精神教育資料 提督の最期(六)
- AI summary (β)
- 要約: 山口司令官が艦長に代わって訓示を行い、全将兵に対して天皇陛下万歳を唱えました。司令官の態度は冷静であり、全将兵の感激が強く感じられました。戦場の中で軍艦機が降ろされ、全員がその決意を理解していました。副長は国に留まりたいと申し出ましたが、艦長は船と運命を共にする決意を示し、他の者には許可しませんでした。山口司令官もその決意を固く持ち、無言で示しました。この日、山口司令官の冷静で毅然とした姿が印象的でした。
- pid
- 3573240
- date
- 0000
- note
- 商品番号 : 100744, デジタル変換後ノイズ除去 : なし, 記録
- year
- 0
- genre
- 文学作品以外の朗読、解説
- creators
- 大本營海軍報道部課長 海軍大佐 平出 英夫
- duration
- 211
- persName
- 大本營海軍報道部課長 海軍大佐 平出 英夫
- publisher
- ニッチク
力強い後尾でありました。
艦長に代わってすぐに山口司令官が台上に立たれました。
ただいまの艦長の訓示にすべて尽くされたと思う。
私からはもう何も述べることはない。
お互いに豊国に生まれてこの戒心の一戦に遭い、
いささか本部を尽くし得た喜びがあるのに。
みんなと共に球場を擁拝して天皇陛下万歳を唱え立てますいたい。
司令官の声にも態度にもせいぜいと少しも異なるところは見られませんでした。
ただ無言不動のうちにも全将兵の列を貫く強い感激のうねりは目にも見えるほどでありました。
誘爆のものすごい音響の中に、獣王にひらめく猛烈の中に、
その豪音も熱憤を裂けるとばかり万歳を奉祥し終わりまするや。
航空艦長はさらに大声で礼しました。
今から軍艦機を降ろす。
全員不動の姿勢に燃える感情も震え、
終葬たる軍旗の前に烈火も熱憤もありません。
やがて金が与のラッパ水槽降りに、
我が軍艦機もまたなお戦場の空にトロモランと寝ごうか、
礼あるもののごとく赤き月の夜空を両領のうねに惹かれて降りてまいりました。
将棋も共に降ろされました。
仰ぎ見る全員の表は何だに群れざるはありません。
この時すでに総員は山口司令官各艦長の決意が何辺にあるかを推察していましたので、
副長は各課長を集めて共に国に留まりたいと申し出たのであります。
艦長は玄関に行けない。
それはいかん。
自分は船の責任者として船と運命を共にするの名誉を担うものであるが、
他の者は許さん。
重ねて言う戦争はまさにこれからだ。
諸氏の終戦に待つ百難の戦場は果てしなくあろう。
諸氏は今日の戦勲をよく将来に生かし、
一層強い海軍を作ってくれ。
敵米英を完膚なきまでに叩き潰せ。
いよいよ奮戦努力してもらいたい。
この申し出を厳然と収束。
さらに司令官をかえり見て申されました。
司令官、ご体感ください。
これに留まるは一人。
副将官庁の任にあります。
これに対しまして山口司令官は、
いやとも言わず、しかりとも答えず、
ただにっこり頷いたのみでありました。
眉の色、態度、既に固く、自ら信ずるところを持して、
頼り動かずによしなきを無言に示しておられたのであります。
この日、終日環境にあって、悠々常に迫るなく、
一生すれば旬風を生じ、一礼すれば終葬の元太郎を思わすのがいは、
実に山口司令官の英姿そのものでありました。