柚珍祕密箱
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- 器土堂主人
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- 2026-08-17T19:23:22.649Z
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- 2026-08-17T19:23:22.649Z
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- 場所: 京都府
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- CC0
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- 器土堂主人
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- 日本語
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- 西村市郎右衞門等
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- 10010000026404
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- completed
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- ユウチンヒミツバコ
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- 東北大学
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- 2025-11-13T07:12:05Z
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- 10010000026404
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- 2026-08-28T18:53:25.651810+00:00
書名
新著料理
刊
所蔵者
(備考)
撮影
東狩引株平見
必密箱
申
所月
新著柚珍秘密箱
抽珍秘密箱
一一重…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………
万実料理秘密箱五冊
王子一しき新理川魚海うを
鳥類組合切方迄くつしく記
同玉子百珎戯立集
一冊
冊玉子一色こんだて組合花にへ
四季大こん立其外さま〳〵
大根一式料理秘密箱
一冊大こん一色に而ぜんふ一切のへ
料理かた並功かたをしるす
諸国
大根科理秘伝抄一
名産
柚珍秘密箱一冊
一冊
卅一軒めいぶつ大こん并なますの
古実附り作りものゝ図
一柚一色にてさま〳〵めづら
しき折理かたをしるす
一冊鯛一色に而百品につかひ分并にぜん部
周一曰尓科里二冊鯛一色に而百品は
さけのさかな庖丁の古実くはしくき又
鯛百珍料理ニ
柚珍秘密箱序
書肆亦秘察箱を携来りて。曰筥の
うちに一の書あり。行はるべきや否や
卜せよといふ元享利息〳〵ざゝり
此卦巽の風をもつて離の
火をあふぐ意あり。まさに
行はるべし又問何をか記したる書ぞ
萬寳料理秘密箱五冊
玉子一しき軒
鳥類組合切上
同玉子百珍献立集
一冊玉子一色こんだ
四季大こん立其
大根一式料理秘密箱
一冊大こん一色に而が
新理かた并切かた
入
諸国
大根科理秘伝抄
名産
二冊めいぶつ大こん并なますのへ
古実附り作りものゝ図
柚珍秘密箱
一冊
柚一色にてさま〳〵めづら
しき折理かたをしるす
鯛百珍料理に
紺鯛一色に而百品につかひ分并々ぜん部
さけのさかな庖丁の古実くはしく記す
柚珍秘密箱序
書肆亦秘密箱を携来りて曰筥の
うちに一の書あり。行はるべきや否や
下せよといふ元享利貞〳〵ざゝり
此卦巽の風をもつて離の一
火をあふぐ意あり。まさに
行はるべし又問何をか記したる書ぞ
一料理秘密箱○相序
答かたち円にして色赤し下卦は
巽の木なり。是果物ならん昇は
一喰もつを煮る器なり。象円にして
赤物衆類多しといへども。あまた
一料理に用ゆるものは。柚なるべし
また初支変じて乾の金也
卜書に曰去レ旧取レ新之象と
足手を尽したる料理の書
ならん歟。しかりまた問作者
の名はいかに。答上卦は火なり
下卦は木なり。是土を生ずるの
意あり。土にして象円きもの
さま〳〵あれども。料理にもち
ゆるものはかはらけ也と箱を
ひらけば一書あり。新著料理
柚珍秘密箱と題して作者
器士堂と書す
天明五巳のとしの冬
虚有山人戯書
四
新著
料理
『荒井恭信氏・歌城・
以テ購入セル竹澤博士
柚珍秘密箱
猶野事吉氏藩職畵
目録
二丁ウ
柚飯仕方一丁ヲ柚かん二丁ウ
三丁ウ
柚煮湯三丁ヲ抽ぞうすい三丁ウ
五丁ウ
四丁ウ
柚釜蒸類五丁ウ
柚釜蒸鯔四丁ウ柚釜蒸鯉五丁ウ
進精
柚釜とろゝ六丁ヲ柚まんぢう六丁ウ
柚松かせ八丁ヲ
巻柚七丁ヲ柚松かせ八丁ヲ
巻柚
料理秘蜜箱○柚目
柚せんべい八丁ウ柚みどり九丁ヲ
丸柚干九丁ウ花柚干十丁ヲ
高野柚干十一ヲ柚薬酒十一ウ
柚すり身十二ウ柚裏白十三ヲ
柚あられ十三ウ柚豆腐十四ヲ
柚砂糖漬十四ウ柚にしめ十四ウ
抽醤十五ヲ鼓漬柚干十五ウ
十六ヲ
柚一種吸物十五ウ手取吸物十六ヲ
柚一種吸物十五ウ
仝手取早吸物十六ウ柚ほくろみそ十六ウ
ひやくとらふむし
かやく入
豆腐蒸十八ヲ
十七ウ
柚千鳥
すい料理どんぶり柚酢の仕方十八ウ
柚てんふら十九ヲ柚田楽十九ウ
花柚吸もの十九ウ花柚鼓漬廿丁ウ
一青柚漬方廿一ヲ青柚吸物
一仝さとう漬廿一ウ青柚持用廿二ヲ
柚酢持用是は貯置テ料理ニ用ル具廿二ウ
早柚皷廿二ウ抽手取肴廿三ヲ
本抽翌年之土用ヨリ七月マテ持用
一米現秋密箱○相目
百柚薬湯功能之次第廿四ウ
以上
新著
袖珍秘密箱全
料理木玉秘密箱全
柚飯之仕方
一今年柚はなはだ豊年なれば。来年は猶いて
豊ねなるべしと。此書をあらはす。尤抽一種にて
吸もの。台引。丼もの。手取さかな。又はみそかけ
葛引もの。漬物。くはしるい。あるひは四季共に
用ゆる秘伝且薬にもちゆる事。其外さま〳〵
米理利蜜箱○杞
料理かた。百余品有之。まづ当冬の料理かたに
もちゆるため。秘書の中よりゑり出し爰に記す
扨此めしの仕かたは。十月の節に入たるを。大柚なら
ば。廿ほど皮をむき。白きあま皮を能すき取
但しすいふん
かならず
長さ五部ほどにせん切にする。但しすいたんかならず
水をつかふ事をいましむ。扨また袋の白すじを
とり。たねをさりて。汁のまたゝぬやらに。まな板
の上にてこま〳〵に切。すりばちに入て。よくする
なり。扨めしをたくには。新束の白担を。右
柚廿の所へ。壱升能々洗ひて。水を一刻がたひかへ
焚也扨黒胡麻を二合煎て右のめしにまぶし
文せん切の柚も入れ。杓子にてよくかきまぜる
なり。扨また上々の醤油を小抔に一盃半分入る
一扨めしぢや〳〵時に。右柚の味を汁とも上にをく
なり。すぐに火をひき。あらきをき火もとりて
此時に上々の酒を小さかづきに一はい。手にて打
一申候なり。此食は後だんの類。又は茶料理には
一だんよろしく候。此食第一。五臓六腑をあた
米理秘蜜箱○柑
ため。別して寒中に丸寝しても。此めしを食
するへは病いづる事なし。又こんきの薬なり
をこりには大妙薬也。又眼病のくすり。其外
いろ〳〵功能あれどもあら〳〵しるすのみ
柚かんの事
一寒中大雪の降前かたには殊の外ひゆる也
但し刃ものは
此時大柚を一つ。水にてあらひ丸ながら。
いむなり
手にて割喰する也。但し種は去るべし。うちの
白皮はさし合なし。朝夕一いづゝ喰する人は。いか
ほどかんじ候ても。身うちより汗出るなり。これは
五臓六腑ををぎなひ。内をあたゝめる事は人々
よくひる所也。本艸細目にくはしく見えたり
抽煮湯仕方
但し水にて
一大きなる柚を二つほど木取にして此
あらふべからず
釜の下へほりくべ。ぐるりの焦たる時。水五合に生
一塩壱合入るなり。此中へ右の焼たる柚をつけて
そろ〳〵とあらひ。新しき茶袋に入て。扨釜に
水を七合ほど入。此中へ入。四合か。三合半に煎じ
米理秘密箱○相
出すときに。茶わんに白さとうを少し入て。右の
一抽を入て出す也。これを喰すれば。眼のかすみ
たるを治し。又疝気のめう薬也。又は大々を右
のごとくにしても。せんきのくすりなり。是我家の
大秘伝なり。扨また気をつかひて。口中へ。こりて
鯰のうきたるに大妙薬也
柚ぞらすい仕方
一柚を四つ切にして。中の白皮をさりて。上々の酒
を随ぶんあつかんにして。此中へ漬。ふたをよく
して。暫らくして取出し。これもほそく五部程に
せん切にして。実は種をさり。板の上にてあら〳〵
こまかに切る也。これも大柚ならば十ほどに。右白
米の上々を五合。よくあらひ少しやはらかめに
仕かけ。ぢや〳〵時に。右の柚をみな〳〵めしの上へ
入。茎をとくとして。薪を引申候也。扨又上々の
白みそをかたずりにして。昆布だしをうすく
煮し。此みそをから〳〵汁にたて。煮かへし節
右の柚食を入れ杓子にて。よく〳〵かきまぜ
米理利蜜箱○柑
冬授たるもちのあられを。白く煮て三合ほど
入れ。焚火もをきも。みな〳〵引て。出し候せつに
丸柚の上に切口をつけ。汁をしぼり出し少しづゝ
入れて出し申候。後段には別して宜しきもの也。
これにも薬能いろ〳〵あり
精進抽釜葵仕方
一大柚をりうづの所より。蓋のつもりに切。はまぐり
貝にてやぶれぬやうにぐるりをすきとり申候。扨
此釜へ入れ候ものは。焼栗。木くらげ。是は
醤油にてあぢをつけ。五日ほどのせんに切て入れ
銀杏五つほど。小梅三つほど。しめぢか。松露か
なめ茸か。此内何にても一色入る。扨をぼろ豆
腐の水気をしぼり。すり鉢へ入。そろ〳〵とすり
此中へ醤油を少し入。酒すこし入。かげんは平皿
のかげんより。すこし辛めにする也。但上々の葛
但し此くずたくさんに
を水にてときすり合せ申候也但し
八日はあしくゝ
右かやく五色とも。抽釜へ入れる也。但し釜の中
ほどまで入る也。又右すり申候とらふ汁を入る
米我秘密箱○折
蓋はせずしてこしきへ入蒸申候。此はたに右の
柚のふたを入てむす也。出し候節に蓋をして出す
是は茶碗もの。又中平にのせて肴に出す。この
仕かたかけんものなり
魚類柚釜むしの仕かた
一これも前に同じ。魚は何にても見合夫ル。または
貝るいもよし。是ははむのすりみを和らかにすり
のべ。醤油か。焼しほにてかげんする也。又鳥るい
にてもいだんのさかなものなり
抽釜とろゝの仕かた
一是も右のごとく柚を釜に切。能々中をすきとり
しばらくあたゝめ酒に漬をき。取あげせいろう
一にてむす也。但しうつぶせてむす也。扨山の芋を
すまし汁にて。とろゝにする也。但し芋をすり候
まへに。生栗を三つ四つほど。わさびをろしにて。
をろし。すり鉢にてすりて。あとより芋を入て
よくくすり合せ申候但し右のすまし汁を少し
づゝさしよくすりて。摺ばちを炭火にかけて
米理利蜜箱○柑
扨右のむしたる釜を茶わんにうつぶせに入れて
上へとろゝをかけ。茶わんのふたをして出すなり
但ちやわんも。蓋も煮湯へ漬をきて。右のごとく
すかなり・さめではかげんあしく候。右柚釜ともに
食なり。これは手取さかなにてわさし
柚まんぢうの仕かた
一是も右のごとく中をとり。しばらく水へ漬をき
取あげ。雫をたらして。上々の陳来の粉と。上々の
一葛とを調へをき。白あんのまんぢうの。あんの
沢山なるをとしのへ。二ツ合せて柚釜へ入れ。さて
はたまはりには右米のこと葛とをつめるなり
まんぢうは也此ごとくに合せて入る也。扨益蔵
にてむし。よく〳〵さまして。小口切にして。取肴
一台引。其外いろ〳〵遣ひかたあり。但し柚釜の
蓋は二部ほども上るくらいにして。ごまの油にて
能々あげて遣ふ也。まんぢらは柚の切口ゟ立に入ル
巻柚の仕方
一大柚を二つに刻。中の実もあま皮の白き所も
米理秘蜜箱○柚
よく〳〵とりて。しばらくにへ湯につけ。又取出し
水に漬。ふきんにて水気をよくふき。薄刃にて
そろ〳〵とすきとり。又よき大岩茸を水につけ
能しめりたる時。是もふきんにて水気をふき衣
扨くずの粉にうどんのこを半分まぜにして。右の
柚の上へふりかけ。又岩たけをならべ。同じくふりかけ
ぐる〳〵と巻しめて。上をわらしべにてくゝりて
酒一はい。醤油三部一。水二盃入。そろ〳〵と煮申候也
但し醤油沢山なるはあしく候。よく蒸てとり出し
風に吹し。小口切にして氷り餅か。白さとうかを
かけ出す也。取さかな。重引産引。さしみ。さげ重
小皿もの。但からしみそ。ぬかたものにもよろしくゝ
又は小口切にして。火どりはしやげをきて。菓子に
出すもよし
柚松風の仕方
一冬に至りて。餅柚。花柚あり。此餅柚大なるを調は
山葵をろしにて。上皮の黄味ばかりをおろし。又
烏芋の皮を剥てをろし。此中へ柚のをろしを
料理秘蜜箱○柚
二部通りほどかきまぜ。醤油を見合に入。白さとらを
少し入よく〳〵かき廻し。うすき玉子鍋か。あんどうの
下皿をふき。火にかけて。右の品を入。能ならして。上へ。
精芥子をふり。上にふたをする也。能焼て切申候也。
しばらくはしやげて。手取さかな。其外けひかた前に
をなじ事也
抽せんべい仕方
一柚を竪に四つに切て。実をとくとすき取。酒に
漬をきて蒸なり。扨とり出し冷して。白さとうを
ふりかけ。薄醤油を少し引て。上々の葛をふり
俎の上にて。すりこぎにてそろ〳〵とたゝき申候て
せいろらに入。むしてはしやげ。ふちを丸く切とりて
板にはさみ暫しく押をかけて。平めにしてくせを
直す也。扨ぢよたんに入をき候へば。上々の茶菓子
但しむし候時に下に
なり。一だんよろしくゝ
わらをしくなり
柚みどりの仕方
一是も前に同じ。せんに切てくずのこ。白さとうにまぶ
しぢよたんに入はしやげ申候。いづれも右に同じ
米理利蜜箱○柚
丸柚干の仕かた
一これも抽釜にして。しばらく水に漬をき。取あげ
雫をたらし。ごまみそをすりて。半分ほど入る也。但し
うか米の粉を合す也。かやくは榧の小口切。麻の亥
此外見合に何なりとも入て。右抽釜に柚の蓋を
して。せいろうにてむす也。扨よき日に干をけは
翌年まで持也。但三四月過てかび申候はゝ。ごまの
油を紙につけて。くるりよりとくとふき申候へば
かび出申さず候
花柚干のしかた
これは人々のする事なれども。此仕かたは心安出来
候やうにしるす。餅柚の大きなるを五ツほど皮を
むき。白皮をさりて。又実を出し。汁の捨らぬやうに
こま〳〵にたゞき。すり鉢に入てすり申候。但白砂糖
を入てすれば。はやくすれ申事妙なり。此中へまた
白みそを二合ほど入。是もよくすり合。又うる米の
粉を一合入。上々の葛粉を二はい。酒すこし入よく
すりまぜ板の上に。うる米のこをふりかけ。此上へ
料理秘密雑○抽
右の柚みそを出し。粉をふりかけ。うどんをうつ
ごとく。すり木にてうすく打のばし。扨切かたはなに
なりとも。思ひ付次第に花にても何にても切りて
けしつぶをふりかけて。むして日に干なり。又色ざし
もよろしく候。これはすり合ゝときに。何なりともそめ
これはしやゑんじを
汁を入申候。赤はしやうゑんじを入る
しぼる湯に酒少し入る也
青は青どりの粉。黒はなべすみ。黄色はくちなしの
汁なり。右のごとゝすれば。花柚干三十匁ほどは此
うちにて出来申候
高野薬柚干之仕方
一是も右の通り之柚に。米の粉を入るに。これは寒
ざらしの粉を入る也。外の二色は右に同し扨よく
すりて此中へ醤油を二盃入る。是はむし候せつに
此柚みそを丸くか。長ふかにして。みそ豆の能煮
たるをあつ〳〵を。ぐるりとまぶし杉のはのつとを
こしらへ。此中へ右豆ともに入。釜の上へ釣置也
凡十四五日ほどして。取をろし中の豆をそろ
〳〵とはなしとりさり。扨柚みそは堅く成候へは
此まゝに又むし申候也。少し和らかになりくは板の
上にてすり木にてうどんの通りにのばし。扨
見合に切也。うつくしき壷か箱かに入をき候へば
取肴によし。大薬也此みそ豆を遣ひと事秘伝也
柚薬酒の仕方
一餅柚を木取にして。焼酎五合。美淋酎五合
合て一升に。大柚の木取をりうづよりとりひて
十ほど入る。是もよき壺に入。口をとくとして
上を渋盛にてつゝみ。扨人のふまぬ水気の
かゝらぬ所の地をほりて。此つぼの上へ。箱か四斗
樽かをかぶせ。上へも土をならし申候也。但しふかさ
三尺ほどに握べし。扨冬より仕込候へは翌年
正月末つかたに出し申候也。但し冬十月の節に
仕候へば寒節に出す。但しそろりと小口をかた
ふけ。柚のつぶれぬやうに酒を出し。氷りをろしを
少づゝ入てのむべし又はあたゝめ酒にしてもよし
是にぶし。肉桂。ういきやう。右いづれも粉にして
入。酒をあたゝめて飲ば。第一積気に妙薬也
料理秘蜜箱○柑
又は気をひらかす秘方也。残りたる柚をしばらく
水につけをき。くだけぬやうに。薄みそ汁にて丸
煮にして喰ばひゑ病ひによし。寒こして春
になりては大によし
柚すり味仕方魚るい
一柚釜の中の白き所を。小蛤貝にてとりて扨
鯛か。はむか。かれいか。何にても能らすり。少しも
水を遣はずして。柚釜につめ。上には些蓋を
して。蒸たるを又冷して切る也。台引。取肴
さげ重。さしみ。小皿。又茶わん。平。くわしわんの
るい。あつものゝつかひかたは。切たるをむして。をか入に
する也。又みそかけ。しき鼓も一だん也。但しもち
柚よろしく候。花柚はにがし
抽裏白之仕方
一大柚を竪に四つ切にして。中の白皮をよく取
しばしく。にへ湯に漬。取出して水気をよく
ふき。何のすり身なりとも。よくすりて右の
柚の皮の裏へうすくならし。のべ付て高低
なきやうにして。煮湯に漬。ふたをあけて煮
なり。上へうきあがりたるを取あげ。水へちよと
漬。取あげしばらく風にあてる也。とりさかな
台引もの。さげ重の組合。さしみ。小皿。いろ〳〵
抽聚仕方
一これも同じく。餅柚を竪に四つ切か。六つ切にし
あまはだをまきとり。白殿に二日二夜つけ
取出し紙にてふき。あゝれのごとく切り玉子鍋
但しあふらけ
こげぬ様に
なきやうにして
いりて。ぢよかたんに入。はしやげをき。茶くわしに
よし。又は取さかなのあしらい。さげ重。すましまい
ものゝあしらい。其外見今何にてもよし
抽豆腐仕方
一是も餅柚をうすくへぎ。長くせんに切。あつ湯に而
ゆで。暫らく水へ漬をき。扨豆腐を細くせんに
切て。湯のゆへ葛を少し入。常のゆどらふの通
にして。右せん切の柚を。とらふの上に沢山に入て
出す也。外のかやくは入ふし。汁はおもひ付次第
料理秘密箱○抽
柚砂糖漬仕方
一是も右のごとくほそくせんに切。あたゝめ酒に暫
つけをき。取上雫をたらし。黒さとうにつけ
十日ほどして取出し。黒さとうをとくとをとし
一夜外にをき。夜露にあはせ。翌日白砂糖に漬
申候也。是も三十日ほどには漬る也。久しくをけは
一だんの漬もの也。けひかたは。さしみ。さげ重。取
さかな。まいもの
柚者火染の仕方
一もち柚の実を出し皮ばかりを見合に切りて
酒にてざつと煮て。一度水にて洗らひ。薄醤油に
酒を少し食と煮る也。但し焚過ぬやうにして
さとらを少し入てよし
柚醤の仕方
一これも亥をさり。皮の所を小才に切。又は中せんに切
熱湯にざつとつけ。取上て暫く白さとうにて
まぶして急ぎ候節には。鼓に白ごまをすり合せ
是に焼架か。くわいか。若根かを煮て。小才に切入ル
料理秘蜜箱○抽
鼓漬柚干仕方
一これも竪に四か切にして。あまはだをすきとり
酒に一日一夜漬。翌日取出し。其侭むして鼓に
漬る也。凡八日か十日ほどにて。取出し能天気に
干なり。但し下へ草をしき。其上にならべて干
候へば早く干がるなり
抽一種吸物
一これはすまし汁のかげんよくして。柚のふくろを
此所を切。袋をひつくりかやし。吸もの椀に
三ツほどさきへ入れ。前書にある鼓つけの柚を
見合に切。煮て一つ入也。汁はからくなきやうにして
一少し葛を引もよし
一手取吸もの
一かきもちをこげぬやうに火どり。塩あんばいの
汁を煮し。右かきもちを小角に切。二つほど入レ
其上へ汁を入る也。扨右にしるす柚の袋をひつ
くり返し三日ほど入。すぐに蓋をして出す也
酒のうへにては一だんの吸もの也
井里必聚箇○細
一仝手取早まいもの
一これも前のごとく袋をひつくりかへし。扨上々の
葛にまぶし。湯を煮し此中へ入。二度ほど煮
かへし。すぐに吸ものわんへ入れ。右ゆでたる。湯に
ぬかみそを少し。白みそを少しと入。煮あがりたる
時にいかきを中へ入。さくしを入。汁をすくひて
まいものわんに入出は。但し柚は二つ入にして出す
吸口はなきがよし
柚ほくろみそ仕方
一餅柚の皮をむき。中の白皮をさり○此くらいのに切
に切て一夜。鼓に漬をき翌日取出し。卵鍋にて煎
此間に上々の白みそを能すり。酒にてのべ。右いりたる
小才の柚を此みその中へ入かき廻し。竹のくしを
細くけべり。其さきにてはさみ出し。又たまごなべ
にて。右まぶしたるみそのこげぬやうに。よくいりて。
はしやげに入をく也。遣ひかたは。湯どらふのかやく
湯ざらめんのかやく。吸口。二の汁のかやく。茶わん物
あしらい。さげ重物。どんぶりのしたし物にかけ出すよし
柚千鳥の仕方
一柚の皮ばかりをこま〳〵に切て。すりばちにて。よく
すりて。白みそを入る。但しみそ一合あらば。大柚の皮
十ほど入。又うる米の粉を五勺入。又餅米の黒を五勺
これは少しいりてよく粉にして。二色合て一合なる
是を柚みそによくすり合せ。細き棒にてせんべいの
厚さにのべ。哥がるたを二つ切にしたるほどに切て
一せいろうにて蒸て干申候てはしやりに入て。其まゝ
にてつかひ申候。取さかな。さけ重茶ぐわし
柚かやく豆腐煎
一もち柚の大なるを。柚釜にして。中をよくさらへて
かやくは焼栗の油あげ。平麩小線あし付て。木くらげ
こま〳〵。椎茸小線あぢ付て。川牛房小口切か。せん切
これもあぢ付て。銀杏二つ切。此分見合に入れて
をぼろとらふの水気をしぼり。葛を少し合せて
柚釜に右のかやくを入て。とうふを入。こぼれぬ様に
むし申候也。茶わん物には。上々の白みそをよくすり
酒にてのべ。炭火にてあたゝめ。茶わんに柚釜を
入て。其はたへみそをかけ出す也。風味格別手取
料理。大まい料理也
推料理丼柚酢
一柚の皮をむきさり。実を三つほどに切。種をさり
どんぶりに入。をろし大根の水をしぼりて入る也
扨魚類ならば。花かつほを入る也。扨醤油に酒を
少し合。その上へ柚酢をしぼりこみかけ出すなり
一だんの手取さかな也。又はかぶらくきを。うすく切りて
をろし大根の替りに入るもよし。其上へ柚酢を沢山
かけ出すなり。鉢はどんぶりがよし
袖てんふらまい料理手とりすいもの
一もち袖を厚さ二部ほどの輪切にして。たねを
さり。どんぶりにうどんの粉を入。酒と水とにてねり
合せ。これを。右輪切の柚にぬり。ごまのあぶらにて
但しあげすぎては
あけ申候
あげ申候但しあげすぎては扨小皿に二ツほど入て
あしく候
をろし大こんをかけ。又柚酢をしぼりかけ。其上へ
醤油をかけ出す。又は精法みそもよし。一だんの
まいものなり
柚田楽仕方
一餅粕を厚く精切にして。せいろらにてむし
竹串にさし。一度火どり。白みそをよくすりて
ごまを入。酒にてのばし。又は柚みそもよし但し
長芋をゆで皮をむき。右のみそにすり入申候て
つけるもよし。これはみそのあぢをかるくする為也
けひかたは。台引。中皿。取さかな。其外いろ〳〵
一花柚吸ものすいりすりすいもの春の末つかたに
一これは春の末より出る。花柚也。其せつは吸口には
すれども吸ものにはめぐらしかるべし。是は清しまい
もの也精じんならば。秋の末か土用に漬たる茄子の
香物を厚さ二部ほどの輪切にして。手にてよく〳〵
しぼり。何べんも水を替洗ひて湯にて壱度
煮かへして。これをすましの汁にて煮。葛を少し
引。是をうげくずといふ也。是は口中さはりのよき
ようにする也。これに右の花柚六ツ七ツほど入出す
又魚類ならば。はむのあられか。糸切あわびか。むき
蛤か。しゞみか。花がつほか。此外見合にけふへし
花柚みそづけの仕方
一花柚を半紙につゝみ。三年みそに漬る也。但し
冬までかこへば。半紙二枚につゝみてつけるなり
扨土用に入らば。地を三尺ほど堀て。漬たる
壷を埋み上に木ぶたをとくとして。土をきせ
をく也。但し水のかゝらぬ所に。うづむべし入用の時
取出し申候。すいもの。汁。平皿の吸口に遣ひ申候也。
青柚漬は人のする事なれども。花柚のかこひ
かたは外にしる人なし
あをゆつけかた
青柚漬方
一小なる柚を廿ほど切。是に塩一升合せ。青柚の
小きを三十ほど漬る也。但し右一升の塩に。水
七合ほど入せんじ。さまして漬る也。但しかこひには
青柚の葉つきを漬るもよし。有柚をつける事は
まへ〳〵よりあれども。むつかしく候。是はずいふん〳〵
心安きつけやうなり
青柚まいものすい料理の仕かた
一五六月の比の小柚を。うてな際より中ほどまで
竪に四つ切か。六つ切にして。半分は丸ながらをき
うどんの粉に米の粉を少し合。水にてとき合せ
右の柚を入れかき合せて。ごまの油にてざつと楊
赤みそをうすくして。吸ものに出す也。すい口には
青柚をへぎて出す。塩かげん也。しやうゆう少し
入れてかげんするなり
青柚さとう漬
一青柚を四つに切て。煮湯につけ。冷して黒砂
糖に五七日もつけ。取出して白さとうに漬る也
但し黒さとうを沢山につけるはあしくり。今に而は
さとうづけのるいは。みな〳〵黒さとうにわたして
白さとうへつけるなり。これは漬ものゝ。あくけを
とるためなり。白さとうには。久しくつけるほど
よし。つかひかたは。さしみ。とりさかな。吸もの類
此外何にても。思ひ付次第につかふへし
青柚持やうの事
一六七月の末つかたに。青柚の小なるを。渋に漬て
梅をすりくだき。しぶの中へ入れて。青柚をは
つけるなり。梅ぼしを入る事は塩の替りなり
色青くなる也。此清かたは大秘方なり
柚酢持用之事
一寒に入て大柚を木どりにして。つぼを持ゆき
右の柚を四つ割にして。汁をしぼり込又木取の
柚を三ツ四日に割て。其中へ入。煮梅を見合に入る
一なり。柚酢は貯をきてけひかたいろ〳〵あるなり
料理のせつ。何にても思ひ付次第につかふ也
早柚みそ仕かた
柚釜に胡麻みそを入て。かやくはおもひつきに
入れて。釜の尻へ紙をはりて火にかけ焼候へば
はやく煮るなり
柚手取肴
一柚を十二に切丼に入れて。上に太白のさとう
を入て。ようじをそへもり出すなり。一段の
さかなものなり。但し皮ともに切る也。
一本抽翌年の土用より七月まで持用
一此仕方は今日本国中にて。一人もしる人は
なし則天明五年まで。するへなき所。此たび
西村氏より。此柚の書を望むにより此秘方を
あらはすものなり。是は箸丈家の大秘方なり
新煮梅の漬たるあんにくを調へ。此中へ冬の大
柚を漬る也。是も花柚はあしくゝ餅柚の葉つきを
木どりにして外の塩は入申さず煮梅のあん斗
にて漬る也。扨翌年五月末より出すなり。たゞし
水にて一二度あらひ遣ひ候へば出来立の柚の通り
にて御座候。但さとうをかけて出す。又はすましの
吸ものに一だんよろしく候
百柚くすり湯の方
一花柚にても。本柚にても。おどりにして。柚百ク
生の青木葉三百目。干たるにんどう百目。こん
ぶの場一合これは昆布屋にあり扨湯を立候て
右の薬味を入れて焚申候なり。これに二十
八品の功能あるなり。第一ひゑ一とをりによし
女の帯下に即功あり。または男女五痔脱肛
には別して内をあたゝむるにより。いたみをとめ
忽ち。肌もんをやはらげ申候。さてまた小児の
夜尿によし。其外さま〳〵切能ありといへども
こと〳〵く書しるしがたし
柚珎秘飛箱大尾
天明五年乙巳初秋
2532
東都通本町三丁目西村源六
大坂心斎橋順慶町北え入丁柏原屋清右衛門
伊州
内神屋三四郎
平安東洞院通二條上ル町木村吉兵衛
同堀河通六角下ル町中川藤四郎
同堀河通錦小路上ル町西村市郎右衛門
忽ち。肛もんをやはらげ申候。さてまた小児の
夜尿によし。其外さま〳〵功能ありといへども
こと〳〵く書しるしがたし
柚珍秘密箱大尾
天明五年乙巳初秋
2532
東都通本町三丁目西村源六
大坂心斎橋順慶町北入丁柏原屋清右衛門
伊州
内神
平安東洞院通二條上ル町木村
同堀河通六角下ル町中川
同堀河通錦小路上ル町西村
一同一番組組