誹諧武玉川 二編・一〇編
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- 慶紀逸選
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- 場所: 江戸
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- 日本語
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- 萬屋清兵衞
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- 東北大学
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誹諧武玉川二編
第4円
黒譜
硯田舎紀逸上
同十五点
四時堂鐘
□嶺秀神林十五丁
廿四四
十八
七・
収
以丁購入光間隔博士
先になる所ら武玉門は日こ
魚耕の秀逸を顕すもの也
今又それに継て寛延庚
午の年より未の夏に至迄
の旬々をゑらひ後に予か
一箱白句を加えて続編と
なし侍る誠に玉川の流消て
としてしかももとの水にあら
さる姿情をしらするのみ
慶紀逸撰
四歳
里
佐長守書
冬嶺之篇
あんはいのよい朔日の空
陽炎やとかく何そに倦た時
口洗ふ馬のくはへるかきつはた
紙漉のたま〳〵よめてかこを艸
雑司谷駕から顔か二ツ三ツ
親父か見ては済ぬからかさ
去られてもさられても未タ美しき
鰒の師匠の駒下駄て来
四十からさ曽の裏へ飛んて行
御し上て見る縫紋の出来
一眼薬をさして大事に起めかり
病上り工夫して居遊ひ所
年忘何そ降のを待て居
隅田の渡しの夕暮を骨
物買て背筋のゆかむ小侍
河竹の本ニのこゝろは女也
赤子は膳て見らぬ正月
井戸堀の心覚えに懸啼
五十一日へて内へ引く息
九ツは禿行潰る鐘の声
朝皃を粉にして出行男の子
む寒く廻り人のない法輪寺
子を持寄観音を引
奥に娘の光るかさり屋
やもめからすに張のない風
切賃は金のなくなる始なり
足て鼠をおとす万歳
藪入の田の近道をうち忘れ
らまい事言ふた師走に助ケ舟に
一葉つゝきたなひれすに散る柿
似ぬ顔を産んて我か身もうたかわれ
掟か有て同し黒髪
隣の虫も飽るくすり湯
はね馬に逃込只け久しふり
札配り遠くも来ぬる角田川
日向て灸をすへる四阿
あふない義理の届く吉原
富士を見て田植の髪をゆり直し
文るほと気の若くなるとし意
辛子かりて時過た声
物くさひ瞽女に引るゝ糸御くら
鹿聞の淋しい足をうち違
犬死の例て妾に成りあふ也
鳥屋の前ておりる遠乗
榊来て鯰の山は低く者
投れか切る数方の銭
東路は仕廻仕事に風の神
袷着て新地は寒い赤蜻蛉
婆々か死んて中垣かとれ
節句前文も五尺のあやめ草
あふひの上の袖に護摩の香
身のうちに帯かふへると芥川
入相に向ふ姿の膝をたて
田原かみちかく成と冬籠
かんこ鳥江戸の暑さはしらぬ也
若菜に揃ふ桶川の君
角万字やて折れる稲書
出代の門四五間はかけて行
しかられた日の分て夕くれ
宵闇の夜のしまる行燈
尖に毛抜もありかたき物
こそかかうして上下て来る
の舞にあつひきせるの打違
おとりを押てはいる蓬生
たいこの年の星をさゝれる
聞捨にしてはおかれぬ梓弓
おとこのほしい勢田の真中
蜘蛛の巣きりて戻る売居
ふすまを覗く太郎国経
我たつ杣のしらぬ年号
曳たひ袖のみへる図面
行燈にまた気のつかぬ暇乞
浪人の羽のぬける元日
妻の智恵も河竹の風
二十一日の中の命の命の命の命の命の命に知々あさちふ
他人の足に負る鳥辺由
雲の行衛の住吉て散ル
嵯峨より深きあみ笠の奥
雉子鳴て震か〳〵と撰を豆
鏡にせひてかゝる庭鳥
けふ九重を裸にて立
入墨を消す気にあれは夜か明
紅書かないも笑止なち用干
心ある酒とはしらぬ従第間
三人傘にうたかいはなし
塚と云ふ名て来る時は忍ふ艸
神風に吹消れたるもみちの火
吾妻くたりの青いからかさ
不沙汰の顔に合面かなし
つまみ洗ひの手を振て置
あり甲斐なしの笙吹の鼻
陰間の声の二筋にたつ
四十二の子の親か沢山
ぼとゝきす皆出来合の葉也ける
三味線の跡を因果と引かふり
朝みれは御油赤坂の家計
宵のうらみの二段目か出に
女房も只取るやうに通り者
一
夏野に家のつまひほと出
降ものゝおのれを調ふ板庵
酔狂の翌は浮世に突あたり
明谷の戸をたゝく高声
情しらすの笑ひ大きし
看病に藥のやうな顔一ツ
座頭はなせは文のうへ行
鰡魚魚の魚魚鰕流しへ持て行
夫婦喧嘩の外て小便
たおれ序而に住よしの市
松風の裾わげをする萩の上
帆かけ舟先か直てたはいなし
隠居の小判うこくあつかい
子の口吸ふて童頭分れる
立なから見て帰る金元
紙燭の反りをち懸て摺
海馬もらへは背中たゝかれ
生酔の次第〳〵に丸く寝
瑞行を見た松の長命
利そうに思ふは銀のくすり鍋
鰯の中へはかるうの国
めくろの犬も冬かれに成
招使にこ〳〵下帯に金
旦那へさして逃るさかつき
向ふ木挽の揃ふ鼻息
浅草も上野もなりて郭公
三疋てはねれは馬を詠あり
早乙女の笠は裏から日かあたり
医者に二度まて積らるゝ貌
二ツ重なる囁の傘
後家のやうなる牛若の影
くやしい声て横貌へ向
下戸ふたり起して廻る司召
通りの傘へあたる豆府
物思ふ相手かなさに蛸を釣
らしろ姿はしれぬ関守
狩衣は茶を呑たひに腕まくり
肩へかけると活る手ぬくい
むた書をして梶の葉をかむ
雨たれ越にかるひ相談
朝日のあたる盗まれた窓
掌を死所にするきり〳〵す
鳥辺山送り出して耳か鳴
工夫してきのふへ返る紺屋形
美しい顔て咄か長く成
誘ひに来ると見えて制服
へん〳〵と扣く御寺の大工小屋
母の自慢は錦木の数
なからへて新地にすたる真桑瓜
向ふへ鑓のしつむ長橋
いつ逃て欅に光る飼堂
第に余つた乳の水くさき
鐘の音計黒き雨乞
銀のちろりの通ふ紅閨
京町のやりての声て精の真似
土埃うしろへ請て梅の花
長は祈に知れる勝山
両陣をすくひ仕廻て勧化帳に
取楫は畳のうへて成仕事
巻のを千間のとれる国状
泊客主の口か辛く也
金に勝のは只ならぬ貌
売家を隣に持て淋しかり
雪やくそくは雨性の伊達
直のなつた跡の祭にはつせ山
鶯は谷へ戻してかたみ分
夜は老そめる九ツの鐘
人のくすりに燈に峰の火
書置に引くらへたりあつさ弓
蚊屋一重向ふに人をあやまらせ
言訳のくらい男へ飛ふ蛍
傾城と見たはひか目る竹の奥
おとり子下地しほり出す声
腹たちの手えへ見える鳴子引
水を女の怖そうに掃く
我物に師走は戻る借し座鋪
精進落に大判を見る
さし合を抜けは聞へぬ願書
ゆく〳〵は蛍にならん草の釜
一痞の毒を知りてかむふみ
鏡から崩れそめたるおさな皃
畳んた物の見へぬ独身
人形に惚れて禿はしはられる
後藤か馬の帰る夕帰
雨あられけるとけりて日かつふれ
楼船と聞てそつとする冬
針仕事手かるく成て夏近し
勘定つくの馬てよめ入
塩気の抜る蜑のかとろへ
ふつた所かけいせいの禅
我身ひとりのやらな神詫
ういた浪とやむかし人乗
山科や集るうちによいおとこ
奢かへしておこる逗留
夕顔咲て打戸堀の帯
飯入て少ねしきあま小舟
初老のまた豊縞をはなれゑ
夜に飽初は奥の紙きぬた
風も生れのまゝの材木屋
五人に問へは五色な巻
哀れさは千両箱に鰹ふし
六はらにしくしりそうな顔計
帆を揚てから咄なくなる
ちきれ〳〵に石燈篭つく
草履打片〳〵足を洗ひいり
汐曇はれて主なき桶二ツ
青物や玉子の色の目にかはき
こよりと聞て起る狸寐
伐られぬ卯木九日にさく
唐扇の自慢をしたる通り雨
橋守の燈の高きわかれ霜
かる焼の忍ひ心はしめり合
帆におそはつて傘は売行
烏帽子斗て生て居る顔
惚られた事を思へは気か抜て
地紙うり笠着る時は物詣
御ま〳〵に世はかはら呑喰
咄しにも千人切は多過て
病人の手へしつとりと秋合
大江の岸を浮て行下駄
新地の間夫に蚊柱かたつ
元服に又改て言かわし
おのほねの名に近い子卸
ゆるひ黒木に笋をさす
栄老な腹を匿者は怖かり
呼声を母のにくかる李売
うそのない旭を戻る小松原
死は煙てはいるよし八郎
誰植て人に淋しき峯の松
けいせいの親に逢日は要か降
糸庭のたんこに早きうつの山
寐姿かよくて哀なすまふ取
放し鳥とまれと思ふ木を過て
事納着かへる程の日てはなし
朝皃に追立らるゝ御しむかい
脊中へしれる猫の服立
雪の日はころけた侭の桜桶
闇のときれるうとん屋の前
須磨寺に夜着きて寝そ怖き
角力とりめと捨る子の尻
母も哀と思ふほと惚
夜かくらやつめつた前へ廻りける
洛外へ出して目にたつ払物
若党をたいなしにすか初蛍
死た和尚を誉るとうふ屋
掛てはたく梶の葉の虫
直切ころして歩行順礼
葉桜に成りて気の減る銭の音
指櫛か繍に懸て人たかり
馳走に竿を洗る柿の木
夜着の日陰に臼の目を切
いらたかを投れはしはし得気か在
段々に音のなくなるもろゝけ
みとり子小膳をとられて茶漬くふ
竹地には竹植る日を主の聞捨
脇の下から寒い羽この子
送り火は他人の手にて燃上り
初奉公のこりるくら国み
よいおとこにも二通り大づゝみ
買人の手てつまゝせる餅草
閑に買物使あわれなり
恋しい時は稿を抱こ
つむし風格子の前て二つ巻
疱瘡にうとんの桶も出して見せ
郷侍の名を付る神
あみ色の鼻につかへるむかふ風
雇頭か出るとこほす居風呂
娘から手代の間は紙一重
よい日和子守をなふる松の影
従弟夫婦の両方に任父
町のはつれて仕廻錫杖
堂楼之篇
吉次か供行したい事する
狼の命拾ひは寒のうち
今かよいとは言ぬ後泣
焼る間を柄杓て扣くは重御つ
給仕の顔の遠い住吉
辛崎は狐火まても滝にて
人の物着て夜の岩倉
そむけて糸を結ふ綻ひ
酒買時に灯のうつる川
阿部川て人と思はぬふとり肉
高野聖も金の明るみ
逐ひ尽した人を役め
伽藍の雨戸昼過にくり
朝貌くらく馬の髪結ふ
噛む瓜を極て居る物思ひ
庵の主聞へる方の耳を出し
我家へ海をあて雨乞
寺の余情に匂はせる蓮
烏帽子の跡の伏見まて見え
門口へ野分の届く住居也
初雪のつまみ心もなくてよし
撫子に火の出る鍬の夕河原
我智恵て逃た心の放し鳥
質に直のせぬ寶久しき
石をおろせはゆれる四河
礫を拾ふうちに小舅
重着の数をあらそふ冬篭
放下遣ひの来ると見渡す
合羽の下の痒いしかみ越
妻の小袖の壱る七種
面白そふに振廻す幣
赤子の顔の似ても水物
夕貌か宿取人の眼にとまり
遠い思案に蚊屋を出て居
笈摺を縫ふ母の野心
憎い女を異言る籬月
道成寺人のかけ出すかえか出る
拵すます殿のあけほの
下前にさゝ浪よせる者賀の浦
きり〳〵す踊の足を間違也
手数か入て返る羽衣
参宮とおもひ立にも身を忍ひ
こんにやく桶をこほす凧
八十七は手をあてる年
外を見なから這入乗もの
市迄は桶屋の夫婦身をちゝめ
葉せうかも笹の雫の振心
惣領は土蔵へ向てものおもひ
直キに妹と見える人代
律義に宿へ帰る節分
船の喧嘩の棒か流るゝ
一ツはちずかもめる後添
ぐみかくはつて目鼻ちゝまる
むくらの宿へ夜〳〵の客
山茶をを打て左官はしらぬ振
起〳〵は女の顔か大事也
損もなく遊んて歩行屋形舟
行水こほす先を皆飛ふ
何そ鳴らして見たい護摩壇
虫干に仕廻残して催し小袖
広けた所怖しい夜着
柏の虫の台所這ふ
短い袖に娘出兼
棒の中行外科の挑灯
新尼のことはのはしに借しなくし
鵜舟の掃除子か付て来
蜑も惣方へつる身祝
先妹けなひく吉日
風車外山の松の吹あまり
隣へ行も鴨の粧ひ
疱瘡の後に仲人の寄付す
娘にあらゝ誉にあら水仙
山伏のなふられて越す日高川
底〳〵と物を思へと留守に置
坐頭の下駄の知れぬ皐雨
大釜へ投込む薪のうはの空
軒をはなれて杖の商
江戸の起請を見守嶋島
小声にて海をさはく草り取
関取の巾着に行着旦那
一日をきれいに歩行草草履
鹿聞の都へ出ても耳か痩
江戸見物の怖そふに寝
河かつふれて亭の捨うり
黙礼の中を流るゝ割下水
三味線の次第に憎き年と成
姉の妹の届く蓬生
音のつめたい夜神楽の銭
くらい心に智恵は借し損
せきれいの尾のうこく筆癖は
子心に御へ嫌ふ半襟
鏡売日に成て女気
衣〳〵に木辻の鹿を追廻し
揚屋てつらのにゝい伽羅利
鶯や我国両に啼ならひ
舞子の親の橋へ来て居
椀へなみたのかゝる松山
鳴なから身を振ほとく朝烏
南湖の銭の一両はなし
むすめに暮ゑを付る雷
金剛杖てありく響の夜
ひたるひ猿の桃色に成
隣の蔵か涼風を蹴る
闇のうち曽我へ片身は届けり
なふつた舟の一所へ着く
請られてから産て見たか
鎌倉て嫌らいに成し夕間暮
我膝を見て笑ふ病人
乗掛へ伸上る茶はいとま乞
ひやうきんな人の仕当る汐干持
え緒の入らぬ女となりにけり
身をさま〳〵にひねる霜解
度紋の貌の矢に付て行
泉水を挑灯て見るいとま乞
手代まて蚊を疵にして内に寝す
来た先を聞はあわれな拂物
そとは小町も言懸りなり
桔梗の咄の下昇る年忘
橋を限りに帰る抱守
出る恋に内へ来る夜摺違い
ついへな顔のたい正月
つまむほと寝て明るはづ春
気のつかぬうち通るのり物
鏡研顔に釣れは日かくれる
日本の金のうこく晴天
妾のふりにこまるふり付
なふり次かに知耳の第
右同断の身を逆様に摺みかき
夜泣の屋根を見廻て寐
鮎くへとさそひ人もなく静鳴
出舟へ見廻住吉のね宜
枇杷の花千畳敷はねかし物
又降る雪に鯨糠を吹く
天秤棒に遣ふ手はなし
蛍か好きて気の抜た昼
所化うき〳〵と九十台時
むらさきに合ふ江戸の根性
下女は男をほめる小つゝみ
握りこふしは母の奥の手
二親有て夢を忘るゝ
三味線引に山下の渓
飛脚の膳は目の前て盛
呑めと斗は主の和らき
立のまゝにて違ひ駒そく
庭のたき火も知て居る貌
て退く人を見限る肴売
かゝり舟鴎の中に銭の音
紬から上のすくなき奈良の京
峠の家の尾を鰭もなし
首途のわらち発せてうち詠
供を以て這入拾授
日蓮記よむ製は入替忍び
船は捨るに乗物の恥
又一度十六七丁人見知
逆おもたかゝ質の始り
有馬筆鰒と云ふ字に顔を出
しやほんの玉の門を出て行
一乞食の壁もあたり狂言
よい中は人形よりも都也
めつたにはねる五奉行の馬
神籠にあたる聟は不器量
聞干た跡のつまらぬひのへ午
雪御へふれは女房ぬからす
冬のすかたへ戻る人の日
彼岸御くらを後家の喰物
先見た物の帰る引汐
軽業へ残りすくなく日かあたり
九十九両は賀細井の損
生渕の魚の耳か聞へる
俄分浪の俄分浪の我領に焼く
身のうちつれて侍るの足早
船頭の響をつかんて蚊遣り竹の
身請行顔を村の眼さまし
我内て評判に合射まくら
匂ふ物皆追詰て菊の花
二度子おろしに逢ふてはなし
別霜人の奉公の跡を行
梅咲て手心かうき鉢たゝき
また惚た気て追善の歌
瘧のうへに乗て居る母
雛形に富う手の切る枯野原
娘は尾羽のかれぬ皃付
ゑひす講から嬉のしこなし
六人の子のうちに玉川
金の減たをしらて本服
夜はしら〳〵と生残か下戸
小僧の仕落舌をちゝりと
眉毛から算え覚る若狐
投出す財布こそのない音
柔取此度の店も追出され
誉ちきられた笛て歯かなし
後家若くときり〳〵す飼
練供養笑ひそゝなを跡に立
瀬戸物属に余念なき尼
雨やみを行声のだいなし
あはら屋のとう〳〵松に寄懸り
笠から先はしらぬ生霊
玉の緒のくる〳〵はに五十両
曳舟の引ぬ時にも萩の風
三念仏へ引けか銭御し
日陰〳〵とすいかつら売
一膝抱てうらみの泪あつく也
伊達を残して戻る奉公
弁慶ふたり貰ふ五月過
田は寒く夫婦烏の口を明
三嶋のもくさ夜計うれ
我然の人の愁まて眼に懸り
最う似た顔の出来ル元服
汁粉の使戸も明ぬ家
同しはちすの夜着を踏さく
紙燭の反りの出来合て済
雁金の棹の先には鈴鹿山
女房にくれぬ戸板一夜入道
看病一突出して遣る恩冬酒
春に似た日も十日ほと八手咲
言せて置けは傾城はなし
くほく見られてつふぬれて行
よいおとこゑひ男に兎かくれ
手代へ錠をおろす高声
反橋を先へ渡て口を利
三味線めす親のあやまり
母も内証は知て寝り金
質屋の口をとめか束帯
門跡へ向く大舟の尻
生れた事は誉ぬ晴天
二親を背中へは手の届かね
衣着て見る孫のよめ入
朝皃のかき廻さるく奈良の町
妻のゑくほの段々に減
居たたけの仙い口よせ
若衆の覧を辷るたた
二三畳雀目の闇は日か残り
湯治からひよつと気のつく内煎請
法印の早合呉て闇になり
引摺おとす御油の近付
只有神に瞽女の手まくら
住持代りの味に若やく
地頭の智恵の出ると夜か明
初午にむす子の供の口か過
翌と言ふ紺屋の女房美しき
心ほと言かねて居か袖たゝみ
もとの京から通ふ棚経
寺に言昧たのも吉原のうち
新しくなり九日の釈迦
堪忍はくらい所へ連て行
また塗箸に逢ぬ正月
聟は大事の子は言をいふ
うつくしい意浪を柱に寄かゝり
相機嫌あれ夜着に三人
夜中ふまれて大坂へ着く
胸の火は拵へ物の奉公人
音羽の瀧にぬれる乗もの
三味線を強く斎日の始
日本の伊達に筑た平塚
野節に成て帰る浜萩
男自慢の誉ぬはつ雪
ほんに泣時地女のゑ
辷た時に悪心はなし
裸て歩行海士の貰乳
遺唐使青さ原に口を明キ
泣止ぬ子に蔵の戸かなく
先も女て恥る借り物
寐せる心て我も手枕
祝日の持料ほとは美しき
来ると驚鵲の日本物言
精進を落て目出度人に成
戸へとりつくと地震ゆり止
吉原見せて仙母を立せる
衣にたすき誉麦奇妙なり
主武昌之篇
初て青し十月の猪口
きのにけふ翌は見捨る小松原
寄合て気く牛若の帯
傘を外れて歩行若殿
ふるへは塩の落る竹平
やばきは橋のうちて大名
鎌倉の代に喰ぬ鰹ふし
管器の加賀を通れは田うへ笠
互に笑ふそも〳〵の介
もいろのたい義経記
渋んてはうく質の行末
雨風にかき廻されて十二月
合欲の葉の涼しい夜を握詰
大名戻りさひしかる箸
子の口をふまいた窓へ顔二ツ
通すと眉の下る関守
家督の祝義仰向に寝
鯨のうそを七村かつく
黒小袖とちらへ出ても口か合
銭提て大津を帰る山法師
親孝行の蓑を着て泣く
有し世の一ツ残りし釘へし
面白い人と言れて草の庵
筵帆の恥を思はす庭を行
かるに乗たは予のまゝ
友達のひや〳〵おもふ誉詞
冬からのうそか溜て鯛を買
林間の今焼付と又しくれ
猟師の妻の虹に見とれる
四も五もくはぬ下戸の関守
細の休み貝て髭ぬく
いつの間に喰ふ神子の弁当
せちからい都て歌をよみ習い
尻も緒す神む月降
書たい事のたい去り状
都の雪の鯰ほと降
落すかいやて迫る雷の戸
石の地蔵の清い唇
瞳すはらぬ四辻の顔
親に奢て見せる藪入
恋風を思へは四季に遣て吹
物縫の雲られはしめ衣かへ
腕つくの女房見に行交肴
人を呼征に我子を膝へ上ケ
泊客言訳過てうたかはれ
題目おとり貌も手も筋
度〳〵壁を拝む門前
酔て戻た妻を見上る
天下に知れた愚痴な吉原
誠皆うそに消さるゝ落し候
うたれた滝の末に音楽
つまくつて帰る昔のしのひ道
酸いもの並ふ小梅梅若
年明行心にしつむ灯篭の火
抜身を軽く思ふ高縄
草の中にも傘は三本
朝貌か咲と蛍は馬鹿に成
もはや男に成寄し堪な
風呂敷の度〳〵主を取違ひ
膏薬の二重心は穴を明ケ
干鰯の仕切見ても眼か覚
記念の琴になみたかき交
五月雨に肴の顔を見忘れる
六畳敷へ無理な芸呼
蒸薬息を吹のか癖に成
口のうちて言ふ念仏かほんの事
客夜着に土蔵の鐘をのせて出
十月の霞のいゝる本願寺
古い屋敷て損根の葉を買
黒雲かゝる焚出しの食
ぬれすに戻る傘にうたかい
看病の一間隔てころもかへ
小判へを鏡の息のめいしちへ
旅たちの跡の坐敷へ日か当り
塩鳥のおよいた形に堅く成
たまつて瞽女をすへる明りみ
煎より一月はやきつはめ口
珍らしく見る旅のからかさ
こらへ〳〵て鏡鉢に泣
藤の花寂う此うへは日も逃す
見附の屏風盃を見す
蜊雁木に汐の見合
縮緬を襦子も仏の道しるへ
昼寝の顔へ掃かけて見
木馬に似たりうとん屋の音
寒倉仏鳥屋の門も野辺の数
手のか野くたけはたをして松囃子
わさひおろしに日の残る留守
挑灯か消ると直に突あたり
脇から見へる公事の近道
吉原近く幾るからたち
松風や関の障子の喰違い
格子から禿の髪へあやめ指
碁うちの見出す宵の明星
かつかれて初会へ上る枝紅葉
気の勝て居る品何の猪牙
伴ひの春兄に下る春の空
浄なりて数した声を鉢松キ
桑の枝おもへは遠きはかりこと
水かみ見る舟の返す
焼塩を削る女房の膝守まき
地紙売を物ぬも言ふて見
蚊屋越にゆり起されて早合矣
他人の目からしれる一生
逗留の二助んめから能寝入
抱つくまてか然の道行
大工の智恵を寐ころんて見
猪牙のふとんを撫る椎の実
真貌にめて武士の付さし
御くらを浴る馬の横面
大根馬ふせう〳〵に引迫し
気の軽ひ母は見て居水浴せ
淋しさは巨燵やくらのゆるく成
まからぬ心瞽女の手を引
母は箸にも物枝にも西木
沈んて乳を隠す并風呂
鳥屋の見せのくらい草越
畑の鶴をみせに遣る雪
須磨の浦雛を柄杓に汲のくれ。
明星かくるりとふれて滝へ着く
恥かしの火燵の出来る煤払
半夏生隣も合ぬ井戸の蓋
むかしの通り念仏て起
四ツ谷の塀に伊達染か行
負た子の目はたきをする萌黄編
生男も琴柱に落る中の町
髪かたち笠もかたちの内に入
鬼と言わく後家の革足袋
富士の夢見てまめに成母
女こゝろに見たい竜宮
かんこ鳥啼庵に鳶口
ひとりて食のにへるかみなり
二百十日にちちなよめ入
石の井筒を母の念願
手品きれいに紙燭よる書
袂て銭を遣ふ墨そめ
錦木を内から立て縁遠き
松明を結ふ村の葬礼
俤の夜の障子やたはこ廟
小つゝみに恋を仕まける大つゝみ
糊立のせぬ衛士の顔付
清書は障子に残りたゝき鉦
五ヶ村すくふ主の有地
降ぬ日の勅使を誉る角田川
人保うつ浪人の声
立聞にやり手は鎰を握り詰
大僧正も材木を問
棹ぬく跡にきり〳〵とうづ
懸乞帰り向ふからす
なみたぬくふて袖の片桁
子の扱いの下手な連歌師
五条の橋て安い主従
久しい先の奉加帳出る
水仙の舟は入日を漕流し
田の中を蝶〳〵も飛声も飛
名もしらて何かうれしき生肴
横平に念者の手紙むつましき
始からはつす合貞のとしわすれ
篠をつく降に戸板の年か知
梅に向て歯を鳴らす書
侘言に若衆の母を手を合
娘か逃て髪結ぬはゝ
二羽鳴雁も極月の声
与力町一人か二人よいおとこ
くらい所て笑ふあやつり
一逃にけて口を吸せる
袖の梅きかぬは書の心也
泣子の口へしたむさかつき
浅い新地に朽るがつそう
行合せねはしれぬ達磨着
山帰来かならす城の落か時
たからの市て気はたおれる
草履とりまて息杖の息
明地か出来て新らしい持
合売の上て遠い寝所
宇治にちらはふ殿の役所
夜更て人を遣ふいんきん
そは切は投込ほとか馳走也
たゝ程の中へ薬鍋なけ
相人か瞽女之恥をかゝせる
小野か曇てほとくきす降
下戸の鼻にはうまい木犀
二代とは続ぬ下戸の蔵を買
めくらむす子の乳を長く呑み
仙臺へ歯の立ぬ稲出
気の強い女の落るあまの川
飼ねつみ来るよし町の屋根
むつかり起た醫者の横平
名代の狐白い食喰ふ
向ふの顔をふさく夕刈
葉ほと世間をしらぬ茶の花
夜はほの〳〵と通り者散る
染風呂敷の美しい供
かほちやを抱て下るさし第
無念なりけり山伏の餅
是切の布子着て買はつ鰹
昼を大事に遣ふ十月
四季混雑
法楽
紀逸述
裏なきは神のこゝろそ恋衣
鶯の声かけて割る氷かな
我歳をかそへて寒し冬龍
名月や茗荷の鶴も生残
あくる日に家の床しき磁哉
しはし旅たつとて
樹に寝るとおもへはやすし渡鳥
二夜啼一夜はさむしきりくす
菜のとや庵のうちに曽我の母
はつ雪や杜丹のことく手の如く
重九
朝貌に着せる物なし菊の花
稲つまや椽まて来ては帰る浪
顔みせや狐もひらつ人の中
初雁や結んて投るかけ袖
変行て御大言たる所皆二才し
樽売り二十日めに来る杜母哉
降そうな三十日をふらて時雨かな
袴着やうしろにおやま二郎三郎
鼠追ふ夫婦の声も夜寒哉
木からしや眼につけて吹柳原
あしかに橘を寝せるやき牡丹
上已
酔ぬとはみれぬ雛のあくしかな
鹿の煎猶焚付る紅葉かな
神明法楽
正直の程を植るや杉の苗
初干に狐を乗せる遊ひ哉
根を付て捨れはいやし菊の花
海老網の引明さむきもみちかな
五月雨や焚ぬ煙の小春はら
かゝたちも手の出し安き若葉哉
二日から月を匂ふや梅のはな
ゆかしさよ様菊揃へる暖簾下
むら雀躍らは着せん梅の笠
銭別
大空に無事と書聞や春の雁
か雪は跡ての事よむさかり
眼をなやめる比こそにて
眼に白き物のくすりや山さくら
むき食にとろゝと啼さきしの声
文衣
袖笠のかへりもかろし衣かへ
しら鷺の眼にはあふなし郭公
夕うれは御くらに恨む人の声
はるかにてしせ山のはの月
時花眼の響のあかりや仏生会
銭の事わるくみれぬほたんかな
さわらひや椀をつかむ雨の中
鵜遣ひの躍見て居る月夜かな
紫に身を投出すや秋の露
宵の西抜るほとゝは雲見草
松虫の松もときにも別子かな
五歳に成養子を失へる人に
五の字にも油断はならす五月雨
ほた〳〵と桃の花咲垣根分
笛吹て唖も遊ふや花すゝき
魂や鐘に勝つ夜の来り〳〵頃
はゝ木しや入日の中のいかのほり
八朔や機嫌行直る風の神
利口には波のしいれる千鳥を
再会
同し根は寄り添やすし雪の竹
留万
まあとあるをしほに戻るや川ちとり
大黒の身をうき竹やゑひす講
雛の前かしこまりたる雨夜かな
町中に医者の桜の咲にけり
他国の人をいたみて
聞てから寝られぬ夜半や遠念仏
初雪やつまむて付る徳のはな
一屋根板を鳶のくはへる暫分哉
つふぬれて芙蓉を出る兎かな
五月十三日首尾
蓑と笠竹植る日の旅出かな
上野にて
しのはすはすはすはすはすはすはみはみはみはすは
鉢の木の讃
あたりなから梅に梅田の工夫哉
燈の中に女の顕れし画価
炭はねて言残したるうらみかな
吸ふてたに鶴の水とりや菊の露
聟に成人うつくしき師走哉
飛ふ中にありく蛍やみをつくし
再会
二度めには戸の明てある水鶏哉
あはれなる物
子を抱て鶏り丸寝や霜の声
丹五
立並ひ小褄のかへる幟かな
看病
火の下に生姜の匂ふ霜夜哉
鳥黒し硯洗ひの橋はし程
朝皃を朝食にする胡蝶かな
七十賀
その上に三十足さん百千鳥
名月やうき世の隅に念仏講
悼壮士
白瓜に思ひかけなき手綱かな
名月やそれ程もなき雲の帯
よい陰へ放しうなきや蓮の花
鉢たゝき同し所の夜明哉
出山の傍を拝て
吹度に佛の内の落葉かな
別荘元
かんこ鳥見る気はないか上屋鋪
藪入のうき世に飽た顔もなし
起出て又何事をいとなまむ
起〳〵の筆にちからや大根引
玉霰鼠の姫を呼ふ夜かな
山茶花や障子のうちに尼の声
鳥さしの振かへりたるやなきかな
椀久か蒔てむさく菜種かな
年と日のかゝりむす子や太郎月
国作りの鱠は寒し梅の花
○廿一
万歳や今はむかしの糸古
・
神農
一日の口に余るを救やりかな
はつ霜や湯屋よりあまる水燈
風はなやねふかに落て入性根
秋まては我を張通すかゝし哉
述懐
鬼灯や人は口から年か寄り
通本町
万屋清兵衛板
未初秋江府
三丁目
午ノ年冬
紀逸撰点一冊代以て
武玉川
右ハ十五点以上秀逸之句板行
未ノ年夜扁附録四時庵発向入一冊代つるゝ
同絵紙
当七月板行出来
21417
三編後扁追々出板仕候向後は御句主様御表徳
一書入申候間乍御面倒御向之下に御作免御書付成
一御向寄次第板元方へ成共御届可被下候尤入料ニ不及
通本町三丁目
万屋清兵衛板元
廿九
万歳や今はむかしの糸古
神農
一日の口に余るを救やりかな
はつ霜や湯屋よりあまる水燈
風はなやねふかに落て入性根
秋まては我を張通すかゝし哉
述懐
鬼灯や人は口から年か寄り
通本町
万屋清兵衛板
未初秋江府
三丁目
午ノ年冬
武玉川
紀逸撰点一冊代以て
右は十五点以上秀逸之句板行
未ノ年芸扁附録四時庵発句入一冊代ツヽ
同絵編
当七月板行出来
21417
三編後扁追々出板仕候向後は御句主様御表徳
書入申候間乍御面倒御向之下に御作免御書付成
一御向寄次第板元方へ成共御届可被下候尤入料に不及
通本町三丁目
万屋清兵衛板元
狩野
一部諸武玉川十編
伊姫氏の代
購入セ
入セル南博士
狩野亭吉氏藩職事
井正程画
四時風流六義是致
非隠非吏握管目耕
行何所樂唯山與水
吐言微中曷謂非教
憶逍遥遊嗟楽且壽
阿有年賛
三十四
寛延三午年時雨ふるころ誹諧のむさし
ふりを普くしらしめんため日々撰呉の霧
色をあけて一冊となし武玉川と号して
世に弘め侍るにその流れ遠くわたりて都は
井出の里に花の露を置そへ外の花の陰には
波のしからみと成て見捨る人なくあすも
こんと夕されことの閑を養ひみぢのをくの
野田の末迄貞の私なき事を賞せられ
て此集既に十篇に満ぬ猶又此拾遺
をもなすへき所に老情しきりにいたつかはしく
朝の事を夕に忘れ書とゝむる事も怠りかち
に侍れは此十巻にてさし置侍らんさるを
書肆のもとよりせちに乞侍れは止む事を
得す予所〳〵の芳庵に望み東武の判者
貞とりの秀逸自他の句〳〵に予か撰呉を
書ましへて蛮都枝折と号て武玉川全
部の後海に備へ侍らん志は侍れとも老契
はかりかたしされは此序小高貴の方予か
像を画有年先哲是かうへに賛を添
て見ぬ人のかたみにもと送らせ給ふを
一固辞するに及すそのまゝにさし置
侍るも私ならねはそのをこかましきを
一人々見ゆるし給へとしかいふ
東武部林
四時庵俊柱子純逸述
子四月改印
蝶蟀入牀語廿五点
庭舎明月光廿一
敵窓萬玉聲十五ヽ
紅塵一騎十ヽ
水精盤七
拍筝五〃
雁字三ヽ屯二、
敲窓萬玉聲
朝皃の少東を見合せで
松風を理今とは常の耳てなし
女嫌らひの底倉を誉
ころはして見て笑ふほた餅
去り状に書たひ所はおとこ坂
子を振付る乳母の実袖
医者の云ふ事を守れは夜か長し
握り拳の中て鳴く縄
不破の関首にからまる稲光
俤もまさかの時の用かり立
死んた咄を聞も養生
寄手の陣に光る乗物
足跡は壱人に見りて芥川
雨日い湯かり入て来る朝ほとけ
兼ていふ内損斯のことく也
売喰も商買しみて雨白し
くたす筏に食喰て居
賀守の内へ這入れはほんの息
懸人にはかゆからせる山舛の芽
生て居かと殿も御たつね
朋人形か口をきかせる
不機嫌な時につふれる銀きせる
ぞうしヶ谷時雨の下小路のとう
惚くさりむかしきいたをくやしかり
明店か物を云はひて御仕合
誉なからがてんの行ぬたから物
家中の子おつゝら馬に乗たかり
一盆前に四十八夜の中回向
終丈になると仕着せの恥かしき
八朔過て伊達な稲つ戸
夜の壱分のつかみちからも
行燈を引くと呼屋はうつの山
一糸喰波女の四谷から出る
立しのふ障子明るき緋の袴
めりやすをやり手か懸てゆるくなり
去年のけふもかたられにける
あくらに手間のとれる関取
みにさゝい午房大根の枕もと
歯ぎしりをして未の松山
星と灯の居かはるやうな村しくれ
真中に乗乗合の欲
突出しは朔日の気てかしこまり
ふくれた皃か紺屋から出ス
隣からそろ〳〵針か棒になり
大黒も今の女房もぬすみ物
浪人をして明六と廿たかひ
出頭も出来御物見も出来
素麦の友は四十から上へ
蝶かろし頃は入輝居なしみて
きめ所をきめて太夫の静也
よみちかへりのうそは出次第
水入に成て布袋の狐か利す
道速に頼母しいのはあばたづら
流れぬ迄も御しら洲へ出る
蚊の声の戻る所はかきつはた
新造の袖を朝日の引延し
事事を習ひあふせてから衣
たいこか腹に地こく極参
入定のきろりと一同峰の松
狂乱も元か器用て富士太鼓
浅草て拾た金の内を見す
松風は風の中ての通り物
中屋敷御取はつしの幟たつ
物に成たか紗綾か二巻
灯火の直クに成ほと小夜更て
食粒のそのまゝ有し届け文
一壱分か薪を積て諫言
呑口をねちる女房のつゝかれる
なま噛る事を請取若さかり
あられて妾の顔をよく覚
寝よとの鐘かり下ケル豆飯
長居して都のあらの見ゆる也
金沢も湯治の内へ巻込れ
六あみた六番目にはかしこまり
一葉つく散て縫手か重く成
病上り膝を見て居て笑ひ出し
見廻して目匿者の阿るとうからし
立て居る娘に咲の四方から
そこにある物汁の味と成にけり
持参千両あばた千粒
新造の一まんて歩行虫くすり
候にも又あられそうな馬喰丁
笑て居ても淋ぬうは言
居風呂へみんな飛込む抜参
蛤も一二合ある裾模様
世を捨て先さひしさは膳の上
念仏か恥かしいとは頼母しき
藤の花かつ〳〵若衆か甚々介
松明て人に逢たはめつらしき
坐中のねふり琵琶の本望
千体掛り指の退屈
爪立て見つぬ所は口を明キ
苦労性也六代の母
妻とり兼て大工に云聞せ
蔵のある絵し安堵する御鬮本
縞を着たけいせいは猶哀也
馬上勇々しく六原のうそ
我身を重くおもふ置土
うつくしい女房あるか自慢にて
いづなの蕎変も出入から来
焚付る度に小原を応しかり
軽業か成て階子をふところ手
我皃の面目もなきしやぼんふき
武吉り金を持せは強過ん
僧正のむかしを語る足のから
こそくり落す精進のうそ
辛崎は合羽かはやくわるくなり
三ツ物をかいとりにして振かへり
湯屋の鯉煙いめをして成あふせ
よく寝た子をは脊中から出す
ほんのくほ撫ては尼の気かしづみ
追出す母も只物てなし
うつくしい顔て咄か細長き
のろまつかひもらうそくて喰
入唐の高い物には草履とり
ずはや大事股にかうやく
さんこねは赤い廿ての口を聞
小気味のわるひ寺の軽石
愛相に先押寄せる仕立物
味な事なてやり手は床をとり
ふたり来て寐入咄の生かへり
浪もしつから御夫婦の釣り
材木も寝にて見れは安い物
献立に蛸ははつれぬ須磨明石
土用にちやゝを付る夕立
平塚さむく赤い椀出す
九年やつれて元の地女
ちい〳〵か出るそと母の山をいひ
髪緒もさし味か好て面白し
春太郎人に昼寐をほめられて
すいかつら寺へ這入と売仕廻
十番切の跡て弟子入
出代りの名残を箸のうすけふり
隣の椎を拾ふ胴突
ほと〳〵といふ戸の音に徳はなし
御隠居の初物母かりいとま乞
物着星見せる客には春かゝり
そのきさらきの口ほとに死
惣仕廻意趣返しには奇麗也
家来泣せのはつ雪か降
一桔梗の上は目の明くはかりなり
太夫か兄もさは一なす神
うそ付て居る門へせきそろ
うまい事な女房にけれて
別れてのさむい階子をかけくり
面目もなし今かりと女
かさゝきに成る人連て夕河原
きんたかと思ふた人か表店
茶し合水の蛍にも合
六原を出てかり来い物喰はつ
むかしの念者今に横平
女房の初手の願は合羽にて
極楽は江戸を去る事遠からす
匕か減せうかはかりは人まかせ
うき人の方は舞寄るしら拍子
松風に蓋をして置六の花
十二月我皃にさへ久しふり
表向露の身て居をもしろさ
前帯はうしろ帯よりむつかしき
懸人隣へ腹を立に行
あつもりをまねく扇はぜひもなし
冬籠足ても物を取習ひ
御やしき狭く突あてるうそ
よい男着殺しにする癖か付く
しつかりと裾を踏入る夏柳
眼を明るとて身帯をつぶしけり
松風の都へ引ける十二夕
平家をひとり誉る船頭
追人の中から群に成る人
但し野といへは見らるゝ前うしろ
つゝき込んたり猪牙に六人
橋の名のたらぬ所か中ノ橋
術丈に心か付くとさひしがり
かき餅をかこぬ〳〵て鹿の声
女郎の君案押詰て出る
その日は覚て仕廻に還俗
出女の利口に成てあちら向
鳥さしは高みの千話か初戸に成
しら浪を覗く雀の言分別
松嶋は口へも出さす灸をすへ
尻目か持てありく盃
又留守か箱吹て居公草履とり
京をうしろにしたひ事する
うんといふ場を言ぬ尼事
女房へ落て伊達ないつないつないつない
秋茄子嬉かりくはせて棒か出る
そは切の上手と聞は恋しくて
一分散の蔵にねすみの仏貌
うたゝ寝も恋しい方へふちかへり
女房は足をいやかるきり〳〵に
なふり次向に鮮の弟
網の手からを取膳て出すせ
神慮に叶ふ菜飯てんかく
うくひすも銭程つゝのあいしらいに
梓弓近い他人か鼻をかみ
門徒宗何か不足の出家にて
我よりは人に淋しき寒念仏
糸巻を先手懸りに取かくし
無さそうてある百性の智恵
さゝくれを時〳〵舌てあいしらは
いもと女郎を追善に買
かゞりて延る衛士のかうやく
女房の貌に大こんを断ツ
紙子着て流るゝあか飛鳥川
からくりはむま子の方か上手にて
新地百石化物の恩
三月はおん出されてもをもしろき
残た残て三保のかうやく
親の闇只友達か〳〵
物申と云るゝ迄に成上り
玉子酒扨うつくしき夫婦中
御祓の留守に大屋来て居る
かくしから迄まくる若党
蛤の持た塩にて御意に入
親のむかしを他人から聞
曽我兄弟は晴な兄弟
箱階子かてんの行ぬ上りやう
木からしに口を明せぬ丸合羽
踏切て心ぬ人にすかり付
更科の音変も久しい願にて
だまつて喰ぬ仕事師の飯
嵐にけに関のさすまた
光君めつたにうまく日かくれて
大根馬二疋引せて家老殿
糸薄人にしたらはいくちなし
とうからし何んにも云すずつと立
しのに戸にてうとにつかむ軽牛
塩売の紙覚たる田子のうら
気違もなにはは声て味をやり
衣かへ最う松風を貌へうけ
まんちうは世の有さまをたくする
狐か落て元のうそつき
そのまゝ通法寺の傘
祇園ては派の利ぬこんにやく
人の心に迄は思ひに蓋をして
木枕も二つ並へは口をきゝ
土用干質屋の前の輪しき
此上の欲を申さは柏餅
神主の手はふ断もみくちや
釣鐘は娘を呵る道具也
本郷は片壁付てわかれ霜
十二月孔子の弟子もうそをつき
ひけりころひを浮世から誉
藪入のうまひ咄も中二日
けいあんも西八條にこり〳〵と
かふろか夢に高尾多をれる
黒焼にせすと小判は惚くすり
耳はつかりか残るさかやき
和歌のうら知行取也おんぞとり
留守に居て知る女房の恩
松茸を何か云たく披露して
池上の口て大きな損をして
伴頭の色の白いて事かかけ
もらつたと見へて坐頭の舞扇
むすめの十五湯かり長く入
浪人の揚枝はかりは新しき
あんまとり吐か過て憎れる
隠居の智恵の妾から出る
此鳥てさへさへさんとひ
朝只の寒を持過て恥かしき
夫婦してうなきを喰へはおかしかり
八十八の耳に毛かはつ
水仙はさくらのやうな貌をして
かたみの礼を所白くのべ
柊を鰯も袖のふり合せ
六つ〳〵起てもてあまし婆
白鷺を振ひ出したる峯の松
若い時云ぬ事迄年忘れ
夢のやうなる雑水を喰
二日寝て居るうそのかたまり
胸くらの手と釣合ぬもめん物
手前の升て泣て出る乳母
終うけを着る女房のをそろしき
めくら馬蓑かさはれは口を明き
言訳の横から素湯をくんてくれ
めうかの過たやうな神主
蔵を見てゐるうちか人間
見限てゆくのやりはなし
呑込て枯野を通る松の風
相店中て誉るほうろく
うき中を死ぬといふ字かひありき
草足袋と出る足もそろ盤
かんたんの覚而枕かり飯か出来
出代に最う唇からすく成
傘のさゝれぬ路次に囲れ
初物を捨て我手もおもしろき
尼の額〳〵借りる庖丁
一生家暮て通る関守
まうけたかはり蛭に成る食
言訳か済むと大きくかしこまり
よもきふの畳は馬の目に付て
台時は同し所を立廻り
押ヱの声は横へ聞せる
浅茅て妓夫に逢も悪業
六月の風に淀屋か物を入
又裸此人にして此病イ
今度の乳母も大かくら也
よく見れは平の五に居る皃てなし
天の河両国橋に反か合
桐の木の二葉散ては瓜か聞す
能くな事か質屋に鳥甲
初午に壱人ツゝ行道か出来
ある親仁もあられた果
京の咄に身ふるひかする
一銭つくていかぬ小町をちく立やうめ
たいこめらはうそを見て居
しられても鶴の黒焼持て行
とうからし起請の指も青いうち
うまみの過た御所の衣〳〵
尺八て来る親類の屑
飲喰もくるり〳〵と八庄司
地蔵たをれにさはかしは後な
杉の枝横にこゝろはなかりけり
勘助も丸い壱分に有付れは
十二銅あたれと思ふ肩を過き
風の神先馬下か
雨舎り手代の貌に倦か来る
祝日を皆吉原に遣ひけり
寝姿のうちていやしき柏餅
金剛杖て払ふ蚊はしら
丈夫と答て帰す悪イ子
うれしさの蕨へかるの手かへき
金もふらせた女房なりけり
ともし火も吹消しやうて恋に成
夜を売る町にせちからひ婆
大山にぬかつた物は南無あみた
嶋千鳥なじみか付て哀也
道の気付の振袖かに
いもと女郎の暮のあきらめ
鼻にかゝるか松嶋の暇
てふ〳〵の近付てない袖もなし
鹿聞の百て戻りし百の銭
我物と鮮か思ふと人の物
陰干にする浪人の鑓
若衣の髪に請付ぬ雨
投る度いやとは云ぬかくら堂
そとは小町のあふなけもなし
うき世の隅に光る終
杜若おさななしみの蚊かとまり
二十五日過れは文に金と云
からこんにやくのまずい新道
やよひ山下戸を日に当酒にあて
苫屋の鰒に筏かて客
吉原のまた気の抜ぬいびつ形
去た夜の押入明て哀なり
となりのやねてくさる羽子のこ
あ留の所の者に成そうな
鱸牛持遣ふ日は右案かち
温石くべて衛士のをとろへ
出る魚か居成の魚へ当こすり
蛤に節〳〵すはる丙午
馬工郎のむさと貰ぬをみなへし
桜か光ると乳の上る乳母
留守と云せて屏むしろ飛ふ
湯治はり病のかはる若旦那
老の身の朝鮮人かりいとま乞
勘当はとれも師走の廿日迄
腹の立事は忘れぬめうかの子
仕合ものと耳つ喰つき
料理人履法に下駄の上を行
とふく鼠から腹て逃ケ
酌ては君をこまらせ奉り
女房に角かはへると不自由也
来干も内の烏にしてやられ
庭舎明月光
□□□□□□
鐘の三ツは咳はらい也
餅好も我石塔を工夫して
御鹿間はるかし腹こちの声
此盆前も母のあら事
我身を抱て帰るつぶぬれ
十八年は無事な兄弟
朝皃は酒の呑れる花て前
手代も離て居たる遺言
母の教た廻り道行
武士へ二百十日を吹付る
明六を我物にして多き鉦
見世へ来てゐるまよひ子の親
せんかた尽て内て喰ふ食
味し淋しは時か焼餅
七夕も年に一度は母の口
一十九日鰹より北条九代出入けり
溜た埃の出る衛士の眼
唐人の目し寒い上下
無理な使しありく墨徳
敷居し置は伽なさかつき
おさまる手には伴頭を傘
つらに付て柳原行
欠落の夜も躍る松坂
一柄折つゝ碑の銘をよみ
旅の疝気を捧て押へる
蚊屋を取てもくらい身の上
ころんては只ひられぬ女郎花
目くすりと鼻のあたり〽書れたり
道崎にあたまの青い三人
親椀の三役つとめる釜津
空にもしれす取れる
留女口も鱠の拍子也
溜たまゝて元日の亥
湯殿て智恵の出たためしなし
精をといふ明楽の疵
七小町四小町ほとはこつくしき
見通しに裸にならせ給ひけり
髪を仕思ふと貌の教明
四十九日にづう〳〵と産ム
夏を利口し遣ふ屋ね舟
踏れた皃を包むふろ敷
瀬多辛崎の一理屋ツヽ
菅笠も三人行は三笠山
溜た金の貌を折〳〵
袂かりあられの出る人の声
さひしいと母の請取もよう物
鹿聞のある様狐に振廻れ
うしろへ吐す鳶の細道
独身の脱ちらかして淋しかり
何ンその時に腹はかり物
はつ袷うちに居にもかしこまり
遣つても溜ても金は西国い
御つゝら馬の物喰もよし
人か洗て人にする顔
なけきの中へ食に付乳母
むかし思へは凄い吉原
鶴の花ぬのを亀か見て居
鞠の上手の女顔也
俤か身柱から来てたそかれる
羽衣脱て置所なし
気違の子を杣か届ける
玉川や二ツは人を喰たかり
諸行無常にさくら粉にする
腹たちを踏付て行箱はしこ
太刀持の貌はいつても十五六
かんこ鳥まくらをさせて通る也
欠落とまた云切らぬ山かつら
胸くらを取ての跡か女也
人参に乳守一売ルと書れたり
はきちかへても牛の角文字
山下の灯は昼の片袖
丸合羽にて尾長見て居
庭鳥のひとり時たるゝ井戸の上
捨子を抱て這入る棒突
くまりにも成次戸のこと伝
きり〳〵すない分前を鳴て居
めどにとらるゝ京町の猫
一葉つゝまし〳〵と成石燈籠
上下を着うくしはくはたらく
留られた日の鳶を見て居
開帳の一柄杓つゝ貌を分け
うれしい草の昼見たく成
四十めて握挙のありかたき
各いかたみの届くはま荻
針さす音の宮間行燈
醒る女に竪き興なし
届状雪駄のやうに成にけり
龍王酒は悟気にもよし
たからの山も夜か半分
初日は金を喰た虫干
母親に似ぬか仕合娘の子
あふむ小町の着たまゝて寝
橋て辷るを神のなきみ
水無月は淋しい所にかしこまり
女房の異見細長い声
常のまゝなる女形見る
出店迄たよりのほしき五匁両
三味線の物を云様の初国さ
すまひ取千種の中一腕ちらし
鐘柱は推ての跡て淋しかり
たま〳〵て内へ戻ると唐からし
にしき木を蹴て這入る仲人
袖もふゝさにすると野々宮
水くさく火の燃る釣舟
精の揃はぬよもきふの灸
袂ふるへは松風か出る
手を洗ふほと早乙女の植残し
子のない女房二度市へ行
訳ケを聞てはむこい柴の戸
寺を開た傘も大器
とふ〳〵妾長力を買
ひとりさひしき婆々の精進
うくひすも十日の雨をうれしかり
片々長いすみそめの箸
うす雲も五百石とは見ゆる也
順よりもさくらは鐘にしてやられ
ひとりに成て新しいゑ
眠しく這入る門の蚊はしら
女房たつねる角力老にき
請くれた夜は売れたる心也
世の中の風もとかりて柊さく
五倍子買ぬ人も柳の木の間
火の気の遠い所て証文
狐の利く女郎遠い分別
寺町に捨た草履の哀也
銭か車に乗ると極夕
木からしに土物店はうしろ向
手紙を洗て坐頭届ける
餅酒と立別れてもいもせ山
炭電に先のねしれる火を焼て
蚊を疵にして尾の夜ありき
ひよ子か出来てこはいめん鳥
外トから智恵の見へる造木
紙屑一折そこなつて猶小舟
たち花の香に軽い仕立屋
口とめのほころひて来冬ほたん
なにはの若衆伊勢て元ふく
池の蓮望み叶へは帯を納き
狸つき狐つきより器用也
旦那を置て帰る口笛
云ては負けと噺にて書
跡一わらびのはへる寒食
炭を焼く里にうか〳〵花薄
御油ほの〳〵と恥かしの銭
惣身に尖を持て時借り
口の島にこゝろつよくも酔つふれ
朝寝させぬか金の庭鳥
大きい絵に負る地若衆
秋風は留たね一突あたり
世の中は味る事から飛鳥河
五口妻くたりの公家の食傷
約束に二升遣ふさよに鳥
雪温て恐しく成人こゝろ
やかて乗ル物ともしらす蓬を切
きにやうをさくらに習へ菊の花
一響を出て行凄い白粉
熊坂もある夜は逃た物かたり
柿をむかせて細工見てゐる
嶋原は皆はふたんのことは也
鎌くら一草臥に行夫婦達
十二ひとへも貌はぬり物
そろ〳〵欲の山に来る寒声
つろか見へて合羽捨たき
同し蓬の遅い朝食
裾かりあたる曽根の松風
年の寄る人の姿も我すかた
いらたかてふたれた魚のうつくしき
愛相は二つ三つめの階子の子
緋の袴踏んて見たひと罪あたり
歩てあいしろふ婆の勘略
下り上りかはせの金も友千馬
野暮といふ字か今よめて草枕
二桶汲て恥かしの尼
その一言か高い一言
ぬるい雫の落る夕貌
陰間の元気吹降を飛ふ
巻紙細くみたれ鶏鳴く
喰物をうつくしく喰ふ川社
着物の恥かしく成る夜着ふとん
旅に死ねとや千鳥鳴らん
おとゝひの時雨を戻す傘二本
海の上まて御成觸来る
一銭別たはこ御油て手か付く
筆まめな女房に四月八日来て
六十帖は皆つまみ喰
めつたにうその咄されぬ彼め
墨皮の手の時過て出る
いつみ式部のまた売れる寺
出雲からありれそうな恋をして
蓮池へ穴を明たる尼の客
妹へ風か替てはちもみち
常のねつみに戻る二代め
三人詰のよもきにの宿
桂ゝ鮫さむき木くすりの見世
むすめの橋のたへる出代り
楽屋口から各く出す皃
戻る左官の押て見る蔵
四十二の子をもみくちやにする
吉原も絵高に云れた草の跡に
一和尚の預き評判かよし
去られる日迄へん〳〵と髪
四貫からけに活る程ヶ谷
さくらに塩を替る志賀人
朋人形の馬鹿な大年
降物に残らす出逢ふ寒色仙
若衆は長くもてぬ誓文
いもかり行は先もからくり
塔あり〳〵と天王寺降
蚊屋にふしんを立る追分
市とこたへて笑ふ仲人
うかひすは昔のまゝの感応寺
十二ひとへをはたく猫の毛
ほたるを一ツ池の吸口
振ら髪を乳母か出つかひ
庖丁をさひしくけにくすり喰
小性廻しの呑ぬ日もなし
人形の泣くやうな浪人
人中一突出す孔雀尾を広け
箪笥に指をさして修終
鵜遣の付木持手も振上る
大僧正の屁に覚へなし
口はかり九つきりの年忘れ
うは玉をつかひ覚えて御仕廻
例のあふむも百両と鳴
二日居てこつはいに云ふ鴻の台
忘れた立袋つ戻る年明
軽井沢ほと〳〵に出る物着星
則女さめ〳〵と仏はうとみ給へとも
鼻者の心案を隠す縄簾
深み草人には厚く着せにけり
くれ竹のくはつては咄く玉あられ
女房に持て見れは皆夢
我おさな名て捨子云目てか
お里へもほのかに知れる御腹立
うくひすの情い事には法花宗
したとはかり張時て居る
時人を待す秀のによつきににき
浪人をして近い天竺
負た子の覚かよくて憎かられ
出代の遠くて近き足の亭
弾たか因果新地掃れる
百物かたり夕へ来た奴
湯立の前夜鹿そひれるね過
庚申の夜の目たつ髪持
真赤なうそを火つくへて居る
木からしは虫の命のおんつまり
やまとことはも江戸てだいなし
七夕つめに正直に喰ふ
五両〳〵と三度かんにん
蕗のとう踏付くれて寒に入
大百性のくら四音を行
人形も貌から者へ見立られ
にて女房か始終めて度
三十て地黄のあふは知れた事
三度めは只の午てもをそろしき
いやといふ声は松より淋しくて
主徒酔て高い物買ふ
売る程はなき梅沢の銭
九郎介は皆出る願てかためたり
異見か済むと母は燗鍋
こけり〳〵と這入る寒声
杜に餅も初ての一つはをもしろし
正月二日馬鹿のはしまり
をつ〳〵酒をめす代脈
○秣香と云るゝ貌も無念也
木母寺は柳を当に鉦をうち
抜いたといふに棒屋頼まれ
女郎ほとあふない物はなかりける
南天の葉のあれる霜月
惣体入牀語
仲間に餅をくはせて凄く成
あこきか跡へ後家入かなし
拾た町を神主へ見せ
さみたれは又正月のくらしかた
一石案して扨其後の硯箱
にしき木を見付て娘内へ逃け
はちたゝき呼ふ軽いとふらい
陽炎もうき世の食の出にてかく
腹のたつ時曲る鹿道具
目に見ぬ秋を荻の付声
天の岩戸に神の抜き足
公家の疵気に枕か利く
請たこゝろのたつた一日
呑めはなみたも腹の強る物
女郎花足喰ぬかと振上て
箸に目鼻て又五十年
武玉川後集
葵都枝折初編
右之書丑の正月出板可仕候
宝暦六子九月東武一
通本丁
三丁目
万屋清兵衛板
江戸通本町三丁目
新刻誹諧書
新刻誹諧書松葉軒萬屋清兵衛
誹諧武玉川
紀逸様十五点以上秀逸の句を集て
一冊迄取付合のたよりとす
初編続編薄白入三編四編朝吟歌仙入
五編八銭百勺入六編付合の弁入七編八編
九編十編出来
祗丞
同四夜稿
同扶桑の春風山様一冊
問四夜稿初記一冊同扶桑の春
大梅黒露
寛明六窓一一
同露六歌仙
同小路六歌仙賀田飛鳥山丹波
同飛鳥山尾谷撰一冊
故一祇徳
仙魚集
同老の鴬六窓様一冊
同其菊仙慈傑集一冊
同一丁墨東参和撰一冊
同睦百韻来書様一冊
問誰、蕪村
属宕吉原一冊
同反古衾
存我
祇園
買明
旨原
同琵琶の手
一冊
走雷
有佐撰
同湯鳥巣有佐撰三冊
百太集
同百たにし
一冊
同長者柱
百太故一
可容四貞時
一冊
晴朝集
同桃の常晴朝集一冊
紀邊橇、
丹志撰
同夜寒碑
同其瓢
一冊
同其瓢丹志撰抄
存義
同杖の節右義一冊
江戸廿六歌仙
同紅葉合伊豆一冊
同甲陽廿歌仙荒楽二冊同百太郎牧童二冊
同夜半亭句帖二冊同桜五歌仙紀邊一冊
同絵風流百太二冊
同ききのあし万立一冊
同梅巡礼硯田舎一冊
同噺食団大一冊
問金砂子
当時点取の
秀逸聞書
上巻出来
下巻出来
紀逸点
同硯の筏
歌仙合
二冊
同二季鳥
尹督
雪斉
一冊
同祇徳句双紙
同
超波発句
わかま
二冊
はせを
はせを追福二冊
追福二冊
武玉川後集
燕都技折
紀逸撰初編二編
紀逸
文集
狂句帳場
湯百庵
発句
五冊
同歳花集
中興今時
同歳花集繁五冊
同華葉集
哥仙
中奥今時五冊
同歳花集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集集
五冊
百庵
存義
黒露
同江戸新八百員
同江戸新八百員住吉一冊同甲湯住吉文集楽
米仲
ロトテ