堀川初度狂歌集

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嶽亭定岡畫
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嶽亭定岡畫
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ホリカワショドキョウカシュウ
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東北大学
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堀川初度狂歌集全 堀川初度狂歌集巻一 六樹園撰 ○春之部 前絵ヲ 関博士 添書 立春渾沌とせし夜もあけてあらこの春はめてさき年の開闢北国堂堂寺 小国堂雷高 江州信楽 けさは先もろこしかりてたつ春に唐子あたまのとその妻子 花鳥のや桑康 一りんの初日の影の長閑さに世界は花の春となりけり おなしく あら玉のはるは早くもたちから雄岩戸あくれはさず朝日影 江戸寄 緑樹因元有 明てけさ神代のは事は山里も立仏世界へ出しこゝちせん 緑庵松俊 大としの波も野川の水なれやしはしぬるまに春出来夕 おなしく 庭の樹にのせし摺鉢は初夢の姿の残る香のふしの事 与鳳亭枝成 さる姫にはさは笑はん春たては霞の衣を着る裸山 新泉周次守丸 摂津 去年ことし堺の浦に入舟のともをそろへて春は来にけり 沢田郡瀬 トミタ 老の身もせち着の后を年の内にたちて嬉き春は来に花 六解周日兼 クラカノ はるたつといふ斗にやみよしのゝ古野紙ほと露るめけり夕方 奥白川 古こともうつていはふ鏡餅神代のまゝの春の印に 菅根長記 越前 病の背にあるてふ国に立かへる春は浦島太郎月日も六法因月守 おなしく はる目のふき出しては浮島かはらをかゝえて笑ふ不二のね イセつ 江戸江戸安 追儺せし軒の編にけれは又露の網をかけしをかしさ 同 山積同飯時 孟宗か竹の子よりもめき〳〵と雪の中から玉は立けり。 ナカト 岩は翁 立春のとそつくみておもかけのかはらて生のつもる老か身 一同所同訳 是もまたなさ玄春の空いろやあをき挽茶に青きつ松 イヒヌマ 総栄子村立 氷とく風や霞のせり出しはあつま役者のはるの顔みせ 仙タイ いとそなきはるやたつらんさなからにはこひの遅きその時の 麗天今袖成 ナカト 足なくてよの間に来しは是そかの蛇のふくめる玉の初春に カヒ よへはらひなしつれはにやちのわ程くゝりて竹の秋はたらら 萩河曽備 聴風軒草浪 天の戸をいへる初日のあとにひくしりくめ縄は露なるらん 同 あけてけさとその酒もり重相よくみていは人る春のみ水 カハチ 四章孫内頼方 松住園友鶴 はつ鶏の声より春のたち相坊是から春をいくらまうけん ヒタチアサフ 江東園梅春 けさ春たつの跡か御老するめ出せはいたゝく年礼の客 松 遷喬亭氷解 尻おもき妻さへ起て若れにはねつるへくむ春は来にけり おなしく けふ春の来人きあしたとつく事也さうにを餌にはみし学 タカサキ 正治茂樹 とりの声耳をのはして詩をれは卯の方よりそ春は来る 同 十三 四二万山のわらへる春の来たしるし子亭かゑくほをみする羽に榎 しめ縄のわらちかけにて来し春に先大ふくの茶をくみなり。 同 一集名古茂業 千載周雀寅巻 弘年早ね 亀をやく周の時代にひきかへて勢を煮てくふ春生にけり 春のたつ足の力のつよきにや泡の妙をみしとくたきつ 平在 米の屋田香泰 一添斎永俊 タカサキ うねひ山耳なし山も争をやめて笑一る春は来にけり 松花守藤経 タカサキ 松花堂 福寿草花はこかねの色に似てひらく云春大吉小判 おなしく 元三のあくまを払ふ角大沙門の戸板にはるはきにけり 双紙亭此主 あをやきの髪をほときてさほ姫の年の関所をこえたる春 屋敷 音車周旋器 わさ春の立といふ字はあけ六の下に霞の一を召きけり 鶯の玉の春たつ印也丸くみえたる軒の輪かさり 菊花因菊花園 松代 六絃周男信 我国はあしきる沙汰もなかりけりしらぬ人なきもの春とて。 仙タイ 千柳亭唐丸 みちのくの蝦夷のかたより春の来てこさふく如く霞む初天 柳軽林千條 とそめのけさしも春のたちつてと父字母字のあさか雑字津 はるはけさたつの都もかくやあると霞の滝を上にこそみれおなしく 川を 立そむる月の名さ人も太郎冠者末広とらす年年志の春 タカサキ 田畑金雄 すみのさく野辺も霞に霞にき一夜寝てけき春のすれ 花のさく春立けふの印には霞も八重にみよしのゝ山おなして せはしさも一夜にかはる春けしき江きし霞やからくりのるに 筑位亭異位 山夕 さほ姫の露の袖につゝみても嬉しさあまる春はれにけり 桜花園寄繁 人にのみ年をはひとつくわねさせむのれは若く春のきにけり 人にのみ年をはひとつくわねさせおのれは多く有のきにけり露正笹 サイ をさな子にたとへん春の春初けるあゆみもおかきけさの日の脚 花子庵 イヒスマ 千金の春立かへるけせは又やすき心になるもめてたし イヒスマ 鳳遊行間垣 サノ 三樹岡渡 はるこれは梅の外にもけさははや風の手拭匂ふ丁子湯 けて春の立し寒やみわの山すそに霞の糸をひくなる 色の屋糸芳 海原も七種粥のいろみえて磯浪たゝく春は来にけり 苑周亭殿馬 見わたせは家毎に春はきよみず三保のけしきや並ふ門松 朝霞楼親氏 キフ 庭つ鳥かけ乞ひけはそのあとへなくけつかうな春はは年にけり 天和今朝恒 同 一十三月十日 東からけさ玄春のたに石出るはつ日のあしかためして 当年もまた一刻を千両とけさ立春のはつ相場かな 河津列水 緑樹園 盛衰きよみて巨燵にねの日にもやはり小松をひくかをしき二七戔緑樹園 桃太楼有時 子日野の車の牛はちからたけつなきし松の大木をひく □□□□□□□ 荘蝶園中雄 子りするけふは夏の代の正月に周の姓なる段小松江くまで荘性蘭中雄 十二八 入墨をせしますらをは船ひきて腕の命ものはす子日御わ フクシマ 桃の屋三千春 顔まてをあかくなすらん子日野にけては小松を非蔵人々も 歌人の子日の野へに半とゐしてひきゐく樽のせんも松の木 シカキ 乗鹿 初子日大宮人は松のみか野へにするをもひきたまふらん 鷺丸 琴の音にまたかよはねと春くれはひき初をする松の若はえ 子日いわにはね者の小袖をうならか松葉いろなる裾もにき葛 猫間殿かに松をひきにいつる時地下のねの日の人はすくみつ □□□□□□ よの人はみなかへりても子日野にあとひいてゐる酒の生酔 岡 老か身のたにけにやせん根笹迄ともにひかるゝ松の側杖。 一広外楼清貫 福樹園飯成 堀田坊太記 烏 子日かわの弁番のくに有なへてんひきまうけたる松の牛房様 子日御王の弁当のみにかなへてんひきまうけ高松の牛房根 遠き昨わに子もしぬれば松よりも手をひかれつゝかへるうなゐ子田 周防 波綾居 イセ時 民の屋富丸 御れに出て君か齢とえいやつとひきくらへする松も長き様 みわたせはおなし位の小松原ちとせの高きかたをひかはや 方安 宮人もひろ草臥くゆふへには昼の小松のねことをそきて ワカ山 花の屋敷み丸 久かたの雲の上人なれはにや存くゝふ松も空のいろなり イヒ又マ 連々長屋敷 松九 去年の秋相撲をとりし野子出て小松をひくも力あらけひ 文寿亭影住 苞 子日野の御意にかなうて小松より諸大夫となる公家の侍 張子虎成 千とせふるよは候を望へ手ひく小松鶴の脛程裾をかゝけて。 ヤマト 曽根正言 アサノ 同六掬周辺 子もするいくの小松の根つよさに霞の帯を紅きしめて引 はるの風琴のねの日に我もくみなづめかけてひく小松原 おなしく 推参もせはや子日の小松行雑煮祝うてはらも好忠 西来居去仕 一薫亭梅園 行末は鶴の間等をくふ小松をは手首のはして左かん子日あわ 十三 不美人 明小松非蔵人らかりきみつゝあらむ顔や五位の衣手 早ね 子も明わの松にはなきをひく人のこけてふくりを出すをかしさ 北窓梅好 いきたなき妹も子日のあるゝにとてあさねの小松すくそをかしき 鶴巣美 ねの子にはあらぬ子日に餅をつく臼になるてふ松やひくらし 牛蒡こきに子もの小松頭けくとかよわき人にせいをつけたり ツヽカ 十 大原御主人出て子日に引捨し男松女松もさこねしてけり 言葉本末 葵園二葉崩 子日してかへる山路に日はくれぬ又津い松近手にやとらまし 幸 末つひに琴の音にしもかよふらし子日にひきてうつす姫松 哥よりもちからを入て宮人のひろし小松に土も動きつ 十六 至清堂於魚 恵方内東路 青柳軒百朶 おなしく 宮人の手にふれゐるもことわりやしやくはかりなる子日仲の松 小松すく人のとくよりおきゆけはけふて日とてねてもゐられす 菊花園菅垣 子日野の松ひく腕に玉琴の糸のやうなる筋は出けり 明静庵止観 春囿亭盛 初子日小松近頃有て野守らに青くなる程しかられにけり 子日する支度に水ももらさしともるかん風呂にひける松脂 起上につほ 子日する御主辺の小松は森千代も長袖たちのいはにてやさく 進上亭長仁志 子日野に供まつかか人いとまあれは物見車をたはふれにひて 宮人も鼠の子日なれもて猫脊に成て姫小松ひて 自多不残死丸 玉鉾道侯 子もかわにゆかさる我も小舎のもやうの松をひきかふるなり 浪花北成 山カタ しなのなる山路にけふは子なして風のはふりの姫松やひく 六枝周連樹 ひて人の腕にふしくれ立にけり子日の小松二花子なからに 平原金真郷 松の根の牛房ゆうしみ子日とて鍋とり公家も出てひたん 力より 子日する野に移出て上臈はまことの声もひく姫小松 三楽亭春人 サノ天明 安藤部部間任 三ト 文筆周詠兼 宮人の子まにに松ひきぬくは哥のちからもましるなるへしに カナ川 亀尾伝 年越の名者か湯本みやけより小松もやはり春のひきもの大 東夷庵古坂 めてたしとねこきにされし子日野の松やひいきのひきたふしなる 歌都素人 姫小松ひける力にあまされ〳〵うしろへねの日するもめてたし 子日十る物見車のゆかし天にひかれて野人に出る人もあり 甲市川 甲江亭常道 長寿因年丈 子日して身迄ぬれぬる大雨に松は小ふりを引てかへりつ 龍の首の玉ほと汗を流りづゝ宮人のちくかくやひめ松 尾一ノミヤ 六蔵楼薫丸 ア七ツ 掛升 さみせんのいともめて度子日とてつれひきにひく松のときは津に ミノキ 腕たてにちひさき松はらく過ぬ余る力に何を左かまし ちひさくて声もしらぬ野への松されともひけはねを出しう 初子日千代をかさぬる盃のまき絵の松も一次きにしつ はつ子日松は中々根つまくてあちらへ袖を左かれこそすれ おなしく 霞 玉琴のねの日にあかふつれ〳〵は野への小松を江きかちにせん今尾空の屋敷事 くるゝ申ていさ子日せんかへる其も手ことに松をもたはまよはし くるゝ申ていさ子日せんかへるとも手ことに松をもくはまよはし千種梅の 上田 岩三原 湖の琵琶松の和琴の夫にさへ霞のいとをかけ初てけり ワカ山 神代より今にかはらす千金と春を霞の棚おろししつぶに紀大井 サカキ 雪二馬 位山のほるはつ日に紫の霞きにけり峯の椎紫さ はる善み霞の衣もうす事にすき通りたる土津嶋山 東金 紀真雪 つかのるゐに不二を霞の袖のうちに風の手妻あかくにきれいさ 三カラキ 鶯の口もほと有てなく山に雲の糸をぬきそみたせるに 乗鹿 むらさきの露うつりて沢蕪のあかのまゝたく初午の頃 おなしく おもしろき野は春露八重たてと心や事にはさはらざりけり 随日因本陰 五柳園一人 すり鉢をふせたるなりの不二のねもけさは霞の棚に上たり 鷺丸 ふしかねにくらへては半たちゝふ山霞の衣をすそまはしなる 岳亭筆 十五、 あけいそく 島にましりて 横雲の あしもとよりや 春の兵ぐらん 福迺屋内成 はつ草を三日めにこそ はなしけれ不二をみたるは 一さゝやひめ をす 同同月守 十三、 東よりけさの亀の初はるを 都の露ひきまはしけり 十六北窓梅母 十五、 はつ春のめてたきものゝ その中しくひつこぬきなる 子日野の松 新泉園鷺丸 エトサキ 三国に一てふ不二も春成ては二の字のさまに露ひくみ中ニ上キ椙樹園部成 略ス 一会津摂州 しほしりとたとへし不二をけさみれは夢の棚に上てみえけり” カキ むさし野に生ふる蕨の縄をりてけその霞の槌やつりけん北海堂明来 おなしく つくは山すそひき上てさほ姫の尻にも棚をみする霞がおなしく □□□□□□ 百行も科とはうしなやことなきやねに霞の縄をはるの日泥田坊 腰さけの巾春めきし不二かねもかすみの袖の下にかくれつおなしく 多 はやきのならの都の八重露けふこゝのへにみえてねむたし鄙雄 一十五 はる霞みるにさなから伊豆の浦八丈しまの黄色にそ引 カラスタ 世のうさは上ておることの春けしき四方に霜の棚を作りて 川口 海つらにひきし霞の網のめともれ出かぬるいせの御子嶋 田畑畔道 ヒメチ ひきそむる霞の網に沖津鯛もれて鱗の石二そかれ給 横さまにひきし霞は熨斗めきて志をのせたる宝永の山経梨因片緑 子日さへしらぬはかりの賤か家の軒に落もひいてみえけり南山師阿房 越前 月守 ひき渡す霞の幕の綻をのかくやうなり木のめ草のめ イセは むつきには霞の袖の外に出てかくしかねたる大はらの山 むつきには霞の袖の外に出てかくしがねたる大はらの山 うかれ気どなるは霞や若草の袖をひいたりつまを引たり。 ナカト 一山口一同 春露三子坊におほふかな我立杣にむらさきの袖おなしく 麻衣奴ほと花も笑顔をみする也のろしのやうに露立ては 禁断もはるはゆるして川水に霞の網や阿漕にもひく 湖花周雪丸 つくは山霞の衣をひき有て下着はやはりもとの岩サ イヒスマ おしろいの雪解やせしとはちらひて霞の袖にかくす山姫 キリフ ふころなる梅の梢にひきかくる霞の衣はよくも破れす ありといふ名のみ霞にこゝえわかてこき岩にかめ色の山 関因意員人 イヒヌマ 春の日のたすかさならぬ阿漕にも霞の細はあらはれてたろ いれ馬臺の唐哥ならぬ吉備の山こゝやとゝかにの兵衛落ひく 袖成 あけわたる露の衣に一むれは初日にうつる烏羽の文字。 箔附下手拭 一鍋うちも春はあこきのうちかに霞をひける空の海原附下手拭 おなしく さほ姫も鳥追半な不備笠や山のあたまに霞がゝれり 十カト よし明れ山花は半たきに群集よりひきもきらさる霞戒筋 サカヒ 花月因雪丸 鶴髪毛を着て見し雪のけのこれる山に霞の衣もかつきつ アサフ 香久山も愛相やまらん年をへて耳なし山の土をく霞めは 国字恒工の志久 カサ一ツ 遷喬亭永解 海原も遠く霞のちかひ棚二日んの不二は雪石の如 名芋 峯は雪すかゝ家わはかすむ紫のあけほの染の富士の山ひめ 花鳥にけふもくらしく世のうとは霞の棚にあけておかまし茂葉 さほなと霞男はゆかりかも野をなつかしと一夜ねにけり 其 箒目の今に霞の立なからはき〳〵みえぬをの山もと 十二 さほ姫も柳の眉のみえぬ迄霞のきぬをふかくかふりつ十 さほ明も柳の眉のみえぬ迄霞のきぬをふかくかふり津十三テ早ね 猫柳つめ出すほとにめはるのは鼠色なる霞たくゆゑ 猫柳づめ出すほとにめはるのは鼠色なる露にくゆゑ梅生草子甚 は馬のもの廻りもおそくあくにする茶臼山にも露ひはそり 未肥楼一対 トチキ 花に風ひくをいとなや心して其水は八気のかさね着をしつ 散塵因高丸 はるの日の霞の店ぬにあるをおろすか不二のねをひきけり 仝十十 二日灸すうるころとて春霞川のせさへも打けふ事也 塵霞楼長閑 聖人のをしくを何と聞つるや春の川辺に露あみする 直山人 タマ川 筆捨し松の梢もひと副毛にけさ粉りて霞そめけり 筆捨し松の梢もひと刷毛にけさ頼りて露そめけり 優皮め塞もこれはと誉ん粂路へとかゝる水を橋みなして 優つめ塞もこれはと尽らん粂路へとかゝるしろを橋みなして一笑 風に風をはらめる船にひと筋のゆはた帯程霞む海原 上総カリや 酒の屋呑安 むらさるの衣とはみれは春霞手にもとられぬ塩蛤の山野 おなしく 二ッキ 鯨織の露の帯もまとふ也熊野の浦の磯山のこし 蔵器園長人 面皮厚記 さみせんのこまにも似たる不二の山参のやうなる霞かゝりつき 金銀兼持 山姫もいつり木のめを九子つゝ露の帯をむすにそめけん 鶴木研安 白梅のほしの林を伐出して空にかす花の筏つくれり 筑波菴紫 はる寒み風めさんとてうたゝねの橋に露の衣かけてき 五十川 空突貫厚 須二巻のいと美しき初露関屋の軒をひと筋に行く 乗折 枕高直は住 この春ふれぬれはやまともろこしもこすもいはうていさみ立らん オシ 鳳毛金章右 行雁のされよりてやさほ姫の霞の衆をほすとみゆらん 十三 大江北頼 あり明の月の脊山にかゝりては霞の衣に石もちの紋 越前 同十番所 はる霞けせ立そめて梅桜次第に人の瓦もすめらす 月花園春友 都路の春の立場を継ゆくは霞をとこよ花の雲助 山殿 さほ姫も露の海を産出しぬ神代のまゝのは事の来しとて 筆花園玉繁 同 移香袖広 家毎にけふをいはうてしめ縄のやうに霞のはるの入口 いにしへのむかてはたえてこかみ山を七これも巻てたつかすみ哉 煎法堂常通 あつまより都をさしてひく露五十三次つきめたになし 露玉並 春ふかみほりかねの井を立かくす霞の店もしれぬむさしの 千代の屋春雄 ちり雲もなきその原の山のはに箒めみせて露む春の日 桐蔭園一樹 富士の腰尻の大きさかくさんと霞の帯に巾広の雲 家の屋壷包 花川戸待乳の山のひたひにはむすふ霞や助六のさま 豊の屋綿芳 山こを霞のふかくかくすほとはるのけしきのあらはれにけり 詠兼 むらさきの霞の手綱にき初て駒下駄さわく春の吉原 白鬼園耳長 かほり絵織出すやうに糸引て霞あやとるしつ機の山 豊年金出来秋 甲市川 一名に高き和歌の浦主に似合しく短冊ほとに最む舟の帆常道 あを畳しき津の浦の流おもてへりとるやうにすく霞哉おなしく これもまたかこかんとりはみえねとも舟岡山に霞ひく也隣馬 酔馬 ひき草むる節の網は大きくて鯨もかゝる熊野浦かな聾馬 梅の屋若樹 春たつと只ひとことに葛城の山はかすみの橋をかけり 花茂登浦 かよふなと獣の告る此ころは露そわたる半はの明面 雀千代恒 東風の来て柳の尻を払ふす子持筋にそ露棚ひく かけ乞の礼者とかはるからくりをみれは露の糸をにく也。 三冊 をとこ山霞の袖につくすみをみれは初日の烏也けり ひき渡す霞の棚ば諸人の花のこゝろのおき所なり 松丸 見渡せは露の衣は花ずりのいろににくらし遠の萩山影住 裳姫の霞の衣をしきねして眠事やうなる日のくら男おなしく 伊吹山露とやすらん煙たつまへに露のころもかゝり麻布菴紅路 七さともこもる露のむらさきに鯨あはせや横雲の帯 さほ姫の琴の糸とやみる落けふまつ風の山にひくなる 五日市 万物のはしまりなれは一の字もすみれのいろに露ひきぬ事古中 百ひろの霞のあみに熊聖路の霞の網もちさくみゆらんき とけいつるはるの妙の兄ふれになかれてみす馬はつ霞かな おなじて 雪解する水いやませとはるの日にしたいにひくは露也けり 芝井兵助 海はらの猟師に肩をやすませて露の網を春やひくこん 富士のこしめくる霞の男帯うしろにむまへかひの口とて 若草園紫琴 さほ姫の立盲ふ神の下よりもくる〳〵半はす帯霞かな 銭弁二十九丁 九重の都ゆかしておもふなり田舎も八重の春霞には 一二軒住道 イマヲ 養老亭菊泉 仙人のくらふ霞は山のはにかゝりてみゆるはるののとけさ アは 眉山子春里 踏立玉にあし高山をするかなる霞の棚や不二に釣けん 六柯因猿人 岩橋のかゝる霞におほはれ〳〵かへらき山のかたち見にくし シカラキ 三に 鶯の聲をよみては羽根をもて咲たる梅のつんを打てき 葉康 ひえの山朝題目といふもむへ露もつ花のえたに鶯 発天因催馬 柳汁に羽袖やそめし二入このむ梅に及第したる鶯 五柳園 ワカ山 紀登呂則 掛乞の鬼さへ人となるになとんくふとなくけさの鶯 さらにの蜘をたつねて鶯も人こへきとの哥やよむらん 塗香ほとかほれる梅を羽にしめてほうは花経をうたふ鶯 仙タイ 剣なす軒のつちゝも段々懐経よむ鳥の来なく此頃 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 六種因笑顔 はる風かたゝきし留守の柴の戸にほうと題してかへ馬学 シカラキ 一唐歌をよませし蜘をあさりてはあちこちと飛ふ肉の鶯 男山 いかはかり力あ事らん天の下にすりてめつるうくらすけ哥泥田坊 法花経を信してよめる尊もなとか稀にはこと吹する 忠臣はあしたとまつをかさる時春をしらする谷のうくひ ム 雲につかくつ沓手鳥の親なれはゆゝしく高き鶯のこゑ 哥をよみ経よむ事は西行に心まて似て梅をこのめり 物くるゝ人ある籠の鶯はつれ〳〵の日のよき友にして 梅の花くたりしほしみる迄に鶯亭かよむ法華随けを上田岩景 この春のほり出しならん鶯のはつ音も高き色字の藪の藪 三万二千 せつかいによふ鶯はあさきのみそする坊主先へ聞らむ よるなかぬ事はかりこそ鶯の玉なす声の瑕に有けれ乗康 生み哥の体は菱原の方ゑふか梅をこよなうめつる鶯 鶯も霞の滝の底になくは龍宮によむ模婆所かもおなしく 万葉や古今の和歌菜餌にはみて腹に味ふ草の歌おなしく こかひから鳥屋になれし尊もねにかろはんの玉をころかす御 なきたまにもむりやすらん鶯もけさは霞の松壇をよむ池田坊 一の谷の戸を出てなける草の声はかせんの席に聞えたり堅増平治大 い 声まろくなく鶯は円法の七九の窓の梅にとまれり中中山徳久 詞ことにきかて恨みし罪とけてくとくはしりぬ鶯の経 耳の穴掃除をさせて元日に来る事のつかふ羽箒 わらふすころしをあくる早花になき上戸なる谷の鶯一鳳斎八桐 鏡もちみせてなかに高鶯のけさの初音は天下一なり 庭の面に梅のつきほの類あれは鶯も来て顕やよむべし 月星は空にきえづく鶯の声の声にしらめるはるの曙 松風に琴をひかせて春の日の長哥をきく鶯の声 仏法を帰依か法花経よむなるの折々虫をたとくらふらんとチ孫英寺赤丸 よし原へかよふお客に引かへて籠て飛する鶯のこゑ鹿川清志 鬼の心やはらくのみかさをしかの笛もおとしく鶯の哥 鶯といふ友ありて幽谷の遠方よりも来るそ楽しき 魚申を其手にとらせに初声に玉をはき出す宿の思事 月花永女 産籠になるてふ中にうまれ出て春ははやめに斗鳴鶯 つ徒宗の僧もめてなんさゝかにのなまくるをくひ理を読む 鈴なりになると聞たる梅元にころしてなく鶯のくゑ うちならす鼓か肱のほとり火ほうといひつゝ鶯のもく 大マヽ 霜宵の庭のすへりて梅元になく鶯の玉もころける大 幸有門 フクシマ 植おきて花をみそのゝ梅かえに音も一調子うるの覚の覚悟 真さかりとなかむる梅の花に来て人子も哥をよりす高 カトリ 窓の屋文雄 竹とりのふみこのむ木に鶯は声も馬りてふ玉を持けり おなしく 鶯の経のとくには去年雪のつみかたまりもとけて流事 鶯の鐘のどくには去年雪のつみかたまりもとけて流る事 立の月常立成 草のはつ音をたてしあしたよりすわる相場や千金の春 □□□□□□□□ 万東のおそき山家は鼓たにうたて春しる鶯の声 二十五軒琴彦 鶯のほうけ花経をよむ有の功力にきゆる香の化物ゆカト泰亭仲住 甚 こも鬼の化しとみてや哥をもて犬の伯母をもひしてこくひす 聴風軒草浪 鶯の哥をよむ日は俊成の賢桶をもはなつぬくとさ おなして 学に経よませんと風鈴の舌ぬくも又やさしかりけり いろも香も上々吉の梅に猶褒美を有へし枝の鶯 鶯のなき捨事音ものこさしと箱のもと迄ひろふ宮人 あをやきの歌は水晶の数珠に似て詞ことにくる鶯の径し 家ことに経よみありく鳥ともやあみたに着たる梅の花笠 鶯の哥に氷のこと合てけさ池の心もうこきいたしつ 滔々食音成 親鳥の心こむらんつ花経の衣裏の玉なす鶯の有 便春亭服成 庄屋とのゝ梅をたつねて宿をかるあの鶯やひとり旅なる 庄屋とのゝ梅をきろねて宿をかるあの鶯やひとり旅な事虎成 朝またきときをたかへす貧僧の耳にかさなるうもひ片の経 滝調因成芳 かけたこちし鬼の心も初瀬よし里動き甚させし鶯のうたサカ かけこらし君の心も初頼よし野勘ち楽させし暮のうた御堂知り 鶯か宿とざはめし梅よりもはやくとまりし朝人の耳にげ 香の高き梅のさかり千むせふともをします鳴ま常の緑おなしく 朝半たきいそかしさうに梅見んの星いたゝいて鶯のなくさ 朝半たきいそかしやうに梅りんの星いたいて鶯のなく幸三笑廿三房 平沢の星其ふ旅のさきそめてけさから願をうたふ笠野帯丸 浪花津の哥の父なる梅に来て遠く遊はぬ枝の鶯 甚 鉄槌日々成 屏 詞いせしめを覚さす事亭の声は時計の玉やふくめ事 一詞いせしめを覚たる草の声は時計の玉やふくめる屏星橘楼長根 カマツ 源氏窓かよふ新端に鶯の桜のしつえを横竪にて飛草亭 タカサト 古暦はりにし窓の梅に来て月日をよめ過宮綱幸茂樹 梅手を子狼藉ものゝ用心に棒よみをする鶯の経西来居 十六 花子かく風くためみえねは木のはしの声かとも思ふ鶯の経 鶯の詞のうまみに聞ほれておのりたま迄外へころかす九泉国医長 遊花園春道 承求をさへつる雀何ならんならはぬ経をよめるうくに 芳亭槿花 法花経をよむ尊に聞入て常念仏の鉦の音もせす 桂岡丸雄 かほるてふ梅かゝ通ふ宇治のわたり経よむ事やうはそくのみや 雪と有て水かさまさる谷川に声のま事きも流す心高 おなしく 秋水周落霞 真手ふりし雪は消しに鶯の来鳴てたのむいさゝむら竹 はる風のふると音せぬつ松にをしふるさまや鶯の琴 言葉弥繁 三楓内庭御心 何きなく朝病のうれしさに鳥屋もねをはひきし学事 夜神楽にふく笛竹にうまれけん日生をそうたふ鶯の声 葵園二葉雄 夕力せ みかき出す玉の初音はむくの葉の枝に銅やすねる鶯 六方周東崩 十六 一金石堂雅魚 聞ほれく時計の車くるふとも月日違はぬ鶯のこゑ 同 同 若たちの御わへの若菜を餌にすれは功音も青き龍の鶯 若草のおよけにみゆる頃なれはむへいきたなき花の鶯 芦の屋高根 八月朔日 立春ときなは旅路か尊の脊孔にもみゆる梅の花笠 はつ冬はまたことのみのたらぬ也業平竹に来なく尊を五永俊 雪月にて橋し節菜をひきく頃ねを学々と心得等 都人に聞きてほしや不破の関目日をもらす鶯の詠 声けてなく暮に我は又ものいひけし口をふたきつ くれなゐの花はものかは一声には子の色ある又はの尊 はる雨のふるれの舌を巻かへしなくや釈氏の経よみの鳥 竹とりの翁にみせんさゝ鳴の枝に玉ある鶯のこゑ双紙亭 竹のはの露に酔けん夢は吉もまはらぬ其鳴の声湊帆柱 汝かほ根の色は出はれの茶に似てや目覚に噂尊の声 夕マ川 はつ夢の衣事を乞非せて暁子手柄顔なる籠の夢に 唐歌を申申せし蜘を餌にはみて海をはを出す鶯 おなして 田楽とよへる法師の愛ぬるは山椒み色のにほひても 田楽とよへる法師の愛ぬ寺は山椒みそのにほひ高にも カサマツ さゝにの糸をめかけて松かえに玉琴ひける鶯のこゑ さゝにの原をめかけて松がえに玉琴ひける鶯のこゑ フクシマ けさは又ひとく〳〵にひと趣向あくらしくよむうゝきの顕 六梅園伽羅丸 ホハラ これせまた翁より出し下細工するかあたりの寵のうくひ法 これも半さは翁より出し下物工するあたりの籠の方に従 花ともりおほろといへと月や日の声はくもらぬ春の鶯 花ともりおほろといへと月やりの声はくもらぬ春の鶯 おなして ほゝつきの色にも庭の紅梅にすとはねを出す春の鶯 仙台丁 黄檗の経じみけるおもしろ〳〵ふしちる竹にとまりてそ伝 寛華の侍申かみたるおもしろくふしある竹にとより春鳴 尊も哥よみならん実方の者のすめる竹にそたちて 柳玉垂巻見 ちらすなととかめられてはいこわけに顕てわひする梅の鶯 錦松堂筆好 タカサキ 山さとも都にまさり天花の雪に埋みしわらすの経 鏡月雄 はつ声に出はしらすうたんの心をくたく軒のうくひす 菊の屋芳香 京 さき初馬梅になしもの薄けれは尻おちつかぬ鶯の声 内伊松肥丸 鶯に経をよませてすき筒の瓢はいつるくわんいしくとく 愛宕亭多丸 エトキ ちのか餌にはみにし蜘の糸の如ほそくねを出す肉の嵩 長松周清女 一クシマ 風香常梅盛 烟めく柳の枝子小鍋なと名てほしとやうくらすのなく タカキ 桃花堂是盛 鶯の経の利益かは用をみし軒のつちゝもいつるをれけり 六曜周星雄 草のはつ哥の国におこされて餌をすり鉢の妙くたきつ。 三輪楼清原 みや守なる名間の出とけやみてまたしたたらぬ学の声 東金 紀真雪 糞をたに美人の都にぬるそとて高くとまりし枝の学 上田 鶯の経ゆゑとみて宝塔の外に泉もわきてなか事なか事 岩景 カ春 この花にそへ音なれは鶯空六種の一の体に心あるらん 増の屋跡成 □ 梅かえになれそめて来る鶯のなろく柳をふみ付てなく 北頼 片田舎安住 念珠にもなる梅かえにはつ春のくると経よむ鶯の詞 奉にはつをまねふか海に鶯も声をさそへる功習候風 一腰具荻野 千金斎春芳 今しはし月日を星と操かへし三月炎に来なく鴬 四カ夕 牧の屋古馬様 山寺の竹にうす事ゝ尊の声は翁から棒よみの経 源応に宗重遠の経よみて来の岩をくたくうらす おなしく 鶯の小鍋たてする春そとて柳はわむ馬梅は火をたく 明光堂堂道 瓦拝をいと長うひく学は蜘を恵にはむ故にや有らん 学のまことの縁を聞はつす人にもはるを告る山彦 かしこしといふもことわり鶯はならはぬ経を梅に来てよむ 梅かくのうつうし衣をしまふすたゝみかけたる鶯のこゑ 袋蜘くらうた咽に鶯は玉なす声をこめておくらん 袋蜘くらうた咽に鶯は玉なす声をこめておくらん 桂亭裏丸 さしかにをはみたる詞に糸引て春の春へきを告る尊 なか声は咽佛より出すらん尊しときく学の経 法昌庵大口住 尾州 龍都同玉枝 かゝやきし玉の初音も高彦根岡より右にうつる鶯 数珠にする梅にはかりは片意地の経不申むはん庭の嵩 宮市亭廿成 十六 鶯の経の功徳に軒端なる氷柱の角毛を事日当り 狩場早房 火をともす梅みてほう名のりしもをさなき春に庭の馬 松花高春久 鶯のはし花経聞てちけれぬは極楽耳といふへかりけり 鶯のはし花降聞てやけれぬは極楽耳といふへかりけり福の屋内成 水もくかみ若菜も搗て山寺には花柿と学ふ鶯の詞 水もとかみ覚葉も構て山土寺には花防と学ふ鶯の詞鈍鐘 甲州 笛吹音成 法花理の詞を聞せて鶯は谷の戸ひらをひらきそめけり 松 糸をくるさるにを臍にはむゆゑかほそく引出す草の風 影住 臥龍の梅子細ことおく露の玉をふくめるうくひすその 臥龍の梅子組ことおく露の玉をふくめるうくひすそ嶋 梅のほし石燈籠の月日をもたかへすきなく覚めのこゑ よみにくきふみも梅うかへり点蜘をしるへに草の飛ふ丁みて蓑丸 とそ酒に酔しくより春これは舌のまはらぬ一馬の聲 夢の右の岩戸を出にけり梅のわらへる顔はうす女か 鶯のかたに合せてはつ水ひきならひけり糸三筋ほとき鶴久 常のぬひのこし馬花笠の破れをおきなふさゝかにの糸菊泉 一尊をする爰にきよひつくりに起る哥人よろふ文机盃請持 一大福をいはふ茶せんともろともにたて候てまく庭の鶯 大和歌よりよむ音のなと異国のふみこのむ木を雲守様守 よみ歌は知品式部やすねふらん軒端の梅になるゝ尊花源洞謀様 ヒタチ 梅かゝを羽神子とめて青柳にしをりたせし鶯のこゑ哥和尚 ナカト 若菜 一さとの子りふくしかた事をとり〳〵たかのへるはふの初若菜場岩々翁 七種には雲沢若菜はそのとんのこんやみんのゐたり拍子 あつものにならぬうちからす水書つむゆへの書けに集をつとせぐ藤の屋長総 黒薫む春日の所わへのさをしかよとく角松とせふくにせん本蔭 かきよかすみかきか原の初若菜雪にしらみの古布子きて 油にもなるてふ若菜づむ妹を先こゝらにてしめてやりしイ上角成法師 玉子よりいろも白みの雪間から着か為とて若菜立橋 こにいれし尊菜とてそのねにも玉を合あるふりとけの露 かき分てと太束ねてふをどめ子か雪にもさしくそさの爪紅 わかなつむ春は心もうかれものさみせん草もつれひきにしつ アヒツ 天か為朝のこるまに牛若菜蔵こにつむ僧正か谷 イセツ 一村消子のこる雪句を飛ら王龍の内御わの尊菜橋民の屋前丸 春日明わや氷室にかへて春迄も若菜を雪が囲てそおく 七種の親式も夢に水仕女かねこと洗ひしは馬の小松菜八千代 ヤマト つむ人の腰はかゝめと幾年もわかな〳〵と名のみ老せぬ 不拍子にたゝく暮はまたてはてたるき腹をかゝへさせけりり心東雅楽雅楽雅 蓮なしと聞つるになとかつまたの泡の堤に佛の生つむ 觜長 つまぬうち野守か門の初若菜雫雫ともたゝく軒の雪とけ女は柴田信 サクシマ 一高芳寿むとて小田のあめ道を踏はつしてはこほりくたきぬ妻 山かつ主初暮菜根を引てあらふ野川の氷砧きつまは雅寞 七種をつまぬ先から道草の口をたゝける少女かしまし 七種をつまぬ先なこ道草の口をたゝける少少女かしましおなしく 根のちを洗ひ清めてかんなきもつむや若菜のすな鈴の 天かなとはいふものゝ身を思ふ為に若菜を残してそ総 カリヤ 娘といふは心もあれはにや帽子ほど若菜も雪をいたゝはて出る 仙久つ 呑安 千柳亭 かきわかゝてつむ雪雪の白旗にみゆ過若菜之青の 川コエ 源氏絵 近住 あんまより功者也けり山の腹こしのまはりの藤菜つかむは 上夕千太田 杏樹園序飼 禁中へ籠てのりこむ初有菜御門の前に馬もひかせつ 歌業学守路 竪横に多き若菜をつむき縞結城あたりのはたなみへ色 深谷堂源介 かにか野に露もひくか鼠なるはつかに生し水来みてん 萩無 つまむには猶たらされと嬉しさの袖にあまれるはつ水菜かな つまむには猶たらざれと嬉しとの袖にあまれるみつ若菜かな出夕雷玉水 声ならてつかはぬ猫にいと細き若菜つめとて出馬女御達。 翫月亭一勺 年ふらは琴の音もせん若松をひかえ露の兵小やかくらん 一扇二両喜使に 御わに出て老ぬ老せぬ諸ともにこしを二重に若菜福けり 御金子出て去ぬ老せぬ跡成もにこしほし二重ね若菜福けり初夢鷹子 詠兼 静賢に成つゝ賤は橘ぬらん千代田の村の若菜つゆけし 初草菜したしものにと皆磨口の粉にも湯をくゝらせて搗 宝市其弁成 芝芳の因草業 をとめらり踏あらしては水菜をも駒の石のある下駄よくはれつ テフ 去年の雪にくるにし犬の口み跡の梅の中から出る鶯菜 花兄堂春芳 はるのいれに少女も若菜つむし風まかゝや袂もまくり上つら 一若草庵録 出ス をとめ子か摘馬若菜はめ籠より露けるゝき神のおもき春の時に 花魁同枝折 ぎ 鶴恒 橋みやれ松平鶴〇菜に万代も千代もふ寺の雪間兼て つめたきの雪かきわけてあつ物のかゆの料にて橋初若菜 鶴庵 老といふ名はなゝくその此野辺にのくよふれより石薫たりヤ クハナ 白かねの草よき分て真鍮の鐘の鐘の有なる鈴菜をそ総花秤和文 残置 一いなは山なのこる雪の白鬼雲水の海ににたると有みる少平千柳亭 はるわれは雪の大仏ひくゝたりて立えより顔も出ぬみこしろ フクミマ 亥年すてし加賀笠とれはかの跡にちひとくのこる雪の国山 キフ 一梓弓は事の日かけの書は只いて通したるまとみえけり 三万キ 乗鹿 一豆府のほと消残りたるにもみちをつけし鳥のあしあと 工トキ あかつきの月ほとのこる文言は喜悦がすみし雲治の山陰 鳴ス は子風にゆるきの柱の繁ならく飛としろく消のこる雪 みる人の気やあるくせん山姫のすそのにちらと浅寺円雪の 川音の高うなるほと消のこる雪は次第に低う成けり 六杯岡山盛 泥田坊 つくり馬去年の達二心消て後太の沓はかりのこる白雪 ホラ 心さす手の内ほとに松のはにつゝみてのこる峯のしら雪太郎煙草屋駒成 カラスタ 顔出す嬉菜のあたり村消て残りし雪は綿ほうしかも 烏敵舎耳頼 今も又西行様ににかねの猫ほと雪のきえのこるらん ヒメチ 奈賀良 六条の御息所に庭もせやものゝけのこる春のあわ雪 アヒツ 帽子ともみまかふ雪の頂に消のこりたる黒かみの山 おなしく 譬ほとに雪消のこる田の中にたにし拾ひのぬき足をしつ ナカト 岩々翁 なかき日のあしいとゝかぬ谷陰はあとをもつるすのこるに置 裏行 下手の有高さかやきほとに北雪のけのこりてみゆ山の頂裏 はる風の嶺清半禅はいかるかのさとりをのこす雪の御仏八千代 サカヒ 水すらも若き名を得る春なからなと肩白き雪の遠山 高枕亭寧 一緑葉肉三杏 其年つみし雪中半其にそのこりてけしきも狂ふ太良の山伊葉内二季次 夕丑キ おしなへて野はきゆれともたが根のもとにそのこる雪もすね物 春道 内のこる雪の花と月のことく春は朧にうすよこれけつ王 は馬の日にやせおとろへて消のこる雪の達磨もうゑ人のみま ヌマタ 春駒やかけてや出ん瓢箪のかたちの岡にのこるしら雲三夕三枝堂鳩住 十二八 さほ姫の錦の衣のところ〳〵ふき錦源とものこるに遠 この頃ののひるも有の足柄に飛みかんゆる雪のむら消一笑 カサマツ 京人のほる箱根の山の谷陰にしひれきらて雪は残るかなり有時 神つ代のは子子なれよ雪仏ち江さく成て消のこりけり真倉 ホハラ ひなかざる頃迄不二の山のねにとそのこりたる雪の北涌やみ盛 仙 養老の瀧の木かけにのこりとは豹かあらぬか去年の円益 神つ代をいはふは子とてぬと程にのこるもおかし雪の御仏唐琴 梅の花さなから犬の足跡も春へまたきてのこ事に雪和風亭国亭国亭国亭国亭国亭国 但馬 人廼云形 峰たかく雑馬のふる巣に目をよけて一つかみ程のこる白雪は シハサキ かたものゝ花やく山に春の春そのこる雪もふちのやうなり アクシマ ふむことをいとふ雪とてはるの日のあしの当らぬかけに残れり ふむことをいとふ雪とては馬の日の日のあの当らぬかける浅き 夕力せき 山のすそ霞のきぬにすひ出して綿ほとわつかのこる白雪を 星雄 日のあしのあたらぬかたのちふますくほみには馬の雪太残ね 鶯の出たるあとの名間にもすたちてのこる雪の村にほ 内十川 太平舎豊 三方に山をかへし松蔭に鏡餅ほとのこるしらゆき クハヨリ 枕高亭豊恒 のこりては宮世のおはちもよみわかぬ冷飯ほとな雪のかたまり 竹の屋芳輔 カシ とけかゝる水は土龍の穴へ入る雪も日かけをよけて残れり 不二二丁行恒 熊のすむ洞のあたりに真白くも月の輪ほとに消のこる雪 おなしく 華 黒髪の山にたはねの元結ほとのこりし雪やてつへんにみま 黒髪の山にたはねの元結ほとのこりし雪やてつへんにみま胡来 とそいはふ春日うつりて庭の向に鏡餅ほとのこる白雪月花園春友 ナタ かひ猫の韻ほとなる中庭にのこれる雪は白鼠かも 錫杖拾人 七十八日 はしたかのとかへる山の松かえにひとつかみほとのこる小雪 臨波亭市丸 牛― 松梅金志丸 いとはれし今の跡のみ春めきて若子もゆる雪の村宿 川又 はるくれは仏つくりし雪迄もはやさえさうにみゆる山寺 田広庵常光 水ヌマ 鼓腹亭実 そのこりと雪の白髪もはる風の手にやぬくらん黒髪の山 之ト 東舞甚三兵殿 山陰やふみのはしても日のあしのとゝかぬかたに雪そ残れる 詠兼 敷皮とこれもこえけりよし経の腰かけ松にのこるに雪こ 都住の内草住 かきもせすふみもやらねはは馬の野のつくしの筆に残るに垂 山姫のすそにのこれる北雪はわらふぬひめの綿かとそみる 山姫の春にのこれるに雪はあらふぬひめの綿かとそみ事山外楼金成 尾一ノミヤ 朋来庵亀丸 何にとつそなへぬ去年の雪仏されこそやせに痩てのこれる 輝人 山器ふ霞の袖のぬひめより綿ともみえてのこる白雪 其年作りし雪の花守は馬のよの目みて水と宿かゝりたりアウ ギフ また春は若菜の春にのこんのこんの雪の雪のそのこりてみゆキ 同詩歌惣美 都には文字なす山にところ〳〵不審紙ほとのこる五盃 野禅する雪の進雁の崩れぬは今猶春をととらさりけん 一緑芝周常録 梅 五柳園 手をらんとすれは邪二する蜘のすや爰もあやある春のよの梅 半夕 御位を難波の意にひらきたる梅はもろ来の花の兄矢 蒼海魚繁 庭守よをしむもことによるの梅嵩たにもほとなかすや はる雨の親しらすにて花壱文の藁の上よりもらふ梅かえ 九 白川 星とみる梅の一枝もらはんと空をかみす事人のをかしさ 星とみる梅の一枝もうはんと空をかみする人のをかしさ 鶯も籾珠になるとは気のつかて何へんかくる庭の桜かえ八千代 清水の蒔台はおろかはる風の手に持て飛ふ梅の花笠笠成 山カ夕 ほしとみ事その面さしや香は似ても菊とは梅のたね違ひ也 ほしとみ事その面さしや房は似ても菊とは梅のたね違ひと也河古屋松年 八 サカキ ぬすみてもあと嗅づけて追かけん匂ひにしるき梅の枝道 一今荷棒ふりほとな碁さへうるさき迄のかと成て飛ふ真雪 一切ハ衣房 火ともらゝ花よ風にはさもなくて音にたさるゝ紅梅のいろますと真雪 ヌマダ 音のよをしのふ音のある梅の花よはひをすれる星に杜似れ シカラキ 香の国にすかしをほりし源氏意有こから梅のかほる大将 円 哥よみの鳥の羽風と中のよくなれとそ匂ふ文好む梅葉康 花がせのあれはり雨のふる日さへよそあるはする庭の梅かゝおなしく 春のよの月にくらくて星とみる花の光に庭のあかるさ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 糞舟のあしきにほにもけたれけり梅が葛西の花の下風に 緑樹園 尊に宿はかさすや花の枝こへは返事もおその梅守本蔭 音のよをたのみてぬすむ花なから手共に梅の星なしつ梅世 こけ妻のとのゐ袋に梅かゝを入て宿へともとる宮人緑菴 布子着た人うらやまく羽二重の袖はとりらすすへる桜住馬 鶯茶とめんとすれば裾袖の八ツ口よりそも事梅かく 梅がえに風ひきかけて舟をちらすしりも風の子にや有らん 五柳周 はる雨の梅はしとにぬれなからはれひるはかり匂ふ下風 樟脳を入しにほひは吹のけてふみにしみこむ窓の梅かゝ 音に酔ふもうれしかりけう酒の名の梅は野もせの一本木にて 大学めの家に咲くゝは人のみか小牛の鼻もとほす梅かく 向嶋梅見の連はうしならてねかきの東風にはなをなし 南枝ふく夜風に飛て北極の帝坐や犯す梅か客星 鹿の脊のほしてふ梅か香を追へる人は山をはみすもなな 「成守か着たるをかのかは震うは毛の星も梅かそする つくりたる障子破れて切張の花もにほへる庭もせの梅 切戸さへまたひるかぬにけさはやもひらきて匂ふ中庭の梅 一カサキ 宿の梅東風ふく時寄さんしてあるしありとて春な忘れし庚子六艘前伴則 十九才 やれつくなそれ〳〵まいと乞食を払ふ袖子もとまる梅から やれつくなそれづくまいと乞食を払ふ柚子もとする梅かく峯六種因花守 花守に酒をとらせてうなつかす袖の下にもかほる梅から カラスタ 友垣 クラカノ てんふにもならぬ先から梅がえにちらす砂糖の大白の星 てんぶにもならぬ先からねかえにちらす砂糖の大白の星六畝肉舟成立 六曲周一双 時もぬ山を絵かさしかけもの麓に笑ふ活花の梅 ヒメエ 花の中に武士ともいへは二本迄窓のかうしにさた梅かえ 花の中に武士ともいへは二本迄覚のかゝりしにさた梅かえ 内かゝるほしとみれはつくしにはしらぬ火こかに梅の一枝 風月湖片樹 片糸 横に這ふ香におとろきてなかむれは垣をはさみて咲かえ。 株をつくものとて梅の兄顔のはなにふらつく短冊もあり。 株をつくものとて梅の兄類のはなにふらつく短冊もあり 梅やしきある節し内に日のくれて空なる星をみてそ帰れと 裏行 白赤とわかれへ咲し花足はかたみかはりの梅のよし兵衛サ 商金寝 七種にみなかゝれどる様先にもの着る生ほと梅の初花 なにはつの梅に制札うしろたて梅のけん貴と塩もさすまし 庭守る向三軒両隣風にもたせてくはるうめか香 松井の 一霊倉楼竹成 カトリ 髪附の油子もは心をかせはにや柳の髪に匂ふ梅か香 文雄 □□□□□□□□ ふみこのむ木とはしられく枝うつ事草のあとをもしたふ梅よら通船亭羽守 綾錦よりも嬉しや不行着の程へもらひし窓の梅から笠成 さくころはふみ好む名も世にしるく家の風答ほ桜から よみちらす哥はともあれ一枝の折句はいとふ梅もりか宿 萩素喜 花の形猫にふませて着た松春の袖からそつとはする桜かく 風ふけは龍田にあらぬ木枕の山をよはにやかよふ梅からさ 苞 鼻毛延樽 聴風肝 袖の下をくりでもらふ梅かえをなとまになしの花と名付し 神の下おくりでもらふ梅がえをなとすになしの花としおなしく 曲肴の衣裳にも似てはるのよのやみ〳〵とつい梅ををられぬ 酒燗主 おとかすをもくゝとしへけりなにはつの梅には指もさゝぬ里人 虎成 長ゐして梅みる客の草履にも星あらはしゝ火器の跡 一極金木平村 事 計事 兵亭 十一年 一十二斗五升 未二十二戌 一十一年十一年 □□□□□□□□ 一 一斗一升未九升 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 東上下 一十一匁十一匁 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ カラスタ 十五、 烏歓舎 袴かとみなす 露は妹山の 耳頼 山の肩より 脊山へそひく 十三、 五柳園一人 たとりゆく山の谷間に てゝ梅はみえぬ南の 星にかも似る イケダ竹葉亭陽記 梅をみに人の来るまて朝いしく 五ツにひらく庭のじをり戸 サカヒ 柏樹園 泥田坊太記 待や礼の ふみを学はぬ 仲垣 たをやめの鬢に かゝりてかんさしの 賤か家の 一象牙もつなく 庭にも麹る 風の梅かゝ あをやきの髪 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 夢の来なきし梅の壱がやしき調子はつれに高ねをも出すさせ成芳 さほ姫の化粧油子名をかしく春の頭に梅花かほれり のそまれて一枝をれはさく梅の星もわかれをなす竹の秋。雫虎淀 右の外それは少女のやり羽子をあちらへとめし梅の袖垣 四方山と梅の花との小馬くらいつけんか先へ笑ひ出らら 袖垣の外にやすの寺供人のもかたち高く匂ふ桜から その枝もため一すかめに伊勢勢はたはたろ赤き梅を聞り雅楽雄 はつせ山火ともす花のみあかしは何をねかひのふみ好む梅西来居 たき物にまさる匂ひやさきまし梅をりそへて下す柴船 香は遠くよしばし事とも馬の沓草鞋なかけそそ野詰の桜かん つくしろへ飛ぬ梅さへ春されは霞の浪にしらぬ火ともす おもは尊句ひまゝりてうれしきは梅見もとりの袖たはこ入 庭もせに枝のさかりのみしかきは越中梅の花のたふみさせ 十三 高根 一趣向ある鶯のよみ類に長点かけしうめの立声百九才 花に風とも一かいに憎まれす二階まて来る庭の梅かゝ 花に風とも一かいに憎まれす二階まて来る庭の梅から長柄傘松 在口ヲ 煉寿をつかはぬとこかお茶なりと席を匂はす御花の梅 按〻真真 灸忌の星かとみれは梅の花ちりともみえぬけさの詞東風 古言堂今堂 つが三マ はやさくとしらせの文の封しめをひらけは匂ふ梅かかなかきフ 秀香堂楼殿 花の色と呼出し梅の貴しや次く弟なき宿の初はるカ カツサ 泰平時世 〽カリヤ なかめんと人もつとうておしてるやなにはの梅の花のさゝりを。 呑安 梅の花さき出しつにはりおける札五よほにに蘇民将来 むなしく 詞かへりにほれは袖につき馬のあとほらく王ることの梅かゝ 盃満酌 さく梅に来て鶯の片花経をよむ青軸は八ちくの外 起上小法師 香はかりか人たちすれて咲梅の花見風も袖にうつりぬ 菊の屋芳香 つく〳〵し垣根にもえて去るすしらぬ火みする庭のうめかく京花遊子鍋楽 三歩キ いたゝきのさはりてきねか梅かえをちらずもやはり風折忽ほしに さく梅のほし祭も神楽南ふみこの程にもありる情香紀若人 川又 はる風の香をはたらかす鑓梅はよろに通しのもゝの魁 はくる風の音をはた事す琵梅はよろひ通しのもゝの魁 タカサキ つくしにもしらぬ火ともす花咲て東風ふくかせにかほる花梅 白桃舎一枝 これも又星とやみらん手をる時袖にしみたる海の下つゆ 田畑金雄 笛 立鳥の羽風に花をこほされくぬれ衣きたる梅の下露 立鳥の羽風に花をこほされくぬれ衣きたる梅の下露雷九流舎沢枝一 花貞 紅梅のさき出し軒の板庇あかみのうつる杉もかほれり なにはつの男達かもはくる風のさそへはあとへひかぬ梅かゝ ぬきかけし君にうつりて此頃は衣紋竹まゝにほふうめかく なにてつの梅に愛はよみ哥のうするゝ時に親とこそいへ なにくつの梅に雲てはよみ哥のうするゝ時に親立そいへ 暮の経は日毎に聞なから坊主くさくはあらぬうめかゝ おなしく 障子をはさきたる猫のわき事かつゝいてくゝ事風のうめかくさた 手枕哥種 かほりくる匂ににほれて椽先の梅にはな毛をのはす花守 尊玉音 はる雨のよわき糸もてつゝれはか給ひさける袖垣の梅 はる雨のよわき葉もてつゝれはか絵にさける袖垣の梅 一立初る霞に梅かかこと右相対しておくるはるの初風花の耕 そろはんの玉てふ春にさく梅のるとん何ほとくうかゝふ初花喜佐 カトリ いろを賢にかふれと香にはかける物の孔子も動く梅の下風三峯楼山 鶯のぬひならすひなる花笠か梅はのこらす信ひにけり鷹子 軒ちかくこれもひらきて燕の類のいろなるくれなゐの梅 枝をりてつゝむとすれと庭守か目よりも鼻につき桜から丸々法師 は馬も早きたのとみえて菅神の御紋ちらしにさ守梅同幸に人 雪の梅一枝をれは十本の指もきるかとおもふ寒みけき 同形の意にさし出し一枝はを星とみん庭のしら梅おなしく 一切初度 聖社はあれて丹塗は兀なからくれなゐめたつ神垣の梅真芳 麝香にも香はまさるへき梅守り臍迄花の句頭もやに キリフ 茂登輔 よそにみる梅もかほりやしつらんと思へは花に風も侍れつゝ 油ほと衣にしみつ夕まくれ火ともす桜の匂ひこほれて親民 油ほと衣にしみつ夕まられ火ともす梅の匂ひこほれて 年之宗稲葉 柴人の肩もたの半に梅かゝを林下へおくる風越の峯 丁ミヤ 我物のかくもをとるはぬすみたる梅の花立もてはなるへし 羽江又 よもきふの下前はちす庭守の風に自慢の梅のかは衣 ギフ 手をらんと立寄みれは制札に横をくはへる江南の梅ヲ 朋来庵 松の屋千露 紅肉右蝶 アハ 七星にゆかりのあなるうめかゝをいのらぬ風かさそへ事なそ 夢中房梅男 おなしく 尊もあかれとみてうたふらし神垣にさく紅梅の花 春里 まらうとの口のみならす端居してはなにもめつる梅かかくなは しもりとをたゝくは花をみる客と嗅つけてゐる桜の周守 悟堂両成 柳 ヱチコ 咲はなのこのかみなから王の名を桜手ゆつるなにはつの梅平 高高崩二事秋人 手をやめの尊袖手あちらからと申るもをかし羽のうめから 射柳因折風 冬十 青干とて羽程やすむる鶯の尻敷にせし梅の花笠が永雄 うしになる木とはみえねとなひく度よたりやたる青柳の露 鎌庵 白波の岸にうつほの難風をしのくためになひく青柳おなして あをやきのためはいつれ女にてたらしかちなる風のめつかひ双紙亭 雨ならくみかへり柳これのみは髪あらひ日も定めさりけり袋イ千柳亭 つはめほと土蔵の土をはこふなり出口の柳くゝるもろ入桜川面影 かに犬の尾をふるやうなさまみせて花屋か門を守る青柳田香泰 一琴原とみなせと風に立ちやぬは陶渕明がめてし青柳 あをやきに立しとふりは幽王か花をくほはす烽火とやこん千山白 はる風かふき出ずこつは糸柳めをほそくして笑ふ山つら 玉川利殿 一杜后にも庭の柳は春雨にひとよりうちにはもおふる也去夕松風軒村雲 女子かとめつる柳に風吹て細き手業の糸をみたせり あをやきの美しき眉なり〳〵に鶯の真菰の墨にそかしき 雪とみる花はさかねと雨のふる姿はみゆるあをやきの原 をみなてもいくさみせんの糸柳あしろゐに鬚洗ふらん五柳園 納露を玉とみするはいきたなき人のめをぬく春の柳か 汝か原に内位の位の足やつなきけん立とまりたる高音柳のもとおなしく 飯成 はるもまたをさなき頃よ川の辺になふりする青柳の枝ヲ あをやき其風に流の身なりけり東風にしたかに西風に随ふ山水国三千亭 残る家のかにこの棚の軒んなる柳と眉をつくりかけたり尚夢成 ワカ山 かゆ杖かをりのこされし枝たねくおのか腰うつし月の青柳 力フ大夕 雪達磨かたみにこれを残しけん払子に似たる庭の音柳 直道舎近記 クラカノ つけし直は小便無用張札にかまはすたれる土手の青柳[ 楽玩 泉 あゐ葉とみれせる池に影さしてこれもあゐより青梅の糸錦 やくそくの野松のみかは事まにの頃〳〵と馬青松の糸おなしく 畑の麦ほをはくころは風の手も三度にきらん青柳の髪枕眼斎三折 ヒスチ 野馬臺の詩をよむ軒にかゝれるは蜘手にさかる青柳の糸 嵯峨明井丸 高き屋の御製の外に賎る家の軒謂に春はけふる青柳 片側町成 煙りてはむせふとみゆ事因守の背中をなつる風の青柳笹角房空丸 組板にならぬ枝さへ風の手に障子の骨をたゝく青柳 俎板にならぬ枝太夫風の手に障子の骨をたく青柳片原 イセツ 枝たれく文字かくさまやみち風になひく遠里小野の立柳長づ二五安 ナカト 案内乞ふ人やきぬると玄関に三度も髪を握る青柳 西行の忌日のころはしろかねの猫柳さへめをふいていつ三年亭桃成 空寐 あをやきの後の髪をむすにや髪張なりに出し三日月空寝 石土川衣座 風はもみ雨はたてよへいやの柳も肩のはるのしるしかささ イヒヌマ 川水にぬれつゝめをはあらへともまふたおもたき露の青柳 玉守 オシ 朝寝せし人もおきよとつの戸を風のたゝかす軒の青柳ヲ イヒヌマ 風月庵道俊 は馬雨の父こひしとやおもふらん蓑虫にさへ庭の青柳 いひよれははつかしいやらうつむいて文字かく柳女なりけりけりけりけりけりけり 松丸 月かるのうつれる水にとくらし岸に枝たるさるこ柳は 山寺の軒端に雨の玉柳森珠くるさまをみするしたり枝ノ イヤカトリ 高の屋兵守 御きうちし霞の幕も従ひてぬひもめしけんあをやきの糸桃三千代 けふるとて風子も眉やしかむらんのもほそけなる軒の青柳井 ナカト 折兼 梅の木のもとにねむりてみえたるはいる浮の夢をやむすふ青柳 はるの日のよき夢見草こきませて新潟に眠る青梅の糸。 年をへて腰のまかりし芽柳も霞みかちなる春そきにける 谷奥住 ナル 風の手に糸くりけて賤のめの機ある窓をのそく青柳井 源喜代志 サカヒ 花売かきりにかゝれはかふりふる風の柳は髪をしみかも 聴風邪 柏樹園 燈籠の鹿をも馬と見違へて難うつあか庭のあをやき うらゝさは内楽茶屋の女とともにくしけつる也青柳の髪 駒の屋はく業 煎筋も風にみたれて夢の哥屑つな〳〵あをやきの糸 をそ酒や梅のかほりに酔にけん水をこのめる岸の青柳 をそ酒や梅のかほりに酔にけん水をこのめる岸の青柳子 はる風のひきのはしけんこわの里索麺めきし青様のかに 笑ふてふ梅はかは柳まてめをいとにしてふき出しけり 蓬莱山人 十二は たけ高き妻をよまする柳には小町やいせの花も及はし 二半たの尾のつはくらを藤とすれと抑は心すなほなりけり不美人 鼠いろの霞ひくすとねかたにつら独は柳出を出じけり梅子 きれ風の糸のけりてしたりその柳の梅亭は若しらかみす藤照 廿一日本 廿一日 十二八 一万五百疋 鶯の経の功徳かみえせりしめをひらきたる青極の枝に 雅魚 王とよふ花の后とめふきみんたけにあまりし青柳の頭介 静海楼入舟 子とも事あけ高風より吹風にいとめの狂ふ青柳の李 心勇甚太夫 苦爪ぼと長くの存たる春の中に花聚めきし庭の音様 上をみぬ人の軒端に春子のたることをしる青柳の枝 カリマ 宮姫のうしろめとみえてけり蝶のはなれぬ青柳の髪 宮姫のうしろあと云てけり後のはなれぬ青様の髪 仙友イ 皐月番真司 すなほなる故わへの柳に若草と煙くらへの意地こたりけり むほはすにたるゝ柳はすなほなるみ上には髪のため也けり むつはすにたるゝ柳は一まなほれることにの髪のため也けり商人 母男 母功一 千歳権松旭 雲ゐなる花たましれは長かもし上臈風をみする青柳 京 多丸 大さくら猿子柳のしけり枝をへたつる庭の中のあし垣 メカサキ 松の壺玉雄 花めてぬ人にみよとかは露を団子のやうにぬける青柳 千葉 緑樹園 后さへそむ事と聞けは及第のこれもかつらか寺科の髪 わか鮎の登高川辺にしたりえの網をつくれるかせのあをやき 研安 ヱチコ 鬼も来てとれめのうへの病柳風にしなよくをとるゆふへは 同社 詩がふる払子とみれは西をやきの風になひける達磨の庭 ぬかるにあらひ野としてすなほ也油けもなきあをやきの髪。 太郎 あをやきにからみつきたる凧の緒は煙印にさけしとやみん 桐の屋鳥栖 人形を焼る今戸にはる目の手あそひならんかゝふる青柳オ 一円窓 あをやきのみとりの髪にぬか雨をふりかけなから洗ふ風の手 叶山亭金后 多 煙草すふなふりもとくとみる内にしたへさはりし風のあをやき 雪道 はるの日の風なきをりのあをやきは洗髪ほす女とやみん あをやきは西部か女姿にて風になやめるみたに髪哉 □□□□□□□□ 酒の屋閑 はることに小野の雨にあらひてもあふらそのこる青様の城 少女子が髪にも庭のあをやきのふりもすなほにみゆる春ま 少女子が髪にも庭のあをやきのふりもすなほにみゆる春 院籍か目のあをやきに槙康か琴にく松のなるゝ賤家に 川城 髪あらひめをもふいたり出かはりの下女子も唐の雨の音様 いはほなす岸の氷を梓べこらすはるの柳も天の羽君・ 甲市川 常道 福画屋 女とはみれと軒端に枝のひてやしなひ安き庭の青極 赤子亭倉 しほやかぬ浦にも海士衛門松にこのころ煙る青柳の枝 □□ ひもこけし池とはめちらこち風にむすにかへてもみゆる寺様 浅野浦 十丑キ 若鮎の登る頃迄めをつけてなれも釣する川添柳 文言亭多丸 白又 はる雨の親のしもとのよわしとや伯瑜に庭の柳めをふく 千露 若草園紫琴 女子の櫛になるてふ青様のおのれか髪をなと乱すらんき 本島茂鶴同 一たんは刃とそゝきし原柳半たぬれ善をほしことみむ あれやきの髪言のみはめつ事也出家いむてふ伊勢の祖部も 春里 つれ〳〵の双六よりも春雨のふるによきめを出行春節 歌主大事 はる風によれる柳の木袋につなくかとみる軒の泉曽卅 甘棠は安丸 早蕨僧正をおとす嵯峨野にいかなれ共満足な手の揃ふり草上 ヱトサキ 緑樹園 むらさきのちりひちよりそはしまりて思はすのほる春の山ふみ その中にたのしみありて早蕨の肱をまけたる水のみ一百姓 多 仙人の碁に指ゝさせ事さまなすはこや柄のくちしをの豆蕨青木素葉繁 さけてゆく蔵のめにさへはすりけり御わへに橋とる此しのちり 八 サキ 一春立は霞の机に手つとゝくみとり子山の峯の早庵 ヌマダ 鬼のすむ丹波路ゆけはおそろしやちについて出る早蕨碗 シカウキ 鶯の出てゆくあとに用なしと捨たる鍵や谷のる巻頭 さわらにの腕を枕に樽ひとつあけてぬかしつ花の木のもと むらさきの鹿人落の灰かけてあく迄いろのよき江戸の水催馬 たのしみみ有の内にあり草蕨の腕を曲つゝあそふ春の輩 さほ段の小袖たんすの後半へをあけに手を出す早厳の鍵に 紫のいろにめてゝそ一夜寝ん早藤の手のまくらかせ山泥田坊 往来の人に名をはをしへんと猿をのはしら岡のさわらひ 箱根路や関のほとりも春くれは手かたを出す有の春 遠めかねのそいてみれはさわらすの手と手にとるとみゆゐてと 木曽の山春の網日をこかれけんひとつ巴にいつるまわらひ アヒツ モリヲカ 源翁か教化なすかわにきてみれは如妄のことくに出る主康 ヒタチ よし野山霞の袖へ用を入て花のありかをさくる早わらひ 片岡の木蔭に出しやせ蕨こや雨露にうゑしなるらん 橘草に出るをとめ子を指折くかそふ事さまにみゆるに蕨 子をもたぬさとの少女も早蕨の手近ひきに出て遊雲の由 鶯のはつ音をきかんすに又耳かきほとにいつる早わらす カサマツ 遷香亭 鶯の出しみやまの谷の戸をあけたやうなるさわらすの種 十二 花さくをいつかくと十の精かそへし手にも似たる早わらす 春もまたのこるそみさに早蕨も手を出しかゆる山のふところ 千束文数 道ならぬ早蕨の手を握馬とて指をもきりしいはらかめし千束文数 やまくも笑ふをさなき春風ににき〳〵をして生る早蕨寄臣 辰丹 鳥きれく寒ゆく風のをしやすて野へにも手をはのはすに蕨 童江閣都区冨 五ツ 是も又もゆる物とて大原女か黒木にそへし岡の里蕨 一是も又もめる物とて大原女う黒木にそへし岡の里蕨千惠丸 同 萩垣を本後ひし縄の屑ならん陣の岡の紫のちり 真倉 の真輪の像の像のこなくにかともに小量をまたまる事なうつクシヨン 仙タイ 二子山笑ふ事の聖人に又にき〳〵をする早わらひの猛 柳葉丹丹波 草はえの野路の尾花か袖にさへ手をとほすかとみゆるに蕨。 若は元の野州の尾花か袖にさへ手をとほすとみゆる草蕨錦松亭筆冠 いにしへをしらぬわらはも大仕山蕨の手をもくはんとそする 芳香 古戦坊しゆらともえ出事草村に拳を握る馬藤もあり并 神さひし峯のいなりの土垣へ鍵をもみせて生る早いらひおなし 曲水の人にしかれてをれこみし常の蕨の手まつさへきる 緑樹岡 親のすねかちらぬ也も春のいわにおふる蕨の腕はくひけり 風こしのみねにおふてふ早蕨の霞の花まくり手にしつ こそ鷹をはなちしゆゑか狩場堂に天手計そみゆる早蕨 袴さへゆるしとみえて鞠の曇上なきいろやむらさきの塵 おなしく 唐人のきせるに似たる草蕨をたえこのひまにさかす山かつ シハサキ 山の尾花人 傘の糊になるのもむくなれや一雨ことにひらく早蕨 アクシマ 杉の門三和守 此こゝつはさりし寒さを見おくるかのひ上りぬる客の千扇 めつらしとぬのよいものを賞美しつひはほん望に似たる早蕨 漁商 ナリ むさしのゝ大きなはらをちひさなる手をもつらかむやうぬ事 早蕨 二和のや広主 名なり 北の屋芳輔 山住のゐろりほとなる庭なから自在は鍵のわらひもえつゝ〳〵〳〵 十二八 うかれのかひつゝ聞くとりぬれはあとに手のなき時わへの里桜 うかれめかねつゝ聞くとりぬれはあとに手のなき生への里蔵 逃水のゆくへはありて早蕨の立波みするむとしのゝ原 めと萩も崩土にけり早蕨のたないらみする山のうらさ めと萩も落出にけり早霞のたなひらみする山のうららてむ 山カタ 古馬雄 さほ姫の裾の方から早蕨のいたつらな手を出す春山 同 縄になふこともむへ也早蕨に命つなきし人もありてふ 松月常巻 サクノシマ 昆布巻のやうな味まる草履は舟岡山の名物といふ梅花亭方信 下もえの薄のもとへ手は出せとまねくことをはしらぬ農裏の 苗代の下地もするかいわねむて蕨の手をもかるは賤のを玉外楼金成 五日市 もしといふ文字もやさしき草蕨を粉か手つからをりそふる也 きぬたをもうつの山路に春は又つちを握りて出る事蕨輝人 はし鷹のかりちの小野よにに蕨の拳もしみのいろの紫商人 桜 春の山霞の衣ひきはへてすうのもやうとみゆる半蕨 日のなしもくつとのはせは此頃は蕨守腕を出皮山のは はるの山あまり笑へはかわへも又をとる手つきにみゆる草蕨清持 忠度の宿りもとめしおもかけや山路の花に寝寺鐘蝶梅世 たんさくをさくる少女かかんとしの足ないとひそ花のしら煮と いさましき節駕の旅も咲初し花にけら事南海の庭の庭 雲を見て石土石と思ひ其花をかたちと思ふ揚は始桜はき桜 アサフ みよしのに制札せかな花の時無用の風は入へからすと 夕マ川 もろこしのよしかわといへと空花のさかりはふくないせの神風友な 化夕丁 さくら花をしむ心を今しりぬ御みみし枝を人にこはれく もろこしのよしかわの花見せるまれくけし坊主を守れて行親百九等 見物にふみちらされ色草斗好て花のさくみよしのゝ山 □□□□□□□□□ 世中の花の源雹もまたれけり梅や柳の蓑笠をみて 福西屋 わかれこし花いかならん夕東風に桜のろなる酔もちらしぬ 仙タイ ゆるせとの花ぬすんの逃口も一ツこといふをはつせの山 哥人のことはのたねか実生していくにもとあるみよしの花草雪雪 雲となれ雨とはさらにちきらなをとめ桜の花の下ふしおなしく 川田 友とちの桜子もちし酒樽の口子も風はひかやともなし五経同五浦 ヌマタ さほ姫は霞の上に花そめの桜の衣きこのなり山 月露丸生露 雲水の所さためす敷来ては風にさまよふ西行さくら 円 同 花守にませて一枝くれよとてゆかみなりも音はよけり 物もひの花は唐にてさきぬへし桜を登る春の日の本枝成 風雲の花もやせんと桜なき山もをり〳〵なかめこそすれ催馬 木シマ しはらくは次まゆく駒もつなけかし花こる人のあし坊のもと木 大田舎兵衛門 る 九日 1 枝かはす雨の柳の露たりて楊貴妃さくらさき初にけん 枝なはす雨の柳の宿たりて楊貴妃さくらさき初にけん五柳因 花七日によりをねかふさくら持五風丁雨もをりにこそよれ おなしく 飛蝶の羽のおしろいも韻はせにのらてめてたき楊貴妃桜 拂ふへき袖にやとめん雪とちる隅田の渡の雪の夕みれおなしく イヒ山 角成法師 将棊にもあらぬ桜の花の王我も〳〵とつめかけてみる あき鞠についてあかりし人のめも桜の枝にかゝりこそすれ あき鞠についてあかりし人のめも桜の枝にかゝりこそすれ知新菴温故 サキ ほとゝきになく頃まても咲のこれたゝ有明の桜はかりは 潮来 上田 枕上楼夢成 鯛よりもめつる桜のみところを目下にもちし春の山茶や 万山 楊貴妃の桜みたしとかさしよりありかをさかす春の山の人 扨真妃の桜みたしとかさしよりありかをさうす春の山の人 とらへられくゆくも羊のあゆみ也屏のを桜花のぬす人 ホハラ 牛は有の尻鞘にせし虎のをの桜見にさしゆく鞍馬山 千生亭瓢 クヲカノ 舟盛 うたゝねの夢み草にもそつとせし風に頭痛をやます花寺 瓢箪の酒ははやくもあきなからあかぬなかめの花の三土なれ 七又いチ 吉田米成 いにしへの都のゆゑんあるやみんうす墨桜さくならの里一 布葉 雲とみて石裳をおもひかたちをも思ふはは事のみよしの花 かる一龍盛やみとないひそ桃灯の桜かりゆくしかみの山越 奈賀良 おなしく 雁皮紙をしをりとなしてかへりては花なき里に住といはまし ヱチセン 月守 みわたせは西行桜普賢像江口のさとか花のゆふくれ スハウ ふくなとてちかひし風もあら桜松山をこす花のしら波 花七日妻子珍芸うちすてゝ西行桜のなかめあかさん 桜かりふりありきにし花のもといつしかからとなりひさこ酒 仁徳の君の御代にもこれ斗十両五風は花にねかはしサク空寝 大佛の有てふならの八重桜はなの中にも出入してたる木ト重陽内蔵倉 山守に酒ふるまへは肴子とはさみてくれる花の一枝延樽 さきまし枝もおもけに様干へもたれかりし楊走ぬ桜木ト阿曽備 桜子も一枝一粒の制札のおもてにふせく風の手も哉喜代志 みわたせは桜の色青柳崎こきませてみる花のよしはら ふしのねの雪となかむ事そのすそに穴ある幕もうつ榎蔭 小口からちるほと奥にさく花のよし野とも雪の時しらぬ山有武 桜とく群集をよけし茶やに迄うしろから押す弁当のころ 花とみる雪より雪とみ事花にあゆみかねたるみ吉野の山 大さくらさかりは雪とこまかうて狂ふ心の音の友とち すひつくに鬼ころしをもつめゆかん口迄さけるみよしの花年夜 百敷の大宮とほり生酔の桜かたけてけふもかへりつ 酔しれのふりみせてけり木のもとに昼寝もめての花の盗人 ほら貝はよしあらうともみ山なる花咲頃にふくな春風 もろこしの虎とふ名ある桜木に大和ことはの妾もみえけり九 哥ならはためしもあれと好人よ小町桜の花なぬすみそへ いり相をつくはうらめし刻蔵より坊主埋めよ児桜はな 散花の雪と化たる狐拳数も三ツうつくれのすて鐘 梢に毛ゆする牛の難の音にほろゝとおつる花の〆露 小町とふ名はありとても桜の花さかりの内にゐたなせけ 中々に龍の雲かと見まかひて風をはいとふ虎の尾桜 この頃は花のさかりとしらせたるふみさへ匂ふ吉野半切 さくら花なかめになかめかへさには二日の明たる幕串の跡に よし原の桜のもとにかしつきぬあけ新造のさつきゑ力嶋 しら皮こめつる桜を手折ゆく花たて人は何といはましおなしく 膝にのる猫をは捨て西行の桜に心うつす庭守 おなしく 下芋 一緑樹園元有 採薬も医者のけいこかはるの野に 三たひを事也さわらひの肱 ナガト 一品々翁 此者の塵うはんとこれなゐの ちりのさとから山に入る人 五柳園 仇なりと名にや云てん桜花 日に稀なる風もふ有けり □□□□□□□□ 岳亭 むしかくしやうなり 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こよみより山の中段みつのそくにて桜のたいら一めん 禾芋 一正宗の千金よりもなら物の八重さく花やあたひ申すらんヲ タカキ 一様ならよしいわ〳〵と巻られて高くかとまる花の白書 花さかり見あき事人は先へちり坊主の残る寺の桜木 吾よみも詩人も中のよし野山ならふ桜の小町移す妃紫荒荘 白子 北は答口南の枝はさかりにてふちにさいたる犬さくら花玉鉾道広 あすら山桜かりまる人たちの花の王子といひならしけんおなしく クハナリ 雲の上みれは左近の桜木にのこんの雪もくす玉のなり 一兵衛 貴妃さくら世にはひこりてもろこしの吉野のやまは飯やせん 碑の文字に匂ひは三分しみこまんあつかの山の花の王義之 おなしく 笛 月窓内安 すひ筒を提て桜をみにゆけは人にのまるみよしの山 吉 岩間もる水も桜に埋む日は流るゝ落くむ石の庵 一岩間もる水も桜に埋む日は治事露くむ石の底 我あとをしたひて来たる飼犬や雲に孔たる花の山ふみ もをりてしそのいせ桜ちらうと坊主物さへいとふ花山北頼 蟹のよる磯山さくら咲より浦公の海士の上にめかつく よし野山峯はきのふの春南に一かさまさる花の肱津せおなしく ホラ 仙人のこゝちこそすれ咲花の雲に葉たり波に乗り よし野上花の雪にもから音はふすなり大和類はね寺也 ヒメチ 風花用入へからすとみよしのゝ山桜戸に書て張たし 風答用入へからすともよしの山桜戸に書て居たし上手川瀬音人 古のならの都とみ馬迄に雛にさゝけし八重桜花壱儘 雲とみる花ちり浮て盃の蒔絵の月をかくす下松 三輪の山花見の浦をあとめんとさとにも夜の印たつねつ皆鄙間住 一土川衣座の 白雲とみし影もはれぬ間に風かふらする花のあめ哉 カラスタ 友垣 見違てしらへにきるな草桜樽を鼓にならず生酔 すこい筒のひさこの酒も持ぬにやかしましからぬ花見一群 志賀の山今の都の人か来て昔なからの花をあらしつ絵画屋 大内を守れるひえの桜には鬼門の風のいかてふくらん ナカサマ さもしなは春も来てそよおもしろや月にゆかりの有明桜 関寺の小町桜は年ふともかはらてつもの花の白雪 雲珠桜くらまの山は毘沙門の堤仕のあしのしけるふ人稲葉 桜はなちらさしとてやさら姫も露の袖につゝむ春風 キフ 伊勢さくらさかりのもかに酒肴田菓子菓子の壱箱 さく花のさかり七日は順礼もみなこもしくの初頃の山寺 樽藤 雨風をいとふ桜の枝こへは声もともしし花の山守 美しき小町さくらのさかりとてくわかふ人あらはいなんと思ふキブ住遊 旅人の小笠の月に調度よくかゝるや枝の花のしら雲 福寿内志解丸 をるなとの制札たそはさをになる雁もにけゆく桜咲す 花ゆゑにおもへはいとゝ罪ふかし風に恨をかけぬもそなき はる風に始まれぬらしあらはにもはかなくちりし桐垂桜 花ぬすむ科をゆるした周守に縄をほといて出す吸肉 為成 忠度るむかしなからの桜狩うちほとしたく思ふ風手おなしく ヱチ 玄宗か貴妃を夢見の花ちらす悪魔をはらふ鐘楼の めかれせすまたきもせてなかむ日はこや左桜の花の花の王戎軒風 小町桜さかりと聞てけふ幾旦とかふ人あらはいなんとか思ふ 忠度の春おもなえて此日頃我も山路の花の下ふし健徳 分雨墨子みはさかなめくらんつる道の糸かやかきて木を御酒寺春の日甘雪雪 十一日 盛十カ 杏集亭 梅柳錦おり出す春雨の原はいかな事かひこよりむし つれ〳〵に胃夜物語よみさして遊ひ敵をまねく春雨 イセツ 草や木はもちろんの事かこむ碁の石もめをもつ春雨の宿山積園 芋 一軒手ふきし謀枝の巴瓦にも庭のはる雨音せさりけり雪亭 ヌマタ 前。くれのちくさのみとり給ろはえて潰涙けつる春子の宿 三十二才 三笑の友はつとちつせんし茶の虎渓かほらす春子の葛 円 春雨の宿の口に寝の壁に馬花のつかひのきてはさわかす 詩をつくる雨をぬすむは春雨のふつてわいたる出来墓外楼 嶋久 草も木も親とこみし雨のなと花のあるきの顔よこ道也 おとなしくふねるを人にかしらする桜を雨の仇とやいはん大井 ホラ 東国山人 はる雨の庭に学文しつのをも質に入たる麦を流せり クフア かそいろのこれもめくみか田原に木のめも出すはる雨の宿 泉 ひきいるゝはかりねむたく思ふ也糸ともみゆるはる南の宿 ひきいるゝはかりねむたく思ふ也糸ともみゆるはる雨の宿南倭ノ睦能 芽のあかぬ庭の節草つり出すは竿針のなき春雨の糸房阿房 ヱノ十セン はる物にふりこめられくさほんたつれ〳〵わふる軒の玉水 ナカト かき餅の耳にひまありみ六の目にいとまなき春雨の宿 下もえの薄にふりやつけぬらん糸によれつゝはるゆのふる ナカト 七くさの支度するうちはや軒にたゝき出したるよはの春雨 巻木占方 野狐の火をともすころふり出て柳のまゆもぬらす春雨 素喜 鎌の刃の月はみえねと草双紙かりつくしたるはる雨の宿 とく花の父母亡ふるに論語よみ論語しらすも存ふ春雨 さく花の父母とらふふに論語よみ論語しらすも遊ふ春雨柏樹園 あをやきの袋をけつりし風の手もやすめて洗ふ春のぬかま ねはん等のかゝるけふしも春雨の薬も樹々にかゝりてをみゆ うなりをもつけおく風もあけされは二ても静て春雨そ降 春浦風 は事雨にふりこめられし吾人も為なら名所しるす猿日記堂軽躬 つれくはいせも景花も北の方鶴ものかたりにあさる春雨泰々台寓 糸なしことふ事春子は遠をの花の給ふし事しとやみむ公輩 つれくにあらひをすれは草木にものひずそみつ春のの道 松風は音信もなき音音雨に声のしら人のたこんぬつれ〳〵左一丸 タカキ 雪としもちりやしつらん約束の花見も水に成じ春雨茂葉 花をるとみしはひる蝉の夢なからふたれしやうにたる花雨 麦くらふ丁めなかるゝ空たにもしらて文字よむ春雨の音 花りをいはわく菓子の桜花家内一ちらすけふの春雨助人 田楽の木のめになえて摺木をもみとりに染る春州宿東雄 おのつから笑へる山の春雨はうれし涙といふへかりけり ねむけつくすやあくひの涙ほと柳のめよりたるゝはる両本炭 あさみとり柳の枝につゆとめて目のうへおもきはる西の宿生足雄 在江戸 ほろ〳〵とふ事もしらほちしらぬ間に草の色をもふ事春ゆ つれくのこそひに関すまふ中老の親にもなるか紅の春雨有時 あをやきの髪のあふらけどれしのはもし猶雨のあらひあけしか ふるに出すほゝの胸元はあらねともこぬかのやうに春雨のふる弁山人 仙文 切風は枝にやふれて柳にはいとめをもてるは子雨の空 すなひなる柳の枝をつたうては音なしふりをみにる春雨国吉 幾千風のはねをやすめてあを思はの糸をのはしゝ春雨の頃 蝦夷人のこときくさふく春雨は花の錦もおり出すらん歌業亭高路 カナ川 あをやきの一裏にそへぬ子月の足かねて用立かけふの春殿 つれくに眠る柳も風の手にゆりおこされし春雨の庭清糸 ねむけをもさしきの桜桃柳めをはるたのしは〳〵そふる ゆふへ来しよし男の花の花のさきにと水にしもふる春雨の宿 はる雨や奴はひとり大津陰のおとはせずしてふる鳥毛鑓のの 一鮎こはき衣もしを風くしつの女かふりもやさしきはる雨の宿 沢庵も山吹いろにつきろこぬるをなかす宿のくわ雨渡 陰蒔鼓太鼓も打やめて田にやかずはる雨の宿おなしく 高 父母と聞にし春の雨の日は花ありとても遠くあそみす亀尾伝 けふは花あすは野かんと思くそくの音さたもなく春なそ内三五屋乱丸 脇を出まくらとなしてたのしみはそのうちにゐるけふの春雨 はる物にけふおとまりの双兵もよいめふり出す猿の若草 下駄のはも踏こむほとはよこれねとはなをはぬらす矢雨の足 いかのほりうなりもやみて静なりあからぬそよき春雨の空 幸有武 打つゝく此はる雨に下駄のみのあとさへたゆるつれ〳〵の二句 十二ヤ すみた川桜も花に花出ん木の母寺のはるのなり殿 槙園園 江又 経をよむ鳥も音せて権波女より睡魔か犯すはるまの宿 千露 庭の面の苔の衣の染下地あつらへとほりこのめはるさめ つれくにありたけはなししつくして坐もしめりたる宿の春雨 草木にはめをひらけとも旅人の袖はしほめる春雨のから はる雨のきのふにけふとふりはへてとふ人とては軒の玉水 よし御わとみかけし大和名所図会しをりして寝る宿の春雨 日花卯時 花見をものはしく宿の春雨にふりてたのしむ名所双六 クハ十 五足斎長守 春駒 ○若草のもゆるか中にかけたるはもの煮事湯のつるふちの釣 若草のもゆるか中にかけたるはもの煮る鍋のつるふちの駒驚丸 若駒にあせみをいとふ祝約の息やかゝりて野をかくすらん 室めきし馬やにやかかしかはれなん糀栗毛のはるの若駒 三百二ツキ 円 いさよの柳の枝の露に怖て人もけぬへくくるふ若こま緑菊 同断屋丁辺焼 あぐまきからゝあわりもいゆる頃又あれ出す御にいわへの若駒ク方一 瓢ともみゆる霞の袂からこひなしたる牧のあら駒 はる駒のはせゆく聖路にひきはへし露はすくに富手綱竹屋 瓢箪のすひつゝさけて春の野へ心の駒の飛出てけり棟云ん 君天手の中より出て草に入月ももめくろむさしのゝ駒 サカヒ さみせんの名によふ草の生ふ聖人かわひき成されく遊正右駒 かみつけの横いわにあそふ若駒の霞かくれは人やぬすみし はるの野にとひ立やうにみゆるのは客をこゝるひはり前物一一一一一のののの桶桶 初午のころは狐の穴をみて太鼓をたゝくいう人の若駒 笠になす菅の下もえとみぬらし沢辺の前にぬるゝ君詞 可ナル 生求斎縄子 人すまぬ不破の関やの庇よりあれ出したる春の若駒 フクシマ 六歌同 相馬野はそのこる重のあし道も茶碗のなりにつくる春駒 フクシコ 鼠かと遠めにみゐのみそら道仁の生をもくらふ春駒六歌因 苦むしゝいさめの鼓ひきかへて腹太鼓うつ春の音駒鵜時 但馬 粟毛とも名のあれはにやもえむる春の野末にはね出る将 二トキ ぬきもせすおきしたち野に草はみて動かぬ駒そ請月もなる丁 十の字の轡もやかてかけつらん横いもを竪にはし事若駒 壱分ほとのひし小金の原の草百疋もゐてくるふはる駒 白川 若草の落たつ野へに栗毛とてはねていさめる春の荒駒安住 春駒は瀧月毛か梅か鹿毛か柳の鞭にくるふさまな事便爰亭衛成 雪水にひたす七くさ踏なから爪たにとらて狂ふ若駒福画屋 行列のかなへにあらぬ春の御わに七くさをふむひかり春の駒栗猿 かけちかふ西は時計か分銅の志田横望に春は狂へる松井秋人 歸雁 歸雁重の神手なかはかくしく文字をみえんそろ〳〵さまや敵ふたき事高 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ おのか文字霞の程にかくしては誰にあてさすゐんふたき鳥千□泉 西行の忌日もすてゝ雁かねのやはり雲ゐを北面にゆくおなしく からさきの松の琴もて等閑にかへるから内の雁をもときん こん礼の娵菜橘ころ長持のふた棹三さをさきへゆく雁下手成 一筆とみ事霞のうへをかへる雁はかまのこしちあてにゆくらん五柳園 清書の文字かともみん朱引せし霞に消てもとる雁かね唐真雲 苗代のかゝしの縄をむすふころ文字ともなりてかへる雁かね。 さく花をあたにやみ給らんとも僧の横宇護字もなてゆく戸 口切の去年よりなれし茶臼山ひきはらひゆく雁の拝篇 御仏にわかれをしむか鳴つれて雁もねはんの雲かくれゆく 鬼ならぬ鳥もひとくとなく春は文字をつくりて雁そかへれる 古郷のつまに悋気の角くみし芦色を立てかへる雁かね 八しまかた深草桃のさくころはさうろとなりていそくかりかね 西ならぬ北にむかうて熊谷の桜子うしろみする雁かね 数あまた碇石ならへしかくにて北へ向たるひ其助の丁おなしく 花よりもみまくほしきが古郷へ年を越路にいそく雁かね濱馬 大風のうなりの弓の高鳴に空ゆく雁の陣そみたるゝ捨魚 秋はとくわたりて月の雲はらへ花に朝の風あてぬ雁 今しはしをうてにいなの草餅のひしをもくひてかへれけね枝成 西行のあと弔ふころに鴫ならぬ雁たちかへる春の夕くれ つらなりて白酒哥をうたふころ山川こえてかへる雁かね くはれたる麦もくひたる雁かねもたかすに首を延す別とろに □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 一春はなほさをになり又鍵になり自直に成くかへる雁かねテ玉亭 ホハ 春これははねをのしめのかみよりもしものこしち人かへるかね 〆屋し刀篭 古さとへよきにことつくしてたもにおせわなからの山をゆく雁ホ戸皆 なにはにの世の孟芽やはみく生しふしの間なかきほねのさを さく花を越路はかくと羽風もて雪とちらしてかへる雁かね ふることの名見にゆくや弁当の時飯ほとにみゆる事かかね。 よみのかいかへるしれこ則夜に文字の見けぬ雁の玉章春友 カサマツ はし鷹の爪をのかれくゆく雁のなと琴柱にはならふなるらん 遷喬亭 夕くれにかへれる丁は海主に似て露の糸をさをにまくらん けふりたつ不二の形につらなりてゆくへも登ぬ春の雁かね 書国の古郷さむしとかへるさに落をからにつゝむかりかね 胡粉めく花さへそこらさき出ていぬ。雁かねの文字も消れつ 西行と名ある桜をこすてゝは北面にゆく雁のひとつう 旅立のみこしらへせぬひ晩の花はなほさらみすて行雁 海寄得し玉の春とてかへる雁霞の海をくゝりてそ行 ともし火の花みへみすて紅梅のひとりすころにかへる雁かねママト佳気神帯丸 古つくかへる源やもたさらん春の霞の君かりかねアハ春里 春の雁かへらはいそけさく花になれか翅の風もいとへは 西行の桜みすてゝ不二のねをゆらへもしらす久馬雁かね 楽天はしらす城と鶯の哥にはちてやかへる雁かね 一のうたかくたんさくの雲間にも三十一ツの文字そつらなる みちのくのしのふの里をみすてつゝゆく大空は雁の文字摺 花よりも月の金子にまたわんとを路をさしてかへる様十五桑樹園志成 薄墨子かく玉章とみえにけり爰ににしむ春の雁かねトリ文雄 工事に号をよりせて短冊の雲かなに文字を書てゆく雁上に夕見口恵 萩の花さくときに来て紫の霞に羽往すりてゆく雁茶亭亭雲 一切川衣序 三つ二つ四つ手のこゑか古豆ふのとこよ〳〵こさしてゆく雁 かへりゆく雁の文字さへかたか山しかとはよめぬおほろよの新潮花明雪常 甲刀に 常道 雁かねはあくりてくひし主日麦のいろならなくにさをに成ゆく。 みよしの子皇居をしむる花の王のもとをかへれる北西の雁知予 かたはらの柳にめをもふかせけりわかれもなきてかへる雁かね おなしく 打はらふ羽袖たゆくも時ゆくもちなし古郷へかへる雁かね太鼓万丸 とこよへと旅たつ雁は春のよの月の笠なる文字とみゆらん 各宮の人さや月のみかさにも印の文字をみせてゆく雁 月の雪半ことのことをみたりとて花の香をはみすにゆく雁 やき筆の下絵のやうにゆく一の羽袖にすれく消てなくなる 行石露に消るあとに又一羽のこれる空の鳶風 なき駒はみ手くしとてやかつらきの山をもよはにかへる雁かね 異国にて不二は日本の一といふ文字をもみせてかへる一かね京北杷丸 天人も花にうかれてよし野山琴柱もたつる春の雁かね 北へ気それてゆけともよし原の花のさかりはしらぬ雁かね 花のかほみそはわかれのつらしとや霞の袖子かくれゆく雁水ナリ安楽其巻位 花はみなひらけるころに雁かねのふみは露に封しくそゆく かはらけの飛がことくにあすか山花をもみすに露みゆく雁安住 白墨にまかへる金子消ゆくは書そんの文字や春の雁年芳井方 かへり点程かつけらんしからよみし人なき雁かねの文子三夕長谷総 越路へもかはせの手形千金のあけちのかたにかへるアかね直従成 かへりのみおほくあれとも無の方にもよめるはいかし有ね紫子の子が 男高森の詩よりも文字のわからぬばきにの中山とえて行一同舟盛 名残かとおもへはしるに古きもにしことて爰むかねの文字 石坂川初度 鍵の手につらなるこのいかなれと花にはつねへ立かへるらむ 北向し一の名残を惜みては磁石の石となるこゝちせんト 山カ夕 紙の名のよし篁の花を反故にしてかきちらしゆく雁かねの女子 豊 さく花の桜田見付あとにしく霞の鬨をかへるかりかね。 行句ふみを露のまきこめて夕日のかけもくち紅のさまし 雲紙の雨にやふれく文字さへもちきれ〳〵にかへる雁かね 侍友睦浦 唐樹古南羅 同 義朝の北の方へとかへれるははるのときはのあまつ雁かね 三カニヤ 一乗鹿 かうかいをつとにもてともかへる雁かさしにすなる花は見捨つ 一三日月の舟棹さしてゆく雁は桜の雪に興やつきけん 円 月の笠柳の蓑もいらしとてきた半ゝ無事方へる一かね サクノシマ 梅子庵 かへるさのせはしき中に書置の文字ともみえしこえしこの一つら 河柳亭君枝 なかめやるこしちはるかに宝龍のくみかくおつる雁の一むれ 一 薄墨のゆふへにわかへる時枝にそあらぬ年をくはへてアサフ哥し久 来る秋はまたこんるりに茎さく春の野つらをみすに行雁 くらき夜もいとはぬ雁はさく梅の火とりに枝やくはへたりけん似て干柳亭 をる枝は善者の為りしら浪のたつ北海をこえてゆく雁 越路への倫方の文字かよし野山夕かけてゆく雁の薄墨 籏重鳥花見の幕も打捨てうろたにてひく雁かねの陣 僧正かすみし花山ゆく雁をしはしとゝめよりのかよひあと手堂常成 古郷への土産子日きがきづゝれ土佐よりかへる雁のつらゆき。 かへるさに霞のうまの表りせし一行ものや広かねの文字 ふるさとへかへる友とて藪人に声かけとゆく小田の雁かね 高砂の浦より声を帆にあけて我すみのみをさしかへる雁 津合戦にも伏勢のあるやらんづらをみたしてかへる雁かね 三十一日 十五日 定考の ころ渡り きく 春はまた かへるならひの 雁かねの 文く子 春秋菴中雄 兵庫 十三ヽ 封園 武雄 価よき春を いやしむ雁のなと 一金堀る佐渡の かたへゆくらん 十二ハ 鳥さしのおよはぬ くしのおよはぬ 米廼屋田香泰 空をおのれから さををねかして かくる雁かね 西来居 未佛 むさし野の入間のこほり 消る頃田の面の面の面の間の花の花の間の間の面の花の かへるなすけん 兵 亭 四十一日 行この両とをしたひてこのころは風見焉も北をむきけり みえむかゆ東しらみに縄の越中さしてかへるかりかね かへる雁琴柱をたてら六尺の屏風かうらを飛こえてゆく 錦鳳 橘の花さくときもしらすしてをへきこくをいそくかりかね 三保のうらあまつをとめの其後も露にまきれうす事かね 三保のうらあまつをとめの其後も妻にまきれうす事事かね松の宿 夕五キ 柳花堂豆盛 ふるさとへいそく夜立は挑灯の桜見あてにかへる雁かね 畳そふとこよをさしく行雁の友にはへりもみゆる備後路 尻鞘の虎の尾さくらあなして太刀のこしろへかへる 秋はまた来てはむ柱と苗代を賤にまかせてかへる雁かね タカヤ あさつきのなますはしらぬ雁かねも今や燕と出かはりてゆく 追風にかへれる雁のあまをふねはつせの花やあとのしら浪 さく花の雪をあつめていたつらに半なはてかへる雁かねの文字 此日ころおほふ露にこもり唄あの山こえてさとへゆく丁 湊入舟 雁かねもなきわかれかもみおくれは客の袖をしほりてそゆく 湊帆柱 影みゆるまてみおくれは雁も又雲の袂をしほりてそゆく 万信楼一三季 雁かねはいつ来なんすの里なれて空なきをするけさの前落 雁かねはいつ来なんすの里なれたりなきをするけさの別路酒床根 古さとの花はんにいそく心ならつほみてかへれ小田のかりかね のはしく馬首は磁石の剣に似て北をさしゆく春の雁かね 信濃路をさるか番場の火打坂こえてほくちへかへる丁かね 重ゐをはいそくはかりに御所の名の桜もみす手かへる雁かね此 ちる花子かしらのしろきむからす見つゝ古郷へかへる雁かねに筆緑樹園 出茶屋にはかまと半さやて花の頃揉ひきにひく一つねの陣おなしく 三越路はまたあり香のつもるころみるまに消てかへるなか 山田には種にや皮ころみからにはもみにもみてそうへる一かねおなしく 不老因友春 遠近のむこ山桜ひてころかへるをはいめあまつかりかね不老同友春 秋はまたれますと残る菜畑へはなをのこしてかへる丁かね和多守 わかれてはゆけと秋来見おき手紙追て帰雁を了得候 一とせの功なり名とけ三日月の舟にさをさしかへる雁かね 学へるや霞の網はみもせつて釣竿になりかへる雁かね平右蝶 苗代 苗代苗代の水にかゝしの弓流し作大将やとりかへ注らん せんたんの田にわけんとはかねてより二葉にしるゝ苗代の稲 せきいれくあやこす水は出来秋の稲のほなみもしのふ苗代本蔭 エトサキ 緑樹因 たんとくに狩活をきるす苗代の色紙をよこす城らか哥に 尾州 吉雄 針ほとに延たる小内にあをやきの糸もいたしゝ前代の水 一在月亭歌綱 天の川苗代水は能因の一哥をぬつみてひくもめてたし 緑庵 針ほとの苗代をあらそへとまた子子もわかぬみそ川 貢する米の俵もひきいるゝ水も車くはこふ篇しろ 一同 あつさ弓はるからたえぬいたつきは秋を的なる賎か百代 千種菴 しつのをか秋はなる子に春は又ひまなくひくやなはしろの水 五柳園 つゝれ来し砂のをうなも苗代とうらの袖田にもみをつけり 略ス 魚升 来る秋のみのかうらなに苗代に種もまくなる清明の頃 モリコカ 木昌亭実実栞 段々にしき馬棚田のにすみから種おろすのも賤かねかけん モノ今尾 菊泉 一とせのはかりことには水いねをきつて我内へいるゝなはしかつ 清水澄留 十万の菩薩をおろす苗代のなかにかゝしの大あみたる立 ホハニ 東国山人 山川に雪とつむ花せき入て豊年いの事しつか苗しろ 尾州 川音 つとにたる雁のを路へかへるころさをに成ぬる小内の藤代 サウヒ 板庭 唐人の池の水をもせき入て髭あるもみをおろす苗代 経をよむ鳥の出にし谷水を入てほさつの種を聞く小田年安 泰々台寓 すゝきふる蛙はよかに苗代のゆつらに水をかくるきさらき 河内 前鬼後鬼のやうにかしも苗代のほさつの脇に立て守れり井戸筆 手をおほくほしと云思ふ親世音ほさつといへる種をまたろ しのこと苗を門内にたそんかく作棟梁の水もうをしつ 安マツ 飯をたねをおろせる苗代におたま杓子の籾もみええけり □□□□□□□ あさりする鳥をいれと制札に縄をむすへる賎か苗代に 少々の水もかようて苗代に花のいろ半てうへる北町田 菊花 一大の川頭くちをあるこく給へやと小町田にそふ植る若雨 甲市川 八ツ橋の下ゆく水をせき分て焼手に縄をひける苗代 常道 沽券状質にとられし苗代田かへすまてなる浅か骨より 乗り 浅洲菴哥宿 かつまたの池水かけて柱よけるは髭の如生ふ小田の藤しろ はるたの糸をしつけに袖なりの小田にはりめのみゆる苗代 二 みのりなはにしの餅とやなしぬらんひなの棚田にすうる苗代 紙屋引水せきいれてしつのをかすきくした事なはしろの水 苗代にやとはぬくゆく賃銭は今日のたろきのみのしろにして なはしろに菩薩を植てしつのをか稲のみろくの出来杜を待 祖田へど有をひいてはしつの近か鼠米まてたねむろしせり しろの身は苗代時のせはしかにくはておこせし小田の弁当 京ほとな水せきいれて小山田にいのちをつなく種生雁けり廿 ナカト 苗代をうしにかゝせてゆく痘も一石六斗二升八合ナリ 琴彦 しろめこの田となりとたも賎のをり縄はりをする春の百代折黄い 九十九髪ならて八十八夜ごろよなくかよふ小小田の水口河間河曽備 ヌマタ いく反も水ひきけるこし苗代はこやさほ姫のおきみやけかも 三枝半時住 雨を乞ふ林かうたふ声よりも一はいにはる苗代のうの方楽既 髪からぬ何かつまにめをめるは水口ひけとみゆる苗代芳舟盛 水の手に工夫をつけし藤代も佐大将か下知の縄はり一笑 これもまた名は子路なればいさきよくこのれる秋に米や敷まく 七きいれし水はにこれと城守り声すめる也なはしろのうち 子日野の小松川よりしつのめも苗代に白子水やひくらん古歌雄 鼠米正年やしゆらん棚田へも段々にひくなはしろの水若樹 彼岸ころ蛙も水にそここゝとめをいたしぬる小田の間代浦長雄 みしめなは琴の諸めきてあら小田に水もにかつる春の間代田 苗代の小鳥のよんが縄網をりてるかみからひく水もあり少 我そんと太郎次郎も藤代にあらそひてひくほり川の水 泥川にこれもしまてやわぬらんはすにしきりを入し苗代 せきいるゝ水にも花のふきちりて小半楼もひたすなはしろ 藤代にまきしたねこそ遠物小田の栗山子はかくれ蓑笠 神半つる五十串をたてし両代の種をほさつとなとていふらんと みのれよとねるにをかけていな妻の鏡の手にひく苗代のしめ十二ハ ほにいつるまてのしるしとしつのをかつけ木の札を立し苗代平川 かゝいろの雨のめくみにしづけはや子のやしなひの種の友しろ 算盤をしらぬ賎さへ小山のにかけひきのあるなはしろの水京 万栄亭亀丸 おなしく しつのをも南風にやのほせけんもみおろすなり小田の苗代 あつさ弓はるのたね田の神おろしみな口よやにかゝる苗代 深谷 おそろしきかつはのすみし川下に水をひつこむ小田の苗しろ 出来秋 君か代はめてたき千代田宝田とたから田へひく苗代の水 八ツ橋のなかれの水や苗代のひたも蜘手に預る寺妙のを 八ツ橋のなかれの水や荷代のひたも蜘手にひける賎のを麟馬 年貢手もさくる将としつの懸り水ひきかくる苗代の小田 和多法師 たかへし給ふみこむあしのくたひれをもみあろしたる春の苗代 夫婦してほさつのたねを蒔とゐる田面もやかて二せみせね わせおくてかなへをわけつ藤代に作大将か水のかけひき しつのめかをたまきかける苗代に水もひいたりみわの山もと 品川やのりの外にも春の日は何枚もすく苗代の小田甲 タカキ はしこ田にあかりたる代の文字のしかゝらに縄をむすふ苗代 衣ほす門田の水を苗代にいさたちならん袖田おくみ内 心して堪に哥をよまにとき苗代にひくほり川の水 ヱツル 干芋 緑樹園 やふれたる衣をきつゝ捨かし立てはちぬもやはり名は子路に 苗代にこねまはし馬科斗の文字壁の如何る畔にうこめく しつのををせはしきまゝにかみさへもまきつておく小田の百代 呼子鳥つく鐘も七つ六田の夜くり申か酉かとなくよふ子鳥 仙久イ たつきたにしらぬ山路は方角もさるかとりかときくよふ子鳥 たろきたにしらぬ山路は方角もこるかこりかときくよふ子鳥カ多イ千柳亭 筆の音の呼子鳥こそしら浪の哥ぬす人もしらすありけれ きゝもせすみてもいふまいよふ子鳥さるかたよりの御伝授にして三部 本寄には三筋もたらぬたはれ上のよむもおほつるなく呼子鳥 よふ子鳥なく谷道のにくらきにさるり酉かと時もわからす 呼子鳥おほつかなしと問われはさまる人かとみゆる山すみア 山ふかたろねいれともなりさるは声なくて人をよふこ鳥かも こふかたろねいれともなりさるは左郎なくて人をよふこなかも 竹おほき山中になく呼子鳥見子のなれる猿のたくひか 腹をころ塩魚も二ぬ山中に猿ともいへる呼子鳥なく 道をとふ人を山路によふこ鳥たるぬるさとへ三丁の伝 よふこ鳥なく奥山はみやこをも何万里ほとさるかとそおもふ裡行 山中にすむといへとよふふと鳥声も形もみさるきかさ事夕川友 夢にたり壱高きかさることらさるみやまの奥の人よりてヤと方 古今集の伝授ときける囃子鳥三丁はかりあなたにそ鳴山積園 枝道をつとふ此身は猿ならく鳴子鳥きく春の山ふみ袋辛千條 鷲鷹のすむ山中の木かくれにおほつかなくもよふこ鳥なく よふこ鳥たりぬる山をうろぬれは松かさしつもさるとりの方 かつらきの山ひこかそもよふこと声声はすれともかたちみよくし双紙亭 よふ子鳥伝授ときけはなく声も三丁はかりあなたなる山 よみそめし人にとはまし呼子鳥影もかたちもなく声そすも 小鼓のかはにもするゝ山さるをよふこるとも打はやすらん子 鳴子鳥伝へのうけすよみ赤をひろく人も猿の人まね一二山人 薫 しはといふ草にまゝりて内の手のつふうにわれし壺すみの咲 しろかねのかさしの花子かへられく菫もにと夜妹と寝にけりイツ山積同 どほくみし霞のいろをそのまゝにすみれにつみてける春荻野雅楽雄 すみれ橘今夕胡の春野き碑のひつしさかりもしらて柱すつ捨魚 一さきそろふあわは二百のなり世帯介さ楽師如来の壺すみの草。お山泥田坊 八 けしつほの重すみれ草さく野へにてこの火さへやはりさやしつ千葉清女 すみれ橋少女子は石につまついくころけしけりのあとも紫 くれぬともよしやいくよも野へにねて日をも茎につみてかくらん 朱のいろうはゝれづらんすみれ野に寝て酔さめの青くなる顔 紫のいろなつかしみ一夜寝てふたよとおもふつほすみれ哉サヤ はき出すかすみに似たるいろあれは仙丹やねる壺すみれ草屋が みゆき時のそこともなくて二千里もさく石ふみのつほ菫くさ曲づ なつかしとはに存る人にしかれくは菫もひとよ横に成けりさせ 野に酔てをろらの如くもこよひぬくやするのをの酒毒みれアス六々同 此うへもなき関取のふんこしのいろなる花よす半ひ草とて。又一林亭五百丈 石ふみにならねとつほのすみれ草よみ尽されぬ花の数々同其実 すこれさく浅草野へにひと夜ねて今も枕を露にうられぬ福延屋 五石卅四 衣紋坂めたりとつみし薫草花のゆかりの君にやうなん 一円意 なつかしと思はぬ子らにふまれ間すみれも一夜ねてやくらんなん タチサキ あかつきの重よとはかりぬかへりもなさて一夜をめかす菫御王が 久キリ 廣主 手まくらの小なわのすみれをなつしみ胡蝶も一夜寝ると社みれの 名にしおふ紫御わへにおひ立てすみれの花もさとりひらはぬ イセツ 稲の屋穂浪 はるの明わにかゝる霞の幕のうちとりわけ色のよきすますす草 野にひと夜あかせる下にしかれては家より先にぬ寺重草 よ 紫のすみれさく野のひとつ家にゆかりの人のとはぬ日もなし。 いろもよく似しおはくろの壺すみれもゆるわらにのから人にある 草 一九二一 はる霞薄紫の消てのちいろを茎につますいわれ 蓬莱山人 ナカト 道の記に心つくしの筆これはそこに矢立の意董さく此 喜代志 眠けさす春の有候日手枕の野へに菫をねなからそ摘 八本の手を出すやうに関出つ鉢さへ蛸の意茎草 つれくに茶をたく宿の春雨に庭の菫も昼をするつき すみのこにとほく出ては物かりある野高か宿もいさ尋はや 紫のいろこき事りの露そふはこやおにくろの気すみれ草十 うつむきてうのたきさまは昭君かこちにすみれのためなりも。 うつむきとうれらきさまは昭君かこちにすみれの女卿も よはにさへのふるこゝちよ仙丹の壺すみれとく聖人の日長さ すみれさく野島へ尤茶やのあま酒も一夜ねかしてひさくをしさ 西来居 昔みし妹かよはには老ぬれとすみれは花のいろさかり也 すみれ花壺もひらきてせんし茶のきせんと下のいりまし事野へ すみれ花壺もひかきてせんし茶のきせんと下のいりまも有へ梅樹たる坂 目葉となかむる明王へに風はりけて黒やきにせし毒無素子サウ空寐 向しますみれ橋子とこし我そ野をなつかしも一夜寝にける川舟 子力共 茂学 野に出てすみれつまんとあすの日をたのしみにして一夜ねにけり 蛸をとる妾すみれ草磯をき時わへにたはこもすひ付て橋永雄 神古きにそふる矢立の垂すみれ行脚も筆をはこふ春の生花 松代 蘭薫亭 エトキ 春の時わの地をも借つて貴長屋かゝ世堂さく内庭の景干葉緑樹園 いわあるひの大縄のすみの灰さして子く生の茎いろそことなる柳原女 これも又すりて家路のつとにせん石ふみの名の三卅一すみれ草裡行 小松ひきし御わへに又来てねてつまんこれもゆかりの色の菫をヤウ春慶塗安 杜若 石かきつはた花さく池はあし鴨の沓にところをかへし冠なに捨魚 兵庫 少女子は歌とはなしに杜若をりてかしらにみす事かんとし おはくろのいろなる池の杜呑うつふし際にさくや花首緑庵 業平の橋をわたりて亀井戸の在郷にめたつかきつはた哉 そのぬしにこはても手をれ杜呑花はゆ事のいろをみすれは 目に立し岩のひたひのはは元陣をかゝみか池にみるかほよ花五柳園 わさをきの柱とたのめ万歳にもあらて太夫の名ある杜君を こゝも三河花のかたちも風来寺薬師のいろにさく杜若 杜若みんと三河て八ツ橋をとへはひとむらさきとをしへつ 業まの歌のさまかや西まりゆる心てふ字にさく杜若十六鶴巣巻 助六のはちまきとみん寿かりて衆のかしらにとくかきつはた 一村笠の桜もやつなきつはた清きなかれにかけをひたして商人 むつましきいろにはさたと用と水の中をへたそのかきへた 杜若ぬつめる人は紫のいろにこゝろをうはゝれにけり 玉琴の名の八つ橋にさてはにや葉先に爪のある杜落 琴の名の八橋にさく杜若これもゆるしのいろとこそみれ 剣羽をもつをし鳥のすむ池に太刀素を出して杜落さく㐧ト左馬武 つま声のゆるしのいろのみゆる也その藝に似たるこのかはあ 鍵もてきる人ありと沢かにの横にもならぬかきつはた守 これもまたにこそにしまぬ杜若御仏のせし雲の有なす かきつはたよみてならふる哥人の短冊もまた八ツ橋のなり ほめてみることえもたらし業平の心の文字にさく杜君 杜若羽袖にすりてしら鷺も五位の上こすむらさきの色 うなほれの鏡が池に影みせて春の姿のよいかほよ花 八ツ橋とならへる子らか文机の水入にさく花かきつはた みなのこひちに咲る杜若にほふ少女か袖の色とて 手をらんと思へは池の杜若いやとかふり紫風にふりけり 池塘庵是従 藤 山鳥のをろの鏡の池水に葉はしたり尾とみるかきつはた 万歳のかへる頃とも八ツ橋の柱かそへてみるかきつはた 鬼松も十八石とひとさかりふり袖さたる藤の花ふさ まくみてよき藤槌よ天井のさしつかへなくさわく生酔塵外楼 御田植はまたき子岸の姫松もたすきをかく子住の江の藤但来千柳亭 神明の市をもまたもちき箱のふく花の松にさく藤の花西木居 八 さく花にひときはめたつ二年ま草おのみきまてよきなめ哉 しら波と名にはたてとも藤の花ぬすますことをいとふ庭亭 しなへよく女めかしてさく藤は抱しめにけり松の木男 千華 広前の亀の外にもたなの上につる迄はゝす亀井戸の藤子 清女 釣舟にいけて聞しきにみる人も雲くつかへる風の藤浪 むしの織めるしの残に藤の花緑過馬迄手をたれとこふ 藤棚は妻のたなめ下なから藤人わたりてうへなしの過本寺 もろこりに一味の雨やけりけん松は緑林藤はしら浪五柳肉 しら浪の橋こきゆく月の舟は事のとまりや藤のふさ国驚丸 これも又花の藤間か松風の琴にあはやこくをとも長房 金しらすみやまさすめる蔬林の仲かる入なる藤の無浪 今瓦 爰よともちりし桜のその跡につらくとさる事はら花の花 五ツ 遷香亭 はし鷹のあし革めきて御狩場の松の梢にさかる藤ふさ されとこそ春も孝こはかはるらめ藤の臣こす末の松山おなしく 筏にもなるへき松よくみ付てはるは流さぬ池の藤様 右の書やう〳〵きえてしら藤のつらくのさりる松の所庵出丸 をりと鳥をみかめられへはうく藤と世に地にはなつく事院言 カ 春日弐わつゝ霞の兵庫をしほり高めけまきとみん藤の花房 住吉の松の木の間に路馬の如高くとまりししら藤の花 むらさきの藤もなひきぬ春山の霞をとこのちのゆかりにア 山鳥の尾よりも長く花咲てかきのもと申てたるゝ白藤 藤の花さかりみに来る客た迄地にはな付て媚事落守 なかき春と思ひしにはや日宿さきものこらぬ花の藤浪 師匠めく人もみえぬに藤棚の七尺はかりさかる花房 よくいひし藤とほむれははなり先にふらつかせたるぬしの短冊 春夏のふゝ季草とて椿ら板にかりてさく藤の花 日の長門遠然なれや山のこしにふらりと下る藤の花房 十八の公の一討は紫のたればゝからぬふしのはなふさり 河原牛蒡子 さほ姫の霞を染し紫はこの滝壺かうつる藤治士 一升米住 藤棚へゆかりもいろにつなかれゝ春より夏へこしを掛茶や 藤棚へゆかりもいろにつなかれた春より夏へこゝを掛茶や棟充 やしなひの酒やとけん泉水をのそみてさける藤の花房本 家から用心垣をまたきつみなたへこゆる藤のしら浪 はるの日の外にも長くなる物は酒とむうへの藤の花房川口時道 死力 羽織をは肩にかきつゝふら〳〵とひもさかるまて高藤の花 松かえにたらしゝ藤の花房を露の裡に横なてやする ひたすらに書ゆく春よさまれ木々にすかりていふ花の花 大津絵の始に似しとみねの松藤の花ふさかつくすかたは □□□□□□□□□□□□□ 所辺にひとろうそしも影さしく臣になみうつ軒の藤棚に おそろしやしの頭久しを乗こえて花を持出す藤の白浪 一木から木をつたりてこれもさきにけり名も信橋の藤の花房水戸詠兼 蛸のあしのやうにさかりし藤の花いさ二三ふくすひ付てみん 太夫とて琴をしらふる松かえもゆ事の色をうけし藤臣 住安寺松のいたゝく冠かも藤の花ふさ紐もたらしつ さほ姫の御所とみや早のこしもとに裾もひくてふ藤の下髪 灸すゑてみる山の脊にさゝ藤は一日〳〵に下りこそすれ 琴をひく松に調子やくらへけん三下りなる藤の花方 さく藤は春より夏へかけ香やふらりとさかるむらさきの紐 上田 たはことは違うて藤の花房はさかりてしたへさはりてもよし 花房は妹か前垂ほとたれてつるをたすきにかくる藤かな 太夫職うけたる松にからまりし藤はゑほしの頃もなかに咲 かつらをは天津小屋根の片かきにひくや薬図の藤の花房 砧 多鉄炮 音成 川の瀬もしら藤様の花筏春より夏へくみて渡事か 山鳥の尾上に長くしたれてはこれも地をまる者の花房[ク] 山門に捨正しき禅寺も藤には酒をはれてのませつ 先陣を梅にゆつりて藤の花春の後陣にさかりてそ咲 十字衛 みとくは花房のみのみかものあしのさか事迄みん松の藤浪十字街 隣よりしいひかへしをあこえてはふ藤もまたしら浪の花蓬莱山人 三百二十七 かたわさの綱ほとのひて池水にさかさにのほね藤の海道の 内二十文 松かえにひきし霞の跡に又ゆかりありけないろにさく藤 耳損 一行はるを藤もをしむかくなひきし霞の袖にすかる花房子 あけはかりかはさく藤の紫はみに来し人の気をも奪つ 網枝 さく花もちりて雪かとおもふころ氷持のやうにうる白藤保 花をみて出来心なる皆一人におくれきわく藤の白浪 さく藤の長い物にはまれより松とへいろをかへし紫おなしく 藤の臣に駒近つなけは紫の紐いとなかき老の厚房 珍繁 藤の花風にゆらはみ高妹かへり舟髷にかゝる白浪 ホギミ 参 早速 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 〽アイアにまれて 森本本本 兵亭葦 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 浅草弐丁まで □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 未来十一日 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ 未来丑癸丑 福延屋 十三ヽ 池水に影はふ花の 内成 生いしろさにくれ六つかくす 発天園 十三 山ふきの 催馬 亀井戸の藤 フクシマ こかねちりこむ 六梅園伽羅丸 まゝ売かは いて水かはん ゐてのさと人 花のはるけふかきりなる 一入あひも今ひとつきは のはしたきもの 手をりつたけしさ草はたて後の松にも花をさかす殿かえおなして むらき手関たる藤の替んをとらやさらにゆるすゆろ 鷹狩のありし侍とく花房の松にかうし藤のむらさき助人 トナキ 聖人になる子もめてん春夏のたなかへなし手さける藤浪 縁あらふ冠の頃もかむらさきの房の影く巌の藤浪裏丸 カ十川 時鳥またなかぬ半にさく藤はちをはくはかりさる花房 根にかへる桜にわかれ吉んとやちにつくほと下子藤なみ真芳 春風にこきつかはれて松がえにたすきかけな子藤の花房 いそかしき正茶やの軒の松がえ手たすきをけし花の藪の塵外楼 笠とりてしはしご茶やになかむればさらしの紐のさかる白藤庄屋楼長門 小便の男子のうらわの女松半たよりたるゝ花の藤なみ川舟 春はやゝ尽る時しもさかりにてなかめそたれる藤の花房 董つむ聖くせやつきて紫の藤さく下に一夜拝にけり 西におひの松子からみてさく藤の花にも女男の後はみえ飛 夕方サキ 茂宗 イカホ 鷹それとたりし松に此しの紐とみるらし藤の花ふさ ぬす人のたつたの川にうつる也おなしかみにたろ藤のしら浪 初雷の音もとゝろく亀井戸に松の俣さく藤の花ふさ かきからのひとしもめたつあまる家の門に臣うつ藤の花房 仲貫 ミノ中三マ 香とみる花のさくころ山住の肝につらゝのさかる白藤 春雄 山川に猿猴ならて藤の花月にもなをやさし延すらんポ 十一日照湯高春春春 アツ 大津嶋の娘に名なる藤の花寿と夏との追分に咲 桜からみれは位もさかり藤されとも花のいろはうへなし竹房 半分は夏一わつるとみえにけり持ひきしほる松の藤浪エテ鶴人 天人の羽衣かけし松えに麦とみほの藤の花ふさゝり鶴衣 紫の上なきいろにさき出てたることをしる藤の花房ギプ紫 花もちり春もいぬきか北山に若むらさきの花の花の口ゆる道縄 頬冬 一弁当も樽もこのなき印にやかへさにつけし山ふはの花 角田川こゝもしゝ草の鐘が渕のはぬいろなる山ふきの花西来居 山ふきの下やく水にすむ亀はたれにか蓑をかさんとすらん本華 露に花に金銀ありて山吹のみをもたまのか玄川に疵五柳固 山ふきをめてつゝ道や半とふらん狐色なる花にうかれて 八 かはつさへはらふくらすは思ふこといはぬいろなる井出の山吹 青鷺のみの毛をふるふ給ふ身ふるひに花ちかやうな山吹の哥 サカキ 水道のみなるみといふ武川にさく山吹は黄つよかりけり 山吹のふくめる露はみこもらぬ朔日丸とみるへかりけり とうみても子梯なしとは思はれす水たくさんなゐての山僧へ とうみても子持なしとは思はれす水たくさん成ゐての山吹おなしく みや人のをりゝかさせは山ふきの花にもかゝる袖の露ひも 泉 菱根長喜 ホラ 金箔とこれはうつりてひとの目の仏いろとる山ふきの花 東国山人 瓦洲 黄金なるいろを持てはおもつから花の重けにたりむ山吹 川音 一蓮 山吹に我は心の駒とめて矢立にのます玉川の水さ 頼房 我ものゝ雨は憎らし山ふきの黄金にはらん蛙らかつら 山ふきの花見に持しす江筒の酒にもやはりさかをさせつ 山ふきの花日の客のかへりたるあとにこのなき浜焼の鯛に 高師従人 御仏のはた人の過に咲なからいかてみのりをしらぬ山吹。 ママト今井 左一丸 志川の水にうつりて諺の天も口なしいろの玉ふきアハ六々 口のある土瓶茶に名は持なからなとものいはぬ花の山ふり春里 道惜とあちらこちらに山ふきの花ぬす人も其のかせといふ 黄金のいろにさる事もむへなれやあみたか池の孝の山吹 兼 禍の門としいへは玉ふきの口なしいろに花のさくかな 八重にとへさきにし川は九重のかものあたりにみゆる山吹 ちらんかと雨にかさをは覆へとも花にものなき庭の山吹 花さりとみのなきことをかころかやほろりと露をこほす山吹 山ふはの花を巻つゝみ物のみのなき哥もいつる玉川徳利 涅槃過たん生前にさそはとてさらにみのりをしらぬとと吹 ぬ法みゆく人の頭巾に花ちりて黄なる頭巾とみゆる山吹 恩毛金章吉 底面にさける室の山ふきはこかねの花にしろかねの前春重 宇治川の岸にさきてはお茶にこむ水も昼夜の火の過おなしく うつくしく花は玉子のきみに似て風にふはくちりし山ふき漢高 みのなしといふ山吹は其かはり黄金に富る花の守残奴真丸 イセツ いろふかみ露の玉子をおきそへてきみよくさそなゐての山吹 つまにせんとひとの供衆にもたすれはいとゝきかねの山ふきの花 物いはぬいろのかへしに道潅かくちをとちたも山ふひけ花 御仏をいひくさにして山吹のはなの箔をもけつる木鉄 春の宵の一刻便千金のいろをあらはす庭の山ふき 人 弁当はみにならすとも山ふきの花のほとりにいさひらかなん 仙唐石子光 張良か伝よむ庭にて非石も黄になるはかりさける山吹 山ふきの花のこかねのぬす人にねてゐるこふのかへをやふれり芳吉 乗康 黄金とこる山吹をぬすむ気のある白沼や宇治の川岸井又は 黄金とこる山吹をぬすむ気のあ事白沼や宇治の川岸多き木多百世 花に来てあそへる蝶は恋すれとみもちにならぬ垣の山吹 山ふきの法けにうつる花の色は水よりなれるこかね也けり 真さかりは黄金ののろを欺きてさける室の山ふきの花 山ふきの花いろ花おくみなし袖口なしやうち違へけん共不美人 不美人 御佛のいろなす花をうつさんと片肌ぬきて山ふきをほる十六北 山ふきの黄絹幼婦唐人の池とみつたす干かた手かたらく武雄 越中のふとしのいろの山ふきはきん志川をおしつゝむなり桂花 玉川の城もよむか山ふはのいろなる浪に水のうたかた一旦年男 夕力甘キ みのゝなきいひつけしたる山ふきになとてかつくる蜘のいの笠 たんさくをつけんことれはふりおちて并に三がそふ雨ての山味亀丸 とく花はしねのきみのいろなからおもしろみある露の山吹おなしく 花の雪ちりかゝる頃大空のきはみしいろの山吹そさく ものいはぬ花を一枝さをるとてものいひもするよその山吹 水にまてきのあり常り姫かも井筒をのそく山ふきの花谷恒 夕丑キ 一枝はおしをつよくも無心せんさく玉ふきはたく庵のいろ 簑こへば出してみするも春雨のこつふのいろの山ふはの花茂樹 虫の庭はくいろめくは豆草のみたにあらさる山ふきの花 としくにふえてつかはぬこかねとは有財かきねの山吹の花ツレ 壬生寺の春の念仏のかね聞てしゝ半を色に守る山吹 駒のみか蝶もとまりて山吹の花の露すふゐての玉川 ことありのことはもなくて山吹をぬすむもやはりみを持ぬ人 花のかけてくらす出茶やの心ては金のなる木の井出の山吹に 千金の黄金のいろの山吹は市には死なて活花となる 手をられく信濃道者子かはるとは閻浮檀わり山吹の花おなしく 花さき道潅山の土茶屋にて妹か出す茶の色も山吹 春殿にぬれて花もやちりなんみのほしさうにさける山吹和多守 一枝はいさぬすまゝし黄金のいろは思葉の外の山ふきぎ 鶴恒 初頼山ひとろの口の道ふるき無言の行者山ふきの花 簑龜明殿則 山ふきの花のこかねをいれんとや井土の蛙の巾着のなりギテ 菊酒周延命 みのなきといふ山ふきも名所のはなしのたねになる井山の里 こ月尽もろこしの花のよし候主人追かけん春のひまゆく駒に鞍ほける 灸すゑしきさらきころそなかしきひとりふたひの春の名妙 ゆく春のひまゆく駒も糸による物ならるなけけふの別路 一つかみつかみのこしてやりたしないく千金の春のわかれを 雁の棹いつしかつきて行春のみそかは月の出舟たになし 五柳園 おなしく 卯花の月夜もまたてけふ一日綾なき響をかへるさほ姫 けふの水とくれゆく春のわかれにや発心したる庭の桜坊 升の屋宗子類 花のころ持あるきたる日記にもけふゆく春をとめて置し □□□ 質ならて春の三月のかきり来て露の衣浴すさほ姫サ 質ならて春の三月のかきり来て霞の衣浴すさほ姫さに瓢軽躬 ゆく春のもし竹輿ならはとゝめてんみその▼音と直はきまるとも ゆく春のもし竹輿ならはとゝめてんみそのするこ直はさまるも公業 ゆく春をたれもをしみて留るやら露のすその引きれため 行春をとめんとすれとすかるへき今は霞の袖たにもなしア 東から候官の駒とて行春は箱根の関をあけすもあらなんヲ 東から候まの駒とて行春は箱根の関をあけすもあらなんヲ五蝶 をしめともいめる弥生のわかれるあとへ候きたき春九十日八千代 わかれ常のみか八十八夜にも若の書ふ事三月のすゑ名附下手成 春もにと日となにはあかつきにともしひの花ちるもをしまる 手をみるゝ花の枝よりをしめるはさしのみしかくくれて行春 みれてゆくあとなき花に一トふしのみしかき春は鳥てあつたり 花ちりてあとに青葉のめに露を涙ほともつ春のわかれ洛夕ヲ ナカト 出代は庇ともおもはぬゝ下女さへも名残おほきな三月の尻 〃丸 くれはゆく春を惜みてひかはやと思ふ霞の袖だにもなし 琴彦 ヌタ 猿楽もありつる呼くの木のもとに春のかたみは田東のくし 甘竹林 お川衣房 公事日を聞るりけらむる人もかなけふ思召やる春のつき嶋夕言千葉 色紙の城の哥のちからにもくれゆく春やとめねけん けふ迄も蕨の腕を打つめつなにをちからね春をとゝめん琴業 紫の霞の手綱引切てひまゆく駒は夏へ飛ふらん わかれちの霞の袖も引やれてとゝめかねたる春はいぬめり うつろふはかゝ花鳥のうへならて露も春もけふにくれ行猫馬 よとみなくくるゝ弥生の寒き上河此月はかり大にしてまし盛砂 鶯のあらはかれても跡追てけふゆく春をよひかへさな舞菅垣 さほひめは弥生の廿九あけりて中の町をもはるはけふきり六樹園 拾遺之部 霞 一荒姫の頬帽子はむら花の霞のかくす山のいたらき サラ 梅柳花とみとりをくらふ山中にたちたる春霞かな卅八橋亭三国 若菜やかくこすろの君筆橋たりとくちから先へたゝく賎の女柳桜高差成 梅雨月をあてぬゆゑかも筈をぬふ鳥の三元さ事はち植の梅の梅多 柳あけものゝ桜形の月ほちけりねみたれ髭とみゆる青柳方 シハサキ 春駒鹿通ふ道もうつかし春日野に星毛やみする雪の村消 春駒鹿道や道よもうつみし春日野に星毛やりする雪の村宿星常の屋楽住 帰職同行は何ほとなるか月のめす笠にしるしるしゝ雁かねの父子を 薫菜すみ慎れよひとにねん〳〵ともり二のせおうてもとる無当の雲 当坐新泉周判 山ふきのいろなす書の中空にみなくしとけり諏馬のひとむれ 唐姜をもかほす宿の池水は陸にさへ敵の魚やふむらし捨魚 いなれば勝士の袂にまかふらん五位のみにようろ鷺の羽袖のおなしく 京女いかにて高らんおも川の水にめられゆいろのしらさる西来居 青柳のみとりの六位したにして松の大夫にとまる抔伊路寺 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ いたつらに篭からむせは飼亭のみ心ゑになる煤とりの庭丸戸歌和尚 あるにうのふゐなから一片○白雪楼かからうたのさま路寺丸 当坐蓬莱山人判 箱 箱松ならくしるものみなきを。羊の野にある亀のよはひを 汀なる松の春大かとしろなかきよは紅をへたる亀の子雅楽雄 百世の鷹にはあたものとせてさしにもくらぬからぬはら銭亀 蓬莱の山をせおほしおることにうてゝこゝなき物の亀 浦しまとまはいはひそろからめなる亀もやろはりおなし腰この六樹同 のむことも度なしふしも混鳴たにいみじは袋や玉のさかつき春舎 池上に千枝万枝しけりあるかけにかけにそころ巨亀永年 終 堀川初度狂歌集巻一終 堀川初度狂歌集巻二 六樹園撰 ○夏之部 十 君かへていさきうゆかんやりつりにいたゝて鍋の黒かさねをも本蔭 八重唄の者の袂の香もすてらすとへとなりし友のくろもね 一春夏のみなりあはせにきるくては綿ほとにみる垣の卯花 をしたし花もをはりやけふいさ名古や絵なる捨きかへん井扇池亭澄 若かへたる木間のあせ三石にくり手をしてこそとけ町の倉枝成 はなたるゝ藤もみゆれは石かへ伊達の薄着に風やらん驚き 三束いにおろす詰かつをより青くそ来る伝のさんとめ催馬 羽しらみもせんたく時と天人の君がへしてみほのまつはら浅元熊井 表うらあけて涼しき夏の来てかふる衣も打ぬき小紋江 ありかたや友のうす者にかはり絵母の手袋の厚き恵みは なきかふる綾の小路も青葉して木とも六位の名有るけり鷲丸 花の書きのふにちりてけふよりはゆられ小便の袷きかへつ 花をりし小袖は質に預けそるて縄めもしらぬ袷さかへつき日々成 吉まて夏ときかへて身かるさにからのはるさへけふ忘れけり 脱かへてうすき著物の紋所かけをこのめるころとなりにき ときちけて蝉の小川にさうしてん鈴子かへしぬけからの衣アハ 土蔵からけふとり出て煮かへしはな草壁いろにそめし古石○井戸附雄 質屋から流れ出ぬまに着かへけりいまた水にも入らぬ綿ぬき けふははや夏の君の芝しま花もちりけのぬきりはつきり おなしく 両夫にはつかへぬ子家か花かへ袷の外のつまはかさねす 狐路ともみも花の香の石ぬきて子路糸かちの古袷きり 葛石若かべてはさそ思ひ出る風にうらみの名の香の袖[サ] 葛石着かへてけてみゝ思ひ出る風にうらみの名の音の袖 かつをより花のかたみと二階からおろしてけとはあはせきかふ事 染久つよこれ布子の綿ぬきてすくさま夏へとひはくさ研安 風の手を先とほさせてぬきかへん袂すとしき水いろのきぬ 著なれたるおのか布子は古手やへうつてかはりぬ春と夏とに 若なれ高物のか布子は古手やへうつてかはりぬ春と夏とに水下延樽 けふよりは風のみならすぬきかふ事あはせのすそのふきも少し ぬきかへて身もかるゐに藤君のうすに峠はすうかりけりどせし ぬきかへてけふよりきその床石まくり手にする夏は来にけり世フ ぬきかふる袷小袖は春夏のへたての垣とみんかうししま土 松の木のやうなからたへ藤色に染し袷をまとふ賤のを 初あはせ兼そめをいはふ盃も海をはぬきていたす箱入り庭照 ちり果し花のなこりの桜床にとへすゝしき夏の衣手 蝶となる毛虫はおろり蝉の羽に生をかへたるおかひこの袖ナキヤ春秋庵 十三、 歌月堂 笠成 潅仏のころ 着かふれは 脇後の ほころひ めたつ 去年の古衆 同 三寸亭 草巻 おき出て着かふる けさは今まての 一竪縞布子 ねかしものなり 岳亭隼 十三 春の屋 十三ヽ あを傘も不美人 同のさす かたへ かたふけつ 葵かさし 妹か各談 ころもかへ蛤町の商人もむきかみしほりのゆかた君ほし ころもかへ蛤町の商人もむきかみしほりのやかた黒母甘喜 けふいはふ卯花もちの杵音やうすゑになりし夏の石手久は クハナ 長守 山々も妻をぬけて我身さへかろくなるみの紋若かふる仏平 洗たくのあはせこしかくなりぬらし若かへゝ長き尾の日のめし 春のさけし花をぬきて美しくけふぬきかふ事うつせみの衣 ○花化烏には似ぬ卯花の雪にしも垣根の松菜三度たふれつ福廼屋 蝦蟇ならて三足ならふ桐下駄もみゆるほ木の月の中庭 不思議あるを路に庭の卯花は闇の夜の月夏の日の雪な それ鞠のそれとはしらす卯花の暮に丸をつるし足諸翠 卯花の浪うち際に蛸ならてゆひめのほをみつるませ垣清 不二かねの雪ときにし野花の垣の増のすそのに大のぬけ穴 雪とみる卯花咲ててはいかにふけをよむにはくらき窓先 月の夜は雪ともみえん卯花のさかりは枝もたわむほと也幸山路高記 卯花の雪にかくれはにき代ひの秋かんの御堂もひしたりけり 夜子せし人の庭にも真白に雪つむやうににて卯花の山山松小法師 睦仏もやらきにわるさする子よりさくや卯木の垣の横腹 卯岩の雪つもりぬ寺西道にまよはてかよふ庭の駒下駄福延屋 さきぬとはよいもしられぬ燈籠の笠の上白きあし花の雪梅世 くれなゐのつゝしをまなの庭火にて雷をか袂に似たる外花心なしく 卯花の箔の小袖のやれ垣をむすへる縄の帯はみくるし 花竹木釘にはいまた削らねとはこしかけたる門のしろ犬 卯花の月にをり〳〵邪魔なすはすをけに来る所にさりける 越前 これも又月の雪のと疑ひのかやの肝端にさきしうのはな 皆久 麦飯をこへとも残り庭先にしらけの米とみゆる卯花 モリナカ 雪とのみ咲ふたきては飼犬も穴にくるへる垣のうのはなモ 木口集亭かしつ ひいふうと丑から三ツの卯花を六ツの花とはみつるあかつき□ 子供らかはきあつめつゝ造れも仏にならぬうのはなの雪ほぐ 市丸 卯花の月の都のとのつくり是をかけたる垣のさゝかに十六 卯花の月には老とならぬ目の霞むとみしは枝のくものい 垣に干す子らか双紙の上書の月花雪と卯木さくなり あんとうをたつぬる半てもなかりけり雪と月とに庭の卯花 寛宕明右の曲にやならんゐしか花の日もの中なる蝶〻の舞ある ふみそよむありなるこふ卯花の書にはさまるあの妻戸 仏にもならさる雪の卯花ををかみたふしにもらふ一枝 つれ〳〵によるの垣ねの卯花は土篇といひし塩子やは組ぬ 卯花の番ふりつみて二道守る印のやうにたつるそん竹豆成 闇にさく卯花月夜あるゝるをねくらくもしら浪と呼鷹子 ぬすけんときわめし枝のうなつくは白浪ものよはの卯花木有時 ときならぬ卯木の雪のつむころも綿をかふりし雛かをかしき 君かへしぬるころにも二つも子綿を干かとみゆるうの花おなしく 十二支の寅には風に店は雲その中垣のなし花の雪 卯花の雪こつもれば哥よみか筆のときにとなくや短冊 綿とみる卯木の花にふん〳〵と京とるやうな蛇のなは斧程行 山さとは世のうき事もなかりけり晦日しらすの卯花月夜 雪の根はらめくことくひろこれは腹帯さする垣の卯花并 丹波 時ならすそのこる書とおとろけは風にことわるよはの外花ト 各西 ものゝにの鐘の名ある卯花は鉄炮垣をかまへてそさく おなしく すゝしけに風の手通に袖垣にはらふさまある外花の雪 あた さうちする時は熊手も中垣の穴へとは古事卯花の宿え 赤 卯花の雪にうつみし庭の匂ひと筋つけし熊蟻の道 クハナリ クハキリ 我庭のまかきのうらに浪立て貝にうねりをみする卯花 炎住 卯花の月待かねてことかにのくもをはらひてめつる少女子萩母子 ぬすみつゝ親子も仁つくれも罪は消さる卯花の書 廿四日 みや人の垣ほにさける卯名は仕丁の上着ほすかとそみる西東 西尾 青丹好彦 十日ト しほとみてめてなん木曽の山家にも浪とうつ木の石の白妙なり あるま シホツ 雪の色奪うて垣を乗こすを白浪かとそみたる卯花 金花庵通宝 碁の石の黒木の真もつゝたれ〳〵白うちになりさた事か花 備前 卯花のしか浪高く渕は瀬とかはるあすかの川岸に咲 卯花のしら浪高く剛は瀬とかは事あすかの川岸に咲少しやし樹因 蛤にならぬ先から卯花の浪にかくるゝ庭の子すゝめ万辛葉康 サカサキ 庭の坊くゝる拍子に卯花のあたら雪をはふるふ飼犬花守 サクシマ 時ならぬ雪と三輪の山もとに夏のしるしと申ける卯花井が春撫子庵 とひくに咲くゐのろの真昌とま紫坂山の谷のうの花梅花真夏咲 銭糸高後丸 一心立の雪にあらねはつみをよむ意を塞きに庭の御花 多 筏ほとくらしこ茶屋の竹まのこ様に沈むとみゆる町花 夢 卯花の雪のおもりにこれも又ほされてとくる垣のゆひ縄 仏にはつくられねとも輪後光の境巣みゆる卯花の雪 卯花の月をみるにもやはりそのさゝかにといふ横平かな戸 十二両のうちの名にさく紅花をなと時しかぬ雪とまかふ手にテ無用庵唯丸 香ならは仏となてん卯花子あみゝや赤くかきの蜘の巣片糸 みつわとむつの白髪とみゆる也桧垣のもとに聞く手咲外花 あしもとの雪かさゐの月影り仁も塩をさしく卯花田香泰 月夜よし夜よしと人に告やらんとてふに庭の卯花の友 これも又有るとなるや卯花の書にも麦の秋の豊年辛壬ト泰真ノ仲住 卯花を狐こゝろに艶にて月か雪と火ともしてみつけ 卯花を垣数の雪とみる人のやはりきゆると散を惜みつ さけは日ちれは春よと卯花の木に類のかゝる蜘の巣 風の手にみたる岸の卯花は水なき堀に浪所立けん うの花の香はさなくて空枝のたわむ程にそつそ短冊亭茂冬崎 駒留てみる道の女卯花の雪には払ふ神垣もなしおなしく 岩つゝしけゝりをたけはしまつ鳥卯木は水をくゝりこそ咲一曲来居 仏津くる証生会をも待得てや池田のあそか花卯木咲 つれくの人のなかめにしろう事りとけぬ物なるほほの雪 卯花の木にいてたりたんてはたり残しけん鳥の足珍 夏なから雪となかむ事ほまていまたにと家督五行衆空寝 雪といひ花とゆふへの河むかに水けろんと出来る卯花サ 吹すさふ風かちらして華めの浪をはしゆる庭の卯花長能志 一夕五十 からす羽の蝶のこつ四つみえた事はゝき曙の雪の卯花 ぬは玉の音色ころかすゝ目あかり露太人星とすかふ外衣甘花甘喜 集 猿より音なふことと申垣につもりて咲し卯花如来り 卯花の春の庭もせつくれるはぬかつたことのみえぬ植木や 卯花の月の色も山にかしはの網戸にかゝるとやみむ 何ひとつ作らすとても卯花の書は其侭めてたかりけり よもすから塩の卯木に焚あかす蛍の影や浪の漁火 ふらせてとねきておかみの神祭事卯来の花やいもの初書 笛 月覚内安 夜あけかと卯花垣の白きにはたまされあき傾城か窪 オン 雁羽の蝶もうかねく土にけん横にかたふく卯花の月 葵 モサキ 卯花の月の梢毛代とるはこれ亦手兵別かをのゝ山ひと平キ緑樹因 春の夜はしら浪にやとうたかへは棒しはりともなり細花サア空 これといふ梅と菊との中垣にはさまりて関雪の卯花 年丈 南 卯花の月に邪磨なす村雲は賤か洗たく暑物なりけり上 調風因琴吹 一庭前にさきし由をも玉章に召てほくれる契行書 十二十文の子に丑寅に卯花は四ツ目の堀の四つめにそ咲まフ一二む人 春過て夏へ残酒の浅か家に四けて埋むや卯花の音り 卯花の書に毛鳥の足跡をつけんと銘も細をひくらし 鶯は来ぬ事頃の加茂葉林をかくすてふ孟なさし津原村雲 日のさゝぬかたにもけふはめくりけり車の小庵にかける茶葉 矢の根なす葵に猶そおもに本事そのかみ山の神のふること本共 たゝかはぬ太宮人は腰に暮し太刀のもろはの葵かさし津安藤彦 いかるちの神生に加茂へずゐ事にも耳にふた葉の葉の声かけう世同丸 水鳥の色のあるかもの藤草しつほく帽のふたはなるらし近道 くらへ馬はかりか賀さの御乗の葵もかけ物にかは空間 あふひ草かけふ広にのそきしも二つはのある境めんとしまた をしねのすみにし池の葵草につるひはなれは二つふつゝむ事は孝呑よし香 一葵草眉にまてもすきこむを鴨の羽風とおもふすとさ 上下と神もまつれは草迄もふたつにわかるかもの葵花笠 手をうちゝばし事けいはのけん酒よりめんと二葉に出す。葵草花貞 水鳥の加茂の葵はさく花のさかりも睡のみしるよのころ 青木葉繁 水鳥のかものみあれにひきむまふ葵の二葉これも青昔は へかせの青錆いろにみえぬ事はめをむしたる銭葵草 水鳥のかもの社におひ出てあしのみしかき二笠原草弐[サ]山積同 一加茂たつり二葉の葵かさす日は枝のしけれる参詣のみち出て 奥庭のあふきのうへにおく露はしうなき人のたまかゝみな あたりしきもろはのあふひ青簾かりていみしき加茂の御祭 御まつりの葵かつらは競馬より先へかけろとなける苗の日鶴恒 神山のあふにのつるもはをのしてけふは雲ゐにのほるめてたち 時鳥 鳥の名の沓の音たかく聞えけり月宮殿へ参内のとき 山ふきのちりたるあとに鳴いつる初ほとゝきすあはれみなし子 登呂則 ふかくさの少々なけよほとゝき供養たちてより九十九夜ころ 歯のぬけたゆうに笠木の木の間より冬のもれくる山時鳥年丈 時鳥きかねはすまのうらさひしまつよさかしの舟とまもて早左 ほとゝきすなれか重みゐのひと声をりり耳かせて我はきりまし催馬 時鳥一声おみすあとこれはたゝ卯花の月そのこれる驚丸 廿八初度 こかれにし去年のなしみの沓手鳥つに初音をかさねてそ鳴 さる親の氷をくたくさい似してや片われ月になくほとき法本堂 ほとゝきす雲の浪路のあなたにてまた出ぬ月の舟よはひせり うくひにの谷のふる巣の親しらす子しらすや木曽の山時鳥 いやたかくなかれる月の下ゆくはたまりを蹴や馬沓手鳥哉 カリヤ かつらきの山ほとゝき泣橋ならてかんとことなけよ一声にても ヌマタ ほとゝきすみたけの宿のかり枕夢のうき橋かけたかとなく エトサキ 時鳥なきつるかたをなかめんとついけつまつくあり明行燈干 ホハ 聞てよりゆう一声にあけるたの鐘も筑波の山ほとゝき法非ラ八相 うくひつの盲あくれはほとかきす山心ところにあまる一声おなしく かつらきの山ほこゝきすあうはかりかたちはよほとみにくかりけり 空を飛ふ身てありなからいかなれはちをはくといふ此辺のも守 一両かはやくすへりて垣こしにきく升花の干なくつてとり なか父の老なくさめにほとゝきす今一声ををとりてもなけ汝又 万山 なく音血を白楽天そ忍はるゝなはれ住住宅湖に木の時鳥 母親にわる事ときやのみためしちをはきてなく山ほと書に ほとゝきつきく一声を聾にもかたるはおよそ八千八百文 フクシマ 鶯の子にはちかにもなかりけり月の輪笠をぬふほとさす 三日月のそりにのりつゝ卯花の雪路をはし事山ほと弘法 三子春 親とよふうくすすも又いますれはおとくあるゝはすなけほときす 尾州北方 川音 三ノ 宿りともなる橘のすそもやう身にひきかるこてまつほとゝきに 宿りともなる橋のすそもやう身にひきかるてまつほときつ 同スノマタ むとまに雲のふるまひしるけれと来るよきおそん時鳥 豆府肉をは葉や提ゆく山里はほうきすこそかたくきくなれ圧外猿 土を丹中守 かつをとははらからなるか時鳥初音は高きかま人君のやま 泉里成 十七月廿一日 引馬の初沓代鳥ひとこゑをきく仕合もひろひ物なり扨盛 卯花の目には影のみへねともころ心のさえたる初ほとゝきす 初かつをいつるころとくねも高くかきけられぬほとはつ代 蜀王のなき魂きますゆふへにも迎火めきてたくかやか哉 一こるはよふかきよとのひき舟に綱手のゆるむ初ほとゝきず よをかさね侍あかしても時鳥なかぬというてなく合あり京枇杷 松茸そうらやまれぬ寺ほうゝきつはつ音まつよはいたにねらはねとおなしく ほしみなく鳥の巣を出て梅の木にこのいる声や初ほときは うくひすのみはらわけねと其恩は山より高くなくなくほとゝきは 三 経よめるさり父よりも尊きは今出山のはつほとゝきに不美人 山ふきの花ちるころの時鳥みになるほとはきかれさりけり 八千にあまれる声やほときす矢数の外にきかん耳塚 清水の舞台の上のほとゝきす聞はつさしとせしそあふなき 歯のぬけし老もそれとや夕月の空よりもらす初ほとは法 とし蔭か娘の琴の音をなくは朽木のうろを出しほときに 十九ト きく庭に今一声と歌の出て次第に交る夜のほみきすナ うくひすの巣にそたつてふ其恩の須弥より高くなけ時守 人も我もまためつらしき一口のなす野のはらになくほとさす世田 うくひにのすて子や虹のわたしたる橋のほとりもなくほときつ 群重の袖手つみてあまりけんたち花鳥の今の一こゑ あつさ弓いるさの山のほとゝきに初音は耳にたて事ひとあそ 善の戸に隔てきたはたてつけてなくや引手の山ほとは陰アナン成 朝倉や木の丸窓の月けをなのりてそゆく山ほとゝきす 弓車の月にもなけよほとゝき段聞はつさしとねらふ今宵は。米 一土川衣灰 しつる家にふけるさつきのあやめ草ねをそらましてなく時鳥仙つ ほとゝき徒千和か玉の一声めま夜の目をいたきてそなく仲中長丸 みしか夜に人の心をちりほともつもりてもなけやよほときす 文字にさへくるわのきみとかきはにやこれも空なきする郭公 山かつはゐろりのはたに謎の名の自由自在にきくほとゝきつき せきこみてあくるさわぎに時鳥きゝはつしけり宿のかけりね 釘となる卯木垣柱のほとゝきすきいてうれしきはつほとゝは信 毛虫をはくらふゆゑかやほとゝきす身の口もよくろ今の一声 かるたかとなくもおかしや時鳥きゝに北野の絵馬堂の軒 みあれ半法釈尊のみが横雲のさへてうふ声出す時鳥 御夢想の薬ほとにも一声をきかせよ熊野山ほみき法 やねのみかけるねの夢も破けり不破の関屋になく時高く方 石公がおとしゝ声は沓手鳥三度はかりはかへしてもなけ各 タカナキ 星雄 一声は石かとそ思ふほとゝきすもちとなけかし小夜の中山 一声は石かとそ思ふほとゝきつもちとなけかし小夜の中山直樹園すつ 汝か親の匂ひ鳥をやしたふらん橘の香になく時鳥十夫梅子 下女もみそする昔は郭ナと鶯を棚へあけてそ聞時事弥繁 かんさして耳ほりけれてほとゝきす松葉越なる声のめて花 声きげとすかたのみえぬほとゝきに日のかつらの木かくれやせし ほとゝき法音住なすの初ものや志馬青暮につゝむ一声 新麦の入としをはつつ月影にふり出てなけ山ほとゝきす 笠をぬふ親を持なら両方の耳にはつさすなけ郭公 うくひ風の巣にそたちたる時鳥には何星の下に生れき 待わひて枕にしたるきゝ稲のきかぬもらし初ほみきす 射損せし矢の如よこにほとゝきすそれいふ間もなか空には ほとゝきすすか事なりせは新茶時にけみてなりといさなかべし東夷病 山力夕 わたし場を我こえくれは夕月の舟よひかけてなくほとゝき法 うくひすの捨子ならなけ時高かな持ひはけ廻る夜ころに 一あうは耳にうか〳〵すへり道ふみとめてきけ初ほみ供春重 葉さくらに不用となりともせんをたゝみてかなくほときす 春秋と道ころ橋本尾花やの其なり町にきくかみきす呑枡 力あるものか初音にひち枕ひきたふしゆく小夜ほときす方 田をうゝるをとめになれくさなへかる今一声に跡しさりせよむ かつらきの山にそころかなき捨て重々の又御入せしほとは信 山さともすめは都や宿にいねて自由自在に聞時鳥安盛 十五一 ほとゝきすいまや〳〵とまつ夜半になき出したるをさな子の声を サクノシマ 月の笠はなく時鳥ぬひややせぬは草の巣にかたちなからも少 ほとゝきす野深川の朝かへり梅と尾花の仲町にきく 米相場市のみからの時鳥雲の袖よりもらすひと相う 待わひて眠りなからに時鳥きくうれしさは夢かとそ思ふ名なき ほとゝきになく音におとす棹さへも聞流しにはやさる以伐士ト 弓張の月をめあてにほとゝきす一声たにもひつはりて鳴 小便におきて思はす時鳥きゝしをたれに先はなしなん 聞て寝て夢にまた聞時鳥これや枕の山のやま彦 田倉科 山かへに宿をかりねのはこ枕みゝにいたくも聞ほとらきす ヤムニフ いく夜まつ我おもひねをしら雲のうはの空にて鳴射守せ 時鳥雲の頃半ゆく駒かるや並木あたりに声のすは町 タカサキ 夏木立くらまの山の時鳥いつも初音の僧正か天口に 松花堂 トチキ 卯花の香の山路の時鳥重にきてゆく今のひと声ト 高丸 トチキ 一声は重々の浪間の水のあわやうたかたきえてゆく時鳥 時鳥まつよのくその墨染もからすとなりてあくゆくゆくやき▼本色香取 早 しつかにも呉よむ友を一声に騒きたゝする初ほとらす 干芋 時鳥臣のわたりにまてと来ぬ夜はあくたいもつはねへら也。 おなしく なく声のゆゝしく高く聞ゆるはこれ定澄か沓手鳥もも 近江 世のうさをきかしといとふかく泉も時鳥には耳か入用雉子山本梶彦 大原めの通ふ山路の時辺あたまの上にしは〳〵となくおなしく 二里のみか哥によみてもたんさくのするゆにみゆる初時事 五月雨に羽袖ぬらして初暮をはしほりてもなく山時子壬キ和哥人 六十 なら人のしかと聞ぬる時鳥朝起をす事かにはありけり。 影雄 カトリ 経をよみし親を思はゝ念仏の百方遍もなけほとき法 菖蒲、あやめ草ふきし肝端におく露の薬を嘗る風鈴の舌 福延屋 湯にもいれ髪をもゆひつけふの為らず野のあやめつくり喜ん枝成 あやめ酒土楽ときそはのみこまぬ下戸さへ軒のつにふくめり カト あやめ草ふきたる茶屋か軒端にもやはりあかねの少垂もみ 島々翁 みゆ アリヤ あやめ酒のみ過しけんねなからに人にひかるゝ子のまらうとうと申 呑安 驚く なかき日に雨もつゝきて肝端にもねむると共にさすあやめ草 魚升 また酒手ひたさぬあやめひきてさへなし手は泥に成しをかしさ ヌマタ ゐもりすむ池のあやめをねなからにひけはほれたる跡の泥土 とみかはすまばかりなき苔の目もひたつあやめは只五五しやく也本華 菖蒲うちするいたつらの子等は又根のあるやうに赤く成らん あやめ草なにし汀の詞風にふかぬ肝端もかほるとまふね 軒端にもさにかこしにもさす子らかぬいてしやうふといひしけなけさ さみせんのさをなるいろのあやめなくにもねなからにいてたのしむ鳩住 すみしその水をつすれぬあやめ草村にさすのも川といふ文字年丈 あやめ草塩にひくころかその尾の山の滝なすさみたれのころ不参人 あやめ酒いはふはしめはいつの代と長き根問の酔もめてたし 梶原かはた頼政かその骨みぬ半のあやややめひはんそ煩ふ西来居 軒にふくあやめは太刀のことくにてばね百病の根をも切けり 鐘馗のほり立るすとて劔ほとのあやめもひける唐人の池知予 薬そと聞ても口に水る筆事池田の酒にあやめひたせは鄙雄 かつまくの池のあやめをひかんとく髭なる所おもはすも出す 干潟の志江子おふるねやめとやひきては又もさす肝のつま梅男 下戸の身もいはふ五日のあやめ酒うけ過してはひきそ煩ふ 縄すたれけし軒端もふきけへてけふはあやめのつゆの玉られ 水引にゆひてや人にかくらましなかはより根のあかきあやめは 薬てふ露をおきぬるはやめ太刀病の根をもきる物にこそ 猿沢の池よりかりとあやめ草手をのへてされ残か軒のはり友成 あやめ酒のみて酔たる客人も思はりねなからひかれみすれ年丈 □□ 枕にもけふのあやめをゆひそへて妹はちまきをねるしたくしつ 池水にうつりし月のかしらにも鉢巻さするあやめる哉 ギフ 家ことにけふのあやめの引札は功能ありし薬とそしる タカサキ 胡蝶綾成 かたなともすなる印かにはぬけ高あやめのはには水もたまらす 稲樹 濁江にあやめをきは尻なてらにつくりさせしかつはの腰さけ 官女にも名あるあやめはおのつから根にそ袴の色をみせける 太刀に名を給ふるあやめを子供らかひはぬける根のされぬ白雲 節句の日は礼義正しく丁定にあやめひくにも腰をうゝめつ文庫 薬そと残もたれにかきゝ腕のきかぬほと迄にくさやめ草呑榊 わらり人か節句のあそひの菖蒲打まとんはねからにく色はなしサクシヤ梅子 薬そと肝にあやめをさしてよりふる雨さへもやむ事そなき糸芳 ひく根さへ長き恋しか君か代の民もにみしたふくまやめくさ秋ノ酒 よろに武者鑓なきなたをかさりそたんこの肝に菖蒲みす也 ぬまにすむかるもせはしく手をらしてあやめを挿む五月まの肝 夕カサキ 茂葉 水鳥のむつみし池のはやめ草軒のにもきとはをそそならふる 入はやきよへの月にはひきかへて打端になかくさすあやめ草 さみせんの師匠か肝に三筋ふくあやめもやはり人のひく物 はやめやく御階のもとにみや人の長くすはぬ寺裾も匂へり十寸春秋庵 越前 雨はれて風にあやめの雲たれや家毎の汗に瀧をみす事は 早苗 苗子富となる真田毎の月なれや姥もまてすにかへる賎の男五柳因 田植にはうかれめならぬ早少女もつれにしむ住吉の岸本茂 袖田にも襷をかきてさをとめか先たもとよりうゝる玉苗 おのつからふしたつことやなかるらん畔をもゆつるみよの日の苗春永 五ツ 投おこす苗を落して泥水のはなにかゝりし姫か持参田母 有時 五日山 菩薩面うゝるはめもはたちつちあまり五ツはかりやならん府女 善薩前うゝ事あもはたちさまり五ツはかりやならぬ角戸女 サカヒ サン よしの川勝手なせきくうゝる田の時に子もりもみゆる草少女 頼房 時しらす孔雀の尾ほと志つのをも尻をあけてそうゝる玉藤 小山田の水かけ論はすみて後また丸の来る賤かうゑつけ 西来居 松丸 からくりの竹田をう鳥早苗取人形袖もぬらすさをみめ をさけ子に鳴子ひかせてさなへとも女もやはりふとりしゝな事 植馬田に影さす不二もひえの山はたちはかりにてゆる早少女アア 茶碗ふせたことく手立をみつるのは品玉葛をうゝる早少女 水かねのやうなる露の玉苗をうつしくうゝる賤かかゝみ田藤守 思ふよりはかの行たる若吉は盃の手伝ふゆゑにてなるらん一笑 仙台 苗とりの人には似すて美しき入日のあくもひたす小山田伝 玉苗をにきりてうゝるさをとめの手さる家にししけの荒に由筆 たはねたる筆苗とくのも親子つれふしそろへつゝ枯付やせん よをこめて山内の早苗いそくらんするやいとへ事かつらきのこと 行義よくさなへ極よとおいか子にさとにはゝ内の仕付時とて挑成 年もかくあとへもとりて去ぬ半にいそき〳〵と若苗やとる 髪の毛はとりみたしても玉苗の尻はそろへてうゝる早少女 金時の坂田のさなへおひ立のよきをねからととれる里人 三 豊凶をはかる亀よりさなへとも賎も脊中を日に焼てけり あせになく子をよそにしてす事に血をすはれなからも枯る若苗 城あとの笛に出てはさをとめも揉引にしてうゝる事苗おなしく あとしさりうゝる山田の猫にたに紙ふくろめく笠をかふりてス 植づけもけふを初瀬の花とよふよめの田うたの声も隠口 水鏡み事とはすれとこをとめの形にかまはすつくる化粧田春駒 さをとめか笠きてうゝ事小町田も殿にぬれてはなやむさまなる ねすみてふ心もあれはわや袋畠に梅春中なる早の女のなり さらしなの田毎のさなへ植る日は又捨られぬおはも頼まゝん 千町内のほとろのさなへ観音の数のかひなに植わたしけん しつけ時妙るはやきのいの尻おちつかす若苗をとる春重 やかて又ゆや餅子も成ならん右左りよりうゝるたま番花笠 捨られしおはもも伝ふさもなや田ことのさなへ枯づくるす さをとめは詞またきよりおこされへまたねのたらぬ苗も植う手に 前髪に葉よたほよと早少女のねをわけむすふ花粧田の苗の苗木枡芳 男子の浦さなへとる手に少女子か富士のひたにをよこすつれ 野守 稲荷ふ神の御田とて少女子か鍵の手なりにうしる玉苗 さなへとるをみなの唄もたん〳〵に高くゆる桐田はしこゆ 爺婆みか念仏まきれにたふくと水越す小内なとる不さつも あんころにならぬ先からつまふれ腰ものさすに枯馬餅苗木 あんころにならぬ先からつまふれ腰ものさすに枯る牌葛サ三樹因 鴨すみし深内にあしをふみいれく往もこしくみゆる早少女 再 なく子をは味におろしてさをとめか夕日かゝえてうゝ事若苗 工トサキ 筆とらぬ少女もけふは哥よみの小野の小町田うゝる若苗[ 和哥人 神の田をうゝる少女かになへやおそな人のことならふ菅石立に □□ 照射 照射鹿を着る罪のふかきを浮の世の閻魔に残もねらはれやせん 一日三日 伽羅丸 火縄をはけされて鹿はうたにして雨子うたにくかへるさつ男らへ なみてかく鹿の金のちゝむらん松の火串に竹のたいまつ鹿外猿 飯はとふさつをり妻のふとりしゝこれも火中をみつけてそよる 干芋 ならにしもなき業なれはともしじて朝寝のたねとなりしまつらを 緑樹園 筆となる鹿の命毛とらんとてさつをは心をかきある其由て少常成 苞 女とも化す孟春をひく松の火串は鹿のいのちとりなり廿 聴風狂 ともししてしほれる弓の満月にやかてきえ竹鹿の毛の星おなしく 半つらをか火串をみてはさをしかの横にきれゆく東雲の雲 とり得なは藤毛の筆にゆはんとてよくかける鹿ねらふかり人 三万キ せ大見きく尻からすくにともしして罪をくそともやさる由つらを 秋またきともしによれる棹鹿のなかぬはなくにまさるあはれさ あげかたのゝもしにおのかはすよりも命の消る鹿のあはれさ 満月のことくに弓をひく時や鹿の上毛のほしもきゆらんアハ六々 ともしかり我おともしと射てとらはおのかしとてねらふさつをら よもすからともしをすれは鹿のみか月の花も山にかくれつア もらするころをか妻は鹿に似て目もあはせず子よとら侍らん 鹿のよることはほとありしよりも先こみかへんたはこ一ふく 馬となりし時よりも猶藤山のともしを鹿のうしとおもはん 鹿を射す弓より先へおのか春にい生なす汗をしほる手拭庭の ともしして鹿を三そたふにころ松に烏のわたるみしか夜一物廼屋 ともしするさつをか妻はくつわやき物の火中もよことたろらん 大きなる鹿を火かきに馬とみておそれくかへ雨さつを馬鹿らし 星せ給ふ火串の松による鹿もあけかたちかく消過あはれさ フクミマ 奥山のともしにむかひなく鹿のこゑきく麦の秋そかなしきに 五十川 亀尾山人 夏引の糸のよる〳〵ともししてかへりはいつもあさにこそあれ。 □□□□□□□ 茂次に 火串さす句を紅葉とまよひぐる鹿は秋よりあはれなりけり エトサキ 北山にともす火串に鹿の春の窟い生もまたむかひてかくる千芥并緑樹園 ともしして幸まつぬにつをもしか圭めはまつらんかやうたきつゝ 雅楽雄 さえしかのなく音もあはれりつらをか袖子も露のたまる夜夜八千代 ともししてひとより先に射てみん二より三よりねらひかためて土せん蕗 五月雨 ありうけにたるひとり出つさみたれは二里迄にこす一貫の堀足 双六の壁は枕とふりかはり背戸にさゝ波うたすさみたれアハ右都〻 ふりつゝきくらし柱の根つきにも枕あてかふさみたれの宿真百乃末 この夜ころふりし立京のきゝめにや屋むくてもなきみるね石五柳園 手ならひの双張のやうにくもりつかきくらしふるさみたれの空 さろきま長く貯たかゝみ餅それさへかちのくもりみせけり小ノ帯成二 たふも又あすの日和をかけにして碁部うたんさみたれの宿 さみたれのあしにやすみはみえつしてくたひれもとる川留の客 十二日 大口 十五 十三 ふりつゝく五月の雨の よはならに腹を なし長に異国居やも へもして月よりも 手をはのはさす 手をはのはさすひつにかゝれる ひつにかゝれる 北頼 五柳園 さみたれの宿 十五 さみたれに曽我物語 よみさして詞かたきの ほしきつれ〳〵 蓬莱 山の人 十三 イヒ山 松 小法師 あくひさへ 出る 五日の 雨の日に 大口といふ 魚を もらにつ 十三 西来居 五月雨の ふるものとてや 賽とれは 挑うたんことも 思ふつれ〳〵 岳耳 放生会つとむる寺の木災迄うかむほとすすさみたれの水 寝てくらす宿の廻りは涙なしく枕蛸さへ出来るこみたれ 五月雨ふる壁まても口あきて人にあくにをうつつづれて 灸にする遠を肝にやくころはやむ事しらぬ。五月雨の空おなしく 横わたしする川舟は休半とく壁のあまみをみす事五月雨ゟ よとの岸あやめもわかぬ五月雨人もねなから船にはかれつ おそろしきみの毛も立て傘のろくろ首出る五月雨の宿 花七日その上をまく梅の雨ひと月あまりさかりにそふ事 五月雨に川のとまりて水よりも立のましてそみゆるはたこや 雨おほきさつきのころは月のみか我衣手もひつまかゝりぬ 五月雨もぬき休むるあひたには火鉢にむしる蒼朮の髭 つれ〳〵のさつきの雨の闇面工草のめはなもひとろにそみ事 庭の面はあさりの沼そ手ぬを花の花かつみさへしめる五月雨春永 やむといふあてのなけれはさみたれにありれとおもふ名業もなし さみたれにひはの海なる水もふ元底のぬけたるさみたれのそら書力を 船頭の多き和子らかたるにふね築山へのほるさみたれの庭盛が 雪とみし花の好子もみよしのゝ山やうつみし五月雨の雲かなり ワカ山 高鹿もしく降の五月雨に百の口六文余けとなる大井川 庭の面に水かさましておのか身を船なりにねる五月雨のす 箒をはたても金のあしみめてたゝぬ五月のあめの長客 かや売も旅につられてなか〳〵と月日もしらぬ五月雨の空 ふりいたす双六ならくふりつゝくあしよとまりのみえぬ五月雨見世民 五月雨に十一はむさしする子より居喰をうこつ川越の言 深草の桶や狐はさゝもなくて土器子毛のはえし五月雨おなしく 蒼朮は軒にけふりて看板の灸のほしもみえぬ五月雨雀月丸 水まして下女か仕事に井戸はたのぬひあけをする五月ます同腹 五月雨のふりつゝく日は茶の水の価はかりのあかるなにはつ 天井のあしろをもりてけふ幾日ひをたね三さる五月雨の宿不美人 クハナ ふりつゝく水かさに岸の船のみう旅人をさへつなく五月雨 トサキ みなならは墨子はなかん白かにも黒く染りし五月雨の暁 かひおきし金魚もうせて庭下駄の池のほとりを流と昔まおなしく をやみなく五月の雨のふる暦黒日の星のみえぬうちにて 鹿を追ふさつをを宿に休申せて星さへこせぬ五月なの空かト琴彦 青梅のいろつくをみて口にさへも水の湧出る五月雨の頃ある侍 かみなりをふせきて鳴し桑原もたちまちまち海となる五日雨文夜 手枕にしひれさつりてねてくらす柏の節句のころの長雨一万 舟人のしをたれ衣あらひてものりつけられぬ沖のさみたれ 久かたの天のはし立さみたれにくものきれともみえに成けり けふ幾日五月の雨に香久山は重の石を干間たになし ビセン 五月雨の長は甘粕ををた巻の探久しみる肝の糸水となし唐樹因 さそふ水敵にあふれて五月雨に浮草流草流す小勢の小町内おなしく 三カラキ 田の中へぬけて落てはかんさしのあしさへ泥によこす五日雨 枕蛸出来る迄にそ昼ねしぬ庭は海なす五月雨の宿おなしく 深草はうちは給はれす人形の手のみつくねてくらす五月ま あんとうの針あとにのみ量をみてふるは五月の雨の原水 かつまたの池は水まし蓮なしふる九月雨の髭あるかめ春里 雷のならてはやまし菅公のめて給ひたる梅のなさへおなし をとろひもきのふもけふも古神星わさへみえぬ五月雨の空 はふ幾日ふりにし旅の川留にかねのつゝみも崩す五月まアハ浮丸 五月雨のうみ忘れにも双六のきのふもふりぬけふも有りつゝ 笛ならてふきしあやめのあしたより日ここに雨の軒に下りは うはきなるはなしはつきて友とちもこしやう行出る五日のの 家根のみかわらへは腰にせくの日の客にもひとつさにはやめゆ カサマツ 軒につるはやめの呉のたんさくもたいなし事なる五月雨のころ 遷橋亭 加茂にえゆかぬまうのつれくに競馬香きく五月雨の小向 長明うかものかはらの五月雨にいつくへはこふてゝ虫の家 五月雨の水も海な後庭の由に百棟鋳や飛石の臼千餘 をもえす水かさまされは五月雨の糸にもつなく渡坊の舟舟守 けふいくか降つゝきしとなにはつの梅の雨にも指を折しけり 五月雨に家根はもりん寺文福の茶金の外に毛のはへし暁 さみたれの空の黒雲手習の双紙のことくかきくらしふる住遊 ふりそめて一日二日三日四日いつかはれなん五月雨の二々未少刻久敬 ふりつゝく庭も海なす五月雨に下野や金やう人の浪たろ千辛午年 川の字にふきしあやめの露おちて庭も御なす五月雨の頃おなしく みの紙の障子もやるゝ五月雨や近江君にねてはかたりつ星雄 なかめゐてよたれおとせは本の絵の川も水ます五月雨のせぬ” 庭修 二遍の西海となるとやたみたれに渦巻にそふ事ゝむしの家 干蕪 関羽ゑかく幟も宿にねかせはかきの髪さへ伏し五月 堤さへきれて蛇籠の泳くらし水の逆まく五月雨の川夕方河方 五月雨に世のあやめの水こえてひきそわつらふ妹が駒下駄中住 かつまたの池も水なす五月雨の庭にも龍の髭なきかめ東矢庵 申 旅人のあくひに口はあきなから川口あかぬ五月雨のころ 飛石の臼もかくれて庭の面の水もひかさる五月雨のころ 仁和寺の池の七六菰も五月雨の水をかふりてぬけぬ此ころ 築山を不二とみなして五月雨子ひと夜に出来し庭の水海 はるゝなう指もきらんとあらかはんなにはの里にふる桜のなアア〳〵清人 未練なるしんこの狐毛かはえて化そこねたる五目まの宿六種因 夕力ワキ 五月雨のつゝけは庭も水落や明日半かへはうき御堂かくて 長ふりにあきは来にけりまかるより月めつらしき廿一日五六の頃同 竹生しま弁方天も五月雨子ひかせてみたきひはのまし水清景 一金佛のあたまかひて毛のはゆるほとに五月の雨のもらん寺 こつゝみのしめるてうともさみたれにしらへもあはぬ肝のこ水 梅の雨つゝきてふれるさひしさね文このむきと我は成ぬる 薬ふ事ころよりきゝて其後もやむ事しらぬ五月雨の二々和多守 サクノシマ 道中の双六ならてふり出してとまりのつかぬさみたれのやとサ] 松風亭音好 行内 五月雨や水静はよそに水まして夕沼たゝく橋のうら板森内安 二はいろも鼠と化てふるゝやとしあらふ日そなき音雨の頃新酒 和田 五月雨にの中双六ふれは又此旅にさへおほきさみたれ しつか家も殿もり多くなら人おきてあかりはもなき五月の宿 サノ 川竹のなかれのさとも海なせはいかりをおろす五月雨の客 五月雨のふりつゝきては帆はしらと共にねてゐる沖の舟人 匂 日数ふる温気にあうて扇迄つけてひらかぬ五月雨の雲夜道道盛 川藍の飯の加減も水ましてかゆとやならん五月雨のころ深谷堂 エトキ 緑樹岡 五月雨に小川をわたる足ばかり長かれとのみいのるをかしさ 下一サ しつのめか機おりやめて田植頭にはけしてみぬ。五月雨の空 ヱイセン ●こゝすさへけふもきのふも道はたに長うなりたる桜雨のつれ〳〵 虚橘花がほるみはしのまへの梅はみせへうてんのいろにむまへり催高 桶は四姓にてよふ順のみかさくころも又藤のつきなりと手町成 うましものあへ橘の実は少し垂仁帝やめてたまひけん西寸居 とこ世より来し梅は唐つやあら海障子こえアかほれり 時鳥に宿をはかして橘のにほひは人の袖子とまれりアハ六々因 北向の地にはなうゑそかららちにみななら陀寺と聞る柄 松 情にせよとやこれも陸続か孝にむかしをしのふたち花。 件 橘はつはめとおなしとこよ物かよふかほりも軒端わすれす さみたれの降つゝけともふく風にかわきりけりな汗のたち花 夕カサキ 年雄 とこ世よりわたりて今も卯花の浪間をこえてかほるたち花の イヨ松山 綾拾 みえわかぬさつきの青の黒小袖紋はこゝにとにほふたち花の いにしへもゆかしなやめのたちまもりかされる宿に匂ふ橘 蛍 立のほる名橘の空たきは重の衣の袖にとむらん 梅さくら春の時めくさかりにはましらて夏へ軒のたち花 君子てふ風の術はも賢聖の障子のもとにかほる楊 懐にかくす橘また袖にかほる手妻も骨なりけり 工トナキ またみにはならぬ先から袖垣に匂ひこほなく庭の梅 十二 一色ひたりそのたはれ男をおそといひて夏虫の火をかりに行の辺 おこふればはつとにしたの露ちりてならぬほたるに袖ぬらしけり一笑 ほたるこそ尻のひたちの宮ならめ鞭もていく事蓬生に飛ふ うらからをまなひの窓に水入の亀の琴をやく及むしの影 うちにも名ある蛍はほくちともなる浦朽て岩角養ふ土同琴吹 ほたれは迯して風にむふくかはほりを追ひめくるをうしさアハ六々同 降もほたるもともにねなしとしよき中川の岸に飛かふ福迺屋 よをひるとあちらこちらね飛ふ蛍内を外ともなしてからはや 五柳園 九 一随住の玉とやみまし蜘の巣の車をてらす反むしのかけ捨魚 一晋策をよむ意さきを蔵勇文字の子推もやくわ去音おなしく 一疋もとらぬはうしの時のかねやつとおさへた庭のなつむしとタイ常市 たゝひとろこりし蛍にせかむ子をまつ物いはぬやう手なもり 黄金ともまかふほさまを奪あうていつしか川のしら河手入 川なみのあやかる上に藤虫のひめかよふ人き道やなるらん十三千守 帯くける針のひかりや谷川の通りのあたりをつらふ蛍はおなしく ともすれは眠る蛍は椀にとむすひし草やくちて成けん 兵書をは夜学の意にみならひてうちはになひく蛍合戦え 兵書をものする机にむらかりてるゝうふさまをみつる夏虫鈴葉 露しかきゆふへの村の荒子宮もこゝにつられてそ飛ふ梅世 川社いいふあたりは心しくひたるよおのかみ火しろくたけ やうてその雷干となる風の畑にいなつまみす事夏虫夕長夕長 むさし御わにほたるとらんとうちはもて薄のかたを招くをかしさ七華飯成 こふきの秦にはあらねと夏虫をつまみためたる宇治の里人 いくさ子もなれし蛍にはからぬくつひに沼田へ落しわらはへ 夕露にぬのねて粟津野の二世をさへもつかみとりする 秦の火と儒者やみるらん籠には事もしに焼つくやうなん虫 ワカ山 老中泉 夜はそひを疑ふつまに覚籠あかりをたらくゝもとる門口 常磐松成 水ならぬ夏むしの火も追へは又逃かくれするむさしのゝるに ねもらそす迯るる蛍を追ふ人のすゝに声あるしのゝみはら雅楽雄 □□ ざつき闇あを葉の梅に又ほしの藪をみせさる夏むしの影夕 本炭 きゆるかとおもひの外にもえたろは油障子にすたく反虫 一合戦をすたくほたるに思はすも深田人は半事子より竹馬サセ柏樹園 宿りなき貧乏神のたまとみんなわへに火のふる方むしの影 手にすゑし蛍のひかり消るかと鵜つかひの子も月を恨みぬ 田にいるゝ水の車のまへうしろ夜光の玉とてらす夏むし同服成 ほたる追ふ子々には親か挑灯の火をもて尻についてゆくなり 中々にふみはよりてもあかるさま道に半よはぬ夜の反むし ほたるこる子のあらそすにうつ顔の貝ら飛出す兄をもおさへつ よさるきになれし蛍にうかれ出てすよひ子札めひかる児の尻 とふ星のひかりをみつる夏虫は梅の雨夜の一音にあやあり夕が永雄 とりためてつゝみし反古の文字をすらうちからよます灸頼と夕見兼 ほたるをは笠にあやめて書をもたぬ残ゆふみたるから臼の米をかくら たゝかひになれては岸に背水の陣やとるらん宇治の蛍はおなしく ものいはて飛かふ宇治の川岸ににかるほたるも山ふきの色[イチ音人 あつか井のほたるかる夜はみまくさに心の駒もあそふ諸角西来居 おひかけしほたるは逃した風ぐらへ親喜子をつかむわらはへおなしく 武蔵の時わの草より出て草に入は月の外なる夏虫の影十月ト喜代者 よと川の城にもかへてめてゝみん夜光の君とみゆるほたるを 火と水の性はあはねと沈のへにつきて中よくすたく夏虫 月かたのうちはかさせは花かうて近星とみん夏むしの影カリヤ元 梅と菊春と秋との中からにほしのひかりをみつる夏虫 狩とりて松葉かみにも包けりこはくのいろをみつる蛍は 鼈甲のかさしとみゆる一反里は柳の髪をわけて飛らんサ一万 春のころつまみのこしゝ草の葉に宿る筆を入せむねおなしく こくねちのくさ村ことに飛蛍よる大雨のあつさうな虫知予 フクシマ 六梅園 伽羅丸 十五 する さつをか ひきし 弓のつる きれて 命を つなく さを鹿 三カ二キ 桂花楼 四 十三 円 蘭玉の 五色の糸に おきなはん 底のぬけたる さみたれの天 ワカ山 十三 泥田坊 みるのみと欺いてこそ 手をるらめ花の君子の はちす守をは 十三 青陽館 梅世 夏虫の尻のひかりを たのむ哉あらまの兀し 老入学文 十三 工トサキ 緑樹園 大あらきの杜の 下草老朽て ほたるとなれは かる人もあり ギフ 十三 一二山人 一編は昔おやちの 立ゐするそのかけ冬の やつとこよもの 在亭 宵寄もあかるき迄に春日野は飛火のみゆる夏虫の影彳夕鄙雄 まねをしくさる沢の池に飛こむはしりへのほたるなるへし 源氏なる昔に庭のもうほへしのふほたるもしりひかる君 やゝれ籠のあなめくをくゝり出てとふは薄の化せしほたるか。 その尻の頃かるきみをやのせぬ。らん御車かたの夏虫の籠 尻に火をとりす蛍といふ文字のかしらに火をはなと冠るらん 火朽にも成ぬるかまの朽くのち蛍となりて風に火ともす 樟脳のもえにし春の草化してすたく蛍の水に火ともに むさし御わのひろさは何とたゝう紙切箔ちらす夏虫の影に 石川芦は風にもふせぬひのきんしのほたる水をあつことる 文不識か高の小川に公籍ほとかりてこそよめ夏むしの数 あしろ守宇治の川瀬に冬ならて夏もほたるのひをやとるん をり谷もてりかゝやきて草の葉にと申事ほたや玉のみにまる 火吹竹になるでふ笹の葉にとまり蛍か尻をこかすをかしさ ものいはす水になかれておとなしく宇治よりそたつ夏虫の影 浪花江のあしはかりかはつかみたる手の裏つたふ夏むしのうけ まつしとて国覚る龍のやふれより火のふ子やうに蛍飛かふ おさへたる扇の雲のひまよりもぬけるほたるや峰のいな書め 文をこし人のあとかもそこみまにふしん紙ほとなかきほたるは 苗代にたてし付木の側ちかく火を打出す夏虫のかけ 夏虫に観音草や化すとても鼠くらいとはおもはさりけり うき草の化してなりしか川水にねもなき蛍風になかるゝ 闇の夜をてらす蛍は一声もなかぬはかりかりか玉に疵なり 山ふきのちりにし枝にみをむまふ如くに井月の藤虫の影入舟 春もえしつくしの後も草の浪とひかふ蛍しらぬ火のさま帆柱 三ゐ寺の鐘のひゝきに湖へほたるやよはの花とちるらんお 茶のいろに似たるほくるの土花とと宇治にきせんの人が妻な うちはりて追へはほたるもむさしのゝくらき郡のかたへ逃ゆく 蛍かり妹かかたひう河ゐさひの闇にかつりとみえて飛かふ春重 貞ねといふべき露をすひたてゝこかねのいろをちらす夏むし花笠 草の葉の露をおのれかかゝり子と蛍はひかりゆつりたりけんを 音なしの川辺飛かふ夏虫もやはりくちなし色子ひかれり 妹かねにあり事ひかりの包紙大きくてよき夏虫のしり 玉とひかる蛍を目のふべきとりて相ぬか伝もよみかぬ事意 狩ゆるとは猫の目ほとに夏虫のひかる女三のみやき野のる タカサ 反右にせしかはせ手願に夏虫のこかねをつゝむ旅の商人 アヒツ 反故もてはりたる意にかけさしていらさる文字もよます反由 松葉 箒をも薄のほとや姉ぬらん逃る蛍は宇治の落武者集升成 おさへたる蛍は逃て堪忍のこうへ袋をやふるわらはへ舟形 えむしの火花をちらす戦に池のしやうふもみゆる霧の夜 瓦州 石ふみはしけれる草子かくれくも夏むしの火はあらはなくけり 同る所勝にもあらす境にあらすもつて覇王のほたなからなんまや春秋庵 神農のなめし草より化して又草の露なむ草の露及むし男千代住 草のはの露の水かねすひぬらんあはれ有なき夏むしの影 あしろ位のうちはをもちて夏雲の花をみりにゆく宇治ぬらはへ谷住 あかるさは升和かしかなにはいのかたはのあし給ひかる夏むし盛妙 反むしのひかりに今もまなひなは尻らぬけることはあらしな 石垣もりろはに出来し川岸に金のひかりをみする夏虫裏丸 山田川衣序 線香のもえさることに池の面のふとゐをくたる夏虫のかけ なか〳〵にふみはよまれすみとれては夜草の邪魔をなせる夏虫 分欠学のつるす客の袋きれて一音のみからは火をふらせけり 鉢そゑの梅の青葉にまるおちて火をともしたる夏虫の影 エサキ とふほたる篝火ほとにこえたるは源氏をもかく石山の寺 緑樹肉 遭てふ事や化しけんまはり道瀬田の三里にもゆるほたるは ほたるおふ少女か帯の黒襦子のしりにひかりをみする浅ま おにゆきし蛍はにけて日の夜に少女か尻のひかる帯留 たらちめかなかぬ思ものひかりにもなく子をすかにもち張の一然 信州 ならの京春日のさとの童言はよことほたるをかりにいにけり 大蚊屋もたま我貧乏はなかくに煙をふとく立事ふすへ火 もえ立る蚊火の燈子秋ならて夏もなみたをこほす夕これ 藁あをうつ石を根としてしつか家の肝端をおほふかやり火のまゝ かやりにはこの手拍やたき侍らんうら表なくけむるしつかるおなしく 左のほまけむりをみわのかやりそとしるしに下女の杉のゆらゆる 蚊をやらふはかりことには楠の木のけむりをたのみせす人のよさ かやう火をたきぬる賤は蚊やつらて鹿につれよと蓬をそたく あはれ枝にしつもあきれてあら縄をくる〳〵巻にしていふみらし おなしく 蚊火あふくうちの月にひとむくの根なく雲ゆく声すしき あれはてゝあやしの賤かふすへ火にくつれかゝるか軒の蚊は身 かやう火も八畳敷にいろこりて焼るたぬきのさんじ火鉢草青 ホハ二ノ またしてもくらひをるかとふきつくる見まきなからかゆりをそく ワカ山 はかりことありけ也とて蚊も迯ん琴にく松をいふす門くち すくもたきは木やうにまかふ左る立て井の好柱にいて行みゆ □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ かやりたく煙の浪にさかにの網ひきまはす賤かやの軒藤丸 一混するひくる折端の夕風にもゆるかやうの煙よれけり盛 蚊はしらは鳶之神の宮柱入としくさてるねかふすへ火 いておのれいふしくれんと松かえの拳を出すしつか蚊やう火 しつのをか拍いふせる煙にて餅つく蚊さへつゝまれにけり 蛹もたぬ賤は世間へはつたつ煙に顔もよこすやすへ火 鬼よりも人くらふ蚊をふすふれはけむりこもりて内は黒塚と 琴をひく松をいふせは紅の名の表もうらもけむ事かやう火 かやり火をあまり卜部があふき辺うちはに書し亀のせをやく ふすへ火の生木の枝にかたつふり蚊のきやりにそ家を引ぬる 周防 もえきてふ塀ばもたさるしつる家にもえぬ木焚ていふ汐を火 もえきてふ桶ばもたさるしつか家にも森木焚いふ法野氏音筆 燈籠のあかしや肝の頃心庵かやうの煙這わたるみゆ いかなれは蚊の迯ぬらんこのむなる酒の印の杉をいふ法にナサト厚丸 梅のちることく事然し夏中の文よむ意に火をもともともしつ 一鋸の屑もて立る蚊を火にひきゝりもなくけむる残か家おなしく 百万の陣を掻へり赤壁にあらぬ白壁の肝のかやり火 カラス夕 夕立のやうにけむれるかやり火はうちはの風のおこす黒雲 あをやきの枝折くふゆかやり火の煙もやはり風になひはぬ かをめてし桜の下枝を折くへて火ともしころのかをは追出す知予 虎のよむ翁より出しものなれとかはとゝめとたつるふみへ火アバ六々同 杉の枝松の落葉をたく賤は蚊よりもいたく手をきられけり 夏三月過日とたえぬかやり火は成陽宮の煙とそみる他つ くはへさせる無用とかきしつ口にゆるす煙は蚊遣火のかけ筆冠 血をすひししりへはあるきかやう火をいふすや申の下刻頃より 縄をきく賤かけふりにまかれつゝついたふれたる肝の蚊はしら思図法師 カトリ 琴をひく松をいふせはおしよせし蚊の大軍の逃てをかしき かやり火に黄楊の小樽のひき庵をいとまなくたそはさみに架り枝成 ときの声あけてあつまるあはれ蚊を焼うちにする賤かふすへ火 闇をぬふほたるもあるに一針もさゝてにけゆく肝のかやり火 よるはかり来馬蚊の針に糸つけすいふ戸ば三輪の杭の青葉か 卯花のかきねにいふつかやう火の煙や雪の山のすみかま ふるさとの雲とはかりにけむらせて旅人なかす宿のかやう火雅樹 角力草たけるかやりの河とに又丑虫をひねつて投るをかしさ。 木たくみの軒端にたちし蚊柱をかんなけはて削るふみへ火 袖手かをとめしとなとていふつらん梅の梢も云文寺すくも火双紙甚丁 所二に似し扇に蚊やりあふくなりかのこまたら手くはれましとて ふすへ火に蚊音声もなくなりけりくへし松葉は上天のいろ あくた火のあとあふなしとうちけせは蚊におこされくねらぬろそ 松の葉をかやうにたんこちらからはうをたるこゝちこそすれ 梅をりていふ巨煙につれる又蚊はもれいつるしつか家の肝 くみかはみ酒のにほひにあつまれる蚊をふせくにも杉のはを契 夕これの蚊遣にたきし藤かつら肝にからる煙いふせき しつのめり紙おる意へかこればしまのあるかもさしくるなり千木玉樹園宿丸 いさゝかな僧てかにしかやう番くゆらすあとそねやにかりける弁信 しつかやのけむるかやうにやすふりて墨伝となりし壁の残絵 去年の秋新酒にたてし杉焚てあたまへのほる蚊をも拂につ。 ふみまなふ師のにさもとき雛の成させる蚊遣に涙こほしつ いと細く蚊の声するは松の葉の針にもゆふか蚊を火のもと 経をよむ鳥の簪をもまのかれも蓮のうへにのほるさよに福延屋 八 七とそのうちにはなとりいらさりし仏の里にもなるせれの花 不忍の池は蓮あり群あそふ瓢鯰の髭あるかこと 極楽の蓮のうてなやうかむ草に地獄のさらの白餅前華徳成 寒いほとすとしや池の夕風に身ふるにをする所の蓮葉 龍よりも水まきあけてしら露の玉をつかゆる池の達なに 浮葉をもうらかへに風に水の南浪をみせたる地の残蓬スチ永雄 後の世はしらすこの世は葉の上に米の花のほうつの無にし建飯と 両かへはせねとたん〳〵たまりては豆板となる銭蓮の露 一文の銭筆さきし池水になまつめを今放法をかしさ磨外楼 露をしは玉とあさむく罪あれば草は浄土にあるへもなし めてたしとれ子やほめん池水の濁りにしまぬ蓮の白糸西来居 三十ラキ 葉康 池水に花の君子とあにかれく佑は風なる蓋すゝしき これも又はねはなくしてちる時は風に飛ゆく残蓮の花おなしく 極東の池の車輪にひきかへてこれやうきよに思る浅蓮 御仏の乗物なりと短冊や色紙にもかく蓮のよみ哥 つかはれぬたあれの葉におく露の小しもやはりにせ物からし 水晶の寂珠とみえたるしら露を風かつまくる池の蓮葉 はちつ葉の清きかほりをふきほく馬風は君子の徳に社あれ 御佛のやとんとなれるまれの花ちらせる風はよきよとか思ふキヲ一二山人 違てふされをこへはおのぬら目のねをもすうる池守水方一便 目の仁すゑこかゝ人はなかむらんうかみあかりし世込池のうち おく露の玉も渕へと投すてゝけに君子なる風の蓮葉。 君子なる蓬の花ををらんそ他にあやふくこくたらひ舟百朶 御手の糸ひくや蓮のさく池にみたの浮光とみゆる境の巣 岸にさるはとられやせんとあやふきにをよらぬれは君子也けり 蓮のかにもておりなしゝまんたらの根をほりて聞いはれ因縁 たへまなく葉をとり花を折からに聞たらに蓮のいと筵にう なめり川のつか種をもおとしけん水になかれし浅蓮の花米花咲坂中嶋 あわかた千花のとひらをひらく也池の名は弥陀蓮の名は銭 夕力廿一才 蓮の花ぬつみしはたそ三本もたらぬとおもふ猿沢の池の 蓮の花ぬつみしはたそ三本もたらぬとおもふ猿沢の池茂栄 泥水のよこりにそまてすめる物のほる蓮の花の上の露 たれもみなねられぬ夏の短夜をはつちとひらく蓮の初花 仏心はなれにもありや池の面のはちすの上にのるあまかへる二キ緑樹園 おそろしき蛇のすむ地にはを出して口ゝたる赤き鬼童の花八千代 落さうにして葉にとり露の志蓮にそのからくりやある浦音 S 欠部 S タカサキ かすか山妻こふ鹿のいろつくはもみち鳥てふ名をおへはにや 山さとの旅寝の相着をとほすのは針程ほそき猿鹿の有 霧の海妻とふ鹿のから思ひ磯のめはひのかひよとそなく 酔さめのその水茎のいなに咲事さを鹿の音を腹にしぬる烏子丸 双六をふる里の鹿のめをこふはおのか枝角さいになれはか あき生れはかのか左うよりされしさの枝をさかす事さを鹿の角千巻 私来ぬと貝には鹿ともみへされとさすしき声におとろかにか野 哥修行木伊介まりのうき秋のねさめの床にさを鹿の声 胸の火に妻よふ声も煙に心のほそくきへいるあかつは所鹿不老園 わた良ほる谷間に妻をよふ鹿の音を聞て故に涙ほるゝ春弘 つま恋にややたるすねの物けれはかみて髪の子に鹿呼ん するかなる不二のすそんといかなれはかによくと鹿のなくらん 露 一土は衣房 なく鹿の冬のほそれはほそる程ふとき涙のいつるかなしさ 噂夜毎目はさますれし木々の間をねさせてくらるさを鹿の角平松雄 消かゝるともしに凄く油まてさらになくなるよはのさをしか しをりせし紙をくらうて妻恋におのれと鹿のまよふ山道 馬といふ中むりとおもはし妻をこにこかるゝ鹿は煩脳の犬 かき分て妻やこふらんさを藤の筆に跡ある水くきの岡久敬 しつのめかつむくいとの山里に帰長くさくさをしかのない広丸 もみちはねさかりかついていろどれば嬉さげ魚真臣寺標鹿亭高丸 あし駄もてつくれゑゆか鹿の立るにまつにぬ寺の妻をみふらん也 椋の足を落てふたゝひ下草のとくさにみかく露のしら玉捨魚 倫言の汗かも露はちり失てかへらぬ秋の萩はらの院緑樹園 中垣の浮木にありて牽牛花おかせる庭の白衣の里村雲 ゼン 風答はいなのさゝろまふりふり月にも宿をかさぬ五露生庚戌 今尾 玉亭 きぬかつく都にあらぬ畑中の芋の葉にさへ露のこたれ 春よりも次第に老し草の芽も貝かねかける高露の白玉山角成法師 銀あよりおとしゝ物か芋の葉を小書のやうに露そころける催馬 ふくみゐし志を口よりはき出すや龍の髭にもむすふしら露 雁かねの文字つくる頃しら露の涙をこほす鬼のしこ草 ヱツ 日さかりに虫の命の巻きもいく薬ある月くさの露 西尾 帯の名のいはたの森に目詰て千草に露の孕てをみゆ 愛敬のこほれかりし女子の繻子の帯にもむすふ白露あ方 宿とせし萩をきられて蒸露の者をもいたきとそなく千キ飯成 籾珠くりしやうにつらな事白露を妨ふく秋の風なちらそ升成 玉館とみする花屋か打水に人まとはする露のにせもの若樹 小幡の浪間にみえて鯨人の玉かあらぬかおける白露ま下常々翁 前川千月のまれは連城の玉ともみゆる岸のしら寄り凌居 芋の葉の露の土をは空しくもいかて硯の海にすつらん同折兼 をみなへし荘の花妻秋の野はおく白露の甚そろひなる 川となるその水上の草におく露にも月の舟泊りせり廿七有三坊 一未つひに相場をたろ事稲のはにあかり下りをみす夕露 淀川の堤とほれは舟の外のほり下りをなせるしら露 からくりの其京柳林は又水かねほとにつたにしうつゆか 風の手に萩の上葉をおとされて垣根の端にまた詰ふ前 瓢箪大学毎におきし白露に月のになりみに守秋の相 重ゐゆく雁わたのまてなには江のあしにむすへる露の国章安丸 名もしれぬひもとく花子にもとくと思ひの外に結ふ白露 ゆひなほすいわ守か垣もゆるみなくしつかりしめるけさの白露 かせゝきの橋ほとたわむはせをはの葉末をわたる中の星 縁日の薬師にいつる草の葉になりの光をみする夕州挑成 あきはけきあらく子立し家将の瀬のことほとおき初る露 秋の心わい草笠秋の花原薄夜ととむすひてみゆる白露六〃円 いそかすはぬれてもみまし給人の石潅山の萩のしら露 しら露のはゝその原にやみれるは今もしられぬとほれ物也 竹の名の其業半と仇くらへするか葉子かく風の夕露 制札のたちしそはねも筆の葉子をきてみやたなけさゐの白歌 夜の明ていりもとみまる事道の辺子露は草葉を踏はつす也胡記 賤かうつ砧ひゝきて草の葉をおつるつ三州の玉川の里 江口なる夫もかくこそをみなへし月を宿さぬ風の白露夕 牛馬にふまれてねたる草をわさひきおこしこそゝおける白露甲刀梅樹田増成 江後守珠かあらぬかゑ万の海子筆の浪事にかるしら露 朝日影うつる頃子も月草のを星とみんおけるしら露知豫 あき風に角力とり草立合て汗かきし程ぬるゝ白露繁方 秋草のいろは赤地の染君小紋かた野の露のしら玉南明白明 十六夜の月のかけをし砕きはや葉ことにくはる露の玉裸虫き 萩の葉のねむるを風かおこつ故さておきかぬ事露の白玉 袖垣人ふりかゝりたる白露は星縫かどもみゆる月影音音智智加賀 森のやみにしねも又いくつころついてゐ事草のはの露 秋くれは夏の花を作る事もおくりとそみるはきの白露 上下になるとふ麻の葉に置てみちん一前の露の白玉翁内安 煤やみもう豆腐やのおきしころ豆ほとにおくけさの白玉菊白玉栗伊豆 所務 あはの野の露の白玉極漆の浪たつ閔に投し夕風あ云六種因 村雨の糸屑ならんまろめつゝすつる姿や風のしらす 花火にも名ある薄の上にまた露の玉やもみゆる秋の野延樽 花火ほと薄の葉よりつたはりて星下りともみゆる白前双紙亭 ころ〳〵と風かまろはす日露に音のあるやうな鈴虫の声雅楽雄 朝夕に水かねめきし露おきて鏡か原はくもりけもなし艶男 秋はたゝあはれなものかしこ草の鬼てふ目にも露のこほり 大沼に霧たつ秋は日のもとに海なき国はあらしとそ思ふ 馬といふ鹿も薄の浪間には水牛とみん朝霧の海 三日月の釣針ならふもみちはのあかめもしむしむしの原山石三原 ふろしきにはらぬ物から甲州の郡内あたりつゝむ秋きり玉芋飯成 おき出てみれは一面きかられん坂東といふ八月の空 三十一日 立のほる三方のつよさに我は又這てそ渡るかけ橋のう 岡山 さひしせは其山まへに立こめて真木もみへさる秋の夕方 五十川 苅穂庵貢 まうてつる人は下向の跡へまた天力たちのほ事富士の夕暮 上み夕 見覚 方かくをさしてうらなふ卜筮の軒さへ夫とわかぬ詞きり見草 通ります冬にとうめも中川や舟こく人のわかぬ切きり呑枡 カ二ス文 もみきりのたて川通り川し刀の三つめにもたち四つめにゆつ へたゝりて跡よりみれは朝霧につれの羽織のしゆかくの行 もみちはの焼火のいろのしめりてや烟とたて馬山の朝きり士は弥望心 夕くれや巨の川によふ声の辰巳上りにはれわたる霧 いろけてし扇とみゆる不二の柱をもまゝしゆの箱入なしつ 兵庫 桑田のわき変したる霧の海庵のまゆもみえぬ遠山 機をおる虫の音はかりあらはれくきりにはつたりわかぬ杉の野 二十 たちまちに妻のはたけもたつ霧に御と成たる秋の夕ゑ刀え 仁人もすきをいはしくらふともそこのしれさる日光の霧 秋霧の海なす中を風の手に漕出したる船形の松総藤長き義 しのうみの底にそたゝく龍宮にありといへる三井寺の鐘 秋霧の海にしつみぬ須磨の浦の松も昔の平家草ぬるかおなしく 筏士は筏にのりて道もなき山より霧の海に浮はん 灸よりせもみへぬほと立のほる川ゑ力になく法鳥の相う 秋のきにいるむこ山は上下のけきしわのしにふはかきし霧 松かへの琴をたちしもことわりや琵琶をかくしく秋霧の明 なきそとはさしかにしれと今これは仁加蘭河内もゑもゑもの海つら。 秋の日もほそき越中さて山のこしにしめたる霧のふんとし 望惇の蝉の小川にたつ霧も源氏のうたのしほならぬ海 いせの海や阿噌り浦の夕霧にあらはれやせん中のとま山 彼峯とてし力もころもとみゆる也けさは尊き南雲坊主山皆巻 海をなつしゆのふかさに覗てもさらにそこらにしれぬ詞とて親民 調風にうへからきえていつとなく一時をうみなす者の水瀬永俊 餓宮へかへりし夢や三井寺の鐘も寝汗をなかす朝し方若樹 水海とみわらず霧の中よりも出ると聞しみゐ寺の鐘双紙亭 あかしかたるなれ石しわのしに霧ふはかく事浦のあさ風夢義 夕霧の海をはるかに漕出すは舟岡野人の三日月の舟 細霧になかしの浦の舟人かきたる店のしまかぐれ行家風 白髪ともみなすゑか間にかけ山のあた草のさきもみえてをた ゆく人の半とふ君も朝霧にあかしらゝの島かくれけり よるならぬ石の外にもたつ霧にひ事もなくなるさよの中山 なにはかた草臥足に焼酎をふくかとみゆるあきの夕きり 加年亭文仲 草鞋のひもむすふ間も細霧にはき〳〵えぬ友達の影 早年はれく紅葉も露やむつふらん霧はたつ田の山のこし帯 にしきする山の口より奥蝦夷のこさふくやうにたてる杜し方 野や里をうはふ斗りか旅人の行先ふたく霧の山たち 萩枯様いろの紫にしみてはふき絵のさまに庭の納霧不老同 水上に杣のたき木をこるをみてきりかゝりぬるをのゝ滝つせ しゆの海はれままにみゆる夕月のかけを鯨の目とやめてなん タカサキ もみちはのいろにや酔くはしここ内を力にゑ方の立のほるらん 近江路や美濃飛騨信濃みへわかぬゑ火海ある国といはまし 深谷 船頭の笠の網代もえぬ迄江をおほにたる宇治川の三方仲貫 烟草にも吹たる天刀のてうとよきしめりと成し小山田の橋 烟草にも吹たる岩刀のてうとよきしめりと成し小山田の橋六包肉酒成 横 一人丸の哥の首持にけさみれは花もかくれぬ朝かほの舟紅葉 せき妻の土一升にうるおきく江戸むらさきをめつる詞貌笠人 いきたなき人の薬子なるものは菊より垣の詞かほの歌若樹 巻なからもとり千露の玉銀はうつき煮花の茶花の顔おなしく 正面にみれは蛇の日の紋めはきて朝鮮垣につたふ細部サ呑安 車渠寺照露も正しく庭に咲く花は薬師の事りの同顔 ねちれたる莟は布の染下地紺屋の庭のしほり朝かほ草巻 夕薬師かへとのつとの詞かほのつるはめの字の形にまかりぬ升成 すりこ木のやうな答の細かほは下女かみそする頃に咲也 蛇の目なる日傘に似た事朝かほのなとてさすけをいとに成らん せいはつに加藤の紋をのこしゝか蛇の目に聞て詞詞詞詞類おなしく きや平竹猪口によく似た胡瓜は朝鮮垣をこえ来青咲掛升 くつさめの鹿相かはなの穴へ入てこよりにしほむ詞都かほり 明のこる月にも息やあへくらん其牛にあらぬ牽牛花うり花田泥内坊 朝かほのさかりをしらぬいきたなさ口をすほめる我そをうしき しら露の玉を握りて放さぬはまた欲に目のさめぬ朝皃 ようへみし碁の筆のさなくに垣をいろとる詞部の花裸虫き 願かけてねかふ王未師のなりこんをみれはねむけもなほる詞貌 いろくに獅子の名をつく朝かほの花の穴をもあふむけて咲い すり木にもなれる山梅の木にからむ摺鉢なりの朝かなの花甘喜 庭もせの相縁坊と唐人の笛なりにさく詞かほのはな さきそめて花もやう〳〵ふたろ三ツいたつにはしほむ庭の朝白い石山人目守 咲ならふ牡のそはやの詞類は精口もならへよらみかわたり 詞かほや釣かね童子まきついて露も湯になる花の名蓮 ませ垣のしたし物とて朝かほのしほりてにて花そ露けきもノ群玉亭文丸 あけほのゝ枕草代にめはさゑつみつよつふたろひらく朝かほ夫鶏恒 九分れ付花代江ときて一輪の納日手しほむ庭の朝顔 くちなはのやうなるつるの詞かほの日の城にはなとてしほるゝ 露の間はひらきくやうて朝かほの日にはしほめるとのからかさ 東京 御油をたろ時はさかりの納かほもしほみてみゆる赤坂の宿 つかな意をなげく神のひるまてももらぬあはれや胡かちの花おなしく むへ大久 これもかなし見えしなれやおきてのむ茶碗のなりの内はの花 露ふくむ事をつほみのは見筆かきなれくさく詞かほのはな百世 酒のみはゆたりたゝいてめつる也ころふに庭のあさかほの花何草 白露にぬれてはさける袖垣にきはつきみへぬ庭の朝かほ 弓手なる竹の垣杓にさき出てやはり引はる詞かほのつ事おなしく 紫のしほりにあけのねむくさを呑さひてくれし花の功貌 のこりたるあつきは庭の袖垣に汗をしほりの詞かほのさく玉世 つくりには茎の字かく槿のあすはさかんと一夜ねてまつ程行 あすさくと告る手紙の半きりも日向はいとふ槿のぬしおなしく 古宮の狐格子子にとりつきてこんに咲たる花のあさかほ六高拾 あすか川浅瀬のいろに渕のいろ花もきのふ子かはる詞かほ イヨ松山 名をかし茶碗て茶漬くふころははら一はいにさける詞顔 金のつる延臣をのこは朝かほのつゝいて門をおこすはやき小雄丸 しをり戸の親音ひらきづるの手にとつる菩薩のなりの権 円 日の出れは煙草のむまにすひ口のやうなしほみし槿の花丁葉に康 詞かほのつほこの筆にいにしへの文字やかきねの花の結ひめおなしく 切かほを夜床にてみつよつ五ツ六ツとかそふる暁のかね 朝名をほめてもとりし手孫女も年かさかさかたけて日をいとひつゝ つるの手に露のしもつ刻限の尾が盛の羽かほの花アス大町 紅毛のたねの詞かほどみちてむまへる縄もつかぬもし垣 買人のあしことをみて半にさるは鋸をぬらし扨その哥 とくおきく来るお針にもおとらしと袖垣縫て咲事細かほ 風も殊にふくころなれや唐人の笛子似てさく朝鮮芝外 いす合の契に庭の姫垣にさかりのたらぬ牽牛の花 朝かほのつるも垣よりわたり物花の名によふ孔雀獅々の 相智の権とし聞けるは鼈甲のふのきれとゐる詞かほの花 牽牛子は薬になるとまうせはや薬師の馬りの色に吸篭に 袖垣にたつきかくなるせはしさは朝めし前の朝かほの花に その形は青傘に似ていかなれは日にはるゝめる朝皃の花 ものおもふさまや甚少けき神垣を都にあせる事朝かほの花 ひによわき君のあさかほいかなれはあけをは右もふ笠にさく 二ホリ ほのかくみしらみて得らく袖垣にうは這そする胡ほの花 朝おきは眼に薬そと夕薬師浪日に賞ふ事りの細類柳花園 袖垣の袖をあてゝや笑ふらし口の大きな詞かほのはな無学 俊力 一傘たらみまてといふめる卯の刻の雨にひらる事模の名。方赤下手 植おきてせわを八雲にあらねとも八重垣づくる底の明貌 目さなしの煮花もいりた出来ぬのに茶臺とひらく庭の槿社の屋敷風 夕方丼キ みし春の菫にゆかりあるいろや一夜ねしるに咲る朝顔 一はし春の菫にゆかりあるいろや一夜拝し間に雲守朝顔集成樹 水上る辰のかしらに短冊の雲をおこせるあさうほの花おなしく 朝かほは鹿子しほりにさきそめて早きさするならの里人 イセつ くみし茶のふるむうちにも蘂に納かほの目をこすををしき其時胡丸 はやおきて残かみそする摺鉢の目をすりならみや寺明ほみ あさいする間に模大しほみけり成てもわつか夢程にして世画結楼 帆をかけし舟に作りしつるの手にさく朝かほも水いろの花鷹子子 源氏とふ名のある意をいそきづゝくき紫にさける詞かほ竹盛 秋の日の口ともといかそく縁先におく朝かほの茶碗あふなしまは丸雄 駒迎 同辻請取も渡す作徳も小笠原屋みの御牧の留むかへとて 昼夕 同かんする春がみせんの外に又ねのよき駒をひくもちのませ 都今望やくと待ならしあふさり山にひきのほる日は本蔭 カウス 花手ふく風は耳にもかけされともちの目にはいさむ若駒掛升 みやんにあふ坂まては口とりの二才ものほるもち同の駒 うけとりの時刻なれはやいく駒も太鼓をうてる日の十五夜 秋今宵詣の名に手来父よりおめし手そなる駒を教足愛 裏心二の甲斐より出る黒のわか鹿の子またらもみゆる駒牽千年緑樹肉 銭にあるかたちのまろき日かけに釣いきむかふあふ坂の一夫 芋くひしおのひ腹はつゝしみて高の花をかくけふのみや人辛 十寄の君の都へ大脳をくらゐにのほる信濃路の駒 和山 ひく人の弁当にもてる握飯ふりかけてゐ事かひの黒こま 鷺の名の五位の二五人重雀毛の駒やひくらんからす丸すち 三カラキ 円 仙タイ いろ白き都人になはちらすそ清水にうつるかひの黒駒 千柳亭 三日月のころに木曽路を立出て旅の日夜も十五夜の駒 今宵にく聖へにあし毛の植坂駒此草手綱萩によらせて 年丈 月をみてたちまち老と成ぬらんに半ゆく駒もにける金の夜 あふ坂の関をも載る段将棋都をさしてひきのほる駒 春駒 都へは木曽路箱根路両方へかくる鐙のむさしのゝ駒画語楼 同 口とりの老はいかけと挑灯て宿へつきけりもち月の駒并一琴楼守住 もち月の駒につきそふ宮人の青侍もあかくみえけり 雲の上に今宵のほね駒はしも不二の高さのくり毛なるみしおなしく あふ坂てむかへの人にあふ坂やるみ月にひくもち月の駒の女園山積因 ひきのほる駒の足にもつらなれるせゝの城みて渡寺戸橋 くた物の栗毛の駒をひけは又むかふ事人もかねつけて出事 なかむれは白毛の駒は鷺の名の五位の金人やひき登ならん十字街 あふ坂を今宵こゆ事もさもしなの山を出たる月かけの駒 もち月の駒すへい請とるはこゝちや境のあふさかの咲春秋庵 よあるきをほゆるはにくし月もみつ戸さしゝ門を守る飼犬 呉剛をは手伝に顔に露にうつる月に斧をはめくる場場怖アノ六々同 さみせんの釣り案内に芸者まて目の書見の先に立けり夕方舟盛 笠松も柳の蓑も邪魔なれや今宵てりそふ月の書見に双紙亭 月の夜に供ふ薄の袖の下まにして遊ふゑにしれもあり十六不美人 あの中に虎もすめはや太刀の瓦さやけくみゆる秋のよの月枝成 生馬をもはなつ今宵の月見には述さまほしき飛鳥の山 ちり雲もいとふ今宵の月かゝる事はせこそあらまほしれ 信ギシマ 蕎麦をうちひろけらやうな月家に只長かれとはやす十五夜 池の雨にうつる月にもつ草の松といふ藻か邪魔をなしけり 蚊の冬も次第に薄き秋の夜もとしてねられぬ閨の月かけおなしく 蕎麦のみか月は行濃のさらしなや雲引ぬきて空の功けき稲丸 水底も月の都に登ぬらん海にはみるめ池はねぬなは 大空のひさこの中の甘酒をこむ盃りあはのよの月本蔭 宿るへき草の有やとむさしのに露をたろぬる月はちひさき 春永 村雲の御裳づんつや西山のかたのみてらず月の鼠の土にて 老となる目にうかれく生のみかこよひもいたくふけにける哉 入かたををしむ月かんの書とゐにはけしてなむそ山出しの下女おなしく 哥よみは千々に心を碎けともかけた所はみえぬ名月掛升 みな人も仰向てみん月今未手目に入ほとな鹿雲もなく本言永 岡 哥人の花にもかへ馬とみるのは団子かなへるもちのよの月 ユチユ 芋の名の月とて男は名物を人にくはせる味をもちの夜 霜とみる月の今宵は我宿の菊煙台のうつろににけり 京 村雲のなしもとよりや鞠ほとの月をけあるし然る井の庭 哥一首姥の後にも此山によみ捨てみ過なきのよの月 名所のいつこはあれく月の書こゝはふりよしおは捨の山おなしく 神酒の口にせはやみ屋花さる内にとしあかりたる十五夜の日 象のすむ南のかたとゆく月をつなきとめたき黒髪の山 但薬を赤く煉しは紅のにせし目の椹皮や加味になし生ん 花の後無沙汰わふれと正寺にかしらは御そぬ月のまちうと同虎成 秋今宵月をかくしゝ不二かねに恨がさねん甲斐の団人おなしく こそく老となるてふ月の影にまてしわをよせたる志賀の浦浪 あくるまていねもやらぬは温了かれ。き枕に似たる月の夜 たゝ人樹のありとも今宵照月の耶摩なす山はまくもなし本下序院 天の川秋の今宵の月の月の母真丸といふ名にやよふらん 橋つめに出入は丸くすむ影や新町に出る新月の有おなしく 芋くうて月みるんよいけるをも放つこよひそ屁たに殺すな よもすからめてぬる月の酒もりにふすはから万ねがしゝは樽おなしく 姥なとは昔のさたよ夫よりも浮世を捨てみよ秋の月おなしく 日こよひ光りかゝやく鏡山秋をさいしといふやつはゝ誰ま 入ををし本今宵の月にお金よりぬいて取しき西の山の端り鶴川 うかれ出る夫の名主に女房も窓からいるゝ月の林男 てる日の水心あるにいわし重愚心なくなとて邪魔する くらげなす雲はなけれと空の海の月の中にもうかふ国の図 おもしろや月に草葉の波立て兎も去へ事むさしのゝ月 更るまてみあかぬ月を西寺の老鼠とそなるををしめる 耳なかき兎はとまれ白鼻高き村学究か月に孕む詩 モサキ 月の夜はあく事もわひし一言のぬしと成へき奇もよりねは 月の夜に我らも水をへらしけり及ち半編をうつ妹をみて むさし野の内見に出て郡名の入間をいとふ秋の今宵は本奈賀良 今宵てる同見の客子かりて二階の膳椀を出す かこち類する西行は棚にあけ月に詰ふふかくての里六田香泉 月かりを越路の書となかめてや家根の上にも人の声きく 月のよは木こりをともに枝重を醫中におひて山もゆけてけかし 堺もなき月かけなみ事三の葉になとかき起すたんての雲 巫山てふ夢なむすひそんとなり雲となりなは月にさはらんおなしく 星なき天眼鏡やてる月にみゆる薄の風の手の筋小雄丸 月今宵すまや明石は舟宅の這渡間半て露るさやけさ 楊枝もて造りしやうな柴の戸に山のほく端の月をみる哉 二千里はしらす今平日はに十九里いわし雲さんみへえぬ十五夜起義 客人の四角な膝も村雲も崩れて丸き日の酒もり そとか浦あたりてみはや明がたの六つに入てふけふの月影 おもひきやめてらき日はとくいりて過せる酒の持こさんとは浮丸 □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ なには江のあしにかゝりて上りたる月の丸さは鞠ほとにみゆヱ 鮒雄 君ぬふ針の穴さへみゆ事也袖のうらよりいつる月かけ おなしく 追ふ雲の白波もなし土佐日きよむ意にみる月の御舟は 一春里 月の雪十露琴橋に積りしは三五十五の秋の夜乃空 潮方坊聴人 今曽せ事月にめてゝや取入の兎も硯の海事とひかふ 酒仙斗度丸 月の雪に手をはつかねてをさな子は壁に兎の影をつくりつ 猿人 葉かくれの虫の巣にてもみ出しけりせんこの花の月の光に おなしく 丸覚へさし入月の其中へめの影絵帖法をさな子 十露聖のけたかき月に丸ものゝ法の七丸とかゝる前寺雲 恐かたる今宵のなきのつき島にくまなき空の影も清成公 碁盤なる町の作りに一日の月にはしろのめたつ大江戸□ 盃にうつ事も清してる月を片手にすゑてめつる十五夜 のこりなくいけるを放つ十五夜ににかしともなし目の兎は 詩も哥もいみ詞あり同今宵ふすとねるとはいとふさやけさ。 退てうき世の塵をはなれ家にすめと同見は慾にふける夜 めい釼のくもきりはらし月の夜にぬけて出しはおのかたましひ 日のさゝはこれも消らん白書にまかへる月はやはり水もの 西にゆく月はさまにと説法に袖はしくるゝ十夜寺の庭 実方の雀なるらんはねはえて都にもとふ月のはまくり▼ 重の衣犯すて出る月の前はたか踊の生酔もあり 木賊かる周原のの月をみて言葉をみかく丑のの友とちオク 邪魔になる枝ひきおろす鈴も目にひまのなき日の十五夜 一大そみの月の一字もたんさくの雲の上なる哥の題かも 撫子のたね半き初事月今宵より煮を雲う子もあらてさやけし 三十一月 木枕の山さへもなしむさしのゝ月をみんとて起あかす夜は 池の面の外にも水に順か音もありたき堀川の月 前川の浪間を走る日影はこれや端氏か正急かも 雁かねの山かた作るその外は月にさはりのあらぬ武蔵野 照月の影におされて跡へのみあゆむや雲のあしからの山 小雀の化せし物みて恰のみをとりはなす月のやはらす 月にくむ酒のさかなの鳥よりもこよひ戸口をしめられはせす なかめゐる月は西へとかたふけと内へ入るへき人はあらしなせ ちり敷し桜の時も思ひ出ぬ月の雪ふむ志賀の山道 詩や哥にめつる月より嘉子とは腹に物なき人やいひけん また夏の心うせすや雲の君ぬきすてゝ出事望月の影 山かつかかへさはとほく照目のかつらの枝も柴にさしそふ 秋の夜の日の鏡に向ひては時をはうつす物にそ有ける むせしやわは月の鼠の放し同尾花か袖を出つはきりつおなしく て事月の巻のおもみやかゝりけん峯にをにたる風の枝雲 照月のうつる川水の茶手は又のまぬ先から今宵ねられす十一万 猿のみか飼猫迄もとりたかる今宵さやけき月の鼠を イセカトリ 哥人の月の趣向のよみ哥も原より出るむさしのゝ月 一今宵食ふ蛤からもつみなさはいや出来んと目にいとへり下手成 甚たれに襷をかけて月をみる支度せはしき雲の上人 風鈴の舌きり雀料に来て目見のさゝのあひもなれ むせしのゝはらに忘れる月影の去るもやはり片時はのおなしく てる月にうかとうかれく烏ともすねて塒を出る秋の夜 銀指は人にとらせて西行も月の鼠にかこち顔なる 菊花 四ナ川衣用 十五 同日山 泥田坊 楽天か哥にも 庭の枇杷のはに 半遮る 月の面かけ 羽江又 羽口又 松の屋 白粥と 千霞 これもみるらん 照月の 今宵の まるや 秋の仲文 長門 千束 主をとる文数 ためとみれは 三日月の 身をまけてゐる 部団の山 画亭 俗々菴 十二 浮丸 みて老と浮丸 なるはいとはし はしめから ふける覚悟の 日の夜遊ひ 皐月庵 雨眺 白かねの猫は捨たる 西行に月の鼠そ ものおもはする 二 仙タイ 千柳亭 都へとひき来る人の 国言葉尻へはねたり みちのくの約 茯芩となるてふ松の枝こえて月の林枝は庭にもるらし 秋今書酒のむ友を待うちに一はい月かあかる高との 山の端にてらすそれか雪そどはしう〳〵しくも吟を月影入舟 月の夜にはしく枝足村馬とんてゆくへのしれすなりにき ミヤヤ 駒迎ふよはそさやけき月影にりしを引出すくら音はなし 論語よむ意にも暮て麓よりさしくる月の友は楽しき 飛雁のかうかいかれよ龍田姫鏡台山の月になはひて おなしく 遠中イツヽ 千巻 かゝれよとすゝめられくも月の哥平々短冊はゆるしたまへよみ 三冊 書とてる月見の茶屋が言に出す竹の床机の撓む十五夜 某 硯水に月かり汲てたんさくの筆をかきけすよはの乗して 其少 上玉 酔月周盛を いくとせか内毎にひたす月かけを実にてもなといふもことう 冬十 今宵しむ哥よむ人のたんさくの重形さへも邪藤十五夜橋守 石になる見れしつめて月の水やきとめて夜さらみるよしも哉が 鼈甲のふとみる程の干々もなく書にまかひの秋のよの月ゟ 雨雲は五日のかせに払はせて戸さぬ宿にすめる月かけ出たしく この男の牛は牛つれみあかさん月の少女を匹なかしてヨンダ千善 さやけるの月みて老と成にけん眉に霜かくとしより納言サア哥しかへ 同今妻団子ねりぬる手序に雲もにとつにまろめめたみ山積因 めつるあまり世をゆくりてねぬなはのひくみとしらぬ目のよの友 老ぬるといひしばこれとよめたりな月にくをのみつくる歌人 二千里の外の人まておもはする月の花は虎のうへゆく 浦しまの箱や老をもふるもなき今宵の月はあくる迄みんと 日の中に居事と聞つる篤さ人今宵の月にうかれ出たり すはの海月の弐ツの上ゆくは哥かく筆のけものなわう 秋のよの月の白紙よこにのは鷹のる墨に雁か事の文字を 行恒 老となることも忘れて右白髪一筋みたす日のさやけ迄一加老同 唐倭詩はつゝれともなかめゐてふる人のみはみてぬ名月おなしく はれわたる今宵の月は唐まてもや半ともやかふ雲とそなし はれわたる今宵の日は唐女そもやまともやうふすらきも 照月の雪もつもりて太空の星のやうつめたりけん 砥石きるととりの山のかによりもみかき出たる目のしはき タカサキ 酒陶を目にはくれは月に又糸瓜の水をいるゝもちのよ 松花堂 もちのよの手向の巻の外に又坐敷へ松の影もさしけり 蓬莱山人 糸竹の手向もしらぬ山里はひろうてけふの月にさゝくり おなしく 月の雪これにも肉の善竹の影はたふれしやうにみへけり アタウ 山の名の姥はともあれ秋最中目をみすてゝいかにかへらんと 山の名の姥はともあれ秋最中目をみすてゝいかにかへらん多きて 松丸 村雲の足跡をまへいとふ也秋の最中の日の日の雪見子 天をみめ今宵下りて月の入事山のいはほを撫へらせかし十六百八未 照わたる琵琶湖の水もこほるかとかたくみせたる石山の月 擣衣焚喰の布やうつらん痔をやめるその肛門へひゝく槌の音 鬼もめん言分ならく手に足を打出しけりなきのよきふた 舟のりの宿の妻とえる子もすから湊鼠の衣やうつらん三夕長七九 瓦やく秋の今見な夜はきまたをかくにつちは手をもはなれす若椒 鼠きほうつや砧の拍子よくねこゝの鹿もをとり出けりおなしく ついひちの破間をもほくふゆるは業平行の衣やうつらん 鼠色の木綿を出して残のめかちにさき雄ていく足もうつぶる阿房 夜酢のひゝきに我は目覚れと在るこくおく春のねてけり草草蓑 夜雄の槌のひゝきに手伝はぬ家さへいね法打あかしけり安ウ真倉 朗詠をよむに邪魔なる随音にこれる機嫌をは妬む相砧折並 呼ひかりおももなくて浅の女か夜のふくるまてうつ碁盤橋本菅市 棚にかく侍おかとりの布袋まて拍子につれてをとる夜碪琴彦 豆ほとな露もひゝき方ちらす也鬼木綿うつ門の夜きまたおなしく 天原女も夜ば又うしにひきかへて砧手布を巻付てうつおなしく 天窓にもひとくきやたは大原女がいたゝいて来し槌にや打ん 物すこき秋の夜すから浅の女かのりさへこはき衣うつなり 門の戸に音のちゝきてかんとねのひち迄うこく妙か夜砧 風越の峯にや音のひとらん木曽の麻石すくり手に打 わひてすむ小町〳〵の似たれより散なかへしにうつさよ酢 むねあはぬ様姑は槌の音の拍子そろはぬけふのほそ布中住 筑摩女か夜なへかるねし数もみんうてる衣のつまかそへと甘喜 ひなひたる哥はともあれ打なほく脇はなまらぬ賎か夜きつたさ 錦にはあらぬ物をはさける程額のやうにうつからころも 槌の音にあはせし残りに夜甚鬼木綿をも和たる夜半愛龍 なくさむ事片手な子ふらか石うつ雉もやさしやこゝかゝといふ芦竿 手をやめかう其事様に松かえの力こふをもそふる月かけ雪 一音ならぬ日夜に聞もあはれ也子を思ふ母のうてる夜陰 砧うつ下女か力に衣のみかあるしの夢もたゝき破りつ 榧音の耳にひゝきて木枕のいたゝねられぬ秋の夜きなた 行燈の皿もをとりつふ夜作松坂しまをうてる拍子手おなしく ゐぬむりし桃のお留守に賎の女りかへ破りしはぬす今そも 安定子関のあたりに是も又弁慶伝をうてる夜砂り道縄 槌音手前をこほしてたへもせの萩迄相やぬ残る夜碓 よるしわのこなみをのしてしたつまやうはなりもうつ秋の夜根 ねそひれて八つ九つとかそへけりいよほやうつよはの夜堪 ねそいれて八ツ九ツツこかそへけりいよほやうつよはの相堪 三丈の木綿もうてるしづる家にうつ桃の音もむねをく聞 義理のある様の手織の衣打て表につやをみするしわめ盛 相槌にたのむ妹をかたつけてとこやらさひしあは此まきゆた 槌をもつねは詞の太太か力ほと袖のもんさへやふる夜きぬた かひ猫にくゝり付たる槌とりて鼠北紋をうつさよきぬたり片矢 芥子坊主たゝきね暮てしつのめからこく〳〵うで事夜きぬたおなしく 夢むつふ蝶のもやうも心なくやふるゝほとにうつ佐かな よめのころよりなれしとて残の女はやくる迄うつあきの夜理行 月に見ゝまよひくゆには心してこゝら〳〵とひゝく槌の音花笠 社のよの硯うつともひゝつな崩れさうなるひなの一つ家式子 子持しまうつ槌の音の大きさは人めかくやぬ娘の夜根 為成いたから舟て下女おきよ余所の旅の音のもきかな 書すなにせぬ妹たちも意の灯にまきかへしうついせ縞木綿武雄 ひゝきには目も動きて供さろ千つ千戸衣うつ夜は 榧の音のをり〳〵たえぬ夜秋のねむき縞めの衣やさん 松かもすゝきに物をついむと道あるしや鼠木綿うつ音楽康 流なりしめ黒き手に衣うつよし明日の里の目の白妙吉 薄ふとん木仁日の宿の寒さをはたゝきつけぬる夜枯の音喜代は 竹の春七種色の染きぬに拍子そろへてたゝく夜砧おなしく 片腕もぬけるはかりに小夜枯にうつは花童子格子か起義 みちのくのしのふの里の小相砧みられる迄打なかにこんおなしく さいしさの大将ならんえつうをうちに行る当わの報 ときつ不残の衣のいろのみか腕かきりうつ人もあせたるおなしく 煮つゝりさせてふなくよはゝとき分衣やしつかうつらんア □□ その音にやふれしばそのつくろにもやはり水のつちをもてする張皇子の守 為眠の雛にたゞひやうちにけんいゝくふけゆく夜作の音 河内しまうつたひかよふ槌音の耳にたろたの賎か夜雄 槌をとる手も扨布や子を負てむねのあはさる残り夜さぬ也 村とてひとつもみえぬ白木綿町中てうつ江戸の足袋みせ 手のひうに足を出して妙のめかうつ節らの鬼森崎も不正正氏 せはしさに手もとらぬと残のめか五本年絵を片手にて打[サ]野暮輔 月に風の音も残る家の草の戸はさしならこそ石うつらめ □□□□□□□□□□□□ しう志のあせの雫に砧うつ音もとんとゝかつらきの里 せはしさに髪もむにみて破かつ槌の拍子も妹はみたしつサ一万 股ひきや脚津につくる木綿とて砧の音の書を去へせり棟充 かんさしの鈴やおちしとせはやけはいこゆる也よさゐたのおと 母かうつ砧の立るにたまされはにとりねる子のおとなしの里 めをとしてよなくうちしされは水ももらさる地とはなり千き をさな子は夢かうつゝか母親のちゝよりひとくあきの相砧入舟 槌の音をり〳〵雨む秋のよはねむたきうな事らまやうつらん炎語楼 人の夢さます砧を打なから時々ねむる妹そをかしき 夕カ葉 さみせんの調子にうまく相槌や三筋のしまの衣うつ音 里にすたく香の声をも留やけり千草染なる君うつ音同茂樹 節分にならぬ先から残り手に一足を握りてうつ鬼木綿平和多は師 さま佐宇治の里人拍子とゝる声も都の辰巳あかりに和宮 月かけに非なきく打夜枯子またも邪魔なる村雲の袖木は湯記 て事月の急のまへに残かうつ鼠木綿の耳ものはしつおなしく ふく風に庭の尾花の袖ふるは隣のきぬとうつまねやする さようめたつやの出しはてる目の光や槌にたゝきんわん仲吉 いな妻の門時にかよふあきのよの砧にもみをいるゝ粉の女松の宿 にきぬたの耳にひゝけはきりくす枕の下に舌うちそする 此ころのよなへにかたもはりま女はかち〳〵といふ染きぬもうつ 相槌もたらのまれてしもつけやしめちの御わ守芝しまうつ つくま女かよなへかさねし数もみん男のきなのつまはいくつと 手に豆の出る程うちて鬼木綿こはきおのれか夢も破りつ 植それてうては都の不二に又宝永山もいつるよきぬた ねせつくる子はねもやらぬ其内によくめのふたく浅か夜碓水芳 世の人のねいるころからかくと音を打出すしつるよきぬた音成 脊なかには子をおひなからひとりして子持雁をもうて高夜作 虫 打なやむ嫁か砧の味方してひたりに肩をぬきししつのを 船頭はにとりもなく黒地の山の上へのほせる魚心枕のふね。 風の音におとろきしよりみな人か虫おさへにといつる秋のいわ春子 はたおりも馬追もなくにきはしさ道のり合の舟の虫籠竹成 くつわやの轡もありてをみなへしすたく野もせにならす鈴虫鈴 たたくまの隈なき月の都人たろねわひた事松むしのこゑおなしく 虫の音の高くなるほと夜の交て目はたん〳〵低きこのはイ話山盛 三寸のこさひにたらぬみをもちく千里の道も車こほろき あはれさをくみそしれかしゐのもとにつるへなきする虫のの声おなしく 築なほす半の前にもあぬめり地獄の底の底のゑんやまこなき全 夕風に庭の切木の音音もきり〳〵〳〵すさせくとなく雪同女 いなき幸にをはなの浪もやくみつよる鈴虫の山こえてやく 虫の音を聞てもとれは女房もつゝれざしつら夜やふかしぬ事幸所 機おりにへつらふものか行煙にはよつき虫の火をとりにくるサウス おもしろやすきやの折の茶立定うかされ雪の月の夜すから広丸 針穴ももしせる月のかけにゐてさやよ〳〵となくや陣おなしく ちり塚の底の中より詩からをひき出すふみの車こほろき 馬たらひに花はさすとも庭になくそのねはとめなやよ輿書 萩薄錦の糸をひるよりてまなへに機をおる虫の声 よもすからははれば来人はこふ也馬進宅や車こほろき 五丁 夕されは門守軒の疑目に髭をならへてなくきり〳〵す らく書の文字もとかめぬ辻堂軒一はい事なく筆つ虫 駒はけふ都へひける跡に又くつわむしなくもち日の数 きしらする声にはからすみし夢の浮橋破る車ころき ともし火のあかしもいらぬ秋のよは庭のすまにもすたく松むし こよひ秋のこと陣にさく轡虫草の波間に声の高つなむ芦筆 牛の玉事から西のなはねの夜も又声ひいてなく車こほろき丸 秋の日のみしかしとてやまたにもよなへをかけて猿をおる也岸住 山ふきをうゑし籬に出来秋のみをいねくなく小金てふ由天閤兄 三刀の海なすころふ末のあみ戸にも魚のそのある松虫そなく いさましき声はすゝ虫轡虫中にいなゝく馬おひのむし 壁に耳ありとしらぬもあはれ也後合谷のむしの声と 萩りての二分まろはやつ花子風のすれて音を出す鈴中のなら をみなへしさきしまかきにすかゝきの糸のねをひく鈴虫の声 神様のお立かすめはきのふけふひつそりとな事くつわ虫かな 武部シク 大原路をひく馬追に虫の名の鈴や医の音もときれに 岡敷真和郎図 から〳〵となく音はやはり我のもろこしかこに鈴むしのこゑなき石文 おさへんとはつみにこけしからんへは虫よりさきへなき出しけり清泉 かへ事なことみゆるをはないそか中になく大臣の松虫もなり 雨の夜に消ることりの音を出すは水や交りし油こほろきあ曽備 大きなる音をはるとてもてる月の邪魔にはならぬ庭の松虫糸路 棚経の僧も来る頃庭もせ子念仏半うさて鉦たゝき虫おなしく 琴の音の松魚のなく粉野に十三筋もひく蜘のいと 秋のよのかへにもいりて鳴つるは江滝がみし気つむしかも梅男 あさか山哥のはゝそのもみちはにいかてか虫の父となくらん浮丸 加五知章り馬追虫ものりてけり料にゆらるゝ竹籠の舟同出成 ヱイセン あはらやの庭に生たる姫百合にかりにも虫のすゝはをして あはらやの庭に生たる姫百合手かりにも虫のするくをして土木 仙タイ たておきさうしの紙をこしてなく遠さと小野の油こほろき草糸類 て事月の暮はかなくてとふ人のあしより消守庭のむしの音おなしく さやとなく野末の虫は夕月の石をしもみかけたりけん たないたの夜はとり分て虫ありたはせ子かはりて機やおるらん労久哥 立よりしけめうつりて照目の雪にをれか松むしの琴 おく露はをはなか袖に一たらし声のいろこるあめらこなろき双紙亭 相頼と半のけせしか月のあかきよにならいろゝりてなく菴志丸 一過ありといへるこはたの里なればくつとの虫の音をして聞サ一樹 朝かほはしほめとすり事夕くれはりんのかさなる鈴虫のこゑ繁方 汝声の拍子そろへていつとなく寒きひきひき出す重みなき文雄 すかぬるはゝその枝さとりつくはちゝよとねたるみの虫の声 目かけの邪魔にはならし松虫よくはいにはひこりなけ 庭になく画口虫をもみんとて駒下駄はいておりてこそみれ行道 あしかとの聞えつせんとわらはへは耳をおほうて鈴むしをとる さみせんの糸秋しけるはきの由に立世すにあやはり二三り三日勘 塞翁か馬追由のなくの人に人間方事わつれてそきく侭成 秋ふかみよさむになるを共にしてや雪打しづゝなくさかくに 近蔵の舟の内なる若笠原の波うつ野やこひぬらんおなしく てる目の雪にさなくておき初し霜にかれる松虫の声茂樹 同かけの霜子も声のかねざるはときの名ある庭の松むし むさしのにやいとの花のさきしす原子なきたつ諸書のこゑ ちりかわんを夜鷹かはもかけ出して一はいくわた鈴虫の声 原中の石の地蔵のむなつくしとりついてゐるなんまこほかき さひしさの上やりをしく一ツ家の壁によすから鳴きり〳〵に 過いにし夏の心やのこるらん今宵もつにすゝ虫のこゑ 下草の露のちふさをしたひ来てはゝかの森子虫のなきたつ ふりあはすをはなの袖やにく愛野になくは他生のゑんま陣金川 秋草のにしきそろへて西陣の機おるむしも京の着ふれ ふく風に猫の尾薄さわく時ころかすやうな鈴虫のこゑ 嘉多利 棚経の多く聞えてめのよは音をやすめら馬馬ゑんまこほろき腹成 なく音のすむ音に月の花より我も耳をはひき筵しけり蓬莱山人 もろこしかゑ子なく音は千里半てはしる赤兎の馬姫の事形の仲 針妙か部屋は餌飼の手もきゝて瓜を銕の鈴虫のかこ たのしみはこのうちにあり忠龍にひちをつけつゝなく蚕蓬莱山人 余宝の音をふり立てなく声におなしく耳をふりたてゝ聞 □□□□□□□ をとめ子かはひきやめて音にうよふ風の松平立てきく 心かけなき我身さへ軒になくくつわの由にめをさましけり千吉万 兵亭 十五 ふみまよふ 金亭 野道をしへよ おいゆく秋の なれもはや 馬道の虫 工工業 十三 山々の紅葉を空に 緑樹園 ふきあけてあらしも赤き あきの夕くれ アサフ 国字垣哥志久 もみちする時雨のちから しるしあつめ功にまうさは 五位の装束 竹籠をのきはにつれはこれも又月かんの邪雁になりし松むし十二 北頼 さきぬとてとひくる客の羽織より菊の花橋を前さかりなる 葛さきぬにてとひくる客の羽織より菊の花橋太丈さかりなる梅世 佛名のころまてのこれさく花にかつけ綿する房のしら菊 仏名のころまてのこれさく花にかつけ綿する庭のしら菊おなしく 院宣かむかしに庭の銭菊はかたへの掟にさきかゝりけり 兄の如飛ゆかねともしらぬひのつくし綿きる花のおとうこ 入声の文字としれとて目印の星をは花に菊やみすこん こゝろありて虫もなくらし垣枝には横手ねはんの夜かしら菊 枕より汝か名のほかしらをは手前へこして菊のみやさき 渕明がめてにし菊の花江うは酒つかはゝ事は生とこそみれ 若草といはれしものをいつの半にかしらに霜をおきな草さくき きせわたにひつゝめは秋なから星より祖師に庭のしらる角 なけなしの袷は質におく霜をいとうて見事なり南にきせわた なけなしの袷は彼かにおく霜をいとうて見て見は南にさせわた 菊かさね花の花やゐふならん糸をひく蜘針をさす蜂捨魚 とふ蟻のつはさの笛やきせゆらん葉まろむ事菊の上前 になしく おく霜の障碍もあらし日あたりに花の紐之大盤五菊五菊おなしく 花さき事かはらよもきは白露の玉にそひてもおされさりけり なれきつゝ枕を載るきり〳〵すはなちて菊の露を寸はせん 長生の七八百はのひぬへし茶屋かまうけの銭きくの花升成 似あはしき名さへ布袋の代聖菊大黒倉平や霜よけにせん とふ人のなしも次第にふへぬ事は銭といふ名の菊のさくす 山伏や僧のみならす俗まてもくりかへし其事大聖客有田 茶の花をりとる妹が身にかゝにて舞ふのくなるかんさしの蝶 鉢うる心の菊の露さへしたゝりてもやうの山のあひを流れぬ 花ひうの匙かけんにや喜生の薬となれる菊の下つゆ 年ことにてたる家や買入て株をふやしゝ銭菊のみな 岸辺なる南のかほりに昔をも思はてなみのまくらこえけり台笛 杵屋にはへんく草やらんほゝにをとる慈童の香角さく 十種香のかほりをきくの心又初て花におほへる妹かき 千年ふる鶴の巣かもの菊畑いたらき赤き花咲てみゆ妻枇杷丸 ゆふへにはすとみなしてまたはきは日の出るこ巻高角の真盛 いさくみて仙となりなん谷川の瀬枕こゆる菊の下水雀頼房 善生の学と菊の花ひらの千重百重こそ老の数より芳筆 初霜のおくゆかしとも花の春は包むにあまる袋菓代庵菊泉 針のやうにみえし葵の手入から骨をりしるき事の盛 百葉のてうとよい頃咲出てきくといふ名もよきくつり酒キブ樽恒 あらかねのつちかひしつゝ作馬草菓子又久からのあま障子うつ あてんの前に杖つき植木屋か輦子の事は解てふ菊サウト岩々翁 そのゝちへのこやなもてなかめけん白衣の人にへの香句緑樹園 雨露のめくみをうけてさく雨は花のかたちも夕事のさま染成 手入してつくれは匂ひ清浦か草子に名ある袋てふけ用李かス一郎 花の香にかせてくさめを留守りをしまぬといふ挨拶もめす 作る時くやしに入しほしかにてたりかとまかふ白きくのはな 香菊まかきのそいて月影にさしたる露の玉のかんさし 酒くさき頭巾とやみん石の綿とり出して菊にきせなは不美人 節句なりとゆあみる赤きぬる代石ひちにもかけて菊のまくむ 草の中の仙人としも菊の花あかき雪をはみするきせ綿亭武雄 ふみこのむ梅の花とは兄弟の菊は絵のけんにしられつ小雄丸 きて眠る胡蝶のはなにいれんとや紙捻よぬ菊の花にて ともに大いたらせしと上おほひして曽越菊の花ときそつ掻笠 袋菊の中に銭菊咲きぬれは酒沽ふ愁あらぬ花困阿曽備 什物の南京焼の皿の如手入しておくきせ綿のきく 石の如糊をも煉てつゝろひぬ石色の菊のま障子をも起義 せくの酒人にすゝめて菊の花がしらおもな垣の詞ふろ鶴成 林泉の為に来りし客もみんかの嚢中の銭雨の花アハ梅男 風鈴はからすおちてをかしきは短冊つけし浅草のそは 謹なる程とまのきせ残はしもかゝりをもいとふ成らん 大原めの黒木に流しも名来はしらありけるに露いたゝきぬ岩成 そのかほりはなを知せてこより菊ねたる物をおこす染竹甘木 なめてゝにて百とせも長生の前に加減のさち菊の元 そへ竹にふしをはこめて浄るりの五段につくる菊の花園おなしく すまひにはちゝる菊を枯木やに年理にまたさするの銭菊ス哥連男 長生の薬といへと子らはいむかの菊吸の虫もちのはあおなしく 菊見酒のみよくしたる生酔のかしらもおるき菊のきせ綿 舟形につくりし菊も一二輪杉のはしめにはしり咲せり紫筆好 剛明のこのめる風もかくやらん需てむすへる袖垣の菊 名によひし慈童の年のねならん七百の余も咲言れ菊 鶯の囀子ころに柱をわけて今月はすゝみゆるしら菊淡雲 されはとてむきことなりにのけんにすななくますはせに庭の皇も親民 香に酔てねむれる情のはな先へつきみみやうに咲こより南 ひとろ聞花によく目はつくものかこれも長者となる筆見草 寒からぬ月の雪にもきせ残を先いたゝくはは病草なり 霜よその菊にかふせし孤立は花のとまりのしる事なる也 やふれ馬油障子も秋来ぬとけしきつくろふしら翁の花 菊酒に酔てよろめく人にしも杖にやかさん花のそへ竹おなしく しれましとぬすめはあとにひきめたし穴の明たる銭菊の花下手成 よし霜の剱ぶるともこれはかり危き事はなきかふと扇足雄 庭守か手をつくしたる花相撲せきをとりたる秋の菊園帆柱 おきな草岩のはさるに咲出て風にしわよる思のさゝ波記義 馬たらひに影をかうつすさなはたの星ともまふ活花のあ 咲ならふ菊の角力や力あし雨子も負す横に柏もせす野有 薬なる露やなめけんこふたひに苦い顔す事雨の因守 よの中の相場もしらて生分してくるふもおかし浅菊の花 一鶯の生れし竹の秋づくは梅の弟のゆゑん人成らん 七えうの星子かも似る大輪の菊になますの釼集のみゆおなしく うつり昔も深しと雨の下水は命よりまつ手をの人ことむ 笑半けし花は布代石のふくろ菊つくるに物をいくらいぬは も気の子秋楽の翁草たら〳〵たらり〳〵しらつゆ梅 さかせつと手入自慢やゐ障子はなにかけたる所の因守○行恒 しら花子いとゝよはひをけへ竹の杖を九十九の髪とみそみれ四方成 同かきににかりをそへて秋風にほしのこほるゝ露のしらきく やり水もてゝの川石やとみ雨はかり星影かつす白菊の花鷹子 きば綿の頭巾手竹の杖つくは千とせの老をみす守る菊おなしく 酒にそみ詩に疎からぬ白菊は太白といふ星の化身か 北極の星にまかうてさく頃は動きもやらぬ菊の因守一曰九木 紀州に仏つく事あかに不足はみんぬ也紅はにいろと事秋のひてら東夷庵 山カ々 除福きて薬をとりし所二かねに秋は紅葉のてうあかもみゆ 5331 伊染使 八 染あけて 名はたか松屋又左衛門 同断 □□□□□□□□□ 申 一飼から松屋は □□ 鶴をそだてあけし 青木氏二の ねをおく蝉のおらび