京萬首

creator
森羅亭萬象(二世)選
created_at
2026-08-17T19:23:18.402Z
updated_at
2026-08-17T19:23:18.402Z
field_rights
CC0
field_creator
森羅亭萬象(二世)選
field_language
日本語
field_has_image
true
field_identifier
10010000015504
field_ocr_status
completed
field_title_yomi
ミヤコマンシュ
field_attribution
東北大学
field_oai_datestamp
2025-12-02T15:07:45Z
field_oai_identifier
10010000015504
field_ocr_updated_at
2026-08-28T18:53:25.651810+00:00
俳斎類常万首全 「荒井恭信印ノ寄附役番ヲ 以テ購入セル竹関博士 「狛歌亭吉氏藤蔵 此書はや森翠亭大枝としす俳諧歌よめる傍に画を好る ものから。古人丸山主水ぬしの都の四季の景色うつし置る を求得て。日頃訪ふ好人等に四季のざれ歌よませて 綴書となさは。いと興ある遊ひならんと打語ふに。例の 口とき友とちの諾ひて親しき限り遠境ま伝吉 やりて。頓に歌のさはに寄集ひたれは。やつかれに撰ひ をもとめはた近き四人の宇斯を四季に分て撰みを もそへつ。取重ねなす折から やことなき御あたりより俳諧歌の宗匠たるへきよしを 御許にそへて四季の続命纓を賜りし有かたる。此道 に年経たる老のめいぼ〳〵其歌たとふるに物なし。日にかゝる さいつさがに都めめてたき景色うつせし。四季のもよほしや 侍りつらんと賢み仰き奉る御光の。普く御季続し 糸花のいとめてたう。薬玉の香くる橘にいよく昔をも 忍はれつゝ花さへ実さへ其の葉に迄匂ひさへやそひぬらん。 花の春の歌の姿もはえある心地に。猶なつかしき色香 たに深見艸の名にしおふ花に富るとこそ思ひ知られ 秋には楓の日々〳〵に色うつる赤さも心に染り。星に霜 に詠の輪ゆく冬されも。雷を凌て寒梅のとく咲出し さまに春待かほの風情さへ嬉しき蔭にあひぬらんかゞ されは俳諧歌の詠尽せずいや栄にさかえなんことを。兼 て此道に遊へる風流士達のつたへ軍なは。御めぐこと ともに仰かざらめやも尊みざらめや茂 子 子菊月森羅亭 森羅亭 奉例 此都万首は吾師の門に入て俳諧綺に初学びし給ふ人の見合にも せばやこの心より己大杉友人万亀亭を方人にして諸貴達にこくよみてたびねと すたむる程に遠近の風流男れの襲ひて誰出給ふ其好しに遠留きはあらじ きを師のよしと見つゝをとりまさりの爪しるしし給ふに又四人の宇斯の法評を 加へて猶かどある類の限りを漏さじ落さじとこそ撰に撰み給ひしかその類 毎に爪しるしをはみるにくだ〳〵しからんと思ひよりて奥師の毛々豆両布を豆と のみしるし毛々多ら須を多に省き加幾智布を布と略しぬかたへにしるしなきは 上の件に等しき也加幾加曽布ゟ下は○を印せり又添評の大人達の判は 十点といふを限りに下は省きつそれより上の判は其所々に印て撰に入らぬ類には 爪しるしせず師の橋とは遠へり能箱へ給へかし 四大人點式 万巴亭 巴未亭万巴亭万松亭七珍舎 七珍舎 目不離主点陽候驅白馬直々千歳▲十五、十五童子十五ヽ 目並人十ヽ銀山湧ナヽ老松ナヽ十善界ナヽ 目路七、勢雀鬼七ヽ若松七、七福生七、 千鳥増一点 花篭増一点 松実増一点 七宝増一点 俳諧歌都万首 台賜宗匠森羅亭萬象撰 春之部 添評巴未亭目積 目並人本籠三 信濃松代 年内立春 牛内立春年もまた暮ぬ先から立春は東生れの気はやなりけり 夢輪 立春 目並人 年の内に青くみゝれる冬の日をあまるとやいはん不足とやいはん をしと思ふ年の日数も残りはるにかてゝくはへて春は来にけり 一とせもまだ色なくに玉くしげふたゝび春はめぐりきにけり 春たてど露の海のみえざるはくれゆく手の坂やへだてし 打豆に鬼も出て行年の関戸さゝぬゆゑに春や来るらし 春きぬととき告る鐘をかぞふれはむつきてふ名のはじめなりけり 四方山を妻の棚へのせつれば世の中広き春はきにけり 奥盛岡 森花 石見吉田 類丸 仝 貞水 名古屋 鬼影 信濃小諸 水臣 奥二本松 与斯民 松代 元雄 天に口なしとはいへどての戸を明るあの字や春のうぶ声 不二を出る初日の影の光明は扇にさせし岸にかも似る 明ましてよい春といふほぎ言は戸さゝぬ御代のしるしなりけり をさな子をめづる心にいとけなき春の立しはうれしかりけり 目述人玄蔵三 千金の春を月日の駒につみてみちのくよりやけさは来るらし 伊勢津 睦実 三津木 盛岡 実栄 道陸水水 同様良 津 三津木 元日 一富ながら道の明るき御代なれば夜をごめて来し千金の春 一いとけなき春は立けり祇園なるひい〳〵たもれ火はうたずして 初日影さしくるしほも平らかになみならでたつ春の海原 かけよのきのふの心ゆるめるは春立とその酒やとくらん ゆたかなる雀の歩みや日のあしも今朝はのびゆく千代の初春 風もなくのどけき空の初日の出あゆみしづかな御代の春かな としの冥越来る春に御はなし戸さゝぬ代こそめでたかりけれ 春立し光にあたる朝日影代に有かたき初なりけり 昇る日の光りもいとゞます春はかさねしねのゆたかずたつ 四海浪しづか伏家もたかき家も顕もてあそぶ春は来にけり 唐やまとなべてひと夜に立春のすがたをみする初日の出かな 布を一 けさ立てひと日の内に唐土へ行こそ道もはるにこそあれ 天の戸を明はなしかとおもひしが春のくるともたてるともいふ 春の立しるしの竹の一夜明てゆきの越路も露そむらし 春にけさ雑煮の餅をあぢはへば人の心ものどになりけり 山野の化粧も出来す水面鏡先その侭に春や有らん あけてこそ心きよけれ葬ひとつ我がものだにもとらぬえり 奥岩沼 仲実 名古屋 弘器 馬伎 出羽高畑 顕河丸 信濃式部 房得 仝春日 真峰庵 仝 雁位 仝中居 菊人 盛岡 一実春 尾張大野 直器 清規 一信濃西木林 数成 信濃栗林 若駒 干蛙 越後潟 松風 年長 岳住 初春 早春 多尤三 一喰つみの松の陰より茜さす猶やうつすはつ日なるらむ 一元朝の八幡詣の手にとまるまめでくらせる鳩もめでたし 一明きけさ戸さらぬ御代にどこ迄も入てめで度初日影哉 さしのぼる初日の中の八咫烏三つのあしたの空ぞのどけき めでたさは屠蘇の香にそふ梅の国開きそめけんえ日の朝に ふるとしの雪や氷の中を来し青といふよりけさの長閑さ 長万さよ雪も氷もうちとけて水も若やぐ春をむかへし うつくしく焼も出来し門松の葉出にみどりの春はきにけり 一初日の出さし込む窓に音つれてはや鶯の声のとし玉 一つ 春の来てしらぬ神代の寿をうつす鏡の餅に向へり 春のひかり恵も深くかさなりてひらく初りの福寿草かな 待得てぞ人の心もにこやかにやなぎも眉をひらく初春 樵るてふ事をたつきに住む賤もよき衣を着て祝ふ初春 □□□□□□□ 青柳のめにのみそれと見ゆる哉をさなき春のそだつ姿は 多国三 一春されは尻落つかで少女子かうきたつ魂を手鞠にぞ見る 一双六をふる其音のさわがしき友の集へる春雨の宿 いとけなき春に祝へる七くさはまゝことをして遊ぶやうなり 一総飯野 三河吉田 帰 万丸 相模厚木 吉女 津 三つ木 奥手渡 嶋頼 相模磯守 年久 下総駒ケ崎 捨瓢 光貞 左橋 盛岡 花雄 白人 二本松 亀甲 出やる 清浜 実照 盛岡 楽羅 吉田 直嶋 目積 初夢 武筆 氷解 子刀 春けしき整ふ梅に鶯に香青の色よき福寿艸迄 花と呼ぶ都の春に並びても田舎そだちを心ぬつ松 備前灘浦 南陀羅 二本松 波舞民 鳥追の跡につゞきて春風のふく大黒も見ゆる門口 世の中に人の愛なるむつみ月花と風さへ中なほりせり 初夢に見がたき富士を駿河へ若水にさへ汲てめづらん あらくれし深山を出て大江戸の花の春にも立並ぶ松 来る春を待得し顔に立つれてさあ〳〵と吹門の松風 かんざしの鈴の音にや飛たてる須摩の上野の雉子のはごの子 春来れば尤も気野辺の若草にいさむ心のこまかへりせり 下に置は邪魔にもなりし凧霞の棚へあけるわらはべ 目不競 一難波津のはるの湊の宝舟みつの郡までかゝる初夢 日並人花籠二 一初夢も心からよりみるならん武夫は鷹賤の男は茄子 年立て筆試る書そめも明るを告し鳥の跡とて 谷川の岸辺の氷とかぬればむすびかへたる青柳の糸 小車を霞のおくにひめ小まつしめし子の日に野して春ひけ 子の日野にゆきし子詩はこまつ程愛にひかるゝ親心な 一数高 数高 信濃高呂 かた知 吉田 市守 左河 出羽長手 たる村 松守 奥仙台 一葉 仝梁川 広住 吉田 嘯 真直 二本松 与斯民 秩父大宮 清規 持秋 盛言 古河 幾羅 鮭類め 千代こめてよくつけよとて竹の枝添て子の日の松を植けり 仝 粥杖 露 布花一 見渡せばおなじ位の小松原ちとせの高きかたを引ばや 子日野にみどり色そふ姫小松みやび男にこそ引れぬるらめ 多む二 あやまりて強く当たゝ粥杖に尻をもて来しをとめ子の親 葉之喜弥志 一花を惜しむ人はかほとにあらしい立ふさがりて霞むけしきは 左ヱ うらゝかな春日に汐の干あがりし水や霞の海となりけん 仙人の呑てふ霞屈蘇ほとに朝日をつゝむくれなゐのきぬ さほ妊の露の衣引かさね布粒湖に覆ふみとり紫 空色の秩父の山もみえぬなりかすみの衣のうらになりけん すみれにやすりてそ匂ふ春日野に露の袖もゆかりもとめて うら人の網すく針とみゆる哉霞の中をくゞる小舟は 薄霞今朝引そめの松風はあら玉ことのねのこしの春 一去年ことし隣も遠く覚えしか隔てはうすき霞なりけり 朝またき立し霞は四方山に笑へる花のゑかとそ見る 海山は霞に深くかくれつゝはるの姿はあらはれにけり 梅手は浪にうたせて住よしの松にも七五三をはる霞哉 龍田川霞のころもはる風のわたらは是も中や絶なん 幾千代もかはらぬ春のきなれにし霞はつよき衣にさりける 津 篠群 盛岡 実春 古河 太良里 跡人 古河 盛岡 目積 鯛すめ 盤門 奥一関 芭麻 芭摩 梁川 万葉 下総桜井 河鳥 真直 仝 水戸 秋良 信濃塩田 貢 高田 磯人 馬伎 仝 若菜 野のより引て霞の立にけり初湯戻りの人の袖にも 懸物に絵かきしがめあつま路の不二は霞のさぬ地にぞ見る 唐崎の松の上こすさゞ浪と見えしは沖の霞なりけり 人皆の心を入れてもてあそぶ霞のきぬは顕袋りも 霞きぬ袖もみごろもたつふりとたてどもはゝの広きむさし野 多国三 目並人 一かき分る隙にふり来て若菜よりつみたまるものは籠の沫雪 日並人花籠三 我が家をぬけからにして君が為をみの小河に若菜尋ねつ つむ雪もいとはず春の初若菜御恩の深き君がためには 我としもかくやよるべの水鏡根芹のしら髪つみかさねつゝ 君が代をいはひるとてさき草やみつ葉よつばの若菜をぞ物 寒さゝへやゝ薄らきし春の野にあつものにする若菜をぞつむ 秋は虫になるかと斗り思ふなり鈴菜松菜のもゆるをみれば 若菜をばしるし計りに提籠のおもなや野辺に遊び過して をとめ子がふくしにつかふかんざしの蝶も出るや若菜つむ野に 目並人 一七草につくさ足らぬ仏の坐雪の雀磨の下や尋ねん 一風寒き春の雪間の若なつみきみを思ひのあつさとぞ知る つむ姿ともに若菜や姉妹ひとつはらにぞ出し野遊び 光貞 津 万津雄 春日 元位 水戸 直技 顕助 盛岡 禁門 栗林 若駒 奥保原 里住 信濃村松 厚府 盛岡 梅明 仝 実春 仝 実艸 武蔵神奈 音子 備守 名古へ 鬼影 梁川 久和士 信濃大屋 一音成 三 鶯 小松引野にて若菜をねの侭につむ日は千代も延しとぞ思ふ 豆 鶯のなきて涙の落るならあさいする目の薬にやせん 一うつかりと題よみ鳥に聞とれて顕の趣向をとり逃しけり 一むらの竹あれば梅の木なくとも来なくや庭の鶯の鶯の聲 門の外に経よみ鳥の声きけば我も火宅の内にゐられず つゝら籠にひのまるぐけを結びつゝ扇たる木にかけしうぐひす 妻子 大枝 信濃布拉 一重 越後高田は 万箱 古河 内子 下毛小袋 弐人 百鳥の転る中へ玉をもてうち拉たる鶯の声 一日並人国籠三 一白川の関のうたよむ鶯をまとから顔をいたしてぞ聞 多丈二 一鶯は世に愛らるゝ果を請てほうとなく音のいとも尊とし 布団一 庭に来て鳴鶯を立せじと腰をれ顕を我は詠けり 目並人 なまめきし文みる意を気遣ひて人来〳〵と鶯のなく 春告る声も長閑に久かたのみつの光をうづすうぐひす 鶯のなかぬかぎりははるの日もあらしと思ふ程にこそまて 一世の中をしらぬはほとけ鶯の谷のうちにて法花経やとく 顕の又字習ふはじめか難波津の梅が枝に先来鳴く鶯 吉田 嘯 甲良 吉田 諸実 久象 永女 盛岡 逸茂 高田 盛岡 花栖 資枝 仝 康羅 梅が枝に足を留てもうぐひすの飛立ほどに嬉しかるらん 庵主の留守とて庭の梅の国をらせしとてか鶯ぞ居る 三和 梅 春雪 おのかなくそには似せ伝鶯のいそがしさうに梅に木伝ふ 鶯の初音の玉をころかして遊べる春そをさなかりけり 曲りたる梅が枝を立うぐひすはとんだ所ですぐに鳴けり 鶯にひとくと聲をかけられて二のあしを踏む諏訪の湖 鶯のいきやつもりし玉ならん枝にころかる竹の紅露 中老一 梅の笠柳の蓑は有ながら羽袖ぬらせし雨の鶯 梅に来てなく鶯と惑ひしは子等が初音の笛にさりける 只ひとりひつそりとしてきく耳のあかなくぞきく鶯の声 香くはしき頭よみ鳥の初音には梅よりも先こゝろひらけり むかさを軒につるして梅が枝に宿るうぐひす連れや侍らん 鶯のおきわすれしか梅が枝に玉とみるまで花そふくらむ 二本松 初茸 常陸鹿は ころしく 大屋 御同盛 飯野 近江大津 万九 近江大津大津 近江大津 外守 厚木 舟平 二本松 幾代民 石見青原 貞池 盛岡 名意記 水戸 一種良 大津 計守 春立し月日の窓に鳥が鳴東ふりなるうぐひすの哥 沓さしを子にもたるてふ鶯のなど素足にも雪踏てなく もえ出し草のほめきや積るまもなくてきえ行はるの深雪 多む三 するとにも曲りし枝に憎からぬ花の笑顔に匂ふ梅が香 ふみ好む梅とはしるき来てとまる蝶はさながらひらく綴文 香にめでゝ彳むものを手折るかと盗人くさく桜のおもはん 物種 京 守信 成わる心 実草 遠江見付 角袋 津 三津木 尾張津島 浅薮 四 ふむ一 一鶯を飛せて桜に短冊をむすべる類や心なき体 多尤二 よそなきなして我家へゐつかぬは妻かふ猫と庭の梅が香 初瀬川ふるここはのべてすきよ梅ふたもと思ふ雨風の夜は 花笠のけさ露けきはうめかねのよべ出歩きししるしなりけり 月影のさすかに梅も御慶とや張臂ながら笑ふ口もと 梅り玉よかゝよと子等が手折きてみすれは世の笑ひ顔せり 玉垣の梅に朝日のふとのつと上る薫りや春の初風 来て見よといはぬ計りのことの葉の風にふれては匂ふ梅が香 ふき うそ寒き風のつれ来て肌薄に薫りし梅は一重なりけり 匂ひなさことや恥けん梅薫る風に片寄る庵の燈火 梅の露したゝる庭の手水鉢むすぶ手にさへ匂ひうつれり 詣ふ侭にこたへも国の先に出る梅のあるじや匂ひなるらむ 花のふしき遣しきをそへて面白く袖たもとにもとまる梅が手い 匂ひある梅のさかりはふり袖のたもとも深き花のうつりこ 花咲て若木老木の道だてなくひとつに匂ふ袖垣の梅 羽衣に香をやとゞめん天小女下界の梅の花の匂ひを 青風の手は雨さぬに梅が手は霞の袖のうちに匂へり 実照 津 三津木 盛岡 梅明 名こへ 真和 小誌 水臣 肥後人吉 松成 信濃高遠 南可致 一銘実 光貞 上毛南谷 千枝 伊原 里住 相模三崎 芳風 奥福色山 練員 足兼 種成 吉田 於兎門 千善 紅梅 柳 若草 早落 春月 倶保姫の花の晴着か色ふかき袖ともみゆる紅梅の花 一教へねとうへみぬ枝はたることをよく覚えたる庭の柳か 多き二 さかさまの河辺の柳影うつす梢を下るしら露の玉 雪とふる花よりも又しめやかに雨とながめし青柳の枝 〽本の雪ふるふて戻る家路には門の柳も雨とばらつく もつれたる柳の髪をさら〳〵ととく音のする春の朝東風 花の親といはれし雨のみとりにもふりのよく似し門の青梅 盛岡 二本松 実草 志翁氏 盛岡 初文 清親 高田 万箱 古河 歌勢成 出羽に松 峯行 風の手におさゑとりて此春のにしきや門に綴る青柳長風 風の手におさ原とりて此春のにしきや門に綴る青柳 鶯の来て寝ぬ柳綿はあれと夜のものとはおもはれぬ哉 青柳の同さしを見せん沖に居れといはぬぞこゝへこよろぎの波 風につれてあなたへわたすさゝがにの糸に似たりし岸の青柳 舟造る葉はなけれども日の影に河と流るゝ青柳の糸 素直なる柳の糸に取織て心に着たきものにさりける 吉田 兼一 元照 みとりなる色を流出す雨よりも風にふりよき青柳の糸 帰国一 しら露の玉をむすびしいと柳は風より外にとくものはなし 寒沙汰して敷居の高き門先に低さやさかる柿しほうし 朝夕にいともかすかにもえぬるは煙り立てりの村の柳か 千登世 塩田 飛騨丸 潟町 盛岡 左藤 盛岡甚 実学 実栄 五 本里を縫ふ鶯に手伝ふていとくる柳女なりけり あやふしと籠の渡りに糸つけてめをくばりたる柳やさしや 上ね川 谷 呑安 古河 鮭類め 立ならぶ松のすねしをはゝ風に背を撫て居るやうな青柳 青柳の糸永き日のうらゝさに眠気をさへや引出しけん たゝ 萩萩もまた文字程のけちめさへわかぬ斗りにもゆる若草 多 春露詣としめ伝ば地さへよき野は若草の葉二重にこそ 早薇を手枕にして若くさの妻も寝ころぶ野べの春風 そここゝと野火はきのふの音面に消るあとからもゆる早蕨 もろこしの賢き人もいひにうゑて裸やつられじかきわらびかも 春の夜の月の桂の眠れるは海棠に似し花や咲らん 濁り井に影のうつれば真空へも雪翁のかよふ春の夜の月 寅年久 高遠 真名夫 盛岡 吉田 尚照 千善 盛岡 長明 貫枝 村松 厚房 菊成 小諸 一守人 一薄露月はねむけによし原のはなに別るゝ横雲の空 春のよは桜の火ともす油煙にて月も朧に見ゆるなるらし 花に遊び霞に宿る月影の光りも冬へもどうざりけり 布団一 咲花の雲にさはら伝朧夜の月のみはらせ春の山風 花もなき瀧の苫屋もおほろ夜の月にそ春のすがたうつける 花は替り月は額にしくものゝなければ芝に臥し明さまし 袋岡 実乗 仝 市盛 喜曙 春雨 ひんがしの方にめづれど四方山もみな見事なる春の明ぼの 信濃戸部 長丸 物にのみ春とはいはじ霞立つそらもにほへる山の明深の 梅柳花うくひすの音におこす景色めでたき春の曙 梅柳花うくひすの音におこす景色めでたき春の曙 よみ本に洩こぼして袖袂思はずぬらす春雨の宿 盛岡 名比記 たき春の曙睦志 縫ぶる本を詩にははる句の強からぬ糸ぞたのもしげなる 目並人花籠三 一白梅の生に願ひやかけぬらん軒はにかゝる春雨の糸花也 いとゝ日も長くおぼえつ青柳の糸よりつゞく軒の春雨 親といふなかもたせし手遊の芥子人形やにこ草の露 潟町 春雨の原は細くてしめるのになとて紙気に心ゆるみし 春雨の原は細くてしめるのになとて眠気に心ゆるみし 親といふ其はる雨のめぐみにてはなのこの頃めきと育ちし 親といふ其はら雨のめぐみにてはなのこの頃めきと育ちし濱子 天の河苗代水を引とてやねがひの糸のはる雨の空 天の河苗代水を引とてやねがひの糸のはる雨の空永女 寝てみれはうしになるかとおとろきぬはなへこよりを通す春雨 かぞいろの雨にあふては何となく花の花顔のよき風情なり 吉田 久象 眠居る軒の柳をいたはりて落しかぬるか春の雨たり 春雨のいとをしたゝかくりためて日をへて花の錦織るらし 盛岡 一図雄 〽花の兄育し親のはる雨にこうなる色のみえてうつくし 小諸 一同手千 咲花の親としいへは焼原の雉子もめぐむ野辺の春雨 盛岡 繁門 六 春雨のふるとは知らし桜の陰花よりおつる雫にぞしる 多尤三 二日灸二日灸ほたるより猶身をこがしなかぬ童は哀れなりけり 今風 一目並人花籠三 上そ藤玉 きさらぎに二日灸すゑて信濃人また煙り立浅間をぞ見る 玉世 帰雁 すみだ河桜見すてゝ行舟の櫓を押音や帰るかりがね 多国二 雪とみゆる鷺にはあらで段〳〵と露にきえて帰る雁かね 玉づさをぬらさぬやうに春雨のふる里へゆく雁の一つら 津 三つ木 吉田 徳池 二本松 最宣 春駒 かけ出て横の事前も会釈なく夢見艸をやちらす若駒 しめし野の墨入つくしの筆やあるふみかきちらす春の若駒 盛岡 正記 二本松 亀久民 雉子 飛火野の焼残りたるさいた妻つまか羽袖ときゝす隠るゝ けふりより露の上へ舞あかり富士より高く鳴雲雀哉 盛岡 黒牛 村松 高崎 花 舞ひ雲雀雀落てもやはり咲花の雲に入けんみよしのゝ山 かく人にめでられて散る時来はと尤は思案の最中なるらん 山坂をやすらに越て来し我はさく花の雲に心のればか 国ゆすり見に来る人に色かへぬはなはよしのゝやまとたましひ 桜狩り山の神をも和めぬる幣かとそ見る家つとの花 清秋 吉田 久将 信濃耳取 木数 木数 盛岡 実春 仝 禁門 睦志 桜てふ花を咲せて天地はおほくの人をうごかしてけり 清規 よろこひの眉さへかゝる春雨にひらくとは見し山の初花 なくはしく押花にせし桜帖かくはしきそと見せて誇れり 無入団三 一同並人支籠三 一枝とこへどをらせ伝守りゐる老翁は桜の毛虫なりけり 見残して帰る我身と行違ふはなをねぐらの烏ゆかしや 春句の糸にてよくぞつなぎけんうごかぬ雲とみよしのゝ花 松風のさそひ出すりとよく聞けばはなみの客のならす春の音 なゐふらぬ荒嶋の宮の国のもとうごきなき世や人はゆすれと はなの雪七日旅寝の逗留は越路にまさるみよしのゝ山 思へ人世に家路をわするゝもをさまりし代の恵みなりけり 山駕も出て桜の歌日記にかきのせ行ん伊勢もに町も あかず見る花の山にてあくものは酒を入れたるひさこなりけり 壬生踊見習ひにけん物いはぬ花盗人は出来心にて 心つきふりも習はでうからなん雪に似しとな花にきかせそ 吹けばまたにくまれなんと此頃は花見にも出ぬ風ぞやさしき 上野山本の雲間を行かふは爰の吉祥天女なるらん ふじの嶺の雪を桜につもらける花のよし野も時しらぬ山 小泊瀬や風に霞の開扉して拝む梢も丈六の花 咲頃を年々時をたかへぬは刹におこせる桜木の花 大枝 吉田 市守 つ 久世 盛岡 春風 水戸 ノ守安 奥川俣 森麿 福巻 武蔵忠 長明 行恒 つ 久世 遠江森 美知艸 美知草 名古屋 強器 岩門 数高 吉田 廣海 全 嘯 七 蟻の如人のつとへる本七日朝な〳〵に雨気つく頃 口並人売籠二 桜かりなくさめ過て姨捨の山にこまりし女生酔 守る人のみ何間に折てかさすきおひかくるやときもいたみけり 野は出茶屋山は桜にさきふさき道ある方は人そおしあふ あらし山本の雪さへふらぬ間に見にくる人ぞぬからさりける 蜑小舟はつ瀬の寺の入相のかねにうねたつ本の白浪 ともし火の丁子もよそに曙の空より匂ふ花の明るさ さかりぞと御階の本の雲の上にたつのみかほのうるはしき哉 よしの山花のゆきにはひきかへて入日の空を奪ふ毛氈 ながめさへ庭の桜にまかせしを世に心のとまるまらう人 しら雲と見しも僻目はあらし山心空なる花のさかりに 見る人の山なす桜心なくみぬ人のために折にくき花 みな人のこと葉すくなになりにけり多くひらきし尤にみこれて 春ことにおなしさまにもみよしのゝはなに心はうつし初けり さす鍋に湯わかしてをる山守は切見しらみにかけんとやする さかりなる桜は隠せ朝かすみ知らばちらさん春の心風 余甚なくみこれて付したにさくのうたもむしんに固やうをらん 大枝 川俣 広高 廣高 高呂 胴成 深川 千代住 栗林 真直 若駒 照道 信濃ね津 水哉 水哉 相模藤津 菱垣 古河 厚木 一古河 真梶 厚木 吉女 奥国川 相模様 甲斐峰川 類焼 顕雄 一綱彦 紅丸 相模三浦 豆成 一仝三崎 千尋 藤沢 楽主 あらし山花にかくれてみえざるは見に来る人にひそまりやせし 河添のはなを折らんと手を懸てみれは水にも桜をる人 さかぬとは麓の茶屋に聞ながらうたがひの雲に本と迷へり うか〳〵と花を深山の奥迄も散らぬ心のひとへ桜や 折らぬ枝はにうつす月かげのさくらを敷て切に寝てみん 深雪の消にしあとも国妙にまたちり積る花の下庵 花のかげいさむる故をつれにして枝折るやうなあやまちはせじ 梁川 金友 大屋 御座成 盛岡 黒牛 十九吉 水戸 繁足 上総一ノ宮 鳴海 一今風 待詫て咲ぬさくらを見にくるははなに笑はす心成るべし もろ人の心の駒にゆだんして桜の枝をあらされにけり 菜菜 信濃小舟山 穂鳥 梓弓やよひの花のまん中をゐとほして日々見るよしもかな 嵐とい世の盛りとなりぬれはかせもみなみに廻るなるらし 本寺もしらぬ顔せよ手折たる枝は後生とみぬ人の為 にくむまし風の心も人なみに立出みたき花の盛りは 名をにつみ水を呑ざる資人にあらしの山の花をみせてん 山にありし家にざうさし出ありて人こそ花の奴なりけれ 約束にまたひらかねば花もりのまちをる人にきをやいためん 一睦志 鹿生 歌しく 禁忌 薫 柿人 高きこそおとれよし野の咲花の雪はふじにも扇やならべん 世の雲に閉ふさがれてよしの山まことの雲や出所そ矢なふ もろ人の花に心をうごかすはをさまりし代の恵みなりけり あらし山嵐といふも名のみにてけふも盛りのゆぞしづけき 一さく花の外に並ひもあらし山八重九重の辺りなりとて 糸上口摺たぐひあらしの山の花見てかつきゝしさくら一枚 さくらより人のこゝろの内にさく色にも風を厭ふ此頃 陀羅尼助させは其まゝよしの山よしのよく見る国の雪めも 詩も類も只しら雲の中〳〵に口へ出かぬるはなの奥御 。入札の雲と見る迄すみだ川ながれにうつるひさくらの花 。桜てふ甚咲はこそ憎まると風また花をうらむ成らめ 真長 郡内舟津 河内狭山 岩門 於左丸 茂木 下毛栃木 文世 岩門 川俣 森麿 狭山 茂木 小松 蛙 岩門 入相の鐘のひゞきにちる由をそひとつきは延したきもの ○咲は過る風の油煙か二三丁えならぬ匂ひする墨さくら 嵐山はなの波間に鮓売りの舟呼ぶ声もあたな風流女 白妙におもふさくらの真中にひとむれ目たつ空色か傘 一めんの花の雲間にあらし山桜にいよく名や高からん つね詣はぬ人もよし野の本咲はよしのありけに尋ぬ山住 おちつりやきのふよりけふ咲まさる花しもあすか山に名尊き 仝 鎌倉 常雪 左河 顕治成 益芳 うち〳〵と尋寄んこの山の誠の花に行あたる迄 女なら遠慮もあらん老の身のさかりの花の根に寄れるをば 雨晴て傘をほしたる庭先のひなたに花もひらき初けり おはらひの神風だにも厭ふなり序の尾といふ桜かる日は 咲しかと待かねのぼるよしの山花もそこ爰笑ひかけけり 雪ごと見し本見にかつく弁当の竹もおもみに弓と撓めり 本に見ほれ帰る心はあらし山月はむかひのみねに出ても 人心うごかす白のあらし山さかり長閑に枝もゆすらす けふも図あしたも本見はなゆゑに都さびしき花の頃かな 鎌倉 網彦 三崎 久良久 米沢宮内 円作 高呂 同同年 一同年 信濃比田介 芝丸 上毛吾妻 夫高 仝 枡成 仝 花汁 花竹 山角 ものくさき心ちらせるあらし山高くぞ匂ふ花のさかりに 弘麿 雲と見て空に浮たつ人皆のこゝろの国もひらく此頃 笛を 仲芳 花ぬすむ人の心もさるものにあればむげにはをらで立けり 仝三ノ戸 田備守 糸さくらなべては本の王ながらなぞや柳のすがたには似し よしの河本をめでつゝ柴刈の節も命の洗濯ぞする あすといふ日はあらし山障りなきけふの花見をまつたのしまん 仝 可也 可也 福島山 民世 下毛間之向 松守 雪にちり込む尤は酌む酒の香をしたひくる蝶かとぞ見し 人参の薬のとくかよしの山本にわづらふ風もあたらず 足兼 菊成 落せ 蝶 二日 折とても音たてずをれ折る音におどろきて白のちらばせんなし 谷川を覗ける花は見物の人にや酔て水をこのむ歟 盛りなるさくらの花のひらくすよし野の里は都なりけり 夜の南に色やあせなんとやるせなきこゝろつかひは花にとゞくえ 人いうごくのもうべ天地をはなのゆすれる時し来ぬれば 時しらぬ富士の蒔絵の歌にまた降かゝる花のしら雪 一葉のちりて花にゆづれば国も又はにゆづる夏とをしげなくちに ちる花を憂ひながらもはき寄てはらふはをしき玉箒かな 目不離 卯花の月の中なる上露を死なぬ薬と蝶やなむらん 口なしの方に身振ふ蝶〳〵はこゑのたゝざる夢や見るらん 中地の菊に小蝶のみだるゝは月にかゝれる峯の枝雲 咲花の親てふ雨の空はれて小蝶も枝に舞遊ぶらし 山吹の枝を折んと立寄れば花ひらまねて飛べる蝶々 一根がゝを羽袖にとめて若も兵の菊なつかしくとまる蝶〳〵 名こ屋 強器 岩門 山松 白川 折雀 吉田 え照 一同こん照 一信濃稲荷山 信濃稲荷山 菊麿 年長 諸実 盛正 楽羅 ふし様 柳蛙 照道 本杉 高伎 柿蛙 川使 一広高 ものいはでさく妊枕にたはれるは是も口なし色の蝶〳〵 さくら花さけるさかざる山里は手のとゞかさる春のりのあし 初露取の裾のみじかきはいかほどのびし春の日の脚 盛岡 実乗 万宝 万宝 盛岡 名意記 上巳 汐干 出代 海棠 燕 菫 布団一 一千里風のひとしくたちし春のなとあゆみの遅くなりし日の脚 空の海かすむ真砂にあと辷りあゆみかぬらん遅き日の足 面白きけふの節言の鶴合地とりのよきぞはしこくはみゆ 三子とせも対の姿にあえもて桃の節句にぞ祝ふ初雑 枕桜多くかざりて砂が家の煤びし雛も美しき哉 淡路まで駕籠でといひし汐干には磯もとゆする浪もたゝじな 汐干溜貝桧ひゆく少女子のかひとりつまも揃ひけるかな 上毛秀沢 桜花 小諸 余人 同年七 鎌倉 一常雪 吉田 帰 津 篠群 吉田 足税 出代りの涙の雨は正ふきのみの一つだに泣顔の下女 植木やに荷なはるゝ時宙を飛ゆめやみるらん眠る海棠 恋猫の通ふ店の軒瓦落やとみれば飛ぶ蒸哉 山寺の見苦しからぬ方丈に蒸のはこぶ塵塚のちり 朝まだき明をうばふて紫の野を行帰りつむ茎かな なづかしや妹が塩根のすみれ草へだつものからねたくぞ有ける つむといふ名もなつかしき宇治の里茶にもゆりの壺すみれとて 手にさはる萩の古枝もゆかりぞとかき分てつむ野季の苗は 傍のち筆の筆に手習ひ絵かくやすみれの紫の上 名にしおふ紫の野にむらさきの色こく咲しすみれ艸哉 政蝶 枝成 盛岡 案門 仝 同断同 仝 実栄 奥向河原 金頼 盛の 名比記 仝 一拾貫文 全 禁門 高遠 南可致 柚草 蛙 苗代 躑躅 山吹 牡丹 暮春 春風 春山 一網の目のひしになる迄つみ帰て雛にそなへん野べの滝草 一打かへす小田の蛙はゆふ貌のたそがれ時の空目して啼 古河 俊英 兼一 一玉河の水を産湯のかはづかな薮鶯の京そだちより 一里の子よ礫な打そ妻むかふ小田の蛙に水あちすとも 一あれ庭に歌よむ景色少しと雨よ蛙そらふいて居し 目並人前籠三 蛙等かよりて詠なんことの葉のたねをおろせし小田の苗代 苦は楽の稚井にひたす籾俵をだまきつけん三輪の苗代 加茂河の水せき入るゝくるまをもあらそひて引く賤が苗代 さきかけし石橋山のつゝじさへ花にわけたる源平の色 口なしに咲く山振は庭境あらそふ時や物をいふらん 一郎 咲みちてをれる計りの山吹はみも思はざる花にこそあれ 以風をいとふ屏風に春夏のてふつがひにもうつす牡丹花 一織つめし柳桜のにしきはたけふひとひとぞなりて行春 一いかにせん霞の袖はわながらすかられもせぬ春の別路 多国二 まゆつくる柳をさきひ咲花の廿五日に此頃ふける春風 多 梅か香を柳にかよはする時にかぜの手えはみせぬなりけり にこ〳〵と笑はぬ山もなかりけり春はいかなる愛を持ばか 諸実 盛岡 禁門 福鳥山 金満 大和新元 杣人 〽やわ 神奈川 幾羅 音子 福島 練員 甲斐府中 甲斐府中 実老 大道 川浪 仝 一成 津 秋豊 馬役 馬役 三ノ戸 〆高 信濃薮蒔 音葉 信濃守 信濃靭符 星彦 春野 春川 春水 若鮎 猫魚 春雑 一花の王の先の象笠建傘は野辺に列なる古筆蔵公英 春川山〳〵の雪のむすほれ家合ふてむつみむつまし春の日野河 一むさしのゝ春の日あしに追れけん氷りも水となりて逃るは 一山吹の花ちり込て若鮎はこの出来てきし井手の玉川 秩父野上 縁 記記 見附 一雄 三崎 芳風 吉田 帰 かさねおきし柚から落す鍋の数さかりつくまの妻乞の猫 ふき 鳥同士の鳩は杖をや贈るらん八十八夜の老のうぐひす 手のもとにはなるゝ羽子は早蕨の生し野もせに舞ふ雲雀も 鳴津の声をきかせて引臼に雪解流るゝ富士のに酒 花の頃蒸と雁の山谷堀来る猪牙舟に帰る屋根舟 風中あくる和子のわやくのこゝりをも捌なれたるうばか糸口 花に鳥のなきつ笑ひつ春三月睦ひてくらす心たのしく 一松の葉の名にし青馬ひくけふは頓て子日を思はれぞすに 諸人 枝成 栃木 美幸 仙台 一葉 鹿生 歌しく 住人 古河 宵寐 盛岡 黒牛 豊藤 多国三 夏廼部 添評万巴亭浜主 一春に笑ふ山になき出すほとゝぎす世のうつり行景色五みすらし 信濃抜井 水元 水元 きのふ迄糸引出せしかせ山の霞もけふはころもかへせり けふ爰にさく達さくら卯花と砂が堀ねもにかさねけり 銀山湧 脱かへて世の衣は櫃にのみ心も夏にたゝみこめけり 盛岡 鳫延屋 灘浦 南陀羅 盛岡 幾羅 新樹 銀山湧な鳥上 加茂河の水で晒しゝ夏衣きかふれは身も軽くなりけり 一加茂河の水にさらしゝ糸木綿けさは身軽に着かへたりけり 一わやくいふ稚児にもこ朝は夏衣になつきたる乳母の着替させけり 青くれしきのふにけふの契一重ひとへにかはる夏の衣手 桜色を惜み〳〵て脱更る袖にきのふの風や薫りし 一いざかへん花の香をしむ衣をものくさしとて妻かゝ袖引 かへて猶したしむむそほだしなるなじみの薄きなつ衣より 春過てけふは殿へとふみ通ふ足えかろきころもかへせり 銀山湧千鳥二 星とみし梅の青葉も茂りてはかくれて出ぬ丸窓の月 花もちり今は桜も葉ばかりの実となりしや風もへさぬ 高砂の尾上のさくら青葉して外山の霞たゝずなりけり 扇窓むしのはみしとみえつるはしげる青葉をもるゝ日の影 栗林 若駒 信濃八幡 千万 千万 古河 影盛 音繁 京 京守法 守信 南牧 千枝 糸千千 吉田 夜水 近江信楽 芳名女 松代 美酒 岩沼 岩沼 若竹 松代 一夢輸 武蔵神奈川 童子 若竹 花の頃手をりし枝折音葉して道もわからぬ木下闇かな 銀山湧千鳥二 鶯の老しふる巣におひ出て杖となるべき園の若竹 大枝 信濃村松 厚府 行末の杖はしらとも頼みなん高さも親に増る若竹 盛岡 黒牛 達桜 卯前 多む三 度にさく花のにしきは流行におくれて咲を見るもめづらし 川岸に咲卯の花は泊り舟朝ひらきせし跡のしら波 諸実 桜井 河鳥 挿葵 わたつ海の波とみえたる卯前にしめゆふ堀もあらめなりけり 瀧山湧千鳥三 さゝかには網引懸て逃るなり卯のむ垣の波にゆられて 雪に似しといへは浪にも似しといふて真白なうそを月の卯国 うの花の雪に宿こふ旅僧の袖にたくへん黒き羽の蝶 ○ 銀山湧千鳥二 手折られて少しかけしは十六夜の月とこそみれ庭の卯花 多 葉桜にやみを残してうの花の雪よりしらむ夏の曙 御ゑきくれるを惜むうの国の垣の堀に夜やせばむらん 一くらへてはよほど上なる卯花を波と見まがふ玉川の峯 一卯花の雪はの客のもてなしに氷砂糖を口とりにせん 卯花の月にうかれて我宿の鳥猫さへざれし袖垣 西山よ東山よといにし春のいとまなみまにみゆる卯花 垣根にてへだつ隣はむつましくひとつ明りによるの卯花 うの花につかせし杖の倒れしは雪に寝くせや付しなよ竹 白妙に月とも見せしうの花のかき根は冬の景色うつせり 月雪とうたがひおこす袖かきにさしうつむきて咲る卯花 その花の雪のあかりをながめ居て暮るゝはさらに目にはとまらし 玉くしげ二葉の葵けふといへばかみにかざしの加茂の御祭 庭守 長風 小諸 守人 仙台 一葉 仝 仝句兵 白兼 藤岡 玉世 津 梁川 三津木 梁川 花住 仙台 千年 実照 高田 高田重吉 高田達 達仰 白川 顕雄 高畑 顕河丸 盛岡 初文 信楽 芳名女 一ノ宮 久世 盛岡 実栄 時鳥 老人のかさす葵は御祭りをみるとてかけし目鏡にぞ似る 鳴神を除る守りと聞く名さへ世にとゞろきし加茂の葵は 一ねひとつととのゐまうしのそすなり初ほとゝぎすきゝし夜ふけに 時鳥やよいま柴のとばかりを人つてならで聞よしもかな 一声にみな茶摘女の仰向くは山を出はなのほとゝぎす哉 折返し啼かときてはほとゝぎすはつ音をまねし驚静なりけり 一田長てふ鳥なら鳴てまつ人をそ宵いねよく思はせよかし 聞まゝにどよみ立たるほとゝぎすはつものに音をきそふ市くら 鶯の子て子にあらぬほとゝぎすまゝ此底に来なくをぞ待 汝が親に勢ひみせん獅子が谷落せし琴の初ほとゝぎす 白川 友鶴 飯野 万丸 盛岡 尚照 仝 繁門 伊予三日 幽昧 一ほとゝぎす山から里の家土産と今の初音を玉ものにきく 小河田のあたりにて鳴早苗鳥わけてねよきをいねもせで聞 山順は散にしあともみなし子の声玉河にきくほとゝぎす 〽おしなへてまたぬ人なき時鳥いか伝かた身をすぼめてやなく 雨をふらす聖ならねとふりはへて人皆仰く初ほとらぎす 伽すとぞ鳴くは殊勝な時鳥やしなひ親の花の寝さめを 時鳥親を見真似になきぬらん五月幟の梅の花笠 古河 檜松 津 宇都丸 満守 盛岡 清浜 仝 一森 游雀 一声を聞はつしけりほとゝぎすはづれぬ障子はづさんとして 一双六の三よ四夜寝ずにほとゝぎすはつ音こひ目に朱をぞさしける 空に眼をつけてのぼりし亀が坂横しぐれして行ほとゝぎす 一われも〳〵聞しはなしのほこゝぎす詩にも力得たる此頃 銀山湧 一山を出てしらぬ他人の中空に第恋しとなく時鳥 麻生 ねつ 乳しく 水哉 盛岡 実乗 仝 一仝繁つ 繁門 松代 あ左彦 むら雲の御所のあたりはさもなくて結句しくるゝ日の御門前 朝風 時鳥空にさやけきひと声は月のかつらの枝になくらん 真直 子規おふの浦回の梨子の枝やいつくの方へさして行らん つ 十字街 一声は耳のそこたるほとゝぎすあく迄きかんこゝたなけかし 呼子鳥きゝし山路のほとゝぎすおぼつかなしや今のひと聲 盛岡 為成 手渡 基頼 時鳥待夜の数を重ねては老の枕にちりぞつもれる うの花の雪深き夜に驚けは夏をことはる時鳥哉 時鳥まさしくきくと見る夢を覚して嬉し夜半の一声 一人母の耳に入れどもほとゝぎす鳴童に垢は付か伝美し 伊勢人の僻言ならず時鳥雲津をぬけて明星に啼 ほとゝぎす詩間は長きい地してきく一聲は短夜の空 甲良 白川 真名寉 吉田 千善 仝 直躬 仝 広海 一ノ宮 久世 ほとゝぎすきくその夜さり嬉しうて寝言に迄もいひしとぞ聞 真清 ほとゝぎす雲をいたゞく一声に斜になりし大原女の柴 布む一 一関の名のまた朝くらの内よりもなのりをあけよやよほとゝぎす ほとゝぎす声の匂ひや添ぬらん花橋の蔭に木居して 世鳥にうかれし春の名残さへ夏のきはたつ山郭公 尋ねてもきかまほしさの時鳥なく音待身のはしたなき迄 待夜半に気ははりうの月は入あはれすゝめて時鳥なく ほとゝぎすあとの一声落さぬは月のかつらの枝にかけたる 時鳥待夜はなか伝うたゝ梅の夢おどろかし過る明仄 魂もとられて侍しほとゝぎす不用心とや人の見るらん ほとゝぎすなくかと詩になかぬとて我なく声をなれや侍らん 時鳥声あまた聞くかひなさはきかす友なき山の下庵 時鳥親の老なば里遠く遊ぶな我はきかず有とも 時鳥船岡山をのり越えて月のみやこに傾くかそも 鶯の養ひ子とてほとゝぎす初音も夏のはなに鳴けり 貫ひとつさくり出す間に時鳥どちらへ飛し今の一声 盛り 真数香 仝 実乗 三浦 一豆袋 光貞 三崎 信濃片 千尋 繁成 仝羽毛 龍丸 春日 元住 盛岡 清浜 吉田 際民 仝 広海 全 千谷 盛岡 薫 二代目 馬馬 大野 一立器 此頃のうはさ届てほとゝぎすみれは夕月の影もさしけり 入月の跡へきたのゝほとゝぎすやみくもとなく夜半ぞ嬉しき 同三和 野上 緑 橘 杜若 早苗 端午 菖蒲 五月雨 あし曳の山ほとゝぎす雨過て雲間の月のほのかにぞなく しやが親の小鍋にも似ず時鳥なまなかなきて夜さら待せつ かけたかと水も世話する早苗時田長てふ鳥の朝な〳〵呼 築地をもくゞりて匂ふ橋はむかし男の袖の玉そする かきつばたかきつもなしにはたとなりて麦も紫色に見えけり 早少女の祝てぞ持し菅笠は柳の枝に出る月かげ 一猫といふ文字の作りの着苗を跡しさりしてうゝる袋田 。早苗時ひり留守居の手すさみに障子の間毎髭を植けり 一幟には大名風も吹せなん二本道具もたてる初節句 五日めの風に軒端を薫らせてふくもめでたきあやめ草かな 夜舟にもあら伝淀野をねながらにひかれて登るあやめ草哉 はね上る泥のたまうば五月雨に軒のあやめの根や生ふるらん 多国三 日のかげのうとき常世ぞ忍ばるゝさつきの匂の軒の橋 とめこかしといひても桜の雨のふる此ころ人のうとくぞ有ける 軒のつま引いと水の幾千筋よりてふとりし五月雨の河 吉田 類丸 三ノ戸 〆高 盛岡 繁門 花也 遠江一衆同 遠江一ノ流 年長 住人 川俣 一広高 戸部 行成 盛岡 康羅 一音高 三崎 芳風 栃木 松雨 仝 吾妻 墨也 はれ間なきいほりの友のまとゐにはふりし咄も出る五月雨 釜をぬく月夜にはあらで五月雨のやみにぬからゝ藪の竹の子 睦実 津 日出高 十四 水鶏 蛍 〽砂が家のもりにあてたる荷ひ桶いくかもふれる五月もの空 帰りに置て桶さへくちて沸しさもわをかけて増す五月雨の宿 童ながら唐土の絵図もひのもとのひかりなくてはみえぬ五月雨 一音づれし門の水鶏に寝られしと二人咄の底たゝきけり 陽候祖国馬 一落たるは星ならなくに玉柏水底てらす度むしの影 〽飛ぶ蛍影をひたして夏の夜もいろなる波を見する玉川 一くみかはす酒の興にぞなりにける一ツおさへし夏むしの影 天くだる星ともみつれいざなみの瀧にはしれて 一おさへたる蛍はあら伝妹が手に残るは露の光りなりけり 竹馬も夜は乗やめて木幡河かちはだしにて蛍追ふな等 追過し蛍はいつか跡に成て子等がしりへに光るとかしさ 一組の羽織紗の十つに縁のあるほたるは医者の魂にやみらん ○更さ夜の風に藻へつく夏虫も朝日にきえて炭の色なり 一夕ぐれにもえ出る蛍あつき日をふきけすやうな月の小杞風に 学むすぶ宗も卯木の雪消に朽ててらせし夏むしの影 軒につる籠の蛍やうらやまんやみにをり〳〵飛ぶ星を見て 。よむうちに窓の蛍の消て又光るはあやしまぼろしの巻 大屋 青成 手渡 基頼 高田 高田 一圭丸 吉田 久象 盛岡 花梁 満守 鎌倉 網彦 万宝 水戸 香折 盛岡 実栄 吉田 久家 中居 干蛙 豊成 古河 顕治成 盛岡 薫 津島 真長 浅散 夏月 瞿麦 百合 夏菜 藤草 ふち とらへんと艸出さゆれば溜り水うつる量にあぎむかれけり 夏むしは己が黄金の光りにてあかるく闇の世を渡るらし 草の葉の露の玉もや仁しつらん光りながらに登るなむし 河添にすだく蛍のかげ清み玉ぬく柳露も光れり 跡たれし名にこそひかれ玉津島そとおりたちて蛍狩りせん 蛍狩ふけてもどれる言訳のあかりに添し道をしへ草 夏の夜の月にみこれて思ひ出ぬわすれし物はあつさなりけり 出しより明るにほども夏の夜の月は雲井に行迷ふらん 花あやめかきつばたより夏の月秋によく似し顔の池水 帰国 かはほりの藤の風のたちそひて軒端すゞしき夕月のかげ 高田 奈美住 二本松 伊逗民 市極 雁住 春子 家人 万宝 高田 目積 深道 岩沼 仲舎 吾妻 秋安 風もあてじ塵もすゑじと秘蔵せん扇にのせて蒔しなでし子 御祝する赤き心か添竹の輪ぬてして咲河原なでし子同積 御祓する赤き心か添竹の輪ぬけして咲河原なでし子 同うつしにすみれの後の草枕一夜なつかし床夏なぜ 一夜宿しすみれの床の跡とへばたゞうつ向て姫百合の国 きのふこそ袷に受れきせ綿は思ひもかけぬ園の夏菊 年長 名古屋 弘器 弘器 夏はまた骨たけ延よと蜘の原のすゝきの袖に肩上やする たらちねのみ出やか原を分ゆけば我黒髪を撰した草 光貞 三ヶ浜 幽胖 十五 鵜川 蚊遣 照射 蝉 夕良 一道分の石さへみえずかくろひて右も左りも茂る夏艸 いとさには堪ぬ草だに露くだす月のめぐみにきほふ涼しさ 仲秋の頃になりては絶れども鵜飼にきそふ夏の今川 山川にうつれる月のみふねとはすれ〳〵になりて朝舟戻れり かやり焚夕顔棚の下すゞみあふく団扇もつま焦しけり 一嶋鳥のかつしか茎のふすべてやけふりの波をくゞる蚊の聲 蚊遣火の煙りのもとに物縫へる妻も針もて逃しをかしさ 一むらは蚊やるかふりに能ひぬくはれぬ為のまうけなれども 蜑のたく藻にすむ書にはらね共われからなきていぶす蚊遣火 螺の如脱出し家根のけふりにて崩れちりたる軒の蚊はしら 獲物なくあらさつをの道てらす月の花ぞけふのさちなる 蝉のなく木々は紅葉に海もせ伝空にしられぬ時雨聞えし 平家をもかたるやびはの梢より声をきかせし法町蝉かな 心はゝるやうにみえけりかはほりの扇さし出す夕かほの宿 布本一 雪になす風情もみえて棚中のたわむほど咲夕がほの花 葉を覆ひその下に咲ゆふ皃の花はさながら囲ふ氷宝か ひゞきにて落すや露の夕貌に隣れる家はつき米やにて 津 秋豊 盛岡 尚照 勝瀬 文垣 成りが心 柿人 実葉 麻生 歌しく 年長 河守 盛岡 黒牛 光貞 四時 実老 長手 杉守 間之田 亀住 仝 式部 房得 盛岡 梅明 数高 扇 氷室 暑 夕立 納涼 一かはほりの扇の風のすゞしさに鳥あるさともあふぎ見るなり うすきぬの袖のなみ間に影とめてつかふ殿や田子のうら富士 銀山源 一声かけて貢の氷通る時星さもしばし片寄りぬらん 氷室守野末の庭に煙草呑む火たねは結句かこひかねけり 貸坐敷簾は客にまかけても風は心にまかせざりけり 暑き日はなんと若水一はいに水をたゝへてながめをもせし 陽鶴祖国馬 夕立の車とゞろき降雨はあつさつみ行音にや有らむ 雲の峯崩れてみえぬ釜にあつさも下に埋められけん かりた物明す野の原の夕立の風にとらるゝ竹の子の笠 あし引の山本さして夕立の雨あし早く降くだるみゆ かゝる時雲のたもとも夕たちにしぼりかけたる空ぞ涼しき 窓も戸もしめてあけねば稲妻の鍵をもち出す夕立の空 暑さをば墨のやうなる村雲にかき消して来る夕立の空 はれてみれば真くらになりて鳴神の星ささらふて行し夕立 雨雲のひと押小路ほどなくもあがら町なる夕立の空 □□□□□□□□ 陽侯馳登 おとしたる處商もすゞし四条河取られぬ水の月と流て 花のひ憎みし風を夕すゞみ片机ぬぎて待ぞをかしき 岩沼 仲実 藤沢 音増 今風 枝成 藤沢 藤澤里人 しつ 高を 真名夫 真名夫 水戸 繁栄 間之田 亀住 顕助 奥本宮 川形 高田 源覚 津 万津雄 信楽 芳名女 福門 上毛桐生 茂登翰 仙台 千條 吉田 足穂 十六 雲の上こゝろ涼しきかぜもちてあつきめぐみの君をあふがん 一かり枕麻に顔をおほひつゝ目に見ぬ風にすゞしくぞ寝る 吉成 盛岡 若枝 涼しさは四条河原にとゞまりてあつさは爰に別れゆくらん すゞしさにおきし扇の花もみぢ月の承りに閉しとぞ見つ 弘麿 福島 金満 あつさだにしのぐ四条は涼風の秋にもたれし手すり竹にも 〽賑ひし四条河原の夜すゝみに月もうかれ出し烏丸筋 山松 藤沢 楽主 涼とる庭に扇の一郎地堂それも秋なる風の通ひ路 一さら〳〵と風の柳の蔭すゞし流るゝ河も爰にうつせり 去年の雪さらせる越の国縮夏はひやつく風のすゞしさ 栃木 耳取 千代住 千代住 耳取 木数 小舟山 猪鳥 むかひては口もきかれずさいつ頃花に恨みし風のすゞしさ 銀山湧千鳥三 竹心同のあられふり出す涼み違ひやつくやうな門の夕風 涼風の四条は京の一役者かはらものとは誰も申さし 茶屋借りて爰に床机も二気は四条河原の夕風ぞ待 真砂地に跡こそみえね秋風も月の霜夜に通ふすゞしさ 跡人 間々田 松守 初木 被成 花也 馬伎 暑き日も御影の山の流れ汲む四条河原の川辺すゞしき 彼れにさへ星さはよけて出くらんつれ立て来し森の下風 夕されはうら風すゞし住よしのきしには夏のしれ草生ふ 十九吉 水戸 一主技 福島 練員 水清き流れにすゑし床はからさかづき洗ふ手えすゞしや 空晴て野辺の千種に月の露玉のいさごとみゆるすゞしさ 水清し風もほどよし月もよし夜よし四条の川深かな 四条河茶やの床几のあし迄も水にぞひたすゆふべすゞしき 星さをもわするゝ加茂の河涼みひえより風の来るを思へは もてあますほどの暑さを手軽くもよそへもて行風のすゞしさ しほれたる草木もすゞし打水に星さわすれて生通りけり 爰にしも集ふ緑子の夕涼み四条河原の風を尋ねて 行燈を先吹消して涼風は扇をあ処へとりて行けん 新らしき塀へ吹こむ涼風は青〳〵とみる庭よりぞふく 川南 武蔵川越 枕主 仝は王子 人真北 吉田 貞水 ね津 窪童 雀童 古河 捨瓢 栃木 栃木芙蓉 美幸 仝 文世 盛岡 春風 一末広 よき風をまねく四条のかけ茶やも夏をむねとぞ立ならべける 浜主 涼しさに夏の心は消うせてあつさをひやす加茂川の水 月のおはす方に枕もおきかへてねやに入るをばいとふ夜涼 四条をばしの字きらひも打忘れ風に命をのぶるすゞしさ 壁一重となりに秋の風あらばいへおこせかし夏の夜涼み 人ことに暑しといへるもの葉も吹飛す風に夕すゞみせん 夏ながら秋かとぞ思ふ涼しさは世にそむきたる軒の松風 弘麿 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 市盛 栃木 御成 大宮 持秋 手渡 島瀬 柿人 泉 御祓 夏夜 夏海 筆 花火 虫干 夏の夜の星さをかこつ房崎へ風もやさしくこゆる涼しさ 山満 なねてふよはひを契る松陰に秋通ふ風ぞすゞしかりける まねかずと吹来る風の涼しさや鹿は腰にさして用なし 流しのぼる山路を谷間よりはしりて下る岩が様の水 松蔭に出る清水をむすばんとむすび上たる猿をがせ哉 鈴山湧 一罪科をすつほりぬけてから衣せみの小河に流すかたしろ 高遠 真名文 同断 宮内 円作 後守 古河 顕勢成 夏山の火串のつみはいくしにてけすはかりなる鴨の川風 御抜して罪を払へば身かにて形代ながす瀬とのゆふ風 陽候躯玉馬 夏の夜のないかしろなる粉すがたは涼しき風の手前恥かし 銀山院 破れたる樹より夢の切〳〵をつゞくる間なく明る短夜 長明が庵りもかくやすゞみ台あちらこちうへ運ぶ夏の夜 枝成 盛岡 名類き 全 逸茂 古河 宵寐 川俣 広高 一いと引し霞も夏の海はらに懸りてみゆる蜑のつり舟 陽候馳出馬 ものふの箭にも成らんいきほひは岩を通して出る竹の子 一本一 あすの夜のたのしみ草と薄なす尤火も藤の棚にあけけり 今の花み 一桜本縫ひし小袖に心して風だに吹ぬ土用干かな 銀山湧千鳥三 一衣干す土用来けりと人皆にとり出すかな家具山の如 竹女 清規 村松 厚府 幕府 星彦 栃木 村雨 小桜の鎧のかびのしら花を風にちらせるけふの虫干 音蝶 対 夏雑 立秋 胸に穴の有てふ国はさもはらめはらにたくはふ書を干とて 一画かきたる肩の雪のそれなら伝竹を曲たる月のほろがや 盛玉 照芳 仝 幾羅 風雲の行かひ絶て水無月のあま路や帝もさびしかりけん 鈴繁 夏衣ひとへに薄き蝉の羽も聲きく時はあつくそ有れ 爪先を貰にまなして捕る茶は鷹の爪てふ名にや立らん 見附 万貫 盛岡 黒牛 ほとゝぎす鳴つるあとに鰹売まけじと初直高〳〵と呼ぶ 河岸もあらはにみえて痩水によしといふなるうなきだに居ず 春日 明安 小松 峯行 峯行 年毎に得着はさはになる子頭つると渡世はほそちながらも 盛岡 森蔭 秋之部 添評万松亭年長 その 千歳松 一けさ秋に鳴子ならして小田守を西の方よりおどろかす風 松代 美酒 露深きむぐらの宿はとり分て袖ぬらすべき秋はきにけり 花 一秋風の人おどろかす力にも動しかねつ残る暑さは 高畑 小諸 歌洲丸 水臣 村小女 魔にて目にはさやかにみえにけり風の音にはおどろかねとも 初雁のみまた来ねどけふよりと風の便りにしらす初秋 一隣より風さそふ桐の一葉に垣を乗越へ秋は立けり 目にみえぬ秋や葉来し初風にけさはゆれみつ虫籠の舟 朝またきこそつく風は人しれず来てゐる秋やさかす成らん 岩沼 播瀬 友春 一従 盛正 森蔭 尾張津島 浅薮 十八 七夕 音つれは桐の一葉のひとはしりふたはしり入秋の丸窓 今朝見れば薄尾国の打靡き招くに立て余は来にけり 漸くに夏の暑さもさるといへは西の方より秋は来にけり 夏はきのふ切にていたく淋しきは四季の三つめの立はなりけり 数高 二本松 千足 鎌倉山内 山鳥 庄内 真金 一葉ちる秋の柳の初風のきのふにかはる音のさびしさ 葛の葉をうらへかへして人の気をあはれすゝむる秋のはつ風 かけ棹に願ひの草のふた筋はもろよりとなる天津望合 老松松実二 中〳〵に牛の歩みもはやしとてわかるゝ時や星のかこたん 一棚檀の逢夜にかけしかさきのはしら時計も心してうて 枕井 紫の衣をかさんたなばたのをしむ別れのあけうばへとて 保利 吉向 久象 小袋 死人 満守 厚木 吉女 濱子 石に化す星の流るゝ天の川これも早瀬のうちにやはらん 津 日出高 棚橋のつまくる夜半の機糸もよりかさねつゝ幾世へぬらめ 天の河越給ふ頃たなばたにこがるゝ色の名さへ柴々に 星舎の空に手向し春よりもよく組立しかさゝぎの橋 一たなばたの思ひの雲もはれぬべしすゞしき秋の風のふく夜は むさし野にあやゝ海を織る萩は七日の晩の星のはれ着よれ ひとゝせのつもる枕のちりの山をこぼちて埋ん天の川をは 甲良 津久田 一瓶 真長 萩 来し秋のみえぬものをはみたやうに大きな聲をたつるあした夜 庭守 草苅の鎌にはさらにおとろか伝めにみえぬ風にさわぐ萩原 古河 多顕村 萩 薄 女郎 本妻と呼ぬる萩に近よりてつゆのぬれ衣きてなもどりそ 一宮城のゝ萩かき分てひたゝれの露よりつゆを落す宮人 美しき萩の花には菰の毛のほしと見とみこれてはら籠りせし 小男荒の帰れるあとに宮城野のつゆに昼寝の萩の前妻 折取りてみればうつろふ秋萩のいろも思案の外にそ有れ 咲萩の錦の夜具の露よりもころり〳〵と茗の寝にくる おく露にたわめる萩の枝ごとに杖をつかせよの字の玉河 老松松実三 。きりの海学の浪立つむさしのに一むら茂る嶋すゝきかな 月影も絵にかけるめ糸すゝき銀泥にうつす筆かとぞ見る むさしのに招く尾国の波なれど風に逃ゆく水とこそ見れ 真清 吉田 帰 光貞 小松 真明 仙台 千條 吉田 吉田彦男 彦芽 舟津 名古屋 玉住 名古屋〃 真知 栃木 千代住 武蔵秩父 左英 秋の野のさびしき侭に誰となくまねく薄のたもと露けき 一穂すゝきのまねくほだしにほだされてふりかへりぬる野路のむらず 清規 松代 元雄 風にふる尾前もなれし犬の如袖を拂へば裾にまとへり 幾夜さも結びし露の契だに水の粟かと見るをみなへし 女郎女郎女郎色にも通眼が口とめぞする類は何事 年長 岩沼 友春 吉田 貞元 十九 朝皃 ま 秋草 胡野 残る 露 あたしのゝ露になまめくからず濡て添物の月のかつら男 野の広きかやの中なる女らむ風に寝てみつ又起て見つ 朝顔にみとれて三里。おくれけり色うるはしき本の一時 天の乳ふさ露をふくみておきながら笑まひのみゆる蛇の朝顔 〽有明の月の鏡に化粧してたゞ露の間を笑ふ朝がほ 竹糸のくる其の小野の藤ばまきて見よきは纏びにけり 一紫はあづま男やふぢ袴きめこまかなる草女郎 老松松実二 いろ〳〵の花の錦をかりきぬか露を結びし穂すゝきの袖 高田 一星成 二代目 鳥馬 清規 二本松 波解民 盛岡 一本染 古河 内子 浅島 年久 盛岡 照芳 秋の野にはさみとるとて七草の花の露にも爪はぬらせり 鳥羽むと詠はじめけん秋のゝの露をやたてにしたむる人 多国三 文にしもまた水無月とかく斗りのこるいはさに秋をわすれて きのふも夏は行しか此星さ秋はこぬかとおどろかれけり 一秋風のたち売の西瓜ふたつみつ残る星さこともにきほはん 秋立といへども風のたよりなくのこる星さのやるかたぞなき 自由にも千種は風に寝たり又露はおきたり手枕の小野 一月影をあるじ顔にも宿しけり露は草葉にかゝり居ながら むさしのゝ月のさしづにしら雷のおきてそむかで玉と光れり 童子 三崎 芽風 朝風 吾妻 枡成 津 篠群 左何 頭茂女 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 一尚照 万宝 盛岡 実栄 多む二 野分 一鷲さへも契のし得ぬ野分にて空に飛たる旅人の笠 朝市のあとや野分は辻〳〵に吹よせぬらん燈のくさ〳〵 一今風 突人 手渡 秋風 虫 神風の伊勢の浜荻野分して旅宿やすらんをりふせにけ 〽秋風かとへば山家の枝折戸もあけにかゝりし門の木々の葉 萩の空をうばひしきりの海原のしらなみを追ふ秋の山風 暮そめて鐘かひゞけは秋草のはなのほかにも松虫の声 馬追ひのむしに続てわん〳〵とふり行やうな鈴むしの声 基頼 二本松 志翁民 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 友也 兼一 吾妻 夫高 鹿 秋しらぬ都へ秋のさびしさを荷ひてくるやむし売の声 まされるもおとゝもあれはだん〳〵と音は直によりてひさく出売 むしのきうふしもそへつゝ長き秋にいときりもなく聞ゆはた織 あぶみのみ名高く聞し武蔵野にきたへのよき音ある亀口出 女々敷も吟茗の音に秋山の茸かりしことも忘れてぞ聞 啼よりも思へば哀れ善荒男のむかばきとなるもしらぬさをしか 老松松実二 松風の声きくよりも哀れなり茗を呼出す笛の音色は 鉄炮の音だにせすて鳴茗をかりそめならの山中にきく あはれげに鳴音に目をも覚しけり夢野に森のおそはれやして 怒涙る月にをしかの雷をしもこふる心はやみにさりけり 清秋 音繋 村松 豊成 古河 なるめ 諸実 花也 三崎 三崎芳風 津 宇都丸 中居 俊正 春子 秋夕 稲妻 。棟器の声も械福と聞えけり霧の海なす舟岡の山 卯花一 鳴荒にいとゝ哀れの添ぬらんつゆの涙をこぼす玉萩 何地よりつまの来るてふ約束やまちかね山の棹荒の声 妻にあふ嬉しさになく荒のねもあはれひとつに聞なされけり 筑波山葉山茂山しがられとつま恋ふ鹿の声はさはらず 一こゝろ迄しづむや隅田の鐘が浅水色さびし秋のゆふぐれ さゝで置関の扉のひち臺の夫さへさびし秋のゆふぐれ 一しきりふるむら雨もほろ〳〵と涙もよほす秋の夕ぐれ ふむ一 一畔の花の色とは雪とすみからすの帰る群の夕ぐれ 我庭の柿をぬすみに来し人の心も淋し秋のゆふぐれ 萩薄伏てかなしき野つらにはむしもなきゐる秋の夕暮 一暮てだに杣木こるらし斧のはのひかりてそけし稲妻の影 一穂なみ立上に糸引さがにのくも手にはしる小田の稲妻 さゝがにの糸には有うで雪〳〵にくもの尻より出る稲妻 ふむ一 一不破の関板間もれくる稲妻はくものみねより崩れ落るか 棚桟の跡の祭の中そうに火こほし通ふ稲妻の影 おそろしくおもひの外になら神の蚊やつれと出すや稲妻の鍵 三和 高田 奈美住 仝 蔭栖 二本松 伊逗民 甲良 甲良 盛岡 物種 黒牛 睦実 盛岡 真数集 柿人 古河 俊英 盛岡 黒牛 仝 花雄 仝 実栄 吾妻 花竹 二本松 音繁 手足 秋田 秋夜 駒迎 同 一出来秋はつよき風さへ不堪田の奏なくてよくみのりぬる稲 〽秋の田の下の苦迄も思しめす御製に民の袖もぬれつゝ 明るまの達しとかねを教へうたよみ尽しても尽ぬ秋の夜 老松 口をとるよぼろが袖は雲の上にのぼれる駒のつばさそふらし 仝松実三 一多き中に雲井へのぼる仕合はいかなるたねやまきの荒駒 筏士の棹にも影の碑かれてこほりに似たる河面九月 漕く舟に心うかれてもろともにありくとみゆる松そ山の月 照月の五百丈てふ桂をもやどり木にせし辛崎の松 千歳松 さしのぼる月のおもしに影は地へ押つけらるゝやうな松が枝 多国三 一月の雪つもる深さはしら雲のかゝる方より消はじめけり 澄もせず跡さへつかず踏迷ふ気つかひぞなき月の雪の夜 旅の宿に笥に盛飯を喰ながら椎の葉をもる月を見るかな 盛園 実乗 浜主 盛岡 梅明 庭守 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 真数香 全 繁門 白川 折雀 吉田 千谷 水戸 戸香折 高田 一盛 高呂 かた知 灘浦 南陀羅 山合の木かげにしりとみえぬまにはやくも午になりし月がけ 老松松実三 影ほしとならぶ姿を二人居てもの語りすと月やおもはむ 梓弓はるかにみゆる高円の山の端さして月のいるらん 一あはれすゝむ涙のもとは月の中の桂の露やたねとなるらん 清規 仙台 一枝 稲津 雀言 雀童 盛岡 雁迺屋 類よまぬ人は若きも捨られん月見につどふ更科の山 鈴繁 月の雪見るには邪魔な枝一つ内へをれ込む庭のおかげ 実照 こゝろなき身にもさすがに寝言とはきかぬ今宵の月のからうた 老松松実二 雪とみし名残あればか日の出て消るやうなるこゝなの月 月影の雪のまとひの友はみな夢のゆきゝもとゞめたりけり 枝成 高呂 一畳敷 高田 深道 秋風の立にはゆれ伝雲の浪にすわるはかたし夕月の舟 介益茅 むさし野の露のおきゐる草〳〵に星の林をゆづる月かげ 武蔵野のはても今宵はみて置んすゝきう行月を枝折に 目に見えぬ風の手柄は有明の月にさはれる雲はらひけり 老の目に今宵の月を雪と見てつもれる年も忍ぶ燭の夜 見るにありぬ人の心の居所のくぼむやうなる三日月の影 きのふ迄もめし日和もやはらぎて丸くすみたる十五夜の月 月の夜に振舞暮夏にはした呼ぶ手打世話しや友の木つれて おはしまに寄りて向ふを詠れば月もおが枝にもたれかゝれり あら海の障子も名のみ風もなく二千里の外も思ふ月影 月よしと人も集ひつさらしなのまことにみちし影ぞうつれる 我を見てくもなく顕をよめかしとなこりもみゆる秋の夜の月 脇衣袖のみなとにやどる夜は露けき秋の月ぞななる 越後梶村 程盛 真梶 馬呂 胴成 村松 和泉津 厚府 桜堀 大坂 深川 千代住 千代住 盛岡 螺門 仝 仲芳 睦志 目積 大枝 河水に月のかつらの浮みしとみゆるは嶋のうき巣なりけり 入る月に恨られんといづくへか山の端逃しむさしのゝ 一秋の夜の月の雪にはふりはえてこゝろとけあふ友の訪へかし うつ蝉のからも正楽とも照らせるは雲の衣をぬぎし月かげ 春の頃花にゑがひししら雲も月にはちらせ秋の夜の風 見ても〳〵みあかざる身の此上は月と友〳〵山に入らばや 世の人にひやゆづりしねたてもやかげ同し月のかつら男 諸実 伊予三つ浜 幽昧 津 稲荷山 久世 菊套 盛岡 若枝 三浦 豆成 玉川の主作りうてるひゞきにやおどり出けんむら雲の月 もてはやす人のおほさに秋の夜の月はみふねの山にのぼれり 市を一 中〳〵に山の有るこそたのしけれ落かゝる月をのぼり見る夜は 夕くれに菅の小笠を腰につけ月をかざしてかへる難波女 月故に我はひしとおもへどもさやけさを餘所に見てはおられし すゞしさよ流るゝ月の水かゞみ秋のすがたもうつるかと見し 雨露をしのぎしうさは忘れつゝもるは嬉しき芦の家の月 一月夜よし鋸山の端を出ておが屑ほどの雲だにもなし なもりをうけし盥に影すみてひかり進献す空の月かな 雲をり〳〵額に艘をよする時月にむしと人や見るらん 真直 大河 太良里 武蔵惣 行恒 吉田 一市守 三浦 一豆成 常極 一重 青原 貞次 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 為成 仝 仝三十一 祭門 川候 琵琶 二十二 団扇にも月の桂の八重桜花もゆかしきならの秋の夜 月の入るその山のはの遠くしてをしむこゝろのとゞかざりけり 夕ぐれはいとゞ淋しき秋の夜の友まつがえをいづる月影 下草の松ももみぢもおしなべてさやけさもよにあまるほかげ 仲秋の月のうさぎの望の夜は丸く澄けりみつるものから 十三夜月 はづかしと月の女女の十三夜影も真向にむかはざりけん 満丸にみつれば欠るならひわればたらでごとたる後の月影 雁 一秋の夜の月しら河の関越る雁のつらさへ黒くみえけり 初雁も聲賑やかに夏の浦よく見え渡る月ぞくまなき 一出た世より目当にしてやくる雁のつらなるさまもふじの山形 春露立わかれにしおもかげをきり間に見せて来ぬる雁がね 雁がねの持て来しみの宛名こそあてなる月の少女なるらめ 一久かたの雲間はるかにゆく雁は天津少女の文使ひかも からめきてよめがたきよりよめやすく夜目にもわかる雁の玉つさ 〽天の原かすりにみれば疑ひのかほとにもなき雁のすくなさ きり深み羽も打ぬれて我と我竿にほすらん天津雁がね かれ枝を口にくはへてかりがねはやうじありげにけさは来にけり 万宝 白川 友雀 仝 真名座 藤沢 益増 川越 年丸 年丸 吉田 久将 貞永 村松 藤沢 厚房 菱垣 水戸 盛岡 宣政 実春 諸実 春日 三浦 明あ 豆成 連来 岩沼 仲舎 一万宝 不存候 砧 鶉 重陽 菊 紅葉 草秋 香踊 日を覆ひ花の齢の延ぬるは横しらぬけさの深きり 薄墨に悪きしごとく霧こめてみえかねはせし和頭の源松 老松松実之 山彦も労れやすらんに夜貼しまへばともにしまふ槌のね 一衣うつ里に泊れば我耳にうつ音もとまる夜半の淋しさ 一夜寒さも隣ほ士はへだてなく打かたりつゝ磯きくらし 。秋の根はねにもかへらで花色の河内木綿の衣うつなり 輝の夜もしら茶かへしの深小役うちあかすらん宇治の里人 栃木 美幸 盛岡 春風 春風 満守 戸部 元蔭 元蔭 盛岡 一幾羅 村松 繁姫 仝 物事も元妻ほどは身にしましうはなりのする夜貼の音 一鐘の音も夜寒の里に響きけり霜をかさねてうてる衣は 浜主 大宮 津葉成 津葉成 小松 また籠にいらぬ内から野の草にかしらつかへて啼うづら哉 高直にて買し鶏を軒にかけて栄耀にふける人も有に 真明 盛岡 実乗 実乗 村松 けふにあひてくめども尽ぬ葉の酒ちるとはいはじせくの花守 。泉水の中洲に植し黄かね菊遠くのぞめは淡渡の島山 たる露を土にすはせて菊の国折て戻るも千代のふる道 喜兼 盛岡 森蔭 目積 村松 老松 一銭菊とこがね菊とをとり交て頭の趣向につかひぬる哉 八雲たつ出雲はたち手をこめてはたきく作れその八重茶を 。大輪の花ほど霜をいとふらん首をもたげて咲るしら菊 厚房 戸 高 〆高 比田井 芝丸 二十三 一花一 苔はこその種とこそなれかなしさのみのらば秋の黄金菊見ん 味酒を酌て老せぬ翁そも誰しら菜の花と見ましや 多丈三 春露むらさき奪ふ山〳〵をいまぞき葉のあけにかへせる 時雨して淋しものとは思れずひの照わたるもみぢ葉の色 ひとり住む淋しさに又さびしさの落かさなりし庭のもみぢ葉 千年ふる松の花木をあなどりておのれひのおと見するもみぢ葉 おしなめし秋に其名も高雄山緋と黄は目たつ峯のもみぢ葉 ○山姫の下着の袖か松杉の木の間にみゆるもみぢ葉の色 水鳥のそれにはあら侍もみぢ葉の風にとびてぞ浪をくゞれる 秋の山酒汲む人も紅葉の朱にまじはりて赤くなる顔 流れ行秋をとめんととめし簗にひもはつかなるもみぢ落来し 萩萩もかれて花やの鋏ま伝さび行秋の名残をしさよ あけば又秋のはてなん事を侘て月の夜よりもをしむ闇の夜 此頃はよほどへりたる穴の音に哀れいやます秋の暮かな 見せに出つみに出つけのをどりものおやもむかしはこのすがたなり 一柳さくら交し姿にはるか増都むすめのをどるなり振り 都かな顕舞のぼさつや天人のおりても踊る西陣の盆 高田 一ノ宮 一達治 一ノ宮 鳴海 馬伎 睦実 二本松 亀甲 江や川 白住 大 咲花草 馬伎 一ノ宮 久世 游雀 盛岡 黒牛 手渡 島頼 栃木 松雨 梁川 久和士 山角 窪川 一等 吾妻 枡成 九日 ひとつれは珠数堂町より出ぬらん輪に廻りゆく盆の踊子 一。丁子車ましゆかたの踊子は油の小路よりや出けん 伊達衣裳薄尾花の縫箔にまねかずしてもをどり見に来る 輪になるをはじめ見てはる前帯もうしろへまはる進踊りかな よし原の俄はあれど都とて手しなやさしき盆をどりかな くらべ見るふり分髪の子等の取井筒かすりをきし盆踊 類よみの多きみやこの色踊りまくらこと葉をとりのなくも 踊る子の親はなきかと誉られてぼんよ〳〵といとをしむ母 九重のみやこ踊は手拍子もあしどりもよくあはせびんかな 一逢踊りする拍子にて魂棚も膳棚までもをどり出せり うら盆に雀と記して踊たらん若し編笠も蛤の形り 盆踊すゞめ踊にうかれ出る老翁もおんどをとりの鳴くみ 霊祭る中に都の盆踊りみな凡俗の興にこそ有れ 借銭のふちものがれし盆踊ひれ振るがめ夜さらいを尋ぬ ひたゝも若きも盆のくる〳〵と踊りてまはる燈籠の影 花也 仝 一真長 跡人 青原 貞池 常陸江戸崎 元習 材木 塩成 盛岡 逸茂 吉田 貞水 藤沢 一米主 津 一三津木 盛岡 道迺 弘麿 三ノ戸 可也 間に間 松守 たま送りあとの祭りの賑やかをきても都の盆の手踊り 秋風に袖ふくらしてをとめ子もみに身をいるゝ盆をどり哉 二十四 月の眉雪のはたへのたをやめの花のみやこにをどるふりよし 燈籠 燈火にうつす桜のよしの声また花をもつ秋の燈籠 籠燈火にうつす桜のよしの姿また国をもつ秋の燈籠 水戸 秋雑 声立る鳴子の音にひまなくてつくりを喰ふ鳥や追らん 草勘一 一暑き汁とくをさまりて太年の秋にはいらぬくさり帷子 初冬 時雨 冬之部 添評七珍舎万宝 貫されは木の葉ちらして吹風のやまぬかぎりはあらしとじふ 冬されは木の葉ちらして吹風のやまぬかぎりはあらしとぞ思ふ 一夏山にとりたる名の皮敷て人も御やける冬は来にけり 夏山にとりたる茗の皮敷て人もとによる冬は来にけり 冬の来てけさそ初し霜柱やがて氷の板やはるらん 村松 厚方 風に散る木のは衣はかさぬれど着てもきさむの冬は来にけり 。照のこるも真葉のひはそながら庵はまくらき村時雨雲 吉野山小春の空のしくれだにむつの花には父母の雨 顕助 高田 仙台 広成 白兼 美しき紅葉を交て雪よりも寄荒にふれる初しぐれ哉 村時雨ふれど音なく静かれはしづかなはなふ芝まぶきの家 ふたし山のぼりし様の夕時雨赤かる橋を切かとぞ見る 千松辺めぐる時雨の引着て富山斗り夕日影さす 子等に似て跡先わかぬ村時雨ふるとおもへば笑ふ月かぞ 鬧しく時雨は木々を染るほど松は紅葉の隙に見えけり 二本松 柿人 与行民 仙台 一葉 盛る山 幾羅 吉田 久泉 二本松 志富民 落葉 残菊 霜 氷 もみぢ葉の銭の衣を縫んとや時雨ははりをとり出しけむ むし時雨しばし凌ぎて居酒屋の人の顔さへ色そひにけり 家をうつ時雨の音は寒とさを呼出すやうにおもはれにけり 道中の双六に似てむら時雨ふりてはあがり上りては降る 十善男七宝三 一朝風にちりしく庭のもみぢそはしものはしらの釘隠しかも 一葉守てふ神の御留守になる頃は力およは伝もみぢ散るらし 一夜寒とて石に木の葉を着せぬるは夕風のなさけなるらし 磯山の千鳥とみれば木からしにちり〴〵に飛ぶ木の葉なりけり 重さうに矢龍をかけて凩のおとしてゆけと軽きもみぢ薬 庭守もはきやまとはん椽先にいあつまりし木の葉沓をば 霜よけの其丹誠を下露も水になさじと残るしら菜 くすりをも仕舞也とて冬の野の風にから〳〵なる袋菊 山人かひける杣木に置ぬるもいまだ柱にならぬ初霜 春のみか冬も曙初霜に山きはしろくけしきはみたり 。朝まだき夢より続く初霜はふりむくうちに消て珍なし 秋の田の月の秋田かりし影よりもわが取手の霜ぞひかれる きく人もなしと氷りて松かげに流るゝことの緒をたちし水 白川 顕雄 岡崎 真水 水戸 繁道 吉田 一 古河 松平 替岡 尚思 勝瀬 文垣 盛 松谷忠芳 味方 同断断同 公 仝 実乗 竹女 照覚 仙台 仙台千年 桜井 松河河 水戸 水戸 亀良 抜井 松井水元 ね津 水ば 水哉 二十五 枯野 風 冬月 ふ 長閑さにうかれ出歩く水もまた夜は寒しとて戸さす薄氷 一逢坂の関の清水に月影も過さぬほどに氷とぢけり 聞ならく千とせの後は玻璃となる氷もとづるものにぞとゝて 打砕くたらひの氷思はずよこれにも月の宿にも月の宿にも月の宿にも月の宿に もろともに氷うばつめたからんとや下をくゝりて逃る川水 一厚板にむすぶれもけさは又霞の帯のとけて長閑し 方図の器によりて玉とみえ釼と見しも氷りなりけり 見し秋の草は夢野に冬かれて霜のおきなと替るあはれさ しら髪にもなら侍柳のどこやらか老と見えすへ冬枯の野辺 さびしさを誘ひ出せしは何ものと思へはこたふ峯の凧 一年の内に春は甘しかとみ上れば雪に朧の冬の夜の月 一邪魔になる竹をたわめし白雪に光り弥増そ冬のよの月 一気にかゝる雲も出ねば冬の月おもひのまゝに照て寒けし 小春とて名はおほろけに月影のさゆれど秋に似ざる寒けさ 音さゆる嵐は落て瀧つせに氷りもやら時のぼる月影 冬かれの梢の霜に辷りてや落葉のうへに氷る月かげ 十四月十四日 節分の鬼も出さうな雲間より豆打やうにふるあられ哉 盛岡 森彦 花也 長明 盛岡 名類記 名古屋 強器 川越 川越 年九 常極 一重 男証子 勝瀬 外塩一塩 中居 一豊成 盛岡 黒牛 松代 あ左彦 盛岡 茂岡 吾妻 秋あ 高田 登し女 甲良 小松 一性 性 豊明 千鳥 水鳥 一糊花をかへるや人が腰にさすさゝとたはしる玉あられ哉 あられふる音も静に世を送る遠山里のわらぶきの庵 一本のつぼみ落るかとみてそけばあられたばしる梅守が通 松原にはう〳〵ふれる玉愛いく千代君が数とりにせん 鶯の夜飼する頃耳たちて玉をころかす霰はげしも 米備ふ豊の明りの御土器民の油は絞らざりけり おろす時うづまくす磨のうら衛鳴戸の涙も越てきぬらん 十善図七宝二 一人ならばゆるされましをす磨の流ちとりぞ破る関守の夢 舟の居ぬかたへ〳〵とさして行芝生の瀧みの妻なしにとり 妻こめにむれ立友の八重垣をつくる出雲のうらちどり哉 かしましくなくに目覚る関もりは千鳥と共に南やこふらん 市む一 一此雪に千鳥の声も埋もれてゆつくりと寝んす磨の関守 ほろ酔に出て聞夜の河子どりあし辺定めず立さわぐなり 白川 折雀 盛岡 逸茂 逸茂 水戸 守安 古河 曽類記 四十二時 甲府実 実老 名古屋 弘器 日出山 竹長 津 十字街 鹿生 る志久 盛岡 京羅 仝 実葉 朝風 盛岡 名比記 をじ鳥の錦を着たる羽袖より身のまはりよき池のあし鴨 十一月十一日 一初若な洗ふ春より波よけの籠に青はのめだつあし鴨 毛衣はあつくみゆれどひとへにてつまはかさねぬ鷲のひとり揉 おほかたは水にとぢて広洋の池をもせまくあさる味むら 兼一 満守 於兎門 満守 網代 こん 追れきてあやふき涙に鷹の目をぬけつくゞりて浮む水鳥 一鶯の寝し枕のふさとみゆるなりくゝりの池の浮草の蔓 一雲井なる雀もおよはじ宮人にこととはれたる隅田の有鳥 。さゞ波に洗ひ出せどもみどもみどもみどは鴨の生れなりけり ○ うかみては足にひまなき水鳥をぬき捨し沓と見るそをかしき をし鳥のつがひはなれぬそのさまを屏風の絵にもかゝせてぞと 王祥かぬきしさまなり鯉のすむ池の氷りに鴨のうき沓 難波なる阿弥陀が池にくゝりゐてうき出る鴨も水の輪後光 夏は夏冬はあじろに焚く崩り飛び違ふ火の絶ぬ宇治川 一待わびてたまらざりしに引かへてうれしさ積るけさの初雪 古あ 難るめ 八幡 千等 古河 一太良里 一ノ宮 鳴海 馬伎 白川 友雀 馬伎 友雀 ゑ 行軽 岡崎 真水 名こへ 秋守 式部 房得 月花に見しいつはりの世に迎ふ道だに絶し雪の山道 仝 ふりつもる雪にしたゝかふみ込てはざだにみえぬ宮城野の原 し善男七宝三 風はなのちら〳〵窓へ降込て中〳〵又をみせぬ雪かな 初雪は少しながらも訪へかしなかならずしもとみまがへなせそ 盛岡 馬伎 梅明 鹿生 歌しく 枝成 つゝら折真直にそりをはしらせて雪に越路の近くなりけり 猶さらに雪に静けさ柴の戸はとへかし友の跡もしたはし 一草も木も雪にうづめと埋ぬは月のかつらの枝にぞわける 盛岡 睦実 禁門 真直 やはらぐる御代の貢か世の中の物に角なき雪の明ぼの 打拂ふ袖も大事にふることの雪にめでぬる儘野の夕くれ 一松の琴竹の笛さへ音とめてふりつむ雪の下になりけり ふり埋む橋は夕辺にひきやめし岸の姫てふ松の琴箱 音なしにふり積りたる玉のちりそうに影なき月夜とぞ見る 石臼のかたわれ月の飛石も雲かくれにし庭のしら雪 蓬莱もかくやひめもす降雪に玉の枝なす深山路の木々 一禅星はみないちうししらけにし貢の米は雪にぞありける 一岩戸隠貴信濃の深山春の日におもしろく残る雪の陰見し 訪れたる人のなさけのあつさにて寒さわするゝ雪の夜噺 ふりつむを花としみれば折られたる枝も興ある雪の庭もせ 雪とみる花を手折て疵つくはあし跡よりも悪き手の跡 花はその木にかぎれどもかぎりなきながめは雪の峯つゞきなり 東山それも隔てず国布を敷かとぞ見るけさの初雪 山住は跡つく心つかひさへなくて示しく雪を詠し 豊年の貢物とて村長か庭につみたるけさの白雪 漕歩く雪見の舟を脇目からこれも景色と又人やみん 竹女 戸部 長丸 高畑 歌河丸 津 三津木 吉田 貞水 年長 京 守信 古河 宵寐 小諸 千勝 梁川 一金友 仙台 江戸崎 千條 元有 白川 一真名寉 岡部 鎰取 小諸 守人 ねつ 雀童 三崎 久良久 二十二 初雪に面ゆく出来し詠題ははき捨られぬ心地なりけり 諸つけし事をいとひて行客の雪の門をば無理にとめけり 春日山詣る人の菅かさとみれは燈籠につもる白雪 たねもりの菊に匂へるはたれ雪花のいろめもはえてうれしき 造り枝の糸もおもみに切ぬらん夏の音絶し松のしく雪 降雪はかゝせず故を呼みをかくには筆もはゝぎとぞなる 村松 直断 戸部 行盛 水戸 守安 信楽 芳名女 游雀 春子 めづらしとうけて見るまに秋草の露とかはれる手のひらの雪 夜もすがら降草臥て明かたはもたれあふかや竹のしら雪 長風 吉田 広海 仝 仝 際民 白妙に雪ふりつみて八景もいろはひとつの年崎の松 金交 降るまゝに待乳沈んで今戸から梢乗り出す雪の筏士 一ノ宮 初雪のかるくつみしを重くとる人は詠めをかろくやはせし 久世 築山に富士をうつして木母にも時しらぬ花を咲す初雪 一春なら伝春とぞ思ふ花ならではな見るやうな木々のしく雪 来る人も絶てなかりし冬の夜にこゝろの侭につもるしら雪 素直さはつもる雪にも青たてず腰をかゞめし庭の呉竹 かく斗降つむ光り窓によむふみなちうしそ庭の国雪 月の鏡雲に隠してふりながらけしきつくるは雪にざりける 真清 高呂 加多知 中居 稲荷山 俊正 稲荷山 菊麿 盛岡 実栄 名六厘 そい 真和 寝るほどにつもれる雪に枝折て枕木こかし手まくらの松 山陰に力ためしとさし出す松のこぶしに積るしら雪 一。茎塚のちりを隠して又車のふみ所なき庭のしら雪 ふむ一 あし跡を厭へる雪をあつめつゝふみ見るてふは無学者も似し 廣澤の池も氷をはりかけてむれ鷺ほどにふれる白雪 空晴て笠とり山の雪みればひもとくあたりとけて流れし つねに見し松おもしろきながめこそ降つみし雪の力なりけれ 田子に似し桶のうらにも小さなるふしを見せたる磯か家の雪 初雪に猫の跡にも花見せてはるをぞ思ふ梅の木のもと 信濃とは聞も嬉しき雪の日はかれ野に花の佐久郡なり あちこちと持歩きても鍋の炭かく所なきけさの初雪 音貌ともみゆらんけしき松嶋や千嶋がうへに降れる国雪 穴籠る越路は雪にとひ紛れ恙なきかと覗く空窓 都には思ひながらも跡はつく山里こひしけふの雪には 初雪をめづらしとはぬ源山家は花のさかりも沸しかるらん 詠めよき雪のふりみて我が堀をなほすやうなる松嶋の松 往と来と車のあとの二筋にこゝろ轟くけさの初雪 岡崎 一真水 案人 年長 川俣 昌二 素主名 笠間 住吉 三崎 三崎道 千尋 津 欲也 比田井 一国々前 片倉 一成 村松 直行 盛かむ 実草 仝 森彦 音繋 人吉 松盛 盛岡 煉方 繁門 鷹狩 炭家 埋火 あはせたる小鳥は逃て鷹人の生旗をぬく雪折の音 をさまりし御代にも出て御狩場に鳥おどろかすはやぶさの鷹 あはせたる鳥を追行鷹の目はうのめといふてにらむやうなり 雪の色にまがへは鷹に掴まれて哀れ命の消る白鷺 鶴をしも取得る鷹は狩人のあはせものにてはなれ業なり あけ鷹の空ものどかに岡の名の入り迄こそ狩くらしけれ いかにしてかけ違へけんはし鷹の尾ふさはなれて落る鈴鴨 弓を引こぶしへけふは鷹すゑてさむさにいてのつよき御狩野 一後世ほどに冬の寒さも願ひつゝかくてうき世にすみ焼の翁 一着物はをろか尾国の袖をすら俵になしてにこす煎やき 。世の人のいとふ寒さを悦びて風に立舞ひけふる炭かま むかしより細きけふりは立るとも世にすみがまのいつも賑ふ ふみ迷ふ雪に嬉しやあたゝかきしるしのけふり立る炭りま 雪深きねは直段も格別の高根に稼ぐみねの炭焼 一はね炭を埋み置しか猫の生て炉のもと計りねらふ寒けさ 埋火にあつまるなを数れはのこりていける人ぞばなき たのしさは手いけにしたる埋火や梅さくむろに居る心地して 今風 古河 吉田 清規 景盛 鎌也 盛岡 水戸 千文 連文 立伎 鹿生 刈谷 □□□□□□□□ 連木 類し久 呑安 正記 古河 真梶 名古屋 浅汐 山内 年長 山鳥 大あ 春喜成 灘海 南陀羅 神楽 仏名 食 椎柴 水仙 冬梅 雪中椿 歳暮 ふぜ一 ふるゝ雪のつもる頭も鶴にして火桶に亀の手をも伸しつ をみ衣しめる霜夜の夜神楽は袖を庭火にほしうたふらし 一四河をうたふ神楽に明ちかみはる日も雲のその戸ひらかせ 御名唱ふ法師にけふのかつけ残雪の山より出し姿みゆ 夜も更て仏の御名を皆聞はのこりなく消る罪と燈火 身にあまるつみや消なんそこばくのほとその御名を唱へつくして 老の身の頭にゆきのつもる罪ほとけの御名にとけて消なん かつらきの粂路の橋の破れ食夜るかけるさへ恥かしき哉 子を思ふ心の闇にふすまさへ夢のたゝちに迷ふたうちね ならの里朝寝の床に詣れては馬とやいはん茗の毛食 頼政にあらねど椎を折くべてさむさ思はず夜やあかさなん 貴人にめさるゝ折は水仙のはかまのふりも直す甚守 水晶の馬たらひにまがふ厚水に手陣みせたる水仙の花 いて強き寒さにまはず白雪と色をあらそふ早咲の梅 破れ障子はるさへまたで年の内に忍びて通ふ冬の梅がれ 雪深き年のこなたに玉椿木へんに春を向へてぞさく 一炉に炭をつぎつゝ春の国真壺茶にして浮世渡る年の尾 干蛙 名古屋 名古屋大 秋守 栃木 松雨 盛岡 梅明 仝 実栄 吉田 十四日 睦志 庭守 高田 一里本 名古屋 鬼影 栃木 松雨 白川 折鶴 古河 宵寐 磯辺 年久 浜主 岩沼 若竹 於兎門 御祓も年の内外の宮奴の春をもて来し青海苔の色 宮人も賤もせはしき手の葉春まつ都松を出す山 歳暮に梅を送れば早さきへ風が三条東入る町 一歳末の礼に廻れる人見ればみな春を待預りなりけり 大江戸の市の栄は春祝ふほん俵迄舟につみけり 我がむねのちりをもはらへ煤払に笹さへ入る塩鰹りな 取配る権もせはしきねの葉うか〳〵してはおられさりけり はじめから知れたることを春くると詠にさわぐ年のくれ哉 あすありと思ふ心をたのみにてひと日を送るとしの暮哉 寄るねのつもるもしら伝老の身にまた来る春の花ぞ侍るゝ 。くれて行としのをだまきくり返しそをはるべになすよしも哉 天伝ふひ奉行駒のあし早みひづめせはしくくるゝ年の尾 せはしさを隙行駒や喰ぬらん事もすくなくなりしねの夜 年の名残翌日くる春の入交り隙行駒やせはしかるらん 口ふさぎ居る人とてはなかりけりあきを祭れる年の市くら 年の市明れば春にあふみみのねものはなしと語る高人 一懸よにさとれと出せしはした金本来我に一物もなし ね津 水哉 連来 藤沢 楽主 ねつ 水哉 水戸 直役 睦実 窪川 住鶴 数成 盛岡 市盛 小舟山 穂鳥 光貞 鎌倉 網彦 三ノ戸 可也 吉田 貞水 一 冬雑 捨子から往来ながめて老楽の行年のさまは人足に知る 指をりて数をそへぬる先もなきとしのつめとて祝ひはやけり 年の暮家棋の盤の四角よりゆたの都もつまるもの哉 格子から往来ながめて竜楽の行年のさまは人足に知る川南 指をりて数をそへぬる先もなきとしのつめとて祝ひはやけり 一とせを草てくらせし人は皆今目のさめしくれの勘定 谷川をこゆる野洞のあら駒に的驢を思ふ雪を蹴立て 一挿立の餅の羽二重礼さへもひてはひゞのみゆる御備 浜子 盛岡 繁つ 白川 類雄 たけ高き都万首は堀河の太郎次郎の肩も越ゆへき よもつき地四季のみやひの道広き都万是も大江戸の前 土盛見に来る人もおほゐ川流れの末も尽す賑ふ 諸国より都と聞て出れはや郡堀類のふりもめてたし 花と見る都万首の紙数も八重九重にひらく綴ふみ 諸国より都と聞て出れはや郡堀頭のふりもめてたし浜主 松立て歳暮をそ祝ふ上下に春は来しかと都大路は万宝 花紅葉みやこの袖の賑ひはめぐみ四季つゞく糸色なりたり 一同所伊勢都万首経 此都万首之義は兼而及御披露候通都四季之風景を 彩色摺にして小田三月九日八十郡出来に付月吉開巻之席上ニ而今丑延之 連衆へ配分致し候然ル処廿一日火災二而其余出来之綴文并口絵四丁之 板木ともに摺師の許にて焼失仕候口絵瓦板とも主水之遺筆候而元本 世々之上は板本之手際無心元免角ニ及候処幸ニ筆耕之梓無異ニ 有之候に付落丁補ひ口絵は省略仕出板致し御趣之足廻仕候尤其家迄 火災は珍事申迄も無之宜御推察可被下候已上