花鳥風月仇討話
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- 歌川文治畫
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- 2026-08-17T19:23:18.081Z
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- 2026-08-17T19:23:18.081Z
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- 歌川文治畫
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- 日本語
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- 10010000014455
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- カチョウフウゲツアダウチバナシ
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- 東北大学
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- 2026-08-28T18:53:25.651810+00:00
式亭門人
花鳥風月仇討話式席
女俠天神髷お吉
花鳥
風月
仇討
古前後
六冊
任俠朝比奈五郎兵衞
文化巳
己春萌兌
自叙
僕式亭の門に入て。戯作者
画人歌川文治
の席をけがすといへども。営生の
繁多不おはれて。半日の間隙
を得ず一日典舗の帳箱に。
久松もどき居ねふりのいとま
〽当年も相かはらず
三馬作のよみ本
がふくみて品く
諸方はん元より
出板御ひいき
御ひやう
はんを
ねがひ
盧生が夢の肝膽をくだきて
奉り
ます
前篇後編六冊を。一荷に
吾嬬織
擔ふ野崎村。急作ながら
角継大全
しるすといふ
三馬門人
益亭三友
全八冊
三馬作
国貞画
板元西宮新六
女俠天神髷お吉
花鳥
風月
仇討
古前後
六冊
一任俠朝比奈五郎兵衞
文化巳
己春萌兌
自叙
僕式亭の門に入て。戯作者
の席をけがすといへども。営生の
繁多不出はれて。半日の間隙
を得ず一日典舗の帳箱に。
久松もどき居ねふりのいとま
画人歌川文治
〽当年も相かはらず
三馬作のよみ本
がふくみて品く
諸方はん元より
出板御ひいき
御ひやう
はんを
ねがひ
盧生が夢の肝膽をくだきて
奉り
ます
前篇後編六冊を一荷に
吾嬬織
擔ふ野崎村。急作ながら
角艇大全
しるすといふ
三馬門人
益亭三友
□□□□□□□
全八冊
三馬作
国貞画
板元西宮新六
○花崎蔀
□□
□□□
光陰のやよひは花の一月寺
ほろ〳〵雨も風も御む用
吾了軒摂考
○雁家雲平
も
〇
、
□□□
ま
小此田の麦をあらしてしのゝめる
何くはぬ顔にいそく誰かね忠孝二字守
○契情空蝉
硝子をさかさにしたる風鈴に
市川中車
うつくしよしと蝉の音そする
○郡山治郎作
元代
七五三三
し
さし
影法あは身に流ぬることくにて
豫譲をふくむ月のさやけさ彼廼屋豊
式亭三馬謹曰
乍憚口上式亭三馬謹曰
東西〳〵高うはござりますれども御めんのかうふりまして
世界のお子さまがたへ口上をもつて申上奉ります草ざりし合巻御ひ
いきとござりまして春とに御にぎ〴〵しう本屋のみせへ御出のだん
板えは申におよばず作者画工いかばかりか有がたい仕合に数奉ります
したがひまして此たびみじゆくなる松門人に益亭三友可申越作者
敵討ものかたりの新作御らんに入奉りますまことに初舞台御目見え
の儀にござりますればお目まだるいがちにござりませうズその段ないらへ
にも御こりたてとおぼしめされ御ひいげ御ひやうばんのほどをひとへに
奉希ます次に題川豊国門人当年十五才にて文治と申画工
これまたすゑ〳〵は大たてものとなりますやう御ひいき御とりたての
ほとを奉希ますそのため口上ひよくり〽これはまゝをくゞるこはいろ
とうざい〳〵
ITITETTITETE
S
欠部
S
のこかさに去年来し
りもさきをあらそふて
かへるその
うちに
つれなく
一羽かすみの
ころもに
いてついりつ
こしぢへいそぐ
ありさまを
保
よしのり公かさねて
うん平にのたまひ
けるはなんち
いまだ
れん
なれば
はるかに
このうへは
よしのり公
こらんありて
やす太夫を
師とものみ
たれかある
しやしゆつを
あのかりかねを
はけゆへしと
ゐとめよとおふせのしたより
かしこまつて候と弓矢たつさへ
たちいづるをみな〳〵たれやらんと
ありけれは
てや云平は
せきめん
これをみるにすなはち一家中にしはんと
たのむかんつかからん平といふものなりよしのり公はさらなり
ありあふ人〳〵いかにと見る夫に弓矢をつかひきり〳〵とひきしほり
さつてはなせばこはいかに矢はそれてこすへのはなをちらしけれは其
よしのり公大にいかりたまひ師たるものゝわざにあらすとはづかしめ給ふ
をりから御そはにありし花さきやす太夫まかりいてゝやう〳〵そのばをとり
ことおんひんにすすまきやす太夫まかりいてゝやう〳〵そのばをとりな
とことおんひんにそすませける此をりからまた〳〵一羽のかりかねきたり給
へよしのりはやす太夫にむかひなんぢあのかり。かねをゐとめよとありければ
入こはいかにとおもひしがしゆうめいもたしがたく弓矢をつがひまんけつのごとく
ひきしぼりつるおとたかくきつてはなせはあやまたすはふしをぬひてかりは
ていしやうにそおちたりけるよしのり公大にかんしたまひそはにありあは
ていしやうにそおちたりけるよしのり公大にかんしたまひそばにありありあふ心〳〵め
べしたりや〳〵とほむるこへしはしはなりもやまさりき
さてもうん平は
はなみの
をりからの
ふしゆひによりて
しばしのあいた
きんしをとゝめられ
わかやにひきこもり
てありけるか
つく〳〵おもひ
めくらしげるはもはや
よほとの日かつを
おくりつればちかきに
きんしをゆるしたまふ
へししかるときはさいつ
へししかるときはさいつころ
しゆくんのおふせあれはやす太夫か
門弟とならてはかなふまししる
ありてはけがいまゝての門弟のてまへ
まう
このうへもなきちしよくなり何とぞ
人しれすやす太夫をなきものに
せはやとちうや心をなやましけるが
ある日ふと思ひけるはまいね五月五日に
ありまつけの御ぜんそへこだいこていより
たまはりしこしんひつのかけもの御はいけん
ありほうそうのかきあつかりはすなくち
やす大夫なれはかの一ぢくをうばひ
たるときはかれかおちどくなり
〽トいふ
わけたからさ
そとを一はん
はたらいて
くれ
手をおろざす
してほへろほす
はなりと
心にうな
ひそるに
よろこびぬ
金
〽アヽ
しゆひよく
まいつたら
かならす
あとて
それ所
〽はてさ
おきつかひ
なされ
ますな
そこは
くつと
百も
しやうちて
おります
〽ます
かくてうん平がふくしんのけらいにたかなは軍二くまさる弥藤次といふものあり両人火しやうとゝ
きもふときものなれはうん平太此ふたりをひそかによひてわがしんちうをくわしくかたり
何こそほうそうにしのひいりかの一このをうはひとりてくれよかしとおほくのきんすをあたへて
たのみけるにそくわんらいかりよくのものなれはかならすきつかひしたまふなと
こゝろやすけにうけかひぬ
○さてかの両人はひそかに身したくしてそのみ
なんなへほうそうにしのひいりかのかけものを
うがひすてにたちさらんとしてくろへいを
のりこしおもてのかだにいつるときそのころへ
みやこなにはより此はんしうそのほか
りんごくさくしうなとにはいくわいせし
をんなだててんしんまけのお吉といふもの
此ところをこほりかゝり此ていを見るより
明
こはあやしきものともと
こゑかくれは両人は
大におとろきふりかへりて
月かけにすかし見れは
月かけにすかし見れは
大おんあけくせものまつたと
たゞ一人のおんな大わきざしを
よこたへたいたうせまし
たちゐたれは二人の
ものともから〳〵と
うちわらびいらさる
〽こいつは二ちうこんすかいゝなけした
小田原丁のおはりやしやア
一壱両はものいはずだ
女のうてたてや
かく見とかめし
うへからはいれ
おいてはま
まごにちの
さまたけ
たらんて
しまへと
いふまゝに
きつて
かゝれば
こゝろへ
たりと
みを
ひら
き
お吉も
すかさず
ぬき
あはせ
ふたりを
あいてに
うけつながしつ
ひはなをちらして
たゝかふたりお吉は
かけものゝはこあやし
きものと思ひしかはすきを
うかひうばひとらんと
するところをやらしと
とりつく弥藤二をとつて
ひだりへなげつくれはおなしく
つゞいてとりつく軍二これも右へ
もんどりうたせかのはこを
小わきにたつさへいちあし
いたしてにけゆくを見るより
ふたりはおきあかりのかさし
やらじとよはゝれはお吉は
小いしをひろひとりこうざの
目つぶしうけとれとて
ばらり〳〵となけつけて
いづくともなくにげゆきけり
○こゝにまた花さきやす太夫は
五月五日のことなれはみめいより
かのかけものをとりいたさんと
ほうぞうをあくれば
こはいかにくらのかへを
きりやぶりとうそくの
いりたるやうすなれば
大におどろきいかなることやと
とほうにくれてゐたりしか
何はともあれ御あづかりのまき
ものはへつてうなきやとたつね
みるにいれおきし長もちは
みぢんにくたけ中なるかけもの
みへされははつとはかりにきやうてんし
なにものゝしはざそとあたりをみるに
ほかのしなには目もかけざれば
〽くゝたかのしれたへ
二合半そう
あしかるに
たちさら
ぬか
したはた
さはくかて
さいこの
を
この
たん
ひしを
ふつこ
ぬき
もつ
めしを
くは
せる
吉鋪
〽みどもなぞを
かやうになけるとは
いやはや
とほうもない
われにゐこんあるものゝしわざなるべしてがゝりもやと
あたりをたづぬるをりこそあれしもべいそ平あはたゞしく
かけきたり御もんのわきにおちありし此二しなとさしいたせば
いふところにせがれもろともつまさえた
いかなるわけといふかるにぞやす太夫
かけものふんしつせしことをものかたれは
さいしは大におころきけりやす太夫こゑを
ひそめていひけるは此二しなのうちこの
ふくさはかけものをつゝみしふくさなり
またこれなるかんざしこそくせものゝ
手がゝりなりさりながら
さつするところにかのしなをうばひたるものまさしく
やす太夫見るよりこれぞよきてかゝりなりと
〽ソヽア
女のわさとは
いかなることぞ
なにさまにも
しさいこそ
あらめ
▼
〽いそ平
まいれ
▼かくてかう
のあるからは
たつねいだすは
かたり
まのあたり
なりとことはに
さいしをはけ
ましつゝ心の
うちに思ふやう
しよせん申わけ
なきこの身なり
このまゝこゝで
しなんよりは
せめて此よし申あけは
そのうへにてはらきるかさも
なくはきみのおんてうちになり
御りつふくをなためなばすこしく
つみをあかなふはしともならめ
さりながらかろきつみにあら
されはわかなきあともいへたんぜつに
〽およふべし何とそふたりの子ともらに
御たからをゝねいたさせふたゝひ花崎の
いへをおこしたしたゝなけかはしきはわか
なきあといつくのかれとあてもなくさぞな
さいしのまよふらめとせきくるなみたをおしかくしこれそ
いつせのわかれそとふりかへり〳〵やかたをさしていでゆきぬ
さてもやす太夫は
かけものふんしつの
おもむきを
おもむぎを
ごんしやう
なせは
よしのり公
大におと
ろき給ひ
おもき
やくめを
つとめ
つとめ
ながら
日ころの
こゝろかけ
あしき
ゆへ
たい
せつの
御宝を
くられしと
大にいかり
たまひきひ
おしこめに
あいなり
それより
しはらくしてよしのか公のおゝせに
しはらくしてよしの
やすた天此たびのしまつによりてかさい
とりあけなかのおんいとまくださるゝ
されとも御たからたくねいたしちさん
なすうへはほんちにめしかへし給ふへしと
なすうへはほんちにめしかへし給ふへしと
ありてそのよついさすみなれしはりまのくにを
はらはれけり○こゝけかんつかうん平はいまた
へいもんの身なりし此ことをきゝおよひやす太まへ
こよひついほうになるといへともかのかけものは
人手にあればもしたづねいだしきさんなすときは
かへつてわがあくじのあらはれんこともはかりがたし
よし此うへはやす太夫おやこをうつてすつるより
ほるなしばそのよしゆうじう三人
ほるなしとそのよしゆうじう三人
てつほうひつさげひそかにわがやを
しかびいで保太夫のあとをしたひ
やう〳〵城下はづれの松ばらにておひつき
こかけにかくれてあたりを見まはし
ならひをすましてどうとはなせば
あやまたずてごたへしてそのま
あやまたをてこたへしてそのま
保太夫はたふれけりこん平しゆう〳〵大に
よろこび人目にかゝりてはいちぎはしき
よろこび人目にかゝりてはいちだいしと
あしばやにゆくむかふより天じんまげの
お吉いできたれば弥藤二軍頃見るよりも
あれこそはなしの女なりといひければうんなし
見るよりこへをかけなんぢいつぞや
つがかけもりをうへひとり
わがかけものをうばひとり
いづくへやりしやばくしやうせよ
もしかへさぬときはからきめ
みすべしとよはゝればお吉は
これをきゝてから〳〵とわらひ
これをきゝてから〳〵とわらひ
いつぞやであふた小ぬす人めらか
あのかけものをかへしおらうも
すさましい道をひらいてとをし
おれさなくはからきめみせんとて
二わうだちにつつたてばかん平
しゆう〴〵大にいかりにつくき女の
ふるまひかなときつてかゝればお吉は
えたりとみをかはしぐん沢をとつて
なげつくればすかさずうちくる弥藤二を
こしやくなやつとふみこんでゑいとこゑかけ
とうぞくゝりこのていをみて女にをあいてにするからは
とうぞくのわざならん今れいけどれとけちすれば
きりつくれば弥藤次これをうけそんじふたるになつて
ししたりける此をりからとも人大ぜいめしつれしさむらひ
ろい
とりかゝりうん平おんび
をたりて小てに
いましめけり
いましめけり
とも人いちごかに
お吉はそのひまに
いづくともなく
にげさりぬ
これすなはちおなし
●かちうのくれに深ち上
といふものにぞありける
やす太夫おや子はすみなれじ
いへを出てにはかろう人となりければ
しもべいそ平いふやういづれにも
ひとまづわがざいしよつのくに
こほり山まで御こしあれと
しゆうをいたはりゆくをりから
うん平ぐん次がうちたる
てつほうやす大夫の両ふと
もゝをうちぬけばあつと
さけびてさふれけるまた
弥藤次のはなせしは
いそ平がむな板どうと
うちぬけばおなじくこれも
たふれけりこれを見るより
瀬のをさえだ二人の子ども
もろこもにこはいかにせん
かなしやと二人のておひを
いだきおこせばはやいそ午は
こときれてつゆときへしぞ
あはれなる保太夫はやう〳〵
人こゝちつきければなげき
のうちにもまたよろこび
水よくすりといたはるをりかゝ
大さかのおとこだてあさひな
五郎もへといふものとをりかゝり
此ていを見るよりも
こはいたはしき
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
こはいたはしき
〽もしこちの人
きをたしかに
かつて
せい
ことかなとてともにいたはり
しさいをとへばつまのさえだは
なく〳〵もありしことをくわしく
ものがたれはあさひ文五郎兵衛
いふやうそれがしも大さかにて
人のせわするものなれば
にはるつう人のよるべ
にて
なき人とあらば
それかしおんせわ
いたし申さんかならず
あんどしたまへとしん
せつなることばにうれしく
みな〳〵の心のうち
なげきのうちの
よろこびにて
ついに
いそ
平を
あたりの
てらに
ほう
ほう
ほう
むり
て
手
おひ
をいたはり
五郎兵人ともろ共に
五郎兵衛ともろ共に
かみがたすじへぞ
おもむきける
さいご
〽コレ保太夫
さをたしかに
もつてくれ
いかなる
このやうの
かなしい
うこなが
かくてはなさきおやこは
五郎壱人にいざなはれやう〳〵
大さかへきたりしが女ず太夫
こゝろのうちにおもふやう
かく両足ともたちかねて
かたわのみとなりたれば
おやくつま子のじやま
ならんあしてまとひに
ならんよりいさきよく
せつふくなくこんはく
子どもにつきそひて
御たからせんぎいたさんと
なく〳〵すがりひきよせて
こま〴〵とかきしたゝめ
一百十やう次郎作と
いふものにあひかれが忰
いそ平のわうじのことを
しらすべしとこへふるはして
いひければ五郎兵へは
大におどろき
はりまで
しゝたる
しもべは
いそ午で
ありしよな
さしぞへひきぬき
なむあみだぶつと
もろともにはら十もんじ
ものとも
にかききつてそのまゝ
まへにふしにけるつま子は
これを見るよりもこれはと
おどろきいだきつきちみへ
さまやこちの人保太夫とのよみ
よふこへをきゝ五郎兵衛もびつ
くりしなにことやらんとかけきたり。このありさまを
みるよりもこはいかなるわけの御しやうがいとともに
ておひのそばにより是さいはいかにといひければやす太夫
くるしきいきのせたよりも二人の子どもを引よせてこれ
ものとしよみ今れがいふことよくきけよわれ田心とのかけものしんじつめ
とかによつて此なりやきなにとぞ御たからたづねいだしうたび花さききつ
高みおこしてくれよかし又此ほとりのこほり山村といふ所へおき山
作のむすめにて
いそ午がため
にはあねなりと
づねにはなしあり
かたるをきゝて
手おひはなをも
みをもがき
ふしきの
ありしになと
いふこん
とも
されたり
はや初七日もたちければ五郎兵へおせきに
いふやうなにとぞ一こくもはやく
御たからをたづねいだしまた
ひとつにはやす太夫さまを
あさひな五郎兵へはやす太夫がなきからをぼだいしよ
あさひな五郎兵へはやす太夫がなきからをほだい
なにがしのてらにおくりかたのごとくほうむり
うちたるくせものを
さがしもとめてやつざきに
なしてなき人〳〵の
うらみをはらさせ
まうさんとかたるを
〽五郎兵衛一子
五郎女
きゝてつまおせき
御もつともなることながら
なにゝもせよひとまづあの
おんかたをこほり山へともなふて
父次郎作にあはしてたべと
いひければ五郎兵へうなづき
われもとくよりそのこゝろなり
さらばこれよりあのおんかたを
ハテ何も
うきよ
だは
ともなひて此身もともにこほり山に
かくれすみ御たからせんぎいたさんと
ふうふそうだんいつけつしてない〳〵
かざいをうりはらひ次郎作かたへ
うつらんとかれこれ
〽まこといふうんのあの人〳〵
思へば〳〵かなしいわい給ふ
よういを
したりけり
さてもはりまのくにゝてはくれき
爾左衛門とらへたる両人をみれば
源左衛門とらへたる両人をみれば
とうぞくとは思ひのほかかん平
くん次しゆう〴〵なれば大におどろき
かつはあやしみ二人をひきたて
つれきたり此おもむきをよしのり
とへまうしあげければ大にいかり給ひ
ゑんりよちうをもはゞからず
みだりにいであるくだんふとゞきの
いたしかたいかなるわけとたづ
ぬれば両人ともいちごんの
こたへもなくたゞひれふして
ゐたりける此
あふせにはしさいはおつて
あふせにはしさいはおつて
たづぬべしまづそれまで
深ゑもんにあづけおく
なりとありければ
なりとありければ
かしこまつて候と
両人をわがやに
つれかへり
ひとまの
ざしきに
さしきに
いれおき
て
きびしく
人をそ
つけおきける
さてこゝに一つの
ふしぎあり
ころしもなつの
ことなりしがあるよ
うん平ぐん次の
両人はひばちに
かやりくゆらして
つぎんつゞく
ゞきともしにあらぬしかみがほこかげは
さぞすゞしかるらんなどはなしのをりから
いらじんのかぜさとふききたり火ばらの
けふりいやましにたちのぼりければ
両人大におどろきて火をしめさんと
たちよればこはあやしやけふりのうちに
やす太夫のしもべいそ平が
あげていふやういかにまん平くんそうば
あげていふやういかにうん平くん次のがう
あく人わがいふことをよつくきけわがみ
なんぢらがためにひごうのしをなすと
いへどもこんはくこの世にとゞまりて
なんぢら二人をくるしむるといふその
くちのしたよりも火ゑんをはつと
はきかけければものゝむくひのおそろ
しきはうん年がひさがしらさながら
てつほうにてうたれしごとくくろくふをぼり
やけたぐれぐん頭もおなじくふきつけられ
しやう〴〵そのまゝおなじまくらにたふれければ
此ものおとをきくよりも誠ゑもんをはじめかない
いちどうかけつくれば二人はむつくとおきあがりこはね
かはりていふやうそれがらは花ざきやす大夫がしもべ
かりどひらんあじごんじやりならたることをしりそのにひそかに両人ともよばんのすきをひ
うかゞひていづくともなくにげさりぬ
すがたあり〳〵とあらはれて大おん
いそしといふものなり此もの主人女を太夫をなきものにせんと此心心心のおんかけものをうぐひとり。
おもひかけぬさいなんにてうとへいほうとなりければそのとりみちにまちにまちにせくとろふなとり
君とめんとしそのをりあれは此ものうとなりければそのをりみちにまちぶせしとびたちぶせへと
しとめんとしそのをりわれは此ものためにひどうの花をなしたればなか〳〵ぢごどごくめんしん
いがれがたくかへまでまよひいづるなりあらうらめしや〳〵といひつものあたたふれしけんと
たちりのみ〳〵水よくすりとかいほうしてやう〳〵人ごちつきたぐぼうぜんとしてゐたうなんね
此をりからふるゑもん両人のあくじあらはれしかばさま一こくもはなうぜんとしてゐたり
ごてんをきしてりぎやくさてうん平ぐんにの両人はいそ年のこんはんんところてほと
〽だんな
これから
ごつちへ
ふけ
ましやう
やつはり
ましやう
ほつこく
かね
さても花ざきおやこ四人のものは五郎兵へ
ふうふにいさなはれ今はこほり山むら
次郎様かたにかくれゐて御たがらせんぎ
なしましきくらしなれば今はだん〳〵
ゐるいさらぐをうりしろなし大ぜい
くちをやしなびけれどもはや諸道具
もうりつくし一せんのたくはへあらざれは
いかゞせんとなきかなしみこのありさま
を見せじとてこゝろをくだくそ
あはれなる五郎兵へはたからせんき
のためなにはのかたへいでゆきける
あとにのこりし次郎作おせきけふは
とやせんかくやせんととほうにくれて
ゐたりしが今ははや米かふぜにも
なかりしかば次郎作下着をぬぎて
わづかのぜにしかへこれにて米をもとめ
よといへばおせきはわつとなきふして
そりやもつたいないちうへさまとしよりし
みのそのうすぎもしやかぜでもめしたなら
このみはなんといたしましやうわたくし
こそはさきほどよりいろりのはたに
あたゝまりあつうてならぬともなだひに
あたゝまりあつうてならぬと手ぬぐひに
かほをふくのはあせなしでなみたを
ぬぐふおのかみのしたぎをぬぎてさし
いだせはものかけよりろうぼせのをは
これをみて来ことにちうきのものどもよ
かくまでひんくにせまるものをけふまで
わしらにかくせしかそれとはしらずうか〳〵と
この大せいのかうろこさみかしなんぎにありつらん
いきなからへてせんなき命はいとはあにといひながら
そつやけつの子ともにもはるかおとりておろりものすへ〳〵までり
〽なむあみ
だぶつ
みなのじやませめてあの世のへぐれとかくごをきはめしそのをりからはいとはうつかりきかゝるを
よくもきしぞはいととてせのをはそはへひきよせてかあひのまこよ〳〵とてこほるゝ重だと
ときとめてくわいけんひきぬきもいとがのんどにつきたつればあつとばかりにたまぎるこゑ一
みな〳〵おどろきかけさたればろうぼせのをものとぶ人をうききつてそのまゝまんにふしにけり
みな〳〵たちよりかほうなせばくるしきいきゐしたよりも此おのの身とおろりなまごあるに
かひなきことなればせめてあの世のやす太夫あふのがおひのためしみぞあとはよろしくたりむ
ぞやといふこゑもろともおひのみのがつくりいきはた人ければさえだはとみをはしめとして
次郎さくおせきとも〴〵にいかなるいんぐわとなきふしてしばししやうたはなかりけるは
あはれはかなきありさまなり
○こゝにはなざきしとみはいろ〳〵のかれいかさなりこゝろをいためしゆえなるやふと
やまひのとこにふしけるが日ましにおもくなりければはくのさえだはいふもさらなり
次郎様おときもろともになげきかなしむばかりなりもとよりまづしきそろうへに介が
だいよきとうよとひやうきのついへかさなればからはあさゆふるけふりもたこかね
とほうに気てゐたりけるが次郎作は日ごとにまごの五郎女をともなふてあたりの
てらへ日参するとさえだ日ごとにまごとにまごとにまごの五郎女をともなふてあたりの
てらへ日参するとさえだしとみがまへをいひこしちへ日ことになにつのかいだうに
いでゝそでごひをしてやう〳〵とほそきけふりをたてゆくをしとみはそれとすいりやうし
しのびなみだにむせにけりある日ゆふぐれに次郎作五郎介給へりきてさしきねがひ
ひやりにんはなみだくみなきこゑにていひけるはまいにち〳〵のかみまいりさぞやや
たいぎてあろうぞや又五郎介も五ツや六りさそあんよがいたからうかあひのやめやいふ
となでさすれば。五郎介はおとなしくおさなけれどもかしこきうまれつきなければ
いや〳〵わしやあんよはいたりないまいにち〳〵ぢゝさまにつれられてはか身に
あるくがおもしろいといふをきくよりひやうにんはなを〳〵なみたにむせへり
さしうつむきてゐたりしが治ら様これを見るよりもつぎりつと
これ五郎作よわかみがうたひを
おきばらしにひとつうたふて
おみゝにいれやとてあたりの
あふぎおりとりて
ひやうしをこれば五郎介は
ほんをかた手に
まはらぬした
のこりてあくねんの
〽なをあらはすこの
のべのゆききの人に
あたを今なすのゝ
はらに立石〳〵こけ
にくちにしあとまで
もしうしんを
かこしきて
とこゑはりあげて
うたふうち子ごとも
ごゝろのおりはずも
こしのあふぎをうちひろげ
女
びやうにんしとみのまへにゆき
いつせんのごほうしやといへば
次郎様びつくりし手をさしのはし
おさゆるひやうしにはら〳〵と
たもとよりこぼるゝこめとはしたぜに
次郎介大におどろけをしとみの
さかへとそしらぬかほ今
しやくはづれのこめやから
みせこめにまいつた白米
これごらんあれこのこめで
西やう紙
さらはが一石なんぼ
くうてもやすいは
ころじやと
いひまぎ
らせど
まぎれなき
ひんくを
おもふて
ひやうにんも
はをくひ
しばり
しもび
なき
よそのみるめも
あはれなり
〽これはしたり
五郎すけよ
そりやアア
なんの
かんの
まねだ
こゝな
たわけめ
〽五郎女は
おさな心の
ぐわんせなく
なが〳〵の
ちう人ものに
せんのごこう
りよくと
ついくちくせに
いひけるを
しとみきゝて
ムウさてはとさとる
ひんくのやうす
思ひやりて
なげてける
あさひなくら兵へは大さかあるひは
江口のさとをはいくわいしやう〳〵金子
五十両さいからしければ一こくもはやく
しやうとやさいしにあんと
させんと人をたのみて金をは
さつそくもたせやりそのみは
あとにのこりゐて
いろ〳〵みたからを
たつぬれどさらに
ねがゝりあらざれば
ひとまづい人に
かへらんと
こほり山へと
いそぎけり
三馬門人
益亭
三友作
益亭三友作
○此こうへん
あざひな五郎兵衛兵衛
忠死天じんまけの
お吉かゆくすへかたき
がんつかうん平たりなはぐん二の
さいこ次郎作おせきがひごうけいせいうつせみ
花さきしとみめてたくかたきをうつところまでごさ候
御座しめ御高覧可被下候
いそといふてかゝりもなし
あゝ何事も
こうへんの
ことに
しやうは
花鳥風月仇討話後編三冊
豊国門人
十五才文治画
こゝに又てんじんまげのおきちは
国心公のかけものをうばひとり
しといへどもなにやしんやうす
ありげのことなればぬしたる人に
かへさんとはりまのくにをかなた
こなたときゝあはせだん〳〵やう
すをたづぬればはやそのぬしは
かけものふんじつゆゑついはうに
いますこしはやくんばその人ぐにうきめは
見せまじものとくゆれど今はせん迄なく
さあらばこれよりたづねあふて此一ぢゝを
手わたしなしどうぞきさんをさせ
たゝとわが身にけれ
たしとわが身にひき
かけなげきしが
いりまでも此ちに
なりしと
ありてせんなしと
きゝ大
きにお
〽もてあま
したるの
したる此
ぢく
はて
こまつた
ものじや
なァ
●それよりなく国〳〵をつめぐりてはやおもはずも
二両ごしおきちもいまはとほうにくれいかゞはせんと
あんじしはまことにぎつよきてんじんまげ
女だてともいひつべし
当年も三馬先生の作ゑざうしあまた出板仕ゟ
御ひやうはんよろしく奉願上
女だてともいひつべし
さてあさひな五郎兵へは
しとみがなかきわづらひに
みたからせんきは
わきになし日〳〵
かみほとけをいのり
けるにそてんとうも
その心さしを
あはれみたまふにや
だん〳〵日にしたかつて
せんくわいなし今は
へいぜいのごとくなりしかば
さあらばこれよりみたから
せんぎいたさんやわれ思はずも
やまひのとこにふしたれは
かく手のびにもなりたるなり
いざ一こくもと五郎兵へもろとも
京大さかのだらくやを日〳〵
おちこちとたつねけるにその品
このころ見かけたりともつはら
はなしありければ五郎兵へしとみは
大によろこびはやあみのうちの
大によろこひはやあみのうちの
うをなりといさみよろこび
なをくわしくたづぬれは大さる
にても思ふあいてもあらされは
此ごろかまくらへもちゆきしなどゝ
うはさありければ両人も大におとろ
さあらはこれよりをつかけん
さあらはこれよりをつかき
こるにてもその女
こるにてもその女
なにものなるやも
やす太夫どのを
〽それだから
おこなし
だましうちに
したりしもその
ものゝわざならめ
何事もたづね
いだしてじつふを
しかとたゞさんと
すぐさまたびの
ようゐをなし
さゑだおせき
次郎作五郎松の
四人をばいへに
のこして
二人は
たびの
こむ
そうと
すがたを
やつし
かまくら
さして
くだり
ける
〽てんきが
よくて
しあは
〽とゝさんが
〽とゝさんが
かへりには
おみやかふて
さる
いろ
こゝにがんづるかん平太はう事なはぐん次と
ともたはりまをしゆつほんしてより
かまくらへたちこへしばらくあしをとゞめ
また大さかへたちこんこゝかしこをさまよひ
思はずこほり山をこをりしをりからふと
かたはらのくずやをみればせんねんはりまにて
いであふたるてんじんまげの
お吉なればうん平大に
おどろきくん次に
それと
めくばり
すれば
もろ共に
めがらしや
お吉とて
くすやの
とび入ける
そも〳〵この
そも〳〵この
お吉とみへしは
これあさひな
五郎兵衛のつま
五郎兵衛のつま
おせきなりとしごろ
おもさしそつまゝにあたる
ゆへ見まひてお吉と思ひ
うん平ぐん次かたなを
ぬきつれきつてかゝれば
おせきは大におどろき
人たがへ
し給ふ
七十一日
いへど二人は
みゝにも入ず
きりかくれば
おせきも今は
とらへかねろうぜき
ものといひながら
あたりのわきざし
をつこつて二人を
あいてにわたり
あふさゑだは
おくの一まにて
此ありさまを
見るよりも
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
こは何事と立出
みれば同家中なる
豊卒なれば大に
おとろきいかなる
一わけときかんとすれは
かん平これを見るゟも
一ともにおどろき大おん
あげ保太夫のつま
さへだならずや
さだめてわれを
かたきとたづねつらんいざかくごしろとわれより
いひだすみのあくしきへだこれをきゝすりや保太夫
どのをだましうちになしたるはなんぢにてありつるか
さありとはつゆしらでむなしくつき日をおくりしこそ口おしけれど
いひさまにきつてかゝればうん平はみをかはしてつるきをさけ
から〳〵とうちわらひかたりついでにみなはなそうか〽〽〽ぎへつゞ
なんさ
おか
かた
〽みれば
みるほと
うつくしい
あまめた
かたなの
さびみい
とくな
〽あゝ
〽だんな
それを
ころすは
おしいもめで
ござり
ます
田心公のかけものをぬすみとりそのゝちてつほうにてやみうちに
せしこと又かのかけものはお吉といふおんなぬす人にかはれしゆへ
そのむねんをはらさんため今おせきを人たが人せし
ことまでいちぶしゞうをものがたればさへだはなを〳〵
いかりをあらはしうらみのやいばかけこれときつてかゝれば
うん平はことゝもせず火ばなをちらしてたゝかひけるが
おせき火ばちにつまつぎうしろへどうとたふれしが
すかさずぐん次のりかゝりついに一刀にきり
ふせける此ときうん平もさ人だをひざのしたに
われはりまにておなじ家中なりしときはなみのをりのそのいしゆに
おづふせてなぶりころしにしたりける
かゝるをりからかどぐちに人あしのきこへ
けるにぞ二人はうちたへうらぐちより
右とびだりへわかれさりぬ何心なく
次郎作は孫五郎介が手をひきて
うちに入二人がしがいを見るよりも
こはいかに〳〵何ものゝしはざそと
きやうきのごとくたちさはぎ
二人のものをよびいかせば
さへだはやう〳〵
いきふきかへし
いとくるしける
次郎さくに
とりすがり
とりすがり
今ひとあし
はやくば
保太夫
ども
かたき
かけものゝ
とうぞく
四
がんづかうん平は
にがさじものをと
いひければ
七日
次郎作大におどろきて
さてはかたきゆがんづか
うん平といふものにて
同心公のかけものをうばひ
とりしもそのものゝしわざ
なるかあらくちおしや
ざんねんやとあしこし
たちては
たちては
なげき
あはりては
泪を袖に
きかぬおひの身の
しほりけり
又五郎介は
母のしがいに
とりすがり
これかゝさま〳〵
とりつきて
おさな心の
これかゝさま〳〵と
くわんせなく
おまへをきつたは
ごこの人しや
今にわしが
かたきをとつて
あげましよと
ちいさき手にて
なでたすり
はゝをいとふで
ふびんなる
〽コレかゝさま
おまへが
しんでは
おら
いやじや
次郎作
〽もゝ
さへださま
おきを
たしかほ
おもち
なされ
ませ
さへだは
なをも
身をもがき
身をもがき
女わざの
はかな
みころしに
〽キヤ
わらはる
ともに
あのよの
みちつれ
さらば〳〵と
いふこへも
一村鳥川
かくてうん平は
かうり山を
にげさるをりから
しもべぐん次に
はぐれしかば
人におどろき
何とぞめぐり
あはんとて
京大さりを
たつぬれども
それと似し
それと
人にもあはざれは
さだめてかれは
かはちたかやすの
さとへおもむきし
ならんいざあと
おつかけてと
よを日についで
いそぎかばちの国
たかやすのさとへ
たかやすのさとへ
きたれどもぐん次の
おやは何といふ
ものといふことを
しらざればいへどに
これをたづぬれど
さらにしる人あらざれば
今はとほうにくれとやせん
かくやと思ふうちはや日も
にし山にかたむけばこよひは
いつてにやどかへんとあんじ
わづちふそのをりからむかふを
みればはきのしをりど竹のかき
いとわびしきよみかあれば
これさいわひ
いざや一やのやどを
からんとていへの
うちをさしのぞけば
としおひしにうふのもの
よほどのうねをあつかふやうす
うんかすはこれをみて小おどりして
よろこびつゝてんのあたへと
そのまゝうちに
とびこんで
ぬくてもみせご
ぬくてもみせず
二人のものを
右とひだりに
きかたふし
いづくともなく
あたりのかねを
とりあつめ
おしいたゞきて
あざわらひ
にげさりけり
にけさりけり
〽いぬもありけば
ぼうとやう
こいつは
うまひ
うまひ
ふくとくの
三ねんめだ
花鳥凡司
さても高なはぐん次はこほり山にてうん平に
はぐれしかばこはこやせんかゝやせんといろ〳〵
たづねけれどもさらにしれざればもしや
江口のさとにもやとこれへいりこみ
たづねしがいまは主人のことは
ふけりて思はずあしを
とゞめけりこゝに一つの
ふしぎありあるよ
くんひたゞひとり
うちわすれ日夜しゆゑんに
ちや屋の二かいに
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
ヱうしみつとも
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
□□□□□□□□
何やかん人のあしおと
しければふと目をさまし
みればせんねんはりまにて
うちころしたる保太夫のしもべ
いそ平なればこはあやしやと
見るうちに大のまなこを見ひらき
あらうらめしのぐんじよななんぢら
しゆう〴〵にながくみらみをなさんため
いまにまよひてありつれどもうん牛
はりまをさりしときくれ木家のちやうぼうほう
おはら丸のつるぎをうばひとりはだみ
はなさずしよしなせばわれよりつくこと
やけたゞれうめきさけんでくるしみけるあくのむくひぞおそろしき
くわゑんをくるしむるといふよといふよとみへしが
くすゑんをはきつけくるしむかとばまた〳〵さへだおせきの
ゑんこんあらはれともにくわゑんをふきかくれば身うちゆかほも
こゝにしこみ五郎兵衛の
両人はる〳〵と□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
かまくらにくだり
いろ〳〵みたからを
たづぬるといへども
さらにてがゝりも
あらざればいまは
大いそしぎたつ
沢のほとりに
わづかの
すみかを
もとめ
〽おやの
もつはら
かたきも
かの女を
たづぬると
いへども
みたからも
かく迄心を
つくじても
それとおもふ
しれぬと
人だにも合ざれば
このころはしゆう〴〵
二人日〳〵かわり〴〵
いふは
ごうした物
かみほとけ
大いそあるひはかまくらと
はんくわなとちへ入こみて
いろ〳〵その身を
やつし
やつしいゝ
もつはらたからと
たづねけり
にも見
されたか
〽はておきづかひなされますな
はておきづかひなされますな
この五郎兵衛が命にかけても
たづねいだしてお目にかけます
あるひは五郎兵へはひとり大いそのなみ木を
とほりければおもはずもてんじんまげの
お吉にであひしかば大によろこび大おん
あげかけものゝとうぞくじんじやうに
〆
そのしなこれへとこへかければお吉はうん平の
よるいと思ひしかばさあらぬかほでいふよふは
おんみこの品のぞみとやいづれあきなふ
品なればあたひのよきへよいらせんいざや
りやうは右からひだりぞとおくするいろなく
いひければ五郎兵へ今はたまりかねなんぢ
せんねんはりまにてうがひ
とつたるそのひとしな
主人とそれがしと
たつね〳〵ことは
いくとせぞ
かんさしが
せうこ
だは
なんと
おぼんが
あらう
がな
こゝであふたが
百ねんめいざ
心へたりとおとこ
うけとらんと
きつてかゝれば
まさりの天神
まげだんびら
すらりとひき
ぬきてたがひに
ひじゆつをつくしあひ
うけつながしつしのぎを
けづりてたゝかひしが
松の木の根につまづきて
此しりゐにどうと
たてず天神まげ
きりたふし今はとゞめを
たふれしをおこしも
ひたゝみかけ〳〵さん〴〵に
さゝんとせしおりから
●あはれむべし五郎兵へは
こほり山次郎作は
五郎兵衛
しとみの
しとみの
作跡をおひ
つぎへ
〽なにかんざしか
どうしたに
此出吉さんは
そんな
ものを
見たこと
見たことも
ね
つゝき
此松ばらへ
きかゝりて
このありさまを
見てこれはと
おどろく
おひの身の
●しはがれごへを
はりあげて
むすこのかたきとつへに
しこみしひとこしにて
きつてかゝれば
五郎女も
ともに
とゝさまの
かたきとや
どりや
やらもたゝいて
やらんとておさな
心のぐわんせなく
もつたる竹づへ
あげてうつて
かゝればてんじんまげ
二人をものゝらずともせず
うけつながしつあしらふうち
次郎作お吉をよく〳〵見て
そちはむすめのお吉じや
よく〳〵見ればわがおやの
次郎作なればともにおどろき
わきざしだいぢへなげすと
そのまゝそこへなきにして
とふべきこともなかりしが
なく〳〵お吉のいふやうは
まことにふかうの氏男かほ
まことにふかうの此身かな
をんなだてする不身持にて
十四のときにかんどうされ
なをもやまざる女のうでだて
こゝであふのもめんほくなく
はづかしうござりまする
さるにても此人をむこと
いふはいかなるわけととひ
かくれば次郎作なみだを
おしぬぐひいかなるぜんぜの
あくゑんやらかうもうきめを
ないかとこへかけられてびつくりし
花鳥
見るものかな
おんみがあにの
いそ平も
人手にかりて
わうじをなし
またる人
保太夫
だゝ
たいごの
こと
しとみの
かんなん
また
あね
おせきの
やう
やら
それに
つい
ても
おせ
きの
おつ
ちからに
たのんだ
むこ
までか
このあり
さまと
いふ
ことばを
きくゟ
出吉は
びつくりし
さては
あねさんの
おつに
ありはるか
ありつるか
すりや
わがみにも
あにさん
おもひも
よらぬ此
ばのしまつ
わきだし
さかて
くつこれば
此分作
あいて
あいて
おしとゝむればまごの
五郎女もなみだをそでく
はらひつゝこれおばさま
つぎ人
しなずとまつてくだされと
おや子でせりあふその
をりからはなざき
しとみは五郎兵衛の
かへりおそけれは
しゆくの
はづれまで
むかびに
いでこの
あり
さまを
見る
よりも
たゞいつ
さんに
かけ
て
こは
ゆめか
とつゝかと
きやうきの
ごとくなり
ければ次郎作
お吉かいほうなし
いちぶしゞうを
ものかたれはしとみはなけきの
うちにもお吉がもちきたりし
かけものをおしいたゞき
五郎兵へがしがいをかき
いざなひしぎたつ
さはへかへりけり
○さてそのころ
いふばかりなく
なかんづく
にぎはしきは
けいせいまち
なある
きみたち
あまたの
うちにも
大いそのはんくわ
てうじ
やの
〽さつさおせ〳〵
しものせき
まで
長かもとに
うつせみ
うつせみ
とてぜんせい
なら
ならびなき
いろにはまよふ
よのならひにて
しとみはいつしか
うつせみと
ふかくいひかは
かよびけり
ゆうくんありしが
ちうやをわかたず
肥守
〽ふとつて
ゐても
ぢんくは
おるやすの
一喜久治兵
よく
おどる
に
こくにてうじやのうつせみは
何とぞしとみに
かたときもはやく
ほんもうとげさせんと
こゝろをくだき
きをもみて
おほく人か
いりこめ
まんに
ひとつも
てかゝり
もやと
いろ〳〵
こゝろを
くだき
けるに
このごろ
かまくら
さかい谷の
ほとりより
ちかしくうつ
せみがもとに
かよふ客あり
ろう人と見へ
けるがしやうこゝは
なにはなるよし
うつせみ心に
おもふやう
このひと
なにはとある
からはかしや
よきてかゝりも
あらんとて
はなしにことよせ
いろ〳〵とかたきの
やうすたつぬる
うちあやしき
こともあり
けれとももしやと
おもひそかに
かみ入うばひとりいち〳〵
うちをたりぬればあてなも
しれぬ一つうありこは
あやしやとひらきて見れば〽いよ〳〵
こよひやす太夫保太夫ついほうと
なるとへはとも〳〵ちからをあはせて
うちとるべししゆびよく
しおほせしそのうへはほうびの
かねはのぞみしだいとよみおはり
とびたつばかりのうれしさをそでにつゝみて
そしらめかほもしやかたきの
よるいかといろにもてなしたん〴〵と
こゝろのそこをさぐりけり
〽此ちう人のありさまは口はくづれて
はをむきだし目はたゞれてあかく
なりあたまは叶なく
やくわんのことく
まことにふために
見られねども
ぬかひありみの
うつせみは
人のそしりを
かまはず
これを
けり
七五
うつせみはかの
かきつけを
うばひとり
かたきの
ありかは
しれねども
しれねども
このかき
つけの
あるからは
かたきの
よるいに
ちかひなし
このみよき
やうに
はからひて
いかにも
〽久しいものだ
またふでか
なくなつた
よしのや
かたきのありか
きくいだし
きゝいだし
としごろの
ごうつふん
したへいつて
きいて
きや
いちじにはらさせ
もふさんと
ふみこま〳〵と
かきしたゝめかむろ
よしのにいひつけて
ちや屋までこれを
つかはしけり
あたりをしばしうちながめなみだをそでゝはらひければおいちんるすなれ一
いはいをとりだしいつしんなきをそでゝはらひつゝはだみはなさぬ
いはいをとりだしいつしん正らんにうちおがみはなしをきけば
しとみさまのかたきもうす〳〵しれたとやらきけばきくほど
からむしいひとでにかゝりておはてなされしとゝさまやかゝさまの
しゆらのまうねんはらさんと日夜はするゝひまもなし
さりながら女子の身といひとしはるゆりぬことなれば心は
やたけにはやれどもおもふにかひもなきあかしなみだの
はれまはござりませぬかたきをうとふとさまよふうち
人かひとやらんにませぬかたきをうとふとさまよふうち
人かひとやらんにかどわかされこのくるわへきしうへは
わがみとかへとくかどわかされこのくるわへきしらへは
わがみといへど人のものまゝにならざるみのいんくわ
このうへばかみさまやほとけさまをちからとなし
たと人かたきはちをくりからとなし
たと人かたきはちをくゝりてんをかけるつばさ
よりともわがいちねんにてめぐりあはで
おくべきかとすはりてはなきたちてはなき
せんごふかくにとりみだすおさなごゝろぞ
あはれなるあね女郎うつせみはひとまの
うちにてやうすをきゝふすままをさつと
ましひらきいりきたればかむろよしのは
いんくりしいはいをてばやくおしかくすを
ころせばしばしとおしばやくおしかくすを
もつゆもしばしとおしとゞめさいばんより
やうををきけばそち
をきけばそちもかたをかたを
さをきけばそちもかたきをたづねると
して又かたきはなにものぞやととわれて
よしのはやるせなくせきくるなみだを
おしとゞめわらは有かはちのくにたかやすの
さとなるがすぎしとしちゝうへさまもはゝ
さまもひとでにかりてあいなきごさいご
そのばにおちありしてあいなきごさいご
せう二におちありしこのこづかこれを
せうこにたづぬるかたしこのごづかこれを
せうこにたづぬるかたきいづくのされと
しれねどもわがいちねんでたづねいだし
どうそほんいをとげたしとまたさめ〴〵と
なくをりからしとみはかたきのてがゝりありし
すぐさまこゝへかけきたり
すぐさまこゝへかけきたり
さんのてがゝりありしときゝ
ぎんつゞく
かむろよしのはあげやまちよりたちかえり見ればおいらんるそなれば
〽たつき
さんば
さんが
したで
なにか
かいてゐさ
およた
おいらんの
ふでゝ
このありさまをはるよりもいかなる
いけといひけれはうつせみよしの
もろともにいちぶしゞうを
ものがたりせうこのにづかみせければ
しとみはしばらくうちながめ
ことやすがんつか
太平の小づかなり
のかたき
大さかにて
はゝ人さまをも
てにかけしかば
からみに
かさねたり
よしのが
かたきも
かたきも
おなし
してその
その折から
次郎作
しごうの
やめさせん
此所へ
たづね
せみ
たいめん
しけるに
うつせみ
次郎
さくを
よく〳〵みれは十とせ
いぜんにわかれしむすめ
ふたりはそづへすう
よりてこはちみ人よ
から
わがこなるか
あねさまよいもと
よとしばし
なみだな
なみだな
くれにけり
しとみは
これをくる
ふしぎのゑんみ
おもひつゝ
しばし
あきれて
ゐたりしが
やうす
しれされば
いか
なる
わけで
こゝに
四
権鳥
とひければうつせみはなみだをはらひ
わらはくがいの身となるは十とせいせん
わらはくがいの身となるは十とせいせんし
はゝ人さまやまひのとこにふし給ひ
くすりの代やきとうのとまつしき
なかのものいりにはやあさゆふの
けふりもたてかぬれはせんかた
なくあづまのかたの人かひにこの
身をかり又このいへにうりわたされ
身をうり又このいへにうりわたされ
うはさをきけばはゝさまもくすり
きとうのしるしなくあのよの
人となりたまふときいたる
ときのかなしさつらさして
ときのかなしさつらさして
あにさんやあねさんはと
あにさんやあねさんはと
とはれてお吉次郎さくは
なみだにくれてゐたりしが
しとみはなみだおしぬぐひ
いざ次郎さくどのに
いざ次郎さくどのに
なりかはりそれがしが
ものがたらんぞちが
あにのいそ平はわが
保太夫につかへありて
はりまのくにゝて
ひがうにししあね
おせきどのはかたきり
おせきどのはかたきの
けらいたかなはぐん次と
いふものにころされ
しとそれより
だん〳〵のしまつを
かたりたかひに
かたきのてびき
いたさんといづるを
なけくその
みればかのらいひやう
をりから
人のきやくなれば
ふすま
がらつこと
おしあけて
うつせみなにごとやらんと
しばしこた人もなかりけり
きやくいざしきにどつかとざしさ
われてびきしてうたきうん平を
うたせつかはつかはそふみな〳〵
一かくごしめされといふよりはやく
くわいちうよりたんとうとり出し
め〳〵てもみせずわがはしへくさとの
つきたてひきまはせばみな〳〵これはと
おどろくをておひはおしとめくるしき
いきをほりとつきわがいふことをきいて
たべひとまにてやうすをきけはかむろ
よしのはわがいもとわれじやくねん
ときおやにかんきをかうむりて所〳〵を
さまよふそのうちにはからずもしゆうと
たのみしはあくにねつよきがんづかうん平
このみも主人にいちみなしはりまたて
保太夫どのをたましうちこほり山にておせ
どのをばわがてにかけそれよりしる
ひとまづこきやうへたちかへりかんきごめんとねが
はゝきすのさとへたちこへやうすをきけはちこへ
はくさまも人手にかゝりふりまのごさいごだん〳〵まるをを
なからてむかひならおなしせうこの小つるこゝろあたりはあり
めぐりあひかひならぬかたきはしゆしんどうぞいもとに
うれしめひあたせんとおもひしに今こゝでありたる
なりわがつかひといじんうん平はかまくらさかいだにゝかくれす
しとみさまやひといつはりておびきいだしうちとめられよてれ
いたきつきどうぞあにさいのはやくなんもうと。けれといへばとしの
いたきつきどうぞあにさんにあひたい〳〵とおほれといへばといへばもしの也。
はやくしにわかれるとはいかなるいんぐりととりつくをとつてつきのろの
これはかんにかんどううけしみなれはそちとはきやうだいのなんきひと
てをありさまこれはみなしごとうぞふびんをかけてくださりませこれは
うちこますさめお吉どのうつせみどのうつせみどのあねのうたきない
事こそあれわがほうどのおやのかたきをかたれよまだかたりのこせし
いそこをあれわがほうばはくまさかねこう頃はりまにてそちたちか児
いそろしこのをうちしとき所もさらずそのばにて現へつゞく
どのをばわがてにかけそれよりしゆじんにはぐれしかば
ひとまづこきやうへとちそれよりしゆじんにはぐねしかば
はゝさまも人手にかくり
お吉どのゝ手にかゝり
あくのひくひはおそ
ふしきわれかゝらい
ひやうとなりしも
むくひあらおそ
しやとかさる
ろしやとかたる
ことでもたえぐに
そのまゝいきは
たえにけりおさ
なしのあたなる
弥とうすを
うちしをしり
大きによろ
こび今の今
ははじめて兄磯
迄しらず
して兄のか
たきはうん
ろすとおしか
らぬいのちを
ながちへしこそ
口おしと
ざしさかねに取
直しぐさとつき込
ひきまわせばみな
是はとおどろく
をおきはおしとめ
こゝうつさか
さきだつ
はける
はやく
あの
世へお
ゆへが
あら兵へ
さまに
さまに
わびと
せんさそ
あら助は此
おばをに
う思ふてゐる
であろゆるし
五郎助よといへ
ことばもはる
きえて行
みぞあはれ
みぞあはれ
なるすゞ
であろゆるしてたべ
五郎助よといとゞ
さくはかな
しき中に
もよろこび
はかたきの
ありかしれ
しくはやうに
すべきにあら
ずとてその
みはぐんすが
つかひといつわん
つかひといつわり
かまくらかさいが
やつにたづね行
うん平大きに
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所々をつめぐりちり
ごろこゝにあしをと
とめやうすをきけ
はこのちにて見し
ものありしとのうはさ
それゆへもつはらた
つぬれどもけふ迄も
ねろこびわれ大
亡鳥
しれざるゆへもし人た
がひかと思ひしにさては
かたがひもなく此ちに
おるやして五金つを
いづくにととひ
ければします
かればしすま
したりと次郎
さくはあたりを
見廻ししはがれ
ごゑにていふやうは
一今大いそかいせい
まちにいられなす
きうな御用と申さるゝ
ゆへいそいでわたくし
まいりたりいた御とう〴〵
とせきたつればうん平は
ぐんすがきうな用事
とはこれよきくちの
あるならんと
こびたつ
ばかりの
ばかりの
うれし
さにこゝろ
もあしも
何かやうすはそんせねど
うつせみ
かん
同
おちつかずはる
おちつかずはるかのどてを
いそきける次郎さくは
あとになりさきに
なり大いそき
つき行しが
つき行しが
はやけいせいまちに
ちかづけはもはや
あんずることなしと
そのみはたきへ
かけぬけて
のどてを
しとみにかくと
ししせける
五郎卅一
さくし
さてもしとみよしのは
次郎さくがしらせに
よりかねてのよういと
白せうそくにてみがるの
のでたちけふぞほんもうとゞる
とていたみすゝんでたちいつれば
あとにのこりし三つもともにみがるに出たちて
ふたりのあとにつきそふてあけやのかたへ行
をりかららん平はいづれの茶やと見廻す所は
しとみはそばへはしりよりめづらしや雁塚うんに
われは花さき染太夫がせがし
われは花さき保太夫がせがれしとみ也いざめや
かたきかくこなせなんぢをおびきよせんがため
ぐんすがつかひといつわりてうまくこゝ迄
かれきたりいさち上つてせらぶせよと
せきたつれば同じくつゞいてかむろよしの
われはかはちのくにたかやすのさとなるが
わがちゝはゝもなんぢがまにひごうのさいご
いわずとそのみに覚へあらんいさぎよく
せうぶせよとよしのしとみもつめかくれば
こんなしは思ひかけざることなれどもえよく
ふてきのものなれば両人をはつたとにらみ
口かしこきかたきよばわりかたつはしから
かへりうちふびんながらもかたなのさひねんぶつ
申せといひながらぬく手も見せす切てかゝねば
こゝろえたりとしとみは是をうけながしうち
くるたちははらひのけひじゆつをつくしてたゝかへども
むかふは名にあふたつじんなればしとみも今はあしらひ
かねとこしあやうく見へければ次郎さくうつせて
もろともに切てかゝればうん平は四人をあいてに
ひるむいろなくたくかひしがいづくよりかうちし
しゆり兄うん平がみけんにはづしとたてば何かは
もつてたまるべきしりゐにどうどとをれしところをしとみ
よしのはおこしもたてすのりかゝりつゐに思ひのまゝに
あたをむくひけるかゝるをりからあまたのけらいを
めしくれさむらひいできたりこわめづらしやしとみ
どのといひければ大きにおどろきよく見ればどう
うちうなりし呉木源右衛門なりしかばよろこびて
だん〳〵やうすをたづねければ源右衛門
だん〳〵やうすをたづねければ源右衛門は
うん平のあくじあらはれしよりる
らん平のあくじあらは礼しよりわが
いゑの重室小原丸の刀をうばひとり
にげさりしかば何とぞたづね出して
手にいれんと思ひしに此たびかな
くらへ用事ありて
下りしところはから
ずも今うん平
小原丸の刀をもち
一五
二十
ゐたりしゆへ何とぞ早く
手にいれんと思ひし
故の今のしつれいと
しゆりけんを打し
ことをかたりしかば
みな〳〵よろこびて
源太門をうやまひ
けりしとみよし
のはすぐさまい
二
はいをこりいだし
かたきのくびを
うちおとしなき
人ぐにたむけける
それよりくれに
二
小原丸の
かたな
へ江大門はうつ
せみよしのが
みうけを
なしてうじや
あつく
れいをぞ
したり
ける
同断十壱丁目
さてもくれ木源右衛門は
五人のものをともなふ
てばんしう赤まつの
やしきへ立かへりかの
ゑんしん公のかけ物を
さし上しゞうのこと
をつぶさに申上ける
三馬門人
益亭三友作
春興
□□□□□□□
にぞよしのり公も
そのかうしんのほ
春風に
ごをかんじたまひ
しとみにかぞうして
うつせみをめあわ
つれて
莟の
せはなざきの家を
おこしける又源右衛門は
一子なきをさいわ
い五郎介よしのを
花の
手いも
ようしとなしゆく
すゑ是をふうふ
となし次郎さくは
なき人ぐのぼた
いのためかしらを
四方に
ひろ
これ
おろしこほり山に
引こもりしかば花ざき
くれ木の両家より
ふじゆうなきやう
に手あてをなし
梅の
赤本
をし
なを両家ともに
末長くさかえける
ぞめでたし〳〵〳〵
豊国人
十五歳
文治画
以テ購入官
「狩野亭吉氏書作
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