとろの髪を
とりあけもせぬ
竹逸富
十五
かるかやと
かるかやと
名にはおふとも
中々に
からぬかやそと
かりのこす賤
陸奥川俣
浅鶏菴
をみなへし
多かる野への
かるかやは
うかれめ
うかれめ専き
守る
おうなとも
面堂
本草予集秋上
ぢりそむる
柳かもとの
かるかやは
かるかやは
風にみたるゝ
髪と
髪と
こそみれ
宝市亭
いとなみに
梅屋
ひける小櫛も
かるかやの
髪にはかけぬ
木曽の
藪原
蒲野隼野集郡
女郎花
月の雪はるに
面堂
月の雪ふるに
をみなへし
露にふせるは
心より
下野栃木
雲井真袖
まねきて
花すゝき
まそほや手をは
なくあそひ女の
たくひなら
まし
十三
をみなへし
折もつ妹は
ねたみなき
えひとなしけん
花咲菴
心はへまて
見えて
夕方のかつき
うつくし
秋風
まふかき秋風
まふかき
をみなへし
三河新堀
壺江固
ひなのあら野
あらすへき
一あらすへき橋守
都めかしな
駒は都へ
橋守
名古屋古渡
おくりしを
滝屋
花野にさゝやく
琵琶彦
風や何なり
月見よと
広好
雲をも
はらひ
はらひ
薄をも
いなひかすか
よはの秋風
花もたる
草とは
肌のあはしとや
のあはしとや
荻にむつみて
秋風の
ふく
百花園
満盛
原安
青様
以一草野集火二
都盤
聞鹿
十五
あはれそと
きく花の音は
恋草や
なみたの
露をわけて
なくらん
京
玉兎園
寸美丸
一落の声きく
わか袖は
広好
木この
被下候
くさのよそ
露ならぬ哉
残暑
利根川の
水は照日に
かれし程
あつさは秋へ
あふれ出けん
美濃黒野
竜雲園
山のはにくもる
文慈園
千秋
をしかの声
きけは
日みぬ
よはも
かなしかりけり
花咲庵
寝てきけはあはれの
もよほすなみたさへ
なかれて耳に
はする所の音
日さかりは
下総干四十十日市
扇面舎
末広
往来も
たえぬ
秋されと
大路せましと
残る
あつさに
秋されとすてぬ
扇にならかやの
布目へそよく
千束菴
あつさには
章雄
猶汗いてつ
とにかくに
秋は
たもとの
風そ
ひちぬ間そ
またるゝ
な
花咲庵
一十一昼夜一
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
秋田
末の露
もこの雫に
めくまれて
おくれさきこつ
稲もありけり
浅桂園
ぢひさなる
採撰亭
田中の庵に
田中の庵に
出来秋の
出来秋の
いかしたり穂は
つみあましけり
熱田
三蔵楼
うへをみぬ笠きて
植し苗なれは
うつむきふして
稲はみのりぬ
稲妻
ほりあつる
萬葉亭秋夕
秋夕
面堂
こかねの
つるか
磯のあまのぬれぬ
袂もあはれなり
みちのおくの
海のさちなき
山の端いつる
秋のゆふへは
一宵の稲妻秋のゆふへは
宵の稲妻
仙台
ほならは
浅桂園
千柳亭
世をうしと
さもこそ
秋のゆふへは
あらめ露
落る日も
かわく
すみか
もとめて
夕日にいかて
山に入るらし
袖はひちぬる
一勇病
国芳
四
国芳
同一十一丁目
同一草里有石禾
秋夕
青洋一
朝ことに
仙台
千菊園
笑へる花の
なかりせは
なくさめかねん
秋のゆふへは
さひしさに
秋のゆふへは
からすさへ
甲斐身延
鶯宿園
山さとは
漬うしろ
そむけゐて
梅業
あはれ〳〵と
鳴わたる
らん
下総野田
広善
とふかたしなき
秋の
夕くれ
秋夜
さひしさよ
梅屋
ねやのともして
かきたつる
手も
穂薄と
みゆる秋の夜
花鳥をめて
くらしつる
くらしつる
春の日の
廣母
夢みて秋の
夜を明さまし
丁総二丁
一秋の夜の夜の夜の夜の長きや
いつら月めてゝ
徒然庵
文明
あくるしらぬ
目には
見わかに
秋夢上野一宮
煉瓦煉瓦煉瓦
望月館
みゆるおもひ寝の
夢路は月も
照らさゝ事
辺幸里隼人
狂歌草野秋の部上之巻
撰者檜園梅明
早秋秋来ぬともみちもせすことくちるは音も花なき柳なりけり花の屋
音高く風に浪たつ萩の葉を秋は浅瀬とわたり来にけん明躬
心なき袖垣さへに来し秋のあはれをしるや露したみなる船唄
世のわさのうとくなるほと老の身の先へおほゆる秋の初風秀明
さきふれの風に朝露払はせて野道せましと秋はきにけり万葉亭
秋くれい庭のけしきそたゝならぬ荻はものいひ虫は巻ひて象廬
秋のたつ風はとりわきうちは師の身にやしむらん深草の里都曲園
目にみえぬ親きにけりと目に見ゆる梢のかきり風のみすらん酒の屋
手になれし扇もけさはすゝてられつ野山の里の秋のはつ風唐樹園
萩もまた花のゆるしの色なくて草かむりきぬ秋は立けり車業
あはれしる秋たつけさは衣手のちくさそめにも露はおさけり
初瀬山けふは椿原に音つれて目の身にしむ秋は来にけり井峯園
さらぬたに夏をわするゝ松かけのいは井の水に秋は来にけり梅業
ゆふしてはふひきしまゝに御祓川水音かはる秋は来にけり唐樹円
一常磐山外山の寄木もみ出るいろにて秋をしるにやあるらん
おくれ毛にそよふく夜のはつ風は耳我の岑やこえて来にけん
鳥かつら風も夏のまゝなから袖のいろつく秋となりけり弘音
心なき案山子としるし月を見る秋となりても足をとし枝は鹿海
御和してふつもきのふにくれ升り葉風涼しき秋は来にとり長
けさみれは草の袂そ露けかる秋のあはれは野辺よりや来し
奥五十疋
もゝ草へけさおく露は雲の峯こえて来にけん秋の汗かも万
同断同道道造行長次兵衛
〇一草里隼利上
御祓せしきのふの川の水音もけふはものうく聞えける哉浅樵菴
水谷のひさこを軒へかくれはや風かしましき秋は来にける峯月亭
磯なれ松つくり声せりよひつきの浜路に秋の風やさつらん弓也
淋しさになもとひこぬ山家にはまねかぬ秋のたつね来けり真寿
一松木やといふはかりにやくもりくの初瀬の槙原風わた事らん春花亭
焼やうもさえんあしやとかきす手にまつ紅葉みる秋のはつ風水雄
あつさにはかゝけし袖にはつかしやまくり手寒き秋の初風鞆員
一むくつけき夏におくれて音のはのうらみちより込秋は来ふけん広善
一秋立て使かろきはすゑつひに泪におもきはしめなるらん永音
御祓せしきのふはけふのあまか川渕瀬とかはる是はる是也けり木得
一ふれかへ後葛の上布のうら襟に紅葉を見する秋の初風梅春
すゝしさにあつさしけさはうら表程となれる松となりけり
秋きぬとみえぬ故目の薬ほとけさむきぞめし庭のしら露万葉亭
下駄となる桐の一をよもふく風のおらすはまさに秋のしるしか
けふ立しをさふき秋は柳葉のちひさき舟にのりて来にけん吉女
手にとらぬ床のはしらのかけ扇それさへおとす秋のはへ風巻都成
一人みなの泪もよほすけふよりは虫もふき出す秋はきふけり松守
唐のいろさへけさはうそくしてあかきは公かにゆつるはつ秋
わかんにし夏のうはさを夕くれに戸も立られぬ秋の入口成島
鳥羽とす茶山子の先へおとろきて笠をおとしゝ秋の物風小亀
なひかしとうしろ向たる葛のそのしりうちたゝく秋の初風広善
にし秋になるこの竹のわれからと淋しき風の音をたてけん今
みそき川きのふと過てけさ秋の風千六ツに浪をみすらん梅貫
夢の間にことしもなかは過ぬとや浮もおとろく秋の初風潮住
及草野集火上
秋はけさ夜露にぬれて来しふらんはたへひやつく風太身にしむ森石堂
うすものゝ羽袖淋しきふら蝉の身にしみぬらん秋のはつ風一樹
龍田姫けさまし道と思ふまて千くさに露の玉はしきけり竹枝
もゝ草や萩原みれはけさ色をかへて秋風立そめにけり諸種
ありはてぬあつさは風にあへぬらんまたきに秋の来居る木院は魚麿
門田もる賤か鳴子におとくれてとりよりかよふあきの初風浜人
大声をたてぬる花におころかんまたいとけなきけさの親風水根
秋きぬと雲の海より吹おろす涼しき風はみをつくしかも近澄
あはれさの秋はとく来てゆふへよりけさは袂の分て露けき橋守
こそきせしきのふのたまのうらならん音の葉かくす松の初風千代浪
鳥物とす山田のかゝし秋来ぬと風に蓑毛をたてゝおとろく房足
来し秋におとろきにけん風難も吉をまきたるけさの初風立霍
空蝉のうすき羽袖のあれ衣に風身にしむる秋はきにけり弘醫
夕すゝみ待にし時は身にそいてはたにしたしき秋のはつ風泰山虫師
おとろかし淋しからせつ来るとはや人ふれやすき煤にもある哉酒の屋
言葉せぬ常磐の山の和くまても与に近よほかに秋のさぬくん其鎮
さやかにはみえぬ秋とてかたちなき風もろともにけさや立らん
あはれてふはしめなるらん目にしみて泪こほるゝけさの秋風俊経
けさみれはすたれうこかす山風をしるへとなして秋はきにけり弘良
七夕たれはたにねかひおほさをこと〳〵ふかきしかしてん梶のせいち長樹
もろよりによりあふ星のかし小袖かた糸にてはしたてさらにん松柏亭
妻にあひみるてふ草は天の川こよひはかりやおひしけるしん仝
こよひこそすよく仕立のかし小袖女夫あひ逢ふ星へ手向め津和久
雲はれてまれかあふ夜も棚桟のうれし泪や雨とふるらん橋文
同局長火二
四月一里有之利
ともしつまはたの上手と聞からふ手おりの衣かす身おかし都曲国
浅野
こよひあふ星のおもひの亀紙を千代もと結ふ竹のひともと弓也
星舎のわかれによるの錦らやなりてもみちの橋は明けむ章雄
さぬ〳〵の朝かほ姫もいかはかり日のいつるをや恨みたまはん紅銭目
いつきのねかすの糸をわやしをくおほしと星やおほさん五百丈
手向つる竹さへ天の川風にたわみてこよひ橋をかくらん政明
一風あるゝ天の川世のなみ高みむやひをるらん妻むかへに仝
たなはたの印たのめせぬ髪より来る秋ことにあふそめてたき長至確
たなはたの銭の袖ももみちばふのはしなかりせははえなかるらん浅桂円
一織姫をまねふとなしに妙の女もはたむるわさをやすむせくの日躬雁
あふ夜そのなかくもかなとをとめらはあけをおろしてかし小袖せり秀明
巳の川浅瀬にかへて棚はたのあふせはふかきちきりなりけり保年
浦島か箱のふた夜となき夜はゝあけなと契る星合のそら枝樽
たなはたにかしく小袖の空色につけにししみの星もみえけり波雄
あふ夜はのつんにくふくる鐘の音を枕時計といわやきくらん湖大
星のため洗ふ硯の墨つさし小袖をかすもぬかひある味声盛
一跡先のあやめも菊も及はしな朝かほ姫のけふのよそひは千善
彦星はおそしとこよひいそくらん日ころなれたる牛のあゆみに琵琶彦
いほ機をある棚はたへおもなしやつゝりの衣こよひかすとは一声
一梶のそのことのは草にしら露の玉をならふる星舎のそら三蔵楼
信濃長岡
一かさゝきもこよひうれしと飛たちてつもる枕の藝はらふらん千代
二星はそのかたはらに眠り居るとしの刻にや契りかはさん
棚欄に紅葉かさゝき題ふしてこよひ言葉のはふくりしつ千丈
一二星の袖ちくそとおもはるゝ扨かさねてわたるかさゝき亀世
同一二里野隼利一
桜見しはるの小袖もとり出してけふの七日の星に手向ん文明
星まつる姫尺竹の一ふしに千代をこめたる笹の折雀歌波文
棚はたの登りかはらぬこゝろにはそみすや雲のかはる秋の夜百湖
さぬ〳〵のわかれを惜む二星へあけほのまの小袖かすらん吉女
こよひ逢ふふたづの星に春秋の梅見菊見の小袖手向ん梅業
とし毎によるのみかよふ彦星へいさ手向なんみわのさらん諸照
織姫のつままつまへのあり桟はひとひ〳〵とかそへたまはん浅樵菴
きぬ〳〵のわかれはさみに棚はたも計よりかそき歩りふらん歌都住
はれてあふ今宵の空にみくるしき雲の衣はかさすもあらふん善平
水入のうしもこよひはもみち葉の赤間か石の硯にそ添ふ仝
秋の夜も猶なかゝれと袖なかきふりの小袖を星へ手向つ苅穂
とりのねも鐘も聞せし耳のふきたらひに星の類をやとして千巻堂
〽こまひしじゆへる雲のひんつらにたきもの姫の袖かをるらん森草菴
まれにあふ星のちきりは長かれとさゝに竹をもつきてもむけぬ睦頼
一後のよをまてる山よひの長き夜ととりかへまほし星合の空
天の川星のあふせはかさゝきの橋わたしよりふかくおかりけん多喜人
二木松
二星のみかれの空を立ふたく天の川きりこゝろありけむ志解民
秋田
彦星はあはぬふかきのおか荷をは斗ふつけてやみ育ひくらん
高野
彦ほしの引てふ牛のかたにあらはわかれを告る鶏をさかなん
一参けて手向る竹におく露は星のかさしの玉かとそ思ふ春花亭
ふたつ星あふすなりとみろかしのそらねふりをやはしめたかん
一葉にかす花見小袖をめすならは星も七日はかへさわすれん
一おりひめへふれも顔にやかくならん立糸みする竹のさたかに農夫
心して星にかさはやこよひしもつまと〳〵のあはせ小性を鄙住
山上野雅雅
いろ原にいくよ契りを結ひめのことけぬやうにとはすへに向つ階寿
たなはたのあふせを告るなかたちに雁やもて来し文月の空湖仙堂
上野館林
一あふ夜ものはれ着にせよと物さしの星にくらへてたつかし小袖亀俊
こよひ侍て桟織姫にそゝちへんとおりはへけらし糸務図千歳菴
たなはたのあふ嬉しさは大そらの雲の袖にもつゝみあまらん松鳩菴
棚塚のうしのあゆみに引かへてあふ夜またきにあくる是の戸吉女
一社の夜の明てはかなき朝露はわかんし星の袖の泪か千代成
在宇都宮
道つれにはなれ座敷の一人脇さひしき秋の夕くれの宿
ねきことを墨の匂ひにふくませてたきもの姫の袖にいれはや梅春
星にかす小袖のいろのうくひす茶これ下塒の竹にそへけり
一夫の侭に星へこよひは手向草ことかきならす庭の松風錦
かさはや与山の空かくのはれ小袖事遠きらふ星の逢ふ夜は麿喜
上総東合也
天の川星のあふ夜はかさゝきのはしの下ゆく水いろの雲稲持
摂津兵庫
かし小袖夜風に袖のふくるゝは星のうれしさつゝむ時かも
一の屋
ケ
牛をひき布を出るこふ二甲は手鍋をさくる処なになるらん
天の川水上遠きむかしより星のあふ瀬はかはらさりけり
類よりも今宵の空に平左の星のよくあふ詩を手向はや
堀のこゝいはらひてかさんはれ小袖さかかに姫のつままてる扨は真鈴
兄の梅弟の花もおよはしなふたつの星の長きむつみは寸藪丸
一芋の葉に少くしら露は棚はたのあひみん時のうれし泪か久雄
一おり姫のおるはこよひのはれ小袖よるの錦になさしとおむん武男
こよひとてたかひに紐をときにけり星に手向のくさ〳〵の花耳風
花の河てるけにかるゝ秋しよひ水有もらさしの星のちきりか農業
一地におちは石にふらんとちかふらんまれの契のかたき落筆酒の屋
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
衣もたぬ阿滑の海士は星合にたひかさねよと調やかすかん
ほして星のあふ夜の枕辺をかく春は雲の袖屏風かも福器
夕月のあかりにさせてかくさなん星のあふせの雲の衣は花守
迄にはたもつらきわかれの衣々は竹にも露のなみた清はん友延
一織姫のまちこかるらん彦星の馬にてはしることをしらねは胤成
天の川かちにて星せこえくらんかしく小袖の裾の露ける花友
一たまくにあふてふ星のわかれより秋をあはれのものとしるらん梅業
かしや袖色あせぬるは二星のわかれの泪袖にひちけむ夢楽
彦星の哥こもる夜と天の川雲の八重垣つくるゆふくれ水雄
星命の空にかけたるゆふ虹は紅葉の橋とおもほゆるかな歌雄
かしに袖もすそに糸のほくれしは星やわかれにゆひ付にけん花遊
二星に手向し糸にいろみえてねかすの筋もちゝにわかれつ裸
あふことをいそかぬやうにおもふかなあゆみの遅き牛をひ気
かさゝきの橋やうつるとおもふよしあらふすゝりに黒き川水冨士丸
棚はたのつもるおもにやのせぬくん斗のあゆみのおそき杉の根梶子
このゆふへ空蔵ほしは彦星をいまむかへんの使奉るかも
たなはたの露のちきりの玉かつらいくせかけてむすひ物きけんト之
花の黒をとめし小袖を手向なん星も七日とおくりかされは花笠
残
暑秋風のたえたるけふのあつさには夜さへさみく色ふかりけり琴
のこり居るあつさに道をうはゝれて秋は来花にひそみをるしん広俊
みに月のみはきにもれしたくいにて藤のあつさも秋にのこるか躬雇
門とちて寝られぬ月の秋子から夜こと端座のあつさわひしも保
一林されと残るあつさにいたすたれすき間もる日のつとはれける政明
西をこそすゝしき秋と思ひしを夕日に残るあつさなりけり
一一一
何国にかひそみをるらん船風の出ぬ日はいてゝ遊ふあつさは南松垣
朝夕はいつれにかくれをたならんひるのみいつる秋のあつさは綾網
一涼しやともてなす秋をうらやみてたちもとりけるか藤の峯も治太
雲の峯くつるゝ雲は秋なれとのこるあつさのいかて根つよき糸屑
いちわろきあつさと夏の捨おきて秋はいよ〳〵もてあましけり智義
夏よりもしのきかねけり桐のはの落て日さしのつよき黒を浅洲菴
一殊風は肌にあはしと朝夕をよけて昼のみのこるあつさか広海
あなつるやをさなき秋の力こことあつさはけふもうこかさりに
みそき川きのふのあつさけふはしもみかさやましてかくりさけん教訓亭
度にさへあまされものを秋は猶やるかたもなきあつさふりけり廣善
土ほこり是さいたてゝついくらのかへにまていと残り居るらん千巻堂
秋になし夏はあらぬを秋の日の夏によく似てあつけるやかて
秋ふからあつさのよりのもとりしは清水の景や結ひおきけん舩唄
けにかくも夏のあつさの残れるに秋の日あしのせはしきやにそ福文
一秋風は門ものそきてかへるらんあつさしそかぬ抜ききまひに総長
峯つくる雲はなかれて山の端に残るあつさはうこかさりけり起靈
わか尾は夏をむねとてこてつれと秋のあつさはせんそへもなし篤垣
一打わりて風ありかをたつぬらん残るあつさの柳橋枝を湖火
一秋風に残るあつさをはらはぬはあるにかひなき野路の帚木
一はふちる柳とともにまたあつき秋の入江に舟をうかへつ
また秋のあはれにぬるゝほとなくて残るあつさに汗しほる袖
藤岡
御祓川よへのちのわをさかしまに秋へくゝりて残るあつさか
松井田
来し秋のあはれ思はぬますらをも暑さにぬれん敷たへの袖居
秋されと花うつろはぬ昼かほはあつさの庭にからまれはなり
前橋
夏むすふ清水に風のひそむめあつさも秋の中に残りぬ輦按
秋たてとのこるあつきのこしかけてしまひかねたる夕すゝみ台占丸
残りたるさふきの骨のにほん橋要ゆるまぬあつさなりけり智義
社もなほあつさにたへぬ日さかりはのこりものとはおもはれぬ哉石勝
武階の松に風なき秋る日はふたきにかゝるあつさわひしも
秋されとなつのおもかけさりやらてけふも長殿の浜辺あつしな
おのこるあつきたつねてにそみゐし身の汗さへやけふはならん吉貫
身を娘にふたゝひなひぬ秋きてもよりのもとりしけふの星さに至考菴
私なからならす扇の悪いしいまたあつさはうこかさりけり有門
すゝみ台雁のつらともならへけり空にしられぬ秋のあつさに千巻堂
昼の間は風のかよはぬものかけにしのひてしはし残るあつさか細記
一此婦人私も夜毎に抱寝するあつさはいにねたみ居るらん麓松
戸さしせぬ御代もあつさのもとり来て捨し扉を拾はせにけり
仁
雲の峯けはしとまやもとりけん秋に似あはぬけふのあつさは本住
春の日の寒さをしかく酒のめのこるあつさに水そこひしき
榎本
萩こゝきしをれふす野に残りゐて花めて顔のあつさ何なり喜代住
たゆみたる秋はやしく渋うちはふたゝひほねを折るあつさ哉
甲斐万沢
一藩吉凱
越後新春田
秋来てもやるかたのなきあつさには時めく露も草にちひさし
一菊寿美
夏の坂こえかねつらん汗はみてあつさもけふは跡もとりしつ
松本
千雀
秋風のたつにすわりてうこかぬは草履に灸のあつさ也けり
一秋風の立場に夏のかたかへてあつさを跡へもとしたりけん歌波久
一残りをるあつさつよきもふせきけりかよわき扇力にはして舟
はひこりて残るあつさにいとけなき社はたち場をうしなひにて
一おもひやる心かあつさのこりゐて淋しき夜はの友声りける広善
扇壱ゑてのこるあつさのつよきには立にし杜の居所もなし文子
秋立てすうる二日のやいとより残るあつさそ身にそかへぬる
荻風吹風に尾葉ましりのむら萩はまねきたらすと声をたつらん岩坂
露の玉うははれつらん目ふみえぬ風うたがひてさわく萩原歌楽
一花さりぬ柳ふさしくたとひかも色なき荻にさやくあき風誠見
疾ひとり風にものいふ秋津涙や草のかきはくことやめし世に山雲亭
萩の葉は極めきてもなひかぬをなと秋風の泣間なからん
空蝉のもぬけの床に声はせてのきはの萩の風にかしまし
ものあらき萩のこゝろに出く露の玉をも風にうち砕くしん文世
袖にたに露おく杖を蔵のはのことわり過る風のおと哉彫良丸
ことさへく酉の方より来し風に夜の物いふもろこしかゑ幸枝
朝夕に風の出入るをきはらはさひしき秋のすみかなるらん水根
ことさやくもろこし舟のつきしめものいひわかぬ近きの上風三戦楼
ねられすよ秋の上風きく夜はら紙のをやすまゑし心ちして一方
一雲はらふ風になひさてふす萩はさし出る月の雪の下をな
一淋しさのゆふへも風に賑はひて秋はなきやとおもふ荻原梅守
一力なくかへるあつさをわらふらん大声たつる風のをきはら
一夕くれのうきに心をくたくこと露の玉ちるをきの上かせ繁躬
へたてなく蔵ふく風やかたるらん春はさまうにうとまれは春郷
一昼ほゆる犬より軒ふすきよしく声立そむる萩のうは風正義
一花もたぬ萩は心にかなひぬとふく秋風也宿とさためし輦雄
山彦はしらぬ野辺にも私風の声にこたふる蔵のむゝ立浮雲
おとつるゝ人かとみれは風さそふ軒端の荻のさやく也けり浦成
ちらされん花ふき萩は野風にも心や咲くやかたりあふらん浅桂団
同断同
舟人のさかなき言葉聞なれて難波の萩のさやく上風万葉亭
さわかしく吹ぬる荻の上風はさひしき秋にならはさゆり藤浪
ねさめせぬよその枕やたつぬらん新端過り捨の上風芦村
ひかことをいふにやあらん秋風に声きゝわかぬいせの浪萩三蔵楼
初尾花まぬきかゝれは秋風に声たづる夜のこたへ顔歌島人
うさ秋の風の宿りとしるならは植さらましを軒の下花日々略
伊勢長岡
過し夜の水鶏しのひつ柴の戸近風にたゝける窓の下をき梅長
朝夢の大ほるゝ音り身にもしみ耳にもふるゝをきの上風市
尾張津島
さわしき風よと萩の思ふらんわれを忘るゝ心ならひに寐覚
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麻生
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萩盛
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朝かほのなりもあさ日のくれなゐに立およはしと葉やしをるゝ磨安
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同東同一
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浚
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東金
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上総一穴
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一月二月一日
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日にそひて尾草の袖の露ふかみ秋のあはれのふかくなるらん俊経
ほともなく時なとならん百草の袂をしほる野への夕露梅寸
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是かりせし朱雀野に光れるは草の紫毎に玉をなす露衛門
月かけをちゝにくたくとみゆる哉妻のはてふき武蔵のゝ哥挑人
露ふかみたちえぬ蝶はいせの雲の玉をかつける袖にかもなる月守
度むしを持にし野一も親となりて尊葉にしけく光るしら露作良
一照月の雪いさなからつまなくに深くな行道しはの露守高
にて落の声をあはれみほろ〳〵と葉末にみちておつる露かも
山の井の浅きにかへて草のくにくみこほすめ露はあきけり緑
かゝけても残たけぬれつかろの露秋。はかくまて深くあらぬに蔓全
みなと田のかくしも露のふかけれは稲葉の浪にしとらぬれけん
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露ふかみ尾栄か浅そたわみけるひとなるてふ月を卸して歌良丸
富草の花と見るよし白露はみのいることくおきかさねけり里橘
草のはふ月のみやこの影とめてふせ家も露のむしきの底梅瀧
風なきて声なき花のしつけさにけさお〳〵露の深さしられつ廣俊
通路下かくまてふかきたらへの露わけぬかなたやいかはかりなる長至館
秋風
一西の海の汐ふき来てや人のめにしみとほりたる社の夕風琴樹園
秋風はかはり安しとおもふらんさうしにへたつ人のこゝろを
今来ぬと花にいひつき語りつき軒端通行秋の朝風一良
四万里男
白露の玉のありかやたつぬらん草をわけ〳〵社の風ふく花籬
夜ふらは軒にうゑんをかたちなき葉音をのみそ風はりて来ぬ浅桂園
秋風の庭の口よりはひる時萩もすねする沓ぬきの音全語楼
吹といふほとにいふかぬ秋風も野辺の露にはあらしなりけり梅滝
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小夜様よその期をさそひ来てともし火をうつての秋風今
おとろかすうらみかそれて秋風は人にすかたをみせぬなるへし真倉
桜をる妙にたくへんともし火の草を吹けす秋のさよかせ美泉
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をみなへし尾花もつとに折こりぬ跡はそつらにふけよ秋風雀雄
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名古屋
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仝
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心なきかゝしも笠をかたふけて物おもふやうな秋の夕くれ軒風
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淋しさも寒きも今いまさるまて身にしみわたる秋のかくれ家廬
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いつとなくあはれをくみておく露に油ひちまさる秋の夕くれ房丸
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同十一
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稲
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越谷
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川越
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きよむるやみとしろ小田に影さして火を打かくる宵の独毒久雄
秋の夜の月まや宵の山の端にものおもはするいな妻の影長房
火打石いつる衆をや根とほらんさ間にひかる宵のいな毒友延
一月にいまた出やらぬ宵闇に野路のしをりとひかる稲妻菊泉
火打石根としてたてる雲わけてくらまの山に光る稲妻桐山人
一久かたの天の原にもゆふくれは切火うつやとおもふ稲葉美月
あま小舟沖の小辺にすかり火あらつ光りかいつる遠の稲妻保利
秋田みのりよき稲葉の浪に大舟へ残はのりぬるこゝちなすらん花増
みちのおくのこかねの花の咲ぬやと賤は稲葉の色をよろこふ仝
稲かりてこかねにるへん残か家は秋にとみけりきひの小山田南南垣
秋の田のほむきの稲のうたよりに賤もより来て引そめにけり浅桂園
も事賎りよろこはしさそしられけるかたほゑみたる稲をみるにも
小嶺の松のはひえに茶山子さへ枕を高くねぬる出来秋紅鏡園
雨風のさはりもなくて富学の花見る秋の田の面このしさ
かりとらは舟に横まし秋の雨の稲の浪間にみゆるはしり総数照
菅笠の月のやとりし袖田にもしなぬ薬の稲はみのりぬ
梓弓竹の春たつ田の面にはやわせいはふ八束穂の稲島人
さくらにも月にも心なき賎の門田の稲の花の見事さ
一吉
一錦木をしらぬ門田に色付し立かれの稲を刈いるゝ妹至考菴
稲雀千鳥とやみんみなとまの穂浪の風にさわくやふへは一曲
みのりよき寺田の稲は黄金の笄の足をみする出来秋是境
同同九早野集秋上
同十一
秋の田の中にもわけて法師子の稲はみのりのよしと社いへ長岡房
出来秋はかゝしの弓も岩田に納る御代となりにけるかな森石堂
みよしのゝかたふかけのさくらまは秋の稲葉も雲とみえけり七葉
形代に夏を送りてかたしろをかゝしにつくる小田の出来秋千竹円
豊こしはよきをまねふか秋の田の稲はかしらをみなさそなり徳住
まこふる処より見るもあはれざは賤かかせきのやかせなるに田筆花図
経済の色に黄はみて早稲おくてみなみのりよき法師香山田金雄
信濃収布施
とし有て心ゆたけき法師稲秋のみのりは田徳ありけり正臣
秋なれやいせの神内は名のみやく法師稲をもくはめてけり千代住
一出来秋の山田もる身のせはしさに鳴子は風の手にまかさらん癰俊
酒にせん秋田の米のうりいれに賤は泥にもなりにけるかな千歳菴
こかねきくさける山路におとらめやきはみを見する小崎の橋
に山田のかゝしの鳴子から〳〵と賎にわらひをそふる出来秋花蝶
引板さへもふらさぬ小田の稲雀克つほに落穂ひろふ柴秋階寿
みつ〳〵し水穂の膝もみのりよくいよゝめてたきよ事の安国春様亭
出来秋のしるしに稲の大たはを杉なりにしふむみもの小田井峯閣
みのりよき秋の。田の面のゆたけさはかゝしの弓を引はかりなり佐多丸
日はしかくなれはなるほと秋の田の鳴子の際もなくてせはしな教訓亭
ことさらにとしある稲の秋の田はよその人まてかり入にけり広善
一ほさつます秋の田の面は咲かはるにしをみのりの風とめめり秋近
いな妻の光りのみいにそみぬらんにひはりしまのきはみ初るは島人
みのりたる橋の穂浪のしつけきに世のにきはしき事をしるゝ道広
ものいはぬ色なる猿のよろ田はおとなし川の水やかけけけ
弓天もてたちしかゝしははなさねとあたりのみゆる出来松の小田英
同同十二年
同一茎四貫目二
秋夜かきりなく足長かりし春の日の寝はめならん秋のこの夜は浅桂園
あしのおふる難波は夢にみゆとてもみしかくはあらし秋の万は千代佳
東金
秋の夜は蜘手に声のうきはしをかけても八つにまたしらぬ哉秀作舎
上野間瀬
一秋の夜のあけをおそしとかこちしは月を見ぬ間のこゝろ也けり
鬼石
ものおもひに寝覚かちなる秋の夜ははかなき聞もたのみにはせん諸種
明ゆらてかにしさ境き秋の夜の一夜は夏のよゝとなかまし千苦
一秋の夜は荒のしく音と諸ともにあはれに長きものにそ有ける水根
その音やさやけきほふ寝もやらてみしかく明後秋の夜きら夢盛
一摂津福原
妹さめして明まちわふる花の身は秋を夜にとがこち顔にり箙梅舎
一かたむける類を惜めは秋の夜のなかきも月にみしかくそ思ふ千雀
草さめていとゝめはれをうちそへぬ佐まくらをなしく秋の夜菊寿美
一灯の花をふかめて私の夜は吉野拾遺も少み終りけり日々器
一菊の花枕につめて秋の夜にぬれはや子とせふ事心ちしつ岡義
なく戸に袖ぬらしけりなか身の寝さめかちにてあけわふる夜は秋人
一秋の夜の長きにつれてみしかくもかすかになりぬ歳のともし也広善
秋の夜のいとゝなかしといひおきし人はものをやおもいさりけん一
かしかなく雪をしきけはくれかねし春日に似たりあけりぬる夜も
友まねきくむ酒もりも冷雲の花のもとなる竹の春の夜国雄
萩かえの哥ちる風に夢さめて結はぬ袖もぬらす鮫の夜福丸
今はまた月のかつらの花見時秋のひと夜御春のひと日そ保利
ふみの道分いる人は淋しさの秋のなりよもわひしとはせし雁群
むすひつる夢のうき橋とたえしてなかはさめ行秋の小夜中仝
みしふしの夢はさめつゝ秋風に夜音の裾のた寒き夜はかな起蓑
ふるりの夢はきぬたにうちかへしみれともあらぬ秋の紅葉
同仝三巳年
野路山路こえり声は見果しにまたゐなかをも過ぬ秋の夜二水国
聞なれて露の音よりも田廊の長き夜もふる社の宮島児丸
秋の夜の一夜は水よの思ひにてあけをまつこそ久しかりけれ橘菴
そのうちふ春の三月に見つくしてさむれとあけぬ秋の夜長衛胤文
相たへる飛驒のたくみはねぬる間もそのひさしをやかくる務夜巨森
東金
一秋の夜のおほと長くのひしとは流なふ賤やはかりしるらん秀作舎
松町
一むかし見し夢をいくらかそへてもまたつやらぬ秋の夜長さ繁躬
八百日行淡路を夢ふ行はてゝさむれとなほもあけぬ秋の夜浦入
夜しかさふこきにし事も砕きつくとりあつめつゝ物をおもへり
つれ〳〵と人まつその声はかりならひか岡にのくるあきの夜歌波久
一あはれきの泪の露の玉くしけふた夜とおもふ秋の夜長さ千丈
秋の夜のかほと長きはみる夢にいそけと道のはかとらぬこと長良
八
鷹の音やむしのなく音をつきたして長さかうへになかき務夜石水
秋の夜の風の類そふもみち葉は夢にみむろの錦なりけり花葉
一黒月の北やとちて天の戸のあくる間遅き秋の夜長さ万壽氏
かしましき新潟の虫に起されて夜はの砂の哀れをそ聞松の屋
秋夢さひしさはくしかたをのみかえや秋の声路はあともとりしつ明
嶋界にさへみぬもろこしへ渡りしは秋の夜長き長の浮はし島守
雨見せし玉はさめても敷さん枕しるしに蝶はのこりぬ便々館
胸に手をおかてぬる夜もおとろきぬ夢路も秋の風やうちけん里摘
草まくら露もろともふ給ふ夜は秋風の音に声のちりゆく松雄
八千くさの錦をまとふ声さめつあけかた寒き草まくらして貝益
見し草の道たらしきは秋こよひかしこのふらもしくれ初けん清躬
一出来秋の宵いはふ秋の夜の声もうれしきはるのうら富士真倉
仝直予長火二
三十里集末ノ
もみち見の車よせぬと思ひ拝の声はさめけりきしる枕に琵琶彦
芦の音や限にさめぬなか〳〵ふ声はみしかき秋の夜はかな善成
一召葉さへ月さへめてゝ人しらぬ声はあそひし昼にまされり橋丸
一おもひねの枕の山をおつるとき月のかたふく夢はさめけり
鳥すゑてうつら狩野の筆さめてうてのしひ事た秋の晩明保
胸に手をあてゝぬれはやもみちばふのちるよとみたる墨心をんけり巣秤
おもひ寝に見る月まてを妨けて宿うつ雨の声をやふりつ喜吉
さめてなほ袖こそぬるれ露しくれ守山こゆるあきの夜の夢蓑笠
紅葉なあそいゆかんとおもひ寝の声のうちにも野ら心ちせり存在
〽なか〳〵にものうき声のきたえて衣うつ音そうれしかりける保利
枕貌ひもさへとけていくたにもむすひなほしゝ秋は夜の声花笠
肌にしむ風にさかりの草の夢ちらしてをしき竹の春の夜夢盛
遊に味そはる秋さて此夜ころうまくみてけり永きなをん扇松垣
娘にたにかたらて独たのしきは親のな事ひの夢にさりける治太
跡先のしかとみえぬは秋の夜の夢路の霧の中や賀へる玉世
一音の後りたる心ちにうさ草の根のふき声も結ふ海の夜下住
あかつきは見る間みしかて朝かほのさくすしほむ夢もはかなし千歳庵
夜たゝきくみらすの類の長き夜に跡先わかぬ夢をみてけり長住
くつわ虫声の高きにさめてけりく事にか行夢のかよひろ本住
咲かはる秋の葉野をおもひ遊の夜はさま〳〵の声を結へり糸屑
時の間に召に上落かりさま〳〵のうき秋の夜も聞はたのしや先妹
た子はたへ手ぬし竹の春の夜につきたしてみるあかつ有の夢庫住
思ひ鹿の紅葉見ありてその間に高きまくちの山めくりしつ花照
おもしろ過秋の花野の声をまたいかて夜明のかねにかふへき照桑
十二十二才一
秋たつとおとろくはかり桐草くらはへるゝ時に夢はさめけり峯業
秋のよの長きをわひてあすみんとおもふ召葉にさんかよふ夢橋丸
うき事を思ひつゝくる秋の夜は声のうちにも袖そぬれける摘文
いよの湯にいりぬと秋の夢さめてとへと湯桁の夜はなかはなり
これは猶さかりみしかし垣ならて夢にむすひし朝かほの花守高
ゆわひく足さへたゆき鮫の夜はわたりくるしき声の浮橋虎住
きり〳〵すなく音ふさめぬ秋の夜はぬるまの壁になれもすめが
狂歌草野集秋之部上之巻終
狂歌草野集秋の
狂歌草野集秋之部
下の巻目録二十種
秋雨小鷹狩駒連月待雁
朝霧
朝霧擣衣田鴫野鶉九日
裁菊
裁菊紅葉暮秋秋雲秋烟
秋寒
秋寒秋水秋舟秋鳥秋旅
二月十一里一里ヘ鳥利丁
秋雨
主松にふる
秋のしくれは
青色色
面堂
あらひとして
らひおとして
まん心か
文慈園
草や木を
なへて染んと
千秋
ふる雨も
みしかき秋の
日をやわふらん
小鷹狩
きちかうの
花さくのへの花の屋
小鷹かり
袋のなかを
さかに
えものそ
一同一車守長火一ツヽ
図書
駒迎
水鳥の鴨の
羽兵の
青馬を
ひき行人も
あしに
いとなし
葛翁
梅屋
天勢紙
めつこしと尾前に
おれる都へ
ひかせても
なれし胸もみん
はつかしからぬ
ひく宮人の
白たへの袖
甲斐の
甲斐の黒駒
黒駒
川山
千幹菴
一花籬さらしなの
鏡台ほねを
都には
月こよひ
今やとこひん
引駒の
一引駒の駒に見る哉
のほる
信濃の
駒に見る哉
つまつき
やすき
花咲菴
葵の岩角花咲菴
関の岩角
琴樹園
高二
一に一壱里信大利丁
同
大阪
酉水園
〽照月にひくゝ
杉門
見ゆるはまはゆ
さに
ひそめ也しけん
上総東入王
柳栄子
秀作舎
ともしけつ
ともしけつごよひてる
ごよひてる
月の鼠は
ひとつの月を
なくて世の
あいれとも
油すさむる
おもしろしとも
たくひなら
めや
こゝろよりて
見ん
遠山の眉
相生
松柏亭
月の兵玉を
御よりあかる
わか国の
珊瑚ある
国人こひん
見るからに
ぬるれ
こる月の
かゝみは人の
かたみ
ならねと
民桂国
いかほと沈む
月の影そも
いはゝしる瀧の
しら玉数らを
みかくは月の
ひかりなりけり
ひかりなりけり
隅田川
浪かつく
鳥にとひ見ん
浪かつて
仝
上野相生
松柏亭
明草予予
京
槌の屋員益
わかれもわれにかはらて
ともに手をあけて
かたふく月をゝしめり
めり
ほ夜よし
まゝしといふは
なかめゐて
おなしこといふ
老となりけん
檜月菴
明躬
む湊
鳥三
同一重勇里賀
月相生
十三
松柏亭
かけふみて
野路のか也はら
過行は
月も雪ゐを
あゆむとそ見る
檜山居
ぐまとなる
秀明
松いさなくて
望の夜の
月にをらるゝ
庭の枝柿
玉兎高
一秋毎に月の面堂
鏡はとき
ぬるか
うるひ来をも
さらにいますて
一西をむく山根の尾は
いる月のはかなき
うるひ来をも影を見てなけく
影を見てなけく
を見てけけ
清荷堂
無染
下野栃木
野栃木
通環亭
一もとの桂にたりて真袖
てる月の都は
待雁
明躬
一朱をつめるもろこし舟を
うゑぬ桜
まつりめみねのもみちに
たちはな
たちはなアをこそまて
雁をこそまて
綱寿園
岩雄
村雲の袖に
あまりて
梅屋
一ぢゝみうり帰るころより
影こほす
けまこほすまたれけり越路の空の
またれけり越路の空の
月はうれしき
月いうれしき衣かりかね
衣かりかね
かきりなりけり
こよひこそ静
こよひこそ
檜船亭
静
雁のまれ人
来まさめと
真砂や月の
玉をしくらん
福園
来ん雁を我寐顔
侍わふと
古郷へ
かへるつはくら
ことつてはせよ
豊年菴
常世辺を立わひつらん
保利
去年よりも
まつほとおそき
はつ雁のこゑ
一同一束
鳴こゑをきけは
あはれとわひなから
来ねはかこちて
〆をまつ哉
尾張清順
尾張信濃尾張清大空菴雀業
朝霧
大挙写
さらてたに
あけ侍わふる
さらてたに保利
保利
秋な事に
にんかし
覆ふ
朝霧やなそ
擣衣
ぼかけに
あはれをそふ事
さよきぬた
大坂
まふたを
たて
菊花園
菊花四
籬芳
人もありけり
あまへもひるは
めをかる
いとなさに
包塘園
廣母
しほやき衣
月にうつらん
小池
ざよな
亀住
田鴫
南向堂
月にたゆむは
伏鳴の
島守
一月にたゆむは伏鴫の
島守
相つちの
もゝ羽かく
音も
母の影うつ
いとへる
常陸古来村
檜村居
淋しさに
小田のかりはか
明邦
かそふとそ
衣うつ
母のちからの
よわるをは
杖よりいたく
身におほえ
けり
野鵯
秋の野の野の花の
面堂
袖をくひさきて
なくは鼠の
なりし静か
柊の木の
槌にて
うつか
ふ事衣
いやつき〳〵に
音の
聞ゆる
面堂
みやにたる
むゝさき
春友亭
政明
野へになく
うつら
着たる衣の
なとさとひけん
仁直予集七マ
九日
十三
出羽米沢
楽盞亭
二五人に
けふめてらるた
菊の花
あすの十日を
しらすや
有らん
雲峰
千種菴
雨の花
けふは煙草の
酒むしに
ませてや
がん
酒のまぬ
酒のまぬ
身に
げにいはふ
時にもあへは
柳栄子
菊合
まつひたりより
粉とさためん
汐の屋
仙薬と菊の
躬雇
さかつきくめは
みや
うき世の
うさも
忘れはてけり
栽蒔
うつし植し
雨もしはしは
しをれけり
千束菴
章雄
ふしまぬを
しまぬをと
心をやおく
文字楼
うつしうゑて
浦成
人もふるさぬ
きくの花
いかて翁と
名にはよふらん
宝珠亭
わか庭にうつし
船唄
うゑたる野への菊
汝は旅路に
さゝこゝちせん
以上の
浜のふきく
うつし
うつしうゑぬ
浪よす事如
人のとひ
広好
同三郎真七郎
紅葉
主
東金
秀作舎
その花は
白頭を
枝に
残したを
梢つれなく
ちる紅葉哉
名古屋喜哥改
蘭亭
蘭亭
十三
山形の手まの
群雄
紅葉こうかきの
わさもおよはぬ
いろに出けり
越後新発田
草種固
草種固
菊寿美
ごの色にかをりを
もたは秋とても
梅の紅葉や
花とほくらん
これ薄過
浅桂国
桜もみちは
秋さへに
八重とひとへを
わきて道らら
こと木にも
ましてあはれと
見はやさん
見はやさん
面堂
実をさへ
そめし
柿のもみち葉
暮秋
梅屋
もみち葉を
残してくるゝ
秋やふそ
十三
柳栄子
きりくす
たのむかひかむかひかひなく
あれはてし
花ちりてのち
おちりてのち壁やけふ行
壁やけふ行
春はゆき
春はゆき
秋のふる里
うら枯の
千秋
葉末に結ふ
はつ霜に
はつ霜に
立を残して
青雲亭
げふくるゝ日かけの
西へかたふくは
もと来しかたへ
秋や行らん
下総野田
秋のくれり
柏樹国
今更のやうに
広善
わかれそしまるゝ
をしまるゝ
かなしき秋の
けふくるらにも
雲峰
國國
風車予集火下
牛鬼
西周
筆なし
秋雲
雲のくつれて
兵庫
さまよふか
一の屋
むら〳〵にて
むら〳〵にもの
秋にみゆるは
わかるゝ
覚
秋の空
しくれにならん
福聚舎
頼母霖
下地なるらし
がたよりに雲の袖さへ
なひくかなれらせ
ひくかなすゝは
おしなみ
野分ふく日は
柏国福寿
秋烟
秋寒
雄嘉さへ
栃木
通菴
言葉
むしさへ声を
はこふ夜は
野風山風
身にしみてけり
一もえ残る広母
「さやか
軒に立けふり
十五
月かけの
桐生
松柏亭
霜にや鐘の
竹の春日の
朝霞かも
朝霞かも
ひゝくらん
秋風寒く
下総桜井
夜は更にけり
浅波庵
秋風にみたるゝ
瀧の塩けふり
髪もけつらぬ
あまやたくらん
十二尾子ふく
野風を寒み
雨ふれは
琴樹園
妹も綿をは
とりひろけ
浅草予承火下
秋水
つはくらと
づはくらと
ともにつまの
花咲菴
おとし水
はるける
御路
たつねてや行
花にまた
心なこしの
千種菴
はらへして
千とせかさねん
菊の下水
青雲亭
もみち葉の
なかる見れは
山川の
山川の
水さへ秋は
色つきにけり
秋舟
上野花輪
十五
にひ酒や
竜錦舎
作良
新綿つみて
梅屋
にひ酒の香にや
ゑひけん
嶋山も
さひしきの
廻るやうにて
みなと賑はふ
舟のよひ声
はしる樽舟
武蔵
峯目亭
霧ふかき臣ゆく舟の
かちの音はまた来ぬ雁の
声かとそきく
がろからぬ
秋の真を
つめはにや
利根ゆく舟の
あしのおもかる
宝市亭
花咲庵
秋風に
とはす白帆は
芦かちる
難波を跡に
はしる源に
雲峯
一同一歩丁二丁三郎
二同一七丁里角利丁
秋鳥
にて
十五
かへるこの紅葉
千種庵
ちらして
ついはむは
鵙の早にへ
たらす也あるらん
便々館
立
もみち葉の
色鳥むるゝ
秋山に
千束菴
十一
毛衣を
毛衣を
銭にせんと
章雄
めたつは
松のあなし
なりけり
萩紅葉
立ある
野路に雀の
来ぬらし
ぐひする
やうに隣へ
かつしけり
かつしけり
秋のゆふへを
告る
鶏
星屋
輝世
秋旅
千種庵
までゝ
夜すゝき
ほのやとらぬ
かたもなし
こよひいつこに
草まくらせん
下総飯沼
あしなつむ
伊賀の山路
伊賀の山路は
おちくりの
綴螫亭
いかにわひしき
秋の旅そも
椎の葉の
飯をたのしむ
旅なから
草の銭に
枕むすひつ
関左堂
一八百匁
揺舟
一同一草里九郎
狂歌草野集秋の部下之巻
撰者檜園梅明
芦の葉の堂ふく風に壁なして横に雨ふる秋のなにはに福禄亭
うき私にかわかぬ袖のそのうへを又ぬらせとや事のふりしく
不足なき都も秋のあはれさは心にものゝたらぬ酉の日吉貫
蓑むしの声たにもせぬ淋しさは道灌山の秋の秋の夜の夜の夜の夜の秋の夜の夜の夜の夜
ふりしきる事に響きてはつたけをいさかさとりの山にゆかまし百艸国
秋といへと扇たるきのやれし家はすてゝおかれぬ南のもり
尾花さへいせをの蜑の心ちせん袖のかわかぬ秋の長事
表こふる男嘉なく夜はむさしのた屏にか袖もぬるゝ村雨松守
萩に憎み紅葉にまていふる事也心まとふかさためなき空
S
欠S
S
秋を子かく心なくさにて遊ふ糸の如くに雨はふりけり仝
鳴風に雲をさそひて涼しさを持出したる秋のむらさめ存在
むらさめふふりそめられて夕くれの淋しき宿も軒端姫はふ明澄
かきろひもたらん紅葉をさそひつゝふりくる雨のいかにつめたき春久
正川の持ふなる日ものひ〳〵て将棋や碁にもあき雨の物望月
ともし雲の花におもへはみての日にくらつて長き秋の夜の夜の屋
もみちを紅葉松をは杢と見てけちめなくふる秋の秋の村な
中々に油いにちけり御いれさに外へさへ出ぬ秋の事の日梅す
家に居ておもひやら谷事の日は日申宿らぬ野路の玉川
事たれの雨にまきれて推るものほち〳〵おつる秋の夜は哉梅貫
村雨の浮つゝきては笠ぬひの里にときえて美虫のなく大酒
海あけし紅葉の色はいろこしとつやぬきするか秋の村雨
仝岸野集伏下
一同一言丁里
さひしさをさしみへよとやからかさのやんめをつたふ社の村事鷲住
秋雨のはれ間をまつの木の本におもはす笠をえたる葦梅守
なかむれは我はかりかは庭の面の薄も袖をしほる村雨水雄
一落の声そへてあはれよ山住の水端かたふく事もりの音花業
まゝ夜と菊いおもはん菊わけし時よりあらき竹の壱両岡義
降出てはれぬ日数をかそふれは指もねかぬる秋雨の宿徳澄
秋雨のふ事にや泣きいたれこめし霧やそのまら雲となかけん楽盞亭
小鷹狩
深草に小鳥かる日はみや人もうつら衣と裾やかゝけむ葛翁
はし声におはるゝけふはみしかゝる衣もかひなくかつら鳴はん秀明
合せたる小鳥は逃て昼のくのの輪をつかめる鷲かたゞき湖滝
秋のあはれしらて狩ゆて鶏よりえものゝ鶏にふける鷹匠白玉
わか事と虫もあわてゝ草にはり逃るか野への小野狩には一の星
とりして夜もすゝきも始したく人々早野のあらしなりける善成
とさけひにても鳴やむはと路遠み小鷹の鈴の声かはるふり浅波菴
すらきたるみを引さくなくひ哉そら行雁にかくるはしく
一色つけてはなぢし鷹もみわの野にそれては況をしたふ持人
春駒のあれにし野辺にけふは又つちをけたてゝ小鳥かりしつ智美
一鶏居る小田の荷場のたり通横さまにしたかけるはし鷲秀作舎
一鳥すうる持人をかし秋の羽らや身にはうつらの衣をまとにて広躬
風はよく草の上葉の席よりも鷹にあやふて逃ることりそ
真藤はら子ちらさしと野内にもひともとかけてかへるはしたか志逗久
かつら鳴野をはし鷹のはしたなく露の玉しく気あらし行秀明
○問題いく薬ある望月の若弱はしなぬの国のくそつ来ん玉川合
とねからも駒の尾かみをかいなてゝ今や都いらんとれん千歳菴
同廿一丁
同一セサ町ニ付大科
えり出して引ゆくけふはおふしそうそたちて残る駒やうたん東鶏
九重にけふはいらんと逢坂の八重香わけて駒をひくみゆ三住
小くら山御幸の料ともみち葉の色の赤駒こよひ引らむ
引のほる金へよいそけ照月の前にこゝろの駒なつなきそ友延
みや人かむかふる袖のにしきをも駒は春さくなみや馴つん
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三
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虫の声露のなく音にうちそへて哀まされとうつ衣かも音魔
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松風に浪うち有へて小夜有ぬたうつ音助音淋し住よしの里二
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手にまめの出るやうへる秋の夜のはとふく風に貼うつ紙成馬
水色の衣やうつらん熊の音の風になかれて遠にひゝくは保加良
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吉こえて音の聞ゆる小夜作山わけ衣うつにやあるらむ梅業
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第一一
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太田谷
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入身の日やかさしけん萩の花さける野末のむらさきの雲
藤
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徳島住多丸改
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仝
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秋烟枝七
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公草ヲ集秋下
同一十一丁
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みこし路は尾花をかたく夕けふり月の雪にも印たてけり喜吉
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月を見る秋ともしらて山里は松へしをりてさてるけふりて歌楽
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越谷
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栃木
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枕ともみなせる岩根落水は山路の菊の露やなりけん湖丈
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一同二十一丁
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いこひつゝ一口のまん萩さけはしか酒の色の玉川の水千柳亭
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山さみの夜寒をわふる秋くれは苔衣うつ谷川の水古
おほひたる草もあらはに社さひて枯行野夫の海藻の水
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うけうつる紅葉の手もてさするらん岩にこしうつ瀧川の水
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くもりなくてる月かけをならしてすめるや秋の山川の水菊春躬
越谷
似合しき湯となりけりにはた水尾花か袖のひと雫より至考菴
仝草野様以下
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
秋舟秋の夜の月影なから水舟は入江にたれかつなき衿かむ三歳楼
藻にすめる虫なく秋の手くり舟われからここえんわたりいみて
君か代はめくみあまりて水にまてにひ米つめる舟そ脇はふ章雄
新堀
小川ことにさへ秋は霧ふかみひろきまろの心ちもやせん摘文
在宇都宮
みまり舟秋はなる戸の御あれていかり綱まて渦を巻けり
入生田
秋風の追手にはしる諸舟を残のみや人木の葉とやみん於沙丸
いさなきやいさなみよするあしかひの中にたゝよふ浅魚釣の女梅母
月こよひしつけき沖のとまり舟州にとちし落葉とそよる言葉菴
新酒をつみくる舟の追風に火をいれんとやにおちりかふ峯月亭
秋日和つゝきてはしる番舟は新わたつみの神の加優にも
出来秋の稲つむ舟を賎の男は室舟とやめてはやすらん鉢也
狭鳥州はふせぬ梢うとみて秋山に松むしり鳥おむしこん花の屋
ときは山しくれはしらぬ松かえをしはしそめけり秋の色鳥浦成
わか庭にさく朝かほの朝度にぬれてさまするうの瓢鳥田雅雄
枝に来てとまる烏はもみち葉の色こき紅粉の黒みとそもる雀年
わか庭のまかきになれて私毎に菊いたゝきの声そ匂へる数久
一秋風に留守やあつけし山田もりひかぬ鳴草の音にたつ鳥廣躬
取葉せぬときはの山もしはらくは錦に染る秋のいろ鳥保加良
つくまそにむれゐて遊ふ鍋雀はよはひの秋の数やかさねん作良
むらさきの萩のゆかりのみし鳥はつくはの峯やこみんと来つらん教訓亭
わたり鳥羽の色よきは秋の野の冬の千草に摺し袖も及はし長樹
たる霧のまかきをわたる立鳥は菊いたゝきや都かほのるり花鳥屋
磯山の紅葉ちるやことうちみれは浪間こえ来る秋のいろとり至考菴
すまひをは常とへたてゝ山鳥のなか〳〵淋し秋のゆふくれ橘守
之事予長火一ノ
一同一十一丁目
猟人も空音はかりてふく心由による逢坂のあきの山姫桑秤
鷹の風の薄の風におとろくは狩場のかなし小鳥なるらん酒の屋
もみちをのやまと錦にまさりけりわたりものなる杜の小鳥口玉世
一立田山もみちにわたる色鳥はにしきにぬひをなん心ちせり人成
さとおとす椎のつふてにちるかめ梢をわたる秋のいろ鳥星路
霧こむる秋としなれは山亭のをろのかゝみも影くもるらん諸隙
小雀の貝とはならて秋の田の穂浪にいりてにくやあらせる歌都住
一ゆたりさま落穂にあきて小雀も喰このみして木にやうつれり千布
霧こめて朝戸出迷ふ村からす月にうるるゝ心ちすらしも頼母
山路の出茶屋のあとのすて竃秋は淋しく火たき鳥なく松人
一あそまたてまつみる月のみやこぐ大津の様に旅渡る夜は千梅園
いさゝらは月にあかさんさらぬたに寝かたき物を初旅の宿千万円
故郷の水にもかくや草枕誰をまつむしこゝら鳴らん真倉
むらゆに宮かはりゆて脇かさの文字をはそまぬ松とそみめ島守
恋やせし野辺の雄家を見るにさへ我長様の程そしらるゝ秀明
衣うつ寝覚の里に行くれてわれもたゝきつ旅宿の門四季成
都出し火言も事に色つきて紅葉てりそふ白川の関照影
三度笠白くなりけり旅の空紅葉を染る雨にみたれて亀住
月ふまの露にそほちて旅衣袖にあはれのひ車なかりけり呉竹
いとゝさへ戻けき秋の草まくら夜寒かさねて袖ぞわぬ広俊
海虫か子の袖にもまして露霜にぬるゝ旅寝も病り定めす松雄
行くれて旅路に死葉をりたくは錦を捨し畳妻の袖長住
はかとらぬ旅の山路はつく杖も菊にゆつれる心ちこそすれ宇都音
わか願の長くふるほと秋の日のいるにまちかき旅路せはしも細記
一同三来火下
一同一喜上大和一丁
けにもりて飯いしひけり椎の葉ははなしのみなる秋の旅路に高畑歌垣
寝ることもならの旅路のさすしさはかすりに家の声のみ云聞長人
一鯰山さひしき秋の長様にやくれしすかたいさうつしみん梅長
旅の空里はなたれしみやき野の木の下露の事とふ事は扇松垣
長月の長路にかたもはりまかたかち枕して浪にもません綾網
けふは山路あすい海辺と秋の旅出所りはる月そ見あかぬ
一衣うつ音にともし大きゆる夜はいとゝ淋しき旅ねを祭る千本
一八百日行旅路の浦の浜つたひ秋の日あしにいかくならはん
つらしともつらしや旅の草枕むすひて寒色小夜の中山鄙住
ゆく道の木々の錦もふる心にいてやかさらん旅の衣手徳成
見るいたのしきくはせしき秋の旅月に紅葉に菰に虫の音葉秤
一矢立をはら葉の緋色筆は菰軸の萩まて調ひし旅光煉
S
欠S
S
露まてはうつさゝかしを植物きし庭の小藪も枝こわむ也仝
もとつ枝は露しけしとてあせ常き立なる萩や亭咲見唐歌
秋風月の入草をにくみてむさし冬を野分の風やいあらすらん花鳥屋
以上の浜辺にさける舟菊の子にも泥を立る秋風
おく霜に声になかべかなる気つてふか命毛の程もしらるか音
ものいはぬ花とすえし山吹のふる枝あやしきみの虫の声
一秋風にかたねの萩のふところに淋しさわひて毛の鳴らん遊多可
聞鹿きけは又暮身にしみて哀なり風かもて来しの路の節の音
身をこゝす蛍にまして哀なりもゆる葉に落のなく夜は仝
妻子なき身にも念をすゝめけり淋しきよはのさをしかの好竹也
声き所あはれふかけりあう高落の心はいかにあるらん聖丸
賑やかに取の声きくならのりなか〳〵松も海からしな小田住
いへ車丁
同一十一丁
太田
抄田賤の男はあめへものほるくちせん稲葉は雲とみのかはしこ田雅雄
狂歌草野集秋下之巻紙
狂歌草野集恋雑
狂歌草野集恋雑之部
応之部目録二十種
図▽鉄器械機械機器
以テ購入セル間関博士
狩野亭吉氏善蔵
忍意
見意忍意恨恋祈恋待恋
変応
思意
久恋
逢意別應愛應久應思慮
寄海恋
寄風應寄雨恋竒雲應奇山戀竒海惡
寄魚恋
寄鳥恋
寄川應竒木恋竒鳥恋寄魚戀竒獣戀
雑之部目録
二十種
天雲烟山川
海野國都鄙
庭竹
仙家閑居行旅往昔庭竹
商客
老人
遊女
元服
松風老人商客遊女元服
松風
ゆへ草野集恋雑
見
見{
恋
十三
見るたひに
檜舟亭静
ゑまひつくりて
ひもとかぬ
君か心や
物おもひの花
三河寺部
雅流園
見るからに心そ
うつる
たましひを
弘影
鏡となせる
人のおも影
見しへの俤は
涙さへ
名古屋
忍意
忍意寿園
善成
しのふに
なれて
人めの
しのふにあらぬ
なれてをりに
此ころは出けり
あらぬ
をりに
出けり
わか身にそひぬ
たましひは
君にそひゐて
大坂
春国梅彦
四丁
阿波徳島
二葉菴
かはりゆく
人の心に
人の心に
ならひてや
線
しのふ涙の
袖もつめたき
祈意
十五
年ふれと神は
面堂
うけすや
深川
二本松
東吟社
十三
つれなさを
おいのりてや
おいのりてや
ためし見ん
うけひかぬ神
きゝいれぬ妹
恋せしとに
あらぬみそきも
千束菴
千束菴
いのれとも
章雄
しるしなき
なき
名古屋
主
広前の
寿庵
かゝみにむかふ
かゝみにむかふ人の数に
時たにも
つれなき人そ
つれなき人そ
のもなほ
都のなき
人の数に
いるまて
目のまへに
たつ
□□□□□□□
待意
静
君まちてあかし
一わひぬる夜床には
なにたのしみに
〽せんせん
面堂
一両かへしと契りし
夜はもかひなきは
たゝうたかひを
いたき寝よとか
名古屋
美都垣
ま都夜はゝ
なにを
月たに
くまにて
袖の露
とふを
君は
来まさぬ
公事集恵雄
逢恋
主
あふ夜はゝ
包嬉園
廣好
よるの衣も
着直して
夢そかつゝに
うらかへりける
伊勢松坂
鈴鹿の屋
十二
あはぬまの
真津九
久しきかたを
あふ夜はの
みしかきかたに
なすよしもかな
敷たへの枕も
面堂
しらしたまさかに
あひ見る
私はの
夜はの
一人のまことは
おもひあふ
中の衣に
中の衣に
人めをも
南向堂
つゝみて
あふそ
うのしかりける
別恋
いかてかく
いかてかく
見ねとも
みゆる
下総野田
柏樹園
みなは
そう
こゝに
おもかけそあらぬを
寺鄙
弘影
有明の月
おもひの
もつともに
わかれ
ては
山そ
閨に
残れる
一なか〳〵に福禄亭
人目も
人目入金
菊
枯はてゝ
あふ夜うれしき
恋の山里
信濃長岡
あふ夜は小袖の
古松堂
ぬからは恋草の
唐嵜
露やなみたと
おきかはりけん
京
変意
十五
思ひ草
玉虎園
かはる心そ寸美丸
寸美丸
冬かれの
くちははてすて冬かれの
露霜と
野辺
十五
夢にのみ
広好
見てしのへとや
空の葉も
よるの衣と
うらかへる君
三
思意
上毛高崎
かく思ふ心の
竹多楼
隙なくとふは
うきを友として
うきを友とし
隙なくとふは
なみた也けり
うきを友として花増
ばたへには
徳島
九峯舎
あまるゐらさる
ありなから
静
相おもふ心
ひとしかりけり
か草野集恋雑
寄
〽
名古屋
いかにふる
在江戸
涙の雨も
物思ひの
垣内
真鎮
花咲むる
こともなくして
寄雲恋
上野一宮
望月館
ともすれは空そ
見らるゝこぬ夜はの
雲の衣は
みならねと
かたみならねと
武蔵青梅
扇松垣
君やこん我や
いやこん我や扇松
ゆかむの夕くれに
なかむる空の
雪もいきよふ
こひ〳〵て
かく山
あめの
ひる間はあらし
おつる泪の
衣手の
寄山意
薫亭
十三
奇海意
壷月堂
いかてわか袖はかわかぬ
千尋ある海も汐干る
市住
ならひある世に
寄木意
十
ふみなれぬ恋の
山路にいふせさの
武蔵丹堀
千檜庵
人目の関は
いかてすゑけん
下総干潟
高嶺たに
陸洲国
寄鳥恋
十二
いねかての
わか身のうへか
ほとゝきす
〽舟木たに綱もて
ひけはひかるゝを
いかにひかれぬ
君か袖そも
兵庫
同一農屋
くつるゝをりは
ありてふを
ありてふを
いかにかさなる
物思ひの山
君こひしとそ
鳴てきかする
舟堀千檜庵
奇獣恋
武蔵越谷
峯月亭
寄魚意
十五軒
君こふる
在江戸
千菊園
まくらの山に
妻こひて
妻こひて
音になたる也
半ひの海の音になく我也
おもひの海の
秋のさを鹿
いろくつと
身はなれうや
三
四
夜たゝねられぬ
同人貞長雅
天
勝右衛門
章雄
一龍五八
四の時たかへぬ
空をいかてかは
をいしてか
いつはり言の
名におほせけん
器楽菴
十五
中空に鳥の
広好
しはらく
かしごしな
たゆたふは
いつのちわきふ
天の原に入
関やすゑけん
八重雲を
ちわきて
下毛何木
てらす天つ
時雨する
日の影
雲井
真袖
冬より上の
武隈菴
大空のひさこに
つれはかく山の
大空は紅葉に
うとき
立にそ有ける
落にし時に
怪我なかり
けん
とことはに真名井を
章雄
神のそゝけはやみ空は
水の色にうるほふ
口
雲
名古屋
一なへて世の弘歌
人の心に
うとまるゝ
在江戸千菊園
生死のうみ
くらぶれは蜑はすみよき
一須磨の浦軍ある世に
れは蜑はすみよき
雲は月夜を
名古屋鹿屋鹿菴甚蔵
八月夜を
名古屋滝屋琵琶彦
うきものとせん
名古屋
なみもつるきの
山と見えけり
十二
水魚一
水魚園
黒き迄
友雄
よわきならひか
地獄はありそまの
舟庭の下に
我雲の
袖さへ風に
もろくやふれつ
文栄子千秋
浪の立居の
しつかなはぬは
海
十五
わたつみの
梅屋
なかおくのあ
外かおくの海
わたつみの顔の
十三
宮は珊瑚に
つくりたてゝ
ほまれとるらん
満干の玉や
龍の顔も
庭にしくらん
十五
あ見れは
成物に
銀いろよし
あ見れは
真袖
真袖
朽木
草野集恋雑
an
青沢庄方
遊女
主
こかねにも
玉にもかへて
めてらるゝ
遊ひとなれる
なれる
二好々菴
いかはかり
力ありてか
福丸
むろの津の
舟の帆柱
ねかすうかれ女
妹は誰か子そ
和泉堺
和琴居
長樹
うかれめのうきて
伊勢津
世をふる舟見れは
わりなき恋の
海はありけり
萩の屋
音信
上野一宮
望月舘
うかれ女か
ちまた
ねり行
赤松丸
文樹園
ゆひきりていつるちしほに
秀麿
まことなき客の心を
そむるうかれめ
すかたには
いけなき
ふみのはしり」
かきかに
かきかな
徳島
徳島
緑芳園
あるかなかに白へる
花のうかれめはいやし
からぬをえりて
からぬをうゑけん
うゑけん
春條
さためなき
舟堀
千檜庵
世に定めある
うかれめの
年の数をは
いかにわふ
この
文字楼
干潟
がにかくに
づくりなきする陸洲国
つらき
本成
うかれ女も
うきふしなら
ましを
まことから
なにうかれめと
泣する人の
泣する人の人のいふらん
人のいふらん
なきを
かこたむ
檜樹園
ぢ心の
秀明
おくは
しられし
かりに名を
吉将と
よへる
よつる
花の
うかれめ
ごかれ女は
咲かはる
あさま〳〵に
咲かはる
朝顔としも
家を
うらみん
福園
寝顔
三十一日
四
神の代に
なりたる
ふしの露は
空の藍にも
そまらさり
けり
檜月菴
都
水游園
立ならふ
山にも角は
なかりけり
都はよろつ
やはちかにして
南宝堂
松風
金成
柳より松に
うつりて
ふく風は
おもねものもつ
こゝち
すらしも
仙家名屋
滝屋
さゝれ石なれる
琵琶彦
いはほに住なれて
うき世の千代は
しらぬやま人
とこしへに
一小ほふ
りなれや
雪も紅葉の
色にふりつゝ
朽木
真袖
山人の
檜月庵
春秋あらぬ
すまひには
紅葉さへ
とはに
さかえん
十五
老人
鏡見て
今は心を
ふくさめん
むかし
うつりし
うつりし
名古屋
善成
影はありやと
十
野田
ものわすれ
柏樹園
するむの身の
あやしくも
あやしくも
遠き首を
よく覚え
よく覚え
けり
けり
庭竹
十五十五
一これ行は本成
ふへてすふほに
ふへてすふほに
本成
おひにけり
庭の訓に
たかはさる世は
野田
旅行
柏樹園
野路遠く行くれぬれは宿のみる
こゝろをとめんけしきたになし
鄙
梅屋
都とは錦の
となりうらと
こらと
あばせの見えて
一鄙路さへさひしな
遠江見附
都にも
めなれぬ
草の屋
鎌成
ひなの織殿そ
花に紅葉に
にしきかさるは
〔死〕
ゆへ草野集恋雑
狂歌草野集恋雑之部
撰者檜園梅明
見応あひとつ手には付しな見そめたる君かおもかけめにつきより数照
末はかくそはんしるしか見初ては遠きもちかく見ゆる面影仝
一妹かるほとし見れはさかしらに露をそへんといつるなみたか真袖
さやかなる月の夜頃に見物しを心にしたふ響そありける貞益
夢にたにかよひてあはんよし少かな見し俤のうつゝこゝろに滋見
見てしより心うらなき恋衣ひとへにあふをたのむよりそ美都垣
いたつらに見てのみこふるほいなさは川をへたてし子のたくひそ扇松垣
ひとめ見し君か姿にふためともわれは見られぬ恋やせかき志都丸
かくはかりならひをれともものいはぬ君は絵にかて妹見るよめ守輔
一君はれはいるのうつゝも中々におもひねの夜の夢こゝちせり居村
一恋ひにふちらやならん見てとにも袖ふなみたはおつる滝つせ宗暁
一目佛も今はうらみつみそめては夢にうつゝにさらぬ面影峯月亭
見初にし目もとのしほの物にみちて袖さへ今はかわく間有なき
一おもかそのふとめに入てしはしたに見ねは涙のたゆるまそふき数照
中々に胸のやみろのくもるほと猶見えまさる君か面影居鷹
一日はし君かおもかけめにいりてあやしきよてふ涙こほれぬ白主
一見るのみにいひあることもなら柴のもゆる思ひに袖ぬるゝ哉知足
一見初にし君にこゝろの思ひ川底のふかきをしらせてしかな歌長
見そめては胸に涙の瀧なしてなかれもあへぬわかおもひ哉
徳島
大坂
見るからにやさしとかさすいちかさは袖のしくれのはしめなるへし久雄
見るのみにひともならはいかにせんこひしき人の月のまいすみ
凪草野集恋雑
見そめては迷いここゝそれ罪仏ももとは患路のやつこなりけん
けれは猶その侍の身にそひてふたり前ほと物おもひせり諸春
見ぬほとは見たく思ひし君を今見れはいよ〳〵よさる宮かな
よる光る玉なす君を見てしより中々君の闇にまよへり砂
思ひたえて目はふたけともくるしとに見そめし人のいとゝ見ゆるは驚面
見しさに人めの垣をへたてにてをることかたき物おもひの花松嘯堂
一目をとちて右ましとすれとかもりけの心に見えてわすられぬ
越後長岡
脊なりのみ見するはつらしねたにうちてこしろを見くらせかや山入
恋
見てしよりあやなく袖のひちぬるはしくれ桜か一君りおもかけ家住
いはてのみしのふはくるし恋草の下葉にしけれ露のみたれを清風
ほしきもの泣てこひにし髪にさへしのふ涙そくるしかりける橋住
涙さへしのへつうへになかれすて袖のうらにそしみ入にける桶樹樹園
恨
しのぶれとうきゑは早くたつか弓いく手上手もとゝめかねけり明一
一草のはの外へうき名は露ほとももらすなたまに結ひあひしを
兵庫津
わかなけく泪の川の水上はしのふこゝろのふち瀬なりけり玉彦
越後神田
一しのふれとあらはれやすきならびにて出る涙もとゝめかねけり巴流彦
沼田
人の目を忍ふ涙し心ありておつれと袖の綿にかくれつ国海
館林石勝改
陸奥にありといふなる山の名のいはてしのふ事恋もするかな高
村
同大陸加津
ゑふれとつゝみかねけりむなせる袖の涙はまろひやすさに
機
十日市
胸にとひ胸にこたへてあたしめをしのひてたとる恋の道しは末
広
米沢在江戸
涙さへすその煙にむせひぬととひぬる人かりしのふくるしさ春繁
恋
松坂
思ひきや身をくたきしもうき中につもる恨の数ならんとは孫
うらみのみしけりてつらき心こそなけきの杜の木に笠なれ弘影
つもりたる帆の山の高きをはおつるなみたの瀧みてもしれ
草野集恋雑
大臣の松はものりはうらみてもうらみかひなき我かたてき扇松垣
恋衣かへしていねんよしもなく胸にうらみをたゝむはかりそ俊久
つれなしと袖ひきとめてうき人の衣をこにもさきてうらみん
海山とつもるうらみはひとかねの枕のちりと涙よりこそ種成
からむれはいとゝ涙のもろきかな兎ともならん心には似す真袖
錦木に角ふりたつるてゝむしはうらむる人の魂やなりけん酒の屋
人をわかうらむる程に人もまたをおもはゝられがしらまし南向堂
わか恨み一ことぬしにしらせたやよしいば橋の契り給とも山人
一中々にうらみなからの計仕事いらさる人の袖もぬらしつ梅業
うらみつゝ袖にあふるゝ泪よりつひには床の海となりけん赤顔亭
ひとりぬの床の枕のちかひちはつもるうらみの山となりけり
うらめしやよそに心をうつせみの人は涙かり袖しほれとか知足
雲となり雨とならんの空言に今はうらみのはく日はなき真津丸
熱田
つれなさをいはましものを歯め根さへあはぬ恨みはせんすへそなき
恋
新
一かしこみてぬかつき妙るを恋いのる神ははちぬとおほしめすらん菩成
一末のやとなれりやみわの神杉もいのるこの身にしるしあらぬは志都丸
いのりつる神のめくみに榊葉のさかゆく中そうれしかりける市住
たのみなやかもの神経いめれともいつをあふひと限りなき恋薫亭
いのるわか言葉のかへしきかまほしあふむ石ある神の恵みに市住
あはしよの神をいかれと手向ぬる針もつ妹か心根そうき秀麿
あふ夜はの数かさねてと御祭につくまの神をいのりつる哉仝
恋いの事神の庭火にたきそへてなほもえまさる我おもひ哉博菴
柏手の音のふたつを妹とぬるまくらに見んと恋いの事な
ねきことを神もうけすやうき君の松雲の獅子と後むきしは琵琶竜武彦
明草野集恋雑
常陸帯それをかことにいめらましつれなき人もうらかへるやみ其鎮
うけもちの御名をたのみにこの日ころ心ならすも恋いの事かな月雪
祈らはや珠数おしゆみて恋人をわかたまのをのつゝく限りは菊寿躬
一くみとりてあはれと神もおほさすや水きよめしてゑいの身を金雄
一天照す神に祈りしかひありてこよひこゝろの響もはれけり松門
うけもちの神やいのらんかさおくるみは手にたに君のとらねは諸照
あふことのよしかたからはしはしたにわするゝ折をあらせてよ神真彦
ひとりねの枕につもる熱にしも交はる神にあふ夜いのらん白主
うき人の心つよさに今はたゝたちからおはす神をいのらん
三七月の日類かさねていのりしをあはぬ日数に神やうけけん三蔵楼
神々にいのるを見にしらせんとしめひきはへておくるむけり清風
風の神いさ祈らまし枕辺につもりし亀を吹はらふやと清根
一月
中々に祈らさりせは神らをおそれおほくも恨みさらまし時成
鬼やみて今ははかなき命をもあふにかへんと神いのるかな
それとこにしるしもなくて過つるはいのるをよそにみわの神哉仝
祈りつる宮居の鈴の端もけふよれてあへるは逢いんしるしか真波
し心の紅葉手向てかくはかりいのる心を神もうくらん道人
一しのひつゝあはんちかひに祈らは也人めの関の戸かくしの神田崎
暁を告るにはとりはみてよとこよひいなりの神いのりせん百草国
君にかくあはまくほしと南の手をあはせて神をいのりつる哉
うき人に猶あふ事をかたそきのちきりたかへと祈りやする巨森
かくはかりあふ夜またきに明よとは朝日のみやも祈らさりしを吉女
百たひのあゆみをさしの片むすひとは神垣をいかて新らん花遊
一筋にぬかふ恋路を百すちのさしをさゝけて神いの事かな春母
同一草野集恋雑
待恋おりひせくたきつ心はしつめてもまつ夜むちる泪つらしな陸洲国
まつ人のきまさはとかんとけよとや心ありけにゆるむ我芋浅鶏菴
わる顔にあふはかりにてぬり枕まつ夜は君のかけもうつらす諸照
かきかくるゝ成の返事ははつ花のさかん殿より待れぬるかな明澄
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君まてはくるゝ間おそみ雨雲のあしはやかれと思ひつるかれ匡博
来ますやとことふ様にならすはは君にものいふきちらいはまし長樹
まつ夜はゝつかたちかみ燈やゝもおもひのやみとくらくなりけり清風
中々にからみかさなる也かりなりふたつ枕に待あかす夜は其都丸
さゝかにの壁をつたふはまつよひのしらせも夢にならんしるしか三保雀
いをやすくねなは夢にも見ん物を仇によつ夜そあけてわすし○千代浪
なか〳〵に詩あかしつゝ夢にたに見ぬはうらめし君かあらかけ
日数をもまては待しを来ん夜はにしはしもまたていつる涙か
来ぬ人をこよひのほにならはせてかならす侍にとはせたきかれ
まつ夜はたねやのともしてかきたくら思はぬかたの空も見る哉一粒齋
空見つゝ人まちわふるさき歟受てぬれにし袖をなかめくんなる幹文
結城
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中立のわたりたのみてせるふみのかへしまつ間や瀬田の長橋菊英
一舟底の枕ならへてまつ夜はゝ恋のみなとにいる心ちせり文寄
夜もすから目もあはせすてまつになとつらきめ見せては藤君女
うたかひの空くもりけり月まつと人にはいへと君をまつ身は久影
ねつおきつしひれきらしてまつ夜はの枕の飛もくなきかな人成
待わふるわか物の雲を実路こん君かあかし小なすよしもかれ
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風草野集恋雑
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一急風の身にしむるよりあこかれてまたるゝ室のはつ子そかし弘歌
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うらめしやまつ夜はあけて我耳へこんとつけぬる鐘の音かうき竜園
君まちてふけゆく夜はゝさむしろにおきところなき家身也けり晴明
来ぬ人をよつ夜はふけてともとをかゝくるやうふもゆる胸かな亀世
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佐野田島
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おもひ入る心のおくの深山にもしのふ涙の滝はありけり
下総桜井
奇海意
怒鳥の跡なりふはかりそたゝのみなるあふことなみのはなれ小嶋は都曲国
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静
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こひの海ひろふなみたの真珠さへなきあるす目の毒となり春交
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床の海しくみてふかきおもひをはいつかは君にはかりしられん真都丸
恋の海みるめはしほのひるまより浪のよるをはたのむ也けり清風
鳥となりてわれもうめまし恋の海つもる枕の声はこひつゝ群雄
藤木
かくはかり深きおもひの海やしも君を見るめのいかてなからん
立かれといまみの海のいなまれて胸にあた浪たらぬ日はなし数照
あふ事はみるめにたえて恋の海袖の湊のかわたるそなき由久良
恋の海かにもなきさの真妙路のあともとりする水芝雲子き木
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一恋のうみ泪の玉をそれふりにならへてつらき人に見せはん光明
こひの海器を見るめはとりおきて人のみるめは何まにからせん
魚の海ふかきか中にをり〳〵はうき世の風に浪立そうき定隆
寄川志
一せきあへぬ袖のなみたはこる痘の岩きり通す瀧川の水満盛
草野集恋雑
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なみた川そのみなもといつもりたる思ひの山のおくよりける
一あふ事もなみの小川のうもれ水今御影たに見えす也けり一蝶
一袖ぬれておもひにしつむ涙川いつかほす日のあ霞あらめ一粒斎
いひかはす川瀬の水のかれ〳〵ていよゝ思ひの高浪左衛門隆洲国
瀬をはやみ行けと思うつ川浪の立もとりつく物をこそ思へ金
いまいはや水のまともきえはてんあふくま川の黒川の逢瀬ふけれは
うれしても君にあふせのましの川いはと柏と替りかためん梅里
一忍ひ出るなみたも今はせきあへす音にやたらん恋のやま川寿菴
思ひ川しつむ心にうれしきは妹に重祭のはしわたしせり歌雄
ゆく末をなからの門と契りしに橋たにたえてあはぬ君な枕山亭
かくて世に埋れはてなはたのみ来しあふくま川の名そ恨なる
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流れたるうき名に中をさくら川前に嵐のあた浪草こつ教訓亭
おもひつたえぬ涙に水まさは人めのゐせきおし流せかし居鷹
寄木恵
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わか思ふ心にそまぬ君や何木々もかはたれはそまか習ひを東哈杜
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はつかしとかむけし花の紅葉より妹か心も色にそみけん千糸亭
以上野隼意雑
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うれしともわか恋風になひきぬる君の心やはるの青様蓑楽
ちよまてと契り給ひて色かへぬ妹の心そいはしろの松野入
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わか野のしくれにそまぬうきへのこゝろの松やいかにつれなき
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西思ひを人こそしらねな来のくくるはかりに恋したふ身を広躬
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一くさらにえにしをきりのつれなきたゝつまひとゝならん心ぞ市住
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あふ夜はたうのめたりのめいとはれて鳥目ならさる人はにくしに津知久
ちりつもる枕に夜母ふきあかす身はひとりねの恋の山鳥花蝶
あふ夜はのまくらの道てちよをへてかはらぬ詩の詩の羽やはらはん器楽菴
一まつ夜はゝ床にうきねのはなれをし氷に道のたゆる心そ今
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恋の山おもひにもゆる胸の火をはむてふ鳥よしはしたふ好雛友
あちむらのさわく胸をししつめつゝまつ夜あし間に人のこいへる寿菴
わか袖はいかてかはらぬ鶯のなみたもとくる春のあか世に弘影
浪枕なれたるをしもおよはめやみつもらさしと契り中には久留丸
一秋風のたつともしらすいひよれは身を投きゝひといらはれにけり一岱
旧草野集恋雑
あひ見さる月日かそへてなく我は花をよそなる旅の草静
一明つくる詩もなか〳〵またれけりあすあはんとの処のしらせに
一おのかゐふ闇をのこして衣々のわかれを告る鳥は恨めし芦村
有明の月ふわかるゝ悲しきになく身や恋の正いとゝきす梅盛
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五章の雁の文字さへかへりこぬ君かとこりやいかにはかけき
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十二
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はてしなき旅にはいよゝゑひにけり酒うまやちを日母たとれは毛衣
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一章
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菊丸
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ふるさとの妻を思へは笠あてのふたり枕も身にそ覚ける
前橋
道つれのはなしにのりて旅駕をおりてうさをもはらしてそ行
藤木
一岱
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一居村
野田
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松風
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一杣木こる音はかなしとむ松をさそひて風の琴せいくらむ花妻
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老人
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ひぬれは花さく春も寒けくてかしらの雪に登籠りしつ緑
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一ひらくは火鉢にうゑし翁公にかるゝやうにもおもはかな鞠貝
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一菅笠をふひてひさけるまき人も世の雨露をしのかんかため真倉
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さそふ水に玉やをさかせてうき草の根なしことをも出るうかれめ白土
一応草の露やしけらん行かひにきゝつまからくさとのうかれめ一の屋
一趣波江のあしのかりぬの一夜妻浪のまゝへらの所さためす独楽斎
舟底のまくらならへて床の海あそひは客のかちを社とれ花増
かはす夜の花とともふくせちまて客ゆゑかはる里のうかれめ月守
年の数しのにあそひか。心からまことならすは指やき事らん楠住
恋のくにあひては中るにかさるにしきをなて遊いめ光煉
不解葉よし野たつ田と名によひて色香あらそふ里の遊いめ真咲
一川行の身はなかれゆく痒かしからみかたる人もあらすて広躬
一重となりなとならんのかね言も夢ときえゆくうかれ女房直丸
かそいろの為にしつめる川竹の君はなかれのうき名らからん静雄
いへ草野集恋雑
うかれめは月日かそへてをる指の親子一つにならんをやまつ影俊
遊女か数かく恋のたねふみに末はこかねの花やさくらん小松園
元服むさしその草の緑や末とほくいはひておとす前髪の跡自
よき人になりぬと親はめてにけり落して見よき鬼の角髪
初かつをいはひてやらんえ腹にゑほし親たに賤はとらねは無染
いかにしてふみなれぬらん外にいてぬあそひは恋のしけき山路を檜園
檜月菴大人撰
一当座燈下夜話
十五
ともし火の子にほはせてつとふ夜ははなしやみさへいりてたのしも千捨菴
つとひけりねよとのかねの声にさへちらぬあかしの花の下かけ梅屋
一ひらくのむかし語りをめつらしみともし火さへにまたゝきもせす檜国
ゆたけさに鄙もつとひてともし所のくらからぬ御代の噂草はん檜月菴
狂歌草野集恋雑之部終