劍法撃刺論

creator
荘司健斎
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2026-08-17T19:23:22.651Z
updated_at
2026-08-17T19:23:22.651Z
field_notes
場所: [書写地不明]
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CC0
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荘司健斎
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日本語
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[書写者不明]
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10010000037097
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ケンポウゲキシロン
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東北大学
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ケンサイコウホンザッシュウ
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2026-01-09T15:21:52Z
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10010000037097
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2026-08-28T18:53:25.651810+00:00
書名 写 所蔵者 (備考) 資料番号 撮影 撮影年 剣東健伊 東令 里 月 辻2 健斎稿本雑集 ◯□□□ 四 216 置甲甲 特別 剣法撃刺論完 3121 TEEE 東北南国太学園書 けんはうげきしろん 威奪白且気本紫帆 見之潰状心無際 触之安然無之実然 撃剣之詞 一同三十一日一戦の事 一練気養心の事 成奪有凶気本紫帆一 見之潰然無職レ累 触レ之実然乍 □□□□□□□□□□□□□ 撃剣之詞 3121 ESEL 剣法撃刺論 目次 一性は以て明なるべき事 一形は元有てなきといふ事 一仕会に可打塩合の事 一心気力一致の事 一練気養心の事 剣法撃刺論 性は以て明なるへき事 一夫壮夫の剣を学ぶの術は事理の二ッにあり事の 一根元は理を知を以て初めとして学ふべき也根元を 一しらずして学ぶを盲剣といふ熟し得たりとも狼戻 一暴戦のたぐひにして心術の剣法にあらす又理は天より 一稟得たる本分なり能々会得すへき事なり是 一則天地造化の妙用にして人々因具したる所なり 一理は根なり事は枝葉なり本末明ならされば 始終全きこと不能也天地の一元気人に具足する 時は心性といふ此心性の根元明かなるときはアハ枝葉 随て繁茂す其意を平日究得すれば終に発 一違悟得すべし自性は元来無形の物にてさとし 得かたしといへども天理を分割する事也天理心性 一明なるときは気も又勇猛也気勇猛なるときは 一耳目自分明なり耳目分明なる時は四肢自神速也 一四肢神速なるときは剣法撃刺の法も又鋭疾なり 一業鋭疾なる時は心体動止自由自在にして一塵も 隙るものなし是元寂然として不レ動処より生ず 乃仏家に所謂是不動明王の智なり然るときは 一世界に恐るべきもの更になし是則生死の堺を離たる 一人潔といふへし亦喩を以て謂は心性は軍師也四肢は 衆兵也意は吏将也眼は斥候なり心性の軍帥愚昧 一柔弱なれば手足の衆兵恐懼して進歩すること不能 一付の役目又真疑を辨別することなしこの罪 軍師一人に帰す一心の軍帥明哲なれば四肢衆兵命を 一抛て進み殊に勇敢なり去ば試会に望んで心定ら ずして勝は暴戦の影にして可レ賞に非す甚敷に 至りては我意につのり果は勝負を争ひのゝし るに至る是狂夫なり天理の冥筌をかすめる 罪人なり豈心に愧さらんや反り求めて已に 一検して学ぶへきことや 形は元有てなきといふ事 一形は元無形なり太極は無極にして尤妙理也 一水は方円の器に随て形を生ず去とも元無形 なり撃刺の法も又然也初心の内は構といふ 事を専として業の遣方を教諭するなれども 一元構なく形なきに至る扨構といふ事挙ていへば 一上段中段青眼下段脇構逆構霞陰陽の楳流流 多けれは夫〳〵究るに暇あらず是を分割して 一教示することなれど根元は形なきにあり若亦 一鬼れる形あらは寔の剱法とは謂がたし軍法も 又然也魚鱗鶴翼雁行鉾矢鸞月衡振五行八陣 一相懸侍備一二三の備左右殿廻備九一ノ格獅振舞 一常蛇長蛇などゝか也〳〵流法に因て名は異とも 一元是も形ありて無が如し如何となれば敵の変に 依て形を生し又は敵の実否を窺て変ずる者也 然るを其理をしらずして形はかりを作て変化の 一理にうとき者あり俗に云仏作て魂入ずといふと 一同説なりたとへは今何時後口よりか又は左右ゟか 一奇兵の難あらば頭変て尾となり右変て左となる こと兵家の常に可レ嗜事なり是を未萌の変動 といふ也故に必す敵に因て形を生ずることなり 一譬は将棊指ものゝ手に駒歩あるは奇也打駒は 廻し備伏覆の兵也刀術も又然り形法の遣方 一伝刀の類といえども皆定跡の駒組と均し去れば 一形有て無に同じこと也其理を覚知して自然と 一熱し得て其期に臨て業せずして業する業を 誠の業といふなるへし唯手足を慣しおきて 一理にさとれば極秘に至る近道なるべし古人も 一奇正は敵にあり虚実は我にあり応変は双方 一の至臍にありと云り豈格言にあらずや 一試会に届ておべき塩合の事 一双方相対して仕合に望むに無尽の変動生ずる ことにて黙中侍詩中懸を覚知すれば恐待一致に 至り業熟して理に至り理究て業に至るときは 一業理一体に至る劇のごとく神龍の至済に通行す れは打にあとなく出るに形なく所謂九天の上 一九地之下に出入するがことし斯無念無想の場には 一音もなく臭もなく鬼神も窺ふこと不能也譬は 鏡は物をうつす故に心にたとへ心鏡と云向の心を 蔵 鏡にかけて見れば打るゝ事なけれどもうつす 心あれば寔の心鏡とは謂がたし寒山の拾崎に 送る心持を古歌に〽はらふべきちりもあらぬに 一其箒もつは心に塵のおりてか一捨得の心を又返 歌によめるに〽はらふへきちりもあらぬといふ ちりをはらはんための箒なりけり」と面白 問答にていまた無念に到らぬことをいひし也 鏡と云ものあれば鏡といふ物あり依て移る べき鏡なはしてうつるこそ誠の心の極意 なかけれ古歌に〽移るとも月は思はず 移すとも水もおもはぬ猿沢の池」是名人 上達罷位也扠向上をのみ論して門人に教諭 すべきに非ず依て常人目録以下の者へ敵を 一おべき塩合を述てしらしむ如何なる処を 一塩合と云なれば常人の仕合は必起り顕れ 一打べき塩合有レ之なり敵の実をさけて虚を打 べし次には敵の起りを打へし次には狐疑をおへし 一次には居付を打べし次には懸り口をうつべし 一次にはせかせて打べし亦仕合に望むに八箇條 敵の心をうごかす事 の法あり一曰敵の柱を見て可建事二ニ曰敵の 一位を見て可レ遣事三ニ曰敵の癖を見て可レ遣事 立合の所 四ニ曰敵の起頭を心て押て可遣事五ニ曰敵へは 一遠くして我よりは近く可遣事六日敵を釣出し て可レ遣事七日敵強く守は虚実を以て可レ遺事 八ニ曰敵手元強くは不レ披して可遣事是を兵法 に敵強は二三にて可然といふ惣て引切こそ大切 なれ兵法にも敵を切崩とも芝居をこほすこと 一勿れ亦敵を追崩とも引揚る場をしるべしと いふ深く思ふべき事也 心気力一致之事 称周作 は一派を開給ふ名人 予が師千葉先生 諱成政 にて衆人所知なり先生の語に心気力一致宜 仰置れたり予浅学なれども九牛の一毛を 解す元来心といふは人〳〵天より稟得たる ものにて如何なるものて其趣をしる人稀なり 有が如く又無が如く故に蜷川の妻のうたに 〽麻糸の長し短かしむつかしや有無の二ツに いつかはなれん」と有無の外にある事を知 もの甚稀なり又或人曰〽行通ふ船に都の こと問ばいふにいはれぬおもひなりけり」と 一要鑑抄にも形にあらはれす香ざほにうつ 路はされどもいたらぬ堺なふして常にいます いとますして誰あり是をさして天命の 又桜木を切りても花のなきが如しうたに 〽年毎に咲や吉野の桜花木を割て見よ花の あるかは」又或人云心ハ有と云又或人云無と云 是皆葛藤の一色篇の見識なり孟子の放心 一を承むると曰へけるは本心に立返り道を修せよ との教なり猫か犬か馬を飼畜やうに縛おく 一やうに鬼国なる事にあらず日夜朝暮わが 一本心をしらずして居る者多き取に割仰せ 置れたり毛より自得して外に求むへき にあらず人心惟危くとて人心の私は元より 一曇多して青天白日を見るに及さるや 又気は体の充なりとあり心の将帥に随て速に 動く士卒也心の将帥堅固なれは満体の士卒 も号令に随て一同に働かずといふことなし若将帥 一柔弱なれば士卒応して号令を用ひず忽 一敗北に至るなり是心気一致せさることあたはざる 一證據顕然たりたとへは将棋さずハ心なれとも 将棋盤のはしを叩きながら処は九重のと謡は 一気にして心の余なり此気と云ものは早移して 一宜なけれとも心は気に随て動ものと可レ思深可考 又或人説に夫天地の大なるや理気の二ツに出ず 一四時の運行やまざるものは気にあらずして何ぞや 其然る所のものは理にあらずしてなんぞや人此 理と気とを稟て天地の間に生れて気の精 一爽なるものを心とす而して理其中に賦す人の 一知覚運動は気にしてその知覚運動するものは 理なり人常に誠意正心を以て此気を養ひ育 ときは則神旺して理いよ〳〵明なり正大光明 のきつめ天をさゝえ地をさゝゆるに至るいはんや 己を防ぎ人を制するものにおいてをや 一此件に論ずるは天地の一元気のことを云前件は気の 心に随て敵の未発をしることを云見る人混ずへからず 力と云ものは気の通ふ処に随ふてあるものなれ ども充ざる時は弱く充る時は強く気息呼吸の 臍下に満亘る時は一毛髪に至る迄力の充ずと いふことなし世人勇と強を扇す強は体にあり 勇は心にありと思ふべし 一註日此力といふは数年稽古 の上竹刀の切御先きまても 満亘りたることをなり是を業より出る力といふなり 心気は理なり力は業なり是又車理の二つにあるほり 扨この気力別れ〳〵なる時は剣法の用辨を致 さずたとへば炮薬の如し硫黄白硝灰と別れ〳〵 にある時は勢至て弱く三品合法する時は勢ひ 当りがたく天地も震動するに至る是合法の 一力ならずや心気力も又同し力余りありても 心気別れ〳〵なれば又用辨なしかたし 孫子の兵勢の篇に在がごとし一致ならされば 一全勝を取ことかたし間に不容髪と云も心気力 一致の謂なり石火の機といふも心気一致の謂也 一敵の未発の機をおも心気力一致の。謂なり。 一又猫の鼠を捕も心気力一致の端なり 練気養心之事 一夫練気養心の法は是剣治の興術にして必ず学 べきの一事也予弱年の頃八州を遊歴せしに 一中村一心斎と暫く剣友となり相交りたる也 一心斎朝暮内観の法を修す予又これに随て 一学び得たり又或時道人の隠者に逢て又其法を 一修す是皆諫心養丹の法也其后又或書肆にて 一夜船閑話と云書を得たり是又気を養ひ長 一生不老をいたす説なり故に予これを学ぶこと数 一年頗る力術の補助となれり依て其一二を挙ぐ 一夫内を守るの要用は元気をして一身の中に充 一塞せしめ三百六十の骨節八万四千の毛竅一毫 髪はかりも欠飲の処なからしめんことを要す 内に入を専とし 又曰端座黙然として出入の息を数へ 外に出を少にすべし 一息よりかぞえ十に至り十より数へ百に至り 百より教へ得て千に至て此身九徳として此心寂 然たる事虚空とひとし此の咄なること久して 一息おのづから止る出ず入ざる時此息八万四千 の毛竅の中より雲蒸して霧起るがことしと云々 又曰凡生を養ふ要は形を疎にしかず形を錬の 一要は神気をして丹田気海の間に凝しむるに あり神凝ば気聚り気聚れは則真丹成る 一丹成る時は形固し形固き時は神全し神全時は寿長 し又曰一身の元気いつしか腰脚足心の間に充足せし め臍下瓠然たることいまだ篠打せざる鞠の如しと云〻 一如此気息満直る時は一毫髪ばかりも欠缺の処なく 一勇気日頃に百倍すべし是勇を養ひ力を増し又 一憶病心あるものはいつとなく失しめ更に長寿せしむ るの術也されば寒暑も侵すこと能はす蜂蟲も毒 すること能はす是心を臍下に落し付て心の転動せざ る要術也精神内に明なれば気随て静也気静なれば 一敵の動静我方寸の中に顕然たりされば真剣の仕 一合たりとも平常心の場合に至べき也釼法は技芸 なれども其要を修する時は天地に充て生れ天地に 一後れて死せざるの理を悟るにし其功験の遅速は其 一人の修練の精麁にあり忽せに思ふことなかれ 附言 武を弄し文をおこたるは全体を知らざる故なり己れが 一芸にほこり彼をなみするは智の及ざる故也寒器を恐 れ業に怠るは充己をしらざる故也相打の勝敗を不知は気の 勝と業の勝をしるざる故也長剣と雖剣を争ひ論ずるは 一得失利害をしらざる故也稽古する時と閑暇の節と別て 一に思ふは平常心をしらざる故也素肌勝負と戦場の 一試合同様に思ふは場合をしらざる故也真創と稽古の 時と腹のかはるは心の不レ治故也能々宛得して深可学こと也 剣法撃刺論畢