隅田川名所圖會 東岸之部
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- 有坂蹄齋畫
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- 日本語
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- 2026-08-28T18:53:25.651810+00:00
狂類隅田川名所図会
東岸之部
}
狩
むさしの図としもつふさの国との中なる隅田川よ
る隅田川守
在五中将の名にしおはゝいさことゝはむとうたひ
たまへりしを水上としてなかれ来にける世々の
ことのはかきかそへなは汀の真砂なす法くなむむ
いてや花のほした月の夜のかきりもなくひろき
なにめはひとくたりにつくすへくもあらすはた
さらにいひたてむ女中々なるわけなもかしこゝに
春翠園にとりあつめたるたはれうたひと巻なれり此
るくしもあや瀬かねか渕のかはり安にてふるきは
さらなり三十とせはかりさきつ頃本ひのと今のとたに
○墨河東岸部
波にうかへる月とはなは亀とのことくいたく
堂かへもなと人のつねいへるはさることもありやなしや
われは其道にかゝつらひなからそのかはれるをしらす
この頃両岸一覧といふ絵ま幾ものは明和のとしの頃
ほひにうつしものせしなほとて人の見せたるを見つれは
うちつけにあつま橋なきのみかはところ〳〵の
さまみなめなれぬこゝちせられてめつらかなりきそも〳〵
此物津川の一筋こそたまちはふ神代のまゝなるへけれと
いやさかえにさかえゆく大江戸のうちにしあれはいや
ひとけにひとけくるまに〳〵このもかのもの家ゐ木艸に
いたるまてあら玉のとし〳〵にかはち月々になほ
あらたまかぬ法こゝかくてはうつし恵のふり舟
おのつからうつりゆく如くに身はなるのくはつきもかはら
しとのみやはいひけつへ幾こたひまつひむかしの
岸こらなれる名ところをしもあらたにうつじとりそへ
てなつけて隅田川名所図会となむいふ今
むかしの絵まきものを見てむかしをしのふことくに
今より後このすりまきを見む人もまたいまを
おもはさらめふされ婆恵のふり歌のすかたの
うつりゆくなる中たちともなり此ことの葉の
○墨河東岸部
去りうせなしてわかともからのもて河そひ
くさとし女なりなは松百枝かいさをは霜の
後にあらはれ雪の中にふがゝらむ春とりの
如くならましと宇はおもるまゝを加幾とゝめて
これかはしかきとすこは有坂蹄斎池田
勝海らとこのなかれにさをさしける日いさゝの
おもひつゝけたまになむかくいふは
浅草庵のあるし
大垣守舎
狂歌隅田川名所図会
撰者
浅草菴守舎
浅紅園勝海
菅笠園静枝
青松園磐村
松園磐村
隅田川
隅田川をけくはねろを遠に見る夫婦中よく遊ふをし鳥山桜亭
陸奥郡山
花に日を夢くらしてし隅田川すみにはまた夏の夜あかし
ことゝはんまてや筏士老鳥花のあらしにわかおもふひと
壺戈楼真似好
隨日園本蔭
黒す琵色なた水にすめ滋すすみた河原の夕立の空
上野南谷
白色たる網かと兄のは堀田川の間にかけのしつる花の根松月園魚麿
仝一宮
一壺竹園直丸
墨田河岸にも恥さるは山本とゝますなまちなきこゑ
桐生
主なくもうしろめたさよ花をかし影あらはなる隅田の川面
第生園守数
足利
花の比心のこまのさことかけは雪ことし給ふする春みた川橘守氏
○墨河東岸部
同断
東橋
啼斎廿二丁
○墨河東岸部
隅田川之図
十七十三
陸奥福島
狂歌庵
白妙直
字へはふまして
すみたあ
水に見の
雪見罷
舟の
あしあと
十三十六十五
不尽の雪
随日園
本蔭
つくはの雲も
はななのや
すみた
河原の
夢の
あけ酒の
十八
桐生
さす
さす
舟も
第月園
守丸
よるへ
さためぬ
なしひは
あゆかはらの
花の雲水
○墨河東岸部
其二
網代守冬
十二十五
花さかは
人あしたえす
なりぬへし
まつけりつゝく
すたの春雨
宮崎
浅頼菴
長なか
千本
家根舟なのや
すみたあ
花竹くかたへ
けふも
棹さす
八十五本蔭
桜さそ
音とは
かきの
本蔭
隅田川
こと葉の花の
さかぬ
ときなし
十五八八
常之
いさこの夏は
すみたあ
船のやかたを
わかる
かふして
大間々
藤村子
○墨河東岸部
十五十五
本蔭
隅田川
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
おとつれん
はなのさくる江戸
この尾崎の
めしや
たれなる
其
十三十三
野にはなつ
仝三
生嶋といへと
枕ならて
こゝは桜の
たやしなり
八種
〆四
隅田川
夏はらへして
かへるさそ
長命寺
をも
とふへかり
斗り
青雲亭
一墨河東岸部
むさし座の
よひ路
かよひ路
あり
すみたち
これは
雪兄の
興つきぬ
舟
大間々
壷弓廬
有竹
してや
○五
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
四
其
十五十
なれゆく
花をゝし
まは
筏士も
いかたを横
に
かけよ
しからみ
春翠園
百枝
○墨河東岸部
十三十
高瀬
南山道
音きかぬ
遠山松も筏木に
つくれは春と
見ゆるひと組
十三十
大間々
壺鳴園駒寸
すたつみ
法なす花に風なくて
やすくうちのる
猪牙は大船
十三十
露やて
清流庵蔭義
その朝さくら
見まほして
蓮華寺にこそ
暁をまて
五貫
三河新堀
十五十三
壷澗楼三橋
夜寒をはとゝめかねてやいそくこむ
宝座のさとに衣してうつ
菅青
十三十三十三十二丁
梅客は
藤岡
浅葎庵
柳のもとゝねかひけん
西行よりは
三十日猶くれて
十十二十二
守丸
すた堤花を
たのみの出茶経らは
まつはしらにも
つかふ内久主木
十五
かけかはる後や硯のすみた河水さへ匂ふ花の真盛うり浅黄堂
かきりなく遠くゞけふは来つたかなゝまゆ河原の国にかれて格林園村道
隅田川影して不慮の頂にたな公きかゝる国のし玉高秋光亭月照
夕風にあつさ流したすみた川秋袋の来もみゆる涼して菅笠園静枝
上野神原
けふのみとおどはぬ春も立かねるにしつけきすたの川の川法槙下園千丈
大間々
てる月の影はさやかにすみた川くまかすものは筏ひと記茅寸亭春雄
青鳥行かふたひのあしあとか紅葉ちりしくすたの川水窓呉竹
沖をゆく白帆はこまの陶田河花のむしろに風なあたりそ隣春近
酸からにすたの川風さふからる花のふゝきと雪吹をもはつ平舟庭
隅田川花のしら雲たくすは誰も家にはゐる空のなき青々園千広
むさし野につゝきたれとも角田田河国ぬす人のなき無ならは涯青雲亭
吉原はよすに見なしき隅田河花の色香によふこの頃向栄亭重寿
一世をうしとのかれし庵ざにさけはまたいとはるゝすたの川風守数
筏声さをはことゝけと隅田川に死しらす影やかて見ゆ池龜麿
時鳥よつ夜は耳もすはみた川きゝなかしにはならぬ一声八幡若竹
三河新堀
隅田川雲の絵間の本とゝ侍すなきてよ觜のあかくなささて壷多楼三子
上野鬼石
夕立に片にこりして半分は水すみた川空もくもらす千代竹成
陽ゆ川なかのにうつる影たにもなられぬ国にねぬらすと母千広
わか国のすたみた河にはまさめぬとめてゝやこゝをのそく不二の根青雲亭
秋の夜は老も若き岡かへら男にかとはかされて来る隅田川壷明樓
隅田堤
隅田堤能葉も見えて遠に灘より見れし花のしこの
こし路には似たのとこりから暮ゆ河さきのさかふの花の下道重壽
かそいろひあまけななくむ桜余国兄のつとに和子をめぐさむ山桜亭
一隅田堤いゆえにましる大神楽風のあくまなまつはらひてゝよ花山守春
さく花に風なき夜はゝ下臥のまくらも高よびたつみ哉琴雅園道綾
隅田つゝみ行かふ人に白髪のひけをめそとや事花たる子等浅桐菴
前橋
春みた河見あかぬ花の香をそへる桜餅買ふ昔の家はと壷丈楼一岱
常陸山田
一紅た河岸辺たくねん白髪のあたりにたるに美の根を桜川菴真浪
すた堤にきて春はにきはしや出茶座の釜のにえかへる程霰王音
七八十五
花といふ子をおもへともすたつみ狂女には似ぬ雨のあし猶と駒寸
隅田つゝみ花にさはらす酒くみし顔のさくらはちらせ河かせ亀麿
茎つむなと女か袖もすた堤けふは露の色にたるひて松守秀
堀田の花懸ちにめなのぬ白春とおほしやそらん筑波根の神青松園磐村
阿田堤薪を土へる人はなしやすみにの花の蔭荼羅漢桐花
すた乍春なけて見おくりはらけの生のし土にかへる雁かね。壺月堂市住
ずた九わたし
十三七
春みた川見あるぬ花に日もくれぬの秋とや浪州舟たゝとおと守冬
十八
こち風は西へわたして渡し守さて楫かくをさく暑さく日声
陸奥飯野
暮ぬ間にとくわたらはや隅田川あしもとあかき鳥の見ゆれ婆東泉東京升俊
筑波嶺はよすめとすたの渡し舟なとこなみ形の色ならふ見ゆ百枝
木母寺梅若塚
十五七
昔雨の鳥も涙か梅花の忌日になかぬ人しなけれ婆野
木母寺の塚の柳のこりすまに又智風にさてはるゝはるゝさま百枝
一梅若を桜の花に賑はして様の塚へまゐるそろ人東路総国
東風ふかは常ゝの方へなひきなん梅若塚のあを柳の枝富呉竹
うゑおきし塚の森に梅花のやほしき姿おもかけにたつ橘立文子
十七
なつかしき我子すみたの川の名を尋てこゝにきのはゝらす花茂登輔
○墨河東岸部
傘は供に脊負せ事美しき鬼もねふつをまらす梅呉浅桐菴
梅若のむかししのへは初めの事西にやらぬ日も花くもりしつ坂月采女
楼若の忌日の頃は焼香のけふりもよとき塚の青柳壺長亭秋人
きのふまてこらへし空も穂客の涙となりて花さへかゝちる千歳卵杖
東風ふけはたへの春のこひしとや柳のなひて桜若の塚壺明楼
梅若に来ては月日をくりかへしなく鶯もむかししのふか真似好
上野南谷
梅美のすきしむかし近鶯も月日かそへるもらひ啼ける壺谷楼花守
五八
仙台
鶯も来る経よめや線香のけふりもにほふ梅春の塚柳浦亭唐海
こゝにしも尋やわひし子をおもふ響はあやなき梅若の母本蔭
梅若の顔はせもかてありほらん塚の様のめもとや升しな膾生盛
七一二十二
うめ若の塚はいつことのひあかり見るも子を思ふ田鶴のゝへ首蔭義
関屋里
大間
音たてゝなのはた人をはかるらん冥羅の里の水の水のにはとり
茅寸亭春雄
五十
川俣
桐ひと葉手形のやうにちらせるへ契野の運をかよふ秋風東紫菴鰕丸
五八
大間々
短冊の手形とりてやとほすらん質羅のさとの国の真塗り春山若枝
上野冨田
沢風のすゝしき浪代にすみた引災座の里多さらさゝするけり六解園見兼
毛無也
仙台
隅田川にふるかく筆きれて毛なし罷池の名もおほえけり千柳亭
水神社
常磐木のみとりは渕の色なして花の泡たつ水の神垣本蔭
風に浪たちて青田の海なすは島山ひきぬ水神の杜百枝
白髭社
はつ花の咲あらたまる春もなほおりゆくものは白髪紅磐村
老いくはいかて来つらん桜花とちりかひくもくしら髭の杜本蔭
八五
鶯の老て古巣のかくの家はこゝらなるらん白髪のもり龍海
五八
実盛にのむかしにかへて角ゆ河しくのに声むる白髭の杜浦雅
白髭の杜は名のみの隅田堤みとり色こき青様の髪茅輪園浜風
十一
川俣
手折来し花もこはのて一枝はおわたしまらす白髪の前五古斎昌二
花屋敷
一十一五
手なおのそ秋七葉になすにやしきかきかそふとておよひなると女都鳥園
青
寺島蓮華寺
七十三十三
遠国寺の池に蓮なし白髭の杜とはいへとひけなきかめ本蔭
七十三
桜花根まてはほらし一枝を手折よかくれよ蓮花寺社僧守数
五八
枝高の輝たゆみなくひぬもすに蝉も縫らむやうなる雪有竹
十十
請地松造
琴ひかぬ請地のせとの小松らはかたちつくるにいゝまなからん千本
ものかはといひしなしへや請地村月にくよかたす松造り鳥は静枝
十五
故にしる請地の花はつくるらん若き松にも杖をつけせつ守丸
五十
にはか雨笠を目当に立よれは請地わたりの松津くる門盛枝
松造る請地のさとにはなみよく横にたわみて雁の落鳥青雲亭
一十三十三
夜をこめて露をうけ地の草の戸はつくり声と思ふと思ふ松虫都鳥園
七七十三
いかはかり心のとけき松造り花にはそまぬ請地ことむら百枝
雨風や露をうけ地に針かねもおなし春とりに鎮る松かえ浅桐菴
月影を枝に請地の造りた部磨せぬやうに地をやはふさむ静枝
竹を見よ柳近みよと雨露の杖やうけ地の松のすなほさ浅松菴
一十
匂ひなき松のみおほこと請地にはものらかる音に鶯のなく磐村
菅
秋葉
五十三十三
猿叫ふ秋葉の庭のかし座敷はらわたをたつ魚もありけら青雲亭
○墨河東岸部
一同一十六
暮雨はきのふしくのて上れなゐに秋葉の柱も今朝へ霞けり都鳥園
五百崎
十五七
桐生
うしとてものかるゝ山の頂なる世をわひ住の葉の葉の瓦崎茅探園綾女
十八
むせし理の酒のまとゐにもみちせぬ人や請地の松造りなる千広
五十
花の頃床には桜泉水に鯉もいけおく落崎の茶座茅山楼守近
八七
心なき人もつくしの筆やとるこの尾崎の昔気しきには道綾
七七十二
桜かりけふは藤のせんたくとあらひ鯉をものそむ武蔵隆坂月永女
七七
尾崎の庵はくるわの向嶋こゝに桜の花もうりもの浅洲菴
武蔵座の権三か庵のかゝり子はとねにそたちし文四郎くい浅松菴
五八
昼の月の影にもむかふ嶋尾花かねやむさし尼の妹関月守
七五卯三
なか宿の瀧にうたする生鯉をしら参に又はくる尾崎鳥崎鳥跡久
十一
すとにこる世をへたつへき川ありる心もやすくむすふ房浅市菴始丸
牛島長命寺
八七
花比奈羅女さかしく見ゆれとも売そこぬさる木嶋の鯉陰義
青
七八十三
俄雨太郎は客にいとよなみのほりの鯉もあらふせくの日浅桐菴
花いより七日頃のり事長衆寺堤のさくらよはひのへて拝青雲亭
名にめてゝいき尋見拝長命寺衆よ伝のこる桜ありや少々千広
いきのひてのこれる冬のしら花木はうちき霞の寺の風の寺の真浪
須嵜
七七
昔は花秋はいなはの浪より絵井すさきの村は海辺りぬと本蔭
弘福寺
五十
すみた川きよき汀に黄壁の流をくめる寺のたふと共
七十三
三囲稲荷
足利
さためなきしくれの西のみ谷よりは鳥居の笠木かわく間もなし橘守氏
○墨河東岸部
二
みめぐりの鳥居の一はすた堤見ありてけふのはしめなりけり年坂近
五十
東嶋やうしの角文字すくなもしいしの鳥居をみめくりの宮紀太楼雄品
十一
三国はかすまぬ時も一筋のうちに鳥居をつゝみかくせ経駒す
小梅
五十
朝日かけ霧をはらうて見え打たる小梅の里の秋の秋のあけな
十一
しるへある小梅のさとに立よりる明うるほさん破さめの友守丸
大川橋一名吾妻橋
十八
下総櫻井
大川の橋の杉もかをるなり小梅の里に花やさとらく羅敷浅波菴
八七
鳥かなく東橋より見わたけは桜にしらむ春のあけほの本蔭
五八
あか妻と名によふ橋にすゝむ夜は竹夫人を誰かこふへき青雲亭
桜
十五五
家根舟のやね板なら伝隅田川桜より飛ふ風の短冊鷹谷楼花守
桜かり持くたひれて寝たる間は心やすまんすたの花寺千広
興つきる舟こおかへる人もなしすたの桜の分の窓には村道
十五
雲と見る瓦烟も深山木そ角ゆの桜に立ならひては静枝
五十
一猟当に着かへもそへて隅田川つゝみにあまる桜かり人浅暁菴瀑人
七八
かけ茶雁のほそき烟りもすた堤津ひに梅の雲となるけち静枝
十三一
よし原にしるにしる事ありる堤雲はつまぬ桜狩しつ壷梅園暗記
七七
花の袖ひちる川水むすはましすたの桜も人に酔なは磐村
すみた川岸のさ上らは瓦やくけふりのすゑもつゝく白雲千広
白魚の網をあつめてすたはゝみ風やとめん花すくら時梢雪花
桜花なりてつゝみをゆく友は舟人よはふ声におとろく村道
さくら時すたの堤のをみかゝつれいゆ〳〵しやと花も見るら故春近
十一
ゆきはゝ舟かへりは堤興つきぬすたの桜をうらおもてはつ千広
○墨河東岸部
上野田沢
十一
星光楼梅鄕
春毎に花のくら雪降ぬのとえたをれはなしすたの桜木星光横梅郷
都鳥
三十三
名にしおはゝあつ方なよりもなからましすみた河原になく森守葉守
七八
隅田川花の雪にもこゝまらんはしとあしとあしのあか鳥あり舟庭
隅田河原の錦をかつきに事鳥も彦の手ふりなりけり至清堂捨魚
藤岡
青鳥すむ川岸にもえ出るあしも夕日に赤く見えけら緑斎永俊
影とつる花の綿に職こめるもやうのやうにみやこ鳥かな干広
白魚
十三一
足利
墨田河かゝり火たけは闇の夜も水底しろき魚のあへる一調亭打安
八五
蛮の来る家根舟をのそくすすくひはしむるすたのしら魚
五八
桐生
一しばしりのかたちにはたちつみあけて乞さへ不二のもとの白魚真砂数訓
十一
白魚とる算大ちりもまま田河水の底から夜はあけにけら打安
やゝ江戸の水にもしみて東のすゑ紫になるしら魚の腹浅梅菴秋佳
鯉
すゑつひに龍となくらん影よつる桜の雲にのるすしたの鯉杉葉守
隅田河鯉の料理にてかつけさのあらひ朱まても心ありけり山櫻亭
すみた川にまつ頃はみさかなの鯉なゞ雨の糸につくらむ龍海
五十
てる月の氷のことくすみた川鯉をおとらすまれ板の上三橘
蜆
虫
五十
白髭の立居わたりは現はへ近江の勢田におとらさりけりけり青雲亭
桜花のたつ岸をくゝりつゝ蜆貝とる溜田のさとの子磐村
水の上に夏をわするゝなりはひはすゝみとるよち螺とる舟都鳥園
舟
十三八
川風の入勝手よくさをさすは夏をむねなるすたの家根舟根舟駒寸
○墨河東岸部
桐生
茅輪園
十五八
浜風
梅蕪の
忌ねまうてを
わたし守
さをの
しつくに
ねは野かす
故
浅草庵
いつ来ても
江戸のひろさよ
春みた河
花より外に
花より外にしる人はなし
○墨河東岸部
ちりやすき花になよせそすみた川帆に風をのみたのむ舟人静枝
奥日出山
一隅田川こき行舟の風すゝし秋葉の杜やちかくなるらん翠松林竹長
立よらは折もしぬへしすみた川花見ん人は舟なら見よ磐村
五十
一酒の石のあれはなるへし乗合に下戸も破うた旨すたの川舟初哥宵闇
上野鹿川
一船頭そろをおすのみか生酸のかちもとりゆくすたの屋根舟呉竹友垣
七八
大間々
越の雪しのふはかりそそゝすたの舟の家根より高見ゆれは木居鷹釣
七七七二
一隅田川出舟せかれてとるものもとりあはせさる花のよみる有竹
七七
すみた川に心を心をつなく日は舟をも先へかへしてしかな守丸
むやひたる小舟は露もしとゝなるすたの桜のしるこほしかと千広
隅田の花楽嶋かけてこいかむぬと契るゝ故につけよ舟岩梅花園玉倉
すみた川舟は声揖とりかちと法間の月をよきて乗らし友乗
人の名の長めい寺にやこおよせん家持ありくやうな家根舟都鳥園
鈎
十十
約すれは浦嶋か子もおもかひ出るみかへるかたにしら髭の杜本蔭
七七番十三
すみた川花のなゝきの風うけて岸にたりめる泊さを尋行湯布菴糸夫
一ひとつ家とはしめおこし川中へ隣の出来る隅田の釣舟打安
たのしさは影して花の木によりて魚をもとむるすたの約舟守丸
一釣人の心ゆかしやすみた川花に霞のあらせぬもよし千本
筏
十八
雪の山おろし来事又ちる花の上をそへらすすたの篠浅松菴
七八
一隅田川くたす筏は浜の上の花にもかゝる霞なりけり重壽
ちゝふ顔はそやきゆらむすみた川筏にの雪も降つむ千本
隅田川夏をも丸てゝ秋の気となかす筏のうへそ涼しき文字摺岸住
○墨河東岸部
手折来し花にも風はあてしとてたれこめておくすたの故根舟青松園磐村
きと人の心にそめて造れたや請地の松の花と深色こき菅笠園静枝
西行も今戸やきにてすみた河あたら桜のなんことかめす浅紅園
舟うけてはへゆく釣の長縄もくらへにそたのなかき縄手に浅草菴
八月十五夜隅田河のほとりに
つとひてひと〳〵月見る
十五点
すみた河月てらす夜はひかりあり汀にひさく石も瓦も本蔭
一隅ゆ堤空にも築高てる月の水をは西へこさせすもかま百枝
十三ヽ
月見れは神そぬるれ角田河やよひの望も思ひうかへて都鳥岡
打むるゝ人にやくえん隅田堤堀の穴とへ見ゆる月の夜本蔭
夫ゝ鳥あさる川瀬の月かけも浪にゆらの事しろく浪たつ山桜亭
すみた河風に雨雲とりはらひ片根なき舟をめつる自影駒す
塵雲もいとへる月の庭崎になきこそよけの雨の春つれ磐村
隅田川月をもよにによし厚へ寝にとていそり舟はたにてこそ
角田川行かふ舟にさはらしと月も柿の楫やとるらね都鳥園
すみた河小夜ふけぬらし月は西人は東の岸へまはれり今
一隅田川花に逢てし人の顔老てや今宵月に見たかふ紐成
墨田河月かけ法ゝし沈みたる鐘の龍頭も雲はおこさて月照
すみた川月の雪にもむしやひおく岸の小舟は棹をたて合
一心あらはすみた河原のはたし守月人をとこ西へわたする本蔭
月見舟昼とれはうま酒の隅田川にもかけはやとりぬ守冬
むかし賀陽院にて先源法師かよみける哥さへ思ひ出らの事
秋も秋こよひも今宵月も月ところもによむかたも影青雲亭
隅田川名所図会東岸之部終
○墨河東岸部
画工蹄斎
印刷町田平七
隅田川名所図会西岸之部近刻
文政六年癸未八月新鐫
春翠園蔵版
20059
し
も