六々集
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- 臥龍園選
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- 臥龍園選
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- ロクロクシュウ
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- 東北大学
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- サンジュウロクカセン
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臥龍園翁撰
狂歌六之集
花園連蔵
三十六歌撰序
きやまんさい〳〵のきよらなる籠さいこのめとまる
するもの細かへのきら〳〵しき不許もこれもふるされて
け太さにきはさへみるさへけるさくされたるかたに
こゝろれうつしあかすうたよむ連日菴梅貞ぬしかいさなふ
まに〳〵硯の海の衣たにおりたち名に聞えたる
歌僊貝ひとるゑろひふたつ棺につら
みちたりこれそしるへの人ありてうせたる釣たり
えたらんかことし
葛飾市中隠士
臥龍周
三十六歌仙作者姓名部類
小西氏
人丸苑園亭麟馬東郷日本坊
人丸
東都日本橋
野州雀宮
号常総庵
躬恒算木有政
東都神田
家持呉機織芳東都神田
勢州桑名
松本氏
一圓憲文字九琳
業平一円憲文字丸
ブル
素性法草庵素仏
野州日光
号龍吟閣
東都浅草
号浅紅園
号浅紅田
△池勝躬事
猿丸
兼輔千枝梅満
兼輔
東都著緑亭
別号星林舎
東都本所
渡邉氏
敦忠桃台継穂
公忠春道梅貞
東都宮崎氏
号連日庵
貫之
花廼邉雅樂雄
東都深川
久守氏
久守氏
伊勢
春梅時
東都馬喰町
号丁々亭
杉村立
赤人
下総飯沼
号尋蹤亭
遍昭属鳴陽鳳陽
野州日光
号一釣翁
賀満守
友則
東都京橋
号八木亭
小町勢飛久人
東都本所
号桃源舎
朝忠花道文
東都浅草
号春草庵
一魚市丸
高光
東都深川
号盈車亭
東都青山
号反故堆
忠峯水茎跡成
斎宮
三界堂無闇
野州日光
号三田子
武州堀之内
頼基参都法師武州堀之内
号九曜堂
宗于
砧音高
号月下亭
東都浅草
重之都月照
都月照東都浅草
号秋光亭
東都神田
歓行
雄風舎梅綱
澤谷氏
勢州桑名
信明紀永雄
一紀永雄勢州桑名
号寿園
清正
奥州仙台
一柳絃亭唐琴奥州仙台
順絲唐丸
経唐丸
号千梯亭
興風
豊年舎実野刕宇都宮
二豊年合実野病宇都宮元輔歌友廣東都支新綱
号笑廼屋
是則
東都本所
一寿万守東都本石町
則壽万守東都本石町元真俵米寺東都本所
号花咲菴
小大君
東都外神田
佐龍樹園千代成美濃重瀬仲文守川捨魚東御林神田
号玉清堂
能宣
置壺龍堂行武東都本町忠見安玉亭数成東都本所
兼盛
衣盛大枝梅龍東都久保四氏中務唐歌美左古東都愛川氏
通計三十六人
号春江亭
鳳鳴閉
風鳴
ふり残す真の雪かと
見る草伝に
雲間にしろき
いたゝき
物
星林舎梅満
みよし野は花世ちりひち
ちりつみ高し
たえぬ山と弥蘇寺礼
春草庵
道文
えりほと水寒比に
酒の酔料画て
ころもの方良に
見類玉あられ
春道梅貞
ねぬなは心
流しもち
ほと
うた閑就亭
我からそを
ひける
あし鴨
八木亭
啓仕来たる冬はこゝより
あかりけん汀にならふ
鴨のうき沓
おなし九
なは我女のふとんの
麻豊山住は
銚子の果計ひ
きやらの
たきもの
きも
二
南涯
尋翫亭村主
おほくと母見るかひなしや思ひ寝の
こまくらのちりとさしの婦み
梅
満
宮九しき花の下紐登かせむと
けふ
恋くの
万両
水たね
初る九堂祐
初る
笑の屋敷広
恋の淵ふかさはあちらから
おくる千ひ呂の文もおよはす
可事しけ歳太ま断
真砂をつきいれて
なほ磯城こし末の
花つくらなり
朱楽菅江
守川捨奥書
柿本人麿
廿九円亭群馬
見し花の雪の
したえみいか
にせむ今は
夏野としける
恋草
可事志公歳太まの
真砂をつきいねて
なほ磯城こし末の
鶯の名事なり
朱楽菅江
守川捨奥書
柿本人麿
十九園亭群馬
見し花の雪の
したえみいか
にせい今
夏野としける
恋草
紀貫之
本の邊雅楽雄
来るときそ
さゝちの駒子
はたても
へさわするへ
かへさわする
雪のよしら。
凡河内躬恒
常総菴有政
つ手ならきかま
入道
に
におこ
たる
おも
雨
ま
ろう
しくら
め
島に
十一日
五人附
(四
伊
勢
第2
勢一
三五
丁ニ高梅時
日のいゆ
のいはるとき
日のいはるとゝ
のつれ
せき
鶉の刻
神よも
あかつきの空
中納言家持
桃鵑園
織芳
はへ
同花に
させ新かし
きし東
いまし
まち
人に飛
めら
慎斎
山邉赤人
尋蹤亭村立
りたさそ
盛たさそ
のよしのに
ゆきの不敷
是ちゝに本
風露ゆえ
のやる
在原業平
一円番
字字麿
きぬ〳〵の袖
の涙に
影わかつ
もの
かまらは
連り
ともなれ
地介
⑤
僧正遍照
鳳鳴閣風鳴
覧しらぬ
きぬも〳〵山
の横雲は
やみに北水
のから
素性法師
法学庵素仏
あまもの
ならぬ
こゝろは
あり
なから
わすれて
鴨の
あろふ
芹川
酒艶
紀友則
八才亭満守
我たまは
なから
丸まし
君かもとへ東
ゆかぬるちなき
南涯
猿丸太夫
むねの火もとえ
にきえけりさら
さらとひとふて
かける水益の話
浅紅園勝躬
地介代
小野小町
桃源舎蔵久人
したま
の関ゆる
さる事
あふ夜半は
かぬを
ぬかる
関の端
中納言無輔
皇宋舎
此文事
梅ま
高之
い一
くる
けて
鷹の
この
けりと
あらし
同い
七日
小鳥まな
鯛
二十三
雁
中納言朝忠
ゆきのみち
次らき
そめたる
御神の
あかきそ
杉田彦も
春草庵道実
中納言敦忠
つく
太る事見え
雪の
つそるも
らの親の
せむせ
かるゝさ
もかさにも
桃庵継穂
南涯
藤原高光
ならぬ
人かしぬ
畳奉之
市丸
音のさしの
さしむ
甚
かなとも
出し有之
手わた
源公忠
南涯
連曰庵梅貞
さはら納紅葉
魚よと春故も
たはす貯はるし
魚の朝市
八十四
壬生忠岑
反胡作諸成
ありたらぬつ松の
ふりは
けしき共
ここえち
いろそへる
きおきなふ
雪のしら鷺
齊宮女御
幸湯
三界堂ちり頃
無闇ちの山
よみ歌のちから
いれても
てこかぬい
まもにあその
大中臣頼基
義吉法師
和歌の神けふ
もいのりてう
氏人宛この谷
の鬼□東
理比し歟
綿也
源宗干
十四日
十四
恋すてふ身を
しる雨も
ふる池の
いひ出
いひ出同
年とて
て
なし
さわね
高田
一
四十四丁
源重之
永光事
同晴
達す
達すみ
つら
あら
あらるのうちつゝ
すらす
藤原敏行
すむきはむへ
は所の日夜
徳大寺伝と
東おす聞有
あその空
惟風谷梅細
本州
□□□□□□□□
源信明
紀永雄
そあまた
のちるや
ける名高
そう
病の見え
たるなし
のやまな
藤原清正
柳弦て唐琴
流さし東
ちから
病よで
出しぬらむ
ふねをむ
ねの
やはの
松よく
幸根
尋
源順
于柳
亭
唐丸
之津
らみに
ぬけ出て
より
蝉の
から
もにも
山は
にき
のね
あらぬつ
藤原興風
豊年
すり
かなす
舎実
ふえに
つかれて
さゝちつ
給ふる
ともら
火
ゆゑし
われ東
おなしく
廿一日
て
十一日
甲甲
清原元輔
かとなる
猫さへうらて
にすえも
夢の丸友序
ひかれさら
なり神の
十日
坂上是則
白毛舎万守
中に
火のはなたの
いとの句仕事
ぬひさしてよむ
狭衣のふみ
増幅
藤原元真
このころ
なかな
かくも
花咲菴米守
われとわか
名にも
すちの
あらしやる
小大君
龍枝園千代成
こゝよすな様にそ
松か元是戌か
さしるの
さしよの青
徳島
藤原仲文
慎斎一
む清堂捨魚
供しさはましろ合せり
ねて見てもな中の紋は
ひよくな
大中臣能宣
さゝろ
なき
人も
はゝ
きて
すにけり
しち
書とは
なき
もの
あけもの
壺
龍
堂
行
行哉
□□□□
壬生忠見
十四
安正亭数成
かり初の
言葉
廿八もみになりて
いまゝるよその
汗とえなれ
平兼盛
百花料
梅龍
流
しの
□□□□□□□□□□□□□
河
け
もは
より
紅葉の
けるのちの
三しける
十四
中務
春江てはさ六
はかゝせて
刀身にて
し
ますかゝみ
うはりやさゝきそ
同いとけり
右三十六首依写
窓京真人ツヽ
同二
間
板間もるよくのあられに驚きて膝にころかす吹からの玉
春の屋成丈
さゝの葉に風のあられのかしましくさゝらの小野にさゝれる音
むら愛のあなたは自のすみよしやあられ松原霧たはしる
一北斗春うる家の軒の玉あられむらかる星のめくるとそみる
日光
風花のつほみとみゆる玉あられえた雲ゆれてふりおとしけん
真紫たくゐろりにきけははち〳〵ととらぬ梢は露ふる音
西来居
仝
風鳴閣
歌春亭広樹
連日庵梅員
こつけりと雪にたひ寝を羨みて露ばつらくあたる六升
花咲菴米守
えた雲を風のゆすりてふりこほす霰はむつの花の莟か
鬼の目になみたの玉とこえにけり瓦家根からおつる処は
日光
雲にすれ風にもまれて物かたき処もいつかかとはとれにき
松梅亭商人
法草菴素仏
梅貞
湯のためる音は肝端の松にしてあられふりこむ冬かれの窓
うくにすはまた来ぬ竹に声ありて玉をころかす敷かしゆし
長生館春明
西来居
雪
山ふきのかれ枝をることはち〳〵とふれる処の玉川の高く
白玉かなにそととひて手にこれは露とこたへて霰消にき
あられふりかしまをとりや手あそひの島万度の音に聞ゆる
小はる空鶯袖のをとめ子かひろふ処に玉の声あり
むつの花やかて摺にさかせんつほみめかしてふるあられかな
あまか子は庭のあられをひろひ上て玉とりえたるけしき有けり
あまつ風ことはれはおつる玉あられ月のかからの実にやあるらん
ふきまはす風のくゝろにさからはてものにかとな〳〵つもるしら雪
一冬のなのかたひら干旬はいかゝみる夏も小袖といひししれひと
をりたかる雪子をらせてさからはぬ暮の心そすなばなりける
つき山のかひより池になかりぬと雪の柳は音なしのたき
我親のこのむ学らんの霜よけも竹の子なりの雪の山上へ
日光
織月亭友雪
常養肝糸正
丁〻高梅時
同夜々台
銀花楼は津枝
人万年
晴月堂正澄
壷竜堂行武
至清堂検魚
素仏
水鏡亭梅三原
成丈
下をれのえたのわかれにしられけり琴の緒たはし雪の山まつクヂ
この花の梅屋をさして向しま冬こもりせぬ雪の友とち
寿岡永雄
春草菴道文
花とみし雪をわかせる茶釜よりしら雲らしくさつ煙かな
つまさきも雪にかちけて琴やつむ松にかけかる猿は芸なし
浦つたにあかしのかたへ須磨琴のいとひと筋の雪のほそ道
そのけしきよし野は山にやまとうたつもりにつもる雪の御ほの
名に匂ふ橘寺にふりつもる雪も左近のさくらなりけり
はきすてし従者か麁相にあるしまてけし花のかはる初雪の庭
仙フ
わらはへもこのむものこて雪の日ははねる竹馬ねる布袋竹
日光
むら雀ねくらとるころ家窓の雪にねてみる竹とりのふみ
こゝつくはつくれと雪のあかるさによる目のみえてふみまなふ意
枝のみとなりし童田も雪の日はもみちをちらすとりのあしあと
遊水楼川船
花の辺雅楽雄
西来居
鮭梅肉梅俊
枕台佳穂
柳縣林千條
素仏
仝
旭峯高
花田庵袖成
社迺屋仲貫
生も山もふりつむ雪にすみかまのけふりは空にわかる枝みち
八
反家堆跡成
冬かれの柳に雪のふりつめはしら糸といふ瀧にそのまし
わきも子か酒あたゝむる黒髪にほた火の灰もつり雪の夜
ひとつかみ礫と松のこふしより山のひたひへなくる雪うち
恋られし雪はよの間に土近山のまゆねかきたれふりつもるらし
日光
けに降りしかつさの雪をけふ江戸へつれ出してくる押送り舟
素
ふくけのみはなきものとおもへとも雪のふるよはほしくこそあれ
イヒヌマ
また春へかくりされがとみよしのやよしの山の雪の初む
仝
尋蹤亭村立
雲の早年ごえてしくれの山めくり日夜ふりつむ雪の白川
仝
雪窓菴文守
はり土とたわめる竹の雪おちておきるひやうしに逃る山猿
赤心亭直幹
日のさしてふりやむあとはつむ雪のきゆるあしうの水色の空
スタミヤ
常総菴
さのゝめたり今そ昔にかへり尤雪に咲せし梅さくら松。
にはる雪水からなりて又水にかへりむともめつかはつ雪
勧学亭福良
久ナ
ひらのねの雪のけしきのかけにさへ疵つかしとや浪来るらん
一円窓
ヒコ子産
くすりには肉をくらひて雪のよの寒さをしのく獣の炭
五足斎長守
とふもかしとはぬもつらしむさし鐙ふみもやられぬ雪の白妙
一皐月庵玉香
久十
しら書の初尤おそしつほみともみゆる処のいたくふりては
菊児堂笑丸
伯のある世なりけり奥山はしくれ月よりふぬるはつ干匂
十コヤ
ふまるゝをいとふ心かをり〳〵は空へもてゆく雪の山かせ
仙フ
竜の屋
弱水子
帯にせる納谷川もふる雪に一すち黒し吉備の中山
柳絃亭唐琴
をれかゝる松をはらふに跡つけぬ思案出かなる雪の庭もせ
雨紫菴千春
肝ちかきみねの松風音たえて雪に声あるよはの山さと
仝
あかつきの烏に道をあけさせて鐘の音かよふ雪の山土す
ナコヤ
一竜雲周梅房
春日なるならのみやこの三笠山鹿の子またらの雪の下くさ
碇綱丸
ときは山ふりつむ松はいろなくてみとりをのこす雪はれの空
百花魁梅竜
松梅舎志丸
をしますにたいてあたれと声かけて雪にをれたる松のつくり枝
三輪舎外盛
初雪はわつかふれとも加哥の浦うたよむ人の足をとめけり
在京
山ふきの色め〳〵空にむつの花花にはなみる雪の夕くれ
春遊芳三千草
キリフ
雪達てつくるわらはかあし跡に払子を投る庭守か宿
手すさみに兔つくれるかたはらにはねておとろく雪の冬春
手すさみに兎つくれるかたはらにはねておとろく雪のなよ竹
一星とみる霞ましりにふる雪もこりかたまらは花なるらん
桃花枝
峯高
年迺屋百雄
霜よけの琉球こさもふりうつむさつまそてつの雪の白たへ
枕つきし松をわらはんかれ柳ふり支夜なる雪の加賀この
うもれ木の花やもみちをすきこみて花の芝にふりつもかまゆ
アマ
壺仙楼積方
松のはにそつとつもりて枝ををる力のみえぬるさのはつまゝ
八木亭
のきはまてふりつむ書にけふひとり我もこたろへなめられけり
松ををるほとものはもたななりをさなき冬につもるしら雪
行武
すきし春むすふ者をりもふりつみてまよふやむろのほの吉帰路
菊の屋芳香
けぬか上にまたもふりつゝ笠とりの山けんのみの雪の夕くれ
けぬか上にまたもふりつゝ笠とりの山はんつみの雪の夕くれ紀有竹
ふりつみて下ゆく水の音もなし瀧の柊の雪のしらいと
膝友談合
松風もあしの葉風も声なくていはぬ色なる雪の大二て
西来居
しなり路はよそにさきたつむつの花八二里に咲とも毛とこらなれ
薬酒亭と盛
はかしくも梢をはらふあらし山落ひみちんとつもるしら雪
真金ふく吉備の中山みあくれは二てり黄かねや雪のしろかね
継穂
仝
一尤のころいとまとらせし紙子をも又りさぬけりけさの初雪
下毛水官
豊年癸実
つむ雪のおも荷さゝけてちから足ふみたるさまや根あかりの松
今日ノ八三マ
のゝ字楼丸堤
雲の袖はらうてちるとこり雪もいつしかおのか袖につもなり
秋光亭月照
片をかの達雁をつくる雪に又われも半日飯にうるやたり
在京
万万方善五郎
鴨
おもしろし〳〵とてうか〳〵とふかくふみこむよし原のゆき
くむ酒の成屋の菊に湯とうふの紅葉も白き雪の夕くれ
なましひにうたよむ友をさてひ来て夜故となしたる雪の白紙
かけとつる柳もかれてあし鴨の是にいとなき波のかよひ路
なみまくらゆれて磯辺はねにくしと沖へのり出す鴨の浮船
もたせや寺見舞ものさへとふさうに羽かひへ首をいるゝあしかも
竹うつる松の花と木の丸木橋川水かたるかものうきとり継穂
かけかつる松のひと木の丸木橋川水かたるかものうきとり
あつか川木の帯はしめなからかけはしまらてあゆむあし鴨
一輪後先とみえてたふとしさしむかにあみたる池にめくるあし鴨
名にしおふなつみの里はあしかもの古羽にしける冬の枝川
池の雨のうき寝のかもの身ふる口によはの寒きの程がしらなく
玉声食照正
いからしのたはこのけふりくゆらせは水にわをなす岸のあしかも
あらし山あらしふく日は大臣川ちる木のは舟かものうきふね
継穂
なかれくる一すちの矢におとろきてみつよつふたつたてる鴨川
松林今二葉
そのいろの緋と黄はめにもたつた川もみちのやうにあかきあし鴨
そのいろの緋と黄はめにもたろた川も毛のやうにあかきあし鴨麗〻打梅汐
うつまきてひとめくり又ふためくり三めくり近き鴨のうきとり
有くその馬をしかれはおとろきておそたてゝけり池の鈴かも
紅梅舎庭草
冬よれにみとりのいろは松のそかけにたてるかもの青くひ
梅員
ひえおろし波の鼓の音たつる浅つまに舟かものうき鳥
諸事
麻
切杭のそのほり池のあし鴨はかの僧正か沓とみゆらん・
ミヤサキ
壺貞楼千本
衣手にしのふの鷹のすかたみてみたれそめにし雁のもち摺
しつねし津枝
とるごとを鷹はかりはにめくらせとかるは千里の外に逃たり
とることを暮はかりはにめくらせとるは千里の外に迯たり鶏馬
こよみなきみやまの鷹のぬくめ鳥にかしゝかたはけふのふさかり
めりやつにつゝみて乳もかくれけり袂ある鷹をすうるこふしは
仝
暁
夕まくれけれゆく鷹は山に入る日の烏をや追ふとしもみんスチ蝶宿亭香橋
雄風舎梅綱
おとろきてたのもの鳥もたつか弓誰かはなちたる也かへからやの高雄綱
見
こふ寺の袖をはつれて通し手行それこうへらぬまりはの哥を
かハナ
ときしらぬ雪のしら鷺とりて毛をちらすもかのこまたらふの暮の
君につかふ道をいかゝけはいへつけりけりみえたるあかつきの空川船
風とともにはゝりてあしやつかれけんよこになりたるあかつきの雲
よみ重の帯をむつにてこととこいうしろへまはすあかつきの雲六帖園
日光
へにいりのはみかきめきしよこ雲に山のはしろくあけわたる二て
そめものゝ色もわからぬあかつきになとてこんとは謹のなるらん
あかりきよかねのにかるをこみ土遠く追ゆくやうな路の声かな捨矢
あかつきにかねのにかるを空遠く追ゆくやうな鐘のありかな
仝
おきいてゝかいなつるひんもみたれ諸つけのをくしめあかつきめ宿
ミヤサキ
よこ雲の袖にこぼりていとあかしねふたくみゆる遠山のまゆ
千本
月かけの氷をいたるあかつきはふもとへすへるあかつきのかね古書
在京
ぬは玉の黒かみ山のいたゝきもそろ〳〵はけるあかつきの空
亀
丸
仝
とりかなく東詣めくる夢さめてむつとはなりぬ暁のかね”
ア子カキ
雨香庵如楼
あかつきはともにしらけてきこえけり米屋の音にとうふやの声
日光
素仏
よるのものたゝめるころに山姥はひきしめてけりよこ雲の帯
人万年
山さことやかめしもみちのあけかたにちりゆくものは烏ひとむれ
春柳亭富夫成
かたわれの月のみふねもあかつきの一はんとりにこゆる中川
一琉練亭綾織
みつふたつ烏そめ出すむらさきの色美しやよこ雲の袖
紀有升
きへ〳〵ををしむんをはのこしおきてさきへわかるゝあかつきの干々
八木亭
舟底のまくらの夢もくつかへす風にゆれくるあかつきのかね
成丈
キリフ
あかつきにはれゆく雲もにくらしや君をやらすの雨はふらみて”
常磐守茂
ミヤサキ
山のこし帯となりたるあろきの雲やしのゝめとん子なるらん
千本
夕
西へゆく目のかつらをやすめかし此あかつきの明星か茶屋
あんとうの火かけもきえてはり穴の星も影なきあるきの空
胡椒たくよものけふりにふすはりてからすの色や黒くなりけん
一あさまたきまくらはつれて猿かたの日もおちけりくろかみの山
また花のひらかぬ庵もくみて出す朝茶に匂ふ春の梅エし。
朝ねふつむかふ木魚の音つれてすくるからすも黒染の袖
ナマヤ
さひしさに友とひゆけはさひしさのついて来にけり秋の夕くれ
まつほの底をはちうてなみたほと雫をたらす秋のゆふくれ。
つき山の木かけをくらく燈篭の日そまたるゝ夕これのそら
弓はりの日のむかひにかはほりの扇のまとをみする夕暮
あたらうりかよふゆふへは道いそく人かけもはや遠里の小野
たきたる妙もゆふへのもとりあし幸もらはこふかせのえた雲升成
たきゝわる賤もゆふ人のもとりあしにもらはこふかせのえた雲
山
日くらしの里にひくらしかへるさにこれもさくはしきひくらしの声
てる日のかゝみもいてぬ夕くれは人のおもてもわからさりけり
継穂
梅綱
尤やかに雲に入日はさしなからなにかさひしき夕くれの二
浅草紅紅
夕やけの入日うつろふ大けらは昼の末つむ花のいろかなクナ
クナ
あつつかふ水くみいるゝ夕くれは日かけもつるへおとしなりけり
仙フ
官雄
琴
さひしさはあくひをうつすとなりたになき山住が秋の夕くれ
上毛
クニミ子
久二三子
四
喬
にからすの宿もとむれは墨染の僧もねくらにかへる夕くれかな
今もなほいく薬ある印籠のまきゑにもみるふしのしは山
台ノ八シマ
みねの松なれかこはくに世のちりをすひよせてかく山をなせるか
おしろいの雪はたやさていつとてもたしなみのよきにしの山姫
なる泥の音にさめしか初夢のふしはかにみにみえす成にき
升成
もろこしはもちろん月の都にもちかつきおほき山はふしのね
仝
ぬけ有にゆたんをなせかありときくしなぬ前もこめくふしのね。浅
竹さいくするかのふしの国扇山てふ山の親ほねにして西来居
とことはにくちぬ迷理のえた雲もめをとの中にみゆか〳〵はねが一円岩
蚊火のことたつるけふりを肩もておさへたやうな有む月のふ二
うこきなき御代のためしそうこきなきににうたかめみにはふしのね徳
うこきなき御代のためしそうこきなき国にうこかぬ山はふしのね
ゑかくにもさくら紅葉のときしらぬ松てあしらふふしのしは山
をみな字と化し春よりみつうそのひはのなりたるふしの山姫
みちのくのこかねの外にしろかねの雪の花さへたえぬふしのね
老ぬやと立よりみれはかゝみ山また青ひけの苔の岩かね仝
田子のうらにうち出てみれは平かるた手にとるやうに思ふ心もね
みちのくのあねはの松の琴のねもきゝおほえてやわすれすの山
妹山や脊山にいつもすむ鳥は連理の枝にねくらしむらん
かゝみ山立よりこればとしをへて若やく岩のこけの青髭仝
□□□□□□□
むをまつ宿によしのゝ名所図会またみぬ奥はあすひらかはや
紺青にぬりしとみしはいかほとのしろにかあらん雪のふしのね
つくは山とほめにをとこをみなともちかたぬ雲の神頭巾かな
花鳳亭寐待
遠山のこしに二日のやとほとけふりてたてるよもきふの宿
壺月梅市住
空にきゆるふしのけふりはしかに雪の中よりたてはなるらん
梅原
水うみりうふ湯のまゝに垢つかぬ雪のはた人のふしのやまひめ
有うみのかふ湯のまゝに垢つかま雪のはくのふしのやまひめ人万年
十二ヤ
うき雲のあしもよろめく湯殿山ぬめりし女ヲや否の水あか
竜の屋
よしの川中にへたてゝ紀伊大和遠くてちかきいもとせの山。
平安亭七辻
みよしのも初瀬もはるかくたりみるふしのたかねは日のもとの花
橘菴
山この関とよはりふしめねにあしからかけてたつかつかな
松喜舎琴二
わけいれと奥のしれさるよしの山ゆふ日も花の中に落けり
一円窓
クハ
肉のこる青の化粧の不二良たひきえきはしろき夏の山姫
木こりちりやすむたはこのけふりたつかまとの山も裾ろひにけり
ふしの根の出しはまへにたかき名のふたつとはなき唐さきの松
一同一聯巻瓜
きえのこる雪はかつみにつゝまれてありともみえぬその条の山
さゝえから袖たいまつに底ふかくうつまいてほる権坂の金山
凹フ
よしめ山人にもあらぬかせの手にをらるゝ枝はひなからぬ雲
玉たつきうねひといふは耳なしとあらそふときの名残なるへし
下子刀某
一〆〆
杣人に道をしとへは阿の松を横にきれとそゆふくれの山
ひもみちめてゝそこゆる志賀の山さきのほる春染くたつ秋
世にたちてあらそふことはきくもうしとわけいる山もうねひ耳なし
太平
芙蓉亭英
木のなくもはたか山とはおもはれす苔のころものおほき岩かね”
川サエ
月雪や尤はとりわきためしみの奥に奥あるみよしのゝ山
一壷宴楼花巻
壷筆楼鳳管
答
日光
一結半切そのつきめともみゆるかな秋の花野の中のほか有
鳳鳴閣
もちのよにをつく秋のをみなへし野へは黄色な日の雪空
同
一素仏
としなみのよるはなほさらかすむめに文字のちらつくかけ給ふの小野
万守
イセカトリ
はてなきを春はかすみにしきらせて秋にも霧のみゆるむさしの
かたるにはなにたとへん犬むかしちひさくのこる今のむさし野
さひしさよ小草もかれて目にたつは冬の野かひの駒の尻骨
キリフ
壺錦楼文守
ほりねの井戸はあとなくうつもれてそここたにさへしれぬむさしの
聞
浅桑園
九
仙フ
裸山ある中にも青苔の衣かさねし庭のいはかね。
唐琴
ゆかにしてとうろうにみる春日かた三かさの山のいろのまは其
ゆかほしてとうろうにみる春日かた三かさの山のいろのまか書二三に
日かけみぬ谷の岩根のさふけさにかさねきをするこけころも哉
岩かねをつたはる蔦のもみちはは苔の花のかくし裏かも
跡成
在京
在京
朝うらをもえきかいきこいはねにもすくりさへよき苔のこゝつも手
亀丸
松
君か代をためすいは心は羽ころもにへらさしものこと吉やむつらんクヂ一円窓
さつまかた岩も上布の吉衣波にあらへはあらふほとよき寝待
たりぬきて君にかけたる吉衣あらひはえする岸のさら波
ふくうせにふり出しまにあらへとも吉の花のいろいかはらに麟馬
岩のきる香の衣は松の針瀧の糸もてぬふにやあるらん
色かへぬときはのこに色かへぬ松のみとりのいろのあをこけ絶穂
日光
酒中仙
千とせへんかけをうつして谷川に相生となる高砂の松
長生館春明
一長いきをしてもさなからにくまれつ世にはなくれる松のこねの長生館春明
おひたちていくよふる木の松かえもふたははもとの若きおもかけ
みちのくのあねはの松もんならは今もむかしのことをきかせよ
つらつゑをつくさまみせてふんつつのいつるも四十からさきのまつ仝
久ナ
にきはへる民のかまとのけふりにもたちならひたる荒神の松
燈
こからしに琴ひきたつる爪音はおいその杜のまつにこそあれ
めてたさは見付の名さへときはなる松も枝葉をのせる君か代
雀の子の孫やうしは子の末まてもかはらて宿る千代の松がえ
からさきの松のこはくやすふならん雨にあつまるよはの花雲
跡成
としへゆるすかたかはらて琴ならすあねはの松はいつもわかさよ
キリフ
花垣守住
めしくうてねたるすかたにみゆるかなうしになるてふ松のみとり子平
在京
亀丸
いかはかりくらゐあるらんうゑ木屋の松は車にのりてひかるゝ
ぬ臣んのしのひかへしか板塀に針をならへし植こみの松
仲貫
もみちははみねの梢を飛のきて松に巣こもる雀のいたゝき
松梅舎志丸
反聚りのさうしの目といふ文字をうちからてらす窓の灯火
日光
酒珍楼山々
にほひなき丁子はかせにちかしけり菊とう臺のともしひの花
梅の屋
とりいたすこてふの巻は菜たねよりしほる油のともし火のむ
弓
そのにほきうめにゆつりてふく風にちらつく窓のともしひの花
文机にふみよむよはゝともしきの花のもとにもならふうたん
日光
ともしひの花をしたうて来たりけん障子にあそふよはの蝶々
たつかふりいわし雲ともならはなれ魚の油のにほふともし火
つるしおくへんく草はさもなくてあんとうにさくともしひの花
いとふそよりのひまもるさよ風のふきなちらしそもしひのむ花田庵袖成
いとふそよ一基のひまもるさよ風のふきなちらしそともしひの花
クチ
窓あくるひまより入しむら雀くるひてちらすともし火の花
小山田のかしの間に袋蜘をさまる古代のしるしなりけり
さらぬたに白鳥の名にたつか弓矢もはねありて遠く飛ゆく
観音のちからをけへてひく弓の矢板も子の手に覚えあり巳盛
観音のちからをそへてひくコツの矢籾も千の手に覚えあり
ものゝふのとるへき弓を袋にてかつきものなる御代そめてたき
せんかくのきぬにもつけるのり前に天気のほとはよろしかりけり
書
手からせし先祖の昔はなしまてひき出したる金ほしの二ケムツん
丸
実をいれてよめは源氏の講釈も長くなりたる夕かほの春
丸澄
笑の屋友広
かりそめのしをりにはさむかんさしの玉の枝みる竹とりもふみ
ふとくなりほそくなるのはよむふみの註章なの意の燈火
玉にぬくことのはおほきものそとは古今のふこの糸口にしる
ふるさとをしのひておくるふみにすら路をかさる萩ちくの心半
たませと也其外ひておくるふこにすら跡をかても萩ちくの筆佳徳
かへ〳〵に恋の山路の木にもあらす草にもあらぬ竹花のふみ
心して拝すみなはこそこちふこの東鑑のしろかねの猫
なにかしりおくりし魚の外に又腹にをそめしふみもありけり今
さらぬたに老のねさめに秋のもの長つ本をもよみあかしけり今
ぼしてねすみそとちふこの東鑑のしろかねの猫万守
日光
むすひたる雪の縄のかたちをやさぞくのこしゝおらんたの文字
よみさしのあふひの巻にはさみおくしをりの房も二三になりけり
よみさしのあふひの巻事はさみなくしをかり店も二三文なりけり年廼屋百姓
三界堂
一年迺屋百雄
世にしけるつれ〳〵草はことのはのならひか岡やならひなきふみ
これもまたねふるき色の薄表紙誰さかすめとのみゆる庫本跡成
しけりたるふみのはやらに手入して道こそたとな唐にやまとに
水海道
榧の屋種義
人こゝろまよはぬからにやまとふみふみかんてもしれ道のひろさを
法帖に浪をうたせて石すりのしろくなかるゝ水茎のあと
五四蘇か五湖にさをさすもうきうをみて舟をごくんそおかしき
日光
よみさしてしをりにはさむ肩をもほねとなしたる竹とりのふみ
冬の歌数をよむ金はくつわの音たてゝ心の駒のいさむとしの夜
トミヱ
ちるもみちつからぬきとめてあらしにもやらしとやする垣のかたち
たつねみよ竹の火はしそねてをらん埋火の灰雪とつもれは
米守
日にちり雪に極のさからはてけふつく餅の花にをられつ
さふけさに紅葉ふみわけなかせけり山里をとふ鹿の草足袋
ウ旧
八重霞春
まねきたる秋はいろしかかれをはな袖口さふき冬は来にけり
赤心亭直幹
心なしをやとはぬころに心ありて坐禅に尻のおもき奉戸戸の
初心亭早丸
おきわたすよのまの霜に一枚の石となりたる楠の板はし
川葵
鳳管
冬なから春にもまさるあるゝかさ釼をくひたる埋火のもと
トミ五
連南
直段をも袖にかくして市人のにきるねさふき冬は来にけり
笠成
□□□□□□□□
山鳥のをの人ははれてむら雲の名をへたてゝふるしくれけら
溪源岸元清
ましらすむ山をきりしやすみかまのかふりも木から木を伝ひ行
日のあしもみしかくなりてけふよりは鴨をくふへき冬は来にけり
廣樹
美都法師
ゆくとしの花におくれて来るとしの花にさきたつ梅のまさき
米守
もみちはの赤地のにしきちりしきてわたしかねたる谷のかけはし辛
在京
一鏡ともみえてするとき日かけも落葉にくもる冬の夜すから
ふくほとはつもりもやらてゆふ風のよわれはたまる木の葉なりけり
かる也
丸
仝
春江亭美左古
一ひはのうみ杓子にえて春緑そのよになきるふしの高もり梅竜
ひはのうみ杓子にみえて春隣そのよになれるふしの高もり
あはる二に風におちはのまひゆくは雲にひはりの入るかとかこうる
一花雨みす萩ものいはす虫の声きりぬかれ野の庚申の塚房弘
尤もみす蘇ものいはす虫の声きかぬかぬかれ野の庚中の塚
をし鳥の玉藻のとこによる臣のまくら印か紅葉ひとひら
さきつけし萩や桔梗もおく霜子色うはゝれてしろき冬の冬の野八木亭
歌わかれ路はあとにひかるゝうしかは裂我やよりけん君やつなきし
ひとりしてふたり前なるもの思ひかけのやうにも恋やせにけり。
スヽ入ノミヤ
あふよはにちりはらはんと此日ころ思ひの山はひくしともこす。
我こゝろなくこめかねつ目みてもすてられしやうにひとり待よは
十二ヤ
たましひと思ふからみに我心うつしてつらき妹にみせたや
日光
思ひ草くちてほくるとみえねとも恋路の音にもゆる物の火
思ひ草くちてほたるとみえねとも恋路の音にもゆる腰の火
殿馬
あふ坂の一夢のこなたはしくるにまつに色なき人のつれなさ
自由にはとりなほしえぬ心より京の重荷のおもさをそしる
あはぬよの物うきときのなかめにはならぬなみたの瀧の白玉
うちとけてあふ夜はなしの海山はたつる屏風の絵にもつくさす人
恋の海心のそこのふかさをはおくるなひろのふみにてもしれ
こひしさの山また山とかさなれは胸もこりく癪の岩かね
イヒヌマ
村立
あはぬよはつらしあふよはうれしなきとにもかくにもぬるゝ我社
柳桜亭花成
恋の山ふかく入ては人しらぬかたくし雨にぬるゝそてかさ
小夜ころもたのめと夢もみえやらて目なるゝものは涙なりけり
おもひける恋の初顕は仲立の口ひとつこそたのみなりけれ
忍ふ身のなみたの露といふ文字にもひとつそへてあらはれにけり
日光
やるふみもひらかてかへす人はうし恨の数を我によませて。
三界堂
わつれんとすこしゝ酒に思ひ出してかたり出されぬ君のおもかけ
わほれんもこしく酒に思ひ出してかたり出されぬ君のおもかけ仲貫
よことおつるなみたの時にはりつめし胸はいはほとなる思ひかな
スメミヤ
うたかひの雲よりかゝる村鳴雨空にしられぬ袖しほるなり
クハナ
音のよの忍ひ車も人のめにたゝぬやうにとひかす黒牛
桃源舎飛久人
おもひ八日恋の山川越んとてむかうへわたつふみのかけはし
まつかゝみはこみしかねにおきわかれはめみおくるきぬ〳〵そうき
何となくほゝのふくるゝときもあり恨をふくむ妹とわか中
仝
かへされしふみからとはす溜いきはさけしき恋の山おろし風
スメノミヤ
あふときのうれしさにかへわかれ伝しまのわからぬ袖のなみたそ
常総庵
我かけにかにもおとろくかよひ路の目よ思ひの山にいれかし左令浅桑園
ふしひたひみそめて胸のかふりさへゆくへもしれぬ思ひとみなる
わたさはや恋の重荷のおくり状木幡の里の馬の便に
久十
君来つてまつよはふけぬ男ならむかくにやらん恋の奴を
あからひく妹かまぶたの朝やけもなみたの雨とかはるわかれち
あからひて妹がまふたの細やけもなみたのまとかはるわかれち米宇
君こよひ忍ひ来しより胸の火をうれしまに先けしてけり
君こよひ忍ひ来しより胸の火をうれし後にはけてけり繁人
かはるなよ仕立はしめの応衣えりいはひするよねのとしまて
優長庵恒好
よるのもの人穴にしてわかれ来し後の思ひそふしにまされる
あるのもの人穴にしてわかれ来し後の思ひそふしにまされる
かきはらふまくらのちりよくる音子をとかむる人のめにまいれかし
クハナ
香摘
かけはけさ狐にはませてみたれ髪ときつくるにもせなそゑしき
かきおくるみのむすひめしをりにて君がこゝろの魚を大ねん
恋の山是尾よくくゆるをりにこそ忍ふ人目はたふけなりけれ
なゝほやく勇のすてくさ捨られてきゆる思召の独寝そうき
そのひまにかくるはつらしやる文もおつるなみたにきるししめ十丁め十フ街
そのひまにかくるはつらしやる文もおつりなみたさきるゝみらめ十二
むねの火もきえて音なりあふよははつもるはなしもとかくつまつく今
障子くしかけのみを見て我恋は今に目はなのつかてくやしき桃花枝
桃花花
まつはうきものとはつらき衣こにくらへぬんのいひはしめけん”
うきまゝにたえにといひしわのをの延てうなしきあふよはの床全
たつ鳥とあちらこちらたわかれにしあとは心のにこりかちなる
ゆるへにはまなすなみたあしたには物にまたつ思ひなりけり
ゆるへには雨なすなみたあしたには物に干みたつ思ひなりけり
えたたわむ萩の哥より重荷とは錦木にしれ恋のみちのく
心はこともなるまはうかとはなされし蒲団の耳に想寿社口梅員
むることもなるまはうかとはなされし蒲団の耳に夜前袖口ゝ
東京
わけのほる京の山路にかちたきつ涙の瀧は袖にしれかし
銅きりのふかき中とはなりにけり恋の山路にふみまよく入身の
かきおくる文をうしろにのるかれて邪二なんめも封しこめたし
うはかきはわさとかたなの目釘竹文のなかこにしかとさせとも
思ひあまり心ひとつのおきところよき仲立の胸もかりたし
カヌマ、
きけはこそ心せかるれ鳥鐘のこゑなき世とのあかつきも哉
我恋は中のころものなかくにあひても肌のあはぬ君かな
なかれゆく浪の川の水上はまくらの山の峯にこそあれ
こなんをまつにかれ野の舟ならて恋にこかから琴の浦なこゝ
こなんをまつにかれ野の舟ならて京にこかから琴の浦なみ早丸
スタミヤ
いもかきしもやうの千鳥うつくしとほめてうき名ははつとたちけり。
雀春子
なみたせく袖はうらみにくひさきてつゝみかねたる恋そくるしき
んしれぬなみたの雨の水ましてわたりかねたる恋の山川
継穂
画たくみのそきにはあらてかきくとくな葉のみに筆すての松
はりのまたやうにうれしやあふよくはまくらの山も笑ふやうなり
かなはさるとうろう仏のしらせにもいひ出法口はおもくなりけり
きぬくをつくる烏の口はしへすゑてやうたし灸ふたつみろ
恋風のはけしきゆゑかさゝかにの蜘もさからぬ宿の夕くれ
いろも有もあれともんはしらすしてほころにかゝる恋のはつむ
たくしいふ身はもひろき恋花したつる糸のほそくやせてはクチ数雄
たへしのに身はゝもひろき恋衣したつる糸のほそへやせては
にところへ頼さしいれてしのみ草なみらに袖をすらぬかなき日松平
恋やみとしらてすらむる灸点にいよくもえてもえてきえぬ胸の火
恋やみの根をほりて人のとひくとき忍ふの草もかれんとそ思ふ
きなくの袖のほこかるひそれよりも烏の口そぬ召てやかたき
見
ものいはてしらする蜘のさかるよは打はつたひに君来ますかも
珍齢舎聞馴
此まかにあはてくちなは恋草のほたるとなりて身をやこかさんに
三月ヨン原
岡本楼葛城
ならへたるまくらふたつはあそはせて来たらならへんつもかうらみを綾織
ならへたるやからふたつはあそはせて来たらならへんつもるうらみを
思ひ川あふせもなけの情なく涙たゝへてふちとこそなれ
やるふみに筆ははゝきとなしぬれと枕のちりははらふ日もなし”
しの雲のしらせのふみの鳥のあと飛たつはかりうきよりけり
しのふとのしらせのふみのか鳥のあと飛たつはかりうれよりけり。
ともらひの丁子のきゆるわかれちになく庭鳥の舌もうらめし”
からさきの松にこぬこそわひしけれ袖はなみたの雨のよな〳〵
ふたりぬるまくこの山のちりほともあうむの鳥に口まねもすな
友広
星林舎梅満
とりの音のみたれそめにし声きくもうしやわかれのしのふもち摺
秋雨亭笠人
ありてうき中も烏にさそはれてなきわかれするきぬ〳〵の雲
ナコヤ
七辻
仲立のかちさへたえてなみた川夫舟の神をいのるかひなし同
橘五周
かくはかりちからのぬけしいたつきに恋の重荷をもつはくるしき
一
水ヌマ
実
よゝ野山神に七日はいのれとも勝手にならぬ妹はつれなし。
下毛乙女
琴
院
ものおもへは人のはなしもなにいふかうはの空のみなかめくれけり
浅草浦
ふみかきし心半ははゝきになりぬれと枕のちりははるはれもせす
参都法師
かた糸のわくらはにたるあひみねは胸のもつれをとくよしもなし
房弘
川芝
うゝろむき秋のよなかの長まくら二世のくゝりはあなおほつかな川サ
無為庵末高
にしき木の千束のふみは立なからくちをしき迄いらへせぬ妹を
本草
かな
丸
川某
おもひきや神はうけすも人しらぬ我かよひちをまもられんとは
うき中はかゝみにうつるかけなれやみるはかりにてこともかよはつ
巻紙の帯はたひくといたれととかぬはつらし妹か下ひも
ウ旧
き千代もかはらしとかく玉章に思ふこゝろのたけくまの松
にしき木の千束も雪にうつもれてとりいれたかと思ふおろかさ菊村
にしき木の千束も雪にうつもれてとりいれたかと思ふおろかさ
前末を不残残りやたてためしに束になれとこりいれもせす浅仕国
錦木を石成就日やたてかめしに束になれととりいれもせす
雑の歌
秋をこたらすがせく心の根さしころく金のなる木といふへかりけれ市住
をこたらつかせく心の根さしころゝ金のなる木といふへかりけれ
いくはるかむみる人ににくまれて世には頭さしき山寺のかね
ぬは玉の闇になにをかあかりにてこまに夢をみるそあやしき
うつり気を袖にかくしてうつり香の梅のぬ頭のみかさるあそひめ
たましひもひそつくらゐはいりぬらんあまたつくりし土の人きやう
むさしのに草まくるして爰にまてふしは松ことにあらはれすり菊村
むさしのに草まくるして夏にまてふしはねことにあらはれにけり
をさな子にむしのやいとをすゑてやる恵もあつきおやゆひの恩
千代こめし松葉の針にしたてそん命しら法の峰の毛石
一御車のきしる音かとみあくれは雲ゐにのほる和立のの友雀
川某
めのさやをはつしてみれは筆の海気かと思ふ数のほはしら去事
えらまれし哥仙の貝のそか中になり平蜆いかてもれけん
かたふけし春の口より糸ひくはこれそかひこのこのむ桑の
クハナ
いしなこの干あられかも岩角になつてならさる庭の池水
繁
鰡
鳳
樹
人
笑
色
丸
丸
宿
雄
臥竜園
雲水のなかれにこれも棹さしてところ定めぬ書見舟かな
来る春を松のかはふしに鷹すゑてあらほしきは藤の土房
仝
仝
たのみつる仕立屋もついこんかきにそまりてあさて〳〵小舎
仝
寺子とも筆をのこひてやすみしる男をそあふく春遊ふとて
茶をたてゝ春待としの奥せしき晦日しらには別冬なりけり
仝
仝
文政五季壬午春二月
刻成
雕工住田勘次
六樹園大人
即龍園大人
鈍々亭大人
芍薬亭大人
撰
狂歌歓娯集完
至清堂
守川捨魚輯