古今名菓祕録
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- 清談樓主人編
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- 2026-08-17T19:23:22.650Z
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- 2026-08-17T19:23:22.650Z
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- 場所: 京都
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- 清談樓主人編
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- 日本語
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- 菱屋友七郎
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- ココンメイカヒロク
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- 東北大学
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- シンセンカシヒロク
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- 2026-08-28T18:53:25.651810+00:00
00583
書名
新撰菓子
必録
甲
所蔵者
(備考)
幸
折月
研年
学別節
昭ん万
引会別大
O株平東
資料番
古今
新製
名菓秘録初編全
08
古今
新製
名薬秘録
初編
全
やむごとなき御節会の唐
狩野氏図書記
菓子木菓子の供御は暫く
おまてぐは蕨ほるやまの
奥まで母わらび餅の味はひ
よく宗治山の木の芽の薫り
いたらぬ土地なければ山の
一芋とる数童まで蕷蔬
頭の味ひしらぬ母あらざり
けりかくひらけゆく大御世等
なほひらけぬる名菓の種々
こや喫茶家のみ友にして
つきゆきはなのほかいづれもがた
雪月花余風後雨士の
珍とすべからむかし
花洛随士
春草亭しるす
製
御蒸菓子所
新
序二
御菓子一町
用{
名東絵玖るい
諸砂糖漬類
例言
一菓子製の書世にあまたなりといへども或は其
一家の製菓をのみ挙る類ひあり今此編はしる
らず善ねく諸家を見聞して其美を撰み挙く
一一尤婦女方童蒙の為に講するものから唯々其製
一方のわかり安きを旨とすれば其鄙陋をいとはず
極めて通俗言を用ふ
一其分量等は定則を挙たれど其を製せんと思ふ時の
多少は定めの分量の割合を以てすべし
古今
新製
名菓秘録目録
一饅頭皮製法一砂糖煎法
一氷卸製法一寒晒白玉粉製法
一赤小豆煮様一白大角豆煮様
一並餡煉方一上縮煉方
一吉野淡頭一旭饅頭
一中華饅頭一朧饅頭
たかまんちう
一腰高饅頭一薯蕷饅頭
一水蟾饅頭一山吹饅頭
一葛饅頭一葛煉
一春庭餡一味噌松風
一小原木焼一水宛
一葛切一水蟾葛切
一蘇蘇麺一紅切
一柚餅一桂餅
一遠山餅一五色羽二重餅
一小倉野
一小倉野一若菜餅
一七年荒天
一七年荒失一羊黒天
一撮羊羹一冬の梅
一求肥飴一麻地飴一
一南京飴一砂糖蜜製法
一大徳寺一月奏
一養命粧一玉川
一塩竈一不二絲
一牛房流一定家餅
一春霞一陸奥
一唐紅一夕霧
一伊勢楼一唐錦
一新野月一女郎花
一小紫一桔梗一
一褥一細石
一烏芋一霞の玉
一ふわ玉一山吹
一水山吹一早蕨一
一蜜柑餅一木実餅
一霜紅梅一橘餅
一大徳寺巾飩一紫巾飩一一大徳寺巾飩一紫巾飩一紫巾飩一一
一鶉餅一本羊羹
一白本羊羹一三段羊羹
一紅羊羹一青羊羹
たまのゐやうかんゆやうかん
一玉ノ井羊羹一柚羊羹
一玉子羹一麦羊羹
やへなりかんごまかん
一八重成羹一胡麻羹
一百合羹一薯五飲羹
一粟羊羹一鶯羹
一鶏焼
一鶏焼一未開紅
干菓子之部
一庄落雁一御所落雁
一麦落雁一白雪糕
一薬江雪糕一松葉
一松風一巻絹一
一二見浦一花蕨
一桜玉一件達由
一軽焼一唐巻
一卯ノ花一落葉焼
一水ノ月一寒紅梅
一笹の友一村時雨
一玉兎一小倉山
一蟻通一霜柱
飴糖粉之部
一すしまんぢう
一求肥飴
一求肥飴一鮓饅頭
一浅茅飴
一益寿糖一浅茅飴
一源氏紅梅一遊楽玉
一錦漬一三季糖
一金糸飴一五色粉
一小倉粽一葛粉
にしきちまきごしよちまき
一錦粉一御所数
一洲浜糕一生姜糖
一胡椒糖
一胡椒糖一青物砂糖漬方
新撰菓子秘録
洛陽清談楼主人編
○饅頭皮製方
一糀一升
但し常の糀とは別なり饅頭餅
とて別にあり
一餅米極上白二升
なり饅頭糀
以テ購入セルヿ開博士
猶興事吉は藩蔵画
まづ餅白米一升を能あらひて水三升ほどを入て
至つてやわらかにこげざるやうに焚なり若こげ
たればこげのいらぬやうに濡布の上にうつし杓
子にて一たん平らにしておくなり此飯をおはちへ
うつすはよろしからずゆげをとるためなりされば
とてさめてはならざるゆゑにさめざるうちに右の
一糀五合をもみさばきおきてあつめしによくかき
まぜて分量一杯になる位のおはちに入息のいで
さるやうにしつかりと蓋をして右のおはちよりは
一まわりも大きなる桶に熱湯を入其中に入子にして
湯煎のことくまわりに詰をかい動かぬやうにしまた
其桶へも蓋をして湯の成丈さめざるやうに包み
一置一夜ねさしおく時はよく熟るなり其よくなれ
一たるほどを窺がひ布の袋に入てしめ木にかけて
一絞るなり此汁が則饅頭の酒なり此酒を徳利に一
入気のもれざるやうに堅く口をして意なり
○砂糖煎方
一氷砂糖唐三盆又は唐雪白砂糖右いづれも煎じ方は
同しといへども各火水の加減ある事にて度々手がけ
る中には自然と其よき工合を知れるものなれど
一只其大概をしるすなり先砂糖壱斤の中へ極
上の太き長芋半分ほと皮をむき大根おろしにて
摺おろし大杓子にて砂糖の中へ掻まぜ水一升
一二合ほどを段々少しづゝ入てよくかきまわし七輪に
一堅炭を程よくおこし置銅鍋へ右の砂糖を入て
はじめよりそろ〳〵かき廻しながら煮詰るなり
側に水一升ほどを懸に汲置小柄杓を以て煮たつ
度に少しつく水をさし四五度煮立せて鍋をおろ
し暫く置とき白き泡のやうなる物上へ浮なり
一其泡を網杓子にて汲ひ取て又七輪へかけて掻
まわしながら煮立度毎に水をさしまた鍋を
一おろしては細杓子にて泡を汲ひ取なりこの
一泡が砂糖の悪汁なり右の通り度々すれは純粋
一の砂糖に成て泡の出ざるやうになりたる時に鍋を
一おろし図の如く目篭へ篠竹を二本さして地
一合よき白真岡木綿二尺ばかりふきんに切よく洗
ひ出してかたく絞り濡たるまゝにて右の目篭へ
敷壺やうの箸へ煎じあけたる砂糖を漉込なり
一総て菓子は砂糖の煎し方が第一にていづれとも
一念入て製すべし
一干菓子類一煉物一蒸菓子各皆砂糖は煎じ
置て調製すれば一々には記さず其心得に見給へかし
○氷卸製方
一極上の氷砂糖を撰ひ大粒なる色の白きのみを
えりて人肌位の湯にて洗ひ目篭へ入て一夜水を
きり布ふきんにて水氣をふき遠火の助炭に
かけて能乾し少しつく薬研にておろし箱篩にておろし箱篩にておろし箱篩に
てふるひ極細末とあらき所と二三段にふるひ分て
一置なり尤菓子の製し方によりて種々入用有
事なり
〇寒晒白玉粉之製方
一極上餅白米八合一極上粳白米二合
一多少とも右の割合にて米をよく洗ひて水二升五合
ほど入二日潰置石臼にて水挽にひき細かき漢巻
一漉て糟を去り一昼夜も置ときは粉は下にしづむ
一なり其上下をこぼし捨るなりかくすること度々なれば
一段々にかたく成たるとき干板の上へ簀を並べ厚き
一紙をしきてその上へ右の生粉をかきならし平に
して半紙か又はみの紙の生紙をつけ置寒中晴
一天四五日干なり手通して下にしきたる厚紙を
一取かゆれば早く干くなり大てい乾きたらば紙を
とりたる方よろし上の紙はぬれたる所へほとり
を除るためなり時侯によつてしめりあらば紙袋
に入てほすもよろし得と乾あげて貯へおけば夏
といへども虫つくことなら
一〇赤小豆煮損
一其多少は時によるといへどもまづ小豆の虫喰または
製
砂
菜
糖
壷
小豆漉粉
煎砂糖
唐三盆煎
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
しびたるなどをえりわけ米のことくよくとぎ
一浮ながるゝを捨たとへば一升ならばよきほど水を
入て焚たてひた〳〵に煮あがりたる時又水をさし
て能煮あがりたるを米物箱へあげて煮汁をし
ぼり切また別に水を入て煮たてまた其煮汁を
こぼすなりかくすればあづきの渋あてよくぬけて
餡の色合至つてよろしくなるなりそれよりまた
水を入てよく煮くずし扨よき時分に笊をあげて
摺つぶして水を入細かき水嚢にて漉地合よき
一木めんの袋へ入しめ木にかけて絞るなり尤餡
の製し方も第一なり倉入て製すべし羊羹始
め餡類の物一切赤小豆の煮やうにかはることなし
一巻中餡の条下に別に製し方はしるさずおし
て知るべし
○白大角豆煮損
一白大角豆一升が四百目位目方あるものなりまづ
一四百目の大角豆を石臼にてあらくさゝ挽にひき
一刻あつき湯に浸し置しばらしてもみ洗へば
皮は皆うき流してすてそれより釜へ入て煮立
煮汁を捨また新規に水を替て煮立るなり
かくすること三度なれば大角豆のあくよく書なり
又水を入て能煮くづし笊へあけて摺つぶし水を
入て筏斗にて漉木めん袋に入て絞ること赤小豆
一仕やうにかばることなしよく念を入てあくをとれば
絞りて真白くなるなりこれを煉羊羹にもつかひ
白あん紅あんにもつかふなり
○並餡煉方
一赤小豆一升の分量一唐雪白砂糖四百五十目
右の割合を以て煎じ置たる砂糖を目方の如く
銅鍋に入て七輪にかけ置よく煮詰りたる時ぶん
一絞り置たる赤小豆の漉粉を少しつゝ入て火加減
よく気ながに煉あげるべし
○上餡煉方
さんほんさとう
一赤小豆一升の分量一三盆砂糖六百目
右の割合にて煎し置たる砂糖を煮立て追々煮
つまりたる時に絞りたる赤小豆の漉粉を少づゝ
一入て火加減よく煉つめる事肝要なり
○吉野饅頭
一極上の小麦の御膳粉を右の製し置たる酒にて
ゆるめほどよく煉方次第にて皮は薄くとも厚くとも
なるなりほどよく平めになして小麦のとり粉にて
一あつかひ上餡を包みまた八重成餡胡麻餡等を包み
一簀の上へとるなり此簀の下に少々ばかり火をおき
一餡をつゝみたる饅頭へ下よりいさゝかあたゝまる位に
して置られより直に蒸篭へ布を敷て其うへに
並べて遂なり形は何れとも成なり扨益あがりたる
一時直に上の皮をむくなりさめてはむけかぬるなり
極々あつきうちにむくべし
○胡鱧類
一前の如く極上の小麦の御膳粉を饅頭の酒にてゆる
める時生蒸詣をせんじ置右の所へ入てほどよく
色を附て蒸あげるなり製しかたほかにかはる
ことなし
〇中華饅頭
一鶏卵大十一雪白砂糖百目
一うどん粉百目
右三品を鉢にてよく〳〵すりまぜ其交たる所へ水を
入れゆるくとろりとなるやうに練まぜ赤がねの皿の
一上へながし焼にして餡をつゝむなりあんの仕やうは
まへ
前にしるすことし
○朧饅頭
〇腰高饅頭
一各かたちの異なるのみにて餡を包み蒸方はやはり
一同断なり勝は熱きうち皮をむくなり
○薯蕷饅頭
一極上長芋百目一粳米の粉二合
一白砂糖百目
一右三品をすり鉢にてよく〳〵すり手をぬらして
一丸め餡を包み布を水にしめし蒸篭にしきて
一それへ並べむせばふうわりと浮あがるなりねばり
さる時をみてあけるなり餡をつゝむとき随ふん手
一かろく形よきやうにつゝむべし
○水蟾淡淡
一葛粉一升一砂糖蜜一升五合
一水一升二合
一右の内三分一のこし残る二分を端に入れゆるやかに
一火にかけ煉方まりたる時鍋をあけ右のこしおく
一分を入れ火にかけずにねりかため箆にて取わけ
手を水にてぬらし餡を包み蒸篭に並べむし色
少しうるみつや出る時あぐるべし
吹饅頭
一蘇蕷まんちうの仕やうに同し拍子を入れ米の粉
五勺ほどよけい入るなり
○葛饅頭
一上さらし葛の粉を葛餅のことく少し堅くねりて
一箸にてよきほどに切り又葛の粉の細かなるをとり
粉にして右の葛餅を平たくし赤小豆のよく煮たる
丸つぶに砂糖をまぶしこれを包み形を饅頭のことく
なし蒸篭にて蒸し出すなり
○葛煉
一極上葛一合一水蜜一合
一氷
二合五勺
多少ともに此割合にて葛煉を拵へまな板のうへに
ぬれふきんをしき手をぬらして杓子にて布
巾の上へとるなり
○春庭館
一鶏印
一鶏卵五一砂糖五十目
一うどん粉五十目
一右三品を鉢にてよく〳〵すりまぜおき鍋の内に
一厚紙をしき其中へとろりと流しこみ蓋をして
一蓋の上には至つてつよき火をのせ置下の火は至つて
よわくして焼なり下火はあれども無きが如くぬる
き火にて焼べし焼かげんを見るには藁すべを筋
一鍋の中へ通し試むべし火よく廻りたる時は藁すべ
はねばりつかず火いまだ不足なればしべにねばり付と
しるへし
但しカステイラ鍋といふものあり赤がねにて角に
つくりたる物なり大小いろ〳〵あり若鍋なき時は
一一通りの赤かねのうす鍋にて行燈の火さらを覆に
用ひてもよろし
○味噌松風
一粳米の粉壱升一餅米の粉四合
一白砂糖五百目一山椒の粉二十目
一味噌のたまり百目
一右五品をだんごの堅さ位にこね合せ布を水にひたし
大がいにしぼり麺棒にてよきほどに延し焼湯にうつし
火ぶたの月よに火を並へ焼なり尤上の火ばかりなり
よきほどに色付たれば上を下へかへして又焼なり
一出来上りたる時は蓋のある遂に入置はむさりて一入
かげんよくなるなり
〇小原木焼
一右松風の割合の中山椒粉と味噌とをよけて黒
胡麻を入れ所々へむき胡桃をさし入れ右の通りに
焼なり但しあつき七八分にのばし切口おもてになせ
胡桃あらはれもやう出来てよろし
○水純
□□□□
閑談賞茶
菓有自風
流趣
十九
三
一葛の粉壱升一砂糖蜜
一壱升二合
一水
すべて葛まんぢうに加減同し砂糖をかけて用ひんと
する時は蜜をのぞき又角に切んと拵へたる時は塗和平
にあつきねり立を入て木の巾広き昆を以て一めんに
延し扨さめたればいかやうとも形ちをつくるべし
○葛切
一葛の極上粉を羅合にかけてよく煮あがりたる湯にて
よくこねまわし蕎麦切の如くに打なり湯でかげんは
うどんの如くよく湯でゝ洗ひそば切料理にして一入
よろし又は暑中には冷して用るによろし
○水蟾葛切
一葛の粉壱升一水二升五合
右水せん鍋へゆるりとつけ大鍋に湯をにへ立し右の
一上に水せんなべをかけ置右の葛を流し万べんに
のばし上少し乾きたる時湯の中へ浸けしばしの
中に色かはりたる時水の中へ没右水せんをおこし
うどんちどに切り砂糖蜜にて用ゆべしまた精進の
さし味につかひて至極妙なり
○薯蕷麺
一一粳米粉一極上長芋
一右二品を芋の皮をよく去り研にておろし粳米
の粉を蕎麦切のかた加減によくこねそば切の如く
切則ゆでかげんも蕎麦切に同し
○紅切
一赤き大唐米を粉にして内へ餅の粉二分まぜ薯
蕨麪のごとく山の芋にてこね打なり尤ゆでかげん
皆薯蕷麪に同し汁加減そば切に同し
○柚餅千代見餅ともいふ
一柚のあとさきを薄く切中の実を去り皮を熱
湯に漬あまはだをよく竹の箆にてこそげ
一蒸篭の内に水にひたし布を敷右の袖の内の水
気なきやうにふき右の敷布へならべ
一粳米粉八合一餅の粉二合
白砂糖弐百目一水五合
右を煎じと水嚢にて漉又外に水三合入れまた
一沸立し右の粉をすこしつゝ砂糖水を入れこね右
の柚の中へ流し入れ並なり尤蒸あがりたれば
うき上るなり但し流し入る時随ぶんつよく焼べし
左なければ流れ出るなり又右の砂糖水よく沸たら
たるにてこねればこねる内にかたまかなり右こね様
一秘伝なり何ほどにても右の割合にて知るべし
○椿餅
一粳米粉百目一太白砂糖百目
一肉桂粉拾匁
一右粳米粉を抓色ほどにいり粉にして羅合に
かけ白砂糖を竹塵にてふるひ三品を合せてよく
手にて揉合せ少ししめり出る時に布をしめし
一瓶の内に敷随分よく蒸杵臼にて右やはらかに
成たるほどつき椿の実ほどにまるめ上下植の葉
二枚にはさみてよし口中にてきゆるごとくにて
味ひ至つて上品なるものなり
○遠山餅
一上縮を付け求肥を皮にして米饅頭の形に拵へ
一氷おろしに挽茶を加へ青色になして鶯餅の
やうに粉をつけるなり又馬羽玉はくさがの形に製
して白きは氷おろしばかりつけるなり赤きは紅
に和してる氷おろしをつける練方は相托の条下に
悉しくしるすべし
〇五色羽二重餅
一白玉餅の粉を水にてこねよく交て。薄くのばし
一上あんをつゝみ並篭に布をしき並べて蒸あけ
葛の粉を取粉にしてとるなり黄色は山梔子にて
一うこんにてもねりすみ青粉紅いづれも生粉を
ゆるめる時に水に色を合せてこねるなり色物は
一蒸篭にかけて蒸うちに色化てもつとも加減物
なり度々手がけざれは其ほどは知れがたし餡と
ても小倉白あん形も何れにも出来るなり至つと
三品にて味ひよきものなり
○小倉野
一大納言の赤小豆一升をよく煮物なるだけ丸粒の
くづれぬやうに扱ひ右の分量に唐中三色砂糖
せんししつめ
一十五目を入外に丸粒のまゝ煮おきたる
おきたるなり
あづきを入てゆるやかにかきまわし暫く煮つく
一又火をおろして漬置なりそれより冷たる時筏計
へあけおき砂糖のゆるみ垂たる時に求肥を少く切て
上餡にてくるみ一寸四方位にまるめ兼て煮あげたる
一丸粒の大納言赤小豆を上へ一側つけて杜丹餅の如
くに製するなり
○若菜餅
一蜀黍の粉一升一蕨の粉弐合
一白砂糖拾匁
一右三味よくこねよく〳〵蒸しよきほどにちぎりて
一青苔を火とり細かにして筏にかけよくふりかけて
用ゆへし
すゝひやうかん
○七羊羹
あづきこしこ
一小豆漉粉百目一上葛粉廿目
一うどん粉廿目一白砂糖弐百目
見合
一水
一水五合
一塩見合
右を煎じ塵と砂を漉右の四味を引鉢にて揉
満園春色
照人衣潤
一合せ右の並砂糖少し飛入れもみ合せ外に水二合
入れ右の水合にて七合をよくかきまぜ甑のうへに
一四角なる箱にさし底のなき管を置木綿の敷布
一にひたしかくの内へ敷尤蒸釜の上にかけ置右の
やうかんを流し入れ随分かたまる迄つよく火を焼
て蒸なりよく蒸りたればふたを上るなり其時
暫くさまし金杓子をぬらして菓子椀によそひ
一出すべし尤寒気の節などことに茶菓子の
あしらひによろし
○羊羹
一上の通りに拵へ葛三匁引うどん粉五匁引水
八合にして其外右に同ししかしつめたく成
までさましてよろし
○撮羊羹
一餡百目一うどん粉拾匁
一蕨粉拾匁一蕨粉拾匁
一右三品をねり合せ蒸せは上巣立たるやうに
成時挽鉢にてこね合せよくさまして布に包み
形を作るなり
○冬の梅
一粳米粉七合一餅米の粉
右をよくこね交し臼にてつき皮うすくして餡を
つゝみ山の芋を紙に包み焼皮を去り金水裏にて
色白しすいのう
いも
一漉上の衣にかけるなり形は丸にして
にてこしたるいも
かければゆきのふり
しきたる如くにてよし
○求肥飴
一葛の粉百目一蕨の粉五拾目
一餅米の粉五合一太白砂糖七百目
一右葛と蕨とに水五合入れときいづれも水嚢にて
一漉炭火よき加減になし煉中ほどにて溜糖四百五十
一目入れ始めより煉上るまで手を引べからず火加減
第一なり過不及なきやうに中を得べし扨よき
ほどにねりつまりたる時箱にうどん粉を敷流し
て二日ばかりさましおきて切るなり
○麻地飴
〇一右求肥をぬれふきんにて粉気のなきやうにふき
一胡麻を炒て付るなり
〇南京飴
一右同やうにして青の大豆の粉を付かなりいづれも
外に子細なきなり
○砂糖蜜製方
皮をさりおろす
一太白砂糖壱貫目一山の芋弐百目
一右よく交せ合せ水四百五拾目をだん〴〵少し宛入て
火にかくるなり砂糖煮立たれば火を引しばしねさ
せおけば垢の分堅まりて上にうき上る時金の網杓子
にてすくひとり又一たきすれば垢のこらず上へうく
なり其垢を取尽し布にて漉し壷の内にたく
わへおくなり
かんさらしこせいほう
〇寒晒粉製方
一粳米を炊て二日に一度飛水を替七日漬置石うす
にて挽糟を漉去りまた桶へ入れ二日ばかり淪さ
せ水を去り麹ぶたに紙をしき上て干かためおく
幾年置たりとも虫づることさらになし
○月羹
一前条にしるしたる製餡を一棹に百五拾目うどん粉
一弐拾五匁蕨粉拾匁右縮にこね合せてよく
一蒸てさまし長芋を蒸て皮を去り太細なきやうに
丸くして羊羹を四角に延し右の芋の中へ巻込み
切て蛇の目のことくに作るなり
○養命経
一寒晒餅の粉五合一葛の粉五拾目
一雪白砂糖五百目
一右砂糖に水三百目入れ煎じて垢を去る粉に水百目
入れよく解て右の砂糖入れ炭火にて煉つめ中
ほどにて溜飩三百八十目入れ煉つめ上りたる時に
黄実拾五匁蓮肉拾五匁荒夜仁弐十目
一山薬廿五匁右四味を細末にして入れ又煉合せ
一求肥のごとく箱へうつしさまし置五六日も過て
右の粉布きんにてふきとりてしめりのある所
砂糖をつけてよきほどに切り風ひかぬやうに箱に
入れおけばいかほど日数たちたりともさかに損する
事なきなり
蒸菓子之部
○玉川
一粉一升三盆白砂糖五合入れ能煉て田
一分ほどにながし上に羊羹を流し羊羹のうちへ
一長芋二分四方ほどに切入れ二時計り蒸べし
右粉の製方は上々粳米をよくつき水にて洗ひ水
すみたれば臼にて挽羽二重にて笑ふべし
砂糖煎じやうは三盆白砂糖壱貫目小水弐升入れ
よく煎じ上へ黒き沫出たれば取捨また水をうち
一白き染出る時も取捨羽二重にて漉右二升の
砂糖を一升に煎じ詰遣ふべし
右羊羹製方は上々小豆漉粉三百目に右煎じ
一砂糖五合をよく揉合せながしかたまりたれば
水少し入るべし
右芋装方上々長芋を皮をよくむき蒸て堅に
ほそく切四角に切るべし
へへいへ
○塩竃
右玉川に製し方同し白地に羊かんを木茸の
やうに仕て入るなり
○不二糸
右玉川におなし下に白を不二の山形になして
よくむし上に羊かんを流して切小口より切るなり
〇牛房流
一牛蒡の中をよくくりて其牛蒡の内へ粉一升
右煎じ砂糖五合入れよくねりて流し惣白に
中に少し茶にて色付るべし
ずいぶん
一右牛房の仕やうは随分ふときごほうは湯せんに
わたつみの
そこにこゝに
にと
まとゐして
すしつかなる
御代をほくな
菜風
一なして丸形にて中をくり又煎じ砂糖にてせんじ
其ごほうを遣ふべし
○定家餅
一右玉川の製方に同し上は黄色中羊羹下
白中のやうかん芋にて三筋入るべし
○春霞
うへきいろなか
一これも玉川と同し製方にて上黄色中もろ
こし色下白三段なり
一右もろこし色仕方は上々阿波小豆口かけをえり
水にて洗ひ鍋に入れ煮上りたれば其まゝ水
一打また煮上りたれば其湯を取よくさまし右
一粉になし米を漬置臼にて挽なり
○陸奥
一右玉川の仕やうにおなじ上黄色次白又黄
又白又黄右白の内へ黒胡麻をちらすべし
○唐紅
一右玉川の仕やうにおなじ上黄下羊羹唐土
かきまぜにながすべし
夕霧
一右玉川におなじ上やうかん中へ白筋入る下
上下やうかん
やうかんなり
前に同し
○伊勢桜
□□□□
一右玉川におなじ尤色は唐土色なり中へ
芋にて桜の形ちを作り真中へ入るなり
○
しんやのつき
○新野月
せいほう
一右玉川の製方におなじ上羊羹下黄色
にして中へ芋にて月を拵へ入るなり
○女郎花
一右玉川の製方に同じ上黄色になし栗を
きざみ入るべし下白蒸なり
一右栗こしらへやう成丈大きなる粟の皮をむき
湯にてゆがき渋皮をむきききざみなすべし
○
○小紫
一右玉川におなじ上黄色にて中白に赤小豆
入れ下羊かんになすなり
一赤小豆の煮やう上々美濃小豆口かけ棒水にて洗ひ
煮すて又煎じ砂糖にて腹きらぬやうに煮遣ふ
べし
○桔梗
一右玉川の仕やうおなじ惣白蒸にして内へ
□□□
一茶色団子にて桔梗花を作り入るなり
一右中へ入る桔梗の仕方は米の粉を湯にてこねて
米粉一升に太白砂糖三百目別に入れ上々の挽茶
を採合せ蒸上てさまし又揉桔梗形に切口をなし
内へ入れるべし堅さは見合にすべし
○褥
一右桔梗に作りやうおなじ扨山の芋を長く
延し庄土団子に巻上に青海苔を付其上を
白にて丸く包み小口より切るなり
一右芋拵へやう上々の山の芋の皮をむきよく蒸て
一竹水嚢こまかきにて漉其いもをまるく延して
つかふなり
○○○
〇唐錦
000
一これも玉川の製方にして上黄色にして下
一やうかん中へ山の芋にて花を作り入るなり
一右花作りやう山の芋を皮をむきて蒸色々と
花に作るべし
○細石
一右玉川におなじ上白にして中やうかん胡桃
を入るなり下黄色なり
○馬芋
○○
一年かん無地におなじ内へくわゐを入るなり
○○
○○
一羊羹前にしるすごとし
○霞の玉
○
一右玉川におなじ黄無地に羊かんにて玉を
作り入るなり右玉やうかん前におなじ
○ふわ餅
一上々山の芋三百目皮をむき大根にておろし
拠盤にてよくすり太白砂糖三百目入てまた
よくすり蒸なり
○山吹
一右ふわ餅におなじ但し黄色なり梔子にて色
一付るなり黄色無地なり
○水山吹
一右に整方かはることなし尤中へ羊かんにて
筋を入るなり
〇早蕨
一右のふわ餅の仕やうにて中へ羊かんにて甲
卯
わらびの形ちを入るなり
○蜜柑餅
一上々の粳米の粉一升を湯にしてくこね梔子にて
一黄に滾また紅にて染紅うこんのやうにな
して中へ餡をつゝみ蜜柑の実のやうにして
筋を付上へ氷おろしをかけ右だんごをうすく延
して実を包み上を箆にて切りむきかけ中の
実を見ゆるやうにするなり
右氷研の仕やう上々角手水砂糖水にてあらひ
干て薬研にておろし遣ふなり
○霜紅梅
一右みかん餅におなじやうになし紅にて随分
一濃く溝内へ縮色上を箆にて五筋付て上へ氷おろ
しをふりかけ霜のやうに見するなり
○木実餅
一右霜紅梅の仕やうにして色五色なり内へ
餡をつゝみきんとん餅におなじ
○橘餅
一右木実餅に仕やうおなじ色黄にして内へ
餡をつゝみ橘の葉にてはさむなり
○大徳寺中純
一右におなしくだんごを拵へ色黄にして内へ
一縮を包み丸くして上に小角豆の粉を付るなり
一右小角豆粉拵やう上くさゝげ一粒づゝえり口かけ
一を去り洗ひて湯に元立し中へ入煮上り次第に
早速上て一粒づゝ皮をむきさて又煮管にて摺て
一羽二重の水嚢にて漉布巾にしぼり少しかわかし
掛るなり
右白縮拵へやう右さゝげの漉粉五百目前砂糖
八合入れよく煮立し右のさゝげの粉を入れて
よく煉るなり
一むらさききんとん
○紫巾紙
一これは求肥を切て中の種にして上縮にて縮ころ
のやうにくるみ其上へ又上餡を裏漉にしてそぼろ
にかけるなり紅あん白あん色々あり何れも右の
通り同じ製方なり
〇本羊羹
一赤小豆漉粉壱目一煎砂糖壱升
一小麦の粉一小麦の粉
右懸砂糖を四合に煎じ詰小麦の粉を入れよく
もみて一時ほど蒸上よくさまし臼にて擣なり
○白本羊羹
さゝげ
一小角豆の漉粉にて右本やうかんと製方おなじ
〇三段羊羹
一右の漉粉にて上に赤中白下黄に作るなり
○煉羊羹
しろあづき
壱合楽縮に
一白小豆
一雪白砂糖八十目
製し置
一氷砂糖弐十目一白かんてん四寸五分
一水壱合
右五味を合せてつよからずぬるからざる火にてゆる
ゆると煮るなり大てい長日なれは一時半短日なれば
二時半ばかり煮るなり鍋の中にて竹の箸にて
文字を書試るに其文字きえさるやうに成たる
時を度として火を取去り塗ものゝ箱にながし
込なりそのまゝ冷しおき一夜を経て十分にし
まるなりこれを極上々の煉羊かんと称るなり又
下品のやうかんは氷砂糖を用ひずまた砂糖の分
量をも減すべし
○薯蕷羹
一氷砂糖四百目一薯蕷四百目
一上々葛弐十目一向角天一本
一総て百合長芋の白餡類は角天も前夜より水に
一浸し置よくあらを出し分量に従ひて水を入れて
一煮とらかし意あたゝめて漉込なり凡て白き物は
一砂糖も気をつけて煮詰よき時分に漉粉を入てから
久しく煉ては色白からず別して薯蕷羹などは
一甘味薄くつ白きを第一とするゆへ煉あがりに角天
を漉込手ばしかくすること専一なり
○紅羊羹
○青羊羊
○山吹羹
○鶯羹
一薯蕷羹の種に火をおろしてから能ほどに紅を
入てよく交煉時ハ紅羊かんとなりまた枕茶を入
れば鶯羹となり山梔子を入れば山吹かんとも成也
其外すみ青粉を加へて青羊羹ともいふ何れも
塗物へながすべし
一たまごかん
○玉子羹
たまご
一氷砂糖五百目一玉子八拾
かんてん
一白角天一本半
右玉子をゆで白みを去りて黄身ばかりになし
篩斗にて裏漉にして砂糖の能煮つまりたる
中へ段々に入れとくと煉まぜおなじく角天を漉
亡これも厚紙の文庫をこしらへ其中へ流すなり
一尤火かげんに心をつくべし玉子はこげ安きもの也
むぎやうかん
○麦羊羹
むぎ
一唐三盆砂糖五百目一麦こかし百八拾目
一白角天一本半
右いづれも砂糖の能煮つまりたるほどを窺ひて
麦こかしを入て煉あげ角天を濾込これも塗物
にながすべし
〇八重成羹
さんぼん
一ヤへなりあづき
一三盆白砂糖九百目一八重成小豆一升
一白角天二本
角天二本に水四合を入て煮崩し意例の如く
一砂糖を煮詰能所へ八重成の漉粉を少しづゝ
入て煉なり尤此八重成は余りねり過ると粘り
強くなるものゆゑほどよく掻まはして角天を濾込
厚紙の文庫へ流す事前のことし
○胡麻羹
一極上黒胡麻六百目一三盆白一貫目
一白角天二本半
一極上の胡麻を水にて能数度洗ひ流し胡麻の
塵をえり除け日に乾して火色にかけてげつと
一煎じ薬研にておろすもあれど油気にしめりて
おりかたき時は雷盆にて少しつゝすり細なる銭
にて裏漉にして皮を去り右分量の砂糖を煮
つめて裏漉の胡麻を入て角天を漉込煉合せて
塗物へ流すなり
〇百合羹
一氷砂糖三百目一百合二百五十目
一白角天一本
一百合も漉粉に成たる目方なりこれも砂糖の
一煮つまりし所へ百合の漉粉を入角天を漉こむ
こと以前の如し外の品とおなしからず余りねり
すごさぬやうにして重箱やうの物へ流すなり
○栗羊羊
さんほん
くりこ
一三盞白五百目一粟粉六百目
一白角天一本半
生栗の在ころなれば皮をむき老くづし裏漉に
して木綿袋に入て絞るゝとさつま芋の如し勝
栗なれば一升五合余も一夜前より水にひたし
一意しぶ皮を去りゆでよく摺つぶして裏漉を
して絞りあげ目方にかけて分量し角天を
漉込までいづれもかはることなしこれとても
少し黄色を加ふべし
群童愛菓之図
一干菓子之部
○唐落雁
一上餅米粉百目一太白砂糖八十目
一煎砂糖廿目
一右粉の製しやうは餅米を一粒づゝ棒て強飯に蒸
よく干上りて一粒づゝはなれるを鍋にて白くいり
一臼にて挽て羽二重にてふるひけふなりさて右の
粉と砂糖に煎じ砂糖を入れよく揉て粉合をまた
よくもみ交種々の形に盛なり色合はいろ〳〵に
つるべし
〇御所落雁
一餅米の干飯を臼にて挽一粒六つ割位になるを択
一鉄鍋にて炒色付ぬやうに炒て氷砂糖水にて
あらひ氷砂糖壱貫目に水二升入れ煎じ絹にて
漉また鍋に入れ右二升を五合に煎じつめてこね
るなりこねやうは右粉一升に煎砂糖二合五勺入れ
棒にてよく砕けぬやうに廻し落雁の形へ盛入るなり
○麦落雁
一三盆白百目一新挽麦粉五拾目
一極上微塵粉十匁
右砂糖の中へ水を少し加へてよく交其中へ麦粉
一を和して後にみぢん粉を入手にてよく揉ませき
度もかへして好みの形に押べし
○白雪糕
一上白の粳米を一粒つゝ棒水のすむほどあらひうす
にて挽羽二重にてふるひ粉百目三盆白八十目
入れまぜ合せ蒸篭に入れ蒸なり
○薬白雪糕
一右同断の製方にして香具は望次第入るべし
蒸篭に入れて蒸べし
松葉
一太白砂糖壱貫目を水八合にて煎じよく〳〵
一垢を取また麦粉壱合百目にかたくこね表裏
に驚粟を付麪棒にて延し厚二分ほどになり
たらば幅一寸二三分に切りまた細に切て松葉の
形になすべし
一右焼やう銅鍋に入れ上にまた金にて蓋を拵へ
上に火を置下に少し火をいけ焼なり
○松松
一太白砂糖壱貫目に水一升五合入れ煎じてよく
一冷し麦上粉壱合百目入れよく煉柳桶に入れ
一冬ならば七日ほど夏ならは三日程弥さし置上に
濁出る時また白砂糖壱貫目入れよくかきませ酒
に流し上に籃栗をふりて上下に火をいけ焼
色付上ていろ〳〵に切用ふるなり
巻絹
一太白砂糖壱目右同様に煎じ麦粉八百目と
一煉て下に火をいけ鉄鍋をかけよく焼て鍋へ胡
桃の油を散右こねたるを題にて丸くのばして
一焼通りたらば中へあるへいたうを巻入るなり
〇玉手箱
一右巻絹の心のやうになして紅を揉込裏表に炒
一粉を付薄く延し四角に切り角よりよせ真中
にて合せるなり形は蒸菓子の末開紅に同じ
○二見浦
一右玉手箱の仕やうにして五色に染色々の貝の
一形になし青は挽茶黄は山梔子赤は紅桃色は
紅薄く白は其まゝなり
○花蕨
一右二見浦に仕やうおなじくして茶色に紅をよせ
細く延し二寸ほどに切り蕨の形にするなり
〇桜玉
一右蕨に仕やうおなじくして白を二ツにわけて一方
一を丸く延し紅に筋を入て幾度も折曲筋十二
三ほど出来たれば又一方をつゝみ細くのばし三
一味線の糸にてよきほどに切用ふるなり
○伊達曲
一右桜玉の仕やうにして筋を拵え二つに折
腹あはせに合せ両面にして図の形にすべし
○軽焼
一上々餅米白擣にしてあらひ寒水に廿日ほど漬
て餅につき太白砂糖入れて又よく接掻餅の
やうになして銅鍋にて松風のやうに焼なり
唐巻
せん
一煎砂糖一升を四合にせんじつめて種をよく治し
一太白砂糖をふりかけるなり赤は紅にてつる也
○卯の花
一氷おろし百目一はせ壱升
一極上粉拾匁
右氷おろしへ水少々入てみぢん粉を合せて能
一揉交後にてはぜを入器ともに動かしてかるく
かきまぜかくに入ておすなり切形は好みに仕すへし
○落葉焼
一三盆白砂糖百目一小麦御膳粉八拾目
一鶏卵十
玉子を黄みともに入て小麦粉に砂糖を合せ水
少々入てほどよく合せて赤がねの平鍋に胡麻の
油を引匕にて少しづゝたらして金籠にて返す
べしふくれあがる時を度として取なりこがさぬ
やうにすべし
○水の月
一最中の月のやうなる餅の焼種に製し着たる
一氷砂糖をまた少々煮つめて少さき雨毛にて
一両面へ引あらき氷おろしを汗かぬ中につけるなり
○寒紅梅
図の如き梅の形の焼種の中へ上縮を入れ活
たる布巾を広げて其上へ置て食せ氷砂糖を
又々煮つめて火をおろして紅を入よく交合せて
はけにて其上に引極あらき氷おろしをつけて
並べてかはかすなり
○笹の友
一煉羊羹を細ひき松葉形にして紙の上へならべて
一乾し置氷砂糖の煮つめたるをさまし鉢に入て
一摺ばだん〴〵に白くなるなりそれを外の鍋に取分
遠火にかけて箸にてかきまはしゐるうちに白酒
のやうになるなりそれを右わから立たる松葉羊
かんを入てまんべんなくつけて箸を四五本づゝ並へて
其上に置しばらくの中にかわくなり
茶かご
参夕
はなの香
うつる
みやこそ
二十五丁子子
○村時雨
一金玉糖を薄く切て煮詰たる氷砂糖の中へ入て
一目篭へあけて砂糖のたれたる時分に極細かなる
氷おろしをふるひかけて簀の上へ並べて一両日おく
なり氷おろしが金玉糖へしみて堅くなるをよしとす
○玉鬼
一求肥の種を煉直して中へ上縮を入少さく丸め置
氷砂糖を煮つめてよく摺て白くなりたるを外の
鍋へ取わけ遠火にかけてやわうかに成たる時丸め
たる求肥を入箸にて掻廻し塗物の上へ一つつゝ
取あけてかわかすなり
○小倉山
一金玉糖を□此ことく少さく切て煉羊羹をうすく切
角違ひに包み指さきにてつよく押て
氷おろしへまぶして紙の上へ並べて一両日乾すべし
○蟻通
一かるめいらを少く辟き置煮つめたる氷砂糖を摺
白くなし鍋へ取わけて遠火にかけて煮とうし
其中へねりすみを少し加へて黄色にしこれを衣に
一かけて塗物の上へとりてかわかすこと前におなし
○霜柱
一餅焼種の此ことき物ありその種に
白く摺たる砂糖を衣にかけて箸にてはさみ極
あらき氷おろしをつけてしばらく乾すべし
○求肥飴
一粳米粉一升に水一升入れよく煉交鍋へ入炭火にて
半日ばかり煉て煎砂糖一升二合入よく煉交て
水に入れ擣立の餅のことくやはらかに成たる時箱か
おしきの内へ葛粉敷て其中へ流し二日ほど
さまして色々に切るなり右粉拵へやうは上々餅米
の水すみきる迄あらひ臼にて挽羽二重筏にする也
砂糖煎やうは三盆白を壱貫目に水一升入れ煎し
上に濁出るを取捨又白沫出るをも取捨絹にて漉
一右の砂糖また鍋へ入て一升を七合に煎じ詰て
用ふるなり
○鮓終経
右水肥飴の仕やうにして少しかたくなし内宿
を包みて大一文餅ほどになし炒粉にて漬る也
炒粉の仕やうは餅米干飯臼にて挽炒鍋にて色
付ざるほどに炒て大さは丸子ほどにするなり
一端は蜜柑漬をよく水嚢にて摺潰し内に包むべし
○益寿糖
一粳米粉一合一三盆江砂糖六十目
一汁飴五拾目一桂辛三分
一合五勺
一胡椒三分一水一合五勺
一右六味をよく交せ合せとろ〳〵火にてゆる〳〵手
をやすめ攪ぜ煮るなり長日なれば一時半短日なれば
二時半はかり煮つめるなり
右の通りよく煮たるものを別に盆にとり粉を
敷置き其上にとろりと流し込なり一夜を経
れば自然と出来上るなり
○浅茅飴
一求肥の熱方におなじ求犯のことく切り白胡麻炒
て一粒づゝ将付ていろ〳〵に切用ふるなり
○源氏紅梅
一右の鮓饅頭の製方に同し其上に紅砂糖を
一付るなり大さは何ほどにてもよきにすべし尤
一縮に清あんを包むなり清縮は小豆漉粉三百目
右砂糖四合をよく煮立し内へ入煉なり
○遊楽玉
一右源氏紅梅の仕やうにして内へ縮を包み上に暴
一花をくだき付るなり餡の製方上々青大豆炒て
一臼にて挽羅合にて漉て粉を取其粉一升に煎じ
砂糖三合入れよく煉て包むなり
○錦浜
一右求肥の製方にし煉りし中へ肉桂白檀等分に
一入れ煉やう求肥ほどになしさめたればいろ〳〵に
切り上に紅砂糖を付るなり
一右紅砂糖拵やうは三盆白砂糖に紅を鉢へ塗て
一白砂糖を中へ入れよく交ぜて色付打あけて焙
一炉にかけつかふべし
○三季糖
一右源氏紅梅の仕やうになして上に黄赤青三色
に付るくるべし
○金絲飴
一上餅米壱斗一麦もやし八合
一湯
一壱斗五升
湯のわきかけん
手引かけん
先餅米を蒸し冷ざる内に麦もやしと一緒に告し
湯の中にてかき交ぜ桶を藁むしろにてよく包み
一此中へ入れ蓋を能し三時ほとねさせおくなり但し
かげんは手にてにぎり絞りこゝろみるに水ぬけて
一跡の餅米のがらをはら〳〵と乾くを度とさだめ其
まゝ布の袋にしぼりしばらく又休ませ置なり秋
一時枯礬弐匁入るなり右粕をさりし水を砂ごしに
するなり其漉たる水を釜に入て煮つめるなり但
一煮かげんは貝杓子にて汲み薄紙の如くになりて残
一日位を煮かげんと定むるなり其時急に火を去り
一別箸にうつし入冷し貯へおくなり
葛粽
一上々葛粉五合に水三合入れ砂糖八十目入れて
一よく煉と粉形になし笹葉に巻なり
○小倉飴
一上々粉三百目に右の煎じ砂糖四合入れよく煉て
一蒸一時ほどむして上よくさまし粽の形にして無葉
に巻たり
一右漉粉こしらへやう上々小豆煮て服切れるまへに
上々右の通りに合せむすなり
〇五色粽
一右上の本やうかんの仕やうにして色を五色にそめて
一数形になし巻べし
○錦蝶
一右五色様の仕やうになし五色を一本によせて巻
なり
○御所数
一上々白米を臼にて挽て羽二重にて漉煮湯にてこね
一鯰形になして葉に巻ゆでるなり
○沙漬糕
一豆の粉壱升一汁飴百目
一白砂糖百五十目一青粉見斗
右先汁飴を銅鍋にてよく煮てよくとけたる
一時其侭豆の粉を入れよく掻交其上へ砂糖を入れ
よくかきまぜ十分に煉り合し細長く棒の如くに
煉り上三本の竹をもつてはさみ沙漬のかたちに
仕上るなり
○生姜糖
一煎じ詰たる氷砂糖を二合ほど洞鍋へ取分又々
一煮返し暫くして火をおろし少き摺小木やうの
一棒にて鍋のまゝにて摺守りよく白くなりたる時
なま生姜の皮をむきて山葵おろしにて摺醤
し地合よき木めん布巾にてほどよく漉込一寸
火にかけてかきまはして美濃紙を敷て其上へ
ながすなり
○胡椒糖
一生姜糖の如くにして胡椒の極細末を入れて久
しく火にかけずしてよくまぜ合たらば直におろす
一べし生姜糖にも細末をつかふもよし
○青物砂糖漬方
一凡て青物類を砂糖漬の仕やうは其漬んとおもふ
一青物を心任せに切きざみあるひは細く切あるひは
一輪切など其物に応じてそれ〳〵に切きざみこれを
よく〳〵湯煮にするなり湯煮の仕やうは大てい何
一にても煮へ過たる方をよしとす扨其湯煮したる
ものをいかきにとりあげ大抵に水気をしぼり湯に
一入れ其青物のかさほど白砂糖を入れ水を五六滴
ほど入れよくかきまぜ武火にて漸々に煮つめる
なり煮る間は暫も手を止めず攪ぜ居るなり段々
一煮へつまりたるを見て其砂糖をつぶし試るに能
ねばり糸を引やうになりたるところ則これ砂糖一
一十分に煮へ熟したるなり其時鍋の底にたまり
ある水気を別の簾へしたみつくし其上また別
に砂糖を多分に投じ入れば後は文火にてそろ〳〵と
一煮るなり水気さつはり乾きてから〳〵となる位に
なりたるを度として別策へ取入れ三盆白砂糖を
宇治山の
梶岡
木のめの
かぜのおとの
かをり
まつ
きこえぬ宿も
なまかな
ふりかけよくまぶし貯へおくなり一切の青物の青物の
漬やうみな斯のごとくするなり
古今
名菓秘録初編畢
新製
○菓子書板行所
全一冊
○御前菓子秘伝抄全一冊
○御前菓子図式全二冊
未刻
○同後集未刻
未刻
○和漢館史
○
古今
菓子大全全二冊
新製
○鼎左秘録新刻全一冊
○鼎左秘録
○
古今
新製
○同
名菓秘録
初篇
新板
全一冊
二編大新板全一冊
文久二壬戌年秋新刻
江戸日本橋壱丁目須原屋茂兵衛
同二丁目山城屋佐兵衛
大阪心斎橋南一丁目敦賀屋九兵衛
同博労町河内屋茂兵衛
書林
同安土町河内屋和助
同北文宝寺町敦賀屋彦七
勢州津篠田伊十郎
京寺町通四傘ル近江屋佐太郎板
同五条通高倉東入菱屋友七郎元
□□□□□□□□
7550
佛書儒書和歌俳書詩集
字引節用并三諸宗御経類品々
皇都書林
五條橋通高倉東え入
一澤田文栄堂
菱屋友七郎版
文久二壬戌年秋新刻
江戸日本橋壱丁目須原屋茂兵衛
同二丁目山城屋佐兵衛
大阪心斎橋南一丁目敦賀屋九兵衛
発行
同博労町河内屋茂兵衛
書林
同安土町河内屋和助
同北文宝寺町敦賀屋彦七
勢州津篠田伊十郎
京寺町通四久下ル近江屋佐太郎板
同五条通高倉東入菱屋友七郎元
□□□□□□□□
7550
仏書儒書和所
字引節用差書
白王都書林
古今
新製
二編
全
名茶秘録二編全
○
二十一日
清談楼主人輯
□□□□□□□□
古今
新装
石栄秘録
二編
一全
平安二書房梓
あるから
□□
{
辛まをにくみ甘きをたむ
はなべての状態なれなら
菜
狩野氏図書記
子をこのまぬ人やはある況と
や美菜を固げらん此春既
せんへん
に前編ありて暮ねく製果を
挙たれど此編さらに新製
多し其をよく読味ひてよく
製しよく味ひみば此一巻や
万舌に鼓えたせむ
清木庵録
引て流
十一月
清風明月
万花又
僊菴書画図
古今
新製
名菓秘録二編目録
一草求肥一極製巻精求肥
一鳥羽玉一百合餡
一長芋縮一白餡
むしやうかんなには見
一蒸羊羹一雑波羹
一久年母羹一薄曇羹
一琉球羹一金玉羹
一柑玉糖一二番金糸綿
一水菓子花餅一軽めゐら
一知偶飴一金米粧
一煎榧一砂糖榧
一丸ほうる一阿古田
一三喜餅一練餅
一一芋巻一豆飴
一主売一献の焼
一寄見川一阿古屋
一白富士一白糸
一丸々一外良餅
二つ月
一柿入外良餅一付粉餅一
一唐土鉾一砂糖餅
一錦衣餅一焼餅一
一葉粉餅一美柑餅
一棗餅一草餅
一不破餅一柏葉餅
一強餅一硯団子
一一鶏卵一粽
一内裏様一朝比奈様
一竹流一葉の緑
一こひたゝき一茶巾つみ
一紅餅一青米餅
一尾張餅一景勝餅
一山枡餅の方一宗休餅
一利餅一山の芋餅
一今朝稲餅一はんの製方
一伽板一麩餅
一紀禄煎餅一求肥餅
一ぼうろ製方一唐飴の製方一唐飴の製方
一唐人紅の製方一汁飴の製方
一白飴の方一柘榴餅の製
一副蛮餅一更紗糖
美焚礼粗一真盛豆製方
一生姜漬一天門冬
一仏手柑一松のみどり
一金柑一粒子
一遺根一竹の子
一胡瓜冬瓜
ごはごはごぼく
一西瓜一の湯
一西瓜一分湯
にんじんゆらね
一人参一百合根
一空豆一麦門冬
六字と一豆腐
一松茸一地飴
一輪一香焼
一炭形一万葉
一雪花一京名物
第三
一竜田流一更紗形
一花筏一日の出
一宇治橋一浪千鳥
せんめんだんせん
一面一団扇
色を久
□□□□□□□
しげり
あふ
ひんかし山
あふ
のとけさ
折々の
てしき
祗園
四条一
一わたな
此
同断
御きる
○丸
條新大橋
に山図
東峰駕
三條橋
□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□
凡例
一六書前編にもれたるを
流行の新がた将諸漬物等の新工合を許多
挙裁せり
奇しく童蒙婦女子がたにはやくわかり
やにきを旨とするものから詞は成丈通俗言を
用ふなり
一猶此編はくれたるはた新製等月日に出来る
もの故そは次々小物してん
三ノ九例
古今
新撰
名菓秘伝わ
○草求肥
青森楼主久編
洛陽清校楼主人編
清校楼主人編
市村本主人
須野亭吉氏藩蔵画
おきしろきとう
一同玉粉四百目一雪白砂糖六百五十目
上水飴二百目一餅草見斗ひ
右の分量の白玉粉を銅鍋に入水壱升五合程を
加へ七輪の火かげんをよくして掻廻しながらゆる
いると煮つめるなり水三升を煎に分置て段々
一煮つとり堅まる時にも一合位つゝ水をさして凡そ
三時ばかり煉つめてゝ六百五十目の砂糖を入て
又煉ことやゝ久しくして泣堅く成たるけに二百目の
一水飴を入て又煉つめること彼是一日ほどなり煉れば
ねるほど腰つよくなくて出来方至てよろし餅草
一の葉ばかりをえらみ茹てあくをよく出し置堅く
ゑぼり割て雷盆にて摺て煉あげに入て葛を
割たる氷おろしにてとるなり餅草のにほひ有て
なり
風味よ
○極製尺精求肥
一白玉粉四一目一氷砂糖八百五十目
一極上水介百五十目
右煉やうは前の求肥の如くにして煉なり出来
あがりて紅白の二つにわけて紅を入たる鍋は火を
おろしてねるなりこれ秘伝なり紅を入てから火に
かくれば紅のいろよろしからず心得て煉るべし切
溜り重箱の類へとりて冷し一夜置てかたまりて
かり氷おろしのとり粉にてとりて切るへし
○烏羽玉
一これは求肥飴の出来たての和らかきうちに別に
一餡をほどよく丸め置て包み氷おろしを付て所也
○百合餡
一これは白きを第一とするゆゑ砂糖類極吟味を遂て
一製すべし庄三盆又は氷砂糖ともに煎じ方に念を
入べし前にしるすことく百合の目方をかけ分て
其目方と等分に砂糖を入て火かげん第一に気を付
て煉つしけり
○長芋
一これは百合と同断にて白きを第一とするゆゑやは
り砂糖よし丈吟味をなして目かたを懸わけ砂糖
一を等分に入て火かけん第一に気をつけて煉つ
見へきなり
○白縮
さんぼんしか
一白大角豆四百目一三盆白六百目
右煎じ置たる砂糖を銅鍋に入遠火にかけて
に大角豆の漉粉を少しづゝ入てゆるやかに煉さ
なり又紅あんには右の白あんの鍋をおろして暫
くして分量して紅を入て火にかけずしてねるなり
紅を入て火にかくれば忽ちこげて色黒くなる也
もつともたび〳〵
一尤度々手がけざればよしあし知れがたしよく
心得て製すへし
むしやうかん
○蒸羊羹
ゆきしろさとう
一赤小豆壱升一雪白砂糖八百目
一小麦御膳粉七十目一上之葛廿目
右多々
右多江門の割合をもつて砂糖を煮つめて
其中へ煮あげたる小豆を濾粉を少しづゝいれて
よく煉あはせ火をおろして分量の小麦の粉葛
ともにかゝぞにしてよくねりて蒸篭の中へ布
を敷て入上を平にして一時ほど蒸なり若上の
一方に泡立ことあらば薄き板のやうなる物をこしらへ
置それにてかきおとして又少し入べし蒸上り
て箱のふたやうなる物へあげ布のとりてさまし
てから棹に切るなり
○難波羊
あづさ
さんほんしろはとう
一赤小豆壱升一三盃白砂糖六百目
一白角天
一白角天二本
一石製する時の分量に従ひ先雪三盆を煮治
置てよろしき所へ小豆の漉粉を段々に入てねる
なり其以前より白角天二本をぬる湯に漬置
しぼりて銅鍋へ水五合ほど入て角天を煮崩し
毛水のうにて餡の中へ漉込みよくかきまぜてほど
一和らかめにして切溜へ流し一夜さませばよくかたま
るなる
○久年廿巻
諸
名
菜
器
之
図
菅原・
一氷砂糖五百目一久年母三拾
一白爾天
きんきよくとう
右三味を金玉糖に同じく氷砂糖を煎じ詰て
とくと煮つまりたる所へ其以前より久年母の
皮をむき中の種を取袋を去りて正実ばかりを
段々に砂糖の中へ入て暫く煮つめ角天を漉込
一煉あげて塗物へ流すなり
すくもりかん
うすくもりかん
薄曇羹
これしくやうかん
一是は白羊羹の種の中へ小倉のにする大納言
一小豆の丸粒を取わけ砂糖を垂し置分量よき
一ほどにけやうかんの種の中へ入て煉交て飢へ流
一すなり一夜もさまし置堅まりて切時は切口に
丸粒の小豆出て鹿の子の如く至つて雅品にして
風味も又殊に奇妙なり
○琉球美
さつまいも
一三分一白砂糖五百目一薩摩芋六百目
一白角天一本半
一極上のさつま芋をゑらびあと先を去り中斗を
一皮をむきて煮くづし銭斗にて裏漉にして
一水に掻立木綿袋に入て締木にかけて絞ること
一赤小豆の仕やうにかはることなし例の如く砂糖を
一煮詰て能所へ漉粉分量のさつま芋を入て角
一天を漉込こと同断なり尤厚紙の文庫を拵へて
一流すなり芋の色のみにては黄色薄し少々色を付る也
○金玉糖
しつかんてん
一三盆白介強八百五十目一白角天二本半
これも先砂糖を煎じ詰て角天を右の通りに
一煮くつし置砂糖のほどよくつまりたる所へ水裏
にて角天を漉込て能かきまわして塗物の器に
流してさますべし
○柑玉糖
一氷砂糖五百目一撰蜜柑五十目
一白角天
極上紀伊国蜜柑五十斗尤すれあたり等のなき
物をゑらみ置数五十程皮をむき種袋を去て中
一の実ばかりを取分置例のことく砂とうのよく煮
つまりたる所へ正実のみかんを入て暫く煮つめ。
角天を濾込前條のやうにしてこれも壁ものへ
流すへし
此柑玉糖はいかほど日数を経ても味ひ更に替る
一事なし旅中の用意遠路の音物等には極て
佳品なり
にばんきんしあめ
〇二番金絲飴
一一番の粉に水をひた〳〵に入れ半時ばかりねさして
袋に入れ再びしぼり煮詰るなり夏は水冬は水冬は水冬は
人はだの湯なり
○和菓子花餅
一葛の粉壱升一こどん粉三合
一右二品よく交せ合し紅色には紅を入れ青色には
一ひき茶を入れ黄色には山梔子の汁を入れかたく
こね花形色々に作りよく〳〵蒸し冷し物の鉢に
水を入れつけて出す但し小血何にても極上の白
一砂糖を入れ其上に網杓子にてすくひ盛るべし
○軽めゐら
一上々白砂糖一通あらひ砂とう壱升に玉子を三ツ
一割白みばかりを入もみ付水弐升入煎じ絹にて
一漉其後せんじつめさじにかけて水にひやし薄く
のばしはり〳〵とおれる時謁を火の上よりおろし
一間もなくすれば泡立上る時上より絹をかけいきを
とめればかる石の如く成りたるを少間置鍋の
中にていろ〳〵に切るなり
○知偶飴
一上々氷砂糖一通あらひ捨さとう壱升に水二升入
一砂糖のとけし時せんじ絹にて漉其後煎じつめ
一匕にて十こしすくひ水にひやしうすく延しはり
はりと折る時平かね鍋に胡枕の油をぬり其中へ
うつし鍋こしに水にひやし手に付ざぬほどに
一さまし其後成丈引のばし〳〵すれば色白く
成たるをちいさく切りいろ〳〵に造るなり
〇金米糖
一氷砂糖水にて一度あらひ捨さとう壱升に水二升
入せんじ次にて漉其後一升を五合に煎じつめ
又別に捨銀なべにけしを入れ下火を少し置右の
一砂糖少しづゝさじにてかけまわしかたまらぬ内
一茶せんにてかき廻し次第に幾度も掻まわし
ぬれば大きくいちごのやうになるなり但し五色に
するには青は青花にて後黄色は山狐子赤は堅
一紅白は其侭黒ははい炭をもつてつるなり
○煎極
一上々の榧をあら皮をよくむき去り其侭湯に少し
つけすこし砂やうじのことくなる細き竹にて
渋皮をとるなり
○問粧榧
一右の趣かや平き銅なべに入下火を置いろを付る
一迄いり其後金米糖のことく氷さとうのせんじ
たるをいくたびもかけるなり
○丸ぼうる
一小麦粉壱升一白砂糖二合
一右を水にて能こねやはらかにもみこどんのことく
延しちかき丸きかねに東のやうにまわるやうに
なしそわに物をつけそのかねを持て形色々に
切りかね鍋へ入かねのふたをなし上下に火を置
て焼なり但し下の火上の火よりつよくおきて
よろし
○阿古田
一粳米粉壱升一太白砂糖三合
右を湯にてこね形ちは色々に作り中へむき桃
胡を胡底砒糖を包み南のはしにやうしの如く
細き竹にてあなをあけ其まゝ胡麻の油にて
あぐるなり
〇二喜餅
一粳米の粉壱升一氷砂糖三十目
一右二品に水すこし入もみ合を壱尺四方の箱に
内に十文字にしきりをして高五寸になし箱の
内に長横ともに三分ほどづゝ間を置のこぎり目
を付右の粉を入れ箱の内にて右の鋸目の通り
一を薄板のやうなるかねにて切めを付箱ともに蒸
一夜置上出してほすなり
芦町
まつ風を
かなへに
ふかせ
かくほつきにみとりの
なみを立るやま人
○鯨餅
一粳米の上粉壱升一氷おろし弐合
一右を湯にてこねあつさ壱寸五分ばかり小羊羹
のごとくなる箱の内にてのばし上のくろみには
一餡壱升に葛の粉弐合入れあつき四分ほどにのし
そへこしきにし蒸二時ばかり冷し形は色々とよま
ほどになすべし
○芋巻
一粳米のよ粉壱升一氷おろし弐合
一右湯にてこね巾四寸に長さ壱尺ほどにのばし
山の芋を丸くく壱尺ほどにこしらへ胡枕少し
餡を五勺ほど芋のまはりに置まきこめ蒸し
一時ほどの間置なりさて色々に切て用ふなり
○豆飴
一白大豆を一粒つゝゑりて鍋にて燃上け皮を去り
木うすにてはたき絹ふるひにかけ汁飴をもつて
こね洲侯形にするなり
○玄嶺
一小麦の粉壱升に白砂糖三合五勺入れむき胡
一椀をきぎみ五勺ほど黒胡麻を炒て五勺ほど
入れたまりと水と等分にしてよくこね平きかね
鍋に胡桃の油をぬり裏表より焼すこし冷し
いろ〳〵に切り用ふるなり
○麩の焼
一小麦を水にてゆるくこねちいさき平かね鍋に胡桃の
油をぬり少しづゝ入薄くひろげ焼てむき胡桃を
きざみ山椒味噌白砂糖けしを中へ巻込るなり
○寄見川
一一粳米の上粉を湯にてこねいろは黄白と二色にす
るなり黄は山梔子をもつてす湯にてこねる
一時そむるなりさて太白砂糖をかけて用ふる
なり味ひよろし
○阿古屋
一右同断にして但し蒸あぐる間上に餡を付る也
形はいかやうとも少さきこふしの貝の形りに
して用ふるなり
○白富士
一右あこやに仕やう同し但し長さ一寸五分にして
一中を少しねぢ蒸すなりさて其蒸んとする時
一餅米を一時半ほど水にひやしつぶ〴〵米を取
付蒸すなり
○白糸
一右あこやにおなじ長さ弐寸ほどにして中を少し
ねぢ蒸すなり
○丸々
一右白原におなし但し形りんごほどにして
む
蒸すなり
○外良餅
一右よりみ川の如く上白米を粉にして少し水を
こらしかため一時半ほど間をおけばかたまりをふり
一ほどき粉壱升に氷さとうの粉二合入よくまぜ
一合こまかなるとをしにて押へは干飯の如くなるを
箱に高さ五六分ほどにして其箱の内へふるひ入
一漉きにて蒸なり形は菱になりとも又四角になり
ともよろしきやうに切て用ふべし
○柿入ういらう餅
一右のういらう餅の製に同じく箱の内へふるひ入
る時半ぶんふるひ入上々のつるし柿の上皮を去
り中の和らかなる所うすくへぎ一通ならべまた
一其上へふるひかけ蒸なり切やうは外良餅と同じ
○付粉餅
一唐干餅米一粒づゝゑり上白にして水にひやし一時
半ほど間を置蒸臼にてつき其後少さく切中へ
一餡をつゝみ鍋にて焼なり
〇唐土餅
一たうきびを一粒づゝゑり上皮を去り中のしんを一
一粉にして絹ぶるひにてふるひ粉壱升に餅の粉
一壱升入水にてこね蒸て少さく切り中へ縮を包
みきざみを付るなり
○砂糖貝
一右のうづら焼の如く唐干米を餅にしてちいさく切
一中へ餡をつゝみうづら焼の形にして焼ずに上に
きな粉を付るなり
○錦唐餅
一唐干餅米を上白にして一粒つゝゑり粉にして
一絹ふるひにて漉湯にてこねちいさく切り平め
中へ白ざとうを包み丸くして湯をこねせんじ
上にうきたる時丸き盆の上にあげきなこにても
又胡麻炒てなりとも粉にして付るなり
○焼餅
一一粳上白米を一粒つゝゑり粉にして絹ぶるひにかけ
一湯にてこね小豆を能煮塩すこしすりつぶし
右のこねたるをさいさくおし平め中へ小豆を
つゝみ平き鍋へ入て焼なり
○栗粉餅
一粟を炒上皮を去り渋皮を取こまかにきづみ
つもしにて通しあたゝかなる餅に付るなり
○美柑餅
一上白米を粉にして絹ふるひにかけ口なしにてま
一湯にてこね中へ白さとうをつゝみ天林の形に
ふく
煎
憶得松に長嘯シ
罷帰時明月通
秋代
造るなり
○貫餅
一右同断棗の形に作り遂なり色は黄と白と
二色にするなり
○草餅
一よもぎを小筋を取早稲藁のあくにて和らかに
一せんじ水すみぬるほど幾度もあらひ能つき其
後こわ飯を入つき交ぜ餅に丸めるなり
○不破餅
一夜上白米一粒つゝゑり粉にして絹ふるひにかけ
こね蒸て臼にて成丈よく杵用ふるなり
○松葉餅
一これも右におなじく粳米の粉の絹ふるひを湯に
てこね中へあつき能にて塩少し入すりつぶし入
ちいさく鳥子形になし柏の形につゝみ其上を
蒸なり
○強餅
一唐干餅米の上白米を水清切まであらひ一時半
ほどひやし米壱升に小豆を中煮にして一合入
一蒸其後塩み入臼にて能つき壱尺四方高さ
五分ほどの箱に入てのばしかため形ちを
いろ〳〵に切るなり
すゝりたんご
○硯団子
一唐干餅米の粉湯にてこね少さく丸め湯に入
煮る時上へ浮たるをぬる湯の中へうづし小豆を
煮摺つぶしよきかげんにして右の団子を入出
し用ふなり
○鶏卵
一唐干餅米を粉にして湯にてこね少さく切平め
中へ白銀とうにても黒砂糖にても包み長さ
一寸五分ほどにして螺の実の形に作り湯を立
て煮上へ浮く時上るなり汁はたれ味噌がよろし
吸口胡椒山椒いづれもよろし
粉
一夜米の粉を湯にてこね真菰にても笹にても
一よろしき方に能かげんに湯煮しつゝむなり
○内裏様
一一枚の上白米をいかにも細かにはたき大きくつくね
一よく〳〵煮てさて取あげ水をよく去り臼にて
つき返し扨数ほどにとり無の葉にてまきまた
一煮るなりまた粳の上白米水にて何べんもよく
あらひすこしほどはかしはたき絹ふるひにて
ふるひ水にてこね少し堅めにしてすこしづゝ
取平め蒸篭にならべ能蒸てむせ上りたれば
とりあげよくつきて扨つねの粉の形にまるめ
一成丈しめ巻なり巻目ゆるければまきあと付ざる
なり白米壱升に数四五十ほど取るなり
○朝比奈蝶
一上々白餅米を水にて一度。あらひ椿のあくにて
一二時半ほどひやしこしきにて蒸餅にすれば黄色
になるなりそれをつねの蝶の形に仕合菜のしべ
にてつゝみまた上をもしべにて常の如く巻すこし
湯煮にして遣ふなり右のわくの棒へやうは桂の灰
一壱斗を水壱斗五升にてあくの法ほどにたれば
あく壱斗弐升ほどあるなりそれを八升ほどに載
じつめてつかふなり
○竹流
こむぎ
一小麦の粉を五升水にて夏はかたくこね冬は和ら
かにこね柳桶に入れ夏は三日冬は十日ほど置けは
上に泡立湧あがりたる少間を置は右のかけ程
にへるなり其時上にうははりたるを取捨其内へ
ぴささきのあく弐合ほど入て又別に麦の粉五升
白砂糖壱貫目入右の様桶に入交合一夜意厚拭
のあつさほどに延し長さ三寸巾一寸程に切平
一かね鍋に入鍋のふたをして上下の火を置ふくれる
をほどにしてやがてなり但し上の火つよくする
なり右あくの拵へやうはひさゝきの灰五升を水
八斗にてあくの澄までたるれば其にて六斗にな
るなりそれを六升ほどに成迄せんじ詰る也
○藤の緑
一右竹流の製方と同し厚紙の厚さに延し切る
一時に長さ三寸巾三分ほどに切り右の如く焼なり
○こひたゝき
一唐干飯米上白を餅にしてさいさく丸め平め小
一豆をよく煮て塩すこし入て摺つぶし右の餅の
上に少しづゝ載るなり
○茶中つゝみ
一唐干白米を右と同じやうになし餅にして丸く
ちいさく平め中へ餡を包みしやきんにて物を
つゝむ形に作り上下より少し焼なり
○紅餅
一夜上白米を粉にして水にかたくこね其後かたへ
一に氣赤く見事になる迄つき交ぜ壱尺四寸高
さ五分ほどの箱に延し堅め一夜置種々に切て用ゆ
○青米餅
一青来餅いねのもみつめにてひねり見て本愁は
一白水のやうなる水出るなり中うらもみは瓜にたへ
かたまりし時同じ頃のいね計りをこき集め粳
一弐斗に水弐斗鍋に入煮もみかたまりたるを心得
一てよき時ぶんに鍋へ上げ延ろにうすくひろげ晴
莫
茶
茶
之
図
⑤
天に二三時の内日とりやうにすこしにても天気
あしければ青くならざるなり木の臼にて挽て
一焼米に製するなり色青く和らかなり
□□
○尾張餅
一極上々の能餅米をいかにも上口に挽て水にて
よく洗ひ乾かし臼にてばたき絹ふるひにてふる
ひ扨水にてけいらんのこねかげんにかたくこね蒸
一筆に一はいつめ置て中まで能むせたる時常の
一餅挽ことくつくなり其挽かげんは有米粒などを
引のばすやう能のびれはよきかげんなり上下へ
一引延しほそき所を糸にて切なり但し先餅にせし
むと思ひば黄兎は口なしを割み湯にて出し其汁等
にて右の粉をこねるなり青きはよもぎ又九月頃一
は大根の葉もよりからし遣ふなり鍋にて煮て
その青みを右の粉にこね合せて其夜の用意
には昼前に出来て能なり拵立の後成丈冷たる
ほどよろしきなり
〇景勝餅
一葛の粉三升餅米粉壱升胡麻細かにして
一交合せ丸めて豆の粉に砂糖を入上へも掛るなり
○山枡餅の方
一上々太白砂糖壱汁半一赤味噌弐合
右を成丈よくすりて餅米の粉壱升これら成丈
細かにして右三瓦をつぎ合せ蒸篭にうすく置
一成丈よく蒸て又能挽合せ山枡の粉を入かげんは
暖かなる内に用ひ見少し乾きたるを能かげんと
おもふべし
○宗休餅
一粳の米七合餅米三合を粉にしてなまたれ
にてこね次第に入れ蒸べし
○秤餅
一餅科をよく日に乾かし米を杵やうにつき上一
一皮を去り扨餅にいたす時二時ほど水に付け蒸て
餅につくべし
○山の芋餅
一寒晒の餅米をはたきてせいがうにてふるひ山の
芋をおろし摺鉢にてよくすり扨右の餅米粉
十の物は一ツ芋二ツほど入水にてよきかげんにこね
一合せ大き心にまかせ丸め煮るべし湯てかげん餅う
き上りたる時上るなり成丈和らかになる時すいのうて
へあげさて山の芋の粉にしてまぶすべし山の芋
を粉に拵々へやうは蒸冷し米とをしにて摺おろし
粉にして塩よきかげんに入上へ砂糖をよけて用ふる
なり
○今朝稲餅
一防風壱一上砂糖壱斤
一水
一水六合
一右陽風の皮たねともに去り湯でるなり湯て
かぞん箸にて切るほどにゆでるなり扨あげ布
にてしぼりよく〳〵すりくだきすいのうにて摺
つけるなり右のごとくにさとう水を入れ鍋にて
ねり但し炭火にてこげるほどねりぬればかたく
なるなり其後小麦の粉百目に砂糖三十目入
一右の防風ゆでゝ汁にてうどんをこねるかげんに
するなりこれ則縮の棒らへやうなり右の縮を包み
かすてら鍋にて上下に火を置て焼なり
○はんの製方
一先ふるめんといふ物を製すこれはうどん粉一升を
一甘酒にてこね成丈やわらかにこねなにへなりとも
入一夜おけばよくふくれるなり甘酒は常の糀
五合あはせよき程になし少し染立よきかげんの
時すいのうにて漉さてうどん粉壱升に太白砂
一粒六百四十目ふるめんとを入水にてよきかげんに
こねるなり
はん製しやう丸ばんにても平ばんにても好次第
一に作り箱のふたに並べおけば其はんふくれるなり
ふくれやう夏は一時二時の内にふくれるなり冬は
おそくふくれるなり何時にてもふくれたる時に
やくなり風呂作りやうは上方四尺四方ほどにてはん
の出入もよく高き外にて五尺内は三尺ほどにする
なりわきはねりべいの如くに石る又は瓦か割を入
塗立るなり次第に上ほそく塗上の有食の所は
一平石を置其上を細く丸く塗とめるなりその後
一外は二三べん上ぬりをなすべし但しわき土のあ
つさ七八尺斗りぬり立るなり風呂の口壱尺五寸
四方ほどにするなり口の上わき三方は石にてなし
下は敷瓦にかゝるなりそれ三尺廻りの薪二束
ほどたきさて其おきをかき出しわらのはうき
を水にしめし内のごみを能はき出し扨はんを
ならべるなり風呂の口をむしろにてもこもにて
も水によくしめしふさきとつるなり少しの間
口をあけかげんを見大方やけたるころ取出す
一べし生やけなれば又脇にたて置てやき生なる
はんをまたならべ置口をふさぎひたとかげんを
見入るゑ〳〵やくなり其間飯を二度ほど煮上る
間に右の粉壱斗分やけるなり右のはん袋の
出入をする道貝は板にても食髭のごとくにして
一先を丸く五寸四方ほどに仕こしらへ三四尺程
にするなり
○柳板
一山梨子の皮を去り其まゝ水に入れしんまでけづ
りつめを水につけいかにもやわらかにゆで水に
て冷しうすにてつき袋に入れ小豆の縮など
取やうに成丈水を能取すりばちにてすこしづゝ
一成たけ細かにするなり出来上りて後含せやうは
すりたる梨子壱貫目白砂糖八百目右二色甚
入かき合銅なべに入れ炭火にてねりかげんはつき
たての餅かかたきになし板に布を敷其上に
も布をかけ其のちめんほうにておしあつさはその
一好みに任すべしその後日にほし明日下の方を
一上になし布を取また明日右のことくになして
一布を取て乾すべし日数六七日程ほすべし
○麩餅
一うどんの粉壱升白砂糖壱汁上古酒常の盃に
五ツほど右三品をよくつき合せ蒸篭にかけ一時
ほどむしさめて後切て用ゆるなり
○炮禄前餅
一餅米粳米三合右二色ともに能はたきこまかに
ふるひなま米を粉にして目方拾八匁入れまぜ
一合せ水にてこね蒸てつきおじひらめ色々に切
一日にほし能干てほうろくにていり御とうは能
かげんに見合て入るべし
○求肥餅
一うどんの粉七拾五匁一餅米の粉五拾目
一上葛の粉七匁一蕨の粉七匁五分
一太白砂糖半斤一水壱升五合
一右六品を合せ銅鍋に入れ火細くして一日ほど
一由断なくねり能かげんにねりつめ鍋より出し
うどんの粉をふりかけ切るなり又白胡麻をいりて
つけ
付るなり
〇ほうろ製方
一うどんの粉壱升一白砂糖壱斤
一右水すこし入て摺合せうどんのこねかげんに
こねくるまをきりいろのつくほどやくなり
〇唐飴の製方
一太白砂糖壱斤一うどんの粉拾匁
一蕨の粉五匁一上葛の粉五匁
一水干の粉五匁一水壱升
一右炭火にてよきかげんにねりつめるなり
一又餅米壱升たき冷し水五升ほど入れ糀
一壱升入れて冬は一夜置て漉ねるなり
○唐人飴の製方
一上白餅米壱斗飯に焚大麦のもやしの粉九合
一右の食少しさまし粉を入水をひた〳〵に入れて
一あま酒に作り一夜置明日朝あまく成るなり
一其時いかきにあげ成丈よくしぼり其汁を布袋
に入れ少しもかすなきやうに漉さて鍋に入れ煎
ずべし火をほそくなしゆる〳〵とせんじよき
一時分にへらに付見ればうす紙のやうにへらに
一つくなり其時冷し成たけよく引けはよろし
○汁飴の製方
一餅米の上白壱升一麦のもやし五勺
一右餅米を飯にたき麦を成丈こまかきすいのう
にてよくふるひ飯と一所になして扨水をひた〳〵
一に入れ桶にいれ五時ほど置けは冬はふたをなし
て五時ほど置けば水すみきるなり其時かき交
しぼりあげ其水を袋にてこし汁わ〳〵と煮
立て又袋にて清漉になして扨なべに入れ
一能かげんにせんじねりつめるなり
○白飴の方
一氷砂糖五斤を鍋に入れ水ひた〳〵になして
一よく煎じとけたる時分すいのうにて漉又なべに
入れ煎じねばりたる時併の白来八合ひやして
のりをこしらへるやうに能すりて布袋にてし
ぼりて右の砂糖の煎じ汁に入れなべにこげ付ぬ
やうにかきませ成だけ能せんじつめ大形よき
時分にうす絹を水にてぬらしその上に少意は
つき立の餅のことくかたまるなり其時何にても
一平物にうどんの粉を敷其上にうつし冷すなり
さめたる時よきほどに切るなり右砂糖の汁交
れはよろし大べらにてすべし
○柘榴餅の製
一これは大納言小豆をつぶれざるやうによく煮て
一おき又仙代楯をさつと蒸て冷し粉一合に砂
一粧弐拾目入れ小豆と交ぜ合し又寒晒の餅米
一の粉を水にてかたくこねうどんの粉を取粉にし
て平らめ右の餡をつゝみさて布に一つつゝせみ
口をむすひ蒸して布をとるなりもしこれに色
を付るには蒸げる以前に紅または山梔子にて色
登るべし
なんはんもち
〇南蛮餅
一上々の餅米を能蒸し置むき胡枕を粉にして
つき交ぜさとうをよきほど入て少さくちぎり
丸くして青縁豆をよく煮て汁飴にて右の餅
をまふし縁豆をぬり付て出すなり
○更紗糖
さんほんしろ
一三盆白砂糖百目一極上微塵粉六十目
一梅漬の紫蘇の葉を日にほして茎を去細かに
割みこれも砂糖をふるひ水少し入て手にてもみ
かへしてむらなきやうになして押形に入一斤を六枚する
二ノ三十二
長サ六寸
寸
同方
一枚ニ付
廿七匁位
三十六に切る
みそれおこし
○美楚礼姫
一太白砂糖百目一新挽煎粉五拾五匁
一極上微塵粉五匁
これは外の押物よりは水少し余分に加へて能もみ
一合せて形に詰暫くして庖丁目を入れ如炭にかけて
乾すべし
しんせいまめせいほう
○真盛豆製方
一太白砂糖
一黒豆炒一太白砂糖
一うどんの粉
右三品を先白砂糖に水少し入れかきまぜよく
一煮とろ〳〵となりたる所へ炒たる黒豆を入よく
又かきまぜ其上うどんの粉にまぶし銅の平なべ
にてそろ〳〵と遠火にて炒あげよく乾きたる時
又さとう汁につけて取あげうどん粉をまぶし
再びなべに入炒りあくるなり斯すること凡五六度に
て成熟すべし
○生姜漬
すい
しやうが
一随ぶん大なる生姜をゑらみうすく輪ぎり或は
一はすかひに切てよく〳〵湯煮し取あげ清水一升の
一中へ上品の石灰弐合入れかきまぜ此水に二日二夜
ひたし置とり上けふたゝび清水にてよく〳〵洗ひ
ながしてその上前法の如く砂糖にて煮るなり
但し凡て辛味のある物は皆かくのことくすべし
○天門冬生
一天門冬の上品をゑらみよく蒸し皮を去り心を
一祓去りよく蒸りたる時は皮よくむけるなりさく
一よく蒸りたるを竪に刻て中のぬきさりこれを
再びよく湯煮してさて早稲菜の灰汁一升の中
へ枯礬細末壱両入れよくかき交せ此水に三日浸し
とりあげ清水にてあらひ流しにして其上に煎
法のごとく砂糖にて煮つめるなり
凡て苦味のあるものゝ煮損皆斯のごとし
この図のほか何にても
おもひへき心に任せて
つけべし仕法は本文を
みてしるべし
右枯礬のかはりに草撥にてもよしとする也
○仏手柑
一だい〳〵の若きものを輪切にしてこれを仏手柑
と号して漬るなり成丈うすく輪切にしてよ〳〵
満煎になし清水一升の中へ石決明の細末を
一拾匁石灰弐合かきまぜ此水に二昼夜ほど
ひたし置とり出して清水にて流しあらひにして
其上前法のことく砂糖にてよく煎つめるなり
○松のみとり
一春の末松の心に立たるものを取用ゆべしよく
満煮し煮法仏手柑のことくにすべし
○金柑
一小刀にて金かんの所ところへすこしづゝ切目を入
れよく〳〵湯煮して其上前法のことて砂糖にて
煮つめるなり
○茄子
一いたつてちいさなる物を取もちゆべし小刀にて
一所々へ切目を入れよく〳〵湯煮して其上前法の
ごとく砂糖にて煮詰るなり凡て丸なるものは
あるひは大なるもの都て小刀にて切目を入てよく
煮るなり
なんこん
○蓮根
一うすく輪切あるひははすかひに切るなり漬やう凡て
まへ
前とおなじ
○竹の子
一輪ぎりにして前法のごとくすべし
○黄瓜
一いたつてわかきものを輪切になし前法のごとくに
なして漬べし
○朝瓜
かは
一皮をむき去り角にふとく切りて前法のごとくに
なして漬べし
冬瓜
一これも皮をよくむき去り細く角に切りて前法の
ことくなして漬べし
○西瓜
一右におなじ皮をむき去り細く角に切り前法
のごとくすべし
〇牛房
一これも皮をよくむき去りはすに切りて前法の
ごとくなすべし
○人参
一これはうすくたんざくに切て前法のごとくにな
すへし
○百合根
一土をよくさり黒き肌を去りて前法のごとくにな
して漬べし
○空豆
一成丈大粒をゑらぶべしかねて水にひたし置て前
法のごとく漬べし
○麦門冬
一其まゝよくあらひて前法のごとくすべし
〇うど
一これも其儘よく洗ひて前法の通りにすべし
○豆腐
一これはとうふをあつさ三四分位に切り壱つ〳〵
一紙につゝみ木灰の中へ半時ばかり埋みおき
取出しよろしきほどに切りて前法のことく砂糖
にて煮つめるなり
○椎茸
一好み次第にほそく切り水にて能あらひよくしぼり
前法のことく砂糖にて煮つめるなり
○地飴
一大麦をもやしてうすにてつきくたき三斤其まゝ
入るなり右大むぎのもやしやうは水に一夜ひやし
明日日より水をあげ折敷に入て糀などのごとく
あたゝかなるやうになして置けばもえ出るなり粉の
室などへ入ればいよ〳〵よろしく麦の目四分ほども
え出ればもはやよろし餅米上口壱升飯にたき
よくさまして右のもやしとひとつに合せめしの加
げんは常のめしより少しやわらかなるかよろし水
四升五合か五升入右/合て一夜おきて明る日袋に
一入よくしほり出し其汁をせんじつめるなり右合て
一夜おきし時も少しにてもあたゝなるやうになして
置がよろし右の通り多くも少なくもかげん同前
になすなり
○輪
一大唐餅米の上白を一粒づゝゑり餅になしあつ
さ三分ほどにのばしかげほうになしさいもく
一四角にきり砂糖を右の金米糖のごとくせん
じ右の丸きせんじ絹にて漉其後一升を五合に
一せんじつめ又別の平かねなへに入下火を立右の
さとうをすこしつゝさしにてかけさしにてかぎ
まわし次第にいくたひもさしにてかけるなり
○香焼
一小麦の粉一升に白砂糖三合入れ水にてかたく
こねやはらかにもみ板にのせのしはい炭をぬり
まぜうすくほそくきり形はいろ〳〵につくりて
用ふるなり
○炭形
一粳上白米を粉になして絹ふるひにかけ粉一升
一に餅米の粉七合入れませ合せ粉一升に百砂糖
三合五勺入れ上々の味噌たまりと水と等分に
してなべにてあつく煮置その汁を以てかたく
一こね少しもみ平のし中へむきくるみまきこめ飯
きにて蒸平なべにたまりを入れ煮おきその
中へ入れ色付又むし二三度もいろを付蒸かへ
し二時ほど間を置形をいろ〳〵に切り用るなり
万葉
一餅をこまかにさいの目に切てよくほしこけぬやう
によく炒りてあられになすなり
○雪花
一白砂糖壱斤水六合
右あわのこまかになるまでよくせんじさてまた
一よく冷しうどんの粉すこし入れはせをかね
一なべにてはしあけ右のさとうすこしつゝ十へん
ばかりかけるなり
花筏
日の出松竹梅宇治橋浪千鳥
せんめん
だんせん
扇面
團扇
色紙形
一右打物の類は菓子職にも大いに秘する所にして
一口談もあれど其を後篇に不惜著すべし猶又
此外にいろ〳〵当時流行の新形模様あまた出
すべし
古今
名薬秘録畢
新製
文久二年壬戌秋新刻
皇都
書林
堀川通二条下る
越後屋治兵衛
寺町通四条下ル
近江屋佐太郎
五条通高倉東入
菱屋友七郎
○菓子書板行所
○御前菓子秘伝抄全一冊
○御前菓子図式全二冊
後集未刻
○同後集未刻
○同
未刻
○和漢館史未刻
○和漢館史
○
古今
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菓子大全
新製
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○鼎左秘録
○
古今
新製
○同
名菓秘録
初篇
新板
全一冊
二編大新板全一冊
文久二壬戌年秋新刻
江戸日本橋壹丁目須原屋茂兵衛
同二丁目山城屋佐兵衛
大阪心斎橋南一丁目敦賀屋九兵衛
発行
同博労町河内屋茂兵衛
同安土町河内屋和助
書林
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京寺町通四条下ル近江屋佐太郎板
同五条通高倉東入菱屋友七郎元
佛書儒書和歌俳書詩集
字引節用普諸宗御経類品々
皇都書林澤田文栄堂
皇都書林
五條橋通高倉東え入
一澤田文栄堂
菱屋友七郎版