隨心流執御全書
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- 弓場荻右衞門
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- 弓場荻右衞門
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- 日本語
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- ズイシンリュウシツギョゼンショ
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- 東北大学
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- 2026-08-28T18:53:25.651810+00:00
府川側
随心流執御全書
随心流執御入王書
序
電発熱恭院号/寄贈室ヲ
以テ購入セル間精博士
蒲野亭吉氏蒲蒲園
夫行天莫如観行地冀如馬馬者兵甲之本国之大用安
声則以別尊卑之序有変則以済遠近之難馬之為用於
国家可謂重矣然御之有道不得其道雖得十良馬何異
駑胎其道不可不学惟兵家者流之先務而世立旗懺者
多茲有常心一流其言曰雖御剛憚之馬不常心而不可成矣
一流元祖有小谷勘左衛門政次者工夫有年采擇大坪八条
小笠原骨平神当等之秘術而名常心流政次伝之干長坂九右
衛門勝次勝次左手尾州一流蕃所其徒凡三千臣私淑其伝
時正徳三年癸巳仲夏大君召臣于江府屢以一流
恭達高聴辱蒙喜納信用不少遂以為御流
一因改常心流賜名随心流加旃謹承嚴旨撰一家之書以
献不耐恐懼之至以診其同志乃以為貽厥日夜拝或勿軽
忽此道云
随心流執御全書巻之一
弓場荻右衛門重正百弁書
表并極意目録
表目録七ヶ條之事
一鮎三ツのかゝへの事一しめさりの事
一居木うつりの事一角三段の事
一さそひの手綱の事一はの手懸の事
一丸ひやうしの事以上
一極意目録九ヶ條之事
一心の手総の事一ゆるひきの事
一うつ拍子の事一さくる拍子の事
一左右の手端の事一志むる手綱の事
一うける手器の事一いさむる手総の事
一はつくの手綱の事以上
右之目録雖為秘密依御意指上之申者也
正徳三巳六月吉日
弓場荻右衛門
一極意序伝之巻
乗方作法之事
一一貴人の前にて乗様扇子紙入を居たる所に置壱人と馬との間を
不レ通馬の後より廻り乗也扨貴人を内にして左へ三返右へ
三返まハし其後口合により左右へ廻すへし
一足ふみの事一手綱さばき三筋の事
一手綱さばき三筋の事
一手つゝきの事一さそく足の事
一つける馬につめる足はる馬はね馬にひらく足の事
一始而乗馬三次専に心懸之事
一一かゝへきかざる馬に一二三あてかひの事
一
一込馬に三拍子はねの鞍上り馬にはかへしの事
一左右なる馬に心合の事
一乗にうつらさる馬当りからしやくりひしての事
一面掛仕懸ケ様右へ口まくる馬左へきるゝ馬右をつめへし
左へきるゝ馬はしさきならバ右をつめる也左右へは
しふりなやす馬左右共にゆるく仕懸へしなやすに
は詰て仕懸ケへし
一手たつなの事是は口を引入る馬に用なりす尺口伝有
一一鞍置様の事上かんつるしきれ馬なやす馬是四曲を
前に是なり
一乗合能馬はね馬上り馬是は中に置へし
一込馬内なる馬は諸に置へし
一真のかゝへと云ハ乗ニ而つよたちすゝむを静めるニよし
▢一上口中口下口三の御給引の事乗にて片場を行
ヽにハ左右之事
一足よはくむかふもよはくまくるには打拍子の事
一はねる馬頭を押馬喰つめる馬は摺引の事
一片口さし返しかへらさる馬ニハ捨引の事或は
一左右の手認うつ拍子にてそきかずして行馬には右
一身左身の事是は居木うつりの事也
一上りむら休み足の馬には悪足の事也
一乗に行あまり出たる口をなをすには元合の事
一つるし馬かへらさる前いさむる手懸の事
一さし返しかへらさるニははつくの手総の事
一一頭詰口あかさるには摺か〳〵の事
一細道むかふ堀川急に返す時ハ一足返しの事
以上
一従先師雖棄臍書多其理身意難叶因茲予約択
一書名曰序伝之巻猶雖不精且令附属畢以著
一
功術者可尚矣
正徳三年巳六月吉日
弓場荻右衛門
随心流陰陽之巻
表理ノ段
▢一鞭三ツのかゝへの事出口の馬に可用強か出候はし直に引
かゝへひさを上ケ間ひさをひしき手綱は立こふしに
内へくり込ひぢに力を入強引前輪に亀の尾を付
跡輪へ後腰付様ニそりかゝへ候得は即時に留る也此かゝ
へを大かゝへとも云也
一一しめきりの事かゝへにてとましさる時左右へ強ク
折すへとむる也右へ折時ハ左の袴踏出し右の膝を開き
右へくらを筋かひにそり引折也又只折時ハ右の錠陥出
左の膝を開き左の方へ鞍を筋違にそり引折也如此
左右へ強く折込候へはむかふ気を横取取留也又轡く心詰
留り兼候時は戦を居直り轡をさら〳〵と摺かけ
手懸鐙に而強く当り前足を上ケさせ其侭かゝへ留ル也
一居木うつりの事大強馬かけ出し候時大かゝへしめ
功なとにてとめ其後人馬の息を可入為メ也大かたへし
て留其手総少もゆるさずそつと鞍居直り地道を
乗候内々右の居木へ移り手綱両隣を上ケ釣合手
の内をゆかし息をくれ又元の釣合に構へ左の居木
へ移り手総膝を上ケ手の内をゆるし又中の居木に移
手綱ひさを上ケ手の内をゆるしか様に二三度も居右
移り替たよひに息を入能々地道を乗馬を静め
其後早々道にのるへし居木移は人馬の息
を入馬を静ル手くら也
一角三段の事角の口まからさる馬に可用右へ廻
す時は左の方へはみぬやく立こぶしにて強く出さへ
左の證を踏出し右の膝を開き右の手綱を強
引付鞍をひねりかけ廻す也口ねはく足を
踏立不廻時ハ鞭を居直り外の手綱をおさへ内の手懸
を高く上ヶ外の方の鐙をなり候へは馬蹴立候左の
前足必踏出す物也其時右の手綱を一拍子に強引
廻すなり其時右の膝を開き右の方へ鞍をひね
りそりかけ廻す也左右同前也
一さそひの手綱の事場中に而とゝする時右口を
軽く切又左口を出すへしそれに而も出す候はし左右
一度に切出すなり
一つの手懸の事口に当り馬立候はし前へかゝり押へ
左の膝を前輪へ付ケ右の手綱ニ而下へ引おろす也
一丸ひやうしの事右の角の口廻り候而かけ出候時手
一総鐙ニ而一拍子ニ当り右のひさを開き左の踏出し
右の跡輪の方へひねりかしへとむる也又左の角廻り
其侭出ル時ハ右の通り一拍子二当り右の鈴陥出し
左の膝を開左の跡輪の方へひねりそりかけかゝへ留ル
なり是を大角の折ともいふ也
奥理段
一心の手綱の事是はむかふ口強く抱詰られぬ馬に可用
一鐙を少踏出し前のくらにて一息強く引抱へさつと放
し一返の内ニ二三度ツヽ右之通りに仕掛候へハ口やハらく
もの也是を心のはなれとも云也
一ゆる引の事是は拍子合を能乗手綱也左右へ細に
手の内にてゆり合乗也又片口強き馬には強き方を
おさへ弱き方の手綱を上ケあいしうい乗る也是をたゝ
引と云なり
一うつ拍子の事片口まげる馬又は切れ馬添馬無用
或が響くゐ詰口まくる時左右の手綱ニてきら〳〵と摺かけ
まける方の手綱にて打込切也下口へ当るを切ルと云横へ
くり込当ル事を打拍子と云也
一さくる拍子の事居付馬に可用居付候はし右の手端に而
一下口を切其儘上口をさくり上ケ鞍はね出す也下口を
切ルと上口をさくり上ケ鞍はね出すを一拍子にすへし
是をけんせつはねのくらとも云也
一左右の手綱の事片場に付ク馬に可用左へ寄ル事
一は左の手綱をおさへ右の手綱を上ケ右の膝を開き
右の方へ手鞍にて細にひねり左の方を手端にて下
口に当り又右の方へ手鞭ニてひねりかけ乗也左右
同前也但三切レ馬ニも用ル也
一しむる手堪の事是は地道乗にて足をぬきおど
りかゝり或は横馬になり足次そろはす悪足出す時
両手綱鐙にて二三度強く当り悪気を踏払ひ悪
口悪足を引揃へ乗も也当りてはしめ込替りてはしめ
乗手綱也依之しむる手綱ト云也
一うける手綱の事痛口の馬又ハ上口の馬つるし懸り
角の口にて廻らさる時前輪へかゝり外の方へはみをぬき
内の方へ膝を開き下口へ引下ケ切かけ鞍ともにひねり
廻す也捨引の手綱とも云也
一いさむる手端の事駒なと足弱き馬角の口にて廻り兼
候時強く廻し候へハころふ物也先鞭を能くはさみ廻す方
の膝を開鐙を強く踏出し鞭をそりかけ外の手綱を押へ
内の手綱を乳通りに上ケさくり上ケ〳〵鞍をひねりて
廻すなり
一はつくの手端の事ねは口のつるし馬左右へま
はらさる時外の手懸を前帰の陶かひのはつれに取付き
外の方へ鞍居下り前輪へ胸を付ケ跡を見返り内ハ
の手綱を跡の塩手脇へ引付ケさくり上ケ廻す也廻りはゝ
一鞭居直り乗出すなり
以上
一右各ヶ條之通具可考緞雖習熟依馬之気午
一靭相応肝要也猶顕秘要書者也
正徳三己六月吉日
弓場萩右衛門
執行全書巻之二
移明合書
地道なき馬乗様之事
一真の行み鞍に亀の尾を藤陶をそらし腕こぶし強クなく弱
なく股かより鐙やはらかに踏かゝゆる也軽口の馬ははみ先に
力を持様に乗也又ねは口の馬は輪を乗口を引和ケその後
四ツ沓を打やはらかにあいしらひ乗付る也
乗なき馬乗様の事
一真の行の鞍になをり輪を乗小庭を乗口合を引揃へ
早地道を能乗夫ゟだくニ入だくゟ乗に移ス也中気なる
馬は口を切りけ二三返もかけ足を乗足を乗ほどき鞍をは
ねかけ手綱は左右へゆり合乗に可移也
かる口の強き馬乗様之事
一真の行の鞍居り股より下屋はらかに鈴は小八文字に跡
かゝへ腕こぶし候精を入はみのあてかひやはらかに仕懸乗
るへし此馬山口強くはやはしかに口を引割輪に入りた
形を乗左右の口を引折その後大輪に乗口を入和しき
はし能々地道を乗はや美を乗へし
もたれ切馬乗様之事
一真の行の鞭に居りうでこぶしに精を入股より下鈴
小八文字に強く踏かゝへ手綱を詰て構へもたれる方を
内にして一足折々廻し輪を乗又里うこ形を乗左右の
口を引和ヶ其後やはしかに仕懸地道を能乗早道を
乗行義高に地道を乗納る也
おとり馬乗様の事
一おとり馬しつむる事あいしらひに而はしつまらぬ物なり
口を和かに引わりかゝへ込四つめの地道を能乗其後
早地道を乗馬静り候ハゝ乗ニ可移也
ぼるし馬乗様之事
一真の行の鞍に居り腕拳に精を入て股より下鐙小八文
字に強く陥かしへ則口を引わり輪を乗小庭を乗
地道の内に而くちを引屋はらけ其後乗に移し角
の口ハ外の手綱をおさへ腰にて廻候へし上口強クつるし
かゝり廻り兼候時は前輪へかゝり捨引の手綱と軽く
廻すへし
上り馬乗様之事
一真の鞍々とまりの骨を敷鞍深に居り手翰あゝへ強くゆる
まさる様に仕懸鞍をはねかけ則口を引剰輪を乗り
小庭を乗角の口は大輪に外の方へそむきを取廻るへし常に
中ノ角に而可乗立馬ハ必込物也依之手疵強く不居付様二
一仕掛可乗若立候はゝは手端に而引おろすへし
はね馬乗様の事
一真の行の鞍に強く居敷一方へそむきを取乗へしむ
かふ気を横取左右へ引付候へははねる事なし鞍をそり
かけ千鳥足に乗はねる時は口に強く当るへし強くはね
るならハ手鞍を強く取て廻し輪を乗口を引和ケ其後地道
を能乗々に移し行義商に地道乗納るなり
頭さけの馬乗様之事
一真の行の鞍に居り厩こふしに精を入股より下強く鐙
小八文字に陥かゝへはみ喰しめぬ様にあいししひ輪を乗小
庭を乗口を引上か〳〵可乗口合和キ候ハし手綱和かに口上ル
様に仕懸け地道能乗其後乗に移早地道を乗納なり
かる口の馬乗様の事
一是は頭を高かそりおとりかゝる前足軽き物也先鞭を少し
一前江置手鞠ともにおさへかけ下口を引和ケ可乗早地道の
内二而跡の左右の居木ニ当り跡足踏ひしく様に仕掛乗候
一得は前後の足揃ものなり
一打そらし出る馬乗様之事
一真の行の鞍に居りひぢ股より下に和かに鐙に八文実跡かゝへ
腕拳強く構へ左右の内もたれ而方を内にして輪を乗
小庭を乗口を引和ケ地道を能乗下より乗にうつし
角之口ニ而下口を引折へし
かけ足乗様之事
一草の鞍に居り角の口に而左右へ輪を二三返乗口を引
揃へ二三間乗出し前輪にかゝり鞭をはさみ立鈴を
強く踏張り立すかし鞍はねかけ聲をかけかくを当
馳足に移りひらむ時足の拍子を請かくを当てへしかく
嫌ふ馬有其程心得へし末口の手綱は和かに心の手綱に而
留むへし口強く留り兼候はしはみを摺かけ大角に産て
廻すへし鞭を打事左右の平首を打也場の積り三町の
場は一町は地道を乗輪を乗中一町かけさせへし未一町は吉
なりかけ乗候而は行義高に地道乗納る也
かけとびの馬乗様の事
一草の鞍に亀の尾を敷腕拳先強くなく弱くなく股より
下鈴小八文字に踏抱へ地道の内に而口を引揃へ輿喰しめ
ぬ様に和にあいしらひ乗三て移かけ飛行兼候はし鞍をひね
りかけ足を出す時か〳〵当あげ足のむらを直し行かゝる
とき鞭立すかし乗に移すへし
一責馬に而も路次乗ゆく馬に而も喪かみはづす事あらは
弓手と胸給ひを取め手ニては手をのへ鼻を取引廻し
おり立輿をはめ直に乗へし但はやわさ肝要なり
〇一はねる馬にあい乗様の事我か乗たる馬をふまんとする時
は間もなく引廻し候へは取留て当ル所なし又ハ手綱院ニ而
当りとばせへし其いきおいに恐れ可退
一上かんの馬頭をさけくいしむる馬は陰の馬也陽の声に構
へ行の鞍に軽く居敷手高につり合喰さくる所をさくり上ヶ場
の調子に可乗
一上かんの馬はし先をそらしやふる馬は陽の馬也陰の体に
かまへ前へ懸り鐙は少し踏ながし目付近く手綱和かに押
前の鞍におもりを懸ケ可乗手綱を強くおさへ候へハ猶そらす
物なり右に而も左に而も強き方を引てはなし候へは其はみに
付て口をさくる物也其時さける口を一方にておさへ又一方は
手高に釣合和かにあいしらひ陰の調子に乗へし
一一上口にかけ出る馬はかゝへ候てはとまらぬ物也捨引の手綱にて
一左右へ折候へは向気横方故とまる物也馬の気をてんする利也
一力革長短の事甲馬おろし足の馬は長きを用悪馬は
一短きを用る上かんの馬は猶以短を用ゆ力革長候へは鐙
しまらす馬すゝむもの也故に上かんの馬方革を詰て乗
事第一秘事なり
一一腹常の事上かんの馬并はね馬は和にしむる也中気の
馬曲馬は強くしむる也
・一前足を高く取馬は前へ懸り可乗上へ高くとらずして
向へおり出し馬振合吉又ともの足ゆ込跡足きゝたる馬は
行の鞍に居敷可乗前し通後の足を乗とは馬に依て
前後の鞍に而乗る事也
一うつりのあしき馬は場を短く鞍を強はねかけ手〓
をゆり合乗るへし
一一片拍子の馬乗様之事片口強き故なり強方を引へし
強き方の足を先へ踏出す故片拍子になる也強方を引
付候へは弱き方の足を蹴出し強方は引付られ候故左右
の足同様にはこひもろ拍子になるなり
▢一西口強く口に懸り拍子悪敷馬はからしやくりの手綱に而乗口
和き候はしつきはなし和かに仕懸手鞠ともにゆり合拍子遠
候はし左右同様に引てはなし上口に而あいしらひ後の鞍にて拍
子を仕懸ケ乗へし
一口割らせさる馬は口に強く当り一方を切下ケ一方を切り上ケ
ちゝむ所を当り引込わる也又角の口にて二三返も強く
引廻し口に当り鞍をはねかけ行わるなり
一はみのぬき様の事片はみに成る時左右一度に引しめ直に
一方へぬくへし左右一度に引そろへ候得は則はみぬける也
一御口強くかけやふる馬は先強き方べはみをぬき少強く
釣合弱き方あいしらひ乗へしはみをぬく事有へからす
やふるへき前馬すゝむもの也其時手の内をしめ弱方
の手端をゆるしもと〆釣合に構へ乗へし惣而一方をゆるし
候へははみに息ぬけるもの也むし足出すへき前すゝむ時に
手の内をしめ候而又もとの釣合にゆるすことを引参引
の手の内と云なり
一一むら足を出すへき前すしむ時前輪へ懸りおさへかけ前
候へはやふる事なし
一一輿不請馬ははみをすり合せふさぐ馬有角の口に而
をゆり合乗るへし
▢一片拍子の馬乗様之事片口強き故なり強方を引へし
強き方の足を先へ蹈出す故片拍子ニなる也強方を引
付候へは弱き方の足を踏出し強方ハ引付られ候故左右
の足同様にはこひもろ拍子になるなり
▢一雨口強く口に懸り拍子悪敷馬はからしやくりの手懸に而乗口
和き候はしつきはなし和かに仕懸手鞠ともにゆり合拍子透
候はし左右同様に引てはなし上口に而あいしらひ後の鞍にて拍
子を仕懸ケ乗へし
一口割らせさる馬は口に強く当り一方を切下ケ一方を切り上ケ
ちゝむ所を当り引込わる也又角の口にて二三返も強く
引廻し口に当り鞍をはねかけ行わるなり
▢一はみのぬき様の事片はみに成る時左右一度に引しめ直に
一方へぬくへし左右一度に引そろへ候得は則はみぬける由也
片口強くかけやふる馬は先強き方へはみをぬき少強く
釣合弱き方あいしらひ乗へしはみをぬく事有へからす
やふるへき前馬すゝむもの也其時手の内をしめ弱方
の手綱をゆるしもとの釣合に構へ乗へし惣而一方をゆるし
候へははみは息ぬけるもの也むし足出すへき前すゝむ時に
手の内をしめ候而又もとの釣合にゆるすことを引参引
の手の内と云なり
一むら足を出すへき前すしむ時前輪へ懸りおさへかけ前
候へはやふる事なし
一轡不請馬ははみをすり合せふさぐ馬有角の口に而
口に当り引しめつきはなしふさく馬も有又一方へ轡の銃
を持を請る馬も有口先へはみを持せ請る馬も有口先へはみ
をやる事は左右へ手綱をふる拍子に而はし先へ請させ
へし
一蛇喰の馬乗根の事手の内和かなる故に首をまけ
喰也手の内を強く構へ候へはくちまくる事不成故喰事
なし口をまけ候ハし手綱強く引上ケ水車に廻候へし
二ツの鞭を可用
一一地口強き馬乗には細縄を馬の毛負にして口を割輿ゆめ
一乗へしわりたるを人に見せさるため也是を其毛の手懸
といふ也惣而悪口の馬に可用なり
一あい馬乗わけ様の事人の馬の方へそむきひとりて乗り
わけへし
一中の角の事一表のたいの事
一裏のたいの事
以上
法地角之口之図
切馬添馬如此乗
場ヲ三ツニワル
乗様
口入馬りうこ形
見かけ見そろいの角
中通り馬乗様
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
随心流予以朝鑑夕錬為工夫一念発動而順理則
心体動用一致而万劫不易之随心也若一念発動
而逆理則心体動用不一致而落於三五此随心ノ
処自得於妙用則自然治湊浚也故號此乗馬一流
曰尓
正徳三巳六月吉日
弓場萩右衛門
執御全書巻之三
馬五性十毛之図
木性芦毛青毛木生火木尅土
火性栗毛鐫毛大生土火尅金
土悸佐目毛鹿毛土生金土剋水
一金性篝毛河原毛金生水金剋木
水性黒毛駄毛水生木
木性芦毛
同性青毛
火性栗毛
む
□□□□□□□□
同性鶏毛
土性鹿毛
同性佐目毛
0000000000000000000
□□□□
五
これ
廿八
金性鶏毛
金
丁
止
▲
同性河原毛
水性黒毛
同性駿毛
六日
馬乗初吉日之事
甲辰乙丑巳酉巳丑巳亥庚申辛丑辛卯辛酉癸巳癸丑
六コン日之事可忌日ナリ
二日九日十四日十五日廿三日廿六日
馬買日善悪之事
朔日三日十七日十八日廿一日廿二日廿四日廿七日廿八日大吉也
八日十日十六日祝廿五日半吉四日五日論
六日七日十一日十二日十二日十九日廿九日晦日忌
馬屋え馬を入吉日之事
キノトノ亥キノトノ己ツ千ノトノ丑
同不入日之事
ヒノヱ寅ツチノヘ午
以上
正徳三乙六月弓場荻右衛門
弓場荻右衛門
執御全書秘要之巻
諸々辟馬乗様之事
一責馬之事先馬の曲を能見付ケそも馬の心に応し乗事
第一なり悪口の馬は其曲を責出し其所を乗込なり
一一地道足色移りあい能乗には我心に而馬の心ゆり合をはみを
ゆり合手鞍もゆりかけ和かに乗候へは馬足色振合よし
若足次ちかひ振合あしく成候はしはみを引合鞍はね
かけて乗へし
一陰の馬は地道の内よりすゝむ物也か様の馬は我か心をしづめ
乗出へし出る気あらハかゝへ引込其後和かに釣合乗へし
一陽の馬は地道乗移り静に次第にすくみむしを出すもの也
是を上かんと云なり
一くせ馬乗積の事手鞭を強く抱へ馬の耳に目を付乗
へし耳動かし息合あらき馬は出口有馬と心得則口を
引わり其口ゆるさすして乗出へし
一込馬乗様の事和かに引込其釣合ゆるさす鞍をそり
かけはね出し手鞭ぬけぬ様に仕懸乗へし込候而出
兼候はし角に而水車に廻し悪気をけはらひはね出へし
馬場先へいそく馬は必込と心得くらを強仕懸乗へし
一つるす馬には取詰たる計に而はとからぬ物也大角にとり
はみを摺かけ引込廻ス也口先したるしつるすニハはみ
を突放し其ひやうしにて引返へし
一角の口に而つきかゝり思らさる馬にははみをはきはなし
其気を取て廻すへし
一馬場中に而左右へもたれる馬は鞭をそりかけ左右の手
一綱にて乗へし又左右角の口に而強く引廻し口を入乗へし
一川越馬およりせ根の事川中へ乗入候時跡へ返りたかる物
なり其時こゑをかけ手鞋強く川へ乗入馬たけはつれ
之時およく物也川広く水強く弱馬なとおよき兼候はし
鞍をはづし広かい組違への所歟又は胸かひ左の方を左の
手に而取馬にそひ右の手に而手綱を取はみをさくり上て
およかすへし鞍はつす事川下なり
中のかゝへニ而乗馬ハ角の口常の角に而廻らぬ物也大角の
心にて鞭をそり懸け強く廻すへし
一角の口にてもたれかゝり廻り兼る馬は外を押切かけ過す
一乗の内に用にて廻る時立馬有其時内の方へ折候へは馬ころぶ
物也外の方へ引おろす物なり
一舌を越馬乗様の事面かひを少し詰舌を越とき角
一の口にてけんぜつの手端にて強く打さくるへし舌痛
故越す事なし
・一角の口に而片口にもたれ居付馬有其時けんせつの手懸
一ニ而打出すへしちゝむ時ハはね出すへし
一口入候様の事先面懸ケを詰手たつなを付鞍強かゝへさせ
一引なり悪敷口に引入る迄はあゆむ物なり悪口に引入候
時立とくまる物也其時手たつ反に而強くはみを打其
気を引せ候へハ口入ものなり
〇一口引内に立事有其ゆへ手だつな付る也尤口強き方に付也
一角に而つるしかゝる廻しさる馬は強く引込腰に而ひねり
おさへをして引しめ其拍子を請廻候なり
一上かんのつるし口強き馬かけ出す時其侭かゝへに而は不留物也
出口悪気はらわせ其気を取テかゝへへし留り兼候はゝ
心のはなれに而突放し其後かく留へし兼而出口強
馬は角に而輪を乗しさり口を引其はみ請せ引込乗
いだすものなり
一一上かんの強口なりはかみの事たとへは五ツ有物は壱ツ削
地道二通めに三ッわり三返めに四ッわり返多く可レ割
わり入れられ息をつく物也其時引込息三ツ程つき
候はゝ乗出すへし角に而輪を乗しさり口を引馬をし
つめ乗出すものなり
一そむきの直シ様の事はみを切かけ候へは直而物也又はそむ
きの内の口に手の内に而二ツ三ツほと軽く当り勤強く仕掛乗
るへし
一きれ口にわすれ草の手綱切レ馬に用口伝
一せつの手綱頭出しさげ下口の強き馬に乗也口伝
一水目と云手の内是に而上かんの馬乗へし口伝
一円月と云手の内是に而諸々の曲馬直スなり口伝
一さはりはみの手の内口伝
一あたりはみの手の内口伝
以上
右此一巻者先師之口談而馬上之堅用也便其機括既応
往不可矣猶学馬之洛法歟且願学馬者習用功之労不
求常心之仁則不能得其道也故此書名秘要之巻又号
随心流矣誠千載之不易法也
正徳三乙六月吉日
一九月二日日文徳三巳六月吉日弓場萩右衛門
弓場荻右衛門
執御全書巻之回
家秘集要
夫馬之根元ヲ尋ルニ古伝曰周之武帝於知徳山ニ狩シ玉フ時
老猿ニ鍋ヲ放ントシ玉フヲ命ヲ助ケ王ヘ天馬ヲ奉ント云其時
鐘をはヅし命を助け玉フ彼猿四句の文唱則青毛馬来ルト
正ク瑞夢ヲ蒙リ玉フ是則天ノ告ナリトテ至知徳山狩シ玉フ
時深山ヨリ天馬来現ス其時武帝汝元来四足畜生人間
本着・畜界脱仏果得事如何其時天馬四足折礼をす
則武帝弓之弦ヲハヅシ龍馬ヲツナガセ都ス帰玉フ故ニ弓ノ
弦ヲ表シ午絽ヲ七尺五寸ニ切鞭ヲモ矢ヲ表シテ二尺七寸
ニ切ル也
驅
夏后氏一事丙子
段用三馬円用
一車四馬三人
驢馬走也
一大国より馬之午網を渡す事神武の御宇長妙居士一巻の
書を渡す中興相州湯山入道中原玄姓入唐して習渡其
後一巻之書焼拾又羽州ニ持渡リ蔵人高階広氏入唐シテ
一習渡長男左近広高相伝広高より眼之渕庭相伝渕
庭ヨリ大吏国景相伝夫ヨリ至来世諸流分ル
一古人曰人は万物の霊馬は諸畜の長也人に随事天地自然
也元来寒国山野生る故寒熱に不痛勇力強大なる故一
日ニ千里ヲ走ル駿足也驥馬騒駭雖驕驕駅聊此馬千
里走右周穆八匹之名馬也口伝曰大国ノ一里ハ六里ナリ
日本の一里は三十六里也駿馬一日に千里を走と云日本の道
ニシテ百六十里余也
一桜狩庭衆之事大国にては一日に日本の道にして百里乗
一
ト云日本にて佐藤内記一日に八十六里乗也
一古法追廻シノ場三町ニ定事右佐藤内記百里乗のため
定之と云三町ノ場十二返乗り一里百廿返乗十里也
一早馬の伝於日本関東下総国大熊ト云者或時牧野
へ出馬数多見ルニ足ツカイク巴々替レリ馬ハ人ニ随モノ
なれハ彼馬ニ目付ヲシツナギトリ其馬ノ得タル足ヲ乗出
シ其世ヨリ早馬ト云事始レリ又其後北国ニ一人三国
相伝早馬七匹ノ書を以乗出スト云云
一早馬之足色々多シトイヘトモ揃足延足両を口シ交足此
類也上カン中カン馬の気に依て責出す也
早馬之伝
一上かん強キ早道之事中の鞍に胸をいたし耳の間に目
を付かた先を前へ懸りこぶしを鞍の手掛所に定証は
一文字に膝を開きつほまず少片居木に乗事も有者
中の居木に軽く居り下より乗あけへし地足の内にて
口心足をくつろけ早足に移すへし若口に懸り候はし
さき口にして乗へし先右の面懸を越せ片場能候
はし左の面かいを越せ手の内わつてわらさる心持に而釣合
乗へし無口二而も割口に而もかけ出る事有は手の内を
しむると鞭をひねるを一拍子ニして強き方の口を含
尺し手綱を引事なかれ若又まくりあかる事あらは
一兔拳を可用所を定出る事あらはちゝみの鞍を可用
ちゝみとは前へそつと懸り手の内をしめゆるす也かけ
出る二三間前に而ちゝみの鞍を乗へしかけ出る事なし
一同上足を乗足を乗ほとく事場頭ゟ乗出し場中に而
直させへし上かんの馬を場末に而上足不可乗のりを忘
かし足をか好同上かんの馬をかけ足不可乗百日の責
無ニ成ル也
一中かんの早馬の事し中口の馬は中の鞍腹を直に立日付
は耳の間より六七間先を見通しひさは開かすつほます
鈴は少々州へ踏はり力革をのす事第一なり但池前へ
踏出さぬ様に踏はるなり手綱は前の腰に而拳を可定
惣る手綱は引ふ引に構へ馬の得口を尋口は引んとす
手の内はひかれしとす押相の所に而早足を出へし
同早足の内豆をみだす事あり此足を揃へ足に直
さする事有是早足の命也手の内をしめてゆるほとき
を可用同手の内をしめ立こぶしに構馬より足をなをさす
る事も有然に足をみたさす所に而手綱を引さくる事不可用
早馬に大にいましめ也同場に而乗出す事地うつりを先に乗出
すへし早足を場末五間三間前よりとばせ返ス方々面
かいをおさへへし馬場中三所に而鞍輿を引立證にて
少さそふへし第一乗を過すへからす足を出す思はゝ其
侭乗納へし又馬の心気すゝまぬ時は早く乗納へし
早クハ乗なおそくハ乗るなと云事肝要ニ可心得乗納
に口ねはくは小さくり手綱を一用同馬合勝負の時は敵の
馬を左に置我馬を右の方を乗通すへし右の手に鞭を
持腰際に而敵の馬の頭へ当る様に我馬の髪中を可打敵
の馬は鞭におそれて除我馬はうたれて飛足に成て乗越す也
〇
同下かんの早馬の事鯰ハ後のくらに居手先強く手綱ハ
ゆとりなく乗の内に而手端を引立〳〵油断なく一乗口ね
はくは角の口に而切立〳〵口に可当或は角の鞍に乗又ろくに
直り馬の好鞍を定メ鞍輿を取替〳〵可乗一様に口に引当
レは馬つかれ足入ルへし乗の内に而むすひあくる事あらは
乗のおさへなり上ル所ニ而手の内をゆるしゑしやく手
一を下ケ口をろくに直すへし同喪をいたく馬は手の内を
ゆる〳〵と取鐙に而け合せ少前へ懸り可乗下かんの馬は場末
に而上足を細く不可乗心込物也場中にては五間三間の間
をとばせへし同下かんの馬三所に而鞭かくを当ル也場頭
場中場末也下かんの馬わり口に不可乗先気を忘れ弥
内に可成無口に而乗るへし又小さくり手端を用ひ口軽く
乗付へし惣てえかん中かん下かん何も諸はみの早馬稀也
片はかみに懸り足出すへし故に早馬の鞍片居木ニ乗事有
但し弱き方へ居木をかね同向口弱き馬は手の内強く釣
合鞍を和かに乗へし又ハ口を振向口弱き馬はゆよりなく
釣合鞍を強くおし立可乗也
一もろおろしの足は六段の乗つもりなり中の鞍に八分に腰
をすへ左右の居木に移り替り〳〵落しの拍子ニ付て左右の
左右の居木に移へし鞍も直に居木は前輪へこされ後
鞍へこさるゝゆへおろしの鞍は左右の居木に心を付る也
月かおろし中にひかへといふ鞍肝要也ひかへとは時々鞍の
中をおとり上り二ツ三ツも居敷と当るへし同足を乱す
時は鞍をひねりはみをぬきおろしになをさせへし大
八
おろしの鞍は居敷事なく立すかすへし
一片おろしの事前の鞍に懸り手の内をしめ鞭の内軽く乗
おろさせへし足みす事有は鞍の内を居敷へしおろし
の内に二拍子と云おろし有勤手綱同前なり
一交足の事手綱は手の内をしむる事もあり馬による也
鞍は少前なり片乱の時ははみをぬき手の内をしめへし
一鞭の内を強く可乗目付は耳の間より六七間先なり上かん
の甲馬は耳の先也
〇一早馬には乗の内五返三道に一度ツヽ上足を乗り足をく
つろけ能足を出候へし上足の手綱にはくる拍子に
三里三〳〵口ニ引当ぬ様ニ乗口を和ケへし乗ニ移す
所に而糠をひつめ手綱を筋違に抱強口を会釈し弱
口の手綱をつなくへし鞭は弱口ニかゝる事肝悪なり
むかふ口弱き馬をは手紙をしめ少もゆるさす上足を
くつろくへし早足に移す事ゆるおときとなをさせへし
悪馬之伝
夫馬は五臓五府而其生正直に而無邪気故諸曲不
直ト云事ナシ然トモ不直馬有一ニ病馬二ニ四足悪キ馬三々下
カンノ口力ナクネバ口ノ込馬也
一悪馬を可乗鞍の事真草行の三ツを兼戦一ハイニ居ル也
是を真の行ノ鞍とも抱の鞍とも云なり出口強大引ノ馬に此
鞍を用事なり
一五方之口上悪中口下用左曲右曲也ヒツキヤウ中の口也同
五方の強所サケメホクトフクトクビカタナトノ右ノ強キ所を見分ケ
口を入へし
●一岸波の手綱之事岸打破の手認どもいふ百曲の馬に可用国
曲の元辺馬也込馬ハ必立もの也場中又ハ角の口ニ而したる〳〵
込不出時右岸波の手綱に而打出スへし手鞍鐙強ク居そ
りはねかけ馬首まくる方の手綱に而ほし骨目の下を
一横筋違之手高ニ手綱ニ而強く打出スへし不出ト不事
なし忽眼くらむ故立事なしさし波拍子ニ打出ス故岸
打波の手綱とも云也切レ馬添馬はね馬にも用へし右之通
さゝ波拍子ニほら骨目の下を強く打故目を開くこと不叶
忽眼くらみ堪強無類の高此手端に不足と云事なし
妙術の手綱なり
一鬼向の鞭の事込馬立馬乗すまゐ興すまいに首尾を
合て打なり込馬立馬大強馬に入を乗せ右の鞭先を
馬の口内奥歯へ横すちかへにさし込手のえをさけ押
しさらすへし馬上よりも引しさらかし候へは思事
をいやかり向へ出んとするとも不出強く痛め悪気を
可退右のあてかひに而込事を至極こらする物也
一八九水車の手綱の事大強馬に可用右江廻す時は右の手綱
を右の尾かい組違の下ゟ引出しさか手に取跡へおし左の
手にて手取髪の上を押へ外の方へ鞍を少居下り右の方へ
鞭をひねり廻すへし不廻と云ことなし亦不乗して
手たつなを付右之通右へなりとも左へ成とも口強き方の
一扉かい組違の下ゟ引通跡へ引付候へハ如何程も廻る物也
一即時に強口引おるものなり
一大そりの馬厩に而仕込縄の事
一強口の馬わり縄の事
一百曲の馬越シ様之事十歳の馬を二歳にして惣す事
一不拍子の馬轡不請馬に差縄の事
一不拍子の馬に鞍下前後夕ばサミ仕掛様の事
一長き調子短キ調子の事
一陰の調子の事
一陽の調子の事
一十拍子之事
以上
右当流極意早馬之伝并悪馬直様家伝之書雖為秘
事不残一点指上申者也
正徳三巳六月吉日三場荻右衛門
馬之背を取鞍を知事此ヶ條に早馬押之次に所書由載也漁政変記候
一前の上角を取は則前輪の爪長ク馬ばサミのせ可キ故也
一前の下角を取は則前輪の爪長ク馬挟しめ広き数ナリ
一中脊を取ハ則シ前輪之爪短ク馬バサミセマキ故ナリ
一シコミヲオスモ前輪之爪短ク馬バサミセマキ故ナリ
一アトの上角を取は則後輪の爪長ク馬挟みのせ可き故也
一アトノハウノ背ヲ取ハ則後輪ノ爪長ク馬挟ミノ広キ故
一中脊を取は乗合之金セマキ故也
一部ト背ヲ取ハ則乗合之金広キ故也
〇一肩ノ剣根三ツ有肩上ヨリ肩先迄三寸有ハ上也二寸有ハ中也一寸
無明書
●尻にてうるは上也
●百會ひきくおのれとさかる
一生付の馬は上なり
尾はなし尾先まてさすは上なり
一中ふし上りて付ふみ付広くふむは上也
おれるゑだもふみ付広くふむは中
一さいはい尾ふるは中也
一中尾ゟさすは下なり
けたておれすしてふみ
付すくにふむは上也
・胴は短くして首は長き馬は上也若とう
長き馬はくび短きなり是かねの当様かた
上より一そくて置て横に六寸取ゆひ
先よりこびとうの長さかねを当くび
とう同尺は平馬なり
●腹の大キなるは平馬也
おのれとほそく腹帯
おのれとほそく腹帯
のゆひと大にしてすく也
のゆひと大にしてすく也
●三寸ノ耳ハ上也山ノ間かね星也五寸の
耳は山の間かね六寸也是も上なり
●目大にしてまかふし高きは吉
●面しやくみてそりたるつらは吉
こうろきつら長く中高シ
さうやく馬のことく成るつら吉
●ぬる付いからぬ事は上糠付トは唇ノ所也
●三ヶ月骨いかりてあかるは上し
口のさけめ二寸は大引の子也し
三寸中四寸ハ下也
●中ふしさかりて付ゐ
ひざ吉腹の方に付也
●小うてゆかますして乗時
重ねてあゆむは土なり
胸に角なし
首ほそく上へ
そるかよし
ゑり合狭し若広は後の
中ふしよせてあゆむ也
ね下おとかいほそくやはらかなるは吉
●かたの組根三ツ有かた上ゟ肩口迄三寸さき迄三寸。有は上也二寸中一寸下也
寸有は上也二寸中一寸下也
一瓜二心三麻四血
一此馬ニ二拾壹ケ所之見所有
段之積之次第
一段二段三段四段五段六段七段
一三日六ツ九〇十二十五十八廿一
一一つり十七迄有之とも五段之内何も一段より同前の事也
一但廿一迄つまりてと二ツのつらなけれは六段の内也又廿一ヶ
所の見所な〳〵くも二ツのつらの内一ッ生くれは七段の馬也
一人くひ骨つらに有人くひ骨とハ眼のかしらより出る筋也
口のさけめより二ッふせ置て結ひ下おとかいへ廻る也
段の馬伴り合の事
一七つめの馬につら二ツの見所有一ツニはせひかいをあをのけたる
ふかさのつらなり又ゑんのまはり四寸也一ツニは天目をうつ
ふけたるもゝなる躰のいし吉何も目の下にしゝなく候此馬
一に廿一ヶ所の見所有
一平高に四寸の耳間山間のかね四寸なれは三段四段の馬とまき
るゝほとの甲馬有
きれ馬乗すまひ惣る申馬はつらのみけんの辻に見所有目初
一に生るゝほと辻さがる也是は上也月末程上ル物也是はあらき也
一三寸の耳のつしたけ長きと一尺一寸の尾筒の長サと一ツ釣合
なり是は上也
一上くひ長く下首短候共早き事は同前也胴長き事はとびと
ふけ川に吉併五寸一分迄は不苦胴つまたる馬は上なり
一尺差高く百余ひきく生るゝ馬は上々の一釣合なり
一跡足のふし高く付前足のふしさかり付は是も上々の一つ
り合なり
一後のゑたの踏付広く前ゑたの踏付せはく踏付るは一
つり合の上々なり
一三寸之耳は四寸の山あい上々なり
一五寸の耳は六寸の山あい上々也
一四寸の山合に三サ八九分まては三寸の耳のうちなり
一三寸八九分の耳迄は尾筒の長サ一尺一寸の釣合なり
一六寸の山間に四寸四五分迄の耳尾筒の長さ七寸五分一釣合也
一寄の山間と四寸の耳は段の馬の押なり
一口のさけめ二寸ハ大引の馬也但釣合能たへは後は早馬に成なり
一口のさけめ三寸は中の上なり
一口のさけめ四寸は下なり
一無口馬と云は廿一の釣合一ッもなく奥歯に楽をくい留め
頭をおして走る馬を無口と云也海川を不知人を引馬也
一早馬息合あせに而見る事
一内すゝにあせをかく事一胸かいた汗をかく事
一耳の根に汗をかく事一日の上に汗をかく事
一耳の中より大なかあられことくなるあせをかく事
一初三ツのあせをかく程より多く不可乗目の上に汗を
かくほと乗候へハ痛也又耳の中ニ汗をかく程乗過シ候へは
息するもの也能々心得可乗なり
早馬おさへの事
一口のさけめ広きはおさへ也一目あしき卑馬の押也
一つらにしく付てこゆるは押也一首両方にしく付は押也
間未詳
一胴と首と同尺は大に押也一百会高きはおさへなり
一尾口深クわけ入はおさへ也一前ゑだあけぬは押也
一前ゑたよせるも踏付悪し一後の踏付乗時よせるは押也
一大茴も早馬のおさへ也一瓜あしきは早馬第一の押也
一つらは惣躰大きくしゝなく岩にぬれ紙を掛たるかくかわ
から薄く毛短うつくしくあれたるかよし頭おもく
肥たるかことくなるは奴馬なり
一耳は小ク耳間しまり耳根ふとくひと握程に而耳力強はよし
一同は三角に目の内うるおひたるをよしとす
一白鼻は大かふきあらしひろく鼻大なる時は息強中位を呑む
一ぬか付はいからすして丸く高きかよし
一上唇はきうにして下唇に少短かよし
一歯は大にしてなみ能白きかよし
一三ヶ月骨は大きにして中程に而急にくり込たるかよし
一三ヶ月骨に而首をはさみたるか如くに広くなる程くつろき
たる位かよし
一上首は櫛のみねの如くそりたるかよし
一下首は短く弓の弦のことく直ニしてよし
一髪は厚く長きかよし
一から際は薄くかたきかよし
一一胸は突出して平らかに緩々とくつろきたる位吉
一四足のふしの間いかにもしゝなくしてかはかはかかり聞く
くつろき多きかよし
一一前膝はさかりて付ひさ大にしてひらくうちへそりたる故
一壱足は直にして節間前は二寸計跡は少長きかよし
但馬形大小ニよるへし
一四足の筋はあれて竹を細くわりてならへたることく
かたきかよし
一爪ふさの色ハふどく薄く爪に四五分ほとかゝりたるよし
一前後のりうの毛はあつく長きかよし
・一前爪は立てつゝ高なるかよし
一爪のうらはほりたるか如く瓜にかさ有て厚かよし
一跡爪は厚く長きかよし
一前後ともに瓜は青黒く爪に白瓜のす有かよし
一黒瓜に白き筋かた足に有は一国の内にて悪敷也
一白は猶以大疵なり
一肩の組様はいかにもたいらかに三まいきはなれたるかよし
一肩の骨組強くさかりてくつろき多きかよし
一腹の毛はふして厚きかよし
一はるびのゆひどより前大して鈴すり厚きかよし
一一脊筋骨はさくりて見るに溝なく一筋にふときかよし
一献下はまるく平かなるかよし
一百会は背骨骨ゟおのれとばりしの竹をためたる如く成かよし
一百會よりしつ先まて大にして腹をかくすかよし
一むちうけひろく丸くさんつのたゝさるかよし
一股の内外厚くあせみぞおのきとはりさかりゆる〳〵と
くつろきたるかよし
一跡足は長くふとく前足に勝たるかよし
〇一前後とも二踏付ハ荷をかけしわりたる位かよし
一ともの開き一尺斗に見ゆる時は前は六寸斗に踏付たるかよし
一米足せはくかさねたるはあしきなり
一尾筒ハふとくうらほとほそくかたきかよし但平尾は
よし丸尾は悪きなり
一尾の毛はふとくしていかにもたく長きかよし
一尾はなしハ指あけてうらほと強かよし
一とはたりはせまくうきたるかよし
一きんは平にちいさくつる根みしかきかよし
一惣而馬躰同尺同寸ハあしきなり
一前の尺所より百会一寸さかり上也。五分さかり中百会と
同尺なれハ乗の押へなり
一一跡足の節は高く付たるかよし
一前足高くのへ足早馬の第一也
一目の小キとはし先細きはあしきなり
馬四足添節血むら見様之事
腕尻
笄節
附節
沓しほり
添節
袋血
{
たり。
ひあい
□□□□
いちこ血
上中下旋ノ図
さかりふし
一ミケンノ辻下リタルハ吉月初ノ生也月未生ルヽ程ミケンノ辻上ル也出
曲多シヤ知ヘシ
上之辻
黒星ノ分中之辻
一輿カラミナ一口眼ノ上ニ有不苦
伏免辻西門ノ辻モ云不苦
竹葉ノ辻耳根ニ有不苦し
陰陽の辻つらの上雨角に有
三辰の辻丈吉命長し
軍陳ニ乗テ吉
猿上り逆中
テイトウノ辻不苦
芭蕉ノ辻ハセヲ毛ニ有不苦
所知ノ辻夜目ノ節ノ上外ニ有
所知入二十一日上
鐙鼻辻不苦
朔分ノ辻爪ノ向ノ上ニ有
軍陣ニ乗テ吉
竹葉ノ辻耳中ニ有
壽星ノ辻珠目ノ辻ノ
上に有主君栄昌ノ
辻〻珍目ト二ツ有ヲ
二星トモ云三ツ有ヲ三
光ノ辻言上々也
一珠目辻上長命
一丁脱カラミ辻不苦
□□
波切ノ辻ヱリ間に有川游に吉
善相ノ辻
□□
章門ノ辻胸に有日不運乗出吉
入府ノ辻喉ニ有
福門の辻口の両脇に有上
愛相ノ辻鼻ノ上ニ有上レ
ヲイノ辻オトカイ下ニ有不苦
ツモリノ辻▽カセヽリニ有不苦
下ノ辻
尾辻尾の中に有之
矢負辻百余ノ中ニ有忌し
六道の辻大忌し
タヽシノ辻馬短命也
押の辻取髪の脇に有大忌候
無門の辻押より二三寸上に有之
セツリウノ辻
髪中ノ辻
見上ノ辻
尾陰トモ七走トモ云
芝行辻病多シ
双門ノ辻大忌表門ト書モ有
頸中ノ辻平ノビ有
眼水ノ辻
一一寿星の辻面みけんの真中に有を上らす脇へよるは悪し也
一一養相の辻左右同様に胸より下に有を上とす一方上りたるは悪れ
一一双門の辻胸の両脇に有大に忌一方に有ハとび双門と云何も悪し
一悪辻の場所三寸四方ニ有ハ何も悪辻なり
以上
口歯訣
一歳駒歯二
上
二歳駒歯回
三歳歯六
四歳歯
如此中二歯
替レリ
五歳歯
如此四歯替り五歳
此左右ノ歯不替前
内ニ牙生六歳
替りて牙生てそ
同前ナリ
六歳歯
七歳歯
上下十二歯
替は七歳
八歳迄ノ
「嘉政四ノ上」
スノ見ヘルハ八
歳ナリ
九歳歯
如此左右ノ歯ニ少
す見るは九歳也
十歳歯
此上丁画臼あり
ハカリ見ルハ
十歳ナリ
一歳弱歯二二歳歯四三歳歯六
四歳成歯二五歳成歯四六歳内牙生
七歳區一色八歳犯中區九歳區梢
十歳下昼臼
如此十歳迄明白也異国三十二歳日本二十五歳迄雖
3987
有其伝不明也
右者羽州山上宗久入道直伝小谷氏伝之干長坂
勝次秘密口伝不残著此巻者也不許地見者也
弓場萩左衛門
正徳三巳六月吉日